JP2000279118A - 食品用改質デンプン - Google Patents
食品用改質デンプンInfo
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Abstract
して使用することにより衣種物結着性に優れ、しかも、
原料澱粉に比して粉体流動性の低下しない若しくは向上
する食品用改質デンプンを提供すること。 【解決手段】 デンプン成分にタンパク質成分を添加し
た食品用改質デンプン。デンプン成分に対して、水溶性
タンパク質を衣種物結着性/粉流動性改善可能な量を含
み、かつ、脂質含量が前記水溶性蛋白質の粉流動性改善
作用を阻害しない量以下となるようにタンパク質成分を
添加する。
Description
れ、かつ、揚げ物を調理する際に打粉または衣材として
使用することにより種物と衣との結着性に優れた食品用
改質デンプン及びその製造方法に関する。
粒も含む概念であり、本発明は通常粉状であるデンプン
ばかりでなく、顆粒状とされたデンプンにも適用できる
ものである。
味は、下記の通りである。
gに200mlの水を加え、30℃にて2時間攪拌抽出後
250mlに定容してから、1500 rpmで10分間遠心
分離後、グラスウール濾過して濾液の窒素をセミミクロ
ケルダール法で測定し、タンパク質5g中の窒素量に対
する比にて求められるものをいう。(「日本食品工業学
会誌 第25巻第8号」p.451〜457) 「HLB」…「Hydrophile-Lipophile Balance」 の略号
で、日本語では「親水親油バランス」といい、界面活性
剤がもつ親水性と親油性の相対的な強さを、数量的にあ
らわしたもので、HLBが大きい程親水性が高くなる。
として小麦粉が用いられる。小麦粉は、タンパク質が吸
水しグルテンを形成することによりバッター液(衣液)
として適度な粘度を与え、デンプン質が衣に柔らかい食
感を付与することから好適な素材として使用されてい
る。しかし、小麦粉では種物との間に良好な衣種物結着
性を得難い。
造において、パン粉をまぶす前に、種物を覆うように付
着させて用いられるもので、小麦粉をベースとして、
卵、牛乳、バター等をかき混ぜたどろどろしたペースト
状のものをいう。バッターを用いる加工方式は、大衆向
けコロッケ・トンカツおよび各種冷凍食品の製造など、
主として業務用に利用されているものである(太田静
行、湯木悦二著「フライ食品の理論と実際」p.197
〜198参照)。
の要望に応えるために、様々な食品用改質デンプンが提
案されている。
加熱する方法(特公平5−21542号公報)や、デン
プンに20wt%の油脂分を含む生大豆粉を添加して乾燥
・加熱する方法(特許第2683840号公報)、デン
プンに食用蛋白素材と食用油脂を添加混合して乾燥する
方法(特開平1−320962号)等が提案されてい
る。
は、いずれも油脂分を添加することを必須としており、
デンプンの粉体流動性が低下するおそれがある。油脂自
体が粘着性を備えているためと推定される。
出が困難になったり、空気輸送後の回収のためのバッグ
フィルターでの目詰まりが発生する等、食品用改質デン
プンの製造段階及び小麦粉とのミックス工程で作業上の
問題が発生し易い。
調理する際に打粉材または衣材として使用することによ
り衣種物結着性に優れ、しかも、原料澱粉に比して粉体
流動性の低下しない若しくは向上する食品用改質デンプ
ンを提供することにある。
を解決するために、鋭意開発に努力をする過程で、こ
れまで脂質もしくは必要相当量の脂質を含有する食品素
材をデンプンに添加処理する以外に衣の結着性は改良で
きないと考えられてきたことに反して、脂質を全く含ま
ない、または、ほとんど含まない精製されたタンパク質
をデンプンに添加し特定の処理をすることによって衣の
揚げ物結着性が改良できること、また、脂質を全く含
まない、又は、ほとんど含まないタンパク質をデンプン
に添加し特定の処理をすることにより粉体の流動性が改
善されることを見出して、下記構成の食品用改質デンプ
ン及びその製造方法に想到した。
て改質されてなる食品用改質デンプンにおいて、デンプ
ン成分に対して、水溶性タンパク質を衣種物結着性/粉
流動性改善可能な量を含み、かつ、脂質含量が水溶性蛋
白質の粉流動性改善作用を阻害しない量以下となるよう
にタンパク質成分が添加されていることを特徴とする。
添加されて改質されてなる食品用改質デンプンは、通
常、デンプン成分100重量部に対して、水溶性タンパ
ク質添加量:0.05〜6.0部かつ脂質添加量:0.
1部以下の要件を満たすようにタンパク質を添加するこ
とにより上記課題を解決することが容易となる。
含量6.0wt%以下のものを使用することにより、上記
課題を解決することがより容易となる。
の乳化剤をデンプン100重量部に対して0.025〜
0.5重量部添加することにより、食品用改質デンプン
の水濡れ性(水分散性)の低下を補完できて望ましい。
添加されて改質されてなる食品用改質デンプンは、結果
的に、40wt%濃度のスラリー粘度0.02〜4Pa・s
(20〜4000 cPs)の要件を満たすものが得られ、
さらには、圧縮度の値が42%以下の要件を満たすもの
となり、それぞれ、衣種物結着性及び粉体流動性が改善
されたものとなる。
や打ち粉などの揚げ物用衣材として好適である。
は、下記製造方法により容易に製造することができる。
リー pH 5.0〜8.0になるように調整後、脱水して
デンプンケーキの調製工程、(2) デンプンケーキ/タン
パク質分散液混合物の水分(湿量基準含水率)25〜5
0wt%になるような量の水にタンパク質を分散させるタ
ンパク質分散液の調製工程、(3) デンプンケーキとタン
パク質分散液を均一に混合した混合物を乾燥後、115
〜165℃×15〜65min の条件で加熱処理する加熱
処理工程、を含むことを特徴とする。
ンプンのスラリー pH 6.0〜7.0とし、澱粉ケーキ
/タンパク質分散液混合物の水分が35〜45wt%と
し、かつ、澱粉ケーキ/タンパク質分散液混合物の加熱
処理条件が、130〜150℃×30〜50min とする
ことにより、本発明の要件を満たす改質デンプンをより
確実に製造することができる。
て、詳細に説明する。以下の、説明で、含量、添加量を
示す「%」および「部」は、特に断らない限り、それぞ
れ「重量%(wt%)」) および「重量部」を意味する。
本的には、デンプン成分にタンパク質成分が添加されて
改質されてなる食品用改質デンプンである。そして、デ
ンプン成分に対して、水溶性タンパク質を衣種物結着性
/粉流動性改善可能な量を含み、かつ、脂質含量が水溶
性蛋白質の粉流動性改善作用を阻害しない量以下となる
ようにタンパク質成分が添加されている。
販されている汎用天然デンプン、例えば、コーンスター
チ、ワキシーコーンスターチ、小麦デンプン、米デンプ
ン、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、甘藷デンプ
ン、サゴデンプン等を使用でき、さらには、これらの化
工デンプンも使用できる。該化工デンプンとしては、例
えば、酸化デンプン、酸処理デンプン、酵素処理デンプ
ン、酢酸デンプン、リン酸デンプン、コハク酸デンプ
ン、オクテニルコハク酸デンプン、ヒドロキシプロピル
デンプン、架橋デンプン、湿熱処理デンプン等いずれも
用いることができる。
ンスターチや、馬鈴薯・タピオカ・小麦・コーンスタ
ーチ・ワキシーコーンスターチ・甘藷デンプン等の架橋
化デンプンを原料にした場合、衣の揚げ物結着性が良好
でありかつ衣にソフトな食感が得られて好ましい。
植物性を問わないが、本発明では、水溶性蛋白質含量が
多くかつ脂質含量の少ないものが望ましく、卵白粉末、
カゼインナトリウム、大豆蛋白、小麦グルテン等のよう
に、各種タンパク質含有食品素材から抽出・精製された
タンパク質成分を好適に使用できる。
給成分を意味し、本発明では脂質を含む夾雑物を含むも
のである。
%以上(望ましくは65%以上、さらに望ましくは80
%以上)、脂質含量:10.0%未満(望ましくは6%
未満、さらに望ましくは2%未満、最も望ましくは1%
未満)のものを使用する。水溶性蛋白質含量が過少であ
るタンパク質成分では、水溶性蛋白質添加による本発明
の効果(衣種物結着性/粉体流動性改善)を得難く、脂
質含量が過多であると、本発明の粉体流動性改善効果が
阻害され易い。
ることができる。併用する場合は、卵黄粉末等の脂質含
量が水溶性タンパク質より多いものもタンパク質成分の
一部として使用可能である。
量部に対して、水溶性タンパク質添加量:0.05〜
6.0部、脂質添加量:0.1部以下の要件を満たすよ
うにタンパク質成分が添加されている。ここで、水溶性
タンパク質添加量は、好ましくは0.1〜5.0部、よ
り好ましくは、0.2〜4.5部である。
成分を使用することにより実質的にゼロにすることが理
想であるが、実際には、蛋白質成分に含有される。した
がって、脂質添加量は、好ましくは0.05部以下、よ
り好ましくは、0.04部以下とする。
製造する場合においては、デンプン成分100部に対し
て水溶性タンパク質の添加量は1部未満でもよい。高度
の粉流動性が要求されないとともに、1部未満で十分な
衣種物結着性が得られ、また、商業的にも安価に提供で
きるためである。
衣種物結着性改善効果を得難く、逆に過多であると、後
述の40%濃度のスラリー粘度が高くなりすぎて、水に
溶いてバッター液を調製する際、適度な粘度を得るため
デンプン濃度を薄くせざるを得なくなり、結果として衣
種物結着性が低下してしまう。また、脂質含量添加量が
デンプン100部に対して0.1部より多いと、粉体の
流動性の指標である圧縮度が大きくなり、結果的に粉体
流動性が低下する。
食品用改質デンプンは、通常、40%濃度のスラリー粘
度0.02〜4Pa・s(20〜4000 cPs)で、かつ、
圧縮度の値が原料澱粉に比して低下しない。該衣種物衣
結着性の指標であるスラリー粘度は、望ましい範囲は、
0.1〜3Pa・s(100〜3000 cPs)、さらに望ま
しい範囲は、0.2〜2Pa・s(200〜2000 cPs)
であり、また、粉体流動性の指標である圧縮度の望まし
い範囲は、40%以下であり、さらに望ましい範囲は、
38%以下である。
ンパク質成分を添加により、理由は不明であるがデンプ
ン自体の水濡れ性が低下傾向となることが分かった。デ
ンプンの水濡れ性が低下すると、デンプンを水に分散さ
せてバッター液を調製するに際して、水面上にデンプン
粉体が浮遊してしまい、均一なバッター液(懸濁液)を
得難くなる。
に、通常のバッター液調製等の際に添加する乳化剤とは
別に、HLBの高い(通常、HLB9以上)乳化剤を、
デンプンに直接的に、付着・添加させることが望まし
い。
果が大きく、通常HLB9以上、望ましくは11以上、
さらに望ましくは13以上とする。HLBが9未満であ
ると、水濡れ性改善効果が得られない。
00部に対して0.025〜0.5部、望ましくは0.
04〜0.4部、さらに望ましくは0.04〜0.20
部とする。
剤を水に溶解若しくは分散させた後、タンパク質成分を
添加混合して調製したデンプンの脱水ケーキを混合しな
がら直接噴霧等して行なう(実施例17・18参照)。
当然、脱水ケーキを乾燥・加熱後のものに、乳化剤を直
接噴霧して添加してもよい。このようにすることによっ
て、それぞれ粉状の澱粉と乳化剤とを単に混合した場合
とは異なり、乳化剤が粉状澱粉に対して溶媒和的に結合
して、添加したデンプンの水濡れ性を補完するものと推
定される。
しては 具体的には、下記のようなものを好適に使用可
能である。
9〜16)、ジアセチル酒石酸モノグリセリド(HLB
9以上)、クエン酸モノグリセリド(HLB9以上)、
等のグリセリンモノエステル、シュガーエステル(HL
B9〜16)、ソルビタンエステル(HLB9以上)、
ステアロイル乳酸カルシウム(HLB9以上)等が使用
可能である。
テルが特に好ましい。欧米において古くから食品工業に
おいて使用されているとともに高級脂肪酸とグリセリン
の重合度を適宜選択して最適なHLBのものが得易いた
めである。また、本発明者らは、近似HLBにおいて、
シュガーエステルより水濡れ性低下の抑制効果が大きい
ことを確認している。
のものとし、グリセリンの重合度は2〜10とする。
6)、カプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)、ラ
ウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミ
チン酸(C16)、ステアリン酸(C18)等の飽和脂
肪酸、さらに、オレイン酸(C18)、リノール酸(C
18)、リノレン酸(C18)等の不飽和脂肪酸を好適
に使用できる。
記の如く工程を経て製造することが望ましい。
リー pH 5.0〜8.0(望ましくは6.0〜7.0)
になるように調整後、脱水してデンプンケーキを調製す
る工程。
苛性ソーダや炭酸ソーダ等のアルカリにより行なう。ス
ラリー pH が5.0より低いと、後工程での加熱処理に
おいてデンプンが熱分解を受けて粘度低下を起こし易
く、バッターとして用いた場合衣種物結着性が低下する
おそれがある。スラリー pH が8.0より高いと、ア
ルカリによる異味・異臭があったり、後の加熱工程に
おける着色が激しくて、それぞれ食品素材としては問題
が発生し易い。
散液混合物の水分(湿量基準含水率)25〜50%(望
ましくは35〜45%)になるような量の水溶媒にタン
パク質を分散させるタンパク質分散液を調製する工程 当該水分が過少であると、デンプン成分に対するタンパ
ク質成分の均一分散性が低下して、結果として、良好な
衣種物結着性を得難い。逆に過多であると、デンプンケ
ーキがスラリー状となって、脱水処理が必要となり、脱
水処理に際して、水溶性タンパク質が流出しやすく、結
果的として、やはり良好な衣種物結着性を得難い。
合物を乾燥後、115〜165℃×10〜65min の条
件で加熱処理する加熱処理する工程。
度と逆比例し、高温であれば短時間でもよいが低温であ
れば長時間を要する。加熱処理の条件は、望ましくは1
25〜155℃×25〜55min 、更に望ましくは13
0〜150℃×30〜50min とする。
より高い)とデンプンが熱分解しやすく粘度低下が著し
くて、結着作用に寄与できる粘度を維持し難くなり、結
果的に揚げ物の衣種物結着性を得難くなる。逆に、加熱
温度が低過ぎる(たとえば、115℃より低い)とタン
パク質の熱変性が不十分で本発明の衣種物結着性の改善
効果が十分に得難い。
導加熱乾燥(過熱蒸気、電熱ヒータ等)、赤外線乾燥、
高周波乾燥、超音波乾燥、真空乾燥、等を単独または複
数組み合わせて適用可能である。乾燥方式としては、回
分式(バッチ方式)・連続式を問わない。乾燥装置形態
としては、棚段、流動床、ベルトコンベア等任意であ
る。
内、加熱乾燥方式のものを単独、または、任意に組み合
わせて使用可能である。被処理物(混合物)の品温が所
定の温度に達し、所定の時間の間加熱されればよいた
め、通常、乾燥手段として加熱方式のものを使用して、
乾燥と加熱を連続的に行う。
あたっては、均一にタンパク質を添加混合することが必
要である。例えば、タンパク質を水に溶解・分散させる
ことにより調製したタンパク質分散液を脱水デンプンケ
ーキにスプレーして添加し必要時間各種混合機を用いて
混合するとよい。
で揚げ物用衣材として使用され高い衣種物結着性を示す
が、必要に応じて、各種穀粉類、タンパク質類、増粘安
定剤、乳化剤、調味料、香辛料等を加えて揚げ物用衣材
とすることもできる。
材として使用する場合を、例にとり説明したが、さら
に、本発明の食品用改質デンプンは、製菓、製パン、製
麺等に用いられる食品用打粉にも適用できる。本発明の
食品用改質デンプンは、粉体の流動性が良好で、打粉作
業性の改善に寄与する。
の製造時に、装置への付着や製品相互の付着を防止する
ため打粉(とり粉、手粉とも言う)が使用される。従来
からこの目的のためにコーンスターチ、タピオカデンプ
ン、馬鈴薯デンプン、サゴデンプンなどのデンプン類や
米粉、小麦粉、そば粉などの穀粉類が使用されている。
また、打粉には高い粉体流動性が必要とされ、この性質
を改良する手段として原料デンプンを酸化処理する方法
(特開平1−179658号)、デンプンや小麦粉に少
なくとも1種以上の滑沢剤を配合する方法(特開平4−
325062号)、塩酸や硫酸等の鉱酸を使用して原料
デンプンを酸浸漬処理する方法(特開平6−13371
3号)等が提案されている。
ン類や穀粉類は、粉体流動性が低いため種物への付着が
不均一となり易く、また均一に散布するためには熟練を
要するなど取り扱いが不便とされた。また、粉体流動性
を改良するための前述の提案(特開平1−179658
号、特開平6−133713号)も処理前の原料デンプ
ンよりは改良効果が見られるものの未だ不十分である。
滑沢剤を添加する方法(特開平4−325062号)で
は改良効果が見られるものの種物表面の乾燥を招き、さ
らに、滑沢剤という薬品添加が食品としての心象を悪く
するなどの問題がある。本発明の目的は粉体流動性の高
い作業性に優れた打粉を提供するものである。
改質デンプンは、前記揚げ物用衣材に使用するものと実
質的に同一物を使用する。そして、当該食品用打粉にお
けるデンプン原料は、馬鈴薯デンプンやサゴデンプンの
ようにデンプン粒子の粒径の大きなデンプンの方が、優
れた流動性が得られて好ましい。また、麺類の打ち粉に
使用する場合は、酸化処理や酸処理により低粘度化した
デンプンを原料として用いることが、茹で湯の濁りを抑
制できることが期待できて望ましい。
げ、さらに、効果を確認するために行なった試験例につ
いても説明する。
ク質の商品名、製造販売会社名、および特性はそれぞれ
下記の通りである。
ュリナプロテイン社製)、水溶性タンパク質含量:75
%、脂質含量:0.3% カゼインナトリウム…「サンラクトS−3」(太陽化学
社製)、水溶性タンパク質含量:93%、脂質含量:
0.1% 卵白粉末…太陽化学社製、水溶性タンパク質含量:70
%、脂質含量:0.6% 卵黄粉末…太陽化学社製、水溶性タンパク質含量:2
%、脂質含量:52.5% また、各項目の試験は、下記の如く行なった。
ガム(大日本製薬社製)0.7gを混合し、水150g
を加えてよく攪拌し、一時間放置してバッター液とし
た。厚さ12mmに切ったロース肉に調製したバッター
液を肉重量100部に対して25部となるように付着さ
せ、パン粉をまぶし、175〜185℃の範囲内で2分
30秒間揚げた。30分間放冷後、試作したトンカツを
厚さ1cmに切り、その断面の衣と肉との結着状態を目
視にて観察し、完全に結着している場合を10点満点と
して点数化し、全ての断面の得点の平均点を求めた。す
なわち、切った断面において、肉の周囲の長さに対し
て、その周囲の衣が結着している部分のトータル長さを
目視にて見分け、その割り合いで点数化する。点数が高
い程、衣種物結着性が高い。
クロン社製)にて、ゆるみ見掛比重と固め見掛比重を測
定し、両者の値から次に示す計算式より圧縮度を計算し
た。圧縮度の値が大きいほど流動性は悪くなり、ホッパ
ーの架橋現象が強くなる。なお、ゆるみ見掛比重を測定
する際に目開き710μのフルイを通す必要があるが、
流動性がある程度以上悪くなると、このフルイを通すこ
とができなくなる。その場合は測定不能と表示した。
ゆるみ見掛比重)/固め見掛比重 <スラリー粘度>試料100g(無水物換算)を取り、
0〜5℃の冷水を加えて全重量を250gにして40%
濃度のスラリーを調製し、BM型粘度計にて粘度を測定
した。測定時の回転数は12rpmとし、また、測定精
度向上の目的から粘度計の針ができる限り大きく振れる
可及的に番手の小さいロータ(No. 1−3)を選択し
た。
試験 <実施例1〜2・対照例2>市販コーンスターチA(日
本コーンスターチ社製:水分約13%、以下同じ)50
0gを水750mLに懸濁させ、5%NaOHaqにて p
H 6.5に調製後、遠心脱水機(国産製)で脱水して脱
水ケーキを調製した。該脱水ケーキの水分は33%であ
った。
の示す各量の水(デンプンケーキ/タンパク質分散液混
合物の水分(以下、「添加後水分」)が括弧内になる
量)に懸濁させタンパク質溶液を調製した。脱水したデ
ンプンケーキを万能混合攪拌機(品川工業所製)に取
り、攪拌しながらタンパク質溶液を噴霧器にて添加混合
した。
して粉砕機(東京アトマイザー社製造製)で粉砕した。
機で加熱し品温が140℃に達してから30分間保持し
た。その後乾燥機から取り出し、一晩放置して調湿し
て、実施例1・2と対照例2の各試料を得た。
gを水750mLに懸濁させ、5%NaOHaqにて pH
6.5に調整し遠心脱水機で脱水し、棚式乾燥機にて4
0℃で9時間乾燥して粉砕機で粉砕した。乾燥デンプン
の水分は10.5%であった。
り懸濁させタンパク質溶液を調製した。
り、攪拌しながらタンパク質溶液を噴霧器にて添加混合
した。添加後水分は44.5%であった。
して粉砕機で粉砕した。さらにそれを140℃に設定し
た棚式乾燥機で加熱し品温が140℃に達してから30
分間保持した。その後乾燥機から取り出し、一晩放置し
調湿して対照例3の試料を得た。
・2、対照例2・3)及び市販コーンスターチA(対照
例1)を用いて方法衣種物結着性の評価およびスラリー
粘度の測定を行なった。
は高い衣種物結着性を示した。他方、対照例1・2は衣
種物結着性が低く、対照例3は粘度が高いため、加水量
を3倍にしてバッター液を調製したところ衣種物結着性
が低かった。
「サンラクトS−3」(太陽化学社製)と「卵黄粉末」
(太陽化学社製)を表2・3のように混合して、表示の
種々の脂質含量の混合タンパク質成分を調製した。
mLに懸濁させ、5%NaOHaqにて pH 6.5に調整
し遠心脱水機で脱水した。脱水ケーキ水分は31.5%
であった。この操作を繰り返し必要な量の脱水ケーキを
調製した。
分100部に対して表2〜3になるような量を取り、水
150mLに懸濁させてタンパク質溶液を調製した。な
お、添加後水分を表2〜3に示す。
攪拌機に取り、攪拌しながらタンパク質溶液を添加混合
した。それを棚式乾燥機にて40℃で9時間乾燥して粉
砕機で粉砕し、さらに棚式乾燥機を140℃に設定して
加熱し品温が140℃に達してから30分間保持した。
その後乾燥機から取り出し、一晩放置し調湿して実施例
3〜12と対照例4〜8の各試料を得た。
スターチ(対照例1)を用いて、方法により圧縮度を計
測して粉体の流動性を評価した。流動性が原料である未
処理のコーンスターチより良くなっているものを○、悪
くなっているものをΧで表した。それらの結果を表4に
示す。
た。実施例11(脂質添加量=0.0836部)では流
動性が良好であったが、対照例4(脂質添加量=0.1
219部)では無添加の比較例1より流動性が悪化し
た。
には、水溶性タンパク質供給源であるタンパク質成分を
添加することにより、タンパク質成分に夾雑物として含
有される脂質の合計添加量がデンプン100部に対して
約0.1部以下でなければならないことが分かった。
ンスターチA500gを水750mLに懸濁させ、5%
NaOHaqにて pH 6.5に調整し遠心脱水機で脱水し
た。脱水ケーキの水分は33%であった。
gを水100mLに懸濁させタンパク質溶液を調製し
た。この水100mLは添加後水分が41.8%になる
量である。
り、攪拌しながら調製したタンパク質溶液を噴霧器にて
添加混合した。それを棚式乾燥機にて40℃で9時間乾
燥して粉砕機で粉砕した。この操作を数回繰り返し必要
分量のタンパク質/デンプン混合物を調製した。
度に設定した棚式乾燥機で品温が所定の温度に達してか
ら表示のような時間で加熱した。その後乾燥機から取り
出し一晩放置して調湿して、加熱条件の異なる試料を得
た。
料16点を用いて衣種物結着性を評価して、それら結果
を表5に示す。130℃にて30分間と50分間、及
び、150℃にて30分間と50分間加熱したものが良
好な衣種物結着性を示した。これらの結果から、加熱処
理条件は、115〜165℃×15〜65min 、望まし
くは125℃〜155℃×20〜60min 、さらに望ま
しくは130〜150℃×30〜50min であることが
支持される。
プ): <実施例13>市販コーンスターチA5kgを水7Lに
懸濁させ5%NaOHaqにて pH 6.5に調製し、脱水
機(国産製)で脱水して、水分33%の脱水ケーキを得
た。
3」(太陽化学製)25gを500mLの水に懸濁させ
タンパク質溶液を調製した。この500mL(500
g)の水は添加後水分が37.7%になるような量であ
る。
に取り、攪拌しながらタンパク質溶液を噴霧器にて添加
混合した。それを棚式乾燥機にて40℃で9時間乾燥し
て粉砕機で粉砕した。さらに棚式乾燥機を150℃に設
定して加熱し品温が150℃に達してから50分間保持
した。その後乾燥機から取り出し、一晩放置し調湿して
カゼインナトリウムによる食品用改質デンプンを得た。
gを水7Lに懸濁させ5%NaOHaqにて pH 6.5に
調整し、脱水機(国産製)で脱水して、水分33%の脱
水デンプンケーキを得た。
ソークスレー脂肪抽出により脱脂したカゼインナトリウ
ム「サンラクトS−3」25gを500mLの水に懸濁
させタンパク質溶液を調製した。この500mL(50
0g)の水は添加後水分が37.7%になるような量で
ある。
り、攪拌しながらタンパク質溶液を噴霧器にて添加混合
した。それを棚式乾燥機にて40℃で9時間乾燥して粉
砕機で粉砕した。さらに棚式乾燥機を150℃に設定し
て加熱し品温が150℃に達してから50分間保持し
た。その後乾燥機から取り出し、一晩放置し調湿して脱
脂したカゼインナトリウムによる食品用改質デンプンを
得た。
13%)30kgを水40Lに溶解してスラリーを調製
し、炭酸ナトリウム300gを加えた後、酢酸ビニル7
50gを加えて1時間攪拌し、10%硫酸にて pH 6.
5に調整した後、これに3倍水の水を加えて脱水し水分
37%の脱水ケーキを得た。
で10時間乾燥してアセチル化タピオカデンプン(水
分:13%、置換度0.030)を得た。
を水3Lに取り、懸濁させタンパク質溶液を調製した。
この3L(3000g)の水は添加後水分が42.1%
になるような量である。
ルトン製)に取り、回転させながらじょうろにて調製し
たタンパク質溶液を添加し20分間混合した。混合物を
熱風解砕乾燥機に移し、温度110℃の熱風を送り40
分間乾燥し、さらに150℃の熱風を送り込み品温が1
40℃に達してから50分間保持した。
調湿し卵白粉末による食品用改質アセチル化タピオカデ
ンプンを得た。
30kgを水40Lに溶解させてスラリーを調製し、硫
酸ナトリウム(Na2 SO4 )を1.5 kgを加えた後、
NaOH5%aqを用いて pH 11.0に調整した。その後、
オキシ塩化リン(POCl3 )3gを添加して1時間攪
拌し、H2 SO4 10%aqで pH 6.5に調製した後、
これに3倍水の水を加え脱水して脱水ケーキを得た。該
脱水ケーキ8kgを棚式乾燥機で40℃×10hの条件で
乾燥して架橋タピオカデンプン(水分13.5%)を得
た。
gを水3Lに投入し懸濁させてタンパク質懸濁液を調製
した。この3L(3000g)の水は、添加後水分が4
2.1%になるような量である。
ダー(ダルトン社製)に投入し、回転させながら上記タ
ンパク質懸濁液をジョウロを用いて添加しながら20mi
n 混合した。該混合物を熱風解砕乾燥機に移し、110
℃×40分間の条件で乾燥し、さらに150℃の熱風を
送入し、品温が140℃に達してから50min 保持し
た。その後、当該乾燥機から混合物を取り出し、一晩放
置して調湿し卵白粉末による食品用改質タピオカデンプ
ンを得た。
約17%)5kgを水7.5Lに溶解させてスラリーを
調製し、硫酸ナトリウム(Na2 SO4 )を250g加
えた後、NaOH5%aqを用いてpH11.0に調整
した。オキシ塩化リン(POCl3 )1gを添加して1
時間攪拌し、H2 SO4 10%aqでpH6.5に調整
した後、これを3倍水の水を加えて脱水して水分33%
の架橋馬鈴薯デンプンの脱水ケーキを得た。
3」(太陽化学製)20gを500mLの水に懸濁させ
タンパク質溶液を調製した。この500mL(500
g)の水は添加後水分が37.7%になるような量であ
る。
り、攪拌しながらタンパク質溶液を噴霧器にて添加混合
した。それを棚式乾燥機にて40℃で9時間乾燥して粉
砕機で粉砕した。さらに棚式乾燥機を150℃に設定し
て加熱し品温が150℃に達してから50分間保持し
た。その後乾燥機から取り出し、一晩放置し調湿してカ
ゼインナトリウムによる食品用改質架橋馬鈴薯デンプン
を得た。
13%)5kgを水7.5Lに溶解させてスラリーを調
製し、硫酸ナトリウム(Na2 SO4 )を250g加え
た後、NaOH5%aqを用いてpH11.0に調整し
た。オキシ塩化リン(POCl3 )2gを添加して1時
間攪拌し、H2 SO4 10%aqでpH6.5に調整し
た後、これを3倍水の水を加えて脱水して水分33%の
架橋小麦デンプンの脱水ケーキを得た。
3」(太陽化学製)20gを500mLの水に懸濁させ
タンパク質溶液を調製した。この500mL(500
g)の水は添加後水分が37.7%になるような量であ
る。
り、攪拌しながらタンパク質溶液を噴霧器にて添加混合
した。それを棚式乾燥機にて40℃で9時間乾燥して粉
砕機で粉砕した。さらに棚式乾燥機を150℃に設定し
て加熱し品温が150℃に達してから50分間保持し
た。その後乾燥機から取り出し、一晩放置し調湿してカ
ゼインナトリウムによる食品用改質架橋小麦デンプンを
得た。
ンスターチ735.3g(無水換算500g)に大豆油
を0.3g(対DS0.06%に相当)添加し万能混合
攪拌機にて10分間攪拌し、それを棚式乾燥機にて40
℃で9時間乾燥して粉砕機で粉砕した。さらに棚式乾燥
機を150℃に設定して加熱し品温が150℃に達して
から50min保持した。その後乾燥機から取り出し、一
晩放置し調湿して大豆油による食品用改質デンプンを得
た。
品用改質デンプン4点(実施例13〜16)、油脂によ
る食品用改質デンプン1点(対照例12)、及び、市販
コーンスターチA、蛋白無添加アセチル化タピオカデン
プン、市販薄力小麦粉、市販小麦デンプンを用いて、ス
ラリー粘度と粉体の流動性を測定し、さらにバッター液
を調製して衣種物結着性を評価した。なお、小麦粉の場
合はグルテンによって粘度が発現するので、グアーガム
は添加せずにバッター液を調製した。
衣種物結着性に優れているとともに、圧縮度が低く、流
動性にも優れていることが分かる。これに対して、対照
例12は、衣種物結着性は改善されているものの、圧縮
度が高くて、流動性が悪いことが分かる。
の調製>市販コーンスターチA500gを水750mL
に懸濁させ、5%NaOHaqにて、pH6.5に調製し、
遠心脱水機で脱水した。脱水ケーキの水分は33%であ
った。
3」1.5gを水70mLに懸濁させタンパク質溶液を
調製した。この水70mLは、添加後水分が39.4%
になる量である。
ポリグリセリン脂肪酸エステル(阪本薬品工業社製)
0.75gを水系溶媒(水または熱エタノール)30m
Lに溶解分散させ乳化剤溶液を調製した。この水系溶媒
30mLは、添加後水分が41.8%になる量である。
攪拌しながら調製したタンパク質溶液を噴霧器にて添加
混合した。さらに、別に調製した乳化剤溶液を1点分噴
霧器にて添加混合した。乳化剤溶液が4点あるのでそれ
ぞれ別々にこの操作を繰り返し4種の乳化剤/タンパク
質/デンプン混合物を調製した。
して粉砕機で粉砕した。さらに棚式乾燥機を150℃に
設定して加温し品温が150℃に達してから50分間保
持した。その後乾燥機から取り出し、一晩放置し調湿し
てHLBの異なる乳化剤を添加した4種の食品用改質デ
ンプンを得た。
0gを300mLビーカーに取り、各試料50gを加え
てゆっくり攪拌し、試料の水への分散の様子を目視にて
観察した。水濡れの悪い試料は水面に浮くため均一な懸
濁液とするのに長時間の攪拌を要する。
改質デンプンの水濡れ性を評価した結果を表7に示す。
これにより水濡れ性を改善するためには、各実施例のご
とく、HLBが9以上でなければならないことが分か
る。
販コーンスターチA500gを水750mLに懸濁さ
せ、5%NaOHaqにてpH6.5に調整し遠心脱水機で
脱水した。脱水ケーキの水分は33%であった。
−3」1.5g(デンプン100部に対して0.3部)
と、表9の示す各量(部数)のポリグリセリン脂肪酸エ
ステル「MCA−750」とを水100mLに懸濁さ
せ、乳化剤/タンパク質溶液を調製した。この水100
mLは添加後水分が41.8%になる量である。
り、攪拌しながら調製した乳化剤/タンパク質溶液を噴
霧器にて添加混合した。乳化剤/タンパク質溶液が5点
あるのでそれぞれ別々にこの操作を繰り返し5種の乳化
剤/タンパク質/デンプン混合物を調製した。
して粉砕機で粉砕した。さらに棚式乾燥機を150℃に
設定して加温し品温が150℃に達してから50分間保
持した。その後乾燥機から取り出し、一晩放置し調湿し
て乳化剤の添加量の異なる食品用改質デンプンを得た。
の水濡れ性と衣種物結着性を前述の方法にしたがって評
価した。
り0.01部では水濡れ性改良効果が得られず、0.6
0部では逆に衣種物結着性に悪影響を及ぼすことが分か
る。
懸濁させてスラリーを調製し5%NaOHを加えてpH1
1に調整した後、次亜塩素酸ナトリウムをデンプンに対
し有効塩素量として0.3%になるように加えて1時間
攪拌する。その後、亜硫酸ナトリウムを加えて残存する
活性塩素を除去し、10%硫酸にてpH6.5に調整した
後、これに3倍量の水を加えて脱水し水分33%の脱水
ケーキを得た。
3」15gとシュガーエステル「DKエステルF−16
0」(第一工業製薬社製)5gを500mLの水に懸濁
させタンパク質/乳化剤溶液を調製した。この500m
L(500g)の水は、添加後水分が37.7%になる
ような量である。
り、攪拌しながらタンパク質/乳化剤溶液を噴霧器にて
添加混合した。それを棚式乾燥機にて40℃で9時間乾
燥して粉砕機で粉砕した。さらに棚式乾燥機を130℃
に設定して加温し品温が130℃に達してから50分間
保持した。その後乾燥機から取り出し、一晩放置し調湿
してカゼインナトリウムによる乳化剤入り食品用改質酸
化コーンスターチを得た。
とも良好であることが分かる。
ウムによる食品用改質コーンスターチを中華麺の打粉と
して使用した。流動性が良いため、麺線に均一に分散し
外観が良好であり、麺線どうしの結着も見られなかっ
た。
同様に用いたところ、流動性が悪く麺線に均一に散布す
ることが困難であるため外観も悪く、麺線どうしの付着
を防止するため麺全体に打粉を付着させるには多量の打
粉が必要であった。
を水7.5Lに溶解させてスラリーを調製し、NaOH
5%aqを用いてpH11.0に調整した後、次亜塩素
酸ナトリウムをデンプンに対して有効塩素量として1%
になるように加えて2時間攪拌する。その後、亜硫酸ナ
トリウムを加えて残存する活性塩素を除去し、10%硫
酸にてpH6.5に調整した後、これを3倍水の水を加
えて脱水して水分33%の脱水ケーキを得た。 別にカ
ゼインナトリウム「サンラクトS−3」(太陽化学製)
30gを500mLの水に懸濁させタンパク質溶液を調
整した。この500mL(500g)の水は添加後水分
が37.7%になるような量である。
り、攪拌しながらタンパク質溶液を噴霧器にて添加混合
した。それを棚式乾燥機にて40℃で9時間乾燥して粉
砕機で粉砕した。さらに、棚式乾燥機を150℃に設定
して加温し品温が150℃に達してから50分間保持し
た。その後乾燥機から取り出し、一晩放置し調湿してカ
ゼインナトリウムによる食品用改質酸化馬鈴薯デンプン
を得た。
鈴薯デンプンを大福餅の打粉として使用したところ、流
動性が良いため、大福餅表面に均一に分散し外観が良好
であり、大福餅どうしの結着も見られなかった。
同様に用いたところ、流動性が悪いため大福餅表面に均
一に付着させることが困難で、多量に付着した部分と付
着量の少ない部分ができて外観の悪いものであった。ま
た、付着量の少ない部分は大福餅どうしの結着の原因と
なった。
ンプンは粉体の流動性に優れ、かつ、揚げ物用衣材とし
て用いた場合、優れた衣種物結着性を付与する。
の製造法として、例えばタンパク質に囲まれたデンプン
またはデンプンを含む穀粉の粒を形成せしめた後、タン
パク質を加熱変性することによって、餡様食品素材を製
造する方法がある(特公昭48−14063号公報)。
この方法は、水の存在下でデンプン粒子が崩壊され難い
状態、かつ、粒状の状態を作り、デンプンの膨潤を抑制
して餡様の微粒子的食感を得るものであり、餡様の食感
を得るという目的としては効果を有している。しかし、
当該先行文献の中で、タンパク質とデンプンの割合は、
タンパク質が10〜40%であることを限度とし、タン
パク質があまり少なくなると、水の存在下における加熱
によるデンプンの団粒の崩壊が認められるようになり微
粒子的感じが少なくなると記載されているように、この
方法はタンパク質に囲まれたデンプンの団粒が加熱によ
り崩壊しないように多量のタンパク質でデンプン質を強
固に被覆するものである。
は、バッターを目的とするものではなく、加熱調理の
際、デンプンがタンパク質に被覆されたままの状態を維
持し、デンプン同士の接着による衣の形成及び衣種物結
着性の向上もしくは粉体流動性の向上を予定していな
い。
の懸濁液と植物タンパク質を主成分とする食品素材の分
散溶解液を混合し、100℃ないし150℃に加熱し、
1分ないし15分間該温度範囲内に保持しつつ噴霧乾燥
する方法がある(特公昭62−17504号公報)。こ
れは、デンプンの膨潤及び糊化する温度を低下させ、ま
たゲル化させたときにその保水性を向上させるものであ
り、目的・構成において本発明とは異なり、本発明のよ
うな衣種物結着性の向上もしくは粉体流動性の向上を予
定していない。
及び水を含有する混合物を噴霧乾燥する方法があるが
(特許第2682023号)、バッターミックスとした
場合、バッターミックスの粘度の経時的低下の少ないデ
ンプン質素材を提供することを目的とするものであり、
目的・構成において本発明とは異なり、上記同様、本発
明のような衣種物結着性の向上もしくは粉体流動性の向
上を予定していない。
Claims (15)
- 【請求項1】 デンプン成分にタンパク質成分が添加さ
れて改質されてなる食品用改質デンプンにおいて、 前記デンプン成分に対して、水溶性タンパク質を衣種物
結着性/粉流動性改善可能な量を含み、かつ、脂質含量
が前記水溶性蛋白質の粉流動性改善作用を阻害しない量
以下となるように前記タンパク質成分が添加されている
ことを特徴とする食品用改質デンプン。 - 【請求項2】 前記デンプン成分が架橋化デンプンから
なる又は主体とするものであることを特徴とする請求項
1記載の食品用改質デンプン。 - 【請求項3】 デンプン成分にタンパク質成分が添加さ
れて改質されてなる食品用改質デンプンにおいて、 前記デンプン成分100重量部に対して、水溶性タンパ
ク質添加量:0.05〜6.0部かつ脂質添加量:0.
1部以下の要件を満たすように前記タンパク質成分が添
加されてなることを特徴とする食品用改質デンプン。 - 【請求項4】 前記蛋白質成分として脂質含量6%以下
のものを使用することを特徴とする請求項3記載の食品
用改質デンプン。 - 【請求項5】 さらに、HLB9以上の乳化剤が前記デ
ンプン成分100重量部に対して0.025〜0.5重
量部添加されていることを特徴とする請求項1、2、3
又は4記載の食品用改質デンプン。 - 【請求項6】 40wt%濃度のスラリー粘度0.02〜
4Pa・s(20〜4000 cPs)の要件を満たすものであ
ることを特徴とする請求項4又は5記載の食品用改質デ
ンプン。 - 【請求項7】 圧縮度の値が原料澱粉のそれより低いこ
とを特徴とする請求項6記載の食品用改質デンプン。 - 【請求項8】 圧縮度の値が原料澱粉のそれより低いこ
とを特徴とする請求項4記載の食品用改質デンプン。 - 【請求項9】 前記デンプン成分が架橋化デンプンから
なる又は主体とするものであることを特徴とする請求項
3、4、5、6、7又は8記載の食品用改質デンプン。 - 【請求項10】 請求項9に記載の食品用改質デンプン
を含有することを特徴とする揚げ物用衣材。 - 【請求項11】 請求項3、4、5、6、7又は8に記
載の食品用改質デンプンを含有することを特徴とする揚
げ物用衣材。 - 【請求項12】 請求項9に記載の食品用改質デンプン
を含有することを特徴とする食品用打粉。 - 【請求項13】 請求項3、4、5、6、7又は8に記
載の食品用改質デンプンを含有することを特徴とする食
品用打粉。 - 【請求項14】 請求項1に記載の食品用改質デンプン
の製造方法であって、 (1) デンプンを水でスラリー化して、スラリー pH 5.
0〜8.0になるように調整後、脱水してデンプンケー
キの調製工程、 (2) 後記デンプンケーキ/タンパク質分散液混合物の水
分(湿量基準含水率)25〜50wt%になるような量の
水にタンパク質を分散させるタンパク質分散液の調製工
程、 (3) デンプンケーキ/タンパク質分散液混合物を乾燥
後、115〜165℃×15〜65min の条件で加熱処
理する加熱処理工程、 を含むことを特徴とする食品用改質デンプンの製造方
法。 - 【請求項15】 前記デンプンのスラリー pH 6.0〜
7.0であり、前記澱粉ケーキ/タンパク質分散液混合
物の水分が35〜45wt%であり、かつ、澱粉ケーキ/
タンパク質分散液混合物の加熱処理条件が、125〜1
55℃×25〜55min であることを特徴とする請求項
14記載の食品用改質デンプンの製造方法。
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