JP2010270273A - 澱粉糊液の製造方法、澱粉糊液およびその澱粉糊液を塗布または含浸した塗被紙 - Google Patents

澱粉糊液の製造方法、澱粉糊液およびその澱粉糊液を塗布または含浸した塗被紙 Download PDF

Info

Publication number
JP2010270273A
JP2010270273A JP2009125353A JP2009125353A JP2010270273A JP 2010270273 A JP2010270273 A JP 2010270273A JP 2009125353 A JP2009125353 A JP 2009125353A JP 2009125353 A JP2009125353 A JP 2009125353A JP 2010270273 A JP2010270273 A JP 2010270273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
starch
coated paper
glue solution
enzyme
slurry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009125353A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5471034B2 (ja
Inventor
Yuichiro Otsu
裕一郎 大津
Kunihiko Watanabe
邦彦 渡辺
Yuji Okasaka
裕司 岡坂
Taichi Kobayashi
太一 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP2009125353A priority Critical patent/JP5471034B2/ja
Publication of JP2010270273A publication Critical patent/JP2010270273A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5471034B2 publication Critical patent/JP5471034B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、澱粉粉末懸濁スラリー保存時のpH安定性が良好であり、安定した酵素反応により仕上げ糊液粘度のバラツキが少ない酵素変性澱粉の製造方法とその澱粉糊液、およびその澱粉糊液を基材に塗被または含浸した塗被紙を提供する。
【解決手段】 脱水・乾燥前の澱粉粉末懸濁液のpHが6.0±1.0となるように調整した澱粉粉末をpH調整しないで水に再懸濁し、至適pHが6.0±1.0の澱粉分解酵素を加え蒸煮する澱粉糊液の製造方法である。また、該製造方法により製造して得た澱粉糊液、およびその澱粉糊液を基材に塗被または含浸した塗被紙である。
【選択図】 なし

Description

本発明は主としてサイズプレス液や塗被紙用塗料に使用する酵素変性澱粉糊液において、澱粉粉末懸濁スラリー保存時のpH安定性が良好であり、安定した酵素反応により仕上げ糊液粘度のばらつきが少ない該澱粉糊液の製造方法とその酵素変性澱粉糊液およびその澱粉糊液を塗布または含浸した塗被紙に関するものである。
従来、製紙業界においては、サイズプレス液、塗被紙塗料、内部添加、段ボール加工、紙管加工等の原料として澱粉が使用されている。そして、これらの用途に使用する際には、澱粉粉末を水に分散懸濁させたスラリーを加熱蒸煮によって糊化させて、澱粉糊液に調製して利用するのが一般的である。
澱粉原料は、地下澱粉として馬鈴薯、甘薯、タピオカ等があり、地上澱粉として米、麦、トウモロコシ等がある。また、生澱粉をそのまま糊化すると粘度が高く、品質も劣るので製紙用澱粉糊液としては不適当であり、そのために酵素変性、熱化学変性、酢酸エステル化変性、リン酸エステル化変性、カルボキシエーテル化変性、ヒドロキシエーテル化変性、カチオン化変性等の変性を一種類あるいは二種類以上組合せて減粘処理を行っている。
澱粉糊液をサイズプレス液や塗被紙用塗料等に使用する場合に、製紙工場で変性糊化を行うことを自家変性という。そして、自家変性は酵素変性又は熱化学変性によって行うことが殆どであるが、なかでも、設備投資が少なくて済み、使用薬品コストが低いことから、近年は酵素変性が多く行われている。
自家変性工程では、最も基本的な要求品質として仕上がり澱粉糊液の粘度のばらつきが少ないことが挙げられる。これは、澱粉糊液を使用したサイズプレス液や塗被紙塗料を含浸・塗布した紙製品の品質が、仕上がり澱粉糊液の粘度のばらつきに左右されてしまうためである。
澱粉酵素変性工程は、澱粉粉末をスラリータンク内で水に懸濁後、pH調整薬品を添加して所定のpHとして保管し、必要に応じて一定量のスラリーと酵素液を蒸煮装置に投入して加熱し、糊化および酵素変性を行う。しかしながら、スラリーのpHが変動すると酵素反応の程度が変化し、同じ昇温カーブを用いても仕上がり粘度が変化してしまうことがあった。サイズプレスでは粘度のばらつきによるサイズプレス液塗布量の不安定化やボイリング現象、および増粘による塗料のスクリーン詰まり等の発生がある。また、塗被紙塗料を塗布するコーターでは粘度のばらつきによる塗布量の不安定化および増粘によるバックフロー、ブリーディング等の発生がある。このように澱粉糊液の粘度のばらつきはサイズプレスやコーター等の操業性を悪化させ、それを使用した紙製品は塗布量がばらつくことによる表面強度低下、サイズ性低下、白色度や光沢度などの塗布量変化に伴う変動、さらに操業性の悪化による外観の低下のため紙製品の品質が不安定となることがあった。
そこで、澱粉糊液のpHを高くすることで、澱粉の老化を防止する技術が開示されている(特許文献1)が、仕上がり粘度そのもののばらつきを抑制する効果はなく、仕上がり粘度がばらついた場合には製品品質の低下を抑制することはできなかった。また、酵素変性澱粉水溶液中で(メタ)アクリルアミドを必須成分とするビニルモノマー類を共重合して得られる水溶性共重合体を有効成分とする紙力増強剤が開示されている(特許文献2)が、澱粉の仕上がり粘度がばらつくと、紙力増強剤の効果もばらつくことになり、問題がある。澱粉と有機酸塩類を混合した加熱変性澱粉が開示されている(特許文献3)が、これは澱粉の粘度低下を抑制するための技術であり、澱粉糊液の仕上がり粘度のばらつきとはなんら関係はない。澱粉を粉砕して酵素糖化液を製造する方法が開示されている(特許文献4)が、完全糖化を目的とした糖化液の製造方法であり、澱粉糊液の仕上がり粘度のばらつきを抑制することはできない。アルカリ水溶液中でスラリー化し、加熱蒸煮後の糊化液をろ過する方法が開示されている(特許文献5)が、これは加熱蒸煮による糊化液の製造方法であり、アルカリ性では澱粉分解酵素(アミラーゼ)活性がほとんどないことから、澱粉の酵素変性における仕上がり粘度のばらつきを抑制するために該方法を適用することは困難である。
以上のような状況から、サイズプレス液や塗被紙用塗料に使用する酵素変性澱粉糊液において、澱粉粉末懸濁スラリー保存時のpH安定性が良好であり、安定した酵素反応により仕上げ糊液粘度のばらつきが少ない酵素変性澱粉糊液が強く要望されてきた。
特開平6−248246号公報 特開平11−241294号公報 特開2005−171112号公報 特開2001−275693号公報 特開平9−194501号公報
本発明は主としてサイズプレス液や塗被紙用塗料に使用する酵素変性澱粉糊液において、澱粉粉末懸濁スラリー保存時のpH安定性が良好であり、安定した酵素反応により仕上げ糊液粘度のばらつきが少ない酵素変性澱粉糊液の製造方法とその澱粉糊液、およびその澱粉糊液を基材の少なくとも片面に塗布または含浸した塗被紙を提供するものである。
本発明は以下の各発明を包含する。
澱粉粉末製造工程において、脱水・乾燥前の澱粉粉末懸濁液のpHが6.0±1.0となるように調整し、該懸濁液を脱水・乾燥して得た澱粉粉末をpH調整しないで水に再懸濁し、至適pHが6.0±1.0の澱粉分解酵素を加え蒸煮する澱粉糊液の製造方法。
澱粉粉末製造工程において、脱水・乾燥前の澱粉粉末懸濁液のpHが6.0±1.0となるように調整し、該懸濁液を脱水・乾燥して得た澱粉粉末をpH調整しないで水に再懸濁し、至適pHが6.0±1.0の澱粉分解酵素を加え蒸煮して得た澱粉糊液。
(2)に記載の澱粉糊液を基材の少なくとも片面に塗布または含浸した塗被紙。
基材上に設けた塗被層が(2)に記載の澱粉糊液を含有するクリア塗被層および/または顔料塗被層である塗被紙。
本発明にかかる澱粉糊液は、安定した酵素反応により仕上げ糊液粘度のばらつきが少ないという利点がある。また、本発明にかかる塗被紙は、粘度のばらつきの少ない澱粉糊液を用いることで、安定した粘度のクリア塗被液、または顔料塗被液が得られ、該塗被液を基材の少なくとも片面に塗布または含浸した際、塗被紙製品の品質が安定するという利点を有する。
本発明者等は、澱粉の酵素変性工程における仕上がり糊液粘度の変動要因について鋭意調査を行い、スラリーのpH変動が澱粉糊液の仕上がり粘度に大きく影響し、さらに、スラリーのpH変動は、スラリータンク保管中に酸やアルカリのpH調整用薬品を澱粉粉末が吸収し、液相のpHが変動することで発生していることを突き止め、スラリーのpH変動を回避する手段を鋭意検討した。その結果、澱粉粉末の製造工程において、脱水・乾燥前のpHを所定の範囲に調整してから脱水・乾燥して粉末化し、その澱粉粉末を用いてスラリー化することで、スラリータンク内のpH変動が抑制され、調整用薬品を添加しなくても仕上がり粘度のばらつきがほとんど無くなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
澱粉糊液の酵素変性工程において仕上がり粘度を安定させるためには、脱水・乾燥前の澱粉粉末懸濁液のpHが6.0±1.0となるように調整した澱粉粉末を使用することが重要である。澱粉粉末製造の最終工程においては、澱粉懸濁液を脱水・乾燥させて粉末製品として仕上げるが、この澱粉懸濁液のpHは、生トウモロコシ澱粉やアセチル化澱粉の場合は通常4.0〜4.5、カチオン化澱粉の場合は7.0〜8.0程度に調整されている。酵素変性において、通常、至適pHが酸性から中性領域の澱粉分解酵素を用いるため、澱粉を水に懸濁させ、酸やアルカリなどのpH調整用薬品を加えて酸性から中性領域にpHを調整した澱粉スラリーとし、澱粉スラリーはスラリータンクに保管され、必要量を蒸煮タンクに移送後、酵素液を添加して加熱蒸煮し、酵素変性澱粉糊液を得る。しかしながら、スラリータンクに保管する場合、経時でpH調整用薬品が澱粉に吸収されるため、スラリーのpHが変動することが多く、必要酵素量が変動して澱粉糊液の仕上がり粘度がばらつくため好ましくない。本発明では、粉体製品を製造する工程において脱水・乾燥前の澱粉粉末懸濁液のpHを調整し、その後乾燥させた澱粉を用いるため、該澱粉を再懸濁させた澱粉スラリーのタンク内でのpH変動が抑えられ、澱粉糊液の仕上がり粘度が安定する。粉体製品を製造する工程において脱水・乾燥前のpHが5.0未満では、設備を耐酸性のある高価な材質で作る必要があり、経済的に好ましくない。一方、pHが7.0を超えると、アルカリ成分がスラリータンク内で澱粉に吸収されやすくなり、容易にpH変動が発生してしまうため好ましくない。
澱粉スラリータンク内では、特にキャッサバ芋やじゃがいもなどの地下茎澱粉を使用した場合に腐敗が起こりやすくなる。腐敗が起こると、菌類の代謝により有機酸が生成し、澱粉スラリーのpHが酸性側に変化し、仕上がり粘度にばらつきが生じる場合がある。そこで、腐敗を防止する観点から、澱粉スラリータンク内の澱粉スラリーに防腐剤、防カビ剤などを0.01〜1.0質量%、好ましくは0.05〜0.2質量%添加しておく。防腐剤としては、イソチアゾリン系化合物、脂肪族窒素系化合物、有機窒素硫黄系化合物、有機臭素系化合物、安息香酸ナトリウム、ヒドロキシ安息香酸ノルマルブチル、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムなどを用いることができるが、二種類以上を併用してもよい。
澱粉分解酵素としてはα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼなど各種アミラーゼ溶液が用いられるが、至適pHとしては澱粉スラリーのpHに合わせた6.0±1.0のものが望ましい。澱粉分解酵素の至適pHを澱粉スラリーのpHに合わせることで、酵素反応が最も効率的に行われ、所定の粘度を得るのに必要な酵素添加量が最低となるが、特にこのpH範囲において、澱粉分解酵素の至適pHでの酵素活性に対して80%以上の酵素活性があれば酵素添加量も少なくて済むので、経済的に好ましい。澱粉スラリーのpHが澱粉分解酵素の至適pH領域をはずれた場合は、澱粉を加熱蒸煮する酵素変性工程での澱粉分解酵素の活性が低くなってしまい、高価な酵素の添加量が極端に多く必要となるため、経済的に好ましくない。
本発明で用いる澱粉原料としては特に限定されないが、とうもろこし、キャッサバ芋由来の澱粉で、粘度低減処理をしていないものが経済的に有利であることから好ましく使用できる。例えば、化学変性をしていない生とうもろこし澱粉においては、原料穀物から水浸漬、脱水、粗粉砕、胚芽分離、精粉砕、外皮・繊維分離、タンパク質分離、洗浄の各工程を経て澱粉スラリーを得るが、この澱粉スラリーを脱水・乾燥したものが生とうもろこし澱粉となる。この澱粉スラリーには、酸化防止のための亜硫酸ナトリウムなどが添加されているため、スラリーのpHとしては酸性となる。本発明においては、この乾燥工程前の澱粉スラリーに安価な水酸化ナトリウムなどのpH調整用薬品溶液を添加することでpHを6.0±1.0に調整でき、その後の脱水・乾燥工程に入る前に澱粉粒にpH調整用薬品を吸収させてしまっているため、乾燥後の澱粉粉末を水に再懸濁しても、スラリーのpH変化はほとんどなくなる。なお、化学変性澱粉は前記澱粉スラリーをベースに反応性の薬品を使用して酸化、アセチル化、リン酸エステル化、カチオン化などの変性を行うため、高価な反応薬品費と反応・洗浄工程が増えることによる価格上昇は避けられないが、必要特性により、これらの化学変性澱粉も適宜使用できる。
本発明における澱粉の酵素変性工程の昇温条件は特に限定しないが、昇温速度が速すぎると所定の粘度に調整するための必要酵素量が多くなり、また、昇温速度が遅すぎると設備の生産性が低下してしまうため、バランスを取ることが重要である。一般的に、昇温の途中、酵素の至適温度付近、あるいは糊化温度以上の至適温度に近い温度領域で一旦昇温を停止して、一定温度での保持時間をとり、酵素反応を効率的に進行させることが行われているが、本発明においては、仕上がり粘度のばらつきを抑える澱粉スラリーおよびpH条件となっているため、一定の昇温時間とすることができればよく、保持時間をとることの必要性有無は状況により適宜判断できる。
本発明における澱粉スラリー濃度については特に限定されないが、緩い撹拌で均一に分散できればよく、5〜50質量%が好ましく、7〜40質量%の範囲がさらに好ましい。澱粉スラリー濃度が低すぎると設備の生産性が低下してしまい、高すぎると均一な分散混合ができず、加熱蒸煮中の酵素反応にムラが発生し、粘度のばらつきを引き起こす原因となるので好ましくない。
本発明の澱粉糊液の粘度は特に限定されないが、温度80℃、濃度28%におけるB型粘度として100〜10000mPa・sであることが望ましく、さらには200〜3000mPa・sであることが望ましい。粘度が100mPa・s未満では、サイズプレス液としたとき、あるいは顔料塗被液に配合したときの塗被紙の表面強度が低く、印刷品質が不十分となるおそれがある。一方、粘度が10000mPa・sを超えると、特に高濃度澱粉スラリーを用いての酵素変性工程において、循環ポンプ負荷やアジテータ負荷が極端に大きくなり、大掛かりな設備が必要となるばかりでなく、塗工工程でもサイズプレスでのボイリングやスプラッシュ、あるいはブレードコーターでのストリークなどが発生しやすく、操業性や印刷品質に悪影響が出る場合が多くなる。
本発明では、酵素処理後の仕上がり粘度のばらつきが小さくなるという大きな特徴がある。一般的に用いられている未変性とうもろこし澱粉で、粉体製造工程でのpH調整をせず、粉体を使用場所にて再懸濁した際にpH調整薬品にて澱粉スラリーのpH調整を行った場合には、スラリーのpHが1〜3時間程度で変化し始め、6時間程度保管した場合には、pH調整直後のpHから1.0を超えて変化してしまうことがある。使用する酵素にもよるが、pHが1.0変化すると酵素活性は20〜30%程度変化し、この酵素活性の変化に伴い、B型粘度計により測定した仕上がり粘度に100〜500%程度のばらつきが生じることがある。一方、本発明では、澱粉スラリーのpHの経時変化が、6時間保管しても0.5以下であり酵素活性の変化は極めて小さく、仕上がり粘度もほとんどばらつかず、その変動係数は0.1以下となる。
本発明にかかる塗被紙は、以下の如くして得られる。まず、原料パルプとして化学パルプ(NBKP、LBKPなど)、機械パルプ(GP、CGP、RGP、PGW、TMPなど)、古紙パルプ(DIPなど)の1種以上が適宜混合されて、紙料の調成が行なわれる。各パルプの配合については特に制限はないが、資源の有効利用の点から歩留りの高い機械パルプおよび古紙パルプを合わせて30質量%以上配合することが好ましい。次いで、紙料中にホワイトカーボン、クレー、無定形シリカ、タルク、酸化チタン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム等の填料が必要に応じて適宜添加され、さらに紙力増強剤、歩留り向上剤、強化ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤などの内添サイズ剤、耐水化剤、紫外線吸収剤などの一般に公知公用の抄紙用薬品が添加されて、従来から慣用されている抄紙機、例えば円網、長網、オントップ、ツインワイヤー等の各種タイプの抄紙機により抄紙して本発明による基材が製造される。
上記基材の坪量は特に限定されないが、25〜150g/m程度であることが好ましく、より好ましくは40〜100g/m程度である。
(塗被層について)
本発明の塗被紙において、上記基材上に設けられる酵素変性澱粉糊液を含有する塗被層としては、顔料を含有しないクリア塗被層および/または顔料を含有する顔料塗被層から構成される。該クリア塗被層は、本発明の酵素変性澱粉糊液を塗被、乾燥させて形成したものである。
また、顔料塗被層を構成する顔料としては、カオリン、水酸化アルミニウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、サチンホワイト、硫酸カルシウム、タルク、プラスチックピグメント等の1種または2種以上を選択して使用できる。
また、バインダーとしては、酵素変性澱粉に加えて、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体ラテックス等のアクリル系(共)重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系(共)重合体ラテックス、あるいはこれらの各種(共)重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性した重合体または共重合体ラテックス等の水分散性バインダー、ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイン酸樹脂等の合成樹脂系バインダー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等の水溶性バインダーが例示され、これら水分散性および/または水溶性バインダーから1種または2種以上を適宜選択して使用できる。なお、バインダー中での酵素変性澱粉の配合割合は15〜100質量%が好ましく、より好ましくは20〜60質量%である。
ここで、顔料とバインダーの配合比率は、一般に顔料100質量部に対して5〜150質量部のバインダーが使用される。
本発明において、顔料塗被層は単層であっても、複層であっても差し支えない。しかし、塗被層が単層か複層かに拘わりなく、当該塗被層の形成に際し、塗被層全体のバインダーとして顔料100質量部当たり、バインダーが5〜150質量部となるように調整すればよい。なお、バインダー量が5質量部未満では、各種の印刷に耐えられる顔料塗被層強度が得られず、一方バインダーが150質量部を超える場合、オフ輪印刷の乾燥工程でのブリスター発生やインキ乾燥不良となるおそれがある。
また、顔料塗被液には、さらに必要に応じて保水剤、増粘剤、消泡剤、各種染料等助剤を添加できる。
本発明の酵素変性澱粉糊液を含む塗被液組成物を上記基材に塗布または含浸するための装置としては、特に限定されるものではないが、例えばインクラインまたはパーティカルツーロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどのロールコーター、トレーリング、フレキシブル、ロールアプリケーション、ファウンテンアプリケーション、ショートドゥエルなどのベベルタイプやベントタイプのブレードコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、グラビアコーターなどの公知公用の塗布装置が適宜使用される。
また、上記サイズプレス処理にて塗被層を設ける場合、本発明による澱粉に加えてポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド系樹脂等も使用できる。また、サイズプレス液中には、ワックス、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、スチレン−マレイン酸−アクリル系樹脂、高級脂肪酸系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン付加物、顔料等も適宜添加することができる。該顔料としては、例えばカオリン、硫酸バリウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、二酸化チタン、亜硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、プラスチックピグメント等、通常の塗被紙用の顔料が挙げられる。なかでも、重質炭酸カルシウムを用いると原紙の透気度を下げることができ、オフセット輪転印刷機で印刷された場合にブリスタートラブルの抑制が可能となるため、好ましい。サイズプレス液に顔料を配合する場合、その配合割合としては顔料100質量部に対して酵素変性澱粉を主成分とする高分子樹脂5〜200質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。サイズプレス液の固形分濃度は、2〜12質量%程度が好ましい。なお、サイズプレス処理を施す場合の付着量については特に制限はないが、一般には両面合計の乾燥付着量で0.1〜13g/m程度が好ましい。
さらに、顔料塗被液の固形分濃度は、10〜75質量%の範囲で選択することができるが、操業性を考慮すると45〜70質量%の範囲であることが好ましい。塗被層一層当たりの塗被量は乾燥質量で一般に片面当たり0.5〜20g/mの範囲で選択される。なお、塗被液組成物を塗被後の湿潤塗被層を乾燥する方法としては、例えば、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電機ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥などの各種方式が採用できる。
本発明の酵素変性澱粉を含む塗被紙の製造に関しては、塗被液組成物の塗被層を形成後に、各種キャレンダー装置にて平滑化処理を実施してもよく、かかるキャレンダー装置としては、スーパーキャレンダー、ソフトキャレンダー、グロスキャレンダー、コンパクトキャレンダー、マットスーパーキャレンダー、マットキャレンダーなどの一般に使用されているキャレンダー装置が適宜使用される。キャレンダー仕上げの条件としては、剛性ロールの温度、キャレンダー圧力、ニップ数、ロール速度、キャレンダー前水分などが要求される品質に応じて適宜選択される。さらに、キャレンダー装置は、コーターと別であるオフタイプとコーターと一体になっているオンタイプがあるが、どちらにおいても使用できる。使用するキャレンダー装置の材質として、剛性ロールは、金属もしくはその表面に硬質クロムメッキなどで鏡面処理したロールである。また、弾性ロールはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリレート樹脂などの樹脂ロール、コットン、ナイロン、アラミド樹脂などを成形したロールが適宜使用される。なお、キャレンダーによる仕上げ後の塗被紙の調湿、加湿のための水塗り装置、静電加湿装置、蒸気加湿装置などを適宜組み合わせて使用することも可能である。
以下に実施例・比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。勿論、本発明はそれらの例に限定されるものではない。また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ質量部および質量%を示す。
後述のようにして得た実施例及び比較例となる澱粉糊液および塗被紙について、下記の物性を測定し、その結果を表1、表2に示した。
(粘度)
各実施例、比較例の澱粉糊液を10日間連続して10バッチ分製造し、それぞれのバッチの澱粉糊液の粘度をJIS Z 8803−1991に準じて東京計器社製B型粘度計を用いて測定した。その際の糊液の濃度は28質量%、測定温度は80℃であった。該10バッチ分の粘度の測定値から平均値(各測定値を全部加えてその個数で割った算術平均を用いた(化学大辞典編集委員会編『化学大辞典8』、223頁、縮刷版第34刷(1993年))参照)、標準偏差(分散(各測定値と平均値の差の2乗の平均)の平方根を用いた(化学大辞典編集委員会編『化学大辞典7』、533頁、縮刷版第34刷(1993年))参照)、変動係数(標準偏差を平均値で割った値で、バラツキを相対的に表わすものである(化学大辞典編集委員会編『化学大辞典8』、566頁、縮刷版第34刷(1993年))参照)を計算により求めた。
(スプラッシュ評価)
ゲートロールコーターにより1000m/minで塗被したときの塗被液のスプラッシュの程度を目視にて評価した。評価は3段階評価で行った。
3:スプラッシュが非常に少なく、操業上まったく問題ないレベルである。
2:ややスプラッシュが多いが、製品品質は問題なく、操業可能レベルである。
1:スプラッシュが非常に多く、製品品質・操業上問題が発生するレベルである。
(塗被紙の表面強度)
各実施例および比較例で得た塗被紙から巾2cm長さ20cmの試料ストリップを切り取り、これをサンプル台紙(王子製紙社製「OK特アートポスト」 256g/m)に貼りつけ、RI印刷試験機(石川島産業機械社製)にて、印刷インキ(T&K TOKA社製紙試験用「SD50紅B」)を0.4cc使用して印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視評価した。評価は5段階評価で行った。
5:繊維の取られが全くみられず、白抜けが発生しない。
4:ごくわずかに繊維の取られが発生し、白抜け部がわずかに(1〜5個所/36cm程度)みられる。
3:一部で繊維の取られが発生するが、実用上問題のないレベルである。白抜け部は6〜20個所/36cm程度。
2:全面で繊維の取られがみられ、白抜け部面積率が5%未満である。
1:全面で繊維の取られや紙面の剥けがみられ、白抜け部面積率が5%以上である。
なお、評価が3未満のものは、実用上問題がある。
(印刷光沢度)
各実施例および比較例で得た塗被紙から巾2cm長さ20cmの試料ストリップを切り取り、これをサンプル台紙(王子製紙社製「OK特アートポスト」 256g/m)に貼りつけ、RI印刷試験機(石川島産業機械社製)にて、印刷インキ(Values−Gタイプ、大日本インキ化学工業社製)を0.1cc使用して印刷を行い、印刷光沢度を目視評価した。
◎:印刷光沢度が特に優れる。
○:印刷光沢が優れる。
△:印刷光沢度が若干劣るが、実用上問題ないレベルである。
×:印刷光沢度が劣り、実用上問題となるレベルである。
(インキセット性)
各実施例および比較例で得た塗被紙から巾2cm長さ20cmの試料ストリップを切り取り、これをサンプル台紙(王子製紙社製「OK特アートポスト」 256g/m)に貼りつけ、RI印刷試験機(石川島産業機械社製)にて、印刷インキ(T&K TOKA社製紙試験用「SD50紅B」)を0.5cc使用して印刷を行った。印刷は、サンプルがインキロールにタッチしたところから一定時間ごとに2〜3cmずつ行い、印刷終了後のインキロールを別の紙面に写し取り、その濃度変化を目視評価した。評価は次の5段階評価で行った。
<評価基準>
5(優)→1(劣)
5:インキセット性が極めて高かった。
4:インキセット性が高かった。
3:実用的なインキセット性が確保されていた。
2:インキセット性が低かった。
1:インキセット性が極めて低かった。
なお、評価が3未満のものは、実用上問題がある。
<実施例1>
(澱粉糊液クリア液塗被紙用基材の製造)
針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)10部、サーモメカニカルパルプ(TMP)20部、脱墨パルプ(DIP)70部の割合で混合して離解し、レファイナーで叩解処理したパルプスラリーに、カチオン化澱粉(商品名:「P3Y」、PIRAAB STARCH Co.Ltd製)を0.5%、中性ロジンサイズ剤(商品名:「N815」、荒川化学社製)を0.8%、填料としてホワイトカーボンを2.0%、これら全てを対絶乾パルプ当たりの質量%の割合で添加し、硫酸バンドで抄紙pHを6.5に調整後、得られた紙料をギャップフォーマー型抄紙機で抄紙し、米坪43.0g/mの澱粉糊液クリア液塗被紙用基材を得た。
未変性とうもろこし澱粉粉末製造工程において、脱水・乾燥前の澱粉スラリー(濃度40%)にNaOH水溶液を添加し、スラリーのpHが6.0となるように調整後、脱水・乾燥(条件:脱水後水分60%、乾燥は水分88%となるようスプレードライヤーを使用)した。該pH調整澱粉粉末Aを水に再懸濁し、蒸煮前澱粉スラリーを得た。スラリータンクにて25℃、6時間保管後、一部を蒸煮タンクに移送し、澱粉分解酵素(商品名:「スピターゼLH」(α−アミラーゼ)、ナガセケムテックス社製)を対澱粉固形分あたり800ppmとなるよう添加後、28分間で95℃まで昇温し、その後酵素失活のために95℃で15分間保持し、澱粉糊液Aを得た。澱粉糊液Aを濃度10%まで希釈したクリア塗料を調整し、これを前記基材の両面に、ゲートロールコーターを使用して乾燥後の塗工量が片面あたり0.3g/mとなるように塗布、乾燥して、実量として43.6g/mの澱粉糊液クリア液塗被紙を得た。
<実施例2>
実施例1の澱粉粉末Aを、pH5.5に調整した澱粉粉末Bとし、澱粉分解酵素添加量を850ppmとした以外は実施例1と同様にして澱粉糊液クリア液塗被紙を得た。
<実施例3>
実施例1の澱粉粉末Aを、pH6.5に調整した澱粉粉末Cとし、澱粉分解酵素添加量を850ppmとした以外は実施例1と同様にして澱粉糊液クリア液塗被紙を得た。
<実施例4>
実施例1の澱粉粉末原料を、キャッサバ由来のタピオカ澱粉とした澱粉粉末Dとし、澱粉分解酵素を変えて(商品名:「ファンガミルL800」(α−アミラーゼ)、ノボザイムズジャパン社製)、添加量を150ppmとした以外は実施例1と同様にして澱粉糊液クリア液塗被紙を得た。
<実施例5>
実施例4の澱粉粉末Dを、pH5.2に調整した澱粉粉末Eとし、澱粉分解酵素添加量を170ppmとした以外は実施例4と同様にして澱粉糊液クリア液塗被紙を得た。
<実施例6>
実施例4の澱粉粉末Dを、pH6.7に調整した澱粉粉末Fとし、澱粉分解酵素添加量を170ppmとした以外は実施例4と同様にして澱粉糊液クリア液塗被紙を得た。
<実施例7>
(下塗り塗被層用顔料塗被液の調製)
重質炭酸カルシウム(商品名:「ハイドロカーブ60」、備北粉化工業社製)からなる顔料スラリーに、顔料100部に対して、バインダーとして実施例1の酵素変性澱粉4部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:「OJ−2000」、JSR社製)5部を添加し、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて、最終的に固形分濃度67%の下塗り塗被層用顔料塗被液を調製した。
(上塗り塗被層用顔料塗被液の調製)
分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(商品名:「アロンT−50」、東亞合成社製)を分散するカオリンに対して0.1部添加した水溶液に、カオリン(商品名:「ハイドラグロス90」、ヒューバー社製)50部、重質炭酸カルシウム(商品名:「ハイドロカーブ90」、備北粉化工業社製)50部を添加し、コーレス分散機で分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに、顔料100部に対して実施例1の酵素変性澱粉3部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:「OJ−2000」、JSR社製)8.4部、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて、最終的に固形分濃度66.5%の上塗り塗被層用顔料塗被液を調製した。
(基材の製造)
LBKP(CSF450ml)30部、NBKP(CSF480ml)70部となるように混合したパルプスラリーに、硫酸アルミニウムを0.5%(対パルプ、固形分換算)、カチオン化澱粉(商品名:「エースK」、王子コーンスターチ社製)0.9%(対パルプ、固形分換算)、内添サイズ剤としてAKDサイズ剤(商品名:「サイズパインK−902」、荒川化学社製)0.03%(対パルプ、固形分換算)をマシンチェストに順次添加した後、回収した白水と上記パルプスラリーを混合し、填料として重質炭酸カルシウム(商品名:「ハイドロカーブ60」、備北粉化工業社製)を紙灰分が15%となるようにファンポンプ前に添加した。さらにカチオン性アクリル系樹脂(商品名:「DR−3015」、ハイモ社製)0.016%をスクリーン手前に添加して、紙料を調製した(濃度1.01%)。この紙料をJ/W比0.995、抄速1500m/分でギャップフォーマーにより紙層を形成し、連続する2基のシュープレスで搾水後、ロールプレスで搾水、平滑化処理し、一段配列ドライヤーで乾燥した後、ロッドメタリングサイズプレス装置を用いて、実施例1の澱粉糊液Aを濃度4.0%に希釈して固形分で2.5g/mとなるようにサイズプレス処理を行い、次に二段配列ドライヤーにて乾燥して、オンマシン仕様になるマシンキャレンダーに通紙して、水分4.5%、坪量47.4g/mの基材を得た。
(塗被紙の製造)
上記基材に、上記下塗り塗被層用顔料塗被液をジェットファウンテン方式で塗被液を供給するブレードコーターを使用して片面あたりの乾燥塗被量が7.5g/mとなるように塗被・乾燥して、両面下塗り塗被紙を得た。続いて、該両面下塗り塗被紙に上記上塗り塗被層用顔料塗被液をジェットファウンテン方式で塗被液を供給するブレードコーターを使用して片面あたりの乾燥塗被量が9.5g/mとなるように塗被・乾燥して、塗被紙を得た。このようにして得られた塗被紙を、金属ロールと樹脂ロールが傾斜配置されているマルチニップカレンダーにて、温度、線圧、通紙条件を調整して、坪量81.4g/mの印刷用塗被紙を得た。
<実施例8>
(サイズプレス液の調製)
重質炭酸カルシウム(商品名:「ハイドロカーブ60」、備北粉化工業社製)からなる顔料スラリーに、顔料100部に対して高分子樹脂として実施例1の酵素変性澱粉35部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:「OJ−2000」、JSR社製)5部を添加し、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて、最終的に固形分濃度28%のサイズプレス液を調製した。
(上塗り塗被層用顔料塗被液の調製)
分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(商品名:「アロンT−50」、東亞合成社製)を分散するカオリンに対して0.1部添加した水溶液に、カオリン(商品名:「ハイドラグロス90」、ヒューバー社製)50部、重質炭酸カルシウム(商品名:「ハイドロカーブ90」、備北粉化工業社製)50部を添加し、コーレス分散機で分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに、顔料100部に対して実施例1の酵素変性澱粉3部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:「OJ−2000」、JSR社製)8.4部、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて、最終的に固形分濃度66.5%の上塗り塗被層用顔料塗被液を調製した。
(基材の製造)
LBKP(CSF450ml)10部、NBKP(CSF480ml)90部となるように混合したパルプスラリーに、硫酸アルミニウムを0.5%(対パルプ、固形分換算)、カチオン化澱粉(商品名:「エースK」、王子コーンスターチ社製)0.9%(対パルプ、固形分換算)、内添サイズ剤としてAKDサイズ剤(商品名:「サイズパインK−902」、荒川化学社製)0.03%(対パルプ、固形分換算)をマシンチェストに順次添加した後、回収した白水と上記パルプスラリーを混合し、両性ポリアクリルアミド(商品名:「ポリストロン1280」、荒川化学工業社製)0.1%(対パルプ、固形分換算)を添加し、次に填料として重質炭酸カルシウム(商品名:「ハイドロカーブ60」、備北粉化工業社製)を紙灰分が15%となるようにファンポンプ前に添加した。さらにカチオン性アクリル系樹脂(商品名:「DR−3015」、ハイモ社製)0.016%をスクリーン手前に添加して、紙料を調製した(濃度1.01%)。この紙料をJ/W比0.995、抄速1500m/分でギャップフォーマーにより紙層を形成し、連続する2基のシュープレスで搾水後、ロールプレスで搾水、平滑化処理し、一段配列ドライヤーで乾燥した後、ロッドメタリングサイズプレス装置を用いて、上記サイズプレス液を固形分で6.0g/mとなるようにサイズプレス処理を行い、次に二段配列ドライヤーにて乾燥して、オンマシン仕様になるマシンキャレンダーに通紙して、水分4.5%、坪量55.4g/mの基材を得た。
(塗被紙の製造)
上記で得た基材に、上記上塗り塗被層用顔料塗被液をジェットファウンテン方式で塗被液を供給するブレードコーターを使用して片面あたりの乾燥塗被量が13g/mとなるように塗被・乾燥して、塗被紙を得た。このようにして得られた塗被紙を、金属ロールと樹脂ロールが傾斜配置されているマルチニップカレンダーにて、温度、線圧、通紙条件を調整して、坪量81.4g/mの印刷用塗被紙を得た。
<実施例9>
(上塗り塗被層用顔料塗被液の調製)
分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(商品名:「アロンT−50」、東亞合成社製)を分散するカオリンに対して0.1部添加した水溶液に、カオリン(商品名:「ハイドラグロス90」、ヒューバー社製)50部、重質炭酸カルシウム(商品名:「ハイドロカーブ90」、備北粉化工業社製)50部を添加し、コーレス分散機で分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに、顔料100部に対して実施例1の酵素変性澱粉3部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:「OJ−2000」、JSR社製)8.4部、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて、最終的に固形分濃度66.5%の上塗り塗被層用顔料塗被液を調製した。
(塗被紙の製造)
実施例7で製造した基材に、上記上塗り塗被層用顔料塗被液をジェットファウンテン方式で塗被液を供給するブレードコーターを使用して片面あたりの乾燥塗被量が17g/mとなるように塗被・乾燥して、塗被紙を得た。このようにして得られた塗被紙を、金属ロールと樹脂ロールが傾斜配置されているマルチニップカレンダーにて、温度、線圧、通紙条件を調整して、坪量81.4g/mの印刷用塗被紙を得た。
<比較例1>
実施例1の澱粉粉末Aを、脱水・乾燥前澱粉スラリーのpH調整を行わずに得られたpH4.5の澱粉粉末Gとし、再懸濁した澱粉スラリーをスラリータンク内でNaOHを用いてpH6.0に調整し、澱粉分解酵素添加量を850ppmとした以外は実施例1と同様にして澱粉糊液クリア液塗被紙を得た。
<比較例2>
実施例1の澱粉粉末Aを、pH4.8に調整した澱粉粉末Hにし、再懸濁した澱粉スラリーをスラリータンク内でNaOHを用いてpH6.0に調整し、澱粉分解酵素添加量を850ppmとした以外は実施例1と同様にして澱粉糊液クリア液塗被紙を得た。
<比較例3>
比較例2において、再懸濁した澱粉スラリーのスラリータンク内でのpH調整を行わず、澱粉分解酵素添加量を1500ppmとした以外は比較例2と同様にして澱粉糊液クリア液塗被紙を得た。
<比較例4>
実施例1の澱粉粉末Aを、pH7.6に調整した澱粉粉末Iとし、再懸濁した澱粉スラリーをスラリータンク内で希硫酸を用いてpH6.5に調整し、澱粉分解酵素添加量を850ppmとした以外は実施例1と同様にして澱粉糊液クリア液塗被紙を得た。
<比較例5>
比較例3の澱粉粉末Gを、pH7.2に調整した澱粉粉末Jとした以外は比較例3と同様にして澱粉糊液クリア液塗被紙を得た。
<比較例6>
実施例4の澱粉粉末Dを、pH8.0に調整した澱粉粉末Kとし、澱粉分解酵素添加率を170ppmとした以外は実施例1と同様にして澱粉糊液クリア液塗被紙を得た。
<比較例7>
(下塗り塗被層用顔料塗被液の調製)
重質炭酸カルシウム(商品名:「ハイドロカーブ60」、備北粉化工業社製)からなる顔料スラリーに、顔料100部に対して、バインダーとして比較例1の酵素変性澱粉4部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:「OJ−2000」、JSR社製)5部を添加し、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて、最終的に固形分濃度67%の下塗り塗被層用顔料塗被液を調製した。
(上塗り塗被層用顔料塗被液の調製)
分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(商品名:「アロンT−50」、東亞合成社製)を分散するカオリンに対して0.1部添加した水溶液に、カオリン(商品名:「ハイドラグロス90」、ヒューバー社製)50部、重質炭酸カルシウム(商品名:「ハイドロカーブ90」、備北粉化工業社製)50部を添加し、コーレス分散機で分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに、顔料100部に対して比較例1の酵素変性澱粉3部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:「OJ−2000」、JSR社製)8.4部、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて、最終的に固形分濃度66.5%の上塗り塗被層用顔料塗被液を調製した。
(塗被紙の製造)
比較例1で製造した澱粉糊液クリア液塗被紙に、上記下塗り塗被層用顔料塗被液をジェットファウンテン方式で塗被液を供給するブレードコーターを使用して片面あたりの乾燥塗被量が7.5g/mとなるように塗被・乾燥して、両面下塗り塗被紙を得た。続いて、該両面下塗り塗被紙に上記上塗り塗被層用顔料塗被液をジェットファウンテン方式で塗被液を供給するブレードコーターを使用して片面あたりの乾燥塗被量が9.5g/mとなるように塗被・乾燥して、塗被紙を得た。このようにして得られた塗被紙を、金属ロールと樹脂ロールが傾斜配置されているマルチニップカレンダーにて、温度、線圧、通紙条件を調整して印刷用塗被紙を得た。
Figure 2010270273
Figure 2010270273
表1および表2から明らかなように、本発明の実施例による塗被紙は印刷用紙として極めて優れた性能を有するものであった。比較例1〜3は乾燥粉末化前の澱粉スラリーのpHが至適pH領域より低いため酵素変性が不安定であったり、酵素添加量を増量しなければならず、好ましくない。また、比較例4〜6は該澱粉スラリーのpHが至適pHより高いため酵素変性が不安定であったり、酵素添加量を増量しなければならず、好ましくない。比較例7は塗被層用塗液に粘度ばらつきが大きい酵素変性澱粉を含有させているので、該澱粉糊液を用いて塗被紙を構成すると、印刷品質に劣った塗被紙が得られる。
本発明により、サイズプレス液や塗被紙用塗料に使用する酵素変性澱粉糊液において、澱粉粉末懸濁スラリー保存時のpH安定性が良好であり、安定した酵素反応により仕上げ糊液の粘度のばらつきが少ない酵素変性澱粉糊液を供給することが可能となる。

Claims (4)

  1. 澱粉粉末製造工程において、脱水・乾燥前の澱粉粉末懸濁液のpHが6.0±1.0となるように調整し、該懸濁液を脱水・乾燥して得た澱粉粉末をpH調整しないで水に再懸濁し、至適pHが6.0±1.0の澱粉分解酵素を加え蒸煮することを特徴とする澱粉糊液の製造方法。
  2. 澱粉粉末製造工程において、脱水・乾燥前の澱粉粉末懸濁液のpHが6.0±1.0となるように調整し、該懸濁液を脱水・乾燥して得た澱粉粉末をpH調整しないで水に再懸濁し、至適pHが6.0±1.0の澱粉分解酵素を加え蒸煮して得たことを特徴とする澱粉糊液。
  3. 請求項2に記載の澱粉糊液を基材の少なくとも片面に塗被または含浸したことを特徴とする塗被紙。
  4. 基材上に設けた塗被層が請求項2に記載の澱粉糊液を含有するクリア塗被層および/または顔料塗被層であることを特徴とする塗被紙。
JP2009125353A 2009-05-25 2009-05-25 澱粉糊液の製造方法、澱粉糊液およびその澱粉糊液を塗布または含浸した塗被紙 Active JP5471034B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009125353A JP5471034B2 (ja) 2009-05-25 2009-05-25 澱粉糊液の製造方法、澱粉糊液およびその澱粉糊液を塗布または含浸した塗被紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009125353A JP5471034B2 (ja) 2009-05-25 2009-05-25 澱粉糊液の製造方法、澱粉糊液およびその澱粉糊液を塗布または含浸した塗被紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010270273A true JP2010270273A (ja) 2010-12-02
JP5471034B2 JP5471034B2 (ja) 2014-04-16

Family

ID=43418558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009125353A Active JP5471034B2 (ja) 2009-05-25 2009-05-25 澱粉糊液の製造方法、澱粉糊液およびその澱粉糊液を塗布または含浸した塗被紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5471034B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015209614A (ja) * 2014-04-28 2015-11-24 北越紀州製紙株式会社 オフセット印刷用塗工紙の製造方法及びオフセット印刷用塗工紙
CN106223117A (zh) * 2016-08-09 2016-12-14 丁玉琴 一种植物基涂布白纸板用胶乳的制备方法

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57143598A (en) * 1980-10-17 1982-09-04 Shizuoka Prefecture Paper coating liquid containing oxygen modified starch and production thereof
JPH03258884A (ja) * 1990-03-07 1991-11-19 Honshu Paper Co Ltd 澱粉糊液の老化防止方法
JPH06248246A (ja) * 1993-02-25 1994-09-06 New Oji Paper Co Ltd 澱粉糊液の調製方法
JPH08183805A (ja) * 1994-12-28 1996-07-16 Nichiden Kagaku Kk 液状物質の粉末化用基材
JPH09194501A (ja) * 1996-01-23 1997-07-29 Oji Paper Co Ltd アルカリ処理澱粉の製造方法
JPH11241294A (ja) * 1998-02-20 1999-09-07 Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd 製紙用紙力増強剤及び強力紙の製造法
JP2000279118A (ja) * 1999-01-25 2000-10-10 Nippon Koonsutaac Kk 食品用改質デンプン
JP2001275585A (ja) * 2000-03-31 2001-10-09 Sanwa Kosan Kk 変性澱粉及びその製造方法
JP2001275693A (ja) * 2000-03-31 2001-10-09 Ajinomoto Co Inc 高濃度糖液の製造方法並びに当該糖液を用いたアミノ酸の発酵生産方法
JP2002521530A (ja) * 1998-07-31 2002-07-16 コオペラチイヴェ・ヴェルコオプ−エン・プロダクチイヴェレニギング−ヴァン−アアルダペルメエル・エン・デリヴァテン・アヴェベ・ビー.エイ. でんぷんの酸化
JP2005171112A (ja) * 2003-12-12 2005-06-30 Nippon Starch Chemical Co Ltd 変性澱粉およびその製造方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57143598A (en) * 1980-10-17 1982-09-04 Shizuoka Prefecture Paper coating liquid containing oxygen modified starch and production thereof
JPH03258884A (ja) * 1990-03-07 1991-11-19 Honshu Paper Co Ltd 澱粉糊液の老化防止方法
JPH06248246A (ja) * 1993-02-25 1994-09-06 New Oji Paper Co Ltd 澱粉糊液の調製方法
JPH08183805A (ja) * 1994-12-28 1996-07-16 Nichiden Kagaku Kk 液状物質の粉末化用基材
JPH09194501A (ja) * 1996-01-23 1997-07-29 Oji Paper Co Ltd アルカリ処理澱粉の製造方法
JPH11241294A (ja) * 1998-02-20 1999-09-07 Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd 製紙用紙力増強剤及び強力紙の製造法
JP2002521530A (ja) * 1998-07-31 2002-07-16 コオペラチイヴェ・ヴェルコオプ−エン・プロダクチイヴェレニギング−ヴァン−アアルダペルメエル・エン・デリヴァテン・アヴェベ・ビー.エイ. でんぷんの酸化
JP2000279118A (ja) * 1999-01-25 2000-10-10 Nippon Koonsutaac Kk 食品用改質デンプン
JP2001275585A (ja) * 2000-03-31 2001-10-09 Sanwa Kosan Kk 変性澱粉及びその製造方法
JP2001275693A (ja) * 2000-03-31 2001-10-09 Ajinomoto Co Inc 高濃度糖液の製造方法並びに当該糖液を用いたアミノ酸の発酵生産方法
JP2005171112A (ja) * 2003-12-12 2005-06-30 Nippon Starch Chemical Co Ltd 変性澱粉およびその製造方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CSNC200902125028; 朝倉 五佐雄: '製紙工業と澱粉' 澱粉科学ハンドブック 第1版, 1977, 株式会社 朝倉書店 朝倉 鑛造 *
JPN6013028853; 朝倉 五佐雄: '製紙工業と澱粉' 澱粉科学ハンドブック 第1版, 1977, 株式会社 朝倉書店 朝倉 鑛造 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015209614A (ja) * 2014-04-28 2015-11-24 北越紀州製紙株式会社 オフセット印刷用塗工紙の製造方法及びオフセット印刷用塗工紙
CN106223117A (zh) * 2016-08-09 2016-12-14 丁玉琴 一种植物基涂布白纸板用胶乳的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5471034B2 (ja) 2014-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10138599B2 (en) Process for the production of a coated substance comprising cellulosic fibres
JP5283409B2 (ja) 段ボール用ライナーの製造方法
TWI465621B (zh) 製紙用添加劑及含有該添加劑之紙
CN102257218A (zh) 有色涂料组合物以及涂布有该组合物的纸或纸板
JP4955291B2 (ja) オフセット印刷用中性新聞用紙
CN1643214A (zh) 用于铜版纸和纸板的液体淀粉分散体
JP5471034B2 (ja) 澱粉糊液の製造方法、澱粉糊液およびその澱粉糊液を塗布または含浸した塗被紙
JP5283414B2 (ja) 板紙の製造方法
US5500191A (en) Paper coating composition
US6966972B2 (en) Coating composition, paper product having flexible coating and method for manufacturing a paper product
EP2024563B1 (en) Composition for improving the printability of coated paper
CN110607710A (zh) 具有低卷曲度的单面涂布纸及其制备方法
JPH06248246A (ja) 澱粉糊液の調製方法
EP2554743A1 (en) Process for production of coated paper for printing purposes
JP2002348798A (ja) カールを防止した紙およびその製造方法
AT403705B (de) Beschichtungsmittel
JP2009293138A (ja) 段ボール用中芯原紙の製造方法
CN101565917A (zh) 一种凹版印刷用纸的涂料
JP5882101B2 (ja) 中芯原紙
CN108425274A (zh) 一种能替代或降低浆内akd用量的表面施胶工艺
JP2015110848A (ja) 印刷用塗工紙の製造方法
JP6473427B2 (ja) 塗工白板紙及びその製造方法
JP4087373B2 (ja) 嵩高紙の製造方法
WO2016158231A1 (ja) クリア塗工紙
JP2008127711A (ja) 軽量塗被紙

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5471034

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250