JPWO2007097454A1 - 微細凹凸形状を有するフィルム、およびその製造方法 - Google Patents

微細凹凸形状を有するフィルム、およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2007097454A1
JPWO2007097454A1 JP2008501781A JP2008501781A JPWO2007097454A1 JP WO2007097454 A1 JPWO2007097454 A1 JP WO2007097454A1 JP 2008501781 A JP2008501781 A JP 2008501781A JP 2008501781 A JP2008501781 A JP 2008501781A JP WO2007097454 A1 JPWO2007097454 A1 JP WO2007097454A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
shape
convex
thin film
fine uneven
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008501781A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5176950B2 (ja
Inventor
藤田 恵美
恵美 藤田
貢 上島
貢 上島
村上 俊秀
俊秀 村上
川畑 耕也
耕也 川畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Zeon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zeon Corp filed Critical Zeon Corp
Priority to JP2008501781A priority Critical patent/JP5176950B2/ja
Publication of JPWO2007097454A1 publication Critical patent/JPWO2007097454A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5176950B2 publication Critical patent/JP5176950B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/02Diffusing elements; Afocal elements
    • G02B5/0273Diffusing elements; Afocal elements characterized by the use
    • G02B5/0278Diffusing elements; Afocal elements characterized by the use used in transmission
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/02Diffusing elements; Afocal elements
    • G02B5/0205Diffusing elements; Afocal elements characterised by the diffusing properties
    • G02B5/021Diffusing elements; Afocal elements characterised by the diffusing properties the diffusion taking place at the element's surface, e.g. by means of surface roughening or microprismatic structures
    • G02B5/0221Diffusing elements; Afocal elements characterised by the diffusing properties the diffusion taking place at the element's surface, e.g. by means of surface roughening or microprismatic structures the surface having an irregular structure
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/02Diffusing elements; Afocal elements
    • G02B5/0205Diffusing elements; Afocal elements characterised by the diffusing properties
    • G02B5/021Diffusing elements; Afocal elements characterised by the diffusing properties the diffusion taking place at the element's surface, e.g. by means of surface roughening or microprismatic structures
    • G02B5/0231Diffusing elements; Afocal elements characterised by the diffusing properties the diffusion taking place at the element's surface, e.g. by means of surface roughening or microprismatic structures the surface having microprismatic or micropyramidal shape
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/18Diffraction gratings
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements

Abstract

表面に微細凹凸形状を有するフィルムを容易に大面積で得ることができ、しかも、凸部の頂点間距離、アスペクト比、およびそれらの分布を自在に制御できる製造方法を提供する。フィルム基材の少なくとも一方の表面に薄膜を形成して積層体を得、該積層体を面内の少なくとも一つの軸方向に収縮させ、薄膜を褶曲させることを含む製造方法によって、凸部の頂点間の平均距離が50nm〜50μmである微細凹凸形状を有するフィルムを得る。

Description

本発明は、微細な凹凸形状を有するフィルム、およびその製造方法に関する。
光の特性を制御する光学フィルムは、例えば、液晶ディスプレイ等に代表される光エレクトロニクス機器等に使用されている。光学フィルムとしては、光拡散フィルム、偏光フィルム、プリズムフィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、位相差フィルム等が挙げられる。これらの光学フィルムは、フィルムを構成する材料の分子配向を制御したり、機能を付与する材料をフィルムに含有させたり、フィルム表面の立体構造を制御したりすることによって得られる。
液晶ディスプレイなどの表示装置では、表示画面の大面積化の検討が進められている。これに伴い、大面積の光学フィルムを高精度で生産することが要求されるようになった。
フィルム表面に微細立体構造を形成する方法としては、リソグラフィーに基づく方法や表面に型を押し付ける方法が従来から知られている。
リソグラフィー法は、高精細な加工が可能であるが、大面積への加工には向かず、また加工コストが高くなる場合がある。
一方、ホットエンボス技術やナノインプリント技術など表面に型を押し付ける方法は、高精度な微細構造の形成が可能となってきているが、該手法は、高精細・大面積の型の製造が難しく、型が高価である。この方法で得られた凹凸形状を有するフィルムは、構造が微細になるほど、擦れ等により傷が付きやすく、凹凸形状が潰れるおそれがあった。また、紫外線硬化樹脂などを用いて、表面に型を押し付ける方法で得られる表面に凹凸形状を有するフィルムは、使用条件などによりそりが発生することがあった。
フィルム表面に立体構造を形成する別の方法として、特許文献1には、基板に樹脂を塗布し、基板を湾曲させた状態で樹脂を変形させる方法が提案されている。しかし、この方法では、付与した構造の凸部頂点間の距離、凸部の高さと幅との比(アスペクト比)の形状制御が容易でなかった。
特開2003−266570号公報
本発明の目的は、凹凸形状の凸部頂点間の距離、凸部の高さと幅との比(アスペクト比)、およびそれらの分布が自在に制御され、耐擦傷性に優れ、過酷な使用条件下でもそりなどが生じない、表面に微細凹凸形状を有するフィルムを提供することにある。
また本発明の目的は、凹凸形状の凸部頂点間の距離、凸部の高さと幅との比(アスペクト比)、およびそれらの分布が自在に制御できる表面に微細凹凸形状を有する大面積のフィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく検討した結果、フィルム基材の少なくとも一方の表面に薄膜を形成して積層体を得、次いで該積層体を面内の少なくとも一つの軸方向に収縮させることによって、表面に微細凹凸形状を有するフィルムを容易に大面積で得ることができ、しかも、凸部頂点間の距離、アスペクト比およびその分布度合いを自在に制御できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) フィルム基材の少なくとも一方の表面に薄膜を形成して積層体を得る工程、および
該積層体を面内の少なくとも一つの軸方向に収縮させて薄膜を褶曲させる工程を含む、
表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
(2) 主たる収縮方向の収縮率ΔLを式〔1〕、主たる収縮方向に直交する方向の収縮率ΔMを式〔2〕で表した時、ΔLおよびΔMが式〔3〕および式〔4〕を満たす、前記の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
式〔1〕:ΔL=(L0−L1)/L0×100 (L0:主たる収縮方向の収縮前の長さ、L1:主たる収縮方向の収縮後の長さ)
式〔2〕:ΔM=(M0−M1)/M0×100 (M0:主たる収縮方向に直交する方向の収縮前の長さ、M1:主たる収縮方向に直交する方向の収縮後の長さ)
式〔3〕:ΔL>0
式〔4〕:−(ΔL×0.3)≦ΔM≦ΔL
(3) ΔLおよびΔMが式〔5〕を満たす、前記の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
式〔5〕:−(ΔL×0.2)≦ΔM≦(ΔL×0.2)
(4) 微細な凹凸形状が、面内でストライプ状に細長く伸びた構造である、前記の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
(5)微細な凹凸形状は、凸部の頂点間の距離の変動係数が40%以下である、前記の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
(6) 前記薄膜の厚さが1nm〜50μmである、前記の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
(7) 前記薄膜が無機物質からなるものであり、かつ前記薄膜の厚さが1nm〜500nmである、前記の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
(8) 前記薄膜が有機物質からなるものであり、かつ前記薄膜の厚さが100nm〜50μmである、前記の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
(9) 前記有機物質が硬化性樹脂からなるものであり、硬化性樹脂からなる薄膜を形成する時の熱処理温度を基材フィルムのガラス転移温度より5℃以上低くする、前記の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
(10) 微細な凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離が50nm〜50μmである、前記の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
(11) フィルム基材が、面内の少なくとも一つの方向に分子配向しているフィルムである、前記の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
(12) 表面に微細凹凸形状Bを有する第一層と、前記凹凸形状Bの上に積層され且つ前記凹凸形状Bの形状に対応するように褶曲している第二層とを含んでなる、凸部の頂点間の平均距離が50nm〜50μmである微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
(13) 第二層の平均厚さが、微細凹凸形状Aの平均高さの10%〜100%である、前記の微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
(14) 第二層の厚さの変動係数が20%以下である、前記の微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
(15) 微細な凹凸形状Aは、凸部の頂点間の距離の変動係数が80%以下である、前記の微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
(16) 微細な凹凸形状Aは、2次元フーリエ変換して得られる空間周波数のパワースペクトルが一の方向に分布している、前記の微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
(17) 微細な凹凸形状Aが、面内でストライプ状に細長く伸びた構造である、前記の微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
(18) 微細な凹凸形状Aは、凸部の頂点間距離の変動係数が40%以下である、前記の微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
(19) ヘイズが50%以上であることを特徴とする、前記の微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
(20) 前記の製造方法で得られる微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
(21) 前記の微細な凹凸形状Aを有するフィルムを含んでなる光学素子。
本発明の製造方法によれば、表面に微細な凹凸形状を有するフィルムを容易に大面積で得ることができ、しかも、微細な凹凸形状の凸部頂点間の距離、アスペクト比、およびそれらの分布を自在に制御できる。
本発明の微細な凹凸形状を持つフィルムは、耐擦傷性が良好で、そりも少なく、光学素子として好適である。
実施例3で得られた凹凸構造の表面走査型電子顕微鏡写真像を示す図 図1の電子顕微鏡写真像の2次元フーリエ変換像を示す図 実施例4で得られた凹凸構造の表面走査型電子顕微鏡写真像を示す図 本発明で得られる構造の断面模式図 本発明で得られる構造の断面模式図 比較例1(従来技術)で得られる構造の断面模式図 比較例2(従来技術)で得られる構造の断面模式図
符号の説明
1,11:第一層(フィルム基材)
2,12:第二層(薄膜)
3,13:フィルム基材
4:紫外線硬化層
〔表面に微細凹凸形状を有するフィルムの製造方法〕
本発明の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法は、フィルム基材の少なくとも一方の表面に薄膜を形成して積層板を得る工程、及び該積層体を面内の少なくとも一つの軸方向に収縮させて薄膜を褶曲させる工程を含むものである。
(フィルム基材)
本発明の製造方法に用いるフィルム基材は、薄膜を積層させた後に、面内の少なくとも一つの軸方向に収縮させることができるものであれば特に限定されない。例えば、フィルム基材自身が加熱などの手段によって収縮するものであってもよいし、一軸延伸させたときに延伸方向に直交する方向が収縮するものであってもよい。
フィルム基材の収縮前の平均厚さは、ハンドリングの観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。
フィルム基材は、通常、樹脂や、ゴム若しくはエラストマーで形成されている。
樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル樹脂、メタクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(例えば、2,6−キシレノールの重合体など)、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)などが挙げられる。
なお、脂環式オレフィン樹脂としては、特開平05−310845号公報や米国特許第5179171号公報に記載されている環状オレフィンランダム共重合体、特開平05−97978号公報や米国特許第5202388号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報や国際公開99/20676号公報に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン系開環重合体及びその水素添加物等が挙げられる。
またゴム/エラストマーとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどが挙げられる。
フィルム基材の材料は、これらのうち、製造が容易な点から熱可塑性樹脂が好ましい。
フィルム基材を構成する熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、加工の容易さの観点からガラス転移温度が60〜200℃であるものが好ましく、100〜180℃であるものがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
また、フィルム基材を構成する熱可塑性樹脂は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは8,000〜200,000、特に好ましくは10,000〜100,000である。重量平均分子量がこの範囲にあることにより成形加工性が良好となり、機械的強度を向上させることができる。この重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定することができる。
フィルム基材を構成する樹脂や、ゴム又はエラストマーは、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、有機又は無機の充填剤、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止剤、蛍光増白剤、抗菌剤、拡散粒子、熱可塑性エラストマーその他の配合剤が適宜配合されたものであってもよい。
フィルム基材は、その製法によって特に制限されない。フィルム基材の原反は、前述の樹脂等を公知のフィルム成形法で形成すること等によって得られる。フィルム成形法としては、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。
加熱などの手段によってそれ自身が収縮するフィルム基材は、通常、面内で分子配向していることが好ましい。本来、分子は原子間結合角に応じた低いエネルギー配置状態になろうとする。分子が面内で規則的に並んだ状態は分子の結合状態に歪を含んでおり、高エネルギーの配置状態と言える。この高エネルギーの配置状態になっているフィルム基材を加熱などしたときに、分子が低エネルギーの配置状態に戻ろうとし、フィルム基材全体が収縮するのである。分子配向の状態は、公知の方法で測定することでき、例えば、自動複屈折計KOBRA21ADHを用いて測定することもできる。
加熱などの手段によってそれ自身が収縮するフィルム基材は、例えば、前述の樹脂等を公知の成形法で原反フィルムに形成し、該原反フィルムを延伸することによって得ることができる。また、延伸処理の代わりに、磁場や電場を掛けて又はラビング処理して分子を配向させ収縮性を示すフィルム基材とすることができる。ゴム又はエラストマーを公知の成形法で弾性フィルムに形成し、該弾性フィルムを面内方向に引っ張った状態にすることで、弾性による復元力を利用した収縮性を示すフィルム基材とすることができる。さらに硬化性樹脂からなるフィルムをあらかじめ溶剤等で膨潤させ、該膨潤フィルムが乾燥する時に生じる収縮を利用して本発明に用いるフィルム基材とすることができる。これらのうち、原反フィルムを延伸することによって得られる収縮性を示すフィルム基材が好ましい。
原反フィルムを延伸することによって得られる収縮性を示すフィルム基材は、その延伸方法によって特に制限されず、一軸延伸法、二軸延伸法のいずれで延伸したものであってもよい。二軸延伸の場合は、通常、フィルム面内の二つの方向に収縮することになる。
延伸処理する方法としては、ロール側の周速の差を利用して縦方向に一軸延伸する方法;テンター延伸機を用いて横方向に一軸延伸する方法等の一軸延伸法;固定するクリップの間隔を開いての縦方向の延伸と同時に、ガイドレールの広がり角度により横方向に延伸する同時二軸延伸法や、ロール間の周速の差を利用して縦方向に延伸した後、その両端部をクリップ把持してテンター延伸機を用いて横方向に延伸する逐次二軸延伸法などの二軸延伸法;横又は縦方向に左右異なる速度の送り力若しくは引張り力又は引取り力を付加できるようにしたテンター延伸機を用いてフィルムの幅方向に対して任意の角度θの方向に連続的に斜め延伸する方法;などが挙げられる。
主たる収縮方向の収縮率が大幅に高くなると、主たる収縮方向に直交する方向に伸びが生じることがあり、その伸びによって凹凸形状に亀裂が生じることがある。この収縮時の亀裂発生を抑制することができるという観点から、(i)延伸時の縦方向の収縮を好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下に抑えて横方向に一軸延伸する(横一軸延伸法)か、(ii)縦方向及び横方向に二軸延伸するの(二軸延伸法)が好ましい。
延伸に用いる装置として、例えば、縦一軸延伸機、テンター延伸機、バブル延伸機、ローラー延伸機等が挙げられる。
延伸時の温度は、フィルム基材を構成する材料のガラス転移温度をTgとしたときに、好ましくは(Tg−30℃)と(Tg+60℃)の間、より好ましくは(Tg−10℃)と(Tg+50℃)の間の温度から選択される。
延伸倍率は、使用するフィルムの引張り特性に応じて、所望する凹凸形状のアスペクト比になるように適宜選択すればよい。なお、ここで言うアスペクト比とは凹凸形状中の凸部の垂直断面形状の高さと幅との比(=高さ/幅)である。なお、凸部の垂直断面の形状が長方形または正方形以外のときには、アスペクト比を求めるときの凸部の幅は凸部の高さの1/2の高さにおける凸部の幅である。
高アスペクト比の凹凸形状を得たい場合には、薄膜の膜質や厚さにもよるが、おおむね延伸倍率を高く設定する。低アスペクト比の凹凸形状を得たい場合には、延伸倍率を低く設定する。具体的には、主たる延伸方向の倍率R1を、通常1.01〜30倍、より好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.05〜5倍にする。主たる方向の延伸倍率R1が1.01倍より小さい倍率では、凹凸形状が発生せず、30倍より大きい倍率では、フィルム強度が低下する恐れがある。
(薄膜)
次に、フィルム基材の少なくとも一方の表面に薄膜を形成する。薄膜の収縮率は、フィルム基材を収縮させる条件下において、フィルム基材の収縮率の20%以下であることが好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。薄膜の収縮率が大きすぎると微細な凹凸形状が形成しない場合がある。
薄膜の収縮前の平均厚さは、1nm〜50μmであることが好ましい。薄膜の厚さは、透過電子顕微鏡にて、薄膜の垂直断面を写真撮影し、該写真像から厚さの平均値を求める。
薄膜としては、無機薄膜及び有機薄膜がある。
本発明に用いる無機薄膜は無機物質からなるものである。薄膜を構成する無機物質としては、金属;金属酸化物や金属窒化物などの金属化合物;非金属;非金属酸化物などの非金属化合物などが挙げられ、具体的には、アルミニウム、珪素、マグネシウム、パラジウム、白金、亜鉛、錫、ニッケル、銀、銅、金、アンチモン、イットリウム、インジウム、ステンレス鋼、クロム、チタン、タンタル、ジルコニウム、ニオブ、ランタン、セリウム、等の金属若しくは非金属;またはこれらの酸化物や窒化物;又はそれらの混合物が挙げられる。本発明の製造方法で得られるフィルムを光学素子として使用する場合には、可視光を透過する無機物質を選択することが好ましく、その具体的な例としてITO、In23、SnO2、SiO2、CuI、TiO2、ZrO2等が挙げられる。これらのうち、薄膜の柔軟性という観点からSiO2が好ましい。
無機薄膜の平均厚さは、1nm〜500nmであることが好ましい。1nmより薄すぎると凹凸形状が形成しづらくなり、500nmより厚すぎると収縮時に無機薄膜層にクラックが発生しやすくなる。無機薄膜を用いると、凸部頂点間の平均距離が50nm〜1000nmの微細な凹凸形状が容易に得られる。
無機薄膜を形成する方法は、特に制限されず、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、CVD(化学蒸着)等の蒸着法;スピンコート法、ディッピング法、ロールコート法、スプレー法、ベーパー法、グラビアコータやブレードコータなどのコータ法、スクリーン印刷法、インクジェット法等の塗布法;無電解めっき法、電解めっき法などが挙げられる。
本発明に用いる有機薄膜は、収縮によって薄膜が褶曲構造をとるものであれば特に制限されない。
有機薄膜は、フィルム基材を収縮させる温度条件下での収縮率が、フィルム基材の収縮率より小さいものであることが好ましい。
有機薄膜の平均厚さは、100nm〜50μmであることが好ましい。100nmより薄すぎると凹凸形状が形成しづらくなり、50μmより厚すぎるとアスペクト比の制御が難しくなる。有機薄膜を用いると、凸部頂点間の平均距離が500nm〜50μmの微細な凹凸形状が容易に得られる。
有機薄膜としては熱可塑性樹脂からなるものと、硬化性樹脂からなるものとが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、前記フィルム基材に用いることができるものとして例示したものと同様のものを挙げることができる。また、薄膜には、前記フィルム基材に用いる樹脂同様に配合剤を含んでいてもよい。
熱可塑性樹脂からなる有機薄膜の形成方法としては、(1)フィルム基材を構成する樹脂と、薄膜を構成する樹脂とを共押出する方法;(2)熱可塑性樹脂を薄膜に成形し、これをフィルム基材に貼り合わせる方法;(3)フィルム基材の表面に熱可塑性樹脂を含有する溶液を塗布し乾燥する方法等が挙げられる。
本発明においては、前記フィルム基材が熱可塑性樹脂1からなるものであり、前記有機薄膜が熱可塑性樹脂2からなるものであり、熱可塑性樹脂2のガラス転移温度が、熱可塑性樹脂1のガラス転移温度よりも20℃以上高いことが好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
硬化性樹脂としては、熱硬化性のものと、エネルギー線硬化性のものとがある。なお、エネルギー線とは、可視光線、紫外線、電子線、などのことをいう。
熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
エネルギー線硬化型樹脂としては特に限定されないが、例えば、ラジカル重合性不飽和基(例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、スチリル基、ビニル基等)及び/又はカチオン重合性基(エポキシ基、チオエポキシ基、ビニルオキシ基、オキセタニル基等)の官能基を有する樹脂で、具体的には、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹 脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等が挙げられる。
エネルギー線として紫外線や可視光線を用いる場合には、硬化性樹脂の中に光重合開始剤、光増感剤などを含ませる。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が挙げられる。光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を挙げられる。
硬化性樹脂からなる薄膜には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等の配合剤が含まれていてもよい。
硬化性樹脂からなる有機薄膜の形成方法は、特に限定されない。硬化性樹脂からなる有機薄膜は、例えば、フィルム基材面に硬化性樹脂の組成物を塗布し、硬化することによって得られる。硬化性樹脂薄膜を形成する際、フィルム基材のガラス転移温度T1より5℃以上低い温度で熱処理することが望ましい。薄膜形成の際に高い温度がかかると、フィルム基材がアニールされ、設計どおりに収縮しなくなるおそれがある。
有機薄膜としては、微細な凹凸形状のアスペクト比の制御が容易な場合があるため、硬化性樹脂薄膜を用いることが好ましい。
(褶曲誘起構造)
本発明の製造方法においては、フィルム基材表面に薄膜を形成する前に、薄膜の褶曲を引き起こさせるための構造(褶曲誘起構造)をフィルム基材の表面に形成すること、又はフィルム基材表面に薄膜を形成した後で且つ該基材を収縮させる前に、該薄膜の褶曲を引き起こさせるための構造(褶曲誘起構造)を薄膜に形成することを含むことが、凹凸形状の凸部の頂点間の距離の均一性を向上させたい場合には、好ましい。
該構造は、基材が収縮したときに薄膜の褶曲を引き起こさせる構造であれば特に限定されず、例えば、ラビング処理やその他の方法で表面に付けた傷、インクジェットプリンターや印刷機等で載せたインク印、エンボス加工やインプリントなどで付与した凹凸などが挙げられる。
褶曲誘起構造は一定間隔の位置に形成されることが好ましい。褶曲誘起構造の間隔は、所望する凹凸形状の凸部頂点間の距離とは直接に関係無いので、所望の凹凸形状の凸部頂点間の距離よりも狭くても、広くても良いが、凹凸形状の凸部頂点間の所望距離の0.05倍〜100倍の褶曲誘起構造の間隔にすることが好ましい。
本発明の製造方法においては、次に前記薄膜を表面に形成したフィルム基材を収縮させ、薄膜を褶曲させる。フィルム基材を収縮させる方法は、フィルム基材の種類に応じて適宜選択すればよい。
フィルム基材の収縮率は、フィルム基材の収縮によって薄膜が褶曲したときに薄膜等に亀裂などが生じないようにするために、主たる収縮方向の収縮率ΔL、および主たる収縮方向に直交する方向の収縮率ΔMが、式〔3〕および式〔4〕を満たすことが好ましい。なお、ΔL及びΔMは式〔1〕及び式〔2〕でそれぞれ定義される。
式〔1):ΔL=(L0−L1)/L0×100 (L0:主たる収縮方向の収縮前の長さ、L1:主たる収縮方向の収縮後の長さ)
式〔2):ΔM=(M0−M1)/M0×100 (M0:主たる収縮方向に直交する方向の収縮前の長さ、M1:主たる収縮方向に直交する方向の収縮後の長さ)
式〔3〕:ΔL>0
式〔4〕:−(ΔL×0.3)≦ΔM≦ΔL
微細凹凸形状の異方性を強くしたい場合、すなわち、凹凸形状を面内でストライプ状に細長く伸びた構造にしたい場合には、式〔3〕及び式〔5〕を満たすことが好ましい。
式〔5〕:−(ΔL×0.2)≦ΔM≦(ΔL×0.2)
本発明の製造方法は、このように収縮条件を変更するだけで、凸部頂点間距離、アスペクト比等を任意に調整できるので各種光学フィルムの製造に好適である。またグリッド偏光子等で要求される面内でストライプ状に細長く伸びた構造も本発明の製造方法によって容易に製造できる。
微細な凹凸形状は、ランダムに配置されていてもよいし、規則的に配置されていてもよいが、凸部の頂点間の距離の変動係数が40%以下であることが、回折機能や集光機能や偏光機能を付与した光学素子として用いるのに好適である。なお、変動係数は、凸部の頂点間の距離の平均値に対する標準偏差の割合(=標準偏差/平均値×100)である。
なお、主たる収縮方向は、収縮する度合い(収縮率)が最も大きい方向である。例えば、熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸して得られたフィルム基材は加熱によって収縮する。フィルムの延伸を一軸方向にだけ行った場合には、通常、該延伸方向が主たる収縮方向になる。また二軸方向に延伸を行った場合には、通常、延伸した二つの方向のうち延伸倍率の大きい方向が主たる収縮方向になる。
熱可塑性樹脂からなるフィルムを一軸延伸すると、延伸時に延伸方向に直交する方向にフィルムが収縮する。この延伸時の収縮を利用したフィルム基材では、延伸方向に直交する方向が主たる収縮方向である。なお、主たる収縮方向に直交する方向の収縮率ΔMの値がマイナスのときは、収縮処理においてフィルムが伸びたことを表す。主たる収縮方向にフィルムが収縮したときに、主たる収縮方向に直交する方向の伸びが大きくなりすぎると薄膜に亀裂が生じやすくなる。
主たる収縮方向に直交する方向の収縮率は、1%〜90%であることが好ましく、1%〜50%であることがより好ましい。
本発明の製造方法によって、下記のような微細な凹凸形状を有するフィルムが容易に得られる。
〔微細凹凸形状を有するフィルム〕
本発明のフィルムは、表面に微細凹凸形状Bを有する第一層と、前記凹凸形状Bの上に積層され且つ前記凹凸形状Bの形状に対応するように褶曲している第二層とを含んでなる、凸部の頂点間の平均距離が50nm〜50μmである微細な凹凸形状Aを有するフィルムである。
第一層は、樹脂や、ゴム若しくはエラストマーで形成されている。第一層を構成する樹脂や、ゴム若しくはエラストマーとしては、前記のフィルム基材を構成する材料として列挙したものと同様のものを挙げることができる。第一層の平均厚さは、通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。
第一層の表面に在る微細凹凸形状Bは、凸部の頂点間の平均距離が50nm〜50μmであることが好ましい。微細凹凸形状B中の凸部は、その形状によって特に制限されず、畝状、台状、点状などの形状のものが挙げられる。微細凹凸形状B中の凸部は、第一層の表面にランダムに配置されていてもよいし、規則的に配置されていてもよいが、凸部の頂点間の距離の変動係数が80%以下となっていることが光学素子として用いるのに好適である。なお、この変動係数は、凸部の頂点間の距離の平均値に対する標準偏差の割合(=標準偏差/平均値×100)である。微細な凹凸形状Bが畝状凸部がストライプ状に配列されたものである場合には、凸部の頂点間の距離の変動係数は40%以下が好ましく、30%以下がさらに好ましい。ストライプ状に配列されたものである場合、凸部の頂点間の距離の変動係数が小さいことは、ストライプの周期性が高いことを意味する。
第二層は有機物質または無機物質で形成されている。第二層を構成する有機物質または無機物質としては、前記の薄膜を構成する材料として列挙したものと同様のものを挙げることができる。第二層の平均厚さは、1nm〜50μmであることが好ましい。また、第二層の平均厚さは、微細凹凸形状Aの凸部の平均高さの10%〜100%であることが好ましい。第二層の平均厚さが、微細凹凸形状Aの凸部の平均高さの10%より薄い場合には、耐擦傷性が損なわれる可能性があり、逆に100%より厚い場合には、過酷な条件で使用した場合、そりが出る可能性がある。
第二層の厚さの変動係数は20%以下であることが好ましい。第二層の厚さの変動係数が20%より大きい場合には、第二層の厚さ分布が大きくなり、そりの原因となる場合がある。なお、第二層の厚さは、以下のようにして計測できる。フィルムを周期性が強い方向で垂直に切断し超薄切片を得、透過電子顕微鏡にて超薄切片を写真撮影する。撮影した画像から第二層の厚さを、凸部頂点および凹部底点のそれぞれ少なくとも15点以上で計測し、それら計測値から、平均値、標準偏差、変動係数を算出する。フィルムの周期性が強い方向は、フィルム表面の走査型電子顕微鏡写真像を2次元フーリエ変換して得られる空間周波数のパワースペクトル分布から空間周波数の強度が強い2点を抽出し、この2点で結ばれる直線の方向である。この方向は、凹凸形状が面内でストライプ状である場合、ストライプの長手方向に直交する方向であることを意味する。
第二層は、前記凹凸形状Bの上に積層され且つ前記凹凸形状Bの形状に対応するように褶曲している。図4及び図5は、本発明のフィルムの垂直断面を示す模式図である。第一層の表面の凹凸形状Bに対応して、第二層が褶曲し、フィルムの第二層側の表面に凹凸形状Aが形成されている。
なお、図6は、樹脂フィルム表面をエンボス加工して得られる凹凸形状を示すものである。また図7は、紫外線硬化性樹脂などを用いて型を押し付けて得られる凹凸形状を示すものである。
微細な凹凸形状Aは、凸部の頂点間の平均距離が50nm〜50μmである。また、微細凹凸形状A中の凸部は、その形状によって特に制限されず、畝状、台状、点状などの形状のものが挙げられる。微細凹凸形状A中の凸部は、面内にランダムに配置されていてもよいし、規則的に配置されていてもよいが、凸部の頂点間の距離の変動係数が80%以下であることが好ましい。なお、変動係数は、凸部の頂点間の距離の平均値に対する標準偏差の割合(=標準偏差/平均値×100)である。微細な凹凸形状が畝状凸部がストライプ状に配列されたものである場合には、凸部の頂点間の距離の変動係数は40%以下が好ましく、30%以下がさらに好ましい。
凸部の頂点間の平均距離及び凸部の頂点間の距離の変動係数は、表面に微細凹凸構造を有するフィルムの周期性が最も強い方向の垂直断面を走査型電子顕微鏡で観察し、該観察像から隣接する凸部と凸部との間の距離を複数計測し、それら計測値の平均値、標準偏差を求め、そして変動係数(%)=標準偏差σ/平均値×100を算出する。なお、フィルムの幅方向に10cm以上離れた場所から最低2箇所選択し、さらにフィルムの流れ方向に10cm以上離れた場所から最低2箇所選択し、選択した箇所の凹凸構造断面からそれぞれ30点以上の距離を計測する。
微細な凹凸形状Aの凸部の高さは、目的に応じて5nm〜50μmの範囲で選択され、本発明のフィルムを光学素子として使用する場合には、好ましくは50nm〜10μmの範囲である。凸部の幅(高さの半分の場所の幅)は、好ましくは5nm〜50μmであり、本発明のフィルムを光学素子として使用する場合には好ましくは50nm〜10μmである。またアスペクト比は、通常0.1〜10である。アスペクト比は凸部の高さ/凸部の幅で定義される。アスペクト比は薄膜の膜質、薄膜の膜厚、フィルム基材の収縮率等を制御することで調整することができる。
微細な凹凸形状Aは、フィルム表面の走査型電子顕微鏡写真像を2次元フーリエ変換して得られる空間周波数のパワースペクトルが一つの方向に分布していることが好ましい。前記パワースペクトルが一つの方向に分布していると、所望する光学素子に、拡散機能や回折機能や集光などの光学特性に異方性を持たせたい場合に、好適に使用できる。図1は、本発明フィルム表面の走査顕微鏡写真を示す図である。図2は、図1の画像を2次元フーリエ変換した像を示す図である。図2は縦方向に空間周波数の強度の強い部分が分布しており、この方向にフィルムの周期性が強くなっていることを示している。
また、微細凹凸形状Aが、図1のように、面内でストライプ状に細長く伸びた構造であることが好ましい。面内でストライプ状に細長く伸びた構造である場合には、後述するように回折格子や、グリッド偏光子等に利用できる。
本発明のフィルムは、光学素子、特に光拡散素子に適用するために、ヘイズが50%以上であることが好ましい。なお、ヘイズは、JIS K7361に基づき、濁度計(日本電色製 NDH2000型)を用いて測定する。
本発明の微細な凹凸形状Aを有するフィルムは、その表面の微細凹凸形状Aを利用して様々な光学素子等に適用できる。凸部頂点間の距離、アスペクト比、およびその分布を変更することによって、光拡散機能、集光機能、光回折機能、偏光機能を有するフィルムを容易自在に大面積で製造できる。
微細凹凸形状Aに光拡散機能を付与した場合には、反射防止フィルム、光拡散フィルム、照明カバー、反射型スクリーン、透過型スクリーンなどに用いることができ、微細凹凸形状Aに光集光機能を付与した場合には集光シートなどに用いることができる。
微細凹凸形状が面内でストライプ状に細長く伸びた構造であり、該微細凹凸形状の凸部頂点間の距離が光の波長と同程度かやや大きい場合には、光を回折したり、集光させたり、散乱させたりする機能を有するフィルムが得られる。このようなフィルムは、回折格子として用いることができる。
微細凹凸形状が面内でストライプ状に細長く伸びた構造であり、該微細凹凸形状の凸部頂点間の距離が光や電磁波の波長よりも小さい場合には、該微細凹凸形状の凸部上にアルミニウムなどの吸光性材料を成膜することによって、グリッド偏光フィルム、電磁波遮蔽フィルム、電磁波吸収フィルムなどの素子に応用することが可能となる。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(製造例1)フィルム基材の製造
脂環式オレフィン樹脂(日本ゼオン社製、ZEONOR1420、ガラス転移温度136℃)のペレットを、窒素を流通させた熱風乾燥機を用いて、100℃で4時間乾燥した。次いでこのペレットを、50mmφのスクリューを備えたTダイ式フィルム溶融押出成形機を使用して、溶融樹脂温度260℃で押出し成形することにより、幅650mm、厚さ188μmのフィルムを製造し、両端25mmずつをトリミングして幅600mmの脂環式オレフィン樹脂からなる原反フィルムを得た。
(フィルム基材1A)
幅600mmの原反フィルムの両端をクリップに把持させて、テンター延伸機内に導入し、温度150℃でフィルム幅方向に1.5倍、フィルム流れ方向に1倍の延伸倍率になるように横一軸延伸し、延伸機から出た延伸フィルムをクリップから外し、両端を連続的にトリミングして幅800mmのフィルム基材1Aを得た。
フィルム基材1Aから40mm角の試験片を切り出し、切り出した試験片の中央部において、複屈折計測装置(王子計測機器(株)、KOBRA−21ADH)を用いてフィルム基材の位相差を測定することにより配向角を計測した。フィルム基材1Aは、幅方向に分子配向していることが確認された。
(フィルム基材1B)
上記の幅600mmの原反フィルムを、縦一軸延伸装置を用いて温度145℃で縦方向に1.3倍に延伸した。延伸されたフィルムをテンター延伸(横一軸延伸)装置に送り温度150℃で横方向に1.6倍延伸し、フィルム基材1Bを得た。フィルム基材1Bから40mm角の試験片を切り出し、切り出した試験片の中央部において、複屈折計測装置[王子計測機器(株)、KOBRA−21ADH]を用いて配向角を計測した。フィルム基材1Bは、幅方向に分子配向していることが確認された。
(フィルム基材1C)
上記の幅600mmの原反フィルムを、縦一軸延伸装置を用い、温度145℃で縦方向に1.5倍に延伸し、フィルム基材1Cを得た。フィルム基材1Cから40mm角の試験片を切り出し、切り出した試験片の中央部において、複屈折計測装置[王子計測機器(株)、KOBRA−21ADH]を用いて配向角を計測した。フィルム基材1Cは、流れ方向に分子配向していることが確認された。
(製造例2)熱可塑性樹脂薄膜用溶液の製造
脂環式オレフィン樹脂(日本ゼオン社製、ZEONOR1600、ガラス転移温度163℃)のペレットをシクロヘキサンに溶解し、濃度2重量%の脂環式オレフィン樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を支持フィルムにバーコーターで塗布し、100℃で30分間乾燥して薄膜を得た。該薄膜を支持フィルムから剥がし、10cm角に裁断し、140℃で1時間放置した。放置後、辺の長さを計測した。該薄膜の収縮率は0.8%(=[裁断後の長さ(10cm)−140℃放置後の長さ]/10cm×100)であった。
(製造例3)硬化性樹脂薄膜用溶液の製造
6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(商品名:NKオリゴ U−6HA、新中村化学社製) 30重量部、ブチルアクリレート 40重量部、イソボルニルメタクリレート(商品名:NKエステル1B、新中村化学社製) 30重量部、および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 10重量部をホモジナイザーで混合し、次いでトルエンで濃度20重量%に希釈して、紫外線硬化性樹脂溶液を調製した。
この紫外線硬化性樹脂溶液を支持フィルムにバーコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させ、次いで紫外線を照射(積算光量300mJ/cm2)し、樹脂を硬化させ薄膜を得た。製造例2と同様に薄膜の収縮率を計測したところ、収縮率は1.4%であった。
(実施例1)
フィルム基材1A上に、成膜カソードを備えたフィルム巻き取り式真空成膜装置を用いて、スパッタリング法によって厚さ10nmのSiO2層を成膜し積層フィルムを得た。次いでSiO2層表面をフィルム流れ方向にラビング処理した。走査型電子顕微鏡で観察したところ、SiO2層表面にフィルム流れ方向に沿った線状の傷が一様に付いていた。
次に該積層フィルムを温度140℃の温風を循環させた温風乾燥機を通過させて、主たる収縮方向の収縮率ΔL=33%、主たる収縮方向に直交する方向の収縮率ΔM=0.1%で収縮させた。
前記収縮フィルムを、日立製作所製電界放出型走査電子顕微鏡S−4700にて観察したところ、図1に示すような、ストライブ状に細長く伸びた微細な凹凸形状が表面に均一に形成されていた。
走査電子顕微鏡像を画像解析ソフト(SoftImagingSystem製、AnlySIS)を用いて、2次元高速フーリエ変換し、空間周波数のパワースペクトル分布を求め、周期性を強く示す方向を読み取った。この方向にウルトラミクロトームを用いて切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−4700)で写真撮影した。この写真撮影をフィルム幅方向および流れ方向に少なくとも10cm以上離れた3箇所の点で行った。走査型電子顕微鏡写真像から、凸部頂点間距離を30点計測した。凸部頂点間の平均距離は124nm、凸部頂点間の距離の変動係数は3.6%であった。また、アスペクト比は2.1であった。
また、収縮フィルムから、集束イオンビーム加工観察装置(日立製作所製、FB−2100)のマイクロサンプリング装置を使用して透過型電子顕微鏡観察用断面片を作製した。透過電子顕微鏡(日立製作所製、H−7500)にてその断面を観察した。観察画像からSiO2層が図4に示すように褶曲していることが確認された。SiO2層の厚さを凸部頂点及び凹部底点でそれぞれ15点ずつ計測した。SiO2層(第二層)の厚さは、平均が10.4nm、変動係数が4.2%であった。第二層の平均厚さは凹凸形状の平均高さの10.4%であった。
収縮フィルムの凹凸形状面に、厚さ100nmのアルミニウム層を真空蒸着によって形成した。次いでリン酸を主成分とするエッチング液に浸漬してグリッド偏光フィルムを得た。
分光光度計(日本分光製、紫外可視近赤外分光光度計V−570)を用い偏光分離性能を調べた。波長550nmにおけるp偏光透過率が83%、s偏光透過率が0.3%と良好な偏光分離性能を示した。
(実施例2)
フィルム基材1A上に、製造例2で得られた樹脂薄膜用溶液をダイコーターを用いて塗布し、100℃の温風乾燥炉中で30分間乾燥させて、薄膜を形成し積層フィルムを得た。薄膜の平均厚さは13.4μmであった。
次に積層フィルムを温度140℃の温風を循環させた温風乾燥機を通過させて、主たる収縮方向の収縮率ΔL=32%、主たる収縮方向に直交する方向の収縮率ΔM=0.2%で収縮させた。
収縮フィルムを、実施例1と同様の方法で表面観察したところ、ストライブ状に細長く伸びた微細な凹凸形状が形成されており、凸部頂点間の距離は、平均が12.7μm、変動係数が19.2%であった。アスペクト比は0.59であった。凹凸形状下の薄膜(第二層)の厚さは、平均が12.4μm、変動係数が5.4%であった。第二層の平均厚さは凹凸形状の平均高さの75.2%であった。
濁度計(日本電色製 NDH2000型)にてへイズを計測したところ、85%であった。
得られた収縮フィルムに、スポット径2mmのコリメート光をフィルム法線方向から入射させ、透過してきた光の出射角度と輝度との関係を測定した。該収縮フィルムが散乱特性と回折特性を有することを確認できた。
該収縮フィルムを、10cm角に切断し、60℃、85%RHの環境下に500時間放置したが、そりは生じなかった。
(実施例3)
フィルム基材1A上に、製造例3で得られた溶液を、ダイコーターを用いて連続的に塗布した。次いで、80℃で5分間乾燥させ、紫外線を照射(積算光量300mJ/cm2)し、樹脂を硬化させ、薄膜を形成し積層フィルムを得た。この積層フィルムを、ロール状に巻き取った。硬化後の薄膜の平均厚さは903nmであった。
次に該積層フィルムを温度140℃の温風を循環させた温風乾燥機を通過させて、主たる収縮方向の収縮率ΔL=31%、主たる収縮方向に直交する方向の収縮率ΔM=0.1%で収縮させた。
収縮フィルムを、実施例1と同様の方法で表面観察したところ、ストライブ状に細長く伸びた微細な凹凸形状が形成されており、凸部頂点間の距離は、平均が1.9μm、変動係数が12.8%であった。アスペクト比は0.38であった。凹凸形状下の薄膜(第二層)の厚さは、平均が938nm、変動係数が8.3%であった。第二層の平均厚さは凹凸形状の平均高さの36.0%であった。
濁度計(日本電色製 NDH2000型)にてへイズを計測したところ、69%であった。
得られた収縮フィルムに、スポット径2mmのコリメート光を法線方向から入射し、透過してきた光の出射角度と輝度との関係を測定した。該収縮フィルムが強い回折特性を示すことが確認できた。
(実施例4)
フィルム基材1B上に、製造例3で得られた溶液を塗布し、80℃で5分間乾燥し、次いで紫外線を照射して樹脂を硬化させ薄膜を形成し積層フィルムを得た。硬化後の薄膜の平均厚さは2.4μmであった。第二層の平均厚さは凹凸形状の平均高さの50.1%であった。
次に積層フィルムを温度140℃の温風を循環させた温風乾燥機を通過させて、主たる収縮方向の収縮率ΔL=36%、主たる収縮方向に直交する方向の収縮率ΔM=20%で収縮させた。
収縮フィルムを実施例1と同様の方法で表面確認したところ、図3に示すような、ストライプが折れ曲がったようなランダムに分布した凹凸形状が形成されていた。凸部頂点間の距離は、平均が4.5μm、変動係数が63%であった。アスペクト比は0.9であった。凹凸形状下の薄膜の厚さは、平均が2.5μm、変動係数が6.9%であった。
濁度計(日本電色製 NDH2000型)にてへイズを計測したところ、82%であった。
得られた収縮フィルムに、スポット径2mmのコリメート光を法線方向から入射し、透過してきた光の出射角度と輝度との関係を測定した。該収縮フィルムが散乱特性を有することが確認できた。
凹凸形状が形成された面にスチールウール♯0000をあて、荷重0.05MPaで10回往復させた。その後、表面状態を目視で観察したが、傷は認められず、往復前と同じであった。
(実施例5)
フィルム基材1C上に、製造例3で得られた溶液を塗布し、80℃で5分間乾燥し、さらに紫外線を照射して樹脂を硬化させて薄膜を形成し積層フィルムを得た。硬化後の薄膜の平均厚さは584nmであった。
次に該積層フィルムを温度140℃の温風を循環させた温風乾燥機を通過させて、主たる収縮方向の収縮率ΔL=30%、主たる収縮方向に直交する方向の収縮率ΔM=−9.2%で収縮させた。
収縮フィルムを実施例1と同様の方法で表面確認したところ、ストライプ状の凹凸形状が観察された。凹凸に亀裂は見られなかった。凸部頂点間の距離は、平均が1.0μm、変動係数が13.4%であった。アスペクト比は0.8であった。凹凸形状下の薄膜の厚さは、平均が590nm、変動係数が3.8%であった。第二層の平均厚さは凹凸形状の平均高さの98.3%であった。
濁度計(日本電色製 NDH2000型)にてへイズを計測したところ、54%であった。
得られた収縮フィルムに、スポット径2mmのコリメート光を法線方向から入射し、透過してきた光の出射角度と輝度との関係を測定した。該収縮フィルムが回折特性を示すことを確認できた。
(実施例6)
SiO2層成膜後に行ったラビング処理をSiO2層成膜前に行った他は、実施例1と同様にして凹凸形状を有するフィルムを作製した。形成された凹凸形状は、実施例1と同様であることが確認された。
(比較例1)
原反フィルムをA4サイズに裁断した。このフィルムに、凸部頂点間の距離が10.0μm、凸部の高さが10μm、凸部断面形状が三角形をした、ストライプ状に細長く伸びた構造を有する金型を用いて、金型温度200℃で、5分間ホールドして熱インプリントした。図6に示すような断面形状が三角で、面内にストライプ状に細長く伸びた微細な凹凸形状を持ち、凸部頂点間距離のの変動係数が0.1%のフィルムを得た。
濁度計(日本電色製 NDH2000型)にてへイズを計測したところ、32%であった。
凹凸形状が形成された面にスチールウール♯0000をあて、荷重0.05MPaで10回往復させた。その後、表面状態を目視で観察したところ、はっきりと確認できる傷が多数見られた。
(比較例2)
原反フィルムをA4サイズに裁断した。このフィルムに、東洋合成工業社製のPAK−01をバーコーターで乾燥膜厚5μmになるように塗布し、80℃で5分間乾燥させた。
比較例1で用いた金型を塗布面に押し当て、フィルム側から紫外線を照射(積算光量300mJ/cm2)し、樹脂を硬化させた。金型を外し、図7に示すような断面構造の微細凹凸構造を有するフィルムを得た。
濁度計(日本電色製 NDH2000型)にてへイズを計測したところ、32%であった。
得られたフィルムを、10cm角に切断し、60℃、85%RHの環境下に500時間放置したところ、周辺部にそりが生じた。
(比較例3)
特開2003−266570号公報に記載の方法に従い、メチルエチルケトンにポリエステル樹脂(東洋紡バイロン500) 100重量部、メラミン樹脂(会社名大日本インキ製) 20重量部、およびパラトルエンスルホン酸 0.25重量部を溶解して塗布液を調製した。
この塗布液をポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ100μm)の上にバーコーターで乾燥厚さ5μmになるように塗布し、100℃で5分間乾燥し薄膜を形成させた。このフィルムを直径が0.3mの円筒に巻きつけ、180℃のオーブン中に1分間放置した。
得られたフィルムを走査型電子顕微鏡観察したところ、わずかにうねったような凸形状が見られた。実施例1と同様にして表面形状を計測すると、凸部頂点間の距離は平均が16.7μm、変動係数が82.1%であった。アスペクト比は0.1であった。
該フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム層表面は元の平らな形状を維持しており、硬化性樹脂層のみが変形している構造を有していた。
濁度計(日本電色製 NDH2000型)にてへイズを計測したところ、25%であった。
得られたフィルムを、10cm角に裁断し、60℃、85%RHの環境下に500時間放置したところ、周辺部にそりが生じた。

Claims (21)

  1. フィルム基材の少なくとも一方の表面に薄膜を形成して積層体を得る工程、および
    該積層体を面内の少なくとも一つの軸方向に収縮させて薄膜を褶曲させる工程を含む、表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
  2. 主たる収縮方向の収縮率ΔLを式〔1〕、主たる収縮方向に直交する方向の収縮率ΔMを式〔2〕で表した時、ΔLおよびΔMが式〔3〕および式〔4〕を満たす、請求項1に記載の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
    式〔1):ΔL=(L0−L1)/L0×100 (L0:主たる収縮方向の収縮前の長さ、L1:主たる収縮方向の収縮後の長さ)
    式〔2):ΔM=(M0−M1)/M0×100 (M0:主たる収縮方向に直交する方向の収縮前の長さ、M1:主たる収縮方向に直交する方向の収縮後の長さ)
    式〔3〕:ΔL>0
    式〔4〕:−(ΔL×0.3)≦ΔM≦ΔL
  3. ΔLおよびΔMが式〔5〕を満たす、請求項2に記載の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
    式〔5〕:−(ΔL×0.2)≦ΔM≦(ΔL×0.2)
  4. 微細な凹凸形状が、面内でストライプ状に細長く伸びた構造である、請求項3に記載の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
  5. 微細な凹凸形状は、凸部の頂点間の距離の変動係数が40%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
  6. 前記薄膜の厚さが1nm〜50μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
  7. 前記薄膜が無機物質からなるものであり、かつ前記薄膜の厚さが1nm〜500nmである、請求項1〜5のいずれかに記載の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
  8. 前記薄膜が有機物質からなるものであり、かつ前記薄膜の厚さが100nm〜50μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
  9. 前記有機物質が硬化性樹脂であり、硬化性樹脂からなる薄膜を形成する時の熱処理温度をフィルム基材のガラス転移温度より5℃以上低くする、請求項8に記載の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
  10. 微細な凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離が50nm〜50μmである、請求項1〜9のいずれかに記載の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
  11. フィルム基材が、面内の少なくとも一つの方向に分子配向しているフィルムである、請求項1〜10のいずれかに記載の表面に微細な凹凸形状を有するフィルムの製造方法。
  12. 表面に微細な凹凸形状Bを有する第一層と、前記凹凸形状Bの上に積層され且つ前記凹凸形状Bの形状に対応するように褶曲している第二層とを含んでなる、凸部の頂点間の平均距離が50nm〜50μmである微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
  13. 第二層の平均厚さが、微細な凹凸形状Aの平均高さの10%〜100%である、請求項12に記載の微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
  14. 第二層の厚さの変動係数が20%以下である、請求項12に記載の微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
  15. 微細な凹凸形状Aは、凸部の頂点間の距離の変動係数が80%以下である、請求項12に記載の微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
  16. 微細な凹凸形状Aは、2次元フーリエ変換して得られる空間周波数のパワースペクトルが一つの方向に分布している、請求項12〜15のいずれかに記載の微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
  17. 微細な凹凸形状Aが、面内でストライプ状に細長く伸びた構造である、請求項12〜16のいずれかに記載の微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
  18. 微細な凹凸形状Aは、凸部の頂点間距離の変動係数が40%以下である、請求項12〜17に記載の微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
  19. ヘイズが50%以上であることを特徴とする、請求項12〜18のいずれかに記載の微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
  20. 請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法で得られる微細な凹凸形状Aを有するフィルム。
  21. 請求項12〜20のいずれかに記載の微細な凹凸形状Aを有するフィルムを含んでなる光学素子。
JP2008501781A 2006-02-27 2007-02-27 微細凹凸形状を有するフィルム、およびその製造方法 Active JP5176950B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008501781A JP5176950B2 (ja) 2006-02-27 2007-02-27 微細凹凸形状を有するフィルム、およびその製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006050644 2006-02-27
JP2006050644 2006-02-27
JP2008501781A JP5176950B2 (ja) 2006-02-27 2007-02-27 微細凹凸形状を有するフィルム、およびその製造方法
PCT/JP2007/053589 WO2007097454A1 (ja) 2006-02-27 2007-02-27 微細凹凸形状を有するフィルム、およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007097454A1 true JPWO2007097454A1 (ja) 2009-07-16
JP5176950B2 JP5176950B2 (ja) 2013-04-03

Family

ID=38437489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008501781A Active JP5176950B2 (ja) 2006-02-27 2007-02-27 微細凹凸形状を有するフィルム、およびその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5176950B2 (ja)
WO (1) WO2007097454A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012141311A (ja) * 2010-12-30 2012-07-26 Samsung Corning Precision Materials Co Ltd パターンドガラス基板の透過率測定装置

Families Citing this family (45)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5098450B2 (ja) * 2007-06-07 2012-12-12 王子ホールディングス株式会社 凹凸パターン形成シートの製造方法および凹凸パターン形成シート
JP5007976B2 (ja) * 2007-10-17 2012-08-22 独立行政法人産業技術総合研究所 周期的微細凹凸構造材料
KR100841447B1 (ko) * 2007-11-06 2008-06-26 주식회사 엘지에스 광학필름 및 이를 갖는 조명장치
JP5245366B2 (ja) * 2007-11-14 2013-07-24 王子ホールディングス株式会社 偏光板およびその製造方法
EP2434840A1 (en) 2008-04-22 2012-03-28 Zeon Corporation Organic electroluminescent light source
JP5182871B2 (ja) * 2008-05-22 2013-04-17 独立行政法人産業技術総合研究所 微小形状スイッチアレイ
JP2009288655A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Nitto Denko Corp 防眩性ハードコートフィルム、それを用いた偏光板、画像表示装置、防眩性ハードコートフィルムの評価方法および製造方法
JP2010085990A (ja) * 2008-09-03 2010-04-15 Asahi Kasei E-Materials Corp ワイヤグリッド偏光板
TWI461746B (zh) * 2009-03-25 2014-11-21 Sumitomo Chemical Co 防眩膜之製造方法及製作防眩膜用模具之製造方法
JP2010266479A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Oji Paper Co Ltd 微細凹凸シートの製造方法
JP5359541B2 (ja) * 2009-05-12 2013-12-04 王子ホールディングス株式会社 凹凸形状を有する金属細線シートの製造方法、および凹凸形状を有する金属細線シート
JP2011096367A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Furukawa Electric Co Ltd:The ガラス基板、太陽電池、有機el素子及びガラス基板の製造方法
JP5135555B2 (ja) * 2009-12-22 2013-02-06 王子ホールディングス株式会社 凹凸パターン形成シート、光学シートおよび輝度調整シートおよびそれらの製造方法
CN102155711A (zh) * 2010-02-12 2011-08-17 中强光电股份有限公司 光学片
US20110242658A1 (en) * 2010-04-05 2011-10-06 Honeywell International Inc. Film structure having inorganic surface structures and related fabrication methods
JP5322182B2 (ja) * 2010-05-14 2013-10-23 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 有機el素子用のマイクロレンズ、それを用いた有機el素子、及びそれらの製造方法
JP5330314B2 (ja) * 2010-05-24 2013-10-30 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ワイヤグリッド偏光板の製造方法
JP5636907B2 (ja) * 2010-11-22 2014-12-10 王子ホールディングス株式会社 凹凸パターン形成シートおよびその製造方法、凹凸パターン形成シート複製用工程シート原版、光学素子、2次工程用成形物、複製シート
EP2458412A1 (en) * 2010-11-24 2012-05-30 Université de Liège Method for manufacturing an improved optical layer of a light emitting device, and light emitting device with surface nano-micro texturation based on radiation speckle lithography.
JP5996163B2 (ja) * 2011-02-04 2016-09-21 コニカミノルタ株式会社 光学フィルムの製造方法、偏光板及び画像表示装置
JP5822192B2 (ja) * 2011-08-08 2015-11-24 学校法人東京理科大学 幾何微細凹凸構造の作製方法
CN102436021B (zh) * 2011-12-21 2014-10-22 北京康得新复合材料股份有限公司 一种具有不均匀分布凸起结构的棱镜结构增光膜
JP5470433B2 (ja) * 2012-10-04 2014-04-16 日東電工株式会社 防眩性ハードコートフィルム、それを用いた偏光板、画像表示装置
JP2013101359A (ja) * 2012-12-14 2013-05-23 Oji Holdings Corp 凹凸形状を有する金属細線シート
JP6032675B2 (ja) * 2013-02-08 2016-11-30 国立研究開発法人産業技術総合研究所 光拡散状態を可逆的に変更可能な光拡散可変装置
JP5673706B2 (ja) * 2013-02-27 2015-02-18 王子ホールディングス株式会社 微細凹凸シートの製造方法
JP2015052808A (ja) * 2013-03-18 2015-03-19 王子ホールディングス株式会社 表面微細凹凸体および表面微細凹凸体の製造方法
JP5605456B2 (ja) * 2013-04-23 2014-10-15 王子ホールディングス株式会社 凹凸形状を有する金属細線シート
JP6234753B2 (ja) * 2013-09-17 2017-11-22 富士フイルム株式会社 透明微細凹凸構造体の製造方法
WO2015046047A1 (ja) * 2013-09-25 2015-04-02 株式会社きもと ハードコートフィルム及び表面部材付き表示素子
JP5839017B2 (ja) * 2013-10-25 2016-01-06 王子ホールディングス株式会社 表面微細凹凸体およびその製造方法
JP2014139017A (ja) * 2014-03-05 2014-07-31 Oji Holdings Corp 微細凹凸シートの製造方法
CN105209238B (zh) 2014-04-22 2018-08-10 夏普株式会社 合成高分子膜、具有合成高分子膜的层叠体、杀菌方法及合成高分子膜的表面的再活化方法
WO2015166725A1 (ja) 2014-04-28 2015-11-05 シャープ株式会社 殺菌作用を有するフィルターおよび容器
US10317578B2 (en) 2014-07-01 2019-06-11 Honeywell International Inc. Self-cleaning smudge-resistant structure and related fabrication methods
CN106133033B (zh) * 2014-11-20 2019-10-25 夏普株式会社 具有具备杀菌作用的表面的合成高分子膜
US20180134859A1 (en) * 2015-04-30 2018-05-17 Sharp Kabushiki Kaisha Synthetic high polymer film having surface provided with antiseptic property
US10907019B2 (en) * 2015-06-23 2021-02-02 Sharp Kabushiki Kaisha Synthetic polymer film provided with surface having sterilizing activity
CN107849272B (zh) * 2015-07-17 2020-11-10 夏普株式会社 具有具备杀菌作用的表面的合成高分子膜以及具备该合成高分子膜的膜
KR102137548B1 (ko) * 2017-09-07 2020-07-24 삼성에스디아이 주식회사 편광판 및 이를 포함하는 광학표시장치
EP3459353B1 (en) 2017-09-26 2022-04-20 Sharp Kabushiki Kaisha Synthetic polymer film whose surface has microbicidal activity, photocurable resin composition, manufacturing method of synthetic polymer film, and sterilization method with use of surface of synthetic polymer film
JP6751731B2 (ja) 2018-02-21 2020-09-09 シャープ株式会社 合成高分子膜および合成高分子膜の製造方法
JP6761437B2 (ja) 2018-03-15 2020-09-23 シャープ株式会社 殺菌作用を備えた表面を有する合成高分子膜、合成高分子膜を有するプラスチック製品、合成高分子膜の表面を用いた殺菌方法、光硬化性樹脂組成物、および合成高分子膜の製造方法
KR102176525B1 (ko) * 2018-11-07 2020-11-10 한국과학기술원 희생층을 이용한 계층적 주름 구조체의 제조방법 및 이로부터 제조된 계층적 주름 구조체
WO2023218849A1 (ja) * 2022-05-11 2023-11-16 凸版印刷株式会社 電磁波吸収体及びその製造方法並びに通信安定空間

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6016341B2 (ja) * 1977-03-16 1985-04-25 三菱樹脂株式会社 熱収縮性積層フイルム
JP2592608B2 (ja) * 1987-06-02 1997-03-19 株式会社フジシール 蒸着ラベルの製造方法
JPH0247057A (ja) * 1988-08-08 1990-02-16 Toray Ind Inc 表面凹凸化フイルム複合シートおよびその製造法
JPH03142401A (ja) * 1989-10-30 1991-06-18 Asahi Chem Ind Co Ltd 合成樹脂層,光透過拡散板およびそれらの製造法
JPH0651402B2 (ja) * 1990-04-14 1994-07-06 新東セロ商事株式会社 エンボスシート
JPH04258901A (ja) * 1991-02-14 1992-09-14 Nippon Shokubai Co Ltd 均一に光を拡散する反射基材
JP2000206317A (ja) * 1999-01-14 2000-07-28 Dainippon Printing Co Ltd 防眩フィルム、偏光板、表示装置及び防眩フィルムの製造方法
JP2003050308A (ja) * 2002-07-04 2003-02-21 Teijin Chem Ltd 表面に畝状模様が付与されたポリカーボネート樹脂製ディスプレイ用拡散シート
US20080297906A1 (en) * 2004-06-18 2008-12-04 Toray Industries, Inc. Anisotropic Diffusion Film

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012141311A (ja) * 2010-12-30 2012-07-26 Samsung Corning Precision Materials Co Ltd パターンドガラス基板の透過率測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2007097454A1 (ja) 2007-08-30
JP5176950B2 (ja) 2013-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5176950B2 (ja) 微細凹凸形状を有するフィルム、およびその製造方法
US8896923B2 (en) Corrugated pattern forming sheet, and methods for manufacturing antireflector, retardation plate, original process sheet plate, and optical element
JP5109483B2 (ja) 光拡散フィルム
US10928563B2 (en) Microstructured diffuser comprising first microstructured layer and coating, optical stacks, and method
TWI494223B (zh) A hard coat film, a transparent conductive laminate, and a touch panel
JP5245366B2 (ja) 偏光板およびその製造方法
US20130342794A1 (en) Fine structure form and liquid crystal display device comprising the fine structure form
TW201042293A (en) Antiglare film, polarizer, and transimissive liquid-crystal display
TWI653136B (zh) Laminated polyester film and polarizing plate using the same
JP4985161B2 (ja) 光学素子およびその製造方法
JP5098450B2 (ja) 凹凸パターン形成シートの製造方法および凹凸パターン形成シート
KR20190003510A (ko) 필름 센서 부재 및 그 제조 방법, 원 편광판 및 그 제조 방법, 그리고 화상 표시 장치
KR20210143822A (ko) 반사 방지용 원편광판 및 그것을 이용한 화상 표시 장치
TW200804919A (en) Liquid crystal display and glare-proof polarizing film laminate used therein
JP6781111B2 (ja) 位相差フィルム、円偏光板、および位相差フィルムの製造方法
JP5833301B2 (ja) ワイヤグリッド偏光板及びワイヤグリッド偏光板の製造方法
JP2011221412A (ja) ワイヤグリッド偏光板
JP5839017B2 (ja) 表面微細凹凸体およびその製造方法
JP4747531B2 (ja) 芳香族ポリアミドフィルムおよびそれを用いた光学部材およびディスプレイ。
JP7114664B2 (ja) 位相差層付偏光板およびそれを用いた画像表示装置
JP2009282279A (ja) 反射シートおよびバックライトユニット
JP7273769B2 (ja) 偏光板および位相差層付偏光板ならびにこれらを用いた画像表示装置
JP5434755B2 (ja) 表面微細凹凸体の製造方法および転写体の製造方法
JP2007057877A (ja) グリッド偏光フィルムの製造方法、グリッド偏光フィルム、および液晶表示装置
JP5636907B2 (ja) 凹凸パターン形成シートおよびその製造方法、凹凸パターン形成シート複製用工程シート原版、光学素子、2次工程用成形物、複製シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111011

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5176950

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250