JPWO2011034049A1 - 低食塩醤油およびその製造法 - Google Patents

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Abstract

風味良好な低食塩醤油、特に醤油中の重要な香気成分として知られるエタノール、2−フェニルエタノール、イソブチルアルコールおよびイソアミルアルコールをそれぞれ高濃度に含有し、さらに呈味成分であるコハク酸を高濃度含有する風味良好な低食塩醤油を、特殊な手段を採用することなく得る。また、粉末醤油の欠点、すなわち吸湿性、潮解性があり保存中に容易にブロックを形成するほか、ベトツキ易く、他の粉末成分と均一に混和し難くなる欠点、を特殊な手段を採用することなく解消し、しかも2−フェニルエタノール及びコハク酸を高濃度含有し、風味良好な粉末醤油を得る。醤油の製造法において、醤油酵母生菌数が諸味1gあたり1×107個以上の諸味に、糖質原料を添加し、また熟成後の諸味液汁の食塩濃度が4.0〜12.0w/v%になるように食塩濃度を調整し、この諸味を発酵、熟成させることにより課題の低食塩醤油を得る。得られる低食塩醤油のpHは4.7〜6.0である。

Description

本発明は、風味良好な低食塩醤油に関する。特に醤油中の重要な香気成分として知られるエタノール、2−フェニルエタノール、イソブチルアルコールおよびイソアミルアルコールをそれぞれ高濃度に含有し、さらに呈味成分であるコハク酸を高濃度含有する低食塩醤油に関する。またその低食塩醤油を特殊な手段を採用することなく容易に得られる低食塩醤油の製造法に関する、また2−フェニルエタノール及びコハク酸を高濃度含有し、固結防止安定性の高い、風味良好な粉末醤油に関する。
醤油は、蒸煮大豆と炒熬割砕小麦を混和し、これに醤油用種麹菌を接種、培養して醤油麹を調製し、これに適当量の食塩水を加えて諸味を調製し、一定期間発酵、熟成させて熟成諸味を調製して、最後に圧搾、濾過し、火入れ(殺菌)、清澄して製造される。
こうして得られる醤油には花や果物の香り、各種の酒や酢の香りなど、250種以上の香りの成分が含まれていることが知られており、それらの香りの種類や量の違いが醤油の香りを特徴づけている。醤油の香りの成分を構成するアルコール類は醤油中に通常2〜3%含まれている。そして、これらのアルコール類は、調理の際、食材に対し火の通りを良くし、香りの成分を引き立てることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、これらのアルコール類の中でも醤油の品質に対して良い影響を与える香気成分として、エタノール、2−フェニルエタノール、イソブチルアルコールおよびイソアミルアルコールなどが知られている(例えば、非特許文献2参照)。
特に、2−フェニルエタノールは、バラ様の香気を有し、醤油中の重要な香気成分の一種であることも知られている(例えば、特許文献1参照)。
そのため、醸造醤油においてこれらアルコール類を高濃度で含有する醤油の製造法がこれまで検討されている。
コハク酸は貝類などに含まれるうまみ成分としてよく知られているが、醤油醸造中にも生成し、醤油の品質に対して良い影響を与える呈味成分として知られている(例えば、非特許文献2参照)。
一方、近年、健康への関心の高まりから食品に対して減塩嗜好が強まり、醤油においては、低食塩醤油の需要が伸びつつあり、業務加工用の調味料分野で使用される粉末醤油についても、低食塩の要望は大きい。
低食塩醤油を製造する方法については、従来からいろいろと試みられており、例えば、食塩水で仕込む代わりに塩化カリウムを溶解した水で仕込む方法、食塩水で仕込む代わりにエタノールを添加した低濃度の食塩水で仕込む方法、食塩水の代わりに生醤油で仕込み、濃厚醤油を製造した後、この濃厚醤油を最後に水で希釈する方法、あるいはイオン交換膜や特殊な樹脂により醤油を脱塩する方法などが挙げられる。
また、醤油諸味の食塩濃度を約10w/v%(諸味液汁の食塩%)の低食塩濃度に保持すると共に、諸味の腐敗を起こす、いわゆる腐敗性細菌類の繁殖や生存に不適当な何らかの条件を付与し、腐敗を防止する方法、すなわち、諸味の品温を40℃以上(極端な例では、55℃)に加温保持する方法が知られている。また、一般に腐敗性細菌類は酸性に対して弱いので、諸味に塩酸や乳酸などの酸を添加して、そのpHを4.0以下(極端な例では、3.0)に保持し、腐敗性細菌類の繁殖を抑制する方法が知られている。例えば、特許文献2では、酒精含有調味料の製造において、もろみ中に乳酸を添加してpH4.5以下、好ましくはpHを3.5〜4.2に保持することにより、熟成中でのもろみの腐敗を防止することが記載されている。
しかしながらこれらの方法は、特殊な手段を採用する結果、風味の劣化は避けられず、通常の醸造醤油と比べて香りと味の点で満足する低食塩醤油及び粉末醤油が得がたく、風味の良好な低食塩醤油の製造法の確立が切望されている。
一方、粉末醤油は、吸湿性、潮解性があり保存中に容易にブロックを形成するほか、ベトツキ易く、他の粉末成分と均一に混和し難くなる欠点を有する。
従来この欠点を解消するため、アルコール発酵が終了した諸味、すなわち仕込み後40日経過したものから圧搾直前のものに至る醤油諸味に、水または食塩水を13%(w/w)以上加水し、醤油酵母を添加して培養することにより、醤油諸味液汁または醤油の直接還元糖を1.5%(w/v)以下に調整し、醤油を乾燥粉末化した際に上記欠点を解消する方法が知られている(特許文献3)。
しかし、上記の如き粉末醤油の欠点を、特殊な手段を採用することなく解消し、しかも2−フェニルエタノール及びコハク酸を高濃度含有し、風味良好な粉末醤油を得ることは知られていない。
特許第2609580号公報 特公昭52−30599号公報 特開2007−252242号公報
日本醸造協会誌Vol.89,No.7,1994,p498〜504 醸造・発酵食品の事典、朝倉書店、吉沢淑著2002年1月15日発行、p72〜73、p83〜86およびp88「付表 醸造物と成分」
本発明は、風味良好な低食塩醤油、特に醤油中の重要な香気成分として知られるエタノール、2−フェニルエタノール、イソブチルアルコールおよびイソアミルアルコールをそれぞれ高濃度に含有し、さらに呈味成分であるコハク酸を高濃度含有する風味良好な低食塩醤油を特殊な手段を採用することなく得ることを課題とする。また、粉末醤油の欠点を、特殊な手段を採用することなく解消し、しかも2−フェニルエタノール及びコハク酸を高濃度含有し、風味良好な粉末醤油を得ることを課題とする。
本発明者らは、このような課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、低食塩醤油の製造法において、醤油酵母生菌数が諸味1gあたり1×10個以上になった諸味に、糖質原料を添加し、水または食塩水を添加して熟成後の諸味液汁の食塩濃度が4.0〜12.0w/v%となるように食塩濃度を調整し、この諸味を発酵、熟成させるときは、諸味が腐敗することなく、風味良好な低食塩醤油が得られること、また、上記アルコール類を高濃度で含有する風味良好な低食塩醤油が得られることを知った。そして食塩濃度4.0〜12.0w/v%、エタノール濃度4.0〜10.0v/v%であり、全窒素濃度1.0w/v%あたりそれぞれ2−フェニルエタノール7.0μg/ml以上、イソブチルアルコール10.0μg/ml以上およびイソアミルアルコール15.0μg/ml以上の濃度を有する風味良好な低食塩醤油が得られることを知った。またさらに、全窒素濃度1.0w/v%あたりコハク酸濃度が500μg/ml以上である前記低食塩醤油が得られることを知った。また、低食塩醤油の製造法において、醤油酵母生菌数が諸味1gあたり1×10個以上になった諸味に、糖質原料を添加し、水または食塩水を添加して熟成後の諸味液汁の食塩濃度が4.0〜12.0w/v%となるように食塩濃度を調整し、この諸味を発酵、熟成させ、諸味液汁のグルコース量を、全窒素濃度1.0w/v%あたり5.0mg/ml以下に調整するときは、上記粉末醤油の欠点を解消し、しかも2−フェニルエタノール及びコハク酸を高濃度含有し、風味良好な粉末醤油を得ることを知った。そしてこれらの知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下に示す風味良好な低食塩醤油、粉末醤油、及びその製造法である。
(1)食塩濃度4.0〜12.0w/v%、エタノール濃度4.0〜10.0v/v%を有し、全窒素濃度1.0w/v%あたり2−フェニルエタノール濃度が7.0μg/ml以上、イソブチルアルコール濃度が10.0μg/ml以上およびイソアミルアルコール濃度が15.0μg/ml以上である低食塩醤油。
(2)全窒素濃度1.0w/v%あたりコハク酸濃度が500μg/ml以上である(1)に記載の低食塩醤油。
(3)全窒素濃度1.0w/v%あたりグルコース濃度が5.0mg/ml以下である(1)に記載の低食塩醤油。
(4)醤油の製造法において、醤油酵母生菌数が諸味1gあたり1×10個以上の諸味に、糖質原料を添加し、熟成後の諸味液汁の食塩濃度が4.0〜12.0w/v%になるように食塩濃度を調整し、この諸味を発酵、熟成させること、並びに、発酵、熟成後の諸味液汁のpHが4.7〜6.0であることを特徴とする低食塩醤油の製造法。
(5)糖質原料が、下記1)〜4)のいずれかである(4)に記載の低食塩醤油の製造法。
1)グルコース、麦芽糖、果糖、澱粉の塩酸分解液、澱粉の酵素糖化液、並びに、澱粉質原料の配合割合が65w/w%より多く、残余部分が蛋白質原料を用いて調製される澱粉質に富む醤油麹、米麹、麦麹、トウモロコシ麹およびフスマ麹からなる群から選ばれる一種または二種以上である澱粉質に富む麹からなる群から選ばれる一種または二種以上。
2)グルコース、麦芽糖、果糖、澱粉の塩酸分解液、澱粉の酵素糖化液、蔗糖、α化した穀類、およびα化した芋類からなる群から選ばれる一種または二種以上である糖質原料Aと、醤油麹、米麹、麦麹、トウモロコシ麹、およびフスマ麹からなる群から選ばれる一種または二種以上である麹との組合せ。
3)前記糖質原料Aと、大豆、脱脂加工大豆、小麦グルテン、およびコーングルテンからなる群から選ばれる一種または二種以上である蛋白質原料と、前記麹との組合せ。
4)前記澱粉質に富む麹と、前記蛋白質原料との組合せ。
(6)以下の条件:
4.0≦X≦12.0
Y≧−0.005X+0.16
Y≦−0.005X+0.24
(式中、
Xは、発酵、熟成後の諸味液汁の食塩濃度(w/v%)の値を示し、
Yは、発酵、熟成後の諸味の容量(L)に対する、糖質原料添加直前の諸味液汁の全糖量(kg)と添加される原料の全糖量(kg)との合計量の比(kg/L)の値を示す)
を満足することを特徴とする、(4)または(5)に記載の低食塩醤油の製造法。
(7)全窒素1.0%(w/w)あたり、2−フェニルエタノール7.0μg/g以上、コハク酸500μg/g以上を含有する粉末醤油。
(8)(4)、(5)または(6)に記載の方法で得られる低食塩醤油を乾燥粉末化することを特徴とする粉末醤油の製造法。
本発明によれば、風味良好な低食塩醤油及び粉末醤油を得ることができる。特に醤油中の重要な香気成分として知られるエタノール、2−フェニルエタノール、イソブチルアルコールおよびイソアミルアルコールをそれぞれ高濃度に含有し、さらに呈味成分であるコハク酸を高濃度含有する風味良好な低食塩醤油を特殊な手段を採用することなく得ることができる。また、粉末醤油の欠点を、特殊な手段を採用することなく解消し、しかも2−フェニルエタノール及びコハク酸を高濃度含有し、風味良好な粉末醤油を得ることができる。
図1は、熟成後の諸味液汁の食塩濃度(w/v%)をX軸とし、熟成後の諸味の容量(L)に対する、糖質原料添加直前の諸味液汁の全糖量(kg)と添加される原料の全糖量(kg)との合計量の比(kg/L)をY軸として、その関係を示した分散図を示す。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2009−216302号の特許請求の範囲及び明細書に記載される内容を包含する。
以下、本発明の低食塩醤油および粉末醤油及びその製造法について詳述する。
本発明を実施するには、醤油麹を食塩水に仕込み、約3〜8ヵ月間、諸味品温を15〜30℃で管理する醤油の製造法において、(1)仕込日から約半月〜3ヵ月経過後に諸味中の醤油酵母生菌数が諸味1gあたり1×10個以上、特に3×10個〜3×10個となった諸味、あるいは(2)アルコール発酵前の醤油諸味、または発酵途中のそれに、別に培養して得られた醤油酵母培養液を添加し、諸味中の醤油酵母生菌数が諸味1gあたり1×10個以上となった諸味に、糖質原料を添加する。
醤油麹は、通常の醸造醤油の製造用の醤油麹を用いることができる。醤油麹は、大豆、脱脂加工大豆等の蛋白質原料を蒸煮変性したものと、麦類(小麦、大麦、裸麦、はと麦)及び米類等の澱粉質原料を加熱変性したものとを混和し、該混和物の水分を35〜45%(w/w)に調整した後、これにアスペルギルス・ソーヤ、アスペルギルス・オリーゼなどの種麹菌を接種し、20〜40℃で1.5〜4日間培養して調製することができる。麦類の加熱変性は炒熬割砕により行うことが好ましい。米類の加熱変性は蒸煮あるいは炊飯により行うことが好ましい。
醤油麹と食塩水とを混合して醤油諸味を調製する。食塩水の量は特に限定されないが、通常は醤油麹の調製に用いられた大豆及び小麦などの植物種子の容積(生原穀種子換算容積)に対する容積比で、100〜450%(v/v)と成る量の食塩水を仕込んで醤油諸味を調製することが好ましい。本発明において、植物種子の容積は、メスシリンダー等を用いて測定される、空隙部分も含んだ「かさ容積」を意味する。食塩水は、糖質原料を添加する前の時点での諸味の食塩濃度が、通常の醤油の製造法における醤油諸味中の食塩濃度と同等、典型的には、15.0〜20.0w/v%となるように醤油麹と混合される。
醤油酵母生菌数が諸味1gあたり1×10個以上になった時期に糖質原料を添加することは重要であって、それ未満の生菌数の時期に糖質原料を添加するときは、旺盛なアルコール発酵が期待できず、諸味が腐敗する危険性が高くなるので好ましくない。
また、醤油酵母生菌数が諸味1gあたり1×10個以上になった諸味に、糖質原料を添加し、また水または食塩水を添加して熟成後の諸味液汁の食塩濃度を4.0〜12.0w/v%になるように調整することも重要であって、4.0w/v%未満では醤油諸味が腐敗する危険性があり好ましくない。反対に12.0w/v%を越えるときは、アルコール類の生成蓄積が少なくなって、風味の良好な低食塩醤油が得られず、本発明の目的が達成されない。
本発明の最大の特徴は、発酵期の醤油諸味の食塩濃度を4.0〜12.0w/v%になるように調整しても、諸味が腐敗しないことである。
すなわち、一般に醤油の製造法は、醤油麹と食塩水が、開放系で混合され(仕込みが行われ)、得られた諸味は、その後開放系で発酵、熟成が営なまれる。しかし、諸味は腐敗性細菌類にとって好適な栄養源を豊富に含有しているため、食塩濃度がある一定量以下になると、いわゆる腐敗性細菌類が旺盛に繁殖することとなり、酸臭や酸味が著しく現れ、ついには悪臭を放って腐敗する。
したがって、夏季の気温である25〜35℃は、いわゆる腐敗性細菌類にとって繁殖適温であるため、諸味の食塩濃度がある一定量以上、すなわち15%(w/v)以上の濃度であるときは問題ないが、それ以下の濃度の場合、遠からず腐敗する。したがって、夏季の諸味の食塩濃度は17w/v%なら安全、16w/v%以下では危険だとして、この食塩濃度以下にならないように調整する必要がある。したがって、腐敗性細菌類の汚染、増殖対策を十分に徹底した環境においても、15w/v%以上の食塩濃度がなければ、順調に発酵熟成が行なわれない危険性があると言われている。
このような現状に対し、本発明によれば、発酵期の醤油諸味の食塩濃度を4.0〜12.0w/v%になるように調整しても、諸味の品温を40℃以上(極端な例では、55℃)に加温保持したり、あるいは、諸味に塩酸や乳酸の様な酸を添加して、そのpHを4.0以下(極端な例では、pH3.0以下)に保持したりすることなく、腐敗性細菌類の繁殖を抑制することができる特徴を有する。
糖質原料としては、(I)グルコース(結晶ブドウ糖、粉末ブドウ糖、液状ブドウ糖など)、麦芽糖、果糖、蔗糖、α化した穀類(麦、米など)及びα化した芋類など、(II)澱粉質原料の塩酸分解糖化液、(III)澱粉の酵素分解糖化液、(IV)小麦、大麦、裸麦、はと麦、米、トウモロコシなどの澱粉質原料の配合割合が65w/w%より多く、残余部分が大豆、グルテンなどの蛋白質原料を使用して、常法により醤油麹を調製することにより得られる「澱粉質に富む醤油麹」、砕米、外砕米等の低品位米、または好適米を利用した米麹、大麦や小麦などを利用した麦麹、トウモロコシ麹及びフスマ麹、(V)それらの麹を糖化したもの(例えば、甘酒、麹消化液)が挙げられる。これらは、単独または併用添加することができる。
本発明では、上記糖質原料を以下の通りグループに分け、それぞれ定義した。
(1)「糖質原料A」とは、グルコース、麦芽糖、果糖、澱粉の塩酸分解液、澱粉の酵素糖化液、蔗糖、α化した穀類、および芋類からなる群から選ばれる一種または二種以上を意味する。
(2)「麹」とは、醤油麹、米麹、麦麹、トウモロコシ麹、およびフスマ麹からなる群から選ばれる一種または二種以上を意味する。醤油麹には、以下に定義する「澱粉質に富む醤油麹」も包含される。
(3)「澱粉質に富む麹」とは、小麦、大麦、裸麦、はと麦、米、トウモロコシなどの澱粉質原料の配合割合が65w/w%より多く、残余部分が大豆、脱脂大豆などの蛋白質原料を使用して、常法により醤油麹を調製することにより得られる「澱粉質に富む醤油麹」、砕米、外砕米等の低品位米、または好適米を利用した米麹、大麦や小麦などを利用した麦麹、トウモロコシ麹及びフスマ麹を意味する。
(4)「蛋白質原料」とは、大豆、脱脂加工大豆、小麦グルテン、およびコーングルテンからなる群から選ばれる一種または二種以上を意味する。
上記糖質原料を併用添加する場合の好適な例としては、1)糖質原料Aと、麹との組合せ。2)糖質原料Aと、蛋白質原料と、麹との組合せ。3)澱粉質に富む麹と、蛋白質原料との組合せが挙げられる。
上記(II)澱粉質原料の塩酸分解糖化液は、例えば小麦粉、砕米、白糠、砕麦、トウモロコシなどの澱粉質原料に希塩酸(例えば約2〜3v/v%希塩酸)を、重量比で約2〜4倍量加え、蒸気吹込法などにより約100℃で3〜4時間加熱し、次いで炭酸ナトリウムを用いてpH5.0〜6.0に中和し、濾過して得られたものが挙げられる。
上記(III)澱粉の酵素分解糖化液は、例えば澱粉質に富む麹1重量部に対し、10〜15w/v%の食塩水を1〜3重量部加えて50〜60℃に5〜20時間保温し、麹中の澱粉を糖化して得られたものが挙げられる。
また、澱粉の水懸濁液を加熱して糊化し、これに澱粉質に富む麹またはフスマ麹を添加し、麹アミラーゼの作用により糖化して麦芽糖およびグルコースに分解して得られた液が挙げられる。
なお、諸味に投入された、蔗糖、α化した穀類またはα化した芋類は、醤油諸味中の糖化酵素により糖化される。しかし、仕込み後約半月以上経過した醤油諸味中のアミラーゼ活性は、仕込み当初に比べるとかなり少なくなっていて、十分でないので、醤油麹、フスマ麹、米麹、麦麹と併用添加することが好ましい。こうすることにより、蔗糖、α化した穀類またはα化した芋類は、諸味中において、新たに添加された麹のアミラーゼなどにより、速やかにグルコースにまで糖化される。
また、諸味に投入された、蛋白質原料においては、醤油諸味中のプロテアーゼなどにより加水分解される。しかし、仕込み後約半月以上経過した醤油諸味中のプロテアーゼ活性は、仕込み当初に比べるとかなり少なくなっていて、十分でないので、醤油麹、フスマ麹、米麹、麦麹と併用添加することが好ましい。こうすることにより、蛋白質原料は諸味中において、新たに添加された麹のプロテアーゼなどにより、アミノ酸などにまで分解される。
糖質原料の添加量は、発酵熟成後の諸味液汁中のエタノール濃度が4.0%以上、好ましくは4〜12.0v/v%、より好ましくは4.0〜10.0v/v%となるような量を添加することが必要である。具体的には、糖質原料添加前の諸味中の全糖量及び添加する原料に含まれる全糖量の和が、総諸味1Lあたり0.050kg以上が好ましく、0.100〜0.250kgがより好ましく、0.110〜0.200kgが最も好ましい。
具体的には、本発明の低食塩醤油の製造法において、
以下の条件:
4.0≦X≦12.0
Y≧−0.005X+0.16
Y≦−0.005X+0.24
(式中、
Xは、発酵、熟成後の諸味液汁の食塩濃度(w/v%)の値を示し、
Yは、発酵、熟成後の諸味の容量(L)に対する、糖質原料添加直前の諸味の全糖量(kg)と添加される原料の全糖量(kg)との合計量の比(kg/L)の値を示す)
を満足する範囲にて、醤菌酵母数が諸味1gあたり1×10個以上の諸味に対し、糖質原料及び必要に応じて他の原料を添加する。なお、上記において「添加される原料」とは上記酵母数の条件を満たす諸味に添加される原料を指し、上述の糖質原料A、麹(澱粉質に富む麹を包含する)、蛋白質原料等を包含する。
また、糖質原料を添加するに当り、発酵熟成後にpHが4.7〜6.0になることが重要であって、4.7未満、特に4.5以下においては、酸味(異味)を有する醤油となり、通常の醤油とは品質の異なるものとなるので好ましくない。
なお、一般に醤油諸味の食塩濃度を約10w/v%(諸味液汁の食塩%)の低食塩濃度に保持するときは、諸味の腐敗を起こす、いわゆる腐敗性細菌類の繁殖や生存を抑制するため(一般に腐敗性細菌類は酸性に対して弱いので)諸味に塩酸や乳酸などの酸を添加して、そのpHを4.5以下、好ましくは3.5〜4.2に保持する方法が知られている(特許文献2)。しかしながらこの方法は、塩酸、乳酸、酢酸の酸味料の添加により、風味の劣化は避けられず通常の醸造醤油と比べて香りと味の点で満足する低食塩醤油及び粉末醤油が得がたい。
ついで、上記で得られた諸味は、常法により20〜35℃に保持し、日に1〜数回撹拌あるいは通気する、あるいは圧縮空気やプロペラ式回転撹拌機などによって適宜撹拌することによりアルコール発酵させる。あるいは連続通気攪拌してもよい。
上記諸味は、アルコール発酵が、非常に旺盛となる。そして、エタノールが速やかに生成し、エタノール濃度が4.0〜10.0v/v%の諸味を容易に得ることができる。またそのほかのアルコール類が著量に諸味中に生成蓄積される。そして、全窒素濃度1.0w/v%あたりそれぞれ2−フェニルエタノール7.0μg/ml以上、イソブチルアルコール10.0μg/ml以上、イソアミルアルコール15.0μg/ml以上およびコハク酸500μg/ml以上の濃度を有する低食塩醤油を容易に得ることができる。全窒素濃度1.0w/v%あたりのグルコース濃度は好ましくは5.0mg/ml以下である。本発明の低食塩醤油中の2−フェニルエタノール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコール、コハク酸の含有量の上限は特に限定されないが、典型的には、全窒素濃度1.0w/v%あたりそれぞれ2−フェニルエタノール150.0μg/ml以下、イソブチルアルコール250.0μg/ml以下、イソアミルアルコール120.0μg/ml以下、コハク酸2000μg/ml以下である。グルコースの含有量の下限は特に限定されないが、通常は全窒素濃度1.0w/v%あたり0.1mg/ml以上である。
上記アルコール発酵が終了した諸味は、その後約半月〜3ヵ月間熟成させ、圧搾、濾過し、火入れ、清澄して本発明の低食塩醤油を得る。
上記で得た低食塩醤油の乾燥粉末化は、通常の粉末醤油の製造法により行う。例えば、該醤油にデキストリンなどの賦形剤を添加し、加熱溶解した後、スプレードライ法、ドラムドライ法、フリースドライ法などの乾燥粉末化を行う方法が挙げられる。一般に、乾燥粉末化法により得られた粉末醤油は、加熱や酸化によりメイラード反応が進行し、そこで生じる水によって固結し、サラサラとした粉末状からブロック状に変化する。本発明で得られる低食塩醤油は、メイラード反応の原因物質に含まれる還元糖およびグルコースが低減されているため、得られる粉末醤油は、保存中のブロック形成が起こりにくいものとなる。また、粉末醤油の水溶解液の全窒素1.0%(w/w)あたり、2−フェニルエタノール7.0μg/g以上を含有し、コハク酸500μg/g以上含有する風味良好な粉末醤油が得られる特徴を有する。本発明の粉末醤油中の2−フェニルエタノール、コハク酸の含有量の上限は特に限定されないが、典型的には、全窒素濃度1.0%(w/w)あたりそれぞれ2−フェニルエタノール150.0μg/g以下、コハク酸2000μg/g以下である。
以下実施例を示して本発明をより具体的に説明する。
(1)醤油麹の調製
脱脂加工大豆10kgに80℃の温水を130w/w%加え、これを飽和水蒸気を用いて蒸煮圧力2kg/cm(ゲージ圧力)で20分間加圧加熱蒸煮した。一方、生小麦10kgを常法に従って炒熬割砕した。次にこれら二つの処理原料を混合して水分約40w/w%の製麹用原料を調製した。
次いで、この製麹用原料に、アスペルギルス・オリーゼ(ATCC14895)のフスマ種麹(有効胞子数:1×10個/g)を製麹用原料に対して0.1w/w%接種して麹蓋に盛り込み、常法により42時間製麹して醤油麹を得た。
(2)醤油諸味の調製
上記醤油麹0.8kgを18w/v%食塩水1.9Lに混和した。次いで、この醤油諸味に醤油乳酸菌を諸味1gあたり1×10個となるように添加し、1ヵ月間諸味品温を15℃に保持して、醤油麹酵素による原料の分解溶出および乳酸発酵を行ない、醤油酵母の増殖に好適な醤油諸味(食塩濃度約15w/v%)を得た。
この醤油酵母の増殖に好適な醤油諸味約3kgを4区分(本発明1区、本発明2区、比較例1区、比較例2区)用意し、各区分の醤油諸味に、醤油酵母(チゴサッカロマイセス・ルーキシー)を諸味1gあたり5×10個となるようにそれぞれ添加し、諸味品温を20℃に保ち、比較例1区の諸味は3日間、比較例2区の諸味は5日間、本発明1区の諸味は7日間そして本発明2区の諸味は9日間撹拌して、諸味1gあたりの醤油酵母生菌数がそれぞれ1×10個、5×10個、1×10個および3×10個の諸味を得た。
(3)糖質原料の添加と食塩濃度の調整
ついで上記各区の諸味に対し、前記(1)記載の醤油麹1.6kgおよび含水結晶グルコース(昭和産業社製)0.35kgを添加し、さらに熟成後の諸味液汁の食塩濃度が6.5w/v%となるように、水1.7Lを添加した。
(4)熟成
その後、諸味品温を25℃として適宜撹拌して熟成させ、仕込後4ヵ月目にこの諸味を圧搾して生揚げ醤油を得、火入れ、オリ引きして4種類の低食塩醤油を得た。得られた低食塩醤油について、成分分析および官能検査を行った。成分分析の結果を表1に、官能検査の結果を表2に示す。
(成分分析)
食塩濃度、エタノール濃度、全窒素濃度、およびpHは、財団法人日本醤油研究所編集「しょうゆ試験法」(昭和60年3月1日発行)に記載の方法により求めた。また、コハク酸、グルコース濃度は高速液体クロマトグラフィ分析により求めた。
(アルコール類の分析)
2−フェニルエタノール、イソブチルアルコールおよびイソアミルアルコールの各濃度は、Journal of Agricultural and Food Chemistry Vol.39,934,1991記載のガスクロマトグラフィーを用いる定量分析法により実施した。
(官能検査)
官能検査は、識別能力を有する訓練されたパネル20名による評点法によって行った。すなわち、試料の低食塩醤油を市販減塩醤油(キッコーマン社製)と比較し、差なしを0、若干の差有りを1、差ありを2、やや大きな差有りを3、大きな差有りを4、極めて大きな差有りを5と評価し、市販減塩醤油よりも優れた風味を有しているときには(+)、反対に劣っているときには(−)の符号を付して示した。
なお、表中の評点は20名のパネルの平均値であり、検定の欄における「**」は1%危険率で有意差あり、「*」は5%危険率で有意差あり、「−」は有意差なしを意味する。
(酵母生菌数の測定)
酵母生菌数の測定は、食品微生物ハンドブック(好井久雄・金子安之・山口和夫編著、技報堂出版、第603頁)に記載の方法により求めた。
Figure 2011034049
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表1および表2の結果から、諸味1gあたりの醤油酵母生菌数が1×10個に満たない時期、すなわち1×10個(比較例1区)、あるいは5×10個の時期(比較例2区)に糖質原料を添加する場合、熟成後の諸味液汁の食塩濃度が6.5w/v%になるように調整してしまうと、その後、腐敗したり酸味酸臭を呈する欠点を有することが判る。
これに対し、諸味1gあたりの醤油酵母生菌数が1×10個以上(本発明1区および本発明2区)になった時期に、糖質原料を添加するときは、熟成後の諸味液汁の食塩濃度が6.5w/v%になるように調整しても、腐敗することなく、風味良好な減塩醤油を得られることが判る。
上記実施例1の本発明2区(糖質原料添加時の諸味1gあたりの醤油酵母生菌数が3×10個)の低食塩醤油の製造法において、表3に記載された量の醤油麹および糖質原料としてグルコースを添加し、さらに表3に記載された量の水(または、水及び食塩水)を添加して諸味の食塩濃度を調整する以外は全く同様にして低食塩醤油を得た。こうして得られた低食塩醤油の成分分析と官能検査を実施例1と同様に行った。結果を表4〜6に示す。なお、該諸味の食塩濃度の調整には、最終目標食塩濃度により、水と食塩水の割合を変えて添加する。これは麹の水分量によっても変える必要があるからである。
Figure 2011034049
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表4〜6の結果から、糖質原料を添加した後は、熟成後の諸味液汁の食塩濃度が4.0〜12.0w/v%になるように諸味の食塩濃度を調整することは重要であって、表4に示したように、4.0w/v%未満(比較例3区)であるときは、諸味が腐敗する欠点を有することが判る。反対に表5に示したように12.0w/v%を越えるとき(比較例4区)は、2−フェニルエタノール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコールおよびコハク酸の濃度が低くなることが判る。これに対し、熟成後の諸味液汁の食塩濃度が4.0〜12.0w/v%になるように調整するとき(本発明2区、3区および4区)は、エタノール4.0v/v%以上で、全窒素濃度1.0w/v%あたり2−フェニルエタノール7.0μg/ml以上、イソブチルアルコール10.0μg/ml以上、イソアミルアルコール15.0μg/ml以上の濃度を有し、さらにコハク酸500μg/ml以上の濃度を有する風味の良好な低食塩醤油が得られることが判る。
実施例1の本発明2区(糖質原料添加時の諸味1gあたりの醤油酵母生菌数が3×10個)の低食塩醤油の製造法において、醤油麹1.4kgおよび糖質原料として炒熬割砕小麦0.35kgを添加する以外は全く同様にして低食塩醤油(本発明5区)を得た。
得られた低食塩醤油(本発明5区)を、実施例1で得られた本発明2区(糖質原料としてグルコースを使用)と比較した。また、実施例1と同様にして、市販減塩醤油(キッコーマン社製)を対照として、官能検査を実施した。その結果を表7〜10に示した。
Figure 2011034049
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表7〜10の結果から、α化した穀類である炒熬割砕小麦は、諸味中において、新たに添加された醤油麹の酵素(アミラーゼ等)により、速やかに、グルコースにまで糖化され、醤油酵母によって資化されて、醤油中の重要な香気成分として知られるエタノール、2−フェニルエタノール、イソブチルアルコールおよびイソアミルアルコールが醤油諸味中に高濃度に蓄積され、風味良好な低食塩醤油が特殊な手段を採用することなく得られることが判る。
実施例1の本発明2区(糖質原料添加時の諸味1gあたりの醤油酵母生菌数が3×10個)の低食塩醤油の製造法の工程(3)において、醤油麹を添加せず、糖質原料としてグルコースを0.6kg添加し、その際に最終諸味で食塩濃度8%になるように1.1Lの水及び食塩水を入れ、その他は同様にして、低食塩醤油(本発明6区)を得た。
得られた低食塩醤油(本発明6区)を、実施例1で得られた本発明2区と比較した。また、実施例1と同様にして、市販減塩醤油(キッコーマン社製)を対照として、官能検査を実施した。その結果を表11〜14に示した。
表11〜14の結果から、添加したグルコースは、醤油酵母によって資化されて、醤油中の重要な香気成分として知られるエタノールが4.0v/v%以上で、全窒素濃度1.0w/v%あたり2−フェニルエタノール7.0μg/ml以上、イソブチルアルコール10.0μg/ml以上、イソアミルアルコール15.0μg/ml以上の濃度を有し、さらにコハク酸500μg/ml以上の濃度を有する風味の良好な低食塩醤油が得られることが判る。
ただし、醤油麹を添加せずにグルコースのみを添加すると全窒素分が大きく低下するため、官能評価においては、本発明品6の全窒素0.7(W/V)%にそろえて評価した。
Figure 2011034049
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(澱粉質に富む麹の製造)
脱脂加工大豆6kgに80℃の温水を130w/w%加え、これを飽和水蒸気を用いて蒸煮圧力2kg/cm(ゲージ圧力)で20分間加圧加熱蒸煮した。一方、生小麦14kgを常法に従って炒熬割砕した。次にこれら二つの処理原料を混合して水分約40w/w%の製麹用原料を調製した。
次いで、この製麹用原料に、アスペルギルス・オリーゼ(ATCC14895)のフスマ種麹(有効胞子数:1×10個/g)を製麹用原料に対して0.1w/w%接種して麹蓋に盛り込み、常法により42時間製麹して小麦の配合比率が70%の澱粉質に富む醤油麹を得た。
また、脱脂加工大豆0.2kgに80℃の温水を130w/w%加え、これを飽和水蒸気を用いて蒸煮圧力2kg/cm(ゲージ圧力)で20分間加圧加熱蒸煮した。一方、生小麦19.8kgを常法に従って炒熬割砕した。次にこれら二つの処理原料を混合して水分約40w/w%の製麹用原料を調製した。
次いで、この製麹用原料に、アスペルギルス・オリーゼ(ATCC14895)のフスマ種麹(有効胞子数:1×10個/g)を製麹用原料に対して0.1w/w%接種して麹蓋に盛り込み、常法により42時間製麹して小麦の配合比率が99%の澱粉質に富む醤油麹を得た。
(諸味の調整)
実施例1の本発明2区(糖質原料添加時の諸味1gあたりの醤油酵母生菌数が3×10個)の低食塩醤油の製造法の工程(3)において、醤油麹を添加せず、糖質原料として、上記で作成した澱粉質に富む麹を表15のように添加し、その際に、最終諸味の食塩濃度で7.0%になるように水及び食塩水を1.6L添加し、その他は、同様にして低食塩醤油(本発明7、8区)を得た。
Figure 2011034049
得られた低食塩醤油(本発明7,8区)を、実施例1で得られた本発明2区(糖質原料としてグルコースを使用)と比較した。また、実施例1と同様にして、市販減塩醤油(キッコーマン社製)を対照として、官能検査を実施した。その結果を表16〜18に示した。
表16〜18の結果から、澱粉質に富む醤油麹は速やかにグルコースまで分解され、醤油酵母によって資化されて、醤油中の重要な香気成分として知られるエタノール4.0v/v%以上で、全窒素濃度1.0w/v%あたり2−フェニルエタノール7.0μg/ml以上、イソブチルアルコール10.0μg/ml以上、イソアミルアルコール15.0μg/ml以上の濃度を有し、さらにコハク酸500μg/ml以上の濃度を有する風味の良好な低食塩醤油が特殊な手段を採用することなく得られることが判る。
Figure 2011034049
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実施例1の本発明2区(糖質原料添加時の諸味1gあたりの醤油酵母生菌数が3×10個)の低食塩醤油の製造法の工程(3)において、醤油麹、糖質原料およびタンパク質原料を表19のように添加し、その際、表19に示している食塩濃度になるように1.9Lの水および食塩水を添加し、その他は、本発明2区と同様にして低食塩醤油(本発明品9、10、11,12)を得た。
糖質原料については、結晶グルコース(昭和産業製)及び実施例5で得た小麦の配合比率が70%の澱粉質に富む醤油麹を用いた。またタンパク質原料としては、大豆を膨化処理したパフミンF(キッコーマン製)と市販の小麦グルテンであるVITEN(ロケットジャパン製)を用いた。
Figure 2011034049
得られた低食塩醤油(本発明9,10、11,12)を、実施例1で得られた本発明2区(糖質原料としてグルコースを使用)と比較した。また、実施例1と同様にして、市販減塩醤油(キッコーマン社製)を対照として、官能検査を実施した。その結果を表20〜22に示した。
表20〜22の結果から、全窒素分が高く、醤油中の重要な香気成分として知られるエタノール4.0v/v%以上で、全窒素濃度1.0w/v%あたり2−フェニルエタノール7.0μg/ml以上、イソブチルアルコール10.0μg/ml以上、イソアミルアルコール15.0μg/ml以上の濃度を有し、さらにコハク酸500μg/ml以上の濃度を有し、風味の良好な低食塩醤油が特殊な手段を採用することなく得られることが判る。
Figure 2011034049
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本発明品の乾燥粉末化を行った。乾燥粉末化には、本発明品2を300ml用いて、そこに賦形剤としてデキストリン(パインデックス#2)60gを加え、80℃に加温した後、噴霧乾燥し、本発明品13を得た。
噴霧乾燥にはNIRO JAPAN社製モービルマイナ型スプレードライTM−2000Model−Aを用いて、170〜180℃、出口温度90℃、液供給量15ml/min、アドマイザー回転数20000〜22000rpmの条件にて行った。
得られた粉末醤油の分析値を表23に示す。比較として、濃口醤油(キッコーマン製)、比較例4について本発明13と同様に乾燥粉末化を行った。その結果、本発明13の粉末醤油は、2フェニルエタノール、コハク酸が多く含まれていることが確認された。
粉末醤油の分析については、粉末醤油を適当な希釈率にて水に溶解した後に、醤油と同じように分析を行い、その後、希釈率に応じて換算した。
この結果、2−フェニルエタノール及びコハク酸を高濃度含有し、風味良好な粉末醤油が得られることが判明した。
また、本発明の粉末醤油は、吸湿性、潮解性が非常に少なく保存中に容易にブロックを形成せず、またベトツキが非常に少なく、他の粉末成分と均一に混和し易いものであることが判明した。
Figure 2011034049
(添加糖量の変更試験)
上記実施例1の本発明2区(糖質原料添加時の諸味1gあたりの醤油酵母生菌数が3×10個)の低食塩醤油の製造法において、表24に記載された量の醤油麹および糖質原料としてグルコースを添加し、さらに表24に記載された量の水および食塩水を添加して諸味の食塩濃度調整を行い、その後は、実施例1と同様に適宜攪拌を行い、発酵熟成し、その後、圧搾、濾過し、火入れ、清澄して本発明の低食塩醤油を得た。その結果、表25のように醤油中の重要な香気成分として知られるエタノール4.0v/v%以上で、全窒素濃度1.0w/v%あたり2−フェニルエタノール7.0μg/ml以上、イソブチルアルコール10.0μg/ml以上、イソアミルアルコール15.0μg/ml以上の濃度を有し、さらにコハク酸500μg/ml以上の濃度を有する低食塩醤油が特殊な手段を採用することなく得られることが判る。一方で、グルコースを0.75kg添加した比較例7の低食塩醤油については、全窒素濃度1%(w/v)当りのグルコース濃度(残グルコース量)が35.4mg/mlと多いことが確認された。また、ここで得られる低食塩醤油は、乾燥粉末化して粉末醤油とした場合は、吸湿性、潮解性が強く、保存中に容易にブロックを形成し、またベトツキもあって、他の粉末成分と均一に混和し難いものであることが判明している。
Figure 2011034049
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本発明1〜12、14、15、比較例3、4、7において、糖質原料添加直前の諸味液汁の全糖量と、添加される原料の全糖量とを、それぞれ以下の手順により求めた。
(糖質原料添加直前の諸味液汁の全糖量の分析法)
糖質原料添加直前の、醤油酵母生菌数が諸味1gあたり1×10個以上の諸味をかくはん混合し、均一にした諸味から、試料諸味を採取し、ろ紙ろ過(No.2ろ紙、漏斗、200ml三角フラスコ使用)して、清澄な諸味液汁を調製した。
その諸味液10mlに2.5%塩酸100mlを加え100℃2.5時間加熱し、加水分解を行った後、ろ過を行い、水酸化ナトリウムで中和を行った。本液を水で250mlとし、以下に示すフェーリング・レーマン・ショール法で還元糖を測定した。分析した値と諸味容量の積を糖源添加直前諸味液汁の糖源量とした。
(フェーリング・レーマン・ショール法)
イ.試料10ml(予想糖量によってサンプルの量を加減してもよい。)を秤取して250mLに定容し、試料溶液とする。
ロ.硫酸銅69.3gを蒸留水に溶かして1Lに定容し、試薬aとする。
ハ.ロッセル塩346gと水酸化ナトリウム103gとを蒸留水に溶かして1Lにし、試薬bとする。
ニ.200mLの三角フラスコに試薬aと試薬bを各々10mLづつ採取し、これに試料溶液10mLと蒸留水20mLを加えて全量を50mLとする。これを加熱して3分以 内に沸騰を開始させ、正確に2分間沸騰させた後すみやかに流水中に没して25℃に冷却する。このとき硫酸銅の赤色沈殿が空気に触れないように注意する。
ホ.次いで、30重量%ヨウ化カリウム水溶液10mLと25重量%硫酸水溶液10mLを加えて、ただちに0.1Nチオ硫酸ナトリウムにて滴定を開始し、終点近くで(黄色が やや残るとき)指示薬として1%澱粉溶液を2〜3滴添加して、その澱粉反応が消失するまで滴定を続けて終点とする。
ヘ.試料溶液の代わりに蒸留水を用いて上記と全く同じ操作をおこない、その滴定数の差とチオ硫酸ナトリウムの係数とから表(省略)に基づいて糖量を算出し、その糖量と希釈倍率から値を求める。
(添加された原料の全糖量の分析法)
添加原料の全糖量については、添加原料5gに2.5%塩酸100mlを加え100℃2.5時間加熱し、加水分解を行った後、ろ過を行い、水酸化ナトリウムで中和を行った。サンプルを水で500mlとしフェーリング・レーマン・ショール法により還元糖量を求め、全糖量を算出した。
(結果)
測定結果を次表に示す。
Figure 2011034049
図1には、熟成後の諸味液汁の食塩濃度(w/v%)をX軸、熟成後の諸味の容量(L)に対する、糖質原料添加直前の諸味液汁の全糖量(kg)と添加される原料の全糖量(kg)との合計量の比(kg/L)をY軸とした分散図を示す。本発明1〜12、14、15はいずれも以下の条件:
4.0≦X≦12.0
Y≧−0.005X+0.16
Y≦−0.005X+0.24
を満足するのに対して、比較例3、4、7はこの条件を満足しない。
また、表25のように、本発明1〜12、14、15については、最終諸味中のグルコース量が全窒素(TN)1%(W/V)あたり5.0mg/ml以下であり、糖量が少ないことが確認された。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。

Claims (8)

  1. 食塩濃度4.0〜12.0w/v%、エタノール濃度4.0〜10.0v/v%を有し、全窒素濃度1.0w/v%あたり2−フェニルエタノール濃度が7.0μg/ml以上、イソブチルアルコール濃度が10.0μg/ml以上およびイソアミルアルコール濃度が15.0μg/ml以上である低食塩醤油。
  2. 全窒素濃度1.0w/v%あたりコハク酸濃度が500μg/ml以上である請求項1に記載の低食塩醤油。
  3. 全窒素濃度1.0w/v%あたりグルコース濃度が5.0mg/ml以下である請求項1に記載の低食塩醤油。
  4. 醤油の製造法において、醤油酵母生菌数が諸味1gあたり1×10個以上の諸味に、糖質原料を添加し、熟成後の諸味液汁の食塩濃度が4.0〜12.0w/v%になるように食塩濃度を調整し、この諸味を発酵、熟成させること、並びに、発酵、熟成後の諸味液汁のpHが4.7〜6.0であることを特徴とする低食塩醤油の製造法。
  5. 糖質原料が、下記(1)〜(4)のいずれかである請求項4に記載の低食塩醤油の製造法。
    (1)グルコース、麦芽糖、果糖、澱粉の塩酸分解液、澱粉の酵素糖化液、並びに、澱粉質原料の配合割合が65w/w%より多く、残余部分が蛋白質原料を用いて調製される澱粉質に富む醤油麹、米麹、麦麹、トウモロコシ麹およびフスマ麹からなる群から選ばれる一種または二種以上である澱粉質に富む麹からなる群から選ばれる一種または二種以上。
    (2)グルコース、麦芽糖、果糖、澱粉の塩酸分解液、澱粉の酵素糖化液、蔗糖、α化した穀類、およびα化した芋類からなる群から選ばれる一種または二種以上である糖質原料Aと、醤油麹、米麹、麦麹、トウモロコシ麹、およびフスマ麹からなる群から選ばれる一種または二種以上である麹との組合せ。
    (3)前記糖質原料Aと、大豆、脱脂加工大豆、小麦グルテン、およびコーングルテンからなる群から選ばれる一種または二種以上である蛋白質原料と、前記麹との組合せ。
    (4)前記澱粉質に富む麹と、前記蛋白質原料との組合せ。
  6. 以下の条件:
    4.0≦X≦12.0
    Y≧−0.005X+0.16
    Y≦−0.005X+0.24
    (式中、
    Xは、発酵、熟成後の諸味液汁の食塩濃度(w/v%)の値を示し、
    Yは、発酵、熟成後の諸味の容量(L)に対する、糖質原料添加直前の諸味液汁の全糖量(kg)と添加される原料の全糖量(kg)との合計量の比(kg/L)の値を示す)
    を満足することを特徴とする、請求項4または5に記載の低食塩醤油の製造法。
  7. 全窒素1.0%(w/w)あたり、2−フェニルエタノール7.0μg/g以上、コハク酸500μg/g以上を含有する粉末醤油。
  8. 請求項4、5または6に記載の方法で得られる低食塩醤油を乾燥粉末化することを特徴とする粉末醤油の製造法。
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