JPWO2010024391A1 - 積層体及び積層体の製造方法 - Google Patents

積層体及び積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

粗化処理された硬化体層の表面の表面粗さを小さくすることができ、さらに、硬化体層と金属層との接着強度を高めることができる積層体を提供する。
樹脂フィルムを基板12上にラミネートした後、樹脂フィルムを100〜200℃で予備硬化させて予備硬化体層を形成し、該硬化物層の表面を55〜80℃で粗化処理することにより形成された硬化体層3Aを備える積層体11。上記樹脂フィルムは、エポキシ樹脂と、フェノール硬化剤と、硬化促進剤と、平均粒子径0.05〜1.5μmの無機充填材100重量部がシランカップリング剤0.5〜3.5重量部により表面処理されている表面処理物質とを含有する樹脂組成物により形成されている。シランカップリング剤は、エポキシ基、イミダゾール基又はアミノ基を有する。

Description

本発明は、例えば、単層又は多層のプリント配線板等の基板上に絶縁性の硬化体層が形成されている積層体であって、より詳細には、例えば金属層が表面に形成される硬化体層を備える積層体、並びに該積層体の製造方法に関する。
多層プリント配線板は、積層された複数の絶縁層と、該絶縁層間に配置されたパターン状の金属配線とを備える。従来、この絶縁層を形成するために、様々な熱硬化性樹脂組成物が用いられている。
例えば、下記の特許文献1には、熱硬化性樹脂と、硬化剤と、イミダゾールシランにより表面処理されたフィラーとを含む熱硬化性樹脂組成物が開示されている。上記フィラーの表面には、イミダゾール基が存在する。該イミダゾール基は、硬化触媒及び反応起点として作用する。このため、上記熱硬化性樹脂組成物の硬化物の強度を高めることができる。また、特許文献1には、熱硬化性樹脂組成物が、接着剤、封止材、塗料、積層材及び成形材等の密着性が必要な用途に有用であることが記載されている。
下記の特許文献2には、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、Si原子及びN原子が直接結合していないイミダゾールシランとを含むエポキシ樹脂組成物が開示されている。ここでは、該エポキシ樹脂組成物の硬化物の半導体チップに対する接着性が高いこと、並びに硬化物の耐湿性が高いため、IRリフロー後でも、硬化物が半導体チップ等から剥離し難いことが記載されている。
また、下記の特許文献3には、エポキシ樹脂と、硬化剤と、シリカとを含むエポキシ樹脂組成物が開示されている。上記シリカはイミダゾールシランにより処理されており、かつ上記シリカの平均粒子径は5μm以下である。上記エポキシ樹脂組成物を硬化させ、次に粗化処理することにより、多くの樹脂をエッチングしなくても、シリカを容易に脱離させることができる。このため、硬化物の表面の表面粗さを小さくすることができる。さらに、硬化物と銅めっきとの接着性を高くすることができる。
特開平9−169871号公報 特開2002−128872号公報 WO2007/032424号公報 特開2003−000000号公報
上記のような熱硬化性樹脂組成物を用いた硬化体の表面には、銅等の金属配線が形成されることがある。近年、このような硬化体の表面に形成される配線の微細化が進行している。すなわち、配線の幅方向の寸法(L)と、配線が形成されていない部分の幅方向の寸法(S)とを示すL/Sが、より一層小さくされてきている。このため、硬化体の線膨張率をより一層小さくすることが検討されている。従来、硬化体の線膨張率を小さくするために、一般的には、熱硬化性樹脂組成物にシリカ等の無機充填材が多く配合されていた。
しかしながら、無機充填材を多く配合した場合、無機充填材が凝集しやすかった。従って、粗化処理の際に、凝集した無機充填材がまとまって脱離し、表面粗さが大きくなることがあった。
特許文献1〜3に記載の熱硬化性樹脂組成物には、フィラー又はシリカ等の無機充填材がイミダゾールシランにより表面処理されている物質が含有されている。このような表面処理された物質を用いた場合でも、粗化処理された硬化体の表面の表面粗さが小さくならないことがあった。さらに、硬化体の表面の表面粗さを小さくできたとしても、硬化体に金属めっきを施した場合に、硬化体と金属めっきとの粗化接着強度が十分ではなかった。
本発明の目的は、硬化体層を備える積層体であって、粗化処理された硬化体層の表面の表面粗さを小さくすることができ、さらに粗化処理された硬化体層の表面に金属めっき層などの金属層が形成された場合に、硬化体層と金属層との接着強度を高めることができる積層体、並びに該積層体の製造方法を提供することにある。
本発明の広い局面によれば、基板と、該基板上に積層された硬化体層とを備える積層体であって、上記硬化体層は、樹脂フィルムを基板上にラミネートした後、上記樹脂フィルムを100〜200℃で予備硬化させて予備硬化体層を形成し、該予備硬化体層の表面を55〜80℃で粗化処理することにより形成されており、上記樹脂フィルムは、エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、平均粒子径0.05〜1.5μmの無機充填材100重量部がシランカップリング剤0.5〜3.5重量部により表面処理されている表面処理物質とを含有し、かつ上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質の合計100重量%中の上記表面処理物質の含有量が10〜80重量%の範囲内である樹脂組成物により形成されており、上記シランカップリング剤が、上記エポキシ樹脂又は上記硬化剤と反応しうる官能基を有し、該官能基がエポキシ基、イミダゾール基又はアミノ基である、積層体が提供される。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、上記硬化剤は、ビフェニル構造を有するフェノール化合物、ナフタレン構造を有するフェノール化合物、ジシクロペンタジエン構造を有するフェノール化合物、アミノトリアジン構造を有するフェノール化合物、活性エステル化合物及びシアネートエステル樹脂からなる群から選択された少なくとも1種である。
本発明に係る積層体の他の特定の局面では、上記樹脂組成物におけるイミダゾールシラン化合物の含有量が、上記エポキシ樹脂及び上記硬化剤の合計100重量部に対して、0.01〜3重量部の範囲内である。
本発明に係る積層体の別の特定の局面では、粗化処理された上記硬化体層の表面の算術平均粗さRaが300nm以下であり、かつ十点平均粗さRzが3μm以下である。
本発明に係る積層体の他の特定の局面では、上記樹脂フィルムは、上記予備硬化の後、かつ上記粗化処理の前に、上記予備硬化体は50〜80℃で膨潤処理されている。
本発明の他の広い局面によれば、基板と、該基板上に積層された硬化体層とを備える積層体の製造方法であって、上記硬化体層を形成するための樹脂フィルムを上記基板上にラミネートする工程と、上記基板上にラミネートされた上記樹脂フィルムを100〜200℃で予備硬化させて予備硬化体層を形成する工程と、上記予備硬化体層の表面を55〜80℃で粗化処理し、粗化処理された硬化体層を形成する工程とを備え、上記樹脂フィルムとして、エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、平均粒子径0.05〜1.5μmの無機充填材100重量部がシランカップリング剤0.5〜3.5重量部により表面処理されている表面処理物質とを含有し、かつ上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質の合計100重量%中の上記表面処理物質の含有量が10〜80重量%の範囲内である樹脂組成物により形成された樹脂フィルムを用いて、上記シランカップリング剤として、上記エポキシ樹脂又は上記硬化剤と反応しうる官能基を有し、該官能基がエポキシ基、イミダゾール基又はアミノ基であるシランカップリング剤を用いる、積層体の製造方法が提供される。
本発明に係る積層体の製造方法のある特定の局面では、上記硬化剤として、ビフェニル構造を有するフェノール化合物、ナフタレン構造を有するフェノール化合物、ジシクロペンタジエン構造を有するフェノール化合物、アミノトリアジン構造を有するフェノール化合物、活性エステル化合物及びシアネートエステル樹脂からなる群から選択された少なくとも1種が用いられる。
本発明に係る積層体の製造方法の他の特定の局面では、上記樹脂組成物として、上記エポキシ樹脂及び上記硬化剤の合計100重量部に対して、イミダゾールシラン化合物の含有量が0.01〜3重量部の範囲内である樹脂組成物が用いられる。
本発明に係る積層体の製造方法の別の特定の局面では、上記粗化処理の工程における粗化処理の時間は、5〜30分間である。
本発明に係る積層体の製造方法の他の特定の局面では、上記予備硬化の工程の後、かつ上記粗化処理の工程の前に、上記予備硬化体層の表面を50〜80℃で膨潤処理する工程がさらに備えられる。
本発明に係る積層体の製造方法のさらに他の特定の局面では、上記膨潤処理の工程における膨潤処理の時間は、5〜30分間である。
本発明に係る積層体の製造方法のさらに別の特定の局面では、上記ラミネートの工程におけるラミネート温度は70〜130℃であり、かつラミネート圧力が0.1〜2.0MPaである。
本発明に係る積層体及び積層体の製造方法では、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤に加えて、平均粒子径0.05〜1.5μmの無機充填材が上記特定の量のシランカップリング剤により表面処理されている表面処理物質を上記特定の含有量で含有し、かつシランカップリング剤がエポキシ樹脂又は硬化剤と反応しうる上記特定の官能基を有する樹脂組成物を用いて硬化体層が形成されており、さらに硬化体層を形成する際の予備硬化温度が100〜200℃であり、かつ粗化処理の温度が55〜80℃であるため、粗化処理された硬化体層の表面の表面粗さを小さくすることができる。さらに、粗化処理された硬化体層の表面に金属めっき層などの金属層が形成された場合に、硬化体と金属層との接着強度を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層体を得るために用いられる積層フィルムを示す部分切欠正面断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る積層体としての多層プリント配線板を模式的に示す部分切欠正面断面図である。 図3(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る積層体としての多層プリント配線板を製造する各工程を説明するための部分切欠正面断面図である。 図4は、粗化処理された硬化体層の表面を拡大して模式的に示す部分切欠正面断面図である。 粗化処理された硬化体層の表面に金属層が形成された状態を拡大して示す部分切欠正面断面図である。
本願発明者らは、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤に加えて、上記平均粒子径0.05〜1.5μmの無機充填材が上記特定の量の上記シランカップリング剤により表面処理されている表面処理物質を上記特定の含有量で含有する組成を有する樹脂組成物を用いて硬化体層を形成し、かつ硬化体層を形成する際の予備硬化温度を100〜200℃とし、かつ粗化処理の温度を55〜80℃とすることにより、粗化処理された硬化体層の表面の表面粗さを小さくすることができ、かつ硬化体層と金属層との接着強度を高めることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本願発明者らは、無機充填剤の平均粒子径により定義される樹脂成分−表面処理物質の界面積と粗化処理の温度とに明らかな相関があり、本発明の上記構成を備えることにより、小さい表面粗さと高い接着強度とを高いレベルで両立できることを見出した。粗化処理の温度は樹脂成分に対してのエッチング度合いと関係しており、該エッチング度合いと無機充填材の平均粒子径とを最適範囲に設計することで、従来は困難であった小さい表面粗さと高い接着強度との両立を可能とした。
粗化処理の際に、予備硬化体層の表面の上記表面処理物質と樹脂成分との界面から粗化液が浸透して、表面処理物質と樹脂成分との界面近傍の樹脂成分が粗化されることにより、表面処理物質が脱離して粗面が形成されると考えられる。
上記表面処理物質と樹脂成分との界面では、上記シランカップリング剤の上記官能基が、表面処理物質の表面近傍の樹脂成分に作用し、表面処理物質の表面近傍の樹脂成分が必要以上に粗化されることを抑制する。このため、上記表面処理物質の使用により、表面粗さを制御しやすくなる。
上記表面処理物質が脱離した部分の近傍の樹脂成分は、必要以上に粗化(劣化)されていないので、硬化体層の表面に金属層が形成された場合でも、高い接着強度が期待できる。
粗化処理の際に、予備硬化体層の表面の表面処理物質と樹脂との界面から、粗化液は浸透していくと考えられる。このため、表面処理物質の界面積が重要であり、平均粒子径0.05〜1.5μmの無機充填材を用いると、表面処理物質と樹脂成分との界面において、粗化液が浸透しやすくなる。膨潤処理が行われる場合には、膨潤液が浸透しやすくなる。
以下、先ず、本発明に係る積層体の硬化体層を形成するのに用いられる樹脂組成物を説明する。
上記硬化体層を形成するために用いられる樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、平均粒子径0.05〜1.5μmの無機充填材100重量部がシランカップリング剤0.5〜3.5重量部により表面処理されている表面処理物質とを含有する。上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質の合計100重量%中に、上記表面処理物質は10〜80重量%の範囲内で含有されている。上記シランカップリング剤は、上記エポキシ樹脂又は上記硬化剤と反応しうる官能基を有する。該官能基は、エポキシ基、イミダゾール基又はアミノ基である。
(エポキシ樹脂)
上記樹脂組成物に含まれているエポキシ樹脂は、少なくとも1個のエポキシ基(オキシラン環)を有する有機化合物である。上記エポキシ樹脂の1分子当たりのエポキシ基の数は、1以上である。該エポキシ基の数は、2以上であることが好ましい。
上記エポキシ樹脂として、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記エポキシ樹脂には、エポキシ樹脂の誘導体及びエポキシ樹脂の水添物も含まれる。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、芳香族エポキシ樹脂(1)、脂環族エポキシ樹脂(2)、脂肪族エポキシ樹脂(3)、グリシジルエステル型エポキシ樹脂(4)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(5)、グリシジルアクリル型エポキシ樹脂(6)又はポリエステル型エポキシ樹脂(7)等が挙げられる。
上記芳香族エポキシ樹脂(1)としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂又はノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂又はビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記ノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
さらに、上記芳香族エポキシ樹脂(1)として、ナフタレン、ナフチレンエーテル、ビフェニル、アントラセン、ピレン、キサンテン又はインドールなどの芳香族環を主鎖中に有するエポキシ樹脂等を用いることができる。また、インドール−フェノール共縮合エポキシ樹脂又はフェノールアラルキル型エポキシ樹脂等を用いることができる。さらに、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族化合物からなるエポキシ樹脂等を用いることができる。
上記脂環族エポキシ樹脂(2)としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−m−ジオキサン、又はビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル等が挙げられる。
上記脂環族エポキシ樹脂(2)の市販品としては、例えば、ダイセル化学工業社製の商品名「EHPE−3150」(軟化温度71℃)等が挙げられる。
上記脂肪族エポキシ樹脂(3)としては、例えば、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、又は長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記長鎖ポリオールは、ポリオキシアルキレングリコール又はポリテトラメチレンエーテルグリコールを含むことが好ましい。また、上記ポリオキシアルキレングリコールのアルキレン基の炭素数は2〜9の範囲内にあることが好ましく、2〜4の範囲内にあることがより好ましい。
上記グリシジルエステル型エポキシ樹脂(4)としては、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル又はダイマー酸グリシジルエステル等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂(5)としては、例えば、トリグリシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N’−ジグリシジル誘導体、p−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、又はm−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体等が挙げられる。
上記グリシジルアクリル型エポキシ樹脂(6)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートとラジカル重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。上記ラジカル重合性モノマーとしては、エチレン、酢酸ビニル又は(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
上記ポリエステル型エポキシ樹脂(7)としては、例えば、エポキシ基を有するポリエステル樹脂等が挙げられる。該ポリエステル樹脂は、1分子当たり2個以上のエポキシ基を有することが好ましい。
上記エポキシ樹脂として、上記(1)〜(7)のエポキシ樹脂の他に、以下に示すエポキシ樹脂(8)〜(11)を用いてもよい。
上記エポキシ樹脂(8)としては、例えば、共役ジエン化合物を主体とする(共)重合体の炭素−炭素二重結合をエポキシ化した化合物、又は共役ジエン化合物を主体とする(共)重合体の部分水添物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化した化合物等が挙げられる。上記エポキシ樹脂(8)の具体例としては、エポキシ化ポリブタジエン又はエポキシ化ジシクロペンタジエン等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(9)としては、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック又はその部分水添物の重合体ブロックとを同一分子内に有するブロック共重合体であって、炭素−炭素二重結合をエポキシ化した化合物等が挙げられる。このような化合物としては、例えば、エポキシ化SBS等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(10)としては、例えば、上記(1)〜(9)のエポキシ樹脂の構造中に、ウレタン結合が導入されたウレタン変性エポキシ樹脂、又はポリカプロラクトン結合が導入されたポリカプロラクトン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(11)としては、ビスアリールフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(11)の市販品としては、例えば、大阪ガスケミカル社製の商品名「オンコートEXシリーズ」等が挙げられる。
また、上記エポキシ樹脂として、可撓性エポキシ樹脂が好適に用いられる。可撓性エポキシ樹脂の使用により、硬化体の柔軟性を高めることができる。
上記可撓性エポキシ樹脂としては、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートとラジカル重合性モノマーとの共重合体、エポキシ基を有するポリエステル樹脂、共役ジエン化合物を主体とする(共)重合体の炭素−炭素二重結合をエポキシ化した化合物、共役ジエン化合物を主体とする(共)重合体の部分水添物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化した化合物、ウレタン変性エポキシ樹脂、又はポリカプロラクトン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
さらに、上記可撓性エポキシ樹脂としては、ダイマー酸もしくはダイマー酸の誘導体の分子内にエポキシ基が導入されたダイマー酸変性エポキシ樹脂、又はゴム成分の分子内にエポキシ基が導入されたゴム変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記ゴム成分としては、NBR、CTBN、ポリブタジエン又はアクリルゴム等が挙げられる。
上記可撓性エポキシ樹脂は、ブタジエン骨格を有することが好ましい。ブタジエン骨格を有する可撓性エポキシ樹脂の使用により、硬化体の柔軟性をより一層高めることができる。また、低温域から高温域までの広い温度範囲にわたり、硬化体の伸度を高めることができる。
上記エポキシ樹脂として、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂又はトリグリシジルイソシアヌレートを用いてもよい。上記ビフェニル型エポキシ樹脂としては、フェノール化合物の水酸基の一部をエポキシ基含有基で置換し、残りの水酸基を水酸基以外の水素などの置換基で置換した化合物等が挙げられる。ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂又はアダマンタン型エポキシ樹脂のような剛直な環構造を有するエポキシ樹脂の使用により、硬化体の線膨張率を低くすることができる。また、トリグリシジルイソシアヌレートのような多官能かつトリアジン環を有するエポキシ樹脂の使用により、硬化体の線膨張率を効果的に低くすることができる。
上記エポキシ樹脂のエポキシ当量は、100〜500の範囲内にあることが好ましい。上記エポキシ当量が100未満であると、エポキシ樹脂の反応が進行しやすくなるため、樹脂組成物及び樹脂組成物を予備硬化させた予備硬化体の保存安定性が著しく低下することがある。上記エポキシ当量が500を超えると、エポキシ樹脂の反応が進行にくくなり、樹脂組成物の硬化が充分に進行しないことがある。
上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質の合計100重量%の内の15重量%〜80重量%が、25℃で液状であることが好ましい。上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質の合計100重量%の内の25重量%以上が25℃で液状であることがより好ましい。樹脂組成物において溶剤以外の成分の合計100重量%の内の20重量%以上が液状であることがさらに好ましい。25℃で液状である成分の含有量が少なすぎると、Bステージ状態での樹脂組成物が脆くなり、折り曲げられたときに割れたりする。
上記エポキシ樹脂は、25℃で液状である液状エポキシ樹脂であることが好ましい。
上記液状エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂が好適に用いられる。なかでも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましい。
上記液状エポキシ樹脂の25℃での粘度は、0.1〜100Pa・sの範囲内にあることが好ましい。上記粘度が0.1Pa・s未満であると、ラミネート又はプレス成型時に時に樹脂フィルムが薄くなりやすい。上記粘度が100Pa・sを超えると、樹脂フィルムのハンドリング性が低下することがある。
樹脂組成物が溶剤を含まない場合、樹脂組成物に含まれている成分の合計100重量%中、上記エポキシ樹脂の含有量は20重量%以上であることが好ましい。樹脂組成物が溶剤を含む場合、樹脂組成物に含まれている溶剤を除く成分の合計100重量%中、上記エポキシ樹脂の含有量は20重量%以上であることが好ましい。エポキシ樹脂の含有量が20重量%未満であると、樹脂フィルムのハンドリング性が低下することがある。
(硬化剤)
上記樹脂組成物に含まれている上記硬化剤は特に限定されない。上記硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、アミン化合物、アミン化合物から合成される化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物(フェノール硬化剤)、活性エステル化合物、ベンゾオキサジン化合物、マレイミド化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤又はシアネートエステル樹脂等が挙げられる。これらの硬化剤の誘導体を用いてもよい。上記硬化剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アミン化合物としては、例えば、鎖状脂肪族アミン化合物、環状脂肪族アミン化合物又は芳香族アミン化合物等が挙げられる。
上記鎖状脂肪族アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンジアミン又はポリオキシプロピレントリアミン等が挙げられる。
上記環状脂肪族アミン化合物としては、例えば、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、又は3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。
上記芳香族アミン化合物としては、例えば、m−キシレンジアミン、α−(m/p−アミノフェニル)エチルアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、又はα,α−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
上記アミン化合物として、3級アミン化合物を用いてもよい。3級アミン化合物としては、例えば、N,N−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール又は1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−1等が挙げられる。
上記アミン化合物から合成される化合物の具体例としては、ポリアミノアミド化合物、ポリアミノイミド化合物又はケチミン化合物等が挙げられる。
上記ポリアミノアミド化合物としては、例えば、上記アミン化合物とカルボン酸とから合成される化合物等が挙げられる。上記カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジヒドロイソフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸又はヘキサヒドロイソフタル酸等が挙げられる。
上記ポリアミノイミド化合物としては、例えば、上記アミン化合物とマレイミド化合物とから合成される化合物等が挙げられる。上記マレイミド化合物としては、例えば、ジアミノジフェニルメタンビスマレイミド等が挙げられる。
上記ケチミン化合物としては、例えば、上記アミン化合物とケトン化合物とから合成される化合物等が挙げられる。
上記アミン化合物から合成される化合物の他の具体例としては、上記アミン化合物と、エポキシ化合物、尿素化合物、チオ尿素化合物、アルデヒド化合物、フェノール化合物又はアクリル化合物とから合成される化合物等が挙げられる。
上記ヒドラジド化合物としては、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド、エイコサン二酸ジヒドラジド又はアジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
上記メラミン化合物としては、例えば、2,4−ジアミノ−6−ビニル−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
上記酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ポリドデカン二酸無水物又はクロレンド酸無水物等が挙げられる。
上記熱潜在性カチオン重合触媒としては、例えば、イオン性熱潜在性カチオン重合触媒又は非イオン性熱潜在性カチオン重合触媒が挙げられる。
上記イオン性熱潜在性カチオン重合触媒としては、6フッ化アンチモン、6フッ化リン又は4フッ化ホウ素等を対アニオンとする、ベンジルスルホニウム塩、ベンジルアンモニウム塩、ベンジルピリジニウム塩又はベンジルスルホニウム塩等が挙げられる。
上記非イオン性熱潜在性カチオン重合触媒としては、N−ベンジルフタルイミド又は芳香族スルホン酸エステル等が挙げられる。
上記光潜在性カチオン重合触媒としては、例えば、イオン性光潜在性カチオン重合開始剤又は非イオン性光潜在性カチオン重合開始剤が挙げられる。
上記イオン性光潜在性カチオン重合開始剤の具体例としては、オニウム塩類又は有機金属錯体類等が挙げられる。上記オニウム塩類としては、例えば、6フッ化アンチモン、6フッ化リン又は4フッ化ホウ素等を対アニオンとする、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩又は芳香族スルホニウム塩等が挙げられる。上記有機金属錯体類としては、例えば、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体又はアリールシラノール−アルミニウム錯体等が挙げられる。
上記非イオン性光潜在性カチオン重合開始剤の具体例としては、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン又はN−ヒドロキシイミドスルホナート等が挙げられる。
上記フェノール化合物としては、例えば、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、フェノールアラルキル樹脂、α−ナフトールアラルキル樹脂、β−ナフトールアラルキル樹脂又はアミノトリアジンノボラック樹脂等が挙げられる。フェノール化合物として、これらの誘導体を用いてもよい。フェノール化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化剤として上記フェノール化合物(フェノール硬化剤)が好適に用いられる。上記フェノール化合物の使用により、硬化体の耐熱性及び寸法安定性を高めることができ、さらに硬化体の吸水性を低くすることができる。さらに、粗化処理された硬化体の表面の表面粗さをより一層小さくすることができる。具体的には、粗化処理された硬化体の表面の算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzをより一層小さくすることができる。
上記硬化剤として、下記式(1)、下記式(2)及び下記式(3)の内のいずれかで表されるフェノール化合物がより好適に用いられる。この場合には、硬化体の表面の表面粗さをさらに一層小さくすることができる。
Figure 2010024391
上記式(1)中、R1はメチル基又はエチル基を示し、R2は水素又は炭化水素基を示し、nは2〜4の整数を示す。
Figure 2010024391
上記式(2)中、mは0〜5の整数を示す。
Figure 2010024391
上記式(3)中、R3は下記式(4a)又は下記式(4b)で表される基を示し、R4は下記式(5a)、下記式(5b)又は下記式(5c)で表される基を示し、R5は下記式(6a)又は下記式(6b)で表される基を示し、R6は水素又は炭素数1〜20の有機基を示し、pは1〜6の整数を示し、qは1〜6の整数を示し、rは1〜11の整数を示す。
Figure 2010024391
Figure 2010024391
Figure 2010024391
なかでも、上記式(3)で表されるフェノール化合物であって、上記式(3)中のR4が上記式(5c)で表される基である、ビフェニル構造を有するフェノール化合物が好ましい。この好ましい硬化剤の使用により、硬化体の電気特性及び耐熱性をより一層高くすることができ、かつ、硬化体の線膨張率及び吸水性をより一層低くすることができる。さらに、熱履歴が与えられた場合の硬化体の寸法安定性をより一層高めることができる。
上記硬化剤は、下記式(7)で示される構造を有するフェノール化合物であることが特に好ましい。この場合には、硬化体の電気特性及び耐熱性をより一層高くすることができ、かつ硬化体の線膨張率及び吸水性をより一層低くすることができる。さらに、熱履歴が与えられた場合の硬化体の寸法安定性をさらに一層高めることができる。
Figure 2010024391
上記式(7)中、sは1〜11の整数を示す。
上記活性エステル化合物としては、例えば、芳香族多価エステル化合物等が挙げられる。活性エステル化合物を用いた場合には、活性エステル基とエポキシ樹脂との反応時にOH基が生成されないため、誘電率及び誘電正接に優れた硬化体を得ることができる。上記活性エステル化合物の具体例は、例えば、特開2002−12650号公報に開示されている。
上記活性エステル化合物の市販品としては、例えば、DIC社製の商品名「EPICLON EXB9451−65T」、「EPICLON EXB9460S−65T」等が挙げられる。
上記ベンゾオキサジン化合物としては、脂肪族ベンゾオキサジン樹脂又は芳香族ベンゾオキサジン樹脂が挙げられる。
上記ベンゾオキサジン化合物の市販品としては、例えば、四国化成学工業社製の商品名「P−d型ベンゾオキサジン」及び「F−a型ベンゾオキサジン」等が挙げられる。
上記シアネートエステル樹脂として、例えばノボラック型シーネートエステル樹脂、ビスフェノール型シアネートエステル樹脂及び一部がトリアジン化されたプレポリマーなどを用いることができる。シアネートエステル樹脂の使用により、硬化体の線膨張率をより一層低くすることができる。
上記マレイミド化合物は、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、1,2−ビス(マレイミド)エタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン及びこれらのオリゴマー、並びにマレイミド骨格含有ジアミン縮合物からなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。これらの好ましいマレイミド化合物の使用により、硬化体の線膨張率をより一層低くすることができ、かつ硬化体のガラス転移温度をより一層高くすることができる。上記オリゴマーは、上述したマレイミド化合物の内のモノマーであるマレイミド化合物を縮合させることにより得られたオリゴマーである。
なかでも、上記マレイミド化合物は、ポリフェニルメタンマレイミド及びビスマレイミドオリゴマーの内の少なくとも一方であることがより好ましい。上記ビスマレイミドオリゴマーは、フェニルメタンビスマレイミドと、4,4−ジアミノジフェニルメタンとの縮合により得られたオリゴマーであることが好ましい。これらの好ましいマレイミド化合物の使用により、硬化体の線膨張率をさらに一層低くすることができ、かつ硬化体のガラス転移温度をさらに一層高くすることができる。
上記マレイミド化合物の市販品としては、ポリフェニルメタンマレイミド(大和化成社製、商品名「BMI−2300」)及びビスマレイミドオリゴマー(大和化成社製、商品名「DAIMAID−100H」)等が挙げられる。
上記大和化成社製のBMI−2300は低分子量のオリゴマーである。上記大和化成社製のDAIMAID−100Hは、ジアミノジフェニルメタンをアミン硬化剤として用いた縮合物であり、分子量が高い。上記BMI−2300にかえて、上記DAIMAID−100Hを用いた場合、硬化体の破断強度及び破断点伸度を高くすることができる。
本発明では、上記硬化剤として、フェノール硬化剤、活性エステル化合物及びシアネートエステル樹脂の内の少なくとも一種が好適に用いられる。
上記フェノール硬化剤は、エポキシ基に対して高い反応活性を示す。また、上記フェノール硬化剤を用いた場合には、硬化体のガラス転移温度Tgを比較的高くすることができ、かつ耐薬品性を高めることができる。
上記硬化剤として、活性エステル化合物又はベンゾオキサジン化合物を用いた場合には、誘電率及び誘電正接により一層優れた硬化体を得ることができる。活性エステル化合物は、芳香族多価エステル化合物であることが好ましい。芳香族多価エステル化合物の使用により、誘電率及び誘電正接にさらに一層優れた硬化体を得ることができる。
上記硬化剤として活性エステル化合物を用いた場合には、誘電率及び誘電正接にさらに一層優れ、かつ微細配線形成性に優れているという効果が得られる。このため、例えば、樹脂組成物をビルドアップ用絶縁材料として用いた際に、特に高周波領域での信号伝送に優れるという効果が期待できる。
上記硬化剤は、ビフェニル構造を有するフェノール化合物、ナフタレン構造を有するフェノール化合物、ジシクロペンタジエン構造を有するフェノール化合物、アミノトリアジン構造を有するフェノール化合物、活性エステル化合物及びシアネートエステル樹脂からなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。上記硬化剤は、ビフェニル型フェノール硬化剤、ナフトール硬化剤及び活性エステル化合物からなる群から選択された少なくとも1種であることがより好ましく、ビフェニル型フェノール硬化剤であることが特に好ましい。これらの好ましい硬化剤の使用により、粗化処理の際に、樹脂成分が悪影響をより一層受け難い。具体的には、粗化処理の際に、硬化体の表面が粗くなりすぎることなく、上記表面処理物質を選択的に脱離させて、微細な孔を形成できる。このため、硬化体の表面に表面粗さが非常に小さい、微細な凹凸を形成できる。
上記フェノール硬化剤は、1分子中に水酸基を2個以上有することが好ましい。この場合には、硬化体の強度や耐熱性を高めることができる。
上記硬化剤の重量平均分子量、特に上記フェノール硬化剤の重量平均分子量は、1000〜20000の範囲内にあることが好ましい。上記重量平均分子量が上記の範囲内にある場合には、硬化剤の溶剤への溶解性が高くなり、かつ硬化体の耐熱性及び強度を高めることができる。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での重量平均分子量である。
上記硬化剤の軟化点、特に上記フェノール硬化剤の軟化点は、50℃以上であることが好ましい。上記軟化点が50℃未満であると、硬化剤の分子量が小さくなる傾向があるため、硬化体の性能が充分に高められないことがある。上記軟化点の好ましい上限は、100℃である。軟化点が100℃を超えると、樹脂組成物を作製する際に、硬化剤が溶剤に溶解しないことがある。
上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質の合計100重量%中、上記エポキシ樹脂と上記硬化剤との合計の含有量の好ましい下限は40重量%以上である。上記エポキシ樹脂と上記硬化剤との合計の含有量が少なすぎると、樹脂組成物が基材フィルム上に塗工され、樹脂フィルムとされた場合に、樹脂フィルムのハンドリング性が低下する。樹脂フィルムのハンドリング性が低下すると、樹脂フィルムが湾曲された場合などに割れやすくなり、かつ製造装置等に樹脂フィルムの切り屑が付着しやすくなる。上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質の合計100重量%中、上記エポキシ樹脂と上記フェノール硬化剤との合計の含有量のより好ましい下限は50重量%、さらに好ましい下限は55重量%、特に好ましい下限は60重量%、好ましい上限は90重量%、より好ましい上限は80重量%である。
上記エポキシ樹脂の上記硬化剤に対する配合比(エポキシ樹脂/硬化剤)は、重量比で1.0〜2.5の範囲内にあることが好ましい。上記配合比が1.0未満であると、エポキシ樹脂の含有量が少なすぎて、硬化体の表面の平坦性が低下することがある。上記配合比が2.5を超えると、硬化剤の含有量が少なすぎて、硬化後に未反応のエポキシ樹脂が残存しやすくなり、硬化体のガラス転移温度や線膨張率性能が低下することがある。上記配合比の好ましい下限は1.3、より好ましい下限は1.6、好ましい上限は2.4、より好ましい上限は2.2である。
(硬化促進剤)
上記樹脂組成物に含まれている硬化促進剤は特に限定されない。硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化促進剤は、イミダゾール化合物であることが好ましい。上記硬化促進剤は、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ジヒドロキシメチルイミダゾールからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
さらに、上記硬化促進剤としては、トリフェノルホスフィンなどのホスフィン化合物、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)、DBUのフェノール塩、DBNのフェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、オルソフタル酸塩又はフェノールノボラック樹脂塩等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質の合計100重量%中、上記硬化促進剤の含有量の好ましい下限は0.01重量%、より好ましい下限は0.1重量%、さらに好ましい下限は0.2重量%、好ましい上限は10重量%、より好ましい上限は5重量%、さらに好ましい上限は3重量%である。上記硬化促進剤の含有量が少なすぎると、樹脂組成物の硬化が十分に進行せずに、硬化体のTgが低くなったり、強度が低くなったりすることがある。上記硬化促進剤の含有量が多すぎると、反応開始点が多くなることから、樹脂組成物を硬化させても分子量が十分に大きくならなかったり、エポキシ樹脂の架橋が不均一になったりすることがある。また、樹脂組成物の保存安定性が低下することがある。
(表面処理物質)
上記樹脂組成物は、無機充填材がシランカップリング剤により表面処理されている表面処理物質を含有する。表面処理物質は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機充填材の平均粒子径は0.05〜1.5μmの範囲内にある。平均粒子径が0.05μm未満であると、表面処理物質が凝集しやすくなり、硬化体において粗面の状態のむらが生じることがある。従って、粗化処理された硬化体と金属層との接着強度が低下しやすい。また、樹脂組成物の粘度が高くなり、スルーホール又はビアホール等への樹脂組成物の充填性が低下することがある。平均粒子径が1.5μmを超えると、粗化処理された硬化体の表面の表面粗さが大きくなる傾向がある。また、粗化処理の際に、表面処理物質が脱離し難くなる。さらに、粗化処理された硬化体の表面に金属層を形成するために、めっき処理した場合に、脱離しなかった表面処理物質と樹脂成分との空隙に、めっき液が潜り込むことがある。このため、硬化体の表面に形成された金属層に不具合が生じるおそれがある。
上記無機充填材の平均粒子径は、0.2〜1.5μmの範囲内にあることが好ましい。平均粒子径が上記範囲内にある場合、粗化処理された硬化体の表面に、より一層微細な粗面を形成できる。
上記無機充填材の具体例としては、例えば、窒化アルミニウム、アルミナ、ボロンナイトライト、酸化チタン、マイカ、雲母粉、クレイ、タルク、シリカ又は窒化珪素等が挙げられる。上記シリカとしては、溶融シリカ又は結晶シリカ等が挙げられる。
上記無機充填材の最大粒子径は10μm以下であることが好ましい。該最大粒子径が10μmを超えると、硬化体の表面にパターン状の金属層を形成した場合、1つの表面処理物質の脱離に基づく粗面(凹部)が隣接する金属層の双方に近接することがある。このため、配線間の電気特性にばらつきが生じて、誤作動の発生又は信頼性の低下の原因となる。
上記無機充填材は、シリカであることが好ましい。シリカは工業的に容易に入手でき、かつ安価である。シリカの使用により、硬化体の線膨張率を低くすることができ、かつ熱放散性を高めることができる。シリカは溶融シリカであることが好ましい。
上記平均粒子径として、50%となるメディアン径(d50)の値を採用できる。上記平均粒子径は、レーザー回折散乱方式の粒度分布測定装置を用いて測定できる。
上記無機充填材の比表面積は10〜70m/gの範囲内にあることが好ましい。上記比表面積が10m/g未満であると、粗化処理された硬化体と金属層との接着強度が低下しやすい。表面処理物質と樹脂成分との界面に粗化液が浸透し難くなり、表面処理物質が脱離する程度まで粗化処理すると、硬化体の表面の表面粗さが大きくなる傾向がある。比表面積が70m/gを超えると、粗化処理された硬化体の表面の表面粗さが大きくなる傾向がある。さらに、表面処理物質が凝集しやすくなり、硬化体においてむらが生じやすい。
上記無機充填材は、シランカップリング剤により表面処理されている。上記シランカップリング剤は、上記エポキシ樹脂又は上記硬化剤と反応しうる官能基を有する。従って、樹脂組成物を硬化させると、表面処理物質が上記エポキシ樹脂又は上記硬化剤と反応し、予備硬化体中で表面処理物質が樹脂成分と適度に密着する。このため、上記予備硬化体の表面を粗化処理することにより、粗化処理された硬化体の表面の表面粗さを小さくすることができる。さらに、硬化体と金属層との接着強度を高めることができる。
上記シランカップリング剤の上記官能基は、エポキシ基、イミダゾール基又はアミノ基である。このような官能基をシランカップリング剤が有するので、粗化処理された硬化体の表面の表面粗さを小さくできる。さらに、硬化体と金属層との接着強度をより一層高めることができる。
本発明で用いられる上記表面処理物質では、上記無機充填材100重量部がシランカップリング剤0.5〜3.5重量部により表面処理されている。シランカップリング剤の量が少なすぎると、樹脂組成物中で表面処理物質が凝集しやすくなり、硬化体の表面の表面粗さが大きくなる傾向がある。上記シランカップリング剤の量が多すぎると、硬化が進行しやすくなり保存安定性が悪くなる。また、硬化体の表面の表面粗さが大きくなりやすい。上記無機充填材100重量部を表面処理するシランカップリング剤の量の好ましい下限は1.0重量部、好ましい上限は3.0重量部、より好ましい上限は2.5重量部である。
上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質の合計100重量%中、上記表面処理物質の含有量は5〜80重量%の範囲内である。上記表面処理物質の含有量が少なすぎると、粗化処理された硬化体の表面の表面粗さが大きくなる傾向がある。上記表面処理物質の含有量が多すぎると、粗化処理された硬化体の表面の表面粗さが大きくなる傾向がある。さらに、樹脂組成物により形成された樹脂フィルムが脆くなりやすいため、樹脂フィルムのハンドリング性を充分に確保できないことがある。上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質の合計100重量%中、上記表面処理物質の含有量の好ましい下限は10重量%、より好ましい下限は15重量%、好ましい上限は50重量%、より好ましい上限は40重量%である。上記表面処理物質の含有量が少なすぎると、硬化体と金属層との接着強度が低下しやすくなる。上記表面処理物質の含有量が多すぎると、粗化処理された硬化体の表面の表面粗さが悪化しやすくなる。
(添加され得る他の成分)
上記樹脂組成物は、イミダゾールシラン化合物を含有することが好ましい。イミダゾールシラン化合物の使用により、粗化処理された硬化体の表面の表面粗さをより一層小さくすることができる。
上記エポキシ樹脂及び上記硬化剤の合計100重量部に対して、上記イミダゾールシラン化合物は0.01〜3重量部の範囲内で含有されることが好ましい。上記イミダゾールシラン化合物の含有量が上記範囲内であると、粗化処理された硬化体の表面の表面粗さをより一層小さくすることができ、硬化体と金属層との粗化接着強度をより一層高くすることができる。上記イミダゾールシラン化合物の含有量のより好ましい下限は0.03重量部、より好ましい上限は2重量部、更に好ましい上限は1重量部である。上記エポキシ樹脂100重量部に対する上記硬化剤の含有量が30重量部を超える場合には、上記エポキシ樹脂及び上記硬化剤の合計100重量部に対して、上記イミダゾールシラン化合物は0.01〜2重量部の範囲内で含有されることが特に好ましい。
上記樹脂組成物は、溶剤を含有していてもよい。該溶剤として、樹脂成分の溶解性が良好な溶剤が適宜選択されて用いられる。上記溶剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、メタノール、エタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセロソルブ、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、又はエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。上記溶剤は、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ヘキサン又はプロピレングリコールモノメチルエーテルであることが好ましい。これらの好ましい溶剤の使用により、樹脂成分を溶剤により一層容易に溶解させることができる。
上記溶剤の配合量は、例えば樹脂組成物を基材フィルム上に塗工し、樹脂組成物を形成する際に、樹脂組成物を均一な厚みに塗工できるように適宜選択される。上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質を含む樹脂組成物中の溶剤以外の成分の合計100重量部に対して、上記溶剤の含有量の好ましい下限は30重量部、より好ましい下限は40重量部、さらに好ましい下限は50重量部、好ましい上限は200重量部、より好ましい上限は150重量部、さらに好ましい上限は70重量部、特に好ましい上限は60重量部である。上記溶剤の含有量が少なすぎると、樹脂組成物の流動性が低すぎて、樹脂組成物を均一な厚みに塗工できないことがある。上記溶剤の含有量が多すぎると、樹脂組成物の流動性が高すぎて、樹脂組成物を塗工した際に、必要以上に濡れ拡がることがある。
上記樹脂組成物は、上記エポキシ樹脂に加えて、必要に応じて、該エポキシ樹脂と共重合可能な樹脂を含有していてもよい。
上記共重合可能な樹脂は特に限定されない。上記共重合可能な樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂又はベンゾオキサジン樹脂等が挙げられる。上記共重合可能な樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
上記熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、エポキシ基、イソシアネート基又はアミノ基などの官能基により、ポリフェニレンエーテル樹脂を変性させた樹脂等が挙げられる。上記熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
エポキシ基によりポリフェニレンエーテル樹脂を変性させた硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂の市販品としては、例えば、三菱ガス化学社製の商品名「OPE−2Gly」等が挙げられる。
上記ベンゾオキサジン樹脂は特に限定されない。上記ベンゾオキサジン樹脂の具体例としては、メチル基、エチル基、フェニル基、ビフェニル基もしくはシクロヘキシル基などのアリール基骨格を有する置換基がオキサジン環の窒素に結合された樹脂、又はメチレン基、エチレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基もしくはシクロヘキシレン基などのアリーレン基骨格を有する置換基が2つのオキサジン環の窒素間に結合された樹脂等が挙げられる。上記ベンゾオキサジン樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。ベンゾオキサジン樹脂とエポキシ樹脂との反応により、硬化体の耐熱性を高くしたり、吸水性及び線膨張率を低くしたりすることができる。
なお、ベンゾオキサジンモノマーもしくはオリゴマー、又はベンゾオキサジンモノマーもしくはオリゴマーがオキサジン環の開環重合によって高分子量化された樹脂は、上記ベンゾオキサジン樹脂に含まれる。
上記樹脂組成物には、例えば、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、難燃剤、酸化防止剤又は可塑剤等の添加剤がさらに添加されてもよい。
樹脂成分の相溶性、樹脂組成物の安定性、又は樹脂組成物を使用する際の作業性を高めるために、レベリング剤、非反応性希釈剤、反応性希釈剤、揺変性付与剤又は増粘剤等を、樹脂組成物に適宜添加してもよい。
樹脂組成物には、必要に応じて、カップリング剤を添加してもよい。
上記カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤又はアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。なかでも、シランカップリング剤が好ましい。上記シランカップリング剤としては、アミノ基を有するシラン化合物、メルカプト基を有するシラン化合物、イソシアネート基を有するシラン化合物、酸無水物基を有するシラン化合物又はイソシアヌル酸基を有するシラン化合物などが挙げられる。上記シランカップリング剤は、アミノ基を有するシラン化合物、メルカプト基を有するシラン化合物、イソシアネート基を有するシラン化合物、酸無水物基を有するシラン化合物及びイソシアヌル酸基を有するシラン化合物からなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
樹脂組成物には、高分子樹脂を添加してもよい。該高分子樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリサルホン樹脂又はポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。
(樹脂組成物)
上記樹脂組成物の製造方法は特に限定されない。該樹脂組成物の製造方法としては、例えば上記エポキシ樹脂と、上記硬化剤と、上記硬化促進剤と、上記表面処理物質と、必要に応じて配合される他の成分とを、溶剤に添加した後、乾燥し、溶剤を除去する方法などが挙げられる。
上記樹脂組成物は、例えば、多層基板のコア層又はビルドアップ層等を形成する基板用材料、接着シート、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、プリント基板、プリプレグ又はワニス等に好適に用いられる。
上記樹脂組成物の使用により、粗化処理された硬化体の表面に微細な孔を形成できる。このため、硬化体の表面に微細な配線を形成でき、かつ該配線における信号伝送速度を速くすることができる。従って、上記樹脂組成物は、樹脂付き銅箔、銅張積層板、プリント基板、プリプレグ、接着シート又はTAB用テープなどの絶縁性を要求される用途に好適に用いられる。
硬化体の表面に導電性めっき層を形成した後に回路を形成するアディティブ法、及びセミアディティブ法などによって硬化体と導電性めっき層とを複数積層するビルドアップ基板等に、上記樹脂組成物はより好適に用いられる。この場合には、導電性めっき層と硬化体との接合信頼性を高めることができる。また、粗化処理された硬化体の表面に形成された表面処理物質が脱離した孔が小さいため、パターン間の絶縁信頼性を高めることができる。さらに、表面処理物質が脱離した孔の深さが浅いため、層間および配線間の絶縁信頼性を高めることができる。よって、信頼性の高い微細な配線を形成できる。
上記樹脂組成物は、封止用材料又はソルダーレジスト等にも用いることができる。また、硬化体の表面に形成された配線の高速信号伝送性能を高めることができるため、高周波特性が要求されるパッシブ部品又はアクティブ部品が内蔵される部品内蔵基板等にも、上記樹脂組成物を用いることができる。
上記樹脂組成物は、多孔質基材に含浸され、プリプレグとして用いられてもよい。
上記多孔質基材は、上記樹脂組成物を含浸させることができれば特に限定されない。上記多孔質基材としては、有機繊維又はガラス繊維等が挙げられる。上記有機繊維としては、カーボン繊維、ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維又はポリエステル繊維等が挙げられる。また、多孔質基材の形態としては、平織りもしくは綾織りなどの織物の形態、又は不織布の形態等が挙げられる。上記多孔質基材は、ガラス繊維不織布であることが好ましい。
(樹脂フィルム及び積層フィルム)
図1に、本発明の一実施形態に係る積層体を得るために用いられる積層フィルムを部分切欠正面断面図で示す。
図1に示すように、積層フィルム1は、基材フィルム2と、該基材フィルム2の上面2aに積層されている樹脂フィルム3とを備える。樹脂フィルム3は、上記樹脂組成物により形成されている。
基材フィルム2としては、樹脂コート紙、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム又は銅箔などの金属箔等が挙げられる。
基板上に樹脂フィルム3をラミネートし、基材フィルム2を剥離した後、樹脂フィルム3を硬化させたときに、硬化体の表面の平坦性を高めることができるので、基材フィルム2の弾性率は高いことが好ましい。弾性率が高い基材としては、銅箔等が挙げられる。
基材フィルム2の上面2aは、樹脂フィルム3の下面と接触している。このため、基材フィルム2の上面2aの表面粗さは、粗化処理された硬化体の表面の表面粗さに影響する。従って、基材フィルム2の上面2aの表面粗さは小さいことが好ましい。このため、基材フィルム2として、PETフィルムなどのプラスチックフィルムが好適に用いられる。また、基材フィルム2として、表面粗さが比較的小さい銅箔も好適に用いられる。
離型性を高めるために、基材フィルム2は離型処理されていてもよい。基材フィルム2を離型処理する方法としては、シリコン化合物、フッ素化合物もしくは界面活性剤等を基材中に含有させる方法、基材の表面に凹凸を付与する方法、並びにシリコン化合物、フッ素化合物もしくは界面活性剤等の離型性を有する物質を基材の表面に塗布する方法等が挙げられる。基材の表面に凹凸を付与する方法としては、基材の表面にエンボス加工などを施す方法等が挙げられる。
基材フィルム2には、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、酸化防止剤、レベリング剤又は可塑剤等の添加剤が添加されてもよい。
基材フィルム2の厚みは特に限定されない。基材フィルム2の厚みは、10〜200μmの範囲内にあることが好ましい。基材フィルム2の厚みが薄いと、張力によって伸びやすくなるため、しわが発生したり、樹脂フィルム3の寸法変化を引き起こしたりしやすくなる。このため、基材フィルム2の厚みは20μm以上であることがより好ましい。
樹脂フィルム3は、溶剤を含まないか、又は溶剤を5重量%以下の含有量で含むことが好ましい。溶剤の含有量が5重量%を超えると、基材フィルム2と樹脂フィルム3との接着力が強くなり、樹脂フィルム3を基材フィルム2から剥がし難くなることがある。溶剤の含有量が少ないほど、樹脂フィルム3のラミネート後の平坦性を得やすくなる。ただし、溶剤の含有量が少ないほど、樹脂フィルムが硬くなり、樹脂フィルムのハンドリング性が低下するおそれがある。樹脂フィルム3は、溶剤を0.1〜3重量%の範囲内で含むことがより好ましい。なお、溶剤を含む樹脂組成物を乾燥させることにより、溶剤の一部又は全部が除去されるため、溶剤を含まないか、又は溶剤を5重量%以下の含有量で含む樹脂フィルム3が得られる。
樹脂フィルム3の厚みは、10〜200μmの範囲内にあることが好ましい。樹脂フィルム3の厚みが上記範囲内にある場合には、プリント配線板等の絶縁層を形成するために樹脂フィルム3を好適に使用できる。
積層フィルム1は、例えば以下のようにして製造できる。
上記樹脂組成物を基材フィルム2の上面2aに塗工する。次に、基材フィルム2の上面2aに塗工された樹脂組成物を、必要に応じて80〜150℃程度で乾燥し、一部又は全部の溶剤を除去する。このようにして、基材フィルム2の上面2aに、樹脂フィルム3を形成できる。上記乾燥温度は100℃程度である。上記乾燥時間は30秒〜10分程度である。この乾燥処理により樹脂組成物の硬化が進行し、樹脂フィルム3が半硬化状態になることがある。
また、上記樹脂組成物を用いて、基材を有しない樹脂フィルムを形成してもよい。
樹脂フィルム3の他の製造方法として、押出成形法、又は押出成形法以外の従来公知のフィルム成形法等が挙げられる。
上記押出成形法では、上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤、上記表面処理物質及び必要に応じて配合される材料を、押出機にて溶融混練した後、押出し、Tダイ又はサーキュラーダイ等を用いてフィルム状に成形する。これにより、樹脂フィルムを得ることができる。
(硬化体及び積層体)
積層フィルム1は、例えば、単層又は多層のプリント配線板の絶縁層等を形成するのに用いられる。
図2に、本発明の一実施形態に係る積層体としての多層プリント配線板を模式的に正面断面図で示す。
図2に示すプリント多層プリント配線板11では、基板12の上面12aに、複数の硬化体層3Aが積層されている。硬化体層3Aは絶縁層である。後述のように、硬化体層3Aは、樹脂フィルム3を加熱し、予備硬化させることにより得られた予備硬化体層を、粗化処理することにより形成されている。
最上層の硬化体層3A以外の硬化体層3Aの上面3aには、一部の領域に金属層13が形成されている。硬化体層3Aの各層間に、金属層13が配置されている。下方の金属層13と上方の金属層13とは、図示しないビアホール接続及びスルーホール接続の内の少なくとも一方により接続されている。
プリント配線多層基板11を製造する際には、図3(a)に示すように、先ず、基板12の上面12aに、樹脂フィルム3を対向させつつ、ラミネートする。また、基板12の上面12aに積層された樹脂フィルム3をプレスする。
上記ラミネートに用いられるラミネーター又はプレス機は特に限定されない。ラミネーター又はプレス機としては、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、北川精機社製の真空プレス機、又はミカドテクノス社製のクイック式真空プレス機等が挙げられる。
上記ラミネートの温度は、70〜130℃の範囲内にあることが好ましい。上記温度が低すぎると、樹脂フィルム3と基板12の上面12aとの密着性が低下し、デラミネーションが生じやすくなる。また、上記温度が低すぎると、樹脂フィルム3の上面3aの平坦性が低下したり、樹脂フィルムの埋め込みが不十分となり、パターン間でボイドなどが発生することがあったりする。上記温度が高すぎると、樹脂フィルム3の厚みが減少したり、樹脂フィルム3の上面3aの平坦性が低下したりすることがある。また、上記温度が高すぎると、樹脂フィルム3の硬化反応が進行しやすい。このため、樹脂フィルム3が積層される基板等の表面に凹凸がある場合、該凹凸への樹脂フィルム3の充填性が低下することがある。上記ラミネートの温度の好ましい下限は80℃であり、好ましい上限は120℃であり、より好ましい上限は100℃である。
上記ラミネートの圧力は、0.1〜2.0MPaの範囲内にあることが好ましい。上記ラミネートの圧力が低すぎると、樹脂フィルム3と基板12の上面12aとの密着性が低下し、デラミネーションが生じやすくなる。また、上記圧力が低すぎると、樹脂フィルム3の上面3aを十分に平坦にできなかったり、樹脂フィルム3が積層される表面に凹凸がある場合、該凹凸への樹脂フィルム3の充填性が低下したりするおそれがある。上記圧力が高すぎると、樹脂フィルムの膜減りが生じることがある。また、上記圧力が高すぎると、樹脂フィルム3が積層される表面に凹凸がある場合、該凹凸により樹脂フィルム3に加わる圧力が部分的に大きく異なりやすい。このため、樹脂フィルム3に厚みむらが生じやすく、樹脂フィルム3の上面3aを充分に平坦にできないことがある。上記圧力の好ましい下限は0.3MPaであり、好ましい上限は1.0MPaであり、より好ましい上限は0.8MPaである。
上記プレスの時間は特に限定されない。作業効率を高めることができるので、上記プレスの時間は、6秒〜6時間の範囲内にあることが好ましい。さらに、樹脂フィルム3が積層される表面に凹凸がある場合、該凹凸に樹脂フィルム3を充分に充填させることができ、かつ樹脂フィルム3の上面3aの平坦性を確保できる。
基板12の上面12aに樹脂フィルム3を積層した後、キュア工程(加熱工程)が行われる。
キュア工程では、樹脂フィルム3を加熱し、予備硬化させる。加熱にはオーブン等が用いられる。樹脂フィルム3が加熱されると、基板12の上面12aに、樹脂フィルム3が硬化された予備硬化体層が形成される。
キュア工程での加熱温度は、100〜200℃の範囲内にある。上記加熱温度が低すぎると、樹脂フィルム3が充分に硬化しないことがある。また、上記加熱温度が低すぎると、粗化処理された硬化体層の表面の表面粗さが大きくなることがあったり、硬化体層と金属層との接着強度が低下したりすることがある。上記加熱温度が高すぎると、樹脂フィルム3が熱収縮しやすくなる。このため、予備硬化体層の上面の平坦性を充分に確保できないことがある。また、上記加熱温度が高すぎると、樹脂組成物の硬化反応が急速に進行しやすい。このため、硬化度が部分的に異なりやすく、粗い部分と密な部分とが形成されやすい。この結果、粗化処理された硬化体層の表面の表面粗さが大きくなる傾向がある。上記加熱温度の好ましい下限は130℃であり、好ましい上限は200℃である。上記加熱温度が高すぎると、後述する粗化処理が困難になるおそれがある。
キュア工程での加熱時間は、3〜120分の範囲内にあることが好ましい。上記加熱時間が短すぎると、樹脂フィルム3が充分に硬化しないことがある。上記加熱時間が長すぎると、後述する粗化処理が困難になるおそれがある。
上記加熱の際に、段階的に昇温させるステップキュア法等を用いてもよい。
キュア工程の後、予備硬化体層の表面は、膨潤処理及び粗化処理される。また、予備硬化体層は膨潤処理されずに、粗化処理のみされてもよい。もっとも、予備硬化体層は、膨潤処理された後、粗化処理されることが好ましい。
予備硬化体層を膨潤処理する方法は、特に限定されない。膨潤処理は従来公知の手法により行われる。例えば、エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホシキド、N−メチル2ピロリドン、ピリジン、硫酸もしくはスルホン酸などを主成分として含む水溶液又は有機溶媒分散液により予備硬化体層を処理する方法等が挙げられる。なかでも、エチレングリコールを含む水溶液中で予備硬化体層を処理する方法が好ましい。膨潤処理の温度は、50〜80℃の範囲内にあることが好ましい。膨潤温度のより好ましい下限は60℃である。膨潤処理の温度が低すぎると、粗化処理後の硬化体層と金属層との接着強度が低下することがある。膨潤処理の温度が高すぎると、粗化処理された硬化体層の表面の表面粗さが大きくなる傾向がある。
上記膨潤処理の時間は、1〜40分間であることが好ましく、5〜30分間であることがより好ましく、5〜20分間であることがさらに好ましい。膨潤処理の時間が短すぎると、粗化処理された硬化体層と金属層との接着強度が低下することがある。膨潤処理の時間が長すぎると、粗化処理された硬化体層の表面の表面粗さが大きくなる傾向がある。
予備硬化体層を粗化処理する方法は、特に限定されない。粗化処理は従来公知の手法により行われる。例えば、マンガン化合物、クロム化合物もしくは過硫酸化合物等を主成分として含む化学酸化剤の水溶液又は有機溶媒分散液等の粗化処理液により予備硬化体層を処理する方法が挙げられる。
上記マンガン化合物としては、過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナトリウム等が挙げられる。上記クロム化合物としては、重クロム酸カリウム又は無水クロム酸カリウム等が挙げられる。上記過硫酸化合物としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム又は過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
上記粗化処理の温度は、55〜80℃の範囲内にある。粗化処理の温度の好ましい下限は60℃である。粗化処理の温度が低すぎると、粗化処理された硬化体層と金属層との接着強度が低下することがある。粗化処理の温度が高すぎると、粗化処理された硬化体層の表面の表面粗さが大きくなったり、硬化体層と金属層との接着強度が低下したりすることがある。
上記粗化処理の時間は、1〜30分間であることが好ましく、5〜30分間であることがより好ましい。粗化処理の時間が短すぎると、粗化処理された硬化体層と金属層との接着強度が低下することがある。粗化処理の時間が長すぎると、粗化処理された硬化体層の表面の表面粗さが大きくなる傾向がある。さらに、硬化体層と金属層との接着強度が低下する傾向がある。
粗化処理は、1回のみ行われてもよく、複数回行われてもよい。粗化処理の回数が多いと粗化効果も大きい。ただし、粗化処理の回数が3回を超えると、粗化効果が飽和することがあり、又は硬化体の表面の樹脂成分が必要以上に削られて、硬化体層の表面に上記表面処理物質が脱離した形状の孔が形成されにくくなる。
上記粗化処理液として、30〜90g/L過マンガン酸溶液、30〜90g/Lの過マンガン酸塩溶液、又は30〜90g/L水酸化ナトリウム溶液が好適に用いられる。これらの粗化処理液中で、予備硬化体層を浸漬し、揺動させることが好ましい。
このようにして、図3(b)に示すように、基板12の上面12aに、粗化処理された硬化体層3Aを形成できる。
図3(b)に示す硬化体層3Aを図4に拡大して示すように、粗化処理された硬化体層3Aの上面3aには、上記表面処理物質の脱離により形成された複数の孔3bが形成されている。
上記樹脂組成物は、上記無機充填材が上記特定の量のシランカップリング剤により表面処理されている表面処理物質を含有する。このため、樹脂組成物中での表面処理物質の分散性に優れている。従って、硬化体層3Aの上面3aには、表面処理物質の凝集物の脱離による大きな孔が形成され難い。よって、硬化体層3Aの強度が局所的に低下し難く、硬化体層3Aと金属層との接着強度を高めることができる。また、硬化体層3Aの線膨張率を低くするために、樹脂組成物に表面処理物質を多く配合できる。表面処理物質を多く配合しても、硬化体層3Aの表面に微細な複数の孔3bを形成できる。孔3bは、表面処理物質が数個程度、例えば2〜10個程度まとまって脱離した孔であってもよい。
また、表面処理物質の脱離により形成された孔3bの近傍では、図4に矢印Xを付して示す部分の樹脂成分が必要以上に多く削られ難い。このため、硬化体層3Aの強度を高めることができる。
上記のようにして得られた粗化処理された硬化体層3A(硬化体)の表面の算術平均粗さRaは300nm以下であり、かつ十点平均粗さRzは3.0μm以下であることが好ましい。硬化体層3Aの表面の算術平均粗さRaは、200nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることがさらに好ましい。硬化体層3Aの表面の十点平均粗さRzは、2μm以下であることがより好ましく、1.5μm以下であることがさらに好ましい。上記算術平均粗さRaが大きすぎたり、上記十点平均粗さRzが大きすぎたりすると、硬化体層3Aの表面に形成された金属配線における電気信号の伝送速度を高速化できないことがある。算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzは、JIS B0601−1994に準拠した測定法により求めることができる。
粗化処理の後、図3(c)に示すように、上記粗化処理された硬化体層3Aの上面3aには、金属層13が形成される。金属層13を形成する方法は特に限定されない。硬化体層3Aの上面3aに無電解めっきを行ったり、無電解めっきを行った後、電解めっきをさらに行ったりすることにより、金属層13を形成できる。無電解めっきを行う前に、硬化体層3Aの上面3aをプラズマ処理又は薬品処理することにより、上面3aに微細な凹凸を形成してもよい。
上記めっき材料としては、例えば、金、銀、銅、ロジウム、パラジウム、ニッケル又は錫などが挙げられる。これらの2種類以上の合金を用いてもよい。2種類以上のめっき材料により複数層の金属層を形成してもよい。
硬化体層3Aと金属層13との接着強度(粗化接着強度)は、4.9N/cm以上であることが好ましい。
図3(c)に示す金属層13が上面3aに形成された硬化体層3Aを図5に拡大して示すように、粗化処理された硬化体層3Aの上面3aに形成された微細な孔3b内に、金属層13が至っている。従って、物理的なアンカー効果により、硬化体層3Aと金属層13との接着強度を高めることができる。また、表面処理物質の脱離により形成された孔3bの近傍では、樹脂成分が必要以上に多く削られていないため、硬化体層3Aと金属層13との接着強度を高めることができる。
上記無機充填材の平均粒子径が小さいほど、硬化体層3Aの表面に微細な凹凸を形成できる。平均粒子径1.5μm以下の無機充填材がシランカップリング剤により表面処理されている表面処理物質が用いられているため、孔3bを小さくすることができ、従って、硬化体層3Aの表面に微細な凹凸を形成できる。このため、回路の配線の微細度合いを示すL/Sを小さくすることができる。
図3(d)に示すように、上面3aに金属層13が形成された硬化体層3Aの上面3aに、別の樹脂フィルム3を積層した後、上述の各工程を繰り返して行うことにより、図2に示す多層プリント配線板11を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
実施例及び比較例では、以下に示す材料を用いた。
[エポキシ樹脂]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)(商品名「エピコート828」、エポキシ当量189、25℃での粘度12〜15Pa・s、JER社製)
[硬化剤]
ビフェニル型フェノール硬化剤(1)(商品名「MEH7851−4H」、OH当量243、軟化点130℃、明和化成社製)
ナフトール硬化剤(2)(商品名「SN485」、OH当量213、軟化点86℃、東都化成社製)
活性エステル硬化剤(活性エステル化合物、DIC社製、商品名「EPICLON EXB9460S−65T」、固形分65%のトルエン溶液)
[硬化促進剤]
促進剤(1)(商品名「2PZ−CN」、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、四国化成社製)
[表面処理物質]
シリカ50重量%DMF分散液(1):平均粒子径0.3μm及び比表面積18m/gのシリカ粒子100重量部がアミノシランカップリング剤(商品名「KBE−903」、信越化学工業社製)1.0重量部により表面処理されている表面処理物質50重量%と、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)50重量%とを含む分散液
シリカ50重量%DMF分散液(2):平均粒子径0.3μm及び比表面積18m/gのシリカ粒子100重量部がアミノシランカップリング剤(商品名「KBE−903」、信越化学工業社製)2.5重量部により表面処理されている表面処理物質50重量%と、DMF50重量%とを含む分散液
シリカ50重量%DMF分散液(3):平均粒子径1.5μm及び比表面積3m/gのシリカ粒子100重量部がアミノシランカップリング剤(商品名「KBE−903」、信越化学工業社製)1.0重量部により表面処理されている表面処理物質50重量%と、DMF50重量%とを含む分散液
シリカ50重量%DMF分散液(4):平均粒子径0.3μm及び比表面積18m/gのシリカ粒子100重量部がエポキシシランカップリング剤(商品名「KBE−403」、信越化学工業社製)1.0重量部により表面処理されている表面処理物質50重量%と、DMF50重量%とを含む分散液
シリカ50重量%DMF分散液(5):平均粒子径0.3μm及び比表面積18m/gのシリカ粒子100重量部がイミダゾールシランカップリング剤(商品名「IM−1000」、日鉱金属社製)1.0重量部により表面処理されている表面処理物質50重量%と、DMF50重量%とを含む分散液
シリカ50重量%DMF分散液(6):平均粒子径0.3μm及び比表面積18m/gのシリカ粒子100重量部がアミノシランカップリング剤(商品名「KBE−903」、信越化学工業社製)4.0重量部により表面処理されている表面処理物質50重量%と、DMF50重量%とを含む分散液
シリカ50重量%DMF分散液(7):平均粒子径0.01μm及び比表面積150m/gのシリカ粒子100重量部がアミノシランカップリング剤(商品名「KBE−903」、信越化学工業社製)1.0重量部により表面処理されている表面処理物質50重量%と、DMF50重量%とを含む分散液
シリカ50重量%DMF分散液(8):平均粒子径4.5μm及び比表面積2m/gのシリカ粒子100重量部がアミノシランカップリング剤(商品名「KBE−903」、信越化学工業社製)1.0重量部により表面処理されている表面処理物質50重量%と、DMF50重量%とを含む分散液
[溶剤]
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド(特級試薬、和光純薬工業社製)
(イミダゾールシラン化合物)
イミダゾールシラン(日鉱金属社製、商品名「IM−1000」)
(実施例1)
(1)樹脂組成物の調製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)19.71gと、促進剤(1)0.45gと、シリカ50重量%DMF分散液(1)39.00gとを、N,N−ジメチルホルムアミド15.50g中に加え、よく混合し、均一な溶液となるまで常温で攪拌した。
次に、ビフェニル型フェノール硬化剤(1)25.34gをさらに加え、均一な溶液となるまで常温で攪拌し、樹脂組成物を調製した。
(2)積層フィルムの作製
離型処理されたPETフィルム上に、アプリケーターを用いて、乾燥後の厚みが40μmとなるように得られた樹脂組成物を塗工した。次に、100℃のギアオーブン内で1分間乾燥し、半硬化したBステージ状態の樹脂フィルムをPETフィルム上に形成した。このようにして、PETフィルム上に樹脂フィルムが積層されている積層フィルムを作製した。
(3)プリント配線板の作製
得られた積層フィルムを用いて、以下のようにして、プリント配線板を作製した。
間隔75μmの銅パターン(1つの銅パターン:縦40μm×横40μm×厚み1cm)が上面に形成された基板を用意した。平行平板タイプの真空加圧式ラミネーター(名機製作所)を用いて、Bステージ状態の樹脂フィルムが基板側になるように積層フィルムを基板上に載せ、ラミネート温度100℃及びラミネート圧力0.6MPaの条件で1分間加熱加圧し、ラミネートした。その後PETフィルムを剥離し、取り除いた。
Bステージ状態の樹脂フィルムがラミネートされた基板を、基板の主面が鉛直方向に平行な平面内に位置するようにギアオーブン内に置いた。その後、キュア温度150℃で1時間加熱し、Bステージ状態の樹脂フィルムを硬化させ、基板上に予備硬化体層を形成し、積層サンプルを得た。
次に、積層サンプルの予備硬化体層を、下記の(a)膨潤処理をした後、下記の(b)過マンガン酸塩処理すなわち粗化処理をすることにより硬化体層を形成し、さらに硬化体層に下記の(c)銅めっき処理をした。
(a)膨潤処理:
70℃の膨潤液(スウェリングディップセキュリガントP、アトテックジャパン社製)に上記積層サンプルを入れ、膨潤温度70℃で15分間揺動させた。その後、純水で洗浄した。
(b)過マンガン酸塩処理:
70℃の過マンガン酸カリウム(コンセントレートコンパクトCP、アトテックジャパン社製)粗化水溶液に上記積層サンプルを入れて、粗化温度70℃で15分間揺動させ、粗化処理された硬化体層を基板上に形成した。25℃の洗浄液(リダクションセキュリガントP、アトテックジャパン社製)を用いて、得られた硬化体層を2分間洗浄した後、純粋でさらに洗浄した。
(c)銅めっき処理:
次に、基板上に形成された硬化体層に、無電解銅めっき及び電解銅めっき処理を以下の手順で行った。
上記硬化体層の表面を、60℃のアルカリクリーナ(クリーナーセキュリガント902)で5分間処理し、脱脂洗浄した。洗浄後、上記硬化体層を25℃のプリディップ液(プリディップネオガントB)で2分間処理した。その後、上記硬化体層を40の℃のアクチベーター液(アクチベーターネオガント834)で5分間処理し、パラジウム触媒を付けた。次に、30℃の還元液(リデューサーネオガントWA)を用いて、硬化体を5分間処理した。
次に、上記硬化体層を化学銅液(ベーシックプリントガントMSK−DK、カッパープリントガントMSK、スタビライザープリントガントMSK)に入れ、無電解めっきをめっき厚さが0.5μm程度になるまで実施した。無電解めっき後に、残留している水素ガスを除去するため、120℃の温度で30分間アニールをかけた。無電解めっきの工程までのすべての工程は、ビーカースケールで処理液を1Lとし、硬化体を揺動させながら実施した。
次に、無電解めっき処理された硬化体層に、電解めっきをめっき厚さが20μmとなるまで実施した。電気銅めっきとして硫酸銅(リデューサーCu)を用いて、0.6A/cmの電流を流した。銅めっき処理後、硬化体層を180℃で1時間加熱し、硬化させ、銅めっき層が形成された硬化体層を得た。このようにして積層体としてのプリント配線板を得た。
(実施例2〜9、実施例16,17及び比較例5〜8)
実施例1で得られた積層フィルムを用いて、ラミネート温度、ラミネート圧力、キュア温度、膨潤温度又は粗化温度を下記の表1,2,4に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、プリント配線板を作製した。
(実施例10〜15,18〜24及び比較例1〜4)
使用した材料及びその配合量を下記の表2〜4に示すようにしたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを作製し、かつプリント配線板を作製した。なお、樹脂組成物がイミダゾールシランを含有する場合には、該イミダゾールシランは硬化剤とともに添加した。
(評価)
(1)粗化接着強度
上記銅めっき層が形成された硬化体層の銅めっき層の表面に、10mm幅に切り欠きを入れた。その後、引張試験機(商品名「オートグラフ」、島津製作所社製)を用いて、クロスヘッド速度5mm/分の条件で、銅めっき層と硬化体層との接着強度を測定し、得られた測定値を粗化接着強度とした。
(2)算術平均粗さRa及び十点平均粗さRz
上記めっき層が形成された硬化体層を得る際に、めっき層が形成される前の粗化処理された硬化体層を用意した。非接触3次元表面形状測定装置(品番「WYKO NT1100」、Veeco社製)を用いて、100μmの測定領域における硬化体の粗化処理された表面の算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzを測定した。
結果を下記の表1〜4に示す。
Figure 2010024391
Figure 2010024391
Figure 2010024391
Figure 2010024391
1…積層フィルム
2…基材フィルム
2a…上面
3…樹脂フィルム
3A…硬化体層
3a…上面
3b…孔
11…多層プリント配線板
12…基板
12a…上面
13…金属層
本発明の広い局面によれば、基板と、該基板上に積層された硬化体層とを備える積層体であって、上記硬化体層は、樹脂フィルムを基板上にラミネートした後、上記樹脂フィルムを100〜200℃で予備硬化させて予備硬化体層を形成し、該予備硬化体層の表面を55〜80℃で粗化処理することにより形成されており、上記樹脂フィルムは、エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、平均粒子径0.05〜1.5μmの無機充填材100重量部がシランカップリング剤0.5〜3.5重量部により表面処理されている表面処理物質とを含有し、かつ上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質の合計100重量%中の上記表面処理物質の含有量が10〜80重量%の範囲内である樹脂組成物により形成されており、上記樹脂組成物が溶剤を含まない場合、上記樹脂組成物に含まれている成分の合計100重量%中、上記エポキシ樹脂の含有量は20重量%以上であり、上記樹脂組成物が溶剤を含む場合、上記樹脂組成物に含まれている溶剤を除く成分の合計100重量%中、上記エポキシ樹脂の含有量は20重量%以上であり、上記シランカップリング剤が、上記エポキシ樹脂又は上記硬化剤と反応しうる官能基を有し、該官能基がエポキシ基、イミダゾール基又はアミノ基である、積層体が提供される。
本発明の他の広い局面によれば、基板と、該基板上に積層された硬化体層とを備える積層体の製造方法であって、上記硬化体層を形成するための樹脂フィルムを上記基板上にラミネートする工程と、上記基板上にラミネートされた上記樹脂フィルムを100〜200℃で予備硬化させて予備硬化体層を形成する工程と、上記予備硬化体層の表面を55〜80℃で粗化処理し、粗化処理された硬化体層を形成する工程とを備え、上記樹脂フィルムとして、エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、平均粒子径0.05〜1.5μmの無機充填材100重量部がシランカップリング剤0.5〜3.5重量部により表面処理されている表面処理物質とを含有し、かつ上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質の合計100重量%中の上記表面処理物質の含有量が10〜80重量%の範囲内である樹脂組成物により形成された樹脂フィルムを用いて、上記樹脂組成物が溶剤を含まない場合、上記樹脂組成物に含まれている成分の合計100重量%中、上記エポキシ樹脂の含有量は20重量%以上であり、上記樹脂組成物が溶剤を含む場合、上記樹脂組成物に含まれている溶剤を除く成分の合計100重量%中、上記エポキシ樹脂の含有量は20重量%以上であり、上記シランカップリング剤として、上記エポキシ樹脂又は上記硬化剤と反応しうる官能基を有し、該官能基がエポキシ基、イミダゾール基又はアミノ基であるシランカップリング剤を用いる、積層体の製造方法が提供される。
本発明の広い局面によれば、基板と、該基板上に積層された硬化体層とを備える積層体であって、上記硬化体層は、樹脂フィルムを基板上にラミネートした後、上記樹脂フィルムを100〜200℃で予備硬化させて予備硬化体層を形成し、該予備硬化体層の表面を55〜80℃で粗化処理することにより形成されており、上記樹脂フィルムは、エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、平均粒子径0.05〜1.5μmの無機充填材100重量部がシランカップリング剤0.5〜3.5重量部により表面処理されている表面処理物質とを含有し、かつ上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質の合計100重量%中の上記表面処理物質の含有量が10〜80重量%の範囲内である樹脂組成物により形成されており、上記樹脂組成物が溶剤を含まない場合、上記樹脂組成物に含まれている成分の合計100重量%中、上記エポキシ樹脂の含有量は20重量%以上であり、上記樹脂組成物が溶剤を含む場合、上記樹脂組成物に含まれている溶剤を除く成分の合計100重量%中、上記エポキシ樹脂の含有量は20重量%以上であり、上記シランカップリング剤が、上記エポキシ樹脂又は上記硬化剤と反応しうる官能基を有し、該官能基がエポキシ基又はアミノ基であり、粗化処理された前記硬化体層の表面の算術平 均粗さRaが300nm以下であり、かつ十点平均粗さRzが3μm以下である、積層体が提供される。
本発明の他の広い局面によれば、基板と、該基板上に積層された硬化体層とを備える積層体の製造方法であって、上記硬化体層を形成するための樹脂フィルムを上記基板上にラミネートする工程と、上記基板上にラミネートされた上記樹脂フィルムを100〜200℃で予備硬化させて予備硬化体層を形成する工程と、上記予備硬化体層の表面を55〜80℃で粗化処理し、粗化処理された硬化体層の表面の算術平均粗さRaが300nm以下 であり、かつ十点平均粗さRzが3μm以下であるように、粗化処理された硬化体層を形成する工程とを備え、上記樹脂フィルムとして、エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、平均粒子径0.05〜1.5μmの無機充填材100重量部がシランカップリング剤0.5〜3.5重量部により表面処理されている表面処理物質とを含有し、かつ上記エポキシ樹脂、上記硬化剤、上記硬化促進剤及び上記表面処理物質の合計100重量%中の上記表面処理物質の含有量が10〜80重量%の範囲内である樹脂組成物により形成された樹脂フィルムを用いて、上記樹脂組成物が溶剤を含まない場合、上記樹脂組成物に含まれている成分の合計100重量%中、上記エポキシ樹脂の含有量は20重量%以上であり、上記樹脂組成物が溶剤を含む場合、上記樹脂組成物に含まれている溶剤を除く成分の合計100重量%中、上記エポキシ樹脂の含有量は20重量%以上であり、上記シランカップリング剤として、上記エポキシ樹脂又は上記硬化剤と反応しうる官能基を有し、該官能基がエポキシ基又はアミノ基であるシランカップリング剤を用いる、積層体の製造方法が提供される。

Claims (12)

  1. 基板と、該基板上に積層された硬化体層とを備える積層体であって、
    前記硬化体層は、樹脂フィルムを基板上にラミネートした後、前記樹脂フィルムを100〜200℃で予備硬化させて予備硬化体層を形成し、該予備硬化体層の表面を55〜80℃で粗化処理することにより形成されており、
    前記樹脂フィルムは、エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、平均粒子径0.05〜1.5μmの無機充填材100重量部がシランカップリング剤0.5〜3.5重量部により表面処理されている表面処理物質とを含有し、かつ前記エポキシ樹脂、前記硬化剤、前記硬化促進剤及び前記表面処理物質の合計100重量%中の前記表面処理物質の含有量が10〜80重量%の範囲内である樹脂組成物により形成されており、
    前記シランカップリング剤が、前記エポキシ樹脂又は前記硬化剤と反応しうる官能基を有し、該官能基がエポキシ基、イミダゾール基又はアミノ基である、積層体。
  2. 前記硬化剤が、ビフェニル構造を有するフェノール化合物、ナフタレン構造を有するフェノール化合物、ジシクロペンタジエン構造を有するフェノール化合物、アミノトリアジン構造を有するフェノール化合物、活性エステル化合物及びシアネートエステル樹脂からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記樹脂組成物におけるイミダゾールシラン化合物の含有量が、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤の合計100重量部に対して、0.01〜3重量部の範囲内である、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 粗化処理された前記硬化体層の表面の算術平均粗さRaが300nm以下であり、かつ十点平均粗さRzが3μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記予備硬化の後、かつ前記粗化処理の前に、前記予備硬化体層が50〜80℃で膨潤処理されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 基板と、該基板上に積層された硬化体層とを備える積層体の製造方法であって、
    前記硬化体層を形成するための樹脂フィルムを前記基板上にラミネートする工程と、
    前記基板上にラミネートされた前記樹脂フィルムを100〜200℃で予備硬化させて予備硬化体層を形成する工程と、
    前記予備硬化体層の表面を55〜80℃で粗化処理し、粗化処理された硬化体層を形成する工程とを備え、
    前記樹脂フィルムとして、エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、平均粒子径0.05〜1.5μmの無機充填材100重量部がシランカップリング剤0.5〜3.5重量部により表面処理されている表面処理物質とを含有し、かつ前記エポキシ樹脂、前記硬化剤、前記硬化促進剤及び前記表面処理物質の合計100重量%中の前記表面処理物質の含有量が10〜80重量%の範囲内である樹脂組成物により形成された樹脂フィルムを用いて、
    前記シランカップリング剤として、前記エポキシ樹脂又は前記硬化剤と反応しうる官能基を有し、該官能基がエポキシ基、イミダゾール基又はアミノ基であるシランカップリング剤を用いる、積層体の製造方法。
  7. 前記硬化剤として、ビフェニル構造を有するフェノール化合物、ナフタレン構造を有するフェノール化合物、ジシクロペンタジエン構造を有するフェノール化合物、アミノトリアジン構造を有するフェノール化合物、活性エステル化合物及びシアネートエステル樹脂からなる群から選択された少なくとも1種を用いる、請求項6に記載の積層体の製造方法。
  8. 前記樹脂組成物として、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤の合計100重量部に対して、イミダゾールシラン化合物の含有量が0.01〜3重量部の範囲内である樹脂組成物を用いる、請求項6又は7に記載の積層体の製造方法。
  9. 前記粗化処理の工程における粗化処理の時間が、5〜30分間である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  10. 前記予備硬化の工程の後、かつ前記粗化処理の工程の前に、
    前記予備硬化体層の表面を50〜80℃で膨潤処理する工程をさらに備える、請求項6〜9のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  11. 前記膨潤処理の工程における膨潤処理の時間が、5〜30分間である、請求項10に記載の積層体の製造方法。
  12. 前記ラミネートの工程におけるラミネート温度が70〜130℃であり、かつラミネート圧力が0.1〜2.0MPaである、請求項6〜11のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
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