JP5007546B2 - 永久磁石同期電動機の駆動装置 - Google Patents
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Description
同図に示す主回路において、10は直流電力を交流電力に変換して永久磁石同期電動機20を駆動するインバータ、30は直流中間コンデンサ、40は直流母線である。
更に、負荷角δはインバータ出力電圧と電動機誘起電圧とのなす角であり、γ軸、δ軸の電流及び電圧は、インバータの出力電流及び電圧と振幅が等しくなるように変換を行うものとする。
インバータ10の出力電力Winvは、インバータ10の直流電圧をEdcとすると、次の数式1のように示される。
[数式1]
Winv=Edc×Idc
[数式2]
Wmot=3×Irms×(V*/√2)×cosφ
Irms:一相当たりの電動機相電流の実効値
V*:インバータに与える電圧振幅指令値
[数式3]
cosφ=(iδ/√2)/Irms
[数式4]
iδ=2×Idc×Edc/(3×V*)
また、この従来技術では、負荷に応じて電動機20への印加電圧を調整することができず、駆動効率が低下するという問題があった。
また、この駆動装置では、上記電圧振幅の調整を、電圧の周波数に対応して予め定められた上下限値以内において実施することにより、過大または過小な電圧が電動機に印加されないように配慮している。
前記インバータの直流母線を流れる電流のピーク値を検出するピーク値検出手段と、
前記直流母線を流れる電流の平均値を検出する平均値検出手段と、
前記平均値検出手段により検出した平均値、前記インバータの直流電圧、及び、前記電動機に与える電圧の振幅を用いて前記インバータの有効電流を求める有効電流演算手段と、
前記ピーク値検出手段により検出したピーク値、及び、前記有効電流演算手段により演算した有効電流から、前記インバータの無効電流を検出する手段と、
前記無効電流の検出値を用いて周波数補正量を求め、この周波数補正量を前記駆動周波数の指令値に帰還する手段と、を備えたものである。
前記インバータの直流母線を流れる電流のピーク値を検出するピーク値検出手段と、
前記直流母線を流れる電流の平均値を検出する平均値検出手段と、
前記平均値検出手段により検出した平均値、前記インバータの直流電圧、及び、前記電動機に与える電圧の振幅を用いて前記インバータの有効電流を求める有効電流演算手段と、
前記ピーク値検出手段により検出したピーク値、及び、前記有効電流演算手段により演算した有効電流から、前記インバータの無効電流を検出する手段と、
前記ピーク値、前記駆動周波数の指令値、及び前記電動機の巻線インダクタンス値から求められる、インダクタンスによる無効電力と、前記インバータの無効電流検出値、及び前記電動機に与える電圧の振幅指令値から求められるインバータの無効電力とを、一致させるように前記振幅指令値を補正する手段と、を備えたものである。
前記インバータの直流母線を流れる電流のピーク値を検出するピーク値検出手段と、
前記直流母線を流れる電流の平均値を検出する平均値検出手段と、
前記平均値検出手段により検出した平均値、前記インバータの直流電圧、及び、前記電動機に与える電圧の振幅を用いて前記インバータの有効電流を求める有効電流演算手段と、
前記ピーク値検出手段により検出したピーク値、及び、前記有効電流演算手段により演算した有効電流から、前記インバータの無効電流を検出する手段と、
前記有効電流及び前記無効電流について、各々の指令値と検出値とを一致させるような電圧指令値を出力する電流調節手段と、を備えたものである。
そして、請求項1の発明では、無効電流検出値を用いて算出した周波数補正量によりインバータの駆動周波数を補正し、請求項2の発明では、出力電流検出値及び駆動周波数指令値等を用いて求めた無効電力と、無効電流検出値及び印加電圧振幅指令値等を用いて求めた無効電力とが一致するように印加電圧振幅指令値を補正し、請求項3の発明では、例えば有効電流及び無効電流の各検出値が各指令値にそれぞれ一致するような電圧振幅指令値を得るものである。
これにより、従来技術のように有効電流を帰還させるだけでは安定性が確保できないような運転状態でも電動機を一層安定させて駆動することができると共に、温度変化の影響を受けずに高効率で電動機を駆動することが可能である。また、過電流を防止しながら電動機に所望のトルクを出力させることもできる。
まず、図1は第1〜第3実施形態に適用される駆動装置の主要部を示すブロック図であり、図6と同一の構成要素には同一の参照符号を付してある。
図1において、110は、電流検出手段101により検出したインバータ10の直流母線電流からピーク値Ipを検出するピーク値検出手段である。このピーク値検出手段110は、例えばインバータ10の直流母線電流のサンプリング値をソフトウエア的に処理するか、あるいはピークホールド回路によりハードウェアとしても構成しても良い。
従って、インバータ10の直流母線40に設けた電流検出手段101及びピーク値検出手段110により、インバータ出力電流Iを求めることができる。また、図6と同様に、平均値検出手段としてのローパスフィルタ手段102の出力側の有効電流演算手段103により、インバータ10を流れる有効電流iδを検出することが可能である。
[数式5]
I=√(iγ 2+iδ 2)
[数式6]
iγ=√(I2−iδ 2)
なお、無効電流iγは以下の数式7によって求めても良い。この数式7によれば、平方根の計算が不要であり、また、三角関数の参照テーブルを用いて高速かつ簡便に演算することができるという利点がある。
[数式7]
iγ=I×sin{cos−1(iδ/I)}
図2に示した第1実施形態では、インバータ10を流れる無効電流iγを周波数指令値f*に正帰還するループを有している。
なお、この無効電流iγの正帰還ループは、単独で用いても良く、あるいは、図6に示した有効電流iδの負帰還ループと併用しても良い。また、駆動条件に応じて、無効電流iγの正帰還ループの単独使用と有効電流iδの負帰還ループとの併用を適宜切り替えても良い。
本実施形態によれば、無効電流iγを正帰還することにより、図6の従来技術のように、電動機20の低速運転時や軽負荷時において有効電流iδの負帰還のみでは安定性が確保できなくなる場合においても、より確実に電動機20を安定して駆動させることができる。
まず、本制御系において、図7に示したように印加電圧の振幅指令値V*と無効電流iγとは直交関係にあるので、インバータ10が出力する無効電力Qinvは、数式8に示すように両者の積から求めることができる。
[数式8]
Qinv=V*iγ
電動機20の永久磁石が作る磁束の回転によって発生する無負荷誘起電圧emは、図4に示すようにその大きさがωψmにより表されてq軸上に存在する。ここで、ωは電動機20の電気角周波数、ψmは永久磁石による磁束の大きさである。この無負荷誘起電圧emの大きさωψmとこれに直交する電流idとの積、すなわちωψmidは、無効電力になる。
また、電流Iによるリアクタンス降下eLの大きさは、固定子巻線のインダクタンスLを用いてωLIとなる。リアクタンス降下eLと電流Iとは直交関係にあるので、両者の積、すなわちωLI2は無効電力になる。従って、電動機20側から見た無効電力Qmotは、数式9に示すように両無効電力の和として表される。
[数式9]
Qmot=ωψmid+ωLI2
[数式10]
V*iγ=ωψmid+ωLI2
また、この数式10は、次の数式11のように変形することができる。
[数式11]
ωψmid=V*iγ−ωLI2
すなわち、まず、図1のピーク値検出手段110により検出した出力電流Iを二乗演算手段115に入力して得た出力と、電動機20の固定子巻線のインダクタンスLと、インバータ10の周波数指令値f*とを乗算手段116に入力してωLI2を得る。ここで、電動機20の電気角周波数ωについては、実際値が指令値に追従するものとし、制御演算にはインバータ10の周波数指令値f*を用いている。
本実施形態では、インバータ出力電流Iを規定値以下とするような指令値iδ *,iγ *を与えてインバータ出力電流Iを制限することができ、電動機20の過電流を防止しながら必要なトルクを出力させることができる。
20:永久磁石同期電動機
30:直流中間コンデンサ
40:直流母線
101:電流検出手段
102:ローパスフィルタ手段
103:有効電流演算手段
104:ハイパスフィルタ手段
105:比例演算手段
106,111,118,120,124:加減算手段
107:積分手段
108:f/V変換手段
109:パルス幅変調手段
110:ピーク値演算手段
112:平方根演算手段
113,114,115:二乗演算手段
116,117:乗算手段
119:電圧調節手段
121:δ軸電流調節手段
122:γ軸電流調節手段
123:極座標変換手段
Claims (3)
- 直流電力を交流電力に変換するインバータにより永久磁石同期電動機を駆動する永久磁石同期電動機の駆動装置であって、前記電動機に与える電圧の振幅を駆動周波数にほぼ比例させて制御する手段を有する永久磁石同期電動機の駆動装置において、
前記インバータの直流母線を流れる電流のピーク値を検出するピーク値検出手段と、
前記直流母線を流れる電流の平均値を検出する平均値検出手段と、
前記平均値検出手段により検出した平均値、前記インバータの直流電圧、及び、前記電動機に与える電圧の振幅を用いて前記インバータの有効電流を求める有効電流演算手段と、
前記ピーク値検出手段により検出したピーク値、及び、前記有効電流演算手段により演算した有効電流から、前記インバータの無効電流を検出する手段と、
前記無効電流の検出値を用いて周波数補正量を求め、この周波数補正量を前記駆動周波数の指令値に帰還する手段と、
を備えたことを特徴とする永久磁石同期電動機の駆動装置。 - 直流電力を交流電力に変換するインバータにより永久磁石同期電動機を駆動する永久磁石同期電動機の駆動装置であって、前記電動機に与える電圧の振幅を駆動周波数にほぼ比例させて制御する手段を有する永久磁石同期電動機の駆動装置において、
前記インバータの直流母線を流れる電流のピーク値を検出するピーク値検出手段と、
前記直流母線を流れる電流の平均値を検出する平均値検出手段と、
前記平均値検出手段により検出した平均値、前記インバータの直流電圧、及び、前記電動機に与える電圧の振幅を用いて前記インバータの有効電流を求める有効電流演算手段と、
前記ピーク値検出手段により検出したピーク値、及び、前記有効電流演算手段により演算した有効電流から、前記インバータの無効電流を検出する手段と、
前記ピーク値、前記駆動周波数の指令値、及び前記電動機の巻線インダクタンス値から求められる、インダクタンスによる無効電力と、前記インバータの無効電流検出値、及び前記電動機に与える電圧の振幅指令値から求められるインバータの無効電力とを、一致させるように前記振幅指令値を補正する手段と、
を備えたことを特徴とする永久磁石同期電動機の駆動装置。 - 直流電力を交流電力に変換するインバータにより永久磁石同期電動機を駆動する永久磁石同期電動機の駆動装置において、
前記インバータの直流母線を流れる電流のピーク値を検出するピーク値検出手段と、
前記直流母線を流れる電流の平均値を検出する平均値検出手段と、
前記平均値検出手段により検出した平均値、前記インバータの直流電圧、及び、前記電動機に与える電圧の振幅を用いて前記インバータの有効電流を求める有効電流演算手段と、
前記ピーク値検出手段により検出したピーク値、及び、前記有効電流演算手段により演算した有効電流から、前記インバータの無効電流を検出する手段と、
前記有効電流及び前記無効電流について、各々の指令値と検出値とを一致させるような電圧指令値を出力する電流調節手段と、
を備えたことを特徴とする永久磁石同期電動機の駆動装置。
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