JP3895284B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転槽をダイレクトドライブ方式で回転駆動するモータを備えて成る洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
洗濯機においては、周知のように、外槽内に洗い槽兼脱水バスケットとしての回転槽が回転可能に設けられていると共に、この回転槽の内底部に撹拌体が回転可能に設けられている。そして、撹拌体及び回転槽は、モータにより回転駆動されるように構成されている。この構成の場合、洗い運転を実行するときには、回転槽を制動停止させた状態で、モータの回転を減速して撹拌体に伝達してこれを正逆回転駆動する。また、脱水運転を実行するときには、回転槽の制動を解除し、モータの回転を減速せずに回転槽及び撹拌体に伝達して両者を高速回転駆動するように構成されている。
【0003】
そして、このような回転駆動を行うために、モータから回転槽及び撹拌体までの回転力伝達経路中に、ベルト伝達機構、クラッチ機構、遊星ギアを内蔵したギア減速機構等が設けられている。しかし、上記した構成の洗濯機では、モータから回転槽及び撹拌体までの回転力伝達経路中に、ベルト伝達機構やギア減速機構等が設けられているため、洗濯機全体の重量が重くなると共に、上下方向の寸法が大きくなり、また、ギア減速機構の動作時にかなり大きな騒音が発生するという問題点があった。
【0004】
このような問題点を解消する構成として、モータにより撹拌体及び回転槽をダイレクトドライブ方式で回転駆動するように構成したものが考えられている。この構成では、回転槽を停止させた状態でモータによりダイレクトに撹拌体を正逆回転駆動する運転状態と、回転槽を回転可能にした状態でモータによりダイレクトに回転槽及び撹拌体を高速回転駆動する運転状態とを切り換えるクラッチを設けている。この構成では、回転槽及び撹拌体をモータによりダイレクトドライブする構成となるため、ベルト伝達機構やギア減速機構等を不用にすることができ、洗濯機全体の重量を軽減できると共に、上下方向の寸法を小さくし得、また、ギアの動作騒音をなくすことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の洗濯機では、モータとして高トルクを発生すると共に回転速度を低速から高速まで広範囲に可変制御することができるモータを使用する必要がある。このため、直流ブラシレスモータを使用することが考えられている。このブラシレスモータは、インバータ装置により通電駆動するモータである。この場合、ブラシレスモータには、ロータの回転位置を検知するために例えばホールICが3個配設されており、これらホールICから出力される位置センサ信号に基づいてインバータ装置により電気角で120度通電する矩形波電圧を生成し、この矩形波電圧をブラシレスモータに供給して通電駆動するように構成されている。
【0006】
上述した構成においては、矩形波電圧によりブラシレスモータを通電駆動する場合、巻線の通電相を切り換えることに伴って、即ち、転流に伴ってトルク変動が発生する。このため、上記トルク変動によりブラシレスモータに振動が発生し、運転騒音が生ずるという問題がある。特に、このように構成した洗濯機の場合、ダイレクトドライブ方式としたことにより、騒音がかなり低減しているので、上記ブラシレスモータのトルク変動に起因する騒音が目立ってしまう。また、ブラシレスモータは、洗濯機の外槽に取り付けられているので、この外槽がブラシレスモータの振動に共鳴することがあり、騒音が大きくなるおそれもある。
【0007】
また、製造性の向上やコストの低廉化の面からすると、ホールICの数も極力減らしたいというのが実情であり、特に、モータ回りの制御回路基板にホールICを搭載すると該基板の大きさも大きくなり、また各ホールICに付随するリード線も比較的長いことを考慮すると、ホールICつまりロータ位置検知手段の個数を少しでも減らしたいというのが実情である。
さらに、複数のロータ位置検知手段の位置センサ信号の不均一により回転中に振動が発生することもある。
さらにまた、特に始動の際におけるブラシレスモータの振動発生も低減させたいという要望もある。
【0008】
本発明の目的は、ブラシレスモータにより撹拌体及び回転槽をダイレクトドライブ方式で回転駆動する構成としながら、運転振動及び運転騒音をより一層小さくし且つロータ位置検知手段の個数の削減を図るところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、
外槽の内部に回転可能に設けられた回転槽と、
この回転槽をダイレクトドライブ方式で回転駆動する複数相の巻線を有するブラシレスモータと、
このブラシレスモータのロータの回転位置を検知してデジタル信号からなる位置センサ信号を出力する前記巻線の相数より少ない数のロータ位置検知手段と、
正弦波形に応じた電圧率を記憶した電圧率記憶手段と、
前記ロータ位置検知手段からの前記位置センサ信号に基き、前記電圧率記憶手段の電圧率から前記複数相のほぼ正弦波状の通電信号を形成する通電信号形成手段と、
この通電信号形成手段からの通電信号に基いて前記複数相の巻線に通電する駆動手段と
を備えて構成される。
【0010】
この構成においては、位置センサ信号にに基き、電圧率記憶手段の電圧率からほぼ正弦波状の通電信号を形成すると共に、この通電信号に基づいてブラシレスモータを通電制御するように構成したので、ブラシレスモータにトルク変動がほとんど発生しなくなる。これにより、洗濯機の運転振動及び運転騒音を一層小さくすることができる。しかもこの構成においては、巻線の相数より少ない個数のロータ位置検知手段による位置センサ信号を用いるようにしたので、巻線相数と同個数のロータ位置検知手段を用いる場合に比してロータ位置検知手段の個数を削減し得るものである。また、ロータ位置検出手段は位置センサ信号としてデジタル信号を出力するから、アナログの位置センサ信号を出力する場合に比して、温度など環境要因に影響されないと共に、回路の集積化が容易であり、また、アナログの位置センサ信号を用いる場合、変化するアナログ値を瞬時瞬時に検知処理する必要があり、信号処理系が複雑となって高速マイコン処理が必要となるが、デジタル位置センサ信号の場合は信号処理系が簡略化できる。また、デジタル位置センサ信号はノイズに強く、ロータ位置検出手段とデジタル位置センサ信号の受入側との間の信号ラインが長い場合に好適する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を全自動洗濯機に適用した一実施例について図面を参照して説明する。まず、全自動洗濯機の全体構成を示す図2において、外箱1内には、脱水される水を受ける外槽である水受槽2が弾性吊持機構3を介して弾性支持されている。この水受槽2の内部には、洗い槽及び脱水バスケットを兼用する回転槽4が回転可能に配設されている。この回転槽4の内底部には、撹拌体5が回転可能に配設されている。
【0012】
上記回転槽4は、ほぼ円筒状をなす槽本体4aと、この槽本体4aの内側に通水用空隙を形成するために設けられた内筒4bと、槽本体4aの上端部に設けられたバランスリング4cとから構成されている。この回転槽4が回転駆動されると、内部の水は遠心力により槽本体4aの内周面に沿って上昇して槽本体4aの上部に形成された脱水孔部(図示しない)を通って水受槽2内へ放出される構成となっている。
【0013】
また、水受槽2の底部の図2中右端部には、排水口6が形成され、この排水口6には排水弁7が設けられていると共に、排水ホース8が接続されている。上記排水弁7は、後述する排水弁駆動手段としての排水弁モータ9(図1参照)により開閉駆動される弁であり、いわゆるモータ式排水弁である。上記排水弁モータ9は、例えばギアドモータから構成されている。更に、水受槽2の底部の図2中左端部には、補助排水口6aが形成されており、この補助排水口6aは図示しない連結ホースを介して排水ホース8に接続されている。上記補助排水口6aは、回転槽4が脱水回転されたときに、その上部から脱水されて水受槽2内へ放出された水を排水するためのものである。
【0014】
また、図3にも示すように、水受槽2の外底部には、機構部ベース10が取付けられている。この機構部ベース10の中央部には、軸支持筒部11が上下方向に延びるように形成されている。この軸支持筒部11の内部には、中空状の槽軸12が軸受13、13を介して回転自在に挿通支持されている。この槽軸12の内部には、撹拌軸14が軸受15、15を介して回転自在に挿通支持されている。この撹拌軸14の上下端部は、槽軸12から突出している。
【0015】
更に、機構部ベース10の軸支持筒部11の上端部は、水受槽2の底部中心部に形成された貫通口2a内にシール16を介して嵌合されている。このシール16により軸支持筒部11の上端部と水受槽2の貫通口2aとの間が水密にシールされている。更に、シール16は槽軸12の外周面と軸支持筒部11の上端部との間にも設けられており、両者間が水密にシールされている。また、槽軸12の上端部には、フランジ部12aが一体に形成されている。このフランジ部12aには、回転槽4が槽受け板17を介して連結固定されている。これにより、槽軸12に回転槽4が一体回転するように取付けられている。また、撹拌軸14の上端部には、図2にも示すように、撹拌体5が嵌合されてねじ止め固定されており、もって撹拌軸14に撹拌体5が一体回転するように取付けられている。
【0016】
尚、水受槽2の内底部における中心部と排水口6との間の部分には、図2にも示すように、排水カバー18が装着されている。この排水カバー18により、回転槽4の底部に設けられた貫通孔4dから排水口6まで連通する排水通路19が形成されている。この構成の場合、排水弁7を閉鎖した状態で回転槽4内へ給水すると、回転槽4内と上記排水通路19内に水が貯留されるようになる。そして、排水弁7を開放すると、回転槽4内の水が貫通孔4d、排水通路19、排水口6、排水弁7、排水ホース8を通って排水されるように構成されている。
【0017】
さて、水受槽2の外底部の機構部ベース10には、例えばアウタロータ形のブラシレスモータ20が設けられている。具体的には、図3に示すように、機構部ベース10に、ブラシレスモータ20のステータ21が撹拌軸14と同心状態になるように段付きねじ22により締め付け固定されている。上記ステータ21は、図4にも示すように、積層鉄心23と、上ボビン24と、下ボビン25と、巻線26(図3参照)とから構成されている。上記積層鉄心23は、図4に示すように、ほぼ円弧状をなす3個の単位鉄心23aを円環状に連結して構成されている。また、上下のボビン24、25は、プラスチックにより形成されており、積層鉄心23の各ティース部分に上下から嵌合されている。そして、嵌合されたボビン24、25の外周に、巻線26が巻装されている。上記巻線26は、図1に示すように、3相の巻線26u、26v、26wから構成されている。
【0018】
一方、ブラシレスモータ20のロータ27は、図3に示すように、撹拌軸14の下端部にこれと一体回転するように取付けられている。上記ロータ27は、ロータハウジング28と、ロータヨーク29と、ロータマグネット30とから構成されている。ここで、ロータハウジング28は、例えばアルミダイキャストにより形成されており、中心部にボス部28aが形成されていると共に、外周部にマグネット配置部28bが形成されている。上記ボス部28a内に、撹拌軸14の下端部が嵌合固定されている。
【0019】
また、上記マグネット配置部28bは、水平部及び垂直部を有しており、垂直部の内面に上記ロータヨーク29を当接させると共に水平部に上記ロータヨーク27をねじ止めにより固定している。そして、このロータヨーク27の内面に、複数個のロータマグネット30が例えば接着により装着されている。また、図3及び図5にも示すように、ロータハウジング28の周縁部分の上面におけるステータ21の巻線26と対向する部分には、多数のリブ28cが放射状に突設されている。更に、ロータハウジング28の中央部分の上面には、複数の凸部28dが軸心の回りに放射状に突設されている。これら複数の凸部28dが係合部を構成している。
【0020】
一方、図3に示すように、機構部ハウジング10の外周部には、ロータ27のロータマグネット30の回転位置を検出するロータ位置検知手段として、巻線の相数より少ない個数例えば2個のホールIC31a、31b(この図では31aのみを示し、図1には31a、31b示している)が取付具32を介して取付けられている。上記2個のホールIC31a、31bは、図13に示すように位置センサ信号Ha、Hbがロータ位相の電気角でπ/2[rad](90度)ごとに変化するように配設されている。なお、このホールIC31aは、U相の誘起電圧に対して同期してハイレベル、ロウレベルのデジタル信号を出力するようにロータ27との位置関係が設定されている。つまり、U相巻線26uとロータマグネット30の磁極とが対向した位置でハイレベルに変化する位置センサ信号Haが得られる位置関係となっている。
【0021】
さて、槽軸12の下端部には、クラッチ32が設けられている。このクラッチ32は、脱水運転時にロータ27、撹拌軸14及び槽軸12が一体回転するように連継する態様と、洗い運転時に槽軸12だけがロータ27及び撹拌軸14と一体回転しないように連継解除する態様とを切換える機能を有している。以下、このクラッチ32について具体的に説明する。まず、図6に示すように、クラッチ32は、矩形枠状をなす切換レバー33と、この切換レバー33の内部に配設されたホルダー34とから構成されている。
【0022】
上記ホルダー34は、槽軸12の下端部にこれと一体回転するように取り付けられている。具体的には、図5に示すように、槽軸12の下端部の外周面に一対の平坦面部12b、12bが形成されている。そして、ホルダ34の中央部分には、上記槽軸12の下端部が嵌合する嵌合孔34aが形成されている。この嵌合孔34aの内面には、槽軸12の平坦面12b、12bが当接する平坦面部が形成されている。また、ホルダ34の図5中左端部外面には、断面ほぼ半円形の枢支凹部34bが形成されている。上記構成の場合、ホルダ34の嵌合孔34aに槽軸12の下端部を挿入嵌合した状態で、ねじ止めすることによりホルダ34を槽軸12に固定している。更に、ホルダ34と下部の軸受13との間には、例えば波ワッシャ35が配設されている。この波ワッシャ35により下部の軸受13が上方へ与圧されている。
【0023】
一方、切換レバー33は、図5及び図6に示すように、内部にホルダ34を嵌合することにより、ホルダ34及び相軸12と一体回転するように構成されている。上記切換レバー33の基端部33a(図5中左端部)の内面側には、ホルダー34の枢支凹部34bと嵌合する断面ほぼ半円形状の枢支凸部33b(図3参照)が形成されている。この場合、枢支凸部33bと枢支凹部34bの嵌合部分を回動支点として、切換レバー33は上下方向に回動動作するように構成されている。
【0024】
また、切換レバー33とホルダ34との間には、図5及び図6に示すように、トグルばね36が設けられている。このトグルばね36のばね力により切換レバー33は、上方の回動位置に動作した状態(図2参照)に保持されるように、または、下方の回動位置に動作した状態(図7参照)に保持されるように構成されている。そして、切換レバー33の先端部33cの上下部には、凸部33d及び33eが突設されている。また、切換レバー33の先端部33cの外面には、被操作部33fが突設されている。
【0025】
一方、静止部位である機構部ベース10の中心側部分の下面には、図3及び図5に示すように、凹部37が切換レバー33の上部の凸部33dと対応するように形成されている。この構成の場合、切換レバー33が上方へ回動動作すると (図2参照、この場合は、洗い運転時)、切換レバー33の凸部33dが機構部ベース10の凹部37に嵌合する。これにより、槽軸12ひいては回転槽4が静止部位である機構部ベース10に固定される。そして、上記凹部37と凸部33dの嵌合状態では、槽軸12だけがロータ27及び撹拌軸14と一体回転しないように連継解除された態様となっている。この態様の場合、撹拌軸14及び撹拌体5は、ブラシレスモータ20によりダイレクトに回転駆動される。尚、ロータ27と撹拌軸14は、元々一体回転するように連結されている。
【0026】
これに対して、切換レバー33が下方へ回動動作すると(図7参照、この場合は、脱水運転時)、切換レバー33の下部の凸部33eがロータハウンジング28の上面の複数の凸部28d間に係合する。これにより、槽軸12とロータ27(及び撹拌軸14)とが一体回転するように連継した態様となる。この態様の場合、槽軸12、回転槽4、撹拌軸14及び撹拌体5は、ブラシレスモータ20によりダイレクトに回転駆動される。この結果、ブラシレスモータ20は、撹拌体5または撹拌体5及び回転槽4をダイレクトドライブ方式で回転駆動する構成となっている。
【0027】
また、機構部ベース10の図3中右端部には、制御レバー38が回動可能に軸支されている。この制御レバー38の先端部側は、図6に示すように、二又状に分かれており、そのうちの一方(図6中右方)の先端部に下向きの傾斜面38aが形成されていると共に、他方(図6中左方)の先端部に上向きの傾斜面38bが形成されている。この場合、排水弁7を駆動する排水弁モータ9により制御レバー38が一方向へ回動されると、制御レバー38の下向きの傾斜面38aによりクラッチ32の切換レバー33の被操作部33fが下方へ押圧されて、該切換レバー33が下方へ回動動作され、図7に示す状態となる。この図7の状態は、脱水運転に対応しており、排水弁7が開放されている。
【0028】
一方、この図7の状態で、排水弁モータ9が断電されると、排水弁7の復帰ばねのばね力により制御レバー38が反転方向へ回動され、制御レバー38の上向きの傾斜面38bにより上記切換レバー33の被操作部33fが上方へ押圧されて、該切換レバー33が上方へ回動動作され、図2に示す状態となる。この図2の状態は、洗い運転に対応しており、排水弁7が閉塞されている。
【0029】
次に、上記全自動洗濯機の電気的構成について図1を参照して説明する。この図1において、交流電源39の両端子は、一方にリアクトル40を介して全波整流回路41の入力端子に接続されている。全波整流回路41の出力端子間には、平滑コンデンサ42a、42bが接続されており、この平滑コンデンサ42a、42bと全波整流回路41とから直流電源回路43が構成されている。
【0030】
この直流電源回路43の出力端子から直流母線44a、44bが導出されており、これら直流母線44a、44b間には定電圧回路45、放電回路46、インバータ主回路47が接続されている。また、直流母線44aにおける定電圧回路45と放電回路46との間の部位には、リレー48及び図示極性のダイオード49が並列に接続されている。上記放電回路46は、放電抵抗50と例えばIGBTからなるスイッチング素子51とを直列接続して構成されている。上記スイッチング素子51の制御端子(ゲート)は、例えばフォトカプラからなる駆動回路52に接続されている。この場合、放電回路46と駆動回路52とから放電手段53が構成されている。
【0031】
また、インバータ主回路47は、3相ブリッジ接続された例えばIGBTからなるスイッチング素子54a〜54fと、これらスイッチング素子54a〜54fにそれぞれ並列接続されたフリーホイールダイオード55a〜55fとから構成されている。そして、上記インバータ主回路47の出力端子56u、56v、56wは、ブラシレスモータ20の3相の巻線26u、26v、26wに接続されている。また、インバータ主回路47の各スイッチング素子54a〜54fの制御端子(ゲート)は、例えばフォトカプラからなる駆動回路57に接続されている。この駆動回路57はPWM回路58からの信号により制御されて上記各スイッチング素子54a〜54fをオンオフ制御するようになっている。これらインバータ主回路47、駆動回路57及びPWM回路58から駆動手段59が構成されている。
【0032】
上記PWM回路58は、内部に所定周波数の三角波形信号を発生する手段を備えており、次の述べるマイクロコンピュータ60から与えられる通電信号DU、DV、DWと上記三角波形とを比較し、その比較結果を駆動信号Vup、Vun、Vvp、Vvn、Vwp、Vwnとして駆動回路57に出力するようになっている。なお、駆動信号Vup、Vunを図16(g)に示している。
【0033】
一方、ブラシレスモータ20の2個のホールIC31a、31bから出力された位置センサ信号Ha、Hbは、上記マイクロコンピュータ60へ与えられるように構成されている。この場合、位置センサ信号Ha、Hbの受入側であるマイクロコンピュータ60との間の信号ラインにノイズが混入することが少ない。また、マイクロコンピュータ60は洗濯機上部の操作パネルに配置され、2個のホールIC31a、31bはブラシレスモータ20に配置されるから、上記信号ラインが長いといった洗濯機において、ノイズ混入防止に有効である。さらに、アナログの位置センサ信号を用いる場合、変化するアナログ値を瞬時瞬時に検知処理する必要があり、信号処理系が複雑となって高速マイコン処理が必要となるが、本実施例では、デジタル信号からなる位置センサ信号であるので、信号処理系が簡略化できる。このマイクロコンピュータ60は、ブラシレスモータ20を通電制御する機能並びに全自動洗濯機の運転全般を制御する機能を有しており、そのための制御プログラム及びこのプログラムの実行に必要なデータ(後述する通電波形データ等を含む)を内部に設けられたROM60aに記憶している。また、マイクロコンピュータ60の内部には、作業領域としてRAM60bが設けられている。この場合、マイクロコンピュータ60は、通電信号形成手段、第1の通電信号形成手段、第2の通電信号形成手段、変化周期測定手段、電圧位相決定手段、電気角決定手段、位相指令決定手段、選択手段、回転通電信号形成手段、位置決め通電信号形成手段、モータ動作選択手段、位相指令形成手段、電圧指令形成手段としての各機能を備える構成となっている。
【0034】
また、マイクロコンピュータ60には、例えば16ビットカウンタからなる2個のタイマ61、62を有している。そして、マイクロコンピュータ60は、詳しくは後述するようにして例えば8ビットの通電信号である出力波形データDu、Dv、Dwを形成し、これら出力波形データDu、Dv、Dwを上述したPWM回路58に与えるように構成されている。更に、マイクロコンピュータ60は、出力の許可・停止のための信号Doを上記PWM回路58に与えるように構成されている。
そして、上述の駆動手段59と、マイクロコンピュータ60と放電手段53と直流電源回路43とからインバータ装置63が構成されている。
【0035】
一方、マイクロコンピュータ60は、直流母線44aの電圧値を分圧回路64を介して検知できるように構成されている。この場合、分圧回路64から出力される電圧信号は、マイクロコンピュータ60のA/D変換機能を有する入力端子に与えられるようになっている。また、マイクロコンピュータ60は、前記リレー48をリレー駆動回路65を介してオンオフ制御するように構成されている。さらに、マイクロコンピュータ60は、前記排水弁7を開閉駆動する排水弁モータ9並びに回転槽4内へ給水する給水弁66を通電制御するように構成されている。
【0036】
また、マイクロコンピュータ60は、交流電源39の電圧に基づいて停電を検知する停電検出回路67からの停電検出信号、回転槽4内の水位を検知する水位センサ68からの水位検知信号、外箱1の上部に設けられた蓋69(図2参照)の開閉状態を検知する蓋スイッチ70からの開閉検知信号、図示しない操作パネルに設けられた各種の操作スイッチ71からのスイッチ信号を受けるように構成されている。
【0037】
次に、上記構成の作用(具体的には、洗い運転及び脱水運転時の制御動作)について図8ないし図15を参照して説明する。ここで、図8ないし図11は、マイクロコンピュータ60内に記憶された制御プログラムの制御内容を示すフローチャートである。このうち、図8のフローチャートは、洗い運転及び脱水運転のメイン処理の制御内容を示している。図9のフローチャートは、モータ駆動用のメイン処理の制御内容を示している。図10のフローチャートは、第1の割り込み処理の制御内容を示しており、この第1の割り込み処理は、ホールIC31a、31bの位置センサ信号Ha、Hbの変化により発生するものである。図11のフローチャートは、第2の割り込み処理の制御内容を示しており、この第2の割り込み処理は、後述する第2のタイマ62が時間データDT2をカウントするごとに発生するものである。
【0038】
まず、洗い運転の動作について説明する。交流電源39に接続されると、最初に図8のステップM10の初期設定処理が実行される。ここでは、マイクロコンピュータ60はRAM60bの初期化や出力端子の初期出力等を行なう。続いて、各種の操作スイッチ71のなかの1つのスイッチである電源スイッチがオンされたか否かを判断する(ステップM20)。ここで、電源スイッチがオフされている場合は、ステップM20にて「NO」へ進み、マイクロコンピュータ60はリレー駆動回路65へオフ信号を出力することによりリレー48をオフする (ステップM30)。そして、ステップM20の判断処理へ戻る。
【0039】
一方、ステップM20にて電源スイッチがオンされている場合は、「YES」へ進み、マイクロコンピュータ60はリレー駆動回路65へオン信号を出力することによりリレー48をオン(導通状態に)する(ステップM40)。そして、洗い運転指令が出ているか否かを判断する(ステップM50)。この場合、各種の操作スイッチ71の操作結果に基づいて洗い運転指令が出ているか否かを判断する。今、洗い運転指令が出ているとすると、ステップM50にて「YES」へ進み、排水弁モータ9をオフする信号を出力する(ステップM60)。これにより、排水弁モータ9がオフされ、排水弁7が閉塞されると共に、クラッチ32の切換レバー33が上方へ回動動作されて槽軸12及び回転槽4が静止部位である機構部ベース10に係止された状態(図3参照)となる。
【0040】
続いて、ステップM70へ進み、複数の洗い運転コースの中から1つのコースが選択設定される。この場合、各種の操作スイッチ71の操作結果に基づいて1つのコースが選択設定される。そして、ステップM80へ進み、回転槽4内へ給水する処理を実行する。ここでは、給水弁66を通電駆動して開放して回転槽4内へ給水を開始し、回転槽4内の水位が上記選択されたコースに対応する水位に達したことを水位センサ68により検知すると、給水弁66を断電停止して閉塞するように構成されている。
【0041】
そして、ステップM90、M100、M110の各処理を順に実行することにより、ブラシレスモータ20に対する運転パターン(運転指令)を形成する。この場合、ROM60a内には複数の洗い運転パターンが予め記憶されており、これら複数の洗い運転パターンの中から上記選択されたコースに対応する洗い運転パターンを選択して読み出すことにより、洗い運転用の運転パターン(洗い運転パターン)を形成している。上記洗い運転パターンの一例を図12に示す。
【0042】
この図12に示すように、洗い運転パターンは、例えば3ビットのデータからなる駆動指令と、例えば8ビットのデータからなる電圧指令Vcと、例えば9ビットのデータからなる位相指令Pcとから構成されている。上記駆動指令は、ブラシレスモータ20の駆動/停止、正転/逆転、回転/位置決めを表わすデータであり、具体的には、例えば第1ビットが「1」のとき駆動を示し、第1ビットが「0」のとき停止を示し、第2ビットが「1」のとき正転を示し、第2ビットが「0」のとき逆転を示している。第3ビットが「1」のとき回転を示し、第3ビットが「0」のとき位置決めを示している。
【0043】
また、上記電圧指令Vcは、ブラシレスモータ20への印加電圧をデューティー比にて表わすデータである。上記位相指令Pcは、ブラシレスモータ20のロータ位相に対する電圧の位相(deg)を表わすデータであり、「−180〜179度」として示されている。
【0044】
そして、図12に示す洗い運転パターンは、1.5秒間の「正転駆動」、0.5秒間の「停止」、1.5秒間の「逆転駆動」、0.5秒間の「停止」から構成された1サイクル4秒間の運転パターンであり、洗い運転中は、この1サイクル4秒間の運転パターンを繰り返し実行するように構成されている。ここで、上記1サイクル4秒の運転パターンは、例えば20ms(ミリ秒)でサンプリングされた上記3つの指令データから構成されている。即ち、上記3つの指令データを1組のデータとすると、上記1サイクル4秒の運転パターンは200組のデータから構成されており、これら200組のデータが図12の洗い運転パターンとしてROM59aに記憶されている。
【0045】
さて、ステップM90、ステップM100、ステップM110において、ROM60aから上記洗い運転パターンを読み出すに当たっては、20ms毎に上記1組のデータ、即ち、3つの指令データを順次読み出すように構成されている。そして、この読み出した3つの指令データをそれぞれモータ駆動指令、モータ電圧指令Vc、モータ位相指令Pcとし、これにてモータ駆動指令、モータ電圧指令Vc、モータ位相指令Pcを形成する構成となっている(ステップM90、ステップM100、ステップM110)。
【0046】
続いて、洗い運転終了か否かを判断し(ステップM120)、洗い運転終了でない場合は、ステップM120にて「NO」へ進み、ステップM90へ戻って上記3つの指令データを形成する処理を繰り返し行うようになっている。一方、洗い運転終了の場合は、ステップM120にて「YES」へ進み、モータ停止指令を出して(出力の許可・停止のための信号Doをロウレベルとする)、ブラシレスモータ20を断電停止させることにより洗い運転を終了する(ステップM121)。そして、この後は、ステップM20へ戻るように構成されている。尚、洗い運転終了か否かの判断は、上記選択されたコースに対応して設定された洗い運転時間が経過したか否かを判断することにより行なわれるようになっている。
【0047】
さて、ブラシレスモータ20の実際の通電駆動は、図9のモータ駆動のメイン処理、図10の第1の割り込み処理、並びに、図11の第2の割り込み処理側で実行されるように構成されており、以下これら各処理について説明する。まず、図9のモータ駆動用のメイン処理は、例えば20ms(ミリ秒)毎に図8のメイン処理と同時(平行)に実行されるように構成されている。換言すると、図9のモータ駆動用のメイン処理は、20ms毎に実行される割り込み処理である。
【0048】
上記モータ駆動用のメイン処理においては、まずステップD10において、図8のステップM90にて形成されたモータ駆動指令による駆動モードが前回と同じであるか否かを判断し、同じであれば、このモータ駆動用のメイン処理を実行せず、同じでなければ(前回に対して変化すれば)、ステップD15に移行して、その変化パターンが「前回の駆動モードから停止モードへの変化」、「位置決めモードへの変化」、「回転モードへの変化」のいずれであるかを判断する。
【0049】
「停止モードへの変化」の場合、ステップD20に移行して、通電オフ信号を出力する。すなわち、PWM回路58に与える信号Doを「ロウレベル」とする。これにて、PWM回路58は出力をオフし、駆動回路57はインバータ主回路47のスイッチング素子54a〜54fをすべてオフし、もって、モータ20を断電停止する。この後、第1の割り込み処理及び第2の割り込み処理を禁止し(ステップD30)、第1のタイマ61及び第2のタイマ62を停止する(ステップD40)。
【0050】
ここで、洗い運転プログラムにより、撹拌体5を動作させるべくモータ20正逆回転の開始指令が発生すると、図12の駆動指令の3ビットのコードが「110」(駆動、正回転、位置決め)となり、「位置決め」モードとなる。そして、ステップD15からステップD50に移行し、第1の割り込み処理を禁止し、ステップD60で第1のタイマ61を停止し、ステップD70でホールIC31a、31bからの位置センサ信号Ha、Hbを入力する。そして、ステップD80にて、電気角Peを決定する。この電気角Peは、図14に示す初期電気角テーブルに従って決定する。この図14のデータテーブルにおいて、初期電気角テーブルは、「位置決め」モードの時、「正回転」モードにおいて最初の位置センサ信号が入力される前に用いられ、回転電気角テーブルは「正回転」モードにおいて最初の位置センサ信号が入力された以降に用いられるようになっている。図13は正回転時の位置センサ信号とロータ電気角との関係を示している。この場合、ロータ位置を誘起電圧で示し、U相の誘起電圧に基いて電気角を設定している。従って、図14の回転電気角テーブルは正回転時における位置センサ信号とロータ位置電気角とのデータテーブルを示している。また初期電気角テーブルは位置センサ信号Ha、Hbで限定される範囲の中間地点の電気角、この場合、「0〜90度」、「90〜180度」、「180〜270度」、「270〜360度」の中間地点の電気角「45度」、「135度」、「225度」、「315度」を示している。
【0051】
次いで、ステップD90に移行して、回転フラグをクリアする。この回転フラグは回転/位置決めを判別するためのものであり、第2の割り込み処理で使用される。次のステップD100では、第2のタイマ62の初期設定とスタートとを実行し、そして、ステップD110に移行して第2の割り込み処理を許可する。
上記ステップD100においてスタートが実行された第2のタイマ62は、設定されたデータDT2に従って周期的に動作して、上記第2の割り込み処理を実行させるようになっている。以下、この第2の割り込み処理について図11を参照して説明する。
【0052】
まず、ステップB10においては、回転フラグを判定する。この場合ステップD90で回転フラグのクリアが行なわれているから、ステップB30に移行する。このステップB30において位相指令Pcを読み込み、B40において電圧位相Pvを計算する。この計算は、次の式で行なう。
Pv=Pe+(Pc+180)[rad]
但し、Pv≧360の場合には、Pv=Pv−360を行なう。また、この場合、位相指令Pcは「−180〜179度」として与えられるため180を加算している。
【0053】
次いで、ステップB50では、電圧指令Vcを読み出し、ステップB60においては通電信号Duの計算と出力とを行なう。この場合、上記計算した電圧位相Pvに対応する正弦波波形の電圧率Dsを図15に示す通電波形データから読み出し、次の式にて通電信号Duを計算する。
Du=Ds×(Vc/256)+128
ここで、電圧率Dsは、「−127〜127」として記憶されているため、オフセット値として「128」を加算している。また、「Vc/256」を乗ずることにより、この通電信号Duは電圧指令に応じた振幅が得られるようになっている。
【0054】
そしてステップB70において、V相の通電信号Dvの計算と出力とを行なう。この場合、V相の電圧位相Pvは次の式にて計算する。
Pv=Pe+(Pc+180)+240[rad]
但し、Pv≧360の場合には、Pv=Pv−360を行なう。
この電圧位相Pvに対応する正弦波形の電圧率Dsを上述と同様に図15に示す通電波形データから読み出し、次の式にて通電信号Dvを計算する。
Dv=Ds×(Vc/256)+128
次にステップB80において、W相の通電信号Dwの計算と出力とを行なう。
この場合、W相の電圧位相Pvは次の式にて計算する。
Pv=Pe+(Pc+180)+120[rad]
但し、Pv≧360の場合には、Pv=Pv−360を行なう。
この電圧位相Pvに対応する正弦波形の電圧率Dsを上述と同様に図15に示す通電波形データから読み出し、次の式にて通電信号Dwを計算する。
Dw=Ds×(Vc/256)+128
このようにして、各相の通電信号Du、Dv、Dwが計算、出力された後、ステップB90により、通電オン信号Doを出力する。
【0055】
このような第2の割り込み処理の実行により、ブラシレスモータ20に通電が開始される。この位置決めモード時、図12に示したように、位相指令が「−90度」であるから、図14に示した中間地点に位置決めされるようにトルクが発生する。また、電圧指令Vcも「0」から増加しているため、発生トルクも徐々に増加され、振動の発生はない。但し回転は停止状態にある。
【0056】
この場合の上記通電信号Du、Dv、Dwは位置決め通電信号たるものであり、、上述した図9のステップD70、ステップD80及び図11のステップB30〜ステップB80により、位置決め通電信号手段を構成している。
【0057】
さて、洗い運転プログラムにより、図12の駆動指令が「111」に変化すると、「正回転」モードとなり、図9のステップD15からステップD120に移行する。このステップD120では、位置センサ信号Ha、Hbを入力し、ステップD130では電気角Peを、図14の初期電気角テーブルに従って決定する。この場合、モータ20回転前であるからこの初期電気角テーブルを用いる。そして、ステップD140で回転フラグをセットする。
【0058】
この後ステップD150において第1のタイマ61をセットし、ステップD160において第2のタイマ62の初期設定とスタートとを実行する。そしてステップD170において第1の割り込み処理及び第2の割り込み処理を許可する。
【0059】
この場合第2の割り込み処理は、図11を参照して述べたように、上述の位置決めモードと同様にして行なわれるが、図9のステップD140で回転フラグがセットされているから、図11のステップB10における回転フラグセットか否かの判断が「YES」と判断され、ステップB20に移行することになる。このステップB20においては、電気角Peの増加を実行する。
つまり、Pe=Pe+1として、電気角Peを1度増加させる。
但し、Pe≧360の時には、Pe=Pe−360を行なう。
【0060】
この後、ステップB30〜ステップB90を順に実行する。この場合、このようにして電気角Peが増加し、図12の電圧指令Vc、位相指令Pcも増加することから、これに応じた通電信号Du、Dv、DwがPWM回路58に出力されることになり、結果的に、この通電信号Du、Dv、Dwに応じて駆動回路57から駆動信号が出力されてスイッチング素子54a〜54fがオンオフされ、ブラシレスモータ20の巻線26の各巻線26u、26v、26wに図16(h)で示すように、正弦波電流を得るための電圧が供給され、誘導電圧に対してある位相をもつ正弦波の巻線電流が流れる。これによりロータ27が徐々に正回転し始める。この回転によりホールIC31a、31bの位置センサ信号Ha、Hbが変化する。
【0061】
図9のステップD170で許可された第1の割り込み処理は、位置センサ信号Ha、Hbが変化することによって発生する割り込み処理である。
【0062】
この第1の割り込み処理について図10を参照して説明する。まず、ステップA10では位置センサ信号Ha、Hbを入力し、次のステップA20では第1のタイマ61の時間データDT1を入力し、位置センサ信号に対応してセンサ変化周期Ts(Ha、Hb)として記憶する。そしてステップA30においては第1のタイマ61をリセットしてタイマを再スタートする。このように第1のタイマ61は、位置センサ信号Ha、Hbが変化するごとに読み出され、リセット後再スタートされるから、位置センサ信号Ha、Hbの変化周期Ts(Ha、Hb)を測定する変化周期測定手段としての機能が得られる。
【0063】
また、前記ステップA20ではこの変化周期Ts(Ha、Hb)が記憶されるが、1回目のみその変化周期Ts(Ha、Hb)を2倍して記憶するようになっている。その理由は、モータ20の始動が前述したように中間地点から行なわれるためであり、この中間地点から最初の位置センサ信号Ha、Hbの変化点までは通常の半分の時間となることから2倍するものである。そしてステップA40においては、回転速度が200r.p.m未満であるか否かを判断する。この回転速度の初期値は「0」であるが、後のステップA80によって計算されるものである。
【0064】
洗い運転においては撹拌体5は低速で回転されるものであり、このモータ20の回転速度としては200r.p.mを超えないものである。従って、ステップA50に移行し、電気角周期Tdを計算する。電気角周期は電気角1度に対応した時間データであり、次の式により計算される。
【0065】
Td=Ts/90
ここでTsは直前にステップA20で記憶されたセンサ変化周期が使用される。
【0066】
次ステップA60においては、電気角周期Tdを第2のタイマ62に時間データTD2として設定する。これにより第2のタイマ62は1度の電気角周期Tdで動作し、第2の割り込み処理は上記時間データTD2ごとに発生するから電気角1度ごとに発生するものである。
そしてステップA70では電気角Peを図14の回転電気角データテーブルに従って設定する。次にステップA80において回転速度を計算する。これは次の式で計算される。
回転速度=60/(4Ts×P)
ここでPはブラシレスモータ20におけるロータマグネット30の極対数である。
【0067】
図10のステップA10〜ステップA70、及び図11のステップB20〜ステップB80により、回転通電信号形成手段と第1の通電信号形成手段とを構成している。なお、後述するが図10のステップA40で回転速度が200r.p.m以上と判断された時の各処理(ステップA10〜ステップA40、ステップA90、ステップA100、ステップA60、ステップA70、及び図11のステップB20〜ステップB80)が回転通電信号形成手段のうちの第2の通電信号形成手段を構成するものである。
【0068】
以上のマイクロコンピュータ60の動作に伴う作用を、図15及び図16を参照して説明する。今、ブラシレスモータ20のロータ27の位置を誘起電圧で示すと図13のように、U相の誘起電圧の0度位置に対応するロータ位置でホールIC31aの位置センサ信号Haがロウレベルからハイレベルに変化し、U相の誘起電圧の180度位置に対応するロータ位置でホールIC31aの位置センサ信号Haがハイレベルからロウレベルに変化する。そして、他のホールIC31bの位置センサ信号Hbは電気角π/2[rad]、つまり90度ずれて変化する関係となっている。
【0069】
これら位置センサ信号Ha、Hbの変化点で、図16(b)に示すように第1の割り込み処理が実行され、第1のタイマ61により、位置センサ周期Tsが測定されると共に、電気角1度に対応した周期Tdが計算され、且つ、これが第2のタイマ62に時間データTdとして設定される。同図(c)で示すように、第2のタイマ62がこの時間データTdをカウントアップするごとに第2の割り込み処理が実行される。つまり、電気角1度ごとに第2の割り込み処理が実行される。
【0070】
この第2の割り込み処理により、ブラシレスモータ20のロータ位置に対応した電気角Peが決定され(同図(d))、位相指令Pcに従って電圧位相Pv (同図(e))が決定され、この電圧位相Pv及び電圧指令Vcにより、三相のほぼ正弦波状の通電信号Du、Dv、Dwが形成される(同図(f))。これら通電信号Du、Dv、Dwは、駆動手段59のPWM回路58に与えられ、各スイッチング素子54a〜54fの駆動信号(同図(g)参照、但しU相のみ図示)に変換されて駆動回路57を介してこれら各スイッチング素子54a〜54fがオンオフ制御される。このとき例えばU相の出力電圧は、同図(h)のようになり、そしてU相巻線26uについての電流は同図(i)のようにほぼ正弦波状になる。V相、W相の巻線26v、26wの電流についても同様にほぼ正弦波状になる。なお、位相指令Pcが30度のときには、各相誘起電圧に同位相の巻線電流を通電することとなり、力率が向上する。
【0071】
このようなマイクロコンピュータ60の動作により、各相巻線26u、26v、26wに各相に応じた位相で出力電圧が与えられることになるが、図12に示したように、位相指令Pcが−90度である位置決めモードの間はロータ27が位置決めされ、位相指令Pcが増加し電圧指令Vcも増加する正回転モードの間はロータ27が正回転し、そして、再度、位置決めモードを経て、逆回転モードとなり、ロータ27が逆回転するようになる。この逆回転モードは、図14の電気角データテーブルと同様に逆回転時の電気角データテーブルにより電気角が決定されるようになっている。
【0072】
上述したブラシレスモータ20の正回転時及び逆回転時には、巻線26u、26v、26wの電流がほぼ正弦波状になるから、トルク変動がほとんど発生しなくなり、振動が低減される。また、正回転及び逆回転を開始するときには、ロータ27を予め既知の所定位置に位置決めしておくから、始動の始めから正弦波通電ができるようになり、矩形波通電の場合と違って立ち上がり時の振動が低減される。また位置決め、正回転、位置決め、逆回転の各動作の繰り返し時に巻線26u、26v、26wは常に通電されているので、これによっても各動作間での振動発生が押さえられる。
【0073】
次にマイクロコンピュータ60による脱水運転時の制御について述べる。この脱水運転制御は図8のメインプログラムのステップM130の脱水運転指令があったか否かの判断において「YES」となった時に開始される。ステップM140では、排水弁モータ9を通電駆動する。これにより、排水弁7が開放されて回転槽4内の水が排水されるようになり、回転槽4内の水位を検知する水位センサ73からの検知信号に基づいて回転槽4内の排水が完了するまで排水運転が続けられる(ステップM150)。
【0074】
また、上記排水弁モータ9の通電駆動により、クラッチ32の切換レバー33が下方へ回動動作して切換レバー33の下部の凸部33eがロータハウンジング28の上面の複数の凸部28d間に係合する(図7参照)。これにより、槽軸12とロータ27(及び撹拌軸14)とが一体回転するように連継した態様となる。この態様の場合、槽軸12、回転槽4、撹拌軸14及び撹拌体5は、ブラシレスモータ20によりダイレクトに回転駆動される。
【0075】
この後、回転槽4内の排水が完了すると、ステップM160へ進み、複数の脱水運転コースの中からこれから実行する1つの脱水運転コースが選択設定される。続いて、ステップM170、M180、M190の各処理を順に実行することにより、ブラシレスモータ20に対する運転パターン(運転指令)を形成する。この場合、ROM59a内には複数の脱水運転パターンが予め記憶されており、これら複数の脱水運転パターンの中から上記ステップM160にて選択されたコースに対応する脱水運転パターンを選択して読み出すことにより、脱水運転用の運転パターン(脱水運転パターン)を形成している。
【0076】
この脱水運転パターンの一例を図17に示す。この図17の脱水運転パターンによると、図12の洗い運転パターンと同様に、3ビットの駆動指令と、8ビットの電圧指令Vcと、9ビットの位相指令Pcを有してなり、この場合、位置決めモード、正回転モードとからなる。この場合、駆動指令、電圧指令Vc、位相指令Pcの時間的変化パターンは洗い運転パターンの場合と異なるが、マイクロコンピュータ60の制御動作は、洗い運転の場合と同様に、図8の洗い・脱水運転のメインプログラム、図9のモータ駆動用のメイン処理、図10の第1の割り込み処理、図11の第2の割り込み処理を実行するものである。
【0077】
従って、位置決めモードを経て正回転モードに至り、ブラシレスモータ20が回転起動し、回転速度が上昇する。この回転速度は、20msごとに発生する第1の割り込み処理(図10)のステップA40で判断されており、ブラシレスモータ20の回転速度が200r.p.m以上となると、このステップA40の 「NO」に従ってステップA90に移行する。このステップA90では、位置センサ信号Ha、HbのモードがHa=1、Hb=0であるか否かの判断を行ない、「1、0」の場合のみステップA100に移行する。このステップA100では、電気角周期Tdを計算する。このステップA100での電気角周期Tdを計算と、既述したステップA50での電気角周期Tdを計算とでは、ともに1度の電気角周期Tdを計算するが、その計算式が異なる。
【0078】
このステップA100では
Td=(Ts(0,0) +Ts(0,1)+Ts(1,0 ) +Ts(1,1 ) )/360
なる式にて電気角周期Tdを計算する。ここで使用される位置センサ周期Tsは、ステップA20で記憶された過去4回の位置センサ周期であり、つまり、過去1電気角周期の時間に相当し、この過去1電気角周期の時間から電気角1度の周期Tdを求めている。ステップA50の場合は過去1/4電気角周期の時間から電気角1度の周期Tdを求めている。この後、既述したステップA60以降の処理を実行する。
【0079】
上述したステップA100での電気角1度の周期Tdの求め方が200r.p.m未満の場合と異なるのみで、他の制御は同様であるから、図11のステップB60、ステップB70、ステップB80でそれぞれほぼ正弦波状の通電信号Du、Dv、Dwが形成される。
【0080】
しかして、図10の第1の割り込み処理のステップA10、ステップA20、ステップA30、ステップA60、ステップA70、ステップA100及び図11の第2の割り込み処理のステップB20〜ステップB80により回転通電信号形成手段と第2の通電信号形成手段とが構成されていている。
【0081】
なお、回転速度200r.p.m以上の場合の動作タイムチャートを図18に示すが、同図から分かるように、第2のタイマ62の周期Tdは位置センサ信号Ha、Hbが「1、0」となったタイミング、すなわち、一つのホールIC31aの位置センサ信号Haのみで決定されている。
【0082】
このように一つのホールIC31aの位置センサ信号Haのみから1電気角 (4Ts)を測定し、そして、電気各1度に対応する周期Tdを求めるようにしたことで、このような高速回転時において振動発生を抑制できるものとなる。すなわち、複数個のホールIC31a、31bからの位置センサ信号Ha、Hbを用いてブラシレスモータ20を通電制御する場合、ロータ27の各位置に合致したタイミングで通電を制御でき、特に低速回転や加減速時には良好な回転制御が期待できる。しかしその反面、高速回転時や、回転安定時においては、複数の位置センサ信号を用いると、ホールIC31a、31bの取付け位置精度が低い場合や、モータ磁束が不均一である場合などに、複数の位置センサ信号Ha、Hbが不均一になることもあり、この場合、その複数の位置センサ信号Ha、Hbの切り替え時点で制御を切り換えると、その時点で振動(コギングトルク)が発生することもある。しかるに上記実施例においては、この脱水運転時、中でも高速回転時、もしくは回転安定時には、一つのホールIC31aの位置センサ信号Haのみから1電気角(4Ts)を測定し、そして、電気各1度に対応する周期Tdを求めるようにしたことで、振動発生を抑制できる。
【0083】
なお、図8のメイン処理において、脱水運転時間が脱水運転コースに応じて設定された設定時間に達すると、ステップM200にて脱水運転の終了が判定されてステップM230にてブレーキ処理を実行する。このブレーキ処理は、通電信号Du、Dv、Dwをすべて0にすることにより、駆動手段59が、インバータ主回路47のスイッチング素子54a〜54cをオフし、スイッチング素子54d〜54fをオンする制御を実行し、これにて、巻線26u、26v、26wが短絡状態とされ、もってロータ27の回転が制動される。このブレーキ処理は所定時間行なわれ、その後、ステップM240に移行しモータ停止指令を出力する(出力の許可・停止のための信号Doをロウレベルとする)。これによりブラシレスモータ20が断電停止する。
【0084】
上記構成の全自動洗濯機においては、上述した洗い運転及び脱水運転を適宜組み合わせて実行することにより、設定された洗濯運転コースの洗い行程、すすぎ行程、脱水行程を実行することが可能なように構成されている。
【0085】
このように本実施例によれば、洗い運転時には、クラッチ32の切換レバー33が上方へ回動動作されてブラシレスモータ20のロータ27により撹拌軸14、即ち、撹拌体5がダイレクトに正逆回転駆動されるようになる。そして、脱水運転時には、クラッチ32の切換レバー33が下方へ回動動作されてブラシレスモータ20のロータ27により撹拌軸14及び槽軸12、即ち、撹拌体5及び回転槽4の双方がダイレクトに正転方向へ高速回転駆動されるようになる。これにより、いわゆるダイレクトドライブ構造となるから、ベルト伝達機構やギア減速機構を不用にすることができ、洗濯機全体の軽量化及び小形化を図ることができると共に、運転騒音を低減することができる。
【0086】
また、本実施例では、ブラシレスモータ20を通電駆動するに際して、ホールIC31a、31bからの位置センサ信号Ha、Hbに基づいて正弦波状の通電信号Du、Dv、Dwを生成し、この通電信号Du、Dv、Dwに基づいてブラシレスモータ20を通電する構成としたので、ブラシレスモータ20のトルク変動を非常に小さくすることができ、ブラシレスモータ20の運転振動及び騒音を極めて小さくすることができる。
【0087】
しかも本実施例によれば、巻線26の相数(三相)より少ない個数である2このホールIC31a、31bによる位置センサ信号Ha、Hbを用いるようにしたので、巻線26の相数と同個数のホールICを用いる場合に比してホールICの個数を削減し得、もって、モータ回りの制御回路基板の小形化、ホールIC用リード線に簡略化を図ることができ、製造性の向上やコストの低廉化に寄与できる。
【0088】
また本実施例によれば、特に洗い運転のように低速回転や加減速時には、複数個のホールIC31a、31bからの位置センサ信号Ha、Hbの変化点ごとに1/4電気角周期Tsを測定し、この周期Tsから電気各1度に対応する周期Tdを求めるようにしたことで、ロータ27の各位置に合致したタイミングで通電を制御でき、良好な回転制御が期待できる。
【0089】
また、脱水運転時、中でも高速回転時、もしくは回転安定時には、一つのホールIC31aの位置センサ信号Haのみから1電気角周期を測定し、そして、電気各1度に対応する周期Tdを求めるようにしたことで、振動発生を抑制できる。
そして、上述の複数個のホールIC31a、31bからの位置センサ信号Ha、Hbを用いる場合と、位置センサ信号Haのみを用いる場合とを選択するから、洗濯機の運転状況に合わせて振動の発生を良好に低減できるようになる。
【0090】
さらに本実施例によれば、位置センサ信号Ha、Hbが変化する周期Tsを測定し、該変化周期Tsに対応する電気角より高い分解能(電気角1度)を有する電圧位相Pvを決定し、この電圧位相Pvに対応した正弦波に応じた電圧率Dsを電圧率記憶手段たるROM60aから読み出し、これら電圧位相Pvと前記電圧率Dsとからほぼ正弦波状の通電信号Du、Dv、Dwを形成するようにしたから、より正弦波に近い通電信号を形成でき、振動の低減に一層寄与できる。
【0091】
また、ロータ位置検知手段たるホールIC31の個数を2とし、この2個のホールIC31による位置センサ信号がロータ位相の電気角でπ/2[rad] (90度)ごと変化するように構成しているから、位置センサ信号の変化点が、ロータ位相の電気角2πのうち4分割された等ピッチで得られ、位置センサ信号の変化点が、不等ピッチである場合に比し、通電信号Du、Dv、Dwの形成処理が簡単となる。
【0092】
さらに本実施例では、モータ20始動時や正逆回転の切り替わり時に、通電信号Du、Dv、Dwを複数相の位置決め通電信号として形成するから、モータ始動や正逆回転の切り替わりといった停止状態からの立ち上げ時に際してのロータ27を所定位置に位置決めすることが可能であり、従って、この始動初期においてロータ位置が決められるから、正弦波状の通電制御が回転立ち上がりから可能となる。従って、矩形波の通電制御による始動とは異なりモータの低振動化に寄与できる。
【0093】
また、位置決め通電信号を形成するについても、回転のための通電信号と同様に、位置センサ信号Ha、Hbの変化周期に対応する電気角より分解能の高い電圧位相の位置決め通電信号を形成できるものである。特に、本実施例によれば、最初に位置決め通電信号を形成することを選択し、その後回転通電信号形成することを選択するようになっているから、始動時から振動の低減が図れる。
【0094】
この場合、複数のホールIC31a、31bにて特定される各位置の中間地点にロータ27を位置決めするように位置決め通電信号を形成したから、位置決め時のロータ27の移動量が大きくなることがなく、始動時間が長くなることがない。すなわち、ロータ27の停止位置は、不定であり、つまり、ロータ27は、複数のロータ位置検知手段にて特定される各位置間のうちのいずれの地点で停止するか不定である。しかして、仮にロータ27を上記各位置間の中間地点以外の地点に位置決めするようにすると、ロータ停止位置によっては該地点までかなり近いこともあるが、かなり遠くなることもある。しかるにこの実施例においては、ロータ27を上記各位置間の中間地点に位置決めするようにしているから、上述の不具合はない。
【0095】
なお、本発明は、次のようにしても良い。例えば、ロータ位置検知手段の個数を1とし、この1個のロータ位置検知手段による位置センサ信号がロータ位相の電気角で2π[rad]ごと変化するように構成しても良い。この構成においては、ロータ位置検知手段が1個の場合において、その位置センサ信号の立ち上がりのみ、もしくは立ち下がりのみのタイミングで、ロータ位相の1電気角に応じた通電信号を良好に形成することが可能となる。特に、第2の通電信号形成手段により通電信号を形成する場合に好適するものであり、ロータ位置検知手段の個数削減を大いに図り得て大量生産に好適するものである。
【0096】
また、ロータ位置検知手段はホールICでなく、光センサを利用しても良い。第1の割り込み処理で形成する電気角周期Tdは電気角1度であり、第2の割り込み処理で電気角Peは電気角1度単位で決定されるが、1度に限定されるものではなく、マイクロコンピュータの処理能力等により適宜設定できるものである。回転動作中にその回転速度によって変更するようにしても良い。さらにまた、図12及び図17に示した電圧指令Vc及び位相指令Pcは曲線的パターンとしても良い。
【0097】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、次の効果を得ることができる。
請求項1によれば、位置センサ信号に基き、電圧率記憶手段の電圧率からほぼ正弦波状の通電信号を形成すると共に、この通電信号に基づいてブラシレスモータを通電制御するように構成したので、ブラシレスモータにトルク変動がほとんど発生しなくなり、これにより、洗濯機の運転振動及び運転騒音を一層小さくすることができる。しかもこの構成においては、巻線の相数より少ない個数のロータ位置検知手段による位置センサ信号を用いるようにしたので、巻線相数と同個数のロータ位置検知手段を用いる場合に比してロータ位置検知手段の個数を削減し得る。さらに、デジタル信号からなる位置センサ信号を出力するようになっているから、温度など環境要因に影響されないと共に、回路の集積化が容易であり、また、信号処理系を簡略化でき、さらには、ノイズに強く、ロータ位置検出手段とデジタル位置センサ信号の受入側との間の信号ラインが長い場合に好適するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全自動洗濯機の電気的構成図
【図2】全自動洗濯機の縦断側面図
【図3】撹拌体及び回転槽の駆動機構部の縦断側面図
【図4】ブラシレスモータのステータの分解斜視図
【図5】ブラシレスモータ及びクラッチの分解斜視図
【図6】クラッチ及び制御レバーの斜視図
【図7】クラッチの異なる切換状態を示す図3相当図
【図8】メイン処理のフローチャート
【図9】モータ駆動用のメイン処理のフローチャート
【図10】第1の割り込み処理のフローチャート
【図11】第2の割り込み処理のフローチャート
【図12】洗い運転パターンの一例を示す図
【図13】正回転時の位置センサ信号と誘起電圧で示すロータ電気角との関係を表した図
【図14】電気角データテーブルを示す図
【図15】電圧位相と電圧率データとの関係を示す図
【図16】所定回転速度未満でのブラシレスモータの正弦波通電時のタイムチャート
【図17】脱水運転パターンの一例を示す図
【図18】所定回転速度以上でのブラシレスモータの正弦波通電時のタイムチャート
【符号の説明】
1は外箱、2は水受槽(外槽)、4は回転槽、5は撹拌体、12は槽軸、14は撹拌軸、20はブラシレスモータ、21はステータ、26は巻線、27はロータ、30はロータマグネット、31a、31bはホールIC(ロータ位置検知手段)、32はクラッチ、33は切換レバー、38は制御レバー、47はインバータ主回路、54a〜54fはスイッチング素子、57は駆動回路、58はPWM回路、59は駆動手段、60はマイクロコンピュータ(通電信号形成手段、第1の通電信号形成手段、第2の通電信号形成手段、変化周期測定手段、電圧位相決定手段、電気角決定手段、位相指令決定手段、選択手段、回転通電信号形成手段、位置決め通電信号形成手段、モータ動作選択手段、位相指令形成手段、電圧指令形成手段)、60aはROM(電圧率記憶手段)、61は第1のカウンタ、62は第2のカウンタを示す。

Claims (1)

  1. 外槽の内部に回転可能に設けられた回転槽と、
    この回転槽をダイレクトドライブ方式で回転駆動する複数相の巻線を有するブラシレスモータと、
    このブラシレスモータのロータの回転位置を検知してデジタル信号からなる位置センサ信号を出力する前記巻線の相数より少ない数のロータ位置検知手段と、
    正弦波形に応じた電圧率を記憶した電圧率記憶手段と、
    前記ロータ位置検知手段からの前記位置センサ信号に基き、前記電圧率記憶手段の電圧率から前記複数相のほぼ正弦波状の通電信号を形成する通電信号形成手段と、
    この通電信号形成手段からの通電信号に基いて前記複数相の巻線に通電する駆動手段と
    を備えて成る洗濯機。
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