JP2014013772A - リチウムイオン二次電池用硫化物系固体電解質 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用硫化物系固体電解質 Download PDF

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滋夫 松崎
Minoru Chiga
実 千賀
Takeshi Ota
剛 太田
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Abstract

【課題】充放電時における電池性能の劣化を低減できるリチウムイオン二次電池用硫化物系固体電解質を提供する。
【解決手段】少なくともLiSと、P、P、SiS、GeS、B及びAlから選択される1種以上の硫化物から合成され、単体硫黄成分が1重量%以下であるリチウムイオン二次電池用固体電解質(但し、31PNMRスペクトルの70〜−20ppmの領域に観測されるリン酸結合(PO4−x:xは1〜4の整数)のピーク面積が、前記スペクトルの170〜−20ppmの領域に観測される全リン元素のピーク面積の1〜50%である正極合材用硫化物系固体電解質であって、水分を含む有機溶媒で硫化物系固体電解質を処理された正極合材用硫化物系固体電解質は除く)。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン伝導性硫化物系固体電解質及びその製造方法に関する。
従来、室温で高いリチウムイオン伝導性を示す電解質のほとんどが液体であり、市販されているリチウムイオン二次電池の多くが有機系電解液を用いている。有機系電解液を用いたリチウムイオン二次電池では、電解液の漏洩や発火の危険性があり、より安全性の高い全固体電池が望まれている。しかしながら、固体電解質のイオン伝導度は一般的に低く実用化が難しいのが現状である。
高いイオン伝導性を示す固体電解質として、LiNをベースとするリチウムイオン伝導性セラミックが知られている。この固体電解質のイオン伝導度は、室温で10−3Scm−1である。しかし、分解電圧が低いため、3V以上で作動する電池を構成することができなかった。
また、特許文献1には硫化物系固体電解質であって、10−4Scm−1台のイオン伝導性を有する固体電解質が開示されている。特許文献2にはLiSとPから合成され、10−4Scm−1台のイオン伝導性を有する固体電解質が開示されている。
さらに、特許文献3にはLiSとPを、68〜74モル%:26〜32モル%の比率で合成した硫化物系結晶化ガラスで10−3Scm−1台のイオン伝導性を実現している。
硫化物系固体電解質の製造法としては、通常、LiSの融点近傍まで加熱溶融し急冷する溶融法と、機械的混合処理であるメカニカルミリング法(MM法)が知られている。硫化物系固体電解質は反応性が高く、空気中の水分と反応してHSが発生する。従って、溶融法では十分に水分管理されたドライ環境下で原料を溶融し、次いで不活性雰囲気下等で急冷している。また、MM法では水分管理された空間で原料を容器中に仕込み、機械的混合処理している。
特開平4−202024号公報 特開2002−109955号公報 特開2005−228570号公報
本発明は、充放電時における電池性能の劣化を低減できるリチウムイオン二次電池用硫化物系固体電解質を提供することを目的とする。
本発明者らは、出発原料を反応させて得られる反応物を、有機溶媒で洗浄することにより、得られる固体電解質中の単体硫黄成分を効率よく除去できることを見出し、本発明を完成させた。
硫化物系固体電解質から単体硫黄を除去する方法として、単体硫黄の沸点444℃以上で真空加熱する方法等がある。しかしながらこの場合、例えば、P 系固体電解質では、P の沸点290℃以上の温度で加熱することとなり、著しい電池性能の低下を引き起こす。また、SiS 系においても、一部硫化物の分解反応による単体硫黄の生成が生じ、必ずしも有効な手段ではなかった。
本発明によれば、以下のリチウムイオン二次電池用硫化物系固体電解質等が提供される。
1.少なくともLiSと、P、P、SiS、GeS、B及びAlから選択される1種以上の硫化物から合成され、単体硫黄成分が1重量%以下であるリチウムイオン二次電池用固体電解質。
2.少なくともLiSと、P、P、SiS、GeS、B及びAlから選択される1種以上の硫化物を出発原料とし、前記出発原料を反応させて得られる反応物を、有機溶媒で洗浄する工程を有するリチウムイオン二次電池用硫化物系固体電解質の製造方法。
3.下記に示す工程(a)、(b)及び(c)を、この順で実施する2に記載のリチウムイオン二次電池用硫化物系固体電解質の製造方法。
(a)前記出発原料を反応させる工程
(b)反応物に有機溶媒を添加し、洗浄する工程
(c)添加した有機溶媒を除去する工程
4.前記有機溶媒が炭化水素系有機溶媒である、2又は3に記載のリチウムイオン二次電池用硫化物系固体電解質の製造方法。
5.上記1記載のリチウムイオン二次電池用硫化物系固体電解質と、Li元素と、Co、Ni、Mn及びFeから選択される1種以上の金属元素を含む複合酸化物を含有するリチウムイオン二次電池用正極合材。
6.単体硫黄の含有率が1重量%以下である硫化物系固体電解質を含む全固体リチウムイオン二次電池。
本発明によれば、合成した硫化物系固体電解質を有機溶媒にて洗浄し、電解質中の残存硫黄成分を除去することにより、電池としたときに性能の高いリチウムイオン二次電池用硫化物系固体電解質を提供することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用硫化物系固体電解質は、少なくとも下記(1)及び(2)を含む出発原料を反応させて得られるものであり、単体硫黄成分が1重量%以下である。
(1)Li
(2)P、P、SiS、GeS、B及びAlから選択される1種以上の硫化物
本発明において、固体電解質の単体硫黄成分の残存量は1重量%以下である。1重量%以下であれば、固体電解質を電池に使用した際に性能の安定した電池が作製できる。1重量%を超えると充放電時に硫黄に起因する反応が起こり、電池の容量や出力の低下を生じる可能性がある。単体硫黄成分の残存量は0.5重量%以下であることが好ましく、さらに0.1重量%以下であることが好ましい。
尚、上記の出発原料は、特に限定はなく、市販されているものが使用できる。
本発明のリチウムイオン二次電池用硫化物系固体電解質は、例えば、固体電解質の製造時に、少なくとも上記(1)及び(2)を含む出発原料を反応させて得られる反応物を、有機溶媒で洗浄する工程を実施すればよい。
反応物である硫化物系固体電解質を有機溶媒で洗浄することにより、最終製品である固体電解質の不純物である単体硫黄成分を低減することができる。
有機溶媒で洗浄する工程は、出発原料を反応させて得られる反応物(固体電解質)を対象とする。さらに、後述する固体電解質をガラスセラミック化する加熱工程の後に洗浄してもよい。洗浄工程は1回でもよいが、各工程の後に複数回実施してもよい。出発原料を反応させる工程において、新たに単体硫黄成分が生成する可能性があるため、反応物を対象として洗浄することが好ましい。
尚、単体硫黄成分の除去は、加熱による除去等も用いることができる。具体的に、真空加熱により硫黄成分を蒸発除去することも可能である。しかしながら、単体硫黄の沸点が444℃と高温であり、合成した固体電解質の結晶構造に影響を与える可能性が高い。従って、本発明のように有機溶媒により単体硫黄成分を抽出、ろ過して除去する方法が好ましい。
以下、本発明の製造方法の一実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態では、下記に示す工程(a)、(b)及び(c)を、この順で実施する。
(a)出発原料を反応させる工程
(b)工程(a)で得た反応物に有機溶媒を添加し、洗浄する工程
(c)添加した有機溶媒を除去する工程
工程(a)において、出発原料を反応させる方法としては、特に限定はなく、本技術分野において公知の方法が採用できる。例えば、出発原料をLiSの融点近傍まで加熱溶融し急冷する溶融法や、出発原料を機械的に混合処理するメカニカルミリング法(MM法)が採用できる。これらの方法により出発原料を処理し、反応物を得る。以下、例としてMM法を採用した場合について説明する。
メカニカルミリング処理には、種々の形式の粉砕法を用いることができる。特に、遊星型ボールミルを使用するのが好ましい。遊星型ボールミルは、ポットが自転回転しながら、台盤が公転回転し、非常に高い衝撃エネルギーを効率良く発生させることができる。
メカニカルミリング処理時のLiSの仕込み量は、出発原料の合計に対し30〜95mol%とすることが好ましく、さらに、40〜85mol%とすることが好ましく、特に50〜75mol%とすることが好ましい。
メカニカルミリング処理の回転速度及び回転時間は特に限定されないが、回転速度が速いほど、ガラス状電解質の生成速度は速くなり、回転時間が長いほどガラス質状電解質ヘの原料の転化率は高くなる。
例えば、遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を数十〜数百回転/分とし、0.5時間〜100時間処理すればよい。
工程(b)では、上記の工程(a)で得た反応物に有機溶媒を添加し、洗浄する。
有機溶媒としては、不純物である単体硫黄成分を抽出できるものが使用できる。例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、二硫化炭素等が好適に用いることができる。特に、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素系有機溶媒が好ましい。
有機溶媒の使用量は、反応物から単体硫黄成分を十分に抽出できる量であれば特に限定はない。反応物の性状等を考慮して適宜調整すればよいが、反応物が、溶媒の添加によりスラリー状になる程度であることが好ましい。通常、溶媒1リットルに対する原料(合計量)の添加量は0.1〜1Kg程度となる。好ましくは0.3〜1.0Kg、特に好ましくは0.5〜0.8Kgである。
洗浄方法は特に限定はなく、上記の反応物と有機溶媒の混合物を十分に撹拌、混合できればよい。例えば、オートクレーブや万能混合撹拌機の使用が挙げられる。
また、MM法の場合、反応後の容器に有機溶媒を添加し、さらに回転処理を続けることで洗浄することもできる。
洗浄処理の時間は、反応物から単体硫黄成分を十分に抽出できる時間であれば特に限定はない。反応物の性状等を考慮して適宜調整すればよいが、通常、0.5〜10時間程度が好ましい。
工程(c)では、上記の洗浄後に添加した有機溶媒を除去し、固体電解質を回収する。有機溶媒の除去は、例えば、ろ過等により実施できる。溶媒を除去することにより、硫化物ガラスである硫化物系固体電解質が得られる。
本発明では、工程(a)又は(c)により得られた硫化物系固体電解質を、さらに、200℃以上400℃以下、より好ましくは270℃〜320℃で加熱処理することにより、硫化物系固体電解質のイオン伝導性を向上できる。これは、反応物が硫化物結晶化ガラス(ガラスセラミック)となるためである。
加熱処理の時間は、1〜5時間が好ましく、特に1.5〜3時間が好ましい。
加熱処理温度が400℃以上の高温になるとリチウムイオン伝導性に劣るLiが生成する可能性が高くなるため望ましくない。
尚、この加熱処理は洗浄工程(b)の前に実施してもよく、また、工程(c)の後に実施してもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池用固体電解質は、全固体リチウムイオン二次電池の電解質層として使用できる。また、この固体電解質と複合酸化物等を混合してリチウムイオン二次電池用正極合材とし、正極として使用することもできる。
複合酸化物としては、Li元素と、Co、Ni、Mn及びFeから選択される1種以上の金属元素を含むものを使用できる。例えば、Li元素とCoから構成されるコバルト酸リチウムLiCoO2やLi元素とCo及びNiから構成されるLiNi0.8Co0.2等が好ましい。
尚、本発明のリチウムイオン二次電池用固体電解質又は正極合材には、必要に応じてLiFePO、ケイ酸系化合物、リン酸系化合物等のガラス化材を添加することもできる。
本発明の全固体リチウム二次電池は、単体硫黄の含有率が1重量%以下である硫化物系固体電解質を含む。即ち、本発明の硫化物系固体電解質が、電解質層や正極合材に使用されている。
例えば、正極及び負極の間に本発明の固体電解質からなる層を形成することで、全固体リチウム二次電池となる。
正極材としては、本発明の正極合材の他に、電池分野において正極活物質として使用されているものが使用できる。例えば、硫化物系では、硫化チタン(TiS)、硫化モリブデン(MoS)、硫化鉄(FeS、FeS)、硫化銅(CuS)及び硫化ニッケル(Ni)等が使用できる。好ましくは、TiSが使用できる。
また、酸化物系では、酸化ビスマス(Bi)、鉛酸ビスマス(BiPb)、酸化銅(CuO)、酸化バナジウム(V13)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)等が使用できる。尚、これらを混合して用いることも可能である。好ましくは、コバルト酸リチウムが使用できる。
尚、上記の他にはセレン化ニオブ(NbSe)が使用できる。
負極材としては、電池分野において負極活物質として使用されているものが使用できる。例えば、炭素材料、具体的には、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素、熱分解気相成長炭素、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、ポリアセン、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、天然黒鉛及び難黒鉛化性炭素等が挙げられる。又はその混合物でもよい。好ましくは、人造黒鉛である。
また、金属リチウム、金属インジウム、金属アルミ、金属ケイ素等の金属自体や他の元素、化合物と組合せた合金を、負極材として用いることができる。
製造例1
(1)硫化リチウム(LiS)の製造
硫化リチウムは、特開平7−330312号公報における第1の態様(2工程法)の方法に従って製造した。具体的には、撹拌翼のついた10リットルオートクレーブにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)3326.4g(33.6モル)及び水酸化リチウム287.4g(12モル)を仕込み、300rpm、130℃に昇温した。昇温後、液中に硫化水素を3リットル/分の供給速度で2時間吹き込んだ。続いてこの反応液を窒素気流下(200cc/分)昇温し、反応した水硫化リチウムを脱硫化水素化し硫化リチウムを得た。昇温するにつれ、上記硫化水素と水酸化リチウムの反応により副生した水が蒸発を始めたが、この水はコンデンサにより凝縮し系外に抜き出した。水を系外に留去すると共に反応液の温度は上昇するが、180℃に達した時点で昇温を停止し、一定温度に保持した。水硫化リチウムの脱硫化水素反応が終了後(約80分)に反応を終了し、硫化リチウムを得た。
(2)硫化リチウムの精製
上記(1)で得た500mLのスラリー反応溶液(NMP−硫化リチウムスラリー)中のNMPをデカンテーションした後、脱水したNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌した。その温度のままNMPをデカンテーションした。さらにNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌し、その温度のままNMPをデカンテーションし、同様の操作を合計4回繰り返した。デカンテーション終了後、窒素気流下230℃(NMPの沸点以上の温度)で硫化リチウムを常圧下で3時間乾燥した。得られた硫化リチウム中の不純物含有量を測定した。
尚、亜硫酸リチウム(LiSO)、硫酸リチウム(LiSO)並びにチオ硫酸リチウム(Li)の各硫黄酸化物、及びN−メチルアミノ酪酸リチウム(NMAB)の含有量は、イオンクロマトグラフ法により定量した。その結果、硫黄酸化物の総含有量は0.13質量%であり、LMABは0.07質量%であった。このようにして精製したLiSを、以下の実施例で使用した。
実施例等で製造した固体電解質は、下記方法により評価した。
(1)イオン伝導度
硫化物系固体電解質粉体を錠剤成形機に充填し、4〜6MPaの圧力を加え成形体を得た。さらに、電極としてカーボンと電解質ガラスセラミックを重量比1:1で混合した合材を成形体の両面に乗せ、再度錠剤成形機にて圧力を加えることで、伝導度測定用の成形体(直径約10mm、厚み約1mm)を作製した。この成形体について交流インピーダンス測定によりイオン伝導度測定を実施した。伝導度の値は25℃における数値を採用した。
(2)電池性能の評価
各例で製造した硫化物系固体電解質とリチウム複合酸化物(LiCoO2)を8:2〜6:4の重量比で混合して、正極合材を作製した。
インジウム箔、又はカーボンと硫化物系固体電解質から作製した合材のいずれかを負極とした。
上記負極上に硫化物系固体電解質、上記の正極合材、Tiメッシュ及びTi箔をこの順序で積層して組み上げ10〜30MPaで圧縮し電池を形成、充放電サイクル曲線を得て評価した。
充放電評価は、カットオフ電圧を下限1.5V、上限3.7Vとし、充電後の充電容量に対する放電容量の比及びその積算値である放電出力により実施した。
(3)硫化物系固体電解質中の残留単体硫黄成分の分析
30ml試料ビンに対象とする固体電解質粉体1gを入れ、有機溶媒(脱水トルエン)を20ml添加後、振盪機により十分に(約3時間)撹拌した。静置して固体電解質を十分に沈降させ、その上澄み液を注射器により抜き取り、さらに、ミリポアフィルタを通過させ固体電解質を完全に除去し、有機溶媒上澄み液を得た。この上澄み液中の単体硫黄成分をガスクロにて定量し、残留単体硫黄成分量を決定した。
実施例1
上記製造例により製造したLiS 16.27gとP(アルドリッチ社製)33.73gを、10mmφアルミナボール175個が入った500mlアルミナ製容器に入れ密閉した。尚、上記計量、密閉作業は全てグローブボックス内で実施し、使用する器具類は全て乾燥機で事前に水分除去したものを用いた。
この密閉したアルミナ容器を、遊星ボールミル(レッチェ社製PM400)にて、室温下、回転数290rpmにて36時間メカニカルミリング処理することで反応物(白黄色のガラス粉体)を得た。
尚、この粉体のX線回折測定(CuKα:λ=1.5418Å)を行なった結果、原料であるLiSのピークは観測されず、反応物に起因するハローパターンが観測された。
上記のメカニカルミリング処理後、アルミナ容器にトルエンを136ml添加した。その後、20分間ボールミル処理し、反応物を洗浄した。
洗浄後、得られた反応物のスラリーをろ過・乾燥することにより、硫化物系固体電解質を得た。
この硫化物系固体電解質を、グローブボックス内(Ar雰囲気下)でSUS製チューブに密閉し、300℃で2時間の加熱処理を施し、ガラスセラミック化した硫化物系固体電解質を得た。このガラスセラミック化した固体電解質粉末のX線回折測定では、2θ=17.8、18.2、19.8、21.8、23.8、25.9、29.5、30.0degにピークが観測された。
また、このガラスセラミック化した固体電解質のイオン伝導度は、1.3×10−3S/cmであった。
固体電解質の単体硫黄残量は、ガラスセラミック化処理前及び処理後、ともに0.023重量%であった。
ガラスセラミック化した硫化物系固体電解質を用いて電池を形成し、電池性能評価に従い評価した。その結果、充放電容量比率は0.85であった。また、0.2Cレートでの放電容量は136mAh/gであり、放電出力は0.504Wh/gであった。
実施例2
の代わりにSiS(Alfa Aesar社製)を用い、スラリー作製時の仕込み量をLiS 21.39gとSiS 28.61gに変えた以外は、実施例1と同様に処理を行ない、固体電解質を得た。
固体電解質の単体硫黄残量は、0.066重量%であった。
また、この固体電解質のイオン伝導度は、9.3×10−4S/cmであった。
この硫化物系固体電解質を用いて電池を形成し、電池性能評価に従い評価した。その結果、充放電容量比率は0.82であった。また、0.2Cレートでの放電容量は124mAh/gであり、放電出力は0.441Wh/gであった。
実施例3
の代わりにAl(三津和社製)を用い、スラリー作製時の仕込み量をLiS 15.89gとAl 28.61gに変えた以外は、実施例1と同様に処理を行ない、固体電解質を得た。
この固体電解質の単体硫黄残量は、0.37重量%であった。
比較例1
メカニカルミリング処理後、トルエンを使用した洗浄を行わなかった他は、実施例1と同様にし、硫化物系固体電解質を製造した。
この固体電解質の単体硫黄残量は、ガラスセラミック化処理前及び処理後、ともに2.53重量%であった。
また、このガラスセラミック化した固体電解質のイオン伝導度は、1.0×10−3S/cmであった。
ガラスセラミック化した硫化物系固体電解質を用いて電池を形成し、電池性能評価に従い評価した。その結果、充放電容量比率は0.68であった。また、0.2Cレートでの放電容量は103mAh/gであり、放電出力は0.359Wh/gであった。
本発明のリチウムイオン二次電池用固体電解質又は正極合材は、全固体リチウム二次電池に好適に使用できる。
本発明の全固体リチウム二次電池は、携帯情報末端、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを動力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等で使用するリチウム二次電池として使用できる。

Claims (10)

  1. 少なくともLiSと、
    、P、SiS、GeS、B及びAlから選択される1種以上の硫化物から合成され、単体硫黄成分が1重量%以下であるリチウムイオン二次電池用固体電解質(但し、31PNMRスペクトルの70〜−20ppmの領域に観測されるリン酸結合(PO4−x:xは1〜4の整数)のピーク面積が、前記スペクトルの170〜−20ppmの領域に観測される全リン元素のピーク面積の1〜50%である正極合材用硫化物系固体電解質であって、水分を含む有機溶媒で硫化物系固体電解質を処理された正極合材用硫化物系固体電解質は除く)。
  2. 前記単体硫黄成分が0.1重量%以下である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用固体電解質。
  3. 少なくともLiSとPから合成される、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用固体電解質。
  4. LiSとPから合成される、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用固体電解質。
  5. ガラス紛体である、請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用固体電解質。
  6. 前記Li Sの仕込み量は、出発原料の合計に対し30〜95mol%である請求項1〜5のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用固体電解質。
  7. 前記Li Sの仕込み量は、出発原料の合計に対し50〜75mol%である請求項1〜6のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用固体電解質。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用固体電解質と、
    Li元素と、Co、Ni、Mn及びFeから選択される1種以上の金属元素を含む複合酸化物を含有するリチウムイオン二次電池用正極合材。
  9. 請求項8に記載のリチウムイオン二次電池用正極合材を含む全固体リチウムイオン二次電池。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用固体電解質を含む全固体リチウムイオン二次電池。
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