JP2003077462A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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JP2003077462A
JP2003077462A JP2001266171A JP2001266171A JP2003077462A JP 2003077462 A JP2003077462 A JP 2003077462A JP 2001266171 A JP2001266171 A JP 2001266171A JP 2001266171 A JP2001266171 A JP 2001266171A JP 2003077462 A JP2003077462 A JP 2003077462A
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negative electrode
secondary battery
aqueous electrolyte
electrolyte secondary
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JP2001266171A
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Koko Ryu
興江 劉
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エネルギー密度が高く、しかも安全性および充
放電サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を得る。 【解決手段】非水電解質二次電池において、リチウムを
吸蔵・放出可能なホスト材料の表面にリチウム導伝性無
機固体電解質とリチウム合金とを設けた負極活物質を含
む負極を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解質二次電池
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非水系電解質を使用した電池は3V以上
の高電圧で使用可能なため、電池の高エネルギー密度化
が図られる。その代表的な電池として非水系電池があ
る。多くの金属の中ではリチウムが最も卑な金属であ
り、理論容量も3860mAh/gと高く、魅力的な負
極材料である。しかし、金属リチウムを負極とした非水
電解質二次電池の場合、充放電サイクル特性や安全性に
問題がある。
【0003】一方、金属リチウムの代わりにリチウムを
吸蔵・放出可能な炭素材料を使用する、リチウムイオン
電池が実用化されている。代表的な炭素材料としては黒
鉛があり、LiCまで満充電させた時の理論容量は3
72mAh/gである。黒鉛等の炭素材料は、容量が金
属リチウムより遥かに劣るが、充放電サイクル寿命およ
び安全性を大幅に向上させることができる。
【0004】負極材料の容量を更に上げるために、Li
−Al、Li−Sn、Li−Siなどのリチウム合金が
提案されている。しかし、これらの合金においては、充
電時における膨張が大きく、クラックや剥離などの原因
で、容量の低下や充放電サイクル寿命の低減が生じると
いう問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】非水電解質二次電池に
おいて、負極材料に炭素材料を用いている限りは、更な
る高エネルギー密度化を図るのは非常に難しい。一方、
負極材料に金属リチウムを用いた場合には、利用効率、
サイクル寿命および安全面に問題がある。
【0006】そこで、リチウム合金系とリチウムを吸蔵
・放出可能なホスト材料とを複合した負極材料が提案さ
れた。この複合負極材料は、従来のリチウムを吸蔵・放
出可能な炭素材料よりも単位質量当りの容量(容量密
度)が高くなり、また、リチウム金属あるいはリチウム
合金よりも安全性と充放電サイクル特性が優れている。
【0007】リチウム合金とリチウムを吸蔵・放出可能
なホスト材料とを複合した負極材料を得るための従来の
技術では、SnO、SnO(Y.Idota et a
l.,Eur.Pat.Appl.,651450A1
950503,Y.Idota et al.,Scie
nce(1997))やSiO(第38回電池討論会要
旨集P179(1997))などが前駆体として使われ
るが、前駆体にこれらの酸化物を使用した場合、充放電
に伴って不活性なLiOが負極材料の上に形成される
ことが報告されており(I.A.Courtney a
nd J.R.Dahn,J.Elecrtroche
m.Soc.,114,2045(1997))、その
ため負極として使用した場合には、優れた充放電サイク
ル特性が得られないという問題があった。
【0008】そこで、本発明の目的は、リチウム合金系
とリチウムを吸蔵・放出可能なホスト材料とを複合した
負極材料を使用した非水電解質二次電池において、負極
を新しい構成とすることにより、エネルギー密度が高
く、しかも安全性および充放電サイクル特性に優れた非
水電解質二次電池を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、非水
電解質二次電池において、リチウムを吸蔵・放出可能な
ホスト材料の表面にリチウム伝導性無機固体電解質とリ
チウム合金とを設けた負極活物質を含む負極を備えたこ
とを特徴とする。
【0010】請求項1の発明によれば、エネルギー密度
が高く、充放電サイクル特性に優れた非水電解質二次電
池を得ることができる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載の非水電
解質二次電池において、ホスト材料が炭素質材料または
窒化リチウム(LiN)のリチウムの一部を遷移金属
で置換した化合物であることを特徴とする。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の非水電解質二次電池において、リチウム合金が、元素
の長周期型周期表における2族、13族、炭素を除く1
4族元素から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴
とする。
【0013】請求項2または請求項3の発明によれば、
充放電サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を得る
ことができる。
【0014】請求項4の発明は、請求項1、2または3
記載の非水電解質二次電池において、リチウム伝導性無
機固体電解質がLiIまたは/およびLiSであるこ
とを特徴とする。
【0015】請求項4の発明によれば、負極に用いるリ
チウムを吸蔵・放出可能なホスト材料の利用率を高め、
内部抵抗の小さい非水電解質二次電池を得ることができ
る。
【0016】請求項5の発明は、請求項1、2、3また
は4に記載の非水電解質二次電池において、負極活物質
表面に高分子電解質層を設けたことを特徴とする。
【0017】請求項5の発明によれば、リチウム合金層
の充放電に伴う膨張・収縮による活物質の剥離を回避
し、ストレスを吸収することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の非水電解質二次電池は、
リチウムを吸蔵・放出可能なホスト材料の表面にリチウ
ム伝導性無機固体電解質とリチウム合金とを設けた負極
活物質を含む負極を備えたことを特徴とする。
【0019】本発明によれば、リチウムを吸蔵・放出可
能なホスト材料と、その表面に設けたリチウム合金と
が、共に負極活物質として働くため、リチウムを吸蔵・
放出可能なホスト材料のみを負極活物質に使用した場合
と比較して、単位質量当りの放電容量が大きい負極とな
り、その結果、エネルギー密度の大きい非水電解質二次
電池を得ることができる。また、ホスト材料の表面に、
リチウム伝導性無機固体電解質が設けられているため、
これがしっかりしたマトリックスの役割を果たし、ホス
ト材料の表面のリチウム合金が充放電によって脱落する
のを抑制することができ、また、イオン伝導通路を提供
し、ホスト材料の表面にリチウム合金のみが設けられた
場合と比較して、容量特性、高率充放電特性、充放電サ
イクル特性に優れた非水電解質二次電池を得ることがで
きる。
【0020】また、本発明は、上記非水電解質二次電池
において、ホスト材料が炭素質材料または窒化リチウム
(LiN)のリチウムの一部を遷移金属で置換した化
合物であることを特徴とする。負極のホスト材料として
の炭素質材料や窒化リチウムのリチウムの一部を遷移金
属で置換した化合物は、充放電でリチウムを吸蔵・放出
しても、構造変化が小さいため、これらを用いることに
より、充放電サイクル特性に優れた非水電解質二次電池
を得ることができる。
【0021】窒化リチウム(LiN)のリチウムの一
部を遷移金属で置換した化合物の例としては、Li
3−xNiN、Li2.6Co0.4N、Li2.6
Fe0. N等が使用できる。
【0022】さらに、電池の充放電に伴って、リチウム
合金の組成が変化すると、合金層の膨張収縮が繰り返
し、クラックが生成する。従来の合金電極にとってはこ
れが劣化の原因となる。本発明は固体電解質を予め存在
させるため、ストレスの解消に役に立つことだけでな
く、下地のホストへのイオン供給通路にもなる。また、
ホスト材料の表面に完全な合金層で覆われた場合、例え
ば、Li−Sn/C複合電極、表面のLi−Sn合金層
しか充放電できない(Li−Sn形成電位がLiC
り貴である)。合金相に固体電解質存在させる場合とク
ラックできた場合、下地のホスト材料と電解質の接触が
でき、イオン導電通路が形成される。これによって、下
地のホスト材料でも十分に応答し、複合負極の活物質の
利用率が十分に高くなる。
【0023】さらに、本発明は、上記非水電解質二次電
池において、リチウム合金が、元素の長周期型周期表に
おける2族、13族、炭素を除く14族元素から選ばれ
た少なくとも1種を含むことを特徴とする。これらのリ
チウム合金は、リチウムの吸蔵量が多く、良好な可逆性
を示すため、その結果、高容量かつ充放電サイクル特性
に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
【0024】また、本発明は、上記非水電解質二次電池
において、リチウム伝導性無機固体電解質がLiIまた
は/およびLiSであることを特徴とする。ホスト材
料表面にこれらのリチウム伝導性無機固体電解質を設け
ることにより、この部分もリチウムが移動することがで
きる。その結果、従来の電気化学的に不活性で絶縁性の
LiOなどの酸化物が存在する場合よりも、負極のイ
オン伝導度が高くなり、内部抵抗の小さい非水電解質二
次電池を得ることができる。
【0025】さらに、本発明は、上記非水電解質二次電
池において、負極活物質表面に高分子電解質層を設けた
ことを特徴とする。このことにより、充放電に伴う合金
相の剥離を押さえることができ、その結果、充放電サイ
クル特性に優れ、しかも安全性の高い非水電解質二次電
池を得ることができる。
【0026】高分子電解質としては、固体型(全固体電
池用)もゲル型も使用することができる。ゲル型電解質
としては、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(P(PVdF−HFP))やポリエチ
レンオキシド(PEO)を含む、単独あるいは混合系や
架橋したもの、あるいは共重合体や誘導体の高分子を用
いてもよい。例えば、ポリプロピレンオキシド(PP
O)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメ
タアクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリメチル
アクリレート、ポリイソプレンなどがある。
【0027】本発明の非水電解質二次電池に用いる負極
活物質の製造方法としては、以下で述べるような第1〜
第4のような、種々の製造方法を用いることができる。
ここで、元素の長周期型周期表における2族、13族炭
素を除く14族元素から選ばれた少なくとも1種の元素
をMとし、元素の長周期型周期表における2族、13族
炭素を除く14族元素から選ばれた少なくとも1種のヨ
ウ化物または/および硫化物をMxI/MxSとする。
【0028】第1および第2の負極の製造方法は、Mx
I/MxSが有機電解液に可溶である場合に適用され
る。第1の負極の製造方法は、まず、リチウムを吸蔵・
放出可能な炭素材料を含む負極を作製し、この負極を、
あらかじめリチウムイオンを含む有機電解液中で金属リ
チウムとショートさせる等の方法により、炭素材料をリ
チウムを吸蔵した状態(充電状態)にしておく。この場
合、リチウムを吸蔵していない炭素材料を、リチウムイ
オンを含む有機電解液中で金属リチウムとショートさせ
る等の方法により、リチウムを吸蔵した(充電状態)炭
素材料とし、その後、このリチウムを吸蔵した炭素材料
を含む負極を作製してもよい。
【0029】次に、このリチウムを吸蔵した炭素材料を
含む負極を、MxI/MxSを含む有機電解液中に所定
時間浸漬する。この時、リチウムを吸蔵した炭素材料と
MxI/MxSとが接触し、リチウムとMが置換し、炭
素材料表面にM1が形成され、同時に炭素材料表面にL
iIやLiS等のリチウムのヨウ化物または/および
硫化物が形成される。その後、この負極を有機電解液中
で充放電することにより、炭素材料へのリチウムの吸蔵
・放出に伴ない、炭素材料表面にリチウムとMとの合金
が形成される。このようにして、リチウムを吸蔵・放出
可能な炭素材料の表面に、化学的手法により、リチウム
伝導性無機固体電解質とリチウム合金とを設けた負極活
物質を製造することができる。この場合、MxI/Mx
Sを含む有機電解液と負極を充放電する有機電解液の種
類は、同じであっても異なっていてもよい。
【0030】第1の製造方法によって得られた負極活物
質は、炭素材料とその表面に設けたリチウム合金とが共
に活物質として働くため、単位質量当りの放電容量が大
きい負極活物質となり、また、炭素材料の表面に形成さ
れたリチウムのヨウ化物または/および硫化物がマトリ
ックスの役割を果たし、イオン伝導通路を提供でき、ホ
スト材料の表面のリチウム合金が充放電によって脱落す
るのを抑制することができる図1は、本発明のリチウム
を吸蔵・放出可能な炭素材料の表面に、化学的手法によ
り、リチウム伝導性無機固体電解質とリチウム合金とを
設けた負極活物質を製造する第1の製造方法の、手順の
模式図である。出発物質としては炭素材料と、Mの硫化
物としてヨウ化錫(SnI)を用いた。図1におい
て、1は炭素材料、2はリチウムを吸蔵した(充電状
態)炭素材料、3は一部のリチウムを放出した炭素材
料、4はヨウ化リチウム(LiI)、5は錫(Sn)、
6はリチウムと錫の合金(Li−Sn)である。
【0031】まず、図1(a)に示したように、リチウ
ムを吸蔵していない炭素材料1を含む負極を作製し、次
に、この負極を、リチウムイオンを含む有機電解液中で
金属リチウムと接触させて、図1(b)に示したよう
に、リチウムを吸蔵した(充電状態)炭素材料2とす
る。この場合、リチウムを吸蔵していない炭素材料1
を、リチウムイオンを含む有機電解液中で金属リチウム
と接触させて、リチウムを吸蔵した(充電状態)炭素材
料2とし、その後、炭素材料2を含む負極を作製しても
よい。
【0032】この炭素材料2を含む負極を、ヨウ化錫
(SnI)を含む有機電解液中に浸漬すると、炭素材
料2の中のリチウムとヨウ化錫(SnI)の錫とが置
換し、図1(c)に示したように、炭素材料2の表面に
ヨウ化リチウム4と錫5が形成される。次に、有機電解
液中で、この負極と適当な対極を組み合せて充放電すれ
ば、図1(d)に示したように、錫はリチウムと錫の合
金6となる。このようにして、本発明の非水電解質二次
電池に使用する負極活物質を製造することができる。
【0033】第2の負極の製造方法は、まず、リチウを
吸蔵していない炭素材料を含む負極を作製し、次に、こ
のリチウムを吸蔵していない炭素材料を含む負極を、M
xI/MxSを含む有機電解液中に浸漬し、この負極と
金属リチウム極とを短絡させ、負極に含まれる炭素材料
を、リチウムを吸蔵した状態にし、次に前記電極を充放
電することを特徴とする。
【0034】ここで、リチウムを吸蔵していない炭素材
料を含む負極とリチウム極とを短絡させる方法として
は、リチウムを吸蔵していない炭素材料を含む負極とリ
チウム極とを有機電解液中に浸漬し、両電極を外部短絡
させる方法、または、両電極を有機電解液中で直接接触
させる方法を用いることができる。
【0035】リチウムを吸蔵していない炭素材料を含む
負極とリチウム極とを短絡させることにより、炭素材料
はリチウムを吸蔵した状態(充電状態)になる。そし
て、リチウムを吸蔵した炭素材料と、有機電解液中のM
xI/MxSとが接触すると、リチウムとMが置換し、
炭素材料表面にLiIやLiS等のリチウムのヨウ化
物や硫化物が形成され、同時に炭素材料表面にMが形成
される。その後、負極を充放電すれば、炭素材料へのリ
チウムの吸蔵・放出に伴ない、炭素材料表面にリチウム
とMの合金が形成される。このようにして、リチウムを
吸蔵・放出可能な炭素材料の表面に、電解メッキ法によ
り、リチウム伝導性無機固体電解質とリチウム合金とを
設けた負極活物質を製造することができる。
【0036】第3および第4の負極の製造方法は、Mx
I/MxSが有機電解液に不溶である場合に適用され
る。第3の負極の製造方法は、まず、リチウムを吸蔵し
ていない炭素材料を、リチウムイオンを含む有機電解液
中で金属リチウムとショートさせる等の方法により、リ
チウムを吸蔵した(充電状態)炭素材料とし、その後、
このリチウムを吸蔵した炭素材料とMxI/MxSとを
含む負極を作製する。
【0037】つぎにこの負極を、リチウムイオンを含む
有機電解液に所定時間浸漬することにより、リチウムと
Mが置換し、炭素材料表面にLiIやLiS等のリチ
ウムのヨウ化物または/および硫化物が形成され、同時
に炭素材料表面にMが形成される。その後、この電極を
充放電すれば、炭素材料へのリチウムの吸蔵・放出に伴
ない、炭素材料表面にリチウムとMの合金が形成され
る。
【0038】このようにして、リチウムを吸蔵・放出可
能な炭素材料の表面に、化学的手法により、リチウム導
伝性無機固体電解質とリチウム合金とを設けた負極活物
質を備えた負極を製造することができる。
【0039】第4の負極の製造方法は、まず、リチウム
を吸蔵していない炭素材料とMxI/MxSとを含む負
極を作製し、次にこのリチウムを吸蔵していない炭素材
料を含む負極を、リチウムイオンを含む有機電解液中に
浸漬し、この負極と金属リチウム極とを短絡させ、負極
に含まれる炭素材料を、リチウムを吸蔵した状態にし、
次に前記電極を充放電することを特徴とする。
【0040】ここで、リチウムを吸蔵していない炭素材
料とMxI/MxSとを含む負極とリチウム極とを短絡
させる方法としては、負極とリチウム極とを有機電解液
中に浸漬し、両電極を外部短絡させる方法、または、両
電極を有機電解液中で直接接触させる方法を用いること
ができる。
【0041】リチウムを吸蔵していない炭素材料とMx
I/MxSとを含む負極とリチウム極とを短絡させるこ
とにより、炭素材料はリチウムを吸蔵した状態(充電状
態)になる。そして、リチウムを吸蔵した炭素材料と、
負極中のMxI/MxSとが接触しているため、リチウ
ムとMが置換し、炭素材料表面にLiIやLiS等の
リチウムのヨウ化物や硫化物が形成され、同時に炭素材
料表面にMが形成される。その後、負極を充放電すれ
ば、炭素材料へのリチウムの吸蔵・放出に伴い、炭素材
料表面にリチウムとMの合金が形成される。このように
して、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素材料の表面に、
リチウム伝導性無機固体電解質とリチウム合金とを設け
た負極活物質を製造することができる。
【0042】負極活物質にリチウムを吸蔵・放出可能な
ホスト材料が窒化リチウム(LiN)のリチウムの一
部を遷移金属で置換した化合物を使用する場合も、上記
第1または第3の炭素材料を含む負極の製造方法と同様
の製造方法を用いることができる。
【0043】さらに、本発明は、非水電解質二次電池の
製造方法において、リチウムを吸蔵したホスト材料とM
xI/MxSとを含む負極と、リチウムを含む正極活物
質を備えた正極と、セパレータとを備えた電池を組み立
て、電解液を注液後、予備充放電することを特徴とす
る。
【0044】この方法では、リチウムを吸蔵・放出可能
なホスト材料の表面にリチウム伝導性無機固体電解質と
リチウム合金とを設けた負極活物質を含む負極をあらか
じめ作製した後、電池を組み立てるのではなく、電池を
組み立てた後に、炭素材料の表面にリチウム伝導性無機
固体電解質とリチウム合金とを設けた負極活物質を含む
負極をその場で形成するものである。
【0045】電池を組み立てた後、電解液を注液する
と、負極においてリチウムとMが置換し、炭素材料表面
にLiIやLiS等のリチウムのヨウ化物または/お
よび硫化物が形成され、同時に炭素材料表面にMが形成
される。その後、この電極を予備充放電すれば、炭素材
料へのリチウムの吸蔵・放出に伴い、炭素材料表面にリ
チウムとM1の合金が形成される。このようにして、電
池を組み立てた後に、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素
材料の表面に、化学的手法により、リチウム伝導性無機
固体電解質とリチウム合金とを設けた負極活物質を製造
することができる。
【0046】本発明の非水電解質二次電池においては、
正極活物質、炭素材料、電解液等は、従来の電池におい
て用いられている材料ならすべて使用することができ
る。正極活物質としては、LiCoO、LiNi
、MnO2、LiMn24等の組成式LixMO2
たはLiy24(ただし、Mは遷移金属、0≦x≦
1、0≦y≦1)で表される複合酸化物やトンネル状の
孔を有する酸化物、層状構造の金属カルコゲン化物等を
用いることができる。
【0047】炭素材料としては、コークス、メソカーボ
ンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチ系
炭素繊維、熱分解気相成長炭素繊維等の易黒鉛化性炭素
の熱処理物、フェノール樹脂焼成体、ポリアクリロニト
リル系炭素繊維、擬等方性炭素、フルフリルアルコール
樹脂焼成体等の難黒鉛化性炭素の熱処理物、天然黒鉛、
人造黒鉛、黒鉛化MCMB、黒鉛化メソフェーズピッチ
系炭素繊維、黒鉛ウイスカー等の黒鉛質材料、またはこ
れらの混合物を使用することができる。
【0048】電解液としては、その溶媒として、エチレ
ンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、エチルメチルカーボネート等の極性溶媒、も
しくはこれらの混合物を用いることができ、溶媒に含ま
せる塩としては、LiPF6、LiBF4、LiAs
6、LiClO4、LiCF3SO3、LiCF3CO2
のリチウム塩またはこれらの混合物を用いることができ
る。
【0049】また、本発明において、セパレータとして
は、ポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、ま
たはこれらを複合した微多孔膜等のポリオレフィン系微
多孔膜など、従来の非水電解質二次電池に使用されたも
のを用いることができる。さらに、電池の形状として
は、角型、円筒型、長円筒型など、あらゆる形状の電池
を使用することができる。
【0050】
【実施例】
【実施例】以下に、本発明の好適な実施例を説明する。
【0051】[実施例1]非水電解質二次電池用複合負
極は、活物質としてのグラファイト90wt%と、結着
剤としてのPVdF10wt%とを混合し、NMPを加
えてペーストとし、このペーストを銅箔の両面に塗付
し、乾燥し、ホットプレスローラを通し、さらに150
℃で真空乾燥し、NMPを蒸発させることによって作製
した。得られた負極の厚みは162μm、多孔度は30
〜50%であった。これを負極Aとした。
【0052】次に、表面を高分子膜で被覆した負極は、
まず、PVdF−HFP共重合体1gをTHF30ml
に溶かし、さらにPVdF−HFP共重合体1gに対し
て1.5mlの割合で可塑剤としてのエチレンカーボネ
ート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の体積
比1:1混合溶媒を添加した溶液を準備した。次に、D
PA法で上記の負極Aの表面にPVdF−HFP共重合
体をコーティングし、自然乾燥により成膜し、100℃
で真空乾燥することによって作製した。これを負極Bと
した。
【0053】次に、本発明の非水電解質二次電池用負極
を作製した。長周期型周期表における2族、13族、1
4族元素から選ばれた少なくとも一種の金属のヨウ化物
または/および硫化物としてヨウ化錫(SnI)を使
用した。
【0054】1mol/lのLiClOをエチレンカ
ーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)
の体積比1:1混合溶媒に溶解した電解液を準備し、こ
の電解液中で、上記負極Aと金属リチウム極とを、リー
ド線を通して外部短絡させ、負極Aのグラファイトにリ
チウムを吸蔵させ、充電状態とする。この時、負極Aの
色は金色に変化する。
【0055】次に、金色になった負極Aを、ヨウ化錫
(SnI)で飽和した、1mol/lのLiClO
をエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネー
ト(DEC)の体積比1:1混合溶媒に溶解した電解液
中に浸漬し、置換反応を行う。この時、負極の色は、金
色→黒色→灰色と変化する。浸漬して4時間後、炭素材
料の表面に均一な灰色のSn層が形成された負極をジメ
チルカーボネート(DMC)で洗浄し、C/Snの複合
電極が得られる。これを負極Cとした。
【0056】同様の手順により、負極Bを用いて、本発
明の、負極活物質表面を高分子で被覆した非水電解質二
次電池用負極を作製し、これを負極Dとした。
【0057】つぎに、負極A、B、C、Dと、金属リチ
ウム電極とを組み合わせ、各負極の充放電サイクル試験
をおこなった。負極A、B、C、Dは、いずれも大きさ
は20×17mmとし、1枚当たり76mgのグラファ
イトを含み、理論容量は28mAhとした。また、金属
リチウム電極の大きさは30×20mmとした。電解液
としては、1mol/lのLiClOをエチレンカー
ボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の
体積比1:1混合溶媒に溶解した有機電解液を使用し
た。
【0058】充放電サイクル試験は室温で行ない、充電
は、0.25mA/cm定電流で0.0V vs L
i/Liまで行ない、放電は0.5mA/cm定電
流で1.5V vs Li/Liまで行った。1サイ
クル目の放電容量を初期放電容量とし、各負極10個に
ついての初期放電容量の平均値を表1にまとめた。
【0059】
【表1】
【0060】表1の結果から、本発明の負極CおよびD
は、従来の負極AおよびBに比べ、初期放電容量はかな
り大きくなることがわかった。
【0061】[実施例2]つぎの手順にしたがって非水
電解質二次電池用負極を作製した。実施例1と同様の塊
状黒鉛60wt%、SnS30wt%およびPVdF1
0wt%を混合し、NMPを加えてペースト状とし、こ
のペーストを銅箔の両面に塗付し、乾燥し、さらにホッ
トローラプレスを通した。その後、150℃で真空乾燥
し、NMPを蒸発させることにより、負極を作製した。
得られた負極は厚みが162μm、多孔度は30〜50
%であった。これを負極Eとした。
【0062】負極Eを実施例1と同様の寸法にし、リチ
ウムイオンを含む非有機電解液中で、0.25mA/c
の定電流で0V(vs Li/Li)まで予備充
電することにより、黒鉛の表面に固体電解質LiSと
リチウムと錫の合金とを設けた負極活物質を備えた負極
とし、これを負極Fとした。
【0063】また、比較例として、塊状黒鉛90wt%
とPVdF10wt%とを混合した以外は負極Eと同様
にして、SnSを含まない負極を作製し、これを負極G
とした。
【0064】つぎに、負極FおよびGの特性を測定し
た。測定は、リチウムを使用した4極ガラスセルで行な
い、充電は0.25mA/cmの定電流で0V(vs
Li/Li)まで、放電は0.5mA/cmの定
電流で1.5V(vs Li/Li)までとした。
【0065】充放電結果を図2に示す。図2において、
aは負極Fの充電曲線、bは負極Fの放電曲線、cは負
極Gの充電曲線、dは負極Gの放電曲線を示す。
【0066】図2から明らかなように、本発明の負極F
の放電容量は、黒鉛のみを含む従来の負極Gに比べ非常
に大きくなることがわかった。
【0067】
【発明の効果】本発明の非水電解質二次電池は、リチウ
ムを吸蔵・放出可能なホスト材料の表面にリチウム導伝
性無機固体電解質とリチウム合金とを設けた負極活物質
を含む負極を備えたことを特徴とするもので、リチウム
を吸蔵・放出可能なホスト材料と、その表面に設けたリ
チウム合金とが、共に負極活物質として働くため、単位
質量当りの放電容量が大きい負極が得られ、その結果、
エネルギー密度の大きい非水電解質二次電池を得ること
ができる。また、ホスト材料の表面に、リチウム導伝性
無機固体電解質が設けられているため、これがしっかり
したマトリックスの役割を果たし、ホスト材料の表面の
リチウム合金が充放電によって脱落するのを抑制するこ
とができ、充放電サイクル特性に優れた非水電解質二次
電池を得ることができる。また、本発明は、負極表面に
高分子固体電解質層を設けることにより、負極表面が直
接有機電解液と接触することがなく、充放電によるデン
ドライトの生成を抑制することができ、安全性の高い非
水電解質二次電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の負極活物質を製造する手順の模式図。
【図2】負極FおよびGの充放電特性を示す図。
【符号の説明】
1 炭素材料 2 リチウムを吸蔵した炭素材料 3 一部のリチウムを放出した炭素材料 4 ヨウ化リチウム(LiI) 5 錫(Sn) 6 リチウムと錫の合金
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 10/40 H01M 10/40 Z Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ05 AJ12 AK02 AK03 AK05 AK06 AL01 AL06 AL12 AL18 AM03 AM05 AM07 AM12 AM16 DJ12 5H050 AA07 AA08 AA15 BA17 CA02 CA07 CA11 CA14 CB07 CB12 CB29 DA13 EA01 FA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムを吸蔵・放出可能なホスト材料
    の表面にリチウム伝導性無機固体電解質とリチウム合金
    とを設けた負極活物質を含む負極を備えたことを特徴と
    する非水電解質二次電池。
  2. 【請求項2】 ホスト材料が炭素質材料または窒化リチ
    ウム(LiN)のリチウムの一部を遷移金属で置換し
    た化合物であることを特徴とする請求項1に記載の非水
    電解質二次電池。
  3. 【請求項3】 リチウム合金が、元素の長周期型周期表
    における2族、13族、炭素を除く14族元素から選ば
    れた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 【請求項4】リチウム伝導性無機固体電解質がLiIま
    たは /およびLi Sであることを特徴とする請求項
    1、2または3に記載の非水電解質二次電池。
  5. 【請求項5】 負極活物質表面に高分子電解質層を設け
    たことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の
    非水電解質二次電池。
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