JP4691761B2 - 耐候性に優れた硬化性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性が改良された、湿分存在下で硬化する硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで加水分解性ケイ素基を有する重合体は、その硬化物がゴム弾性を有するという特徴を利用して、建築用などのシーリング材、接着剤、コーティング材などの用途として有用であることが見いだされ、その製造方法、組成物について数多く報告されている。これらの重合体が硬化して得られる硬化物は安価で優れた特性を有しているが、これを長期にわたって屋外に暴露して使用した場合、紫外線、オゾンなどの作用によって表面に亀裂が発生するという耐候性の問題点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記のごとき問題点を改良すべく鋭意検討を重ねた結果、安定剤として特定の化合物を硬化性組成物に配合することによって、その硬化物の有する優れた特性を損なうことなく、耐候性を改善でき、硬化物に亀裂などが生じるまでの時間を長くできることを見いだし、本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明は、分子内に少なくとも1個の加水分解性ケイ素基を有する有機重合体(ただし、該有機重合体がオキシアルキレン重合体である場合、イソブチレン重合体である場合、あるいはオキシアルキレン重合体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体との混合物および/またはオキシアルキレン重合体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体のグラフト重合体である場合のいずれかである)を含む硬化性組成物であって、上記有機重合体100質量部に対し、下記の一般式(1)で表わされるトコフェロール化合物(ただし、R1は水素原子または炭素数1〜20の1価炭化水素基である)を0.1〜10質量部含むことを特徴とする硬化性組成物を提供する。
【0005】
【化2】
Figure 0004691761
【0006】
本発明において、一般式(1)を有する化合物が、上記分子内に少なくとも1個の加水分解性ケイ素基を有する有機重合体を含有する硬化性組成物の硬化物の耐候性を改善するメカニズムについては、必ずしも明らかではないが、本発明で使用されるトコフェロール化合物のうち、特に、同一の芳香環において、メチル基、水酸基およびメチル基を置換基として有する炭素原子がこの順序で隣接する構造が耐候性の改善の効果が顕著であることが判明した。
【0007】
また、後記するように、かかるトコフェロール化合物の硬化性組成物における含有量は重要であり、少なすぎる含有量および過度の含有量は、効果が小さいか、または、かかる化合物を含有することによる悪影響が生じることが判明した。
以下に、本発明について、さらに詳しく説明をする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で硬化性組成物に含まれる、分子内に少なくとも1個の加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の有する、加水分解性ケイ素基は、好ましくは、式、−SiXa2 3-aで表される。ここで、R2は炭素数1〜20の置換または非置換の1価の有機基であり、好ましくは炭素数8以下のアルキル基、フルオロアルキル基またはフェニル基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロエキシル基またはフェニル基である。Xは水酸基または加水分解性基であり、aは1〜3の整数である。R2およびXがそれぞれ複数存在する場合には、相互に同じであっても、また異なっていてもよい。
【0009】
上記加水分解性ケイ素基は、有機重合体の分子内の好ましくは末端の位置に、1個以上存在すればよいが、高弾性、高耐候性、高耐光性などが要求される場合には、2〜8個という複数個存在するのが好ましい。また、異なる数の加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の混合物も本発明では使用することもできる。
【0010】
本発明における上記加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の好ましい例としては、次のものが挙げられる。すなわち、加水分解性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(特開平3−72527号公報などに開示)、加水分解性ケイ素基を有するアクリル酸エステル重合体(特開昭62−146959号公報、特開平1−131271号公報などに開示)、加水分解性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体との混合物、加水分解性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体のグラフト重合体、加水分解性ケイ素基を有するイソブチレン重合体などの炭化水素系重合体(特開平1−170681号公報などに開示)が挙げられる。
【0011】
なお、本発明において「(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体」とは、アクリル酸アルキルエステル重合体、メタクリル酸アルキルエステル重合体、およびこれらの共重合体をいう。また、加水分解性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体−(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体のグラフト重合体は、例えば、加水分解性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体の存在下、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステル、並びに任意に他の共重合可能なモノマーを重合することなどによって得ることができる。
【0012】
本発明で使用される、上記の末端に加水分解性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体としては、従来公知のものが広く使用でき、そのようなオキシアルキレン重合体の有する好ましいオキシアルキレン鎖の例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリ3−メチルテトラメチレンオキシド、これらのブロック共重合体、またはランダム共重合体が挙げられる。
【0013】
また、これらのオキシアルキレン鎖には、分子鎖をつなげるためのオキシアルキレン以外の構造、たとえばウレタン結合、エステル結合、チオエーテル結合、シロキサン結合などを含んでいてもよい。このような分子鎖をつなげるための化学構造は、原料となるオキシアルキレン重合体の分子量を架橋反応によって高分子量化する場合に使用される。
【0014】
本発明で使用する加水分解性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体においては、高分子量のものが、低分子量のものに比較して硬化性および破断時の伸びなどの特性において優れているので好ましい。しかし、加水分解性ケイ素基を有する高分子量のオキシアルキレン重合体を直接、製造することは困難であるため、このような高分子量重合体の製造においては、比較的入手しやすい分子量3000〜4000程度のオキシアルキレンポリオールを原料とし、これに多価ハロゲン化合物を反応させることで分子量を増大し、その後、分子末端に不飽和基を導入してから、白金などの触媒の存在下に該不飽和基に加水分解性基含有水素化ケイ素化合物を反応させて加水分解性ケイ素基を有する重合体を得る方法が採用できる。
【0015】
また、高分子量の加水分解性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体を得る方法として、開始剤の存在下に複合金属シアン化物錯体などの触媒の存在下に、アルキレンオキシドを重合して得られる高分子量でかつ分子量分布の狭いオキシアルキレンポリオールを使用して、分子間の架橋反応をすることなく加水分解性ケイ素基を有する高分子量のオキシアルキレン重合体を製造する方法があり、本発明ではかかる重合体も使用できる。
【0016】
本発明で使用される加水分解性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体としては、なかでも、数平均分子量(Mn)が5000以上30000以下が好ましく、さらに10000〜25000が好ましい。数平均分子量が5000を下回ると重合体の硬化反応時の硬化性が悪くなり、数平均分子量が30000を上回ると重合体の粘度が高くなり作業性が悪くなる。さらに本発明の加水分解性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体においては、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.7以下である場合には、分子量分布が狭く、比較的低分子量の重合体が少ない重合体となり、分子量分布が広いものと比較して同粘度のときには、低分子量の重合体成分が少なく、硬化性の低下を招かないという優れた点がある。
【0017】
上記加水分解性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体の原料となる分子量分布の狭いオキシアルキレンポリオールは複合金属シアン化物錯体、水酸化セシウムなどの触媒を使用して、開始剤にアルキレンオキシドを重合させることによって容易に得ることができる。
【0018】
上記加水分解性ケイ素基を有する有機重合体(ただし、該有機重合体がオキシアルキレン重合体である場合、イソブチレン重合体である場合、あるいはオキシアルキレン重合体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体との混合物および/またはオキシアルキレン重合体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体のグラフト重合体である場合のいずれかである)を含む本願発明の硬化性組成物においては、上記したように式(1)で表されるトコフェロール化合物を含有させることにより、硬化物の耐候性が顕著に向上する。
【0019】
【化3】
Figure 0004691761
【0020】
かかるトコフェロール化合物は、トコフェロール類に属し、その異性体として、α体、β体、γ体、δ体、ε体、ζ1体、ζ2体、η体などが存在する。しかし、本発明においては、同一の芳香環に隣接する炭素原子にメチル基、水酸基およびメチル基がこの順序で置換された構造を有するα体およびζ1体が耐候性の点で顕著な効果があることが確認された。なかでも、α体が好ましく、かかるα体は、式(1)において、R1が4,8,12−トリメチルトリデシル基であるトコフェロール化合物である。α体には、光学活性の異性体であるd体、dl体が知られ、dl体は、ビタミンEとも呼ばれる。
【0021】
上記トコフェロール化合物は、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の100質量部に対し、0.1〜10質量部配合して使用される。かかる使用量が0.1質量部より小さいと、顕著な耐候性効果が見られず、逆に、10質量部を超えた場合でも耐候性効果に大差ないのでコストアップにつながり好ましくない。なかでも、好ましくは、0.3〜8質量部が好ましい。
【0022】
本発明の上記加水分解性ケイ素基を有する有機重合体およびトコフェロール化合物を含む硬化性組成物には、硬化を促進するための硬化触媒、充填剤、可塑剤、接着性付与剤、溶剤、脱水剤、チキソ性付与剤、老化防止剤などの各種添加剤を任意に添加、配合することによって湿分の存在下に硬化する硬化性組成物が得られる。これらの各種添加剤は、本発明の硬化性組成物の用途に応じて選択、使用される。以下に、本発明の硬化性組成物に対して添加されるこれらの添加剤について説明する。
【0023】
[硬化触媒]―本発明の硬化性組成物に含まれる、分子内に加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の有する加水分解性ケイ素基は湿分の存在下に加水分解してシラノール基となり、他のシラノール基または加水分解性ケイ素基との間で縮合反応をおこし、シロキサン結合により架橋することによって硬化する。この反応は、反応を促進する化合物が存在しなくとも進行するが、より大きな硬化速度を発現させるために硬化触媒を添加するのが好ましい。
【0024】
具体的には、次に挙げるスズ化合物が挙げられる。
2−エチルヘキサン酸スズ、ナフテン酸スズ、ステアリン酸スズなどの2価スズの各種化合物。ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズモノアセテート、ジブチルスズマレート等のジアルキルスズジカルボキシレートやジアルコキシスズモノカルボキシレートのような有機スズカルボン酸塩、ジアルキルスズビスアセチルアセトナート、ジアルキルスズモノアセチルアセトナートモノアルコキシドなどのスズキレート化合物、ジアルキルスズオキシドとエステル化合物の反応物、ジアルキルスズオキシドとアルコキシシラン化合物の反応物、ジアルキルスズジアルキルスルフィドなどの4価スズの各種化合物。
【0025】
なお、スズキレート化合物としては、ジブチルスズビスアセチルアセトナート、ジブチルスズビスエチルアセトアセテート、ジブチルスズモノアセチルアセトナートモノアルコキシドなどが挙げられる。
【0026】
また、ジアルキルスズオキシドとエステル化合物の反応物としては、ジブチルスズオキシドとフタル酸ジオクチルやフタル酸ジイソノニルなどのフタル酸エステルとを加熱混合して反応させ液状にしたスズ化合物が挙げられる。この場合エステル化合物としてはフタル酸エステル以外の脂肪族、芳香族カルボン酸のエステル、テトラエチルシリケートやその部分加水分解縮合物なども使用できる。
【0027】
また、これらのスズ化合物を低分子アルコキシシランなどと反応あるいは混合した化合物も好ましく使用できる。また、スズ化合物以外に使用できる硬化触媒としては次のものが挙げられる。アルキルチタン酸塩、有機ケイ素チタン酸塩、有機カルボン酸ビスマス塩、等の他の金属塩。リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸、リン酸ジ−2−エチルヘキシル等の酸性化合物。ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、N,N−ジメチル−オクチルアミンなどの脂肪族モノアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族ポリアミン化合物、芳香族アミン化合物、アルカノールアミン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランや3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシランカップリング剤等のアミン化合物。
【0028】
ビスマス化合物やスズ化合物は、アミン化合物、特に1級アミン化合物と併用すると硬化促進効果が向上するので、併用が好ましい。
【0029】
本発明の硬化性組成物において、上記の硬化触媒は1種または2種以上を組み合わせて添加され、その添加量は、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の100質量部に対して、好ましくは、0.1〜10質量部、なかでも0.5〜3質量部で使用されることが適切である。
【0030】
[充填剤]―得られる硬化物の機械的強度を改善するために、硬化物の用途に応じて、好ましくは使用される。充填剤の使用量は、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の100質量部に対して好ましくは、10〜1000質量部、特に50〜250質量部が好ましい。
【0031】
充填剤の好ましい具体例としては、以下のものが挙げられる。例えば、平均粒径1μm以下の膠質炭酸カルシウム(表面を脂肪酸または樹脂酸系有機物で表面処理してもよい)、平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、平均粒径1〜20μm重質炭酸カルシウムなどの炭酸カルシウム、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、ガラスバルーン、セラミックバルーン、サラン樹脂やポリアクリロニトリルなどからなる有機樹脂バルーン、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、フリント粉末などの粉体状充填剤。石綿、ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバーなどの繊維状のものが挙げられる。
【0032】
これらの充填剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらのなかでも、炭酸カルシウムの使用が好ましく、特に、膠質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムを併用することが好ましい。
【0033】
[可塑剤]−硬化物の可塑性を改善するために使用されるもので、その好ましい使用量は、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の100質量部に対して5〜100質量部が好ましく、特には20〜80質量部が好ましい。
【0034】
可塑剤の好ましい具体例としては以下のものが挙げられる。フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸イソノニルなどのフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル;ペンタエリスリトールエステルなどのアルコールエステル類;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ビス−2−エチルヘキシルエステル、エポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ可塑剤;塩素化パラフィン;2塩基酸と2価アルコールとを反応させてなるポリエステル類などのポリエステル系可塑剤;ポリオキシプロピレングリコールやその誘導体、例えばポリオキシプロピレングリコールの水酸基をアルキルエーテルで封止したようなポリエーテル類、ポリ−メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリスチレンのオリゴマー類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、水添ポリブテン、エポキシ化ポリブタジエンなどのオリゴマー類などの高分子可塑剤。
【0035】
上記の4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ビス−2−エチルヘキシルエステルなどのエポキシ化可塑剤は硬化触媒として特に2価スズカルボン酸塩と1級有機アミンとを組み合わせて使用した場合には、得られた硬化物を一定条件下に圧縮状態で固定しておいてから固定を解除したときの戻る割合が大きい硬化物、いわゆる圧縮復元率が良好な硬化物が得られるので特に好ましい。
【0036】
可塑剤は2種以上を併用することもでき、例えばフタル酸エステルとエポキシ可塑剤など異なる種類の2種以上の併用も可能である。
【0037】
[接着性付与剤]―硬化物の接着性を改良する目的で接着性付与剤を使用できる。接着性付与剤は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよいが、その使用量は、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、なかでも0.5〜5質量部が好ましい。
【0038】
本発明における好ましい接着性付与剤としては、(メタ)アクリロイル基含有シラン類、アミノ基含有シラン類、メルカプト基含有シラン類、エポキシ基含有シラン類、カルボキシル基含有シラン類などのシランカップリング剤が挙げられる。
【0039】
上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類としては、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。上記アミノ基含有シラン類としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(N−ビニルベンジル−2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0040】
上記メルカプト基含有シラン類としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。上記エポキシ基含有シラン類としては、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0041】
カルボキシル基含有シラン類としては、2−カルボキシエチルトリエトキシシラン、2−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(N−カルボキシルメチル−2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0042】
また、2種以上のシランカップリング剤を反応させて得られる反応物を用いてもよい。反応物の例としてはアミノ基含有シラン類とエポキシ基含有シラン類との反応物、アミノ基含有シラン類と(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類との反応物、エポキシ基含有シラン類とメルカプト基含有シラン類の反応物、メルカプト基含有シラン類どうしの反応物などが挙げられる。これらの反応物は該シランカップリング剤を混合し室温〜150℃の温度範囲で1〜8時間撹拌することによって容易に得られる。
【0043】
本発明における接着性付与剤として、エポキシ樹脂を添加することもできる。また、必要に応じてさらにエポキシ樹脂硬化剤を併用してもよい。本発明の組成物に添加しうるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA−グリシジルエーテル型エポキシ樹脂などの難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−プロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、4−グリシジルオキシ安息香酸グリシジル、フタル酸ジグリシジル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルなどのジグリシジルエステル系エポキシ樹脂、m−アミノフェノール系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンなどの多価アルコールのグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂などの不飽和重合体のエポキシ化物などのエポキシ樹脂やエポキシ基を有するビニル系重合体などが挙げられる。
【0044】
また、上記エポキシ樹脂の硬化剤(または硬化触媒)を併用する場合の硬化剤としては、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、m−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどのアミン類またはそれらの塩類、またはケチミン化合物などのブロックドアミン類、ポリアミド樹脂、イミダゾール類、ジシアンジアミド類、三フッ化ホウ素錯化合物類、無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ピロメリット酸無水物などのカルボン酸無水物、フェノキシ樹脂、カルボン酸類、アルコール類など、エポキシ基と反応しうる基を平均して分子内に少なくとも1個有するオキシアルキレン重合体(末端アミノ化ポリオキシプロピレングリコール、末端カルボキシル化ポリオキシプロピレングリコールなど) 、末端が水酸基、カルボキシル基、アミノ基などで修飾されたポリブタジエン、水添ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル系重合体などの液状末端官能基含有重合体、ケチミン化合物が挙げられる。
【0045】
[溶剤]―本発明の硬化性組成物においては、粘度の調整、組成物の保存安定性向上を目的として、溶剤を添加することもできる。この場合の溶剤の使用量は、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の100質量部に対して0.1〜500質量部が好ましく、なかでも1〜10質量部が好ましい。
【0046】
かかる溶剤としては、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、エステルアルコール類、ケトンアルコール類、エーテルアルコール類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類、エステルエーテル類を使用できる。
【0047】
[脱水剤]―本発明の硬化性組成物の貯蔵安定性をさらに改良するために、硬化性や柔軟性に悪影響を及ぼさない範囲で少量の脱水剤を添加することできる。脱水剤の使用量は、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、なかでも0.5〜5質量部が好ましい。
【0048】
脱水剤としては、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチルなどのオルトギ酸アルキル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチルなどのオルト酢酸アルキル、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどの加水分解性有機シリコン化合物、加水分解性有機チタン化合物などを使用しうる。ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシランがコスト、効果の点から特に好ましい。このような脱水剤は、特に一液硬化性組成物として知られる、硬化触媒を硬化性組成物に添加して防湿容器に充填した製品に特に有効である。
【0049】
[チキソ性付与剤]―本発明の硬化性組成物には,垂れ性の改善のためチキソ性付与剤を使用してもよい。このようなチキソ性付与剤としては、有機酸処理炭酸カルシウム、水添ひまし油、脂肪酸アミド、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、微粉末シリカなどが使用され、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の100質量部に対して好ましくは、10質量部以下の添加量により十分に改善される。
【0050】
[老化防止剤]―本発明の硬化性組成物には、上記したトコフェロール化合物に加えて、他の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの老化防止剤も添加することができる。例えば、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、アクリレート系、ヒンダードフェノール系、リン系、マロン系エステル系、硫黄系の各化合物を使用できる。
【0051】
これらの光安定剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤の1種または2種以上と、本発明のトコフェロール化合物と併用することにより、それぞれの特徴を生かし、さらに老化防止効果を向上させうることから好ましい。本発明のトコフェロール化合物と組み合わせと効果的なものは具体的には、3級および2級のヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系ならびにホスファイト系酸化防止剤から選ばれる1種または2種以上である。
【0052】
上記酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの老化防止剤の使用量は、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体100の質量部に対して、それぞれ0.1〜10質量部の範囲であることが好ましい。0.1質量部未満では耐候性の改善の効果が少なく、10質量部を越えると、効果に大差がなく経済的に不利である。なかでも、0.5〜5質量部の使用量が特に好ましい。
【0053】
[その他の添加剤]―本発明の硬化性組成物には、耐候性や砂埃の付着を長期にわたり改善する目的で、空気酸化硬化性化合物を添加することができる。このような空気酸化硬化性化合物としては、桐油、アマニ油などに代表される乾性油や、該化合物を変性して得られる各種アルキッド樹脂、乾性油により変性されたアクリル系重合体、シリコーン樹脂、ポリブタジエン、炭素数5〜8のジエンの重合体や共重合体などのジエン系重合体、さらには該重合体や共重合体の各種変性物(マレイン化変性、ボイル油変性など)、空気硬化性ポリエステル化合物などが挙げられる。
【0054】
空気酸化硬化性化合物の添加量は、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましい。
【0055】
また、本発明の硬化性組成物には、物性調整のためや表面のべたつき低減のために、加水分解によってトリメチルシラノールを発生する化合物を添加することもできる。これを添加した場合、特に2価スズカルボン酸塩と有機一級アミン化合物を硬化促進剤とした場合の硬化物のモジュラスを低減し、かつ表面のべたつきを低減するという効果がある。
【0056】
上記トリメチルシラノールを発生する化合物としては、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、フェノールなどのヒドロキシ化合物のトリメチルシリルエーテルが使用でき、ヒドロキシ化合物を任意に変えることで、硬化性の調整も可能であり、その目的に複数のヒドロキシ化合物のトリメチルシリルエーテルを同時に使用することもできる。上記トリメチルシラノールを発生する化合物の使用量は、加水分解性ケイ素基を有する有機重合体の100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
【0057】
また、本発明の硬化性組成物には、酸化鉄、酸化クロム、酸化チタンなどの無機顔料またはフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの有機顔料が添加できる。顔料の使用は着色のみならず耐候性の向上という目的でも効果的である。
【0058】
さらに、硬化物の特にシーリング材としての意匠性を持たせる目的で、組成物に対して、その組成物の色と異なる色の微小体を添加することで、花崗岩や御影石のような表面外観をもった硬化物となるようにすることもできる。また、公知の難燃剤や防かび剤などの添加を行うことも任意である。また、塗料用途に使用されている艶消し剤を添加することも可能である。
【0059】
本発明の硬化性組成物は、シーリング材、防水材、接着剤、コーティング剤などに使用でき、特に硬化物自体の充分な凝集力と被着体への動的追従性が要求される用途に好適である。
【0060】
以下に本発明の硬化性組成物を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施例中の分子量分布(Mw/Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用して測定したポリスチレン換算分子量をもとにした値である。また原料となる水酸基含有オキシアルキレン重合体の分子量は含有する水酸基のモル数と各重合体を重合する際に使用した開始剤の官能基数とから計算によって出した分子量である。
【0061】
【実施例】
合成例1
ジプロピレングリコールを開始剤として亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させて、Mnが16000でMw/Mnが1.4のポリオキシプロピレンジオールを得た。このポリオキシプロピレンジオールの水酸基のモル数に対して1.05倍モルのナトリウムメトキシドをメタノール溶液として添加し、加熱減圧下でメタノールを留去して水酸基をナトリウムアルコキシドとし、続いて、添加したナトリウムメトキシドの1.05倍モルの塩化アリルを添加して反応させた。未反応の塩化アリルを除去後、副生した無機塩を除去精製して、アリル基末端のオキシアルキレン重合体を得た。
【0062】
この重合体500gを窒素置換された反応容器に仕込み、1,1,3,3−テトラメチルジビニルシロキサン白金錯体(以下VTS錯体と表す)を白金が2ppmになるように添加して、さらに30分攪拌した。次に、ジメトキシメチルシラン6.0gを加えて70℃で5時間反応させた。反応終了後、減圧にして揮発性物質を除去すると23℃における粘度が15000mPa・s、分子量分布(Mw/Mn)=1.4を有する淡黄色透明である、加水分解性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体(P−1)500gを得た。
【0063】
合成例2
グリセリンを開始剤として亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させて、Mnが20000でMw/Mnが1.4のポリオキシプロピレントリオールを得た。このポリオキシプロピレントリオールの水酸基のモル数に対して1.05倍モルのナトリウムメトキシドをメタノール溶液として添加し、120℃加熱減圧下でメタノールを留去して水酸基をナトリウムアルコキシドとし、添加したナトリウムメトキシドに対して1.05倍モルの塩化アリルを添加して反応させた。未反応の塩化アリルを除去後、副生した無機塩を除去精製して、23℃における粘度が15000mPa・sのアリル基末端のオキシアルキレン重合体を得た。
【0064】
この重合体500gを窒素置換された反応容器に仕込み、VTS錯体を白金が2ppmになるように添加して、さらに30分攪拌した。次に、ジメトキシメチルシラン7.7gを加えて70℃で5時間反応させた。反応終了後、減圧にして揮発性物質を除去すると23℃における粘度が16000mPa・s、分子量分布(Mw/Mn)=1.4を有する淡黄色透明である、加水分解性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体(P−2)500gを得た。
【0065】
合成例3
ジプロピレングリコールを開始剤として水酸化カリウムを触媒として使用し、プロピレンオキシドを反応させて、Mnが3200でMw/Mnが1.3のポリオキシプロピレンジオールを得た。このポリオキシプロピレンジオールの水酸基のモル数に対して1.05倍モルのナトリウムメトキシドをメタノール溶液として添加し、120℃加熱減圧下でメタノールを留去して水酸基をナトリウムアルコキシドとし、続いて原料ポリオキシプロピレンジオールの水酸基モル数の61%が反応する量のクロロブロモメタンを添加して反応させた。さらに続いて過剰の塩化アリルを添加して反応させた。
【0066】
未反応の塩化アリルを除去後、副生した無機塩を除去精製して、23℃における粘度が16000mPa・sのアリル基末端のオキシアルキレン重合体を得た。耐圧反応器に重合体を500g仕込み窒素置換した。これを70℃に加温撹拌し、VTS錯体を白金が2ppmの濃度になるように添加して、さらに30分撹拌した。次ぎに、ジメトキシメチルシラン8.3gを加えて70℃で5時間反応させた。反応終了後、減圧にして揮発性物質を除去すると23℃における粘度が20000mPa・s、分子量分布(Mw/Mn)=1.9を有する淡黄色透明である、加水分解性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体(P−3)500gを得た。
【0067】
合成例4
加水分解性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体、P−1(合成例1)20gを攪拌機付きの反応器に入れ、トルエン40gを加えて希釈し、この混合物を100℃に加熱しながら均一に混合した。これに、メタクリル酸メチル3.3g、アクリル酸ブチル16.7g、メタクリル酸ステアリル11.0g、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン1.6g、スチレン6.8g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.64gの混合物に2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.4gを溶解した溶液を窒素雰囲気下で攪拌しながら3時間かけて滴下した。
【0068】
滴下終了後さらに2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.3gのトルエン溶液を30分かけて滴下した後、同温度で3時間加熱攪拌した。得られた共重合体のトルエン溶液に加水分解性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体、P−2(合成例2)120gを加え、30分間攪拌混合した後、100℃減圧下でトルエンを留去することにより、加水分解性ケイ素基含有有機重合体、P−4を得た。
【0069】
合成例5
特開平1−170681に記載された方法に基づき1,4−ビス(1−クロロー1−メチルエチル)ベンゼンを開始剤として三塩化ホウ素を触媒としてイソブチレンを重合させた後、脱塩化水素して製造した両末端に約92%の割合でイソプロペニル基を有する分子量が約5000のイソブチレン系重合体に塩化白金酸を触媒としてトリクロロシランを90℃12時間で反応させ、さらにオルトギ酸メチルとメタノールを反応させることで末端に平均1.2個のトリメトキシシリル基を有するポリイソブチレン系重合体P−5を得た。
【0070】
上記合成例1、2、3、4、5で得られた重合体の数平均分子量(Mn)をGPCにより分析した。その結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
Figure 0004691761
【0072】
配合実施例
表2〜表4に示すように、合成例1〜5で得られた重合体に対して、トコフェロール化合物を始め各種の添加剤を加えた硬化性組成物をシートに成形し、これを20℃で1週間、引き続いて50℃、湿度65%で1週間養生させることにより硬化させ、耐候性を測定するためのサンプルを得た。硬化物シートの形状は、長さ100mm、幅20mm、厚み5mmである。同シートをサンシャインウェザオメーターで2,000時間まで照射させ、その際の表面劣化具合を500時間毎に目視で観察した。結果を表2〜4に示した。
【0073】
また表2から表4中の*1から*14は、下記のものを使用した。
*1: ホワイトンSB(白石カルシウム工業社製)
*2: CCR(白石カルシウム工業社製)
*3: R820(石原産業社製)
*4: 4,5−エポキシシクロヘキサンー1,2−ジカルボン酸ビス−2−エチルヘキシルエステル
*5: トリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:アロニックスM309、東亞合成社製)
*6: 2,2,6,6−テトラメチルー4−ピペリジノールとトリデシルアルコール と1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物(商品名:LA67、旭電化工業社製)
*7: 2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール(商品名:TINUVIN 327、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
*8: ペンタエリスリトール テトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(商品名:IRGANOX 1010、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
*9: 商品名:デイスパロン305、橋本化成社製
*10: フェニルトリメトキシシラン
*11: 商品名:デイスパロン6500、橋本化成社製
*12: 3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン
*13: グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン
*14: ブチルスズオキサイド/フタル酸ジオクチルの反応物(三共有機合成社製)
*15: ジブチルスズビスアセチルアセトナート(日東化成工業社製)
【0074】
【表2】
Figure 0004691761
【0075】
【表3】
Figure 0004691761
【0076】
【表4】
Figure 0004691761
【0077】
【発明の効果】
本発明の硬化性組成物による硬化物は、その優れた特性を損なうことなく、改善された耐候性を有する。得られた硬化物は、建築用、自動車用をはじめとして、各種分野のシーリング材、接着剤などの用途に高性能の材料として使用することができる。

Claims (8)

  1. 分子内に少なくとも1個の加水分解性ケイ素基を有する有機重合体を含む硬化性組成物であって、
    上記有機重合体が、オキシアルキレン重合体であり、
    上記有機重合体100質量部に対し、式(1)で表わされるトコフェロール化合物(ただし、R1は水素原子または炭素数1〜20の1価炭化水素基である)を0.1〜10質量部含むことを特徴とする硬化性組成物。
    Figure 0004691761
  2. 分子内に少なくとも1個の加水分解性ケイ素基を有する有機重合体を含む硬化性組成物であって、
    上記有機重合体がイソブチレン重合体であり、
    上記有機重合体100質量部に対し、式(1)で表わされるトコフェロール化合物(ただし、R 1 は水素原子または炭素数1〜20の1価炭化水素基である)を0.1〜10質量部含むことを特徴とする硬化性組成物。
    Figure 0004691761
  3. 分子内に少なくとも1個の加水分解性ケイ素基を有する有機重合体を含む硬化性組成物であって、
    上記有機重合体がオキシアルキレン重合体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体との混合物および/またはオキシアルキレン重合体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体のグラフト重合体であり、
    上記有機重合体100質量部に対し、式(1)で表わされるトコフェロール化合物(ただし、R 1 は水素原子または炭素数1〜20の1価炭化水素基である)を0.1〜10質量部含むことを特徴とする硬化性組成物。
    Figure 0004691761
  4. 前記加水分解性ケイ素基が、−SiXa2 3-a(R2は炭素数1〜20の置換または非置換の1価の有機基、Xは水酸基または加水分解性基、aは1〜3の整数)である請求項1から3のいずれかに記載の硬化性組成物。
  5. 前記有機重合体がオキシアルキレン重合体であり、かつ数平均分子量が5000〜30000である請求項1に記載の硬化性組成物。
  6. 光安定剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤のいずれか1種以上をさらに含む請求項1から5のいずれかに記載の硬化性組成物。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の硬化性組成物を含むことを特徴とするシーリング材。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載の硬化性組成物を含むことを特徴とする接着剤。
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