JP7145968B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、突極性を有する同期モータをセンサレスで駆動するモータ駆動装置に関する。
同期モータの固定子に多相の交流電圧を印加すると回転磁界が発生する。この回転磁界と、ロータとの磁気的な相互作用によって、同期モータには、トルクが発生する。多相の交流電圧とは、三相もしくは四相以上の交流電圧である。同期モータが回転するとき、回転磁界とロータとは、位相及び周波数が同期している必要がある。従って、同期モータを駆動するには、ロータの回転位置又は回転周波数の情報が必要となる。ロータの回転位置又は回転周波数の情報を得るために、位置センサ又は速度センサを用いる方法がある。その一方で、部品点数及び配線数を削減するために、これらのセンサを用いない駆動方式の適用も拡がっている。ロータの回転位置又は回転周波数の情報を取得するためのセンサを備えていない状態及び駆動方式は、「センサレス」と呼ばれる。
同期モータをセンサレスで始動するときは、過電流などが生じないように、出力電圧の位相及び周波数をロータの回転状態に同期させつつ、インバータの半導体素子に対するスイッチング制御を開始する必要がある。このため、同期モータのセンサレス駆動方式では、同期モータを始動する場合を、始動以外の場合と区別して捉えることが通常である。具体的に、同期モータのセンサレス駆動方式は、大きく分けて「定常推定」及び「初期推定」と称される2つのアルゴリズムから構成される。
定常推定のアルゴリズムは、モータを駆動するインバータの半導体素子がスイッチング動作し、継続的にモータのトルク又は回転状態が制御されているときに適用される。一方、初期推定のアルゴリズムは、インバータの半導体素子がスイッチング動作を停止している状態から、スイッチング動作を開始するときに適用される。即ち、初期推定によって得られたロータの回転位置及び回転周波数の情報を用いて、定常推定が開始される。
初期推定の一例として、特定の相の電流極性が反転する周期に基づいてロータの回転周波数を推定し、特定の相の電流極性が反転するタイミングに基づいてロータの回転位置を推定する方法が、特許文献1に開示されている。なお、便宜上、相電流の極性、即ち相電流の符号が反転することを「ゼロクロス」と呼ぶ。
特開2004-336866号公報
ところで、パルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)によって出力電圧が制御されるインバータにおいては、インバータを構成するスイッチング素子のオン電圧、インバータを制御する際のデッドタイムなどの影響で、コントローラが意図した電圧指令値に対して、実際の出力電圧がずれる事象が知られている。電圧指令値と実際の出力電圧との差である電圧誤差は、スイッチング素子に流れる電流が小さいほど、即ち、モータ電流が小さいほど顕著になる。なお、モータ電流とは、モータの各相に流れる電流、即ちモータの相電流である。
特許文献1に記載された初期推定では、特定の相の電流がゼロ付近で脈動するように制御されるため、上記で言う電圧誤差が顕著になる。電圧誤差が大きいと、他の相の相電流が過小となって周波数の推定精度が劣化する。或いは、他の相の相電流が過大となって磁気飽和を起こし、回転位置の推定精度が劣化する。なお、ここで言う「他の相」は、特定の相に対して、過小となったり過大となったりする相を意味している。このように、電圧誤差が大きいと、周波数の推定精度が劣化し又は、回転位置の推定精度が劣化するという課題が生じる。
また、電圧センサ及び電流センサの信号には、アナログ回路で入り込むノイズが含まれている。このため、電圧センサ又は電流センサでは、必ずしも精確なゼロクロスのタイミングが検出できるとは限らない。
また、デジタル回路で電流の検出値をサンプリングできる回数は限られている。特に、モータの高速回転中は、モータ電流の脈動する周期が短くなるため、電流の検出値が得られないタイミングが多く生じ、ゼロクロスのタイミングの誤差がより顕著となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回転中の同期モータの回転位置又は回転周波数の情報を高精度に推定することができるモータ駆動装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係るモータ駆動装置は、突極性を有する同期モータを駆動するインバータ、インバータの動作状態を制御する制御器、及び同期モータの相電流を検出する検出器を備える。制御器は、インバータの出力電圧を決定する電圧制御部、相電流を静止座標系の二相電流へ変換する座標変換部、二相電流から脈動電流を抽出する脈動抽出部、並びに脈動電流の周波数及び位相を推定演算する位相同期演算部を備える。電圧制御部は、相電流の何れもゼロとならない電圧指令値を出力する。
本発明に係るモータ駆動装置によれば、回転中の同期モータの回転位置又は回転周波数の情報を高精度に推定することができる、という効果を奏する。
実施の形態1に係るモータ駆動装置の構成図 図1に示すインバータの構成を示す回路図 実施の形態1に係る電圧制御部が出力する電圧指令値の説明に供する模式図 実施の形態1における電圧指令値ベクトルの位相と相電流の大きさの関係を示す図 実施の形態2に係る脈動抽出部の構成を示すブロック図 実施の形態2に係る位相同期演算部の構成を示すブロック図 実施の形態3に係る位相同期演算部の構成を示すブロック図 実施の形態3に係る増幅器のゲインを切り替える動作の説明に供する図 実施の形態4に係るモータ駆動装置の構成図 実施の形態4に係る補正演算部の構成を示すブロック図 実施の形態4の制御器における演算機能を実現するハードウェア構成の一例を示すブロック図 実施の形態4の制御器における演算機能を実現するハードウェア構成の別の例を示すブロック図
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係るモータ駆動装置について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るモータ駆動装置の構成図である。図2は、図1に示すインバータの構成を示す回路図である。図1において、モータ駆動装置100は、ロータ2aを有するモータ2と、モータ2を駆動するインバータ1と、インバータ1の動作状態を制御する制御器3と、モータ2の相電流を検出する検出器4とを備える。
インバータ1は、電力源110より直流電力の供給を受け、モータ2へ可変振幅及び可変周波数の電圧を印加する。インバータ1は、図1では図示しない複数の半導体素子へのパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)制御によってモータ2への印加電圧を調整する。
モータ2は、突極性を有する同期モータである。突極性を有する同期モータの一例は、同期リラクタンスモータ(Synchronous Reluctance Motor:以下「SynRM」と表記)である。SynRMのロータは、円筒軸を基準とする回転角に応じて、径方向の磁気抵抗が変化する特性を有している。このような特性は、「突極性」と呼ばれる。SynRMのステータに電圧を印加し、ステータに電流が流れると、ロータの円周上を径方向に差交する磁界が生成される。このとき、磁束が大きくなる方向、即ち磁路の磁気抵抗が小さくなる方向へ、ロータを回転させようとするトルクが発生する。このように、ロータの突極性に起因して生じるトルクは、リラクタンストルクと呼ばれる。
図2には、インバータ1が三相インバータである場合の回路構成が示されている。図2に示されるインバータ1は、上アームの半導体素子UPと下アームの半導体素子UNとが直列に接続されたレグ10Aと、上アームの半導体素子VPと下アームの半導体素子VNとが直列に接続されたレグ10Bと、上アームの半導体素子WPと下アームの半導体素子WNとが直列に接続されたレグ10Cと、を備える。レグ10A、レグ10B及びレグ10Cは、互いに並列に接続されている。
インバータ1には、直流母線15a,15bを通じて、母線電圧が印加される。インバータ1は、直流母線15a,15bを通じて供給される電力源110の直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力をモータ2に供給することでモータ2を駆動する。
図2では、半導体素子UP,UN,VP,VN,WP,WNが金属酸化膜半導体電界効果型トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor:MOSFET)である場合を例示している。半導体素子UPは、トランジスタ10aと、トランジスタ10aに逆並列に接続されるダイオード10bとを含む。他の半導体素子UN,VP,VN,WP,WNについても同様の構成である。逆並列とは、MOSFETのソースに相当する第1端子にダイオードのアノード側が接続され、MOSFETのドレインに相当する第2端子にダイオードのカソード側が接続されることを意味する。
なお、半導体素子UP,UN,VP,VN,WP,WNは、MOSFETに代えて、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)を用いてもよい。
また、図2は、上アームの半導体素子と下アームの半導体素子とが直列に接続されるレグを3つ備える構成であるが、この構成に限定されない。レグの数は4つ以上でもよい。また、図2では、1つのレグが1つの上下アームの半導体素子で構成されているが、1つのレグが複数対の上下アームの半導体素子で構成されていてもよい。
また、半導体素子UP,UN,VP,VN,WP,WNのトランジスタ10aがMOSFETである場合、半導体素子UP,UN,VP,VN,WP,WNのうちの少なくとも1つは、炭化珪素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドといったワイドバンドギャップ半導体により形成されていてもよい。
一般的にワイドバンドギャップ半導体はシリコン半導体に比べて耐電圧性及び耐熱性が高い。そのため、半導体素子UP,UN,VP,VN,WP,WNのうちの少なくとも1つにワイドバンドギャップ半導体により形成されたMOSFETを用いれば、耐電圧性及び耐熱性の効果を享受することができる。
上アームの半導体素子UPと下アームの半導体素子UNとの接続点12はモータ2の第1の相(例えばU相)に接続され、上アームの半導体素子VPと下アームの半導体素子VNとの接続点13はモータ2の第2の相(例えばV相)に接続され、上アームの半導体素子WPと下アームの半導体素子WNとの接続点14はモータ2の第3の相(例えばW相)に接続されている。インバータ1において、接続点12,13,14は、交流端子を成す。
図1に戻り、モータ駆動装置100の説明を続ける。制御器3は、インバータ1の出力電圧を決定する電圧制御部50と、相電流を静止座標系の二相電流へ変換する座標変換部20と、二相電流から脈動電流を抽出する脈動抽出部30と、脈動電流の周波数及び位相を推定演算する位相同期演算部40とを備える。
電圧制御部50は、インバータ1が出力すべき電圧の指令値である電圧指令値を演算する。インバータ1の半導体素子UP,UN,VP,VN,WP,WNのスイッチング状態は、電圧指令値に基づいて決定される。ここで、モータ2のトルクを所望の値にするための電圧指令値は、ロータ2aの回転位置及び回転周波数に基づいて演算される必要がある。
ロータ2aの回転位置又は回転周波数の情報を得るために、位置センサ又は速度センサを用いる方法がある。ところが、これらのセンサは、モータと同軸上に設置されることが多く、モータの設置スペースに制約があると、許容されるモータの軸長が小さくなってしまう。このため、位置センサ又は速度センサを用いる方法は、結果的にモータ出力が制限されてしまうという不利点がある。また、位置センサ又は速度センサは、センサの信号線を制御器3が実装されるハードウェアへ配線する必要がある。このため、位置センサ又は速度センサを用いる方法は、部品コストが増加し、断線のリスクがあるといった課題が生じる。これらの理由により、位置センサ及び速度センサを用いない駆動方式である、センサレス駆動方式の適用が拡がっている。実施の形態1に係るモータ駆動装置100も、センサレスでモータを駆動することを前提とする。
モータ2をセンサレスで始動するときは、過電流などが生じないように、出力電圧の位相及び周波数をロータ2aの回転状態に同期させた上で、インバータ1のスイッチング制御を開始する必要がある。この観点から、同期モータのセンサレス駆動方式は、前述したように、定常推定及び初期推定という2つのアルゴリズムに区分されている。
前述したように、定常推定は、インバータ1がスイッチングを開始し、継続的にモータ2のトルク又は回転周波数が制御されているときに適用されるアルゴリズムである。
定常推定の代表的な方式の1つに、モータ2の誘起電圧(「逆起電圧」とも呼ばれる)を用いる方法がある。この方法では、モータの数式モデルに基づき誘起電圧を演算し、ロータ2aの位置に対応する真のdq座標系の座標軸と、電圧指令値が演算される推定dq座標系の座標軸との間の位相差を定義する。そして、この位相差が解消されるように推定dq座標系が修正され、結果的にロータ2aの位置及び回転周波数の推定値が得られる。なお、dq座標系とは、モータ2をベクトル制御するときの回転座標系を表すものであり、広く知られた概念である。
定常推定の別の方式として、モータ2へ高周波電圧を印加し、そのときの電流応答を用いる方法がある。この方法では、突極性を有するモータ2に高周波電圧を印加すると、dq座標上の電流が楕円状の軌跡となることを利用してロータ2aの回転位置及び回転周波数の推定値を得る方法である。この方法は、誘起電圧が小さくなる低速の運転条件で用いられることが多い。
また、前述したように、初期推定は、インバータ1がスイッチングを停止している状態から、スイッチングを開始するときに適用されるアルゴリズムである。前述したように、定常推定のアルゴリズムでは、演算を開始するときに、ロータ2aの回転位置及び回転周波数の情報のうちの何れか1つ又は両方の初期値が必要となる。初期値と真値の差が大きい状態で通電を開始すると、過電流が発生するなどの不都合が生じる。このため、初期推定によって得られたロータ2aの回転位置及び回転周波数の情報を用いて、定常推定が開始される。このように、初期推定のアルゴリズムは、インバータ1の起動時に短時間だけ実行される。
以下、図1に示した電圧制御部50の動作を説明する。実施の形態1では、初期推定の方法について詳述する。なお、定常推定の方法は特に限定しない。
電圧制御部50は、インバータ1を起動する指令を図示しない上位の制御系から受けたとき、各相のモータ電流の何れもゼロとならない電圧指令値を演算する。更に、電圧制御部50は、直流電圧であり、且つ、電圧ベクトルがモータ2の何れかの相と同一又は逆の方向となる電圧指令値を生成する。なお、このような電圧指令値を生成する理由は、後述する。
図3は、実施の形態1に係る電圧制御部50が出力する電圧指令値の説明に供する模式図である。ここでは、モータ2は三相モータとする。三相モータの各相は、u相、v相及びw相と表記する。u相、v相及びw相は、三相座標系を構成する。uvw三相座標系は、静止座標系である。なお、図3では、一例として電圧指令値ベクトルはu相と同じ方向としているが、これに限定されない。電圧指令値ベクトルは、v相又はw相と同一方向としてもよい。
まず、u相電流の平均値をiu0、v相電流の平均値をiv0、w相電流の平均値をiw0で表す。そして、図3に示される電圧指令値に従って、インバータ1が電圧を出力する。すると、v相電流の平均値iv0及びw相電流の平均値iw0は、u相電流の平均値iu0と、符合が逆で大きさが1/2となる。
また、図3中のα及びβの矢印は、電圧及び電流を三相二相変換したときの座標軸である。即ち、α及びβは、二相座標系を構成する。αβ二相座標系は、uvw三相座標系と同様に静止座標系である。uvw三相座標系からαβ二相座標系への変換行列は、次式で与えられる。
Figure 0007145968000001
なお、座標軸の定義の仕方によっては、変換行列が上記(1)式とは異なるものとなるが、α軸がuvw軸のうちの何れかと一致するように定義するのが一般的である。図3及び上記(1)式のようにαβ軸を定義したとき、電圧指令値はvαを非ゼロとし、vβをゼロとすればよいことになる。なお、図3に図示したdq軸は、αβ二相座標系をロータ2aの回転角θによって回転座標変換したものである。
ところで、回転中のモータの固定子に直流電圧を印加すると、突極性に起因して相電流に脈動が生じる。この脈動電流の性質について、以下に詳述する。
まず、αβ座標系のSynRMの電圧方程式は、次式で表される。
Figure 0007145968000002
上記(2)式において、vα,vβ及びiα,iβは、それぞれ二相変換した電圧及び電流を表す。また、Pは微分演算子、Rは巻線抵抗を表す。更に、Lα,Lβ,Lαβは、次式で定義される。
Figure 0007145968000003
上記(3)式において、Lαはα軸インダクタンス、Lβはβ軸インダクタンス、Lαβはαβ軸相互インダクタンスである。また、θはロータ2aの回転角、Lは平均インダクタンス、Lは差分インダクタンス、Lはd軸インダクタンス、Lはq軸インダクタンスである。
突極性を有するモータでは、d軸インダクタンスLと、q軸インダクタンスLとが異なるので、上記(3)式の第5式から差分インダクタンスLが非ゼロとなる。従って、上記(3)式の第1式及び第2式に示されるように、ロータ2aの回転角θに応じて、α軸インダクタンスLα及びβ軸インダクタンスLβが変化する。
また、上記(2)式の微分演算子Pは、α軸インダクタンスLα、β軸インダクタンスLβ及びαβ軸相互インダクタンスLαβ、並びに、α軸電流iα及びβ軸電流iβの何れにも作用する。よって上記(2)式の微分演算子の項を展開すると、次式が得られる。
Figure 0007145968000004
上記(4)式において、ωはロータ2aの回転周波数を表しており、ω=Pθである。図3の通電状態は、ロータ2a上から見ると、静止したモータに時計回りの回転磁界を与えるのと等価である。従って、α軸電流iα及びβ軸電流iβの脈動の位相は、β軸電流iβよりα軸電流iαの方が90度進んだ位相となる。
また、ステータ上で見ると、インダクタンスの突極性はαβ軸の何れにも等しく影響を及ぼすので、α軸電流iαの脈動の振幅と、β軸電流iβの脈動の振幅とは等しい。これらを踏まえ、α軸電流iα及びβ軸電流iβを、平均値の成分(iα0,iβ0)と、脈動電流の成分(iα1,iβ1)とに分けると、次式のように表される。
Figure 0007145968000005
上記(5)式において、φは未知の位相角、Δiは脈動電流の振幅を表している。ここで、二相電流の平均値iα0,iβ0は、上記(2)式において、インダクタンス成分が係る項の全てを無視して方程式を解けば求まる。既に述べた通り、β軸電圧vβはゼロであるから、α軸電流の平均値iα0及びβ軸電流の平均値iβ0のそれぞれは、iα0=vα/Rs,iβ0=0となる。
また、上記(4)式に上記(5)式を代入すると、次式が得られる。
Figure 0007145968000006
更に、上記(6)式の第1行の式を整理すると、次式が得られる。
Figure 0007145968000007
但し、上記(7)式では、式中のδを次式のように置いている。
Figure 0007145968000008
上記(7)式が恒等である条件より、脈動電流の振幅Δiと、未知の位相角φが、次式及び次々式のように求まる。
Figure 0007145968000009
Figure 0007145968000010
ここで、上記(9)式において、抵抗成分はリアクタンス成分に比して十分に小さい。従って、上記(8)式は、δ=π/2と近似でき、上記(10)式は、φ=π/2と近似できる。このとき、α軸脈動電流iα1及びβ軸脈動電流iβ1は、次式のように変形できる。
Figure 0007145968000011
上記(11)式は、静止座標系上の二相の電流値から脈動電流を抽出し、それらの電流値の位相を演算すれば、結果的にロータ2aの回転位置が推定できることを表している。
具体的に、図1に示す実施の形態1の制御器3は、以下の動作を行う。まず、座標変換部20は、検出器4から取得した相電流を、αβ二相座標系上の二相電流であるα軸電流20a及びβ軸電流20bに変換して出力する。このときの変換式は、例えば上記(1)式を使用する。
次に、脈動抽出部30は、α軸電流20a及びβ軸電流20bに基づいて、α軸脈動電流30a及びβ軸脈動電流30bを抽出して位相同期演算部40に出力する。なお、以下の説明では、α軸脈動電流30a及びβ軸脈動電流30bを総称して、単に「脈動電流」と呼ぶ場合がある。
そして、位相同期演算部40は、α軸脈動電流30a及びβ軸脈動電流30bに基づいて、推定脈動位相40a及び推定脈動周波数40bを演算して出力する。位相同期演算部40で演算された推定脈動位相40a及び推定脈動周波数40bは、適宜の値に換算され、それらの換算値は、図示しない定常推定のアルゴリズムで用いられる。
次に、電圧指令値を何れの相電流もゼロとならない値とすること、即ちu相電流、v相電流及びw相電流の何れもゼロとならない値とすることの利点について説明する。なお、以下の説明では、u相電流、v相電流及びw相電流を総称して「三相電流」と呼ぶ場合がある。
まず、実施の形態1のインバータ1に限らず、インバータの上下アームの半導体素子を制御するPWM信号には、上下アームの半導体素子の何れにもオフ指令を与える休止期間が設けられる。この休止期間は、デッドタイムと呼ばれる。休止期間を設けるのは、直流母線15a,15b間の短絡防止を確実に実施するためである。
また、半導体素子には、半導体素子の物性による電圧降下も存在する。半導体素子がIGBTであれば、飽和電圧と呼ばれるコレクタ-エミッタ間の電圧降下が存在する。半導体素子がMOSFETであれば、ドレイン―ソース間の抵抗分による電圧降下が存在する。
上記の要因で発生する電圧誤差を軽減するために、しばしば電圧指令値の補正が行われる。これら補正は、デッドタイム補正、オン電圧補正などと呼ばれる。
また、半導体素子を制御する際には、半導体素子に固有の以下の特性に対応する必要がある。
(1)半導体素子に流れる電流が小さい小電流領域では、半導体素子のスイッチング過渡時間が複雑に変化する。
(2)電圧指令値の補正では、電流の極性を用いて電圧補正量の符号を決定するので、チャタリングが発生しやすい。なお、チャタリングとは、電圧補正量と電流極性の反転が予期しない早い周期で繰り返される事象のことである。
(3)チャタリングを防止するために不感帯を設けた場合は、補正の効果が低下する。
上記(1)~(3)項に共通して言えるのは、半導体素子に流れる電流が小さいほど電圧指令値の補正が難しくなる、ということである。即ち、三相電流のうちの何れか1つの相電流である第1の相電流が小さいと電圧誤差が大きくなる。電圧誤差が大きくなると、第1の相電流以外の他の相電流のうちの何れかの相電流が小さくなったり、大きくなったりする。その結果、α軸電流の平均値iα0及びβ軸電流の平均値iβ0が、過小となったり、過大となったりする。
ここで、上記(9)式から明らかなように、α軸脈動電流iα1及びβ軸脈動電流iβ1の振幅Δiは、α軸電流の平均値iα0の大きさに比例している。三相電流の何れかが小さいと、α軸電流の平均値iα0が過小となって回転位置及び回転周波数の推定精度が劣化する可能性がある。
また、上記(2)式ではモデル化されていないが、SynRMでは、通電量が大きくなるほど、磁性部材の磁気飽和が進む。また、SynRMでは、磁気飽和のし易さがロータを磁化する方向によって顕著に異なる。このため、α軸電流の平均値iα0及びβ軸電流の平均値iβ0が過大となって磁気飽和の程度が強くなると、検出される脈動電流に高調波が含まれるようになり、回転位置及び回転周波数の推定精度が劣化する。
上記の点を踏まえ、実施の形態1に係る電圧制御部50は、三相電流のうちの何れの相電流もゼロとならない電圧指令値を演算して出力する。これにより、インバータ1の出力電圧を所望の値にするための、電圧指令値の補正が容易になる。結果的に、モータ2の電流を適切な大きさに制御することができるので、ロータ2aの回転位置及び回転周波数の推定精度を高めることができる。
なお、回転中のモータ2に電圧を印加したとき、電圧の大きさ及び位相によらず、突極性に起因する脈動電流は観測できる。しかしながら、電圧制御部50が出力する電圧指令値は、直流電圧とすることが望ましい。その理由は、以下の通りである。
例えば、初期推定用の電圧に周波数がfである交流成分が含まれていると仮定する。そうすると、モータの相電流にも周波数fの交流成分が生ずる。つまり、相電流には、モータの回転周波数に同期した脈動成分と、電圧と同一の周波数成分とが混在する。相電流に複数の周波数成分が混在すると、その分離が難しくなり、初期推定の精度が劣化する。従って、初期推定用の電圧、即ち電圧制御部50が出力する電圧指令値は、直流電圧とすることが望ましい。
続いて、電圧指令値の電圧ベクトルの方向をモータ2の何れかの相と同一又は逆の方向とすることの利点を、図4を用いて説明する。図4は、実施の形態1における電圧指令値ベクトルの位相と相電流の大きさの関係を示す図である。なお、「電圧ベクトルの方向」は「電圧ベクトルの位相」、「同一又は逆の方向」は「同一又は逆の位相」と言い替えてもよい。この場合、同一又は逆の位相とは、例えば位相が60[deg]であるとき、「同一の位相」は60[deg]であり、「逆の位相」は、180[deg]を加算した、240[deg]であることを意味する。
図4の横軸には、α軸を基準とした電圧指令値ベクトルの位相が示され、縦軸には規格化された各種の相電流の振幅が示されている。具体的に説明すると、点線はu相電流の平均値iu0、細実線はv相電流の平均値iv0、一点鎖線はw相電流の平均値iw0、細破線はα軸電流の平均値iα0、太破線はβ軸電流の平均値iβ0をそれぞれ表している。
また、太実線の波形は、各相電流の平均値(iu0,iv0,iw0)のうち、最も絶対値が小さい波形部分を描画したものである。ここで、各相電流の平均値(iu0,iv0,iw0)のうちで最も絶対値が小さい相を「最小相」と定義する。また、最小相の電流を「最小相電流」と定義する。
図4の通電状態は、電圧指令ベクトルの位相がゼロに相当する。このとき、最小相はv相又はw相であり、最小相電流の絶対値は“0.5”である。なお、この“0.5”という値は、電圧指令値ベクトルの位相を変化させたときに取りうる最大値であることが、図4の太実線の波形、即ち最小相電流の波形から理解できる。
前述したように、相電流が小さいほど、電圧誤差を低減するための電圧指令値の補正が難しくなる。図3において、電圧指令値ベクトルの方向をu相と同じとしたのは、「最小相電流を最大化する」ためである。また、図4における最小相電流の波形によれば、0[deg]から60[deg]刻みの点が最大値となっている。即ち、図4によれば、電圧指令値ベクトルは、u相、v相及びw相のうちの何れかの相と同じ又は逆の方向を向いていればよいことが分かる。
例えば、電圧指令値ベクトルの位相が60[deg]の場合、電圧指令値ベクトルはv相と逆方向である。また、例えば、電圧指令値ベクトルの位相が120[deg]の場合、電圧指令値ベクトルはw相と同方向である。
但し、電圧指令値ベクトルの位相がゼロ以外の場合、上記(5)式で定義した位相角φは、上記(10)式で示す値とは異なるものとなる。このため、電圧指令値ベクトルの位相がゼロ以外の場合、位相同期演算部40の処理において、適宜の補正が必要である。
以上説明したように、実施の形態1に係る電圧制御部によれば、電圧指令値ベクトルの位相がモータの何れかの相と同一又は逆の方向となるような直流の電圧指令値を演算して出力する。これにより、インバータの出力電圧を所望の値にするための電圧指令値の補正が容易になる。結果的に、モータ電流を適切な大きさに制御することができるので、ロータの回転位置及び回転周波数の推定精度を高めることができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、図1に示した脈動抽出部30及び位相同期演算部40の詳細な構成及び動作について説明する。
図5は、実施の形態2に係る脈動抽出部30の構成を示すブロック図である。実施の形態2に係る脈動抽出部30は、図5に示すように、同一の特性を有する2つのハイパスフィルタ(High Pass Filter:HPF)301,302を有する。ハイパスフィルタ301,302には、静止座標系の二相電流であるα軸電流20a及びβ軸電流20bがそれぞれ入力されている。
α軸電流20a及びβ軸電流20bに含まれる直流成分が除去されるのに要する時間は、ハイパスフィルタ301,302のカットオフ周波数に依存する。カットオフ周波数が高いほど、直流成分の除去に要する時間が短く、後述する位相同期演算部40による推定演算を速やかに開始することができる。但し、抽出しなければならない脈動電流の周波数は、ロータ2aの回転周波数と連動して変化する。このため、カットオフ周波数が高すぎると、脈動電流の振幅までもが減衰されてしまい、S/N比が低下する可能性があるので、設計においては、注意を要する。
次に、位相同期演算部40について説明する。図6は、実施の形態2に係る位相同期演算部40の構成を示すブロック図である。実施の形態2に係る位相同期演算部40は、図6に示すように、位相誤差演算部401、増幅器402及び積分器403を有する。
位相誤差演算部401には、α軸脈動電流30a(iα1)、β軸脈動電流30b(iβ1)、推定脈動位相40a(θ^)が入力される。推定脈動位相40aは、積分器403の出力である。「θ^」という表記は、「θ」における「θ」の文字の上部にハット記号「^」が付されたものの代替表記である。本明細書では、イメージで挿入する数式を除き、当該代替表記を使用する。後述する「ω^」についても同様である。
位相誤差演算部401は、次式に従って位相誤差40f(Δθ)を演算する。
Figure 0007145968000012
増幅器402は、位相誤差40f(Δθ)を増幅して推定脈動周波数40b(ω^)を出力する。増幅器402は、図6にも表記するように比例積分(Proportional Integral:PI)を行うPI制御器を用いるのが好適である。
積分器403は、推定脈動周波数40bを積分し、その積分値を推定脈動位相40aとして出力する。推定脈動位相40aは、位相誤差演算部401へとフィードバックされる。
上記(12)式において、2θ>θ^のとき、Δθは正となるので、推定脈動周波数ω^及び推定脈動位相θ^は、増加する方向へ修正される。逆に、2θ<θ^のとき、Δθは負となるので、推定脈動周波数ω^及び推定脈動位相θ^は、減少する方向へ修正される。最終的には、2θ=θ^となり、脈動電流の位相及び周波数が推定される。このように、位相同期演算部40は、位相同期ループ(Phase Locked Loop:PLL)の形態をとる。
ところで、実施の形態1のように、電圧指令値ベクトルの位相をゼロとした場合、図4にも示されるように、β軸電流20bの平均値(iβ0)はゼロとなる。従って、一見すると、β軸電流20bからβ軸脈動電流30b(iβ1)を抽出するのに、ハイパスフィルタ302を用いる必要がないようにも考えられる。しかしながら、α軸とβ軸とで、脈動電流抽出のためのフィルタ処理の有無及び特性に違いがあると、抽出される脈動電流の振幅及び位相が、α軸とβ軸とで異なってしまうこととなる。従って、電圧指令値ベクトルの位相に関わらず、2つのハイパスフィルタ301,302が必要である。また、両者は同一の特性であることが望ましい。なお、ここで言う、同一の特性とは、物理的な特性が完全同一であることを意味するものではなく、同一の特性となることを期待して設計及び構成されていることを意味する。
また、α軸脈動電流30a及びβ軸脈動電流30bのうちの何れかを用い、ゼロクロスの間隔から脈動周波数を、ゼロクロスのタイミングから脈動位相を、それぞれ演算する方法も考えられる。しかしながら、検出器4からの信号には、検出器4の回路に入り込むノイズが含まれているので、必ずしも精確なゼロクロスのタイミングが検出できるとは限らない。また、モータ2の高速回転中は、電流が脈動する1周期あたりのサンプリング回数が減るので、ゼロクロスのタイミングの誤差はより顕著となる。更に、モータ2の磁気飽和と空間高調波の影響で脈動電流には低次の高調波が含まれるので、脈動電流がゼロクロスするタイミングと、ロータ2aの位置との関係は、より複雑なものとなる。
これに対し、実施の形態2に係る位相同期演算部40は、フィードバック経路を含むPLLに相当する回路で構成される。PLLに相当する回路を図6のように構成したとき、推定脈動位相40aを得るまでの経路に積分器403を含むことから、検出器4の信号経路に混入するノイズの影響を受けにくい。また、推定脈動位相40aは、真の脈動位相に追従するよう連続的に演算が行われる。このため、仮に電流が脈動する1周期当たりのサンプリング回数が少ない場合でも、離散化に起因する誤差の補正が容易である。更に、磁気飽和、空間高調波などの外乱が脈動電流に混入した場合にも、平均的には推定脈動位相が真の位相に収束する。
以上説明したように、実施の形態に係る脈動抽出部30は、静止座標系の二相電流から直流成分を除去して脈動電流を出力する2つのハイパスフィルタを有する。2つのハイパスフィルタは、同一の特性である。また、実施の形態2に係る位相同期演算部は、脈動電流と推定脈動位相とに基づいて位相誤差を演算する位相誤差演算部と、位相誤差を増幅して推定脈動周波数を出力する増幅器と、推定脈動周波数を積分して推定脈動位相として出力する積分器と、を有する。これにより、種々の外乱の影響を受けにくくなるので、ロータの回転位置及び回転周波数を高精度に推定することができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、インバータ1を起動するときの、動作モードの切り替えについて説明する。
まず、実施の形態2で述べた通り、脈動抽出部30で静止座標系の二相電流から直流成分を除去するには、ハイパスフィルタのカットオフ周波数に応じた時間を要する。
また、位相同期演算部40へ入力される信号に直流成分が残留しているうちは、推定脈動周波数が収束しない。直流成分が残留しているうちに、位相同期演算部40の増幅器402と、積分器403とが演算を開始していると、推定脈動周波数40b(ω^)及び推定脈動位相40a(θ^)が不正確な値へ発散又は振動してしまう。これにより、結果的に初期推定に要する時間が長くなってしまう。従って、増幅器402及び積分器403の演算は、インバータ1が通電を開始してから、所要の時間が経過した時点で開始するのが望ましい。
そこで、実施の形態3に係る位相同期演算部41は、図7に示すような構成とする。図7は、実施の形態3に係る位相同期演算部41の構成を示すブロック図である。図7を図6と比較すると、図7には増幅器402のゲインの切り替えを制御するゲイン切り替え信号40cが追加されている。
図7の位相同期演算部41では、インバータ1が通電を開始した直後は増幅器402の増幅率を表すゲインをゼロとしておき、インバータ1が通電を開始してから第1の時間が経過した後に、増幅器402のゲインをゼロ以外の値、即ちゼロより大きい値へと切り替える。増幅器402のゲインがゼロのとき、どのような位相誤差40fが増幅器402へ入力されたとしても、推定脈動周波数40bはゼロのままである。その結果、積分器403の入力もゼロとなり、推定脈動位相40aもゼロのままとなる。
インバータ1が通電を開始してから、増幅器402のゲインが最初に切り替えられるまでの時間は、脈動抽出部30におけるハイパスフィルタ301,302のカットオフ周波数に基づいて決定される。より詳細に説明すると、ハイパスフィルタ301,302のカットオフ周波数が高い場合は、直流成分の除去に要する時間が相対的に短くてよいので、インバータ1が通電を開始してから、比較的短い時間のうちに増幅器402の演算を開始することができる。逆に、ハイパスフィルタ301,302のカットオフ周波数が低い場合は、直流成分の除去に要する時間が相対的に長くなるので、増幅器402の演算を開始するまでに、比較的長い猶予時間を設ける必要がある。
ところで、増幅器402が演算を開始してから、推定脈動位相40aが真値に近い第1の値へ収束するまでの間は、増幅器402のゲインが相対的に大きくなければならない。一方、推定脈動位相40aが、一旦、第1の値へ到達してからは、それほど大きなゲインを必要としない。必要な増幅器402のゲインは、上記(12)式に示した位相誤差の定義式において、sin(2θ-θ^)≒2θ-θ^の近似が成立するか否かに依存している。つまり、脈動電流の位相の真値である2θと、推定脈動位相θ^とが、概ね近づいた状態では、推定脈動位相θ^を真値2θへ追従させるのに必要なゲインは相対的に小さくなる。逆に、真値2θと推定脈動位相θ^との乖離が大きいときは、推定脈動位相θ^を真値2θへ収束させるのに、相対的に大きなゲインが必要となる。
一方、実施の形態2で述べたように、α軸脈動電流30a及びβ軸脈動電流30bには、モータ2の空間高調波と、モータ2の磁気飽和の影響により、低次の高調波成分が含まれている。このような高調波も増幅器402によって増幅されるので、推定脈動位相θ^は僅かに振動的になる。推定脈動位相θ^が振動的であると、推定結果をホールドするタイミングによっては真値との誤差が大きくなってしまう可能性がある。従って、初期推定の精度を高めるという観点では、増幅器402のゲインは最小限であることが望ましい。
従って、図7の位相同期演算部41においては、インバータ1が通電を開始してから第2の時間が経過したのちに、増幅器402のゲインが小さくなる方向へ特性が切り替えられる。第2の時間は、第1の時間よりも長い時間である。但し、切り替えられた後のゲインは、ゼロよりも大きいものとする。
なお、増幅器402に複数の定数を保持させておいて、ゲイン切り替え信号40cに基づいて何れかの定数を選択する方法でもよい。また、ゲイン切り替え信号40c自体が、増幅器402のゲインを決定する定数そのものを含む信号であってもよい。
次に、増幅器402のゲインを時間経過に応じて切り替えていくときの動作について、図8を用いて説明する。図8は、実施の形態3に係る増幅器のゲインを切り替える動作の説明に供する図である。
図8には、増幅器402のゲイン切替時における各種の波形例が示されている。より詳細に説明すると、図8の第1段目には、u相電流が一点鎖線で示され、v相電流が破線で示され、w相電流が実線で示されている。図8の第2段目には、α軸電流が実線で示され、β軸電流が破線で示されている。図8の第3段目には、α軸脈動電流が実線で示され、β軸脈動電流が破線で示されている。図8の第4段目には、推定脈動周波数が実線で示され、真の周波数が破線で示されている。図8の第5段目には、推定脈動位相が実線で示され、真の位相が破線で示されている。
図8において、まず時刻t0では、インバータ1が電圧の出力を開始するゲートスタートが行われている。インバータ1がゲートスタートすると、三相電流が流れ始める。このとき、第1段目の波形にも表れているように、直流成分の大きさに比例する脈動電流が重畳する。また、第1段目の三相電流を静止座標系の二相電流に変換したものが、第2段目の波形である。更に、第2段目の二相電流が脈動抽出部30へ入力され、脈動電流が抽出された結果が、第3段目の波形である。
第3段目におけるα軸脈動電流の波形を参照すると、時刻t0から時刻t1までの間において、ある時間の経過後に、直流成分が除去されていることが分かる。時刻t1では、増幅器402のゲインがゼロから正の値へと切り替えられ、位相同期演算部41の推定演算が開始される。時刻t0から時刻t1までの時間が、前述した第1の時間に対応する時間である。推定演算が開始された時点において、二相電流の直流成分は十分に除去されているので、増幅器402のゲインは相対的に高く設定される。このため、推定脈動周波数40b及び推定脈動位相40aは、第4段目及び第5段目の波形にも示されているように、真値に近い値に速やかに収束している。
次に、時刻t2において、増幅器402のゲインが小さくなる方向へ切り替えられる。その結果、推定脈動周波数40b及び推定脈動位相40aの脈動が低減される。時刻t0から時刻t2までの時間が、前述した第2の時間に対応する時間である。最後に、時刻t3において、推定結果がホールドされ、その結果を用いて定常推定のアルゴリズムが開始される。
以上説明したように、実施の形態3に係る位相同期演算部は、インバータが通電を開始してから第1の時間が経過した後に、増幅器のゲインをゼロからゼロより大きい値へと切り替える。これにより、初期推定に要する時間を短縮することができる。また、実施の形態3に係る位相同期演算部は、インバータが通電を開始してから第2の時間が経過した後に、増幅器のゲインを小さくなる方向へ切り替える。これにより、脈動電流に含まれる高調波が増幅される度合いが抑制され、推定結果の精度が向上するという効果が得られる。
実施の形態4.
次に、実施の形態4に係る同期モータの駆動装置について説明する。図9は、実施の形態4に係るモータ駆動装置の構成図である。図9に示すモータ駆動装置101は、図1に示す実施の形態1に係るモータ駆動装置100の構成において、制御器3に補正演算部60を追加したものである。また、補正演算部60の追加により、制御器3は制御器3Aとして示されている。なお、その他の構成については、図1と同一又は同等であり、同一又は同等の構成部には同一の符号を付して、重複する説明は割愛する。
制御器3の脈動抽出部30の出力は、元々の二相電流に含まれている脈動電流と比べて、位相が進んだ状態となっている。位相が進む度合いは、ハイパスフィルタのカットオフ周波数と、脈動電流の周波数、即ちロータ2aの回転周波数に依存する。従って、実施の形態3に係る位相同期演算部41は、脈動の位相が進んだ信号に対して推定演算が行われる。このため、位相同期演算部41の出力を換算して求めたロータ2aの回転位置には、誤差が含まれてくる。以下、実施の形態4では、この誤差を解消するための方法について詳述する。
図9において、補正演算部60は、位相同期演算部41の出力である推定脈動位相40a及び推定脈動周波数40bに基づいて、推定ロータ位相60a及び推定ロータ周波数60bを演算して出力する。
次に、補正演算部60の詳細な構成を、図10を用いて説明する。図10は、実施の形態4に係る補正演算部の構成を示すブロック図である。実施の形態4に係る補正演算部60は、図10に示すように、ローパスフィルタ(Low Pass Filter:LPF)601と、ルックアップテーブル602と、減算器603と、換算部604とを有する。
ローパスフィルタ601は、高域遮断特性を有し、推定脈動周波数40bを平滑化して平滑化脈動周波数60dを出力する。ルックアップテーブル602は、平滑化脈動周波数60dに基づき、位相補正量60eを出力する。減算器603は、推定脈動位相40aから位相補正量60eを減算し、その減算結果を補正後脈動位相60cとして出力する。換算部604は、補正後脈動位相60cを定数で換算して推定ロータ位相60aとし、平滑化脈動周波数60dを定数で換算して推定ロータ周波数60bとする。
推定脈動周波数40bは、モータ2の磁気飽和と空間高調波の影響により脈動している。実施の形態3では、時間経過に応じて増幅器402のゲインを下げる方向へ切り替えることで、この脈動を低減する方法を述べた。しかしながら、ゲインの切り替えによって脈動が完全に除去できるわけではない。このため、更なる精度の改善を図るために、ローパスフィルタ601を用いて推定脈動周波数40bを平滑化する。
ローパスフィルタの種類としては、伝達関数が一時遅れ形式となるフィルタであってもよいし、入力信号を設定時間に渡って平均化する演算であってもよい。なお、ローパスフィルタの高域遮断性能が高いほど、推定脈動周波数40bの脈動を強力に除去できるが、平滑化脈動周波数60dの整定時間が長くなることに注意が必要である。言い換えると、初期推定の目標時間内に、平滑化脈動周波数60dが整定されるように、ローパスフィルタ601の特性を決定しなければならない。ここで、「初期推定の目標時間」とは、インバータ1が通電を開始してから定常推定が開始されるまでの時間である。
また、ルックアップテーブル602は、脈動抽出部30におけるハイパスフィルタ301,302の位相特性に応じて決定される。ルックアップテーブル602は、脈動抽出部30を通過した信号の位相が、信号の周波数に応じてどれだけ変化するかを示すデータを保持している。減算器603において、位相補正量60eは推定脈動位相40aから減算される。これにより、補正後脈動位相60cは、ハイパスフィルタ301,302で処理される前の二相電流の脈動の位相と正確に一致する。
最後に、換算部604の目的を説明する。補正後脈動位相60cと、平滑化脈動周波数60dは、二相電流に重畳する脈動成分の位相及び周波数である。上記(11)式に示される通り、二相電流はロータ2aの回転角θに対して2倍の周波数で脈動している。従って、ロータ2aの回転位置及び回転周波数の情報を得るには、脈動電流の位相及び周波数を、それぞれ0.5倍すればよい。
また、実施の形態4において、推定ロータ位相60a及び推定ロータ周波数60bの単位は、特に限定しない。また、換算部604においては、図示しない定常推定のアルゴリズムの構成に応じて、機械角と電気角との換算、度数法と弧度法との換算などが同時に行われてもよい。
以上説明したように、実施の形態4に係る制御器は、推定脈動周波数を平滑化するローパスフィルタを備える。これにより、推定脈動周波数に含まれる高調波が更に低減され、推定精度が向上する。また、実施の形態4に係る制御器は、ローパスフィルタの出力に基づき位相補正量を参照するルックアップテーブルを備え、ルックアップテーブルを参照して推定脈動位相を位相補正量で補正する。このルックアップテーブルは、脈動抽出部を構成するハイパスフィルタの周波数対位相特性に基づいて決定される。これにより、脈動抽出部での信号の位相進みが補正され、精確な脈動電流の位相が求められる。これにより、精度のよいロータの回転位置の情報が得られる。
なお、実施の形態4では、推定脈動周波数を平滑化し、ルックアップテーブルを用いて推定脈動位相を補正する方法を実施の形態3に適用した例を説明したが、これに限定されない。同様の補正を実施の形態2にも適用してもよく、同様の効果が得られる。
また、実施の形態1から4では、モータ2はSynRMであると仮定して説明して来たが、別の種類のモータを用いてもよい。例えば、モータ2は、埋め込み型永久磁石同期モータ(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor:IPMSM)であってもよい。前述の通り、実施の形態1から4では、回転中のモータ2へ直流電圧を印加したときに、突極性に起因してモータ電流に2倍周波数の脈動が生じることを利用して、ロータ2aの回転位置及び回転周波数の情報が推定される。従って、マグネットトルクだけでなくリラクタンストルクをも得られるように設計されたIPMSMであれば、実施の形態1から4による初期推定のアルゴリズムが応用できる。
実施の形態5.
次に、実施の形態4の制御器3Aにおける演算機能を実現するためのハードウェア構成について、図11及び図12の図面を参照して説明する。図11は、実施の形態4の制御器における演算機能を実現するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図12は、実施の形態4の制御器における演算機能を実現するハードウェア構成の別の例を示すブロック図である。
実施の形態4の制御器3Aにおける演算機能の一部又は全部をソフトウェアで実現する場合には、図11に示されるように、演算を行うプロセッサ90、プロセッサ90によって読みとられるプログラムが保存されるメモリ91、及び信号の入出力を行うインタフェース92を含む構成とすることができる。
プロセッサ90は、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)といった演算手段であってもよい。また、メモリ91には、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)といった不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)を例示することができる。
メモリ91には、制御器3Aにおける演算機能の全部又は一部を実行するプログラムが格納されている。プロセッサ90は、インタフェース92を介して必要な情報を授受し、メモリ91に格納されたプログラムをプロセッサ90が実行することにより、インバータ1のPWM制御及び、モータ2の回転位置及び回転周波数を推定する初期推定を行うことができる。
また、図11に示すプロセッサ90及びメモリ91は、図12のように処理回路93に置き換えてもよい。処理回路93は、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
以上の通り、実施の形態5では、実施の形態4の制御器3Aの演算機能を実現するためのハードウェア構成について説明したが、これに限定されない。実施の形態1から実施の形態3の制御器3についても、同様のハードウェア構成で実現できることは言うまでもない。
また、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 インバータ、2 モータ、2a ロータ、3,3A 制御器、4 検出器、10A,10B,10C レグ、10a トランジスタ、10b ダイオード、12,13,14 接続点、20 座標変換部、20a α軸電流、20b β軸電流、30 脈動抽出部、301,302 ハイパスフィルタ、30a α軸脈動電流、30b β軸脈動電流、40,41 位相同期演算部、401 位相誤差演算部、402 増幅器、403 積分器、40a 推定脈動位相、40b 推定脈動周波数、40c ゲイン切り替え信号、40f 位相誤差、50 電圧制御部、60 補正演算部、601 ローパスフィルタ、602 ルックアップテーブル、603 減算器、604 換算部、60a 推定ロータ位相、60b 推定ロータ周波数、60c 補正後脈動位相、60d 平滑化脈動周波数、60e 位相補正量、90 プロセッサ、91 メモリ、92 インタフェース、93 処理回路、100,101 モータ駆動装置、110 電力源。

Claims (10)

  1. 突極性を有する同期モータを駆動するインバータと、
    前記インバータの動作状態を制御する制御器と、
    前記同期モータの相電流を検出する検出器と、
    を備え、
    前記制御器は、
    前記インバータの出力電圧を決定する電圧制御部と、
    前記相電流を静止座標系の二相電流へ変換する座標変換部と、
    前記二相電流から脈動電流を抽出する脈動抽出部と、
    前記脈動電流の周波数及び位相を推定演算する位相同期演算部と、
    を備え、
    前記電圧制御部は、前記相電流の何れもゼロとならない電圧指令値を出力する、
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記電圧指令値は、直流電圧である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記電圧指令値の電圧ベクトルの方向は、前記同期モータの何れかの相と同一又は逆の方向である、
    ことを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記脈動抽出部は、前記二相電流の直流成分を除去する2つのハイパスフィルタを有し、
    2つの前記ハイパスフィルタは同一の特性である、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記位相同期演算部は、
    前記脈動電流と推定脈動位相とに基づいて位相誤差を演算する位相誤差演算部と、
    前記位相誤差を増幅して推定脈動周波数を出力する増幅器と、
    前記推定脈動周波数を積分して前記推定脈動位相として出力する積分器と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記インバータが通電を開始してから第1の時間が経過した後に、前記増幅器のゲインをゼロからゼロより大きい値へと切り替える、
    ことを特徴とする請求項5に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記インバータが通電を開始してから第2の時間が経過した後に、前記増幅器のゲインを小さくなる方向へ変更する、
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載のモータ駆動装置。
  8. 前記制御器は、
    前記推定脈動周波数を平滑化するローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタの出力に基づいて位相補正量を参照するルックアップテーブルと、
    を備え、
    前記位相補正量により前記推定脈動位相を補正して推定ロータ位相とし、前記ローパスフィルタの出力を定数倍したものを推定ロータ周波数とする、
    ことを特徴とする請求項5から7の何れか1項に記載のモータ駆動装置。
  9. 前記ルックアップテーブルは、前記ハイパスフィルタの周波数対位相特性に基づいて決定される、
    ことを特徴とする請求項8に記載のモータ駆動装置。
  10. 前記電圧制御部は、前記インバータの起動時に実行され、前記同期モータの回転位置及び周波数の推定が行われる初期推定の期間において、複数の前記相電流の何れもゼロとならない電圧指令値を出力する
    ことを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載のモータ駆動装置。
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