JP2022156494A - 含気泡チョコレート及びその製造方法 - Google Patents

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悠晃 寺井
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Abstract

【課題】本発明の課題は、常温でのホイップ性や作業性に優れ、保形性も良好な含気泡チョコレートを提供することにある。【解決手段】油脂Aを10~50質量%、油脂Bを3~40質量%含有する含気泡チョコレート。ただし、油脂A、油脂Bは下記の油脂であって、油脂Aに対する油脂Bの質量比(油脂B/油脂A)が0.50~3.50であり、そして、油脂Aは特定の非エステル交換ラウリン系油脂であり、油脂Bは特定のランダムエステル交換油脂である。【選択図】なし

Description

本発明は、含気泡チョコレート及びその製造方法に関するものである。
一般にエアインチョコレート、ホイップチョコレート等と言われる含気泡チョコレートは、気泡を含んでいるため、軽い食感や口どけの良さが特徴である。含気泡チョコレートは、軽い食感や口どけの良さから、嗜好性の高いチョコレートとして消費者に好まれている商品の一つである。
含気泡チョコレートの製造方法としては、様々な方法が提案されており、例えば、特定の油脂や特定の乳化剤を配合する等によって起泡性を有するようになったチョコレート自体を直接ホイップする方法(例えば、特許文献1~4)等が挙げられる。これらの方法で得られる含気泡チョコレートはチョコレート自体をホイップしているため、チョコレート風味が豊かなものである。しかしながら、含気泡チョコレートの製造において、チョコレート自体を直接ホイップする場合は、作業性の面において、常温下でホイップできることが重要である。また、ホイップしたチョコレートは、保形性が良いことも重要である。そこで、常温でのホイップ性や作業性に優れ、保形性も良好な含気泡チョコレートが求められていた。
特開平3-201946号公報 国際公開第00/57715号公報 国際公開第2002/76225号公報 特開2004-8114号公報
本発明の課題は、常温でのホイップ性や作業性に優れ、保形性も良好な含気泡チョコレートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、チョコレートに含まれる油脂Aと油脂Bを特定の比率で混ぜ合わせることで、常温でのホイップ性や作業性に優れ、保形性も良好な含気泡チョコレートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、油脂Aを10~50質量%、油脂Bを3~40質量%含有する含気泡チョコレートである。
ただし、油脂A、油脂Bは下記の油脂であって、油脂Aに対する油脂Bの質量比(油脂B/油脂A)が0.50~3.50であり、
油脂Aは下記を満たす非エステル交換ラウリン系油脂、
・構成脂肪酸組成中、ラウリン酸の含有量が40~60質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が1~20質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が10~40質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数18の不飽和脂肪酸の含有量が0.1~10質量%
・上昇融点が30℃~50℃
油脂Bは下記を満たすランダムエステル交換油脂、
・構成脂肪酸組成中、炭素数6~14の飽和脂肪酸の含有量が20~50質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が20~60質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸と炭素数18の不飽和脂肪酸の合計含有量が15~50質量%
本発明の第2の発明は、油脂Aの20~30℃の固体脂含量が5~99%である、第1の発明に記載の含気泡チョコレートである。
本発明の第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の含気泡チョコレートと、菓子又はパンを組み合わせた複合食品である。
本発明の第4の発明は、油脂Aを10~50質量%、油脂Bを3~40質量%含有するチョコレートを20~30℃でホイップすることを特徴とする、含気泡チョコレートの製造方法である。
ただし、油脂A、油脂Bは下記の油脂であって、油脂Aに対する油脂Bの質量比(油脂B/油脂A)が0.50~3.50であり、
油脂Aは下記を満たす非エステル交換ラウリン系油脂、
・構成脂肪酸組成中、ラウリン酸の含有量が40~60質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が1~20質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が10~40質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数18の不飽和脂肪酸の含有量が0.1~10質量%
・上昇融点が30℃~50℃
油脂Bは下記を満たすランダムエステル交換油脂、
・構成脂肪酸組成中、炭素数6~14の飽和脂肪酸の含有量が20~50質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が20~60質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸と炭素数18の不飽和脂肪酸の合計含有量が15~50質量%
本発明の第5の発明は、前記チョコレートを融解させることなくホイップする、第4の発明に記載の含気泡チョコレートの製造方法である。
本発明によると、常温でのホイップ性や作業性に優れ、保形性も良好な含気泡チョコレートを提供することができる。また、この含気泡チョコレートは、複合食品として食した際に、特においしさを感じることができるものである。
本発明においてチョコレートとは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)乃至法規上の規定により限定されるものではなく、食用油脂、糖類を主原料とし、必要によりカカオ成分(カカオマス、ココアパウダー等)、乳製品、香料、乳化剤等を加え、チョコレート製造の工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、調温工程、成形工程、冷却工程等の全部乃至一部)を経て製造されたもののことである。また、本発明におけるチョコレートは、ダークチョコレート、ミルクチョコレートの他に、ホワイトチョコレート、カラーチョコレートも含むものである。
また、本発明においてチョコレートに含まれる油脂とは、チョコレート中の全油脂分のことであり、配合される油脂の他に、含油原料(カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳等)中の油脂(ココアバター、乳脂等)も含むものである。
また、本発明において含気泡チョコレートとは、気泡を含むチョコレートのことである。含気泡チョコレートは、エアインチョコレート、ホイップチョコレートと言うこともある。
本発明の含気泡チョコレートは、油脂Aを10~50質量%、油脂Bを3~40質量%含有する。ただし、油脂A、油脂Bは下記の油脂であって、油脂Aに対する油脂Bの質量比(油脂B/ 油脂A)が0.50~3.50である。
油脂Aは下記を満たす非エステル交換ラウリン系油脂、
・構成脂肪酸組成中、ラウリン酸の含有量が40~60質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が1~20質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が10~40質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数18の不飽和脂肪酸の含有量が0.1~10質量%
・上昇融点が30℃~50℃
油脂Bは下記を満たすランダムエステル交換油脂、
・構成脂肪酸組成中、炭素数6~14の飽和脂肪酸の含有量が20~50質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が20~60質量%
・構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸と炭素数18の不飽和脂肪酸の合計含有量が15~50質量%
本発明の含気泡チョコレートに含有される、前記油脂Aに対する油脂Bの質量比(油脂B/油脂A)は、0.50~3.50であり、好ましくは0.55~3.40であり、より好ましくは0.61~3.30であり、さらに好ましくは0.66~3.20であり、最も好ましくは0.70~3.10である。
本発明の含気泡チョコレートに含有される、前記油脂Aに対する油脂Bの質量比(油脂B/油脂A)が前記範囲であることで、常温でのホイップ性や作業性に優れ、保形性のよい含気泡チョコレートを提供することができる。
本発明の含気泡チョコレートは、油脂Aを10~50質量%、油脂Bを3~40質量%含有し、好ましくは油脂Aを10~40質量%、油脂Bを10~38質量%含有し、より好ましくは油脂Aを10~35質量%、油脂Bを13~35質量%含有する。
本発明の含気泡チョコレートに含まれる油脂Aは、構成脂肪酸組成中、ラウリン酸の含有量が40~60質量%であり、好ましくは40~55質量%であり、より好ましくは42~50質量%である。
本発明の含気泡チョコレートに含まれる油脂Aは、構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が1~20質量%であり、好ましくは1~15質量%であり、より好ましくは3~10質量%である。以下、炭素数6~10の飽和脂肪酸は、C6~10と記載することがある。
本発明の含気泡チョコレートに含まれる油脂Aは、構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が10~40質量%であり、好ましくは20~40質量%であり、より好ましくは25~38質量%である。以下、炭素数16~18の飽和脂肪酸は、C16~18と記載することがある。
本発明の含気泡チョコレートに含まれる油脂Aは、構成脂肪酸組成中、炭素数18の不飽和脂肪酸の含有量が0.1~10質量%であり、好ましくは0.1~5質量%であり、より好ましくは0.1~2質量%である。以下、炭素数18の不飽和脂肪酸は、C18不飽和と記載することがある。
本発明の含気泡チョコレートに含まれる油脂Aは、上昇融点が30℃~50℃であり、好ましくは30℃~48℃であり、より好ましくは32℃~45℃である。
本発明の含気泡チョコレートに含まれる油脂Aの20~30℃の固体脂含量(以下、SFCとする)が好ましくは5~99%であり、より好ましくは30~90%であり、さらに好ましくは35~87%であり、最も好ましくは40~85%である。SFCが前記範囲にあると、チョコレートが、チョコレートを融解させることなく、常温でのホイップ性や作業性に優れたものとなる。また、SFCが前記範囲にあると、ホイップ後の含気泡チョコレートは保形性に問題がないものとなる。
なお、本発明において常温とは、20~30℃のことである。また、本発明において保形性とは、含気泡チョコレートの経時的な形崩れのし難さのことである。
本発明の含気泡チョコレートにおいて、前記油脂Aは、非エステル交換ラウリン系油脂であって、前記構成を満たせば、使用する油脂類に特に制限はなく、複数の油脂を混合した油脂であってもよい。パーム核油及びパーム核油を加工した油脂より選ばれた1種以上の油脂を使用することが、前記構成が容易に調製できるので好ましい。パーム核油を加工した油脂としては、硬化パーム核油、パーム核分別硬化油、及びパーム核分別油等が例示できる。かかる油脂類を使用し、前記構成を満たせば、使用する油脂類に特に制限はなく、他のラウリン系油脂類を使用しても良い。
本発明の含気泡チョコレートに含まれる油脂Bは、構成脂肪酸組成中、炭素数6~14の飽和脂肪酸の含有量が20~50質量%であり、好ましくは23~40質量%であり、より好ましくは25~32質量%である。以下、炭素数6~14の飽和脂肪酸は、C6~14と記載することがある。
本発明の含気泡チョコレートに含まれる油脂Bは、構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が20~60質量%であり、好ましくは25~50質量%であり、より好ましくは28~38質量%である。
本発明の含気泡チョコレートに含まれる油脂Bは、構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸と炭素数18の不飽和脂肪酸の合計含有量が15~50質量%であり、好ましくは25~48質量%であり、より好ましくは35~43質量%である。以下、炭素数6~10の飽和脂肪酸と炭素数18の不飽和脂肪酸の合計含有量は、C6~10+C18不飽和と記載することがある。
本発明の含気泡チョコレートにおいて、前記油脂Bは、ランダムエステル交換油脂であって、前記構成を満たせば、使用する油脂類に特に制限はない。
前記構成が容易に調製できる点で好ましい態様として、ランダムエステル交換の原料油脂が下記油脂成分X及び油脂成分Yを混合してランダムエステル交換したものが挙げられる。
油脂成分X:ヤシ油、パーム核油及びこれらを加工した油脂より選ばれた1種以上の油脂
油脂成分Y:非ラウリン系油脂
油脂成分Xとして使用できる、ヤシ油、パーム核油及びこれらを加工した油脂としては、硬化ヤシ油、パーム核分別硬化油、及びパーム核分別油等が例示できる。前記油脂類を単独若しくは1種以上を混合して使用しても良い。油脂成分Xは、好ましくはパーム核油である。
油脂成分Yとして使用できる、非ラウリン系油脂は、非ラウリン油脂の硬化油、分別油、硬化分別油、分別硬化油や、非ラウリン系油脂のエステル交換油や、非ラウリン系油脂のエステル交換油の加工油脂類も使用することができる。
前記構成が容易に調製できる点でパーム系油脂を使用することが好ましい。パーム系油脂としては、パーム油、パームオレイン、パーム中融点部、パームステアリン等が例示できる。前記油脂類を単独若しくは1種以上を混合して使用しても良い。油脂成分Yは、好ましくはパーム油である。
油脂成分Xと油脂成分Yとの混合比は、油脂成分X:油脂成分Yの混合比で、好ましくは45:55~75:25であり、より好ましくは50:50~70:30であり、さらに好ましくは55:45~65:35である。
ランダムエステル交換の方法は、化学法として、触媒にナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ナトリウム等のアルカリ金属、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いる方法が知られているが、反応温度や反応時間、扱い易さの点からナトリウムメチラートを使用するのが好ましい。また、酵素法として、触媒に油脂分解酵素(リパーゼ)を用いた方法も知られており、いずれで行っても良い。
本発明の含気泡チョコレートにおいては、本発明の効果を阻害しない程度であれば、前記した油脂以外の食用油脂類を含有させてもよい。
本発明の含気泡チョコレートは、油脂の含有量が30~70質量%であり、好ましくは40~65質量%であり、より好ましくは45~63質量%であり、さらに好ましくは50~60質量%である。なお、本発明で油脂とは、チョコレートに含まれる全油脂分のことであり、配合される油脂の他に、含油原料(カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳等)に含まれる油脂(ココアバター、乳脂等)も含む。
油脂のSFCは、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.2.9-2003 固体脂含量(NMR法)」に準じて測定することができる。油脂の融点は、「基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会編)」の「2.2.4.2-1996 融点(上昇融点)」に準じて測定することができる。油脂の構成脂肪酸の分析は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f-96準拠)で測定することができる。
本発明の含気泡チョコレートは、水分含量が好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下である。
本発明の含気泡チョコレートは、好ましくは糖類を含有する。糖類としては、例えば、ショ糖(砂糖、粉糖)、乳糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、還元澱粉糖化物、液糖、酵素転化水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、還元糖ポリデキストロース、オリゴ糖、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトース、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、ラフィノース、デキストリン等を使用することができる。
本発明の含気泡チョコレートは、糖類含量が好ましくは20~50質量%であり、より好ましくは25~45質量%であり、更に好ましくは30~40質量%である。
本発明の含気泡チョコレートは、油脂、糖類以外にも、チョコレートに一般的に配合される原料を使用することができる。例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳等の乳製品、カカオマス、ココアパウダー等のカカオ成分、大豆粉、大豆蛋白、果実加工品、野菜加工品、抹茶粉末、コーヒー粉末等の各種粉末、ガム類、澱粉類、レシチン、リゾレシチン、酵素分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の乳化剤、酸化防止剤、着色料、香料等を挙げることができる。
本発明の含気泡チョコレートは、従来公知の方法により製造することができる。例えば、油脂、カカオ成分、糖類、乳化剤等を原料として、混合工程、微粒化工程(リファイニング)、精練工程(コンチング)、冷却工程等を経て製造することができる。本発明の実施の形態に係るチョコレートは、好ましくは微粒化工程を経て製造する。
本発明の含気泡チョコレートは、前記チョコレートをホイップして得られるものである。なお、本発明においてホイップとは、泡立てる、エアインする等によってチョコレートに気泡を抱き込ませることである。
本発明の含気泡チョコレートは、チョコレートを融解させることなく、常温の作業環境下でチョコレートを直接ホイップすることのできるものである。本発明の含気泡チョコレートは、チョコレートを融解させることやチョコレートを他の食品(ホイップクリーム、バタークリーム等)に混合させることが必要ないため、作業性の良いものである。
本発明の含気泡チョコレートは、比重が好ましくは0.95以下であり、より好ましくは0.60~0.90であり、更に好ましくは0.65~0.85であり、最も好ましくは0.70~0.82である。
本発明の含気泡チョコレートは、従来公知の方法により製造することができる。チョコレートをホイップする方法としては、例えば、常圧又は減圧下でミキサーにて撹拌する等が挙げられる。ミキサーは、縦型ミキサー、横型ミキサー等を使用することができる。
本発明の含気泡チョコレートは、チョコレートを融解させることなくホイップすることができるため、本発明の含気泡チョコレートは、好ましくはチョコレートを融解させることなくホイップして製造する。また、本発明の含気泡チョコレートは、チョコレートを直接ホイップすることができるため、本発明の含気泡チョコレートは、好ましくは他の食品(ホイップクリーム、バタークリーム等)と混合することなく製造できる。
本発明の含気泡チョコレートは、常温の作業環境下で直接ホイップすることができるため、本発明の含気泡チョコレートの製造においてホイップする時のチョコレートの温度(品温)は、好ましくは20~30℃である。チョコレートが常温で保管等されていたものであれば、チョコレートの温度が20~30℃になっているため、常温の作業環境下でチョコレートを調温することなくホイップすることも可能である。チョコレートが20℃未満又は30℃を超える温度で保管等されていた場合は、チョコレートを常温に放置する又はチョコレートの温度を20~30℃に調温することを実施すれば、常温の作業環境下でチョコレートをホイップすることが可能である。チョコレート常温で保管等されていた場合でも、チョコレートの温度を20~30℃に調温して、常温の作業環境下でチョコレートをホイップすることも可能である。なお、本発明においてホイップする時のチョコレートの温度は、ホイップ開始時の温度のことである。
本発明の含気泡チョコレートは、保形性に問題がないものである。また、本発明の含気泡チョコレートは、良好な口どけを有する。
本発明の複合食品は、本発明の含気泡チョコレートと菓子、パンを組み合わせることを特徴としている。
本発明の複合食品は、本発明の含気泡チョコレートと菓子、パンを接触させたものであれば、組み合わせる方法は特に制限されないが、組み合わせ方法としては、例えば、塗る、トッピング、被覆、挟む、注入等が挙げられる。
本発明の含気泡チョコレートと組み合わせる、菓子、パンの具体例としては、ビスケット、クッキー、クラッカー、乾パン、プレッツェル、カットパン、ウェハース、サブレ、ラングドシャ、マカロン等の焼き菓子、バターケーキ類(パウンドケーキ、フルーツケーキ、マドレーヌ、バウムクーヘン、カステラ等)、スポンジケーキ類(ショートケーキ、ロールケーキ、トルテ、デコレーションケーキ、シフォンケーキ等)、シュー菓子、発酵菓子、パイ、ワッフル等の洋生菓子、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓、菓子パン、フランスパン、シュトーレン、パネトーネ、ブリオッシュ、ドーナツ、デニッシュ、クロワッサン等が挙げられる。
次に、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は、これらの
実施例になんら制限されるものではない。
<測定方法>
油脂の構成脂肪酸の分析は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f-96準拠)で測定した。
油脂のSFCは、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.2.9-
2003 固体脂含量(NMR法)」に準じて測定した。
油脂のヨウ素価は、「基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会編)」の「2.3.
4.1-1996 ヨウ素価(ウィイス-シクロヘキサン法)」に準じて測定した。
油脂の融点は、「基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会編)」の「2.2.4.
2-1996 融点(上昇融点)」に準じて測定した。
油脂、合成乳化剤は以下のものを使用した。
・非エステル交換ラウリン系油脂(やし硬化油42(融点42℃)、日清オイリオグループ株式会社社製造品)(以下、やし硬化油42は「油脂A-1」とする)
・非エステル交換ラウリン系油脂(やし硬化油34(融点34℃)、日清オイリオグループ株式会社社製造品)(以下、やし硬化油34は「油脂A-2」とする)
・非エステル交換ラウリン系油脂(ISF(INTERCONTINENTAL SPECIALTY FAT SDN BHD)社製造品、商品名:ISFAT HG2100G(融点35.6℃))(以下、ISFAT HG2100Gは「油脂A-3」とする)
・ランダムエステル交換油脂(パーム核油(日清オイリオグループ株式会社製造品)40質量部とパーム油(日清オイリオグループ株式会社製造品)60質量部とを混合した混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.2質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して得た。以下、「油脂B」とする)
・パームオレイン(マルチエース20、ヨウ素価56、日清オイリオグループ株式会社社製造品)(以下、マルチエース20は「PO」とする)
・パームミッドフラクション(マルチエース45、日清オイリオグループ株式会社社製造品)(以下、マルチエース45は「PMF」とする)
・ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(商品名:サンソフト、太陽化学株式会社製
)(以下、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルは「PGPR」とする)
・ソルビタン脂肪酸エステル(商品名:ポエムB-150、理研ビタミン株式会社製)(
以下、ソルビタン脂肪酸エステルは「SOE」とする)
・20%ベヘン酸グリセリル、20%オクタステアリン酸グリセリル、及び60%硬化パーム油(商品名:TAISET 26、太陽化学株式会社製)(以下、20%ベヘン酸グリセリル、20%オクタステアリン酸グリセリル、及び60%硬化パーム油は「TAISET」とする)
<チョコレートの製造及び評価>
表1~4の配合で、常法(混合、微粒化、精練、冷却)により、チョコレートを製造し
た(配合の単位は質量部、含量の単位は質量%、SFCの単位は%である。)。なお、チ
ョコレート中の水分含量は、全ての配合で1質量%以下であった。
得られたチョコレートを融解させることなく、ハンドミキサーを用いて、常圧の条件下、
チョコレートの温度(品温)が25℃で攪拌して、直接ホイップすることで含気泡チョコレートを得た。
得られたチョコレート及び含気泡チョコレートを下記評価方法及び評価基準に従って、
ホイップ適性(ホイップ性(泡立ちの良さ)及び作業性)、保形性(経時的な形崩れのし難さ)、口どけを評価した。評価結果を表1~4に示した。
<ホイップ適性の評価方法>
25℃でホイップした製造直後の含気泡チョコレートの比重を測定することでチョコレ
ートのホイップ適性を評価した。ホイップ適性の評価は◎又は○の場合を良いと判断した。
<ホイップ適性の評価基準>
◎:作業性がかなり良く、比重が軽くなる
○:作業性が良く、比重が軽くなる
△:作業性がいいが、比重が軽くならない
×:作業性が悪く、比重が軽くならない
<保形性の評価方法>
25℃でホイップした含気泡チョコレートを星形の口金をつけた絞り袋を使用して絞り
、各温度(20℃、25℃、30℃)で12時間保管した後、状態の確認を行った。保形
性の評価は◎又は○の場合を問題ないと判断した。なお、ホイップ適性が△又は×の含気泡チョコレートについては、ほとんど気泡していないため、保形性の評価は行わなかった。
<保形性の評価基準>
◎:形を保っている
○:少し形が崩れている
×:形が崩れている
<口どけの評価方法>
含気泡チョコレートを星形の口金をつけた絞り袋を使用して成形し、20℃で24時間保管した後、常温の含気泡チョコレートの食することで、口溶けを評価した。口どけの評価は、◎又は○である場合を良いと判断した。なお、ホイップ適性が×の含気泡チョコレートについては、ほとんど起泡していないため、口どけの評価は行わなかった。
<口溶けの評価基準>
◎:非常に良い
○:良い
△:悪い
×:非常に悪い
Figure 2022156494000001
Figure 2022156494000002
Figure 2022156494000003
Figure 2022156494000004
表1~4から分かるように、実施例1~9のチョコレートは、ホイップ適性が良く、チョコレートを融解させることなく、常温の作業環境下で直接ホイップすることのできるものであった。また、実施例1~9の含気泡チョコレートは、ホイップ後の保形性及び口どけに問題がないものであった。
一方、表1~4から分かるように、比較例1のチョコレート(油脂Bのみ)は、比重が重く、ホイップ適性に劣っていた。また、比較例3のチョコレート(POのみ)及び比較例4のチョコレート(油脂BとPO)は、ホイップ適性が劣っており、ホイップ後の保形性がなかった。また、比較例2のチョコレート(油脂Aのみ)、比較例5のチョコレート(油脂B/油脂A=0.38)についてはチョコレートを融解させることなく、常温の作業環境下で直接ホイップすることができなかった。以上のことから、油脂A及び油脂Bを特定比率で含むことが、常温でのホイップ性や作業性に優れ、保形性も良好な含気泡チョコレートを得るうえで重要であることがわかった。

Claims (5)

  1. 油脂Aを10~50質量%、油脂Bを3~40質量%含有する含気泡チョコレート。
    ただし、油脂A、油脂Bは下記の油脂であって、油脂Aに対する油脂Bの質量比(油脂B/油脂A)が0.50~3.50であり、
    油脂Aは下記を満たす非エステル交換ラウリン系油脂、
    ・構成脂肪酸組成中、ラウリン酸の含有量が40~60質量%
    ・構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が1~20質量%
    ・構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が10~40質量%
    ・構成脂肪酸組成中、炭素数18の不飽和脂肪酸の含有量が0.1~10質量%
    ・上昇融点が30℃~50℃
    油脂Bは下記を満たすランダムエステル交換油脂、
    ・構成脂肪酸組成中、炭素数6~14の飽和脂肪酸の含有量が20~50質量%
    ・構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が20~60質量%
    ・構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸と炭素数18の不飽和脂肪酸の合計含有量が15~50質量%
  2. 油脂Aの20~30℃の固体脂含量が5~99%である、請求項1に記載の含気泡チョコレート。
  3. 請求項1又は2に記載の含気泡チョコレートと、菓子又はパンを組み合わせた複合食品。
  4. 油脂Aを10~50質量%、油脂Bを3~40質量%含有するチョコレートを20~30℃でホイップすることを特徴とする、含気泡チョコレートの製造方法。
    ただし、油脂A、油脂Bは下記の油脂であって、油脂Aに対する油脂Bの質量比(油脂B/油脂A)が0.50~3.50であり、
    油脂Aは下記を満たす非エステル交換ラウリン系油脂、
    ・構成脂肪酸組成中、ラウリン酸の含有量が40~60質量%
    ・構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が1~20質量%
    ・構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が10~40質量%
    ・構成脂肪酸組成中、炭素数18の不飽和脂肪酸の含有量が0.1~10質量%
    ・上昇融点が30℃~50℃
    油脂Bは下記を満たすランダムエステル交換油脂、
    ・構成脂肪酸組成中、炭素数6~14の飽和脂肪酸の含有量が20~50質量%
    ・構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が20~60質量%
    ・構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸と炭素数18の不飽和脂肪酸の合計含有量が15~50質量%
  5. 前記チョコレートを融解させることなくホイップする、請求項4に記載の含気泡チョコレートの製造方法。
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