JP2004061217A - 電流検出装置とその方法及び電動機装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コアレスセンサにより適切に電流を検出し、小型化、構成の簡略化をすることのできる電流検出装置とその方法及び電動機制御装置を提供する。
【解決手段】バッテリ110から入力された直流電力は、インバータ130でPWM処理されて3相電力に変換され、バスパー140を介してモータ160に印加される。この3相電力は、コアレス電流センサで検出され、電流値補正部182で補正される。電流値補正部182は、まずインバータ・モータ間バスパー140の中央のv相の電流値を、検出された電流値に所定のゲインを乗ずることにより補正し、次に、両側のu,w相の電流値を、検出した電流値から、位相関係に基づいてマップ等を参照して決める係数Bをv相の電流値に乗じて求めたv相の影響分を減算することによって補正する。補正された電流値に従ってコントローラ180が制御信号を生成し、インバータ130を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】バッテリ110から入力された直流電力は、インバータ130でPWM処理されて3相電力に変換され、バスパー140を介してモータ160に印加される。この3相電力は、コアレス電流センサで検出され、電流値補正部182で補正される。電流値補正部182は、まずインバータ・モータ間バスパー140の中央のv相の電流値を、検出された電流値に所定のゲインを乗ずることにより補正し、次に、両側のu,w相の電流値を、検出した電流値から、位相関係に基づいてマップ等を参照して決める係数Bをv相の電流値に乗じて求めたv相の影響分を減算することによって補正する。補正された電流値に従ってコントローラ180が制御信号を生成し、インバータ130を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、例えば電気自動車等に用いられる電動機において、供給される電流を検出する電流検出装置と電流検出方法、及び、電流を適切に検出することにより電動機を所望の状態に適切に制御する電気自動車等に適用して好適な電動機装置に関し、特に、装置を小型化することができ、かつ精度良く電流を検出し電動機の制御を適切に行うことができる電流検出装置とその方法及び電動機装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、電気自動車の駆動用の3相交流モータ等に印加される電流を検出する電流検出装置としては、例えば特開平9−304447号公報に記載されている電流検出装置等が知られている。具体的には、例えば前記公報には、3相交流電力の各相の電力供給ライン(バスバー)ごとに、そのバスバーを通すようにコアが設け、このコアに設けられた磁界検出素子(ホール素子)により各バスバーを流れる電流の電流レベルや電流位相を検出するようにした電流検出装置が開示されている。すなわち、流れる電流によって発生する磁束をコアによって集磁し、この集磁された磁束をホール素子で検出することにより電流を検出する電流センサが広く用いられている。
【0003】
ところで、近年、コアを用いず直接磁束を検出して電力ラインを流れる電流を検出する、いわゆるコアレス電流センサが提案されており、徐々に使用されつつある。コアを用いる必要がなければ、装置を小型化することができ、また部品点数を削減することができるため、どのような装置に適用される場合であっても非常に有効である。
しかしながら、例えば3相交流モータの各相の電力供給ラインに対して単純にコアレス電流センサを適用しようとすると、各コアレス電流センサが他の電力供給ラインに流れる電流による磁束を捕捉してその影響を受けることとなり、正確に各相の電流値を検出できないという問題が生じる。
【0004】
具体的には、例えば、u相,v相、w相の3相の電力供給ラインが平行に近接して配置されている場合、中央のv相の電力供給ラインを流れる電流を検出するため設けられた電流センサは、v相の電流によって発生する磁束に加えて、隣接するu相及びw相を流れる電流によって発生する磁束をもホール素子で検出してしまうこととなり、純粋にv相を流れる電流の電流値を検出することができない。また、両側のu相及びw相の電流センサも、u相及びw相の電流による磁束に加えて隣接するv相の電流による磁束も検出してしまうこととなり、同様に純粋にu相及びw相を流れる電流の電流値を検出することができない。
なお、u相及びw相の電流センサに対しては、反対側のw相及びu相の電力供給ラインを流れる電流も何らかの影響を与えることが理論上は考えられるが、これら反対側の電力供給ラインは中央のv相の電力供給ラインを挟んで常にある程度離れた位置に配置されるため、実質的には電流値に影響を与える可能性は低い。従って、ここではこれは考慮しない。
【0005】
特に、コアレス電流センサを使用する場合は、装置の小型化を目的としてバスバーがより近接して配置される場合が多く、その結果、そのような隣接するバスバーを流れる電流による磁束の影響はより大きくなる。
その結果、コアレス電流センサを用いてもバスバーを近接させて配置することができず、装置の小型化に結びつかないという問題を生じる。
一方、多少の影響を無視してバスバーを近接して配置したとすると、各相の電流の電流値を精度良く求めることができず、適切な電動機の制御信号を生成することができず、結果的に電動機を所望の状態で適切に駆動することができないという問題が生じる。
【0006】
【発明の開示】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、電流の検出精度を悪化させることなく適切な電動機の制御を行いつつ、電動機装置の小型化を図ることのできる電流検出装置及び電流検出方法を提供することにある。
また本発明の他の目的は、電流の検出精度を悪化させることなく適切な電動機の制御を行いつつ、装置を小型化することのできる電動機装置を提供することにある。
【0007】
前記目的を達成するために本発明の第1の観点によれば、本発明の電流検出装置は、まず、3相交流電力の各相に対応する3本の電力線の各々対して、その電力線の近傍に、その電力線を流れる電流によって生じる磁束を検出してその電力線を流れる電流の電流値を検出する電流センサを設ける。なお、この電流センサは好適には、コアレス電流センサである。そして、本来電流値を検出すべき電力線以外の他の電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を受けることとなった電流センサであって、特に、他の2つの電力線を流れる電流による磁束の影響の両方を受ける電流センサについて、その電流センサとその他の2つの電力線との距離に基づいて、その電流センサにより検出された電流値を補正する電流値補正部を具備するようにした。
【0008】
このような構成の電流値補正装置によれば、3相交流電力の各相に流れる電流の電流値を、まず一次的に3個の電流センサにおいて各々検出する。そして、例えば電力線が相互に近接して配置されること等により、本来電流値を検出すべき電力線以外の他の電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を受けることとなった電流センサであって、特に、他の2つの電力線を流れる電流による磁束の影響を同程度に両方から受ける電流センサがあった場合には、その電流センサで検出された電流値を電流値補正部において補正する。
ここで、3相交流電動機に印加される3相交流電力は、周波数と大きさが同一で位相のみが互いに2π/3だけずれている対称3相交流電力であるから、1つの相の電流によって生じる磁束に対して、残りの2つの相の電流によって生じる磁束の合成磁束は、位相が180°ずれたものとなる。すなわち、ある1つの相の電流に対して残り2つの相によって生じる合成磁束は、その大きさを一定の割合で打ち消すように作用する。その結果、このような状態で元の1つの相の電流に対して検出された電流値は、真の電流値と比較して所定の割合で小さい値となる。また、その割合は、その電流センサと、その残りの2つの相の電力線までの距離により決まり、距離が短いほど合成磁束の影響が大きく電流値は小さく検出され、距離が遠いほど合成磁束の影響は少なく電流値は真の電流値に近い値で検出される。
従って、電流値補正部においては、例えば、電力線の距離に基づいて予め設定した所定の係数(ゲイン:1以上の係数)を、検出した電流値に乗ずることにより、近接した電力線による電力センサへの影響を補正することができる。そしてこのように、電流値の補正が適切かつ簡単に行えることは、精度良く電流値を検出して3相交流電動機の制御を適切に行えることをもたらし、電力線を近接させて配置させることが可能となり、ひいては装置の小型化を実現することができる。
【0009】
また、本発明の第2の観点によれば、本発明の電流検出方法は、3相交流方式により供給される電力の供給電流を検出する電流検出方法であって、3相交流電力の各相に対応する3本の電力線に対して各々電流センサを配置し、前記各電流センサにより、前記電力線を流れる電流によって生じる磁束を検出することにより、各電力線を流れる電流の電流値を検出し、前記検出された電流値のうち、電流値検出対象の電力線以外の他の2つの電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を実質的に受けている電流センサにより検出された電流値を、当該電流センサと前記他の2つの電力線との距離に基づいて補正する。
【0010】
また、本発明の第3の観点によれば、本発明の電動機装置は、3相交流電動機と、入力される制御信号に基づいて、前記3相交流電動機を所望の状態に駆動するための3相交流電力を生成するインバータ回路と、前記生成された3相交流電力を前記3相交流電動機に供給する、各相に対応する少なくとも3本の電力線が平行に配置された電力供給線部と、前記3本の電力線の各近傍に設けられ、各々が、前記電力線を流れる電流によって生じる磁束を検出することにより、前記近傍の電力線を流れる電流の電流値を検出する3つの電流センサと、電流値検出対象の電力線以外の他の2つの電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を実質的に受けている電流センサにより前記検出された電流値を、当該電流センサと前記他の2つの電力線との距離に基づいて補正する電流値補正部と、前記3本の電力線を流れる電流の前記検出された電流値又は前記補正がなされた場合には前記補正された電流値に基づいて、前記3相交流電動機を所望の状態に制御する制御信号を生成し、前記インバータ回路に出力する制御回路とを有する。
【0011】
このような構成の電動機装置によれば、まず、インバータ回路において生成された3相交流電力が、各相に対応する少なくとも3本の電力線が平行に配置された電力供給線部を介して3相交流電動機に印加される。その際、電力供給線部を流れる各相の電流が、3本の電力線の各近傍に設けられた3つの電力センサにより、電力線を流れる電流によって生じる磁束を検出することにより検出される。そして、この検出された各電流は、電流値補正部において、その電流センサと前記他の2つの電力線との距離に基づいて補正されて、各電流線を流れる電流の電流値が精度良く求められ、制御回路に入力される。
なお、電流値補正部においては、まず、電流値検出対象の電力線以外の他の2つの電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を実質的に受けている電流センサにより前記検出された電流値を、当該電流センサと前記他の2つの電力線との距離に基づいて補正するようにしているため、前述したように、単に電流センサで検出した電流値に所定のゲインを乗ずるだけで、簡単かつ正確に補正を行うことができる。
そして、補正された電流値を用いて、制御回路において電動機を所望の状態で駆動するための制御処理が適切に行われ、制御信号が生成され、これがインバータ回路に印加されて実際に電動機を駆動するための3相交流電力が生成され、電力供給線部を介して電動機に印加される。
【0012】
なお、これら本発明において、補正を行うための電力センサと電力線との距離は、電力線が等間隔で平行に配置され電力センサも各電力線に対応して等間隔で配置されている通常の状態では、対応する各電力線の距離と実質的に等価となる。従って、電力線間の距離に基づいて補正を行うとした場合も、実質的に電力センサと電力線との距離に基づいて補正を行った場合とみなせるものである。
【0013】
このように本発明によれば、電流の検出精度を悪化させることなく適切な電動機の制御を行いつつ、電動機装置の小型化を図ることのできる電流検出装置及び電流検出方法を提供することができる。
また、電流の検出精度を悪化させることなく適切な電動機の制御を行いつつ、装置を小型化することのできる電動機装置を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図1〜図4を参照して説明する。
本実施の形態においては、電気自動車の電動機制御システムを例示して本発明を説明する。
図1は、その電動機制御システムの構成を示すブロック図である。
電動機制御システム100は、バッテリ110、バッテリ・インバータ間バスバー120、インバータ130、インバータ・モータ間バスバー140、電流センサ150、モータ160、レゾルバ170及びモータコントローラ180を有する。
また、モータコントローラ180は、磁極位置・モータ速度検出部181、電流値補正部182、3相2相変換部183、高効率電流テーブル184、電流制御部185、2相3相変換部186及びPWM変換部187を有する。
まず、電動機制御システム100の各部の構成について説明する。
【0015】
バッテリ110は、電動機制御システム100を駆動するための電力を供給する直流電源であって、例えば電気自動車の蓄電池である。
【0016】
バッテリ・インバータ間バスバー120は、バッテリから出力される直流電力をインバータ130に供給するための電力供給ラインであって、正負両極に対応した2本のバスバーである。
【0017】
インバータ130は、バッテリ110よりバッテリ・インバータ間バスパー120を介して印加される直流電力に対して、モータコントローラ180のPWM変換部187から入力されるPWM信号に基づいてPWM処理を行い、モータ160を駆動するための3相交流電力を生成する。そしてこれを、インバータ・モータ間バスパー140を介してモータ160に印加し、モータ160を所望の状態で駆動する。
具体的には、インバータ130は、スイッチング素子、平滑化用コンデンサ及び逆流防止用のダイオード等を有するスイッチング回路がu相、v相及びw相の3相の各相に対応して設けられた構成である。スイッチング素子は、例えばIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor))であって、各スイッチング回路に1つ又は2つ設けられる。これらのスイッチング素子が、PWM変換部187より入力されるu相、v相及びw相に対応した各スイッチング信号Pu,Pv、Pwに基づいてオン/オフされ、所望の3相交流電力が生成される。
【0018】
インバータ・モータ間バスパー140は、インバータ130で生成されたモータ駆動用の3相電流をモータ160に供給するための電力供給ラインであって、3相の各相に対応した3本のバスバーを有する。3本のバスバーは、u相、v相、w相の順番で、平行に、また装置の小型化の障害とならないように近接して配置される。
【0019】
電流センサ150は、インバータ・モータ間バスパー140のu相、v相及びw相の3本のバスパーに流れる電流に対応して検出される電流値Ius,Ivs、Iwsを各々検出し、モータコントローラ180の電流補正部18に出力する。電流センサ150は、各相に対応して設けられた3つのセンサを有する。その各センサ151は、図2に示すように、フェライト等のコアを具備せず、バスバー141に流れる電流により発生する磁束を直接ホール素子で検出するコアレス電流センサであり、インバータ・モータ間バスパー140の各バスバー上に、そのバスバーを流れる電流による磁束とセンサの集磁面とが直交するように配置され、電流により発生する磁束を検出することで電流値を検出する。
【0020】
モータ160は、インバータ130よりインバータ・モータ間バスパー140を介して印加される電力により回転し、車輪を駆動し電気自動車を走行させる。具体的には、モータ160は、3相交流電力により回転する3相同期電動機である。
【0021】
レゾルバ170は、モータ160の回転速度、回転角度の検出のために、モータ160の軸の回転角度に応じた2相の電気信号を生成し、磁極位置・モータ速度検出部181に出力する。
【0022】
モータコントローラ180は、例えばドライバー(運転者)のアクセスペダルの開度に応じて入力されるトルク指令τrに応じて、電気自動車がドライバーの指示に基づいた所望の速度で走行するように、モータ160を制御するためのPWM信号を生成し、インバータ130に出力する。モータコントローラ180は、トルク指令τrに加えて、さらに電流センサ150より入力されるインバータ・モータ間バスパー140のu相、v相及びw相の3本のバスパーに流れる電流に対応して検出される電流値Ius,Ivs、Iws及びレゾルバ170において検出されたモータ160の軸の回転角度に応じた信号に基づいて、PWM信号を生成する。
【0023】
モータコントローラ180の磁極位置・モータ速度検出部181は、レゾルバ170より入力される信号に基づいて、モータ160の磁極の位置θ及び速度ωmを検出する。そして、検出した磁極の位置θを3相2相変換部183及び2相3相変換部186に、また、検出した速度wmを高効率電流テーブル184に各々出力する。
【0024】
電流値補正部182は、モータ160に3相電源を供給するためのインバータ・モータ間バスパー140の3本のバスバー上に設けられた3つのコアレス電流センサにおいて検出された電流値Ius,Ivs,Iwsに対して、これらのバスバーが近接して配置されていることによる他のバスバーの磁束による影響の補正を行い、適切な各相の電流値Iu,Iv,Iwを検出し、3相2相変換部183に出力する。
なお、電流値補正部182における電流値の補正方法については、後に詳細に説明する。
【0025】
3相2相変換部183は、電流値補正部182より入力される補正された3相電源の各相に対応した電流値Iu,Iv,Iwを、磁極位置・モータ速度検出部181より入力されるモータ160の磁極の位置θに基づいて、2相の直流電流値id,iqに変換し、電流制御部185に出力する。
【0026】
高効率電流テーブル184は、図示せぬさらに上位の制御装置から入力されるトルク指令τr及び磁極位置・モータ速度検出部181より入力されるモータ速度ωmに基づいて、高効率電流テーブルを参照し、2相直流としてのd軸及びq軸の電流指令値id*,iq*を算出し、電流制御部185に出力する。
【0027】
電流制御部185は、高効率電流テーブル184より入力される電流指令値id*,iq*と、3相2相変換部183より入力される電流値id,iqとを比較し、これらの差が0となるようにPI制御を行い、d軸及びq軸の電圧指令値vd*、vq*を検出する。具体的には、電流制御部185は、次式(1)に基づいて、電圧指令値vd*、vq*を求める。
【0028】
【数1】
vd*=Kpd(id*−id)+Kid∫(id*−id)dt
vq*=Kpq(iq*−iq)+Kiq∫(iq*−iq)dt…(1)
但し、Kpd,Kpqは、d軸及びq軸の比例ゲイン、
Kid,Kiqは、d軸及びq軸の積分ゲイン
である。
【0029】
2相3相変換部186は、電流制御部185より入力される2相電圧指令値vd*、vq*を、磁極位置・モータ速度検出部181より入力されるモータ160の磁極の位置θに基づいて、3相の交流電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換し、PWM変換部187に出力する。
【0030】
PWM変換部187は、2相3相変換部186より入力される3相の交流電圧指令値vu*、vv*、vw*を、所定の搬送波と比較することにより、インバータ130の各相に対応して設けられているスイッチング素子のスイッチング信号Pu,Pv,Pwを生成し、インバータ130に出力する。本実施の形態においてPWM変換部187は、3相の交流電圧指令値vu*、vv*、vw*を、10kHzの三角波と比較することにより、スイッチング信号Pu,Pv,Pwを生成する。
【0031】
次に、本発明に関わるモータコントローラ180の電流値補正部182における電流値の補正方法について、図3のフローチャートを参照して説明する。
前述したように、インバータ130からモータ160に3相電力を供給するインバータ・モータ間バスパー140の3本のバスバーは、u相、v相、w相の順番に近接して配置されており、各バスバーに対応して電流センサ150のコアレス電流センサが設けられている。
まず、電流値補正部182は、これら3つのコアレス電流センサより、3つのバスバーに対応する電流値Ius,Ivs及びIwsを取り込む(ステップS1)。
【0032】
次に、取り込んだ電流値Ius,Ivs及びIwsに対して補正を行うが、まず、3本のバスバーの中央のバスバーを流れる電流、すなわちv相の電流の電流値の補正を行う(ステップS2)。
v相のバスバーに設けられた電流センサが検出する磁束は、v相のバスバーに流れる電流による磁束Φvと、v相の両脇のu相及びw相のバスバーに流れる電流の影響による磁束Φu1及び磁束Φw1の合成となる。ここで、そもそもモータ160に印加される3相交流電流は、図4(A)にその波形を示すように、周波数と大きさが同一で位相のみが2π/3だけずれている対称3相電力であるので、Iu+Iv+Iw=0の関係が成り立つ。従って、v相の電流センサからu相のバスバーまでの距離及びw相のバスバーまでの距離が等しいとすると、換言すれば、u相とv相のバスバーの距離xとv相とw相のバスバーの距離yがほぼ等しいとすると、図4(B)に各波形を示すように、u相の電流の影響による磁束Φu1とw相の電流の影響による磁束Φw1の合成磁束Φuw1は、v相電流による磁束Φvと180度ずれた位相となる。従って、同じく図4(B)に示すように、v相の電流検出値Ivsは、実電流Ivと位相が同じで大きさが小さい値が検出されることとなる。すなわち、v相のバスバーに流れる電流による本来の磁束Φvは、v相の電流センサが検出する磁束Φvsに所定のゲインを乗じたものと等価となる。
【0033】
従って、電流値補正部182は、v相のバスバーを流れる真の電流Ivの電流値を、電流センサ150で検出したv相の電流値Ivsに基づいて、次式(2)により検出する。
【0034】
【数2】
Iv=A・Ivs …(2)
但し、Ivsは、v相電流センサによる電流検出値、
Aは、バスバー間の距離に基づいて予め設定されている定数
である。
【0035】
なお、u相及びw相の電流の影響による磁束Φu1及び磁束Φw1は、u相とv相のバスバーの距離x及びv相とw相のバスバーの距離yが各々近くなるほど、換言すれば、3本のバスバーが近接して間隔が狭くなるほど大きくなり、これらの合成磁束Φuw1の大きさも大きくなる。そしてその結果、検出されるv相の電流値Ivsは真の電流値Ivよりもより小さくなるので、真の電流値Ivを求めるための定数Aは大きくする必要がある。
【0036】
次に、電流値補正部182は、3本のバスバーの両側のバスバーについての取り込んだ電流値Ius及びIwsの補正を行う(ステップS3)。
まず、3本のバスバーの一方の端に配置されたu相のバスバー上に設けられた電流センサで検出される電流値は、隣接する中央のv相のバスバーを流れる電流による磁束の影響は受けるが、他方の端のバスバーであるw相のバスバーを流れる電流による磁束の影響は、それら両側のバスバー間の距離が十分に大きいために無視することができる。
従って、電流値補正部182は、u相電流Iuを、電流センサ150で検出したu相の電流値Ius及び式(2)により検出したv相電流Ivに基づいて、次式(3)により検出する。
【0037】
【数3】
Iu=Ius−B・Iv …(3)
但し、Iusは、u相電流センサによる電流検出値、
Bは、バスバー間の距離及びu相とv相の位相関係に基づいて定まる係数、
Ivは、補正されたv相の電流値
である。
【0038】
なお、u相の電流とv相の電流とは位相が120°ずれているため、v相の電流による磁束の影響は、u相とv相との位相関係によって逐次異なるものとなる。従って、補正のための係数Bは、理論的な解析に基づいて、あるいはまた予め実験等を行って、各位相ごとにマップあるいは表形式で予め記憶しておくのが好ましい。
【0039】
また、3本のバスバーの他方の端に配置されたw相の電流値Iwも、u相の電流値Iuと同様に、電流値補正部182により、電流センサ150で検出したw相の電流値Iws、及び、隣接するバスバーを流れる電流値である式(2)により検出したv相電流Ivに基づいて、次式(4)により検出される。
【0040】
【数4】
Iw=Iws−B・Iv …(4)
但し、Iwsは、w相電流センサによる電流検出値、
Bは、バスバー間の距離及びw相とv相の位相関係に基づいて定まる係数、
Ivは、補正されたv相の電流値
である。
【0041】
このようにして、隣接するバスバーを流れる電流による磁束の影響を考慮した各バスバーを流れる真の電流値Iu,Iv及びIwを求めたら、電流値補正部182は、これらの電流値を3相2相変換部183に出力する(ステップS4)。
【0042】
最後に、電動機制御システム100の動作をまとめて説明する。
まず、電気自動車の蓄電池等のバッテリ110からバッテリ・インバータ間バスパー120を介して入力された直流電力は、インバータ130において、モータコントローラ180のPWM変換部187から入力されるPWM制御信号に基づいてPWM処理されて、モータ160を所望の状態で回転させるための3相の交流電力に変換され、インバータ・モータ間バスパー140を介してモータ160に印加される。
そしてモータ160の回転状態は、レゾルバ170により2相の信号として検出され、これに基づいてモータコントローラ180の磁極位置・モータ速度検出部181において、モータ160の磁極の位置θ及び速度ωmが求められる。
【0043】
またこの時、インバータ・モータ間バスパー140の各バスバーに流れる、3相交流電力の各相に対応する電流値が、各バスバーに設けられたコアレス電流センサである電流センサ150により検出され、モータコントローラ180の電流値補正部182に取り込まれる。
電流値補正部182においては、まずインバータ・モータ間バスパー140の3本のバスバーの中央のバスバーであるv相の電流値Ivを、式(2)に基づいて、すなわち電流センサ150で検出されたそのv相の電流値Ivsに予め定めた所定のゲインAを乗ずることによって求める。
次に、このv相の電流値Ivを用いて、3本のバスバーの両側のバスバーであるu相及びw相の電流値Iu、Iwを、式(3)及び式(4)に基づいて、すなわち電流センサ150で検出されたそのu相又はw相の電流値Ius又はIwsより、u相とv相又はw相とv相の位相関係に基づいて適宜マップ等を参照して決定される係数Bをv相の電流値Ivに乗じて求められるv相の影響分を減算することによって求める。
そして、補正された各相の電流値Iu,Iv,Iwは、3相2相変換部183において、磁極位置・モータ速度検出部181より入力されるモータ160の磁極の位置θに基づいて、2相の直流電流値id,iqに変換される。
【0044】
そして、図示せぬさらに上位の制御装置から入力されるトルク指令τrに従って、高効率電流テーブル184は、磁極位置・モータ速度検出部181で検出されたモータ速度ωmを参照して2相直流のd軸及びq軸としての電流指令値id*,iq*を算出し、この電流指令値と3相2相変換部183において変換された電流値id,iqとの差が0となるようにするPI制御を電流制御部185で行い、得られた電圧指令値vd*、vq*をモータ160の磁極の位置θに基づいて2相3相変換部186が3相の交流電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換し、これに基づいてインバータ130の各相のスイッチング素子をオン/オフするスイッチング信号Pu,Pv,PwをPWM変換部187が生成して、インバータ130に印加する。
これにより、インバータ130のスイッチングが制御されて、モータ160が所望の状態に制御される。
【0045】
このように、本実施の形態の電動機制御システム100においては、電動機に印加する3相交流電流を検出するセンサとしてコアレス電流センサを用いた場合においても、他の相の電流による影響を適切に補正して、各相の電流を適切に検出することができる。従って、これに基づく電動機の動作の制御等が適切に行いつつ、制御装置あるいは電動機装置の構成を簡単にすることができる。また、バスバーを近接して配置しても適切な電流の検出及び制御を行うことができるので、装置を小型化することができる。
また、その電流値の補正は、例えば対称3相電流の各相に対応するバスバーの電流値のうち、他の2つの相の電流の影響を同等に受けているものに対しては、単に所定のゲインを乗ずるだけで適切かつ正確に行うことができる。その結果、簡単な制御システムの構成で精度良く補正を行うことができ、ひいては適切な制御を行うことができる。
また、前述したように単にゲインを乗ずることができない場合においても、本実施の形態の電動機制御システム100のように、影響を受ける電流との位相関係に応じた補正値をマップあるいは表形式で予め記憶しておくようにすれば、各相の電流の位相関係に基づく複雑な補正も、簡単に行うことができる。
【0046】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態の電動機制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示した電動機制御システムの電流センサの構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示した電動機制御システムの電流値補正部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図4は、図1に示した電動機制御システムのインバータからモータに印加される電流の各波形を示す波形図である。
【符号の説明】
100…電動機制御システム
110…バッテリ
120…バッテリ・インバータ間バスパー
130…インバータ
140…インバータ・モータ間バスパー
150…電流センサ
160…モータ
170…レゾルバ
180…モータコントローラ
181…磁極位置・モータ速度検出部
182…電流値補正部
183…3相2相変換部
184…高効率電流テーブル
185…電流制御部
186…2相3相変換部
187…PWM変換部
【技術分野】
本発明は、例えば電気自動車等に用いられる電動機において、供給される電流を検出する電流検出装置と電流検出方法、及び、電流を適切に検出することにより電動機を所望の状態に適切に制御する電気自動車等に適用して好適な電動機装置に関し、特に、装置を小型化することができ、かつ精度良く電流を検出し電動機の制御を適切に行うことができる電流検出装置とその方法及び電動機装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、電気自動車の駆動用の3相交流モータ等に印加される電流を検出する電流検出装置としては、例えば特開平9−304447号公報に記載されている電流検出装置等が知られている。具体的には、例えば前記公報には、3相交流電力の各相の電力供給ライン(バスバー)ごとに、そのバスバーを通すようにコアが設け、このコアに設けられた磁界検出素子(ホール素子)により各バスバーを流れる電流の電流レベルや電流位相を検出するようにした電流検出装置が開示されている。すなわち、流れる電流によって発生する磁束をコアによって集磁し、この集磁された磁束をホール素子で検出することにより電流を検出する電流センサが広く用いられている。
【0003】
ところで、近年、コアを用いず直接磁束を検出して電力ラインを流れる電流を検出する、いわゆるコアレス電流センサが提案されており、徐々に使用されつつある。コアを用いる必要がなければ、装置を小型化することができ、また部品点数を削減することができるため、どのような装置に適用される場合であっても非常に有効である。
しかしながら、例えば3相交流モータの各相の電力供給ラインに対して単純にコアレス電流センサを適用しようとすると、各コアレス電流センサが他の電力供給ラインに流れる電流による磁束を捕捉してその影響を受けることとなり、正確に各相の電流値を検出できないという問題が生じる。
【0004】
具体的には、例えば、u相,v相、w相の3相の電力供給ラインが平行に近接して配置されている場合、中央のv相の電力供給ラインを流れる電流を検出するため設けられた電流センサは、v相の電流によって発生する磁束に加えて、隣接するu相及びw相を流れる電流によって発生する磁束をもホール素子で検出してしまうこととなり、純粋にv相を流れる電流の電流値を検出することができない。また、両側のu相及びw相の電流センサも、u相及びw相の電流による磁束に加えて隣接するv相の電流による磁束も検出してしまうこととなり、同様に純粋にu相及びw相を流れる電流の電流値を検出することができない。
なお、u相及びw相の電流センサに対しては、反対側のw相及びu相の電力供給ラインを流れる電流も何らかの影響を与えることが理論上は考えられるが、これら反対側の電力供給ラインは中央のv相の電力供給ラインを挟んで常にある程度離れた位置に配置されるため、実質的には電流値に影響を与える可能性は低い。従って、ここではこれは考慮しない。
【0005】
特に、コアレス電流センサを使用する場合は、装置の小型化を目的としてバスバーがより近接して配置される場合が多く、その結果、そのような隣接するバスバーを流れる電流による磁束の影響はより大きくなる。
その結果、コアレス電流センサを用いてもバスバーを近接させて配置することができず、装置の小型化に結びつかないという問題を生じる。
一方、多少の影響を無視してバスバーを近接して配置したとすると、各相の電流の電流値を精度良く求めることができず、適切な電動機の制御信号を生成することができず、結果的に電動機を所望の状態で適切に駆動することができないという問題が生じる。
【0006】
【発明の開示】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、電流の検出精度を悪化させることなく適切な電動機の制御を行いつつ、電動機装置の小型化を図ることのできる電流検出装置及び電流検出方法を提供することにある。
また本発明の他の目的は、電流の検出精度を悪化させることなく適切な電動機の制御を行いつつ、装置を小型化することのできる電動機装置を提供することにある。
【0007】
前記目的を達成するために本発明の第1の観点によれば、本発明の電流検出装置は、まず、3相交流電力の各相に対応する3本の電力線の各々対して、その電力線の近傍に、その電力線を流れる電流によって生じる磁束を検出してその電力線を流れる電流の電流値を検出する電流センサを設ける。なお、この電流センサは好適には、コアレス電流センサである。そして、本来電流値を検出すべき電力線以外の他の電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を受けることとなった電流センサであって、特に、他の2つの電力線を流れる電流による磁束の影響の両方を受ける電流センサについて、その電流センサとその他の2つの電力線との距離に基づいて、その電流センサにより検出された電流値を補正する電流値補正部を具備するようにした。
【0008】
このような構成の電流値補正装置によれば、3相交流電力の各相に流れる電流の電流値を、まず一次的に3個の電流センサにおいて各々検出する。そして、例えば電力線が相互に近接して配置されること等により、本来電流値を検出すべき電力線以外の他の電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を受けることとなった電流センサであって、特に、他の2つの電力線を流れる電流による磁束の影響を同程度に両方から受ける電流センサがあった場合には、その電流センサで検出された電流値を電流値補正部において補正する。
ここで、3相交流電動機に印加される3相交流電力は、周波数と大きさが同一で位相のみが互いに2π/3だけずれている対称3相交流電力であるから、1つの相の電流によって生じる磁束に対して、残りの2つの相の電流によって生じる磁束の合成磁束は、位相が180°ずれたものとなる。すなわち、ある1つの相の電流に対して残り2つの相によって生じる合成磁束は、その大きさを一定の割合で打ち消すように作用する。その結果、このような状態で元の1つの相の電流に対して検出された電流値は、真の電流値と比較して所定の割合で小さい値となる。また、その割合は、その電流センサと、その残りの2つの相の電力線までの距離により決まり、距離が短いほど合成磁束の影響が大きく電流値は小さく検出され、距離が遠いほど合成磁束の影響は少なく電流値は真の電流値に近い値で検出される。
従って、電流値補正部においては、例えば、電力線の距離に基づいて予め設定した所定の係数(ゲイン:1以上の係数)を、検出した電流値に乗ずることにより、近接した電力線による電力センサへの影響を補正することができる。そしてこのように、電流値の補正が適切かつ簡単に行えることは、精度良く電流値を検出して3相交流電動機の制御を適切に行えることをもたらし、電力線を近接させて配置させることが可能となり、ひいては装置の小型化を実現することができる。
【0009】
また、本発明の第2の観点によれば、本発明の電流検出方法は、3相交流方式により供給される電力の供給電流を検出する電流検出方法であって、3相交流電力の各相に対応する3本の電力線に対して各々電流センサを配置し、前記各電流センサにより、前記電力線を流れる電流によって生じる磁束を検出することにより、各電力線を流れる電流の電流値を検出し、前記検出された電流値のうち、電流値検出対象の電力線以外の他の2つの電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を実質的に受けている電流センサにより検出された電流値を、当該電流センサと前記他の2つの電力線との距離に基づいて補正する。
【0010】
また、本発明の第3の観点によれば、本発明の電動機装置は、3相交流電動機と、入力される制御信号に基づいて、前記3相交流電動機を所望の状態に駆動するための3相交流電力を生成するインバータ回路と、前記生成された3相交流電力を前記3相交流電動機に供給する、各相に対応する少なくとも3本の電力線が平行に配置された電力供給線部と、前記3本の電力線の各近傍に設けられ、各々が、前記電力線を流れる電流によって生じる磁束を検出することにより、前記近傍の電力線を流れる電流の電流値を検出する3つの電流センサと、電流値検出対象の電力線以外の他の2つの電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を実質的に受けている電流センサにより前記検出された電流値を、当該電流センサと前記他の2つの電力線との距離に基づいて補正する電流値補正部と、前記3本の電力線を流れる電流の前記検出された電流値又は前記補正がなされた場合には前記補正された電流値に基づいて、前記3相交流電動機を所望の状態に制御する制御信号を生成し、前記インバータ回路に出力する制御回路とを有する。
【0011】
このような構成の電動機装置によれば、まず、インバータ回路において生成された3相交流電力が、各相に対応する少なくとも3本の電力線が平行に配置された電力供給線部を介して3相交流電動機に印加される。その際、電力供給線部を流れる各相の電流が、3本の電力線の各近傍に設けられた3つの電力センサにより、電力線を流れる電流によって生じる磁束を検出することにより検出される。そして、この検出された各電流は、電流値補正部において、その電流センサと前記他の2つの電力線との距離に基づいて補正されて、各電流線を流れる電流の電流値が精度良く求められ、制御回路に入力される。
なお、電流値補正部においては、まず、電流値検出対象の電力線以外の他の2つの電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を実質的に受けている電流センサにより前記検出された電流値を、当該電流センサと前記他の2つの電力線との距離に基づいて補正するようにしているため、前述したように、単に電流センサで検出した電流値に所定のゲインを乗ずるだけで、簡単かつ正確に補正を行うことができる。
そして、補正された電流値を用いて、制御回路において電動機を所望の状態で駆動するための制御処理が適切に行われ、制御信号が生成され、これがインバータ回路に印加されて実際に電動機を駆動するための3相交流電力が生成され、電力供給線部を介して電動機に印加される。
【0012】
なお、これら本発明において、補正を行うための電力センサと電力線との距離は、電力線が等間隔で平行に配置され電力センサも各電力線に対応して等間隔で配置されている通常の状態では、対応する各電力線の距離と実質的に等価となる。従って、電力線間の距離に基づいて補正を行うとした場合も、実質的に電力センサと電力線との距離に基づいて補正を行った場合とみなせるものである。
【0013】
このように本発明によれば、電流の検出精度を悪化させることなく適切な電動機の制御を行いつつ、電動機装置の小型化を図ることのできる電流検出装置及び電流検出方法を提供することができる。
また、電流の検出精度を悪化させることなく適切な電動機の制御を行いつつ、装置を小型化することのできる電動機装置を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図1〜図4を参照して説明する。
本実施の形態においては、電気自動車の電動機制御システムを例示して本発明を説明する。
図1は、その電動機制御システムの構成を示すブロック図である。
電動機制御システム100は、バッテリ110、バッテリ・インバータ間バスバー120、インバータ130、インバータ・モータ間バスバー140、電流センサ150、モータ160、レゾルバ170及びモータコントローラ180を有する。
また、モータコントローラ180は、磁極位置・モータ速度検出部181、電流値補正部182、3相2相変換部183、高効率電流テーブル184、電流制御部185、2相3相変換部186及びPWM変換部187を有する。
まず、電動機制御システム100の各部の構成について説明する。
【0015】
バッテリ110は、電動機制御システム100を駆動するための電力を供給する直流電源であって、例えば電気自動車の蓄電池である。
【0016】
バッテリ・インバータ間バスバー120は、バッテリから出力される直流電力をインバータ130に供給するための電力供給ラインであって、正負両極に対応した2本のバスバーである。
【0017】
インバータ130は、バッテリ110よりバッテリ・インバータ間バスパー120を介して印加される直流電力に対して、モータコントローラ180のPWM変換部187から入力されるPWM信号に基づいてPWM処理を行い、モータ160を駆動するための3相交流電力を生成する。そしてこれを、インバータ・モータ間バスパー140を介してモータ160に印加し、モータ160を所望の状態で駆動する。
具体的には、インバータ130は、スイッチング素子、平滑化用コンデンサ及び逆流防止用のダイオード等を有するスイッチング回路がu相、v相及びw相の3相の各相に対応して設けられた構成である。スイッチング素子は、例えばIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor))であって、各スイッチング回路に1つ又は2つ設けられる。これらのスイッチング素子が、PWM変換部187より入力されるu相、v相及びw相に対応した各スイッチング信号Pu,Pv、Pwに基づいてオン/オフされ、所望の3相交流電力が生成される。
【0018】
インバータ・モータ間バスパー140は、インバータ130で生成されたモータ駆動用の3相電流をモータ160に供給するための電力供給ラインであって、3相の各相に対応した3本のバスバーを有する。3本のバスバーは、u相、v相、w相の順番で、平行に、また装置の小型化の障害とならないように近接して配置される。
【0019】
電流センサ150は、インバータ・モータ間バスパー140のu相、v相及びw相の3本のバスパーに流れる電流に対応して検出される電流値Ius,Ivs、Iwsを各々検出し、モータコントローラ180の電流補正部18に出力する。電流センサ150は、各相に対応して設けられた3つのセンサを有する。その各センサ151は、図2に示すように、フェライト等のコアを具備せず、バスバー141に流れる電流により発生する磁束を直接ホール素子で検出するコアレス電流センサであり、インバータ・モータ間バスパー140の各バスバー上に、そのバスバーを流れる電流による磁束とセンサの集磁面とが直交するように配置され、電流により発生する磁束を検出することで電流値を検出する。
【0020】
モータ160は、インバータ130よりインバータ・モータ間バスパー140を介して印加される電力により回転し、車輪を駆動し電気自動車を走行させる。具体的には、モータ160は、3相交流電力により回転する3相同期電動機である。
【0021】
レゾルバ170は、モータ160の回転速度、回転角度の検出のために、モータ160の軸の回転角度に応じた2相の電気信号を生成し、磁極位置・モータ速度検出部181に出力する。
【0022】
モータコントローラ180は、例えばドライバー(運転者)のアクセスペダルの開度に応じて入力されるトルク指令τrに応じて、電気自動車がドライバーの指示に基づいた所望の速度で走行するように、モータ160を制御するためのPWM信号を生成し、インバータ130に出力する。モータコントローラ180は、トルク指令τrに加えて、さらに電流センサ150より入力されるインバータ・モータ間バスパー140のu相、v相及びw相の3本のバスパーに流れる電流に対応して検出される電流値Ius,Ivs、Iws及びレゾルバ170において検出されたモータ160の軸の回転角度に応じた信号に基づいて、PWM信号を生成する。
【0023】
モータコントローラ180の磁極位置・モータ速度検出部181は、レゾルバ170より入力される信号に基づいて、モータ160の磁極の位置θ及び速度ωmを検出する。そして、検出した磁極の位置θを3相2相変換部183及び2相3相変換部186に、また、検出した速度wmを高効率電流テーブル184に各々出力する。
【0024】
電流値補正部182は、モータ160に3相電源を供給するためのインバータ・モータ間バスパー140の3本のバスバー上に設けられた3つのコアレス電流センサにおいて検出された電流値Ius,Ivs,Iwsに対して、これらのバスバーが近接して配置されていることによる他のバスバーの磁束による影響の補正を行い、適切な各相の電流値Iu,Iv,Iwを検出し、3相2相変換部183に出力する。
なお、電流値補正部182における電流値の補正方法については、後に詳細に説明する。
【0025】
3相2相変換部183は、電流値補正部182より入力される補正された3相電源の各相に対応した電流値Iu,Iv,Iwを、磁極位置・モータ速度検出部181より入力されるモータ160の磁極の位置θに基づいて、2相の直流電流値id,iqに変換し、電流制御部185に出力する。
【0026】
高効率電流テーブル184は、図示せぬさらに上位の制御装置から入力されるトルク指令τr及び磁極位置・モータ速度検出部181より入力されるモータ速度ωmに基づいて、高効率電流テーブルを参照し、2相直流としてのd軸及びq軸の電流指令値id*,iq*を算出し、電流制御部185に出力する。
【0027】
電流制御部185は、高効率電流テーブル184より入力される電流指令値id*,iq*と、3相2相変換部183より入力される電流値id,iqとを比較し、これらの差が0となるようにPI制御を行い、d軸及びq軸の電圧指令値vd*、vq*を検出する。具体的には、電流制御部185は、次式(1)に基づいて、電圧指令値vd*、vq*を求める。
【0028】
【数1】
vd*=Kpd(id*−id)+Kid∫(id*−id)dt
vq*=Kpq(iq*−iq)+Kiq∫(iq*−iq)dt…(1)
但し、Kpd,Kpqは、d軸及びq軸の比例ゲイン、
Kid,Kiqは、d軸及びq軸の積分ゲイン
である。
【0029】
2相3相変換部186は、電流制御部185より入力される2相電圧指令値vd*、vq*を、磁極位置・モータ速度検出部181より入力されるモータ160の磁極の位置θに基づいて、3相の交流電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換し、PWM変換部187に出力する。
【0030】
PWM変換部187は、2相3相変換部186より入力される3相の交流電圧指令値vu*、vv*、vw*を、所定の搬送波と比較することにより、インバータ130の各相に対応して設けられているスイッチング素子のスイッチング信号Pu,Pv,Pwを生成し、インバータ130に出力する。本実施の形態においてPWM変換部187は、3相の交流電圧指令値vu*、vv*、vw*を、10kHzの三角波と比較することにより、スイッチング信号Pu,Pv,Pwを生成する。
【0031】
次に、本発明に関わるモータコントローラ180の電流値補正部182における電流値の補正方法について、図3のフローチャートを参照して説明する。
前述したように、インバータ130からモータ160に3相電力を供給するインバータ・モータ間バスパー140の3本のバスバーは、u相、v相、w相の順番に近接して配置されており、各バスバーに対応して電流センサ150のコアレス電流センサが設けられている。
まず、電流値補正部182は、これら3つのコアレス電流センサより、3つのバスバーに対応する電流値Ius,Ivs及びIwsを取り込む(ステップS1)。
【0032】
次に、取り込んだ電流値Ius,Ivs及びIwsに対して補正を行うが、まず、3本のバスバーの中央のバスバーを流れる電流、すなわちv相の電流の電流値の補正を行う(ステップS2)。
v相のバスバーに設けられた電流センサが検出する磁束は、v相のバスバーに流れる電流による磁束Φvと、v相の両脇のu相及びw相のバスバーに流れる電流の影響による磁束Φu1及び磁束Φw1の合成となる。ここで、そもそもモータ160に印加される3相交流電流は、図4(A)にその波形を示すように、周波数と大きさが同一で位相のみが2π/3だけずれている対称3相電力であるので、Iu+Iv+Iw=0の関係が成り立つ。従って、v相の電流センサからu相のバスバーまでの距離及びw相のバスバーまでの距離が等しいとすると、換言すれば、u相とv相のバスバーの距離xとv相とw相のバスバーの距離yがほぼ等しいとすると、図4(B)に各波形を示すように、u相の電流の影響による磁束Φu1とw相の電流の影響による磁束Φw1の合成磁束Φuw1は、v相電流による磁束Φvと180度ずれた位相となる。従って、同じく図4(B)に示すように、v相の電流検出値Ivsは、実電流Ivと位相が同じで大きさが小さい値が検出されることとなる。すなわち、v相のバスバーに流れる電流による本来の磁束Φvは、v相の電流センサが検出する磁束Φvsに所定のゲインを乗じたものと等価となる。
【0033】
従って、電流値補正部182は、v相のバスバーを流れる真の電流Ivの電流値を、電流センサ150で検出したv相の電流値Ivsに基づいて、次式(2)により検出する。
【0034】
【数2】
Iv=A・Ivs …(2)
但し、Ivsは、v相電流センサによる電流検出値、
Aは、バスバー間の距離に基づいて予め設定されている定数
である。
【0035】
なお、u相及びw相の電流の影響による磁束Φu1及び磁束Φw1は、u相とv相のバスバーの距離x及びv相とw相のバスバーの距離yが各々近くなるほど、換言すれば、3本のバスバーが近接して間隔が狭くなるほど大きくなり、これらの合成磁束Φuw1の大きさも大きくなる。そしてその結果、検出されるv相の電流値Ivsは真の電流値Ivよりもより小さくなるので、真の電流値Ivを求めるための定数Aは大きくする必要がある。
【0036】
次に、電流値補正部182は、3本のバスバーの両側のバスバーについての取り込んだ電流値Ius及びIwsの補正を行う(ステップS3)。
まず、3本のバスバーの一方の端に配置されたu相のバスバー上に設けられた電流センサで検出される電流値は、隣接する中央のv相のバスバーを流れる電流による磁束の影響は受けるが、他方の端のバスバーであるw相のバスバーを流れる電流による磁束の影響は、それら両側のバスバー間の距離が十分に大きいために無視することができる。
従って、電流値補正部182は、u相電流Iuを、電流センサ150で検出したu相の電流値Ius及び式(2)により検出したv相電流Ivに基づいて、次式(3)により検出する。
【0037】
【数3】
Iu=Ius−B・Iv …(3)
但し、Iusは、u相電流センサによる電流検出値、
Bは、バスバー間の距離及びu相とv相の位相関係に基づいて定まる係数、
Ivは、補正されたv相の電流値
である。
【0038】
なお、u相の電流とv相の電流とは位相が120°ずれているため、v相の電流による磁束の影響は、u相とv相との位相関係によって逐次異なるものとなる。従って、補正のための係数Bは、理論的な解析に基づいて、あるいはまた予め実験等を行って、各位相ごとにマップあるいは表形式で予め記憶しておくのが好ましい。
【0039】
また、3本のバスバーの他方の端に配置されたw相の電流値Iwも、u相の電流値Iuと同様に、電流値補正部182により、電流センサ150で検出したw相の電流値Iws、及び、隣接するバスバーを流れる電流値である式(2)により検出したv相電流Ivに基づいて、次式(4)により検出される。
【0040】
【数4】
Iw=Iws−B・Iv …(4)
但し、Iwsは、w相電流センサによる電流検出値、
Bは、バスバー間の距離及びw相とv相の位相関係に基づいて定まる係数、
Ivは、補正されたv相の電流値
である。
【0041】
このようにして、隣接するバスバーを流れる電流による磁束の影響を考慮した各バスバーを流れる真の電流値Iu,Iv及びIwを求めたら、電流値補正部182は、これらの電流値を3相2相変換部183に出力する(ステップS4)。
【0042】
最後に、電動機制御システム100の動作をまとめて説明する。
まず、電気自動車の蓄電池等のバッテリ110からバッテリ・インバータ間バスパー120を介して入力された直流電力は、インバータ130において、モータコントローラ180のPWM変換部187から入力されるPWM制御信号に基づいてPWM処理されて、モータ160を所望の状態で回転させるための3相の交流電力に変換され、インバータ・モータ間バスパー140を介してモータ160に印加される。
そしてモータ160の回転状態は、レゾルバ170により2相の信号として検出され、これに基づいてモータコントローラ180の磁極位置・モータ速度検出部181において、モータ160の磁極の位置θ及び速度ωmが求められる。
【0043】
またこの時、インバータ・モータ間バスパー140の各バスバーに流れる、3相交流電力の各相に対応する電流値が、各バスバーに設けられたコアレス電流センサである電流センサ150により検出され、モータコントローラ180の電流値補正部182に取り込まれる。
電流値補正部182においては、まずインバータ・モータ間バスパー140の3本のバスバーの中央のバスバーであるv相の電流値Ivを、式(2)に基づいて、すなわち電流センサ150で検出されたそのv相の電流値Ivsに予め定めた所定のゲインAを乗ずることによって求める。
次に、このv相の電流値Ivを用いて、3本のバスバーの両側のバスバーであるu相及びw相の電流値Iu、Iwを、式(3)及び式(4)に基づいて、すなわち電流センサ150で検出されたそのu相又はw相の電流値Ius又はIwsより、u相とv相又はw相とv相の位相関係に基づいて適宜マップ等を参照して決定される係数Bをv相の電流値Ivに乗じて求められるv相の影響分を減算することによって求める。
そして、補正された各相の電流値Iu,Iv,Iwは、3相2相変換部183において、磁極位置・モータ速度検出部181より入力されるモータ160の磁極の位置θに基づいて、2相の直流電流値id,iqに変換される。
【0044】
そして、図示せぬさらに上位の制御装置から入力されるトルク指令τrに従って、高効率電流テーブル184は、磁極位置・モータ速度検出部181で検出されたモータ速度ωmを参照して2相直流のd軸及びq軸としての電流指令値id*,iq*を算出し、この電流指令値と3相2相変換部183において変換された電流値id,iqとの差が0となるようにするPI制御を電流制御部185で行い、得られた電圧指令値vd*、vq*をモータ160の磁極の位置θに基づいて2相3相変換部186が3相の交流電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換し、これに基づいてインバータ130の各相のスイッチング素子をオン/オフするスイッチング信号Pu,Pv,PwをPWM変換部187が生成して、インバータ130に印加する。
これにより、インバータ130のスイッチングが制御されて、モータ160が所望の状態に制御される。
【0045】
このように、本実施の形態の電動機制御システム100においては、電動機に印加する3相交流電流を検出するセンサとしてコアレス電流センサを用いた場合においても、他の相の電流による影響を適切に補正して、各相の電流を適切に検出することができる。従って、これに基づく電動機の動作の制御等が適切に行いつつ、制御装置あるいは電動機装置の構成を簡単にすることができる。また、バスバーを近接して配置しても適切な電流の検出及び制御を行うことができるので、装置を小型化することができる。
また、その電流値の補正は、例えば対称3相電流の各相に対応するバスバーの電流値のうち、他の2つの相の電流の影響を同等に受けているものに対しては、単に所定のゲインを乗ずるだけで適切かつ正確に行うことができる。その結果、簡単な制御システムの構成で精度良く補正を行うことができ、ひいては適切な制御を行うことができる。
また、前述したように単にゲインを乗ずることができない場合においても、本実施の形態の電動機制御システム100のように、影響を受ける電流との位相関係に応じた補正値をマップあるいは表形式で予め記憶しておくようにすれば、各相の電流の位相関係に基づく複雑な補正も、簡単に行うことができる。
【0046】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態の電動機制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示した電動機制御システムの電流センサの構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示した電動機制御システムの電流値補正部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図4は、図1に示した電動機制御システムのインバータからモータに印加される電流の各波形を示す波形図である。
【符号の説明】
100…電動機制御システム
110…バッテリ
120…バッテリ・インバータ間バスパー
130…インバータ
140…インバータ・モータ間バスパー
150…電流センサ
160…モータ
170…レゾルバ
180…モータコントローラ
181…磁極位置・モータ速度検出部
182…電流値補正部
183…3相2相変換部
184…高効率電流テーブル
185…電流制御部
186…2相3相変換部
187…PWM変換部
Claims (17)
- 3相交流方式により供給される電力の供給電流を検出する電流検出装置であって、
3相交流電力の各相に対応する3本の電力線の各近傍に設けられ、各々が、前記電力線を流れる電流によって生じる磁束を検出することにより、前記近傍の電力線を流れる電流の電流値を検出する3つの電流センサと、
電流値検出対象の電力線以外の他の2つの電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を実質的に受けている電流センサにより前記検出された電流値を、当該電流センサと前記他の2つの電力線との距離に基づいて補正する電流値補正部と
を有する電流検出装置。 - 前記電流値補正部は、前記検出された補正対象の電流値に対して、所定のゲイン(1以上の乗算係数)を乗ずることにより前記補正を行う
請求項1に記載の電流検出装置。 - 前記ゲインは、前記電流センサと前記他の2つの電力線との距離が近いほど大きく、当該距離が遠いほど小さい値である
請求項2に記載の電流検出装置。 - 前記電流値補正部は、さらに、電流値検出対象の電力線以外の他の1つの電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を実質的に受けている電流センサにより前記検出された電流値を、当該電流センサと前記他の1つの電力線との距離に基づいて補正する
請求項1〜3のいずれかに記載に電流検出装置。 - 前記3本の電力線は、実質的に同一平面上に平行に配置されており、
前記電流値補正部は、前記3本の電力線の中央の電力線について検出された電流値を、当該中央の電力線の前記電流センサと前記3本の電力線の両側の電力線との距離に基づいて補正する
請求項1〜4のいずれかに記載の電流検出装置。 - 前記電流値補正部は、さらに、前記3本の電力線の両側の電力線について検出された電流値を、前記中央の電力線の前記補正された電流値及び当該両側の電力線の電流センサと前記中央の電力線との距離に基づいて補正する
請求項5に記載の電流検出装置。 - 前記電流補正部は、前記電力線間の距離を前記電流センサと前記電力線との距離として、前記補正を行う
請求項1〜6のいずれかに記載の電流検出装置。 - 前記電流センサは、コアレス電流センサである
請求項1〜7のいずれかに記載の電流検出装置。 - 3相交流方式により供給される電力の供給電流を検出する電流検出方法であって、
3相交流電力の各相に対応する3本の電力線に対して各々電流センサを配置し、
前記各電流センサにより、前記電力線を流れる電流によって生じる磁束を検出することにより、各電力線を流れる電流の電流値を検出し、
前記検出された電流値のうち、電流値検出対象の電力線以外の他の2つの電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を実質的に受けている電流センサにより検出された電流値を、当該電流センサと前記他の2つの電力線との距離に基づいて補正する
電流検出方法。 - 3相交流電動機と、
入力される制御信号に基づいて、前記3相交流電動機を所望の状態に駆動するための3相交流電力を生成するインバータ回路と、
前記生成された3相交流電力を前記3相交流電動機に供給する、各相に対応する少なくとも3本の電力線が平行に配置された電力供給線部と、
前記3本の電力線の各近傍に設けられ、各々が、前記電力線を流れる電流によって生じる磁束を検出することにより、前記近傍の電力線を流れる電流の電流値を検出する3つの電流センサと、
電流値検出対象の電力線以外の他の2つの電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を実質的に受けている電流センサにより前記検出された電流値を、当該電流センサと前記他の2つの電力線との距離に基づいて補正する電流値補正部と、
前記3本の電力線を流れる電流の前記検出された電流値又は前記補正がなされた場合には前記補正された電流値に基づいて、前記3相交流電動機を所望の状態に制御する制御信号を生成し、前記インバータ回路に出力する制御回路と
を有する電動機装置。 - 前記電流値補正部は、さらに、電流値検出対象の電力線以外の他の1つの電力線を流れる電流によって生じる磁束の影響を実質的に受けている電流センサにより前記検出された電流値を、当該電流センサと前記他の1つの電力線との距離に基づいて補正する
請求項10に記載に電流検出装置。 - 前記電力供給線部は、同一平面上に平行に配置された前記3相交流電力の各相に対応する3本のバスバーを有する
請求項10又は11に記載の電動機装置。 - 前記電流値補正部は、前記3本のバスバーの中央のバスバーについて検出された電流値を、当該中央のバスバーの前記電流センサと前記3本のバスバーの両側のバスバーとの距離に基づいて補正する
請求項12に記載の電動機装置。 - 前記電流値補正部は、さらに、前記3本のバスバーの両側のバスバーについて検出された電流値を、前記3本のバスバーの中央のバスバーの前記補正された電流値及び当該両側のバスバーの電流センサと前記中央のバスバーとの距離に基づいて補正する
請求項13に記載の電動機装置。 - 前記電流値補正部は、前記バスバー間の距離を前記電流センサと前記バスバーとの距離として、前記補正を行う
請求項12〜14のいずれかに記載の電動機装置。 - 前記制御回路は、前記3相交流電動機を所望の状態にPWM制御するPWM制御信号を生成し、
前記インバータ回路は、前記生成されたPWM制御信号に基づいてPWM制御を行い、前記3相交流電動機を所望の状態に駆動するためのPWM制御された3相交流電力を生成する
請求項10〜15のいずれかに記載の電動機装置。 - 前記電流センサは、コアレス電流センサである
請求項10〜16のいずれかに記載の電動機装置。
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-
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- 2002-07-26 JP JP2002217957A patent/JP2004061217A/ja active Pending
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