JPH10179048A - 食品の品質改良剤 - Google Patents

食品の品質改良剤

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JPH10179048A JP8354705A JP35470596A JPH10179048A JP H10179048 A JPH10179048 A JP H10179048A JP 8354705 A JP8354705 A JP 8354705A JP 35470596 A JP35470596 A JP 35470596A JP H10179048 A JPH10179048 A JP H10179048A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 麺類の茹で伸びを遅くし、練り製品の弾力低
下を防止し、ケーキの冷凍・解凍の繰り返しによる老化
を防止する等、食品の品質改良剤の提供。 【解決手段】 グリアジンまたはグルテニンと、油脂お
よび/または乳化剤を含有し、グリアジンまたはグルテ
ニン100重量部に対し、油脂が52〜400重量部、
乳化剤が1〜200重量部とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は食品の品質改良剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品、特に小麦粉製品、例えば麺
類、パン類、製菓類、天ぷらやフライ類などのバッター
類、パスタ類に油脂を添加すると、それが小麦粉中のグ
ルテンに作用し、ドウ形成を促進し、ドウの伸展性や滑
らかさを向上させ、製品に美味しさを付与することが知
られている。また、油脂や乳化剤をこれらの製品に添加
することにより、保存中の老化を抑制することも知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、油脂は食品に
特に多量に添加すると多くの問題が発生する。例えば、
麺類においては茹で伸びを促進したり、水産練り製品に
おいては弾力を低下させるなどの問題を発生させる。ま
たスポンジケーキ類などのおいては保存中または冷凍解
凍を繰り返すことにより起こる老化を改善するために油
脂や乳化剤を添加することが行われているが、十分な解
決はなされていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、グリアジンまたはグ
ルテニンを特定量の油脂および/または乳化剤と併用す
ることにより、問題点を解消できることを見出し、本発
明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は、グリアジンまたはグ
ルテニンと、油脂および/または乳化剤を含有し、グリ
アジンまたはグルテニン100重量部に対し、油脂が5
2〜400重量部、乳化剤が1〜200重量部であるこ
とを特徴とする食品の品質改良剤を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においてグリアジン、グル
テニンとしては、小麦グルテンから、70容量%エタノ
ール水溶液で抽出・分離されたものでも、酸性エタノー
ル水溶液で抽出・分離されたグリアジンまたはグルテニ
ンを主成分とする画分でもよい。要は蛋白質中にグリア
ジンまたはグルテニンが50重量%以上含有されている
ものであればよい。
【0007】酸性エタノール水溶液としては、本発明者
らが提案した(例えば、特開平8−66147号公報参
照)ように、30容量%以下、好ましくは5〜30容量
%、さらに好ましくは10〜20容量%のエタノールを
含む水溶液に、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アジ
ピン酸、フマール酸、酒石酸、グルコン酸、グルコノデ
ルタラクトン、リン酸、フィチン酸およびそれらのカル
シウム、カリウム、ナトリウム塩からなる群から選ばれ
る化合物の少なくとも1種を添加することにより、エタ
ノール水溶液のpHを酸性としたものであり、好ましく
はグルテンを分散させた抽出液のpHが5.5〜3.0
のエタノール水溶液である。
【0008】グリアジンまたはグルテニンを主成分とす
る画分の分離方法としては、例えば前記エタノール水溶
液10リットルに対し、1〜1.5kgの粉末活性グル
テンを分散させ、室温で2時間攪拌抽出を行った後、遠
心分離機で上澄液を分離し、これを濃縮し、噴霧乾燥さ
せてグリアジンを主成分とする画分を分離し、一方遠心
分離し、上澄液を分離した残渣の沈殿物を同様な方法で
乾燥させてグルテニンを主成分とする画分を分離するこ
とができる。
【0009】また、油脂としては、その種類に限定され
ず、例えばヤシ油、綿実油、大豆油、米ぬか油、菜種
油、コーン油、パーム油などの植物油;バター脂、豚
脂、牛脂などの動物脂;これらの水素添加油脂を挙げる
ことができ、これらの1種以上を混合した油脂類を挙げ
ることができる。
【0010】さらに、乳化剤としては、その種類に限定
されず、例えばレシチン、酵素処理レシチン、グリセリ
ン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、ポリセリン脂肪酸エステル、プロピレン
グリコール脂肪酸エステルを挙げることができ、これら
の2種以上を混合した乳化剤を挙げることができる。
【0011】本発明において、グリアジンまたはグルテ
ニンと油脂との混合方法については限定されない。例え
ば、グリアジンまたはグルテニン溶液に必要があれば乳
化剤を使用して油脂類を乳化液とする方法、該乳化液を
乾燥した乾燥物、グリアジンたはグルテニン以外の賦形
剤と必要があれば乳化剤を用いて乾燥または吸着により
作られた粉末油脂とグリアジンまたはグルテニンの乾燥
粉末との混合による方法などを挙げることができる。好
ましくは粉末油脂とグリアジンまたはグルテニンの粉末
との混合による方法である。
【0012】グリアジンまたはグルテニンと乳化剤との
混合方法については限定されない。例えば、乳化剤を溶
解した油脂液をグリアジン油脂粉末を作るときと同様に
乳化粉末とする方法、グリアジンまたはグルテニンの粉
末に吸着する方法、粉末乳化剤を粉粉混合する方法、グ
リアジンまたはグルテニンの粉末化工程でグリアジンま
たはグルテニンの溶液に溶解または分散混合する方法な
どを挙げることができる。
【0013】グリアジンまたはグルテニンと油脂との混
合比率は、純グリアジンまたは純グルテニン100重量
部に対し、純油脂として52重量部以上400重量部以
下、好ましくは60重量部以上200重量部以下であ
る。グリアジンまたはグルテニンの量に対する純油脂量
が52重量部未満ではグリアジンまたはグルテニン量が
多すぎ、粘弾性や硬さの強すぎる食感のものとなる傾向
がある。、一方400重量部を超えると油脂量が多くな
り、前記問題が生じ好ましくない。グリアジンと上記量
の油脂を混合することにより、麺類の茹で時間を短く
し、茹で伸びを遅くし、水産練り製品の弾力低下を遅ら
せ、ケーキ類の冷解凍による老化を防止することができ
る。グルテニンと上記量の油脂を混合することにより、
ケーキ類のボリュームを低下させることなく、ソフト感
に優れたケーキを得ることができるとともに、冷解凍を
繰り返すことによる老化を著しく抑制することができ
る。
【0014】また、乳化剤の混合比率はグリアジンまた
はグルテニン100重量部に対し、1〜200重量部、
好ましくは1〜100重量部である。乳化剤の量が1重
量部未満では本発明の効果が十分でなく、200重量部
を超えると例えば麺が伸びやすくなるなど、乳化剤の特
性が出すぎてしまい、本発明の効果を十分に発揮するこ
とができない。グリアジンと乳化剤を配合することによ
り、グルテンの網目構造形成促進効果を相乗的に奏し、
乳化剤の小麦粉製品における欠点をなくすことができ
る。例えば、麺類において、乳化剤とグリアジンを配合
することにより、製麺性を著しく向上させるとともに、
乳化剤単独では茹で伸びを起こしてしまうことを防止す
ることができる。また、グルテニンと乳化剤を配合する
ことにより、グルテンの網目構造形成の安定化と促進効
果を奏することができるとともに、前記した乳化剤の欠
点を補うことができる。
【0015】さらに、グリアジンまたはグルテニンと油
脂および乳化剤を配合することにより、多くの小麦粉製
品の風味や艶などを向上させるとともに、油脂の添加に
よる製造時の欠点を補うことができる。例えば、蒲鉾の
製造時に油脂と乳化剤を添加することにより、艶や風味
を向上できることは知られているが、その効果を十分に
発揮させるだけの量を添加すると蒲鉾の腰が低下してし
まう欠点を、グリアジンまたはグルテニンをさらに配合
することにより、補い抑制することができる。また、グ
リアジンの配合により蒲鉾に弾性を与え、グルテニンの
配合により硬さを与えることができる。グリアジンまた
はグルテニンと油脂および乳化剤を配合することによ
り、蒲鉾の物性を自由に改良できるとともに、製品に風
味や艶等の付加価値を向上させることができる。
【0016】本発明においては、グリアジンまたはグル
テニンと油脂および/または乳化剤(以下、主品質改良
剤という)以外に有機酸及び/又はその塩類、アミノ酸
及び/又はその塩類、澱粉及び/又は化工澱粉類、動植
物性蛋白質、増粘多糖類、糖質及び/又はその還元物
類、乳化剤、天然調味料、無機酸の塩類、骨や卵殻の高
温焼成物等のカルシウムの酸化物の1種以上を混合する
ことにより、本発明の効果を向上させることができると
ともに幅広い品質改良を行うことが可能である。
【0017】有機酸及び/又はその塩類としては、例え
ば乳酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、アジピン
酸、フマル酸、コハク酸、およびそれらのナトリウム、
カリウム、カルシウム等の塩類を、アミノ酸及び/又は
その塩類としては、例えばグルタミン酸、グリシン、ア
ラニン、シスチン、スレオニン、バリン、リジン、アル
ギニン、グアニル酸、イノシン酸及びおよびそれらのナ
トリウム、塩酸、硫酸塩を、澱粉及び/又は化工澱粉と
しては、例えばタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーン澱
粉、小麦澱粉、米澱粉、サゴ澱粉及びそれらの有機酸エ
ステル、酸化、エーテル化、ヒドロキシプロピル化、リ
ン酸架橋などを施した化工澱粉類を、動植物性蛋白質と
しては、例えば乳蛋白質、大豆蛋白質、グルテン、ゼラ
チンを、増粘多糖類としては、例えばグアガム、キサン
タンガム、アラビアガム、ローカストビンガム、タマリ
ンド種子ガム、寒天、カラギーナン、アルギン酸及びそ
のナトリウム塩、ペクチン、コンニャクマンナンを、糖
質及び/又はその還元物質としては、例えばデキストリ
ン、サイクロデキストリン、砂糖、果糖、キシロース、
オリゴ糖、果糖ブドウ糖液糖等の液糖類、還元水飴、還
元デキストリン、還元麦芽糖、ソルビット、キシリッ
ト、トレハロースを、天然調味料としては、例えば昆布
エキス、畜肉エキス、鰹節エキス、魚介類エキス、酵母
エキス、野菜エキスなどのエキス類、動植物性蛋白質の
加水分解物を、無機酸の塩類としては、例えばリン酸、
硫酸、塩酸、炭酸などのナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、マグネシウム塩を挙げることができる。
【0018】これらの主品質改良剤以外の混合物の添加
量には限定されない。好ましくは製剤の全量中、混合物
の総量は70重量%以下である。
【0019】本発明の品質改良剤の食品に対する添加量
は限定されない。好ましくは、主品質改良剤として、対
象食品の乾燥重量基準で0.1重量%以上10重量%以
下である。
【0020】また、その添加方法についても限定されな
い。添加方法として、対象食品の全原料が混合された状
態で添加する方法、原料の一部にプレミックスを行った
ものを添加する方法、品質改良剤を水に分散させて添加
する方法などを挙げることができる。好ましくは対象食
品の主原料となる、例えば小麦粉などへの粉−粉混合で
ある。
【0021】本発明の品質改良剤の対象食品に限定はな
い。例えば、麺類、菓子類、パン類、天ぷらやフライ食
品、フラワーペースト類、ゼリー類、卵焼きなどの惣菜
類、魚肉練り製品類、畜肉練り製品類などを挙げること
ができる。好ましくは麺類、菓子類、パン類、天ぷらや
フライ食品類の衣、魚肉練り製品類、畜肉練り製品類な
ど、小麦粉を使用する食品である。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例中「%」は特に断らないかぎり重量
%である。 〔参考例1、グリアジン1、グルテニン1〕粉末活性グ
ルテンをクエン酸が0.2%含まれた10倍量のエタノ
ール濃度10容量%である水溶液中に分散させ、室温下
で2時間攪拌して抽出した抽出液を遠心分離して得られ
た上澄液を噴霧乾燥し、グリアジンを多く含む粉末を得
た。また、沈殿物を気流中で乾燥した後、粉砕機で粉砕
し、グルテニンを多く含む粉末を得た。
【0023】乾燥粉末の物性は下記のとおりであった。
【0024】〔参考例2、グリアジン2〕粉末活性グル
テンを8倍量の60容量%エタノール水溶液中に分散さ
せ、室温下で2時間攪拌して抽出した抽出液を遠心分離
して得られた上澄液を真空濃縮後、酢酸水溶液中に分散
させ、噴霧乾燥し、グリアジンを多く含む粉末を得た。
【0025】乾燥粉末の物性は下記のとおりであった。 水分量 5% 粗蛋白質量 90%以上 グリアジン量 90%(粗蛋白質中) 1/4水溶液のpH 6.8 酢酸酸度 0.4%
【0026】〔実施例1、比較例1〜2〕中力小麦粉1
kgに、グリアジン1を1と粉末油脂(油脂含有量80
%)1、炭酸ナトリウム0.2を混合した粉末60gを
混合した粉原料に、400gの水に食塩を50g溶解さ
せた食塩水を加え、15分間混捏して得られた生地を直
径12.12cmロールの製麺機を用いて、複合3回、
麺帯熟成室温1時間、圧延3回の条件で厚さ3mmの麺
帯としたものを10番の切歯で切断し、生うどんを得
た。また、グリアジン1と炭酸ナトリウムを除いたうど
んを同様の条件で得た(比較例1)。さらに、これらと
粉末油脂を除いたうどんも得た(比較例2)。
【0027】これらのうどんをうどんの芯がなくなるま
で茹で、その茹で時間と、茹でたうどんを熱いうどん汁
に入れうどんが伸びる時間を官能検査で評価した。その
結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】以上のように、実施例はうどんの茹でを早
くするとともに、茹で伸びも抑制することがわかる。ま
た、実施例1のものは製麺性も非常によいものであっ
た。
【0030】〔実施例2、比較例3〜4〕準強力小麦粉
1kgに、グリアジン2を1と粉末油脂(油脂含有量8
0%)2、リン酸三ナトリウム0.2gを混合した粉末
60gを混合した粉原料に、340gの水に食塩10g
とかん粉15gを溶解させた水溶液を加え、15分間混
捏して得られた生地を12.12cmロールの製麺機を
用いて、複合3回、麺帯熟成室温1時間、圧延3回の条
件で厚さ1.5mmの麺帯としたものを20番の切歯で
切断し、生中華を得た。また、グリアジン2とリン酸三
ナトリウムを除いた中華麺を同様の条件で得た(比較例
3)。さらに、これらと粉末油脂を除いた中華麺も同様
にして得た(比較例4)。
【0031】これらの中華麺を中華麺の芯が一本残る程
度に茹で、その茹で時間と、茹でた中華麺を熱い中華麺
スープに入れ、伸びる時間を官能検査で評価した。その
結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】以上のように、実施例は中華麺の茹でを早
くするとともに、茹で伸びも抑制することがわかる。ま
た、実施例2の中華麺は製麺性も非常によいものであっ
た。
【0034】〔実施例3、比較例5〜6〕C級の冷凍す
り身1kgに食塩を30g加え、卓上式のサイレントカ
ッターで塩摺を行い、300gの氷水に30gの馬鈴薯
澱粉をといたものを加え、摺合わせるときに粉末油脂
(油脂含有量80%)15gとグリアジン1を15g、
同時に加え、摺合わせたものをケーシングに詰め、冷蔵
庫で約1時間坐らせた後、90℃の温水浴槽で40分間
加熱し、冷却し、蒲鉾を得た。また、グリアジン1を添
加しないものを同様に得た(比較例5)。さらに、グリ
アジン1も粉末油脂も除いたものも同様にして得た(比
較例6)。
【0035】これらの蒲鉾をレオメーターを用いてゼリ
ー強度を測定するとともに食感を評価した。その結果を
表3に示す。
【0036】
【表3】 ただし、ゼリー強度は直径5mmの球形プランジャーを
蒲鉾に押し込み、その時の破断加重(g)と凹み値(c
m)を掛け合わせたものである。
【0037】以上のように、実施例3の蒲鉾はゼリー強
度は何も添加しないものとほぼ同等であるが、油脂類を
添加した場合の問題を解消するとともに、蒲鉾に艶と滑
らかさを増し、見栄えをよくするとともに、従来品にな
い独特の弾力を付与することができる。
【0038】〔実施例4,5、比較例7〕参考例1で得
たグルテニン1を乾燥するときに、ステアリン酸モノグ
リセライド(純度95%)を乾燥固形に対し、20重量
部を加えた後乾燥し、ステアリン酸モノグリセライドを
約7%含むグルテニン粉末を得た(グルテニンミック
ス)。このグルテニンミックスを用いて、表4の配合で
スポンジケーキを作り、スポンジケーキの冷凍解凍テス
トを行った。その評価は解凍後のスポンジケーキの硬さ
を官能試験で老化するまでの冷凍解凍回数をみた。
【0039】
【表4】
【0040】スポンジケーキの製法 ケーキミキサーに全卵と起泡剤を入れ、ホイッパーで2
分間攪拌した後、砂糖と小麦粉を加え、低速で1分間攪
拌し、全体を均一に混合してから、高速回転で5分間ホ
イッピングし、スポンジケーキ用のテンパンに生地を流
し込み、170℃、35分間焼成した後、放冷したもの
を一片が20gになるように切りわけ、ラップに包み、
凍結した。グルテニンミックスおよびグリアジンミック
スは小麦粉に混合した。なお、グリアジンミックスもグ
ルテニンミックスと同様にして、ステアリン酸モノグリ
セライドが約7%になるように調製した。
【0041】冷凍解凍試験法 凍結したスポンジケーキは毎日一回取り出し、その硬さ
をみたのち、再び凍結し、また翌日同様に解凍し、硬さ
をみるという操作を繰り返し、判断した。
【0042】その結果は下記のとおりであった。
【0043】以上の結果、比較例7は1回の凍結解凍は
問題なかったが、2回目では硬くなり、ぼそついた食感
となったのに対し、実施例4のものは5回目の解凍品で
も比較例7のものの2回目ほどのぼそつきはなかった。
また、比較例7のものは起泡剤の味が強く、卵の風味が
なくなったしまうのに対し、実施例4,5は起泡剤の味
がなくなり、卵の風味がでてくるなどの味質改善効果が
認められた。特に実施例5は味質改善においてより効果
的であった。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、グリアジンまたはグル
テニンに特定量の油脂および/または乳化剤を配合する
ことにより、麺類の茹で時間を短縮し、茹で伸びを遅ら
せ、練り製品に独特の弾力を与え、外観を向上させ、ま
たケーキの冷解凍による老化を防止し、味質を改善する
など、各種食品の品質を向上させることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリアジンまたはグルテニンと、油脂お
    よび/または乳化剤を含有し、グリアジンまたはグルテ
    ニン100重量部に対し、油脂が52〜400重量部、
    乳化剤が1〜200重量部であることを特徴とする食品
    の品質改良剤。
  2. 【請求項2】 グリアジンおよびグルテニンが小麦グル
    テンから酸性アルコール水溶液を用いて抽出分離された
    グリアジンまたはグルテニンを主成分とする画分である
    請求項1記載の食品の品質改良剤。
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