JPWO2010035764A1 - 光学積層体およびハードコートフィルム - Google Patents

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和也 大石
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将臣 桑原
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英輝 森内
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Abstract

【課題】 優れた表面硬度を備えながら、割れや硬化収縮によるカールが抑制されていて、かつ、画面の視認性が良好で、LCDやPDPのTV用途にも好適に使用できる光学積層体の提供。【解決手段】 透光性基体の片面又は両面に、直接又は他の層を介して、光学機能層を設けた光学積層体において、前記光学機能層が、厚さ3〜50μmであり、透光性樹脂と透光性微粒子とを含有し、前記透光性樹脂が、電離放射線硬化型多官能アクリレートと、前記光学機能層中の固形成分の全重量に対して5〜50重量%の電離放射線硬化型フッ素化アクリレートとを含有する樹脂組成物に対して電離放射線を照射することにより形成されることを特徴とする、光学積層体。【選択図】 なし

Description

本発明(α)は、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等のディスプレイ表面に設ける光学積層体に関し、特に耐擦傷性、耐薬品性、画面の視認性を改善するための光学積層体に関する。
本発明(β)は、ハードコートフィルムに関し、特に、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等のディスプレイ表面に好ましく使用することができるハードコートフィルムに関する。
各種画像表示装置のーつにLCDがあるが、LCDの高視野角化、高精細化、高速応答性、色再現性などに関する技術革新に伴い、LCDを利用するアプリケーションもノートパソコンやモニターからテレビへと変化しつつある。LCDの基本的な構成は、二枚の透明電極を有する平板状ガラスの間に一定間隔のギャップがスペーサーにより設けられており、そこに、液晶材料が注入、封止されて、平板状ガラスの表裏面には偏光板が貼付されている。偏光板は傷付き易いため、従来は、LCD表面にガラスやプラスチックからなるカバープレートを装着し、LCD表面に貼付している偏光板への傷付き防止を図っていた。しかし、カバープレートを装着するとコスト、重量の面で不利であり、次第に表面に光学機能層処理が施された偏光板が用いられるようになってきた。ハードコート処理は、通常、透明プラスチックフィルム基体にハードコート層を設けたハードコートフィルムを偏光板表面に設けることにより行われる。
光学機能層は、通常、熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂を用いて透明プラスチックフィルム上に数μm程度の薄い塗膜として形成される。しかし光学機能層の厚さが十分でないと、下地である透明プラスチックフィルム基体の影響を受け、光学機能層表面に傷が入ってしまう。LCD用途では、主にトリアセチルセルロース(TAC)フィルムが透明プラスチックフィルム基体として使用されているが、上記の場合、ハードコート表面の耐擦傷性を評価する代表的測定法の鉛筆硬度(JIS K5600)で、2〜3H程度が一般的であった。
LCDやPDPのテレビ市場への普及は目覚ましいが、家庭用テレビの一般消費者は、これらのディスプレイに対しても、従来CRTテレビと同様、厳しい取り扱い(物理的・機械的・化学的刺激などによる負荷)が予想される。例えば、ディスプレイ表面に付着した埃や指紋などの汚れを、ガラスクリーナー(界面活性剤系、有機溶剤系など様々)を染み込ませた雑巾で拭いたり、子供がおもちゃなどで表面を擦ったり、叩いたりなどである。CRTのブラウン管は耐薬品性に優れたガラス製で、しかも、表面硬度が鉛筆硬度で9H程度あるため、これらの負荷に対する耐久性は充分であった。しかし、上記ディスプレイに搭載されているハードコートフィルム表面は鉛筆硬度が低く、耐薬品性も充分とは言えず、改善が求められている。
また、ハードコートフィルムを各種画像表示装置に貼着した場合、ディスプレイ表面、すなわち、ハードコートフィルム表面の光の反射によるコントラストの低下、並びにハードコート層の微小な膜厚のバラツキなどによって生じる光の干渉ムラ(詳細後述)などにより、視認性が低下するという問題も有していた。そのため、ハードコートフィルムには、上記表面硬度の他に視認性の向上も要求されている。
ハードコート層の表面硬度を向上させる方法として、単純にハードコート層の厚みを増加させる方法等が考えられる。しかし、前記方法では硬度は硬くなるものの、ハードコート層の硬化収縮によってシワやカールが大きくなるとともにハードコート層の割れや剥がれが生じやすくなるため、実用上使用できるものではなかった。そこで、近年、ハードコートフィルムの高硬度化を実現するとともに、ハードコート層の割れや硬化収縮によるカールの課題を解決する方法が幾つか提案されている(特許文献1乃至特許文献4)。
特許文献1には、透明プラスチックフィルム基体の少なくとも片面に紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂を含む組成物から成る硬化塗膜層(光学機能層)を形成した偏光板用保護フィルムが提案されている。紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂としては、ジペンタエリスリトールへキサアクリレートが主に例示されている。当該樹脂をプラスチックフィルム基材上に塗工を行った場合、硬化塗膜層の厚みを10μm以上にすることで鉛筆硬度が4H以上の硬度を確保することは可能であるが、硬化収縮によるカールを同時に抑制することは困難である。
特許文献2には、透明プラスチックフィルム基体の少なくとも一方の面に、厚み3〜50μmの1層または多層からなる緩衝層を設け、更に緩衝層上に厚み3〜15μmのハードコート層を形成してなるハードコートフィルムが提案されている。前記透明プラスチックフィルム基体、緩衝層および光学機能層の各々の鉛筆硬度は、この順序で増大した値を有し、これによりハードコートフィルム全体としての鉛筆硬度4H〜8Hを有するように設計されている。しかし、特許文献2では、光学機能層の他に緩衝層が必要であり、少なくとも二層構成にすることが要求されるため生産工程が複雑になり、生産コストが高くなるという欠点がある。
特許文献3には、透明プラスチックフィルムもしくはシート基材の少なくとも一方の面に、第1ハードコート層として無機質或いは有機質の内部架橋超微粒子を含有する硬化光学機能層を設けた後、更に第2ハードコート層として無機質或いは有機質の内部架橋粒子を含有しないクリア硬化樹脂の薄膜を設けたものが提案される。しかし、特許文献3も特許文献2と同様に二層構成にすることで生産工程が複雑になり、生産コストが高くなるという欠点がある。
特許文献4には、透明プラスチックフィルム基体の少なくとも一方の面に、少なくとも1層のハードコート層が形成されているハードコートフィルムであって、ハードコート層形成材料が樹脂100重量部当たり無機微粒子を20〜80重量部含有し、且つハードコート層全体の厚みが10μm〜50μmであり、且つ表面の鉛筆硬度が4H以上であるものが提案されている。しかし、特許文献4で用いている、ポリエステルアクリレートまたはポリウレタンアクリレート等の樹脂に対して無機微粒子を前記割合で含有したハードコート層形成材料により、透明プラスチックフィルム基体上に10μm以上の厚みでハードコート層を形成した場合には、十分な硬度の確保と硬化収縮によるカールの抑制のバランスをとることが困難である。
ハードコートフィルムの視認性を向上させる方法として、透明プラスチックフィルム基体上に、ウレタンアクリレート、イソシアヌル酸アクリレート、及び無機透光性微粒子を含むハードコート層を有するハードコートフィルムが提案されている(特許文献5)。これは、無機透光性微粒子により、透明プラスチック基体とハードコート層の屈折率の差を合わせ込むことで、ハードコートフィルムの反射と光の干渉縞を防止するといった内容のものである。確かに、無機透光性微粒子によるハードコート層の屈折率調整により、ハードコートフィルムの反射は軽減されるものの、ハードコート層構成材料の相溶性や分散性が不十分なために成膜性が悪く、ハードコート層厚が微妙にばらつくために、干渉縞克服が困難であった。また、成膜性の悪さから加工性も充分といえるものではなかった。
表面の鉛筆硬度向上には、ハードコート層を厚くしなければならないが、ハードコート層を厚くするとハードコート層と透明プラスチックフィルム基体間の密着性が悪くなるため、ハードコートフィルムにカールやシワが生じる問題を有していた。当該問題は、ハードコート層の構成材料である電離放射線硬化型樹脂を硬化させてハードコート層を形成させる際に、当該電離放射線硬化型樹脂が硬化収縮することが一因であった。前記カール・シワ対策として、シリカなどの無機微粒子をハードコート層内に充填する提案がなされている(特許文献6)。偏光基体として用いる場合、偏光板化に際し、事前にケン化処理を施さなければならない。しかし、当該ケン化処理により、シリカがケン化液中に溶出し、シリカの効果が消失してしまうといった問題を有していた。
ハードコートフィルムは筐体の表面やディスプレイ表面などに設けられてなり、表面硬度を向上させることによって、各構成部材の傷付き防止を図ることができる。ハードコートフィルムは、樹脂フィルム上にハードコート層が1層あるいは複数層積層されたり、樹脂フィルムとハードコート層の間に別の層を有する。
ハードコートフィルムは、樹脂フィルム上に、ハードコート層として熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂を塗布した後、硬化させることにより形成される。ハードコート層の厚さは数μm程度で、ハードコート層の表面硬度は鉛筆硬度(JIS K5400)で、H〜3Hというのが一般的である。
また、樹脂フィルムを有効に活用する観点からは、樹脂フィルムの片面または両面を全て覆うようにしてハードコート層を形成させることが一般的である。
ハードコート層の表面硬度を向上させる方法として、ハードコート層の厚みを増加させる方法が挙げられる。しかし、当該方法ではハードコート層の表面硬度が向上するものの、該ハードコート層の割れや剥がれが生じやすくなると同時に、ハードコートフィルムの製造プロセスや、それを使用した各種2次加工プロセスでシワやカールなどのトラブルが発生するため、実用上使用できるものではなかった。上記のシワやカールなどの問題はハードコート層の表面硬度が高くなるほど発生しやすくなるものであった。上記のシワやカールなどの問題は光学用途に使用する場合に特に問題となる。例えば、ハードコートフィルムを偏光板用保護フィルムとして使用する場合、該ハードコートフィルムにケン化(酸・アルカリ)処理を施すのが一般的である。ケン化処理によって該ハードコートフィルムの表面改質がなされ、接着剤や粘着剤の塗布性が向上する。これにより接着剤や粘着剤を介して、偏光基板と、ハードコートフィルムとの密着性が向上する。しかしながら、ケン化処理によって、ハードコートフィルムに割れ、硬化収縮によるシワやカールが起きやすくなる問題を有していた。
また、Roll−to−Rollによりハードコートフィルムを作成することにより生産性が向上する。しかしながら、ハードコートフィルムをRoll−to−Rollにより作製する工程や、その二次加工プロセス(例えば、ケン化処理)を行う場合において、ハードコートフィルムに割れ、硬化収縮によるシワやカールが起きやすくなる問題を有していた。
また、例えば、特許文献1には、透明樹脂フィルムの少なくとも片面にジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとシリカ微粒子とを含む組成物から成る硬化塗膜層を形成した偏光板用保護フィルムが提案されている。当該樹脂を透明樹脂フィルム基材上に塗工を行った場合、硬化塗膜層の厚みを10μm以上にすることで鉛筆硬度が4H以上の硬度を確保することができる。しかしながら、硬化塗膜層の厚みを10μm以上にすると、硬化収縮によるカールの発生を抑制することは困難であった。このカールの発生は、ケン化処理によってさらに起きやすくなるものであった。
特許文献2には、プラスチック基材フィルムの少なくとも一方の面に、厚み3〜50μmの1層または多層からなる緩衝層を設け、更に緩衝層上に厚み3〜15μmのハードコート層を形成してなるハードコートフィルムが提案されている。前記透明プラスチックフィルム基体、緩衝層およびハードコート層の各々の鉛筆硬度は、この順序で増大した値を有し、これによりハードコートフィルム全体としての鉛筆硬度4H〜8Hを有するように設計されている。しかしながら、特許文献2に開示された発明では、ハードコート層に加えて緩衝層が必要となるため、生産工程に負荷を与えるという欠点がある。
特開平9−113728号公報 特開平11−300873号公報 特開2000−52472号公報 特開2000−112379号公報 特開2006−106427号公報 特開2003−248101号公報
本発明(α)は、優れた表面硬度を備えながら、割れや硬化収縮によるカールが抑制されていて、かつ、画面の視認性が良好で、LCDやPDPのTV用途にも好適に使用できる光学積層体を提供することを目的とする。
従来、高い表面硬度を有し、カールやシワの発生がしにくく、耐薬品性(例えば、ケン化処理におけるアルカリ処理)に優れた光学積層体は存在しなかった。そこで、本発明(α)は、耐スクラッチ性に優れ、高い表面硬度(鉛筆硬度)を有し、耐薬品性に優れ、カールの発生が少なく、防汚性に優れる光学機能層(例えばハードコート層や、防眩層)を有する光学積層体を提供することを目的とする。また、光学積層体にケン化処理を施した場合においても、透光性微粒子(例えば、シリカ)がケン化液中に溶出し、透光性微粒子の効果が消失することがない光学積層体を提供することを目的とする。
本発明(β)は、樹脂フィルム上にハードコート層を1層積層した層構成であって、該ハードコート層の鉛筆硬度が4H以上の場合であっても、カールが生じにくいハードコートフィルムを提供することを目的とする。
また、本発明(β)は、ハードコートフィルムをRoll−to−Rollにより作製する工程やその二次加工プロセス(例えば、ケン化処理)を行う場合においても、カールが生じにくいハードコートフィルムを提供することも目的とする。
本発明(α)は、以下の発明(1)〜(4)である。
本発明(1)は、透光性基体の片面又は両面に、直接又は他の層を介して、光学機能層を設けた光学積層体において、
前記光学機能層が、厚さ3〜50μmであり、
透光性樹脂と透光性微粒子とを含有し、
前記透光性樹脂が、電離放射線硬化型多官能アクリレートと、前記光学機能層中の固形成分の全重量に対して0.05〜50重量%の電離放射線硬化型フッ素化アクリレートとを含有する樹脂組成物に対して電離放射線を照射することにより形成されることを特徴とする、光学積層体である。
本発明(2)は、フッ素化アクリレートが、光学機能層の前記透光性基体側より、表面側に偏在している、前記発明(1)の光学積層体である。
本発明(3)は、更に、偏光基体を有する、前記発明(1)又は(2)の光学積層体である。
本発明(4)は、前記発明(1)又は(2)に記載の光学機能層が表面凹凸構造を具備してなることを特徴とする防眩フィルムである。
本発明(β)は、下記の発明(5)〜(9)の技術的構成により上記課題を解決したものである。
(5)樹脂フィルム上にハードコート層が積層されてなり、該ハードコート層の厚さをA(mm)とし、該樹脂フィルムの縁部から該ハードコート層の縁部までの幅(耳取り幅)をB(mm)としたとき、A×1500<B(但し、0.003mm≦A≦0.020mm)であることを特徴とするハードコートフィルム。
(6)前記樹脂フィルムの弾性率が2GPa〜8GPaであることを特徴とする(5)に記載のハードコートフィルム。
(7)前記樹脂フィルムの厚さが5〜100μmであることを特徴とする(5)に記載のハードコートフィルム。
(8)前記ハードコート層が放射線硬化型樹脂を含有し、該放射線硬化型樹脂の体積収縮率が5〜25%であることを特徴とする(5)に記載のハードコートフィルム。
(9)前記発明(5)〜(8)いずれかに記載のハードコート層が表面凹凸構造を具備してなることを特徴とする防眩フィルム。
尚、本明細書において、「光学積層体」と「ハードコートフィルム」は同じものを意味する。
本発明(1)によれば、光学機能層の樹脂組成物が多官能アクリレートとフッ素化アクリレートとを含有する結果、表面硬度が向上し、更に、光学機能層表面に滑り性を付与することができるため、耐スクラッチ性が向上する効果を奏する。また、光学機能層の樹脂組成物がフッ素化アクリレートを含有するため、当該成分の撥水効果で、耐薬品性、防汚性が向上する効果を奏する。更に、透光性微粒子が樹脂マトリックスの分子の間に分散することで、多官能アクリレート等のUV樹脂の硬化収縮を軽減させ、カールを防止できるという効果を奏する。
本発明(2)によれば、フッ素化アクリレートが表面側に偏在することにより、当該フッ素化アクリレート成分が表面に露出し易くなり、表面の滑り性の向上に伴うスクラッチ性の向上や、撥水効果による耐薬品性、防汚性の向上といった効果がより顕著になる。また、フッ素を有する材料は一般的に高価であるため、光学機能層の表面にフッ素を偏在させることによりフッ素を有する材料の添加量を軽減できることから経済的に有利である。
本発明(3)によれば、偏光基体を設けるに際して、必須的に行なわれるケン化処理が行われたとしても、光学機能層に分散された透光性微粒子(例えば、シリカ)がケン化処理液にほとんど溶け出すことがないため、カール防止効果が持続される。
本発明(β)によれば、樹脂フィルムの片面または両面を全て覆うようにしてハードコート層を形成させた従来のハードコートフィルムに比べ、本発明のハードコートフィルムは、ハードコート層の厚さA(mm)と樹脂フィルムの縁部からハードコート層の縁部までの幅B(mm)の関係式をA×1500<B(但し、0.003mm≦A≦0.020mm)としたため、樹脂フィルム上にハードコート層を1層積層した層構成であって、該ハードコート層の鉛筆硬度が4H以上の場合であってもカールが生じにくいハードコートフィルムを提供することができる。
また、本発明(β)は、ハードコートフィルムをRoll−to−Rollにより作製する工程やその二次加工プロセス(例えば、ケン化処理)を行う場合においても、カールが生じにくいハードコートフィルムを提供することができる。
本発明(6)(7)によれば、割れ、硬化収縮によるシワが生じにくいハードコートフィルムを提供することができる。
図1は、本発明(α)に係るカールの測定方法を示す図である。 本発明(β)のハードコートフィルムの平面図である。 本発明(β)のハードコートフィルムの断面図である。 本発明(β)に係るカールの測定方法を示す図であって、(a)平面図、(b)側面図の部分拡大図、である。
以下、本発明(α)に係る光学積層体に関して説明する。
本最良形態に係る光学積層体は、透光性基体上に、光学機能層が積層されたものを基本構成とする。尚、本最良形態に係る光学機能層は、光学積層体の最表面に位置し、ハードコート層として用いられる又は低屈折率層として用いられることが好適である。ここで、前記光学機能層は透光性基体の片面に積層されていても両面に積層されていてもよい。更には、当該光学積層体は他の層を有していてもよい。ここで他の層としては、例えば、偏光基体、ハードコート層(例えば光学機能層が低屈折率層として用いられる場合に設けられる。)、他の機能付与層(例えば、帯電防止層、近赤外線(NIR)、吸収層、ネオンカット層、電磁波シールド層、光学機能層)、を挙げることができる。また、当該他の層の位置は、例えば、偏光基体の場合には前記光学機能層とは反対面の前記透光性基体上とし、他の機能性付与層の場合には前記光学機能層の下層とする。また、当該光学機能層を低反射層として機能させてもよい。以下、本最良形態に係る光学積層体の各構成要素(透光性基体、光学機能層等)を詳述する。
はじめに、本最良形態に係る透光性基体としては、透光性である限り特に限定されず、石英ガラスやソーダガラス等のガラスも使用可能であるが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、含ノルボルネン樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド等の各種樹脂フィルムを好適に使用することができる。これらのフィルムは無延伸のものも、延伸加工を施したものも使用可能である。特に二軸延伸加工されたポリエチレンテレフタレートフィルムが、機械的強度や寸法安定性に優れる点で好ましく、無延伸のトリアセチルセルロース(TAC)はフィルム面内の位相差が非常に少ないという点で好ましい。なお、PDP、LCDに用いる場合は、これらのPET、TACフィルムがより好ましい。
これら透光性基体の透明性は高いものほど良好であるが、全光線透過率(JIS K7105)としては80%以上、より好ましくは90%以上が良い。また、透光性基体の厚さとしては、軽量化の観点からは薄い方が好ましいが、その生産性やハンドリング性を考慮すると、1〜700μmの範囲のもの、好ましくは20〜250μmを使用することが好適である。本発明の光学積層体をLCD用途に使用する場合、透光性基体として20〜80μmのTACを使用することが好ましい。本発明の光学積層体においては、特に透光性基体として20〜80μmのTACを使用した場合において、カールを防止することができるため、薄型軽量化が求められているLCD用途に好適に使用することができる。
また、透光性基体に、アルカリ処理、コロナ処理、プラズマ処理、スパッタ処理、ケン化処理等の表面処理や、界面活性剤、シランカップリング剤等の塗布、またはSi蒸着などの表面改質処理を行うことにより、透光性基体と光学機能層との密着性を向上させることができる。これらの処理を行うことによって、透光性基体と光学機能層との密着性が向上するため、当該光学機能層における耐スクラッチ性、表面硬度及び耐薬品性が向上する。
次に、本最良形態に係る光学機能層について詳述する。本最良形態にかかる光学機能層に必須に含まれる透光性樹脂は、電離放射線硬化型多官能アクリレートと電離放射線硬化型フッ素化アクリレートとを含有する樹脂組成物に対して電離放射線を照射することにより形成される。電離放射線硬化型多官能アクリレートの配合量は、光学機能層中の固形成分の全重量に対して、20〜80重量%が好適であり、30〜60重量%がより好適である。電離放射線硬化型フッ素化アクリレートの配合量は、光学機能層中の固形成分の全重量に対して、0.05〜50重量%が必須に含有され、0.2〜50重量%が好適であり、5〜50重量%がより好適であり、10〜40重量%が更に好適である。電離放射線硬化型多官能アクリレートの配合量が20重量%よりも少ないと、光学機能層の架橋密度が低下し、鉛筆硬度が悪くなる。また、80重量%よりも多いと、カールが発生し易くなる。電離放射線硬化型フッ素化アクリレートの配合量が0.05重量%よりも少ないと、撥水効果、滑り性が低下し、耐スクラッチ性、防汚性、耐薬品性が悪くなる。
ここで、フッ素化アクリレートが透光性基体側より表面側に偏在していることが好適である。当該構造を有することにより、スクラッチ性、耐薬品性、防汚性といった効果がより顕著になる。特に、フッ素化アクリレートが光学機能層の透光性基体側から表面側にかけて漸増的に存在することがより好適である。尚、本明細書及び本特許請求の範囲では、光学機能層中のフッ素化アクリレート由来成分(フッ素化アクリレートが電離放射線により硬化した成分)及び多官能アクリレート由来成分(多官能アクリレートが電離放射線により硬化した成分)について単に「フッ素化アクリレート」及び「多官能アクリレート」と簡略化して称することとする。本発明において、フッ素化アクリレートが透光性基体側より表面側に偏在しているとは、フッ素化アクリレートを含有する光学機能層表面から深さ5nmまでの範囲に存在するフッ素元素比率が10%以上であることをいう。当該フッ素元素比率は20%以上であることが好ましい。上限は特に限定されないが、例えば80%以下である。フッ素元素比率は、X線光電子分光法(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis:以下、「ESCA」とする。)により測定する。ESCAにおいて、深さ5nmにおいて得られたフッ素、炭素、酸素、及びケイ素等のピーク面積から、フッ素の存在比を算出する。
また、ESCAにより光学機能層表面から深さ200nmまでの範囲を5nm刻みで測定した場合において、当該光学機能層表面から深さ5nmまで5nm刻みで測定して得られる深さ5nm毎に存在するフッ素元素比率を、当該光学機能層表面の深さ5nmから深さ200nmまでに存在するフッ素元素比率の平均値で除した値が10以上であることが好ましく、20以上であることがさらに好ましい。上限は特に限定されないが、例えば1000以下である。当該値を10以上にすることにより、フッ素原子を光学機能層表面に効率的に存在させることができるため、高価であるフッ素材料を使用した場合においても、経済性に優れた光学積層体を提供することができる。
ここで、多官能アクリレートは、一分子中の(メタ)アクリロイルオキシ基の個数が2個以上である物質であれば特に限定されず、例えば、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサンメチレンジイソシアネートウレタンポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートへキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールへキサアクリレートなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上を混合して使用することができる。上記多官能アクリレートは、3官能以上が好ましく、4官能以上が更に好ましい。
フッ素化アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、2−(パーフルオロデシル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−8−メチルデシル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシルプロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルアクリレート、ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、ウナデカフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、ノナフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、トリフルオロ(メタ)アクリレート、トリイソフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、下記化合物(i)〜(xxx)などを用いることができる。尚、下記化合物はいずれもアクリレートの場合を示したものであり、式中のアクリロイル基はいずれもメタクリロイル基に変更可能である。
Figure 2010035764
Figure 2010035764
Figure 2010035764
Figure 2010035764
Figure 2010035764
上記化合物(i)〜(xxx)は、下記一般式(1)中のRとして水素原子のもののみを記載しており、カルボニル炭素に結合するメチレン基中の水素原子の1つはいずれもメチル基に変更可能である。
Figure 2010035764
これらは、単独若しくは複数種類混合して使用することも可能である。上記のフッ素化アクリレートの中でも、多官能フッ素化アクリレートが好適である。尚、ここでの多官能フッ素化アクリレートとは2個以上(好適には3個以上、より好適には4個以上)の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものを意味する。
本最良形態に係る透光性樹脂は、任意成分として、下記化7式より成るε−カプロラクトン変性のイソシアヌレートを、少なくとも1種類含むことが好適である。該ε−カプロラクトンのセグメント部分は混合する樹脂、無機顔料、その添加剤との親和性が良いため、例えば、光学機能層の塗料製造工程においては生産の効率化、成膜工程においては成膜安定性(膜厚バラツキの軽減)などに寄与する。また、光学機能層全体に柔軟性を生み、内部応力の緩和などに効果的である(カールの抑制)。
Figure 2010035764
光学機能層にε−カプロラクトン変性のイソシアヌレートの他に、熱硬化型樹脂、放射線硬化型樹脂を混合し、使用することができるが、放射線で光学機能層を硬化させることができる放射線硬化型樹脂を用いた系のほうが、生産効率、エネルギーコストなどの点において、有利で好ましい。放射線硬化型樹脂の例としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等のラジカル重合性官能基や、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタン基等のカチオン重合性官能基を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーを単独で、または適宜混合した組成物が用いられる。モノマーの例としては、アクリル酸メチル、メチルメタクリレート、メトキシポリエチレンメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート等を挙げることができる。オリゴマー、プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、フェニレングリシジルエーテルへキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、フェニルグリシジルエーテルトリエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アルキットアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート等のアクリレート化合物、不飽和ポリエステル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルや各種脂環式エポキシ等のエポキシ系化合物、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル等のオキセタン化合物を挙げることができる。
ε−カプロラクトン変性のイソシアヌレートの配合量は特に限定されないが、光学機能層を形成する構成材料の全固形分比率で、5〜50%の範囲が好ましく、10〜30%の範囲がより好ましい。ε−カプ口ラクトン変性のイソシアヌレートの配合量が少ないと、透光性基体と光学機能層の密着性が低下したり、カールが強くなる。また、成膜性の悪化で、干渉ムラ(光学機能層の微妙な厚さムラによる干渉ムラ)が発生し、視認性が悪くなる。更に、光学機能層の厚膜化で、光学機能層にシワや割れが生じる場合がある。一方、配合量が多すぎると光学機能層の耐擦傷性が低下する。
上記の放射線硬化型樹脂を用いた系を硬化せしめる放射線としては、紫外線、可視光線、赤外線、電子線のいずれであってもよい。また、これらの放射線は、偏光であっても無偏光であってもよい。特に、設備コスト、安全性、ランニングコスト等の観点から紫外線が好適である。紫外線のエネルギー線源としては、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、窒素レーザー、電子線加速装置、放射性元素などが好ましい。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、100〜5,000mJ/cmの範囲が好ましく、300〜3,000mJ/cm照射量が、100mJ/cm未満の場合は、硬化が不十分となるため、光学機能層の硬度が低下する場合がある。また5,000mJ/cmを超えると、光学機能層が着色して透明性が低下する。紫外線照射による硬化を行う場合は、光重合開始剤の添加が必要である。光重合開始剤としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、N,N,N,N−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフエノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトンなどのアセトフェノン類;メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;キサントン;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4,4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;その他、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等を例示できる。これらは単独でまたは2種以上の混合物として使用できる。光重合開始剤の使用量は、放射線硬化型樹脂組成物に対して、全固形分比で5%以下程度、さらには1〜4%が好ましい。
上記放射線硬化型樹脂組成物の系に、その重合硬化を妨げない範囲で高分子樹脂を添加使用することができる。この高分子樹脂は、後述する光学機能層塗料に使用される有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂であり、具体的にはアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース誘導体等が挙げられ、これらの樹脂中には、カルボキシル基やリン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有することが好ましい
また、レベリング剤、増粘剤、帯電防止剤、充填剤、体質顔料等の添加剤を使用することができる。レベリング剤は、塗膜表面の張力均一化を図り塗膜形成前に欠陥を直す働きがあり、上記放射線硬化型樹脂組成物より界面張力、表面張力共に低い物質が用いられる。
光学機能層は、主に上述の樹脂組成物などの硬化物により構成されるが、その形成方法は、樹脂組成物と有機溶剤からなる塗料を塗工し、有機溶剤を揮発させた後に放射線(例えば電子線または紫外線照射)や熱により硬化せしめるものである。ここで使用される有機溶剤としては、樹脂組成物を溶解するのに適したものを選ぶ必要がある。具体的には、透光性基体への濡れ性、粘度、乾燥速度といった塗工適性を考慮して、アルコール系、エステル系、ケトン系、エーテル系、芳香族炭化水素から選ばれた単独または混合溶剤を使用することができる。
光学機能層の厚さは3〜50μmの範囲であることが必要であり、より好ましくは5〜30μmの範囲であり、更に好ましくは7〜20μmの範囲である。光学機能層が3μmより薄い場合は、耐擦傷性が劣化するとともに、干渉ムラが顕著に現れるため好ましくない。50μmより厚い場合は、光学機能層の硬化収縮によりカールが発生したり、光学機能層表面にマイクロクラックが発生したり、透光性基体との密着性が低下したり、さらには光透過性が低下したりする。そして、膜厚の増加に伴う必要塗料量の増加によるコストアップの原因ともなる。
光学機能層に含まれる透光性微粒子としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン系樹脂等よりなる有機透光性微粒子や、酸化チタン、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、又はこれらの複合物等の無機透光性微粒子(無機の超微粒子)を使用することができる。尚、これら微粒子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。透光性微粒子として、架橋された有機透光性微粒子と無機透光性微粒子を使用することが好適である。これにより、硬化後のハードコートフィルムの鉛筆硬度を向上させるとともに、カールを防ぐことができる。また、透光性微粒子として、シリカを用いると、光学機能層の屈折率が低下し、ディスプレイの画質に影響する干渉ムラが軽減されるため好ましい。更に、シリカをシリケート系の材料(例えば、ビニル基、メタクリル基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を有するアルコキシシランなどのシランカップリング剤)で処理すると、ケン化処理の際にシリカの溶出を防ぐことができる。透光性微粒子の粒径は1〜100nmが好適であり、10〜50nmがより好適である。粒径が1nmより小さい場合、耐薬品性が低下したり、粒子の生産コストが高くなったりする。100nmより大きい場合には、透過率が低下したり、ヘイズが上昇したり、コントラストが低下するといった光学特性に影響が発生する。「粒径」は、電子顕微鏡で実測した100個の粒子の直径の平均値を指す。尚、全個数の内、当該微粒子の製造工程において混入する微細粉及び粗大粉は、5%未満(より好ましくは1%未満)である。透光性微粒子の配合量は、5〜70重量%が好適であり、10〜50重量%がより好適である。配合量が5重量%より少ない場合、カール防止効果、鉛筆硬度が低下する。配合量が70重量%よりも多い場合、耐スクラッチ性が悪くなる。透光性微粒子はゾル化して使用することが好ましく、塗料化が行ないやすくなるとともに、塗料中の透光性微粒子の分散性が向上する。ゾル化した透光性微粒子としては、例えば、アルミナゾルやシリカゾル等を使用することができる。ゾルの形成方法は後述する。
なお、平均粒径が0.3〜10μmである透光性微粒子を光学機能層中に含有させるなどして、光学機能層表面に凹凸構造を形成すると、防眩層として使用することができるため好ましい。これによって防眩フィルムとして使用することができるようになる。平均粒径が0.3〜10μmである透光性微粒子の屈折率は、1.40〜1.75が好ましく、屈折率が1.40未満または1.75より大きい場合は、透光性基体あるいは樹脂マトリックスとの屈折率差が大きくなり過ぎ、全光透過率が低下する。また、透光性微粒子と樹脂成分との屈折率の差は、0.2以下が好ましい。透光性微粒子の平均粒径は、0.3〜10μmの範囲のものが好ましく、1〜8μmがより好ましい。粒径が0.3μmより小さい場合は防眩性が低下するため、また10μmより大きい場合は、ギラツキを発生すると共に、表面凹凸の程度が大きくなり過ぎて表面が白っぽくなってしまうため好ましくない。上記樹脂中に含まれる透光性微粒子の割合は特に限定されないが、樹脂組成物100質量部に対し、1〜20質量部とするのが防眩機能、ギラツキ等の特性を満足する上で好ましく、光学機能層表面の微細な凹凸形状とヘイズ値をコントロールし易い。ここで、「屈折率」は、JIS K−7142に従った測定値を指す。また、「平均粒径」は、電子顕微鏡で実測した100個の粒子の直径の平均値を指す。
すなわち、粒径が1〜100nmの透光性微粒子と、粒径が0.3〜10μmである透光性微粒子を含有した光学機能層(防眩層)とすることで、鉛筆硬度の向上、カールの防止及び防眩性を付与した光学積層体(防眩フィルム)を提供することができる。
本発明の光学積層体において、透光性基体の屈折率と光学機能層の屈折率の差([透光性基体の屈折率]−[光学機能層の屈折率])が、0.10以下であることが好ましく、光学機能層の屈折率が、透光性基体の屈折率以下であることがより好ましい。前記屈折率差を前記範囲となるように制御することにより、表面での光の反射を低く抑えることができる。
前記屈折率の制御は、無機透光性微粒子を光学機能層中に適宜含有させしめることでできる。無機透光性微粒子は、その配合量に応じて光学機能層の見かけの屈折率を調整する機能を有する。透光性基体の屈折率と光学機能層の屈折率は上述の通り、近似していることが好ましい。そのため、光学機能層形成材料の調製にあたっては、前記透光性基体の屈折率と光学機能層の屈折率の差が小さくなるように、無機透光性微粒子の配合量を適宜に調整するのが好ましい。前記屈折率差が大きいと、光学積層体に入射した外光の反射光が虹色の色相を呈する干渉ムラと呼ばれる現象が発生し、表示品位を落としてしまう。特に、光学積層体を備えた画像表示装置が使用される頻度の高いオフィスでは、蛍光灯として、三波長蛍光灯が非常に増加してきている。三波長蛍光灯は、特定の波長の発光強度が強く、物がはっきり見える特徴を有するが、この三波長蛍光灯下では更に干渉ムラが顕著に現れることが判っている。
本発明においては、光学機能層とは反対面の透光性基体上に、偏光基体を積層してもよい。ここで、当該偏光基体は、特定の偏光のみを透過し他の光を吸収する光吸収型の偏光フィルムや、特定の偏光のみを透過し他の光を反射する光反射型の偏光フィルムを使用することが出来る。光吸収型の偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニレン等を延伸させて得られるフィルムが使用可能であり、例えば、2色性素子として沃素または染料を吸着させたポリビニルアルコールを一軸延伸して得られたポリビニルアルコール(PVA)フィルムが挙げられる。光反射型の偏光フィルムとしては、例えば、延伸した際に延伸方向の屈折率が異なる2種類のポリエステル樹脂(PEN及びPEN共重合体)を、押出成形技術により数百層交互に積層し延伸した構成の3M社製「DBEF」や、コレステリック液晶ポリマー層と1/4波長板とを積層してなり、コレステリック液晶ポリマー層側から入射した光を互いに逆向きの2つの円偏光に分離し、一方を透過、他方を反射させ、コレステリック液晶ポリマー層を透過した円偏光を1/4波長板により直線偏光に変換させる構成の日東電工社製「ニポックス」やメルク社製「トランスマックス」等が挙げられる。
透光性基体には、ディスプレイ表面に静電的に付着するホコリ等の汚れを防止するために帯電防止層を設けてもよい。ただし、帯電防止層は最表面以外に配置される。帯電防止層は、アルミニウム、錫等の金属、ITO等の金属酸化膜を蒸着、スパッタ等で極めて薄く設ける方法、アルミニウム、錫等の金属微粒子やウイスカー、酸化錫等の金属酸化物にアンチモン等をドープした微粒子やウイスカー、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンと金属イオンや有機カチオン等の電子供与体(ドナー)との間でできた電荷移動錯体をフィラー化したもの等をポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等に分散し、ソルベントコーティング等により設ける方法、ポリピロール、ポリアニリン等にカンファースルホン酸等をドープしたものをソルベントコーティング等により設ける方法等により設けることができる。帯電防止層の透過率は光学用途の場合、80%以上が好ましい。
更に、コントラストを向上させるために、光学機能層を低反射層として用いることが可能である。この場合、更に下層に厚さ3〜50μmのハードコート層を設けることが好ましい。その場合に、ハードコート層表面の濡れ性を高めることが好ましい。濡れ性を高めることで、ハードコート層と光学機能層との親和性が向上し、層間の密着性を向上させることができる。ハードコート層表面にコロナ処理、プラズマ処理等を行うことにより、濡れ性を高めることができる。ハードコート層表面の濡れ性として、ハードコート層表面の水の接触角を指標とすることができる。当該接触角は80度以下であることが好ましく、65度以下であることがさらに好ましい。この場合、低反射層の屈折率が下層の屈折率より低いことが必要であり、1.45以下であることが好ましい。これらの特微を有する材料としては、上述のフッ素化アクリレートに加えて、例えばLiF(屈折率n=1.4)、MgF(n=1.4)、3NaF・AlF(n=1.4)、AlF(n=1.4)、NaAlF(n=1.33)、等の無機材料を微粒子化し、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低反射材料、シリコーン系の有機化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、放射線硬化型樹脂等の有機低反射材料と組み合わせることができる。また、低反射層は、臨界表面張力が20dyne/cm以下であることが好ましく、18dyne/cm以下であることがより好ましく、15dyne/cm以下であることが更に好ましい。臨界表面張力が20dyne/cmより大きい場合は、低反射層に付着した汚れが取れにくくなる。
さらに、5〜30nmのシリカ超微粒子を水若しくは有機溶剤に分散したゾルとフッ素系の皮膜形成剤を混合した低反射材料を使用することもできる。5〜30nmのシリカ超微粒子を水若しくは有機溶剤に分散したゾルは、ケイ酸アルカリ塩中のアルカリ金属イオンをイオン交換等で脱アルカリする方法や、ケイ酸アルカリ塩を鉱酸で中和する方法等で知られた活性ケイ酸を縮合して得られる公知のシリカゾル、アルコキシシランを有機溶媒中で塩基性触媒の存在下に加水分解と縮合することにより得られる公知のシリカゾル、さらには上記の水性シリカゾル中の水を蒸留法等により有機溶剤に置換することにより得られる有機溶剤系のシリカゾル(オルガノシリカゾル)が用いられる。これらのシリカゾルは水系及び有機溶剤系のどちらでも使用することができる。有機溶剤系シリカゾルの製造に際し、完全に水を有機溶剤に置換する必要はない。上記シリカゾルは、SiOとして0.5〜50重量%濃度の固形分を含有する。シリカゾル中のシリカ超微粒子の構造は、球状、針状、板状等様々なものが使用可能である。
低反射層が良好な反射防止機能を発揮するための厚さについては、公知の計算式で算出することができる。入射光が低反射層に垂直に入射する場合に、低反射層が光を反射せず、かつ100%透過するための条件は次の関係式を満たせばよいとされている。なお、式中Nは低反射層の屈折率、Nは下層の屈折率、hは低反射層の厚さ、λは光の波長を示す。
Figure 2010035764
上記(1)式によれば、光の反射を100%防止するためには、低反射層の屈折率が下層の屈折率の平方根になるような材料を選択すればよいことが分かる。ただし、実際は、この数式を完全に満たす材料は見出し難く、限りなく近い材料を選択することになる。上記(2)式では(1)式で選択した低反射層の屈折率と、光の波長から低反射層の反射防止膜としての最適な厚さが計算される。例えば、下層、低反射層の屈折率をそれぞれ1.50、1.38、光の波長を550nm(視感度の基準)とし、これらの値を上記(2)式に代入すると、低反射層の厚さは0.1μm前後の光学膜厚、好ましくは0.1±0.01μmの範囲が最適であると計算される。
本発明の光学積層体の製造方法は、例えば、透光性基体上に、多官能アクリレート、フッ素化アクリレート、透光性微粒子を含む放射線硬化型樹脂塗料を塗工し、乾燥後、放射線硬化させ作成することにより行う。フッ素材料は高価であるため、光学機能層の表面に偏在化させることが好ましい。本発明においては、特に乾燥工程が重要である。乾燥工程においては乾燥を低温でゆっくり行なうことが好適である。乾燥をゆっくり行なうことにより、フッ素化アクリレートが光学機能層表面に集まり、これを放射線硬化させることにより、表面側にフッ素化アクリレートが偏在した光学機能層を得ることができる。ここで、乾燥温度は、50〜130℃が好適であり、60〜100℃がより好適である。乾燥時間は1〜10分が好適であり、2〜5分がより好適である。また、放射線硬化型樹脂塗料を塗工して塗工膜を形成させた直後から、乾燥工程に入る間に、予備乾燥工程を設けることが好ましい。これによって、塗工膜の乾燥をさらにゆっくり行うことができるため、光学機能層の表面側にフッ素化アクリレートが偏在しやすくなる。当該予備乾燥工程は、当該塗工膜平面略垂直方向から、当該塗工膜に対して微弱な気流を均一に吹き付ける工程をいう。微弱な気流の風量は0.01〜1.0m/secであることが好ましい。当該風量は、風速計(KANOMAX CLIMOMASTER(商標))の風速検知孔を塗工膜から1cm離した状態において測定すればよい。また、予備乾燥工程における気流の温度は20〜60℃に設定すればよい。
透光性基体上に塗料を塗工する手法としては、通常の塗工方式や印刷方式が適用される。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティングスロットオリフイスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が使用できる。
以下、本発明(β)を図を用いて説明した後、本発明を構成する材料および製造方法について順に説明する。
図2は樹脂フィルム10上に、1層のハードコート層20が積層されてなるハードコートフィルム1を示した平面図である。図2に示すように、ハードコート層20は樹脂フィルム10の端面11aから端面11bまで積層することができるが、これに限定されない。すなわち、ハードコート層20は樹脂フィルム10上に積層されていればよいのであって、ハードコート層20の端面21a、21bと、樹脂フィルム10の端面11a、11bが一致する必要はない。
図3は図2の直線Lでハードコートフィルム1を切断した断面図である。図3において、ハードコート層20の厚さをA、樹脂フィルム10の縁部12aからハードコート層20の縁部22aまでの長さ(耳取り幅)をBとし、樹脂フィルム10の縁部12bからハードコート層20の縁部22bまでの長さをB’としている。BとB’の長さは同一であってもよいし、それぞれ別の長さを有することもできる。
本発明のハードコートフィルムは、A×1500<Bであることが必要である。A×1500<Bとすることにより、ハードコートフィルム1のカールを抑制することができる。例えば、ハードコート層の厚さが本発明の下限である0.003mmである場合、上記の関係式は4.5<Bとなる。また、ハードコート層の厚さが本発明の上限である0.020mmである場合、上記の関係式は30<Bとなる。ここで、上記関係式においてBの上限値は特に制限されないが、例えば、100であり、好ましくは50である。Bの下限値を超える値であれば全ての値で割れ、シワ、カールが生じにくいハードコートフィルムを提供することができる。樹脂フィルムを有効に活用する観点からは、A×1500<Bの関係式において耳取り幅Bを当該Bの下限値に近づけることが好ましい。
A×1500≧Bであると、ハードコートフィルムを構成するハードコート層の鉛筆硬度(JIS K5400)が4H以上の場合において、カールが発生しやすくなるため、本発明のハードコートフィルムとして使用することができない。なお、上記関係式において、Bの値は図3に示すBの値とB’の値のいずれか小さい方の値が適用される。
次に、本発明(β)を構成する材料を説明する。
<樹脂フィルム>
本発明を構成する樹脂フィルムの材料は特に制限されない。
本発明のハードコートフィルムをLCDやPDP等の光学用途に使用する場合、樹脂フィルムは透明性が高いものほど良好である。具体的には、樹脂フィルムの全光線透過率(JIS K7105)が80%以上、より好ましくは90%以上である。
光学用途に好ましく使用することができる樹脂フィルムとして、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、含ノルボルネン樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド等の各種樹脂フィルムを好適に使用することができる。これらのフィルムは無延伸のものも、延伸加工を施したものも使用可能である。特に二軸延伸加工されたPETフィルムが、機械的強度や寸法安定性に優れる点で好ましく、無延伸のTACフィルムおよび含ノルボルネン樹脂からなるフィルムは、面内の位相差が非常に少ないという点で好ましい。なお、PDP、LCD等の光学用途に用いる場合は、これらのPETフィルム、TACフィルム、含ノルボルネン樹脂フィルムがより好ましい。
樹脂フィルムの弾性率は2GPa〜8GPaであることが好ましく、より好ましくは3GPa〜7GPaである。
上記範囲の弾性率を有する樹脂フィルムをハードコートフィルムの構成材料として使用することにより、当該ハードコートフィルムを偏光板に加工し液晶表示装置に使用した際に、高湿低湿の環境下であっても光漏れ、偏光度の低下等の不具合が発生しづらくなるため好ましい。
樹脂フィルムの弾性率が2GPa未満であると、Roll to Rollでハードコート層形成用塗料を塗工する際に、樹脂フィルムが切れる恐れがある。
なお、本発明における弾性率とは、JIS P8113に準拠して測定した値をいう。具体的には、引っ張り試験機(エーアンドディー社製 製品名:RTG1210)を使用し、樹脂フィルムを1mm/分の速度で引っ張ることにより測定して求めることができる。
樹脂フィルムの厚さはディスプレイの軽量化・薄型化や、当該ハードコートフィルムの生産適性といった観点から、5〜100μmにあることが好ましく、20〜100μmであることがさらに好ましく、40〜80μmであることが特に好ましい。
樹脂フィルムの厚さを当該範囲にすることにより、ハードコート層が硬化する際に生じる収縮応力を、樹脂フィルムが吸収あるいは緩和することができるため、ハードコートフィルムのシワやカールを抑えることができる。
樹脂フィルムの厚さが5μm未満では、ハードコート層を硬化する時に生じる収縮応力を抑えにくくなるため、ハードコート層に収縮が発生し、ハードコートフィルムにシワやカールが発生し、ハードコートフィルムの生産性が悪くなる。樹脂フィルムの厚さが100μm超であると、ハードコートフィルムのシワやカールは抑えることができるが、軽量化・薄型化が難しくなることから好ましくない。特に、光学用途に本発明のハードコートフィルムを使用する場合、樹脂フィルムの厚さが100μm超となることは好ましくない。
樹脂フィルムには、アルカリ処理、コロナ処理、プラズマ処理、スパッタ処理、ケン化処理等の表面処理や、界面活性剤、シランカップリング剤等の塗布、またはSi蒸着などの表面改質処理を行うことができる。これによって、樹脂フィルムとハードコート層との密着性を向上させることができる。
<ハードコート層>
本発明を構成するハードコート層には、熱硬化型樹脂、放射線硬化型樹脂または熱硬化型樹脂と放射線硬化型樹脂を混合したものを使用することができる。熱硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂の体積収縮率は、5〜25%であることが好ましい。好ましくは7〜15%である。
5%未満であると、ハードコート層の耐擦傷性が減少する恐れがある。
25%超であると、ハードコート層の収縮が生じやすいため、ハードコートフィルムのカールが発生しやすくなり好ましくない。
本発明においては、ハードコート層として放射線でハードコート層を硬化させることができる放射線硬化型樹脂を用いることが好ましい。これによって、生産効率が上昇し、エネルギーコストが低減するなどの利点がある。
放射線硬化型樹脂の例としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等のラジカル重合性官能基や、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタン基等のカチオン重合性官能基を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーを単独で、または適宜混合した組成物が用いられる。モノマーの例としては、アクリル酸メチル、メチルメタクリレート、メトキシポリエチレンメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を挙げることができる。オリゴマー、プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、フェニレングリシジルエーテルヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、フェニルグリシジルエーテルトリエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどの多官能ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アルキットアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート等のアクリレート化合物、不飽和ポリエステル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルや各種脂環式エポキシ等のエポキシ系化合物、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル等のオキセタン化合物を挙げることができる。
放射線硬化型樹脂は単独、もしくは複数混合して使用することができるが、ハードコート層の硬化スピード、耐擦傷性に優れたジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの多官能アクリレートと、樹脂フィルムとハードコート層との密着性、ハードコート層の柔軟性、可撓性に優れた多官能ウレタンアクリレートとの混合系が、より好ましい。多官能アクリレートに対する多官能ウレタンアクリレートの混合比率は0.1〜1.5の範囲が好ましく。0.2〜0.7の範囲がより好ましい。多官能アクリレートに対する多官能ウレタンアクリレートの比率が低すぎると、ハードコート層にシワや割れが生じ易くなり、また、ハードコートフィルムのカールが発生しやすくなる。逆に多すぎるとハードコート層の耐擦傷性が低下するため、好ましくない。
上記の放射線硬化型樹脂を用いた系を硬化せしめる放射線としては、紫外線、可視光線、赤外線、電子線のいずれであってもよい。また、これらの放射線は、偏光であっても無偏光であってもよい。特に、設備コスト、安全性、ランニングコスト等の観点から紫外線が好適である。紫外線のエネルギー線源としては、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、窒素レーザー、電子線加速装置、放射性元素などが好ましい。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、100〜5,000mJ/cm2の範囲が好ましく、300〜3,000mJ/cm2照射量が、100mJ/cm2未満の場合は、硬化が不十分となるため、ハードコート層の硬度が低下する場合がある。また5,000mJ/cm2を超えると、ハードコート層が着色して透明性が低下する。紫外線照射による硬化を行う場合は、光重合開始剤の添加が必要である。光重合開始剤としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、N,N,N,N−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのアセトフェノン類;メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;キサントン;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4,4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;その他、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等を例示できる。これらは単独でまたは2種以上の混合物として使用できる。光重合開始剤の使用量は、放射線硬化型樹脂組成物に対して、全固形分比で5%以下程度、さらには1〜4%が好ましい。
上記放射線硬化型樹脂組成物の系に、その重合硬化を妨げない範囲で高分子樹脂を添加使用することができる。この高分子樹脂は、後述するハードコート層塗料に使用される有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂であり、具体的にはアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、これらの樹脂中には、カルボキシル基やリン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有することが好ましい。
また、レベリング剤、増粘剤、帯電防止剤、充填剤、体質顔料等の添加剤を使用することができる。レベリング剤は、塗膜表面の張力均一化を図り塗膜形成前に欠陥を直す働きがあり、上記放射線硬化型樹脂組成物より界面張力、表面張力共に低い物質が用いられる。
ハードコート層は、主に上述の樹脂組成物などの硬化物により構成されるが、その形成方法は、樹脂組成物と有機溶剤からなる塗料を塗工し、有機溶剤を揮発させた後に放射線(例えば電子線または紫外線照射)や熱により硬化せしめるものである。ここで使用される有機溶剤としては、樹脂組成物を溶解するのに適したものを選ぶ必要がある。具体的には、樹脂フィルムへの濡れ性、粘度、乾燥速度といった塗工適性を考慮して、アルコール系、エステル系、ケトン系、エーテル系、芳香族炭化水素から選ばれた単独または混合溶剤を使用することができる。
ハードコート層の厚さは3.0〜20.0μmの範囲であり、より好ましくは5.0〜15.0μmの範囲であり、さらに好ましくは7.0〜13.0μmの範囲がよい。
ハードコート層が3.0μmより薄い場合は表面硬度が低下する。
ハードコート層が20.0μmより厚い場合は、ハードコート層の硬化収縮時の応力を樹脂フィルムが吸収・緩和しにくくなるため、ハードコートフィルムにカールが発生したり、ハードコート層表面にマイクロクラックが発生したり、樹脂フィルムとの密着性が低下したり、さらには光透過性が低下したりする。そして、膜厚の増加に伴う必要塗料量の増加によるコストアップの原因ともなる。
ハードコート層中には、有機および無機の微粒子を適宜含有させてもよい。有機および無機の微粒子は単独でハードコート層中に含有させてもよいし、有機および無機の微粒子を組み合わせて含有させることもできる。
有機の微粒子としては、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン系樹脂等を使用することができる。
無機の微粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化インジウム、酸化アンチモン等があげられる。またこれらの複合物も使用することができる。これらのなかでも酸化チタン、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウムが好ましい。
上記の有機および無機の微粒子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、平均粒径が0.3〜10μmである透光性微粒子をハードコート層中に含有させるなどして、ハードコート層表面に凹凸構造を形成すると、防眩層として使用することができるため好ましい。これによって、ハードコートフィルムを防眩フィルムとして使用することができるようになる。平均粒径が0.3〜10μmである透光性微粒子の屈折率は、1.40〜1.75が好ましく、屈折率が1.40未満または1.75より大きい場合は、透光性基体あるいは樹脂マトリックスとの屈折率差が大きくなり過ぎ、全光透過率が低下する。また、透光性微粒子と樹脂成分との屈折率の差は、0.2以下が好ましい。透光性微粒子の平均粒径は、0.3〜10μmの範囲のものが好ましく、1〜8μmがより好ましい。粒径が0.3μmより小さい場合は防眩性が低下するため、また10μmより大きい場合は、ギラツキを発生すると共に、表面凹凸の程度が大きくなり過ぎて表面が白っぽくなってしまうため好ましくない。上記樹脂中に含まれる透光性微粒子の割合は特に限定されないが、樹脂組成物100質量部に対し、1〜20質量部とするのが防眩機能、ギラツキ等の特性を満足する上で好ましく、ハードコート層表面の微細な凹凸形状とヘイズ値をコントロールし易い。ここで、「屈折率」は、JIS K−7142に従った測定値を指す。また、「平均粒径」は、電子顕微鏡で実測した100個の粒子の直径の平均値を指す。
本発明においては、樹脂フィルム上(ハードコート層が積層されていない面上)に、偏光基体を積層してもよい。ここで、当該偏光基体は、特定の偏光のみを透過し他の光を吸収する光吸収型の偏光フィルムや、特定の偏光のみを透過し他の光を反射する光反射型の偏光フィルムを使用することが出来る。光吸収型の偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニレン等を延伸させて得られるフィルムが使用可能であり、例えば、2色性素子として沃素または染料を吸着させたポリビニルアルコールを一軸延伸して得られたポリビニルアルコール(PVA)フィルムが挙げられる。光反射型の偏光フィルムとしては、例えば、延伸した際に延伸方向の屈折率が異なる2種類のポリエステル樹脂(PEN及びPEN共重合体)を、押出成形技術により数百層交互に積層し延伸した構成の3M社製「DBEF」や、コレステリック液晶ポリマー層と1/4波長板とを積層してなり、コレステリック液晶ポリマー層側から入射した光を互いに逆向きの2つの円偏光に分離し、一方を透過、他方を反射させ、コレステリック液晶ポリマー層を透過した円偏光を1/4波長板により直線偏光に変換させる構成の日東電工社製「ニポックス」やメルク社製「トランスマックス」等が挙げられる。
ハードコートフィルムを構成する樹脂フィルム上に、上記の偏光基体を積層する前に、ハードコートフィルムにケン化処理を行うことにより、該ハードコートフィルムを構成するハードコート層と偏光基体との密着性(接着力)を向上させることができる。従来のハードコートフィルムでは、該ケン化処理により、ハードコートフィルムにカールや割れの発生が著しく認められるものであったが、本発明によれば、ケン化後のハードコートフィルムにおいてもカールや割れの発生を減少させることができ。
<他の層>
ハードコート層は樹脂フィルムの片面に積層されていても両面に積層されていてもよい。
更には、当該ハードコートフィルムは他の層を有していてもよい。ここで他の層としては、例えば、偏光基体、低反射層、他の機能付与層(例えば、帯電防止層、近赤外線(NIR)吸収層、ネオンカット層、電磁波シールド層、ハードコート層)、を挙げることができる。また、当該他の層の位置は、例えば、偏光基体の場合には前記ハードコート層とは反対面の前記樹脂フィルム上とし、低反射層の場合には前記ハードコート層上とし、他の機能性付与層の場合には前記ハードコート層の下層とする。
<製造方法>
本発明のハードコートフィルムの製造方法は、例えば、樹脂フィルム上に放射線硬化型樹脂塗料を塗工し、乾燥後、放射線硬化させ作成することにより行う。塗工の際には、A×1500<Bの関係式を満たすようにすればよい。樹脂フィルム上に塗料を塗工する手法としては、通常の塗工方式や印刷方式が適用される。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が使用できる。
また、本発明のハードコートフィルムはA×1500<Bの関係式を満たすために、Roll−to−Rollで製造しても、割れ、硬化収縮によるシワやカールが生じにくいため、歩留まりを向上させることができる。
以下、発明(α)の実施例を示す。
<実施例1〜4、比較例1〜3>
メタアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン2.8部、メチルエチルケトンシリカゾル(日産化学工業(株)製、商品名:MEK−ST−L、数平均粒子径45nm、シリカ濃度30%)95.6部(固形分27.4部)及びイオン交換水0.1部の混合液を、80℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.4部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで本発明の透光性微粒子の分散液(A液)を得た。全固形分濃度を求めたところ32%で、該透光性微粒子の平均粒子径は45nmであった。ここで、平均粒子径は透過型電子顕微鏡により測定した。
表1に記載された成分からなる混合物をディスパーにて30分間分散することによって得られた光学機能層用の塗料を、膜厚40μm、全光線透過率92%からなる透光性基体のTAC(コニカミノルタオプト社製;KC4UYW)の片面上にロールコーティング方式にて塗布(ラインスピード;20m/分)し、風量0.5m/sec、30〜50℃で20秒間予備乾燥を経た後、100℃で1分間乾燥し、窒素雰囲気(窒素ガス置換)中で紫外線照射(ランプ;集光型高圧水銀灯、ランプ出力;120W/cm、灯数:2灯、照射距離;20cm)を行うことで塗工膜を硬化させた。このようにして、厚さ10.0μmの光学機能層を有する実施例1、2、4比較例1〜3の光学積層体を得た。また、透光性基体の膜厚を80μm、光学機能層の厚さを12.0μmにして、実施例3の光学積層体を得た。
<比較例4>
光学機能層の厚さを2μmとした以外は、実施例1と同様にして、本発明の比較例4の光学積層体を得た。
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた光学積層体を用い、密着性、全光線透過率、ヘイズ、水の接触角、カール、耐スクラッチ性、鉛筆硬度、耐薬品性、防汚性、干渉ムラ、およびフッ素の元素比率について、下記方法により測定及び評価した。
密着性
JIS K5600のクロスカット法に従い、行った。
尚、カットの間隔は1mmとし、カット数は11個とする。評価はクロスカットした格子の剥がれていない個数の割合を、%で表示する。例えば、5個剥がれていれば、95/100と表示する。
全光線透過率
JIS K7105に従い、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色社製)を用いて測定した。
ヘイズ
JIS K7105に従い、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色社製)を用いて測定した。
水の接触角(θ/2法)
まず、光学機能層表面の水の接触角を測定した。次にケン化処理された光学機能層表面の水の接触角を測定した。水の接触角は、JIS R3257(基板ガラス表面のぬれ性試験方法)に準拠し、接触角計(商品名;エルマG−1型接触角計、エルマ社製)を使用して、測定した。
光学積層体のケン化処理は以下の手順に従う。
(1)55℃、6%の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬。
(2)30秒間水洗。
(3)35℃、0.1規定の硫酸に30秒間浸漬。
(4)30秒間水洗。
(5)120℃、1分間、熱風乾燥。
接触角の値が大きければ撥水効果が上がり、耐薬品性、耐磨耗性、防汚性が良くなる。ケン化処理前の接触角は90°以上、好ましくは100°以上で、ケン化処理後の接触角は70°以上、好ましくは80°以上が良い。
カール
まず、作製した光学積層体をJIS K5600−1−6(養生並びに試験の温度及び湿度)に示す環境下(温度 23±2℃、湿度 50±5RH%)に16時間放置する。次に、同環境下で10cm×10cmの測定サンプルを切り出し、光学機能層が上になるように平板の上に置き、図1に示す「測定部」を測定した。測定値が、0〜10mm未満のものを×、10〜30mm未満のものを△、30〜50mm未満のものを○、50mm以上のものを◎とした。
防汚性
作製した光学積層体の光学機能層上に油性ペン(商品名:マッキー、ZEBRA製)で3cm長さの線を引き、1分間放置後、クリーンワイパー(品番;FF−390C クラレクラフレックス株式会社製)により拭き取る方法で評価した。500g/cm荷重で20回往復擦った後、完全に拭き取れた場合を○、拭き取れない部分があった場合を△、全く拭き取れない場合を×とした。
耐薬品性
リグロイン、トルエン、硫酸(10%)、NaOH(6%)、エタノール、中性洗剤(ファミリーピュア)、ハンドクリーム(ニベア)、ヘアリキッド(サクセス:モーニングヘアウォータ)の各試薬を光学機能層表面に滴下後、10時間放置してからクリーンワイパー(品番;FF−390C クラレクラフレックス株式会社製)で、500g/cm荷重、20回ラビングして拭き取る方法で評価した。拭き取った後、外観の変化の有無を目視評価した。全ての薬品に対し、変化無き場合を○、白化等どれかひとつの薬品においても変化が認められる場合を×とした。
耐スクラッチ性
日本スチールウール社製のスチールウール#0000を耐磨耗試験機(Fu Chien社製 Abrasion Tester、Model;339)に取り付け、光学機能層面を荷重250g/cmにて10回往復させた。その後、磨耗部分の傷を蛍光灯下で確認した。傷の数が0本のとき◎、傷の数が1〜10本未満のとき○、傷の数が10〜30本未満のとき△、傷の数が30本以上のとき×とした。
表面硬度(鉛筆硬度)
鉛筆硬度計(ヨシミツ精機社製)を用い、JIS 5400に準拠して、測定した。測定回数は5回とし、傷がついてない本数をカウントした。例えば、3Hの鉛筆で、3本傷がなければ、3/5(3H)というようにした。鉛筆硬度は4/5(3H)以上を良好とした。
干渉ムラ
クロスニコルの偏光板表面に光学機能層が表側になるように、屈折率1.5の粘着層(膜厚20μm)を介して貼合し、三波長の蛍光灯下(松下電器産業社製:FLR40S・EX−N/M−X、照度約500ルクス)の反射にて、目視評価した。干渉ムラが確認できない場合を○、僅かに薄く確認できる場合を△、ハッキリ確認できる場合を×とした。
フッ素の元素比率
光学機能層表面のフッ素元素の量を、ESCAにより評価した。
測定条件は以下の通り。
測定装置 ;アルバック・ファイ社製 Quantera SXM
光電子の取り込み角度 ;45度
X線出力 ;25.0W
測定X線径 ;100μm
Pass Energy ;112.0eV
測定元素 ;C1s、O1s、F1s、Si2p
ESCAにより、光学機能層表面から、深さ5nmまでに存在するC1s、O1s、F1s、Si2pを測定した。得られた元素ピーク面積から、元素比率を算出した。
Figure 2010035764
ここで、表1における各成分を詳細に説明する。
多官能アクリレート 共栄社化学 PE3A : ペンタエリスリトールトリアクリレート(3官能)
多官能ウレタンアクリレート 共栄社化学 UA−306H : ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(6官能)
多官能アクリル 日本化薬 PET−30 : ペンタエリスリトールトリアクリレート(3官能)
多官能アクリル 東亞合成 M−305 : ペンタエリスリトールトリアクリレート(3官能)
単官能アクリレート 共栄社化学 HOP−A : 2−ヒドロキシプロピルアクリレート(1官能)
フッ素化アクリレート 共栄社化学 LINC−3A : トリアクロイルヘプタデカフルオロノネニルペンタエリスリトール(4官能)65%とペンタエリスリトールテトラアクリレート(4官能)35%の混合物(下記化8)
フッ素化アクリレート 共栄社化学 LINK−102A : 下記化9に示す化合物
Figure 2010035764
Figure 2010035764
測定結果を表2にまとめた。
Figure 2010035764
実施例1〜4においては、ESCAにより、光学機能層表面から深さ200nmまでに存在するC1s、O1s、F1s、Si2pを5nm刻みで測定した。光学機能層表面から5nmまでに存在するフッ素元素比率を、当該光学機能層表面の深さ5nmから深さ200nmまで5nm刻みで測定して得られる深さ5nm毎に存在するフッ素元素比率の平均値で除した値は、実施例1〜4において20以上であった。
本発明(β)の実施例および比較例を以下に説明する。なお、「部」は「質量部」を意味するものとする。
[実施例5]
ハードコート層用塗料として下記の塗料成分からなる混合物をディスパーにて1時間攪拌することによって得られた塗料を、膜厚40μm、全光線透過率92%からなる樹脂フィルムのTAC(コニカミノルタ社製 製品名:KC4UYW)の片面上に、ダイヘッドコーティング方式にて塗布し、100℃で1分間乾燥後、窒素雰囲気中で120W/cm集光型高圧水銀灯2灯で紫外線照射(照射距離10cm、照射時間30秒)を行い、塗工膜を硬化させた。ハードコート層厚は19μmとし、耳取り幅は30mmとした。このようにして、実施例5のハードコートフィルムを得た。
・多官能アクリレート(共栄社化学社製 製品名:ライトアクリレートDPE−6A) 150部
・多官能ウレタンアクリレート(新中村化学社製 製品名:U−6HA) 40部
・光開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製 製品名:イルガキュア184) 9部
・レベリング剤(共栄社化学社製 製品名:ポリフローNo.77) 1部
・溶剤(MEK) 200部
[実施例6]
ハードコート層の膜厚を10μm、耳取り幅を20mmとした以外は実施例5と同様にして、本発明の実施例6のハードコートフィルムを得た。
[実施例7]
ハードコート層用の塗料成分を下記に示すものに変更し、ハードコート層の膜厚を9μm、耳取り幅を15mmとした以外は実施例5と同様にして、本発明の実施例7のハードコートフィルムを得た。
・多官能アクリレート(新中村化学社製 製品名:A−DPH) 130部
・多官能ウレタンアクリレート(日本合成化学社製 製品名:紫光UV−1700B) 60部
・光開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製 製品名:イルガキュア127) 9部
・レベリング剤(共栄社化学社製 製品名:ポリフローNo.77) 1部
・溶剤(MEK) 120部
・溶剤(MIBK) 80部
[実施例8]
樹脂フィルムを厚さ80μmのTAC(富士フイルムオプトマテリアルズ社製 製品名:TD80)に変更し、耳取り幅を29mmとした以外は実施例5と同様にして、本発明の実施例8のハードコートフィルムを得た。
[実施例9]
樹脂フィルムを厚さ75μmのPET(東洋紡社製 製品名:A4300)フィルムに変更した以外は実施例5と同様にして、本発明の実施例9のハードコートフィルムを得た。
[比較例5]
耳取り幅を20mmとした以外は、実施例5同様にして、比較例5のハードコートフィルムを得た。
[比較例6]
ハードコート層の厚さを28μmとした以外は実施例5同様にして、比較例6のハードコートフィルムを得た。
[比較例7]
ハードコートフィルムの厚さを10μm、耳取り幅を5mmとした以外は実施例5と同様にして、比較例7のハードコートフィルムを得た。
[比較例8]
ハードコート層用の塗料成分を下記に示すものに変更し、ハードコート層の膜厚を15μm、耳取り幅を10mmとした以外は実施例5と同様にして、比較例8のハードコートフィルムを得た。
・多官能アクリレート(共栄社化学社製 製品名:ライトアクリレートDPE−6A) 40部
・多官能ウレタンアクリレート(新中村化学社製 製品名:U−6HA) 150部
・光開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製 製品名:イルガキュア184) 9部
・レベリング剤(共栄社化学社製 製品名:ポリフローNo.77) 1部
・溶剤(MEK) 200部
実施例5〜9並びに比較例5〜8で得られたハードコートフィルムを用い、カールとシワ、密着性、鉛筆硬度について、下記方法により測定及び評価した。得られた結果を表3に示した。
(1.カール)
実施例5〜9および比較例5〜8のハードコートフィルムを長さ1.5m作製した。次に、図4(a)に示すように、ハードコートフィルム1を水平な台座30の上に、塗工面が上側になるように載せ、ハードコートフィルム1の四隅を水平な台座30にセロテープ(登録商標)40で固定した。
次に、ハードコート層をJIS K5600−1−6(養生並びに試験の温度及び湿度)に示す環境下(温度23±2℃、湿度50±5RH%)に16時間放置した。
続いて、ハードコートフィルム1をセロテープ(登録商標)40で固定した端から0.5mの部位において、水平な台座30からの反り上がり高さCを各々測定した。反り上がり高さCは、図4(b)に示すように、水平な台座30の中心からハードコートフィルム1までの距離である。5回試験し、その平均値をカールの測定値とした。
尚、カールは20mm以下を良(○)とし、20mmを超える場合は、ハードコートフィルムもしくは、それを使用した各種2次加工製品(例えば、ハードコートフィルムにケン化処理を施した偏光板保護フィルム)の生産に大きな影響を与えるために×とした。
(2.シワ)
塗工方向の10本のシワとシワの平均間隔が10mm以上を○、5mm以上、10mm未満を△、5mm未満、もしくはフィルムにクラック(割れ)や折れが入った場合を×とした。
(3.密着性)
密着性は、JIS K5600のクロスカット法に従い、行った。
尚、カットの間隔は1mmとし、カット数は11個とする。評価はクロスカットした格子の剥がれていない個数の割合を、%で表示する。例えば、5個剥がれていれば、95/100と表示する。
(4.鉛筆硬度)
鉛筆硬度は、JIS 5400に従い、5回試験し、傷がついてない本数をカウントした。例えば、3Hの鉛筆で、3本傷がなければ、3/5(3H)というようにした。
Figure 2010035764
上記のように、実施例5〜9のハードコートフィルムは、表面硬度(鉛筆硬度)も4H以上を有しているが、A×1500<Bであるために、カールが生じにくくなるものであった。このような効果とあわせて、割れ、シワも生じにくかった。
一方、比較例5〜8のハードコートフィルムはA×1500<Bの関係式を満たさないために、割れ、シワ、カールが発生したり、表面硬度が4H以上を満たさない等、本発明のハードコートフィルムとしては使用することができないものであった。
以上、本発明(β)によれば、樹脂フィルム上にハードコート層を1層積層した層構成であって、優れた表面硬度を備えながら、カールが生じにくいハードコートフィルムを提供することができる。
また、本発明(β)のハードコートフィルムはA×1500<Bの関係式を満たすため、ハードコートフィルムをRoll−to−Rollにより作製する工程やその二次加工プロセス(例えば、ケン化処理)を行う場合においても、カールが生じにくいハードコートフィルムを提供することができる。
1 ハードコートフィルム
1a、1b ハードコートフィルムの端面
10 樹脂フィルム
11a、11b 樹脂フィルムの端面
12a、12b 樹脂フィルムの縁部
20 ハードコート層
21a、21b ハードコート層の端面
22a、22b 樹脂フィルムの縁部
30 水平な台座
40 セロテープ(登録商標)

Claims (9)

  1. 透光性基体の片面又は両面に、直接又は他の層を介して、光学機能層を設けた光学積層体において、
    前記光学機能層が、厚さ3〜50μmであり、
    透光性樹脂と透光性微粒子とを含有し、
    前記透光性樹脂が、電離放射線硬化型多官能アクリレートと、前記光学機能層中の固形成分の全重量に対して0.05〜50重量%の電離放射線硬化型フッ素化アクリレートとを含有する樹脂組成物に対して電離放射線を照射することにより形成されることを特徴とする、光学積層体。
  2. 前記フッ素化アクリレートが、前記光学機能層の前記透光性基体側より、表面側に偏在している、請求項1記載の光学積層体。
  3. 更に、偏光基体を有する、請求項1又は2記載の光学積層体。
  4. 請求項1又は2に記載の光学機能層が表面凹凸構造を具備してなることを特徴とする防眩フィルム。
  5. 樹脂フィルム上にハードコート層が積層されてなり、
    該ハードコート層の厚さをA(mm)とし、
    該樹脂フィルムの縁部から該ハードコート層の縁部までの幅(耳取り幅)をB(mm)としたとき、A×1500<B(但し、0.003mm≦A≦0.020mm)
    であることを特徴とするハードコートフィルム。
  6. 前記樹脂フィルムの弾性率が2GPa〜8GPaであることを特徴とする請求項5に記載のハードコートフィルム。
  7. 前記樹脂フィルムの厚さが5〜100μmであることを特徴とする請求項5に記載のハードコートフィルム。
  8. 前記ハードコート層が放射線硬化型樹脂を含有し、該放射線硬化型樹脂の体積収縮率が5〜25%であることを特徴とする請求項5に記載のハードコートフィルム。
  9. 請求項5〜8いずれかに記載のハードコート層が表面凹凸構造を具備してなることを特徴とする防眩フィルム。
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