JP4202055B2 - インバータ装置及び洗濯機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石モータを通電制御するインバータ装置及びこのインバータ装置を備えた洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石モータにより回転槽をダイレクトドライブ方式で回転駆動するように構成した洗濯機の一例として、特願平8−176201号(特開平10−15278号)がある。この特許出願の洗濯機の場合、洗い運転時には、永久磁石モータによって撹拌体を低速高トルクで回転駆動し、脱水運転時には、永久磁石モータによって回転槽及び撹拌体を一体に高速低トルクで回転駆動するように構成されている。これにより、運転振動及び運転騒音がきわめて小さくなるという効果を得ている。
【0003】
上記構成の洗濯機において、永久磁石モータによって低速高トルクの洗い運転と、高速低トルクの脱水運転とを切り替えて実行するに当たっては、通電位相を制御することにより実現している。具体的には、永久磁石モータの巻線の各相の誘起電圧に対して同位相の電流が発生するように通電することにより低速高トルクの洗い運転を実現し、上記誘起電圧に対して進み位相の電流が発生するように通電することにより高速低トルクの脱水運転を実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した通電制御を実行した場合の上記永久磁石モータのトルクと回転数とモータ電流との関係を示した特性図を、図17に示す。この図17において、横軸はトルクを示し、縦軸は回転数とモータ電流を示し、記号Xで示す領域は洗い運転の動作領域を示し、記号Yで示す領域は脱水運転の動作領域を示している。そして、洗い運転(動作領域X)を実行する場合、実線Anで示すトルク回転数特性で永久磁石モータを運転することができる。この場合のモータ電流を実線Aiで示す。
【0005】
また、脱水運転(動作領域Y)を実行する場合、実線Bnで示すトルク回転数特性で永久磁石モータを運転することができる。この場合のモータ電流を実線Biで示す。ここで、上記2つのモータ電流Ai、Biの大きさを比べると、脱水運転のモータ電流Biの方がかなり大きいことがわかる。即ち、脱水運転(進み位相の通電)を実行するときは、モータ電流が大きくなり、消費電力が大きいという問題点があり、この問題点を改善することが課題となっている。
【0006】
一方、上記特許出願の洗濯機においては、永久磁石モータを制動(回生制動)するときに発生する回生電力を消費する放電回路を設けていた。これに対して、上記放電回路を不要にした構成の発明が、特願平10−70192号(特開平11−275889号)として出願されている。この出願の発明では、回生電力を調整することにより直流電圧が設定値となるように制御し、これにより、インバータ装置の構成電気部品に過大な電圧が印加することを防止し、上記放電回路を不要にしている。しかし、上記出願の発明の場合も、脱水運転(進み位相の通電)を実行するときは、モータ電流が大きくなり、消費電力が大きいという問題点があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、進み位相の通電を実行して永久磁石モータを高速回転させるときでも、消費電力を低減させることができるインバータ装置及び洗濯機を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明においては、誘起電圧に対して進み位相の通電を行って加速力を得る第1の制御モードと、回生電力を調整して直流電圧を設定値となるように制御する第2の制御モードとを備え、そして、消費電力を低減するために、前記第1の制御モードによる加速と、前記第2の制御モードによる減速を交互に繰り返し実行することにより、速度の変動幅を許容しながら高速回転を得る制御手段を備えた。この構成の場合、進み位相の通電を実行して永久磁石モータを高速回転させるときに、制御手段によって、第1の制御モードによる加速と、第2の制御モードによる減速を交互に繰り返し実行することにより、速度の変動幅を許容しながら高速回転を得るように制御したので、消費電力を低減させることができる。尚、本発明者は、本発明のように通電制御することにより、消費電力を低減できることを、実験やシミュレーション等で確認している。
【0009】
この場合、請求項2の発明のように、電圧の振幅と、誘起電圧に対する電圧位相とを制御することにより、第1の制御モードと第2の制御モードを実現するように構成することが好ましい。また、請求項3の発明のように、磁界と平行なd軸電流とこれに直交するq軸電流とに分離して各電流を独立に制御することにより、第1の制御モードと第2の制御モードを実現するように構成することも好ましい。更に、請求項4の発明のように、請求項1ないし3に記載されたインバータ装置を洗濯機に組み込むことがより一層好ましい構成である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を全自動洗濯機に適用した第1の実施例について、図1ないし図11を参照して説明する。尚、本実施例の全自動洗濯機の機械的構成及び電気的構成は、特開平11−275889号(または特開平10−15278号)に記載された構成とほぼ同じであり、異なる点は、脱水運転時の永久磁石モータの通電制御の内容である。
【0011】
まず、全自動洗濯機の機械的構成について簡単に説明する。全自動洗濯機の全体構成を示す図3において、外箱1内には、外槽である水受槽2が弾性吊持機構3を介して弾性支持されている。この水受槽2の内部には、洗い槽及び脱水バスケットを兼用する回転槽4が回転可能に配設されている。この回転槽4の内底部には、撹拌体5が回転可能に配設されている。
【0012】
上記回転槽4は、槽本体4aと、この槽本体4aの内側に設けられた内筒4bと、槽本体4aの上端部に設けられたバランスリング4cとから構成されている。この回転槽4が回転駆動されると、内部の水は遠心力により槽本体4aの上部に形成された脱水孔部(図示しない)を通って水受槽2内へ放出される構成となっている。
【0013】
また、水受槽2の底部の図2中右端部には、排水口6が形成され、この排水口6には排水弁7が設けられていると共に、排水ホース8が接続されている。上記排水弁7は、例えばギアドモータからなる排水弁モータ9(図5参照)により開閉駆動される弁であり、いわゆるモータ式排水弁である。更に、水受槽2の底部の図2中左端部には、補助排水口6aが形成されており、この補助排水口6aは図示しない連結ホースを介して排水ホース8に接続されている。
【0014】
また、図4にも示すように、水受槽2の外底部には、機構部ベース10が取付けられている。この機構部ベース10の中央部には、軸支持筒部11が上下方向に延びるように形成されている。この軸支持筒部11の内部には、中空状の槽軸12が軸受13、13を介して回転自在に挿通支持されている。この槽軸12の内部には、撹拌軸14が軸受15、15を介して回転自在に挿通支持されており、この撹拌軸14の上下端部は槽軸12から突出している。
【0015】
更に、機構部ベース10の軸支持筒部11の上端部は、水受槽2の底部中心部に形成された貫通口2a内にシール16を介して嵌合されている。また、槽軸12の上端部には、フランジ部12aが一体に形成されており、このフランジ部12aには、回転槽4が槽受け板17を介して連結固定されている。これにより、槽軸12に回転槽4が一体回転するように取付けられている。また、撹拌軸14の上端部には、図3にも示すように、撹拌体5が一体回転するように取り付けられている。
【0016】
尚、水受槽2の内底部における中心部と排水口6との間の部分には、排水カバー18が装着されており、この排水カバー18により、回転槽4の底部に設けられた貫通孔4dから排水口6まで連通する排水通路19が形成されている。
【0017】
さて、水受槽2の外底部の機構部ベース10には、永久磁石モータである例えばアウタロータ形のブラシレスモータ20が設けられている。具体的には、図4に示すように、機構部ベース10に、ブラシレスモータ20のステータ21が撹拌軸14と同心状態になるように固定されている。上記ステータ21は、積層鉄心22と、巻線23とを有して構成されている。上記巻線23は、図5に示すように、3相の巻線23u、23v、23wから構成されている。
【0018】
一方、ブラシレスモータ20のロータ24は、撹拌軸14の下端部にこれと一体回転するように取り付けられている。上記ロータ24は、ロータハウジング25と、ロータヨーク26と、ロータマグネット27とから構成されている。ロータハウジング25の中心部にはボス部25aが形成されていて、このボス部25aに、撹拌軸14の下端部が嵌合固定されている。即ち、撹拌体5はモータ20によりダイレクトドライブされる構成となっている。
【0019】
また、機構部ハウジング10の外周部には、ロータ24のロータマグネット27の回転位置を検出する回転位置検知手段として、3個のホールIC28u、28v、28w(図5参照)が取り付けられている。上記ホールIC28uないし28wは、図8に示すように、各相の誘起電圧に対して電気角30度遅れの関係の位置検出信号Hu、Hv、Hwを出力するようになっている。
【0020】
さて、槽軸12の下端部には、図4に示すように、クラッチ29が設けられている。このクラッチ29は、脱水運転時にロータ24、撹拌軸14及び槽軸12が一体回転するように連継する態様と、洗い運転時に槽軸12がロータ24及び撹拌軸14と連継解除する態様とを切換える機能を有している。このクラッチ29は、上下方向に回動可能に設けられた切換レバー30と、この切換レバー30の内部に配設されたホルダ31とから構成されている。
【0021】
この場合、切換レバー30が図4に示す状態では、切換レバー30の先端上部の係合凸部30bが、静止部位である機構部ベース10に形成された係止部32に係止されており、これにてクラッチ29は撹拌軸14のみにロータ24の回転を伝達する洗い用クラッチ態様となる。この図4の状態から切換レバー30が下方へ回動すると、その先端下部の係合凸部30cが、ロータハウジング25に形成された複数の係止部33のうちのいずれかの間に係止されるようになり、クラッチ29は、撹拌軸14と槽軸12の双方にロータ24の回転を伝達する脱水用クラッチ態様となる。
【0022】
また、機構部ベース10の図4中右端部には、制御レバー34が回動可能に軸支されている。この制御レバー34は、排水弁モータ9により回動されるように構成されており、図4の状態から排水弁モータ9が通電されて制御レバー34が回動されると、制御レバー34の先端の下向きの傾斜面34aにより切換レバー30を下方へ押圧して回動させ、脱水用クラッチ態様となる。そして、この状態で、排水弁モータ9が断電されると、ばね35のばね力により制御レバー34が回動され、制御レバー34の上向きの傾斜面34bにより上記切換レバー33を上方へ押圧して、図4に示す状態に戻すようになっている。
【0023】
次に、上記全自動洗濯機の電気的構成について、図5を参照して説明する。この図5において、交流電源36の両端子は、一方にリアクトル37を介して全波整流回路38の入力端子に接続されている。全波整流回路38の出力端子間には、平滑コンデンサ39a、39bが接続されており、この平滑コンデンサ39a、39bと全波整流回路38とから直流電源回路40が構成されている。
【0024】
この直流電源回路40の出力端子から導出された直流母線41a、41b間には、定電圧回路42と分圧回路50とインバータ主回路43が接続されている。インバータ主回路43は、3相ブリッジ接続された例えばIGBTからなるスイッチング素子44a〜44fと、これらスイッチング素子44a〜44fにそれぞれ並列接続されたフリーホイールダイオード45a〜45fとから構成されている。
【0025】
そして、インバータ主回路43の出力端子46u、46v、46wは、ブラシレスモータ20の3相の巻線23u、23v、23wに接続されている。また、インバータ主回路43の各スイッチング素子44a〜44fの制御端子(ゲート)は、例えばフォトカプラからなる駆動回路47に接続されている。この駆動回路47はPWM回路48からの信号により制御されて上記各スイッチング素子44a〜44fをオンオフ制御するようになっている。これらインバータ主回路43、駆動回路47及びPWM回路48から通電手段49が構成されている。
【0026】
また、上記分圧回路50は、電圧検出手段であると共に回生電力検出手段であり、直流電源回路40の出力側の直流電圧を検出するものである。その電圧検出結果は、後述のマイクロコンピュータ51のA/D変換機能を有する入力端子に与えられるように構成されている。
【0027】
上記PWM回路48は、内部に所定周波数の三角波形信号を発生する手段を備えており、次に述べるマイクロコンピュータ51から与えられる通電信号Du、Dv、Dwと上記三角波形とを比較し、その比較結果を駆動信号Vup、Vun、Vvp、Vvn、Vwp、Vwnとして駆動回路47に出力するように構成されている。尚、駆動信号Vup、Vunを図8(f)に示している。
【0028】
一方、ブラシレスモータ20のホールIC28u、28v、28wから出力された位置検出信号Hu、Hv、Hwは、マイクロコンピュータ51へ与えられるように構成されている。このマイクロコンピュータ51は、ブラシレスモータ20を通電制御する機能並びに全自動洗濯機の運転全般を制御する機能を有しており、そのための制御プログラム及びこのプログラムの実行に必要なデータ(後述する通電波形データ等を含む)を内部に設けられたROM51aに記憶している。また、マイクロコンピュータ51の内部には、作業領域としてRAM51bが設けられている。このマイクロコンピュータ51が、本発明の制御手段としての機能を有している。
【0029】
また、マイクロコンピュータ51は、通電信号Du、Dv、Dwとして例えば3相正弦波信号(8ビットの出力波形データ)Du、Dv、Dwを形成し、これら通電信号Du、Dv、Dwを上記PWM回路48に与えるように構成されている。更に、マイクロコンピュータ51は、出力の許可・停止のための信号DoをPWM回路48に与えるように構成されている。
【0030】
そして、上述の通電手段49と、マイクロコンピュータ51と、直流電源回路40とから、モータ20を通電制御するインバータ装置52が構成されている。ところで、図1に示すように、マイクロコンピュータ51にPWM回路48の機能を組み込むように構成しても良い。そして、マイクロコンピュータ51を、機能ブロック図で表すと、図1に示すように、通電制御手段61と、通電信号形成手段62と、上記PWM回路48とを備える構成となっている。この構成の場合、通電信号形成手段62は、通電制御手段61から制御信号として電圧指令Vcと位相指令Pcを受けて、3相正弦波信号Du、Dv、Dwを生成し、これらをPWM回路48へ与えるように構成されている。
【0031】
更に、マイクロコンピュータ51は、前記排水弁モータ9と、回転槽4内へ給水する給水弁53とをそれぞれ通電制御するように構成されている。また、マイクロコンピュータ51は、交流電源36の電圧に基づいて停電を検知する停電検出回路54からの停電検出信号、回転槽4内の水位を検知する水位センサ55からの水位検知信号、外箱1の上部に設けられた蓋56(図3参照)の開閉状態を検知する蓋スイッチ57からの開閉検知信号、図示しない操作パネルに設けられた各種の操作スイッチ58からのスイッチ信号を受けるように構成されている。
【0032】
次に、上記構成の作用、具体的には、洗い運転及び脱水運転時の制御動作について、図2、図6ないし図12を参照して説明する(尚、特開平11−275889号または特開平10−15278号にも上記制御動作が記載されており、この記載されている制御動作を適宜参照、流用することが好ましい)。さて、図6のフローチャートは、洗い運転及び脱水運転のメイン処理の制御内容を示している。
【0033】
まず、洗い運転の動作について説明する。交流電源36に接続されると、最初に図6のステップM10の初期設定処理が実行される。ここでは、マイクロコンピュータ51はRAM51bの初期化や出力端子の初期出力等を行なう。続いて、各種の操作スイッチ60のなかの1つのスイッチである電源スイッチがオンされるの待ち(ステップM20で判断)、電源スイッチがオンされると、図示しないリレー(電源リレー)をオンし(ステップM40)、洗い運転指令が出ているか否かを判断する(ステップM50)。この場合、各種の操作スイッチ58の操作結果に基づいて洗い運転指令が出ているか否かを判断する。今、洗い運転指令が出ているとすると、ステップM50にて「YES」へ進み、排水弁モータ9をオフする信号を出力する(ステップM60)。これにより、排水弁モータ9がオフされ、排水弁7が閉塞されると共に、クラッチ29の切換レバー30が上方へ回動動作されて槽軸12及び回転槽4が静止部位である機構部ベース10に係止された状態(図4参照)となる。
【0034】
続いて、ステップM70へ進み、複数の洗い運転コースの中から1つのコースが選択設定される。この場合、各種の操作スイッチ58の操作結果に基づいて1つのコースが選択設定される。そして、ステップM80へ進み、回転槽4内へ給水する処理を実行する。ここでは、給水弁53を通電駆動して開放して回転槽4内へ給水を開始し、回転槽4内の水位が上記選択されたコースに対応する水位に達したことを水位センサ55により検知すると、給水弁53を断電停止するように構成されている。
【0035】
そして、ステップM90、M100、M110の各処理を順に実行することにより、ブラシレスモータ20に対する運転パターン(運転指令)を決定する。この場合、マイクロコンピュータ51のROM51a内には複数の洗い運転パターンが予め記憶されており、これら複数の洗い運転パターンの中から上記選択されたコースに対応する洗い運転パターンを選択して読み出すことにより、洗い運転用の運転パターン(洗い運転パターン)を決定している。上記洗い運転パターンの一例を図7に示す。
【0036】
この図7に示すように、洗い運転パターンは、例えば3ビットのデータからなる駆動指令と、例えば8ビットのデータからなる電圧指令Vcと、例えば9ビットのデータからなる位相指令Pcとから構成されている。上記駆動指令は、ブラシレスモータ20の駆動/停止、正転/逆転、回転/位置決めを表わすデータであり、具体的には、例えば第1ビットが「1」のとき駆動を示し、第1ビットが「0」のとき停止を示し、第2ビットが「1」のとき正転を示し、第2ビットが「0」のとき逆転を示している。第3ビットが「1」のとき回転を示し、第3ビットが「0」のとき位置決めを示している。
【0037】
また、上記電圧指令Vcは、インバータ主回路43の出力電圧を示し、モータ20への印加電圧をデューティー比にて表わすデータである。上記位相指令Pcは、モータ20のロータ位相(誘起電圧)に対するインバータ主回路43の出力電圧の位相(deg)を表わすデータであり、「−180〜179度」として示されている。
【0038】
そして、この図7に示す洗い運転パターンは、1.5秒間の「正転駆動」、0.5秒間の「停止」、1.5秒間の「逆転駆動」、0.5秒間の「停止」から構成された1サイクル4秒間の運転パターンであり、洗い運転中は、この1サイクル4秒間の運転パターンを繰り返し実行するように構成されている。ここで、上記1サイクル4秒の運転パターンは、例えば20ms(ミリ秒)でサンプリングされた上記3つの指令データから構成されている。即ち、上記3つの指令データを1組のデータとすると、上記1サイクル4秒の運転パターンは200組のデータから構成されており、これら200組のデータが図7の洗い運転パターンとしてROM51aに記憶されている。
【0039】
さて、ステップM90、ステップM100、ステップM110において、ROM51aから上記洗い運転パターンを読み出すに当たっては、20ms毎に上記1組のデータ、即ち、3つの指令データを順次読み出すように構成されている。そして、この読み出した3つの指令データをそれぞれモータ駆動指令、電圧指令Vc、位相指令Pcとし、これにてモータ駆動指令、電圧指令Vc、位相指令Pcを決定する構成となっている(ステップM90、ステップM100、ステップM110)。
【0040】
そして、マイクロコンピュータ51は、各ホールIC28u、28v、28wから与えられるセンサ位置検出信号Hu、Hv、Hwと、上記電圧指令Vc、位相指令Pcとに基いて図8(e)に示すような通電信号Du、Dv、Dwを出力する。この通電信号Du、Dv、Dwには、誘起電圧に対するインバータ出力回路43の出力電圧の位相成分(スイッチングタイミング成分)、及び、出力電圧成分(PWM幅成分)が含まれている。また、本実施例の場合、正弦波成分(モータ巻線電流を正弦波状とするための成分)も含まれている。
【0041】
上記通電信号Du、Dv、Dwに応じてPWM回路48から図8(f)で示す駆動信号Vup、Vun(U相のみを示す)が出力され、駆動回路47を介してインバータ主回路43のスイッチング素子44a〜44fがオンオフされる。これにより、図8(g)に示すように、インバータ主回路43の出力電圧(この場合、U相電圧)が、誘起電圧に対して設定された位相指令Pcとなり且つ設定された電圧指令Vcとなるように制御される。この結果、図8(h)に示すような位相及び電流振幅の巻線電流(U相)が流れるようになり、所定のモータ出力が得られる。尚、図8(c)には誘起電圧の電気角を示し、図8(d)にはこれを基準として位相指令Pcずれたところのインバータ主回路43の出力電圧の電気角を示している。
【0042】
さて、ステップM120においては、洗い運転終了か否かを判断し、ここで、洗い運転終了でない場合は、ステップM120にて「NO」へ進み、ステップM90へ戻って上記3つの指令データを決定する処理を繰り返し行い、洗い運転を続けるようになっている。一方、洗い運転終了の場合は、ステップM120にて「YES」へ進み、モータ停止指令を出して(出力の許可・停止のための信号Doをロウレベルとする)、ブラシレスモータ20を停止させ、洗い運転を終了する(ステップM121)。そして、この後は、ステップM20へ戻るように構成されている。尚、洗い運転終了か否かの判断は、上記選択されたコースに対応して設定された洗い運転時間が経過したか否かを判断することにより行なわれるようになっている。
【0043】
以上のマイクロコンピュータ51の動作に伴う作用を、図8を参照して説明する。今、ブラシレスモータ20のロータ27の位置を誘起電圧で示すと、同図のように、各相の誘起電圧の0度位置から30度遅れた位置でホールIC28u、28v、28wの位置検出信号Hu、Hv、Hwがロウレベルからハイレベルに変化する。
【0044】
マイクロコンピュータ51は、ブラシレスモータ20のロータ位置に対応して電気角Peを決定し(同図(c))、位相指令Pcに従って電圧位相Pv(同図(d))決定し、この電圧位相Pv及び電圧指令Vcにより、三相のほぼ正弦波状の通電信号Du、Dv、Dwが形成される(同図(e))。これら通電信号Du、Dv、Dwは、通電手段49のPWM回路48に与えられ、各スイッチング素子44a〜44fの駆動信号(同図(f)参照、但しU相のみ図示)に変換されて、駆動回路47を介してこれら各スイッチング素子44a〜44fがオンオフ制御される。このとき例えばU相の出力電圧は、同図(g)のようになり、そして、U相巻線23uについての電流は同図(h)のようにほぼ正弦波状になる。V相、W相の巻線23v、23wの電流についても、同様にしてほぼ正弦波状になる。
【0045】
このようなマイクロコンピュータ51の動作により、各相巻線23u、23v、23wに各相に応じた位相で出力電圧が与えられることになるが、図7に示したように、位相指令Pcが−90度である位置決めモードの間はロータ27が位置決めされ、位相指令Pcが増加し電圧指令Vcも増加する正回転モードの間はロータ27が正回転し、そして、再度、位置決めモードを経て、逆回転モードとなり、ロータ27が逆回転するようになる。
【0046】
次に、脱水運転時の制御について述べる。この脱水運転制御は、図6のメインプログラムのステップM130において、脱水運転指令があったと判断された(「YES」となった)ときに開始される。そして、ステップM140へ進み、排水弁モータ9を通電駆動する。これにより、排水弁7が開放されて回転槽4内の水が排水されるようになり、回転槽4内の水位を検知する水位センサ55からの検知信号に基づいて回転槽4内の排水が完了するまで排水運転が続けられる(ステップM150)。
【0047】
また、上記排水弁モータ9の通電駆動により、クラッチ29の切換レバー30が下方へ回動動作して、槽軸12とロータ24(及び撹拌軸14)とが一体回転するように連継した態様となる。この態様では、槽軸12、回転槽4、撹拌軸14及び撹拌体5は、ブラシレスモータ20によりダイレクトに回転駆動される。
【0048】
この後、回転槽4内の排水が完了すると、ブラシレスモータ20を通電制御して回転槽4を高速回転させる。具体的には、ステップM160へ進み、複数の脱水運転コースの中からこれから実行する1つの脱水運転コースが選択設定される。続いて、ステップM170、M180、M190の各処理を順に実行することにより、ブラシレスモータ20に対する運転パターン(運転指令)を決定する。この場合、ROM51a内には複数の脱水運転パターンが予め記憶されており、これら複数の脱水運転パターンの中から上記ステップM160にて選択されたコースに対応する脱水運転パターンを選択して読み出すことにより、脱水運転用の運転パターン(脱水運転パターン)を決定している。
【0049】
尚、脱水運転パターンは、図7の洗い運転パターンと同様に、3ビットの駆動指令と、8ビットの電圧指令Vcと、9ビットの位相指令Pcとからなり、各指令の時間的変化パターンが洗い運転パターンの場合と異なるだけである。この場合、ブラシレスモータ20の回転方向は、正回転(正回転モード)だけである。そして、マイクロコンピュータ51の制御動作は、洗い運転の場合と同様であり、上記脱水運転パターンの電圧指令Vcと位相指令Pcとに基づいて通電信号Du、Dv、Dwを生成し、この通電信号Du、Dv、DwをPWM回路48に出力し、このPWM回路48において駆動信号Vup、Vun、Vvp、Vvn、Vwp、Vwnを形成して出力している。更に、この駆動信号Vup、Vun、Vvp、Vvn、Vwp、Vwnは、駆動回路47を介してインバータ主回路43のスイッチング素子44a〜44fへ与えられ、これらスイッチング素子44a〜44fがオンオフされるようになっている。
【0050】
ここで、本実施例で用いる脱水運転パターンの具体例(一例)を、図2に示す。この図2には、電圧指令Vcと位相指令Pcを示すと共に、ブラシレスモータ20のトルクTと、回転速度(回転数)Nと、直流電源回路40の直流電圧DCVとを示している。この脱水運転パターンの区間Aにおいては、ブラシレスモータ20を加速させるために、マイクロコンピュータ51(の通電制御手段61)は、電圧指令Vcをゼロから徐々に増加させる。このとき同時に、マイクロコンピュータ51は、巻線電流の位相と誘起電圧の位相をほぼ一致さるように、位相指令Pcを調整している。尚、この位相指令Pcの調整は、前記した洗い運転の場合と同様にして行えばよく、例えば回転数を基準としたデータテーブルを保有して回転数情報SNに応じて決定すればよい。
【0051】
さて、上記電圧指令Vcは、直流電圧DVCと一致した時点で、それ以上増加させることができなくなる。そこで、この時点で、モータ20の回転速度Nが設定回転速度(例えば800rpm)に達していない場合には、図2の区間Bで示すように、マイクロコンピュータ51は、位相指令Pcを進み方向に調整する。これにより、巻線電流が誘起電圧に対して進み位相状態となり、モータ20は更に加速する。
【0052】
この後、モータ20の回転速度Nが設定回転速度に達すると、図2の区間Cに示すように、マイクロコンピュータ51は、位相指令Pcをほぼ一定として上記設定回転速度を維持するように構成されている。この場合のモータ20の運転状態は、次の通りである。
【0053】
直流電圧DCVは200V、回転速度Nは800rpm、トルクTは0.5Nm、モータ消費電力は149Wであった。また、モータ効率は28%となり、誘起電圧の線間振幅は449Vであった。即ち、モータ20は、この場合、直流電圧を超えた状態で回転している。尚、これら運転状態を示す各値は、シミュレーションや実験等を行うことにより得ている。
【0054】
そして、この後の脱水運転においては、マイクロコンピュータ51は、図2の区間Dで示す第1の制御モードと、図2の区間Eで示す第2の制御モードを交互に繰り返し実行することにより、モータ20の平均回転速度が設定回転速度(800rpm)となるように制御している。
【0055】
まず、第1の制御モードについて、説明する。この第1の制御モードでは、図2の区間Dで示すように、マイクロコンピュータ51は、位相指令Pcを更に進み方向に調整する。これにより、モータ20のトルクTが増大して、モータ20は加速する。この場合、回転槽4の慣性が大きいことから、加速は制限される(即ち、比較的ゆっくり加速する)。この場合のモータ20の運転状態は、次の通りである。
【0056】
直流電圧DCVは200V、回転速度Nは約800rpm、トルクTは2.0Nm、モータ消費電力は288Wであり、モータ効率は58%であった。
【0057】
そして、回転速度が例えば850rpmに達したことが検知されると、マイクロコンピュータ51は、第1の制御モードを終了し、第2の制御モードに移行する。この第2の制御モードでは、マイクロコンピュータ51は、位相指令Pcを遅れ方向に調整することにより、トルクTを低下させモータ20を減速状態にする。更に、マイクロコンピュータ51は、位相指令Pcを遅らせる。これにより、モータ20は制動状態となり、回生状態に移行する。
【0058】
この回生により、直流電圧が上昇し始めると、マイクロコンピュータ51は、分圧回路50を介して直流電圧を検出し、これに追従するように、電圧指令Vcを増加させる。そして、直流電圧が設定値(例えば450V)に達すると、マイクロコンピュータ51は、位相指令Pcを調整して直流電圧が上記設定値を維持するように制御する。
【0059】
ここで、上記設定値は、インバータ主回路43の耐圧範囲内で、誘起電圧の線間電圧に対応した電圧であり、例えばモータ20の回転速度に応じて決まるものであり、ROM51aに記憶している。例えば、脱水運転の回転速度が800rpmの場合、上記設定値は450Vとなる。
【0060】
このとき、モータ20の運転状態は、次の通りとなっている。
【0061】
直流電圧DCVは450V、回転速度Nは約800rpm、トルクTは−0.4Nm、モータ消費電力は−2Wである。
【0062】
この場合、モータ消費電力はゼロが望ましいが、定電圧回路42や排水弁モータ9等に必要な電力を回生により供給しているため、モータ消費電力は−2Wとなっている。また、回生電力を発生することと、モータ20の鉄損などとにより、0.4Nmの制動力が働いている。尚、この制動力は、小さいほうが良い(モータ20の回転速度の減少が小さくなる)。
【0063】
この後、回転速度が例えば750rpmに達したことが検知されると、マイクロコンピュータ51は、上記第2の制御モード(図2の区間E)を終了し、区間Fへ移行し、再び前記第1の制御モードを実行するようになる。そして、これ以降、第1の制御モードと第2の制御モードが交互に繰り返し実行されるように構成されている。この場合、第1の制御モードの実行比率は0.375であり、第2の制御モードの実行比率は0.625である。
【0064】
尚、第1の制御モードの最初において、電圧指令Vcを増加させるときは、図2に示すように、やや傾きをつけて増加させると、運転動作が滑らかになり、騒音の発生を極力防止できる。同様にして、第2の制御モードの最初において、電圧指令Vcを減少させるときは、図2に示すように、やや傾きをつけて減少させると、運転動作が滑らかになり、騒音の発生を極力防止できる。
【0065】
そして、脱水運転時間が脱水運転コースに応じて設定された設定時間に達すると、図6のステップM200において、脱水運転の終了が判定されて「Y」へ進み、ステップM230へ移行し、ここで、ブレーキ処理を実行する。このブレーキ処理については、図9のフローチャートに従って説明する。
【0066】
まず、マイクロコンピュータ51は、図9のステップS200において、ホールIC28u、28v、28wからのセンサ位置信号Hu、Hv、Hwに基いてモータ20の回転速度を検出し、ステップS210にて、この回転速度に基いて電圧指令Vcを決定し、そして、ステップS220にて位相指令Pcを決定する。つまり、ブレーキ開始時の回転速度に応じて、電圧指令Vc及び位相指令Pcを初期設定する。これは、ブレーキ開始時の回転速度に応じてブレーキパターン(制動時の通電パターン)を選択することを意味している。
【0067】
この電圧指令Vc及び位相指令Pcの決定は、図10及び図11に示すブレーキ用のデータテーブルに基いてなされる。尚、これらデータテーブルは、マイクロコンピュータ51のROM51aに記憶されている。図10のデータテーブルにおいては、回転速度Nと電圧指令Vcとの関係が決められ、図11のデータテーブルにおいては、回転速度Nと位相指令Pcとの関係が決められている。
【0068】
そして、上記位相指令Pcは、モータ20の巻線23u、23v、23wに発生する誘起電圧に対するインバータ主回路43の各相の出力電圧の位相を示しており、これにより、各相に流れる電流位相が誘起電圧に対して遅れ位相とするようにしている。つまり、最終的にはロータ24の回転位置に対して電流位相が調整されるところとなる。この位相指令Pcと上記電圧指令Vcと前記各相の位置検出信号Hu、Hv、Hwに基いて、前述した通電信号Du、Dv、Dwが形成される。この通電信号Du、Dv、Dwに基いて、スイッチング素子44a〜44fがオンオフ制御される。このとき、上述したように各相に流れる電流位相が誘起電圧に対して遅れ位相となるから、直流電源回路40側へモータエネルギーが回生され、回生ブレーキ作用が発生する。このときの回生電力はコンデンサ41a、41bに蓄えられることになる。
【0069】
そして、ステップS230〜ステップS270の処理が、ステップS240で「NO」であれば、繰り返し実行されるが、この繰り返し周期はほぼ50msecである。ステップS230では、再度、回転速度を検出し、ステップS240では、回転速度検出結果が予め設定された基準回転速度(回生ブレーキ判定用)より低いか否かを判断する。ここで、回転速度検出結果が基準回転速度よりも高いと判断されると、ステップS250に移行し、回転速度検出結果と図10のデータテーブルから電圧指令Vcを決定する。そして、次のステップS260で、分圧回路50から与えられる電圧検出結果を読み込み、そして、ステップS270で位相指令Pcを次の方法で決定する。
【0070】
今回の電圧検出結果をDC0とし、基準電圧をDCRとすると、
DC0<DCRのとき 位相指令Pc=Pc+1 …(1)
DC0>DCRのとき 位相指令Pc=Pc−1 …(2)
とする。
【0071】
以上のステップS230〜ステップS270の処理が周期的に実行されるときに発生するブレーキ作用については、すでに、特願平10−70192号(特開平11−275889号)に具体的に開示されているので、ここでは説明を省略する。
【0072】
さて、上記した回生ブレーキによりモータ20に制動がかけられると、モータ20の回転速度が低下してゆき、回生ブレーキ作用が低下してゆく。そして、ステップS240において回転速度検出結果が基準回転速度よりも低いと判断されると、ステップS280に移行して短絡ブレーキに切換えられる。この短絡ブレーキは、インバータ主回路43のスイッチング素子44a〜44fのうち上側3つのスイッチング素子44a、44c、44eを同時にオフし、且つ下側3つのスイッチング素子44b、44d、44fを同時にオンして、モータ20の巻線23u、23v、23wを全て短絡状態とすることによりブレーキをかけるものである。
【0073】
そして、図6のステップM240へ進み、モータ停止指令を出して、モータ20を停止させることにより、脱水運転を終了する。この後は、ステップM20へ戻るように構成されている。
【0074】
このような構成の本実施例においては、脱水運転時において、図2に示すように、ブラシレスモータ20の回転速度が一定回転速度(例えば800rpm)に達した後(区間Cの後)、誘起電圧に対して進み位相の通電を行って加速力を得る第1の制御モード(区間D、F、・・・)と、回生電力を調整して直流電圧を設定値となるように制御する第2の制御モード(区間E、・・・)とを交互に繰り返し実行するように制御した。この構成によれば、進み位相の通電を実行してモータ20を高速回転させるときに、第1の制御モードと第2の制御モードを交互に繰り返し実行するようにしたので、消費電力を低減させることができる。
【0075】
ここで、モータ20の消費電力の具体的低減結果(シミュレーションによる結果)について考察してみる。図2の区間Cの一定回転速度制御(設定回転速度制御)の場合の運転状態と、区間D、F、・・・の第1の制御モードの場合の運転状態と、区間E、・・・の第2の制御モードの場合の運転状態と、区間D、E、F、・・・の第1の制御モードと第2の制御モードを交互に繰り返し実行する場合の運転状態とを、比較するために下記の表1を作成した。
【0076】
【表1】
この場合、回転速度850rpmと回転速度750rpmとの間で、第1の制御モードと第2の制御モードを折り返し実行するので、第1の制御モードと第2の制御モードの各平均トルク及び各平均回転速度は、一定回転速度制御の平均トルク及び回転速度と同じになる。
【0077】
また、区間D、E、F、・・・において、第1の制御モードの実行比率は0.375となり、第2の制御モードの実行比率は0.625となる。従って、この場合の平均トルクは、次の通りとなる。
【0078】
2.0Nm×0.375+(−0.4Nm)×0.625=0.5N
となり、一定回転速度制御の場合と同じであるから、平均回転速度800rpmを維持することができる。
【0079】
更に、このときのモータ消費電力は、次の通りとなる。
【0080】
288W×0.375+(−2W)×0.625=109W
となり、モータ消費電力は、一定回転速度制御の場合(149W)と比べてかなり低減される。
【0081】
さて、図12は本発明の第2の実施例を示す図である。この第2の実施例では、第2の制御モードにおいて、直流電圧を360V(設定値)となるように回生電力を調整した。このように、直流電圧を360Vに設定した理由は、インバータ主回路43のスイッチング素子44a〜44fの耐圧が例えば400Vである場合に、この耐圧を超えないようにするためである。即ち、10%の耐圧余裕をとって直流電圧を360Vに設定したのである。尚、第1の実施例において、直流電圧を450Vに設定した理由は、モータ20の回転速度が例えば800rpmであるときの誘起電圧の線間振幅値が449Vであるためである。
【0082】
ここで、第2の実施例についても、第1の実施例の表1と同様の表2を作成してみた。即ち、図12の区間Cの一定回転速度制御の場合の運転状態と、区間D、F、・・・の第1の制御モードの場合の運転状態と、区間E、・・・の第2の制御モードの場合の運転状態と、区間D、E、F、・・・の第1の制御モードと第2の制御モードを交互に繰り返し実行する場合の運転状態とを、比較するために下記の表2を作成した。
【0083】
【表2】
この場合、回転速度850rpmと回転速度750rpmとの間で、第1の制御モードと第2の制御モードを折り返し実行するので、第1の制御モードと第2の制御モードの各平均トルク並びに各平均回転速度は、一定回転速度制御の平均トルク並びに回転速度と同じになる。
【0084】
また、区間D、E、F、・・・において、第1の制御モードの実行比率は0.4となり、第2の制御モードの実行比率は0.6となる。従って、この場合の平均トルクは、次の通りとなる。
【0085】
2.0Nm×0.4+(−0.5Nm)×0.6=0.5N
となり、一定回転速度制御の場合と同じとなり、平均回転速度800rpmを維持することができる。
【0086】
更に、このときのモータ消費電力は、次の通りとなる。
【0087】
288W×0.4+(−2W)×0.6=114W
となり、モータ消費電力は、一定回転速度制御の場合(149W)と比べて低減される。
【0088】
しかも、この場合、誘起電圧の線間振幅値がインバータ主回路43の耐圧を超えるような回転速度であっても、インバータ主回路43に影響を与えない(耐圧を超えない)範囲で、直流電圧の制御値を通常の電圧値(200V)よりも高くすることができ、一定回転速度制御の場合よりも、モータ消費電力を低減することができる。そして、このことから、第2の制御モードにおける直流電圧の制御値は、誘起電圧の線間振幅値に応じて決めることが理想であるが、この理想値よりも低い電圧値としても、或は、高い電圧値としても、消費電力低減効果を得ることができる。
【0089】
図13及び図14は、本発明の第3の実施例を示す図である。この第3の実施例は、いわゆるベクトル制御を実行するインバータ装置並びにこのインバータ装置を搭載した全自動洗濯機に適用した実施例である。尚、第1の実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0090】
図13は、第3の実施例の電気的構成を概略的に示す図(図2相当図)である。この図13において、通電手段49の出力線には、電流センサ63a、63bが配設されており、これら電流センサ63a、63bにより検出された電流信号Iu,Iwは電流変換手段64へ与えられる。この電流変換手段64は、電流信号Iu,Iwを3相/2相変換を行って、磁界と平行な電流Idとこれに直交する電流Iqとに分離し、これら電流Id、Iqを位置推定手段65と電流制御手段66へ与える。
【0091】
上記電流制御手段66は、通電制御手段67から出力される電流指令Idr,Iqrと上記電流Id,Iqを受けて、電流Id,Iqと電流指令Idr,Iqrがそれぞれ一致するように電圧Vd,Vqを決定し、これら電圧Vd,Vqを電圧変換手段68へ出力するように構成されている。そして、電圧変換手段68は、電圧Vd,Vqを2相/3相変換して3相電圧信号Du,Dv,Dwを形成し、これらをPWM回路48へ与えるようになっている。
【0092】
また、第3の実施例では、位置センサを省略してモータ20を駆動するように構成しており、そのために、位置推定手段65を備えている。この位置推定手段65は、電流Id,Iqと電圧Vdを入力して、これらに基づいて次の式によりd軸方向の誘起電圧Edを計算する機能を有している。
【0093】
Ed=Vd−RId+ωLIq
ここで、Rは巻線抵抗、Lはインダクタンス、ωは角周波数である。
【0094】
更に、位置推定手段65は、次の式によって角周波数ωと回転位置Θを決定する機能を有しており、角周波数ωを通電制御手段67へ与え、回転位置Θを電流変換手段64と電圧変換手段68とに与えるように構成されている。
【0095】
ω=ω−KEd
Θ=∫ωdt
ここで、Kはゲイン定数である。
【0096】
また、電圧振幅演算回路69は、電流制御手段66からの電圧Vd,Vqに基づいて出力電圧の線間振幅電圧Vaを演算する機能を有しており、この線間振幅電圧Vaを通電制御手段67へ与える。そして、通電制御手段67は、上記線間振幅電圧Va、分圧回路50からの直流電圧信号DCV、位置推定手段65からの角周波数(回転数情報)ω等の信号が与えられるように構成されている。
【0097】
次に、上記構成の作用、特に、脱水運転時のモータ20の通電制御の動作について図14を参照して説明する。脱水運転において、モータ20を始動する場合、マイクロコンピュータ51の通電制御手段67は、電流指令Iqrをゼロから徐々に増加させる。そして、電流変換手段64、電流制御手段66、電圧変換手段68の作用により、電流Iqが電流指令Iqrに一致するように、3相電圧信号Vu,Vv、Vwが形成され、PWM回路48へ出力される。これにより、通電手段49によってモータ20が通電され、モータ20が始動する。このとき、電流指令Idrは、ゼロに設定されている。
【0098】
ここで、通電制御手段67は、電流指令Idrを次のようにして決定するように構成されている。即ち、電圧振幅演算回路69からの電圧信号Vaと分圧回路50からの直流電圧信号DCVを比較して、
Va≧DCVのとき、電流指令Idr=Idr−x
とし、
Va<DCVのとき、電流指令Idr=Idr+x
としている。ただし、電流指令Idr≦0である。
【0099】
そして、モータ20の始動直後のときは、Va<DCVの条件に当てはまり、電流指令Idr≦0の制限から、電流指令Idrをゼロに固定している。
【0100】
さて、図14の区間Aにおいては、電流制御手段67は、モータ20を加速させるために、電流指令Iqrを増加させて出力し続け、電流指令Idrはゼロを維持している。
【0101】
この後、モータ20の回転速度が増加して、電圧信号Vaと直流電圧信号DCVとがほぼ一致した時点で、電流指令Idrを負方向に推移させ始める。図14の区間Bに示すように、設定回転速度(例えば800rpm)に達するまでの間、電流指令Idrを負方向に推移する。この場合、電流が誘起電圧に対して進み位相状態、即ち、弱め界磁状態となっている。
【0102】
さて、設定回転速度に達すると、図14の区間Cで示すように、電流指令Iqrを減少させて、回転速度を設定回転速度に維持する。このとき、上述したように電流指令Idrが決定されていることから、出力電圧はほぼ最大の状態であり、この場合のモータ20の運転状態は、第1の実施例と同様にして、次の通りとなる。
【0103】
直流電圧DCVは200V、回転速度Nは800rpm、トルクTは0.5Nm、モータ消費電力は149Wである。また、モータ効率は28%となり、誘起電圧の線間振幅は449Vである。即ち、モータ20は、この場合、直流電圧(200V)を超えた状態で回転している。
【0104】
そして、この後の脱水運転においては、通電制御手段67は、図14の区間Dで示す第1の制御モードと、図14の区間Eで示す第2の制御モードを繰り返し実行することにより、モータ20の平均回転速度が設定回転速度(800rpm)となるように制御している。
【0105】
上記第1の制御モードでは、図14の区間Dで示すように、通電制御手段67は、電流指令Iqrを更に増加方向に調整する。これにより、トルクTが増大して、モータ20は加速する。この場合、回転槽4の慣性が大きいことから、加速は制限される(即ち、比較的ゆっくり加速する)。また、同時に、電流指令Idrは、前記の決定方法により負方向に推移する。そして、この場合のモータ20の運転状態は、次の通りである。
【0106】
直流電圧DCVは200V、回転速度Nは約800rpm、トルクTは2.0Nm、モータ消費電力は288Wであり、モータ効率は58%となった。
【0107】
そして、回転速度情報ωにより、回転速度が例えば850rpmに達したことが検知されると、通電制御手段67は、第1の制御モードを終了し、第2の制御モードに移行する。この第2の制御モードでは、通電制御手段67は、電流指令Iqrを負方向に調整することにより、トルクTが低下してモータ20は減速状態になる。更に、通電制御手段67は、電流指令Iqrを減らして負の状態にすることにより、モータ20は制動状態となり、回生状態に移行する。
【0108】
この回生により、直流電圧が上昇し始めると、通電制御手段67は、分圧回路50を介して直流電圧を検出し、これに追従するように、電流指令Idrを正方向に変化させる。そして、直流電圧が設定値(例えば450V)に達すると、通電制御手段67は、電流指令Idrを調整して直流電圧が上記設定値を維持するように制御する構成となっている。
【0109】
ここで、上記設定値は、インバータ主回路43の耐圧範囲内で、誘起電圧の線間振幅に対応した電圧であり、例えばモータ20の回転速度に応じて決まるものであり、ROM51aに記憶している。例えば、脱水運転の回転速度が例えば800rpmの場合、上記設定値は450Vとなる。
【0110】
そして、このとき、モータ20の運転状態は、次の通りとなっている。
【0111】
直流電圧DCVは450V、回転速度Nは約800rpm、トルクTは−0.4Nm、モータ消費電力は−2Wである。
【0112】
この場合、モータ消費電力はゼロが望ましいが、定電圧回路42や排水弁モータ9等に必要な電力を回生により供給しているため、モータ消費電力は−2Wとなっている。また、回生電力を発生することと、モータ20の鉄損などとにより、0.4Nmの制動力が働いている。
【0113】
この後、回転速度が例えば750rpmに達したことが検知されると、通電制御手段67は、上記第2の制御モード(図14の区間E)を終了し、図14の区間Fへ移行し、再び前記第1の制御モードを実行するようになる。そして、これ以降、第1の制御モードと第2の制御モードを交互に繰り返し実行するように構成されている。この場合、第1の制御モードの実行比率は0.375であり、第2の制御モードの実行比率は0.625である。
【0114】
そして、以上説明した脱水運転の制御動作により、第3の実施例においても、第1の実施例と同様にして、前記表1の関係が成立することから、モータ20の消費電力が低減する。
【0115】
また、図15は本発明の第4の実施例を示す図である。この第4の実施例では、上記第3の実施例の第2の制御モードにおいて、直流電圧の制御値を360V(設定値)となるように回生電力を調整した。このように、直流電圧を360Vに設定した理由は、インバータ主回路43のスイッチング素子44a〜44fの耐圧が例えば400Vである場合に、この耐圧を超えないようにするためである。即ち、10%の耐圧余裕をとって直流電圧を360Vに設定したのである。このように制御した場合のタイミングチャートが、図15である。
【0116】
そして、第4の実施例においても、第2の実施例と同様にして、前記表2の関係が成立することから、モータ20の消費電力が低減する。
【0117】
次に、本発明の効果、即ち、ブラシレスモータ20の消費電力を低減できるという効果について、モータ20の損失という面から考察するために、下記の表3、4を作成してみた。尚、これら表3、4は、シミュレーションや実験等を実行することにより求めたデータに基づいて作成したものである。
【0118】
【表3】
【表4】
上記表3は、第2の制御モードにおいて、直流電圧の制御値を450Vに制御した場合(第1の実施例と第3の実施例)を示している。また、上記表4は、第2の制御モードにおいて、直流電圧の制御値を360Vに制御した場合を示している(第2の実施例と第4の実施例)。
【0119】
上記表3、4から、次のことがわかる。即ち、一定回転速度制御と、第1の制御モードと第2の制御モードを交互に繰り返し実行する制御とを比較すると、トルクに寄与する電流Iq(実効値)の平均値に差がないが、弱め界磁、つまり誘起電圧を打ち消すための負の電流Id(実効値)が大幅に減っている。これは、第2の制御モードでは、直流電圧を通常よりも高い電圧に制御しており、負の電流Idを必要としないためである。従って、電流Idの平均値の違いにより電流Idによる銅損が減少して、モータ20の消費電力が低減するのである。
【0120】
尚、上記各実施例においては、第1の制御モードと第2の制御モードの切換を、モータ20の回転速度に基づいて行うように構成したが、これに限られるものではなく、例えば予め実験的に求めた第1の制御モードと第2の制御モードの比率や時間等による制御でも良い。
【0121】
また、第2の制御モードにおいて、インバータ主回路43のスイッチング素子44a〜44fを全てオフするように制御しても良い。この構成の場合、モータ20の誘起電圧が各スイッチング素子44a〜44fのフリーホイールダイオード45a〜45fを介して直流電圧を上昇させることから、前記各実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0122】
但し、上記構成の場合、第2の制御モードでスイッチング素子44a〜44fをオフする際、並びに、第1の制御モードでスイッチング素子44a〜44fをオンする際に、急激な電流変化によるトルク変動が起こり、このトルク変動に伴う振動や騒音が発生することがある。また、誘起電圧の線間振幅がインバータ主回路43の耐圧以下であることが、運転条件となる。
【0123】
このことは、換言すると、次のことを示している。即ち、前記各実施例によれば、制御量(第1、2実施例では電圧指令及び位相指令、第3、4実施例では電流Id及び電流Iq)を連続的に変化させているので、急激な電流変化によるトルク変動に伴う振動や騒音が発生しなくなる。また、前記各実施例では、回生電力を調整して直流電圧を制御しているので、誘起電圧の線間振幅がインバータ主回路43の耐圧を越えるような条件(回転速度)でも動作可能となる。
【0124】
また、本発明は、ブラシレスモータ(永久磁石モータ)を進み角制御、弱め界磁制御の状態で駆動している構成のすべてに対して適用可能である。特に、第3の実施例にて説明したように、電流Iqに対して電流Idの大きさが大きいような構成の用途に有効であり、ダイレクトドライブ方式の洗濯機や車両(電気自動車等)などのように、低速高トルクと速高低トルクを両立させている構成において、速高低トルクの状態の制御に効果が大きい。
【0125】
ところで、本発明の運転制御の場合、第1の制御モードと第2の制御モードを交互に繰り返し実行するため、モータは加速と減速を繰り返すことになるから、慣性が小さいモータや負荷の場合には、モータの回転速度変動が大きくなり、運転の振動や騒音が大きくなるおそれがあり、適切であるとはいえない。これに対して、慣性が大きい用途、例えばダイレクトドライブ方式の洗濯機の脱水運転の場合には、モータの回転速度変動が比較的小さいことから、脱水性能をほとんど損なうことなく、消費電力の低減を達成することができる。
【0126】
尚、第1の制御モードにおいては、一定回転速度制御に比較して、大きな電流を必要とすることから、インバータ主回路の電流容量を大きくする必要があるが、例えばダイレクトドライブ方式の洗濯機のように洗い運転時に大きな電流を必要とする構成の場合、電流容量の十分大きなインバータ主回路を備えているので、支障はない。
【0127】
一方、上記各実施例においては、回転槽4の周壁部の上部にだけ脱水孔部を有する全自動洗濯機に適用したが、これに代えて、回転槽の周壁部全体に脱水孔が多数形成された全自動洗濯機に適用しても良い。
【0128】
また、本発明をドラム式洗濯機(ダイレクトドライブ方式のドラム式洗濯機)に適用しても良い。ここで、ダイレクトドライブ方式のドラム式洗濯機(衣類乾燥機としての機能も有する)の一例を、図16に示す。尚、このダイレクトドライブ方式のドラム式洗濯機の具体的構成については、例えば特願2000−156944に記載されており、適宜参照して引用することが好ましい。
【0129】
更に、前記各実施例においては、本発明を回転槽4の回転軸が縦軸であるダイレクトドライブ方式の全自動洗濯機に適用したが、これに限られるものではなく、例えば本発明を回転槽4の回転軸が縦軸である全自動洗濯乾燥機(衣類乾燥機としての機能も有するもの)に適用しても良い。
【0130】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、永久磁石モータを通電制御するインバータ装置において、誘起電圧に対して進み位相の通電を行って加速力を得る第1の制御モードと、回生電力を調整して直流電圧を設定値となるように制御する第2の制御モードとを備え、更に、第1の制御モードによる加速と、第2の制御モードによる減速を交互に繰り返し実行することにより、速度の変動幅を許容しながら高速回転を得るように構成したので、進み位相の通電を実行して永久磁石モータを高速回転させるときでも、消費電力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】全自動洗濯機の電気的構成を示す図
【図2】タイムチャート
【図3】全自動洗濯機の縦断面図
【図4】ブラシレスモータ周辺の縦断面図
【図5】全自動洗濯機の電気的構成を示す図
【図6】フローチャート
【図7】洗い運転パターンの一例を示す図
【図8】タイムチャート
【図9】フローチャート
【図10】回転速度と電圧指令との関係を示すデータテーブルを示す図
【図11】回転速度と位相指令との関係を示すデータテーブルを示す図
【図12】本発明の第2の実施例を示す図2相当図
【図13】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【図14】図2相当図
【図15】本発明の第4の実施例を示す図2相当図
【図16】ドラム式洗濯機の縦断側面図
【図17】従来構成を示すものであり、トルクと、回転速度及びモータ電流との関係を示す特性図
【符号の説明】
4は回転槽、5は撹拌体、7は排水弁、9は排水弁モータ、20はブラシレスモータ(永久磁石モータ)、21はステータ、22は積層鉄心、23u、23v、23wは巻線、24はロータ、25はロータハウジング、26はロータヨーク、27はロータマグネット、28u、28v、28wはホールIC、35はばね、36は交流電源、40は直流電源回路、43はインバータ主回路、44a〜44fはスイッチング素子、45a〜45fはフリーホイールダイオード、47は駆動回路、48はPWM回路、49は通電手段、50は分圧回路、51はマイクロコンピュータ(制御手段)、52はインバータ装置、58は操作スイッチ、61は通電制御手段(制御手段)、62は通電信号形成手段、63a,63bは電流センサ、64は電流変換手段、65は位置推定手段、66は電流制御手段、67は通電制御手段(制御手段)、68は電圧変換手段、69は電圧振幅演算回路を示す。
Claims (4)
- 永久磁石モータを通電制御するインバータ装置において、
誘起電圧に対して進み位相の通電を行って加速力を得る第1の制御モードと、
回生電力を調整して直流電圧を設定値となるように制御する第2の制御モードとを備え、
消費電力を低減するために、前記第1の制御モードによる加速と、前記第2の制御モードによる減速を交互に繰り返し実行することにより、速度の変動幅を許容しながら高速回転を得る制御手段を備えたことを特徴とするインバータ装置。 - 永久磁石モータを通電制御するものであって、電圧の振幅と、誘起電圧に対する電圧位相とを制御するように構成されたインバータ装置において、
電圧振幅をほぼ最大として、電圧位相を誘起電圧に対して進み位相として加速力を得る第1の制御モードと、
電圧位相を前記第1の制御モードよりも遅れ位相として、電力の回生量を調整して直流電圧が設定値となるように制御する第2の制御モードとを備え、
消費電力を低減するために、前記第1の制御モードによる加速と、前記第2の制御モードによる減速を交互に繰り返し実行することにより、速度の変動幅を許容しながら高速回転を得る制御手段を備えたことを特徴とするインバータ装置。 - 永久磁石モータを通電制御するものであって、磁界と平行なd軸電流とこれに直交するq軸電流とに分離して各電流を独立に制御するインバータ装置において、
q軸電流を正方向に制御して加速力を得ると共に、d軸電流を電圧振幅がほぼ最大となるように負方向に制御する第1の制御モードと、
q軸電流を零または負方向に制御して電力の回生量を制御して直流電圧が設定値となるようにすると共に、d軸電流を電圧振幅がほぼ最大となるように負方向に制御する第2の制御モードとを備え、
消費電力を低減するために、前記第1の制御モードによる加速と、前記第2の制御モードによる減速を交互に繰り返し実行することにより、速度の変動幅を許容しながら高速回転を得る制御手段を備えたことを特徴とするインバータ装置。 - 外槽と、
この外槽の内部に回転可能に設けられた回転槽と、
この回転槽をダイレクトドライブ方式で回転駆動するものであって、複数相の巻線を有する永久磁石モータと、
前記請求項1ないし3のいずれかに記載されたインバータ装置とを備えて成る洗濯機。
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