JP4834442B2 - 固体電解質、その製造方法及び全固体二次電池 - Google Patents
固体電解質、その製造方法及び全固体二次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4834442B2 JP4834442B2 JP2006096457A JP2006096457A JP4834442B2 JP 4834442 B2 JP4834442 B2 JP 4834442B2 JP 2006096457 A JP2006096457 A JP 2006096457A JP 2006096457 A JP2006096457 A JP 2006096457A JP 4834442 B2 JP4834442 B2 JP 4834442B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solid electrolyte
- powder
- ray diffraction
- component
- confirmed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Description
また、不安定で硫化水素の発生が危惧されるP2S5の割合を25モル%以下に低下させた場合には、メカニカルミリング法によりLi2SとP2S5の混合物を長時間反応させても、反応物中に未反応のLi2Sが残存し、これを加熱処理しても高いリチウムイオン伝導度を有する固体電解質は得られない。例えば、特許文献1の比較例3では、Li2SとP2S5の割合がモル%で80:20の混合物を20時間メカニカルミリングして得た粉末のX線回折スペクトルチャートが添付されているが、Li2Sに由来するピークが明確に残存している。そして、この粉末を熱処理して得た硫化物系結晶化ガラスのリチウムイオン伝導度は、実施例と比較して低いものであった。このことは、Li2S:P2S5を80〜90:20〜10のモル比で混合し、長時間メカニカルミリング処理しても、X線回折で非晶質化したと認定される粉末は得られず、これを加熱処理しても高いリチウムイオン伝導度は得られないことを示している。
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、高いリチウムイオン伝導性を有し、短い反応時間で得られる固体電解質を提供することを目的とする。
1.下記式(1)で表される組成を有し、X線回折(CuKα:λ=1.5418Å)において2θ=27.04±0.1degの回折強度が500cps以下である固体電解質。
LixPySzApOq・・・(1)
(式中、Aは、P、S、O以外の周期律表13,14,15,16族のいずれかに属する元素である。
x=10.0〜21.0、y=7.0〜18.0、z=52.0〜71.0、p=0〜6.0、q=0.3〜14.0である。(重量%))
2.下記式(1)で表される組成を有し、X線回折(CuKα:λ=1.5418Å)において、結晶性を有する固体電解質。
LixPySzApOq・・・(1)
(式中、Aは、P、S、O以外の周期律表13,14,15,16族のいずれかに属する元素である。
x=10.0〜21.0、y=7.0〜18.0、z=52.0〜71.0、p=0〜6.0、q=0.3〜14.0である。(重量%))
3.Aが、Si,Ge,B,Alから選択される1種又は2種以上である1又は2記載の固体電解質。
4.以下の成分(a)〜(c)を、以下の配合比で混合する1記載の固体電解質の製造方法。
[成分]
(a)Li2S
(b)P2S5、又は単体リン及び単体硫黄
(c)周期律表13,14,15,16族に属する元素のいずれかを含有する、上記成分(a),(b)以外の1種又は2種以上の第三成分であって、少なくとも1種は酸素を含有する
[配合比]
成分(a):成分(b)(モル比)=80〜90:20〜10
成分(a)と成分(b)の合計を100モル部としたとき、成分(c)が1〜20モル部
5.前記第三成分(c)が、Li4SiO4、Li3PO4、Li4GeO4、LiBO2、LiAlO3から選択される1種又は2種以上である4記載の固体電解質の製造方法。
6.メカニカルミリング法により製造する、4又は5記載の固体電解質の製造方法。
7.4〜6いずれか記載の製造方法で得られる固体電解質を150〜360℃で熱処理する、2記載の固体電解質の製造方法。
8.リチウム二次電池用である1〜3いずれか記載の固体電解質。
9.1〜3及び8いずれか記載の固体電解質を用いて得られる全固体二次電池。
LixPySzApOq・・・(1)
各元素の重量百分率は、通常の元素分析により求めることができる。
[成分]
(a)Li2S
(b)P2S5、又は単体リン及び単体硫黄
(c)周期律表13,14,15,16族に属する元素のいずれかを含有する、上記成分(a),(b)以外の1種又は2種以上の第三成分であって、少なくとも1種は酸素を含有する
[配合比]
成分(a):成分(b)(モル比)=80〜90:20〜10
成分(a)と成分(b)の合計を100モル部としたとき、成分(c)が1〜20モル部
具体的には、特開平7−330312号公報に開示された製造方法で、Li2Sを製造することが好ましく、このLi2Sを国際公開WO2005/40039号の記載の方法で精製したものが好ましい。
尚、Li2Sに含まれる硫黄酸化物の総量は、0.15質量%以下であることが好ましく、LMABは、0.1質量%以下であることが好ましい。
また、P2S5に代えて、相当するモル比の単体リン(P)及び単体硫黄(S)を用いることもできる。これにより、入手が容易で、かつ安価な材料から本発明の固体電解質を製造することができる。単体リン(P)及び単体硫黄(S)は、工業的に生産され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。
MM処理を用いて第一の固体電解質である硫化物系ガラスを製造すると、室温で行えるので、製造工程の簡略化も可能となるため好ましい。さらに、量産性に優れるという利点もある。
MM処理では、ボールミルを使用するのが好ましい。大きな機械的エネルギーが得られるからである。
ボールミルとしては、遊星型ボールミル機を使用するのが好ましい。遊星型ボールミルでは、ポットが自転回転しながら、台盤が公転回転するので、非常に高い衝撃エネルギーを効率良く発生させることができる。
LixPySzApOq・・・(1)
第二の固体電解質を生成させる熱処理温度は、好ましくは150〜360℃である。特に好ましくは200℃〜350℃である。
150℃未満では、第二の固体電解質のガラス転移点以下の温度であるため結晶化が進行しない。一方、360℃を超えると、イオン伝導性の低い結晶が生じる恐れがある。熱処理時間は、結晶が生成する条件であれば特に限定はなく、瞬時であっても長時間であっても構わない。また、焼成温度までの昇温パターンについても特に限定はない。
全固体二次電池の正極活物質として、硫化物系では、硫化チタン(TiS2)、硫化モリブデン(MoS2)、硫化鉄(FeS、FeS2)、硫化銅(CuS)及び硫化ニッケル(Ni3S2)等が使用できる。好ましくは、TiS2が使用できる。
また、酸化物系では、酸化ビスマス(Bi2O3)、鉛酸ビスマス(Bi2Pb2O5)、酸化銅(CuO)、酸化バナジウム(V6O13)、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMnO2)等が使用できる。好ましくは、コバルト酸リチウムが使用できる。
尚、上記の他にはセレン化ニオブ(NbSe3)が使用できる。
製造例
(1)硫化リチウム(Li2S)の製造
硫化リチウムは、特開平7−330312号公報の第1の態様(2工程法)の方法に従って製造した。具体的には、撹拌翼のついた10リットルオートクレーブにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)3326.4g(33.6モル)及び水酸化リチウム287.4g(12モル)を仕込み、300rpm、130℃に昇温した。昇温後、液中に硫化水素を3リットル/分の供給速度で2時間吹き込んだ。続いてこの反応液を窒素気流下(200cc/分)昇温し、反応した硫化水素の一部を脱硫化水素化した。昇温するにつれ、上記硫化水素と水酸化リチウムの反応により副生した水が蒸発を始めたが、この水はコンデンサにより凝縮し系外に抜き出した。水を系外に留去すると共に反応液の温度は上昇するが、180℃に達した時点で昇温を停止し、一定温度に保持した。脱硫化水素反応が終了後(約80分)反応を終了し、硫化リチウムを得た。
上記(1)で得られた500mLのスラリー反応溶液(NMP−硫化リチウムスラリー)中のNMPをデカンテーションした後、脱水したNMP 100mLを加え、105℃で約1時間撹拌した。その温度のままNMPをデカンテーションした。さらにNMP 100mLを加え、105℃で約1時間撹拌し、その温度のままNMPをデカンテーションし、同様の操作を合計4回繰り返した。デカンテーション終了後、窒素気流下230℃(NMPの沸点以上の温度)で硫化リチウムを常圧下で3時間乾燥した。得られた硫化リチウム中の不純物含有量を測定した。
このようにして精製して得たLi2Sを、以下の実施例及び比較例で使用した。
上記製造例にて精製したLi2S、P2S5(アルドリッチ製)、及びLi2SiO4(アルドリッチ製)を出発原料に用いた。Li2S 80モル部、P2S5 20モル部、Li4SiO4 1モル部を添加してなる混合物を約10gと粒径10mmΦのアルミナ製ボール100個を500mLのアルミナ製容器に入れ、遊星型ボールミル(フリッチュ社製:型番P−5)にて、窒素雰囲気下、室温(25℃)にて、回転速度を290rpmとし、5時間メカニカルミリング処理(エネルギーとしては、18.2kWh/kg電解質)することで、白黄色の粉末を得た。
尚、上記元素分析は以下のICP分析及びLC分析より行った
ICP分析:所定量の試料を精秤し、白金皿に入れた。これに1Nの硝酸水溶液を加え、ホットプレート上で加熱し完全に溶解した。この溶液のICP分析によりLi及びP、Si、Bを定量した。
LC分析:石英ボードに所定量の試料をいれ、これを空気中にて燃焼した。燃焼ガスを弱アルカリ水溶液に吸収させた後、過酸化水素水を加えて硫黄酸化物を酸化し、硫酸イオンとした。液中に含まれる硫酸イオンを液クロ分析により定量し、硫黄分を定量した。
得られた固体電解質について、粉末X線回折測定を行ったところ、新たに回折ピークが確認できた。これにより、熱処理により新たな結晶層が発現したことを確認した。
Li2SiO4の添加量を10モル部とした以外は、実施例1と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、Li2Sの結晶ピークが消失し、非晶質化していることが確認された。この粉末のLi、P,S,A(Si),Oの重量百分率はLi:14.9、P:13.3、S:61.9、Si:3.0、O:6.9であった。また、この粉末を熱処理して得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、1.9×10−3S/cmと高いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
得られた固体電解質について、粉末X線回折測定を行ったところ、新たに回折ピークが確認できた。これにより、熱処理により新たな結晶層が発現したことを確認した。
Li2SiO4の添加量を18モル部とした以外は、実施例1と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、Li2Sの結晶ピークが消失し、非晶質化していることが確認された。この粉末のLi、P,S,A(Si),Oの重量百分率はLi:15.7、P:12.1、S:56.2、Si:4.9、O:11.2であった。また、この粉末を熱処理して得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、1×10−3S/cmと高いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
得られた固体電解質について、粉末X線回折測定を行ったところ、新たに回折ピークが確認できた。これにより、熱処理により新たな結晶層が発現したことを確認した。
実施例1においてLi4SiO4を添加しなかった以外は実施例1と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、図2に示すように、X線回折スペクトルにおいてLi2Sのピークが認められ(CuKα:λ=1.5148Åにおいて2θ=27degの回折強度が500cps以上である)、完全に反応していないことが確認された。熱処理後の固体電解質のリチウムイオン伝導度も5×10−4S/cm低いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
Li2SiO4の添加量を25モル部とした以外は、実施例1と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、Li2Sの結晶ピークが消失し、非晶質化していることが確認された。この粉末のLi、P,S,A(Si),Oの重量百分率はLi:16.2、P:11.1、S:51.9、Si:6.3、O:14.4であった。また、この粉末を熱処理して得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、3×10−5S/cmと低いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
Li2Sを85モル部としP2S5を15モル部とした以外は、実施例1と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、Li2Sの結晶ピークが消失し、非晶質化していることが確認された。この粉末のLi、P,S,A(Si),Oの重量百分率はLi:16.4、P:12.6、S:69.7、Si:0.4、O:0.9であった。また、この粉末を熱処理して得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、2.5×10−3S/cmと高いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
得られた固体電解質について、粉末X線回折測定を行ったところ、新たに回折ピークが確認できた。これにより、熱処理により新たな結晶層が発現したことを確認した。
Li2SiO4の添加量を10モル部とした以外は、実施例4と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、Li2Sの結晶ピークが消失し、非晶質化していることが確認された。この粉末のLi、P,S,A(Si),Oの重量百分率はLi:17.3、P:11.0、S:60.8、Si:3.3、O:7.6であった。また、この粉末を熱処理して得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、2×10−3S/cmと高いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
得られた固体電解質について、粉末X線回折測定を行ったところ、新たに回折ピークが確認できた。これにより、熱処理により新たな結晶層が発現したことを確認した。
Li2SiO4の添加量を18モル部とした以外は、実施例4と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、Li2Sの結晶ピークが消失し、非晶質化していることが確認された。この粉末のLi、P,S,A(Si),Oの重量百分率はLi:17.9、P:9.9、S:54.6、Si:5.4、O:12.3であった。また、この粉末を熱処理して得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、1.1×10−3S/cmと高いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
得られた固体電解質について、粉末X線回折測定を行ったところ、新たに回折ピークが確認できた。これにより、熱処理により新たな結晶層が発現したことを確認した。
実施例4においてLi4SiO4を添加しなかった以外は実施例4と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、X線回折スペクトルにおいてLi2Sのピークが認められ、完全に反応していないことが確認された。また、熱処理後の固体電解質のリチウムイオン伝導度も3×10−4S/cmと低いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
Li2SiO4の添加量を25モル部とした以外は、実施例4と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、Li2Sの結晶ピークが消失し、非晶質化していることが確認された。この粉末のLi、P,S,A(Si),Oの重量百分率はLi:18.3、P:9.1、S:50.1、Si:6.9、O:15.6であった。また、この粉末を熱処理して得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、8×10−5S/cmと低いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
Li2SiO4に代えてLiBO2を使用した以外は、実施例1と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、Li2Sの結晶ピークが消失し、非晶質化していることが確認された。この粉末のLi、P,S,A(B),Oの重量百分率はLi:13.9、P:15.1、S:70.5、B:0.13、O:0.4であった。また、この粉末を熱処理して得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、1.9×10−3S/cmと高いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
得られた固体電解質について、粉末X線回折測定を行ったところ、新たに回折ピークが確認できた。これにより、熱処理により新たな結晶層が発現したことを確認した。
LiBO2の添加量を10モル部とした以外は、実施例7と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、Li2Sの結晶ピークが消失し、非晶質化していることが確認された。この粉末のLi、P,S,A(B),Oの重量百分率はLi:15.7、P:14.0、S:65.4、B:1.2、O:3.6であった。また、この粉末を熱処理して得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、1.9×10−3S/cmと高いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
得られた固体電解質について、粉末X線回折測定を行ったところ、新たに回折ピークが確認できた。これにより、熱処理により新たな結晶層が発現したことを確認した。
LiBO2の添加量を18モル部とした以外は、実施例7と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、Li2Sの結晶ピークが消失し、非晶質化していることが確認された。この粉末のLi、P,S,A(B),Oの重量百分率はLi:17.1、P:13.2、S:61.5、B:2.1、O:6.1であった。また、この粉末を熱処理して得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、1.1×10−3S/cmと高いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
得られた固体電解質について、粉末X線回折測定を行ったところ、新たに回折ピークが確認できた。これにより、熱処理により新たな結晶層が発現したことを確認した。
Li2SiO4に代えてLi3PO4を使用した以外は、実施例1と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、Li2Sの結晶ピークが消失し、非晶質化していることが確認された。この粉末のLi、P,S,Oの重量百分率はLi:13.7、P:15.4、S:70.1、O:0.8であった。また、この粉末を熱処理して得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、1.2×10−3S/cmと高いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
得られた固体電解質について、粉末X線回折測定を行ったところ、新たに回折ピークが確認できた。これにより、熱処理により新たな結晶層が発現したことを確認した。
Li3PO4の添加量を10モル部とした以外は、参考例1と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、Li2Sの結晶ピークが消失し、非晶質化していることが確認された。この粉末のLi、P,S,Oの重量百分率はLi:14.2、P:16.7、S:62.2、O:6.9であった。また、この粉末を熱処理して得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、1.8×10−3S/cmと高いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
得られた固体電解質について、粉末X線回折測定を行ったところ、新たに回折ピークが確認できた。これにより、熱処理により新たな結晶層が発現したことを確認した。
Li3PO4の添加量を18モル部とした以外は、参考例1と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、Li2Sの結晶ピークが消失し、非晶質化していることが確認された。この粉末のLi、P,S,Oの重量百分率はLi:14.6、P:17.6、S:56.6、O:11.3であった。また、この粉末を熱処理して得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、1×10−3S/cmと高いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
得られた固体電解質について、粉末X線回折測定を行ったところ、新たに回折ピークが確認できた。これにより、熱処理により新たな結晶層が発現したことを確認した。
Li3PO4の添加量を25モル部とした以外は、参考例1と同様にしてメカニカルミリング処理を行い、得られた粉末についてX線回折測定を行った。その結果、Li2Sの結晶ピークが消失し、非晶質化していることが確認された。この粉末のLi、P,S,Oの重量百分率はLi:14.8、P:18.3、S:52.4、O:14.5であった。また、この粉末を熱処理して得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、5×10−5S/cmと低いものであった。また、熱処理中に気体の発生が認めらなかったことから、熱処理物の組成は熱処理前と同じであると考えられる。
また、本発明の製造方法は、焼成温度が150℃〜360℃と低温領域であり、量産性に優れかつ、経済性にも優れている。
さらに、上記の特性を有する本発明の固体電解質を使用した全固体電池は、エネルギー密度が高く、安全性及び充放電サイクル特性が優れている。
Claims (8)
- 下記式(1)で表される組成を有し、X線回折(CuKα:λ=1.5418Å)において2θ=27.04±0.1degの回折強度が500cps以下である固体電解質。
LixPySzApOq・・・(1)
(式中、Aは、Si,Ge,B,Alから選択される1種又は2種以上である。
x=10.0〜21.0、y=7.0〜18.0、z=52.0〜71.0、p=0.11〜6.0、q=0.3〜14.0である。(重量%)) - 下記式(1)で表される組成を有し、X線回折(CuKα:λ=1.5418Å)において、結晶性を有する固体電解質。
LixPySzApOq・・・(1)
(式中、Aは、Si,Ge,B,Alから選択される1種又は2種以上である。
x=10.0〜21.0、y=7.0〜18.0、z=52.0〜71.0、p=0.11〜6.0、q=0.3〜14.0である。(重量%)) - 以下の成分(a)〜(c)を、以下の配合比で混合する請求項1記載の固体電解質の製造方法。
[成分]
(a)Li2S
(b)P2S5、又は単体リン及び単体硫黄
(c)Si,Ge,B,Alのいずれかを含有する、上記成分(a),(b)以外の1種又は2種以上の第三成分であって、少なくとも1種は酸素を含有する
[配合比]
成分(a):成分(b)(モル比)=80〜90:20〜10
成分(a)と成分(b)の合計を100モル部としたとき、成分(c)が1〜20モル部 - 前記第三成分(c)が、Li4SiO4 、Li4GeO4、LiBO2、LiAlO3から選択される1種又は2種以上である請求項3記載の固体電解質の製造方法。
- メカニカルミリング法により製造する、請求項3又は4記載の固体電解質の製造方法。
- 請求項3〜5いずれか一項記載の製造方法で得られる固体電解質を150〜360℃で熱処理する、請求項2記載の固体電解質の製造方法。
- リチウム二次電池用である請求項1又は2記載の固体電解質。
- 請求項1、請求項2又は請求項7記載の固体電解質を用いて得られる全固体二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006096457A JP4834442B2 (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 固体電解質、その製造方法及び全固体二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006096457A JP4834442B2 (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 固体電解質、その製造方法及び全固体二次電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007273217A JP2007273217A (ja) | 2007-10-18 |
JP4834442B2 true JP4834442B2 (ja) | 2011-12-14 |
Family
ID=38675817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006096457A Expired - Fee Related JP4834442B2 (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 固体電解質、その製造方法及び全固体二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4834442B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013149599A (ja) * | 2011-12-22 | 2013-08-01 | Tokyo Institute Of Technology | 硫化物固体電解質材料、電池および硫化物固体電解質材料の製造方法 |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103606712B (zh) | 2008-05-13 | 2016-01-20 | 国立大学法人东北大学 | 固体电解质、其制造方法以及具备固体电解质的二次电池 |
JP5168269B2 (ja) | 2009-11-25 | 2013-03-21 | トヨタ自動車株式会社 | Liイオン伝導性材料およびリチウム電池 |
JP5594364B2 (ja) * | 2010-06-29 | 2014-09-24 | トヨタ自動車株式会社 | 硫化物固体電解質材料の製造方法、リチウム固体電池の製造方法 |
JP5561023B2 (ja) * | 2010-08-25 | 2014-07-30 | トヨタ自動車株式会社 | 硫化物固体電解質材料の製造方法 |
DE112013000868B8 (de) * | 2012-02-06 | 2021-03-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Sulfidfestkörperelektrolytmaterial, Batterie und Herstellungsverfahren für das Sulfidfestkörperelektrolytmaterial |
KR102685472B1 (ko) * | 2013-05-15 | 2024-07-17 | 퀀텀스케이프 배터리, 인코포레이티드 | 배터리용 고상 캐소라이트 또는 전해질 |
US9761861B1 (en) | 2013-06-25 | 2017-09-12 | Quantumscape Corporation | Pulse plating of lithium material in electrochemical devices |
JP6309344B2 (ja) * | 2014-03-19 | 2018-04-11 | 出光興産株式会社 | 固体電解質及び電池 |
KR20240119169A (ko) | 2014-06-04 | 2024-08-06 | 퀀텀스케이프 배터리, 인코포레이티드 | 혼합 입자 크기를 가진 전극 물질 |
WO2016126610A1 (en) | 2015-02-03 | 2016-08-11 | Quantumscape Corporation | Metal sulfide anolytes for electrochemical cells |
WO2016210371A1 (en) | 2015-06-24 | 2016-12-29 | Quantumscape Corporation | Composite electrolytes |
CN107683510B (zh) * | 2015-07-02 | 2019-09-24 | 国立大学法人东京工业大学 | 硫化物固体电解质材料、电池和硫化物固体电解质材料的制造方法 |
WO2017096088A1 (en) | 2015-12-04 | 2017-06-08 | Quantumscape Corporation | Lithium, phosphorus, sulfur, and iodine including electrolyte and catholyte compositions, electrolyte membranes for electrochemical devices, and annealing methods of making these electrolytes and catholytes |
WO2018044952A1 (en) | 2016-08-29 | 2018-03-08 | Quantumscape Corporation | Catholytes for solid state rechargeable batteries, battery architectures suitable for use with these catholytes, and methods of making and using the same |
US11735780B2 (en) | 2017-03-10 | 2023-08-22 | Quantumscape Battery, Inc. | Metal negative electrode ultrasonic charging |
CN114302859B (zh) * | 2019-08-30 | 2024-03-01 | 国立研究开发法人产业技术综合研究所 | 含磷低结晶性钒硫化物 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA1266086A (en) * | 1985-06-28 | 1990-02-20 | James Robert Akridge | Vitreous solid lithium cation conductive electrolyte |
JP3343936B2 (ja) * | 1992-05-12 | 2002-11-11 | 松下電器産業株式会社 | 非晶質リチウムイオン伝導性固体電解質並びにその合成法 |
JP4498688B2 (ja) * | 2003-04-24 | 2010-07-07 | 出光興産株式会社 | リチウムイオン伝導性硫化物ガラス及びガラスセラミックスの製造方法 |
JP4813767B2 (ja) * | 2004-02-12 | 2011-11-09 | 出光興産株式会社 | リチウムイオン伝導性硫化物系結晶化ガラス及びその製造方法 |
-
2006
- 2006-03-31 JP JP2006096457A patent/JP4834442B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013149599A (ja) * | 2011-12-22 | 2013-08-01 | Tokyo Institute Of Technology | 硫化物固体電解質材料、電池および硫化物固体電解質材料の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007273217A (ja) | 2007-10-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4834442B2 (ja) | 固体電解質、その製造方法及び全固体二次電池 | |
JP4996120B2 (ja) | 固体電解質、その製造方法及び全固体二次電池 | |
US8962194B2 (en) | Lithium ion conducting sulfide based crystallized glass and method for production thereof | |
JP4873479B2 (ja) | 高性能全固体リチウム電池 | |
JP5848801B2 (ja) | リチウムイオン伝導性固体電解質シート及びその製造方法 | |
JP5311169B2 (ja) | リチウムイオン伝導性固体電解質、その製造方法及び該固体電解質を用いたリチウム二次電池用固体電解質並びに該二次電池用固体電解質を用いた全固体リチウム電池 | |
JP5189304B2 (ja) | ガラスセラミック及びその製造方法 | |
US7498098B2 (en) | Method for producing positive cathode material for lithium battery, and lithium battery | |
JP5395346B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用硫化物系固体電解質 | |
WO2014073197A1 (ja) | 固体電解質 | |
WO2010089931A1 (ja) | リチウムシリケート系化合物の製造方法 | |
JP5414143B2 (ja) | 硫化物系固体電解質の製造方法 | |
JP2008103204A (ja) | 正極活物質及びそれを用いた二次電池 | |
JP2008103146A (ja) | 固体電解質及びそれを用いた二次電池 | |
JP5898965B2 (ja) | 硫化物系固体電解質組成物 | |
JP6073107B2 (ja) | 固体電解質 | |
JPWO2007066539A1 (ja) | リチウムイオン伝導性硫化物系固体電解質及びそれを用いた全固体リチウム電池 | |
JP2008103203A (ja) | 固体電解質及びそれを用いた全固体二次電池 | |
JP5270825B2 (ja) | ガラス組成物及びガラスセラミックの製造方法 | |
JP6373417B2 (ja) | 固体電解質 | |
JP5596900B2 (ja) | リチウムイオン伝導性固体電解質シート及びその製造方法 | |
JP6309344B2 (ja) | 固体電解質及び電池 | |
JP2014032864A (ja) | 硫化物固体電解質材料およびそれを用いた固体電池 | |
JP2014013772A (ja) | リチウムイオン二次電池用硫化物系固体電解質 | |
KR100529068B1 (ko) | 리튬 이온 이차 전지용 음극 활물질 및 그 제조 방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20081205 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101203 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101221 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20110201 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110218 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110830 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110926 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4834442 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140930 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |