JP2014109027A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板及びこれらを用いた印刷配線板 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板及びこれらを用いた印刷配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】平均粒径1.5μm以上5.0μm以下の無機充填材を用いても、高度な撹拌技術や材料の保管状態の厳密か管理が必要でなく、しかも、樹脂の流動性を確保しながら回路成形性に優れ、また、高度な分散技術を要せず、ワニス中に凝集の発生も無いプリプレグが得られるようなエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、硬化促進剤及び不定形充填材を含むエポキシ樹脂組成物であって、充填材の平均粒径が1.5μm以上5.0μm以下、比表面積が4.0m2/g以上7.9m2/g以下の不定形充填材であり、不定形充填材中に粒径10μm以下の充填材割合が75質量%以上であり、また、不定形充填材としての総添加量に対して、SiO2成分比率が質量比で25%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板及びこれらを用いた印刷配線板、多層印刷配線板に関する。
近年、電子機器の高密度化、小型化、軽量化が急速に進行しているため、厚さの薄いプリプレグおよび金属張積層板の要求が高まり、プリプレグの基材としては薄い織布が多く用いられるようになっている。また、基板の弾性率向上も求められているため、一般的に平均粒径0.4〜0.6μmである無機充填材を使用して、樹脂の流動性を確保しながらその特性を引き出すことが行われている。
一方、平均粒径が1.5μmを超える不定形無機充填材を含む回路成形用プリプレグは、無機充填材による樹脂の流動性の低下による回路成形性の低下、また、充填材の凝集による外観の悪化、信頼性が低下するという問題があった。これに対して、特許文献1には、エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂、硬化促進剤及びシリカフィラーからなるエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板、プリント配線板の製造方法及び組成物が開示されており、シリカフィラーの平均粒径0.3μm以上10μm以下、比表面積が8m2/g以上30m2/g以下のシリカフィラーを使用すると外観が良好との記載がある。しかし、平均粒径3.0μm以下、比表面積が12m2/gを超えるシリカフィラーを用いた場合、ワニス中での凝集が生じ易く、高度な撹拌技術、材料の保管状態の厳密な管理が必要であった。
特許第4277123号公報
そこで本発明は、使用するのに問題があるとされている平均粒径1.5μm以上5.0μm以下の無機充填材を用いて樹脂組成物を調製することを第1の目的とするものである。
このような無機充填材を用いても、高度な撹拌技術や材料の保管状態の厳密な管理が必要でなく、しかも、樹脂の流動性を確保しながら回路成形性に優れる。
また、高度な分散技術を要せず、ワニス中に凝集の発生も無いプリプレグが得られるようなエポキシ樹脂組成物を提供すること、および、このプリプレグを用いた金属張積層板及び印刷配線板、多層印刷配線板を提供することを目的とした。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を行った結果、エポキシ樹脂組成物において、特定の物性値を有した不定形無機充填材を用いることにより、回路成形性の向上、プリプレグ外観の向上、低熱膨張による接続信頼性の向上、及び成形性向上による耐電食性の向上に効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
従来、高密度設計、高信頼性を求められる製品には球状の無機充填材を用いることが多く知られている。しかし、球状の無機充填材は一般的に高価であり、また、凝集の管理が難しい等の問題があることが知られている。一方、不定形の充填材は球状充填材に比べて安価であり、凝集が発生しにくいという利点があった。そこで、本発明者らは、近年の配線高密度化、プリプレグの薄型化対応の為、これらの不定形の充填材を使いこなすことを試みた。そして、不定形の充填材であっても、平均粒径、比表面積、粒度分布、成分比率を制御することにより、回路成形性向上、プリプレグ外観向上、信頼性向上、低熱膨張による接続信頼性の向上、及び成形性向上による耐電食性に効果があることを見出した。
すなわち、本発明は、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、硬化促進剤及び不定形充填材を含むエポキシ樹脂組成物であって、不定形充填材の平均粒径が1.5μm以上5.0μm以下、比表面積が4.0m2/g以上7.9m2/g以下であり、不定形充填材中の粒径10μm以下の充填材割合が75質量%以上であり、また、不定形充填材としての総添加量に対して、SiO2成分比率が質量比で25%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。さらに、この不定形充填材が2つ以上の平面を有することが好ましく、また、エポキシ樹脂硬化剤はフェノール系硬化剤であることが好ましいものである。
そして、本発明のプリプレグは、このようなエポキシ樹脂組成物をガラスクロスに含浸して形成したものであり、本発明の金属張積層板は、上記のプリプレグまたはその積層体の両面または片面に金属層が形成されてなるものである。
また、本発明に係る印刷配線板及び多層印刷配線板は、上記本発明の金属張積層板に回路加工が施されてなるものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、平均粒径が1.5μm以上5.0μm以下で、比表面積が4.0m2/g以上7.9m2/g以下の不定形のものであって、粒径10μm以下の充填材割合が75質量%以上である不定形の充填材を用いたものである。本発明のエポキシ樹脂組成物は、樹脂の流動性、分散性に優れ、回路成形性に優れるプリプレグを得ることができる。
本発明の実施例で用いた不定形充填材である「シリカ3」の電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例で用いた不定形充填材である「シリカ1」の電子顕微鏡写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、硬化促進剤及び不定形充填材を含み、充填材として、特定の平均粒子径および比表面積を有する不定形充填材を用いるものである。
本発明で用いるエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有するエポキシ樹脂を用いることが好ましく、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、テトラキスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールAエポキシ樹脂のような臭素含有樹脂、3官能型エポキシ樹脂や4官能型エポキシ樹脂のような多官能型エポキシ樹脂、多官能フェノールのジグリシジルエーテル化物、多官能アルコールのジグリシジルエーテル化物、これらの水素添加物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いても、何種類かを併用しても良い。なお、これらのエポキシ樹脂のエポキシ当量としては、通常、150〜500程度であることが好ましい。
これらのなかでも、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、テトラキスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂が好ましい。また、難燃性の観点から臭素化ビスフェノールAエポキシ樹脂のような臭素含有樹脂、を用いることが好ましい。さらに、これらを組み合わせて用いることにより、耐熱性が向上するという点で優れるため、高信頼性(耐電食性)を示すものとなる。これらのエポキシ樹脂を組み合わせて用いる場合、エポキシ樹脂中のノボラック型エポキシ樹脂比率は15〜20%であることが好ましい。
本発明におけるエポキシ樹脂硬化剤としては、従来公知の種々のものを使用することができ、例えば、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等のアミン化合物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物化合物、フェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂等の多官能性フェノール化合物などを挙げることができる。これらの硬化剤は何種類かを併用することも可能である。
これらのうちでも、フェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂等の多官能性フェノール化合物であるフェノール系硬化剤が、耐熱性が向上する点で好ましいものである。
これらのフェノール系硬化剤を用いる場合、エポキシ樹脂硬化剤の配合量としては、エポキシ樹脂のエポキシ基に対する、硬化剤の水酸基の比が0.7〜1.1、好ましくは0.95〜1.05となるように配合することが望ましく、この範囲の配合量であると、エポキシ樹脂とフェノール硬化剤の未反応水酸基もしくはエポキシ基が少なくなり、耐熱性に優れた硬化物が得られる。
なお、硬化剤は上記の配合比を満たすように配合されるが、一般に、エポキシ樹脂硬化剤の配合量としては、エポキシ樹脂100質量部に対して20〜40質量部程度が望ましく、好ましくは25〜35質量部程度である。
本発明で用いる硬化促進剤としては、その種類や配合量は特に制限されるものではなく、例えばイミダゾール系化合物、有機リン系化合物、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等が用いられ、2種類以上を併用しても良い。また、硬化促進剤の配合量としては、主材であるエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤100質量部に対して0.04〜0.15質量部が望ましく、好ましくは0.05〜0.12質量部である。
本発明で用いる充填材は、不定形の無機充填材であることが好ましく、このような不定形の無機充填材は、天然破砕による充填材及び溶融破砕による充填材があり、これらの天然破砕充填材または溶融破砕充填材としては、SiO2、Al23、K2O、Na2O、CaO、Fe23、B23、SrO、MgO、MnO、GeO2、P23、P25、V25、ZrO2等を含んだものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでも、天然破砕あるいは溶融破砕した、シリカ(SiO2)、が低熱膨張の点で好ましく、溶融破砕シリカがより好ましい。また、このような溶融破砕充填材であるシリカの溶融温度は二酸化珪素の融点である1650℃以上であることが望ましい。
このような不定形の無機充填材は、2つ以上の平面を有するものであることが好ましく、ここでいう2つ以上の平面を有するものとは、人工的な裁断などによる加工によって生じる面、またはボールミルなどの破砕などによって生じる面などが2個以上あることをいい、いわゆる球状の充填材とは区別されるものである。図1〜2に、このような2つ以上の平面を有する不定形の無機充填材の形状を示す電子顕微鏡写真を示した。
図1〜図2は、本発明で用いた溶融破砕により得られた不定形の充填材であるシリカの形状を示した電子顕微鏡写真であり、これらの写真から複数の平面からなる破断面によって形成されている粒子であることがわかる。
なお、このような不定形の破砕充填材と球状の充填材、あるいは水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物を充填材として併用することも可能である
本発明で用いる充填材の添加量は適宜選択されるが、全樹脂組成物(ワニス固形分)中の20〜45質量%、好ましくは、22〜30質量%の範囲になるように選択されることが好ましい。全樹脂組成物中の充填材含有量が少なすぎると、接続信頼性を確保するための低熱膨張特性が得られにくくなる傾向があり、また、多すぎると、プリプレグの回路成形性が悪くなるような傾向が認められることから、このようなことが起こらない上記した範囲とすることが好ましいものとなる。
また、充填材の平均粒径が1.5〜5.0μm、好ましくは、2.0〜3.0μm、また同時に、比表面積が4.0〜7.9m2/g、好ましくは、5.0〜7.0m2/gの範囲の物性値である充填材を用いると、充填材による樹脂の流動性低下が少なく、凝集の発生のない回路成形性に優れるプリプレグを得ることができる。また樹脂と充填材の界面接着力を考慮し、充填材の表面処理等を考慮し、例えば、シランカップリング剤などのカップリング剤を使用することもできる。
このような不定形充填材としては、福島窯業株式会社の溶融破砕シリカの他、龍森、東海ミネラル、キンセイマティックなどから市販されており、これらのものを使用することができる。
また、添加充填材の内、SiO2比率が25質量%以上であると、低熱膨張性、薬液安定性が得られやすく、さらに、基材層間の接着力の低下等が発生しないため好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてカップリング剤、UV遮蔽剤やUV吸収剤などの添加剤を配合してもよい。カップリング剤を添加することにより、無機充填材の分散性を向上させ、耐薬品性やピール強度に優れる材料を得ることができる。カップリング剤としては、例えば、アミノ基を有するシラン化合物、エポキシシラン、メルカプトシランなどのいわゆるシランカップリング剤や、チタン系の化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物などがあげられる。
これらのエポキシ樹脂組成物は、上記の成分を混合することにより調製されるが、この時、溶剤を用いても良いし、無溶剤で行ってもよい。また、得られたエポキシ樹脂組成物は、溶剤で希釈してワニス化して使用することが好ましい。
溶剤としては、特に制限はないが、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン(以下、「MEK」という。)、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、N−メチルピロリドン、N、N'−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチル、メチルセロソルブアセテートなどのエステル系溶媒、ブチロニトリルのようなニトリル系溶媒などがあり、これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
また、ワニスの固形分濃度については特に制限はなく、樹脂組成、各成分の配合量等により適宜変更できるが、プリプレグを作製する場合は、ワニスが適度の粘度を有し、外観が良好なプリプレグが得られる点から、通常、50〜80質量%、好ましくは50〜70質量%である。
本発明のプリプレグは、本発明のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸させてなるものである。基材としては、金属張積層板や多層印刷配線板を製造する際に用いられるものであれば特に制限されないが、通常、織布や不織布等の繊維基材が用いられる。繊維基材の材質としては、ガラス、アルミナ、ボロン、シリカアルミナガラス、シリカガラス、チラノ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア等の無機繊維やアラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、カーボン、セルロース等の有機繊維等およびこれらの混抄系があり、特にガラス繊維の織布であるいわゆるガラスクロスが好ましく用いられる。
プリプレグに使用される基材としては、厚さ10〜180μmのガラスクロスが特に好適に用いられる。
本発明のプリプレグはエポキシ樹脂組成物のワニスを基材に含浸させ、通常、80〜200℃の範囲、好ましくは120〜190℃の範囲で乾燥させて、いわゆるBステージの状態(半硬化の状態)とすることにより製造される。プリプレグの製造方法、製造条件、乾燥条件等などについては、特に制限はないが、ワニスに使用した溶媒が、通常、80質量%以上、好ましくは95質量%以上揮発していることが好ましい。また、ワニスの含浸量は、ワニス固形分と基材の総量に対して、ワニス固形分が、通常、35〜80質量%、好ましくは50〜80質量%、より好ましくは60〜75質量%になるように調整する。
本発明のプリプレグは、通常、130〜250℃の範囲、好ましくは150〜200℃の範囲の温度、0.5〜20MPa、好ましくは1〜8MPaの範囲の圧力で、加熱加圧成形される。
なお、このようにして得られるプレプレグ1枚あたりの厚さとしては、一般に、20〜200μm程度のものとなる。
本発明におけるプリプレグまたはそれを複数枚積層した積層体に、必要に応じてその片面又は両面に金属箔を重ね、170〜240℃の範囲の温度で、1〜8MPaの範囲の圧力で、加熱加圧成形することにより金属張積層板となる。金属箔としては、特に制限はないが、通常、銅箔が用いられ、8〜80μm程度の厚みのものが用いられる。また、この積層体の厚みも、特に制限はないが、20μm〜1.6mm程度が一般的なものである。また、このような金属張積層板に回路加工を施して印刷回路板とすることができる。
以下に本発明の実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。まず、使用したエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、充填材(シリカ)、硬化促進剤、添加剤、有機溶媒を順に示す。
エポキシ樹脂として以下のものを使用した。
エポキシ1:三菱化学株式会社製、エピコート154(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量:178g/eq)
エポキシ2:三菱化学株式会社製、エピコート1031S(テトラキスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、エポキシ当量:200g/eq)
エポキシ3:三菱化学株式会社製、エピコート827(BPA型液状エポキシ樹脂、エポキシ当量:185g/eq)
エポキシ4:三菱化学株式会社製、エピコート5046(臭素含量:20〜22%、エポキシ当量:475g/eq)
エポキシ樹脂硬化剤として以下のものを使用した。
硬化剤1:三菱化学株式会社製、YLH129(BPAノボラック型フェノール樹脂、水酸基当量:117g/eq)
硬化剤2:日立化成工業株式会社製、HP1100(フェノールノボラック型フェノール樹脂、Mn:1400、Mw:9100、Mw/Mn:6.5、遊離フェノール含有率:1.0%)
不定形の充填材(シリカ)として以下のものを使用した。
シリカ1:福島窯業株式会社製(工法:溶融破砕、平均粒径:2.6μm、比表面積:6.1m2/g、粒径10μm以下の割合:99.6%)
シリカ2:福島窯業株式会社製(工法:溶融破砕、平均粒径:4.2μm、比表面積:4.2m2/g、粒径10μm以下の割合:90.0%)
シリカ3:福島窯業株式会社製(工法:溶融破砕、平均粒径:4.3μm、比表面積:6.0m2/g、粒径10μm以下の割合:79.6%)
シリカ4:福島窯業株式会社製(工法:溶融破砕、平均粒径:2.6μm、比表面積:9.9m2/g、粒径10μm以下の割合:99.5%)
シリカ5:福島窯業株式会社製(工法:溶融破砕、平均粒径:5.3μm、比表面積:5.0m2/g、粒径10μm以下の割合:69.4%)
硬化促進剤として以下のものを使用した。
硬化促進剤1:四国化成株式会社製、2E4MZ(イミダゾール化合物)
添加剤として以下のものを使用した。
添加剤1:関東化学株式会社製、トリメトキシメチルシラン(3官能性シラン化合物)
有機溶剤として以下のものを使用した。
有機溶剤1:メチルエチルケトン
実施例1
フェノールノボラック型エポキシ樹脂9.8質量%、テトラキスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂3.3質量%、BPAノボラック型フェノール樹脂19.0質量%、BPA型液状エポキシ樹脂1.7質量%、シリカ25.0質量%、臭素含有エポキシ樹脂41.0質量%、硬化促進剤0.1質量%、添加剤0.1質量%を、コンデンサ、温度計を備えたガラスフラスコにいれ、ワニス温度40℃でMEKに溶解、希釈し、室温にて1時間、撹拌装置で混合、撹拌を行い、MEKで調整し固形分60質量%の樹脂組成物ワニスを得た。ワニスを厚さ約100μmのガラスクロス(スタイル2116、Eガラス)に含浸後、150℃で5分乾燥させ半硬化状態にし、樹脂分50質量%のプリプレグを得た。このプリプレグを16枚、その両側に12μmの銅箔を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で、厚さ、約1.6mmの銅張積層板を作製した。
実施例2、4比較例1、2
表1に示した物質を用い、実施例1に準じて製造し、樹脂組成物ワニス、プリプレグおよび銅張積層板を得た。
実施例3
表1に示した物質を用い、実施例1に準じて樹脂組成物ワニスを得た。ワニスを厚さ約30μmのガラスクロス(クロススタイル1027、Eガラス)に含浸後、150℃で5分乾燥させ半硬化状態にし、樹脂分78質量%のプリプレグ、および銅張積層板を得た。
比較例3
表1に示した物質を用いて樹脂組成物ワニスを得、次いで、厚さ約30μmのガラスクロス(クロススタイル1027、Eガラス)を用い、実施例3に準じて製造し、プリプレグ、および銅張積層板を得た。
実施例1〜4並びに比較例1〜3により得られたワニスを用いて、次のようにして、ワニス中のシリカの凝集の有無を評価した。また、プリプレグを用いて、内層35μm銅箔のプリント配線板を多層化し成形性の評価を、ボイド発生の有無により行った。結果を表2に示す。
ワニス中のシリカの凝集の有無は、ワニスをスライドガラスにプレパラート状にして光学顕微鏡により観察し、凝集が発生しないものを「無」、凝集が発生したものを「有」とした。
また、プリプレグの破れの有無は、塗工工程時のガラスクロスの破れにより評価し、破れが発生せずプリプレグを得ることができたものを「無」、破れが発生しプリプレグを得ることが出来なかったものを「有」とした。
そして、成形性の評価は、任意の回路が形成された評価用プリント配線板を、プリプレグを用いて多層化積層する際のボイドの発生の有無により評価し、ボイドが発生していないものを「無」、ボイドが発生したものを「有」とした。
実施例1〜4は、ワニス中でのシリカの凝集の発生がなく、プレプレグを作製する際の破れを生じることもない。また、得られたプリプレグは、多層化(積層)時にボイドの発生がなく、成形性の良好なプリプレグを得ることができた。
一方、比較例1のワニスでは、比表面積が大きいことから、シリカの凝集が発生し、比較例2のプリプレグは、平均粒径が大きく、粒径10μm以下のものが全体に占める割合が小さいことから、多層化(積層)時にボイドが発生し、実施例よりも劣っていた。また、クロススタイル1027のような薄いガラスクロス(約30μm)を用いてプリプレグを製造する際、比較例2と同様のシリカを用いた比較例3では、ガラスクロスの破れが発生しプリプレグを得ることができなかったが、同じ薄いガラスクロスを用いて製造した実施例3ではガラスクロスの破れは発生せず、得られたプリプレグは多層化積層時にボイドの発生がなく、成形性は良好であった。
なお、実施例1で用いたシリカに代えて、アドマテックス社製の球状シリカ(粒径0.5μm、比表面積5.5m2/g)を用いた場合には、ワニス中でシリカの凝集が認められ、粒径の小さい、球状の充填材では、凝集傾向を示すこともわかった。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、充填材による樹脂の流動性低下が少なく、高度な分散技術を要さずワニス中に凝集が発生のないものである。このエポキシ樹脂組成物を用いて成形されたプリプレグは多層化時にボイドを発生せず回路成形性に優れるものとなり、配線の高密度化やプリプレグの薄型化などが達成される。

Claims (6)

  1. エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、硬化促進剤及び不定形充填材を含むエポキシ樹脂組成物であって、不定形充填材の平均粒径が1.5μm以上5.0μm以下、比表面積が4.0m2/g以上7.9m2/g以下であり、不定形充填材中の粒径10μm以下の充填材割合が75質量%以上であり、また、不定形充填材としての総添加量に対して、SiO2成分比率が質量比で25%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記不定形充填材が2つ以上の平面を有することを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂硬化剤がフェノール系硬化剤である請求項1または請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物をガラスクロスに含浸してなるプリプレグ。
  5. 請求項4に記載のプリプレグを用いて形成されてなる金属張積層板。
  6. 請求項5に記載の金属張積層板に回路加工が施されてなる印刷配線板。
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