JP2004120854A - 電動機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータ3を駆動する駆動電流に、該駆動電流よりも周波数の高い高周波電流を重畳し、その重畳した駆動電流の値を高周波電流目標に一致させるように制御する高周波電圧指令を求め、その高周波電圧指令の空間ベクトルの角度によって磁極位置を算出する磁極位置算出部16を設け、また、高負荷時の対策としては、高周波電圧指令の空間ベクトルの長さを、トルク目標値に応じた電圧ベクトル長さの目標に一致させるように制御するための補正角θcrを算出する電圧ベクトル長さ制御部18を設け、高負荷時には、磁極位置算出部16で算出した磁極位置を補正角θcrで補正した値を磁極位置とし、高負荷時以外では磁極位置算出部16で算出した値をそのまま磁極位置とする電動機の制御装置。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電動機の制御装置に関し、例えば三相同期電動機におけるセンサレス制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2001−339999号公報
【特許文献2】特開平10−229699号公報
同期電動機(以下、モータと記載)をインバータで駆動し、速度制御系として制御するためには、回転子の磁極位置(位相)を検出する必要がある。回転子の位置をセンサレスで検出する方法としては、上記の特許文献等にも記載のように、モータに印加する駆動電流に加えて高周波電流を重畳し、この結果として得られるインダクタンスを検出することにより、磁極位置を推定する技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のごとき従来の磁極位置の検出方法において、高負荷時においては、検出されるインダクタンスが駆動電流の位相によってずれてしまう、つまり駆動電流位相角の影響を受けてしまうため、正確な磁極位置を推定することが困難になるという問題があった。
【0004】
本発明は上記のごとき問題を解決するためになされたものであり、高負荷時でもセンサレス動作が可能な電動機の制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明においては、電動機を駆動する駆動電流に、該駆動電流よりも周波数の高い高周波電流を重畳し、その重畳した駆動電流の値を高周波電流目標に一致させるように制御する高周波電圧指令を求め、その高周波電圧指令の空間ベクトルの角度によって磁極位置を算出する磁極位置算出手段を設け、また、高負荷時の対策としては、高周波電圧指令の空間ベクトルの長さを、トルク目標値に応じた電圧ベクトル長さの目標に一致させるように制御するための補正角を算出する手段を設け、高負荷時には、磁極位置算出手段で算出した磁極位置を前記補正角で補正した値を磁極位置とし、高負荷時以外では磁極位置算出手段で算出した値をそのまま磁極位置とするように構成している。
【0006】
【発明の効果】
本発明においては、高負荷時以外では高周波電圧指令の空間ベクトルの角度から算出した磁極位置を用い、高負荷時には電圧ベクトル長さに応じた補正角で補正した値を磁極位置とすることにより、磁極位置センサ無し(いわゆるセンサレス制御)で、高負荷時でも低負荷時でも常に正確な磁極位置を用いてトルク制御を行うことが出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例の全体構成を示すブロック図である。
図1において、制御手段1(詳細後述)は、電流センサ4の信号を入力し、PWM(Pulse Width Modulation)指令6を算出してインバータ回路2へ送る。インバータ回路2は、電源部5の直流電力をPWM指令6に応じた三相電力に変換し、その電力でモータ3を駆動する。電流センサ4はインバータ回路2からモータ3へ送られる三相電力のうちの二相(例えばU相とV相)の電流を検出する。上記電流センサ4の検出値は制御手段1へ送られ、PWM指令6の算出に用いられる。なお、三相電流は、U+V+W=0の関係があるので、何れかの二相を検出すれば演算で残りの一相の電流も求めることが出来る。
【0008】
図2は、図1の制御手段1の詳細を示す第1の実施例のブロック図である。 図2において、電流目標算出部7では、外部から与えられたトルク目標T*からテーブル参照により、下記(数1)式に示すように、dq軸電流目標値id *、iq *を算出する。テーブルはあらかじめ実験的に取得しておく。なお、モータ3の回転速度を入力しない理由は、停止時や低速時におけるセンサレス制御では弱め磁束制御領域に入らないので、速度によりdq軸電流目標値が変らないためである。
【0009】
【数1】
ただし、T*:トルク目標[N・m]
id *、iq *:d軸/q軸電流目標値[A]
次に、dq軸電流制御部8は、後述するdq軸電流id、iqをdq軸電流目標値id *、iq *と一致させるように制御するためのdq軸電圧指令vd’*、vq’*を出力する。この演算は、例えば下記(数2)式に示すようなPI制御によって行う。
【0010】
【数2】
ただし、vd’*、vq’*:d軸/q軸電圧指令[V]
id *、iq *:d軸/q軸電流目標値[A]
id、iq:d軸/q軸電流[A]
s:ラプラス演算子
Kpd、Kpq:d軸/q軸比例ゲイン
Kid、Kiq:d軸/q軸積分ゲイン
なお、dq軸電流制御部8の次段に、必要に応じて非干渉制御部を設けてもよい。非干渉制御の例としては、下記(数3)式に示すごとき制御を行う。
【0011】
【数3】
ただし、vd *、vq *:d軸/q軸電圧指令[V](非干渉制御部の出力)
vd’*、vq’*:d軸/q軸電圧指令[V](dq軸電流制御部8の出力)
id、iq:d軸/q軸電流[A]
Ld、Lq:d軸/q軸インダクタンス[H]
Φ:誘起電圧定数[Wb]
ω:角速度(電気角)[rad/s]
次に、三相変換部9では、後述する磁極位置θ(位相)を用い、下記(数4)式に示すようにdq軸電圧指令vd *、vq *を三相電圧指令vu *、vv *、vw *に変換する。
【0012】
【数4】
ただし、vd *、vq *:d軸/q軸電圧指令[V]
vu *、vv *、vw *:三相電圧指令[V]
θ:磁極位置[rad]
上記の三相電圧指令vu *、vv *、vw *は加算器10によって後述する高周波電圧指令vuh *、vvh *、vwh *と加算された後、PWM信号に変換し、このPWM信号に従って、パワーモジュール11(図1のインバータ回路2に相当)で直流電圧をスイッチングすることにより、モータ3に三相交流電流を与えて駆動する。電流センサ4は上記三相の駆動電流iu、iv、iwを検出する。ただし、何れかの二相を検出すれば演算で残りの一相の電流も求めることが出来る。
【0013】
次に、dq軸変換部12では、後述する磁極位置θを用いて、電流センサ4から得られる三相電流iu、iv、iwを、下記(数5)式に示すようにdq軸電流id、iqに変換し、前記dq軸電流制御部8へ送る。
【0014】
【数5】
ただし、id、iq:d軸/q軸電流[A]
iu、iv、iw:三相電流[A]
θ:磁極位置[rad]
また、三相高周波電流抽出部13では、ハイパスフィルタ等を用いて、下記(数6)式に示すように、電流センサ4より得られる三相電流iu、iv、iwから高周波電流iuh、ivh、iwhを抽出する。
【0015】
【数6】
ただし、iu、iv、iw:三相電流[A]
iuh、ivh、iwh:三相高周波電流[A]
G(s):ハイパスフィルタ
s:ラプラス演算子
次に、三相高周波電流制御部14では、三相高周波電流iuh、ivh、iwhを高周波電流目標ih *と一致させるため、下記(数7)式に示すようなPI制御等を行い、高周波電圧指令vuh *、vvh *、vwh *を出力する。この高周波電圧指令vuh *、vvh *、vwh *は、前記のように加算器10によって前記三相電圧指令vu *、vv *、vw *に加算される。
【0016】
【数7】
ただし、 ih *:三相高周波電流目標[A]
iuh、ivh、iwh:三相高周波電流[A]
vuh *、vvh *、vwh *:三相高周波電圧指令[V]
s:ラプラス演算子
Kph:比例ゲイン
Kih:積分ゲイン
なお、高周波電流目標ih *は三相とも同じ値である。したがって駆動電流に重畳される高周波電流は、空間電流ベクトルが0となる、三相で等しい高周波電流となる。また、この振幅は、電流センサ4およびアナログの検出電流値をデジタル信号に変換するA/D変換器の性能や、ノイズ等の問題があるため、ある程度の大きさを持つ必要があるが、あまり大きいと電力損失も大きくなるので、実験的に決定する必要がある。また、高周波電流の周波数は、この制御方式でのモータの最大回転数に対し、数倍程度とする。基本的には、振幅および位相は変化させない。
【0017】
次に、αβ軸変換部15では、下記(数8)式に示すように、三相高周波電圧指令vuh *、vvh *、vwh *をαβ軸高周波電圧指令vαh、vβhに変換する。
【0018】
【数8】
ただし、vuh *、vvh *、vwh *:三相高周波電圧指令[V]
vαh、vβh:α軸/β軸高周波電圧指令[V]
図3、図4は、これまで説明した制御ブロックで実現される電流波形を示す図である。図3は電流センサ4で検出された三相電流iu、iv、iwと、三相高周波電流抽出部13で抽出した高周波電流iuh、ivh、iwhと、三相高周波電流制御部14から出力された高周波電圧指令vuh *、vvh *、vwh *と、を示す。また、図4は高周波電流空間ベクトルの軌跡(a)と、高周波電圧指令空間ベクトルの軌跡(b)と、高周波電圧指令空間ベクトルの長さ(c)と、を示す。
図3に示すように、高周波電流iuh、ivh、iwhは三相とも等しくなり、図4(a)に示すようにαβ軸上(空間ベクトル上)で0となる。また、高周波電圧指令vuh *、vvh *、vwh *は、位相は等しく、インダクタンス差により振幅の異なる波形となり、αβ軸上では、インダクタンスが小さくなる方向のベクトルとなる。
【0019】
次に、再び図2において、磁極位置算出部16は、αβ軸高周波電圧指令、つまり図4(b)に示した高周波電圧指令空間ベクトルの角度θ’(α軸からの角度)を検出する。この角度θ’は下記(数9)式で示される。
【0020】
【数9】
ただし、vαh *、vβh *:α軸/β軸高周波電圧指令[V]
θ’:±(π/2)範囲の磁極位置[rad]
ただし、上記の角度θ’は±(π/2)[rad]範囲でしか求まらないため、前回の演算値(磁極位置θ)との差が±(π/2)[rad]以上の場合は、π[rad]を加算して±π[°]範囲に拡張する。このようにして拡張した値を磁極位置θ[rad]とする。
なお、初期値は±(π/2)[rad]範囲とし、π[rad]ずれているか否かを、d軸強め電流(正の電流)による磁気飽和を用いたNS判定(回転子の磁極NSの位置判定)で確認する。このNS判定は、制御開始の初期に1度だけ行う。
また、αβ軸高周波電圧指令は、周期的に0となるため、しきい値より小さい場合は、高周波電圧指令空間ベクトルの角度検出を行わず、角速度と制御周期より磁極位置を算出する。
【0021】
これまで説明した制御ブロックによる磁極位置算出では、高負荷時には制御不能となる。この理由は、図5に示すように、高負荷時には高周波電圧指令空間ベクトルの角度が、駆動電流位相と相関を持つためである。
一方、図6に示すように、高周波電圧指令空間ベクトルの長さも、駆動電流の位相と相関を持つため、これを制御することにより、駆動電流の位相を制御できることになる。つまり、高周波電圧指令空間ベクトルの長さを制御することにより、駆動電流位相角を一定に保つことが出来る。
そのため図2の電圧ベクトル長さ検出部17は、高周波電圧指令空間ベクトルの長さvh*を最大値(または実効値)として求める。
そして電圧ベクトル長さ制御部18は、トルク目標T*からテーブル参照によって下記(数10)式に示すごとき電圧ベクトル長さの目標vh**を求め、その目標と電圧ベクトル長さ検出部17で検出した電圧ベクトル長さvh*とを一致させるため、PI制御等を行い、下記(数11)式で示す補正角θcrを出力する。上記のテーブルは予め実験的に取得しておく。
【0022】
【数10】
ただし、T*:トルク目標[N・m]
vh**:電圧ベクトル長さの目標[V]
【0023】
【数11】
ただし、θcr:補正角[rad]
vh*:電圧ベクトル長さ[V]
vh**:電圧ベクトル長さの目標[V]
s:ラプラス演算子
Kpθ、Kiθ:比例/積分ゲイン
また、図2のスイッチ部SW1は、トルクまたは電流を用いて、実験的に求めたしきい値に応じて高負荷時(電流またはトルクがしきい値より大)と低負荷時(電流またはトルクがしきい値以下:つまり高負荷時以外)を判別し、高負荷時にはON、低負荷時(高負荷時以外)にはOFFになる。このスイッチ部SW1の出力と磁極位置算出部16の出力とは加算器19で加算される。したがって低負荷時には磁極位置算出部16で算出した磁極位置θがそのまま出力され、高負荷時には磁極位置算出部16で算出した値に補正角θcrが加算された値が磁極位置θとして出力され、前記の三相変換部9やdq軸変換部12へ送られる。 上記のように、高負荷時以外では高周波電圧指令空間ベクトルの角度から算出した磁極位置θを用い、高負荷時には電圧ベクトル長さに応じた補正角θcrで補正した値を磁極位置θとすることにより、磁極位置センサ無し(いわゆるセンサレス制御)で、高負荷時でも低負荷時でも常に正確な磁極位置を用いてトルク制御を行うことが出来る。
【0024】
また、従来の突極形同期モータのセンサレス制御では、高周波の正弦波電圧/電流、パルス電圧等を駆動電圧(電流)に重畳し、インダクタンス差を検出して磁極位置を検出しているが、重畳電流はdq軸上(空間ベクトル上)に存在するため、トルクリップルを発生させ、音や振動の原因となり、かつ、dq軸電流制御(駆動電流の制御)に影響を及ぼすこともある。しかし、本発明では、高周波電圧指令空間ベクトルの角度から算出した磁極位置θを用いているため、トルクリップルが全く発生しないので、音や振動を生じることがなく、かつ、dq軸電流制御に全く影響を与えない、という特徴がある。さらに、高負荷時には電圧ベクトル長さに応じた補正角θcrで補正した値を磁極位置θとすることにより、高負荷時でも制御可能である。
【0025】
以下、前記磁極位置算出部16における磁極位置算出演算とNS判定演算についてフローチャートを用いて説明する。
図7は、磁極位置算出演算の全体のフローチャートである。
図7において、まず、ステップ1では、α軸高周波電圧指令vαh *の二乗とβ軸高周波電圧指令vβh *の二乗との和の値が所定のしきい値より大きいか否かを判断する。ステップ1で“NO”の場合、つまりαβ軸高周波電圧指令が小さい場合には、αβ軸高周波電圧指令が周期的に0となる場合に相当するので、高周波電圧指令空間ベクトルの角度検出は行わず、ステップ4で、角速度×制御周期の値を前回のθに加算することにより、今回の磁極位置θを算出する。
【0026】
ステップ1で“YES”の場合には、ステップ2で磁極位置θを検出し、ステップ3で磁極位置θを微分して角速度を算出する。
上記ステップ2における磁極位置θの検出は、前記磁極位置算出部16で説明したように、前記(数9)式を用いて角度θ’を検出し、さらに前回の演算値(磁極位置θ)との差が±(π/2)[rad]以上の場合は、π[rad]を加算して±π[°]範囲に拡張する。このようにして拡張した値を磁極位置θ[rad]とする。
【0027】
図8は、図7のステップ2において角度θ’から磁極位置θを算出する演算のフローチャートである。
図8において、まずステップ5では、演算が初回か否かを判別し、初回の場合にはステップ8で、今回算出した角度θ’をそのまま磁極位置θとして出力する。
ステップ5で初回でなかった場合には、ステップ6で前回の演算における磁極位置θの値と今回の演算値θ’との差が±(π/2)以上か否かを判断する。 ステップ6で“NO”の場合は、ステップ8へ行き、今回算出した角度θ’をそのまま磁極位置θとして出力する。
ステップ6で“YES”の場合は、ステップ7で、今回算出した角度θ’にπを加算した値を磁極位置θとして出力する。
【0028】
次に、図9は、NS判定演算を示すフローチャートである。このフローは、前記図7、図8のフローとは異なる制御周期で、初期値の確認のために1回のみ行なわれるフローである。
図9において、まず、ステップ11では、q軸電流目標値iq *を0、d軸電流目標値id *を負の値とし、ステップ12で、上記の状態におけるα軸高周波電圧指令vαh *の二乗とβ軸高周波電圧指令vβh *の二乗との和の最大値Vmax1を求める。
次に、ステップ13では、q軸電流目標値iq *を0、d軸電流目標値id *を正の値とする。ただし、ステップ11とステップ13におけるd軸電流目標値id *の値は、正負は異なっても絶対値は等しい値とし、その値は実験的に適正値を求める。
ステップ14では、上記の状態におけるα軸高周波電圧指令vαh *の二乗とβ軸高周波電圧指令vβh *の二乗との和の最大値Vmax2を求める。このステップはd軸強め電流(正の電流)を与えて磁気飽和させ、検出角度がπ[rad]だけずれているか否かを判定するために行う。
次に、ステップ15では、q軸電流目標値iq *とd軸電流目標値id *の値を共に0とする。そしてステップ16では、Vmax2がVmax1より大か否かを判断する。
ステップ16で“NO”の場合は、検出角度がずれていなかった場合なので、検出角度θをそのまま出力する。“YES”の場合は、回転子のN極とS極が逆位置、つまりπだけずれている場合なので、ステップ17で“θ+π”を磁極位置θとして出力する。
【0029】
次に、図10は、図1の制御手段1の詳細を示す第2の実施例のブロック図である。
この実施例は、高負荷時に電圧ベクトル長さ制御のみで磁極位置を算出する方式である。図10において、電圧ベクトル長さ制御部18の出力は、補正角ではなく、磁極位置θそのものとなる。そしてスイッチ部SW2は、トルク(または電流)を用いて、実験的に求めたしきい値に応じて高負荷時(電流またはトルクがしきい値より大)と低負荷時(電流またはトルクがしきい値以下:つまり高負荷時以外)を判別し、高負荷時には電圧ベクトル長さ制御部18側、低負荷時(高負荷時以外)には磁極位置算出部16側に切り換わる。したがって図10においては、低負荷時(高負荷時以外)には磁極位置算出部16で算出した値がそのまま磁極位置θとして出力され、高負荷時には電圧ベクトル長さ制御部18で算出した値がそのまま磁極位置θとして出力される。
【0030】
なお、本発明は、従来の三相3線式(1相あたりのIGBTが2個)モータにも三相6線式(1相あたりのIGBTが4個)モータにも同様に適用することが出来、かつ、同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成を示すブロック図。
【図2】図1における制御手段1の詳細を示す第1の実施例のブロック図。
【図3】図2の構成における三相電流、高周波電流および高周波電圧指令の各電流波形を示す図。
【図4】図2の構成における各ベクトルを示す図であり、(a)は高周波電流空間ベクトルの軌跡、(b)高周波電圧指令空間ベクトルの軌跡、(c)高周波電圧指令空間ベクトルの長さを示す図。
【図5】高負荷時における高周波電圧指令空間ベクトルの角度と駆動電流位相との相関を示す図。
【図6】高周波電圧指令空間ベクトルの長さと駆動電流の位相との相関を示す図。
【図7】磁極位置算出演算の全体のフローチャート。
【図8】図7のステップ2において角度θ’から磁極位置θを算出する演算のフローチャート。
【図9】NS判定演算を示すフローチャート。
【図10】図1における制御手段1の詳細を示す第2の実施例のブロック図。
【符号の説明】
1…制御手段 2…インバータ回路
3…モータ 4…電流センサ
5…電源部 6…PWM指令
7…電流目標算出部 8…dq軸電流制御部
9…三相変換部 10…加算器
11…パワーモジュール 12…dq軸変換部
13…三相高周波電流抽出部 14…三相高周波電流制御部
15…αβ軸変換部 16…磁極位置算出部
17…電圧ベクトル長さ検出部 18…電圧ベクトル長さ制御部
19…加算器 SW1…スイッチ部
SW2…スイッチ部
Claims (3)
- 直流電源に接続され、前記直流電源からの電力を交流に変換して出力し、この交流電力によって電動機を駆動するインバータ回路と、該インバータ回路をトルク目標値と電動機回転子の磁極位置とに基づいて制御する制御手段と、を備え、電動機回転子の磁極位置を検出するセンサを持たないで上記の制御を行う電動機の制御装置において、
前記電動機を駆動する駆動電流に、該駆動電流よりも周波数の高い高周波電流を重畳する手段と、
前記重畳した駆動電流を抽出し、その値を高周波電流目標に一致させるように制御する高周波電圧指令を求め、その高周波電圧指令の空間ベクトルの角度によって磁極位置を算出する磁極位置算出手段と、
前記高周波電圧指令の空間ベクトルの長さを、トルク目標値に応じた電圧ベクトル長さの目標に一致させるように制御するための補正角を算出する手段と、
電動機のトルクまたは駆動電流が所定値以上の高負荷時には、前記磁極位置算出手段で算出した磁極位置を前記補正角で補正した値を磁極位置とし、前記高負荷時以外では前記磁極位置算出手段で算出した値を磁極位置とする手段と、
を備えた電動機の制御装置。 - 直流電源に接続され、前記直流電源からの電力を交流に変換して出力し、この交流電力によって電動機を駆動するインバータ回路と、該インバータ回路をトルク目標値と電動機回転子の磁極位置とに基づいて制御する制御手段と、を備え、電動機回転子の磁極位置を検出するセンサを持たないで上記の制御を行う電動機の制御装置において、
前記電動機を駆動する駆動電流に、該駆動電流よりも周波数の高い高周波電流を重畳する手段と、
前記重畳した駆動電流を抽出し、その値を高周波電流目標に一致させるように制御する高周波電圧指令を求め、その高周波電圧指令の空間ベクトルの角度によって磁極位置を算出する磁極位置算出手段と、
前記高周波電圧指令の空間ベクトルの長さを、トルク目標値に応じた電圧ベクトル長さの目標に一致させるように制御するための角度値を算出する電圧ベクトル長さ制御手段と、
電動機のトルクまたは駆動電流が所定値以上の高負荷時には、前記電圧ベクトル長さ制御手段で算出した角度値を磁極位置とし、前記高負荷時以外では前記磁極位置算出手段で算出した値を磁極位置とする手段と、
を備えた電動機の制御装置。 - 前記駆動電流に重畳する高周波電流は、空間電流ベクトルが0となる、三相で等しい高周波電流であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機の制御装置。
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