JPWO2011108415A1 - 硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、硬化性組成物、詳しくは、低比重を有し、優れたゴム物性を示す、シーリング材として有用な硬化性組成物に関する。
しかしながら、上記組成物は、比重の点で未だ満足できるものではなかった。上記硬化性組成物は、比重をさらに軽くするためにバルーン量を増やした場合、組成物の体積当たりの樹脂成分量の減量及びバルーン物性等の影響により、硬化後、ゴム物性の低下、例えば伸び率の低下および高モジュラス化等が生じる。その結果、上記組成物をシーリング材として使用する際に、目地の動きに対する追従性、耐久性(伸縮耐久性)といったシーリング材性能が低下していた。
特に、中高層ビル建築においては、シーリング材を施工した目地が温度、湿度、地震、風などの影響により伸縮したり、壁面に対し平行方向にずれたり、壁面に対し垂直方向にずれたりするので、使用されるシーリング材には高いレベルの追従性、耐久性(伸縮耐久性)が要求されている。
すなわち、本発明には、以下の好適な実施態様が含まれる。
[1](A)(1)直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマーと、
(2)分枝状加水分解性シリル基含有ポリマーと
から構成され、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)と分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)との重量比が1:9〜9:1の範囲である加水分解性シリル基含有ポリマーと、
(B)マイクロバルーンと
を含み、1.15未満の比重を有する硬化性組成物であって、該加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の平均シリル化率が75〜100%であり、および/または該硬化性組成物を基準として1.5重量%以上のエポキシ基を有する脂肪族炭化水素系可塑剤(C)をさらに含む、硬化性組成物。
[2]加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の数平均分子量(Mn)は、3,000〜60,000である、[1]に記載の硬化性組成物。
[3]加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜2.0である、[1]または[2]に記載の硬化性組成物。
[4]硬化性組成物を基準として15〜40重量%の加水分解性シリル基含有ポリマー(A)を含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[5]加水分解性シリル基含有ポリマー(A)は、変成シリコーンポリマー、アルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマー、アルコキシシリル基を有するポリイソブチレン系ポリマーからなる群から選択される1種または2種以上のポリマーである、[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[6]マイクロバルーン(B)は、チタネート系カップリング剤またはアルミネート系カップリング剤で処理された無機微粉末で被覆された樹脂バルーンである、[1]〜[5]のいずれかに記載のウレタン架橋系室温硬化性組成物。
[7]マイクロバルーン(B)の平均粒径は10〜100μmである、[1]〜[6]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[8]マイクロバルーン(B)のガラス転移温度(Tg)は50〜200℃である、[1]〜[7]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[9]硬化性組成物を基準として0.5〜20重量%のマイクロバルーン(B)を含有する、[1]〜[8]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[10]エポキシ基を有する脂肪族炭化水素系可塑剤(C)は、エポキシ化オレフィン系可塑剤である、[1]〜[9]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[11]エポキシ化オレフィン系可塑剤の炭素数は12〜22である、[10]に記載の硬化性組成物。
[12]モジュラス調整剤をさらに含んでなる、[1]〜[11]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[13]硬化性組成物を基準として0.05〜10重量%のモジュラス調整剤を含有する、[12]に記載の硬化性組成物。
本発明の硬化性組成物は、主成分として、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)を含んでなる。本発明においては、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)は、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)および分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)から構成される。
前記加水分解性シリル基含有ポリマー(A)においては、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)と分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)の重量比は、1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲から選択される。本発明の硬化性組成物は、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)と分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)との重量比が上記範囲内である場合、硬化後に優れた物性、特に接着性や伸縮耐久性を有する。
また、上記直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)および分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)は、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上のシリル化率を有し得る。また、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)および分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)は、好ましくは100%以下、より好ましくは95%以下、さらに好ましくは90%以下のシリル化率を有し得る。
シリル化率は、核磁気共鳴分析法(NMR)を用いて、加水分解性シリル基の導入された末端と導入されていない末端の比率を算出することによってシリル化率を求めることができる。
本発明においては、上記加水分解性シリル基含有ポリマー(A)のシリル化率は、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)と分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)の混合物のシリル化率を測定した値である。
また、上記直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)および分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは3,000以上、より好ましくは5,000以上である。直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)および分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは60,000以下、より好ましくは45,000以下である。
また、上記直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)および分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0以上、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.3以上である。また、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)および分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)の分子量分布(Mw/Mn)は、2.0以下、好ましくは1.8以下、より好ましくは1.6以下である。
ここで、本発明における数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である。
本発明においては、上記加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)と分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)の混合物の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定した値である。
また、分枝状の変成シリコーンポリマーの代表的市販品としては(株)カネカ製MSポリマー「MSポリマーS−810」等が挙げられる。
また、本発明による硬化性組成物において、変成シリコーンポリマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(I)水酸基末端オキシアルキレン重合体の末端水酸基を不飽和基に変換した後、該不飽和基とヒドロシリル化合物とを反応させる方法。
(II)水酸基末端オキシアルキレン重合体とイソシアネート基含有ケイ素化合物とを反応させる方法。
(III)水酸基末端オキシアルキレン重合体の末端水酸基を不飽和基に変化した後、該不飽和基とメルカプト基含有ケイ素化合物とを反応させる方法。
(IV)水酸基末端オキシアルキレン重合体の末端水酸基をイソシアネート基に変換した後、該イソシアネート基と活性水素含有ケイ素化合物を反応させる方法。
本発明に用い得るアルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる:
(i)特公平3−80829号公報に開示の、通常、数平均分子量(Mn)3,000〜100,000を有し、1分子中に平均アルコキシシリル基数1.2〜3個を有するポリマー。該ポリマーは、(a)アクリル酸アルキルエステル(アルキル炭素数は好ましくは2〜4)(例えばエチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート等)と、(b)ビニルアルコキシシラン(例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン等)および(メタ)アクリロキシアルコキシシラン(例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等)の群から選ばれる1種またはこれらの2種以上の混合物とを、連鎖移動剤として(c)メルカプトアルコキシラン(例えばγ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)の存在下で、ラジカル共重合[通常、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、α,α’−アゾビスイソバレロニトリル、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキシドなど重合開始剤を用いて公知の塊状重合、溶液重合などの手法、またはレドックス触媒、例えば、遷移金属塩、アミン等と過酸化物系開始剤を組合せたレドックス重合法により]させることによって製造することができる;
(ii)特公平4−69667号公報に開示のポリマー。該ポリマーは、ビニル系モノマー[例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、プロピルアクリレート、ペンチルアクリレート、ステアリルアクリレートなどのアクリレート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどのメタクリレート;スチレンもしくはその誘導体(α−メチルスチレン、クロルメチルスチレンなど);ジエチルフマレート、ジブチルフマレート、ジプロピルフマレートなどのフマル酸ジエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニレンなどのハロゲン化ビニル類等]100重量部に、アルコキシシリル基含有ジスルフィド化合物[例えばビス(トリメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(メチルジメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(メチルジエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(プロピルジメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(プロピルジエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(ジメチルメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジメチルエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等]0.05〜50重量部を加え、必要に応じて有機溶媒(トルエン、キシレン、ヘキサン、酢酸エチル、ジオクチルフタレート等)中で光重合(常温(23℃)〜60℃で、4〜30時間の光照射)に付すことによって製造することができる。
直鎖状の変成シリコーンポリマーとアルコキシシリル基を有する直鎖状のアクリル系ポリマーとの混合物または反応物の代表的市販品としては、例えば、(株)カネカ製のMA903、MSX908、MSX911、MSX943等の、アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン重合体とアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体との混合物または反応物が挙げられる。
で示される化学構造を有する、(株)カネカ製の「エピオン」(登録商標)シリーズ(例えば、「エピオン(登録商標)EP−505S」等)が挙げられる。
前記常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーは、官能基を有さないアクリル系モノマー[例えば前記アルコキシシリル基含有アクリル系ポリマー(ii)の重合に用いるようなアクリレートやメタクリレート]を用いて、例えば400℃付近の高温・高圧での連続塊状重合(開始剤は極少量もしくは不要、連鎖移動剤は不要)により、極めて短い反応時間、例えば約5分程度で製造することができる。
また、前記常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーは、狭い組成分布及び分子量分布を有するため、100%ポリマーおよび低Tg常温液状を呈し、かつ変成シリコーン系ポリマーとの相溶性が良好であり得る。該常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーを用いる場合、硬化性組成物の粘度粘性を調整することができ、また、作業性及び耐候性を向上させ得る。常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーの市販品として、例えば東亞合成(株)製「ARUFON(登録商標)UP−1000」等が挙げられる。
本発明においては、好ましくは、変成シリコーンポリマー中で重合されたアルコキシシリル基含有アクリル系ポリマーを、高温・高圧で連続塊状重合により得られる常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーと併用する。変成シリコーンポリマー中で重合されたアルコキシシリル基含有アクリル系ポリマーと常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーとを併用した場合、可塑剤代替効果が得られ、硬化後の組成物の物性を低モジュラス及び高伸長とすることが可能であり、また、硬化性組成物の作業性と耐候性を向上させ得る。
また、上記の無機微粉末を、チタネート系カップリング剤やアルミネート系カップリング剤などで処理することもできる。チタネート系カップリング剤で処理された無機微粉末で表面被覆されたマイクロバルーンは、硬化後物性の点で好ましい。
また、本発明に用いるマイクロバルーン(B)は、好ましくは50℃〜200℃、より好ましくは80℃〜200℃のガラス転移温度(Tg)を有する。本発明に用いるマイクロバルーン(B)のガラス転移温度(Tg)が上記範囲にあることは、物性とバルーンの耐圧性の点から有利である。
本発明の硬化性組成物は、組成物全量に対して、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは2重量%以上のマイクロバルーン(B)を含有する。また、本発明の硬化性組成物は、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下のマイクロバルーン(B)を含有する。マイクロバルーン(B)が2重量%以上であると、組成物全体の比重を十分に低下させ得る点で有利である。また、マイクロバルーン(B)が20重量%以下であると、良好な硬化後物性が得られる点で有利である。
上記エポキシ基を有する脂肪族炭化水素系可塑剤(C)としては、エポキシ化オレフィン系可塑剤が挙げられる。該エポキシ化オレフィン系可塑剤の炭素数は、好ましくは12〜22である。炭素数が12未満の場合、臭気、耐久性低下が問題となる。一方、炭素数が22を超えると、被着体への接着性低下、ブリード汚染、低温時の析出による外観不良を起こす原因となる。
本発明においては、上記モジュラス調整剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、上記モジュラス調整剤は、本発明の硬化性組成物の調製前に予め上記成分(A)および/または(B)に添加してもよく、または調製中に上記成分(A)および/または(B)と共に添加してもよく、または調製後の硬化性組成物に添加してもよい。
本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物全量に対して、好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上のモジュラス調整剤を含有し得る。また、本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物全量に対して、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下のモジュラス調整剤を含有し得る。本発明の硬化性組成物がモジュラス調整剤を上記範囲で含有することは、硬化物のモジュラスを低減することができる点から有利である。
炭素数16以上の不飽和脂肪酸としてはパルミトイル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などが挙げられ、これらは処理剤に含まれると作業性の向上などの点で有利である。
表面処理剤量とは、熱重量分析(TG)計を用いて、有機物量を測定することによって算出される値であり、表面処理炭酸カルシウムにおける有機物の量のことである。上記表面処理剤量は、好ましくは4.5重量%以上である。また、上記表面処理剤量は、好ましくは7重量%以下、より好ましくは5.5重量%以下である。上記表面処理剤量が、上記範囲にあると、十分なチキソ性を得ることができる。
BET比表面積は、従来既知の方法、例えば、吸着ガスとして窒素を使用し、BET比表面積計を用いて測定する方法によって得ることができる。BET比表面積は、好ましくは12〜18m2/gである。BET比表面積が12m2/g未満の場合、十分なチキソ性が得られない。一方、25m2/gを超える場合には、混合不良や混合時に空気を巻き込み易くやすくなる。
本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物全量に対して、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上の表面処理炭酸カルシウムを含有し得る。また、本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物全量に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下の表面処理炭酸カルシウムを含有し得る。本発明の硬化性組成物が表面処理炭酸カルシウムを上記範囲で含有することは、チキソ性付与によるスランプ防止、作業性向上や作業可能時間の点から有利である。
表面未処理炭酸カルシウムの平均粒径は、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1.0μm以上である。また、上記表面未処理炭酸カルシウムの平均粒径は、好ましくは5.0μm以下、より好ましくは4.5μm以下、さらに好ましくは4.0μm以下である。平均粒径とは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器において測定された重量累積粒度分布の50%径である。平均粒径が小さい場合には、炭酸カルシウム粒子間での凝集を防止するため粒子表面の処理が必要となるため望ましくない。一方、平均粒径が大きい場合には、硬化後ゴム物性の低下、チキソ性低下の点から望ましくない。
本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物全量に対して、好ましくは5重量%以上、より好ましくは15重量%以上の表面未処理炭酸カルシウムを含有し得る。また、本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物全量に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下の表面未処理炭酸カルシウムを含有し得る。本発明の硬化性組成物が表面未処理炭酸カルシウムを上記範囲で含有することは作業性、硬化後の物性、特に伸び性の点から有利である。
本発明の硬化性組成物は、硬化後の伸び率が400%以上、50%引張応力は0.25N/mm2以下である。かかる比重、伸び率およびモジュラス等を有することにより本発明の硬化性組成物は、シーリング材として好適に用いることができる。
本発明の硬化性組成物は、二液型シーリング材とした場合、上記基剤と上記硬化剤を、好ましくは100:0.5〜20、より好ましくは100:1〜15、さらに好ましくは100:5〜10の範囲から選択される少なくとも1つの重量比で計量混合し、硬化させて使用することができる。
また、本発明の硬化性組成物は、自動車、電器、土木用のシーリング材、その他接着剤、塗料、コーティング材、ポッティング材、成形物などに適用することができる。
基剤
表1に示す重量の配合資材を、加熱および減圧装置付の混合攪拌機に仕込み30分間撹拌した。次いで60℃で30分混合撹拌し、真空減圧下20分間撹拌混合し、基剤を得た。
硬化剤
表1に示す重量の硬化触媒、炭酸カルシウムを、室温にて混合し、10分間混合撹拌し、硬化剤を得た。
(注2)シリル化率80〜90%、分岐状加水分解性シリル基含有ポリマー
(注3)シリル化率70〜80%、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー
(注4)シリル化率60〜70%、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー
(注5)新日本理化株式会社製「サンソサイザーE−PS」、脂環式エポキシ系可塑剤
(注6)新日本理化株式会社製「リカレジンEX68」、エポキシ化オレフィン系可塑剤、α−オレフィンオキサイド(C16およびC18の混合物)
(注7)新日本理化株式会社製「DINP」
(注8)新日本石油化学株式会社製「アルケン200P」
(注9)チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガノックス1010」
(注10)楠本化成株式会社製「ディスパロン308」
(注11)チタネート系カップリング剤処理樹脂バルーン
(注12)白石工業株式会社製「ビスコライトOS」
(注13)ラウリン酸60%、オレイン酸20%処理炭酸カルシウム
(注14)備北粉化工業株式会社製「ホワイトンSB」
(注15)日東化成株式会社製「ネオスタンU−28」
(注16)日油株式会社「ニッサンアミンBB」
1.比重測定
JIS K 6833 5.2.1「比重カップ法」に準拠して測定した。
JIS H 4000に規定されるA5052Pアルミニウム板(50×50×5mm)にプライマー(商品名:プライマーUM−2:サンスター技研(株)製)を塗布し、上記のように調製した硬化性組成物を打設する。養生後(条件:23±2℃×7日+50±2℃×7日)、加熱後(条件:養生後+90±2℃×7日)または水浸漬後(条件:養生後+23±2℃×水中7日)に、JISA1439に従い50%引張応力[N/mm2]、最大引張応力[N/mm2]および最大荷重時の伸び率[%]を測定した。
JIS A 1439 5.17「耐久性試験」(2004)に従い、耐久性区分9030において試験を行った。合格、不合格の判定も、上記規格に準じて実施した。
○:合格、×:不合格
比較例3における硬化性組成物は、耐久性に優れているが、50%引張応力は0.25N/mm2以上となり、実際の使用用途に適していない。
Claims (13)
- (A)(1)直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマーと、
(2)分枝状加水分解性シリル基含有ポリマーと
から構成され、直鎖状加水分解性シリル基含有ポリマー(1)と分枝状加水分解性シリル基含有ポリマー(2)との重量比が1:9〜9:1の範囲である加水分解性シリル基含有ポリマーと、
(B)マイクロバルーンと
を含み、1.15未満の比重を有する硬化性組成物であって、該加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の平均シリル化率が75〜100%であり、および/または該硬化性組成物を基準として1.5重量%以上のエポキシ基を有する脂肪族炭化水素系可塑剤(C)をさらに含む、硬化性組成物。 - 加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の数平均分子量(Mn)は、3,000〜60,000である、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜2.0である、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- 硬化性組成物を基準として15〜40重量%の加水分解性シリル基含有ポリマー(A)を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 加水分解性シリル基含有ポリマー(A)は、変成シリコーンポリマー、アルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマー、アルコキシシリル基を有するポリイソブチレン系ポリマーからなる群から選択される1種または2種以上のポリマーである、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
- マイクロバルーン(B)は、チタネート系カップリング剤またはアルミネート系カップリング剤で処理された無機微粉末で被覆された樹脂バルーンである、請求項1〜5のいずれかに記載のウレタン架橋系室温硬化性組成物。
- マイクロバルーン(B)の平均粒径は10〜100μmである、請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物。
- マイクロバルーン(B)のガラス転移温度(Tg)は50〜200℃である、請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 硬化性組成物を基準として0.5〜20重量%のマイクロバルーン(B)を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性組成物。
- エポキシ基を有する脂肪族炭化水素系可塑剤(C)は、エポキシ化オレフィン系可塑剤である、請求項1〜9のいずれかに記載の硬化性組成物。
- エポキシ化オレフィン系可塑剤の炭素数は12〜22である、請求項10に記載の硬化性組成物。
- モジュラス調整剤をさらに含んでなる、請求項1〜11のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 硬化性組成物を基準として0.05〜10重量%のモジュラス調整剤を含有する、請求項12に記載の硬化性組成物。
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