JP7226211B2 - インバータ装置及びインバータ装置の制御方法 - Google Patents

インバータ装置及びインバータ装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、インバータ装置及びインバータ装置の制御方法に関する。
一般に、インバータ装置によって制御される永久磁石同期電動機であるPMSM(Permanent Magnet Synchronous Motor)を高効率で運転するためには、ベクトル制御が用いられる。
ここで、ベクトル制御には、回転子位置情報が必要である。
しかしながら、回転子位置情報を得るためには、回転子位置センサをPMSMのモータ軸に取り付けて配線を接続することを要し、耐環境性及び省スペース化の観点から回転子位置センサの適用が困難な場合がある。
他方で、回転子位置情報が不要なPMSMの簡便な制御方法として、V/f制御が知られている。
V/f制御は、インバータ装置の出力電圧の振幅と周波数との比を一定とする制御方法である。
V/f制御では、ベクトル制御よりも演算量が少ない。
そのため、インバータ装置の制御部を低コストのマイコンにより実現することができる。
従来技術の一例であり、V/f制御を行う技術を例示する特許文献1には、直流電力を交流電力に変換するインバータにより、回転子位置を検出する手段を持たない永久磁石同期電動機を駆動するモータ駆動装置であって、インバータの出力電圧の大きさとその周波数との比がほぼ一定となるように制御するモータ駆動装置において、インバータの直流母線に流れる電流の平均値を検出するローパスフィルタと、このローパスフィルタにより検出した電流の平均値から、d‐q座標系における電流のq軸成分であるトルク電流を検出するトルク電流検出手段と、検出したトルク電流をトルク電流指令値に一致させるようにインバータの出力電圧の大きさを調整するための減算器及びPI調節手段と、を備えるモータ駆動装置が開示されている。
特開2012-55126号公報
PMSMの制御においては、回転子に設けられた磁石の磁束の発生方向がd軸方向であると定義され、このd軸と直交する誘起電圧の発生方向がq軸方向であると定義される。
q軸方向に流れるq軸方向電流iqはトルクに寄与するため有効電力を発生させ、q軸方向電流iqと直交するq軸方向に流れるd軸方向電流idが無効電力を発生させる。
したがって、d軸方向電流id=0となるように制御すると、最大トルク及び最大電流が得られ、モータの銅損を最小に抑えることができる。
しかしながら、従来技術によれば、トルク電流指令値の算出を要するため、制御演算処理が複雑になる、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、V/f制御において簡素な制御構成でd軸方向電流を抑え、好ましくは0にすることが可能な技術を提供することを目的とする。
上述の課題を解決して目的を達成する本発明は、永久磁石同期電動機をV/f制御により駆動するインバータ装置であって、γ軸の電圧指令及びδ軸の補正後電圧指令をα‐β軸の電圧指令に座標変換し、前記α‐β軸の前記電圧指令と、前記α‐β軸の電流検出値と、に基づいて回転子位置推定値を算出し、前記回転子位置推定値からd軸電流推定値を算出し、前記d軸電流推定値をP演算、PI演算及びPID演算のいずれか一つにより演算することで電圧補償量指令を算出し、δ軸の電圧指令に前記電圧補償量指令を加算することで前記δ軸の補正後電圧指令を生成し、前記γ軸の電圧指令と前記δ軸の補正後電圧指令に基づいた前記α‐β軸の前記電圧指令に基づいてスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成する、インバータ装置である。
上記構成の本発明において、前記回転子位置推定値が、下記の式(7)から式(13)に基づいて算出されることが好ましい。
Figure 0007226211000001
Figure 0007226211000002
Figure 0007226211000003
Figure 0007226211000004
Figure 0007226211000005
Figure 0007226211000006
Figure 0007226211000007
ただし、vα:α軸の電圧指令、vβ:β軸の電圧指令、iα:α軸の電流検出値、iβ:β軸の電流検出値、R:巻線抵抗値、L:モータインダクタンス値、s:ラプラス演算子、ωc:ローパスフィルタの遮断周波数、ω:回転角周波数指令である。
又は、本発明は、永久磁石同期電動機をV/f制御により駆動するインバータ装置の制御方法であって、γ軸の電圧指令及びδ軸の補正後電圧指令をα‐β軸の電圧指令に座標変換すること、前記α‐β軸の前記電圧指令と、前記α‐β軸の電流検出値と、に基づいて回転子位置推定値を算出すること、前記回転子位置推定値からd軸電流推定値を算出すること、前記d軸電流推定値をP演算、PI演算及びPID演算のいずれか一つにより演算することで電圧補償量指令を算出すること、δ軸の電圧指令に前記電圧補償量指令を加算することで前記δ軸の補正後電圧指令を生成すること、及び前記γ軸の電圧指令と前記δ軸の補正後電圧指令に基づいた前記α‐β軸の前記電圧指令に基づいてスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成することを含む、インバータ装置の制御方法である。
本発明によれば、V/f制御において簡素な制御構成でd軸方向電流を抑え、好ましくは0にすることができる、という効果を奏する。
図1は、PMSMの座標系を示す図である。 図2は、V/f制御におけるインバータ装置が出力する出力電圧と、モータのd‐q軸方向との関係を示す図である。 図3は、実施形態に係るインバータ装置を含むシステム構成を示す図である。 図4は、V/f制御におけるインバータ装置が出力する出力電圧と、δ軸と、γ軸と、モータのd‐q軸と、を示す図である。 図5は、電流と、δ軸と、γ軸と、d‐q軸と、を示す図である。 図6は、実施形態に係るインバータ装置の詳細を示したブロック図を含むシステム構成を示す図である。 図7(A)は、実施形態に係るインバータ装置を適用した場合のd‐q軸の検出電流波形のシミュレーション結果を示す図であり、図7(B)は、実施形態に係るインバータ装置を適用していない場合のd‐q軸の検出電流波形のシミュレーション結果を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
ただし、本発明は、以下の実施形態の記載によって限定解釈されるものではない。
<実施形態1>
図1は、PMSMの座標系を示す図である。
図1に示す座標系では、PMSMの運転時にδ軸方向に相電圧の空間ベクトルが向くように設定されている。
図2は、V/f制御におけるインバータ装置が出力する出力電圧V1と、モータのd‐q軸方向との関係を示す図である。
V/f制御では、位相差θreで表される回転子位置が不明である。
そのため、V/f制御では、図2に示すようにインバータ装置が出力する出力電圧V1の方向と、モータのq軸方向とが一致しない。
したがって、d軸方向電流id≠0であるためd軸方向に電流が流れ、これが無効電力を発生させ、インバータ装置の電力効率を低下させる。
図3は、本実施形態に係るインバータ装置を含むシステム構成を示す図である。
図3には、電圧指令演算部11と、インバータ部12と、PMSM13と、電圧補償量指令演算部14と、回転子位置推定部15と、加算器16と、が示されている。
電圧指令演算部11には、図示しない制御部からの回転角周波数指令ωが入力され、電圧指令演算部11は、δ軸の電圧指令vδ及びγ軸の電圧指令vγを出力する。
ここで、一般に、V/f制御では、γ軸の電圧指令vγは、vγ=0に設定され、δ軸の電圧指令vδは、回転角周波数指令ωに比例する値に設定される。
インバータ部12には、δ軸の補正後電圧指令vδ’及びγ軸の電圧指令vγが入力され、インバータ部12は、PMSM13に三相電圧を出力する。
ここで、δ軸の補正後電圧指令vδ’は、加算器16によって、δ軸の電圧指令vδに電圧補償量指令Vcmdが加算されたものである。
インバータ部12は、δ軸の補正後電圧指令vδ’及びγ軸の電圧指令vγに基づいて三相電圧指令vuvwを生成し、三相電圧指令vuvwと三角波状のキャリア信号との比較を行い、この比較した結果に基づいてインバータ部12内のスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成することで、所定の振幅及び所定の周波数の三相電圧をPMSM13に出力する。
電圧補償量指令演算部14には、回転子位置推定部15が出力し、位相差に相当する回転子位置推定値θre^が入力され、電圧補償量指令演算部14は、回転子位置推定値θre^に基づいて生成した電圧補償量指令Vcmdを出力する。
なお、ここで、回転子位置推定値θre^は、θreにサーカムフレックスが付けられたものである。
回転子位置推定部15は、α‐β軸の電圧指令、すなわちα‐β軸電圧指令vαβ及びα‐β軸の電流検出値、すなわちα‐β軸電流検出値iαβに基づいて回転子位置推定値θre^を算出する。
<d軸方向電流idの制御>
V/f制御では、同一の周波数において、インバータ装置の出力電圧V1の大きさにより電流位相を変化させることが可能である。
ここで、V/f制御における出力電圧V1の方向をδ軸方向とし、δ軸方向と直交する軸をγ軸方向とする。
図4は、V/f制御におけるインバータ装置が出力する出力電圧V1と、δ軸と、γ軸と、モータのd‐q軸との関係を示す図である。
図4に示す所定の負荷角においては、電流I1が流れる。
図4に示す電流I1をd‐q軸の座標系に分解すると、d軸方向にはd軸方向電流idが流れるため、無効電力が発生する。
そこで、この無効電力を抑えるために、出力電圧V1に対して電圧補償量ΔVを加算し、補償量加算後出力電圧V2=V1+ΔVとする。
そして、補償量加算後出力電圧V2により流れる電流を電流I2とする。
図5は、電流I2と、δ軸と、γ軸と、d‐q軸と、を示す図である。
図5に示す電流I2の方向は、モータのq軸方向と一致している。
そのため、d軸方向電流id=0となり、このときにV/f制御における最大トルク及び最大電流が得られ、モータの銅損を最小に抑えることができる。
従って、d軸方向電流id=0となる出力電圧V2が得られるように、電圧補償量ΔVを算出する。
<電圧補償量ΔV>
図6は、本実施形態に係るインバータ装置の詳細を示したブロック図を含むシステム構成を示す図である。
図6には、インバータ部12と、PMSM13と、電圧補償量指令演算部14と、回転子位置推定部15と、加算器16と、が示されている。
図6に示すインバータ部12は、座標変換器120と、三相二相変換器121と、二相三相変換器122と、PWM回路及びインバータ123と、電流検出器124と、を備える。
座標変換器120には、γ‐δ軸の電圧指令、すなわちδ軸の補正後電圧指令vδ’及びγ軸の電圧指令vγが入力され、座標変換器120は、座標変換を行って、α‐β軸の電圧指令、すなわちα‐β軸電圧指令vαβを出力する。
α‐β軸電圧指令vαβは、α軸の電圧指令vα及びβ軸の電圧指令vβを含む。
三相二相変換器121には、三相電流検出値iuvwが入力され、三相二相変換器121は、三相電流検出値iuvwをα‐β軸の座標系に変換することで、α‐β軸電流検出値iαβを出力する。
三相電流検出値iuvwは、U相電流検出値iu、V相電流検出値iv及びW相電流検出値iwを含む。
α‐β軸電流検出値iαβは、α軸電流検出値iα及びβ軸電流検出値iβを含む。
二相三相変換器122には、α‐β軸電圧指令vαβが入力され、二相三相変換器122は、α‐β軸電圧指令vαβを三相の座標系に変換することで、三相電圧指令vuvwを出力する。
PWM回路及びインバータ123には、三相電圧指令vuvwが入力され、PWM回路及びインバータ123は、三相電圧指令vuvwと三角波状のキャリア信号との比較を行い、この比較した結果に基づいてPWM回路及びインバータ123内のスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成することで、所定の振幅及び所定の周波数の三相電圧をPMSM13に出力する。
電流検出器124は、PWM回路及びインバータ123の出力側とPMSM13との間に配されており、三相電流検出値iuvwを検出して出力する。
図6に示す電圧補償量指令演算部14は、三相二相変換器140と、PI(Proportional-Integral)制御器141と、を備える。
三相二相変換器140には、三相電流検出値iuvw及び回転子位置推定値θre^が入力され、三相二相変換器140は、三相電流検出値iuvwをd‐q軸の座標系に変換することで、d軸電流推定値id^を出力する。
換言すると、三相二相変換器140は、三相電流検出値iuvw及び回転子位置推定値θre^からd軸電流推定値id^を算出する。
なお、ここで、d軸電流推定値id^は、idにサーカムフレックスが付けられたものである。
PI制御器141には、d軸電流推定値id^及びd軸電流目標値id*=0が入力され、PI制御器141は、PI演算により電圧補償量指令Vcmdを出力する。
図6に示す回転子位置推定部15は、乗算器150と、減算器151と、ローパスフィルタ152と、位相補正器153と、乗算器154と、減算器155と、逆正接器156と、を備える。
乗算器150には、α‐β軸電流検出値iαβが入力され、乗算器150は、巻線抵抗値Rを乗算して出力する。
減算器151は、α‐β軸電圧指令vαβから巻線抵抗値Rとα‐β軸電流検出値iαβとの乗算値を減算して出力する。
ローパスフィルタ152は、減算器151の出力に対して疑似積分を行い、その結果を出力する。
位相補正器153は、ローパスフィルタ152の出力に対して位相補正を行い、その結果を出力する。
乗算器154には、α‐β軸電流検出値iαβが入力され、乗算器154は、モータインダクタンス値Lを乗算して出力する。
減算器155は、位相補正器153の出力から乗算器154の出力を減算して出力する。
逆正接器156は、位相補正後の固定子磁束λ’αβの逆正接をとることで、回転子位置推定値θre^を出力する。
PI制御系を構成するPI制御器141には、d軸電流推定値id^及びd軸電流目標値id*=0が入力され、PI制御器141は、電圧補償量指令Vcmdを出力する。
そして、加算器16によって、電圧補償量指令Vcmdがδ軸の電圧指令vδに加算されることで、フィードバック制御が実現されている。
なお、PI制御器141に代えて、P(Proportional)演算を行うP制御器又はPID(Proportional-Integral-Differential)演算を行うPID制御器が設けられていてもよい。
<d軸方向電流idの推定>
d軸方向電流idの推定には、回転子位置情報が必要である。
回転子位置情報を推定する位置推定の原理は、以下に説明する通りである。
一般に、モータの制御においては、制御の簡素化のために対称三相交流を等価な二相交流に変換した、固定座標系である二相座標系が用いられる。
ここで、U相方向の軸をα軸とし、α軸と直交する軸をβ軸とすると、α‐β軸の座標系におけるPMSM13の数式モデルは、巻線抵抗値R、モータインダクタンス値L、微分演算子p、固定座標軸上で定義された磁束ベクトルλを用いると、下記の式(1)で表される。
Figure 0007226211000008
また、回転子磁極位置θは、下記の式(2)に示すように固定座標軸上の磁束で表される。
Figure 0007226211000009
そして、上記の式(1)により、磁束ベクトルλは、以下の式(3),(4)の通り推定される。
Figure 0007226211000010
Figure 0007226211000011
しかしながら、純粋な積分では電圧誤差及び電流計測値の直流オフセットの影響により、初期値が収束しない。
そこで、ここでは、まず、式(3),(4)のLiα、Liβを含まない下記の式(5)及び式(6)を算出する。
Figure 0007226211000012
Figure 0007226211000013
そして、上記の式(5),(6)に対して下記の式(7),(8)に示すローパスフィルタを用いて、入力オフセットを低減させるため、分子を1とした疑似的な積分を行う。
Figure 0007226211000014
Figure 0007226211000015
なお、上記の式(7),(8)は、ローパスフィルタ152の出力を表す。
また、上記の式(7),(8)は、低周波における位相特性が、純粋な積分特性と異なる。
そのため、下記の式(9),(10)により位相誤差Δθeを算出し、式(7),(8)のφ’α及びφ’βに対して回転座標変換を施すことで位相補正が行われる。
なお、ここで、ローパスフィルタの遮断周波数ωc及び回転角周波数指令ωを用いる。
回転角周波数指令ωは、図2に示す電圧指令演算部11の入力信号である。
Figure 0007226211000016
Figure 0007226211000017
更には、下記の式(11),(12)によって、位相補正後の固定子磁束λ’αβ、すなわち、λ’α,λ’βを算出する。
Figure 0007226211000018
Figure 0007226211000019
そして、上記の式(11),(12)による位相補正後の固定子磁束λ’αβにより、回転子位置情報である回転子位置推定値θre^が下記の式(13)により算出される。
Figure 0007226211000020
そして、上記の式(13)により算出した回転子位置推定値θre^を用いて、下記の式(14),(15)により、三相電流検出値iuvwをd‐q軸の座標系に変換することで、d軸電流推定値id^を算出する。
Figure 0007226211000021
Figure 0007226211000022
ここで、回転子位置推定値θre^を式(14)のθに代入する。
そして、下記の式(16)に示すように、周波数指令fcmdの積分により出力電圧位相θvfを推定する。
Figure 0007226211000023
ここで、fcmd=ω/2πは周波数指令であり、sはラプラス演算子である。
次に、出力電圧位相θvfとV/f制御軸上の回転座標系であるγ‐δ軸の電圧指令vγ,vδから固定座標軸上の電圧指令vα,vβを算出する。
なお、図1に示すように、出力電圧位相θvfは、固定座標α-β軸と回転座標γ-δ軸との位相差である。
また、上記の式(1)に示す数式モデルに従って固定子磁束を推定し、上記の式(13)により回転子位置情報である回転子位置推定値θre^が算出される。
そして、U相電流検出値iu、V相電流検出値iv及びW相電流検出値iwを回転子位置推定値θre^により座標変換することで、d軸電流推定値id^が算出される。
以上説明したように、V/f制御においてd軸方向電流を抑え、好ましくは0にすることができる。
そのため、無効電力を抑え、好ましくは0にすることができ、インバータ装置の電力効率の低下を抑え、又は防止することができる。
更には、トルク電流指令値の算出が不要であるため、簡素な制御構成とすることができる。
図7(A)は、本実施形態に係るインバータ装置を適用した場合のd‐q軸の検出電流波形のシミュレーション結果を示す図である。
図7(B)は、本実施形態に係るインバータ装置を適用していない場合のd‐q軸の検出電流波形のシミュレーション結果を示す図である。
図7(B)については、フィードバック制御を行っていない点のみが、図7(A)と異なる。
なお、PMSM13の定格出力は1500kWとし、これに対して460Hzの周波数指令が出力される設定とした。
図7(A)においては、定格出力時の定常状態でd軸方向電流id=0Aである。
図7(B)においては、定格出力時の定常状態でd軸方向電流id=75Aである。
なお、図7(A),(B)に示す電流波形については、位置センサを用いて算出したd‐q軸の実電流である。
このように、本実施形態に係るインバータ装置によればd軸方向電流を抑え、好ましくは0にすることができる。
そのため、無効電力を抑え、好ましくは0にすることができ、インバータ装置の電力効率の低下を抑え、又は防止することができる、ということがシミュレーション結果においても実証されたといえる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、上述した構成に対して、構成要素の付加、削除又は転換を行った様々な変形例も含むものとする。
11 電圧指令演算部
12 インバータ部
120 座標変換器
121 三相二相変換器
122 二相三相変換器
123 PWM回路及びインバータ
124 電流検出器
13 PMSM
14 電圧補償量指令演算部
140 三相二相変換器
141 PI制御器
15 回転子位置推定部
150 乗算器
151 減算器
152 ローパスフィルタ
153 位相補正器
154 乗算器
155 減算器
156 逆正接器
16 加算器

Claims (3)

  1. 永久磁石同期電動機をV/f制御により駆動するインバータ装置であって、
    γ軸の電圧指令及びδ軸の補正後電圧指令をα‐β軸の電圧指令に座標変換し、
    前記α‐β軸の前記電圧指令と、前記α‐β軸の電流検出値と、に基づいて回転子位置推定値を算出し、
    前記回転子位置推定値からd軸電流推定値を算出し、
    前記d軸電流推定値をP演算、PI演算及びPID演算のいずれか一つにより演算することで電圧補償量指令を算出し、
    δ軸の電圧指令に前記電圧補償量指令を加算することで前記δ軸の補正後電圧指令を生成し、
    前記γ軸の電圧指令と前記δ軸の補正後電圧指令に基づいた前記α‐β軸の前記電圧指令に基づいてスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成する、インバータ装置。
  2. 前記回転子位置推定値が、下記の式(7)から式(13)に基づいて算出される、インバータ装置。
    Figure 0007226211000024
    Figure 0007226211000025
    Figure 0007226211000026
    Figure 0007226211000027
    Figure 0007226211000028
    Figure 0007226211000029
    Figure 0007226211000030
    ただし、vα:α軸の電圧指令、vβ:β軸の電圧指令、iα:α軸の電流検出値、iβ:β軸の電流検出値、R:巻線抵抗値、L:モータインダクタンス値、s:ラプラス演算子、ωc:ローパスフィルタの遮断周波数、ω:回転角周波数指令である。
  3. 永久磁石同期電動機をV/f制御により駆動するインバータ装置の制御方法であって、
    γ軸の電圧指令及びδ軸の補正後電圧指令をα‐β軸の電圧指令に座標変換すること、
    前記α‐β軸の前記電圧指令と、前記α‐β軸の電流検出値と、に基づいて回転子位置推定値を算出すること、
    前記回転子位置推定値からd軸電流推定値を算出すること、
    前記d軸電流推定値をP演算、PI演算及びPID演算のいずれか一つにより演算することで電圧補償量指令を算出すること、
    δ軸の電圧指令に前記電圧補償量指令を加算することで前記δ軸の補正後電圧指令を生成すること、及び
    前記γ軸の電圧指令と前記δ軸の補正後電圧指令に基づいた前記α‐β軸の前記電圧指令に基づいてスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成することを含む、インバータ装置の制御方法。

JP2019171207A 2019-09-20 2019-09-20 インバータ装置及びインバータ装置の制御方法 Active JP7226211B2 (ja)

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