JPWO2008001445A1 - 交流回転機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】交流回転機の温度変化の下でも、交流相電流の振幅の大きな変化を抑制し、交流回転機を安定して起動することができる交流回転機の制御装置を提案する。【解決手段】制御手段は、交流回転機に対する起動制御を含む制御を行なうように構成され、前記制御手段は、起動制御では、検出電流に基づいて前記交流回転機の抵抗降下に応じた抵抗降下成分を演算し、前記電圧指令から前記抵抗降下信号を減算した減算値に基づいて前記交流出力電圧の角周波数を調整し、併せて、前記制御手段は、起動制御では、交流相電流の振幅が所定の関数にしたがって変化するように、交流出力電圧の振幅を調整する。

Description

この発明は、電力変換器を用いて交流回転機を制御する交流回転機の制御装置に関するもので、とくに交流回転機をフリーラン状態などで起動する起動制御を行なう交流回転機の制御装置に関するものである。
交流回転機の回転角速度検出器を用いずに、電力変換器により交流回転機の可変速制御を行なう交流回転機の制御装置では、回転角速度検出器に必要な価格および配線を省略することができる。しかし、回転角速度検出器を用いないので、交流回転機がフリーラン状態、すなわち電力変換器が電力変換動作を停止して、交流回転機が任意の回転速度で回転している状態で起動するときに、交流回転機の回転速度を知ることができず、このため、交流回転機のトルクおよび回転速度に大きな変動を発生させずに、安定した起動を行なうことが困難である。
特開昭63−77397号公報(特許文献1)には、回転角速度検出器を用いずに、誘導電動機を起動する起動方法が開示されている。この特許文献1では、電力変換器の各相出力電圧を指令するスイッチ状態信号と直流電圧源の電圧検出値と電動機電流検出値を用いて電動機の瞬時磁束ベクトル信号および瞬時発生トルク信号が演算され、これらの電動機の瞬時磁束ベクトル信号と瞬時発生トルク信号を用いて、3個の制御フラグが発生される。これらの3個の制御フラグの組合せにより、トルク応答を最適化する電圧ベクトルを発生するように電力変換器のスイッチング状態が指定され、電動機の発生トルクが指令値に追従するように制御され、また磁束ベクトルが近似的円軌跡を描くように制御され、誘導電動機がフリーラン状態から起動される。この起動制御では、電力変換器における交流電圧の角周波数を、正常運転時に生じる最高角周波数よりも高く設定した後で、電力変換器の直流入力側の開閉器4が投入され、同期引き込みを行なう。
特開昭63−77397号公報
特許文献1では、誘導電動機における一次端子電圧ベクトル値と、一次端子電流ベクトルと、一次巻線抵抗とに基づき誘導電動機の瞬時磁束ベクトル信号が演算され、この瞬時磁束ベクトル信号が所望の値を保つように、電力変換器に対する電圧指令が補正される。しかし、誘導電動機が、例えば屋外に配置される場合、その温度は大きく変動し、例えば真冬では氷点下にあり、また誘導電動機の過負荷連続運転では、100℃を超える。特許文献1の制御装置は、この誘導電動機の温度変化の下で、誘導電動機の瞬時磁束ベクトル信号が所望の値を保つように、電力変換器に対する電圧指令を補正して起動するが、誘導電動機の温度変化に伴ない、誘導電動機に流れる交流相電流の振幅にも大きな変化が生じ、起動時に交流相電流が大きくなる不都合があり、最悪の場合には、保護機能が作動する事態が発生し、誘導電動機の起動ができない事態となる。また、特許文献1の制御装置では、瞬時磁束ベクトル信号が所望の値を保つように、電力変換器に対する電圧指令が補正されるので、補正の遅れのために、起動時に誘導電動機の出力トルクの乱れが生じ、ショックおよび回転数変動が起きる不都合がある。
この発明は、このような不都合を改善し、安定した起動を行なうことができる交流回転機の制御装置を提案するものである。
この発明による交流回転機の制御装置は、電流指令に基づき電圧指令を発生し、この電圧指令に基づきスイッチング指令を発生する制御手段、前記スイッチング指令に基づいて振幅と角周波数が制御された交流出力電圧を発生する電力変換器、この電力変換器に接続された少なくとも1つの交流回転機、および前記電力変換器から前記交流回転機に流れる交流相電流に基づいて検出電流を出力する電流検出器を備えた交流回転機の制御装置であって、前記制御手段は、前記交流回転機に対する起動制御を含む制御を行なうように構成され、前記制御手段は、前記起動制御では、前記検出電流に基づいて前記交流回転機の抵抗降下に応じた抵抗降下成分を演算し、前記電圧指令から前記抵抗降下信号を減算した減算出力に基づいて前記交流出力電圧の角周波数を調整し、併せて、前記制御手段は、前記起動制御では、前記交流相電流の振幅が所定の関数にしたがって変化するように、前記交流出力電圧の振幅を調整することを特徴とする。
この発明による交流回転機の制御装置では、制御手段が、起動制御では、検出電流に基づいて交流回転機の抵抗降下に応じた抵抗降下成分を演算し、電圧指令から抵抗降下信号を減算した減算出力に基づいて交流出力電圧の角周波数を調整するので、瞬時磁束ベクトル信号が所望の値を保つように、電力変換器に対する電圧指令を補正する従来の制御装置のような遅延を伴なうことなく、電力変換器の交流出力電圧の角周波数を調整することができ、併せて、電力変換器から交流回転機へ流れる交流相電流の振幅が所定の関数にしたがって変化するように、電力変換器の交流出力電圧の振幅を調整するので、交流回転機の温度変化の下でも、交流相電流の振幅の大きな変化を抑制し、交流回転機を安定して起動することができる。
この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態1を示すブロック図である。 実施の形態1における関数発生器とバンドパスフィルタの出力波形を示す波形図である。 この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態3を示すブロック図である。 この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態4を示すブロック図である。 この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態5を示すブロック図である。 この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態6を示すブロック図である。 この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態7を示すブロック図である。
以下この発明のいくつかの実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態1を示すブロック図である。この実施の形態1の交流回転機の制御装置は、電力変換器1と、交流回転機2と、電流検出器3と、制御回路10を含む。電力変換器1は、例えば三相電力変換器であり、直流電力と三相の交流電力との電力変換を行なう。電力変換器1は、直流電源に、互いに並列に接続されるU、V、Wの三相変換回路を含む。U、V、Wの各変換回路は、周知の通り、それぞれ正側と負側の一対のスイッチを含み、各変換回路の一対のスイッチの間に、三相の交流給電路1u、1v、1wが接続される。
電力変換器1は、具体的には、可変電圧可変周波数型の三相電力変換器として構成される。この電力変換器1は、制御回路10からスイッチング指令Su*、Sv*、Sw*を受け、直流電力を三相交流電力に変換するときには、このスイッチング指令Su*、Sv*、Sw*に基づき、制御された出力電圧と、制御された角周波数を持った三相交流電力を発生する。スイッチング指令Su*、Sv*、Sw*は、それぞれU、V、W相の変換回路に供給され、各変換回路の一対のスイッチを制御された位相でオン、オフする。
交流回転機2は、実施の形態1では交流誘導機2Iであり、具体的には、三相の誘導電動機であり、三相の交流給電路1u、1v、1wを介して電力変換器1に接続される。電流検出器3は、例えば交流給電路1u、1vに配置され、電力変換器1から交流誘導機2Iに流れる交流相電流、すなわちU相電流iuと、V相電流ivに基づいて検出電流idetを発生する。この検出電流idetは、U相検出電流iudet、V相電流成分ivdetを含む。U相電流成分iudetは、U相交流給電路1uに流れるU相電流iuに対応し、V相電流成分ivdetは、V相交流給電路1vに流れるV相電流ivに対応する。実施の形態1では、交流回転機2が交流誘導機2Iであるので、その起動期間に電力変換器1から交流誘導機2Iに流れる交流相電流iu、iv、iwは、交流誘導機2Iに対する励磁電流である。
制御回路10は、電圧指令発生手段11と、座標変換器31、32と、位相信号発生手段40を含む。電圧指令発生手段11は、直交するd軸とq軸を含む回転二軸座標上で、電圧指令v*を発生する。この電圧指令v*は、d軸電圧指令vd*とq軸電圧指令vq*を含む。電圧指令発生手段11は、起動電流指令手段12と、起動後の電流指令手段15と、切換手段18と、電流制御器20を含む。
起動電流指令手段12は、制御回路10により交流誘導機2Iの起動制御を行なうときに使用される。この起動制御は、電力変換器1が電力変換動作を停止し、交流誘導機2Iがフリーラン状態にあるときに、電力変換器1を起動してその電力変換動作を開始させ、この電力変換器1により交流誘導機2Iを起動するときに使用される。この起動制御は、交流誘導機2Iに電機子磁束φが立ち上がるまでの起動期間SPの期間中に実行される。この起動期間SPは、具体的には数10ミリ秒から数百ミリ秒であり、実施の形態1では、例えば100ミリ秒、すなわち100(msec)に設定される。起動電流指令手段12は、この起動期間SPにおいて、起動電流指令i1*を発生する。
起動電流指令手段12は、関数発生器13と、バンドパスフィルタ14を含み、起動電流指令i1*を発生する。起動電流指令i1*は、d軸起動電流指令id1*と、q軸電流指令iq1*を含む。バンドパスフィルタ14は関数発生器13に接続され、d軸起動電流指令id1*を発生する。q軸起動電流指令iq1*は、実施の形態1では、例えばゼロとされ、iq1*=0である。このq軸起動電流指令iq1*=0は、外部から与えられる。
起動後の電流指令手段15は、起動完了後に切換手段18を切換えることにより、起動電流指令手段12に代わって使用される。この起動後の電流指令手段15は、起動後の電流指令i2*を発生する。この起動後の電流指令i2*は、d軸電流指令id2*とq軸電流指令iq2*を含む。電流指令回路15は、d軸電流指令器16と、比例ゲイン乗算器17を有する。d軸電流指令器16は、起動後のd軸電流指令id2*を発生する。比例ゲイン乗算器17は、トルク指令τ*を受け、このトルク指令τ*に比例ゲインKを乗算して、q軸電流指令Iq2*を発生する。iq2*=τ*×Kである。
切換手段18は、起動期間SPの経過後に、起動電流指令手段12から、起動後の電流指令手段15への切換えを行なう。この切換手段18は、起動期間SPには、起動電流指令手段12から起動電流指令i1*を電流指令i*として電流制御器20に供給し、起動期間SPが経過した後は、起動後の電流指令手段15から電流指令i2*を電流指令i*として電流制御器20に供給する。この切換手段18は、d軸切換スイッチ18dと、q軸切換スイッチ18qを含む。d軸切換スイッチ18dは、d軸起動電流指令id1*と、起動後のd軸電流指令id2*との切換えを行なう。q軸切換スイッチ18qは、q軸起動電流指令iq1*と、起動後のq軸電流指令iq2*との切換を行なう。これらの切換スイッチ18d、18qは、互いに連動して切換えられる。起動期間SPでは、切換スイッチ18dはd軸起動電流指令id1*を選択し、このd軸起動電流指令id1*をd軸電流指令id*として電流制御器20に供給し、また切換スイッチ18qはq軸起動電流指令iq1*を選択し、このq軸起動電流指令iq1*をq軸電流指令iq*として電流制御器20に供給する。起動期間SPが経過した後には、切換スイッチ18d、18qがともに切換えられ、切換スイッチ18dは起動後のd軸電流指令id2*を選択し、このd軸電流指令id2*をd軸電流指令id*として電流制御器20に供給し、また切換スイッチ18qは起動後のq軸電流指令iq2*を選択し、このq軸電流指令iq2*をq軸電流指令iq*として電流制御器20に供給する。
図2(a)は、起動電流指令手段12の関数発生器13から出力されるステップ状関数指令is*を示し、図2(b)はそれに基づいて、バンドパスフィルタ14から出力されるフィルタ関数指令if*を例示する。実施の形態1では、フィルタ関数指令if*がd軸起動電流指令id1*として出力される。図2(a)(b)において、横軸は共通な時間軸である。関数発生器13のステップ状関数指令is*は、時刻0.1(秒)において、立ち上がるステップ状波形であるが、バンドパスフィルタ14から出力されるフィルタ関数指令if*は、時間経過とともに減少する。実施の形態1では、交流誘導機2Iの角周波数の制御範囲を1〜60(Hz)とし、バンドパスフィルタ14の通過帯域幅も、それに合わせて1〜60(Hz)とした。
バンドパスフィルタ14を使用しないものでは、関数発生器13のステップ状関数指令is*をd軸起動電流指令id1*として電流制御器20に供給するが、例えば交流回転機2が交流誘導機2Iであり、この誘導誘導機2Iを起動する場合には、交流誘導機2Iの回転角周波数成分を含む電圧および電流を指令すれば十分であり、これらの指令に必要な周波数以外の周波数成分は供給しなくても、交流誘導機2Iを起動することができる。図2(a)に示す関数発生器13のステップ状関数指令is*では、すべての周波数帯域について等しい振幅となるが、バンドパスフィルタ14から出力されるフィルタ関数指令if*は、起動に必要な周波数帯域だけを抽出するので、関数発生器13のステップ状関数指令is*をd軸起動電流指令id1*とするものと比較して、電力変換器1の電流振幅を小さく抑制することができる。
電力変換器1の電流耐量特性が、短時間に発生する電流に対して寛大であるような場合においては、関数発生器13のステップ状関数指令is*をd軸起動電流指令id1*とするよりも、バンドパスフィルタ14のフィルタ関数指令if*をd軸起動電流指令id1*とする方が、より大きなd軸起動電流指令id1*を与えることができ、交流回転機2から得られる検出電流idetの精度を向上し、位相信号発生回路40による角周波数ωの演算精度を向上することができる。このようにバンドパスフィルタ14は、不要な信号成分をカットしたフィルタ関数指令if*を生成するので、起動期間SPにおいて、起動に不必要な無駄な電流指令成分を給電せずに、効率的に交流回転機2を起動することができる。
なお、関数発生器13は、ステップ状関数指令is*を発生するものとしたが、ステップ状関数指令is*の代わりに、M系列信号または乱数表を利用した擬似雑音信号を発生するようにすることもできる。この場合にも、バンドパスフィルタ14は、起動に必要な周波数成分だけを通過させ、フィルタ関数指令if*を発生するので、起動のための無駄な電流成分を供給することなく、効率的に起動を行なうことができる。
座標変換器31は、直交するd軸とq軸を含む回転二軸座標から三相時間座標への座標変換器であり、電圧指令v*を受けて、スイッチング指令Su*、Sv*、Sw*を発生する。このスイッチング指令Su*、Sv*、Sw*は、電力変換器1へ供給される。座標変換器32は、三相時間座標から、直交するd軸とq軸を含む回転二軸座標への座標変換器であり、電流検出器3から検出電流idetを受けて、それを直交するd軸とq軸を含む回転二軸座標上の検出電流iに変換する。この回転二軸座標上の検出電流iは、d軸検出電流idと、q軸検出電流iqを含む。
d軸検出電流idと、q軸検出電流iqは、ともに電圧指令発生手段11の電流制御器20に供給される。電流制御器20は、d軸電流指令Id*と、q軸電流指令iq*とともに、d軸検出電流idとq軸検出電流iqを受け、d軸検出電流idをd軸電流指令id*に等しくし、またq軸検出電流iqをq軸電流指令iq*に等しくするように、d軸電圧指令vd*とq軸電圧指令vq*を発生する。
前述のように起動期間SPでは、制御手段10は起動電流指令手段12を使用し、この起動電流指令手段12の起動電流指令id*に基づいて電圧指令v*を発生し、この電圧指令v*に基づき、座標変換器31によりスイッチング指令Su*、Sv*、Sw*を発生し、電力変換器1を起動する。この起動期間SPにおいて、電力変換器1から交流誘導機2Iへ流れる交流相電流iu、iv、iwは、交流誘導機2Iに対する励磁電流であり、この交流相電流iu、iv、iwの振幅は、起動電流指令i1*により決定される。起動電流指令i1*では、d軸起動電流指令id1*は、バンドパスフィルタ14から出力されるフィルタ関数指令if*とされ、また、q軸電流指令iq1*はゼロとされる。
交流相電流iu、iv、iwの振幅をiaとすると、この振幅iaは次の式(1)で表わされる。
ia=a×{(id*2+(iq*21/2・・・(1)
ただし、aは定数である。
起動期間SPでは、id1*=id*であり、またiq1*=iq*=0であるので、振幅iaは、次の式(2)となる。
ia=a×id1*・・・(2)
言い換えれば、交流相電流iu、iv、iwの振幅は、式(2)の通りd軸起動電流指令iq1*により決定される。交流誘導機2Iなどの交流回転機2が、例えば屋外に配置される場合、その温度は大きく変動し、例えば真冬では氷点下にあり、また交流回転機2の過負荷連続運転では、100℃を超えるので、交流回転機2の電機子抵抗Rは、その温度の変化に伴なって大きく変動する。しかし、実施の形態1では、起動期間SPでは、交流相電流iu、iv、iwの振幅は、d軸起動電流指令id1*により決定され、電流制御器20により電流制御するので、交流回転機2の温度変化の影響を受けない。したがって、起動期間SPにおいて、この交流相電流iu、iv、iwの振幅が、交流回転機2の温度変化に伴ない、大きく変化することはなく、保護機能が作動するような事態は発生せず、交流回転機2を安定して起動できる。
次に位相信号発生手段40について説明する。この位相信号発生手段40は、交流回転機2の抵抗降下演算手段41と、減算手段43と、積分器45と、除算器46と、積分器47を含む。抵抗降下演算手段41は、d軸抵抗降下演算器41dと、q軸抵抗降下演算器41qを含む。d軸抵抗降下演算器41dには、座標変換器32からd軸検出電流idが供給され、このd軸検出電流idに、交流回転機2の電機子抵抗Rを乗算して、d軸抵抗降下成分(R×id)を出力する。q軸抵抗降下演算器41qには、座標変換器32からq軸検出電流iqが供給され、このq軸検出電流iqに交流回転機2の電機子抵抗Rを乗算して、q軸抵抗降下成分(R×iq)を出力する。
減算手段43は、d軸減算器43dとq軸減算器43qを含む。d軸減算器43dには、電流制御器20からd軸電圧指令vd*が供給され、またd軸抵抗降下演算器41dからd軸抵抗降下成分(R×id)が供給される。このd軸減算器43dは、d軸電圧指令vd*からd軸抵抗降下成分(R×id)を減算し、それらの減算出力(vd*−R×id)を出力する。q軸減算器43qには、電流制御器20からq軸電圧指令vq*が供給され、またq軸抵抗降下演算器41qからq軸抵抗降下成分(R×iq)が供給される。このq軸減算器43qは、d軸電圧指令vq*からq軸抵抗降下成分(R×iq)を減算し、それらの減算出力(vq*−R×iq)を出力する。
積分器45には、d軸減算器43dから減算出力(vd*−R×id)が供給される。積分器45は、この減算出力(vd*−R×id)を積分し、積分出力φdを出力する。この積分出力φdは、交流回転機2の電機子磁束φを、直交するd軸とq軸を含む回転二軸座標上のd軸成分φdとq軸成分φqに分解し、そのq軸成分φqをゼロとしたときのd軸成分φdに相当する。除算器46には、q軸減算器43qから減算出力(vq*−R×iq)が供給され、また積分器45から積分出力φdが供給される。除算器46は、減算出力(vq*−R×iq)を積分出力φdで除算して、除算出力ωを発生する。すなわち、この除算出力ωは、次の式(3)で表わされる。
ω=(vq*−R×iq)/φd
=(vq*−R×iq)/∫(vd*−R×id)・・・(3)
この除算出力ωは、交流回転機2の電機子磁束φのq軸成分φqをゼロとしたときに、電力変換器1から出力される交流出力電圧の角周波数ωに相当する。
積分器47には、除算器46から除算出力ωが供給され、この除算出力ωを積分して、位相信号θを発生する。この除算出力ωは、交流回転機2の電機子磁束φのq軸成分φqをゼロとしたときに、電力変換器1から出力される交流出力電圧の位相θに相当する。この位相信号θは、座標変換器31、32に供給される。座標変換器31は、この位相信号θにより、直交するd、q軸を含む回転二軸座標上の電圧指令v*を三相時間座標上のスイッチング指令Su*、Sv*、Sw*に変換し、また座標変換器32は、位相信号θにより、三相時間軸上の検出電流iudet、ivdetを、直交するd、q軸を含む回転二軸座標のd、q軸上の検出電流id、iqに変換する。
このように、位相信号発生手段40では、電流検出器3により検出した検出電流idetに基づいて、交流回転機2のd軸抵抗降下成分(R×id)およびq軸抵抗降下成分(R×iq)を演算し、d軸電圧指令vd*およびq軸電圧指令vq*からこれらのd軸抵抗降下成分(R×id)およびq軸抵抗降下成分(R×iq)をそれぞれ減算し、その減算出力(vd*−R×id)、(vq*−R×iq)に基づいて交流回転機2に流れる交流相電流iu、iv、iwの角周波数ωを演算するので、電力変換器1から出力される交流出力電圧の角周波数を、この交流回転機に流れる交流相電流iu、iv、iwの角周波数に一致するように調整することができる。
位相信号発生手段40で演算する角周波数ωについて、さらに説明する。直交するd軸とq軸を含む回転二軸座標が任意の角周波数ωで回転している場合、交流回転機2の電機子磁束φのd軸成分φdとq軸成分φqは、次の式(4)(5)で表わされる。
φd=∫(vd*−R×id+ω×φq)dt・・・(4)
φq=∫(vq*−R×iq−ω×φd)dt・・・(5)
ただし、vd*、vq*は、電圧指令発生手段11の電流制御器20により発生される回転二軸座標上の電圧指令であり、id、iqは、交流回転機2に流れる交流相電流iu、ivに応じた検出電流iudet、ivdetを座標変換器32により回転二軸座標上に変換した検出電流である。
また、交流回転機2の出力トルクτmは、次の式(6)で表わされる。
τm=Pm×(φd×iq−φq×id)・・・(6)
ただし、Pmは、交流回転機2の対極数である。
回転二軸座標のd軸方向と電機子磁束φの方向とが一致している場合には、電機子磁束φのq軸成分φqはゼロとなり、φq=0である。そこで、式(4)(5)にそれぞれφq=0を代入すると、次の式(7)(8)(9)が得られる。
φd=∫(vd*−R×id)dt・・・(7)
vq*−R×iq−ω×φd=0・・・(8)
ω=(vq*−R×iq)÷φd・・・(9)
言い換えると、直交するd、q軸を含む回転二軸座標を式(7)(8)(9)にしたがって演算した角周波数ωに同期して回転させれば、回転二軸座標のd軸方向と電機子磁束φの方向を一致させることができ、電機子磁束φのq軸成分φqをゼロ、すなわちφq=0とすることができる。
位相信号発生手段40は、この式(7)(8)(9)にしたがって、角周波数ωを演算する。d軸減算器43dは、式(7)における(vd*−R×id)を演算し、積分器45は式(7)で表わされる電機子磁束φのd軸成分φdを演算する。q軸減算器43qは、式(9)における(vq*−R×iq)を演算し、除算器47は、式(9)で表わされる角周波数ωを演算する。位相信号θは、角周波数ωに基づき算出され、座標変換器31、32の座標変換を制御するので、結果として、直交するd、q軸を含む回転二軸座標は、式(9)にしたがって演算した角周波数ωに同期して回転し、回転二軸座標のd軸方向と電機子磁束φの方向を一致させることができ、電機子磁束φのq軸成分φqをゼロ、すなわちφq=0とすることができる。電力変換器1から出力される交流出力電圧の角周波数は、回転二軸座標の回転角周波数ωに対応して、この回転二軸座標の回転角周波数と等しくなるように制御されるので、この電力変換器1から出力される交流出力電圧の角周波数は、交流回転機に流れる交流相電流iu、iv、iwの角周波数に一致するように調整される。
加えて、実施の形態1では、電力変換器1から出力される交流出力電圧の角周波数の制御に併せ、起動電流指令回路12が、起動期間SPにq軸起動電流指令iq1*=0を、q軸電流指令iq*として電流制御器20に供給する。したがって、起動期間SPでは、φqとともにiq*もゼロとされる。すなわちiq*=0であり、φq=0である。このため、起動期間SPには、式(6)の(φd×iq−φq×id)はゼロとなり、交流回転機2の出力トルクτmはゼロ、すなわちτm=0に保持される。
以上のように実施の形態1では、回転二軸座標の角周波数ωは、座標変換器31、32に対する位相信号θにより制御されるので、遅れもなく、電力変換器1から出力される交流出力電圧の角周波数を、交流回転機2に流れる交流相電流iu、iv、iwの角周波数に一致させることができ、併せて、起動期間SPにおいて、交流回転機2の出力トルクτmをゼロにして、フリーラン状態にある交流回転機2を起動することにより、交流回転機2の出力トルクが起動期間SPで変動するのを防止し、交流回転機2にショックおよび回転数変動が発生するのを抑制することができる。特許文献1の従来の制御装置では、角周波数ωに基づき、電力変換器の出力電圧の角周波数を補正するため、補正の遅延により軸ずれが発生するが、実施の形態1では、この補正の遅延による軸ずれを解消し、ショックおよび回転数変動を抑制して交流回転機2を起動することができる。
また、実施の形態1では、電流制御器20に供給される起動電流指令i1*は、交流回転機2の電機子抵抗Rに無関係に、起動電流指令回路12から与えられ、交流相電流iu、iv、iwの振幅を決定する。したがって、交流回転機2の温度条件によって、交流回転機2の電機子抵抗Rが変化しても、起動電流指令i1*は、この電機子抵抗Rの影響を受けない。したがって、起動期間SPにおいて、交流回転機2の温度条件に伴ない、その電機子抵抗Rが変化しても、交流回転機2に流れる交流電流の振幅が変動することはなく、その結果、起動期間SPにおいて過電流保護などの保護機能が作動するような事態を回避して、安定した起動を行なうことができる。
また、実施の形態1では、起動電流指令回路12により、起動期間SPにおけるq軸起動電流指令iq1*をゼロに保持するとともに、電流制御器20で発生させるq軸電圧指令vq*の起動期間SPにおける初期値をゼロとして起動を行なう。この場合、起動期間SPのスタート時点では、iq1*=0、vq*=0となる。したがって、起動期間SPのスタート時点では、q軸減算器43qの減算出力(vq*−R×iq)もゼロとなり、除算器46の除算出力ωもゼロとなる。言い換えれば、起動期間SPのスタート時点では、角周波数ωがゼロとなり、この角周波数ωは、起動期間SPの経過とともに上昇する。
特許文献1の制御装置では、起動期間のスタート時点で、電力変換器の角周波数を、電力変換器の正常運転時に生じる最高の角周波数よりも高く設定するので、起動期間のスタート時点で、電力変換器の角周波数は正または負のいずれかを選択した上で、最高角周波数以上の周波数に設定する必要があり、交流回転機の回転方向に応じて起動応答が異なる結果になる。実施の形態1では、起動期間SPのスタート時点で、電力変換器1の角周波数ωをゼロとして起動を行なうので、交流回転機2の回転方向に無関係に、常に安定した起動を行なうことができる。
なお、実施の形態1では、起動期間SPにおいて、q軸起動電流iq1*をゼロに保持するが、起動期間SPにおいて、q軸起動電流指令iq1*をゼロ以外の所定値に保持するようにしても、同様な効果を得ることができる。この場合、電機子磁束φのd軸成分φdは、d軸起動電流指令id1*の増加に伴ないゼロから増大し、交流回転機2の出力トルクτmは、電機子磁束のd軸成分φdの増加に伴ない増大する。しかし、起動期間SPにおいて、d軸起動電流指令id1*がゼロから増大するので、交流回転機2の出力トルクτmもゼロから増大する結果になり、大きなショックおよび急激な回転数変動を抑制しながら、交流回転機2を安定して起動することができる。
実施の形態2.
実施の形態1は、交流回転機2がフリーラン状態にあるときに、交流回転機2を起動するものであるが、この実施の形態2は、交流回転機2が、フリーラン状態にあるか、停止状態のあるか判別できないときに、交流回転機2を起動するものである。制御回路10は、実施の形態1と同じに構成され、電力変換器1を起動し、交流回転機2を起動する。交流回転機2が、フリーラン状態にあるときの起動制御は、実施の形態1と同じであり、また、交流回転機2が停止状態にある場合にも、それと同様にして、安定な起動を行なうことができる。
交流回転機2が停止状態にあるときには、起動期間SPのスタート時点では、交流回転機2の回転角周波数はゼロであり、位相信号発生回路40で演算される角周波数ωもゼロとなるが、電力変換器1が起動されるに伴ない、交流回転機2の電機子磁束φが徐々に立ち上がり、安定した起動を行なうことができる。
実施の形態3.
図3は、この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態2を示すブロック図である。この実施の形態3は、実施の形態1における制御手段10が制御手段10Aに置き換えられ、この制御手段10Aでは、実施の形態1の起動電流指令手段12が起動電流指令手段12Aに置き換えられる。この起動電流指令手段12Aでは、バンドパスフィルタ14が除去され、関数発生器13から、ステップ状関数指令is*をd軸起動電流指令id1*として、切換手段18のd軸切換スイッチ18dを通じて、電流制御器20に供給する。その他は、実施の形態1または2と同じに構成される。
この実施の形態3では、バンドパスフィルタ14により、起動電流指令Id1*の無駄な成分をカットすることはできないが、その他は実施の形態1または2と同じ効果を得ることができる。
実施の形態4.
図4は、この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態4を示すブロック図である。この実施の形態4では、交流回転機2として、同期機2Sを使用する。この同期機2Sは、具体的には、例えば三相同期電動機である。
交流回転機2が同期機2Sであっても、式(1)〜式(9)は同様に成立するので、実施の形態4でも、基本的には、実施の形態1と同じ起動制御が行なわれる。この実施の形態4では、同期機2Sの使用に伴ない、実施の形態1の制御手段10が制御手段10Bに置き換えられ、この制御手段10Bでは、実施の形態1の起動電流指令手段12が起動電流指令手段12Bに置き換えられる。この起動電流指令手段12Bでは、q軸起動電流指令iq1*をゼロにするとともに、d軸起動電流指令id1*もゼロ、すなわちid1*=0とし、このid1*=0を切換手段18のd軸切換スイッチ18dを通じて電流制御器20に供給する。q軸起動電流指令iq1*=0は、実施の形態1と同様に、切換手段のq軸切換スイッチ18qを通じて電流制御器20に供給される。その他は、実施の形態1と同じに構成される。
実施の形態1では交流回転機2が誘導機2Iであり、このフリーラン状態にある誘導機2Iを起動するには、誘導機2Iに回転角速度成分の電圧および電流の給電が必要であるが、フリーラン状態にある同期機2Sを起動する場合には、回転子に起因する誘起電圧が同期機2Sに発生するので、電力変換器1から回転角速度成分の電圧および電流を供給する必要がなく、このため、d軸起動電流指令id1*をゼロにしている。同期機2Sを起動するとき、その起動期間SPのスタート時点において、極く短時間に、同期機2Sに発生する誘起電圧を打ち消すように、交流相電流iu、iv、iwが流れるので、この交流相電流iu、iv、iwに基づき、実施の形態1と同様に、位相信号発生手段40が角周波数ωを演算し、この角周波数ωに基づき、電力変換器1の交流出力電圧の角周波数を制御する。この実施の形態4では、d軸起動電流指令id1*をゼロにすることにより、無駄な電流を同期機2Sに給電することなく、効率的に同期機2Sを起動することができる。なお、q軸起動電流指令iq1*は、実施の形態1と同様にゼロとしているが、ゼロ以外の所定値とすることもできる。
実施の形態5.
図5は、この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態5を示すブロック図である。この実施の形態5でも、実施の形態4と同様に、交流回転機2として、同期機2Sを使用する。
実施の形態5では、実施の形態4における制御手段10Bが制御手段10Cに置き換えられ、この制御手段10Cでは、実施の形態4の起動電流指令手段12Bが起動電流指令手段12Cに置き換えられる。この起動電流指令手段12Cでは、d軸起動電流指令器19が使用され、起動期間SPにおいて、d軸起動電流指令id1*が、このd軸起動電流指令id1*から、切換手段18のd軸切換スイッチ18dを通じて電流制御器20に供給される。このd軸起動電流指令器19には、d軸起動電流指令id1*=0とする外部指令i0=0と、位相信号発生手段40の除算器46から角周波数ωとが供給される。その他は、実施の形態4と同じに構成される。
d軸起動電流指令器19は、除算器46からの角周波数ωの絶対値が所定値ωBASEより小さい場合には、外部指令i0に基づき、d軸起動電流指令id1*をゼロ、すなわちid1*=0とする。また、d軸起動電流指令器13Aは、除算器46からの角周波数ωの絶対値が所定値ωBASE以上の場合には、外部指令i0に基づき、d軸起動電流指令id1*を(A−B/ω)とする。
これを式で表わすと、次の式(10)となる。
id1*=0 (|ω|<ωBASEのとき)
id1*=A−B/ω (|ω|≧ωBASEのとき)・・・(10)
ただし、A、Bは定数、ωBASE=B/Aである。
このd軸起動電流指令器19を使用することにより、角周波数ωの絶対値がωBASEより小さいときには、同期機2Sを起動するために無駄な電流を同期機2Sに供給することなく、効率的に同期機2Sを起動し、また角周波数ωの絶対値がωBASE以上のときには、A−B/ωを負値として、弱め磁束制御を行ない。電力変換器1の電圧飽和を防止することができる。なお、q軸起動電流指令iq1*は、実施の形態1と同様にゼロとしているが、ゼロ以外の所定値とすることもできる。
実施の形態6.
図6は、この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態6を示すブロック図である。この実施の形態6は、電力変換器1に2台の交流回転機、具体的には2台の誘導機2I1、2I2を互いに並列に接続したものである。誘導機2I1、2I2は、互いに定格の等しい三相誘導電動機であり、例えば電気車に搭載され、電気車を駆動する。
誘導機2I1、2I2は、互いに等しい電機子抵抗Rを有する。この誘導機2I1、2I2は電力変換器1に互いに並列に接続されるので、電力変換器1から見た合成電機子抵抗は、(R/2)となる。この実施の形態6では、実施の形態1における制御手段10が制御手段10Dに置き換えられ、この制御手段10Dでは、実施の形態1の位相信号発生手段40が位相信号発生手段40Dに置き換えられる。この位相信号発生手段40Dは、抵抗降下演算回路41Dを有し、この抵抗降下演算手段41Dは、d軸抵抗降下演算器411dとq軸抵抗降下演算器411qを有する。その他は、実施の形態1と同じに構成される。
d軸抵抗降下演算器411dは、座標変換器32からd軸検出電流idの供給を受け、このd軸検出電流idに(R/2)を乗算し、d軸抵抗降下{(R/2)×id}を出力する。q軸抵抗降下演算器411qは、座標変換器32からq軸検出電流iqの供給を受け、このq軸検出電流iqに(R/2)を乗算し、q軸抵抗降下{(R/2)×iq}を出力する。これらのd軸抵抗降下とq軸抵抗降下に基づき、d軸減算器43dは、減算出力{vd*−(R/2)×id}を出力し、q軸減算器43qは、減算出力{vq*−(R/2)×iq}を出力する。また、積分器45は、積分出力∫{vd*−(R/2)×id}dtを出力するので、この実施の形態6における除算器46の除算出力ωは、次の式(11)となる。
ω=∫{vd*−(R/2)×id}dt÷{vq*−(R/2)×iq}・・・(11)
実施の形態6の位相信号発生手段40Dは、式(11)にしたがって角周波数ωを演算し、電力変換器1の交流出力電圧の角周波数はこの角周波数ωに等しくなるように制御される。この実施の形態6でも、フリーラン状態にある2台の誘導機2I1、2I2を、実施の形態1と同様に、安定して起動することができる。3台以上の誘導機を電力変換器1に並列に接続する場合には、その接続台数に応じて抵抗降下演算回路41Dにおける乗算係数を調整することにより、同様に、フリーラン状態にある3台以上の誘導機を安定して起動することができる。
実施の形態7.
図7は、この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態7を示すブロック図である。この実施の形態7は、電力変換器1に、2台の交流回転機、具体的には2台の同期機2S1、2S2を互いに並列に接続したものである。同期機2S1、2S2は、例えば、互いに定格の等しい三相同期電動機である。同期機2S1、2S2の使用に伴ない、実施の形態6の制御手段10Dが制御手段10Eに置き換えられ、この制御手段10Eでは、制御手段10Dの起動電流指令手段12が起動電流指令手段12Bに置き換えられる。この起動電流指令手段12Bは、実施の形態4と同じである。その他は、実施の形態6と同じに構成される。
フリーラン状態にある同期機2S1、2S2を起動するとき、同期機2S1、2S2の磁極位置が一致すると、これらの同期機2S1、2S2の間に循環電流が流れない。フリーラン状態にある同期機2S1、2S2を起動する場合に、同期機2S1、2S2が無負荷であれば、それらの同期機2S1、2S2に循環電流が流れない状態が安定状態であり、この安定状態において、同期機2S1、2S2を起動する。この場合、電力変換器1から見た合成電機子抵抗は(R/2)となるので、実施の形態6と同じ位相信号発生手段40Dを用いて、フリーラン状態にある2台の同期機2S1、2S2を、実施の形態4と同様に、安定して起動することができる。3台以上の同期機を電力変換器1に並列に接続する場合には、その接続台数に応じて抵抗降下演算回路41Dにおける乗算係数を調整することにより、同様に、フリーラン状態にある3台以上の同期機を安定して起動することができる。
この発明による交流回転機の制御装置は、誘導機、同期機などの交流回転機の制御装置に利用される。
この発明は、電力変換器を用いて交流回転機を制御する交流回転機の制御装置に関するもので、とくに交流回転機をフリーラン状態などで起動する起動制御を行なう交流回転機の制御装置に関するものである。
交流回転機の回転角速度検出器を用いずに、電力変換器により交流回転機の可変速制御を行なう交流回転機の制御装置では、回転角速度検出器に必要な価格および配線を省略することができる。しかし、回転角速度検出器を用いないので、交流回転機がフリーラン状態、すなわち電力変換器が電力変換動作を停止して、交流回転機が任意の回転速度で回転している状態で起動するときに、交流回転機の回転速度を知ることができず、このため、交流回転機のトルクおよび回転速度に大きな変動を発生させずに、安定した起動を行なうことが困難である。
特開昭63−77397号公報(特許文献1)には、回転角速度検出器を用いずに、誘導電動機を起動する起動方法が開示されている。この特許文献1では、電力変換器の各相出力電圧を指令するスイッチ状態信号と直流電圧源の電圧検出値と電動機電流検出値を用いて電動機の瞬時磁束ベクトル信号および瞬時発生トルク信号が演算され、これらの電動機の瞬時磁束ベクトル信号と瞬時発生トルク信号を用いて、3個の制御フラグが発生される。これらの3個の制御フラグの組合せにより、トルク応答を最適化する電圧ベクトルを発生するように電力変換器のスイッチング状態が指定され、電動機の発生トルクが指令値に追従するように制御され、また磁束ベクトルが近似的円軌跡を描くように制御され、誘導電動機がフリーラン状態から起動される。この起動制御では、電力変換器における交流電圧の角周波数を、正常運転時に生じる最高角周波数よりも高く設定した後で、電力変換器の直流入力側の開閉器4が投入され、同期引き込みを行なう。
特開昭63−77397号公報
特許文献1では、誘導電動機における一次端子電圧ベクトル値と、一次端子電流ベクトルと、一次巻線抵抗とに基づき誘導電動機の瞬時磁束ベクトル信号が演算され、この瞬時磁束ベクトル信号が所望の値を保つように、電力変換器に対する電圧指令が補正される。しかし、誘導電動機が、例えば屋外に配置される場合、その温度は大きく変動し、例えば真冬では氷点下にあり、また誘導電動機の過負荷連続運転では、100℃を超える。特許文献1の制御装置は、この誘導電動機の温度変化の下で、誘導電動機の瞬時磁束ベクトル信号が所望の値を保つように、電力変換器に対する電圧指令を補正して起動するが、誘導電動機の温度変化に伴ない、誘導電動機に流れる交流相電流の振幅にも大きな変化が生じ、起動時に交流相電流が大きくなる不都合があり、最悪の場合には、保護機能が作動する事態が発生し、誘導電動機の起動ができない事態となる。また、特許文献1の制御装置では、瞬時磁束ベクトル信号が所望の値を保つように、電力変換器に対する電圧指令が補正されるので、補正の遅れのために、起動時に誘導電動機の出力トルクの乱れが生じ、ショックおよび回転数変動が起きる不都合がある。
この発明は、このような不都合を改善し、安定した起動を行なうことができる交流回転機の制御装置を提案するものである。
この発明による交流回転機の制御装置は、電流指令に基づき電圧指令を発生し、この電圧指令に基づきスイッチング指令を発生する制御手段、前記スイッチング指令に基づいて振幅と角周波数が制御された交流出力電圧を発生する電力変換器、この電力変換器に接続された少なくとも1つの交流回転機、および前記電力変換器から前記交流回転機に流れる交流相電流に基づいて検出電流を出力する電流検出器を備えた交流回転機の制御装置であって、前記制御手段は、前記交流回転機に対する起動制御を含む制御を行なうように構成され、前記制御手段は、前記起動制御では、前記検出電流に基づいて前記交流回転機の抵抗降下に応じた抵抗降下成分を演算し、前記電圧指令から前記抵抗降下成分を減算した減算出力に基づいて前記交流出力電圧の角周波数を調整し、併せて、前記制御手段は、前記起動制御では、その起動期間において、前記交流相電流の振幅が所定の関数にしたがって変化するように、前記交流出力電圧の振幅を調整し、また、前記起動期間のスタート時点では、前記交流出力電圧の角周波数をゼロに制御することを特徴とする。
この発明による交流回転機の制御装置では、制御手段が、起動制御では、検出電流に基づいて交流回転機の抵抗降下に応じた抵抗降下成分を演算し、電圧指令から抵抗降下成分を減算した減算出力に基づいて交流出力電圧の角周波数を調整するので、瞬時磁束ベクトル信号が所望の値を保つように、電力変換器に対する電圧指令を補正する従来の制御装置のような遅延を伴なうことなく、電力変換器の交流出力電圧の角周波数を調整することができ、併せて、電力変換器から交流回転機へ流れる交流相電流の振幅が所定の関数にしたがって変化するように、電力変換器の交流出力電圧の振幅を調整するので、交流回転機の温度変化の下でも、交流相電流の振幅の大きな変化を抑制し、交流回転機を安定して起動することができる。
以下この発明のいくつかの実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態1を示すブロック図である。この実施の形態1の交流回転機の制御装置は、電力変換器1と、交流回転機2と、電流検出器3と、制御手段10を含む。電力変換器1は、例えば三相電力変換器であり、直流電力と三相の交流電力との電力変換を行なう。電力変換器1は、直流電源に、互いに並列に接続されるU、V、Wの三相変換回路を含む。U、V、Wの各変換回路は、周知の通り、それぞれ正側と負側の一対のスイッチを含み、各変換回路の一対のスイッチの間に、三相の交流給電路1u、1v、1wが接続される。
電力変換器1は、具体的には、可変電圧可変周波数型の三相電力変換器として構成される。この電力変換器1は、制御手段10からスイッチング指令Su*、Sv*、Sw*を受け、直流電力を三相交流電力に変換するときには、このスイッチング指令Su*、Sv*、Sw*に基づき、制御された出力電圧と、制御された角周波数を持った三相交流電力を発生する。スイッチング指令Su*、Sv*、Sw*は、それぞれU、V、W相の変換回路に供給され、各変換回路の一対のスイッチを制御された位相でオン、オフする。
交流回転機2は、実施の形態1では交流誘導機2Iであり、具体的には、三相の誘導電動機であり、三相の交流給電路1u、1v、1wを介して電力変換器1に接続される。電流検出器3は、例えば交流給電路1u、1vに配置され、電力変換器1から交流誘導機2Iに流れる交流相電流、すなわちU相電流iuと、V相電流ivに基づいて検出電流idetを発生する。この検出電流idetは、U相検出電流成分iudet、V相検出電流成分ivdetを含む。U相検出電流成分iudetは、U相交流給電路1uに流れるU相電流iuに対応し、V相検出電流成分ivdetは、V相交流給電路1vに流れるV相電流ivに対応する。実施の形態1では、交流回転機2が交流誘導機2Iであるので、その起動期間に電力変換器1から交流誘導機2Iに流れる交流相電流iu、iv、iwは、交流誘導機2Iに対する励磁電流である。
制御手段10は、電圧指令発生手段11と、座標変換器31、32と、位相信号発生手段40を含む。電圧指令発生手段11は、直交するd軸とq軸を含む回転二軸座標上で、電圧指令v*を発生する。この電圧指令v*は、d軸電圧指令vd*とq軸電圧指令vq*を含む。電圧指令発生手段11は、起動電流指令手段12と、起動後の電流指令手段15と、切換手段18と、電流制御器20を含む。
起動電流指令手段12は、制御手段10により交流誘導機2Iの起動制御を行なうときに使用される。この起動制御は、電力変換器1が電力変換動作を停止し、交流誘導機2Iがフリーラン状態にあるときに、電力変換器1を起動してその電力変換動作を開始させ、この電力変換器1により交流誘導機2Iを起動するときに使用される。この起動制御は、交流誘導機2Iに電機子磁束φが立ち上がるまでの起動期間SPの期間中に実行される。この起動期間SPは、具体的には数10ミリ秒から数百ミリ秒であり、実施の形態1では、例えば100ミリ秒、すなわち100(msec)に設定される。起動電流指令手段12は、この起動期間SPにおいて、起動電流指令i1*を発生する。
起動電流指令手段12は、関数発生器13と、バンドパスフィルタ14を含み、起動電流指令i1*を発生する。起動電流指令i1*は、d軸起動電流指令id1*と、q軸電流指令iq1*を含む。バンドパスフィルタ14は関数発生器13に接続され、d軸起動電流指令id1*を発生する。q軸起動電流指令iq1*は、実施の形態1では、例えばゼロとされ、iq1*=0である。このq軸起動電流指令iq1*=0は、外部から与えられる。
起動後の電流指令手段15は、起動完了後に切換手段18を切換えることにより、起動電流指令手段12に代わって使用される。この起動後の電流指令手段15は、起動後の電流指令i2*を発生する。この起動後の電流指令i2*は、d軸電流指令id2*とq軸電流指令iq2*を含む。電流指令手段15は、d軸電流指令器16と、比例ゲイン乗算器17を有する。d軸電流指令器16は、起動後のd軸電流指令id2*を発生する。比例ゲイン乗算器17は、トルク指令τ*を受け、このトルク指令τ*に比例ゲインKを乗算して、q軸電流指令iq2 * を発生する。iq2*=τ*×Kである。
切換手段18は、起動期間SPの経過後に、起動電流指令手段12から、起動後の電流指令手段15への切換えを行なう。この切換手段18は、起動期間SPには、起動電流指令手段12から起動電流指令i1*を電流指令i*として電流制御器20に供給し、起動期間SPが経過した後は、起動後の電流指令手段15から電流指令i2*を電流指令i*として電流制御器20に供給する。この切換手段18は、d軸切換スイッチ18dと、q軸切換スイッチ18qを含む。d軸切換スイッチ18dは、d軸起動電流指令id1*と、起動後のd軸電流指令id2*との切換えを行なう。q軸切換スイッチ18qは、q軸起動電流指令iq1*と、起動後のq軸電流指令iq2*との切換を行なう。これらの切換スイッチ18d、18qは、互いに連動して切換えられる。起動期間SPでは、切換スイッチ18dはd軸起動電流指令id1*を選択し、このd軸起動電流指令id1*をd軸電流指令id*として電流制御器20に供給し、また切換スイッチ18qはq軸起動電流指令iq1*を選択し、このq軸起動電流指令iq1*をq軸電流指令iq*として電流制御器20に供給する。起動期間SPが経過した後には、切換スイッチ18d、18qがともに切換えられ、切換スイッチ18dは起動後のd軸電流指令id2*を選択し、このd軸電流指令id2*をd軸電流指令id*として電流制御器20に供給し、また切換スイッチ18qは起動後のq軸電流指令iq2*を選択し、このq軸電流指令iq2*をq軸電流指令iq*として電流制御器20に供給する。
図2(a)は、起動電流指令手段12の関数発生器13から出力されるステップ状関数指令is*を示し、図2(b)はそれに基づいて、バンドパスフィルタ14から出力されるフィルタ関数指令if*を例示する。実施の形態1では、フィルタ関数指令if*がd軸起動電流指令id1*として出力される。図2(a)(b)において、横軸は共通な時間軸である。関数発生器13のステップ状関数指令is*は、時刻0.1(秒)において、立ち上がるステップ状波形であるが、バンドパスフィルタ14から出力されるフィルタ関数指令if*は、時間経過とともに減少する。実施の形態1では、交流誘導機2Iの角周波数の制御範囲を1〜60(Hz)とし、バンドパスフィルタ14の通過帯域幅も、それに合わせて1〜60(Hz)とした。
バンドパスフィルタ14を使用しないものでは、関数発生器13のステップ状関数指令is*をd軸起動電流指令id1*として電流制御器20に供給するが、例えば交流回転機2が交流誘導機2Iであり、この交流誘導機2Iを起動する場合には、交流誘導機2Iの回転角周波数成分を含む電圧および電流を指令すれば十分であり、これらの指令に必要な周波数以外の周波数成分は供給しなくても、交流誘導機2Iを起動することができる。図2(a)に示す関数発生器13のステップ状関数指令is*では、すべての周波数帯域について等しい振幅となるが、バンドパスフィルタ14から出力されるフィルタ関数指令if*は、起動に必要な周波数帯域だけを抽出するので、関数発生器13のステップ状関数指令is*をd軸起動電流指令id1*とするものと比較して、電力変換器1の電流振幅を小さく抑制することができる。
電力変換器1の電流耐量特性が、短時間に発生する電流に対して寛大であるような場合においては、関数発生器13のステップ状関数指令is*をd軸起動電流指令id1*とするよりも、バンドパスフィルタ14のフィルタ関数指令if*をd軸起動電流指令id1*とする方が、より大きなd軸起動電流指令id1*を与えることができ、交流回転機2から得られる検出電流idetの精度を向上し、位相信号発生手段40による角周波数ωの演算精度を向上することができる。このようにバンドパスフィルタ14は、不要な信号成分をカットしたフィルタ関数指令if*を生成するので、起動期間SPにおいて、起動に不必要な無駄な電流指令成分を給電せずに、効率的に交流回転機2を起動することができる。
なお、関数発生器13は、ステップ状関数指令is*を発生するものとしたが、ステップ状関数指令is*の代わりに、M系列信号または乱数表を利用した擬似雑音信号を発生するようにすることもできる。この場合にも、バンドパスフィルタ14は、起動に必要な周波数成分だけを通過させ、フィルタ関数指令if*を発生するので、起動のための無駄な電流成分を供給することなく、効率的に起動を行なうことができる。
座標変換器31は、直交するd軸とq軸を含む回転二軸座標から三相時間座標への座標変換器であり、電圧指令v*を受けて、スイッチング指令Su*、Sv*、Sw*を発生する。このスイッチング指令Su*、Sv*、Sw*は、電力変換器1へ供給される。座標変換器32は、三相時間座標から、直交するd軸とq軸を含む回転二軸座標への座標変換器であり、電流検出器3から検出電流idetを受けて、それを直交するd軸とq軸を含む回転二軸座標上の検出電流iに変換する。この回転二軸座標上の検出電流iは、d軸検出電流idと、q軸検出電流iqを含む。
d軸検出電流idと、q軸検出電流iqは、ともに電圧指令発生手段11の電流制御器20に供給される。電流制御器20は、d軸電流指令id * と、q軸電流指令iq*とともに、d軸検出電流idとq軸検出電流iqを受け、d軸検出電流idをd軸電流指令id*に等しくし、またq軸検出電流iqをq軸電流指令iq*に等しくするように、d軸電圧指令vd*とq軸電圧指令vq*を発生する。
前述のように起動期間SPでは、制御手段10は起動電流指令手段12を使用し、この起動電流指令手段12の起動電流指令i1 * に基づいて電圧指令v*を発生し、この電圧指令v*に基づき、座標変換器31によりスイッチング指令Su*、Sv*、Sw*を発生し、電力変換器1を起動する。この起動期間SPにおいて、電力変換器1から交流誘導機2Iへ流れる交流相電流iu、iv、iwは、交流誘導機2Iに対する励磁電流であり、この交流相電流iu、iv、iwの振幅は、起動電流指令i1*により決定される。起動電流指令i1*では、d軸起動電流指令id1*は、バンドパスフィルタ14から出力されるフィルタ関数指令if*とされ、また、q軸電流指令iq1*はゼロとされる。
交流相電流iu、iv、iwの振幅をiaとすると、この振幅iaは次の式(1)で表わされる。
ia=a×{(id*2+(iq*21/2・・・(1)
ただし、aは定数である。
起動期間SPでは、id1*=id*であり、またiq1*=iq*=0であるので、振幅iaは、次の式(2)となる。
ia=a×id1*・・・(2)
言い換えれば、交流相電流iu、iv、iwの振幅は、式(2)の通りd軸起動電流指令id1 * により決定される。交流誘導機2Iなどの交流回転機2が、例えば屋外に配置される場合、その温度は大きく変動し、例えば真冬では氷点下にあり、また交流回転機2の過負荷連続運転では、100℃を超えるので、交流回転機2の電機子抵抗Rは、その温度の変化に伴なって大きく変動する。しかし、実施の形態1では、起動期間SPでは、交流相電流iu、iv、iwの振幅は、d軸起動電流指令id1*により決定され、電流制御器20により電流制御するので、交流回転機2の温度変化の影響を受けない。したがって、起動期間SPにおいて、この交流相電流iu、iv、iwの振幅が、交流回転機2の温度変化に伴ない、大きく変化することはなく、保護機能が作動するような事態は発生せず、交流回転機2を安定して起動できる。
次に位相信号発生手段40について説明する。この位相信号発生手段40は、交流回転機2の抵抗降下演算手段41と、減算手段43と、積分器45と、除算器46と、積分器47を含む。抵抗降下演算手段41は、d軸抵抗降下演算器41dと、q軸抵抗降下演算器41qを含む。d軸抵抗降下演算器41dには、座標変換器32からd軸検出電流idが供給され、このd軸検出電流idに、交流回転機2の電機子抵抗Rを乗算して、d軸抵抗降下成分(R×id)を出力する。q軸抵抗降下演算器41qには、座標変換器32からq軸検出電流iqが供給され、このq軸検出電流iqに交流回転機2の電機子抵抗Rを乗算して、q軸抵抗降下成分(R×iq)を出力する。
減算手段43は、d軸減算器43dとq軸減算器43qを含む。d軸減算器43dには、電流制御器20からd軸電圧指令vd*が供給され、またd軸抵抗降下演算器41dからd軸抵抗降下成分(R×id)が供給される。このd軸減算器43dは、d軸電圧指令vd*からd軸抵抗降下成分(R×id)を減算し、それらの減算出力(vd*−R×id)を出力する。q軸減算器43qには、電流制御器20からq軸電圧指令vq*が供給され、またq軸抵抗降下演算器41qからq軸抵抗降下成分(R×iq)が供給される。このq軸減算器43qは、軸電圧指令vq*からq軸抵抗降下成分(R×iq)を減算し、それらの減算出力(vq*−R×iq)を出力する。
積分器45には、d軸減算器43dから減算出力(vd*−R×id)が供給される。積分器45は、この減算出力(vd*−R×id)を積分し、積分出力φdを出力する。この積分出力φdは、交流回転機2の電機子磁束φを、直交するd軸とq軸を含む回転二軸座標上のd軸成分φdとq軸成分φqに分解し、そのq軸成分φqをゼロとしたときのd軸成分φdに相当する。除算器46には、q軸減算器43qから減算出力(vq*−R×iq)が供給され、また積分器45から積分出力φdが供給される。除算器46は、減算出力(vq*−R×iq)を積分出力φdで除算して、除算出力ωを発生する。すなわち、この除算出力ωは、次の式(3)で表わされる。
ω=(vq*−R×iq)/φd
=(vq*−R×iq)/∫(vd * −R×id)・・・(3)
この除算出力ωは、交流回転機2の電機子磁束φのq軸成分φqをゼロとしたときに、電力変換器1から出力される交流出力電圧の角周波数ωに相当する。
積分器47には、除算器46から除算出力ωが供給され、この除算出力ωを積分して、位相信号θを発生する。この除算出力ωは、交流回転機2の電機子磁束φのq軸成分φqをゼロとしたときに、電力変換器1から出力される交流出力電圧の位相θに相当する。この位相信号θは、座標変換器31、32に供給される。座標変換器31は、この位相信号θにより、直交するd、q軸を含む回転二軸座標上の電圧指令v*を三相時間座標上のスイッチング指令Su*、Sv*、Sw*に変換し、また座標変換器32は、位相信号θにより、三相時間軸上の検出電流iudet、ivdetを、直交するd、q軸を含む回転二軸座標のd、q軸上の検出電流id、iqに変換する。
このように、位相信号発生手段40では、電流検出器3により検出した検出電流idetに基づいて、交流回転機2のd軸抵抗降下成分(R×id)およびq軸抵抗降下成分(R×iq)を演算し、d軸電圧指令vd*およびq軸電圧指令vq*からこれらのd軸抵抗降下成分(R×id)およびq軸抵抗降下成分(R×iq)をそれぞれ減算し、その減算出力(vd*−R×id)、(vq*−R×iq)に基づいて交流回転機2に流れる交流相電流iu、iv、iwの角周波数ωを演算するので、電力変換器1から出力される交流出力電圧の角周波数を、この交流回転機に流れる交流相電流iu、iv、iwの角周波数に一致するように調整することができる。
位相信号発生手段40で演算する角周波数ωについて、さらに説明する。直交するd軸とq軸を含む回転二軸座標が任意の角周波数ωで回転している場合、交流回転機2の電機子磁束φのd軸成分φdとq軸成分φqは、次の式(4)(5)で表わされる。
φd=∫(vd*−R×id+ω×φq)dt・・・(4)
φq=∫(vq*−R×iq−ω×φd)dt・・・(5)
ただし、vd*、vq*は、電圧指令発生手段11の電流制御器20により発生される回転二軸座標上の電圧指令であり、id、iqは、交流回転機2に流れる交流相電流iu、ivに応じた検出電流iudet、ivdetを座標変換器32により回転二軸座標上に変換した検出電流である。
また、交流回転機2の出力トルクτmは、次の式(6)で表わされる。
τm=Pm×(φd×iq−φq×id)・・・(6)
ただし、Pmは、交流回転機2の対極数である。
回転二軸座標のd軸方向と電機子磁束φの方向とが一致している場合には、電機子磁束φのq軸成分φqはゼロとなり、φq=0である。そこで、式(4)(5)にそれぞれφq=0を代入すると、次の式(7)(8)(9)が得られる。
φd=∫(vd*−R×id)dt・・・(7)
vq*−R×iq−ω×φd=0・・・(8)
ω=(vq*−R×iq)÷φd・・・(9)
言い換えると、直交するd、q軸を含む回転二軸座標を式(7)(8)(9)にしたがって演算した角周波数ωに同期して回転させれば、回転二軸座標のd軸方向と電機子磁束φの方向を一致させることができ、電機子磁束φのq軸成分φqをゼロ、すなわちφq=0とすることができる。
位相信号発生手段40は、この式(7)(8)(9)にしたがって、角周波数ωを演算する。d軸減算器43dは、式(7)における(vd*−R×id)を演算し、積分器45は式(7)で表わされる電機子磁束φのd軸成分φdを演算する。q軸減算器43qは、式(9)における(vq*−R×iq)を演算し、除算器47は、式(9)で表わされる角周波数ωを演算する。位相信号θは、角周波数ωに基づき算出され、座標変換器31、32の座標変換を制御するので、結果として、直交するd、q軸を含む回転二軸座標は、式(9)にしたがって演算した角周波数ωに同期して回転し、回転二軸座標のd軸方向と電機子磁束φの方向を一致させることができ、電機子磁束φのq軸成分φqをゼロ、すなわちφq=0とすることができる。電力変換器1から出力される交流出力電圧の角周波数は、回転二軸座標の回転角周波数ωに対応して、この回転二軸座標の回転角周波数と等しくなるように制御されるので、この電力変換器1から出力される交流出力電圧の角周波数は、交流回転機に流れる交流相電流iu、iv、iwの角周波数に一致するように調整される。
加えて、実施の形態1では、電力変換器1から出力される交流出力電圧の角周波数の制御に併せ、起動電流指令回路12が、起動期間SPにq軸起動電流指令iq1*=0を、q軸電流指令iq*として電流制御器20に供給する。したがって、起動期間SPでは、φqとともにiq*もゼロとされる。すなわちiq*=0であり、φq=0である。このため、起動期間SPには、式(6)の(φd×iq−φq×id)はゼロとなり、交流回転機2の出力トルクτmはゼロ、すなわちτm=0に保持される。
以上のように実施の形態1では、回転二軸座標の角周波数ωは、座標変換器31、32に対する位相信号θにより制御されるので、遅れもなく、電力変換器1から出力される交流出力電圧の角周波数を、交流回転機2に流れる交流相電流iu、iv、iwの角周波数に一致させることができ、併せて、起動期間SPにおいて、交流回転機2の出力トルクτmをゼロにして、フリーラン状態にある交流回転機2を起動することにより、交流回転機2の出力トルクが起動期間SPで変動するのを防止し、交流回転機2にショックおよび回転数変動が発生するのを抑制することができる。特許文献1の従来の制御装置では、角周波数ωに基づき、電力変換器の出力電圧の角周波数を補正するため、補正の遅延により軸ずれが発生するが、実施の形態1では、この補正の遅延による軸ずれを解消し、ショックおよび回転数変動を抑制して交流回転機2を起動することができる。
また、実施の形態1では、電流制御器20に供給される起動電流指令i1*は、交流回転機2の電機子抵抗Rに無関係に、起動電流指令回路12から与えられ、交流相電流iu、iv、iwの振幅を決定する。したがって、交流回転機2の温度条件によって、交流回転機2の電機子抵抗Rが変化しても、起動電流指令i1*は、この電機子抵抗Rの影響を受けない。したがって、起動期間SPにおいて、交流回転機2の温度条件に伴ない、その電機子抵抗Rが変化しても、交流回転機2に流れる交流電流の振幅が変動することはなく、その結果、起動期間SPにおいて過電流保護などの保護機能が作動するような事態を回避して、安定した起動を行なうことができる。
また、実施の形態1では、起動電流指令手段12により、起動期間SPにおけるq軸起動電流指令iq1*をゼロに保持するとともに、電流制御器20で発生させるq軸電圧指令vq*の起動期間SPにおける初期値をゼロとして起動を行なう。この場合、起動期間SPのスタート時点では、iq1*=0、vq*=0となる。したがって、起動期間SPのスタート時点では、q軸減算器43qの減算出力(vq*−R×iq)もゼロとなり、除算器46の除算出力ωもゼロとなる。言い換えれば、起動期間SPのスタート時点では、角周波数ωがゼロとなり、この角周波数ωは、起動期間SPの経過とともに上昇する。
特許文献1の制御装置では、起動期間のスタート時点で、電力変換器の角周波数を、電力変換器の正常運転時に生じる最高の角周波数よりも高く設定するので、起動期間のスタート時点で、電力変換器の角周波数は正または負のいずれかを選択した上で、最高角周波数以上の周波数に設定する必要があり、交流回転機の回転方向に応じて起動応答が異なる結果になる。実施の形態1では、起動期間SPのスタート時点で、電力変換器1の角周波数ωをゼロとして起動を行なうので、交流回転機2の回転方向に無関係に、常に安定した起動を行なうことができる。
なお、実施の形態1では、起動期間SPにおいて、q軸起動電流指令iq1*をゼロに保持するが、起動期間SPにおいて、q軸起動電流指令iq1*をゼロ以外の所定値に保持するようにしても、同様な効果を得ることができる。この場合、電機子磁束φのd軸成分φdは、d軸起動電流指令id1*の増加に伴ないゼロから増大し、交流回転機2の出力トルクτmは、電機子磁束のd軸成分φdの増加に伴ない増大する。しかし、起動期間SPにおいて、d軸起動電流指令id1 * がゼロから増大するので、交流回転機2の出力トルクτmもゼロから増大する結果になり、大きなショックおよび急激な回転数変動を抑制しながら、交流回転機2を安定して起動することができる。
実施の形態2.
実施の形態1は、交流回転機2がフリーラン状態にあるときに、交流回転機2を起動するものであるが、この実施の形態2は、交流回転機2が、フリーラン状態にあるか、停止状態のあるか判別できないときに、交流回転機2を起動するものである。制御手段10は、実施の形態1と同じに構成され、電力変換器1を起動し、交流回転機2を起動する。交流回転機2が、フリーラン状態にあるときの起動制御は、実施の形態1と同じであり、また、交流回転機2が停止状態にある場合にも、それと同様にして、安定な起動を行なうことができる。
交流回転機2が停止状態にあるときには、起動期間SPのスタート時点では、交流回転機2の回転角周波数はゼロであり、位相信号発生手段40で演算される角周波数ωもゼロとなるが、電力変換器1が起動されるに伴ない、交流回転機2の電機子磁束φが徐々に立ち上がり、安定した起動を行なうことができる。
実施の形態3.
図3は、この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態を示すブロック図である。この実施の形態3は、実施の形態1における制御手段10が制御手段10Aに置き換えられ、この制御手段10Aでは、実施の形態1の起動電流指令手段12が起動電流指令手段12Aに置き換えられる。この起動電流指令手段12Aでは、バンドパスフィルタ14が除去され、関数発生器13から、ステップ状関数指令is*をd軸起動電流指令id1*として、切換手段18のd軸切換スイッチ18dを通じて、電流制御器20に供給する。その他は、実施の形態1または2と同じに構成される。
この実施の形態3では、バンドパスフィルタ14により、d軸起動電流指令id1 * の無駄な成分をカットすることはできないが、その他は実施の形態1または2と同じ効果を得ることができる。
実施の形態4.
図4は、この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態4を示すブロック図である。この実施の形態4では、交流回転機2として、同期機2Sを使用する。この同期機2Sは、具体的には、例えば三相同期電動機である。
交流回転機2が同期機2Sであっても、式(1)〜式(9)は同様に成立するので、実施の形態4でも、基本的には、実施の形態1と同じ起動制御が行なわれる。この実施の形態4では、同期機2Sの使用に伴ない、実施の形態1の制御手段10が制御手段10Bに置き換えられ、この制御手段10Bでは、実施の形態1の起動電流指令手段12が起動電流指令手段12Bに置き換えられる。この起動電流指令手段12Bでは、q軸起動電流指令iq1*をゼロにするとともに、d軸起動電流指令id1*もゼロ、すなわちid1*=0とし、このid1*=0を切換手段18のd軸切換スイッチ18dを通じて電流制御器20に供給する。q軸起動電流指令iq1*=0は、実施の形態1と同様に、切換手段のq軸切換スイッチ18qを通じて電流制御器20に供給される。その他は、実施の形態1と同じに構成される。
実施の形態1では交流回転機2が誘導機2Iであり、このフリーラン状態にある誘導機2Iを起動するには、誘導機2Iに回転角速度成分の電圧および電流の給電が必要であるが、フリーラン状態にある同期機2Sを起動する場合には、回転子に起因する誘起電圧が同期機2Sに発生するので、電力変換器1から回転角速度成分の電圧および電流を供給する必要がなく、このため、d軸起動電流指令id1*をゼロにしている。同期機2Sを起動するとき、その起動期間SPのスタート時点において、極く短時間に、同期機2Sに発生する誘起電圧を打ち消すように、交流相電流iu、iv、iwが流れるので、この交流相電流iu、iv、iwに基づき、実施の形態1と同様に、位相信号発生手段40が角周波数ωを演算し、この角周波数ωに基づき、電力変換器1の交流出力電圧の角周波数を制御する。この実施の形態4では、d軸起動電流指令id1*をゼロにすることにより、無駄な電流を同期機2Sに給電することなく、効率的に同期機2Sを起動することができる。なお、q軸起動電流指令iq1*は、実施の形態1と同様にゼロとしているが、ゼロ以外の所定値とすることもできる。
実施の形態5.
図5は、この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態5を示すブロック図である。この実施の形態5でも、実施の形態4と同様に、交流回転機2として、同期機2Sを使用する。
実施の形態5では、実施の形態4における制御手段10Bが制御手段10Cに置き換えられ、この制御手段10Cでは、実施の形態4の起動電流指令手段12Bが起動電流指令手段12Cに置き換えられる。この起動電流指令手段12Cでは、d軸起動電流指令器19が使用され、起動期間SPにおいて、d軸起動電流指令id1*が、このd軸起動電流指令器19から、切換手段18のd軸切換スイッチ18dを通じて電流制御器20に供給される。このd軸起動電流指令器19には、d軸起動電流指令id1*=0とする外部指令i0=0と、位相信号発生手段40の除算器46から角周波数ωとが供給される。その他は、実施の形態4と同じに構成される。
d軸起動電流指令器19は、除算器46からの角周波数ωの絶対値が所定値ωBASEより小さい場合には、外部指令i0に基づき、d軸起動電流指令id1*をゼロ、すなわちid1*=0とする。また、d軸起動電流指令器19は、除算器46からの角周波数ωの絶対値が所定値ωBASE以上の場合には、外部指令i0に基づき、d軸起動電流指令id1*を(A−B/ω)とする。
これを式で表わすと、次の式(10)となる。
id1*=0 (|ω|<ωBASEのとき)
id1*=A−B/ω (|ω|≧ωBASEのとき)・・・(10)
ただし、A、Bは定数、ωBASE=B/Aである。
このd軸起動電流指令器19を使用することにより、角周波数ωの絶対値がωBASEより小さいときには、同期機2Sを起動するために無駄な電流を同期機2Sに供給することなく、効率的に同期機2Sを起動し、また角周波数ωの絶対値がωBASE以上のときには、A−B/ωを負値として、弱め磁束制御を行ない。電力変換器1の電圧飽和を防止することができる。なお、q軸起動電流指令iq1*は、実施の形態1と同様にゼロとしているが、ゼロ以外の所定値とすることもできる。
実施の形態6.
図6は、この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態6を示すブロック図である。この実施の形態6は、電力変換器1に2台の交流回転機、具体的には2台の誘導機2I1、2I2を互いに並列に接続したものである。誘導機2I1、2I2は、互いに定格の等しい三相誘導電動機であり、例えば電気車に搭載され、電気車を駆動する。
誘導機2I1、2I2は、互いに等しい電機子抵抗Rを有する。この誘導機2I1、2I2は電力変換器1に互いに並列に接続されるので、電力変換器1から見た合成電機子抵抗は、(R/2)となる。この実施の形態6では、実施の形態1における制御手段10が制御手段10Dに置き換えられ、この制御手段10Dでは、実施の形態1の位相信号発生手段40が位相信号発生手段40Dに置き換えられる。この位相信号発生手段40Dは、抵抗降下演算回路41Dを有し、この抵抗降下演算手段41Dは、d軸抵抗降下演算器411dとq軸抵抗降下演算器411qを有する。その他は、実施の形態1と同じに構成される。
d軸抵抗降下演算器411dは、座標変換器32からd軸検出電流idの供給を受け、このd軸検出電流idに(R/2)を乗算し、d軸抵抗降下{(R/2)×id}を出力する。q軸抵抗降下演算器411qは、座標変換器32からq軸検出電流iqの供給を受け、このq軸検出電流iqに(R/2)を乗算し、q軸抵抗降下{(R/2)×iq}を出力する。これらのd軸抵抗降下とq軸抵抗降下に基づき、d軸減算器43dは、減算出力{vd*−(R/2)×id}を出力し、q軸減算器43qは、減算出力{vq*−(R/2)×iq}を出力する。また、積分器45は、積分出力∫{vd*−(R/2)×id}dtを出力するので、この実施の形態6における除算器46の除算出力ωは、次の式(11)となる。
ω=∫{vd*−(R/2)×id}dt÷{vq*−(R/2)×iq}・・・(11)
実施の形態6の位相信号発生手段40Dは、式(11)にしたがって角周波数ωを演算し、電力変換器1の交流出力電圧の角周波数はこの角周波数ωに等しくなるように制御される。この実施の形態6でも、フリーラン状態にある2台の誘導機2I1、2I2を、実施の形態1と同様に、安定して起動することができる。3台以上の誘導機を電力変換器1に並列に接続する場合には、その接続台数に応じて抵抗降下演算回路41Dにおける乗算係数を調整することにより、同様に、フリーラン状態にある3台以上の誘導機を安定して起動することができる。
実施の形態7.
図7は、この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態7を示すブロック図である。この実施の形態7は、電力変換器1に、2台の交流回転機、具体的には2台の同期機2S1、2S2を互いに並列に接続したものである。同期機2S1、2S2は、例えば、互いに定格の等しい三相同期電動機である。同期機2S1、2S2の使用に伴ない、実施の形態6の制御手段10Dが制御手段10Eに置き換えられ、この制御手段10Eでは、制御手段10Dの起動電流指令手段12が起動電流指令手段12Bに置き換えられる。この起動電流指令手段12Bは、実施の形態4と同じである。その他は、実施の形態6と同じに構成される。
フリーラン状態にある同期機2S1、2S2を起動するとき、同期機2S1、2S2の磁極位置が一致すると、これらの同期機2S1、2S2の間に循環電流が流れない。フリーラン状態にある同期機2S1、2S2を起動する場合に、同期機2S1、2S2が無負荷であれば、それらの同期機2S1、2S2に循環電流が流れない状態が安定状態であり、この安定状態において、同期機2S1、2S2を起動する。この場合、電力変換器1から見た合成電機子抵抗は(R/2)となるので、実施の形態6と同じ位相信号発生手段40Dを用いて、フリーラン状態にある2台の同期機2S1、2S2を、実施の形態4と同様に、安定して起動することができる。3台以上の同期機を電力変換器1に並列に接続する場合には、その接続台数に応じて抵抗降下演算回路41Dにおける乗算係数を調整することにより、同様に、フリーラン状態にある3台以上の同期機を安定して起動することができる。
この発明による交流回転機の制御装置は、誘導機、同期機などの交流回転機の制御装置に利用される。
この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態1を示すブロック図である。 実施の形態1における関数発生器とバンドパスフィルタの出力波形を示す波形図である。 この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態3を示すブロック図である。 この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態4を示すブロック図である。 この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態5を示すブロック図である。 この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態6を示すブロック図である。 この発明による交流回転機の制御装置の実施の形態7を示すブロック図である。
符号の説明
10、10A、10B、10C、10D、10E:制御手段、1:電力変換器、2:交流回転機、
3:電流検出器、13:関数発生器、14:バンドパスフィルタ、2I、2I1、2I2:誘導機、
2S、2S1、2S2:同期機。

Claims (14)

  1. 電流指令に基づき電圧指令を発生し、この電圧指令に基づきスイッチング指令を発生する制御手段、
    前記スイッチング指令に基づいて振幅と角周波数が制御された交流出力電圧を発生する電力変換器、
    この電力変換器に接続された少なくとも1つの交流回転機、および
    前記電力変換器から前記交流回転機に流れる交流相電流に基づいて検出電流を出力する電流検出器を備えた交流回転機の制御装置であって、
    前記制御手段は、前記交流回転機に対する起動制御を含む制御を行なうように構成され、
    前記制御手段は、前記起動制御では、前記検出電流に基づいて前記交流回転機の抵抗降下に応じた抵抗降下成分を演算し、前記電圧指令から前記抵抗降下信号を減算した減算出力に基づいて前記交流出力電圧の角周波数を調整し、
    併せて、前記制御手段は、前記起動制御では、前記交流相電流の振幅が所定の関数にしたがって変化するように、前記交流出力電圧の振幅を調整することを特徴とする交流回転機の制御装置。
  2. 請求項1記載の交流回転機の制御装置であって、前記制御手段は、前記起動制御では、起動期間のスタート時点において、前記交流出力電圧の角周波数をゼロに制御することを特徴とする交流回転機の制御装置。
  3. 請求項1記載の交流回転機の制御装置であって、前記制御手段は、前記起動制御では、前記電流指令に基づき、前記交流回転機の出力トルクを調整することを特徴とする交流回転機の制御装置。
  4. 請求項3記載の交流回転機の制御装置であって、前記制御手段は、前記起動制御では、前記交流回転機の出力トルクをゼロに調整することを特徴とする交流回転機の制御装置。
  5. 請求項1記載の交流回転機の制御装置であって、前記交流回転機が停止状態とフリーラン状態のいずれの状態にあるか判別できないときに、前記制御手段が、前記起動制御を行なうことを特徴とする交流回転機の制御装置。
  6. 請求項1記載の交流回転機の制御装置であって、前記交流回転機がフリーラン状態にあるときに、前記制御手段が、前記起動制御を行なうことを特徴とする交流回転機の制御装置。
  7. 請求項1記載の交流回転機の制御装置であって、前記電圧指令が、前記交流出力電圧の角周波数に同期して回転するd軸とq軸を含む直交二軸回転座標上におけるd軸電圧指令とq軸電圧指令を含むときに、前記制御手段は、前記起動制御において、前記検出電流に基づいて、前記交流回転機の抵抗降下に応じたd軸抵抗降下成分とq軸抵抗降下成分を発生し、前記d軸電圧指令から前記d軸抵抗降下成分を減算したd軸減算出力と、前記q軸電圧指令から前記q軸抵抗成分を減算したq軸減算出力に基づいて前記交流出力電圧の角周波数を調整することを特徴とする交流回転機の制御装置。
  8. 請求項7記載の交流回転機の制御装置であって、前記制御手段は、前記起動制御において、前記d軸減算出力に基づき前記交流回転機の磁束振幅を演算し、前記q軸減算出力を前記磁束振幅で除算し、その除算出力に基づいて前記交流出力電圧の角周波数を調整することを特徴とする交流回転機の制御装置。
  9. 請求項1記載の交流回転機の制御装置であって、前記制御手段は、関数発生器と、この関数発生器からの起動電流指令から起動に必要な周波数帯域だけを抽出するバンドパスフィルタを有し、前記バンドパスフィルタから所定の関数指令を前記電流指令として出力し、この関数指令に基づいて、前記交流出力電圧の振幅を調整することを特徴とする交流回転機の制御装置。
  10. 請求項1記載の交流回転機の制御装置であって、前記制御手段は、前記起動制御において、前記交流相電流の振幅をゼロとするように、前記交流出力電圧の振幅を調整することを特徴とする交流回転機の制御装置。
  11. 請求項1記載の交流回転機の制御装置であって、前記制御手段は、前記起動制御において、前記交流出力電圧の角周波数が所定値以下の場合には、前記交流相電流の振幅をゼロとするように、前記交流出力電圧の振幅を調整し、また、前記交流出力電圧の角周波数が前記所定値を超えた場合には、前記交流相電流の振幅をゼロ以外の所定値とするように、前記交流出力電圧の振幅を調整することを特徴とする交流回転機の制御装置。
  12. 請求項1記載の交流回転機の制御装置であって、前記交流回転機が誘導機であることを特徴とする交流回転機の制御装置。
  13. 請求項1記載の交流回転機の制御装置であって、前記交流回転機が同期機であることを特徴とする交流回転機の制御装置。
  14. 請求項1記載の交流回転機の制御装置であって、前記電力変換器に、並列接続された複数の交流回転機が接続されたことを特徴とする交流回転機の制御装置。
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