JP2005218186A - 交流電気車の制御装置 - Google Patents

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JP2005218186A JP2004019762A JP2004019762A JP2005218186A JP 2005218186 A JP2005218186 A JP 2005218186A JP 2004019762 A JP2004019762 A JP 2004019762A JP 2004019762 A JP2004019762 A JP 2004019762A JP 2005218186 A JP2005218186 A JP 2005218186A
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Abstract

【課題】 インバータ側で消費する電力の急変に対して、コンバータの制御応答に遅れを生じさせない交流電気車の制御装置を提供する。
【解決手段】 コンバータ3と、コンバータの直流電力を平滑化するフィルタコンデンサ4と、コンバータの直流電力を交流電力に変換して電動機61を駆動するインバータ5を備えた交流電気車の制御装置において、電動機61の速度情報Fr及び電動機に供給する電流指令Iq*,Id*並びに電動機の電流検出値Iu,Iv,Iwから得たインバータ電圧指令Vq*,Vd*と電動機に供給する電流指令Iq*,Id*により電動機の消費電力Pを求める電力演算装置8と、フィルタコンデンサ電圧Edの検出装置41と、電動機の消費電力Pとフィルタコンデンサ電圧の目標値Ed*とフィルタコンデンサ電圧の検出値Edを用いてフィルタコンデンサ電圧の制御を行う電圧制御装置73を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、交流電力を直流電力に変換し、さらに、この直流電力を交流電力に変換して電動機を駆動する交流電気車に関するものであり、特に、直流電力を平滑化するフィルタコンデンサの電圧制御装置および/または電力変換装置の故障判定装置を備えた交流電気車の制御装置に関する。
通常、交流電気車は、架線から供給される単相交流電圧を変圧器によって降圧した後、電源側の電力変換装置(コンバータ)によって交流電力を直流電力に変換し、フィルタコンデンサを介して直流電力を平滑化した後、電動機側の電力変換装置(インバータ)によって任意の周波数の交流電力に変換し、電動機を駆動する。すなわち、一般に交流電気車は、コンバータとインバータの2つの電力変換装置から構成され、電力変換装置自身の損失を無視すると、コンバータはインバータの消費する電力を過不足なく供給する必要がある。
従来、コンバータの供給電力の制御手段として、直流電圧検出器によりフィルタコンデンサ電圧を検出し、フィルタコンデンサ電圧の目標値と検出値の偏差を求め、この偏差に応じて電力を供給するようコンバータを制御する中性点クランプ式コンバータの制御装置(例えば、特許文献1参照)や電力変換器の技術(例えば、特許文献2参照)が知られている。これらの発明の内、前者は、単相交流電源と、単相交流電源にリアクトルを介して接続されるブリッジ結線の中性点クランプ式コンバータと、該コンバータの出力端子に接続される第1および第2の直流平滑コンデンサと、該直流平滑コンデンサを直流電源とする負荷と、二つの直流平滑コンデンサの話電圧を検出し、和電圧指令に一致するように制御する和電圧制御回路と、和電圧制御回路の出力信号により前記交流電源から供給される入力電流を制御する入力電流制御回路と、二つの直流平滑コンデンサの差電圧を検出し、差電圧指令に一致するように制御する差電圧制御回路と、差電圧制御回路の出力信号と入力電流制御回路に出力信号の和に従ってコンバータをパルス制御する回路を具備している。また、後者は、中性点クランプ式コンバータにおいて、平滑コンデンサの電圧および平滑コンデンサの電圧をそれぞれ個別に制御する電圧制御手段を設け、これらの電圧制御手段の出力に基づいて、コンバータのA相およびB相の電圧指令を得て、これらの電圧指令に基づいてコンバータを制御している。すなわち、これらの発明は、インバータの消費電力と比較して、コンバータの供給電力が少ない場合にはフィルタコンデンサ電圧が低下し、逆にコンバータの供給電力が多い場合にはフィルタコンデンサ電圧が上昇するので、フィルタコンデンサ電圧が目標値に一致するよう制御すれば、コンバータの供給電力はインバータの消費電力と定常的に等しくなるという原理に基づいている。
近年の電気車においては、電動機の磁束と回転子電流を個別に、かつそれぞれの瞬時値を制御することでトルク応答の高速化を実現するベクトル制御の採用が進み、その結果、インバータ側の制御応答が飛躍的に速くなっている。鉄道車両においては、降雨などでレールの摩擦係数が低下した場合に、車輪が空転して車両の加速が低下してしまう現象が知られているが、車輪が空転しても瞬時に電動機のトルクを抑制することができれば空転の助長を抑制することができる。その後、抑制したトルクを再び増加させることで電動機の発生するトルクは確実にレールに伝わるようなり、加速性能を増加させることができる。
ところが、インバータの消費電力の変化は、フィルタコンデンサ電圧がほぼ一定に制御されている条件下ではインバータ電流の変化とみなせるので、フィルタコンデンサ電圧の変化、すなわち、フィルタコンデンサに蓄積される電荷量の変化は、インバータ電流の時間積分として現われることになる。このため、フィルタコンデンサ電圧を用いてコンバータの供給電力の制御を行う上記従来技術では、インバータ側で消費する電力の急変に対して、必然的にコンバータの制御応答は遅れてしまうという問題を有している。
また、一般的な交流電気車は、単相交流電源によって交流電力を供給され、この交流電力を直流電力に変換する際に、必然的に交流電源周波数の2倍の周波数を有する整流リップルがフィルタコンデンサ電圧に重畳される。このため上記従来技術は、ともに特許公報に記されていないが、実際は、フィルタコンデンサ電圧から整流リップルによる脈動周波数成分を除去するフィルタが必要となり、この整流リップルを取り除いたフィルタコンデンサ電圧信号を生成し、この信号を参照することでコンバータの制御を行わざるを得ない。この結果、上記従来技術によるコンバータは、整流リップルによる脈動周波数に比べて、十分低い周波数しか応答することができない。
近年、交流電気車の制御において、ベクトル制御の採用に伴うインバータ制御の高応答化に対して、コンバータ制御の応答は追従するのが困難になってきており、例えば、空転時にインバータ制御がトルクを急激に絞った場合、必然的にインバータ側の消費電力が急激に減少することとなり、コンバータがその変動に追従できない場合には、コンバータ側の供給電力が過剰になり、フィルタコンデンサ電圧が急激に上昇する現象を引き起こす。このフィルタコンデンサ電圧が所定の基準値を超えた場合には過電圧となり、電力変換装置を保護するため、インバータおよびコンバータの動作を停止させることになる。
特開平6−233575号公報 特開平11−113263号公報
本発明は、上記従来のフィルタコンデンサ電圧を用いてコンバータの供給電力の制御を行う交流電気車の制御装置において、インバータ側で消費する電力の急変に対して、コンバータの制御応答に遅れを生じさせない制御装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、上記制御装置において、電力変換装置に故障が発生したことを検出することができる交流電気車の制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、交流電力を直流電力に変換する電力変換装置(コンバータ)において、電気車の速度情報と電動機に供給する電流指令もしくは電流検出値より電動機の供給電力を求める電力演算装置を設け、電力演算装置の求めた電力とフィルタコンデンサ電圧の目標値とフィルタコンデンサ電圧の検出値よりフィルタコンデンサ電圧の制御を行う。
さらに詳細には、本発明は、交流電力を直流電力に変換する第1の電力変換装置と、第1の電力変換装置供給する直流電力を平滑化するフィルタコンデンサと、第1の電力変換装置供給する直流電力を交流電力に変換して電動機を駆動する第2の電力変換装置を備えた交流電気車の制御装置において、電気車の速度情報および電動機に供給する電流指令ならびに電動機の電流検出値から得たインバータ電圧指令と電動機に供給する電流指令により電動機の消費電力を求める電力演算装置と、フィルタコンデンサ電圧の検出装置と、電力演算装置の求めた電動機の消費電力とフィルタコンデンサ電圧の目標値とフィルタコンデンサ電圧の検出値を用いてフィルタコンデンサ電圧の制御を行う電圧制御装置を備えた。また、本発明は、上記交流電気車の制御装置において、フィルタコンデンサ電圧の目標値とフィルタコンデンサ電圧の検出値の偏差と所定の基準値を比較することによって電力変換装置の故障判定を行う保護手段を設けた。
本発明は、上記交流電気車の制御装置において、電動機の回転速度を検出する速度検出装置または電動機に供給する電圧指令もしくは電流指令および電流検出値より電動機の回転速度を推定する速度推定手段を備え、前記電気車の速度情報は電動機の速度検出装置または速度推定手段より入力するようにした。
(作用)
本発明では、通常、インバータ側で電動機の駆動制御に用いている電気車の速度情報と、電動機に供給する電流指令もしくは電流検出値より電動機の消費電力を求め、コンバータはこの消費電力を参照してフィードフォワード的にフィルタコンデンサ電圧を制御することができる。したがって、本発明によるコンバータは、インバータ側の制御応答に遅れることなく、電力を供給することが可能になる。
このような構成をとることによって、本実施例の示す交流電気車の制御装置は、あらかじめインバータ側の消費電力の推定値を求め、これをコンバータ制御装置に入力することで、まずフィードフォワード的にフィルタコンデンサ電圧の制御を行い、従来のフィルタコンデンサ電圧検出値とフィルタコンデンサ電圧指令値との偏差に基づくコンバータ電圧制御(フィードバック制御)は副次的な制御とすることで、インバータ側の制御応答に遅延することなく、コンバータは適切な電力を供給することができる。
また、インバータ消費電力推定装置の求めたインバータ消費電力推定値と実際のコンバータの供給電力が大きく異なる場合、すなわちコンバータ電圧制御装置の出力する変圧器二次電流操作量ΔIsが過大になっている場合、これは電力変換装置(コンバータあるいはインバータ)もしくはフィルタコンデンサ故障、あるいは主回路配線の断線などの故障と考えられ、この二次電流操作量ΔIsを参照することで、故障検知を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。図1は、本発明に基づく交流電気車の制御装置の第1の実施形態を示す図である。本発明にかかる交流電気車の制御装置は、交流架線1の電圧を降圧する変圧器2と、交流電力を直流電力に変換する第1の電力変換装置(コンバータ)3と、コンバータ3の出力を平滑化するフィルタコンデンサ4と、コンバータ3の出力である直流電力を任意の周波数および電圧の交流電力に変換する第2の電力変換装置(インバータ)5と、誘導電動機61と、該誘導電動機61の速度を検出する速度検出器65と、コンバータ3の動作を制御するコンバータ制御装置7と、インバータ消費電力演算装置8と、インバータ5の動作を制御するインバータ制御装置9とを有して構成される。
単相交流電圧源である交流架線1からの交流電力は、単相変圧器2を介して降圧され、第1の電力変換装置(コンバータ)3に交流電力を供給する。
コンバータ3は、A相とB相の二相からなるフルブリッジ型で構成するものとする。コンバータ3のA相は、P側半導体スイッチ31PとN側半導体スイッチ31Nの2つの半導体スイッチから構成され、P側半導体スイッチ31Pは単相変圧器2のP側端子とフィルタコンデンサ4のP側端子を接続し、N側半導体スイッチ31Nは単相変圧器2のP側端子とフィルタコンデンサ4のN側端子を接続する。同様にコンバータB相は、P側半導体スイッチ32PとN側半導体スイッチ32Nの2つの半導体スイッチから構成され、P側半導体スイッチ32Pは単相変圧器2のN側端子とフィルタコンデンサ4のP側端子を接続し、N側半導体スイッチ32Nは単相変圧器2のN側端子とフィルタコンデンサ4のN側端子を接続する。
コンバータ3は、半導体スイッチ31P〜32Nの導通状態を制御することによって、単相変圧器2から供給される交流電力を直流電力に変換する。コンバータ3のP側端子は、フィルタコンデンサ4のP側端子および第2の電力変換装置(インバータ)12のP側端子と接続し、コンバータ3のN側端子は、フィルタコンデンサ4のN側端子およびインバータ5のN側端子に接続し、コンバータ3の供給する直流電力はフィルタコンデンサ4によって平滑化されインバータ5に供給される。
インバータ5は、U〜W相の三相から構成される三相交流変換器とする。インバータ5のU相は、P側半導体スイッチ51PとN側半導体スイッチ51Nの2つの半導体スイッチから構成され、P側半導体スイッチ51Pはフィルタコンデンサ4のP側端子と誘導電動機61のU相端子を接続し、N側半導体スイッチ51Nはフィルタコンデンサ4のN側端子と誘導電動機61のU相端子を接続する。インバータ5のV相は、P側半導体スイッチ52PとN側半導体スイッチ52Nの2つの半導体スイッチから構成され、P側半導体スイッチ52Pは、フィルタコンデンサ4のP側端子と誘導電動機61のV相端子を接続し、N側半導体スイッチ52Nは、フィルタコンデンサ4のN側端子と誘導電動機61のV相端子を接続する。インバータ5のW相は、P側半導体スイッチ53PとN側半導体スイッチ53Nの2つの半導体スイッチから構成され、P側半導体スイッチ53Pは、フィルタコンデンサ4のP側端子と誘導電動機61のW端子を接続し、N側半導体スイッチ53Nは、フィルタコンデンサ4のN側端子と誘導電動機61のW端子を接続する。
インバータ5は、半導体スイッチ51P〜53Nの導通状態を制御することによって、コンバータ3から供給される直流電力を、任意の周波数・電圧の交流電力に変換し、誘導電動機61を駆動する。
誘導電動機61は、交流電気車を駆動するモータである。速度検出器65は、パルスジェネレータとして構成され、交流電動機の回転速度を検出し信号Frを出力する手段である。
コンバータ3の半導体スイッチ31P〜32Nの導通状態を制御するゲートパルス信号を生成するコンバータ制御装置7の構成について説明する。コンバータ制御装置7は、バンド除去フィルタ71と、第1の減算器72−1と、第2の減算器72−2と、第3の減算器72−3と、電圧制御装置73と、乗算器74と、コンバータ電流制御装置(ACR)75と、コンバータPWM制御装置76と、故障検知装置77とを有して構成される。
電圧制御装置73は、コンバータ電圧制御装置(AVR)731と、除算器732と、加算器733を有している。
通常、コンバータ制御装置7には、所定のフィルタコンデンサ電圧指令Ed*が与えられる。直流電圧検出器41によって検出したフィルタコンデンサ電圧Edは、バンド除去フィルタ(BEF)71によって交流架線周波数の2倍の整流リップルを除去した信号とされ、第1の減算器72−1によってフィルタコンデンサ電圧指令Ed*と前記フィルタコンデンサ電圧信号Edの偏差が求められる。電圧制御装置73のコンバータ電圧制御装置(AVR)731は、前記偏差に応じて変圧器二次電流操作量ΔIsを出力する。
一方、インバータ消費電力演算装置8には、q軸電流指令Iq*とd軸電流指令Id*とインバータq軸電圧指令Vq*とインバータd軸電圧指令Vd*が入力され、インバータ消費電力推定値Pを出力する。
コンバータ制御装置7の除算器732によってインバータ消費電力推定値Pをバンド除去フィルタ71の出力信号で除算することにより、変圧器二次電流基準値に変換する。加算器733によってコンバータ電圧制御装置(AVR)731の出力した変圧器二次電流操作量ΔIsと変圧器二次電流基準値値を加算して変圧器二次電流指令(実効値)を求める。
さらに、乗算器74によって変圧器二次電流指令(実効値)と基準正弦波sinωtの積を求め、変圧器二次電流指令(瞬時値)Is*を出力する。
第2の減算器72−2は、変圧器二次電流指令(瞬時値)Is*と、交流電流検出器22の検出した変圧器二次電流検出値Isの偏差を求める。
コンバータ電流制御装置(ACR)75は、この偏差に応じて電流制御を行いコンバータ電圧操作量を出力する。
第3の減算器72−3は、交流電圧検出器21によって検出した変圧器二次電圧Esから前記コンバータ電圧操作量を減算し、コンバータA相電圧指令VaおよびコンバータB相電圧指令Vbを出力する。
コンバータPWM制御装置76は、コンバータA相電圧指令VaおよびコンバータB相電圧指令Vbを入力し、直流電圧検出器41によって検出したフィルタコンデンサ電圧Edを基準としてPWM演算を行い、ゲートパルス信号を出力する。
また、故障検知装置77は、コンバータ電圧制御装置(AVR)731の出力した変圧器二次電流操作量ΔIsを入力とし、変圧器二次電流操作量ΔIsが所定の基準値を超過していた場合、これを異常と判断する。
記述のとおり、インバータ消費電力演算装置8は、q軸電流指令Iq*とd軸電流指令Id*とインバータq軸電圧指令Vq*とインバータd軸電圧指令Vd*を入力し、インバータ消費電力推定値Pを出力する。
インバータ5の半導体スイッチ51P〜53Nの導通状態を制御するゲートパルス信号を生成するインバータ制御装置9の構成について説明する。インバータ制御装置9は、第1の減算器91−1と、第2の減算器91−2と、すべり周波数演算装置92と、第1のインバータ電流制御器(ACR)93−1と、第2のインバータ電流制御器(ACR)93−2と、回転座標変換装置94と、第1の加算器95−1と、第2の加算器95−2と、第3の加算器95−3と、インバータ電圧演算装置96と、静止座標変換装置97と、インバータPWM制御装置98を有して構成される。
通常、インバータ制御装置9には、誘導電動機61の出力トルクを磁束と回転子電流の積に分解し、それぞれ磁束に対応するd軸電流指令値Id*と回転子電流に対応するq軸電流指令値Iq*として与えられる。一方、誘導電動機61には、三相のモータ電流を検出する交流電流検出器62が取り付けられており、三相交流電流Iu、Iv、Iwを検出する。
回転座標変換装置94は、インバータ周波数Finvを基準として、三相交流電流Iu、Iv、Iwをq軸電流検出値Iqとd軸電流検出値Idの直交する直流電流成分に変換する。すべり周波数演算装置92は、q軸電流指令値Iq*とd軸電流指令値Id*を入力し、誘導電動機61の電動機定数を用いて、すべり周波数Fsを出力する。第1の加算器95−1は、誘導電動機61に取り付けられたパルスジェネレータ(速度検出器)65によって検出したロータ回転周波数Frとすべり周波数Fsを加算してインバータ周波数Finvを求める。
インバータ電圧演算装置96は、q軸電流指令Iq*およびd軸電流指令Id*とインバータ周波数Finvと誘導電動機61の電動機定数を用いて、インバータq軸電圧指令Vqおよびインバータd軸電圧指令Vdを出力する。
第1の減算器91−1によってq軸電流指令値Iq*とq軸電流検出値Iqの偏差を求め、第1のインバータ電流制御器(ACR)93−1は、この偏差に応じてq軸電圧操作量ΔVqを出力する。同様に第2の減算器91−2によってd軸電流指令値Id*とd軸電流検出値Idの偏差を求め、第2のインバータ電流制御装置(ACR)93−2は、この偏差に応じてd軸電圧操作量ΔVdを出力する。
第2の加算器95−2によってインバータq軸電圧指令Vqとq軸電圧操作量ΔVqを加算した結果Vd*が、最終的なインバータq軸電圧指令(補正後)となる。同様に第3の加算器95−3によってインバータd軸電圧指令Vdとd軸電圧操作量ΔVdを加算した結果Vd*が、最終的なインバータd軸電圧指令(補正後)となる。
静止座標変換装置97は、インバータ周波数Finvを基準として、直交する直流電圧成分であるインバータq軸電圧指令(補正後)Vq*およびインバータd軸電圧指令(補正後)Vd*を入力し、インバータ三相交流電圧指令Vu、Vv、Vwに変換する。
インバータPWM制御装置98は、インバータ三相交流電圧指令Vu、Vv、Vwを入力し、直流電圧検出器41によって検出したフィルタコンデンサ電圧Edを基準としてPWM演算を行い、ゲートパルス信号を出力する。
このようにして、インバータ5の三相交流電流Iu、Iv、Iwの急激な変化に対応して、コンバータ3の出力電圧を迅速に制御することができるとともに、コンバータ3またはインバータ5の故障を検出することが可能となる。
図2を用いて、本発明に基づく交流電気車の制御装置の第2の実施形態を説明する。図1に示した第1の実施形態においては、誘導電動機61のロータ回転周波数Frを検出するのにパルスジェネレータ(速度検出器)65を用いて検出していたが、第2の実施の形態においては、誘導電動機61から速度検出器65を省略し、インバータ制御装置9に、速度推定演算装置99を設けた点に特徴を有している。その余の構成は、図1の構成と同様であるので、その説明を省略する。
速度推定演算装置99は、インバータ電圧操作量ΔVq、ΔVdと誘導電動機61の電動機定数からロータ回転周波数推定値Fr*を求める。このロータ回転周波数推定値Fr*を図1のロータ回転周波数検出値Frの代わりに使用し、第1の加算器95−1において、すべり周波数演算装置92のすべり周波数Fsと加算することによって、インバータ周波数Finvを得て、インバータ制御を行う。
この実施の形態によれば、誘導電動機61の回転速度を、速度検出器を用いずに推定することによって、第1の実施の形態と同様な働きをすることができる。
図3を用いて、インバータ消費電力演算装置8の詳細な構成の第1例を説明する。インバータ消費電力演算装置8は、第1の乗算器81と、第2の乗算器82と、加算器83と、増幅器84と、ローパスフィルタ85とを有して構成される。インバータ消費電力演算装置8は、互いに直交する電動機電流成分であるq軸電流指令Iq*とd軸電流指令Id*と、同様に互いに直交するインバータ電圧成分であるq軸電圧指令Vq*とd軸電圧指令Vd*を入力し、第1の乗算器81によってq軸電流指令Iq*とq軸電圧指令Vq*の積を求め、第2の乗算器82によってd軸電圧指令Id*とd軸電圧指令Vd*の積を求め、加算器83によって第1の乗算器81および第2の乗算器82の出力を加算して、すなわち電動機の電流ベクトルとインバータの電圧ベクトルの内積を求めることによって1相あたりのインバータ消費電力を求める。これに増幅器84において、定数ゲインKを乗じて三相あたりのインバータ消費電力に換算し、さらに誘導電動機61などの応答遅延を考慮したローパスフィルタ85を通すことによって、インバータ消費電力推定値Pを求めている。
図4を用いて、インバータ消費電力演算装置8の詳細な構成の第2の例を説明する。インバータ消費電力演算装置8は、互いに直交する電動機電流成分であるq軸電流指令Iq*とd軸電流指令Id*と、ロータ回転周波数検出値Frもしくは推定値Fr*を入力し、第1の乗算器81および第2の乗算器82によってすべての入力の積を求め、これに増幅器84において、定数ゲインKを乗じてインバータ消費電力を求め、さらに誘導電動機61などの応答遅延を考慮したローパスフィルタ85を通すことによって、インバータ消費電力推定値Pを求めている。
本発明に基づく交流電気車の制御装置の第1の実施形態を示す図。 本発明に基づく交流電気車の制御装置の第2の実施形態を示す図。 インバータ消費電力演算装置の詳細を示す第1例。 インバータ消費電力演算装置の詳細を示す第2例。
符号の説明
1…単相交流電圧源である交流架線
2…単相変圧器
21…交流電圧検出器
22…交流電流検出器、
3…電力変換装置(コンバータ)
31P…コンバータA相P側半導体スイッチ
31N…コンバータA相N側半導体スイッチ
32P…コンバータB相P側半導体スイッチ
32N…コンバータB相N側半導体スイッチ
4…フィルタコンデンサ
41…直流電圧検出器
5…電力変換装置(インバータ)
51P…インバータU相P側半導体スイッチ
51N…インバータU相N側半導体スイッチ
52P…インバータV相P側半導体スイッチ
52N…インバータV相N側半導体スイッチ
53P…インバータW相P側半導体スイッチ
53N…インバータW相N側半導体スイッチ
61…誘導電動機
62…交流電流検出器
65…パルスジェネレータ(速度検出器)
7…コンバータ制御装置
71…バンド除去フィルタ(BEF)
72…減算器
73…電圧制御装置
731…コンバータ電圧制御装置(AVR)
732…除算器
733…加算器
74…乗算器
75…コンバータ電流制御装置(ACR)
76…コンバータPWM制御装置
77…故障検知装置
8…インバータ消費電力演算装置
81,82…乗算器
83…加算器
84…増幅器
85…ローパスフィルタ(LPF)
9…インバータ制御装置
91…減算器
92…すべり周波数演算装置
93…インバータ電流制御装置(ACR)
94…固定座標変換装置
95…加算器
96…インバータ電圧演算装置
97…静止座標変換装置
98…インバータPWM制御装置
99…速度推定演算装置
Es…変圧器二次電圧
Ed…フィルタコンデンサ電圧検出値
Ed*…フィルタコンデンサ電圧指令
Finv…インバータ周波数指令
Fr…ロータ回転周波数検出値
Fr*…ロータ回転周波数推定値
Fs…すべり周波数指令
Is…変圧器二次電流検出値
Is*…変圧器二次電流指令(瞬時値)
Iu…電動機U相電流検出値
Iv…電動機V相電流検出値
Iw…電動機W相電流検出値
Id…電動機d軸電流検出値
Id*…電動機d軸電流指令
Iq…電動機q軸電流検出値
Iq*…電動機q軸電流指令
ΔIs…変圧器二次電流操作量
P…インバータ消費電力推定値
sinωt…基準正弦波
Va…コンバータA相電圧指令
Vb…コンバータB相電圧指令
Vd…インバータd軸電圧(補正前)
Vd*…インバータd軸電圧(補正後)
Vq…インバータq軸電圧指令(補正前)
Vq*…インバータq軸電圧指令(補正後)
Vu…コンバータU相電圧指令
Vv…コンバータV相電圧指令
Vw…コンバータW相電圧指令
ΔVd…インバータd軸電圧操作量
ΔVq…インバータq軸電圧操作量

Claims (4)

  1. 交流電力を直流電力に変換する第1の電力変換装置と、第1の電力変換装置が供給する直流電力を平滑化するフィルタコンデンサと、第1の電力変換装置が供給する直流電力を交流電力に変換して電動機を駆動する第2の電力変換装置を備えた交流電気車の制御装置において、電気車の速度情報および電動機に供給する電流指令ならびに電動機の電流検出値から得たインバータ電圧指令と電動機に供給する電流指令により電動機の消費電力を求める電力演算装置と、フィルタコンデンサ電圧の検出装置と、電力演算装置の求めた電動機の消費電力とフィルタコンデンサ電圧の目標値とフィルタコンデンサ電圧の検出値を用いてフィルタコンデンサ電圧の制御を行う電圧制御装置を有することを特徴とする交流電気車の制御装置。
  2. 請求項1記載の交流電気車の制御装置において、フィルタコンデンサ電圧の目標値とフィルタコンデンサ電圧の検出値の偏差と所定の基準値を比較することによって電力変換装置の故障判定を行う保護手段を設けることを特徴とする交流電気車の制御装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の交流電気車の制御装置において、電動機の回転速度を検出する速度検出装置を備え、前記電気車の速度情報は電動機の速度検出装置より入力することを特徴とする交流電気車の制御装置。
  4. 請求項1または請求項2記載の交流電気車の制御装置において、電動機に供給する電圧指令もしくは電流指令および電流検出値より電動機の回転速度を推定する速度推定手段を備え、前記電気車の速度情報は電動機の速度推定手段より入力することを特徴とする交流電気車の制御装置。
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