JP6217165B2 - プライマー層付きプリプレグ、プライマー層付き金属箔、金属張積層板、プリント配線基板、半導体パッケージおよび半導体装置 - Google Patents

プライマー層付きプリプレグ、プライマー層付き金属箔、金属張積層板、プリント配線基板、半導体パッケージおよび半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、プライマー層形成用樹脂組成物に関する。
近年、電子機器の高機能化の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、さらには高密度実装化が進んでおり、これらの電子機器に使用される半導体パッケージの小型化が急速に進行している。そして、半導体パッケージに使用されるプリント配線基板には、高密度で微細な回路が求められている。
微細な回路を形成する方法として、SAP(セミアディティブプロセス)法が提案されている。
SAP法では、はじめに、絶縁層表面に粗化処理を施し、上記絶縁層表面上に下地になる無電解金属めっき膜を形成する。次いで、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより回路形成部の銅厚付けをおこなう。その後、めっきレジストを除去し、上記回路形成部以外の無電解金属めっき膜をフラッシュエッチングで除去することにより、絶縁層上に回路を形成する。SAP法は、絶縁層上に積層する金属層を薄膜化できるので、より微細な回路配線が可能となる。
しかし、従来の絶縁層では、無電解めっき付き性が悪く、SAP法を上手く行うことができないという問題点があった。そこで、絶縁層上にプライマー層付き金属箔を積層した金属張積層板を使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2)。この方法では、金属張積層板上の金属箔を除去して得られるプライマー層表面に回路形成をすることにより、絶縁層表面の無電解めっき付き性を改善している。
特開2006−196863号公報 特開2007−326962号公報
半導体パッケージの小型化が進むと、従来では半導体パッケージの剛性の大部分を担っていた半導体素子、封止材の厚みが極めて薄くなり、半導体パッケージに反りが発生しやすくなる。また、構成部材としてプリント配線基板の占める割合が大きくなるため、プリント配線基板の物性・挙動が半導体パッケージの反りに大きな影響を及ぼすようになってきている。
一方、地球環境保護の観点から半田の鉛フリー化が進むにつれて、プリント配線基板へ半導体素子を搭載するときや、半導体パッケージを実装基板へ実装するときにおこなうリフロー工程での最高温度が非常に高くなってきている。一般的に良く使われている鉛フリー半田の融点が約210度であることからリフロー工程中での最高温度は260度を超えるレベルとなっている。
一般的に、半導体素子と半導体素子が搭載されるプリント配線基板との熱膨張の差は非常に大きい。そのため、例えば特許文献1、2に記載されたような微細な回路を有するプリント配線基板へ半導体素子を実装するときにおこなうリフロー工程において、半導体パッケージが大きく反ってしまう場合があった。
また、実装基板へ半導体パッケージを実装するときにおこなうリフロー工程においても、同様に半導体パッケージが大きく反ってしまう場合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、微細な回路寸法を有し、かつ、絶縁信頼性に優れるプリント配線基板を提供できると共に、反りが抑制された半導体パッケージを提供可能なプライマー層形成用樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは、半導体パッケージの反りの抑制について鋭意検討した。その結果、プライマー層がエポキシ樹脂とナフトール樹脂と無機充填材とを含むとき、微細配線加工性および絶縁信頼性などの諸特性のバランスに優れながら、半導体パッケージの反りを低減できることを見出し、本発明に到達した。
さらに、本発明によれば、
熱硬化性樹脂と無機充填材とを含有する樹脂組成物を繊維基材に少なくとも1層以上含浸してなるプリプレグと、
上記プリプレグの少なくとも一方の面に形成される金属層と上記プリプレグとの間に介在して、上記金属層と上記プリプレグとを密着させるプライマー層と、
を含む、プライマー層付きプリプレグであって、
上記プライマー層が、エポキシ樹脂と、ナフトール樹脂と、無機充填材と、を含む、プライマー層形成用樹脂組成物を用いて形成されたものであり、
上記プライマー層の厚みが1μm以上8μm以下であり、
上記プライマー層中の上記ナフトール樹脂の含有量が、上記プライマー層の全体を100質量%としたとき、10質量%以上55質量%以下であり、
上記プライマー層の線膨張係数が60ppm/℃以下であるプライマー層付きプリプレグが提供される。
さらに、本発明によれば、
金属箔と、
上記金属箔の少なくとも一方の面に形成されたプライマー層と、
を含む、プライマー層付き金属箔であって、
上記プライマー層が、エポキシ樹脂と、ナフトール樹脂と、無機充填材と、を含む、プライマー層形成用樹脂組成物を用いて形成されたものであり、
記プライマー層の厚みが1μm以上8μm以下であり、
上記プライマー層中の上記ナフトール樹脂の含有量が、上記プライマー層の全体を100質量%としたとき、10質量%以上55質量%以下であり、
上記プライマー層の線膨張係数が60ppm/℃以下であるプライマー層付き金属箔が提供される。
さらに、本発明によれば、
熱硬化性樹脂、無機充填材および繊維基材を含む絶縁層と、
上記絶縁層の両面又は片面に積層される金属箔と、
上記絶縁層の膜厚よりも膜厚が薄く、上記絶縁層と上記金属箔との間に介在して上記絶縁層と上記金属箔とを密着させるプライマー層と、
を有する金属張積層板であって、
上記プライマー層が、エポキシ樹脂と、ナフトール樹脂と、無機充填材と、を含む、プライマー層形成用樹脂組成物を用いて形成されたものであり、
前記プライマー層の厚みが1μm以上8μm以下であり、
上記プライマー層中の上記ナフトール樹脂の含有量が、上記プライマー層の全体を100質量%としたとき、10質量%以上55質量%以下であり、
上記プライマー層の線膨張係数が60ppm/℃以下である金属張積層板が提供される。
さらに、本発明によれば、
上記金属張積層板を回路加工してなるプリント配線基板が提供される。
さらに、本発明によれば、
上記プリント配線基板に半導体素子を実装してなる半導体パッケージが提供される。
さらに、本発明によれば、
上記の半導体パッケージを実装基板に実装してなる半導体装置が提供される。
本発明によれば、微細な回路寸法を有し、かつ、絶縁信頼性に優れるプリント配線基板を提供できると共に、反りが抑制された半導体パッケージを提供可能なプライマー層形成用樹脂組成物を提供できる。
本発明に係る実施形態のプリント配線基板の構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る実施形態のプリント配線基板の構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る実施形態の金属張積層板の構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る実施形態のプライマー層付き金属箔の構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る実施形態のプライマー層付きプリプレグの構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る実施形態のプリント配線基板の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る実施形態の半導体パッケージの構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る実施形態の半導体パッケージの構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る実施形態の半導体装置の構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る実施形態の半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは必ずしも一致していない。
[プライマー層形成用樹脂組成物]
はじめに、本実施形態に係るプライマー層形成用樹脂組成物Pについて説明する。図1および図2は、本発明に係る実施形態のプリント配線基板100の構成の一例を示す断面図である。
プライマー層形成用樹脂組成物Pは、絶縁層101と金属層103との間に介在して絶縁層101と金属層103とを密着させるプライマー層105を形成するために用いられるものである。絶縁層101と金属層103は、例えば、図1および図2に示すように、プリント配線基板100の一部を構成するものである。
金属層103は、例えば、回路層である。プリント配線基板100が多層プリント配線基板の場合は、金属層103は、コア層111またはビルドアップ層117中の回路層である。
絶縁層101は、例えば、絶縁樹脂層である。プリント配線基板100が多層プリント配線基板の場合は、コア層111またはビルドアップ層117中の絶縁層101である。なお、プライマー層105も絶縁であるため絶縁層の一種であるが、本実施形態ではプライマー層105は絶縁層101に含まれない。
プライマー層形成用樹脂組成物Pは、エポキシ樹脂と、ナフトール樹脂と、無機充填材と、を必須成分として含んでいる。これにより微細な回路寸法を有し、かつ、絶縁信頼性に優れるプリント配線基板を提供できると共に、反りが抑制された半導体パッケージを提供することができる。
以下、プライマー層形成用樹脂組成物Pを構成する各成分について説明する。
(エポキシ樹脂)
本実施形態に係るプライマー層形成用樹脂組成物Pは、必須成分としてエポキシ樹脂を含んでいる。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂;ナフトール型エポキシ樹脂、2官能ナフタレン型エポキシ樹脂、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;線状脂肪族エポキシ樹脂;ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;複素環式エポキシ樹脂;リン含有エポキシ樹脂;スピロ環含有エポキシ樹脂;シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂;トリメチロール型エポキシ樹脂;ハロゲン化エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上とそれらのプレポリマーとを併用してもよい。
上記エポキシ樹脂の中でも、得られるプリント配線基板の耐熱性および絶縁信頼性をより一層向上できる観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、およびブタジエン構造を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上が好ましく、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、およびビフェニル型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上がより好ましい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「エピコート828EL」および「YL980」等を用いることができる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「jER806H」および「YL983U」、DIC社製の「EPICLON 830S」等を用いることができる。2官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」および「HP4032SS」等を用いることができる。4官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「HP4700」および「HP4710」等を用いることができる。ナフトール型エポキシ樹脂としては、新日鐵化学社製の「ESN−475V」、日本化薬社製の「NC7000L」等を用いることができる。ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂としては、ダイセル化学工業社製の「PB−3600」等を用いることができる。ビフェニル型エポキシ樹脂としては、日本化薬社製の「NC3000」、「NC3000H」、「NC3000L」および「NC3100」、三菱化学社製の「YX4000」、「YX4000H」、「YX4000HK」および「YL6121」等を用いることができる。アントラセン型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「YX8800」等を用いることができる。ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「EXA−7310」、「EXA−7311」、「EXA−7311L」および「EXA7311−G3」等を用いることができる。
上記エポキシ樹脂の含有量は、とくに限定されないが、プライマー層形成用樹脂組成物Pの全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。上記エポキシ樹脂の含有量が上記下限値以上であると、ハンドリング性が向上し、プライマー層105を形成するのが容易となる。
上記エポキシ樹脂の含有量は、とくに限定されないが、プライマー層形成用樹脂組成物Pの全固形分を100質量%としたとき、55質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。上記ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂の含有量が上記上限値以下であると、プライマー層105の機械的強度、難燃性および低熱膨張性を向上させることができる。
(ナフトール樹脂)
本実施形態に係るナフトール樹脂はナフトール性水酸基を有し、かつ、上記エポキシ樹脂に対して硬化作用を有するエポキシ樹脂硬化剤である。上記ナフトール樹脂としては、例えば、ナフトールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル型樹脂などが挙げられる、これらは1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。ナフトール樹脂は、半導体パッケージの反りをより一層低減できる観点から、ナフトールアラルキル型樹脂が好ましく、下記式(1)であらわされるナフトールアラルキル型樹脂がより好ましい。
ナフトールアラルキル型樹脂として、例えば、新日鐵化学社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN375」および「SN395」、日本化薬社製の「NHN」および「CBN」等を用いることができる。
Figure 0006217165
(上記一般式(1)式において、nは1以上15以下の整数であり、mはそれぞれ独立に1または2であり、lはそれぞれ独立に0または1であり、Rはそれぞれ独立にアルキル基、好ましくはメチル基である。)
プライマー層105は上記ナフトール樹脂を含むため、硬化収縮が小さく、さらに線膨張係数が小さい。そのため、本実施形態に係るプライマー層105を用いることにより、反りが抑制された半導体パッケージや半導体装置を提供できる。
上記ナフトール樹脂の含有量は、とくに限定されないが、プライマー層形成用樹脂組成物Pの全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。上記ナフトール樹脂の含有量が上記下限値以上であると、ハンドリング性が向上し、プライマー層105を形成するのが容易となる。
上記ナフトール樹脂の含有量は、とくに限定されないが、プライマー層形成用樹脂組成物Pの全固形分を100質量%としたとき、55質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。上記ナフトール樹脂の含有量が上記上限値以下であると、プライマー層105の機械的強度、難燃性および低熱膨張性を向上させることができる。
(無機充填材)
本実施形態に係るプライマー層形成用樹脂組成物Pは、必須成分として無機充填材を含んでいる。これにより、プライマー層105の機械強度および剛性を向上させることができる。さらに、得られるプライマー層105の線膨張係数を小さくすることができる。
上記無機充填材としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカなどの酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素などの窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩;などを挙げることができる。
上記無機充填材として、これらの中の1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、とくにシリカが好ましい。シリカの形状には破砕状および球状がある。無機充填材の高充填化を確保するためには、プライマー樹脂組成物Pの溶融粘度を下げるため球状シリカを使うなど、その目的にあわせた使用方法を採用することができる。
無機充填材の平均粒子径は、とくに限定されないが、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。無機充填材の平均粒子径が上記下限値以上であると、ワニスの粘度が高くなるのを抑制でき、プライマー層105作製時の作業性を向上させることができる。また、無機充填材の平均粒子径は、とくに限定されないが、5.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。無機充填材の平均粒子径が上記上限値以下であると、ワニス中で無機充填材の沈降などの現象を抑制でき、より均一なプライマー層105を得ることができる。また、プリント配線基板100の回路寸法がL/Sが20/20μmを下回る際には、配線間の絶縁性に影響を与えるのを抑制することができる。
上記無機充填材の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とすることができる。
また、上記無機充填材は、とくに限定されないが、平均粒子径が単分散の無機充填材を用いてもよいし、平均粒子径が多分散の無機充填材を用いてもよい。さらに平均粒子径が単分散および/または多分散の無機充填材を1種類または2種類以上で併用してもよい。
無機充填材は、平均粒子径5.0μm以下のシリカ粒子が好ましく、平均粒子径0.01μm以上2.0μm以下のシリカ粒子がより好ましく、0.05μm以上1.0μm以下のシリカ粒子が特に好ましい。これにより、無機充填材の充填性をさらに向上させることができる。
無機充填材の含有量は、とくに限定されないが、プライマー層形成用樹脂組成物Pの全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、20質量%以上70質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がより好ましい。無機充填材の含有量が上記範囲内であると、プライマー層105をとくに低熱膨張、低吸水とすることができる。
(熱可塑性樹脂)
本実施形態に係るプライマー層形成用樹脂組成物Pは、熱可塑性樹脂をさらに含むのが好ましい。
これにより、絶縁層101と金属層103との密着性をより一層向上できると共に、プライマー層105の応力緩和能をより一層向上できる。その結果として、得られるプリント配線基板100の絶縁信頼性をより一層向上できる。また、絶縁層101と金属層103との密着性が優れることにより、回路の微細配線加工が可能となる。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。これらの中でも、絶縁層101と金属層103との密着性をより一層向上できる観点から、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂からなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、およびポリアミドイミド樹脂からなる群から選択される1種または2種以上が特に好ましい。
熱可塑性樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上とそれらのプレポリマーとを併用してもよい。
上記アクリル樹脂としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレートのような各種アクリル系モノマーから選択される共重合体等が挙げられる。これらのうち、アクリル樹脂としては、ポリアクリル酸メチル又はポリアクリル酸エチルが、作業性に優れる点で、好ましい。
上記メタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのような各種メタクリル系モノマーから選択される共重合体等が挙げられる。これらのうち、メタクリル樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル又はポリメタクリル酸エチルが、作業性に優れる点で、好ましい。
上記フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、およびトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される一種または二種以上の骨格を有するものが挙げられる。フェノキシ樹脂の末端はフェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「1256」、「4250」(ビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製の「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製の「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)、東都化成社製の「FX280」、「FX293」、ジャパンエポキシレジン社製の「YL7553BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」、「YL7482」等が挙げられる。
上記ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられる。市販のポリビニルアセタール樹脂としては、電気化学工業社製の電化ブチラール4000−2、5000−A、6000−C、6000−EP、積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
上記ポリアミドイミド樹脂としては、主鎖中にアミド基とイミド基を有する重合体であれば特に限定されず、例えば、ジカルボン酸誘導体とジイソシアネートから合成することができる。上記ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡績社製のHR−11NN、HR−16NN等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂の含有量は、とくに限定されないが、プライマー層形成用樹脂組成物Pの全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。上記熱可塑性樹脂の含有量が上記範囲内であると、プライマー層のパラジウム触媒の付着性および無電解めっき付き性に優れ、かつ、低熱膨張性にも優れる。
(その他の添加剤)
このほか、必要に応じて、プライマー層形成用樹脂組成物Pにはカップリング剤、ゴム粒子、上記ナフトール樹脂以外の硬化剤などの添加剤を適宜配合することができる。本実施形態で用いられるプライマー層形成用樹脂組成物Pは、上記成分を有機溶媒などにより溶解および/または分散させた液状形態で好適に用いることができる。
(カップリング剤)
カップリング剤の使用により、無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を向上させることができる。したがって、カップリング剤を使用することは好ましく、プライマー層105の耐熱性を改良することができる。
カップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられる。カップリング剤は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
これにより、無機充填材の界面との濡れ性を高くすることができ、それによって耐熱性をより向上させることができる。
カップリング剤の添加量は、無機充填材の比表面積に依存するのでとくに限定されないが、プライマー層形成用樹脂組成物Pの全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、0.01質量%以上1質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。
カップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、無機充填材を十分に被覆することができ、プライマー層105の耐熱性を向上させることができる。また、カップリング剤の含有量が上記上限値以下であると、反応に影響を与えるのを抑制でき、プライマー層105の曲げ強度などの低下を抑制することができる。
(ゴム粒子)
ゴム粒子の使用により、プライマー層105の応力緩和能をより一層向上できる。その結果として、得られるプリント配線基板100の絶縁信頼性をより一層向上できる。
ゴム粒子の好ましい例としては、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子、シリコーン粒子などが挙げられる。
コアシェル型ゴム粒子は、コア層とシェル層とを有するゴム粒子であり、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、または外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、中間層がゴム状ポリマーで構成され、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のものなどが挙げられる。ガラス状ポリマー層は、例えば、メタクリル酸メチルの重合物などで構成され、ゴム状ポリマー層は、例えば、ブチルアクリレート重合物(ブチルゴム)などで構成される。コアシェル型ゴム粒子の具体例としては、スタフィロイドAC3832、AC3816N(商品名、ガンツ化成社製)、メタブレンKW−4426(商品名、三菱レイヨン社製)が挙げられる。架橋アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)粒子の具体例としては、XER−91(平均粒子径0.5μm、JSR社製)などが挙げられる。
架橋スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子の具体例としては、XSK−500(平均粒子径0.5μm、JSR社製)などが挙げられる。アクリルゴム粒子の具体例としては、メタブレンW300A(平均粒子径0.1μm)、W450A(平均粒子径0.2μm)(三菱レイヨン社製)などが挙げられる。
シリコーン粒子は、オルガノポリシロキサンで形成されたゴム弾性微粒子であればとくに限定されず、例えば、シリコーンゴム(オルガノポリシロキサン架橋エラストマー)そのものからなる微粒子、および二次元架橋主体のシリコーンからなるコア部を三次元架橋型主体のシリコーンで被覆したコアシェル構造粒子などが挙げられる。シリコーンゴム微粒子としては、KMP−605、KMP−600、KMP−597、KMP−594(信越化学社製)、トレフィルE−500、トレフィルE−600(東レ・ダウコーニング社製)などの市販品を用いることができる。
ゴム粒子の添加量はとくに限定されないが、プライマー層形成用樹脂組成物Pの全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.5質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。
(その他の硬化剤)
上記ナフトール樹脂以外の硬化剤としては、例えば、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)などの3級アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(2P4MZ)、2−フェニルイミダゾール(2PZ)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール(2P4MHZ)、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(1B2PZ)などのイミダゾール化合物;BF3錯体などのルイス酸などの触媒型の硬化剤が挙げられる。
また、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物;ノボラック型フェノール樹脂、フェノールポリマーなどのポリフェノール化合物;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などの重付加型の硬化剤も用いることができる。
さらに、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂系硬化剤;メチロール基含有尿素樹脂のような尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂のようなメラミン樹脂などの縮合型の硬化剤も用いてもよい。フェノール樹脂系硬化剤は、一分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型樹脂;トリフェノールメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらのうち、硬化性の点から水酸基当量は90g/eq以上、250g/eq以下のものが好ましい。
上記ナフトール樹脂以外の硬化剤の含有量は、とくに限定されないが、プライマー層形成用樹脂組成物Pの全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上1質量%以下がより好ましい。硬化剤の含有量が上記下限値以上であると、硬化を促進する効果が十分に発揮することができる。硬化剤の含有量が上記上限値以下であるとプライマー層105の保存性をより向上させることができる。
さらに、プライマー層形成用樹脂組成物Pには、必要に応じて、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤などの上記成分以外の添加物を添加してもよい。
顔料としては、カオリン、合成酸化鉄赤、カドミウム黄、ニッケルチタン黄、ストロンチウム黄、含水酸化クロム、酸化クロム、アルミ酸コバルト、合成ウルトラマリン青などの無機顔料、フタロシアニンなどの多環顔料、アゾ顔料などが挙げられる。
染料としては、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、キサンテン 、ジケトピロロピロール、ペリレン、ペリノン 、アントラキノン、インジゴイド 、オキサジン、キナクリドン、ベンツイミダゾロン、ビオランスロン 、フタロシアニン、アゾメチンなどが挙げられる。
以上のプライマー層形成用樹脂組成物Pにおいて、各成分の割合はたとえば、以下のようである。
プライマー層形成用樹脂組成物Pの全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、好ましくは、上記エポキシ樹脂の割合が10質量%以上55質量%以下であり、上記ナフトール樹脂の割合が10質量%以上55質量%以下であり、上記無機充填材の割合が20質量%以上70質量%以下である。
より好ましくは、上記エポキシ樹脂の割合が20質量%以上40質量%以下であり、上記ナフトール樹脂の割合が20質量%以上40質量%以下であり、上記無機充填材の割合が30質量%以上50質量%以下である。
プライマー層形成用樹脂組成物Pを180℃、1時間加熱硬化させて得られる硬化物(プライマー層)の動的粘弾性測定によるガラス転移温度(昇温速度5℃/min、周波数1Hz)は、好ましくは150℃以上250℃以下であり、より好ましくは150℃以上220℃以下である。
ガラス転移温度は、動的粘弾性分析装置(DMA)を用いて測定することができる。上記硬化物の動的粘弾性測定によるガラス転移温度が上記範囲内であると、プライマー層105の剛性や耐熱性をより一層向上させることができる。
プライマー層形成用樹脂組成物Pを180℃、1時間加熱硬化させて得られる硬化物(プライマー層)の線膨張係数(CTE)は、好ましくは60ppm/℃以下であり、より好ましくは55ppm/℃以下である。また、上記硬化物の線膨張係数の下限はとくに限定されないが、通常は5ppm/℃以上である。
本実施形態において、線膨張係数とは、TMA(熱機械的分析)装置(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、温度範囲30〜300℃、10℃/分、荷重5gの条件で測定した場合の2サイクル目の50〜150℃における平面方向(XY方向)の線膨張係数(CTE)である。
プライマー層形成用樹脂組成物Pの上記硬化物の線膨張係数が上記範囲内であると、半導体パッケージの反り抑制や温度サイクル信頼性の向上がより一層効果的に得られる。さらに半導体パッケージを二次実装した半導体装置のマザーボードとの温度サイクル信頼性の向上がより一層効果的に得られる。
なお、本実施形態の線膨張係数は、50℃以上150℃以下の範囲における平均値である。
また、プライマー層形成用樹脂組成物Pにより形成されるプライマー層は好ましくは海島構造であり、少なくとも上記エポキシ樹脂が海相に存在し、上記熱可塑性樹脂が島相に存在することが好ましい。
こうした構造であると、プライマー層105の応力緩和能をより一層向上できる。その結果として、得られるプリント配線基板100の絶縁信頼性をより一層向上できる。
プライマー層形成用樹脂組成物Pにより形成されるプライマー層105は、無電解めっき付き性が良く、絶縁層101と金属層103との密着性を向上できるため、SAP(セミアディティブプロセス)法によって回路形成するプリント配線基板100に好適に用いることができる。
プライマー層105の厚みは、特に限定されないが、通常は1μm以上10μm以下であり、好ましくは2μm以上8μm以下である。プライマー層105の厚みが上記範囲内であることにより、絶縁層101の特性を失うことなく薄膜化に対応したプリント配線基板100を得ることができる。プライマー層105の厚みは、絶縁信頼性を向上させる上で上記下限値以上が好ましく、プリント配線基板100における目的の一つである薄膜化を達成する上で上記上限値以下が好ましい。
[金属張積層板]
次に、本実施形態に係る金属張積層板280について説明する。図3は、本発明に係る実施形態の金属張積層板280の構成の一例を示す断面図である。
金属張積層板280は、熱硬化性樹脂(A)、無機充填材(B)および繊維基材を含む絶縁層101と、絶縁層101の両面又は片面に積層される金属箔255と、絶縁層101の膜厚よりも膜厚が薄く、絶縁層101と金属箔255との間に介在して絶縁層101と金属箔255とを密着させるプライマー層105と、を有する。プライマー層105は前述したプライマー層形成用樹脂組成物Pを用いて形成されたものである。
金属箔255を構成する金属としては、例えば、銅および銅系合金、アルミおよびアルミ系合金、銀および銀系合金、金および金系合金、亜鉛および亜鉛系合金、ニッケルおよびニッケル系合金、錫および錫系合金、鉄および鉄系合金、コバール(商標名)、42アロイ、インバーまたはスーパーインバーなどのFe−Ni系の合金、WまたはMoなどが挙げられる。これらの中でも、金属箔255を構成する金属としては、導電性に優れ、エッチングによる回路形成が容易であり、また安価であることから銅または銅合金が好ましい。また、金属箔255としては、キャリア付金属箔なども使用することができる。
金属箔255の厚みは、好ましくは0.5μm以上20μm以下であり、より好ましくは1.5μm以上12μm以下である。
熱硬化性樹脂(A)、無機充填材(B)および繊維基材を含む絶縁層101は、例えば、熱硬化性樹脂(A)と無機充填材(B)とを必須成分として含有する樹脂組成物(I)を繊維基材に少なくとも1層以上含浸してなるプリプレグの硬化体である。
上記熱硬化性樹脂(A)としては、シアネート樹脂、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
シアネート樹脂は、例えばハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。具体的には、ノボラック型シアネート樹脂、アリールアラルキル型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂等を挙げることができる。これらの中でもノボラック型シアネート樹脂、アリールアラルキル型シアネート樹脂が好ましい。
シアネート樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量5.0×10〜4.5×10が好ましく、6.0×10〜3.0×10がより好ましい。これより小さいとプリプレグにタック性が生じ、プリプレグ同士が接触したとき互いに付着したり、樹脂の転写が生じたりする場合がある。また、これより大きいと反応が速くなりすぎ、成形不良を生じたり、層間ピール強度が低下したりする場合がある。
シアネート樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物(I)全体の5質量%以上60質量%以下が好ましく、10質量%以上50質量%以下がさらに好ましい。シアネート樹脂等の含有量を上記下限値以上とすることで、耐熱性の低下を防ぎ、熱膨張化を低減することができる。また、上記上限値以下とすることで、耐湿性の低下を防ぐことができる。
フェノール樹脂としては、例えばノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂等が挙げられる。これらの中でもアリールアルキレン型フェノール樹脂が好ましい。これにより、さらに吸湿半田耐熱性を向上させることができる。フェノール樹脂は、シアネート樹脂と組み合わせて用いることで、シアネート樹脂の反応性を向上させることができ、これにより絶縁層101の成形性が良好となる。
アリールアルキレン型フェノール樹脂としては、例えばキシリレン型フェノール樹脂、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂等が挙げられる。
特にノボラック型シアネート樹脂とアリールアルキレン型フェノール樹脂との組合せにより、架橋密度をコントロールし、プライマー層105に対する接着性を向上することができる。
フェノール樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物(I)全体の1質量%以上55質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましく、8質量%以上20質量%以下がさらに好ましい。フェノール樹脂を上記下限値以上とすることで耐熱性を確実に向上させることができ、上記上限値以下とすることで、低吸水とすることができる。
フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量4×10〜1.8×10が好ましく、5×10〜1.5×10がより好ましい。重量平均分子量を上記下限値以上とすることでプリプレグにタック性が生じるなどの問題がおこりにくくなり、上記上限値以下とすることで、プリプレグ作製時、繊維基材への含浸性が向上し、より均一な製品が得ることができる。
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタンノボラック型エポキシ樹脂、1,1,2,2−(テトラフェノール)エタンのグリシジルエーテル類、3官能、又は4官能のグリシジルアミン類、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、メトキシナフタレン変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、メトキシナフタレンジメチレン型エポキシ樹脂、ナフトールアルキレン型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、上記エポキシ樹脂をハロゲン化した難燃化エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用することもでき、1種類又は2種類以上と、それらのプレポリマーを併用することもできる。
これらのエポキシ樹脂の中でも特に、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましい。これにより、ハンドリング性が向上するほか、耐熱性及び難燃性を向上させる。
エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物(I)全体の1質量%以上55質量%以下が好ましく、2質量%以上40質量%以下がより好ましい。エポキシ樹脂の含有量を上記下限値以上とすることで、シアネート樹脂の反応性の低下を防ぎつつ、得られる製品の耐湿性の低下を防ぐことができる。また、上記上限値以下とすることで、耐熱性の低下を防ぐことができる。エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量5×10以上2×10以下が好ましく、8×10以上1.5×10以下がより好ましい。重量平均分子量を上記下限値以上とするとプリプレグにタック性が生じにくくなり、上記上限値以下とすることで、プリプレグ作製時、繊維基材への含浸性の低下を防ぎ、均一な製品を得ることができるという利点がある。
上記熱硬化性樹脂(A)としては、少なくともシアネート樹脂とエポキシ樹脂との組み合わせ、又は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との組み合わせを含むことが好ましく、シアネート樹脂とエポキシ樹脂とフェノール樹脂との組み合わせを含むことがより好ましい。特にノボラック型シアネート樹脂とフェノール樹脂とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂との組合せを用いて金属張積層板を作製した場合、優れた寸法安定性を得ることができる。
樹脂組成物(I)中の上記シアネート樹脂、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、フェノール樹脂の一部は、ビニルエステル樹脂、メラミン樹脂等の他の熱硬化性樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂等の熱可塑性樹脂にすることもできる。
無機充填材(B)としては、例えばタルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ等を挙げることができる。これらの中でもシリカが好ましく、溶融シリカが低膨張性に優れる点で好ましい。その形状は破砕状、球状があるが、ガラス基材への含浸性を確保するために樹脂組成物の溶融粘度を下げるには球状シリカを使うなど、その目的にあわせた使用形状が採用される。
無機充填材(B)の平均粒子径は、特に限定されないが、0.01μm以上5μm以下が好ましく、0.2μm以上2μm以下がより好ましい。上記下限値以上とすることで、プリプレグ作製時の作業性を向上する。また、上記上限値以下とすることで、ワニス中で無機充填材(B)の沈降等の現象が発生するのを防止することができる。さらに平均粒子径5μm以下の球状溶融シリカが好ましく、平均粒子径0.01μm以上2μm以下の球状溶融シリカがより好ましい。これにより、無機充填材(B)の充填性を向上させることができる。平均粒子径は、例えばレーザー光散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
無機充填材(B)の含有量は、樹脂組成物(I)全体の30質量%以上80質量%以下が好ましく、40質量%以上75質量%以下がより好ましい。無機充填材(B)の含有量が上記範囲内であると低熱膨張、低吸水とすることができる。
樹脂組成物(I)には、特に限定されないが、さらにカップリング剤を用いることが好ましい。カップリング剤を配合させることで、熱硬化性樹脂(A)と無機充填材(B)の界面の濡れ性が向上し、繊維基材に対して熱硬化性樹脂(A)および無機充填材(B)が均一に定着して、耐熱性、特に吸湿後の半田耐熱性を改良することができる。カップリング剤としては通常用いられるものならどのようなものも使用することができるが、中でもエポキシシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アミノシランカップリング剤及びシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが好ましい。これらのカップリング剤は、無機充填材(B)界面との濡れ性が高いため、耐熱性をさらに向上させることができる。
カップリング剤の配合量は無機充填材(B)に対して0.05質量%以上、3質量%以下が望ましい。上記下限値以上とすることで、無機充填材(B)を十分に被覆して十分な耐熱性を得ることができ、上記上限値以下とすることで、反応への影響が無視できる程度になり、曲げ強度等の低下を防ぐことができる。
樹脂組成物(I)には、必要に応じて硬化剤を用いてもよい。硬化剤としては公知の物を用いることができる。たとえば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、ジシアンジアミド等の芳香族ジアミン化合物、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等、またはこの混合物が挙げられる。
樹脂組成物(I)には、必要に応じて、特性を損なわない範囲で上記成分以外の添加物を添加することができる。また、樹脂組成物(I)は、特性を損なわない範囲で、適宜原料やその配合量を調整することにより得ることができる。
樹脂組成物(I)は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール等の有機溶媒中で、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶解、混合、撹拌して樹脂ワニス(I)とすることができる。
樹脂ワニス(I)の固形分は、とくに限定されないが、40質量%以上80質量%以下が好ましく、とくに50質量%以上75質量%以下が好ましい。これにより、樹脂ワニス(I)の繊維基材への含浸性をさらに向上させることができる。
繊維基材としては、例えばガラス繊布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材、あるいはガラス以外の無機化合物を成分とする繊布又は不繊布等の無機繊維基材、芳香族ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の有機繊維で構成される有機繊維基材等が挙げられる。これら基材の中でも強度、吸水率の点でガラス織布に代表されるガラス繊維基材を用いると、プリント配線基板の機械的強度、耐熱性を良好なものとすることができる。
樹脂組成物(I)を繊維基材に含浸させる方法には、例えば繊維基材を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターにより塗布する方法、スプレーにより吹き付ける方法等が挙げられる。また、樹脂組成物(I)を繊維基材に含浸させる前に、プライマー層付き金属箔に樹脂組成物(I)を塗布した後に、樹脂組成物(I)に繊維基材を含浸させてもよい。これらの中でも、繊維基材を樹脂ワニス(I)に浸漬する方法が好ましい。これにより、繊維基材に対する樹脂組成物の含浸性を向上することができる。なお、繊維基材を樹脂ワニスに浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。
つづいて、金属張積層板280の製造方法の一例について説明する。
はじめに、プライマー層付き金属箔250を作製する。図4は、本発明に係る実施形態のプライマー層付き金属箔250の構成の一例を示す断面図である。
プライマー層付き金属箔250は、金属箔255と、金属箔255の少なくとも一方の面に形成されたプライマー層105と、を含む。プライマー層105は、前述したプライマー層形成用樹脂組成物Pを用いて形成されたものである。金属箔255は、前述したものと同様のものを用いることができる。
はじめに、本実施形態に係るプライマー層形成用樹脂組成物Pを有機溶媒中に、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶解、混合、撹拌して樹脂ワニス(P)を作製する。
上記有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を用いることができる。
次いで、得られた樹脂ワニス(P)を金属箔255に塗布して半硬化状態にすることで、プライマー層付き金属箔250を得ることができる。
次いで、プライマー層付き金属箔250のプライマー層105上に各種塗工装置を用いて樹脂ワニス(I)を塗工した後、これを乾燥する。または、樹脂ワニス(I)をスプレー装置によりプライマー層105上に噴霧塗工した後、これを乾燥してもよい。このときの乾燥条件は、プライマー層105が半硬化する(Bステージ状態となる)条件であればよく、例えば、100℃以上180℃以下で乾燥させることが好ましい。これにより、プライマー層105上に絶縁樹脂層を形成することができる。
上記塗工装置は、特に限定されないが、例えば、ロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーター、コンマコーターおよびカーテンコーターなどを用いることができる。これらの中でも、ダイコーター、ナイフコーター、およびコンマコーターを用いる方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な絶縁樹脂層の厚みを有する金属箔付き絶縁樹脂シートを効率よく製造することができる。
金属箔付き絶縁樹脂シートにおいて、絶縁樹脂層の層厚は通常1μm以上60μm以下、好ましくは5μm以上50μm以下とすることができる。
次に、本実施形態に係るプライマー層付きプリプレグ200を作製する。図5は、本発明に係る実施形態のプライマー層付きプリプレグ200の構成の一例を示す断面図である。
プライマー層付きプリプレグ200は、熱硬化性樹脂(A)と無機充填材(B)とを含有する樹脂組成物(I)を繊維基材201に少なくとも1層以上含浸してなるプリプレグ210と、プリプレグ210の少なくとも一方の面に形成される金属箔255とプリプレグ210との間に介在して、金属箔255とプリプレグ210とを密着させるプライマー層105と、を含む。プリプレグ210は、繊維基材201と樹脂組成物(I)からなる樹脂層203(半硬化状態)を含む。プライマー層105は、前述したプライマー層形成用樹脂組成物Pを用いて形成されたものである。金属箔255は、前述したものと同様のものを用いることができる。熱硬化性樹脂(A)と無機充填材(B)とを含有する樹脂組成物(I)および繊維基材201は、前述したものと同様のものを用いることができる。
まず、金属箔255上にプライマー層105および絶縁樹脂層が順に積層された金属箔付き絶縁樹脂シートを2つ準備する。そして、シート状の繊維基材の両面に、金属箔付き絶縁樹脂シートの絶縁樹脂層が対向するように配置する。そして、例えば、真空中で加熱60℃以上150℃以下、加圧0.1MPa以上5MPa以下で、金属箔付き絶縁樹脂シートの両側からラミネートし、絶縁樹脂層を構成する樹脂を繊維基材に含浸させる。このとき、プライマー層105は、まだ、半硬化状態である。これにより、加熱硬化前のプライマー層付きプリプレグ200を得ることができる。
次いで、プライマー層付きプリプレグ200を直接加熱加圧成形することで、金属張積層板280を得ることができる。加熱加圧成形する際の温度は、特に限定されないが、120℃以上250℃以下が好ましく、特に150℃以上230℃以下が好ましい。加熱加圧成形する際の圧力は、特に限定されないが、0.1MPa以上5MPa以下が好ましく、特に0.5MPa以上3MPa以下が好ましい。こうすることで、プライマー層105及び絶縁樹脂層が硬化される。本実施形態では、基材付きでプリプレグを作製するため、プリプレグの表面平滑性が高く低圧成形が可能となる。また、必要に応じて高温槽等で150℃以上300℃以下の温度で後硬化を行ってもかまわない。
また、金属張積層板280は、プライマー層付き金属箔250を、プライマー層105を内側にして絶縁層101にプレス積層することによって金属張積層板280を得ることもできる。
このとき、プライマー層付き金属箔250は、絶縁層101の片面のみに積層しても良いし、両面に積層しても良い。
また、金属張積層板280は、絶縁層101の表面にプライマー層105を積層し、次いで、プライマー層105の表面に金属箔255を積層する方法によっても製造することができる。
さらに、金属張積層板280を製造する別の方法として、絶縁樹脂層付き高分子フィルムシートを用いた金属張積層板の製造方法も挙げられる。まず、高分子フィルムシートに、プライマー層105を形成し、その上に熱硬化性樹脂および無機充填材を含む絶縁樹脂層をコーターで形成し、プライマー層付き絶縁樹脂シートを作製する。次いで、繊維基材の両側に、得られたプライマー層付き絶縁樹脂シートを、絶縁樹脂層を内側にして配置する。次いで、例えば、真空中で加熱60〜130℃、加圧0.1〜5MPaでラミネート含浸させる方法により、高分子フィルムシート付きプリプレグを得ることができる。
得られた高分子フィルムシート付きプリプレグの高分子フィルムシートを剥離することにより、両面にプライマー層105を有するプライマー層付きプリプレグ200を得た後、プリプレグのプライマー層105に金属箔を配し、加熱加圧成形することで金属張積層板280を得ることができる。
また、金属張積層板280はプリプレグを2枚以上積層してもよい。
この金属張積層板280をコア基板として用いてプリント配線基板100を得ることができる。
[プリント配線基板]
次に、本実施形態に係るプリント配線基板100について説明する。図1および図2は、本発明に係る実施形態のプリント配線基板100の構成の一例を示す断面図である。
プリント配線基板100は、ビアホール107が設けられた絶縁層101と、絶縁層101の少なくとも一方の面に設けられたプライマー層105と、プライマー層105上に形成された金属層103とを少なくとも有する。なお、本実施形態において、ビアホール107とは層間を電気的に接続するための孔であり、貫通孔および非貫通孔いずれでもよい。
本実施形態に係るプリント配線基板100は、図1に示すように、片面プリント配線基板であってもよいし、両面プリント配線基板または多層プリント配線基板であってもよい。両面プリント配線基板とは、絶縁層101の両面に金属層103を積層したプリント配線基板である。また、多層プリント配線基板とは、メッキスルーホール法やビルドアップ法などにより、絶縁層101上に、層間絶縁層(ビルドアップ層とも呼ぶ。)を介して金属層103を2層以上積層したプリント配線基板である。
(金属層)
金属層103は、例えば、回路層であり、無電解金属めっき膜108と、電解金属めっき層109とを有する。
金属層103は、例えば、薬液処理またはプラズマ処理されたプライマー層105の面上に、SAP(セミアディティブプロセス)法により形成される。図6は、本発明に係る実施形態のプリント配線基板100の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。プライマー層105上に無電解金属めっき膜108を施した後(図6(d))、めっきレジスト205により非回路形成部を保護し(図6(e))、電解めっきにより電解金属めっき層109付けを行い(図6(f))、めっきレジスト205の除去とフラッシュエッチングによる無電解金属めっき膜108の除去により、プライマー層105上に金属層103を形成する(図6(g))。
金属層103の回路寸法は、ラインアンドスペース(L/S)で表わすとき、25μm/25μm以下とすることができ、特に15μm/15μm以下とすることができる。回路寸法を小さくし、微細配線にすると、密着性の低下、配線間の絶縁信頼性が低下する。しかし、本実施形態に係るプリント配線基板100は、ラインアンドスペース(L/S)15μm/15μm以下の微細配線が可能であり、ラインアンドスペース(L/S)10μm/10μm程度までの微細化を達成できる。
金属層103の厚みは、特に限定されないが、通常は5μm以上25μm以下である。
(絶縁層)
絶縁層101は、例えば、ビアホール107が設けられている。
また、絶縁層101は、例えば、絶縁樹脂層である。プリント配線基板100が多層プリント配線基板の場合は、図2に示すように、コア層111またはビルドアップ層117中の絶縁層101である。なお、プライマー層105も絶縁であるため絶縁層の一種であるが、本実施形態ではプライマー層105は絶縁層101に含まれない。
コア層111中の絶縁層101(ビルドアップ層117を含まないプリント配線基板100中の絶縁層101も含む。)は、絶縁性の材料により構成されていれば特に限定されないが、たとえば、エポキシ樹脂、ガラス基材−エポキシ樹脂積層板、ガラス基材−ポリイミド樹脂積層板、ガラス基材−テフロン(登録商標)樹脂積層板、ガラス基材−ビスマレイミド・トリアジン樹脂積層板、ガラス基材−シアネート樹脂積層板、ガラス基材−ポリフェニレンエーテル樹脂積層板、ポリエステル樹脂、セラミック、樹脂含浸セラミック、プリプレグのいずれか等により構成することができる。これらの中でも、プリプレグはシート状材料であり、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性などの各種特性に優れ、プリント配線基板用のコア層111の製造に適しており好ましい。
プリプレグとしては、前述したプリプレグ210やプライマー層付きプリプレグ200を用いることができる。
また、ビルドアップ層117中の絶縁層101は、絶縁性の材料により構成されていれば特に限定されないが、たとえば、樹脂フィルム、プリプレグのいずれか等により構成することができる。これらの中でも、プリプレグはシート状材料であり、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性などの各種特性に優れ、プリント配線基板用のビルドアップ層117の製造に適しており好ましい。
プリプレグとしては、前述したプリプレグ210やプライマー層付きプリプレグ200を用いることができる。
コア層111中の絶縁層101(ビルドアップ層117を含まないプリント配線基板100中の絶縁層101も含む。)の厚さは、好ましくは0.025mm以上0.6mm以下であり、より好ましくは0.04mm以上0.4mm以下であり、さらに好ましくは0.04mm以上0.3mm以下であり、とくに好ましくは0.05mm以上0.2mm以下である。絶縁層101の厚さが上記範囲内であると、機械的強度および生産性のバランスがとくに優れ、薄型プリント配線基板に適した絶縁層101を得ることができる。
ビルドアップ層117中の絶縁層101の厚さは、好ましくは0.01mm以上0.1mm以下であり、より好ましくは0.015mm以上0.05mm以下である。絶縁層101の厚さが上記範囲内であると、機械的強度および生産性のバランスがとくに優れ、薄型プリント配線基板に適した絶縁層101を得ることができる。
また、プリント配線基板100は、JIS C−6481:1996に準拠して測定される、絶縁層101と金属層103との間のピール強度が、好ましくは0.5kN/m以上であり、より好ましくは0.6kN/m以上である。ピール強度が上記下限値以上であると、金属層103の剥離をより一層抑制することができ、その結果、プリント配線基板100の配線間の絶縁信頼性をより一層向上させることができる。
(プライマー層)
プライマー層105は、図1に示すように、絶縁層101と金属層103との間に介在しており前述したプライマー層形成用樹脂組成物Pにより形成されている。
また、プライマー層105は、図2に示すようにビルドアップ層117をさらに有する場合、コア層111中の絶縁層101と金属層103との間およびビルドアップ層117中の絶縁層101と金属層103との間のうち少なくとも一方に介在されていればよいが、図2に示すようにコア層111中の絶縁層101と金属層103との間およびビルドアップ層117中の絶縁層101と金属層103との間の両方に介在しているのが好ましい。
[プリント配線基板の製造方法]
つづいて、プリント配線基板100の製造方法の一例について説明する。ただし、本実施形態に係るプリント配線基板100の製造方法は、以下の例に限定されない。図6は、本発明に係る実施形態のプリント配線基板100の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。
(金属張積層板の作製)
はじめに、絶縁層101の両面または片面に、プライマー層105を介して金属箔255を積層させることにより、金属張積層板280を作製する(図6(a))。金属張積層板280の製造方法は前述した方法を用いることができる。プライマー層105は、絶縁層101の片面のみに積層してもよいし、両面に積層してもよい。
次いで、エッチング処理により、金属箔255を除去する(図6(b))。
次いで、絶縁層101にビアホール107を形成する(図6(c))。ビアホール107は、例えば、ドリル機やレーザー照射を用いて形成することができる。レーザー照射に用いるレーザーは、エキシマレーザー、UVレーザーおよび炭酸ガスレーザーなどが挙げられる。
ビアホール107を形成後の樹脂残渣等は、過マンガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤などにより除去してもよい。
なお、エッチング処理による金属箔255の除去前に、絶縁層101にビアホール107を形成してもよい。
次いで、プライマー層105の表面に対して、薬液処理またはプラズマ処理を行う(図6(c))。
薬液処理としては、特に限定されず、有機物分解作用を有する酸化剤溶液等を使用する方法などが挙げられる。また、プラズマ処理としては、対象物となるものに直接酸化作用の強い活性種(プラズマ、ラジカル等)を照射して有機物残渣を除去する方法などが挙げられる。
薬液処理としては、具体的には、プライマー層105表面の膨潤処理を施した後、アルカリ処理によりエッチングを行い、続いて中和処理を行う方法等が挙げられる。
また、プラズマ処理としては、数mTorr〜数Torrのガス雰囲気下において数kHz〜数十MHz程度の高周波電源にて放電することにより行う方法等が挙げられる。なお、使用ガスとしては、例えば、酸素等の反応性ガス、または窒素やアルゴン等の不活性ガスを用いることができる。プラズマにより活性化されたガス成分は、圧力と使用ガスの種類によって、化学的反応、ガス分子そのものの衝突(ボンバリング)による物理的反応、またはこれら両方が生じることによって、ビアホール中の残渣や低分子による表面汚れを除去することができる。プラズマ処理によるクリーニングは、例えば、平行平板方式により行うことができる。
プラズマ処理により、薬液によるクリーニングでは除去しきれないような強固な樹脂組成物の残滓を除去することができる。
次に、金属層103を形成する。金属層103は、セミアディティブプロセスにより形成することができる。以下、具体的に説明する。
はじめに、無電解めっき法を用いて、プライマー層105の表面およびビアホール107に無電解金属めっき膜108を形成する(図6(d))。プリント配線基板100の両面の導通を図る。またビアホール107は、導体ペースト、または樹脂ペーストで適宜埋めることができる。無電解めっき法の例を説明する。例えば、まずプライマー層105の表面上に触媒核を付与する。この触媒核としては、特に限定されないが、例えば、貴金属イオンやパラジウムコロイドを用いることができる。引き続き、この触媒核を核として、無電解めっき処理により無電解金属めっき膜108を形成する。無電解めっきには、例えば、硫酸銅、ホルマリン、錯化剤、水酸化ナトリウム等を含むものを用いることができる。なお、無電解めっき後に、100〜250℃の加熱処理を施し、めっき被膜を安定化させることが好ましい。120〜180℃の加熱処理が酸化を抑制できる被膜を形成できる点で、特に好ましい。また、無電解金属めっき膜108の平均厚さは、例えば、0.1〜2μm程度である。
次いで、無電解金属めっき膜108上に所定の開口パターンを有するめっきレジスト205を形成する(図6(e))。この開口パターンは、例えば回路パターンに相当する。めっきレジスト205としては、特に限定されず、公知の材料を用いることができるが、液状およびドライフィルムを用いることができる。微細配線形成の場合には、めっきレジスト205としては、感光性ドライフィルム等を用いることが好ましい。感光性ドライフィルムを用いた一例を説明する。例えば、無電解金属めっき膜108上に感光性ドライフィルムを積層し、非回路形成領域を露光して光硬化させ、未露光部を現像液で溶解、除去する。硬化した感光性ドライフィルムを残存させることにより、めっきレジスト205を形成する。
次いで、図6(f)に示すように、少なくともめっきレジスト205の開口パターン内部かつ無電解金属めっき膜108上に、電気めっき処理により、電解金属めっき層109を形成する。電気めっきとしては、特に限定されないが、通常のプリント配線基板で用いられる公知の方法を使用することができ、例えば、硫酸銅等のめっき液中に浸漬させた状態で、めっき液に電流を流す等の方法を使用することができる。電解金属めっき層109は単層でもよく多層構造を有していてもよい。電解金属めっき層109の材料としては、特に限定されないが、例えば、銅、銅合金、42合金、ニッケル、鉄、クロム、タングステン、金、半田のいずれか1種以上を用いることができる。
次いで、図6(g)に示すように、アルカリ性剥離液や硫酸または市販のレジスト剥離液等を用いてめっきレジスト205を除去する。
次いで、図6(g)に示すように、電解金属めっき層109が形成されている領域以外の無電解金属めっき膜108を除去する。例えば、ソフトエッチング(フラッシュエッチング)等を用いることにより、無電解金属めっき膜108を除去することができる。ここで、ソフトエッチング処理は、例えば、硫酸および過酸化水素を含むエッチング液を用いたエッチングにより行うことができる。これにより、金属層103を形成することができる。金属層103は無電解金属めっき膜108および電解金属めっき層109で構成されることになる。
さらに、プリント配線基板100上に、必要に応じてビルドアップ層を積層して、セミアディティブプロセスにより層間接続および回路形成する工程を繰り返すことにより、多層にすることができる。
以上により、本実施形態のプリント配線基板100が得られる。
[半導体パッケージ]
つづいて、本実施形態に係る半導体パッケージ300について説明する。図7および図8は、本発明に係る実施形態の半導体パッケージ300の構成の一例を示す断面図である。プリント配線基板100は、図7および図8に示すような半導体パッケージ300に用いることができる。半導体パッケージ300の製造方法としては、とくに限定されないが、例えば以下のような方法がある。
まず、プリント配線基板100上に、必要に応じてビルドアップ層を積層して、セミアディティブプロセスにより層間接続および回路形成する工程を繰り返す。そして、必要に応じてソルダーレジスト層301をプリント配線基板100の両面又は片面に積層する。
ソルダーレジスト層301の形成方法は、特に限定されないが、例えば、ドライフィルムタイプのソルダーレジストをラミネートし、露光、および現像により形成する方法、または液状レジストを印刷したものを露光、および現像することにより形成する方法によりなされる。
つづいて、リフロー処理を行なうことによって、半導体素子307を配線パターンの一部である接続端子上に半田バンプ310を介して固着させる。その後、半導体素子307、半田バンプ310等を封止材313で封止することによって、図7および図8に示す様な半導体パッケージ300が得られる。
[半導体装置]
つづいて、本実施形態に係る半導体装置400について説明する。図9および図10は、本発明に係る実施形態の半導体装置400の構成の一例を示す断面図である。
プリント配線基板100および半導体パッケージ300は、図9および図10に示すような半導体装置400に用いることができる。半導体装置400の製造方法としては、とくに限定されないが、例えば以下のような方法がある。
はじめに、両面に回路層が設けられたプリント配線基板を用いて半導体パッケージ300を作製する。ここで、半導体素子307はプリント配線基板の一方の面のみに搭載し、他方の面には開口部が設けられたソルダーレジスト層301を設ける。得られた半導体パッケージ300のソルダーレジスト層301の上記開口部に半田ペーストを塗布、次いで半田ボールを搭載後、リフロー処理を行なうことによって半田バンプ310を形成する。また、半田バンプ310は、あらかじめ作製した半田ボールを開口部に取り付けることによっても形成できる。
つぎに、実装基板420の接続端子425と半田バンプ310とを接合することによって半導体パッケージ300を実装基板420に実装し、図9および図10に示した半導体装置400が得られる。
本実施形態における半導体パッケージ300は、反りおよびクラックが発生しにくく、薄型化が可能である。したがって半導体パッケージ300を含む半導体装置400は、接続信頼性が優れている。
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
絶縁層と金属層との間に介在して前記絶縁層と前記金属層とを密着させるプライマー層を形成するために用いられる、プライマー層形成用樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂と、
ナフトール樹脂と、
無機充填材と、
を含む、プライマー層形成用樹脂組成物。
2.
1.に記載のプライマー層形成用樹脂組成物において、
前記絶縁層および前記金属層がプリント配線基板の一部を構成するものである、プライマー層形成用樹脂組成物。
3.
1.または2.に記載のプライマー層形成用樹脂組成物において、
前記金属層が回路層である、プライマー層形成用樹脂組成物。
4.
1.乃至3.いずれか一つに記載のプライマー層形成用樹脂組成物において、
前記エポキシ樹脂が、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、およびブタジエン構造を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上である、プライマー層形成用樹脂組成物。
5.
1.乃至4.いずれか一つに記載のプライマー層形成用樹脂組成物において、
さらに熱可塑性樹脂を含む、プライマー層形成用樹脂組成物。
6.
1.乃至5.いずれか一つに記載のプライマー層形成用樹脂組成物において、
前記熱可塑性樹脂が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、およびポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される一種または二種以上である、プライマー層形成用樹脂組成物。
7.
1.乃至6.いずれか一つに記載のプライマー層形成用樹脂組成物において、
ゴム粒子をさらに含む、プライマー層形成用樹脂組成物。
8.
1.乃至7.いずれか一つに記載のプライマー層形成用樹脂組成物において、
前記無機充填材がシリカ粒子を含む、プライマー層形成用樹脂組成物。
9.
1.乃至8.いずれか一つに記載のプライマー層形成用樹脂組成物において、
さらにカップリング剤を含む、プライマー層形成用樹脂組成物。
10.
1.乃至9.いずれか一つに記載のプライマー層形成用樹脂組成物において、
当該プライマー層形成用樹脂組成物は、セミアディティブプロセス法によって回路形成するプリント配線基板に用いられる、プライマー層形成用樹脂組成物。
11.
10.に記載のプライマー層形成用樹脂組成物において、
当該プライマー層形成用樹脂組成物を用いて形成されるプライマー層は、コア層およびビルドアップ層のうち少なくとも一方の層中の絶縁層と金属層との間に形成される、プライマー層形成用樹脂組成物。
12.
1.乃至11.いずれか一つに記載のプライマー層形成用樹脂組成物において、
当該プライマー層形成用樹脂組成物を180℃、1時間加熱硬化させて得られる硬化物の動的粘弾性測定によるガラス転移温度が150℃以上250℃以下である、プライマー層形成用樹脂組成物。
13.
1.乃至12.いずれか一つに記載のプライマー層形成用樹脂組成物において、
当該プライマー層形成用樹脂組成物を180℃、1時間加熱硬化させて得られる硬化物の線膨張係数が60ppm/℃以下である、プライマー層形成用樹脂組成物。
14.
熱硬化性樹脂と無機充填材とを含有する樹脂組成物を繊維基材に少なくとも1層以上含浸してなるプリプレグと、
前記プリプレグの少なくとも一方の面に形成される金属層と前記プリプレグとの間に介在して、前記金属層と前記プリプレグとを密着させるプライマー層と、
を含む、プライマー層付きプリプレグであって、
前記プライマー層が、1.乃至13.いずれか一つに記載のプライマー層形成用樹脂組成物を用いて形成されたものである、プライマー層付きプリプレグ。
15.
金属箔と、
前記金属箔の少なくとも一方の面に形成されたプライマー層と、
を含む、プライマー層付き金属箔であって、
前記プライマー層が、1.乃至13.いずれか一つに記載のプライマー層形成用樹脂組成物を用いて形成されたものである、プライマー層付き金属箔。
16.
熱硬化性樹脂、無機充填材および繊維基材を含む絶縁層と、
前記絶縁層の両面又は片面に積層される金属箔と、
前記絶縁層の膜厚よりも膜厚が薄く、前記絶縁層と前記金属箔との間に介在して前記絶縁層と前記金属箔とを密着させるプライマー層と、
を有する金属張積層板であって、
前記プライマー層が、1.乃至13.いずれか一つに記載のプライマー層形成用樹脂組成物を用いて形成されたものである、金属張積層板。
17.
16.に記載の金属張積層板を回路加工してなるプリント配線基板。
18.
17.に記載のプリント配線基板に半導体素子を実装してなる半導体パッケージ。
19.
18.に記載の半導体パッケージを実装基板に実装してなる半導体装置。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例では、部はとくに特定しない限り質量部を表す。また、それぞれの厚みは平均膜厚で表わされている。
(実施例1)
(1)樹脂ワニス(A)の調製
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830S)7.0質量部、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4710、下記一般式(2))18.0質量部、硬化剤としてナフトールアラルキル型樹脂(新日鐵化学社製、SN−485、下記一般式(3))30.0質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化触媒としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒に添加し、30分攪拌して溶解させた。
さらに、カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分攪拌し、固形分30%の樹脂ワニス(A)を調製した。
Figure 0006217165
Figure 0006217165
ここで、nは1〜10の整数である。
(2)プライマー層付金属箔の作製
樹脂ワニス(A)を、厚さ3μmの極薄銅箔(MT18SD−H、厚さ18μmのキャリア銅箔付き、三井金属鉱業社製)の片面に、コンマコーター装置を用いて乾燥後(半硬化後)のプライマー層の厚さが5μmとなるように塗工した。これを160℃の乾燥装置で10分間乾燥して、プライマー層付金属箔を作製した。
(3)両面銅張積層板の製造
以上のようにして得られた2枚のプライマー層付金属箔のプライマー層同士を互いに対向させて重ね合わせ、ホットプレスを用いて180℃、30kgf/mmのプレス条件で、1時間加熱加圧し、プライマー層を硬化させた。これにより、プライマー層付金属箔のプライマー層同士を張り合わせて、両面銅張積層板を作製した。
(4)樹脂ワニス(B)の調整
シリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)59.7質量部と、エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC3000、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、重量平均分子量:1300、軟化点:57℃、エポキシ当量:276g/eq、下記一般式(4))11.2質量部と、シアネート樹脂(LONZA社製、Primaset PT−30、フェノールノボラック型シアネート樹脂、重量平均分子量380)20.0質量部と、フェノール樹脂(明和化成社製、MEH7851)8.8質量部と、エポキシシランカップリング剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A187)0.3質量部と、をメチルエチルケトンに溶解・混合させ、高速撹拌装置を用い撹拌して、固形分70質量%の樹脂ワニス(B)を得た。
Figure 0006217165
ここで、nは1〜10の整数である。
(5)金属張積層板の作製
(2)で得られたプライマー層付金属箔のプライマー層上に、樹脂ワニス(B)をコンマコーター装置を用いて絶縁樹脂層の厚さが19μmとなるように塗工した。これを160℃の乾燥装置で10分間乾燥して、金属箔付き絶縁樹脂シート(半硬化)を作製した。この金属箔付き絶縁樹脂シートは同様のものを2枚作製した。
得られた2枚の金属箔付き絶縁樹脂シートを繊維基材(厚さ48μm、日東紡績社製Eガラス織布、WEA−1280)の両面に絶縁樹脂層が繊維基材に接するようにそれぞれ配し、圧力0.5MPa、温度140℃で1分間の条件で真空プレスにより加熱加圧して、繊維基材に各絶縁樹脂層を含浸させた。このときの絶縁樹脂層と繊維基材との合計は、60μmであった。
次いで、圧力1MPa、温度220℃で2時間加熱加圧成形し、厚さ112μmの両面にキャリア付き銅箔を有する金属張積層板を作製した。
(6)プリント配線基板の作製
(5)で得られた金属張積層板のキャリア銅箔を剥離し、更に極薄銅箔をエッチング除去し、プライマー層を露出させた。次いで炭酸レーザーによりスルーホール(貫通孔)を形成した。次にスルーホール内および、プライマー層表面を、80℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に10分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に5分浸漬後、中和して粗化処理を行った。
これを脱脂、触媒付与、活性化の工程を経た後、無電解銅メッキ皮膜を約1μm、めっきレジスト形成、無電解銅めっき皮膜を給電層としパターン電気メッキ銅を12μm形成させL/S=12/12μmの微細回路加工を施した。次に、熱風乾燥装置にて200℃で60分間アニール処理を行った後、フラッシュエッチングで給電層を除去した。
次に、ソルダーレジスト(太陽インキ製造社製、PSR−4000 AUS703)を印刷し、半導体素子搭載パッド等が露出するように、所定のマスクで露光し、現像、キュアを行い、回路上のソルダーレジスト層厚さが12μmとなるように形成した。
最後に、ソルダーレジスト層から露出した回路層上へ、無電解ニッケルめっき層3μmと、さらにその上へ、無電解金めっき層0.1μmとからなるめっき層を形成し、プリント配線基板を得た。
(7)半導体パッケージの作製
半導体パッケージは、(6)で得られたプリント配線基板上に半田バンプを有する半導体素子(TEGチップ、サイズ8mm×8mm、厚み0.1mm)を、フリップチップボンダー装置により、加熱圧着により搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−4152S)を充填し、その後、液状封止樹脂を硬化させることで半導体パッケージを得た。尚、液状封止樹脂は、温度150℃、120分の条件で硬化させた。上記半導体素子の半田バンプは、Sn/Pb組成の共晶で形成されたものを用いた。最後に14mm×14mmのサイズにルーターで個片化し、半導体パッケージを得た。
(8)プライマー層付きフィルムの作製
(1)で得られた樹脂ワニス(A)を、キャリアフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステル社製、SFB−38、厚さ38μm、幅480m)の片面に、コンマコーター装置を用いて乾燥後(半硬化後)のプライマー層の厚さが5μmとなるように塗工した。これを160℃の乾燥装置で10分間乾燥して、プライマー層付きフィルムを作製した。
(9)プライマー層付きプリプレグの作製
(8)で得られたプライマー層付きフィルムのプライマー層上に、樹脂ワニス(B)をコンマコーター装置を用いて絶縁樹脂層の厚さが19μmとなるように塗工した。これを160℃の乾燥装置で10分間乾燥して、キャリアフィルム付き絶縁樹脂シート(半硬化)を作製した。このキャリアフィルム付き絶縁樹脂シート(半硬化)は同様のものを2枚作製した。
得られた2枚のキャリアフィルム付き絶縁樹脂シートを繊維基材(厚さ48μm、日東紡績社製Eガラス織布、WEA−1280)の両面に絶縁樹脂層が繊維基材に接するようにそれぞれ配し、圧力0.5MPa、温度100℃で1分間の条件で真空プレスにより加熱加圧して、繊維基材に各絶縁樹脂層を含浸させた。このときの絶縁樹脂層と繊維基材との合計は、60μmであった。キャリアフィルムを剥離して厚さ70μmのプリプレグを得た。
(10)線膨張係数
(3)で得られた両面銅張積層板の金属箔をエッチングにより除去し、金属箔を除去したプライマー層から4mm×20mmの試験片を作製した。この試験片について、TMA(熱機械的分析)装置(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、温度範囲30〜300℃、10℃/分、荷重5gの条件で2サイクル目の50〜150℃における平面方向(XY方向)の線膨張係数(CTE)を測定した。
(11)ガラス転移温度
(3)で得られた両面銅張積層板の金属箔をエッチングにより除去し、金属箔を除去したプライマー層から6mm×25mmの試験片を作製した。この試験片について、DMA装置(TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置DMA983)を用いて5℃/分(周波数1Hz)で昇温し、tanδのピーク位置をガラス転移温度とした。
(12)ピール強度
(5)で得られた金属張積層板から銅箔をエッチング除去し、60℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に10分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン株式会社製、コンセントレート コンパクト CP)に5分浸漬後、中和して粗化処理を行った。
これを脱脂、触媒付与、活性化の工程を経た後、無電解銅メッキ皮膜を約1μm、電気メッキ銅を30μm形成させ、熱風乾燥装置にて200℃で60分間アニール処理を行った。JIS−C−6481に基づき100mm×20mmの試験片を作製し、23℃におけるピール強度を測定した。
(13)細線加工性評価
(6)においてL/S=12/12μmの微細回路パターンを形成した後のプリント配線基板について、レーザー顕微鏡で細線の外観検査及び導通チェックにより評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:形状、導通ともに問題なし
○:ショート、配線切れはなく、実質上問題ない
×:ショート、配線切れあり
(14)絶縁信頼性評価
(6)で得られたプリント配線基板のL/S=12/12μmの微細回路パターン上に、ソルダーレジストの代わりにビルドアップ材(住友ベークライト社製、BLA−3700GS)を積層、硬化した試験サンプルを作製した。この試験サンプルを用いて、温度130℃、湿度85%、印加電圧3.3Vの条件で連続湿中絶縁抵抗を評価した。尚、抵抗値10Ω以下を故障とした。評価基準は以下の通りである。
◎:300時間以上故障なし
○:150時間以上300時間未満で故障あり
×:150時間未満で故障あり
(15)半導体パッケージの反り評価
(7)で得られた半導体パッケージの常温(23℃)及び260℃での反りを温度可変レーザー三次元測定機(日立テクノロジーアンドサービス社製、形式LS220−MT100MT50)を用いて評価した。上記測定機のサンプルチャンバーに半導体素子面を下にして設置し、高さ方向の変位を測定し、変位差の最も大きい値を反り量とした。評価基準は以下の通りである。
常温(23℃)
◎ :反り量が150μm未満
○ :反り量が150μm以上200μm未満
× :反り量が200μm以上
260℃
◎ :反り量が100μm未満
○ :反り量が100μm以上150μm未満
× :反り量が150μm以上
(16)プライマー層の海島構造の観察
(3)で得られた両面銅張積層板の銅箔をエッチングで除去し、次に、ルテニウム酸染色法により樹脂成分を染色した。100μm×100μmの切片サンプルを切り出し、透過型電子顕微鏡(日立社製H−7100FA型)によって、加速電圧100kV、倍率1万〜4万倍で観察した。海島構造が形成されているものを○、されていないものを×とした。また、海相および島相から一部を切り出し、各相に含まれる樹脂をガスクロマトグラフィーにより分析した。
(実施例2)
樹脂ワニス(A)に用いたアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)の代わりにポリアミドイミド樹脂(東洋紡績社製、HR−11NN)を用いた以外は実施例1と同様にした。
(実施例3)
樹脂ワニス(A)に用いたアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)の代わりにポリアミドイミド樹脂(東洋紡績社製、HR−16NN)を用いた以外は実施例1と同様にした。
(実施例4)
樹脂ワニス(A)に用いたアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)の代わりにポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製、KS−1)を用いた以外は実施例1と同様にした。
(実施例5)
樹脂ワニス(A)に用いたアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)の代わりにフェノキシ樹脂(三菱化学社製、YX6954)を用いた以外は実施例1と同様にした。
(実施例6)
樹脂ワニス(A)の代わりに以下の樹脂ワニスを用いた以外は実施例1と同様にした。
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830S)7.0質量部、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4710)19.0質量部、硬化剤としてナフトールアラルキル型樹脂(新日鐵化学社製、SN−180、下記一般式(5))29.0質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化剤として1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒で30分攪拌し、溶解させた。さらに、カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分攪拌し、固形分30%の樹脂ワニスを調製した。
Figure 0006217165
ここで、nは1〜10の整数である。
(実施例7)
樹脂ワニス(A)の代わりに以下の樹脂ワニスを用いた以外は実施例1と同様にした。
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830S)7.0質量部、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4710)26.5質量部、硬化剤としてジヒドロキシナフタレンアラルキル型樹脂(新日鐵化学社製、SN−395、下記一般式(6))21.5質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化剤としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒で30分攪拌し、溶解させた。さらに、カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分攪拌し、固形分30%の樹脂ワニスを調製した。
Figure 0006217165
ここで、nは1〜10の整数である。
(実施例8)
樹脂ワニス(A)の代わりに以下の樹脂ワニスを用いた以外は実施例1と同様にした。
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830S)7.0質量部、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4710)23.0質量部、硬化剤としてα−ナフトールとp−クレゾールとホルムアルデヒドとの縮合物(日本化薬社製、NHN、下記一般式(7))25.0質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化剤としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒で30分攪拌し、溶解させた。さらに、カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分攪拌し、固形分30%の樹脂ワニスを調製した。
Figure 0006217165
ここで、nは1〜10の整数である。
(実施例9)
樹脂ワニス(A)の代わりに以下の樹脂ワニスを用いた以外は実施例1と同様にした。
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830S)7.0質量部、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4710)23.0質量部、硬化剤としてβ−ナフトールとo−クレゾールとホルムアルデヒドとの縮合物(日本化薬社製、CBN、下記一般式(8))25.0質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化剤としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒で30分攪拌し、溶解させた。さらに、カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分攪拌し、固形分30%の樹脂ワニスを調製した。
Figure 0006217165
ここで、nは1〜10の整数である。
(実施例10)
樹脂ワニス(A)の代わりに以下の樹脂ワニスを用いた以外は実施例1と同様にした。
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830S)7.0質量部、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学社製、YX−4000、下記一般式(9))18.0質量部、硬化剤としてナフトールアラルキル型樹脂(新日鐵化学社製、SN−485)30.0質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化剤としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒で30分攪拌し、溶解させた。さらに、カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分攪拌し、固形分30%の樹脂ワニスを調製した。
Figure 0006217165
(実施例11)
樹脂ワニス(A)の代わりに以下の樹脂ワニスを用いた以外は実施例1と同様にした。
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830S)7.0質量部、ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂(三菱化学社製、YX−8800、下記一般式(10))17.5質量部、硬化剤としてナフトールアラルキル型樹脂(新日鐵化学社製、SN−485)30.5質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化剤としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒で30分攪拌し、溶解させた。さらに、カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分攪拌し、固形分30%の樹脂ワニスを調製した。
Figure 0006217165
(実施例12)
樹脂ワニス(A)の代わりに以下の樹脂ワニスを用いた以外は実施例1と同様にした。
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830S)7.0質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC3000)22.0質量部、硬化剤としてナフトールアラルキル型樹脂(新日鐵化学社製、SN−485)26.0質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化剤としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒で30分攪拌し、溶解させた。さらに、カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分攪拌し、固形分30%の樹脂ワニスを調製した。
(実施例13)
樹脂ワニス(A)の代わりに以下の樹脂ワニスを用いた以外は実施例1と同様にした。
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830S)7.0質量部、α−ナフトールとp−クレゾールとホルムアルデヒドとの縮合物をエポキシ化したエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC7000L、下記一般式(11))20.5質量部、硬化剤としてナフトールアラルキル型樹脂(新日鐵化学社製、SN−485)27.5質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化剤としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒で30分攪拌し、溶解させた。さらに、カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分攪拌し、固形分30%の樹脂ワニスを調製した。
Figure 0006217165
ここで、nは1〜10の整数である。
(実施例14)
樹脂ワニス(A)の代わりに以下の樹脂ワニスを用いた以外は実施例1と同様にした。
エポキシ樹脂として2官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP4032D、下記一般式(12))7.0質量部、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4710)16.5質量部、硬化剤としてナフトールアラルキル型樹脂(新日鐵化学社製、SN−485)31.5質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化剤としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒で30分攪拌し、溶解させた。さらに、カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分攪拌し、固形分30%の樹脂ワニスを調製した。
Figure 0006217165
(比較例1)
樹脂ワニス(A)の代わりに以下の樹脂ワニスを用いた以外は実施例1と同様にした。
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830S)7.0質量部、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4710)27.0質量部、硬化剤としてフェノールノボラック型樹脂(DIC社製、TD−2090、下記一般式(13))21.0質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化触媒としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒で30分攪拌し、溶解させた。さらに、カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分攪拌し、固形分30%の樹脂ワニスを調製した。
Figure 0006217165
ここで、nは1〜15の整数である。
(比較例2)
樹脂ワニス(A)の代わりに以下の樹脂ワニスを用いた以外は実施例1と同様にした。
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830S)7.0質量部、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4710)20.0質量部、硬化剤としてフェノールアラルキル型樹脂(明和化成社製、MEH−7800、下記一般式(14))28.0質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化剤としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒で30分攪拌し、溶解させた。さらに、カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分攪拌し、固形分30%の樹脂ワニスを調製した。
Figure 0006217165
ここで、nは1〜10の整数である。
(比較例3)
樹脂ワニス(A)の代わりに以下の樹脂ワニスを用いた以外は実施例1と同様にした。
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830S)7.0質量部、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4710)18.0質量部、硬化剤としてビフェニルアラルキル型樹脂(明和化成社製、MEH−7851、下記一般式(15))30.0質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化剤としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒で30分攪拌し、溶解させた。さらに、カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分攪拌し、固形分30%の樹脂ワニスを調製した。
Figure 0006217165
ここで、nは1〜10の整数である。
以上の結果を表1に示す。実施例1〜14のプライマー層はすべて海島構造を形成しており、海相からエポキシ樹脂がそれぞれ検出され、島相から熱可塑性樹脂がそれぞれ検出された。
また、エポキシ樹脂とナフトール樹脂と無機充填材とを含むプライマー層を備える、実施例1〜14のプリント配線基板は細線加工性および絶縁信頼性に優れていた。また、それらのプリント配線基板を用いて得られる半導体パッケージはすべて反りが抑制されていた。
これに対し、硬化剤としてナフトール樹脂を含まないプライマー層を備えるプリント配線基板を用いて得られる、比較例1〜3の半導体パッケージは反りが抑制されなかった。
Figure 0006217165
100 プリント配線基板
101 絶縁層
103 金属層
105 プライマー層
107 ビアホール
108 無電解金属めっき膜
109 電解金属めっき層
111 コア層
117 ビルドアップ層
200 プライマー層付きプリプレグ
201 繊維基材
203 樹脂層
205 めっきレジスト
210 プリプレグ
250 プライマー層付き金属箔
255 金属箔
280 金属張積層板
300 半導体パッケージ
301 ソルダーレジスト層
307 半導体素子
310 半田バンプ
313 封止材
400 半導体装置
420 実装基板
425 接続端子

Claims (27)

  1. 熱硬化性樹脂と無機充填材とを含有する樹脂組成物を繊維基材に少なくとも1層以上含浸してなるプリプレグと、
    前記プリプレグの少なくとも一方の面に形成される金属層と前記プリプレグとの間に介在して、前記金属層と前記プリプレグとを密着させるプライマー層と、
    を含む、プライマー層付きプリプレグであって、
    前記プライマー層が、エポキシ樹脂と、ナフトール樹脂と、無機充填材と、を含む、プライマー層形成用樹脂組成物を用いて形成されたものであり、
    前記プライマー層の厚みが1μm以上8μm以下であり、
    前記プライマー層中の前記ナフトール樹脂の含有量が、前記プライマー層の全体を100質量%としたとき、10質量%以上55質量%以下であり、
    前記プライマー層の線膨張係数が60ppm/℃以下であるプライマー層付きプリプレグ。
  2. 請求項1に記載のプライマー層付きプリプレグにおいて、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物中の前記エポキシ樹脂が、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、およびブタジエン構造を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上であるプライマー層付きプリプレグ。
  3. 請求項1または2に記載のプライマー層付きプリプレグにおいて、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物がさらに熱可塑性樹脂を含むプライマー層付きプリプレグ。
  4. 請求項3に記載のプライマー層付きプリプレグにおいて、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物中の前記熱可塑性樹脂が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、およびポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される一種または二種以上を含むプライマー層付きプリプレグ。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載のプライマー層付きプリプレグにおいて、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物がゴム粒子をさらに含むプライマー層付きプリプレグ。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載のプライマー層付きプリプレグにおいて、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物中の前記無機充填材がシリカ粒子を含むプライマー層付きプリプレグ。
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載のプライマー層付きプリプレグにおいて、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物がさらにカップリング剤を含むプライマー層付きプリプレグ。
  8. 請求項1乃至7いずれか一項に記載のプライマー層付きプリプレグにおいて、
    前記プライマー層の動的粘弾性測定によるガラス転移温度が150℃以上250℃以下であるプライマー層付きプリプレグ。
  9. 金属箔と、
    前記金属箔の少なくとも一方の面に形成されたプライマー層と、
    を含む、プライマー層付き金属箔であって、
    前記プライマー層が、エポキシ樹脂と、ナフトール樹脂と、無機充填材と、を含む、プライマー層形成用樹脂組成物を用いて形成されたものであり、
    前記プライマー層の厚みが1μm以上8μm以下であり、
    前記プライマー層中の前記ナフトール樹脂の含有量が、前記プライマー層の全体を100質量%としたとき、10質量%以上55質量%以下であり、
    前記プライマー層の線膨張係数が60ppm/℃以下であるプライマー層付き金属箔。
  10. 請求項に記載のプライマー層付き金属箔において、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物中の前記エポキシ樹脂が、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、およびブタジエン構造を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上であるプライマー層付き金属箔。
  11. 請求項または10に記載のプライマー層付き金属箔において、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物がさらに熱可塑性樹脂を含むプライマー層付き金属箔。
  12. 請求項11に記載のプライマー層付き金属箔において、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物中の前記熱可塑性樹脂が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、およびポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される一種または二種以上を含むプライマー層付き金属箔。
  13. 請求項乃至12いずれか一項に記載のプライマー層付き金属箔において、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物がゴム粒子をさらに含むプライマー層付き金属箔。
  14. 請求項乃至13いずれか一項に記載のプライマー層付き金属箔において、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物中の前記無機充填材がシリカ粒子を含むプライマー層付き金属箔。
  15. 請求項乃至14いずれか一項に記載のプライマー層付き金属箔において、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物がさらにカップリング剤を含むプライマー層付き金属箔。
  16. 請求項乃至15いずれか一項に記載のプライマー層付き金属箔において、
    前記プライマー層の動的粘弾性測定によるガラス転移温度が150℃以上250℃以下であるプライマー層付き金属箔。
  17. 熱硬化性樹脂、無機充填材および繊維基材を含む絶縁層と、
    前記絶縁層の両面又は片面に積層される金属箔と、
    前記絶縁層の膜厚よりも膜厚が薄く、前記絶縁層と前記金属箔との間に介在して前記絶縁層と前記金属箔とを密着させるプライマー層と、
    を有する金属張積層板であって、
    前記プライマー層が、エポキシ樹脂と、ナフトール樹脂と、無機充填材と、を含む、プライマー層形成用樹脂組成物を用いて形成されたものであり、
    前記プライマー層の厚みが1μm以上8μm以下であり、
    前記プライマー層中の前記ナフトール樹脂の含有量が、前記プライマー層の全体を100質量%としたとき、10質量%以上55質量%以下であり、
    前記プライマー層の線膨張係数が60ppm/℃以下である金属張積層板。
  18. 請求項17に記載の金属張積層板において、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物中の前記エポキシ樹脂が、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、およびブタジエン構造を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上である金属張積層板。
  19. 請求項17または18に記載の金属張積層板において、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物がさらに熱可塑性樹脂を含む金属張積層板。
  20. 請求項19に記載の金属張積層板において、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物中の前記熱可塑性樹脂が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、およびポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される一種または二種以上を含む金属張積層板。
  21. 請求項17乃至20いずれか一項に記載の金属張積層板において、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物がゴム粒子をさらに含む金属張積層板。
  22. 請求項17乃至21いずれか一項に記載の金属張積層板において、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物中の前記無機充填材がシリカ粒子を含む金属張積層板。
  23. 請求項17乃至22いずれか一項に記載の金属張積層板において、
    前記プライマー層形成用樹脂組成物がさらにカップリング剤を含む金属張積層板。
  24. 請求項17乃至23いずれか一項に記載の金属張積層板において、
    前記プライマー層の動的粘弾性測定によるガラス転移温度が150℃以上250℃以下である金属張積層板。
  25. 請求項17乃至24いずれか一項に記載の金属張積層板を回路加工してなるプリント配線基板。
  26. 請求項25に記載のプリント配線基板に半導体素子を実装してなる半導体パッケージ。
  27. 請求項26に記載の半導体パッケージを実装基板に実装してなる半導体装置。
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