JP4639832B2 - 交流電動機駆動装置 - Google Patents

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この発明は交流電動機、特に同期電動機のV/f(電圧/周波数)制御において、電動機に印加する電圧の振幅を適切に調整して、電動機を高効率に運転する交流電動機駆動装置に関する。
この種の制御方式として、電動機の回転軸に取付けた位置検出器から得られる位置情報に基づき同期電動機の電圧や電流を制御するものや、電動機の電圧や電流から回転子の位置を推定して位置検出器を不要とするもの(センサレスベクトル制御)、さらには、電動機に印加する電圧と周波数とをほぼ比例させて制御(V/f一定制御)するもの等がある。V/f制御は、例えば特許文献1に開示されており、位置検出器が不要で制御が簡単であるという特徴がある。
図5は特許文献1に記載のV/f一定制御例を示すブロック図である。
同図において、11は3相インバータ、12は界磁付きの永久磁石形同期電動機、13は周波数指令器、14は周波数/電圧(f/V)変換器、15はパルス幅変調器、16,17は交流電流検出器、18はベクトル演算器、19は高域周波数成分を通過させるハイパスフィルタ、20は比例演算器、21は加減算器、22は積分器を示す。
周波数指令器13には同期電動機12の同期速度(周波数指令f*)が設定され、f/v変換器14は周波数指令f*に応じた電圧指令v*を出力する。積分器22は周波数指令f*を積分し、同期電動機12の固定子巻線に印加する電圧の位相θを演算する。パルス幅変調器15は電圧指令v*および位相θに基づきパルス幅変調(PWM)をして駆動パルスを生成し、3相インバータ11のスイッチング素子をオン,オフ制御する。
3相インバータ11からはパルス幅制御された3相の交流電圧が出力され、この電圧は同期電動機12の巻線に印加されて回転磁界を発生させる。
同期電動機12に供給される3相電流のうちの2相分、例えばiu,iwを交流電流検出器16,17で検出し、これをベクトル演算器18で直交座標系に変換することにより、有効電流iδを次の(1)式の関係から求める。
iδ=[(−1/√3)sinθ+cosθ]iu+[(−2/√3)sinθ]iw
…(1)
ところで、上記有効電流iδは定常状態では直流量となるが、定常状態からの同期速度にずれが生じるとiδに過渡的な変動が生じ、系が不安定になる。このことは、例えば非特許文献1のように解析,実験され確認されている。
そこで、iδの変動分Δiδを、ハイパスフィルタ19によりiδから直流分を除去して求め、比例演算器20でΔiδに所定のゲインを乗じることで周波数補正量Δf*として求め、先の周波数指令f*に負帰還するようにしている。これによって、iδの変動を減少させ系の状態を定常状態に近づけ、制御系を安定させることができる。
以上の例では、電動機の相電流の検出が必要である。これに対し、相電流の検出を必要とせず、電動機を駆動するインバータの直流入力電流の低周波成分のみに基いて電動機の有効電流を求め、これを上記の有効電流iδとして用いることにより、さらに簡便に同期電動機の安定化制御を実現する方式が、例えば非特許文献2に開示されている。この方式は、相電流から有効電流を求める代わりに、インバータの入力電力が電動機の有効電力にほぼ等しいこと(インバータの損失分だけ後者が小さくなるものの、これは小さいため無視するか、補正をすることが可能)、および電動機の各相有効電流が次式(2)で表わされることを利用して、インバータの入力直流電流の検出値から電動機の有効電流を求めるものである。
電動機の有効電流(実効値)=有効電力/(相数×各相電圧実効値)…(2)
以上を実現するための具体例を、図6に示す。
図6ではインバータの入力直流電流が電流検出器24で検出され、その低周波成分とインバータの出力電圧(指令値v*)とから、有効電流演算器26によって有効電流iδを求めており、それ以外の部分は図5と同様である。このように、図6では相電流の検出を行なうことなく必要な有効電流を導出できるため、安価で簡便であるという特徴を有している。
ところで、界磁付き同期電動機に電圧を印加して駆動する場合、その周波数は所望の電動機回転速度によって決まる一方、その振幅にはある程度の自由度がある。一般に、印加電圧の振幅によって電動機に流れる電流振幅が変化し、電流振幅が大きいほど電動機における銅損が大きくなる。したがって、電動機における発生損失を抑制して省エネルギー運転を実現するためには、電動機電圧の振幅を適切に調節する必要がある。
その調整方法として、電動機の無効電力を印加電圧と電流から求め、これが所望の値となるように印加電圧を自動調整することによって、電動機電流を最小化して高力率運転を実現する方法が、先の非特許文献1に開示されている。
しかし、非特許文献2に示すように、インバータの直流入力電流に基いて制御を行なう場合、相電流の検出を行なう必要がないため通常は相電流検出器を備えておらず、そのため無効電力を求めることができないという問題がある。なお、インバータの直流入力電流から相電流を求める方法もあり、例えば特許文献2に開示されている。
特開2000−236694号公報(第3−4頁、図1) 特許2563226号公報 電気学会論文誌D,122巻3号,平成14年,pp.253〜259「永久磁石同期電動機のV/f制御の高性能化」 2004年 電気学会産業応用部門全国大会予稿集,pp.I−335〜336「インバータ直流電流の検出によるPMSMの安定化V/f制御方式」
上記特許文献2の方法によれば、導出された相電流をもとに無効電力を演算することができる。しかし、この方法ではインバータが出力するPWM電圧波形に同期して、直流入力電流を高速に検出する必要がある。つまり、非特許文献2に示されるような、低域通過フィルタを用いて直流入力電流成分のみ検出する構成では、相電流を導出するのは不可能といえる。
したがって、この発明の課題は、インバータの直流入力電流の低周波成成分のみ用いて電動機制御を行なうに当り、電動機の発生損失を最小化するように電動機の印加電圧の振幅を調整することにある。
このような課題を解決するため、請求項1の発明では、印加する電圧を調整することにより界磁付き同期電動機を駆動する交流電動機駆動装置において、
前記電動機が消費または発電する有効電力を測定または推定し、その有効電力が、前記電動機が損失最小またはこれに準じる状態で動作する場合の有効電力目標値と一致するように、前記電動機に印加する電圧振幅を調整するとともに、前記有効電力目標値を、電動機に印加する電圧の振幅と周波数を入力とするテーブルまたは関数もしくは近似関数として保持しておき、前記測定または推定した有効電力が前記テーブルまたは関数もしくは近似関数に基いて定められた有効電力目標値と一致するように、前記電圧の振幅を調整することを特徴とする。
請求項の発明においては、前記電動機に印加する電圧の周波数指令値を時間的に変化させているときは、電動機に印加する電圧の振幅の調整を停止することができる(請求項の発明)。
また、請求項1または2の発明においては、前記電動機に印加する電圧の振幅を、その電圧の周波数指令値の関数として定義した第1の電圧指令値を有し、前記有効電力目標値と、前記測定または推定した有効電力との偏差を時間積分,増幅または低域通過処理の少なくとも1つの処理をして得た電力偏差処理値を、前記第1の電圧指令値から減算することで、前記電圧の振幅調整を行なうことができる(請求項の発明)。
請求項の発明においては、前記電動機に印加する電圧の周波数指令値を時間的に変化させているときは、前記第1の電圧指令から前記電力偏差処理値の減算を停止することができる(請求項の発明)。
上記請求項1〜のいずれかの発明においては、前記電動機に印加する電圧の振幅の調整は、電圧の周波数に対応して予め定められた上下限値以内において実施することができる(請求項の発明)。

この発明によれば、電動機の発生損失を最小化するように電動機の印加電圧の調整を行なうようにしたので、電動機を高効率に駆動することが可能となる利点がもたらされる。
発明の実施の形態を説明する前に、その原理について説明する。
一般に、定常状態にある電動機の端子における有効電力Pは、次の(3)式で示される。
有効電力P=機械仕事率Pm+電磁気的損失PL…(3)
なお、有効電力Pは、電動機を駆動する電源(インバータ等)から電動機へ電力が入力される場合には正、逆の場合は負となる。また、電動機がモータとして動作している場合には機械仕事率Pmは正、発電機として動作している場合には負となる。電磁気的損失PLは、常に正である。
上記(3)式で機械仕事率Pmは、発電機の軸出力と機械損の和になる。ここで、発電機の軸出力は回転角速度と軸トルクの積であり、軸トルクは電動機の負荷によって決まる。一方、機械損は実質的に回転角速度のみで決まる。したがって、回転速度が一定ならば、機械仕事率Pmを変化させるものは負荷のみであり、電動機の電源を操作して変化させる性質のものではない。
電動機を高効率運転するためには、上記(3)式に示される電磁気的損失PL(主に銅損とコアロスの和)をできるだけ小さくすればよい。ここで、上記の通り機械仕事率Pmは、回転速度一定の場合には電気的に変化させられないため、前提条件(負荷条件ともいう)と考えるべきものである。以上のことから、ある回転速度と負荷条件における電磁気的損失PLの最小化は、有効電力Pの最小化に他ならない。
さて、一般に、多相同期電動機の特性方程式は、次の数1で示す(4)式のように表わされる。
Figure 0004639832
数1として(4)式に示す各量は、次の通りである。
vx;電機子電圧のx軸成分,ix;電機子電流のx軸成分,Ra;相抵抗,Lx;x軸インダクタンス,ω;電気角速度,Ψa;界磁による磁束鎖交数,p;微分演算子,x;dまたはq,d軸はロータの磁極軸,q軸は正の回転方向(ω>0)についてd軸から90°進んだ軸
ここでは定常状態を想定しており、その場合には数1の(4)式に示す微分演算子pを有する項はゼロ、ωを有する項は定数となる。
また、電動機の端子電圧振幅Vは、vdおよびvqと次の(5)式の関係にある。
V=√2×√(vd2+vq2)…(5)
さらに、電動機電流振幅Iについては、idおよびiqと次の(6)式の関係にある。
I=√2×√(id2+iq2)…(6)
ここで、電動機が非突極機、つまりLd=Lqの場合について考える。
この場合には、電動機が発生するトルクは磁石トルクのみであり、これはq軸電流iqに比例する。したがって、上述のように負荷によって軸トルクが決まるとiqも決まる。その結果、定常状態では(4)式の右辺の変数はd軸電流idのみとなるため、端子電圧Vの値によってidが変化することが分かる。また、一般に電流Iが小さいほど銅損が小さいため、負荷条件によってiqが決められた場合、id=0の条件にて電流Iが最小、すなわち銅損が最小となる。以上をまとめると、回転速度および軸トルクが与えられた場合には、端子電圧によって電流振幅が変化し、id=0となる端子電圧振幅Vにて銅損が最小となる、ということになる。
銅損がコアロスに対して数倍大きい電動機であれば、上記id=0となる端子電圧振幅Vにて、実質的に電磁気的損失PLが最小になると見なせる。また、銅損とコアロスが同程度であったり、コアロスの方が大きい場合でも、次の理由により電磁気的損失PLを最小化する端子電圧Vが存在することが理解できる。すなわち、コアロスは電動機内の磁束密度の粗密に依存しており、磁束密度の粗密は電流振幅と位相に依存しており、さらに上記(4)〜(6)式から理解できるように、電流振幅と位相は端子電圧振幅Vに依存していることから、コアロスは端子電圧振幅Vの関数となる。この関数は通常、ある電圧Vで最小となる下に凸の関数となる。したがって、同様にVに関して下に凸の特性を持つ銅損との和である電磁気的損失PLもまた、下に凸の特性を有することにより、PLを最小化する端子電圧Vが存在すると云える。
一方、電動機が突極機、つまりLd≠Lqの場合には、磁石トルクのみならずリラクタンストルクが存在するため、d軸電流もトルクの発生に寄与する。ただし、回転速度および軸トルクが与えられた場合、ある端子電圧Vに対するd軸電流とq軸電流の値は、負荷が必要とするトルクが出力され、かつ(4)式が満たされるように一義的に決まる。電流振幅と銅損との関係、および磁束密度の粗密とコアロスとの関係は非突極機の場合と変わらず、また電流振幅も磁束密度の粗密も端子電圧Vに依存していることから、突極機の場合でも非突極機の場合と同様に、電磁気的損失PLを最小化する端子電圧Vが存在することが理解できる。
以上のことを図示すると、図1のようになる。
図1は横軸が電機子端子電圧振幅V、縦軸が電力または仕事率を示すグラフで、上記(3)式に示すP,PmおよびPLの一般的傾向を示している。なお、回転速度および負荷トルクは一定としている。機械仕事率PmはVに依存しないため横軸に平行な直線になっており、電磁気的損失PLは下に凸の特性となる。有効電力PはPmとPLの和であり、Pmが一定であることから、PおよびPLが一定化されるVの値Vaは等しくなる。なお、端子電圧振幅Vが低すぎると(4)式が満たされなくなり、電動機は脱調し運転不可能となる。
以上のように、電磁気的損失の最小化は電動機有効電力の最小化に他ならないこと、および電磁気的損失を最小化する端子電圧振幅Vが存在することから、電動機を高効率運転するためには、電動機の有効電力を測定または推定して、その有効電力が最小となるように端子電圧Vを調整する方法が有効であると云える、これがこの発明の原理である。
なお、電動機の有効電力は先の特許文献1のような方法を用いて求めることができ、電動機の端子電圧振幅は、電動機を駆動するインバータ等の電源の出力電圧に他ならず、これは既知として扱うことができる。
ところで、上記の方法をそのまま実行しようとすると、定常状態において有効電力の測定値または推定値を観測しつつ、動作条件(速度,負荷トルク)が変化しても、有効電力が最小となるように端子電圧Vを変動させ続けることになるため、端子電圧Vが安定しないということが懸念される。これを解決する方法について、図2を参照して説明する。
図2は横軸を端子電圧、縦軸を有効電力として、電磁気的損失が最小となる端子電圧の負荷トルクに対する特性を、回転速度をパラメータとしてプロットした例である。換言すれば、図1に示すような、電磁気的損失を最小化する端子電圧における有効電力Pの値を、負荷トルクおよび回転速度毎に求めたものである。なお、図2の速度,端子電圧および負荷トルクは、ある基準値に対するパーセンテージで示してある。
実際には、図2に示す特性を、端子電圧振幅および回転速度を変数とするテーブル、または関数もしくは近似関数(まとめて関数ともいう)として、電動機駆動用インバータの制御装置に記憶・保持させておく。電動機を所定の回転速度で運転する場合、端子電圧の周波数は回転速度によって決まるが、振幅には自由度がある。そこで、暫定の端子電圧振幅にて電動機を回転させる。すると、端子電圧振幅と回転速度から、上記のように記憶させたテーブルまたは関数を用いて有効電力が計算されるので、これを有効電力目標値として利用する。
すなわち、上記有効電力目標値は、ある回転速度および端子電圧において損失が最小となる場合の有効電力であるため、これを目標値として実際の有効電力(有効電力測定値または推定値)がこれに一致するように端子電圧を調整すれば良い。そして、有効電力の測定値または推定値が有効電力目標値に一致した状態では、端子電圧が適切に調整され、損失が最小(様々な誤差によって多少のずれを有する場合を含む)の状態で運転がなされていることになる。こうすれば、端子電圧振幅Vを常時変動させる必要がないため、動作を安定させることが可能となる。
上記のような電圧振幅の調整は、定常状態を想定して実施するものであり、加減速中など回転速度が変化している際には動作を不安定化する可能性がある。また、加速中には一般に加速トルクが必要なため、定常状態より高めの端子電圧を与えて必要な加速トルクを得ることが望ましい。
このような理由から、高効率運転のための端子電圧の調整は、加減速中など動作条件が変化している状態では停止させ、速度が一定の場合にのみ実行することにより、動作を安定化させることが可能となる。
上に述べた高効率運転は、具体的には例えば図3に示す制御系にて実現することができる。通常のV/f駆動方式では、速度指令fの入力に応じて端子電圧振幅Vを一義的に決めているが、図3ではf/V変換部1を基本として、さらに電圧調整部2を設けている。
電圧調整部2では、速度指令fおよび端子電圧指令Vから、図2に示す特性をテーブル化または関数化した記憶部21により、有効電力目標値Pnを求める。一方、乗算器24は、インバータの直流電圧値Edcと直流入力電流Idcの低周波成分(Idcのローパスフィルタ(LPF)の出力)とを乗算し、有効電力Pを計算する。加減算器22aではPnとPとの偏差を求め、これが積分器23に入力され、その出力が加減算器22bで電圧指令値から減算されるようになっている。
すなわち、速度指令値fに対応する暫定の端子電圧振幅をf/V変換部1で決めておき、
高効率化のための端子電圧の調整は、有効電力目標値に対する実際の有効電力の偏差がゼロになるまで積分器23の出力を変化させ、これが端子電圧振幅を変化させることで行なわれる。なお、EdcとIdcの低周波成分との積はインバータの入力電力であり、これから発電機の有効電力を求めるためには、インバータの効率を考慮しなければならない。これは、インバータの効率をEdcおよびIdc、さらにはインバータの動作条件毎に求めておいて、補正することにより達成できる。また、インバータの効率は一般に90%以上と高いため、無視してよい場合もある。なお、積分器の代わりにP調節器,PI調節器またはP調節器の後段に一次遅れフィルタを設けたものを用いても、端子電圧の調整を行なうことは可能である。要は、有効電力の偏差が小さくなるように、端子電圧を調整できるものならば、どのような手段によってもよい。
図3に示す制御系において、f/V変換部1からの電圧Vを、速度fにおいて電動機に与えるべき最大値、すなわち最大トルクが得られる電圧振幅に設定しておき、高効率運転のための端子電圧調整は、この最大値から適切な値を減じる方式とすることが、実装上好ましい。なぜならば、このような方式とすることで、加減速時には電圧調整は行なわない、つまりf/V変換部出力から積分器出力の減算を停止することによって、直ちに最大トルクが得られる端子電圧の設定が可能となるためである。
なお、電動機が定常状態から加減速状態へ移行するときには、インバータの出力電圧周波数の指令値を変化させるため、その開始前または開始と同時に電力偏差積分値の出力電圧振幅からの減算を停止すればよい。さらに、この減算の停止を急に行なうと、電動機に印加される電圧が急変するため、これが外乱となって動作が不安定になる場合がある。これを回避するために、例えば上記減算の停止を、電力偏差積分値をある時間変化率をもって減少させるプロセスを経て実施するのが望ましい。
図4に、定常状態における電動機の速度−端子電圧振幅特性の例を示す。
点線と実線で示す2つの特性曲線はそれぞれ、電流ゼロの場合、および最大トルクが得られる電流を流す場合の端子電圧特性を示しており、いずれも先の数1の(4)式から導出できる。これまでに説明した端子電圧の調整は、最大トルクが得られる値と電流ゼロの場合の間で行なえば充分である。例として、速度Aの場合の端子電圧調整範囲を矢印で示している。
したがって、駆動する電動機における図4に示すような2本の特性曲線を予め求めておき、各速度における両特性曲線の値を、端子電圧調整の上下限リミット値として定めておくとよい。すなわち、例えば電動機の有効電力における電動機の抵抗値の温度変化の影響、または有効電力目標値の近似誤差やその他の誤差(例:インバータ効率の無視)によって、端子電圧の調整値にリミットを設けなければ、過大な電圧または過小な電圧が電動機に印加されることになり、過電流や脱調を引き起こす。上記のようなリミット値を設けておけばそのような危険性は無く、信頼性の高いシステムを実現できることになる。
この発明の原理説明図 電磁気的損失が最小となる端子電圧の負荷トルクに対する特性を示す特性図 この発明の実施の形態を示す要部構成図 電動機の定常状態における速度−端子電圧振幅特性を示す特性図 特許文献1に開示のV/f一定制御例を示すブロック図 非特許文献2に開示の非同期電動機の安定化制御方式を示すブロック図
符号の説明
1…f/V(周波数/電圧)変換器、2…電圧調整部、21…記憶部、22a,22b…加減算器、23…積分器、24…乗算器、25…ローパスフィルタ(LPF)。

Claims (5)

  1. 印加する電圧を調整することにより界磁付き同期電動機を駆動する交流電動機駆動装置において、
    前記電動機が消費または発電する有効電力を測定または推定し、その有効電力が、前記電動機が損失最小またはこれに準じる状態で動作する場合の有効電力目標値と一致するように、前記電動機に印加する電圧振幅を調整するとともに、前記有効電力目標値を、電動機に印加する電圧の振幅と周波数を入力とするテーブルまたは関数もしくは近似関数として保持しておき、前記測定または推定した有効電力が前記テーブルまたは関数もしくは近似関数に基いて定められた有効電力目標値と一致するように、前記電圧の振幅を調整することを特徴とする交流電動機駆動装置。
  2. 前記電動機に印加する電圧の周波数指令値を時間的に変化させているときは、電動機に印加する電圧の振幅の調整を停止することを特徴とする請求項に記載の交流電動機駆動装置。
  3. 前記電動機に印加する電圧の振幅を、その電圧の周波数指令値の関数として定義した第1の電圧指令値を有し、前記有効電力目標値と、前記測定または推定した有効電力との偏差を時間積分,増幅または低域通過処理の少なくとも1つの処理をして得た電力偏差処理値を、前記第1の電圧指令値から減算することで、前記電圧の振幅調整を行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の交流電動機駆動装置。
  4. 前記電動機に印加する電圧の周波数指令値を時間的に変化させているときは、前記第1の電圧指令から前記電力偏差処理値の減算を停止することを特徴とする請求項に記載の交流電動機駆動装置。
  5. 前記電動機に印加する電圧の振幅の調整は、電圧の周波数に対応して予め定められた上下限値以内において実施することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の交流電動機駆動装置。
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