JPWO2010035764A1 - 光学積層体およびハードコートフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明(β)は、ハードコートフィルムに関し、特に、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等のディスプレイ表面に好ましく使用することができるハードコートフィルムに関する。
ハードコートフィルムは、樹脂フィルム上に、ハードコート層として熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂を塗布した後、硬化させることにより形成される。ハードコート層の厚さは数μm程度で、ハードコート層の表面硬度は鉛筆硬度(JIS K5400)で、H〜3Hというのが一般的である。
また、樹脂フィルムを有効に活用する観点からは、樹脂フィルムの片面または両面を全て覆うようにしてハードコート層を形成させることが一般的である。
また、Roll−to−Rollによりハードコートフィルムを作成することにより生産性が向上する。しかしながら、ハードコートフィルムをRoll−to−Rollにより作製する工程や、その二次加工プロセス(例えば、ケン化処理)を行う場合において、ハードコートフィルムに割れ、硬化収縮によるシワやカールが起きやすくなる問題を有していた。
また、本発明(β)は、ハードコートフィルムをRoll−to−Rollにより作製する工程やその二次加工プロセス(例えば、ケン化処理)を行う場合においても、カールが生じにくいハードコートフィルムを提供することも目的とする。
前記光学機能層が、厚さ3〜50μmであり、
透光性樹脂と透光性微粒子とを含有し、
前記透光性樹脂が、電離放射線硬化型多官能アクリレートと、前記光学機能層中の固形成分の全重量に対して0.05〜50重量%の電離放射線硬化型フッ素化アクリレートとを含有する樹脂組成物に対して電離放射線を照射することにより形成されることを特徴とする、光学積層体である。
(6)前記樹脂フィルムの弾性率が2GPa〜8GPaであることを特徴とする(5)に記載のハードコートフィルム。
(7)前記樹脂フィルムの厚さが5〜100μmであることを特徴とする(5)に記載のハードコートフィルム。
(8)前記ハードコート層が放射線硬化型樹脂を含有し、該放射線硬化型樹脂の体積収縮率が5〜25%であることを特徴とする(5)に記載のハードコートフィルム。
(9)前記発明(5)〜(8)いずれかに記載のハードコート層が表面凹凸構造を具備してなることを特徴とする防眩フィルム。
また、本発明(β)は、ハードコートフィルムをRoll−to−Rollにより作製する工程やその二次加工プロセス(例えば、ケン化処理)を行う場合においても、カールが生じにくいハードコートフィルムを提供することができる。
また、ESCAにより光学機能層表面から深さ200nmまでの範囲を5nm刻みで測定した場合において、当該光学機能層表面から深さ5nmまで5nm刻みで測定して得られる深さ5nm毎に存在するフッ素元素比率を、当該光学機能層表面の深さ5nmから深さ200nmまでに存在するフッ素元素比率の平均値で除した値が10以上であることが好ましく、20以上であることがさらに好ましい。上限は特に限定されないが、例えば1000以下である。当該値を10以上にすることにより、フッ素原子を光学機能層表面に効率的に存在させることができるため、高価であるフッ素材料を使用した場合においても、経済性に優れた光学積層体を提供することができる。
すなわち、粒径が1〜100nmの透光性微粒子と、粒径が0.3〜10μmである透光性微粒子を含有した光学機能層(防眩層)とすることで、鉛筆硬度の向上、カールの防止及び防眩性を付与した光学積層体(防眩フィルム)を提供することができる。
本発明を構成する樹脂フィルムの材料は特に制限されない。
本発明のハードコートフィルムをLCDやPDP等の光学用途に使用する場合、樹脂フィルムは透明性が高いものほど良好である。具体的には、樹脂フィルムの全光線透過率(JIS K7105)が80%以上、より好ましくは90%以上である。
光学用途に好ましく使用することができる樹脂フィルムとして、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、含ノルボルネン樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド等の各種樹脂フィルムを好適に使用することができる。これらのフィルムは無延伸のものも、延伸加工を施したものも使用可能である。特に二軸延伸加工されたPETフィルムが、機械的強度や寸法安定性に優れる点で好ましく、無延伸のTACフィルムおよび含ノルボルネン樹脂からなるフィルムは、面内の位相差が非常に少ないという点で好ましい。なお、PDP、LCD等の光学用途に用いる場合は、これらのPETフィルム、TACフィルム、含ノルボルネン樹脂フィルムがより好ましい。
上記範囲の弾性率を有する樹脂フィルムをハードコートフィルムの構成材料として使用することにより、当該ハードコートフィルムを偏光板に加工し液晶表示装置に使用した際に、高湿低湿の環境下であっても光漏れ、偏光度の低下等の不具合が発生しづらくなるため好ましい。
樹脂フィルムの弾性率が2GPa未満であると、Roll to Rollでハードコート層形成用塗料を塗工する際に、樹脂フィルムが切れる恐れがある。
なお、本発明における弾性率とは、JIS P8113に準拠して測定した値をいう。具体的には、引っ張り試験機(エーアンドディー社製 製品名:RTG1210)を使用し、樹脂フィルムを1mm/分の速度で引っ張ることにより測定して求めることができる。
樹脂フィルムの厚さを当該範囲にすることにより、ハードコート層が硬化する際に生じる収縮応力を、樹脂フィルムが吸収あるいは緩和することができるため、ハードコートフィルムのシワやカールを抑えることができる。
樹脂フィルムの厚さが5μm未満では、ハードコート層を硬化する時に生じる収縮応力を抑えにくくなるため、ハードコート層に収縮が発生し、ハードコートフィルムにシワやカールが発生し、ハードコートフィルムの生産性が悪くなる。樹脂フィルムの厚さが100μm超であると、ハードコートフィルムのシワやカールは抑えることができるが、軽量化・薄型化が難しくなることから好ましくない。特に、光学用途に本発明のハードコートフィルムを使用する場合、樹脂フィルムの厚さが100μm超となることは好ましくない。
本発明を構成するハードコート層には、熱硬化型樹脂、放射線硬化型樹脂または熱硬化型樹脂と放射線硬化型樹脂を混合したものを使用することができる。熱硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂の体積収縮率は、5〜25%であることが好ましい。好ましくは7〜15%である。
5%未満であると、ハードコート層の耐擦傷性が減少する恐れがある。
25%超であると、ハードコート層の収縮が生じやすいため、ハードコートフィルムのカールが発生しやすくなり好ましくない。
放射線硬化型樹脂の例としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等のラジカル重合性官能基や、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタン基等のカチオン重合性官能基を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーを単独で、または適宜混合した組成物が用いられる。モノマーの例としては、アクリル酸メチル、メチルメタクリレート、メトキシポリエチレンメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を挙げることができる。オリゴマー、プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、フェニレングリシジルエーテルヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、フェニルグリシジルエーテルトリエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどの多官能ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アルキットアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート等のアクリレート化合物、不飽和ポリエステル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルや各種脂環式エポキシ等のエポキシ系化合物、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル等のオキセタン化合物を挙げることができる。
ハードコート層が3.0μmより薄い場合は表面硬度が低下する。
ハードコート層が20.0μmより厚い場合は、ハードコート層の硬化収縮時の応力を樹脂フィルムが吸収・緩和しにくくなるため、ハードコートフィルムにカールが発生したり、ハードコート層表面にマイクロクラックが発生したり、樹脂フィルムとの密着性が低下したり、さらには光透過性が低下したりする。そして、膜厚の増加に伴う必要塗料量の増加によるコストアップの原因ともなる。
有機の微粒子としては、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン系樹脂等を使用することができる。
無機の微粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化インジウム、酸化アンチモン等があげられる。またこれらの複合物も使用することができる。これらのなかでも酸化チタン、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウムが好ましい。
上記の有機および無機の微粒子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ハードコートフィルムを構成する樹脂フィルム上に、上記の偏光基体を積層する前に、ハードコートフィルムにケン化処理を行うことにより、該ハードコートフィルムを構成するハードコート層と偏光基体との密着性(接着力)を向上させることができる。従来のハードコートフィルムでは、該ケン化処理により、ハードコートフィルムにカールや割れの発生が著しく認められるものであったが、本発明によれば、ケン化後のハードコートフィルムにおいてもカールや割れの発生を減少させることができ。
ハードコート層は樹脂フィルムの片面に積層されていても両面に積層されていてもよい。
更には、当該ハードコートフィルムは他の層を有していてもよい。ここで他の層としては、例えば、偏光基体、低反射層、他の機能付与層(例えば、帯電防止層、近赤外線(NIR)吸収層、ネオンカット層、電磁波シールド層、ハードコート層)、を挙げることができる。また、当該他の層の位置は、例えば、偏光基体の場合には前記ハードコート層とは反対面の前記樹脂フィルム上とし、低反射層の場合には前記ハードコート層上とし、他の機能性付与層の場合には前記ハードコート層の下層とする。
本発明のハードコートフィルムの製造方法は、例えば、樹脂フィルム上に放射線硬化型樹脂塗料を塗工し、乾燥後、放射線硬化させ作成することにより行う。塗工の際には、A×1500<Bの関係式を満たすようにすればよい。樹脂フィルム上に塗料を塗工する手法としては、通常の塗工方式や印刷方式が適用される。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が使用できる。
また、本発明のハードコートフィルムはA×1500<Bの関係式を満たすために、Roll−to−Rollで製造しても、割れ、硬化収縮によるシワやカールが生じにくいため、歩留まりを向上させることができる。
メタアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン2.8部、メチルエチルケトンシリカゾル(日産化学工業(株)製、商品名:MEK−ST−L、数平均粒子径45nm、シリカ濃度30%)95.6部(固形分27.4部)及びイオン交換水0.1部の混合液を、80℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.4部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで本発明の透光性微粒子の分散液(A液)を得た。全固形分濃度を求めたところ32%で、該透光性微粒子の平均粒子径は45nmであった。ここで、平均粒子径は透過型電子顕微鏡により測定した。
表1に記載された成分からなる混合物をディスパーにて30分間分散することによって得られた光学機能層用の塗料を、膜厚40μm、全光線透過率92%からなる透光性基体のTAC(コニカミノルタオプト社製;KC4UYW)の片面上にロールコーティング方式にて塗布(ラインスピード;20m/分)し、風量0.5m/sec、30〜50℃で20秒間予備乾燥を経た後、100℃で1分間乾燥し、窒素雰囲気(窒素ガス置換)中で紫外線照射(ランプ;集光型高圧水銀灯、ランプ出力;120W/cm、灯数:2灯、照射距離;20cm)を行うことで塗工膜を硬化させた。このようにして、厚さ10.0μmの光学機能層を有する実施例1、2、4比較例1〜3の光学積層体を得た。また、透光性基体の膜厚を80μm、光学機能層の厚さを12.0μmにして、実施例3の光学積層体を得た。
光学機能層の厚さを2μmとした以外は、実施例1と同様にして、本発明の比較例4の光学積層体を得た。
JIS K5600のクロスカット法に従い、行った。
尚、カットの間隔は1mmとし、カット数は11個とする。評価はクロスカットした格子の剥がれていない個数の割合を、%で表示する。例えば、5個剥がれていれば、95/100と表示する。
全光線透過率
JIS K7105に従い、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色社製)を用いて測定した。
ヘイズ
JIS K7105に従い、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色社製)を用いて測定した。
水の接触角(θ/2法)
まず、光学機能層表面の水の接触角を測定した。次にケン化処理された光学機能層表面の水の接触角を測定した。水の接触角は、JIS R3257(基板ガラス表面のぬれ性試験方法)に準拠し、接触角計(商品名;エルマG−1型接触角計、エルマ社製)を使用して、測定した。
光学積層体のケン化処理は以下の手順に従う。
(1)55℃、6%の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬。
(2)30秒間水洗。
(3)35℃、0.1規定の硫酸に30秒間浸漬。
(4)30秒間水洗。
(5)120℃、1分間、熱風乾燥。
接触角の値が大きければ撥水効果が上がり、耐薬品性、耐磨耗性、防汚性が良くなる。ケン化処理前の接触角は90°以上、好ましくは100°以上で、ケン化処理後の接触角は70°以上、好ましくは80°以上が良い。
カール
まず、作製した光学積層体をJIS K5600−1−6(養生並びに試験の温度及び湿度)に示す環境下(温度 23±2℃、湿度 50±5RH%)に16時間放置する。次に、同環境下で10cm×10cmの測定サンプルを切り出し、光学機能層が上になるように平板の上に置き、図1に示す「測定部」を測定した。測定値が、0〜10mm未満のものを×、10〜30mm未満のものを△、30〜50mm未満のものを○、50mm以上のものを◎とした。
防汚性
作製した光学積層体の光学機能層上に油性ペン(商品名:マッキー、ZEBRA製)で3cm長さの線を引き、1分間放置後、クリーンワイパー(品番;FF−390C クラレクラフレックス株式会社製)により拭き取る方法で評価した。500g/cm2荷重で20回往復擦った後、完全に拭き取れた場合を○、拭き取れない部分があった場合を△、全く拭き取れない場合を×とした。
耐薬品性
リグロイン、トルエン、硫酸(10%)、NaOH(6%)、エタノール、中性洗剤(ファミリーピュア)、ハンドクリーム(ニベア)、ヘアリキッド(サクセス:モーニングヘアウォータ)の各試薬を光学機能層表面に滴下後、10時間放置してからクリーンワイパー(品番;FF−390C クラレクラフレックス株式会社製)で、500g/cm2荷重、20回ラビングして拭き取る方法で評価した。拭き取った後、外観の変化の有無を目視評価した。全ての薬品に対し、変化無き場合を○、白化等どれかひとつの薬品においても変化が認められる場合を×とした。
耐スクラッチ性
日本スチールウール社製のスチールウール#0000を耐磨耗試験機(Fu Chien社製 Abrasion Tester、Model;339)に取り付け、光学機能層面を荷重250g/cm2にて10回往復させた。その後、磨耗部分の傷を蛍光灯下で確認した。傷の数が0本のとき◎、傷の数が1〜10本未満のとき○、傷の数が10〜30本未満のとき△、傷の数が30本以上のとき×とした。
表面硬度(鉛筆硬度)
鉛筆硬度計(ヨシミツ精機社製)を用い、JIS 5400に準拠して、測定した。測定回数は5回とし、傷がついてない本数をカウントした。例えば、3Hの鉛筆で、3本傷がなければ、3/5(3H)というようにした。鉛筆硬度は4/5(3H)以上を良好とした。
干渉ムラ
クロスニコルの偏光板表面に光学機能層が表側になるように、屈折率1.5の粘着層(膜厚20μm)を介して貼合し、三波長の蛍光灯下(松下電器産業社製:FLR40S・EX−N/M−X、照度約500ルクス)の反射にて、目視評価した。干渉ムラが確認できない場合を○、僅かに薄く確認できる場合を△、ハッキリ確認できる場合を×とした。
フッ素の元素比率
光学機能層表面のフッ素元素の量を、ESCAにより評価した。
測定条件は以下の通り。
測定装置 ;アルバック・ファイ社製 Quantera SXM
光電子の取り込み角度 ;45度
X線出力 ;25.0W
測定X線径 ;100μm
Pass Energy ;112.0eV
測定元素 ;C1s、O1s、F1s、Si2p
ESCAにより、光学機能層表面から、深さ5nmまでに存在するC1s、O1s、F1s、Si2pを測定した。得られた元素ピーク面積から、元素比率を算出した。
多官能アクリレート 共栄社化学 PE3A : ペンタエリスリトールトリアクリレート(3官能)
多官能ウレタンアクリレート 共栄社化学 UA−306H : ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(6官能)
多官能アクリル 日本化薬 PET−30 : ペンタエリスリトールトリアクリレート(3官能)
多官能アクリル 東亞合成 M−305 : ペンタエリスリトールトリアクリレート(3官能)
単官能アクリレート 共栄社化学 HOP−A : 2−ヒドロキシプロピルアクリレート(1官能)
フッ素化アクリレート 共栄社化学 LINC−3A : トリアクロイルヘプタデカフルオロノネニルペンタエリスリトール(4官能)65%とペンタエリスリトールテトラアクリレート(4官能)35%の混合物(下記化8)
フッ素化アクリレート 共栄社化学 LINK−102A : 下記化9に示す化合物
ハードコート層用塗料として下記の塗料成分からなる混合物をディスパーにて1時間攪拌することによって得られた塗料を、膜厚40μm、全光線透過率92%からなる樹脂フィルムのTAC(コニカミノルタ社製 製品名:KC4UYW)の片面上に、ダイヘッドコーティング方式にて塗布し、100℃で1分間乾燥後、窒素雰囲気中で120W/cm集光型高圧水銀灯2灯で紫外線照射(照射距離10cm、照射時間30秒)を行い、塗工膜を硬化させた。ハードコート層厚は19μmとし、耳取り幅は30mmとした。このようにして、実施例5のハードコートフィルムを得た。
・多官能アクリレート(共栄社化学社製 製品名:ライトアクリレートDPE−6A) 150部
・多官能ウレタンアクリレート(新中村化学社製 製品名:U−6HA) 40部
・光開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製 製品名:イルガキュア184) 9部
・レベリング剤(共栄社化学社製 製品名:ポリフローNo.77) 1部
・溶剤(MEK) 200部
ハードコート層の膜厚を10μm、耳取り幅を20mmとした以外は実施例5と同様にして、本発明の実施例6のハードコートフィルムを得た。
ハードコート層用の塗料成分を下記に示すものに変更し、ハードコート層の膜厚を9μm、耳取り幅を15mmとした以外は実施例5と同様にして、本発明の実施例7のハードコートフィルムを得た。
・多官能アクリレート(新中村化学社製 製品名:A−DPH) 130部
・多官能ウレタンアクリレート(日本合成化学社製 製品名:紫光UV−1700B) 60部
・光開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製 製品名:イルガキュア127) 9部
・レベリング剤(共栄社化学社製 製品名:ポリフローNo.77) 1部
・溶剤(MEK) 120部
・溶剤(MIBK) 80部
樹脂フィルムを厚さ80μmのTAC(富士フイルムオプトマテリアルズ社製 製品名:TD80)に変更し、耳取り幅を29mmとした以外は実施例5と同様にして、本発明の実施例8のハードコートフィルムを得た。
樹脂フィルムを厚さ75μmのPET(東洋紡社製 製品名:A4300)フィルムに変更した以外は実施例5と同様にして、本発明の実施例9のハードコートフィルムを得た。
耳取り幅を20mmとした以外は、実施例5同様にして、比較例5のハードコートフィルムを得た。
ハードコート層の厚さを28μmとした以外は実施例5同様にして、比較例6のハードコートフィルムを得た。
ハードコートフィルムの厚さを10μm、耳取り幅を5mmとした以外は実施例5と同様にして、比較例7のハードコートフィルムを得た。
ハードコート層用の塗料成分を下記に示すものに変更し、ハードコート層の膜厚を15μm、耳取り幅を10mmとした以外は実施例5と同様にして、比較例8のハードコートフィルムを得た。
・多官能アクリレート(共栄社化学社製 製品名:ライトアクリレートDPE−6A) 40部
・多官能ウレタンアクリレート(新中村化学社製 製品名:U−6HA) 150部
・光開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製 製品名:イルガキュア184) 9部
・レベリング剤(共栄社化学社製 製品名:ポリフローNo.77) 1部
・溶剤(MEK) 200部
実施例5〜9および比較例5〜8のハードコートフィルムを長さ1.5m作製した。次に、図4(a)に示すように、ハードコートフィルム1を水平な台座30の上に、塗工面が上側になるように載せ、ハードコートフィルム1の四隅を水平な台座30にセロテープ(登録商標)40で固定した。
次に、ハードコート層をJIS K5600−1−6(養生並びに試験の温度及び湿度)に示す環境下(温度23±2℃、湿度50±5RH%)に16時間放置した。
続いて、ハードコートフィルム1をセロテープ(登録商標)40で固定した端から0.5mの部位において、水平な台座30からの反り上がり高さCを各々測定した。反り上がり高さCは、図4(b)に示すように、水平な台座30の中心からハードコートフィルム1までの距離である。5回試験し、その平均値をカールの測定値とした。
尚、カールは20mm以下を良(○)とし、20mmを超える場合は、ハードコートフィルムもしくは、それを使用した各種2次加工製品(例えば、ハードコートフィルムにケン化処理を施した偏光板保護フィルム)の生産に大きな影響を与えるために×とした。
塗工方向の10本のシワとシワの平均間隔が10mm以上を○、5mm以上、10mm未満を△、5mm未満、もしくはフィルムにクラック(割れ)や折れが入った場合を×とした。
密着性は、JIS K5600のクロスカット法に従い、行った。
尚、カットの間隔は1mmとし、カット数は11個とする。評価はクロスカットした格子の剥がれていない個数の割合を、%で表示する。例えば、5個剥がれていれば、95/100と表示する。
鉛筆硬度は、JIS 5400に従い、5回試験し、傷がついてない本数をカウントした。例えば、3Hの鉛筆で、3本傷がなければ、3/5(3H)というようにした。
一方、比較例5〜8のハードコートフィルムはA×1500<Bの関係式を満たさないために、割れ、シワ、カールが発生したり、表面硬度が4H以上を満たさない等、本発明のハードコートフィルムとしては使用することができないものであった。
また、本発明(β)のハードコートフィルムはA×1500<Bの関係式を満たすため、ハードコートフィルムをRoll−to−Rollにより作製する工程やその二次加工プロセス(例えば、ケン化処理)を行う場合においても、カールが生じにくいハードコートフィルムを提供することができる。
1a、1b ハードコートフィルムの端面
10 樹脂フィルム
11a、11b 樹脂フィルムの端面
12a、12b 樹脂フィルムの縁部
20 ハードコート層
21a、21b ハードコート層の端面
22a、22b 樹脂フィルムの縁部
30 水平な台座
40 セロテープ(登録商標)
Claims (9)
- 透光性基体の片面又は両面に、直接又は他の層を介して、光学機能層を設けた光学積層体において、
前記光学機能層が、厚さ3〜50μmであり、
透光性樹脂と透光性微粒子とを含有し、
前記透光性樹脂が、電離放射線硬化型多官能アクリレートと、前記光学機能層中の固形成分の全重量に対して0.05〜50重量%の電離放射線硬化型フッ素化アクリレートとを含有する樹脂組成物に対して電離放射線を照射することにより形成されることを特徴とする、光学積層体。 - 前記フッ素化アクリレートが、前記光学機能層の前記透光性基体側より、表面側に偏在している、請求項1記載の光学積層体。
- 更に、偏光基体を有する、請求項1又は2記載の光学積層体。
- 請求項1又は2に記載の光学機能層が表面凹凸構造を具備してなることを特徴とする防眩フィルム。
- 樹脂フィルム上にハードコート層が積層されてなり、
該ハードコート層の厚さをA(mm)とし、
該樹脂フィルムの縁部から該ハードコート層の縁部までの幅(耳取り幅)をB(mm)としたとき、A×1500<B(但し、0.003mm≦A≦0.020mm)
であることを特徴とするハードコートフィルム。 - 前記樹脂フィルムの弾性率が2GPa〜8GPaであることを特徴とする請求項5に記載のハードコートフィルム。
- 前記樹脂フィルムの厚さが5〜100μmであることを特徴とする請求項5に記載のハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層が放射線硬化型樹脂を含有し、該放射線硬化型樹脂の体積収縮率が5〜25%であることを特徴とする請求項5に記載のハードコートフィルム。
- 請求項5〜8いずれかに記載のハードコート層が表面凹凸構造を具備してなることを特徴とする防眩フィルム。
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