JPH11225685A - 食品の製造方法および品質改良剤 - Google Patents

食品の製造方法および品質改良剤

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JPH11225685A
JPH11225685A JP10052654A JP5265498A JPH11225685A JP H11225685 A JPH11225685 A JP H11225685A JP 10052654 A JP10052654 A JP 10052654A JP 5265498 A JP5265498 A JP 5265498A JP H11225685 A JPH11225685 A JP H11225685A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小麦粉、小麦蛋白質を使用する食品の油脂添
加による品質低下をすことなく、風味、食感を向上させ
る 【解決手段】 グリアジン、グルテニン、グルテン等の
小麦蛋白質に油脂を10〜70%含有させた油脂含有小
麦蛋白質粉末を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油脂含有小麦蛋白質
を添加する食品の製造方法および品質改良剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、製パンにおいて、油脂を添加する
ことにより、油脂が小麦グルテンのドウ形成に大きく関
与していることは周知のことである。例えば製パンにお
いて油脂を添加することで、パンの内相組織の改良や容
積の増大、機械耐性の向上などの働きがあることや風味
を向上させることが知られている。しかし、製パンにお
いて油脂を添加する場合、ミキシングの始めから添加す
ると、グルテンの表面を油脂が覆い、グルテンの水和を
阻害し、ドウ形成を遅らせてしまうため、パンに十分な
ボリュームを出すことができなかったり、生地がべたつ
き作業性が悪くなるなどの問題があった。
【0003】また、粉末油脂を入れたパン用ミックス粉
ではボリュームのある美味しいパンを作ることは難しい
などの問題がある。
【0004】一方、短時間でドウ形成をさせるロール製
麺においては、製麺改良剤としてドウ形成を促進させる
目的で粉末油脂や乳化油脂、乳化剤などを添加する方法
が行われているが、製麺性は見掛け上向上するが、十分
なドウ形成ができないため麺の茹で伸びが逆に早くなる
などの麺質の向上がはかれないなどの問題がある。
【0005】また、水産、畜産練り製品など、特に水産
練り製品においては油脂の添加は風味の向上に寄与する
ことが知られているが、油脂の添加はこれら製品のゲル
強度を極端に低下させるため、風味向上に寄与するまで
の量(水産練り製品においては原料すり身に対して1重
量%以上)を添加することができない。また、小麦蛋白
質であるグルテンなどをゲル強度の向上の目的で使用す
るが、油脂添加によるゲル強度の低下を防止することは
できないなどの問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明において
は、小麦粉および小麦蛋白質を使用する食品において、
油脂添加によるドウ形成阻害を起こさせることなく、食
品の風味、食感を向上させることのできる油脂添加食品
の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、予め、小麦蛋白質
分子内に油脂を包含させることにより、ドウ形成および
ゲル形成阻害が起こらないことを見出し、特に、小麦蛋
白質に油脂を包含させる方法として、予め小麦蛋白質粉
末に油脂を吸着させた後、油脂吸着小麦蛋白質を水系に
分散溶解させることにより短時間に効率よく小麦蛋白質
分子内に油脂を包含できることを見出し、本発明に到達
した。
【0008】すなわち、本発明は小麦蛋白質に油脂を1
0〜70重量%含有させた油脂含有小麦蛋白質粉末を添
加することを特徴とする食品の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いる小麦蛋白質の種類
には限定されない。例えば小麦蛋白質としてはグルテン
およびグルテンを形成している成分のグリアジン、グル
テニン、水溶性蛋白質であるアルブミン、グロブリン、
これら蛋白質の加水分解物などを挙げることができる。
好ましくは分子内に疎水領域を多く持つグリアジンを主
成分とする小麦蛋白質である。
【0010】また、これら小麦蛋白質の分離、抽出方法
及び粉末化方法においても限定されない。例えば分離、
抽出方法として、水や有機溶剤で分離、抽出する方法、
pHで抽出する方法、軽度の加水分解を行った後、前記
の方法で分離、抽出する方法などを挙げることができ
る。また、粉末化方法としては噴霧乾燥法、真空凍結乾
燥法、気流乾燥法、真空乾燥法、ドラム乾燥法などを挙
げることができる。好ましくは分離、抽出方法として
は、水、アルコール含有水溶液、pH調整を行った水溶
液などを用いた分離、抽出方法であり、乾燥方法として
は乾燥粉末が多孔質となる噴霧乾燥、真空凍結乾燥法で
ある。
【0011】また、これら小麦蛋白質の乾燥物(粉末)
を110℃、10〜60分間の熱処理と同等の熱処理条
件で(例えば、60〜150℃、5秒〜5時間程度)熱
処理を行うことで小麦蛋白質内の疎水領域を広げ、油脂
との親和性を向上させ、蛋白質内への油脂の取り込みを
容易にすることができる。
【0012】また、小麦蛋白質に小麦蛋白質以外の動植
物性蛋白質を混合した蛋白質混合物に油脂を添加するこ
とで本発明を達成することもできる。
【0013】本発明に用いる油脂類には限定されない。
例えば動物油脂として牛脂、豚脂、魚油など、植物油脂
としてヤシ油、パーム油、大豆油、菜種油、米油、サフ
ラワー油、コーン油、紅花油、ピーナッツ油、綿実油、
中鎖トリグリセライド、前記油脂の水素添加油脂類、エ
ステル基交換油脂類、前記油脂の混合油脂類、前記油脂
類に10重量%以下の乳化剤を含む油脂類およびこれら
の油脂類を一種以上組み合わせた油脂類などを挙げるこ
とができる。好ましくは融点が25〜40℃の油脂類で
ある。
【0014】本発明の油脂含有小麦蛋白質粉末の製造方
法は限定されない。例えば油脂を蛋白質粉末の一部また
は全てに吸着させる方法、前記油脂吸着蛋白質を水に分
散溶解させて乾燥粉末とする方法、小麦蛋白質に水を加
えたのち油脂を練り込んだのち乾燥粉末とする方法、小
麦蛋白質粉末の一部に油脂を吸着させ、乳化させた液に
さらに同質または異質の動植物性蛋白質を溶解分散させ
た溶液を乾燥する方法などを挙げることができる。ま
た、乾燥方法においても限定されない。例えば、乾燥方
法として噴霧乾燥法、真空凍結乾燥法、気流乾燥法、真
空乾燥法、ドラム乾燥法などを挙げることができる。好
ましくは油脂を小麦蛋白質粉末に吸着させたのち、ホモ
ミキサーまたは高速攪拌機などを用いて、小麦蛋白質の
約3〜10重量倍の水に油脂吸着小麦蛋白質を徐々に加
え、乳化分散させたのち、噴霧乾燥機または真空凍結乾
燥機などで粉末化する方法である。
【0015】本発明における油脂含有小麦蛋白質粉末中
の油脂含有量は乾燥基準で10重量%以上70重量%以
下であればよい。好ましくは30〜60重量%である。
【0016】本発明の油脂含有小麦蛋白質粉末の食品へ
の添加量、添加方法は限定されない。例えば製パンミッ
クス等においては1〜10重量%をミックス粉に含有さ
せる方法、通常の製パン方法では小麦粉に対して1〜1
0重量%を小麦粉に予め混合する方法、製麺においては
小麦粉に対し1〜10重量%を小麦粉に予め添加する方
法、畜肉、水産練り製品などでは肉原料に対し1〜10
重量%を擂潰時に直接添加する方法などを挙げることが
できる。
【0017】本発明の油脂含有小麦蛋白質粉末に動植物
性蛋白質、澱粉類、穀粉類、糖質、乳化剤類、粉末油脂
類、増粘多糖類、有機酸、無機酸およびその塩類、アミ
ノ酸およびその塩類、蛋白質分解物、動植物性抽出物類
などの一種以上を混合することにより、食品の品質改良
剤を作ることができる。ここで、前記動植物性蛋白質類
としては乾燥卵白、乳アルブミン、カゼイン、ゼラチン
などを、澱粉類としては馬鈴薯澱粉、コーン澱粉、タピ
オカ澱粉、小麦澱粉およびこれら澱粉にリン酸架橋、有
機酸エステル、エーテル化などの一種以上の加工を施し
た化工澱粉などを、穀粉類としては小麦粉、トウモロコ
シ粉、ポテトフラワー、そば粉などを、乳化剤類として
はグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、蔗糖脂肪酸エステル、レシチン、酵素処理レシチン
などを、増粘多糖類としてはグアガム、キサンタンガ
ム、タマリンドガム、カンテン、カラゲーナン、アラビ
アゴム、ジェランガムなどを、糖質としてはデキストリ
ン、デキストリンの還元物、砂糖、乳糖、オリゴ糖、サ
イクロデキストリンなどを、有機無機酸としてはリン
酸、炭酸、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、酒
石酸、乳酸、アジピン酸などを、その塩類としてはナト
リウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムの塩など
を、アミノ酸としてはグルタミン酸、グリシン、アラニ
ン、シスチン、システイン、アルギン酸、アスパラギン
酸などを、蛋白質分解物としては各種蛋白質のペプタイ
ド、動植物性蛋白質の加水分解物などを、動植物性抽出
物としては各種天然調味料、抗菌成分などを挙げること
ができる。
【0018】また、品質改良剤中の油脂含有小麦蛋白質
粉末の添加量には限定されない。好ましくは前記糖質以
前の原料を使用する場合においては1重量%以上であ
り、糖質以降の原料のみで構成される場合には10重量
%以上である。
【0019】油脂含有小麦蛋白質粉末の製造方法におい
て、単に蛋白質に油脂を吸着させる方法では油脂含有量
を多くすることはできない。また、小麦蛋白質でドウを
形成させたのち油脂を添加する方法では油脂を含有させ
るまでに混捏または乳化に長時間を要する。しかし、小
麦蛋白質粉末を油脂の中に分散吸着させたのち、水に分
散乳化させることにより短時間で多量の油脂を含有させ
ることができる。特に、小麦蛋白質としてグリアジンま
たはグルテンを噴霧乾燥した小麦蛋白質粉末を用いた場
合には油脂含有量が50〜70重量%の流動性に優れた
油脂含有小麦蛋白質粉末を得ることができる。
【0020】本発明における食品は限定されない。好ま
しくは小麦粉および小麦蛋白質を使用する製菓、製パン
類、麺類、パスタ類および水産、畜産練り製品を挙げる
ことができる。また、品質改良はこれらの食品の成形
性、外観、風味、食感などの品質に関する。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例中、%は特に断らない限り、重
量基準である。
【0022】実施例1〜4 グリアA(アサマ化成(株)製、小麦グルテンより抽出
分離されたグリアジンを主成分とする成分)800gに
融点32℃の大豆硬化油を加温溶解した油脂1200g
を加えよく混合した後(ピーナツバター状)、水320
0gの中に入れ、ホモミキサーで10分間攪拌乳化を行
った。得られた乳化ペーストを噴霧乾燥機で乾燥し、油
脂含有小麦蛋白質粉末を得た(実施例1、以後油脂含有
粉末1という)。また、前記と同量の原料を使用し、水
の中にグリアAを加えた後油脂を添加し、同様に10分
間の乳化を行った後同様にして油脂含有小麦蛋白質粉末
を得た(実施例2、以後油脂含有粉末2という)。さら
に乳化を30分間行い同様にして油脂含有小麦蛋白質粉
末を得た(実施例3、以後油脂含有粉末3という)。ま
た、同様の原料を使用し、グリアA800gに粉末状を
損なうことのない限界量の油脂500gを徐々に加えな
がら攪拌吸着させ、油脂含有小麦蛋白質粉末を得た(実
施例4、以後油脂含有粉末4という)。
【0023】前記油脂含有粉末1〜4の粉末の油脂含量
およびその状態を見た。 油脂含量 粉末の状態 油脂含有粉末1 60% 流動性のよい粉末である 油脂含有粉末2 60% 油のウエット感があり、流動性に劣る 油脂含有粉末3 60% 流動性のよい粉末である 油脂含有粉末4 38% 流動性のよい粉末である
【0024】以上の試作結果からわかるように、油脂含
有蛋白質粉末の製造方法において、実施例1の方法は短
時間で多量の油脂を含む油脂含有蛋白質粉末を得ること
ができる。
【0025】実施例5〜8、比較例1 小麦粉1kgに油脂含有粉末1の20gを予め混合した
のち、水3.6kgに食塩10g、かん粉15gを溶解
した捏ね水を加え、横型の混捏機で20分間混捏した
後、6寸の単ロールの製麺機で、複合3回、室温熟成1
時間、圧延4回の条件で中華麺を得た(実施例5)。ま
た、油脂含有粉末1に代えて油脂含有粉末2を使用して
同様に中華麺を得(実施例6)、油脂含有粉末1に代え
て油脂含有粉末3を使用して同様に中華麺を得(実施例
7)、油脂含有粉末4を使用いて中華麺を得た(実施例
8)。また、油脂含有粉末を使用しないで同様に中華麺
を得た(比較例1)。
【0026】これらの中華麺を八分割された籠に入れ、
一つの鍋で3分間茹で、湯切りをした後、そのまま予め
用意しておいた中華麺汁の入った容器に籠ごと入れ、試
食試験を行った。試食は茹で直後と7分後に行った。
【0027】その結果を表1に示す。結果からわかるよ
うに、すべての実施例は何も添加していない比較例1に
比べて麺質が改良されたものであった。また、実施例6
と実施例8は実施例5、実施例7に比べ、茹で伸びの抑
制効果に劣るものであった。また、製麺性においても全
ての実施例は何も添加していない比較例1よりは優れた
ものであった。
【0028】
【表1】 評価の配点は硬さを20点、粘弾性を60点、滑らかさ
を20点を満点とし、何も添加しない(比較例1)もの
を標準とし、その差を比較配点した。
【0029】実施例9、比較例2 スプレードライグルテン800gに中鎖トリグリセライ
ド1200gを加えよく混合した後(ピーナツバター
状)、水320gの中に入れ、ホモミキサーで10分間
攪拌乳化を行った。その乳化ペーストを凍結乾燥機で乾
燥し、粉砕を行い油脂含有小麦蛋白質を得(以後油脂含
有粉末5という)、小麦粉1kgに油脂含有粉末5、2
0gを予め混合したのち、水3.6kgに食塩10g、
かん粉15gを溶解した捏ね水を加え、横型の混捏機で
20分間混捏したのち、6寸の単ロールの製麺機で、複
合3回、室温熟成1時間、圧延4回の条件で中華麺を得
た(実施例9)。また、油脂含有粉末5の代わりに、前
記スプレードライグルテン8gと中鎖トリグリセライド
12gに置き換え、同様に中華麺を得た(比較例2)。
なお、中鎖トリグリセライドは混捏時に滴下した。
【0030】これらの麺を実施例5と同様に試食し、評
価した。その結果を表2に示す。結果からわかるように
実施例のものは製麺性、食感に優れたものであった。
【0031】
【表2】 評価の配点は硬さを20点、粘弾性を60点、滑らかさ
を20点を満点とし、何も添加しない(比較例1)もの
を標準とし、その差を比較配点した。
【0032】実施例10、比較例3 中力小麦粉6kgと化工澱粉(酢酸エステル化タピオカ
澱粉)4kgを混合した粉に油脂含有粉末4、40gを
予め混合した粉に食塩0.5kgを3.8kgの水に溶
解した液を加え、横型の混捏機で20分間混捏したの
ち、6寸の単ロールの製麺機で、複合3回、室温熟成1
時間、圧延4回の厚さ3mmの麺帯とした後、切歯10
番で麺線とし、生うどんを得た(実施例10)。また、
油脂含有粉末4の代わりに前記グリアA16gと溶解し
た前記大豆硬化油24gで置き換え、同様に生うどんを
得た(比較例3)。
【0033】各うどんを沸騰水で16分間茹でたものを
試食し(釜上げ)、さらに水洗いを行った後、一つはそ
のままビニール袋に入れ冷蔵庫に1日放置した後、湯が
き、試食を行い(湯がき)、もう一つは−40℃で急速
凍結を行い、1週間冷凍保存した後、沸騰水で1分間加
熱し、同様に試食した(冷凍)。
【0034】その結果を表3に示す。結果からわかるよ
うに実施例のものは製麺性に優れるとともに肌荒れ、硬
さ、粘弾性、風味ともに優れたものであった。
【0035】
【表3】 なお、配点は比較例3の釜上げを標準とし、肌荒れ2
5、硬さ12、粘弾性35、滑らかさ13、風味15点
を満点とし、その差を比較評価した。
【0036】実施例11、比較例4 油脂含有粉末1を用いて表4に掲げる配合と、下記条件
で製パン試験を行った。
【0037】
【表4】
【0038】 試作条件(直捏ね法) 混捏(ケーキミキサー) 低速3分、高速9分 捏ね上げ温度 28℃ 発酵時間 2時間(28℃) 分割 150g×3個 ベンチタイム 20分間 ホイロ 湿度85%、38℃、50分間 焼成 210℃、40分間
【0039】前記の条件で山形食パンを試作し、そのと
きの混捏生地の状態、焼成した食パンのボリューム、内
相の食感などについて評価を行った。その結果を表5に
示す。結果からわかるように、実施例の食パンは混捏状
態、ボリューム、食感とも優れたものであった。
【0040】
【表5】
【0041】実施例12、比較例5〜6 冷凍すり身を用いて、表6に掲げる配合と条件で蒲鉾を
試作した。
【0042】
【表6】
【0043】試作条件(卓上サイレントカッター) 1.一晩冷蔵庫で半解凍状態とした冷凍すり身をサイレ
ントカッターに入れ、約5分間砕細した後、食塩を添加
し、すり身の温度が10℃以上にならないように、氷を
加えながら、10分間磨砕を行い、肉のり状とし、澱
粉、油脂、油脂含有粉末1を加え、さらに2分間磨砕を
行い、肉のりを仕上げた。 2.肉のりを折径48mmの塩化ビニリデンフィルムに
約150g入れ、両端を結さくした。 3.坐りを取らずに90℃の熱湯水で35分間加熱を行
い、加熱後直ちに冷水に入れ冷却した後、冷蔵庫で一晩
保存した。 4.各ケーシング蒲鉾を厚さ25mmに切断し、5mm
径の球形プランジャーでW値、L値を測定し、ゼリー強
度を算出した。
【0044】結果を表7に示す。結果からわかるように
実施例のものは油脂添加のようなゼリー強度の低下もな
く、無添加と同等であり、油脂の美味しさが出た。
【0045】
【表7】
【0046】
【発明の効果】各種食品に、油脂の添加による品質低下
をおこすことなく油脂の美味しさをその食品に付加する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23L 1/325 101 A23L 1/325 101C 101D

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦蛋白質に油脂を10〜70重量%含
    有させた油脂含有小麦蛋白質粉末を添加することを特徴
    とする食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 小麦蛋白質が小麦より抽出分離されたグ
    ルテン、グリアジン、グルテニンの一種以上からなる請
    求項1記載の食品の製造方法。
  3. 【請求項3】 油脂が動植物性油脂、動植物性油脂の分
    別または水素添加、エステル基交換反応などの処理を施
    した油脂、中鎖トリグリセライド、動植物性油脂に乳化
    剤を溶解分散させた油脂の一種以上からなる請求項1ま
    たは2記載の食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 小麦蛋白質が熱処理を施した熱処理蛋白
    質である請求項1〜3のいずれか1項記載の食品の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 油脂含有小麦蛋白質粉末がグルテン、グ
    リアジン、グルテニンの一種以上を含む小麦蛋白質に油
    脂を吸着させた後、水に溶解分散または乳化させた後乾
    燥する方法で製造された油脂含有小麦蛋白質粉末である
    請求項1〜4のいずれか1項記載の食品の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の油脂含有小麦蛋白質粉末
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項記載の油脂
    含有小麦蛋白質粉末を含有する品質改良剤。
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