JP2013244315A - 洗濯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータに高い負荷がかかりモータ入力電力が増えた場合でも、モータやモータ駆動回路、電源回路の部品が故障しないようにする。
【解決手段】インバータ回路7と、回転ドラム1をインバータ回路7により駆動するモータ4と、モータ4の回転子位置を検知する位置検出手段8と、モータ4が設定回転数になるように回転数を制御する回転数制御手段18と、モータ4に入力される電力を検知するモータ電力検知手段32と、洗い・すすぎ・脱水の各行程の少なくとも1つ以上の行程を制御する制御手段10とを備え、制御手段10は脱水動作中にモータ入力電力が第1の所定時間以上、第1の所定電力を超えたときに、設定回転数を変えて、モータ入力電力が一定電力になるように制御することで、モータ、モータ駆動回路、電源回路を保護するとともに、脱水性能の低下を抑えることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、洗濯機のモータ駆動装置に関するものである。
従来、この種の洗濯機は、ベクトル制御でモータを駆動することにより、洗濯兼脱水槽の負荷のアンバランス検出時に定トルク制御ができるようにし、脱水回転時の回転数変動を検出することにより衣類のアンバランスを検出し、衣類のアンバランスに応じて回転数を制御することで、アンバランスの検出精度を向上させるとともに、洗濯兼脱水槽を高速回転させて脱水率を向上させている。(例えば、参考文献1)。
特許第3915557号公報
しかし、このような構成の場合、モータに高い負荷がかかった場合においても、設定回転数を維持するように回転数制御がなされるため、モータ入力電力が増え、モータやモータ駆動回路、電源回路の大電力がかかり、電源回路に流れる電流が増えて電源回路保護用のヒューズが切れたり、モータやモータ駆動回路、電源回路の部品が故障するという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、モータ入力電力を許容範囲に抑えて制御することで、モータ、モータ駆動回路、電源回路を保護するとともに、脱水性能の低下を抑える洗濯機を提供することを目的としている。
従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、洗濯物を収容して回転駆動される回転ドラムと、整流回路で整流された直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記回転ドラムを前記インバータ回路により駆動するモータと、前記モータの回転子位置を検知する位置検出手段と、前記モータが設定回転数になるように回転数を制御する回転数制御手段と、前記モータに入力される電力を検知するモータ電力検知手段と、洗い・すすぎ・脱水の各行程の少なくとも1つ以上の行程を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は脱水動作中にモータ入力電力が第1の所定時間以上、第1の所定電力を超えたときに、設定回転数を変えて、モータ入力電力が一定電力になるように制御するようにしたものである。
これによって、モータ入力電力を抑えて脱水動作を行うことが可能となり、脱水動作を続けることができるようになる。
また、前記モータの入力電圧を制御する入力電圧制御手段と、前記モータの入力電流を検知する電流検出手段とを備え、前記モータ電力検知手段は、前記モータの回転子に同期した回転座標でのモータ入力電圧とモータ入力電流の成分からモータ入力電力を演算するようにしたものである。
これによって、位置検出の検知誤差の影響を受けずに、簡単にモータ入力電力を算出することができるようになる。
また、前記モータ電力検知手段は、静止座標でのモータ入力電圧とモータ入力電流の成分からモータ入力電力を演算するようにしたものである。
これによって、モータ制御をベクトル制御以外で行うときでも、モータ入力電力を算出することができるようになる。
また、電源回路に流れる電源入力電流を検知する電源電流検知手段と、前記電源回路にかかる電源入力電圧を検知する電源電圧検知手段とを備え、前記モータ電力検知手段は、前記電源入力電圧と前記電源入力電流の成分から電源入力電力を演算し、前記電源入力電力から所定の割合でモータ入力電力を演算するようにしたものである。
これによって、電源電力検知回路がすでにある回路においても、モータ入力電力を簡単に算出することができるようになる。
また、前記制御手段は前記設定回転数の低下に応じて、脱水設定時間を延長するようにしたものである。
これによって、脱水の設定時間を増やして、回転数の低下による脱水性能の低下を抑えることができるようになる。
また、前記制御手段はモータ入力電力が第2の所定時間以上、第2の所定電力を超えたときに、脱水動作を停止させ、再度同じ脱水動作をするようにしたものである。
これによって、モータ入力電力が増え続けた場合に、安全にモータを停止させることができるようになる。
また、水受け槽の水位を検知する水位検知手段と、前記水受け槽の水を排水する排水手段を備え、前記制御手段はモータ入力電力の増大により、脱水動作を停止させたときに、水位を検知し、排水が完了するまで、排水を継続し、排水後に脱水動作を開始するようにしたものである。
これによって、短時間に水がうまく排出できず負荷が増大してしまった場合に、排水し続けることにより、水による負荷を軽減できるようになる。
また、報知動作を行う報知手段を備え、前記制御手段はモータ入力電力の増大により、脱水動作を停止させ、再度行う脱水動作が所定回数に達したときに、前記報知手段により異常報知するようにしたものである。
これによって、モータ、モータ駆動回路、電源回路の故障によりモータ入力電力が増えている場合は、この異常報知により、使用者に対応を促すことができるようになる。
本発明の洗濯機は、モータに高い負荷がかかった場合に、モータ入力電力を許容範囲に抑えて制御して、モータ、モータ駆動回路、電源回路を保護するとともに、脱水性能の低下を抑えることができる。
本実施の形態における洗濯機の要部断面図 同洗濯機のブロック図 同洗濯機のモータ制御のタイムチャート 同洗濯機の脱水行程のフローチャート 同洗濯機のモータ制御設定サブルーチンのフローチャート 同洗濯機の定電力制御サブルーチンのフローチャート 同洗濯機の設定回転数と脱水設定時間を示す図 同洗濯機の大電力検知制御サブルーチンのフローチャート 同洗濯機の定電力制御のタイムチャート 同洗濯機の大電力検知制御のタイムチャート 同洗濯機のモータ駆動サブルーチンのフローチャート 同洗濯機のキャリヤ信号割込サブルーチンのフローチャート 同洗濯機の位置信号割込サブルーチンのフローチャート 同洗濯機の回転数制御サブルーチンのフローチャート
第1の発明は、本発明の洗濯機は、洗濯物を収容して回転駆動される回転ドラムと、整流回路で整流された直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記回転ドラムを前記インバータ回路により駆動するモータと、前記モータの回転子位置を検知する位置検出手段と、前記モータが設定回転数になるように回転数を制御する回転数制御手段と、前記モータに入力される電力を検知するモータ電力検知手段と、洗い・すすぎ・脱水の各行程の少なくとも1つ以上の行程を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は脱水動作中にモータ入力電力が第1の所定時間以上、第1の所定電力を超えたときに、設定回転数を変えて、モータ入力電力が一定電力になるように制御することにより、モータ入力電力を抑えて脱水動作を行うことが可能で、大電力によるモータ、モータ駆動回路、電源回路の破壊を防止し、すぐに停止せず、脱水動作を続けることにより、通常の脱水時間内で脱水性能の低下を抑えることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の構成において、前記モータの入力電圧を制御する入力電圧制御手段と、前記モータの入力電流を検知する電流検出手段とを備え、前記モータ電力検知手段は、前記モータの回転子に同期した回転座標でのモータ入力電圧とモータ入力電流の成分からモータ入力電力を演算することにより、位置検出の検知誤差の影響を受けず、究めて簡単にモータ入力電力を算出することができる。
第3の発明は、特に、第2の発明の構成において、前記モータ電力検知手段は、静止座標でのモータ入力電圧とモータ入力電流の成分からモータ入力電力を演算することにより、モータ制御をベクトル制御以外で行うときでも、モータ入力電力を算出することができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の構成において、電源回路に流れる電源入力電流を検知する電源電流検知手段と、前記電源回路にかかる電源入力電圧を検知する電源電圧検知手段とを備え、前記モータ電力検知手段は、前記電源入力電圧と前記電源入力電流の成分から電源入力電力を演算し、前記電源入力電力から所定の割合でモータ入力電力を演算することにより、電源電力検知回路がすでにある回路の場合、モータ入力電力を簡単に算出することができる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の構成において、前記制御手段は前記設定回転数の低下に応じて、脱水設定時間を延長することにより、モータ入力電力が増えて、低い設定回転数で脱水動作が制御される場合でも、脱水の設定時間を増やして、回転数の低下による脱水性能の低下を抑えることができる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の構成において、前記制御手段はモータ入力電力が第2の所定時間以上、第2の所定電力を超えたときに、脱水動作を停止させ、再度同じ脱水動作をすることにより、モータ入力電力が増え続けた場合でも、大電力によるモータ、モータ駆動回路、電源回路の破壊される前に、安全にモータを停止させることができる。
第7の発明は、特に、第6の発明の構成において、水受け槽の水位を検知する水位検知手段と、前記水受け槽の水を排水する排水手段を備え、前記制御手段はモータ入力電力の増大により、脱水動作を停止させたときに、水位を検知し、排水が完了するまで、排水を継続し、排水後に脱水動作を開始することにより、特に排水能力が悪くて、脱水された水が排水されず、排水溝から排水ホース、ドラム下端と溜って、負荷を増大させていた場合に、排水し続けることにより、水による負荷を軽減できる。また水位検知手段は脱水中の回転ドラムによる風圧で検知水位が変動されるため、回転停止後に水位を検知することにより、正確に排水されていることを検知することができる。
第8の発明は、特に、第6、7の発明の構成において、報知動作を行う報知手段を備え、前記制御手段はモータ入力電力の増大により、脱水動作を停止させ、再度行う脱水動作が所定回数に達したときに、前記報知手段により異常報知することにより、大電力の発生要因である異常な負荷状態(例えば、回転ドラムと水受け槽との洗濯物の挟込み、過大重量の洗濯物、回転ドラム内の残水などの過大な負荷)の軽減を、使用者に促すことができ、これにより、負荷を軽くなり、モータ入力電力を下がり、通常の脱水動作を行うことができる。また、モータ、モータ駆動回路、電源回路の故障によりモータ入力電力が増えている場合は、この異常報知により、使用者に部品修理を促すことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は洗濯機の要部断面図であり、回転ドラム1は、有底円筒形に形成し外周部に多数の通水孔を側壁に設け、水受け槽2内に回転自在に配設されている。回転ドラム1の回転中心に傾斜方向に設けた回転軸(回転中心軸)の一端を固定し、回転軸の他端にドラムプーリー3を固定している。なお、この回転軸は洗濯機の正面側から底部となる背面側に向けて回転軸の方向が水平方向から下向き傾斜となっている。
水受け槽2の背面に取り付けたモータ4は、ベルト5によりドラムプーリー3と連結し、モータ4により回転ドラム1が正転、または反転できるように構成され回転駆動される。回転ドラム1の内壁面に数個の突起板を設けており、この突起板により洗濯物が回転時に引っ掛けられ適度な高さから落とされることによって、いわゆる叩き洗いの効果を発揮し洗浄される。また、水受け槽2は洗濯機本体の天板によりばね体で揺動可能に吊り下げられ、回転ドラム1の正面側の開口部を蓋体(蓋)により開閉自在に覆っている。
図2に示すように、交流電源は、整流回路6に交流電力を加え、整流回路6は倍電圧整流回路を構成し、全波整流ダイオード6aにより、交流電源が正電圧のときはコンデンサ6bを充電し、交流電源が負電圧のときはコンデンサ6cを充電し、直列接続されたコンデンサ6b、6cの両端には倍電圧直流電圧が発生し、インバータ回路7に倍電圧直流電圧を加える。
インバータ回路7は、6個のパワースイッチング半導体と逆並列ダイオードよりなる3相フルブリッジインバータ回路により構成し、通常、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)と逆並列ダイオードおよびその駆動回路と保護回路を内蔵したインテリジェントパワーモジュール(以下、IPMという)で構成している。インバータ回路7の出力端子にモータ4を接続し、駆動する。
モータ4は直流ブラシレスモータにより構成し、回転子を構成する永久磁石と固定子との相対位置(回転子位置)を位置検出手段8により検出する。位置検出手段8は、通常、3個のホールセンサ8a、8b、8cにより構成し、電気角60度ごとの位置信号を検出する。
電流検出手段9は、インバータ回路7の負電圧端子と整流回路6の負電圧端子間にシャント抵抗9a、9b、9cを接続し、このシャント抵抗の両端電圧から算出したインバータ回路7の入力電流をもとに、モータ4の相電流Iu、Iv、Iwを検出する。通常はシャント抵抗を用いるが、交流電流トランスあるいは直流電流トランスでも検出可能である。
制御手段10は、位置検出手段8と電流検出手段9で検出されたモータの位相やモータの相電流の情報をもとに、インバータ回路7を制御してモータ4の回転数を制御するものである。マイクロコンピュータと、マイクロコンピュータに内蔵したインバータ制御タイマー(PWMタイマー)、高速A/D変換回路、メモリ回路(ROM、RAM)等より構成し、位置検出手段8の出力信号より電気角を検知する電気角検知手段11と、電流検出手段9の出力信号と電気角検知手段11の信号より磁束に対応した電流成分Idとトルクに対応した電流成分Iqに分解する3相/2相dq変換手段12と、静止座標系から回転座標系に変換、あるいは逆変換するのに必要な正弦波データ(sin、cosデータ)を格納する記憶手段13と、磁束に対応した電圧成分Vdとトルクに対応した電圧成分Vqを3相モータ駆動制御電圧Vu、Vv、Vwに変換する2相/3相dq逆変換手段14と、3相モータ駆動制御電圧Vu、Vv、Vwに応じてインバータ回路7のIGBTのスイッチングを制御するPWM出力を制御する入力電圧制御手段15などを備えている。
また制御手段10は、行程に応じてモータ4の起動、停止、回転数、および制動等を制御する設定変更手段16と、位置検出手段8の出力信号よりモータ回転数およびドラム回転数を検知する回転数検知手段17と、回転数検知手段17の出力信号に応じて回転ドラム1の回転数を制御する回転数制御手段18と、設定変更手段16と回転数制御手段18からのd軸(direct−axis)電流設定信号Ids、q軸(quadrature−axis)電流設定信号Iqsと、3相/2相dq変換手段12より演算したIdとIqを比較しモータ電流を制御するための磁束に対応した電圧成分Vdとトルクに対応した電圧成分Vqを演算する電流制御手段19とを備えている。
トルクに対応したq軸電流Iqが設定値Iqsとなるようにフィードバック制御することによりトルク制御が可能となる。しかし、ドラム回転数が上昇するとモータ誘起電圧が上昇してトルク電流Iqが増加しなくなるので、ドラム回転数に応じてd軸電流を増加させる、いわゆる弱め磁束制御によりq軸電流も増加させることができ、トルクを増加させることができる。
さらに制御手段10は、表示手段21と吹鳴手段22を有し、動作状態の表示や異常時の報知をする報知手段23と、交流電圧端子間に接続された給水弁24、排水弁(排水手段)25を、スイッチング手段駆動回路26により制御する給水弁制御手段27、排水弁制御手段28と、水受け槽2の下部にある接続部の水圧を電気的な周波数に変換することにより水位を検知する水位検知手段29と、交流電源と整流回路6の間に接続された電源電力検知回路30で検知される電源電力から、交流電源の1周期毎に平均された電源電力を算出する電源電力検知手段31と、モータ電力を算出するモータ電力検知手段32とを備えている。
給水弁24は水道水を水受け槽2に給水するもので、電磁弁により構成し、排水弁(排水手段)25は水受け槽2内の水の排水する排水手段である。スイッチング手段駆動回路26は、双方向性サイリスタなどのソリッドステートリレー、またはメカニカルリレーで構成している。
電源電力検知回路30は、電流を検知する電源電流検知手段30aと電圧を検知する電源電圧検知手段30bからなる。
モータ電力検知手段32は、下記の3つのいずれかの方法により、モータ電力を算出する。
1つ目は、2相/3相dq逆変換手段14からモータ4の回転子に同期した回転座標(d−q平面)でのモータ入力電圧Vd、Vqと、3相/2相dq変換手段12から回転座標(d−q平面)でのモータ入力電流Id、Iqを用い、Vd・Id+Vq・Iqを計算する。この値は電圧ベクトルと電流ベクトルのスカラ積となり、電圧ベクトルの絶対値と電流ベクトルの絶対値と力率cosθ(電圧と電流の位相差θ)の積となるため、モータ入力電力PiがPi=|V||I|cosθ=Vd・Id+Vq・Iqとして算出できる。ここで、位置検出手段8に検知誤差Δθがあっても、力率cosθに影響しないため、モータ入力電力Piは検知誤差Δθの影響を受けない。また、一般にベクトル制御によるモータ制御系では必ずVd、Vq、Id、Iqが存在するため、究めて簡単に実現することができる。実際の動作においては、負荷変動によりVd、Vq、Id、Iqが変動するノイズ成分があるため、Pi=Vd・Id+Vq・Iqの計算を行う前のVd、Vq、Id、IqにLPF(ローパスフィルタ)を通すか、計算後のPiにLPFを通すことにより、ノイズ成分の影響を抑えることができる。
2つ目は、2相/3相dq逆変換手段14から静止座標でのモータ入力電圧Vu、Vv、Vwと、3相/2相dq変換手段12から静止座標でのモータ入力電流Iu、Iv、Iwを用い、モータ入力電力PiをPi=Vu・Iu+Vv・Iv+Vw・Iwとして算出する。これにより、ベクトル制御によるモータ制御系以外のときでも、モータ入力電力を算出することができる。
3つ目は、回路内でモータに回る電力の割合Rm(例えば、0.8)を設定し、電源電力検知回路30で算出される電源電力Paから、モータ入力電力PiをPi=Pa×Rmとして算出する。これにより、電源電力検知回路がすでにある回路の場合、簡単にモータ入力電力を算出することができる。
図3は各部の波形関係を示し、ホールセンサ8a、8b、8cの出力信号H1、H2、H3のエッジ信号は60度ごとに変化して、各部状態信号より360度を6分割した角度が判別できる。信号H1がローからハイとなるハイエッジを基準電気角0度として示し、モータ4のU相巻線誘起電圧Ecは、基準信号H1から30度遅れた波形となる。U相モータ電流Iuとモータ誘起電圧Ecの位相を同じにすると最大効率が得られる。モータ誘起電圧Ecがq軸と同等軸となり、d軸は90度遅れている。q軸電流はモータ誘起電圧位相と同相なのでトルク電流と呼ばれる。
図3において、U相モータ電流Iuは、U相巻線誘起電圧Ecよりわずかに進んで、モータ印加電圧VuはU相巻線誘起電圧Ecより30度進んだ波形を示す。Vcは入力電圧制御手段15内で生成される鋸歯状波形のキャリヤ信号で、Vuは正弦波状のU相制御電圧でキャリヤ信号VcとU相制御電圧Vuを比較したPWM信号uを入力電圧制御手段15内で発生させ、インバータ回路7のU相上アームトランジスタの制御信号として加える。ckはキャリヤ信号Vcの同期信号で、キャリヤカウンタがカウントアップしてオーバーフローしたときの割込信号である。
モータ4のロータ磁石軸とステータの磁束軸が一致した電気角をd軸として基準電気角0度として静止座標系から回転座標系への座標変換、すなわち、dq変換を行うので、電気角検知手段11は、ホールセンサ8a、8b、8cの出力信号H1、H2、H3より30度、90度、150度等の電気角を検知し、60度毎以外は推定により電気角θを求める。
一般的に、磁束に対応した電流成分をd軸電流Idと呼び、永久磁石の磁束と界磁の磁束が同軸上で永久磁石が界磁に吸引された状態なのでトルクは零となる。また、d軸から電気角で90度の角度で誘起電圧位相と同じ位相となりトルク最大となる軸をq軸と呼び、トルクに対応した電流成分なのでq軸電流Iqと呼ぶ。さらに、d軸電流を負の方向に増加させるとd軸上の界磁磁束を弱めることと等価となるので界磁弱め制御、あるいは弱め磁束制御(または磁束弱め制御)と呼ばれる。また、d軸電流とq軸電流に分解してそれぞれ独立に制御するのでベクトル制御と呼ばれる。
3相/2相dq変換手段12は、モータ電流Iu、Iv、Iwを(数1)によりd軸電流Idとq軸電流Iqに変換するもので、静止座標系から回転座標系に変換して、電気角θに対応して検出したモータ電流瞬時値よりId、Iqを演算する。
Figure 2013244315
記憶手段13には、sinθとcosθのデータを記憶しているので、電気角データに対応したデータを呼び出して積和演算を行うことにより、d軸電流Idとq軸電流Iqに分解できる。電気角θの検知とモータ電流瞬時値の検出はキャリヤ信号に同期して行うもので、後述するフローチャートに従い、詳細な説明を行う。
回転数検知手段17は、ホールセンサ8a、8b、8cの出力信号H1、H2、H3いずれか1相よりモータ回転数を検知し、モータ4の極数と、ドラムプーリー3とモータプーリの比からドラム回転数に変換し、ドラム回転数信号を設定変更手段16、回転数制御手段18に加える。設定変更手段16は、モータ4の起動制御とドラム回転数の設定、およびドラム回転数とq軸電流設定値Iqsに応じたd軸電流Idsの演算を行い、回転数制御手段18にドラム回転数設定信号Nsを加え、電流制御手段19にd軸設定信号Idsを加える。
回転数制御手段18は、ドラムの検知回転数n(以下、検知回転数)とドラムの設定回転数Ns(以下、設定回転数)を比較する回転数比較手段18aと、検知回転数nと設定回転数Nsとの誤差信号Δnと、回転数の変化率(加速度)に応じてq軸電流設定値Iqsを制御するトルク電流設定手段18bより構成される。
電流制御手段19は、3相/2相dq変換手段12の出力信号Iq、Idと設定信号Iqs、Idsをそれぞれ比較して制御電圧信号Vq、Vdを出力するもので、q軸電流比較手段19a、q軸電圧設定手段19b、d軸電流比較手段19c、d軸電圧設定手段19dより構成し、q軸電流とd軸電流をそれぞれ制御する電圧信号Vq、Vdを生成する。
d軸電流設定値Idsは、設定変更手段16から電流制御手段19に信号が加えられるもので、埋め込み磁石モータの場合には回転数に応じてd軸電流設定値Idsを増加させて弱め界磁制御を行う。表面磁石モータの場合には、通常、Idsは零に設定し、高回転数駆動の場合にIdsを増加させる。
2相/3相dq逆変換手段14は、電圧信号Vq、Vdより3相モータ駆動制御電圧Vu、Vv、Vwを(数2)より演算するもので、回転座標系から静止座標系に変換し、キャリヤ信号に同期して、電気角検知手段11により検知した電気角θに対応した正弦波状の信号を入力電圧制御手段15に加える。記憶手段13に記憶したsinθ、cosθの積和演算の方法は、3相/2相dq変換手段12の演算とほぼ同じである。
Figure 2013244315
上記構成において図4を参照しながら動作を説明する。図4は脱水行程のフローチャートで、ステップ100より脱水行程を開始し、ステップ101で脱水行程の各種初期設定を行い、ステップ102で時間とともに設定回転数Nsを高くする。ステップ103で図11に示すモータ駆動サブルーチンを実行する。ステップ104で設定回転数Nsが最終の設定回転数Nmax(例えば、900r/min)に達したかどうか判定し、Nmaxに達したらステップ105に進み、モータ制御設定サブルーチンを実行する。Nmax以下ならばステップ102に戻る。ステップ106で脱水の設定時間T1を呼び出し、ステップ107で設定時間T1が経過したかどうか判定し、経過するまでステップ105のモータ駆動を続け、経過したらステップ108でブレーキ制御を行い、ステップ109で脱水行程を終了する。
図5に示すモータ制御設定サブルーチンのフローチャートについて説明する。ステップ200よりモータ制御設定サブルーチンが開始する。ステップ201でモータ入力電力Piが第1の所定電力Pmax1(例えば、1000W)以上かどうかを判定し、Pmax1以上なら、ステップ202でその状態で検知時間Tp1(例えば、5秒)経過したかを判定し、経過するまでステップ201に戻りつづけ、Tp1経過したら、つぎにPmax1未満になるまでTp1経過済みを保持し、ステップ203に進む。Pmax1未満なら、ステップ207までに進む。
ステップ203で定電力制御サブルーチンを実行し、ステップ204でモータ入力電力Piが、Pmax1より大きい第2の所定電力Pmax2(例えば、1200W)以上かどうかを判定し、Pmax2以上なら、ステップ205でその状態で検知時間Tp2(例えば、1秒)経過したかを判定し、経過するまでステップ203に戻りつづけ、Tp2経過したら、つぎにPmax2未満になるまでTp2経過済みを保持し、ステップ206に進む。Pmax2未満なら、ステップ207までに進む。
ステップ206で大電力検知制御サブルーチンを実行する。続いて、ステップ207でステップ103と同様にモータ駆動サブルーチンを実行し、ステップ208でリターンする。
図6に示す定電力制御サブルーチンのフローチャートについて説明する。ステップ300より定電力制御サブルーチンが開始する。ステップ301で設定回転数Nsを呼出し、ステップ302でモータ入力電力PiがPmax1以上でPmax2未満のモータ入力電力設定値Ps(例えば、1100W)以上かどうかを判定し、Ps以上なら、ステップ303で設定回転数Nsを下げ、ステップ304で設定回転数Nsが、脱水性能維持可能な最小のNmin(例えば、500r/min)より小さいなら、ステップ305でNs=Nminとして、設定回転数NsがNminより下がらないようにして、ステップ310に進む。Ps未満ならステップ307で設定回転数Nsを上げ、ステップ308で設定回転数Nsが、当初の最終脱水回転数Nmax(例えば、900r/min)より大きいなら、ステップ309でNs=Nmaxとして、設定回転数NsがNmaxより上がらないようにして、ステップ310に進む。モータ入力電力Piとモータ入力電力設定値Psをキャリヤごとに比較判断制御すると変動要素が大きく制御が安定しないので、平均化するなどの積分要素を加える必要がある。
一般にモータ出力電力Po=ドラム軸トルクT×ドラム回転数n、モータ出力電力Po=モータ入力電力Pi×モータ効率eが成り立つので、ドラム軸トルクTとモータ効率eがほぼ一定の条件下では、ドラム回転数nを下げるとモータ入力電力Piは下がり、ドラム回転数を上げるとモータ入力電力Piは上がるため、設定回転数Nsを変化させることにより、ドラム回転数nが変化し、モータ入力電力Piを一定に制御することができる。ただし、急に回転数を下げると、モータによる回生電力の影響で直流電圧が上昇し、電源回路、インバータ回路の故障につながるため、減速時は少しずつさげる必要がある。この減速時の制御の制約と、設定回転数に上限Nmaxと下限Nminがあることから、定電力制御中であっても、定電力が維持できず、Pmax1未満になって通常の回転数制御に戻ったり、Pmax2以上になり大電流検知制御に移行したりする。通常は脱水により、洗濯物内の水が抜けて、ドラム軸トルクTが小さくなるため、モータ入力電力Piは下がり、回転数制御に戻る。
これにより、モータ入力電力Piが増えたときは定電力制御に移行して、モータ入力電力Piを抑えて脱水動作を行うことが可能で、大電力によるモータ、モータ駆動回路、電源回路の破壊を防止することができる。またすぐに停止せず、脱水動作を続けることにより、通常の脱水時間内で脱水性能の低下を抑えることができる。
続いてステップ310に進み、ステップ104で最終の設定回転数Nmaxを設定して以降の設定回転数Nsの最小値Nsminをメモリする。ステップ311で図7のようにNsminに応じた脱水の設定時間T1を設定し、ステップ312でリターンする。
これにより、モータ入力電力Piが増えて、低い設定回転数Nsで脱水動作が制御される場合でも、脱水の設定時間T1を増やして、回転数の低下による脱水性能の低下を抑えることができる。ここで脱水の設定時間T1は、低い回転数でも、脱水性能が確保できるように設定する。
図8に示す大電力検知制御サブルーチンのフローチャートについて説明する。ステップ400より大電力検知制御サブルーチンが開始する。ステップ401で、ステップ108と同様のブレーキ制御を行い、モータを停止させる。ステップ402で大電流検知回数Pctをカウントアップして、ステップ403で大電流検知回数Pctが最大検知回数Ctmax(例えば、10回)以上かどうかを判定する。Ctmax以上なら、ステップ404で異常報知を行い、モータ入力電力Piが大きくて、脱水動作が続けられないことを使用者に伝える。Ctmax未満なら、ステップ405で水位検知手段29により再度水位を検知し、水がないかを判定する。水がある場合は、ステップ406で、排水を行い、水がなくなるまで排水し続ける。水がない場合は、ステップ407で脱水再起動設定を行い、ステップ408でリターンする。
これにより、モータ入力電力Piが増え続けた場合でも、大電力によるモータ、モータ駆動回路、電源回路に不具合が生じる前に、安全にモータを停止させることができる。特に排水能力が悪くて、脱水された水が排水されず、排水溝から排水ホース、ドラム下端と溜って、負荷を増大させていた場合は、排水し続けることにより、水による負荷を軽減できる。水位検知手段は脱水中の回転ドラムによる風圧で検知水位が変動されるため、回転停止後に水位を検知することにより、正確に排水されていることを検知することができる。
さらにこの状態が複数回発生する場合は、異常報知を行い、大電力の発生要因である異常な負荷状態(例えば、回転ドラムと水受け槽との洗濯物の挟込み、過大重量の洗濯物、回転ドラム内の残水などの過大な負荷)の軽減を、使用者に促すことができる。これにより、負荷は軽くなり、トルクT、モータ出力電力Po、モータ入力電力Piを下げることができ、通常の脱水動作を行うことができる。また、モータ、モータ駆動回路、電源回路の故障によりモータ入力電力Piが増えている場合は、この異常報知により、使用者に部品修理を促すことができる。
実際の動作について、図9に示す回転数制御と定電力制御、図10に示す回転数制御と大電力検知制御のタイムチャートを用いて説明する。図9は回転数制御から定電力制御に移行し、回転数制御に復帰したときのタイムチャートを表している。a点まで設定回転数Nsを増やし、900r/minの最終の設定回転数Nmaxに達する。モータ入力電力Piが1000Wを超えた状態で5秒経過するb点まで、900r/minで回転数制御を行い、b点で定電力制御に移行する。定電力制御により1100Wになるように制御されて、設定回転数Nsが変動する。脱水により洗濯物内の水が抜けて、排水され、負荷が軽くなると1100Wで制御できる設定回転数Nsが増えて、c点で最大値Nmaxに達する。これ以上Nsが増えないため、モータ入力電力Piが下がり始める。d点でモータ入力電力Piが1000W未満になると、回転数制御に移る。b点からd点における、定電力制御時の設定回転数Nsの最小値Nsminは880r/minになるため、脱水の設定時間T1は500sとなる。e点でこの500sに達すると、ブレーキして、脱水動作を終了する。
続いて、図10は回転数制御から定電力制御、大電力検知制御に移行し、再度脱水起動したときのタイムチャートを表している。図9同様に、900r/minに達するa点で回転数制御を行うが、この時点でモータ入力電力Piが1000Wを超えているため、5秒後のb点で、定電力制御に移行する。定電力制御により1100W制御するため、設定回転数Nsが変動するが、c点で最小値Nminに達するとNsは下がらず、モータ入力電力Piが上がり始める。d点でモータ入力電力Piが1200Wを超えた状態で1秒経過して、大電流検知制御に移行する。ブレーキ制御を行い、e点で停止後、検知回数が10回未満のため、水がないことを確認して、脱水再起動設定を行い、f点で再起動する。
つぎに、図11に示すモータ駆動サブルーチンのフローチャートについて説明する。ステップ500よりモータ駆動サブルーチンが開始する。ステップ501でサブルーチン実行の最初に判断する初期判定で、起動あるいは制動初期を判定し、起動あるいは制動初期であればステップ502で各種初期設定を行い、メインルーチンからのパラメータの受け渡しと各種設定を実行する。ステップ503で回転起動制御あるいは制動初期制御を行う。ステップ502、ステップ503は最初に一回だけ実行する。起動制御は、回転数フィードバック制御ができない起動時に、所定のモータ印加電圧に設定して120度通電するものであり、低いモータ印加電圧から高い電圧まで時間経過とともに電圧を上昇させるソフトスタートを行う。制動運転の場合には負のd軸電流を増やして、負のq軸電流を減らし、急激なブレーキトルクが加わらないようなソフトブレーキを行う。
つぎに、ステップ504でキャリヤ信号割込の有無を判定する。キャリヤ信号割込とは、入力電圧制御手段15のキャリヤカウンタがオーバーフローすると発生する割込信号ckにより実行するもので、ステップ505で図12に示すキャリヤ信号割込サブルーチンを実行する。
ここで図12にあるキャリヤ信号割込サブルーチンのフローチャートについて説明する。ステップ600よりキャリヤ信号割込サブルーチンを開始し、ステップ601で割込信号ckをカウントする。ステップ602でロータ位置電気角θを演算する。ロータ位置信号θは、別途求めたキャリヤ信号1周期当たりの電気角Δθとキャリヤカウンタのカウント値kを掛けた値k・Δθを、位置検出手段8より検知できる60度ごとの電気角φを加えることで推定演算する。例えば、モータ4を4極、ドラムプーリー3とモータプーリの比を8.25:1、キャリヤ周波数を15.6kHz、回転数を900r/minとするとモータ駆動周波数は240Hzとなり、電気角60度内のキャリヤカウンタカウント値kは約11となる。よって、Δθは約5.5度となる。モータ回転数が低い程、電気角60度内のカウント値kは高くなり、演算上の電気角検知分解能は向上するので、回転数が低く精度が要求される場合でも問題はないことがわかる。
つぎに、ステップ603でモータ電流Iu、Iv、Iwを検出する。ステップ604で電気角θとモータ電流より、(数1)の演算により3相/2相dq変換を行い、d軸電流Id、q軸電流Iqを求める。ステップ605でId、Iqをメモリし、別途回転数制御データとして用いる。
つぎに、ステップ606でd軸制御電圧Vd、q軸制御電圧Vqを呼び出し、ステップ607で(数2)の演算により2相/3相dq逆変換を行い、3相制御電圧Vu、Vv、Vwを求める。この逆変換は、ステップ604と同じように記憶手段13の電気角に対応したsinθ、cosθデータを用い、積和演算を高速で行う。ステップ608で3相制御電圧Vu、Vv、Vwに対応したPWM出力値PWMu、PWMv、PWMwに変換して、ステップ609でPWM出力する。ステップ610で3相のPWM出力値PWMu、PWMv、PWMwをメモリし、次のキャリヤ信号割込で用いる。ステップ611でサブルーチンをリターンする。
PWM制御は、図2でも説明したように、U相、V相、W相各相に対応して、鋸歯状波(または三角波)のキャリヤ信号と制御電圧Vu、Vv、Vwを比較してインバータ回路7のIGBTオンオフ制御信号を発生させ、モータ4を正弦波駆動するもので、上アームトランジスタと下アームトランジスタの信号は逆転された波形で、上アームトランジスタの導通比を増加すると出力電圧は正電圧が増加し、下アームトランジスタの導通比を増加させると出力電圧は負電圧が増加する。導通比を50%にすると出力電圧は零となる。
電気角θに対応して制御電圧を正弦波状に変化させると正弦波状の電流が流れる。正弦波駆動の場合、トランジスタの導通比を最大値100%にしたとき、出力電圧は最大となり変調度Amは100%で、導通比の最大値を50%にしたとき、出力電圧は最低となり変調度Amは0%と呼ぶ。
モータ電流をベクトル制御するための、3相/2相dq変換と2相/3相dq逆変換をキャリヤ毎に高速で実行するので、高速の電流制御が可能となり、さらに、キャリヤ毎にトルク電流Iqを検出するので負荷量が瞬時に判定できる特長がある。
キャリヤ信号割込サブルーチンを実行後は、図11に戻りステップ506で位置信号割込の有無を判定する。位置信号H1、H2、H3のいずれかの信号が変化すると割込信号が発生し、ステップ507で図13に示す位置信号割込サブルーチンを実行する。図2に示すように、電気角60度ごとに割込信号が発生する。
ここで図13にある位置信号割込サブルーチンのフローチャートについて説明する。ステップ700より位置信号割込サブルーチンを開始し、ステップ701で位置信号H1、H2、H3を入力し位置検出を行い、ステップ702で位置信号よりロータ電気角θcを検出する。ステップ703に進み、キャリヤ信号割込サブルーチンでカウントしているカウント値kをkcにメモリし、ステップ704でカウント値kをクリヤし、ステップ705で電気角60度間のキャリヤカウンタカウント値kcより1キャリヤの電気角Δθを演算する。
つぎに、ステップ706で基準位置信号H1による割込信号かどうかを判定し、基準位置信号割込ならばステップ707で回転周期測定タイマーTのカウント値Tを周期Toとしてメモリし、ステップ708でタイマーTをクリヤし、ステップ709でモータ回転数nを演算する。つぎに、ステップ710で回転周期測定タイマーのカウントを開始させ、ステップ711でサブルーチンをリターンする。
回転周期測定タイマーの検知分解能を8bit精度にすると、クロックは64μsとなりキャリヤ信号をクロックに使用できるが、回転制御性能を向上するためには回転周期検知分解能を向上させる必要があり、クロックの周期は1〜10μsに設定する必要がある。この場合には、マイクロコンピュータのシステムクロックを分周してクロックに使用する。
以上に説明した回転数検知方法は、位置信号H1の周期から求める方法を示したが、位置信号H1、H2、H3をすべて使用してもよい。また、キャリヤ信号を三角波にすると、キャリヤカウンタタイマーの周期は鋸歯状波の2倍となるので、三角波のオーバーフロー信号をクロックにすると分解能が向上するので三角波タイマーのオーバーフロー信号をクロックにしてもよい。
位置信号割込サブルーチンを実行後は、図11に戻りステップ508で回転数制御サブルーチンを実行する。ステップ509でサブルーチンをリターンする。
ここで図14にある回転数制御サブルーチンのフローチャートについて説明する。ステップ800より回転数制御サブルーチンを開始し、ステップ801でモータ回転数nを呼び出し、ステップ802で通常駆動か、減速制動かのフラグ判定をする。
通常駆動ならばステップ803で設定回転数Nsと検知回転数nの誤差によりq軸電流設定値Iqsを制御してトルク制御を行い、ステップ804でq軸電流設定値Iqsを上限値Iqmaxと比較し、Iqs>Iqmaxならばステップ805でIqsをIqmaxとして、q軸電流Iqが上限値Iqmax以上とならないようにし、Iqs≦Iqmaxならば、ステップ805を飛ばす。
また減速制動ならばステップ806で負のトルク制御、すなわち、ブレーキトルク制御のためにq軸電流設定値を−Iqsに設定する。
つぎに、ステップ807で設定回転数Nsより位相角δを設定し、ステップ808でIqsと位相角δよりd軸電流設定値Idsを演算する。設定回転数Nsのみでd軸電流を制御するとq軸電流Iqが小さい場合、進角し過ぎてトルクが得られない場合があるので、設定回転数Nsとq軸電流設定値Iqsに応じたd軸電流を設定する必要がある。
つぎに、ステップ809でd軸電流Idを呼び出し、ステップ810でIdとIdsの大小比較判定を行い、d軸電流Idが設定値Idsよりも大きければステップ811でd軸制御電圧Vdを減らし、d軸電流Idが設定値Idsよりも小さければステップ812でd軸制御電圧Vdを増やす。
つぎに、ステップ813でq軸電流Iqを呼び出し、ステップ814でIqとIqsの大小比較判定を行い、q軸電流Iqが設定値Iqsよりも大きければステップ815でq軸制御圧Vqを減らし、q軸電流Iqが設定値Iqsよりも小さければステップ816でq軸制御電圧Vqを増やす。
つぎに、ステップ817で演算されたd軸制御電圧Vd、q軸制御電圧Vqをそれぞれメモリし、ステップ818でサブルーチンをリターンする。
d軸電流Id、q軸電流Iqは、基本的にはキャリヤ信号ごとに変換するので、トルクリップルも含めて変動が大きい。変換したd軸電流Id、q軸電流Iqと設定値Ids、Iqsをキャリヤごとに比較判断制御すると変動要素が大きく制御が安定しないので、平均化するなどの積分要素を加える必要がある。
よって、回転数制御サブルーチンは、図13に示すように、キャリヤ信号割込サブルーチン、あるいは、位置信号割込サブルーチンの中で実行せず、モータ駆動制御の中で独立に実行させる。ただし、回転制御の応答速度を速めるために、位置信号割込サブルーチンの中で行う方法も考えられるが、回転数が低い場合には逆に応答が遅くなる欠点がある。
上記はベルトによる回転ドラムの駆動するベルト駆動方式の洗濯機を例にとって説明しているが、回転ドラムとモータが同軸となるダイレクトドライブ方式の洗濯機においても、ドラム回転数がモータ回転数となるだけで、モータに高い負荷がかかった場合に、モータ入力電力を許容範囲に抑えて制御して、モータ、モータ駆動回路、電源回路を保護するとともに、脱水性能の低下を抑えることができる。
また上記はドラム式洗濯機を例にとって説明しているが、モータの回転駆動軸をクラッチによって撹拌翼か、洗濯兼脱水槽に結合するパルセータ式の縦型洗濯機においても、モータに高い負荷がかかった場合に、モータ入力電力を許容範囲に抑えて制御して、モータ、モータ駆動回路、電源回路を保護するとともに、脱水性能の低下を抑えることができる。
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、モータに高い負荷がかかった場合に、モータ入力電力を許容範囲に抑えて制御して、モータ、モータ駆動回路、電源回路を保護するとともに、脱水性能の低下を抑える洗濯機に有用である。
1 回転ドラム
2 水受け槽
4 モータ
6 整流回路
7 インバータ回路
8 位置検出手段
9 電流検出手段
10 制御手段
15 入力電圧制御手段
18 回転数制御手段
23 報知手段
25 排水弁(排水手段)
29 水位検知手段
30a 電源電流検知手段
30b 電源電圧検知手段
32 モータ電力検知手段

Claims (8)

  1. 洗濯物を収容して回転駆動される回転ドラムと、整流回路で整流された直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記回転ドラムを前記インバータ回路により駆動するモータと、前記モータの回転子位置を検知する位置検出手段と、前記モータが設定回転数になるように回転数を制御する回転数制御手段と、前記モータに入力される電力を検知するモータ電力検知手段と、洗い・すすぎ・脱水の各行程の少なくとも1つ以上の行程を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は脱水動作中にモータ入力電力が第1の所定時間以上、第1の所定電力を超えたときに、設定回転数を変えて、モータ入力電力が一定電力になるように制御することを特徴とする洗濯機。
  2. 前記モータの入力電圧を制御する入力電圧制御手段と、前記モータの入力電流を検知する電流検出手段とを備え、前記モータ電力検知手段は、前記モータの回転子に同期した回転座標でのモータ入力電圧とモータ入力電流の成分からモータ入力電力を演算するようにした請求項1に記載の洗濯機。
  3. 前記モータ電力検知手段は、静止座標でのモータ入力電圧とモータ入力電流の成分からモータ入力電力を演算するようにした請求項2に記載の洗濯機。
  4. 電源回路に流れる電源入力電流を検知する電源電流検知手段と、前記電源回路にかかる電源入力電圧を検知する電源電圧検知手段とを備え、前記モータ電力検知手段は、前記電源入力電圧と前記電源入力電流の成分から電源入力電力を演算し、前記電源入力電力から所定の割合でモータ入力電力を演算するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗濯機。
  5. 前記制御手段は前記設定回転数の低下に応じて、脱水設定時間を延長することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗濯機。
  6. 前記制御手段はモータ入力電力が第2の所定時間以上、第2の所定電力を超えたときに、脱水動作を停止させ、再度同じ脱水動作をすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗濯機。
  7. 水受け槽の水位を検知する水位検知手段と、前記水受け槽の水を排水する排水手段を備え、前記制御手段はモータ入力電力の増大により、脱水動作を停止させたときに、水位を検知し、排水が完了するまで、排水を継続し、排水後に脱水動作を開始することを特徴とする請求項6に記載の洗濯機。
  8. 報知動作を行う報知手段を備え、前記制御手段はモータ入力電力の増大により、脱水動作を停止させ、再度行う脱水動作が所定回数に達したときに、前記報知手段により異常報知することを特徴とする請求項6または7に記載の洗濯機。
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