JP6793705B2 - 樹脂付き金属箔及び樹脂付き金属箔の製造方法 - Google Patents

樹脂付き金属箔及び樹脂付き金属箔の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂付き金属箔及び樹脂付き金属箔の製造方法に関し、特に、樹脂付き金属箔を用いて多層フレキシブルプリント配線板を製造した場合に、多層フレキシブルプリント配線板の厚さを低減することで柔軟性を向上させることができ、また、層間の短絡防止特性と回路パターン間の埋め込み特性に優れた多層フレキシブルプリント配線板を得ることができる、樹脂付き金属箔及び該樹脂付き金属箔の製造方法に関するものである。
近年、電気・電子機器に搭載されている半導体素子等の電子部品は、電気・電子機器の高機能化に伴い高密度搭載され、また、電気・電子機器の小型化に伴い、電子部品の収容空間が狭小化されている。従って、多層フレキシブルプリント配線板についても小型化、薄型化が要求されている。一方で、多層フレキシブルプリント配線板では、層間の絶縁信頼性を確保する必要があり、このために、層間にポリイミドフィルム等の絶縁層が介装されている。上記から、多層フレキシブルプリント配線板を形成するために用いられる樹脂付き金属箔は、金属箔と、金属箔上に設けられたポリイミドフィルム等の絶縁層と、絶縁層上に設けられた接着層とを有している。
一方で、ポリイミドフィルム等の絶縁層が金属箔と接着層の間に介装されていると、多層フレキシブルプリント配線板が厚くなり、また、多層フレキシブルプリント配線板の柔軟性も低下する。従って、絶縁層としてポリイミドフィルム等を介装させた樹脂付き金属箔では、薄型化と柔軟性に問題があった。
また、多層フレキシブルプリント配線板にスルーホールやブラインドビアホールを設けるために、多層フレキシブルプリント配線板に対しレーザー処理等にて穴あけ加工を行うことがある。しかし、上記樹脂付き金属箔では、接着層の材料特性と絶縁層の材料特性が大きく異なることから、レーザー照射の条件等、穴あけ加工の加工条件が複雑となり、多層フレキシブルプリント配線板の生産性に問題があった。
また、金属箔と、ベンゾシクロブテン樹脂と架橋剤を含む絶縁樹脂組成物で構成される第1の樹脂層と、ベンゾシクロブテン樹脂と架橋剤とを含む絶縁樹脂組成物で構成される第2の樹脂層とがこの順に積層された樹脂付き金属箔、すなわち、絶縁層のベース樹脂と接着層のベース樹脂を共通化した樹脂付き金属箔が提案されている(特許文献1)。特許文献1では、加熱加圧成形時における樹脂付き金属箔の絶縁層の流動性を制御することで、絶縁層の厚さバラツキを小さくして、回路パターン間の埋め込み特性を向上させるものである。
しかし、特許文献1でも、依然として、回路パターン間の埋め込み特性に改善の余地があった。また、絶縁層の流動性を制御しているものの、回路パターンと金属箔間の距離が近くなりすぎて回路パターンと金属箔間にて短絡が生じる点や、絶縁層が多層フレキシブルプリント配線板からはみ出てしまう点に、改善の余地があった。
特開2003−89167号公報
上記事情に鑑み、本発明は、回路パターンと金属箔間の短絡と絶縁層の配線板からのはみ出しを防止し、回路パターン間の埋め込み特性に優れた樹脂付き金属箔、及び該樹脂付き銅箔の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1]金属箔と、
該金属箔上に形成された、平均膜厚2.0〜10.0μmの第1樹脂層と、
該第1樹脂層上に形成された、平均膜厚15.0〜60.0μmの第2樹脂層と、を有し、
前記第1樹脂層が、(A)ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂と、(B)硬化剤と、(C)硬化促進剤と、を含む第1樹脂組成物からなり、前記第2樹脂層が、(A)ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂と、(B)硬化剤と、を含み、前記(C)硬化促進剤を含まない第2樹脂組成物からなる樹脂付き金属箔。
[2]前記ポリアミドイミド樹脂の質量平均分子量が10000以上であり、前記ポリイミド樹脂の質量平均分子量が10000以上である[1]に記載の樹脂付き金属箔。
[3]前記第1樹脂組成物の前記(A)ベース樹脂及び前記第2樹脂組成物の前記(A)ベース樹脂が、さらに、エポキシ樹脂を含む[1]または[2]に記載の樹脂付き金属箔。
[4]前記第1樹脂組成物の前記(B)硬化剤及び前記第2樹脂組成物の前記(B)硬化剤が、フェノール化合物及び/またはアミン化合物を含む[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の樹脂付き金属箔。
[5]前記(C)硬化促進剤が、イミダゾール化合物を含む[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の樹脂付き金属箔。
[6]前記第1樹脂組成物が、前記(A)ベース樹脂100質量部(固形分)に対し、前記(B)硬化剤(固形分)を10質量部以上100質量部以下含み、前記第2樹脂組成物が、前記(A)ベース樹脂100質量部(固形分)に対し、前記(B)硬化剤(固形分)を10質量部以上100質量部以下含む、[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の樹脂付き金属箔。
[7]前記第1樹脂組成物が、前記(A)ベース樹脂100質量部(固形分)に対し、前記(C)硬化促進剤を2.0質量部以上20質量部以下含む、[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の樹脂付き金属箔。
[8]前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層が、前記ポリアミドイミド樹脂及び/または前記ポリイミド樹脂を固形分で5.0質量%以上含む[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の樹脂付き金属箔。
[9]前記金属箔の平均厚さが、35μm以下である[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の樹脂付き金属箔。
[10][1]乃至[9]のいずれか1つに記載の樹脂付き金属箔とフレキシブル基板が積層された多層フレキシブルプリント配線板。
[11]金属箔と、
該金属箔上に形成された、平均膜厚2.0〜10.0μmの第1樹脂層と、
該第1樹脂層上に形成された、平均膜厚15.0〜60.0μmの第2樹脂層と、を有し、
前記第1樹脂層が、(A)ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂と、(B)硬化剤と、(C)硬化促進剤と、を含む第1樹脂組成物からなり、前記第2樹脂層が、(A)ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂と、(B)硬化剤と、を含み、前記(C)硬化促進剤を含まない第2樹脂組成物からなる樹脂付き金属箔の製造方法であり、
前記金属箔上に、前記第1樹脂組成物を塗工後、乾燥させて、第1樹脂層を形成する工程と、
前記第1樹脂層上に、前記第2樹脂組成物を塗工後、乾燥させて、第2樹脂層を形成する工程と、
を含む樹脂付き金属箔の製造方法であり、
前記第1樹脂組成物が、180℃にて120秒間の熱処理後の状態における最低溶融粘度が、60℃から180℃まで昇温したとき、10000Pa・sec以上であり、
前記第2樹脂組成物が、180℃にて120秒間の熱処理後の状態における最低溶融粘度が、60℃から180℃まで昇温したとき、500Pa・sec以下である樹脂付き金属箔の製造方法。
[11]の態様における「60℃から180℃まで昇温したときの最低溶融粘度」とは、前記樹脂組成物を昇温速度2℃/分にて60℃から180℃まで昇温したときの最も低い粘度を意味する。
本発明の態様によれば、平均膜厚2.0〜10.0μmの第1樹脂層と、第1樹脂層上に形成された、平均膜厚15.0〜60.0μmの第2樹脂層と、を有し、第1樹脂層が、(A)ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂と、(B)硬化剤と、(C)硬化促進剤と、を含む第1樹脂組成物からなり、第2樹脂層が、(A)ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂と、(B)硬化剤と、を含み、(C)硬化促進剤を含まない第2樹脂組成物からなることにより、回路パターンと金属箔間の短絡と絶縁層として機能する第1樹脂層と第2樹脂層の配線板からのはみ出しを防止し、回路パターン間の埋め込み特性に優れた樹脂付き金属箔を得ることができる。
また、本発明の態様によれば、第1樹脂組成物及び第2樹脂組成物の(A)ベース樹脂が、ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むことにより、第1樹脂層と第2樹脂層の柔軟性、穴あけ加工性、接着性が向上する。
本発明の態様によれば、ポリアミドイミド樹脂の質量平均分子量が10000以上であり、ポリイミド樹脂の質量平均分子量が10000以上であることにより、回路パターンと金属箔間の短絡と第1樹脂層と第2樹脂層の配線板からのはみ出しをより確実に防止できる。
本発明の態様によれば、第1樹脂層及び第2樹脂層が、ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を固形分で5.0質量%以上含むことにより、回路パターンと金属箔間の短絡と第1樹脂層と第2樹脂層の配線板からのはみ出しをより確実に防止できる。
本発明の態様によれば、金属箔上に、180℃にて120秒間の熱処理後の状態にて60℃から180℃まで昇温したときの最低溶融粘度が10000Pa・sec以上である前記第1樹脂組成物を塗工後、乾燥させて、第1樹脂層を形成した後、第1樹脂層上に、180℃にて120秒間の熱処理後の状態にて60℃から180℃まで昇温したときの最低溶融粘度が500Pa・sec以下である前記第2樹脂組成物を塗工後、乾燥させて、第2樹脂層を形成することにより、回路パターンと金属箔間の短絡と絶縁層の配線板からのはみ出しを防止し、回路パターン間の埋め込み特性に優れた樹脂付き金属箔を製造することができる。
本発明の樹脂付き金属箔の側面を示す説明図である。
次に、本発明の樹脂付き金属箔について説明する。図1に示すように、本発明の樹脂付き金属箔1は、金属箔11と、金属箔11上に形成された第1樹脂層12と、第1樹脂層12上に形成された第2樹脂層13を有する。第1樹脂層12は絶縁層として機能し、第2樹脂層13は、絶縁層兼回路パターンを有する基板(例えば、フレキシブル基板)に対する接着層として機能する。
本発明の樹脂付き金属箔1では、第1樹脂層12の平均膜厚は2.0〜10.0μmである。第1樹脂層12の平均膜厚が2.0μm未満では、回路パターンと金属箔11との間の短絡と絶縁層の配線板からのはみ出しを防止できない。一方で、第1樹脂層12の平均膜厚が10.0μm超では、絶縁層が厚くなり、折り曲げ性が低下する。第1樹脂層12の平均膜厚の下限値は、回路パターンと金属箔11間の短絡と絶縁層の配線板からのはみ出しを確実に防止する点から、2.3μmが好ましく、2.5μmが特に好ましい。一方で、第1樹脂層12の平均膜厚の上限値は、絶縁層をより薄膜化しつつ、回路パターン間の絶縁層においてボイドの発生を確実に防止する点から、7.5μmが好ましく、5.0μmが特に好ましい。
第2樹脂層13の平均膜厚は15.0〜60.0μmである。第2樹脂層13の平均膜厚が15.0μm未満では回路パターン間の埋め込み特性が得られず、回路パターン間の絶縁層にボイドが発生する。一方で、第2樹脂層13の平均膜厚が60.0μm超では回路パターンと金属箔11との間の短絡と絶縁層の配線板からのはみ出しを防止できない。第2樹脂層13の平均膜厚の下限値は、回路パターン間の絶縁層においてボイドの発生を確実に防止する点から、17.5μmが好ましく、20.0μmが特に好ましい。一方で、第2樹脂層13の平均膜厚の上限値は、絶縁層をより薄膜化しつつ、回路パターンと金属箔11間の短絡と絶縁層の配線板からのはみ出しを確実に防止する点から、40.0μmが好ましく、30.0μmが特に好ましい。
また、第1樹脂層12の平均膜厚は2.0〜10.0μm及び第2樹脂層13の平均膜厚は15.0〜60.0μmであることにより、絶縁層が薄膜化され、絶縁層に優れた柔軟性が付与される。
次に、第1樹脂層12及び第2樹脂層13を形成するための樹脂組成物について説明する。第1樹脂層12は第1樹脂組成物からなる硬化物(例えば、熱硬化物)であり、第2樹脂層13は第2樹脂組成物からなる硬化物(例えば、熱硬化物)である。
第1樹脂組成物は、(A)ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂と、(B)硬化剤と、(C)硬化促進剤と、を含む。
(A)ベース樹脂
ベース樹脂が、ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むことにより、回路パターンと金属箔11間の短絡と絶縁層の配線板からのはみ出しを防止しつつ、第1樹脂層12の柔軟性、穴あけ加工性、接着性が向上する。
ポリアミドイミド樹脂
ポリアミドイミド樹脂の種類は、特に限定されず、例えば、トリカルボン酸無水物とジイソシアネート化合物とをイミド化反応させた反応生成物、トリカルボン酸無水物のクロリドとジアミン化合物とをイミド化反応させた反応生成物を挙げることができる。また、トリカルボン酸無水物は、特に限定されず、例えば、トリメリット酸無水物を挙げることができる。
ジイソシアネート化合物は、特に限定されず、例えば、芳香族ジイソシアネートを挙げることができ、例えば、ビフェニルジイソシアネート、ジメチルビフェニルジイソシアネート、ジエチルビフェニルジイソシアネート、ジメトキシビフェニルジイソシアネート等を挙げることができる。ジアミン化合物は、特に限定されず、例えば、芳香族ジアミン化合物を挙げることができる。芳香族ジアミン化合物には、例えば、ジアミノベンゾフェノン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニル、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルアミド、ジアミノジフェニルメタン、ビス(アミノフェノキシ)ビフェニル等を挙げることができる。
ポリアミドイミド樹脂の質量平均分子量は、特に限定されないが、その下限値は、回路パターンと金属箔11間の短絡と絶縁層の配線板からのはみ出しをより確実に防止できる点から、10000が好ましく、30000が特に好ましい。一方で、ポリアミドイミド樹脂の質量平均分子量の上限値は、第1樹脂組成物の相溶性の点から100000が好ましく、70000が特に好ましい。これらのポリアミドイミド樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリイミド樹脂
ポリイミド樹脂の種類は、特に限定されず、例えば、フェニルインダン構造を有するものが挙げられる。このうち、ジアミノトリアルキルインダンと、テトラカルボン酸2無水物またはその誘導体とを反応させて得られる完全イミド化した可溶性ポリイミド樹脂が好ましい。ここで、ジアミノトリアルキルインダンとしては、例えば、ジアミノトリメチルインダン、ジアミノトリエチルインダン等を挙げることができる。テトラカルボン酸2無水物の誘導体としては、例えば、ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物等を挙げることができる。
ポリイミド樹脂の質量平均分子量は、特に限定されないが、その下限値は、回路パターンと金属箔11間の短絡と絶縁層の配線板からのはみ出しをより確実に防止できる点から、10000が好ましく、20000が特に好ましい。一方で、ポリアミドイミド樹脂の質量平均分子量の上限値は、第1樹脂組成物の相溶性の点から50000が好ましく、40000が特に好ましい。これらのポリアミドイミド樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ベース樹脂は、さらに、エポキシ樹脂を含んでもよい。エポキシ樹脂を含むことにより、第1樹脂層12に銅箔やポリイミドフィルムとの接着性および絶縁信頼性を向上させることができる。
エポキシ樹脂の構造は、特に限定されないが、例えば、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、オルト−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に限定されず、例えば、その上限値は、2000g/eqが好ましく、1000g/eqがより好ましく、500g/eqが特に好ましい。一方で、エポキシ当量の下限値は、100g/eqが好ましく、200g/eqが特に好ましい。これらのエポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)硬化剤
硬化剤としては、アミン化合物、フェノール化合物、酸無水物等が挙げられる。
アミン化合物としては、第1樹脂層12の柔軟性の点から、芳香族ジアミン化合物が好ましい。芳香族ジアミン化合物とは、芳香族基と二つのアミノ基とを有する化合物である。芳香族ジアミン化合物には、例えば、トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾアート)、ポリ(テトラ/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾアート)、 ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシドアミノベンゾエート等が挙げられる。
フェノール化合物としては、第1樹脂層12の柔軟性の点から、フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型ビスフェノールA樹脂等が挙げられる。具体的には、トリフェニルメタンノボラック型フェノール樹脂、キシリレンノボラックフェノール樹脂、ビフェニルノボラックフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンノボラックフェノール樹脂、テルペンノボラックフェノール樹脂等が挙げられる。
酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物等の芳香族カルボン酸無水物、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物等の脂環式カルボン酸無水物が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
第1樹脂層12、すなわち、第1樹脂組成物における硬化剤(固形分)の配合量は、特に限定されないが、その下限値は、ベース樹脂100質量部(固形分)に対し、銅箔やポリイミドフィルムとの接着性の点から、10質量部が好ましく、20質量部が特に好ましい。一方で、硬化剤(固形分)の配合量の上限値は、樹脂層のはみ出しを確実に制御する点から、100質量部が好ましく、80質量部が特に好ましい。
(C)硬化促進剤
硬化促進剤としては、アミン系硬化促進剤を挙げることができる。アミン系硬化促進剤としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物を挙げることができる。
イミダゾール化合物以外の硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)及びその誘導体、グアナミン及びその誘導体等を挙げることができる。これらの硬化促進剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
第1樹脂層12、すなわち、第1樹脂組成物における硬化促進剤(固形分)の配合量は、特に限定されないが、その下限値は、ベース樹脂100質量部(固形分)に対し、樹脂層のはみ出しを確実に制御する点から、2.0質量部が好ましく、4.0質量部が特に好ましい。一方で、硬化促進剤(固形分)の配合量の上限値は、第1樹脂組成物のポットライフの点から、20質量部が好ましく、15質量部が特に好ましい。
第1樹脂層12中におけるポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂(固形分)の含有量は、特に限定されないが、その下限値は、回路パターンと金属箔11間の短絡と絶縁層の配線板からのはみ出しをより確実に防止する点から、5.0質量%が好ましく、7.0質量%が特に好ましい。一方で、第1樹脂層12中におけるポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂(固形分)の含有量の上限値は、回路パターン間の埋め込み特性をより確実に得る点から30質量%が好ましく、20質量%が特に好ましい。
第1樹脂組成物は、上記(A)〜(C)成分に加えて、必要に応じて、難燃剤、非反応性希釈剤等を配合してもよい。
難燃剤としては、例えば、ホスファゼン系の難燃剤、リン系の難燃剤を挙げることができる。ホスファゼン系の難燃剤としては、環状ホスファゼン系を挙げることができる。また、リン系の難燃剤としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェートなどのノンハロゲン系脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどのノンハロゲン系芳香族リン酸エステル;トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのホスフィン酸の金属塩、ジフェニルビニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリアルキルホスフィンオキサイド、トリス(ヒドロキシアルキル)ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。
非反応性希釈剤は、第1樹脂組成物の粘度、乾燥性、塗工性等を調節するためのものである。非反応性希釈剤として、例えば、有機溶剤を挙げることができる。有機溶剤には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルジグリコールアセテート等のエステル類等を挙げることができる。
180℃にて120秒間の熱処理後の状態における第1樹脂組成物の、60℃から180℃まで昇温したときの最低溶融粘度は、回路パターンと金属箔11間の短絡と絶縁層の配線板からのはみ出しをより確実に防止する点から、10000Pa・sec以上が好ましく、12000Pa・sec以上が特に好ましい。一方で、180℃にて120秒間の熱処理後の状態における第1樹脂組成物の、前記最低溶融粘度は、後述する第2樹脂組成物との接着性の点から1000000Pa・sec以下が好ましく、500000Pa・sec以下が特に好ましい。
第2樹脂組成物は、(A)ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂と、(B)硬化剤と、を含み、(C)硬化促進剤を含まない。従って、第2樹脂組成物は、(C)硬化促進剤を含まない点で、第1樹脂組成物と相違する。
第2樹脂組成物の(A)ベース樹脂としては、上記した第1樹脂組成物の(A)ベース樹脂を挙げることができる。第2樹脂組成物の(A)ベース樹脂の化学構造は、第1樹脂組成物の(A)ベース樹脂の化学構造と同じでもよく、異なっていてもよい。ベース樹脂が、ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むことにより、回路パターンと金属箔11間の短絡と絶縁層の配線板からのはみ出しを防止しつつ、第2樹脂層13の柔軟性、穴あけ加工性、接着性が向上する。
第2樹脂層13中におけるポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂(固形分)の含有量の範囲は、特に限定されないが、例えば、上記した理由から上記第1樹脂層12中におけるポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂(固形分)の含有量の範囲を挙げることができる。第2樹脂層13中におけるポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂(固形分)の含有量は、第1樹脂層12中におけるポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂(固形分)の含有量と同じでもよく、異なっていてもよい。
第2樹脂組成物の(B)硬化剤としては、上記した第1樹脂組成物の(B)硬化剤を挙げることができる。第2樹脂組成物の(B)硬化剤の化学構造は、第1樹脂組成物の(B)硬化剤の化学構造と同じでもよく、異なっていてもよい。
第2樹脂層13、すなわち、第2樹脂組成物における硬化剤(固形分)の配合量の範囲は、特に限定されないが、例えば、上記した理由から、上記した第1樹脂層12、すなわち、第1樹脂組成物における硬化剤(固形分)の配合量の範囲を挙げることができる。第2樹脂組成物における硬化剤(固形分)の配合量は、第1樹脂組成物における硬化剤(固形分)の配合量と同じでもよく、異なっていてもよい。
第2樹脂組成物は、上記(A)〜(B)成分に加えて、必要に応じて、難燃剤、非反応性希釈剤等を配合してもよい。難燃剤、非反応性希釈剤としては、上記した第1樹脂組成物に配合できる難燃剤、非反応性希釈剤が挙げられる。
180℃にて120秒間の熱処理後の状態における第2樹脂組成物の、60℃から180℃まで昇温したときの最低溶融粘度は、回路パターン間の埋め込み特性をより確実に向上させる点から、500Pa・sec以下が好ましく、300Pa・sec以下が特に好ましい。一方で、180℃にて120秒間の熱処理後の状態における第2樹脂組成物の、前記最低溶融粘度は、樹脂層のはみ出しを確実に制御する点から10Pa・sec以上が好ましく、20Pa・sec以上が特に好ましい。
上記した第1樹脂組成物及び第2樹脂組成物の調製方法は、特定の方法に限定されず、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合してもよい。
金属箔11の平均厚さとしては、例えば、35μm以下が挙げられ、より具体的には、1.5〜18μmが挙げられる。また、金属箔11の金属種としては、例えば、銅、銅合金等を挙げることができる。
次に、本発明の樹脂付き金属箔1の製造方法について説明する。本発明の樹脂付き金属箔1は、まず、金属箔11上に、180℃にて120秒間の熱処理後の状態にて60℃から180℃まで昇温したときの最低溶融粘度が10000Pa・sec以上である第1樹脂組成物を所定の厚さ(第1樹脂層12の平均膜厚が2.0〜10.0μmとなる厚さ)に塗工する。塗工方法としては、例えば、スクリーン印刷、スプレーコータ、バーコータ、アプリケータ、ブレードコータ、ナイフコータ、ロールコータ、グラビアコータ等の公知の方法が挙げられる。第1樹脂組成物の塗工後、150〜200℃程度の温度で1〜10分間程度加熱する乾燥処理を行う。乾燥処理を行うことで、第1樹脂層12が形成される。なお、本発明の樹脂付き金属箔1を製造するにあたり、第1樹脂組成物に対し、上記塗工前に180℃にて120秒間の熱処理は行わない。
次に、第1樹脂層12上に、180℃にて120秒間の熱処理後の状態にて60℃から180℃まで昇温したときの最低溶融粘度が500Pa・sec以下である第2樹脂組成物を所定の厚さ(第2樹脂層13の平均膜厚が15.0〜60.0μmとなる厚さ)に塗工する。塗工方法としては、例えば、スクリーン印刷、スプレーコータ、バーコータ、アプリケータ、ブレードコータ、ナイフコータ、ロールコータ、グラビアコータ等の公知の方法が挙げられる。第2樹脂組成物の塗工後、第2樹脂組成物に対し、150〜200℃程度の温度で1〜10分間程度加熱する乾燥処理を行う。乾燥処理を行うことで、第2樹脂層13が形成されて、本発明の樹脂付き金属箔1を製造することができる。なお、本発明の樹脂付き金属箔1を製造するにあたり、第2樹脂組成物に対し、上記塗工前に180℃にて120秒間の熱処理は行わない。
次に、本発明の樹脂付き金属箔1を用いて多層フレキシブルプリント配線板を製造する方法について説明する。所定の回路パターンを有するフレキシブルプリント配線板上に本発明の樹脂付き金属箔1を積層させて積層体を形成する。このとき、第2樹脂層13が回路パターンと対向するように、本発明の樹脂付き金属箔1を積層させる。次に、形成した積層体に対し、プレス装置を用いて、加熱条件下プレス加工することで多層フレキシブルプリント配線板を製造することができる。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜4、比較例1〜8
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、プラネタリーミキサーを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜4、比較例1〜8にて使用する第1樹脂組成物及び第2樹脂組成物を調製した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示す。なお、下記表1中の配合量の空欄部は、配合なしを意味する。
なお、表1中の各成分についての詳細は、以下の通りである。
(A)ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂
ポリアミドイミド樹脂
・HPC−6000−26:質量平均分子量50000、固形分26質量%、日立化成株式会社
ポリイミド樹脂
・Q−VR−0163:質量平均分子量30000、固形分20質量%、株式会社ピーアイ技術研究所
エポキシ樹脂
・NC−3000−H:エポキシ当量290g/eq、日本化薬株式会社
(B)硬化剤
芳香族ジアミン化合物
・CUA−4:クミアイ化学工業株式会社
フェノール樹脂
・KAYAHARD GPH−65:OH当量200g/eq、日本化薬株式会社
(C)硬化促進剤
・2E4MZ:四国化成工業株式会社
難燃剤
・ラビトルFP−110:株式会社伏見製薬所
非反応性希釈剤
・NMP:三菱ケミカル株式会社
評価用サンプル作製工程
金属箔として3EC−M3S−HTE箔(12μm銅箔、三井金属鉱業株式会社)を用い、第1樹脂組成物をバーコータにて金属箔上に塗工後、180℃、2分で乾燥処理をして、第1樹脂層を形成した。次に、第1樹脂層上に第2樹脂組成物をバーコータにて塗工後、180℃、2分で乾燥処理をして、第2樹脂層を形成し、評価用樹脂付き金属箔を作製した。得られた樹脂付き金属箔を100mm×100mmに切断して、L/S=50μm/50μmの回路パターンを形成したフレキシブル基板(片面FCCL材:ポリイミド層25μm、銅箔18μm、パナソニック株式会社)上に、第2樹脂層が回路パターンと接するように重ねて、140℃、2MPa、270秒で加熱・加圧(真空度5torr) して成形後、ボックス乾燥炉にて190℃、90分、樹脂層を硬化処理して評価用サンプルを作製した。
評価用樹脂付き金属箔の第1樹脂層と第2樹脂層の平均膜厚を下記表1に示す。なお、第1樹脂層と第2樹脂層の平均膜厚は、クロスセクション後、光学顕微鏡にて測定した。
評価
(1)最低溶融粘度
各樹脂組成物を、3EC−M3S−HTE箔(12μm銅箔、三井金属鉱業株式会社)上に、バーコータにて膜厚10μmになるよう塗工後、180℃、120秒で乾燥処理後の半硬化物を銅箔より削り出したものを試料とし、昇温速度2℃/分にて60℃から180℃まで昇温したときの最も低い粘度を、島津フローテスタCFT−100D(株式会社島津製作所)にて測定した。
(2)回路パターンと金属箔間の短絡数
フレキシブル基板の回路と評価用樹脂付き金属箔を、テスター(トラスコ中山株式会社、デジタルマルチメーターTDE−200A)により、30ピースについて導通試験を行い、導通している評価用サンプルの数を評価した。
(3)回路パターン間の埋め込み特性
評価用サンプルの断面について、金属顕微鏡(測定顕微鏡STM6、オリンパス株式会社)により、50ピースについて回路間に1μm以上のボイドが発生している箇所をカウントし、その平均値を評価した。
(4)樹脂層はみ出し性
評価用樹脂付き金属箔の4辺について、評価用樹脂付き金属箔から離れる方向における最大はみ出し長さの平均値を測定した。
評価結果を、下記表1に示す。
Figure 0006793705
表1から、平均膜厚2.0〜10.0μmの第1樹脂層と平均膜厚15.0〜60.0μmの第2樹脂層を有し、第1樹脂層が(A)ポリアミドイミド樹脂またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂と(B)硬化剤と(C)硬化促進剤とを含む第1樹脂組成物からなり、第2樹脂層が(A)ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂と(B)硬化剤とを含み(C)硬化促進剤を含まない第2樹脂組成物からなる樹脂付き金属箔である実施例1〜4では、回路パターンと金属箔間の短絡数は0と短絡を防止でき、回路間に1μm以上のボイドが発生している箇所が0と、回路パターン間の埋め込み特性に優れ、金属箔からの樹脂層はみ出し長さが0.50mm以下に低減できた。また、実施例1〜4では、第1樹脂組成物の最低溶融粘度は12000〜20000Pa・secであり、第2樹脂組成物の最低溶融粘度は30〜100Pa・secであった。
一方で、第1樹脂層の平均膜厚が1.0μmである比較例1では、回路パターンと金属箔間の短絡を防止できず、樹脂層はみ出し長さが4.0mmと、金属箔から樹脂層がはみ出してしまった。第2樹脂層の平均膜厚が10.0μmである比較例2では、回路パターン間の埋め込み特性が得られなかった。第1樹脂層の平均膜厚が18.0μm、第2樹脂層の平均膜厚が10.0μmである比較例3では、回路パターン間の埋め込み特性が得られなかった。また、第1樹脂組成物に(C)硬化促進剤を含まない比較例4では、回路パターンと金属箔間の短絡を防止できず、金属箔から樹脂層がはみ出してしまった。比較例4では、第1樹脂組成物と第2樹脂組成物の最低溶融粘度は、いずれも100Pa・secであった。第2樹脂組成物に(C)硬化促進剤を含む比較例5では、回路パターン間の埋め込み特性が得られなかった。比較例5では、第1樹脂組成物と第2樹脂組成物の最低溶融粘度は、いずれも20000Pa・secであった。
第1樹脂層と第2樹脂層にポリアミドイミド樹脂もポリイミド樹脂も含まない比較例6、第1樹脂層にポリアミドイミド樹脂もポリイミド樹脂も含まない比較例7、第2樹脂層にポリアミドイミド樹脂もポリイミド樹脂も含まない比較例8では、回路パターンと金属箔間の短絡を防止できず、金属箔から樹脂層がはみ出してしまった。
本発明の樹脂付き銅箔は、回路パターンと金属箔間の短絡と絶縁層の配線板からのはみ出しを防止し、回路パターン間の埋め込み特性に優れるので、例えば、多層フレキシブルプリント配線板の分野で利用価値が特に高い。
1 樹脂付き金属箔
11 金属箔
12 第1樹脂層
13 第2樹脂層

Claims (11)

  1. 金属箔と、
    該金属箔上に形成された、平均膜厚2.0〜10.0μmの第1樹脂層と、
    該第1樹脂層上に形成された、平均膜厚15.0〜60.0μmの第2樹脂層と、を有し、
    前記第1樹脂層が、(A)ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂と、(B)硬化剤と、(C)硬化促進剤と、を含む第1樹脂組成物からなり、前記第2樹脂層が、(A)ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂と、(B)硬化剤と、を含み、前記(C)硬化促進剤を含まない第2樹脂組成物からなる樹脂付き金属箔。
  2. 前記ポリアミドイミド樹脂の質量平均分子量が10000以上であり、前記ポリイミド樹脂の質量平均分子量が10000以上である請求項1に記載の樹脂付き金属箔。
  3. 前記第1樹脂組成物の前記(A)ベース樹脂及び前記第2樹脂組成物の前記(A)ベース樹脂が、さらに、エポキシ樹脂を含む請求項1または2に記載の樹脂付き金属箔。
  4. 前記第1樹脂組成物の前記(B)硬化剤及び前記第2樹脂組成物の前記(B)硬化剤が、フェノール化合物及び/またはアミン化合物を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂付き金属箔。
  5. 前記(C)硬化促進剤が、イミダゾール化合物を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂付き金属箔。
  6. 前記第1樹脂組成物が、前記(A)ベース樹脂100質量部(固形分)に対し、前記(B)硬化剤(固形分)を10質量部以上100質量部以下含み、前記第2樹脂組成物が、前記(A)ベース樹脂100質量部(固形分)に対し、前記(B)硬化剤(固形分)を10質量部以上100質量部以下含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂付き金属箔。
  7. 前記第1樹脂組成物が、前記(A)ベース樹脂100質量部(固形分)に対し、前記(C)硬化促進剤を2.0質量部以上20質量部以下含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の樹脂付き金属箔。
  8. 前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層が、前記ポリアミドイミド樹脂及び/または前記ポリイミド樹脂を固形分で5.0質量%以上含む請求項1乃至7のいずれか1項に記載の樹脂付き金属箔。
  9. 前記金属箔の平均厚さが、35μm以下である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の樹脂付き金属箔。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の樹脂付き金属箔とフレキシブル基板が積層された多層フレキシブルプリント配線板。
  11. 金属箔と、
    該金属箔上に形成された、平均膜厚2.0〜10.0μmの第1樹脂層と、
    該第1樹脂層上に形成された、平均膜厚15.0〜60.0μmの第2樹脂層と、を有し、
    前記第1樹脂層が、(A)ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂と、(B)硬化剤と、(C)硬化促進剤と、を含む第1樹脂組成物からなり、前記第2樹脂層が、(A)ポリアミドイミド樹脂及び/またはポリイミド樹脂を含むベース樹脂と、(B)硬化剤と、を含み、前記(C)硬化促進剤を含まない第2樹脂組成物からなる樹脂付き金属箔の製造方法であり、
    前記金属箔上に、前記第1樹脂組成物を塗工後、乾燥させて、第1樹脂層を形成する工程と、
    前記第1樹脂層上に、前記第2樹脂組成物を塗工後、乾燥させて、第2樹脂層を形成する工程と、
    を含む樹脂付き金属箔の製造方法であり、
    前記第1樹脂組成物が、180℃にて120秒間の熱処理後の状態における最低溶融粘度が、60℃から180℃まで昇温したとき、10000Pa・sec以上であり、
    前記第2樹脂組成物が、180℃にて120秒間の熱処理後の状態における最低溶融粘度が、60℃から180℃まで昇温したとき、500Pa・sec以下である樹脂付き金属箔の製造方法。
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