JP4051601B2 - 電動機の可変速制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力変換器の出力電圧と出力周波数とをほぼ比例させて制御する、いわゆるV/f一定制御で電動機を運転するようにした可変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図11は、電圧と周波数とをほぼ比例させて制御する、いわゆるV/f一定制御で電動機を運転する場合の制御ブロック図である。以下ではV/f一定制御について説明するが、V/f一定制御は広く公知であるので、簡単な説明にとどめる。また、電動機としては、誘導電動機、同期電動機などがあるが、ここでは誘導電動機を例にとり説明する。
【0003】
誘導電動機の速度は回転磁界の速度、すなわち電力変換器の出力電圧の周波数にほぼ比例する。そのとき、磁束を一定に保つため、周波数にほぼ比例して電圧の振幅を調整する。すなわち、電圧Vと周波数fとの比がほぼ一定となるように制御する。具体的な制御方法を、図11に沿って簡単に説明する。
【0004】
図11は、回転座標上でV/f一定制御を実現した例である。周波数設定器1は、電動機11の目標周波数となる第1の周波数指令値fを出力する。加減速演算器2は、fの変化率を制限して第2の周波数指令fを演算する。
f/V変換器4は、fからγ−δ座標軸における電圧指令vγ、vδを演算する。ここで、γ−δ座標軸はfで回転する回転座標軸であり、δ軸を電動機11に印加する端子電圧ベクトルの方向、δ軸から90°遅れた方向をγ軸と定義する。
【0005】
ここで、電動機11のU相巻線に正の電流を流した場合に発生する磁束方向をα軸とし、このα軸に対して90°進んだ方向にとった座標軸をβ軸とする静止座標軸をα−β座標軸とすると、α−β座標軸とγ−δ座標軸との関係は図12に示す通りとなる。なお、γ−δ座標軸の定義からvγ=0となり、両座標軸間の位相をθとする。
【0006】
図11に戻って、電圧指令演算器6は、電圧指令vδと、fを積分器16により積分して求めた位相θとから三相電圧指令v,v,vを演算する。これらの三相電圧指令v,v,vをPWM演算回路7によりキャリアと比較して電力変換器9のスイッチング素子に対するゲート信号に変換し、このゲート信号を用いて電力変換器9を制御することにより、電動機11の端子電圧を制御する。なお、8は電動機11の駆動に必要な電力を電力変換器9に供給する三相交流電源である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
電動機が発生するトルクは、磁束ベクトルとそれに直交する電流ベクトルとの積によって表される。このため、磁束を一定とすれば、トルク応答は電流応答に依存する。機械系の時定数が電気系の時定数より十分大きければ、ステップ電圧に対するV/f一定制御の電流応答は数式1で表され、電気時定数{L/(R+R)}によって決まる。
【0008】
【数1】
Figure 0004051601
【0009】
なお、数式1において、i:電流、v:電圧、L:漏れインダクタンス、R:1次巻線抵抗、R:2次巻線抵抗
である。
【0010】
つまり、電動機固有の定数によって電動機の電流応答、換言すればトルク応答が決まってしまうため、V/f一定制御では制御応答を自由に調節することができないという欠点がある。
上述のようにV/f一定制御の場合、そのトルク応答は電動機固有の定数に依存するため、調整不可能である。従って、仮にトルク応答が機械系の共振周波数と一致すると機械共振を引き起こし、機械を破損する恐れがある。また、破損しないまでも、騒音が発生する恐れがある。
【0011】
そこで本発明は、V/f一定制御を行う場合でも電動機のトルク応答を調整可能とし、機械共振による破損や騒音発生を未然に防止するようにした電動機の可変速制御装置を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、電動機を電力変換器により可変速駆動する装置であって、電動機の電流の大きさを制限する電流制限手段を備えた電動機の可変速制御装置において、
前記電流制限手段は、
電動機に流れる電流を回転座標変換し、電動機に印加する端子電圧ベクトル方向の電流成分と、この成分に直交する電流成分とに分離する手段と、
前記端子電圧ベクトル方向の電流成分を入力量とした関数によって電動機の電流制限値を変化させる手段と、
を備えたものである。
【0013】
請求項2記載の発明は、電動機を電力変換器により可変速駆動する装置であって、電動機の電流の大きさを制限する電流制限手段を備えた電動機の可変速制御装置において、
前記電流制限手段は、
電動機に流れる電流を回転座標変換し、鎖交磁束ベクトル方向の電流成分と、この成分に直交してトルクに比例する電流成分とに分離する手段と、
前記トルクに比例する電流成分を入力量とした関数によって電動機の電流制限値を変化させる手段と、
を備えたものである。
【0014】
請求項3記載の発明は、電動機を電力変換器により可変速駆動する装置であって、電動機の電流の大きさを制限する電流制限手段を備えた電動機の可変速制御装置において、
前記電流制限手段は、
電動機の出力トルク推定値を演算するトルク推定手段と、
前記トルク推定値を入力量とした関数によって電動機の電流制限値を変化させる手段と、
を備えたものである。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載した電動機の可変速制御装置において、
電動機の電流検出値が電流制限値を越えないように、V/f一定制御される電力変換器の周波数指令値を補正する手段を備えたものである。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載した電動機の可変速制御装置において、
電流制限値の関数が、
前記入力量の単位時間当たりの変化幅を所定値以下に制限する関数であることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載した電動機の可変速制御装置において、
電流制限値の関数が、
前記入力量をローパスフィルタにより処理した出力値にオフセット量を重畳する関数であることを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載した電動機の可変速制御装置において、
電流制限値の関数が、
前記入力量をローパスフィルタにより処理した出力値に正負のオフセット量を重畳する関数であり、
正のオフセット量を重畳した値を電動機駆動用の電流制限値として用い、かつ、負のオフセット量を重畳した値を電動機制動用の電流制限値として用いるものである。
【0019】
以下に、本発明の作用を説明する。
図1は、V/f一定制御を行う図11の制御ブロック図に電流制限手段(破線で示す電流制限部30)を付加した本発明の基本構成図である。なお、図11と同一の構成要素には同一の参照符号を付してある。
【0020】
図1において、電流制限部30は、電流検出器10、3/2相変換器12、座標変換器13、加算器3C、比例積分調節器15から構成されており、比例積分調節器15の出力としての周波数指令補正値△fが、加算器3Aにより加減速演算器2の出力としての第2の周波数指令値fに加算され、その加算結果fが最終的な周波数指令値としてf/V変換器4に入力される構成となっている。
【0021】
まず、電流検出器10は、電動機11に流れるU相及びW相の電流i,iを検出する。3/2相変換器12は、電流検出値i,iから、数式2に従ってα−β座標軸における電流成分iα,iβを演算する。
【0022】
【数2】
Figure 0004051601
【0023】
座標変換器13は、iα,iβ及び位相θから、数式3に従ってγ−δ座標軸における電流成分iγ,iδを演算する。
【0024】
【数3】
Figure 0004051601
【0025】
加算器3Cは、可変値であるδ軸電流制限値iδlimとδ軸電流iδとの偏差(iδlim−iδ)を演算する。
比例積分調節器15は、偏差(iδlim−iδ)が負のとき、つまりiδがiδlimを越えた場合は数式4に従って周波数指令補正値Δfを演算して出力し、iδがiδlimに一致するように、加算器3Aにより第2の周波数指令値fを補正して周波数指令値fを得る。
【0026】
【数4】
Figure 0004051601
【0027】
なお、数式4において、K:比例ゲイン、T:積分時定数
である。
【0028】
このように、電動機に電流制限値以上の電流が流れたら、電流制限値とフィードバックした電流検出値とを用いて電流調節器を組むことで電力変換器の出力周波数すなわち出力電圧を調整し、電流検出値を電流制限値に制御するような制限動作が行われる。ここで、電流制限値iδlimを所望の電流応答が得られるような可変値とすれば、トルクに比例したδ軸電流の応答を調節できるため、V/f一定制御でもトルク応答が調整可能となる。
【0029】
一方、上記電流制限後の偏差(iδlim−iδ)が正となったとき、つまり電流制限完了後の速度復帰時には、比例積分調節器15は、数式4に従ってΔfを負の値から零に戻し、通常運転に復帰させる。
【0030】
なお、図1において、電流制限部30内の電流制限値iδlim(または後述するM−T座標系における電流制限値iTlim)を変化させるための手段は、以下の各実施形態における電流制限値演算部31〜34によって具体化される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図2は、本発明の第1実施形態を示す制御ブロック図であり、請求項1,4,5に記載した発明の実施形態に相当する。なお、図1と同一の構成要素には同一の参照符号を付してある。
【0032】
電流制限値演算部31は、座標変換器13からのδ軸電流iδが入力される傾き制限器14と、その出力が加えられる制限回路19とから構成されており、制限回路19の出力を電流制限値iδlimとして加算器3Cに与える。
傾き制限器14は、iδの単位時間当たりの変化幅(傾き)を所定の変化幅(傾き制限値)以下に制限する。制限回路19は、傾き制限器14の出力を電流制限値の最大値Ilim max以下になるように制限し、δ軸電流制限値iδlimとして出力する。
【0033】
図3は、比例積分調節器15によって周波数指令補正値Δfが演算されるまでの動作を示す波形図であり、電動機11に駆動の負荷が印加された場合のものである。
図3に示すように、時刻tで負荷が印加されてiδの単位時間当たりの変化幅が傾き制限値以上となり、この状態が時刻tまで続いたとする。このt〜tの期間は、iδの変化幅が傾き制限値によって一定に制限される。
【0034】
上記t〜tの期間では、制限回路19から出力される電流制限値iδli は、図のように傾き制限値に等しい増加率で徐々に増加する。このとき、t〜tの期間中の比例積分調節器15の入力(iδlim−iδ)は負の値となり、その出力値Δfは、比例積分演算によって図のように第2の周波数指令値fを下げる方向の負の値となる。
【0035】
このように、負荷トルクに応じて電力変換器の出力周波数に垂下特性を持たせ、これによって最終的にiδを制御することができる。このiδはトルクに関係した電流であるため、iδの応答により電動機のトルク応答を調節することができる。従って、図3に参考的に記載した従来技術のトルク応答のようにトルクの急激な変化を生じることがなく、機械を破損したり騒音が発生するおそれもない。
【0036】
本実施形態において、電動機11の電流及びトルクの応答は、傾き制限器14の傾き制限値並びに制限回路19の電流制限値の最大値Ilimmaxを調節することにより調整可能である。また、正負の傾き制限値をそれぞれ設定すれば、駆動負荷だけでなく制動負荷に対する電動機の電流、トルク応答も調整可能になる。
【0037】
次に、本発明の第2実施形態を図4に沿って説明する。この実施形態は、請求項1,4,6に記載した発明の実施形態に相当する。
この実施形態の電流制限値演算部32は、δ軸電流iδが入力されるローパスフィルタ17と、その出力iδlpfをオフセット量Ioffset1と加算する加算器3Dとから構成されており、加算器3Dによる加算結果iδlim1が電流制限値として加算器3Cに入力されている。
前記ローパスフィルタ17は、iδを次の数式5に従ってフィルタ処理し、iδlpfを出力する。
【0038】
【数5】
Figure 0004051601
【0039】
なお、数式5において、k:ローパスフィルタのゲイン、T:ローパスフィルタの時定数
である。
【0040】
図5は、この実施形態において、比例積分調節器15により周波数指令補正値Δfが演算されるまでの動作を示す波形図である。この場合も、電動機11に駆動の負荷が印加された状態を想定している。
負荷が印加された後、時刻tでiδが電流制限値iδlim1を越え、時刻tまでその状態が続いたとする。なお、iδlim1はオフセット量Ioffset1を有している。この場合、t〜tの期間では、偏差(iδlim1−iδ)は負の値あるいは零となる。このとき、比例積分調節器15の出力値Δfは偏差(iδlim1−iδ)を比例積分演算して、図のように第2の周波数指令値fを下げる方向の負の値となる。
【0041】
本実施形態において、電流及びトルクの応答はローパスフィルタ17のゲインk、時定数T及びオフセット量Ioffset1から決定される。所望の応答時定数をTとすれば、数式6、数式7に従って上記ゲインk及び時定数Tを調整すればよい。ただし、これらの数式において、Ilimmaxは電流制限値の最大値である。
【0042】
【数6】
Figure 0004051601
【0043】
【数7】
Figure 0004051601
【0044】
この実施形態においても、従来技術のようにトルクの急激な変化を生じることがなく、機械を破損したり騒音が発生するおそれもない。
【0045】
次いで、本発明の第3実施形態を説明する。この実施形態は、請求項1,4,7に記載した発明の実施形態に相当する。
前述した第2実施形態では、第1実施形態のように傾き制限値を設定する場合と比べて、制動負荷に対する電流、トルク応答を調整することがができない。
この点に着目し、本実施形態では、δ軸電流制限値及び比例積分調節器をそれぞれ2つ設けることにより、制動時の負荷に対してもトルク応答の調整を可能にしている。
【0046】
図6は本実施形態の制御ブロック図であり、電流制限値演算部33では、図4に示した電流制限値演算部32内の構成に加えて、ローパスフィルタ17の出力iδlpf及びオフセット量Ioffset2が図示の符号で加えられる加算器3Fを備えている。そして、この加算器3Fから出力されるiδlim2が電流制限値として加算器3Eに入力され、iδlim2とiδとの偏差が比例積分調節器15Bに入力されている。
また、比例積分調節器15Bから出力される周波数指令補正値Δfが加算器3Gにより比例積分調節器15Aからの周波数指令補正値Δfと加算され、その加算結果が最終的な周波数指令補正値Δfとして加算器3Aにより第2の周波数指令値fに加算されるようになっている。
【0047】
ここで、ローパスフィルタ17、加算器3D,3C、比例積分調節器15Aは図4の第2実施形態と同様に電動機11に駆動の負荷が印加されたときに機能する。一方、加算器3F,3E、比例積分調節器15Bは電動機11に制動の負荷が印加されたときに機能するものである。
【0048】
以下、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図7は、比例積分調節器15Bにより周波数指令補正値Δfが演算されるまでの動作を示す波形図であり、電動機11に制動の負荷が印加されたときのものである。
【0049】
図7の時刻tでiδがiδlim2を負方向に越え、時刻tまでその状態が続くとする。この場合、t〜tの期間では偏差(iδlim2−iδ)は正の値あるいは零となる。このとき、比例積分調節器15Bの出力Δfは偏差(iδlim2−iδ)を比例積分演算して、図のように第2の周波数指令値fを上げる方向の正の値となる。
この結果、制動負荷に対しても電流、トルクの応答を制御することができる。また、これらの応答は、第2実施形態と同様にローパスフィルタ17のゲインk、時定数T及びオフセット量Ioffset2を調節することにより、調整可能である。
【0050】
次に、本発明の第4実施形態を説明する。この実施形態は、請求項2,4,5に記載した発明の実施形態に相当する。
図8は、この実施形態の制御ブロック図である。上述した第1〜第3実施形態ではγ−δ座標軸によって制御系を構成していたが、本実施形態ではM−T座標系によって構成する。
【0051】
M−T座標軸は、図9に示すように第2の周波数指令値fで回転する回転座標軸であり、M軸を鎖交磁束ベクトルの方向、M軸から90°進んだ方向をT軸と定義する。
図8において、f/V変換器4は、補正後の第2の周波数指令値f(すなわちf)に従って電動機11の真のM−T軸と制御装置の制御軸とが一致するように電圧指令演算を行い、電圧指令のM軸成分v及びT軸成分vを出力する。
極座標変換器5は、図9における振幅V及び位相φを数式8、数式9により演算する。このように、本実施形態では前述した各実施形態と異なり、制御系をM−T軸に合わせているので、トルク応答を高精度に制御することができる。
【0052】
【数8】
Figure 0004051601
【0053】
【数9】
Figure 0004051601
【0054】
この実施形態における電流制限値は、電流制限値演算部31において、トルク成分であるT軸電流iを傾き制限器14と制限回路19により処理した出力値iTlimとする。傾き制限器14は、iの単位時間当たりの変化幅(傾き)を所定の変化幅以下に制限する。制限回路19は、傾き制限器14の出力が電流制限値の最大値Ilimmax以下となるように制限し、T軸電流制限値iTlimを出力する。
周波数指令補正値Δfが演算されるまでの動作は、第1実施形態と電流制限値の演算方法が異なるが、その他は同様であるため説明を省略する。
また、上述したように制御系をM−T座標系で構成する着想を、第2実施形態または第3実施形態における電流制限値演算部に適用することも可能である。
【0055】
次に、本発明の第5実施形態を説明する。この実施形態は、請求項3,4,5に記載した発明の実施形態に相当する。
図10は本実施形態の制御ブロック図であり、以下では主として図8と異なる部分を説明する。
【0056】
図10の電流制限値演算部34において、座標変換器13から出力されたT軸電流i及びM軸電流iはトルク推定器18に入力されると共に、このトルク推定器18には、f/V変換器4の出力である電圧指令値v,vも入力されている。
トルク推定器18はこれらの入力を用いてトルク推定値Testを演算し、このトルク推定値Testは傾き制限器14、制限回路19を経ることでT軸電流制限値iTlimとして出力される。
【0057】
比例積分調節器15により周波数指令補正値Δfが演算されるまでの動作は、第1実施形態と電流制限値の演算方法が異なるが、その他は同様であるため説明を省略する。
また、上述したように制御系をM−T座標系で構成し、電動機のトルク推定値に基づいて電流を制限する着想を、第2実施形態または第3実施形態における電流制限値演算部に適用することも可能である。
本実施形態によれば、電動機11のトルクを推定することにより、第1〜第5の実施形態に比べて一層高精度にトルク応答を制御することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、V/f一定制御でもトルク応答を調整することができ、機械共振による負荷の破損や騒音問題を解決することが可能である。
また、ハードウェアの制約から演算周期を速くできず、比例積分調節器の比例ゲインを適切に設定できない場合に、電流がオーバーシュートして電力変換器の過電流保護機能が働くことがあるが、本発明ではδ軸電流またはT軸電流の調節系を動作させることによって電流が過大になるのを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す制御ブロック図である。
【図3】第1実施形態において、周波数指令補正値が演算されるまでの動作を示す波形図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す制御ブロック図である。
【図5】第2実施形態において、周波数指令補正値が演算されるまでの動作を示す波形図である。
【図6】本発明の第3実施形態を示す制御ブロック図である。
【図7】第3実施形態において、周波数指令補正値が演算されるまでの動作を示す波形図である。
【図8】本発明の第4実施形態を示す制御ブロック図である。
【図9】α−β座標軸及びM−T座標軸の説明図である。
【図10】本発明の第5実施形態を示す制御ブロック図である。
【図11】f/V一定制御の従来技術を示す制御ブロック図である。
【図12】α−β座標軸及びγ−δ座標軸の説明図である。
【符号の説明】
1 周波数設定器
2 加減速演算器
3A〜3G 加算器
4 f/V変換器
5 極座標変換器
6 電圧指令演算器
7 PWM演算回路
8 三相交流電源
9 電力変換器
10 電流検出器
11 電動機
12 3/2相変換器
13 座標変換器
14 傾き制限器
15 比例積分調節器
16 積分器
17 ローパスフィルタ
18 トルク推定器
19 制限回路
30 電流制限部
31〜34 電流制限値演算部

Claims (7)

  1. 電動機を電力変換器により可変速駆動する装置であって、電動機の電流の大きさを制限する電流制限手段を備えた電動機の可変速制御装置において、
    前記電流制限手段は、
    電動機に流れる電流を回転座標変換し、電動機に印加する端子電圧ベクトル方向の電流成分と、この成分に直交する電流成分とに分離する手段と、
    前記端子電圧ベクトル方向の電流成分を入力量とした関数によって電動機の電流制限値を変化させる手段と、
    を備えたことを特徴とする電動機の可変速制御装置。
  2. 電動機を電力変換器により可変速駆動する装置であって、電動機の電流の大きさを制限する電流制限手段を備えた電動機の可変速制御装置において、
    前記電流制限手段は、
    電動機に流れる電流を回転座標変換し、鎖交磁束ベクトル方向の電流成分と、この成分に直交してトルクに比例する電流成分とに分離する手段と、
    前記トルクに比例する電流成分を入力量とした関数によって電動機の電流制限値を変化させる手段と、
    を備えたことを特徴とする電動機の可変速制御装置。
  3. 電動機を電力変換器により可変速駆動する装置であって、電動機の電流の大きさを制限する電流制限手段を備えた電動機の可変速制御装置において、
    前記電流制限手段は、
    電動機の出力トルク推定値を演算するトルク推定手段と、
    前記トルク推定値を入力量とした関数によって電動機の電流制限値を変化させる手段と、
    を備えたことを特徴とする電動機の可変速制御装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載した電動機の可変速制御装置において、
    電動機の電流検出値が電流制限値を越えないように、V/f一定制御される電力変換器の周波数指令値を補正する手段を備えたことを特徴とする電動機の可変速制御装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載した電動機の可変速制御装置において、
    電流制限値の関数が、
    前記入力量の単位時間当たりの変化幅を所定値以下に制限する関数であることを特徴とする電動機の可変速制御装置。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載した電動機の可変速制御装置において、
    電流制限値の関数が、
    前記入力量をローパスフィルタにより処理した出力値にオフセット量を重畳する関数であることを特徴とする電動機の可変速制御装置。
  7. 請求項1〜4の何れか1項に記載した電動機の可変速制御装置において、
    電流制限値の関数が、
    前記入力量をローパスフィルタにより処理した出力値に正負のオフセット量を重畳する関数であり、
    正のオフセット量を重畳した値を電動機駆動用の電流制限値として用い、かつ、負のオフセット量を重畳した値を電動機制動用の電流制限値として用いることを特徴とした電動機の可変速制御装置。
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