JPWO2009139382A1 - 固体電解質、その製造方法、および固体電解質を備える二次電池 - Google Patents

固体電解質、その製造方法、および固体電解質を備える二次電池 Download PDF

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Abstract

LiBH4と、下記式(1):MX (1)(式(1)中、Mはアルカリ金属原子を表し、Xは、ハロゲン原子、NR2基(Rは水素原子またはアルキル基を表す)およびN2R基(Rは水素原子またはアルキル基を表す)からなる群から選択される1種を表す。)で表されるアルカリ金属化合物とを備える固体電解質。

Description

本発明は、固体電解質およびその製造方法に関し、より詳しくは、リチウムイオン伝導性固体電解質およびその製造方法に関する。また本発明はこのような固体電解質を備える二次電池に関する。
近年、ポータブル機器の普及に伴い、小型大容量の二次電池に対する需要が高まっている。現在実用化されている二次電池の中で、最もエネルギー密度の高い電池としてはリチウムイオン二次電池が知られている。従来のリチウムイオン二次電池においては電解質として高いイオン伝導性を示す有機溶媒電解液が用いられている。しかしながら、有機溶媒電解液は液体でかつ可燃性であるため、リチウムイオン二次電池の電解質として用いた場合には、液漏れや発火などの危険性があり、その安全性が懸念されている。このため、リチウムイオン二次電池の電解質として、より安全な固体電解質が求められてきた。
リチウムイオン伝導性を有する固体電解質としてはポリマー系、酸化物系、および硫化物系のものなどが知られている。例えば、特開2005−228570号公報(特許文献1)には、リチウム、リンおよび硫黄の各元素を含有するリチウムイオン伝導性硫化物系結晶化ガラスを原料とする固体電解質が開示されている。また、特開2007−273217号公報(特許文献2)には、リチウム、リン、硫黄および酸素の各元素、ならびに周期律表13〜16族のうちのいずれかに属する元素(ただし、リン、硫黄および酸素を除く。)を含有する固体電解質が開示されている。
また、本発明者らは、LiBHが約117℃(約390K)以上の高温で高いイオン伝導性を示すことを見出した[M.Matsuo,Y.Nakamori,S.Orimo,H.Maekawa,and H.Takamura、Appl.Phys.Lett.、2007年、91巻、224103(非特許文献1)]。しかしながら、LiBHは、その高イオン伝導相(高温相)の転移温度である115℃(388K)未満においては抵抗が大きく、リチウムイオン二次電池の電解質として使用するには低温、特に室温付近でのイオン伝導度が低いという問題があった。
特開2005−228570号公報 特開2007−273217号公報
M.Matsuo,Y.Nakamori,S.Orimo,H.Maekawa,and H.Takamura、Appl.Phys.Lett.、2007年、91巻、224103
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、LiBHの高温相の転移温度(115℃)未満においても高いイオン伝導性を示すLiBH系固体電解質を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、LiBHと特定のアルカリ金属化合物とを混合し、この混合物を加熱して溶融または焼結させることによりこの溶融混合物や焼結物の高温相の転移温度が低下し、LiBHの転移温度未満においても高いイオン伝導性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の固体電解質は、LiBHと、下記式(1):
MX (1)
(式(1)中、Mはアルカリ金属原子を表し、Xは、ハロゲン原子、NR基(Rは水素原子またはアルキル基を表す)およびNR基(Rは水素原子またはアルキル基を表す)からなる群から選択される1種を表す。)で表されるアルカリ金属化合物とを備えるものである。前記LiBHと前記アルカリ金属化合物とのモル比としてはLiBH:アルカリ金属化合物=1:1〜20:1が好ましい。このような固体電解質はリチウムイオン二次電池用固体電解質として有用である。
また、本発明の固体電解質は、115℃未満でのX線回折(CuKα:λ=1.5405Å)において、少なくとも、2θ=24.0±1.0deg、25.6±1.2deg、27.3±1.2deg、35.4±1.5deg、および42.2±2.0degの5箇所に回折ピークを有するものであることが好ましい。
本発明の固体電解質は、LiBHと、下記式(1):
MX (1)
(式(1)中、Mはアルカリ金属原子を表し、Xは、ハロゲン原子、NR基(Rは水素原子またはアルキル基を表す)およびNR基(Rは水素原子またはアルキル基を表す)からなる群から選択される1種を表す。)
で表されるアルカリ金属化合物とを混合し、この混合物を加熱して溶融または焼結させ、その後、冷却することによって製造することができる。
本発明の固体電解質の製造方法において、前記LiBHと前記アルカリ金属化合物との混合モル比としてはLiBH:アルカリ金属化合物=1:1〜20:1が好ましい。また、前記混合物の加熱温度は通常50℃以上である。
このようにしては得られた固体電解質を115℃以上で加熱し、その後、冷却することが好ましい。これによりLiBHの高温相の転移温度未満における固体電解質のイオン電導度が増大する傾向にある。
本発明において、前記式(1)中のXとしてはヨウ素原子およびアミノ基のうちのいずれか1種が好ましく、前記アルカリ金属化合物としてはLiI、RbIおよびCsIからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。
本発明によれば、高温相の転移温度が低く、LiBHの高温相の転移温度(115℃)未満においても高いイオン伝導性を示すLiBH系固体電解質を提供することが可能となる。
実施例1〜3で得たLiBHとLiIとを備える固体電解質のX線回折パターンを示すグラフである。 実施例4および比較例1で得た固体電解質のイオン伝導度と測定温度との関係を示すグラフである。 実施例4〜5および比較例1で得た固体電解質のイオン伝導度と測定温度との関係を示すグラフである。 実施例4で得た固体電解質のLi−NMRスペクトルを示すグラフである。 比較例1で得た固体電解質のLi−NMRスペクトルを示すグラフである。 実施例4および比較例1で得た固体電解質のLi−NMR縦緩和時間と測定温度との関係を示すグラフである。 実施例6〜8で得たLiBHとLiIとRbIとを備える固体電解質のX線回折パターンを示すグラフである。 実施例9で得た固体電解質のイオン伝導度と測定温度との関係を示すグラフである。 実施例9で得た固体電解質のLi−NMRスペクトルを示すグラフである。 実施例9で得た固体電解質のLi−NMR縦緩和時間と測定温度との関係を示すグラフである。 実施例10で得た固体電解質のイオン伝導度と測定温度との関係を示すグラフである。 実施例11〜12で得た固体電解質のイオン伝導度と測定温度との関係を示すグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の固体電解質について説明する。本発明の固体電解質は、LiBHと、下記式(1):
MX (1)
(式(1)中、Mはアルカリ金属原子を表し、Xは、ハロゲン原子、NR基(Rは水素原子またはアルキル基を表す)およびNR基(Rは水素原子またはアルキル基を表す)からなる群から選択される1種を表す。)
で表されるアルカリ金属化合物とを備えるものである。
本発明においてLiBHとしては特に制限はなく、還元剤や水素吸蔵媒体として用いられている従来公知のものを使用することができる。前記LiBHの純度は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。LiBHの純度が前記下限未満になると固体電解質の性能が低下する傾向にある。
また、本発明に用いられるアルカリ金属化合物は前記式(1)で表されるものであり、前記式(1)中のMはリチウム原子(Li)、ナトリウム原子(Na)、カリウム原子(K)、ルビジウム原子(Rb)、セシウム原子(Cs)などのアルカリ金属原子を表す。前記式(1)中のXであるハロゲン原子としてはヨウ素原子(I)、臭素原子(Br)、フッ素原子(F)、塩素原子(Cl)などが挙げられる。また、NR基やNR基中のRとしては水素原子、アルキル基が挙げられ、アルキル基の炭素数としては1〜5個が好ましい。NR基中の2個のRは同じものであっても異なるものであってもよい。
前記アルカリ金属原子としてはリチウム原子、ルビジウム原子およびセシウム原子が好ましい。前記式(1)中のXとしては、ヨウ素原子、臭素原子、NR基が好ましく、ヨウ素原子、NH基がより好ましい。このような原子や基を有するアルカリ金属化合物を用いることにより、固体電解質の性能を向上させることができる。
このようなアルカリ金属化合物は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。前記アルカリ金属化合物のうち、固体電解質の性能がより向上する点で、アルカリ金属のハロゲン化物、アミン塩が好ましく、LiI、LiBr、LiFおよびLiClといったハロゲン化リチウム;RbI、RbBr、RbF、RbClといったハロゲン化ルビジウム;CsI、CsBr、CsF、CsClといったハロゲン化セシウム;LiNH、LiNHR、LiNRといったアミノリチウムがより好ましく、LiI、RbI、CsI、LiNHが特に好ましく、LiIとRbIとを併用することが最も好ましい。
このようなアルカリ金属化合物についても従来公知のものを使用することができる。また、前記アルカリ金属化合物の純度としては80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。前記アルカリ金属化合物の純度が前記下限未満になると固体電解質の性能が低下する傾向にある。
本発明の固体電解質においては、前記LiBHと前記アルカリ金属化合物との含有モル比(LiBH:アルカリ金属化合物)としては1:1〜20:1が好ましく、1:1〜10:1がより好ましい。前記モル比が前記下限未満になると固体電解質中のLiBHの割合が少なく、高いイオン伝導度が得られにくい傾向にあり、他方、前記上限を超えると前記アルカリ金属化合物の添加効果、すなわち、高温相(高イオン伝導相)の転移温度が低下しにくく、LiBHの高温相の転移温度(115℃)未満においてイオン伝導度が十分に増大しない傾向にある。
また、前記アルカリ金属化合物を2種以上併用する場合においてその含有比率は特に制限されないが、例えば、LiIと他のアルカリ金属化合物(好ましくはRbIまたはCsI)とを併用する場合においては、LiI:他のアルカリ金属化合物=1:1〜20:1が好ましく、5:1〜20:1がより好ましい。前記モル比が前記下限未満になると固体電解質中のLiIの割合が少なく、固体電解質の熱的な安定性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると他のアルカリ金属化合物の添加効果が十分に得られず、イオン伝導度が十分に増大しない傾向にある。
このような固体電解質は、LiBHの高温相の転移温度未満、すなわち115℃未満でのX線回折(CuKα:λ=1.5405Å)において、少なくとも、2θ=24.0±1.0deg、25.6±1.2deg、27.3±1.2deg、35.4±1.5deg、および42.2±2.0degの5箇所に回折ピークを有するものであることが好ましく、少なくとも、2θ=23.7±0.7deg、25.2±0.8deg、26.9±0.8deg、35.0±1.0deg、および41.3±1.0degの5箇所に回折ピークを有するものであることがより好ましく、少なくとも、2θ=23.6±0.5deg、24.9±0.5deg、26.7±0.5deg、34.6±0.5deg、40.9±0.5degの5箇所に回折ピークを有するものであることがさらに好ましく、少なくとも、2θ=23.6±0.3deg、24.9±0.3deg、26.7±0.3deg、34.6±0.3deg、40.9±0.3deg、の5箇所に回折ピークを有するものであることが特に好ましい。これらの5領域の回折ピークは、LiBHの高温相の回折ピークに相当するものであり、LiBHの高温相の転移温度未満においてもこのような5領域に回折ピークを有する固体電解質は、前記転移温度未満においても高いイオン伝導度を示す傾向にある。
次に、本発明の固体電解質の製造方法について説明する。本発明の固体電解質は、前記LiBHと前記式(1)で表されるアルカリ金属化合物とを混合し、得られた混合物を加熱して溶融または焼結させ、その後、冷却することにより製造することができるが、特にこの方法に限定されない。このような製造方法のうち、LiBHと前記アルカリ金属化合物とを均一に備える固体電解質を得ることができる点で溶融混合を施す方法が好ましい。
前記LiBHと前記アルカリ金属化合物との混合モル比(LiBH:アルカリ金属化合物)としては1:1〜20:1が好ましく、1:1〜10:1がより好ましい。前記モル比が前記下限未満になると、得られる固体電解質中のLiBHの割合が少なくなり、高いイオン伝導度を示す固体電解質が得られにくい傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる固体電解質の高温相(高イオン伝導相)の転移温度が低下しにくく、LiBHの高温相の転移温度(115℃)未満においても高いイオン伝導度を示す固体電解質が得られにくい傾向にある。
前記混合物の加熱温度としては、通常50℃以上であり、150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、250℃以上が特に好ましく、300℃以上が最も好ましい。加熱温度が前記下限未満になると混合物の溶融や焼結が不十分となる傾向にある。特に、前記混合物を焼結させる場合の加熱温度としては通常50〜240℃であり、150〜240℃が好ましく、200〜240℃がより好ましい。
本発明において、固体電解質を所定の形状に成形する場合、LiBHと前記アルカリ金属化合物との混合物を、予め成形した後、加熱してもよいし、加熱後に成形してもよい。例えば、LiBHと前記アルカリ金属化合物との混合物をプレス成形などにより所定の形状に成形した後、この形状を保持したまま加熱して溶融または焼結させ、その後、冷却してもよい。また、LiBHと前記アルカリ金属化合物との混合物を加熱して溶融させ、この溶融混合物を所定の形状に成形して冷却したり、LiBHと前記アルカリ金属化合物との混合物を加熱して焼結させ、この焼結物を冷却した後、所定の形状に成形してもよい。
また、本発明の固体電解質の製造方法においては、このようにして得られた固体電解質を115℃以上に加熱し、その後、冷却することが好ましい。これにより、LiBHの高温相の転移温度未満における固体電解質のイオン伝導度が増大する傾向にある。
次に、本発明の二次電池について説明する。本発明の二次電池は、前記本発明の固体電解質と正極と負極とを備えるものである。前記正極材料としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどの従来公知のリチウムイオン二次電池用正極材料が挙げられ、前記負極材料としては、炭素材料などの従来公知のリチウムイオン二次電池用負極材料が挙げられる。
本発明の二次電池は、例えば、膜状に成形した固体電解質の一方の面に前記正極材料を塗布して正極を形成させ、他方の面に前記負極材料を塗布して負極を形成させたり、あるいは、膜状に成形した固体電解質の一方の面に膜状の前記正極材料を貼り付け、他方の面に膜状の前記負極材料を貼り付けることにより製造することができる。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
LiBH(アルドリッチ社製、純度90%)とLiI(アルドリッチ社製、純度99.999%)とを、LiBH:LiI=3:1のモル比で混合し、この混合物をガラスセルに移した後、320℃に加熱して溶融混合した。その後、この溶融混合物を室温まで冷却して固体電解質を得た。
得られた固体電解質(LiBH:LiI=3:1)について25℃においてX線回折測定(CuKα:λ=1.5405Å)を実施した。その結果を図1に示す。なお、図1には、LiBHの高温相(高イオン伝導相)および低温相のX線回折スペクトル、ならびにLiIのX線回折スペクトルについても示す。
図1に示した結果から明らかなように、2θ=23.4deg、25.1deg、26.7deg、34.7deg、41.2deg、45.3degおよび49.0degの位置にX線回折ピークが観察された。
(実施例2)
LiBHとLiIとのモル比をLiBH:LiI=7:1に変更した以外は実施例1と同様にして固体電解質を調製した。この固体電解質(LiBH:LiI=7:1)について実施例1と同様にしてX線回折測定を実施した。その結果を図1に示す。図1に示した結果から明らかなように、2θ=23.6deg、25.0deg、26.6deg、34.5deg、40.9deg、44.8degおよび48.6degの位置にX線回折ピークが観察された。
(実施例3)
LiBHとLiIとのモル比をLiBH:LiI=15:1に変更した以外は実施例1と同様にして固体電解質を調製した。この固体電解質(LiBH:LiI=15:1)について実施例1と同様にしてX線回折測定を実施した。その結果を図1に示す。図1に示した結果から明らかなように、2θ=23.8deg、24.8deg、26.9deg、34.6deg、40.7deg、44.8degおよび48.1degの位置にX線回折ピークが観察された。
図1に示した結果から明らかなように、本発明のLiBHとLiIとを備える固体電解質の場合(実施例1〜3)には、25℃においてLiBHの高温相に相当するX線回折ピークが観察された。すなわち、本発明のLiBHとLiIとを備える固体電解質においては25℃においてもLiBHの高温相における状態が維持されていることが確認された。
(実施例4)
実施例1と同様にして調製した溶融混合物(LiBH:LiI=3:1)を円盤状(直径10mm、厚さ約2mm)にプレス成形(25℃、100MPa)して固体電解質膜を作製した。この固体電解質膜の両面に電極としてリチウム箔を装着してイオン伝導度測定セルを作製した。このイオン伝導度測定セルを約5℃刻みで1点につき5分程度の測定時間で25℃(298K)付近から150℃(423K)付近まで加熱しながら周波数0.1Hz〜10MHzにおいてソーラートロン社製「SI−1260インピーダンスアナライザ」を用いて前記固体電解質膜のイオン伝導度を測定した。このときのイオン伝導度(1st)と測定温度との関係を図2に示す。
次いで、測定後の前記イオン伝導度測定セルを室温まで冷却した後、上記条件と同一の条件で加熱しながらイオン伝導度を測定した。このときのイオン伝導度(2nd)と測定温度との関係を図2および図3に示す。また、77℃(350K)におけるイオン伝導度(2nd)を表1に示す。
次に、前記固体電解質膜について、固体NMR装置(Chemagnetics社製「CMX Infinity 300」)を用いて共鳴周波数116MHz、温度50℃(323K)〜260℃(533K)の条件でLi−NMRを測定し、Li−NMR縦緩和時間を求めた。図4Aには各温度におけるLi−NMRスペクトルを示す。また、図5にはLi−NMR縦緩和時間と測定温度との関係を示す。
(実施例5)
前記溶融混合物(LiBH:LiI=3:1)の代わりに実施例2と同様にして調製した溶融混合物(LiBH:LiI=7:1)を用いた以外は実施例4と同様にして固体電解質膜を作製し、約5℃刻みで1点につき5分程度の測定時間で20℃(293K)付近から150℃(423K)付近まで加熱しながらイオン伝導度を測定した。このイオン伝導度と測定温度との関係を図3に示す。また、77℃(350K)におけるイオン伝導度を表1に示す。
(比較例1)
前記溶融混合物(LiBH:LiI=3:1)の代わりにLiBH(アルドリッチ社製、純度90%)を用いた以外は実施例4と同様にして固体電解質膜を作製し、約2.5℃刻みで1点につき5分程度の測定時間で60℃(333K)付近から160℃(433K)付近まで加熱しながらイオン伝導度を測定した。このときのイオン伝導度と測定温度との関係を図2および図3に示す。
次いで、約2.5℃刻みで1点につき5分程度の測定時間で160℃(433K)から60℃(333K)まで冷却しながらイオン伝導度を測定した。このときのイオン伝導度と測定温度との関係を図2および図3に示す。なお、図3にはPoulsenら(F.W.Poulsen et al.,Solid State Ionics 9/10,119(1983))によるLiIを備える固体電解質膜について測定した結果も示す。また、77℃(350K)におけるイオン伝導度を表1に示す。
次に、前記固体電解質膜について実施例4と同様にして共鳴周波数116MHz、温度30℃(303K)〜260℃(533K)の条件でLi−NMRを測定し、Li−NMR縦緩和時間を求めた。図4Bには各温度におけるLi−NMRスペクトルを示す。また、図5にはLi−NMR縦緩和時間と測定温度との関係を示す。
Figure 2009139382
図2〜3に示した結果から明らかなように、LiBHのみを備える固体電解質膜の場合(比較例1)には、LiBHの高温相の転移温度(115℃)未満において、高温相に比べてイオン伝導度が急激に低下した。また、LiIのみを備える固体電解質膜の場合には、LiBHに比べてイオン伝導度が低く、特に前記転移温度(115℃)以上においても高いイオン伝導度は得られなかった。一方、LiBHとLiIとを備える本発明の固体電解質膜の場合(実施例4〜5)には、前記転移温度(115℃)以上においてはLiBHのみを備える固体電解質膜(比較例1)と同程度の高いイオン伝導度を示し、前記転移温度(115℃)未満においては比較例1の固体電解質膜に比べて高いイオン伝導度を示した。すなわち、LiBHにLiIを混合することによって、好ましくは、さらに加熱処理を施すことによってLiBHのみの場合に比べて高温相の転移温度が低下し、LiIのイオン伝導度が低いにも係わらず、LiBHの高温相の転移温度未満におけるイオン伝導度が高められ、より広い温度範囲において高いイオン伝導度が得られることが確認された。
また、図2に示した結果から明らかなように、LiBHとLiIとを備える本発明の固体電解質膜においては、前記転移温度(115℃)以上に加熱することによって前記転移温度(115℃)未満におけるイオン伝導度が増大することが確認された。これは、加熱により固体電解質の結晶性が高くなり、高温相の割合が増大したためであると推察される。
図4Bに示した結果から明らかなように、LiBHのみを備える固体電解質膜の場合(比較例1)には、115℃(388K)以上においては高温相を示す鋭いピークが観察されたが、112℃(385K)未満においては鋭いピークは観察されなかった。一方、図4Aに示した結果から明らかなように、本発明のLiBHとLiIとを備える固体電解質膜の場合(実施例4)には、120℃(393K)以上だけでなく、120℃未満においても高温相を示すピークが観察された。
図5に示した結果から明らかなように、LiBHのみを備える固体電解質膜の場合(比較例1)には、前記転移温度(115℃)未満および前記転移温度を超える範囲においては、Li−NMR縦緩和時間は測定温度の変化に対して連続的に変化したが、前記転移温度において急激に変化した。一方、本発明のLiBHとLiIとを備える固体電解質膜の場合(実施例4)には、急激なLi−NMR縦緩和時間の変化は観察されず、Li−NMR縦緩和時間は測定温度の変化に対して連続的に変化することが確認された。
(実施例6)
LiBH(アルドリッチ社製、純度90%)とLiI(アルドリッチ社製、純度99.999%)とRbI(アルドリッチ社製、純度99.999%)とを、LiBH:LiI:RbI=3:0.9:0.1のモル比で混合し、この混合物をプレス成形(25℃、100MPa)してペレットを調製した。このペレットをガラスセルに移した後、真空下で240℃まで段階的に加熱して焼結させた。その後、この焼結物を冷却して固体電解質を得た。
この固体電解質(LiBH:LiI:RbI=3:0.9:0.1)について実施例1と同様にしてX線回折測定を実施した。その結果を図6に示す。なお、図6には、LiBHの高温相(高イオン伝導相)および低温相、ならびにLiBH:LiI=3:1の固体電解質のX線回折スペクトルについても示す。
図6に示した結果から明らかなように、2θ=23.4deg、25.1deg、26.7deg、35.0degおよび41.5degの位置にX線回折ピークが観察された。また、LiBH:LiI=3:1の固体電解質とは異なる回折ピーク(2θ=11.1deg、19.6deg、22.4deg、27.7deg、30.0degおよび35.9deg)も観察された。
(実施例7)
LiBHとLiIとRbIとのモル比をLiBH:LiI:RbI=3:0.95:0.05に変更した以外は実施例6と同様にして固体電解質を調製した。この固体電解質(LiBH:LiI:RbI=3:0.95:0.05)について実施例1と同様にしてX線回折測定を実施した。その結果を図6に示す。図6に示した結果から明らかなように、2θ=23.4deg、25.1deg、26.7deg、35.0degおよび41.5degの位置にX線回折ピークが観察された。また、LiBH:LiI=3:1の固体電解質とは異なる回折ピーク(2θ=19.6deg、22.4deg、27.7deg、30.0degおよび35.9deg)も観察された。
(実施例8)
LiBHとLiIとRbIとのモル比をLiBH:LiI:RbI=3:0.8:0.2に変更した以外は実施例6と同様にして固体電解質を調製した。この固体電解質(LiBH:LiI:RbI=3:0.8:0.2)について実施例1と同様にしてX線回折測定を実施した。その結果を図6に示す。図6に示した結果から明らかなように、2θ=23.4deg、25.1deg、26.7deg、34.9degおよび41.4degの位置にX線回折ピークが観察された。また、LiBH:LiI=3:1の固体電解質とは異なる回折ピーク(2θ=11.1deg、19.6deg、22.4deg、27.7deg、30.0degおよび35.9deg)も観察された。
図6に示した結果から明らかなように、本発明のLiBHとLiIとRbIとを備える固体電解質の場合(実施例6〜8)には、25℃においてLiBHの高温相に相当するX線回折ピークが観察された。すなわち、本発明のLiBHとLiIとRbIとを備える固体電解質においても25℃においてLiBHの高温相における状態が維持されていることが確認された。
(実施例9)
前記溶融混合物(LiBH:LiI=3:1)の代わりに実施例6と同様にして調製したペレット(LiBH:LiI:RbI=3:0.9:0.1)を用いた以外は実施例4と同様にして固体電解質膜を作製し、5℃刻みで1点につき5分程度の測定時間で30℃(303K)付近から150℃(423K)付近まで加熱しながらイオン伝導度を測定した。このときのイオン伝導度と測定温度との関係を図7に示す。
次いで、5℃刻みで1点につき5分程度の測定時間で150℃(423K)付近から30℃(303K)付近まで冷却しながらイオン伝導度を測定した。このときのイオン伝導度と測定温度との関係を図7に示す。なお、図7には、比較例1における結果も示した。
次に、前記固体電解質膜について実施例4と同様にして共鳴周波数116MHz、温度50℃(323K)〜240℃(513K)の条件でLi−NMRを測定し、Li−NMR縦緩和時間を求めた。図8には各温度におけるLi−NMRスペクトルを示す。また、図9にはLi−NMR縦緩和時間と測定温度との関係を示す。なお、図9には、比較例1における結果も示した。
図7に示した結果から明らかなように、LiBHとLiIとRbIとを備える本発明の固体電解質膜の場合(実施例9)には、30〜150℃の温度範囲において、常にLiBHのみを備える固体電解質膜(比較例1)よりも高いイオン伝導度を示した。また、図2および図7に示した結果から明らかなように、LiBHとLiIとRbIとを備える固体電解質膜(実施例9)は、LiBHとLiIとを備える固体電解質膜(実施例4)よりも高いイオン伝導度を示した。すなわち、LiBHにLiIとRbIとを混合することによって、好ましくは、さらに加熱処理を施すことによって、LiBHのみの場合に比べて高温相の転移温度が低下し、LiIのイオン伝導度が低いにも係わらず、広い温度範囲において高いイオン伝導度が得られ、特に、LiBHの高温相の転移温度以上においてもLiBHより高いイオン伝導度が得られることが確認された。
図8に示した結果から明らかなように、本発明のLiBHとLiIとRbIとを備える固体電解質膜の場合(実施例9)においても、120℃(393K)以上だけでなく、120℃未満において高温相を示すピークが観察された。
図9に示した結果から明らかなように、本発明のLiBHとLiIとRbIとを備える固体電解質膜の場合(実施例9)においても、LiBHのみを備える固体電解質膜(比較例1)のような急激なLi−NMR縦緩和時間の変化は観察されず、Li−NMR縦緩和時間は測定温度の変化に対して連続的に変化することが確認された。
(実施例10)
RbIの代わりにCsI(アルドリッチ社製、純度99.999%)を用いた以外は実施例6と同様にしてペレット(LiBH:LiI:CsI(モル比)=3:0.9:0.1)を調製した。前記ペレット(LiBH:LiI:RbI)の代わりにこのペレット(LiBH:LiI:CsI=3:0.9:0.1)を用いた以外は実施例9と同様にして固体電解質膜を作製し、10℃刻みで1点につき5分程度の測定時間で30℃(303K)付近から130℃(403K)付近まで加熱しながらイオン伝導度を測定した。このときのイオン伝導度と測定温度との関係を図10に示す。
次いで、10℃刻みで1点につき5分程度の測定時間で130℃(403K)付近から40℃(313K)付近まで冷却しながらイオン伝導度を測定した。このときのイオン伝導度と測定温度との関係を図10に示す。なお、図10には、比較例1における結果も示した。
図10に示した結果から明らかなように、LiBHとLiIとCsIとを備える本発明の固体電解質膜の場合(実施例10)においても、LiBHのみの場合(比較例1)に比べて高温相の転移温度が低下し、LiIのイオン伝導度が低いにも係わらず、LiBHの高温相の転移温度未満においてイオン伝導度が高められ、より広い温度範囲において高いイオン伝導度が得られることが確認された。
(実施例11)
LiBH(アルドリッチ社製、純度90%)とLiNH(アルドリッチ社製)とを、LiBH:LiNH=1:3のモル比で、遊星型ボールミルを用いてアルゴン雰囲気下で1時間混合した。この混合物をプレス成形(25℃、100MPa)した後、アルゴン雰囲気下、100℃で5時間加熱して焼結させて固体電解質膜を作製した。
この固体電解質膜(LiBH:LiNH=1:3)について実施例4と同様にして、約10℃刻みで1点につき5分程度の測定時間で25℃(298K)付近から135℃(408K)付近まで加熱しながらイオン伝導度を測定した。このときのイオン伝導度と測定温度との関係を図11に示す。
次いで、約10℃刻みで1点につき5分程度の測定時間で135℃(408K)付近から30℃(303K)付近まで冷却しながらイオン伝導度を測定した。このときのイオン伝導度と測定温度との関係を図11に示す。なお、図11には、LiBHのみまたはLiNHのみを備える固体電解質膜について測定した結果も示した。
(実施例12)
LiBHとLiNHの混合モル比をLiBH:LiNH=1:1に変更し、加熱温度を60℃に変更した以外は実施例11と同様にして固体電解質を作製し、約10℃刻みで1点につき5分程度の測定時間で30℃(303K)付近から65℃(338K)付近まで加熱しながらイオン伝導度を測定した。このときのイオン伝導度と測定温度との関係を図11に示す。
次いで、約10℃刻みで1点につき5分程度の測定時間で65℃(338K)付近から30℃(303K)付近まで冷却しながらイオン伝導度を測定した。このときのイオン伝導度と測定温度との関係を図11に示す。
図11に示した結果から明らかなように、LiBHとLiNHとをモル比=1:3で備える本発明の固体電解質膜の場合(実施例11)においても、LiBHのみの場合に比べて高温相の転移温度が低下し、LiNHのイオン伝導度が低いにも係わらず、LiBHの高温相の転移温度未満においてイオン伝導度が高められ、より広い温度範囲において高いイオン伝導度が得られることが確認された。また、LiBHとLiNHとを備える固体電解質膜においては、LiNHの含有量が少なくなるとイオン伝導度がより高くなる傾向があることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、LiBHに特定のアルカリ金属化合物を添加することによってLiBHの高温相(高イオン伝導相)の転移温度を低下させることが可能となる。
したがって、本発明の固体電解質は、LiBHの高温相の転移温度(115℃)未満においても高いイオン伝導性を示すため、リチウムイオン二次電池用固体電解質などとして有用である。
本発明の固体電解質においては、前記LiBHと前記アルカリ金属化合物との含有モル比(LiBH:アルカリ金属化合物)としては1:1〜20:1が好ましく、1:1〜10:1がより好ましい。前記モル比が前記下限未満になると固体電解質中のLiBHの割合が少なく、高いイオン伝導度が得られにくい傾向にあり、他方、前記上限を超えると高温相(高イオン伝導相)の転移温度が低下しにくく、LiBHの高温相の転移温度(115℃)未満においてイオン伝導度が十分に増大しない傾向にある。
Figure 2009139382

Claims (12)

  1. LiBHと、下記式(1):
    MX (1)
    (式(1)中、Mはアルカリ金属原子を表し、Xは、ハロゲン原子、NR基(Rは水素原子またはアルキル基を表す)およびNR基(Rは水素原子またはアルキル基を表す)からなる群から選択される1種を表す。)
    で表されるアルカリ金属化合物とを備える固体電解質。
  2. 前記LiBHと前記アルカリ金属化合物とのモル比がLiBH:アルカリ金属化合物=1:1〜20:1である、請求項1に記載の固体電解質。
  3. 115℃未満でのX線回折(CuKα:λ=1.5405Å)において、少なくとも、2θ=24.0±1.0deg、25.6±1.2deg、27.3±1.2deg、35.4±1.5deg、および42.2±2.0degの5箇所に回折ピークを有する請求項1に記載の固体電解質。
  4. 前記式(1)中のXがヨウ素原子およびアミノ基のうちのいずれか1種である、請求項1に記載の固体電解質。
  5. 前記アルカリ金属化合物がLiI、RbIおよびCsIからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の固体電解質。
  6. 請求項1に記載の固体電解質を備える二次電池。
  7. LiBHと、下記式(1):
    MX (1)
    (式(1)中、Mはアルカリ金属原子を表し、Xは、ハロゲン原子、NR基(Rは水素原子またはアルキル基を表す)およびNR基(Rは水素原子またはアルキル基を表す)からなる群から選択される1種を表す。)
    で表されるアルカリ金属化合物とを混合し、該混合物を加熱して溶融または焼結させ、その後、冷却する、固体電解質の製造方法。
  8. 前記混合物の加熱温度が50℃以上である、請求項7に記載の固体電解質の製造方法。
  9. 前記LiBHと前記アルカリ金属化合物との混合モル比がLiBH:アルカリ金属化合物=1:1〜20:1である、請求項7に記載の固体電解質の製造方法。
  10. 前記式(1)中のXがヨウ素原子およびアミノ基のうちのいずれか1種である、請求項7に記載の固体電解質の製造方法。
  11. 前記アルカリ金属化合物がLiI、RbIおよびCsIからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項10に記載の固体電解質の製造方法。
  12. 請求項7に記載の製造方法により得られた固体電解質を、115℃以上で加熱し、その後、冷却する、固体電解質の製造方法。
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