JP2002105342A - 耐候性が改良された硬化性組成物 - Google Patents

耐候性が改良された硬化性組成物

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JP2002105342A
JP2002105342A JP2000297106A JP2000297106A JP2002105342A JP 2002105342 A JP2002105342 A JP 2002105342A JP 2000297106 A JP2000297106 A JP 2000297106A JP 2000297106 A JP2000297106 A JP 2000297106A JP 2002105342 A JP2002105342 A JP 2002105342A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化物の優れた特性を損なうことなく耐候性が
改善された、湿分存在下で硬化する硬化性組成物を提供
する 【解決手段】分子内に少なくとも1個の加水分解性ケイ
素基を有する有機重合体を含み、該有機重合体100質
量部に対し、ポリペンタエリスリトール−カプロラクト
ン付加物のアクリル酸エステル化合物またはメタクリル
酸エステル化合物0.01〜20質量部を含有する硬化
性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性が改良され
た、湿分存在下で硬化する硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで加水分解性ケイ素基を有する重
合体は、その硬化物がゴム弾性を有するという特徴を利
用して、建築用などのシーリング材、接着剤、コーティ
ング材などの用途として有用であることが見いだされ、
その製造方法、組成物について数多く報告されている。
これらの重合体が硬化して得られる硬化物は安価で優れ
た特性を有しているが、これを長期にわたって屋外に暴
露して使用した場合、紫外線、オゾンなどの作用によっ
て表面に亀裂が発生するという耐候性の問題点を有して
いる。
【0003】かかる耐候性などを改善するために、有機
物モノマー、オリゴマー、有機物樹脂、或いはそれらの
混合物を添加することが知られている。例えば、ポリケ
イ皮酸ビニル類、不飽和アクリル系化合物、アジド化樹
脂などを添加することは、特開平6−65400号公
報、特開平5−70531号公報、特開平8−2693
15号公報により知られている。しかし。これらの従来
の添加物による耐候性の改善効果は必ずしも十分ではな
く、また、ある場合には、耐候性は改善されが、これら
の物質の添加により硬化物の有する優れた特性を阻害さ
れてしまい、未だに十分に満足できるされる耐候性を改
善できうる手段は知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
ごとき問題点を改良すべく鋭意検討を重ねた結果、安定
剤として特定の化合物を硬化性組成物に配合することに
よって、その硬化物の有する優れた特性を損なうことな
く、耐候性を改善でき、硬化物に亀裂などが生じるまで
の時間を長くできることを見いだし、本発明に到達し
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明は、分
子内に少なくとも1個の加水分解性ケイ素基を有する有
機重合体を含む硬化性組成物であって、上記有機重合体
100質量部に対し、ポリペンタエリスリトール−カプ
ロラクトン付加物のアクリル酸エステル化合物またはメ
タクリル酸エステル化合物0.01〜20質量部を含む
ことを特徴とする硬化性組成物を提供する。
【0006】また、本発明は、分子内に少なくとも1個
の加水分解性ケイ素基を有する有機重合体を含む硬化性
組成物であって、上記有機重合体100質量部に対し、
下記の式(1)で表される化合物を0.01〜20質量
部を含むことを特徴とする硬化性組成物を提供する。
【0007】ただし、式(1)中、6個のRは下記の
M、N、LまたはQのいずれかを表わし、Mの個数a、
Nの個数b、Lの個数c、Qの個数dが、a+b+c+
d=6、a+b≧1、a+c≧1を満たす。m、nはそ
れぞれ1〜5の整数である。Y 1は、アクリロイル基ま
たはメタクリロイル基であり、Y2は、水素原子または
炭素数1〜10のアルキル基である。
【0008】
【化2】
【0009】本発明において、一般式(1)を有する光
硬化性物質が、上記分子内に少なくとも1個の加水分解
性ケイ素基を有する有機重合体を含有する硬化性組成物
の硬化物の耐候性を改善するメカニズムについては、必
ずしも明らかではない。しかし、本発明で使用される上
記一般式(1)を有する光硬化性物質が優れた上記の特
性を有する理由は、かかる物質が、分子内に複数のアク
リロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ
基(以下、(メタ)アクリロイルオキシ基という場合が
ある)を多数有する多官能(メタ)アクリレート化合物
であることが挙げられる。さらに、(メタ)アクリロイ
ルオキシ基と(−CO−CH2CH2CH 2CH2CH2
−)m(mは1〜5の整数)が連結した基を有すること
により、さらに耐候性の改善効果が顕著であることが判
明した。
【0010】また、後記するように、本発明の硬化性組
成物における、一般式(1)を有する光硬化性物質の含
有量は重要であり、少なすぎる場合は効果が小さく、一
方、過度の含有量では硬化速度が遅くなるなどの悪影響
が生じることが判明した。以下に、本発明について、さ
らに詳しく説明をする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で硬化性組成物に含まれ
る、分子内に少なくとも1個の加水分解性ケイ素基を有
する有機重合体の有する、加水分解性ケイ素基は、好ま
しくは、式、−SiXe2 3-eで表される。ここで、R2
は炭素数1〜20の置換または非置換の1価の有機基で
あり、好ましくは炭素数8以下のアルキル基、フルオロ
アルキル基またはフェニル基である。特に好ましくは、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、シクロエキシル基またはフェニル基である。Xは水
酸基または加水分解性基であり、eは1〜3の整数であ
る。R2およびXがそれぞれ複数存在する場合には、相
互に同じであっても、また異なっていてもよい。
【0012】上記加水分解性ケイ素基は、有機重合体の
分子内の好ましくは末端の位置に、1個以上存在すれば
よいが、高弾性、高耐候性などが要求される場合には、
2〜8個という複数個存在するのが好ましい。また、異
なる数の加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の混合
物も本発明では使用することもできる。
【0013】本発明における上記加水分解性ケイ素基を
有する有機重合体の好ましい例としては、次のものが挙
げられる。すなわち、加水分解性ケイ素基を有するオキ
シアルキレン重合体(特開平3−72527号公報など
に開示)、加水分解性ケイ素基を有するアクリル酸エス
テル重合体(特開昭62−146959号公報、特開平
1−131271号公報などに開示)、加水分解性ケイ
素基を有するオキシアルキレン重合体と(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル重合体との混合物、加水分解性ケ
イ素基を有するオキシアルキレン重合体と(メタ)アク
リル酸アルキルエステル重合体のグラフト重合体、加水
分解性ケイ素基を有するイソブチレン重合体などの炭化
水素系重合体(特開平1−170681号公報などに開
示)が挙げられる。
【0014】なお、本発明において「(メタ)アクリル
酸アルキルエステル重合体」とは、アクリル酸アルキル
エステル重合体、メタクリル酸アルキルエステル重合
体、およびこれらの共重合体をいう。また、加水分解性
ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体−(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル重合体のグラフト重合体は、
例えば、加水分解性ケイ素基を有するオキシアルキレン
重合体の存在下、アクリル酸アルキルエステル及び/又
はメタクリル酸アルキルエステル、並びに任意に他の共
重合可能なモノマーを重合することなどによって得るこ
とができる。
【0015】本発明で使用される、上記の末端に加水分
解性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体として
は、従来公知のものが広く使用でき、そのようなオキシ
アルキレン重合体の有する好ましいオキシアルキレン鎖
の例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレン
オキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリ3−メチ
ルテトラメチレンオキシド、これらのブロック共重合
体、またはランダム共重合体が挙げられる。
【0016】また、これらのオキシアルキレン鎖には、
分子鎖をつなげるためのオキシアルキレン以外の構造、
たとえばウレタン結合、エステル結合、チオエーテル結
合、シロキサン結合などを含んでいてもよい。このよう
な分子鎖をつなげるための化学構造は、原料となるオキ
シアルキレン重合体の分子量を架橋反応によって高分子
量化する場合に使用される。
【0017】本発明で使用する加水分解性ケイ素基を有
するオキシアルキレン重合体においては、高分子量のも
のが、低分子量のものに比較して硬化性および破断時の
伸びなどの特性において優れているので好ましい。しか
し、加水分解性ケイ素基を有する高分子量のオキシアル
キレン重合体を直接、製造することは困難であるため、
このような高分子量重合体の製造においては、比較的入
手しやすい分子量3000〜4000程度のオキシアル
キレンポリオールを原料とし、これに多価ハロゲン化合
物を反応させることで分子量を増大し、その後、分子末
端に不飽和基を導入してから、白金などの触媒の存在下
に該不飽和基に加水分解性基含有水素化ケイ素化合物を
反応させて加水分解性ケイ素基を有する重合体を得る方
法が採用できる。
【0018】また、高分子量の加水分解性ケイ素基を有
するオキシアルキレン重合体を得る方法として、開始剤
の存在下に複合金属シアン化物錯体などの触媒の存在下
に、アルキレンオキシドを重合して得られる高分子量で
かつ分子量分布の狭いオキシアルキレンポリオールを使
用して、分子間の架橋反応をすることなく加水分解性ケ
イ素基を有する高分子量のオキシアルキレン重合体を製
造する方法があり、本発明ではかかる重合体も使用でき
る。
【0019】本発明で使用される加水分解性ケイ素基を
有するオキシアルキレン重合体としては、なかでも、数
平均分子量(Mn)が5000以上30000以下が好
ましく、さらに10000〜25000が好ましい。数
平均分子量が5000を下回ると重合体の硬化反応時の
硬化性が悪くなり、数平均分子量が30000を上回る
と重合体の粘度が高くなり作業性が悪くなる。さらに本
発明の加水分解性ケイ素基を有するオキシアルキレン重
合体においては、重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.7以下である場
合には、分子量分布が狭く、比較的低分子量の重合体が
少ない重合体となり、分子量分布が広いものと比較して
同粘度のときには、低分子量の重合体成分が少なく、硬
化性の低下を招かないという優れた点がある。
【0020】上記加水分解性ケイ素基含有オキシアルキ
レン重合体の原料となる分子量分布の狭いオキシアルキ
レンポリオールは複合金属シアン化物錯体、水酸化セシ
ウムなどの触媒を使用して、開始剤にアルキレンオキシ
ドを重合させることによって容易に得ることができる。
【0021】上記加水分解性ケイ素基を有する有機重合
体を含む本願発明の硬化性組成物においては、上記した
ように、ポリペンタエリスリトール−カプロラクトン付
加物のアクリル酸エステル化合物またはメタクリル酸エ
ステル化合物を光硬化性物質として含有させることによ
り、硬化物の耐候性が顕著に向上する。
【0022】本発明における上記ポリペンタエリスリト
ールとしては、ジペンタエリスリトール、トリペンタエ
リスリトールが挙げられる。2種以上の混合物であって
もよく、少量のモノペンタエリスリトールを含むもので
もよい。ジペンタエリスリトールまたはジペンタエリス
リトールと他のポリペンタエリスリトールや少量のモノ
ペンタエリスリトールの混合物が好ましい。
【0023】カプロラクトンとしては、ε−カプロラク
トンが好ましい。ポリペンタエリスリトールに対するカ
プロラクトンの付加量の下限は、ポリペンタエリスリト
ール1モルに対し1モル以上であり、上限は、ポリペン
タエリスリトールの水酸基のモル数に対し、5倍モル以
下が好ましい。
【0024】ポリペンタエリスリトール−カプロラクト
ン付加物のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エス
テルは、アクリロイル基またはメタクリロイル基を1以
上有していればよく、3以上、特に5以上有しているこ
とが好ましい。ポリペンタエリスリトール−カプロラク
トン付加物のアクリル酸エステルが特に好ましい。
【0025】ポリペンタエリスリトール−カプロラクト
ン付加物のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エス
テルは、式(1)で示される化合物であることが好まし
い。
【0026】
【化3】
【0027】上記式(1)において、6個のRは下記の
M、N、LまたはQのいずれかを表わす。Mの個数a、
Nの個数b、Lの個数c、Qの個数dが、a+b+c+
d=6、a+b≧1、a+c≧1を満たす。a+c≧3
が好ましく、a+c≧5が特に好ましい。m、nはそれ
ぞれ1〜5の整数であり、1〜2が好ましい。Y1は、
アクリロイル基またはメタクリロイル基であり、アクリ
ロイル基が好ましい。Y2は、水素原子または炭素数1
〜10のアルキル基である。アルキル基の場合、直鎖
状、分岐状いずれでもよく、炭素数1〜5のアルキル基
が好ましい。
【0028】本発明では、上記a、b、c、dの組合わ
せを適宜選択することにより、添加された硬化物の耐候
性および特性を制御することができる。
【0029】かかる式(1)で表される化合物は市販の
物質としても入手でき、例えば日本化薬社から販売され
る次の商品名の物質が例示される。即ち、カヤラッドD
PCA−20(Y1=アクリロイル基、aの平均値=
2、b=0、cの平均値=4、d=0、mの平均値=
1)、カヤラッドDPCA−30(Y1=アクリロイル
基、aの平均値=3、b=0、cの平均値=3、d=
0、mの平均値=1)、カヤラッドDPCA−60(Y
1=アクリロイル基、aの平均値=6、b=0、cの平
均値=0、d=0、mの平均値=1)、カヤラッドDP
CA−120(Y1=アクリロイル基、aの平均値=
6、b=0、cの平均値=0、d=0、mの平均値=
2)、などが例示できる。
【0030】上記化合物は、それぞれ単独で使用しても
よいし、また、2種類以上を併用してもよい。また、他
の光硬化性物質を併用することもできる。かかる光硬化
性物質の使用量としては、加水分解性ケイ素基を有する
有機重合体の100質量部に対し、0.1〜20質量部
が好ましい。かかる使用量が0.1質量部より小さい
と、顕著な耐候性効果が見られず、逆に、20質量部を
超えた場合には、加水分解性ケイ素基を有する重合体を
用いた配合での硬化性が遅くなる傾向があり好ましくな
い。なかでも、使用量は、好ましくは、0.1〜20質
量部、特には1〜10質量部が好ましい。
【0031】本発明の上記加水分解性ケイ素基を有する
有機重合体および化合物を含む硬化性組成物には、硬化
を促進するための硬化触媒、充填剤、可塑剤、接着性付
与剤、溶剤、脱水剤、チキソ性付与剤、老化防止剤など
の各種添加剤を任意に添加、配合することによって湿分
の存在下に硬化する硬化性組成物が得られる。これらの
各種添加剤は、本発明の硬化性組成物の用途に応じて選
択、使用される。以下に、本発明の硬化性組成物に対し
て添加されるこれらの添加剤について説明する。
【0032】[硬化触媒]―本発明の硬化性組成物に含
まれる、分子内に加水分解性ケイ素基を有する有機重合
体の有する加水分解性ケイ素基は湿分の存在下に加水分
解してシラノール基となり、他のシラノール基または加
水分解性ケイ素基との間で縮合反応をおこし、シロキサ
ン結合により架橋することによって硬化する。この反応
は、反応を促進する化合物が存在しなくとも進行する
が、より大きな硬化速度を発現させるために硬化触媒を
添加するのが好ましい。具体的には、次に挙げるスズ化
合物が挙げられる。
【0033】2−エチルヘキサン酸スズ、ナフテン酸ス
ズ、ステアリン酸スズなどの2価のスズ化合物。ジブチ
ルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブ
チルスズモノアセテート、ジブチルスズマレート等のジ
アルキルスズジカルボキシレートやジアルコキシスズモ
ノカルボキシレートのような有機スズカルボン酸塩、ジ
アルキルスズビスアセチルアセトナート、ジアルキルス
ズモノアセチルアセトナートモノアルコキシドなどのス
ズキレート化合物、ジアルキルスズオキシドとエステル
化合物の反応物、ジアルキルスズオキシドとアルコキシ
シラン化合物の反応物、ジアルキルスズジアルキルスル
フィドなどの4価のスズ化合物。
【0034】なお、スズキレート化合物としては、ジブ
チルスズビスアセチルアセトナート、ジブチルスズビス
エチルアセトアセテート、ジブチルスズモノアセチルア
セトナートモノアルコキシドなどが挙げられる。
【0035】また、ジアルキルスズオキシドとエステル
化合物の反応物としては、ジブチルスズオキシドとフタ
ル酸ジオクチルやフタル酸ジイソノニルなどのフタル酸
エステルとを加熱混合して反応させ液状にしたスズ化合
物が挙げられる。この場合エステル化合物としてはフタ
ル酸エステル以外の脂肪族、芳香族カルボン酸のエステ
ル、テトラエチルシリケートやその部分加水分解縮合物
なども使用できる。
【0036】また、これらのスズ化合物を低分子アルコ
キシシランなどと反応あるいは混合した化合物も好まし
く使用できる。また、スズ化合物以外に使用できる硬化
触媒としては次のものが挙げられる。アルキルチタン酸
塩、有機ケイ素チタン酸塩、有機カルボン酸ビスマス
塩、等の他の金属塩。リン酸、p−トルエンスルホン
酸、フタル酸、リン酸ジ−2−エチルヘキシル等の酸性
化合物。ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミ
ン、デシルアミン、ラウリルアミン、N,N−ジメチル
−オクチルアミンなどの脂肪族モノアミン、エチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ンなどの脂肪族ポリアミン化合物、芳香族アミン化合
物、アルカノールアミン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルトリメトキシシランや3−アミノプ
ロピルトリメトキシシランなどのアミノシランカップリ
ング剤等のアミン化合物。
【0037】2価のスズ化合物は、1級アミン化合物と
併用すると硬化促進効果が向上するので、併用が好まし
い。
【0038】本発明の硬化性組成物において、上記の硬
化触媒は1種または2種以上を組み合わせて添加され、
その添加量は、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体
の100質量部に対して、好ましくは、0.1〜10質
量部、なかでも0.5〜3質量部で使用されることが適
切である。
【0039】[充填剤]―得られる硬化物の機械的強度
を改善するために、硬化物の用途に応じて、好ましくは
使用される。充填剤の使用量は、加水分解性ケイ素基を
有する有機重合体の100質量部に対して好ましくは、
10〜1000質量部、特に50〜250質量部が好ま
しい。
【0040】充填剤の好ましい具体例としては、以下の
ものが挙げられる。例えば、平均粒径1μm以下の膠質
炭酸カルシウム(表面を脂肪酸または樹脂酸系有機物で
表面処理してもよい)、平均粒径1〜3μmの軽質炭酸
カルシウム、平均粒径1〜20μm重質炭酸カルシウム
などの炭酸カルシウム、フュームドシリカ、沈降性シリ
カ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、炭酸
マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タル
ク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸
化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、ガ
ラスバルーン、セラミックバルーン、サラン樹脂やポリ
アクリロニトリルなどからなる有機樹脂バルーン、木
粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀
粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、フリント粉末
などの粉体状充填剤。石綿、ガラス繊維、ガラスフィラ
メント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイ
バーなどの繊維状のものが挙げられる。
【0041】これらの充填剤は単独で用いてもよく、2
種以上併用してもよい。これらのなかでも、炭酸カルシ
ウムの使用が好ましく、特に、膠質炭酸カルシウムと重
質炭酸カルシウムを併用することが好ましい。
【0042】[可塑剤]−硬化物の可塑性を改善するた
めに使用されるもので、その好ましい使用量は、加水分
解性ケイ素基を有する有機重合体の100質量部に対し
て5〜100質量部が好ましく、特には20〜80質量
部が好ましい。
【0043】可塑剤の好ましい具体例としては以下のも
のが挙げられる。フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸イソノニルなど
のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク
酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチ
ルなどの脂肪族カルボン酸エステル;ペンタエリスリト
ールエステルなどのアルコールエステル類;リン酸トリ
オクチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル
類;エポキシ化大豆油、4,5−エポキシシクロヘキサ
ン−1,2−ジカルボン酸ビス−2−エチルヘキシルエ
ステル、エポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ
可塑剤;塩素化パラフィン;2塩基酸と2価アルコール
とを反応させてなるポリエステル類などのポリエステル
系可塑剤;ポリオキシプロピレングリコールやその誘導
体、例えばポリオキシプロピレングリコールの水酸基を
アルキルエーテルで封止したようなポリエーテル類、ポ
リ−メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリスチレン
のオリゴマー類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリ
ロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレ
ン、ポリブテン、水添ポリブテン、エポキシ化ポリブタ
ジエンなどのオリゴマー類などの高分子可塑剤。
【0044】上記の4,5−エポキシシクロヘキサン−
1,2−ジカルボン酸ビス−2−エチルヘキシルエステ
ルなどのエポキシ化可塑剤は硬化触媒として特に2価の
スズ化合物と1級アミン化合物とを組み合わせて使用し
た場合には、得られた硬化物を一定条件下に圧縮状態で
固定しておいてから固定を解除したときの戻る割合が大
きい硬化物、いわゆる圧縮復元率が良好な硬化物が得ら
れるので特に好ましい。
【0045】可塑剤は2種以上を併用することもでき、
例えばフタル酸エステルとエポキシ可塑剤など異なる種
類の2種以上の併用も可能である。
【0046】[接着性付与剤]―硬化物の接着性を改良
する目的で接着性付与剤を使用できる。接着性付与剤は
単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよいが、
その使用量は、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体
の100質量部に対して0.1〜30質量部が好まし
く、なかでも0.5〜5質量部が好ましい。
【0047】本発明における好ましい接着性付与剤とし
ては、(メタ)アクリロイル基含有シラン類、アミノ基
含有シラン類、メルカプト基含有シラン類、エポキシ基
含有シラン類、カルボキシル基含有シラン類などのシラ
ンカップリング剤が挙げられる。
【0048】上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有シ
ラン類としては、3−メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピル
メチルジメトキシシランなどが挙げられる。上記アミノ
基含有シラン類としては、3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイド
プロピルトリエトキシシラン、N−(N−ビニルベンジ
ル−2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン
などが挙げられる。
【0049】上記メルカプト基含有シラン類としては、
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メル
カプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。上記エポ
キシ基含有シラン類としては、3−グリシジルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプ
ロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0050】カルボキシル基含有シラン類としては、2
−カルボキシエチルトリエトキシシラン、2−カルボキ
シエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、N−(N−カルボキシルメチル−2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙
げられる。
【0051】また、2種以上のシランカップリング剤を
反応させて得られる反応物を用いてもよい。反応物の例
としてはアミノ基含有シラン類とエポキシ基含有シラン
類との反応物、アミノ基含有シラン類と(メタ)アクリ
ロイルオキシ基含有シラン類との反応物、エポキシ基含
有シラン類とメルカプト基含有シラン類の反応物、メル
カプト基含有シラン類どうしの反応物などが挙げられ
る。これらの反応物は該シランカップリング剤を混合し
室温〜150℃の温度範囲で1〜8時間撹拌することに
よって容易に得られる。
【0052】本発明における接着性付与剤として、エポ
キシ樹脂を添加することもできる。また、必要に応じて
さらにエポキシ樹脂硬化剤を併用してもよい。本発明の
組成物に添加しうるエポキシ樹脂としては、ビスフェノ
ールA−ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF−ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テ
トラブロモビスフェノールA−グリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂などの難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールA−プロピレンオキシド付加物のグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂、4−グリシジルオキシ安息
香酸グリシジル、フタル酸ジグリシジル、テトラヒドロ
フタル酸ジグリシジル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシ
ジルなどのジグリシジルエステル系エポキシ樹脂、m−
アミノフェノール系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニル
メタン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各
種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリ
ン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、トリグリ
シジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコールジ
グリシジルエーテル、グリセリンなどの多価アルコール
のグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、
石油樹脂などの不飽和重合体のエポキシ化物などのエポ
キシ樹脂やエポキシ基を有するビニル系重合体などが挙
げられる。
【0053】また、上記エポキシ樹脂の硬化剤(または
硬化触媒)を併用する場合の硬化剤としては、トリエチ
レンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチル
アミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、
m−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジ
アミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホ
ン、イソホロンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチ
ルアミノメチル)フェノールなどのアミン類またはそれ
らの塩類、またはケチミン化合物などのブロックドアミ
ン類、ポリアミド樹脂、イミダゾール類、ジシアンジア
ミド類、三フッ化ホウ素錯化合物類、無水フタル酸、ヘ
キサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水
物、ドデセニルコハク酸無水物、ピロメリット酸無水物
などのカルボン酸無水物、フェノキシ樹脂、カルボン酸
類、アルコール類など、エポキシ基と反応しうる基を平
均して分子内に少なくとも1個有するオキシアルキレン
重合体(末端アミノ化ポリオキシプロピレングリコー
ル、末端カルボキシル化ポリオキシプロピレングリコー
ルなど) 、末端が水酸基、カルボキシル基、アミノ基な
どで修飾されたポリブタジエン、水添ポリブタジエン、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル系重
合体などの液状末端官能基含有重合体、ケチミン化合物
が挙げられる。
【0054】[溶剤]―本発明の硬化性組成物において
は、粘度の調整、組成物の保存安定性向上を目的とし
て、溶剤を添加することもできる。この場合の溶剤の使
用量は、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の10
0質量部に対して0.1〜500質量部が好ましく、な
かでも1〜10質量部が好ましい。
【0055】かかる溶剤としては、脂肪族炭化水素類、
芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール
類、ケトン類、エステル類、エーテル類、エステルアル
コール類、ケトンアルコール類、エーテルアルコール
類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類、エステルエ
ーテル類を使用できる。
【0056】[脱水剤]―本発明の硬化性組成物の貯蔵
安定性をさらに改良するために、硬化性や柔軟性に悪影
響を及ぼさない範囲で少量の脱水剤を添加することでき
る。脱水剤の使用量は,加水分解性ケイ素基を有する有
機重合体の100質量部に対して0.1〜30質量部が
好ましく、なかでも0.5〜5質量部が好ましい。
【0057】脱水剤としては、オルトギ酸メチル、オル
トギ酸エチルなどのオルトギ酸アルキル、オルト酢酸メ
チル、オルト酢酸エチルなどのオルト酢酸アルキル、メ
チルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどの加
水分解性有機シリコン化合物、加水分解性有機チタン化
合物などを使用しうる。ビニルトリメトキシシラン、テ
トラエトキシシランがコスト、効果の点から特に好まし
い。このような脱水剤は、特に一液硬化性組成物として
知られる、硬化触媒を硬化性組成物に添加して防湿容器
に充填した製品に特に有効である。
【0058】[チキソ性付与剤]―本発明の硬化性組成
物には,垂れ性の改善のためチキソ性付与剤を使用して
もよい。このようなチキソ性付与剤としては、有機酸処
理炭酸カルシウム、水添ひまし油、脂肪酸アミド、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、微粉末シリカ
などが使用され、加水分解性ケイ素基を有する有機重合
体の100質量部に対して好ましくは、10質量部以下
の添加量により十分に改善される。
【0059】[老化防止剤]―本発明の硬化性組成物に
は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの老化防
止剤も添加することができる。例えば、ヒンダードアミ
ン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベン
ゾエート系、シアノアクリレート系、アクリレート系、
ヒンダードフェノール系、リン系、マロン系エステル
系、硫黄系の各化合物を使用できる。
【0060】これらの光安定剤、酸化防止剤および紫外
線吸収剤の2種以上を併用することにより、それぞれの
特徴を生かし、老化防止効果を向上させうることから好
ましい。具体的には、3級および2級のヒンダードアミ
ン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒ
ンダードフェノール系ならびにホスファイト系酸化防止
剤から選ばれる2種以上を組み合わせると効果的であ
る。
【0061】上記酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤
などの老化防止剤の使用量は、加水分解性ケイ素基を有
する有機重合体100の質量部に対して、それぞれ0.
1〜10質量部の範囲であることが好ましい。0.1質
量部未満では耐候性の改善の効果が少なく、10質量部
を越えると、効果に大差がなく経済的に不利である。な
かでも、0.5〜5質量部の使用量が特に好ましい。
【0062】[その他の添加剤]―本発明の硬化性組成
物には、耐候性や砂埃の付着を長期にわたり改善する目
的で、空気酸化硬化性化合物を添加することができる。
このような空気酸化硬化性化合物としては、桐油、アマ
ニ油などに代表される乾性油や、該化合物を変性して得
られる各種アルキッド樹脂、乾性油により変性されたア
クリル系重合体、シリコーン樹脂、ポリブタジエン、炭
素数5〜8のジエンの重合体や共重合体などのジエン系
重合体、さらには該重合体や共重合体の各種変性物(マ
レイン化変性、ボイル油変性など)、空気硬化性ポリエ
ステル化合物などが挙げられる。
【0063】空気酸化硬化性化合物の添加量は、加水分
解性ケイ素基を有する有機重合体100重量部に対して
0.1〜50重量部が好ましい。
【0064】また、本発明の硬化性組成物には、物性調
整のためや表面のべたつき低減のために、加水分解によ
ってトリメチルシラノールを発生する化合物を添加する
こともできる。これを添加した場合、特に2価のスズ化
合物と1級アミン化合物を硬化促進剤とした場合の硬化
物のモジュラスを低減し、かつ表面のべたつきを低減す
るという効果がある。
【0065】上記トリメチルシラノールを発生する化合
物としては、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、フ
ェノールなどのヒドロキシ化合物のトリメチルシリルエ
ーテルが使用でき、ヒドロキシ化合物を任意に変えるこ
とで、硬化性の調整も可能であり、その目的に複数のヒ
ドロキシ化合物のトリメチルシリルエーテルを同時に使
用することもできる。また、シラザンなども使用でき
る。上記トリメチルシラノールを発生する化合物の使用
量は、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の100
質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
【0066】また、本発明の硬化性組成物には、酸化
鉄、酸化クロム、酸化チタンなどの無機顔料またはフタ
ロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの有機
顔料が添加できる。顔料の使用は着色のみならず耐候性
の向上という目的でも効果的である。
【0067】さらに、硬化物の特にシーリング材として
の意匠性を持たせる目的で、組成物に対して、その組成
物の色と異なる色の微小体を添加することで、花崗岩や
御影石のような表面外観をもった硬化物となるようにす
ることもできる。また、公知の難燃剤や防かび剤などの
添加を行うことも任意である。また、塗料用途に使用さ
れている艶消し剤を添加することも可能である。
【0068】本発明の硬化性組成物は、シーリング材、
防水材、接着剤、コーティング剤などに使用でき、特に
硬化物自体の充分な凝集力と被着体への動的追従性が要
求される用途に好適である。
【0069】以下に本発明の硬化性組成物を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、本実施例中の分子量分布(Mw/M
n)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)を使用して測定したポリスチレン換算分子量をもと
にした値である。また原料となる水酸基含有オキシアル
キレン重合体の分子量は含有する水酸基のモル数と各重
合体を重合する際に使用した開始剤の官能基数とから計
算によって出した分子量である。
【0070】
【実施例】(合成例1)ジプロピレングリコールを開始剤
として亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触
媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させて、Mnが
20000でMw/Mnが1.4のポリオキシプロピレ
ンジオールを得た。このポリオキシプロピレンジオール
の水酸基のモル数に対して1.05倍モルのナトリウム
メトキシドをメタノール溶液として添加し、加熱減圧下
でメタノールを留去して水酸基をナトリウムアルコキシ
ドとし、続いて、過剰量の塩化アリルを添加して反応さ
せた。未反応の塩化アリルを除去後、副生した無機塩を
除去精製して、アリル基末端のオキシアルキレン重合体
を得た。
【0071】この重合体500gを窒素置換された反応
容器に仕込み、1,1,3,3−テトラメチルジビニル
シロキサン白金錯体(以下VTS錯体と表す)を白金が
2ppmになるように添加して、さらに30分攪拌し
た。次に、ジメトキシメチルシラン6.0gを加えて7
0℃で5時間反応させた。反応終了後、減圧にして揮発
性物質を除去すると23℃における粘度が15000m
Pa・s、分子量分布(Mw/Mn)=1.5を有する淡
黄色透明である、加水分解性ケイ素基含有オキシアルキ
レン重合体(P−1)500gを得た。
【0072】(合成例2)グリセリンを開始剤として亜鉛
ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在
下、プロピレンオキシドを反応させて、Mnが2200
0でMw/Mnが1.4のポリオキシプロピレントリオ
ールを得た。このポリオキシプロピレントリオールの水
酸基のモル数に対して1.05倍モルのナトリウムメト
キシドをメタノール溶液として添加し、120℃加熱減
圧下でメタノールを留去して水酸基をナトリウムアルコ
キシドとし、続いて、過剰量の塩化アリルを添加して反
応させた。未反応の塩化アリルを除去後、副生した無機
塩を除去精製して、23℃における粘度が18000m
Pa・sのアリル基末端のオキシアルキレン重合体を得
た。
【0073】この重合体500gを窒素置換された反応
容器に仕込み、 VTS錯体を白金が2ppmになるよ
うに添加して、さらに30分攪拌した。次に、ジメトキ
シメチルシラン7.8gを加えて70℃で5時間反応さ
せた。反応終了後、減圧にして揮発性物質を除去すると
23℃における粘度が19000mPa・sの淡黄色透
明である、加水分解性ケイ素基含有オキシアルキレン重
合体(P−2)500gを得た。
【0074】(合成例3)ジプロピレングリコールを開始
剤として亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体
触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させて、Mn
が20000でMw/Mnが1.4のポリオキシプロピ
レンジオールを得た。また、グリセリンを開始剤として
亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存
在下、プロピレンオキシドを反応させて、Mnが220
00でMw/Mnが1.4のポリオキシプロピレントリ
オールを得た。
【0075】このポリオキシプロピレンジオール600
gとポリオキシプロピレントリオール400gをフラス
コ中で混合し、その混合物の水酸基のモル数に対して
1.05倍モルのナトリウムメトキシドをメタノール溶
液として添加し、加熱減圧下でメタノールを留去して水
酸基をナトリウムアルコキシドとし、続いて、過剰量の
塩化アリルを添加して反応させた。その後、未反応の塩
化アリルを除去し、副生した無機塩を除去精製して、ア
リル基末端のポリプロピレンオキシド重合体を得た。
【0076】この重合体500gを窒素置換された反応
容器に仕込み、VTS錯体を白金が2ppmになるよう
に添加して、さらに30分攪拌した。次に、ジメトキシ
メチルシラン6.0gを加えて70℃で5時間反応させ
た。反応終了後、減圧にして揮発性物質を除去すること
により、23℃における粘度が17000mPa・s、
分子量分布(Mw/Mn)=1.5を有する淡黄色透明
である加水分解性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体
(P−3)500gを得た。
【0077】(合成例4)ジプロピレングリコールを開
始剤として水酸化カリウムを触媒として使用し、プロピ
レンオキシドを反応させて、Mnが6000でMw/M
nが1.2のポリオキシプロピレンジオールを得た。ま
た、グリセリンを開始剤として水酸化カリウムを触媒と
して使用し、プロピレンオキシドを反応させて、Mnが
6000でMw/Mnが1.2のポリオキシプロピレン
トリオールを得た。
【0078】このポリオキシプロピレンジオール 85
0gとポリオキシプロピレントリオール150gをフラ
スコ中で混合し、この混合物の水酸基モル数に対して
1.05倍モルのナトリウムメトキシドのメタノール溶
液を添加し、120℃加熱減圧下でメタノールを留去し
て水酸基をナトリウムアルコキシドとした。その後原料
のポリオキシプロピレンジオールおよびポリオキシプロ
ピレントリオールの合計のモル数の57%が反応する量
のクロロブロモメタンを添加して反応させた。さらに続
いて過剰の塩化アリルを添加して反応させ、未反応の塩
化アリルを除去後、副生した無機塩を除去精製して、2
3℃における粘度が14000mPa・s、Mnが14
000,のアリル基末端のポリプロピレンオキシド重合
体を得た。
【0079】この重合体500gを窒素置換された反応
容器に仕込み、VTS錯体を白金が2ppmになるよう
に添加して、さらに30分攪拌した。次に、ジメトキシ
メチルシラン8.3gを加えて70℃で5時間反応させ
た。反応終了後、減圧にして揮発性物質を除去すること
により、23℃における粘度が15000mPa・s、
分子量分布(Mw/Mn)=1.9を有するの淡黄色透
明な加水分解性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体
(P−4)500gを得た。
【0080】合成例1、2、3および4で得られた重合
体の数平均分子量(Mn)と分子量分布(Mw/Mn)
をGPCにより分析した。その結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】配合実施例 表2〜表7に示すように、合成例1〜4で得られた重合
体に対して、光硬化性物質を始め各種の添加剤を加えた
硬化性組成物をシートに成形し、これを20℃で1週
間、引き続いて50℃、湿度65%で1週間養生させる
ことにより硬化させ、耐候性を測定するためのサンプル
を得た。硬化物シートの形状は、長さ100mm、幅2
0mm、厚み5mmである。同シートをサンシャインウ
ェザオメーターで2,000時間まで照射させ、その際
の表面劣化具合を500時間毎に目視で観察した。結果
を表2〜7に示した。
【0083】なお、表2〜表7において、例1、2、
8、9、15、16、22、23、および29−40が
本発明の実施例であり、例3−7、10−14、17−
21、および24−28は、比較例である。
【0084】また表2から表7中の*1から*14は、
下記のものを使用した。 * 1: 商品名:ネオライトSP−T(竹原化学工業
(株)製) * 2: 商品名:ホワイトンSB(白石カルシウム工
業(株)製) * 3: 4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−
ジカルボン酸−ビス−2−エチルヘキシルエステル * 4: ポリオキシプロピレントリオール(Mw:1
0000、Mw/Mn=1.3) * 5: ポリオキシプロピレントリオール(Mw:1
0000、Mw/Mn=1.3)の末端トリスアリルエ
ーテル * 6: ビスフェノールジグリシジルエーテル * 7: 商品名:Q−CEL 520 (PQ社製) * 8: 商品名:MFL−100SCA(松本油脂製
薬(株)製) * 9: 3−(2−アミノエチル)アミノプロピルト
リメトキシシラン *10: 3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシ
シラン *11: ジブチルスズオキシド/フタル酸ジオクチル
の反応物(三共有機合成(株)製) *12: ジブチルスズビスアセチルアセトナート *13: フェニルトリメトキシシラン *14: チヌピン327( チバ・スペチャルテイー
・ケミカル社の商品名) *15: イルガノックス1010(チバ・スペチャル
テイー・ケミカル社の商品名) *16: アデカスタブLA62(旭電化工業社、商品
名) *17: アデカスタブLA67(旭電化工業社、商品
名)
【0085】また、配合組成で使用した光硬化性物質と
しては、本発明の実施例では、DPCA−20:カヤラ
ッドDPCA−20、DPCA−120:カヤラッドD
PCA−120であり、比較例では、DPHA:カヤラ
ッドDPHAおよびM309、M315、M450、M
8060(以上、東亜合成工業社、商品名であり、その
内容は、それぞれ、M309:トリメチロールプロパン
トリアクリレート、M315:N,N’,N''−トリス
(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌル酸、M45
0:ペンタエリスリトールテトラアクリレート、M80
60:多塩基酸と多価アルコールからなるポリエステル
ポリオールのポリアクリレート)であった。
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【表5】
【0090】
【表6】
【0091】
【表7】
【0092】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物による硬化物は、
その優れた特性を損なうことなく、改善された耐候性を
有する。得られた硬化物は、建築用、自動車用をはじめ
として、各種分野のシーリング材、接着剤などの用途に
高性能の材料として使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏女 浄照 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CH051 EH046 FD036 GJ02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内に少なくとも1個の加水分解性ケイ
    素基を有する有機重合体を含む硬化性組成物であって、
    上記有機重合体100質量部に対し、ポリペンタエリス
    リトール−カプロラクトン付加物のアクリル酸エステル
    化合物またはメタクリル酸エステル化合物0.01〜2
    0質量部を含むことを特徴とする硬化性組成物。
  2. 【請求項2】分子内に少なくとも1個の加水分解性ケイ
    素基を有する有機重合体を含む硬化性組成物であって、
    上記有機重合体100質量部に対し、下記の式(1)で
    表される化合物を0.01〜20質量部を含むことを特
    徴とする硬化性組成物。ただし、式(1)中、6個のR
    は下記のM、N、LまたはQのいずれかを表わし、Mの
    個数a、Nの個数b、Lの個数c、Qの個数dが、a+
    b+c+d=6、a+b≧1、a+c≧1を満たす。
    m、nはそれぞれ1〜5の整数である。Y 1は、アクリ
    ロイル基またはメタクリロイル基であり、Y2は、水素
    原子または炭素数1〜10のアルキル基である。 【化1】
  3. 【請求項3】前記加水分解性ケイ素基が、−SiXe2
    3-e(R2は炭素数1〜20の置換または非置換の1価の
    有機基、Xは水酸基または加水分解性基、eは1〜3の
    整数)である請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】前記有機重合体がオキシアルキレン重合体
    であり、かつ数平均分子量が5000〜30000であ
    る請求項1、2または3に記載の硬化性組成物。
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JP2004256638A (ja) * 2003-02-25 2004-09-16 Sekisui Chem Co Ltd 硬化性組成物、シーリング材及び接着剤
WO2011108415A1 (ja) * 2010-03-02 2011-09-09 サンスター技研株式会社 硬化性組成物

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