JPWO2006114918A1 - 塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤、塩化カリウム含有飲食品の製造方法、及び該製造方法によって得られた塩化カリウム含有飲食品 - Google Patents

塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤、塩化カリウム含有飲食品の製造方法、及び該製造方法によって得られた塩化カリウム含有飲食品 Download PDF

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Abstract

塩化カリウムに起因する苦味、エグ味等の好ましくない呈味を、飲食品の味に影響を悪影響を与えることなく効果的に改善できる塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤、塩化カリウムの苦味、エグ味が抑制された嗜好性の高い、塩化カリウム含有飲食品の製造方法、及び該製造方法によって得られた塩化カリウム含有飲食品を提供する。塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを有効成分とする呈味改善剤を用いる。塩基性アミノ酸は、ヒスチジン、アルギニン及びリジンから選ばれた1種以上であり、塩基性ペプチドは、アンセリン、カルノシン及びバレニンから選ばれた1種以上であることが好ましい。そして、この呈味改善剤を塩化カリウム含有飲食品に添加して、呈味の改善された塩化カリウム含有飲食品を得る。

Description

本発明は、塩化カリウムに起因する苦味、エグ味等の好ましくない呈味を、飲食品の味に悪影響を与えることなく効果的に改善できる塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤、塩化カリウムの苦味、エグ味が抑制された嗜好性の高い、塩化カリウム含有飲食品の製造方法、及び該製造方法によって得られた塩化カリウム含有飲食品に関する。
食塩は、食品の保存や調味料等として広く用いられているが、食塩の摂取過剰は、高血圧、心臓病、脳卒中等の成人病の原因になることが知られており、近年、健康面から様々な加工飲食品において減塩志向が高まっている。
食塩の量を減少させた、いわゆる減塩飲食品は、塩味の不足により嗜好性が低下してしまうため、様々な食塩代替成分が以前より検討されている。その中でも、塩化カリウムは、塩味を有し、更にナトリウムイオンの排泄促進効果を有することから、食塩代替の代表的な成分の1つとして利用されている。
例えば、代表的な調味料の一つである醤油は、比較的多量の食塩を含んでいることから、その食塩量を低減した減塩醤油も数多く販売されている。
このような減塩醤油の製造方法については様々な方法が知られており、通常の醤油を電気透析や膜処理装置を用いて脱塩する方法の他、下記特許文献1には、低食塩醤油の製造法に関し、醤油麹菌として有機酸生成能のすぐれているアスペルギルス・カワチ、アスペルギルス・サイトイ、アスペルギルス・ウサミ、アスペルギルス・アワモリから選ばれる焼酎麹菌を利用して醤油麹を作り、仕込みを行うと共に、仕込時の諸味のpHを3.5〜4.5とし、仕込みに際しては諸味の液汁の食塩濃度が6〜12%(w/v)となる様に仕込塩水濃度を調整して、諸味の腐造を防止しつつ発酵熟成させることを特徴とする低食塩ないし減塩醸造醤油の製造法が開示されている。
また、下記特許文献2には、醤油麹を、熟成後のもろ味液汁の食塩濃度が9〜12%、窒素濃度が2.0〜2.5%となる様な量で、かつアルコールを1〜5%含有する仕込水に仕込み、以下常法により発酵、熟成させることを特徴とする低塩醤油の製造法が開示されている。
しかしながら、上記のような減塩醤油は、食塩量を低減したことによって塩味が不充分となり、物足りない味となりやすいという問題があった。そのため、塩味の改善を目的として、食塩の代替品として塩化カリウムを添加することが行われているが、塩化カリウムは苦味やエグ味等の好ましくない呈味を有しており、充分満足できる味の減塩醤油を得ることができなかった。
一方、塩化カリウムの好ましくない呈味を改善した減塩醤油の開発も行われており、例えば、下記特許文献3には、食塩30〜75重量%及び塩化カリウム25〜70重量%からなる混合物100重量部に対してクエン酸塩5〜60重量部を混合してなり、Na/K比が1以下であることを特徴とする機能性食塩組成物が開示されており、該機能性食塩組成物を用いて調製した醤油が開示されている。
また、下記特許文献4には、カリウムイオン及び還元麦芽糖水あめを除く糖アルコールを含有し、かつ、カリウムイオン:糖アルコールの重量比が1:3〜50であることを特徴とする食品が開示されており、該食品として醤油が例示されている。
また、下記特許文献5には、塩化ナトリウム含量が3〜20g/dL、塩化カリウム含量が1.5〜17g/dLかつNa/K重量比が2以下であり、糖類及び/又は昆布エキスを含む液体調味料が開示されており、該液体調味料として醤油が例示されている。
また、下記特許文献6には、食塩濃度9w/w%以下、カリウム濃度0.5〜3.7w/w%であり、かつ窒素濃度1.9w/v%以上である減塩醤油類が開示されている。
また、下記特許文献7には、減塩醤油にカプサイシンを配合したことを特徴とする低塩醤油調味料が開示されている。
特公平6−22459号公報 特開平5−219915号公報 特許第2675254号公報 特公平6−97972号公報 特開2002−325554号公報 特開2004−357700号公報 特開2001−245627号公報
塩化カリウムの苦味、エグ味の抑制剤は、それ自身の呈味が強いものが多く、作用十分量を添加した場合には、自身の呈味が飲食品の味に影響を与えてしまい、一方、飲食品の味に影響を与えない量では効果が不十分となり、飲食品の味に影響を与えずに塩化カリウムの苦味、エグ味の抑制を行うことは非常に困難であった。その為、塩化カリウムを含有する減塩飲食品であって、塩化カリウムの苦味、エグ味が抑制された嗜好性の高い製品は市場には存在してなかった。
上記特許文献3〜5に記載されているように塩化カリウムの好ましくない呈味を改善するためにクエン酸塩や糖アルコール、昆布エキス等を添加した場合や、上記特許文献7に記載されているように塩味を改善するためにカプサイシンを添加した場合、これらの成分によって醤油本来の旨味や風味が損なわれてしまうという問題があった。
また、減塩醤油の製造方法の一つとして、通常の醤油を電気透析や膜処理装置を用いて脱塩する方法が知られているが、この方法では、塩味が失われるだけでなく、アミノ酸等の旨味成分も失われてしまい、醤油自体の旨味や風味も低下してしまうという問題があった。そのため、上記特許文献6に開示された減塩醤油類においても、電気透析や膜処理装置を用いて脱塩した場合、窒素濃度及びカリウム濃度の調整だけでは旨味や風味の点で充分満足できるものは得られなかった。
したがって、本発明の目的は、塩化カリウムに起因する苦味、エグ味等の好ましくない呈味を、飲食品の味に悪影響を与えることなく効果的に改善できる塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤、塩化カリウムの苦味、エグ味が抑制された嗜好性の高い、塩化カリウム含有飲食品の製造方法、及び該製造方法によって得られた塩化カリウム含有飲食品を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1は、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを有効成分とする塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤を提供するものである。
本発明の第2は、前記第1の発明において、塩基性アミノ酸として、ヒスチジン、アルギニン及びリジンから選ばれた1種以上を含有する塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤を提供するものである。
本発明の第3は、前記第1又は第2の発明において、塩基性ペプチドとして、アンセリン、カルノシン及びバレニンから選ばれた1種以上を含有する塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤を提供するものである。
本発明の第4は、前記第1〜第3の発明のいずれか一つにおいて、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを0.05〜99質量%含有する塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤を提供するものである。
本発明の第5は、前記第1〜第4の発明のいずれか一つにおいて、魚介エキス、酵母エキス、HVP、HAP、又はそれらから分離精製して得られたものであって、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを2〜99質量%含有する素材を主成分とする塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤を提供するものである。
本発明の第6は、前記第1〜第5の発明のいずれか一つにおいて、更に、グルタミン酸を0.1〜50質量%含有する塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤を提供するものである。
本発明の第7は、前記第1〜第6の発明のいずれか一つにおいて、更に、γ−アミノ酪酸を0.1〜50質量%含有する塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤を提供するものである。
本発明の第8は、前記第1〜第7の発明のいずれか一つに記載の呈味改善剤を添加する塩化カリウム含有飲食品の製造方法を提供するものである。
本発明の第9は、前記第8の発明において、塩化カリウム100質量部に対して、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドが0.2〜200質量部となるように、呈味改善剤を添加する塩化カリウム含有飲食品の製造方法を提供するものである。
本発明の第10は、前記第8又は第9の発明において、塩化カリウム/塩化ナトリウムの質量比が5/95〜80/20である飲食品に、呈味改善剤を添加する塩化カリウム含有飲食品の製造方法を提供するものである。
本発明の第11は、前記第8〜第10の発明のいずれか一つにおいて、塩化カリウム含有飲食品が醤油加工品であって、醸造工程において、仕込液の塩化ナトリウム濃度を20質量%以下、塩化カリウム濃度を2〜18質量%となるように調製し、この仕込液を発酵熟成して醤油を製造し、得られた醤油に呈味改善剤を添加して、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを0.01〜1.0質量%添加する塩化カリウム含有飲食品の製造方法を提供するものである。
本発明の第12は、前記第8〜第10の発明のいずれか一つにおいて、塩化カリウム含有飲食品が醤油加工品であって、醸造工程において、仕込液の塩化ナトリウム濃度を20質量%以下、塩化カリウム濃度を2〜18質量%となるように調製し、呈味改善剤を添加して、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを0.01〜1.0質量%添加した後、発酵熟成して醤油を製造する塩化カリウム含有飲食品の製造方法を提供するものである。
本発明の第13は、前記第11又は第12の発明において、塩基性アミノ酸の添加量が、ヒスチジン0.002〜0.3質量%、アルギニン0.004〜0.7質量%、リジン0.006〜1.0質量%である塩化カリウム含有飲食品の製造方法を提供するものである。
本発明の第14は、前記第11〜第13の発明のいずれか一つにおいて、更に、グルタミン酸を0.06質量%以上添加する塩化カリウム含有飲食品の製造方法を提供するものである。
本発明の第15は、前記第11〜第14の発明のいずれか一つにおいて、更に、γ−アミノ酪酸を50ppm以上添加する塩化カリウム含有飲食品の製造方法を提供するものである。
本発明の第16は、前記第8〜第10の発明のいずれか一つにおいて、塩化カリウム含有飲食品が醤油加工品であって、ナトリウム塩の含量を脱塩調整した醤油に、i)ナトリウム塩の減量分の9%(w/w)以上のカリウム塩を添加し、ii)グルタミン酸の含量が前記脱塩調整前の含量以上となるように調整し、iii)アルギニンの含量が前記脱塩調整前の−20〜+200mg/100g、ヒスチジンの含量が前記脱塩調整前の−10〜+100mg/100g、リジンの含量が前記脱塩調整前の−30〜+300mg/100gとなるように調整する塩化カリウム含有飲食品の製造方法を提供するものである。
本発明の第17は、前記第16の発明において、更に、γ−アミノ酪酸が50ppm以上、かつグルタミン酸量が800mg/100g以上となるように調整する塩化カリウム含有飲食品の製造方法を提供するものである。
本発明の第18は、前記第1〜第7の発明のいずれか一つに記載の呈味改善剤を含有する塩化カリウム含有飲食品を提供するものである。
本発明の第19は、前記第18の発明において、塩化カリウム100質量部に対して、塩基性アミノ酸及び塩基性ペプチドが0.2〜100質量部となるように、呈味改善剤を含有する塩化カリウム含有飲食品を提供するものである。
本発明の第20は、前記第18又は第19の発明において、塩化カリウム/塩化ナトリウムの質量比が5/95〜80/20である塩化カリウム含有飲食品を提供するものである。
本発明の第21は、前記第18〜第20の発明のいずれか一つにおいて、前記第11〜第15のいずれか一つの発明の製造方法によって得られた醤油加工品からなり、塩化ナトリウム濃度が9質量%以下である塩化カリウム含有飲食品を提供するものである。
本発明の第22は、前記第18〜第20の発明のいずれか一つにおいて、前記第16又は第17の発明の製造方法によって得られた醤油加工品からなり、ナトリウム換算で食塩量が3〜15%(w/w)、塩化カリウム量が13%(w/w)以下、グルタミン酸量が500〜5,000mg/100g、アルギニン、リジン量が各5〜1,000mg/100g、ヒスチジン量が5〜500mg/100gである塩化カリウム含有飲食品を提供するものである。
上記本発明の第1の呈味改善剤によれば、塩化カリウム含有飲食品における、塩化カリウムに起因する苦味、エグ味等の好ましくない呈味を、飲食品の味に影響を悪影響を与えることなく効果的に改善できる。
上記本発明の第2〜第6の呈味改善剤によれば、塩化カリウム含有飲食品の旨味や風味を損なうことなく、塩化カリウムの好ましくない呈味をより効果的に改善できる。
上記本発明の第7の呈味改善剤によれば、GABAの塩味増強効果により、より美味しい塩化カリウム含有飲食品を得ることができ、更に、血圧降下作用等のGABAの有する生理活性効果も期待できる。
上記本発明の第8の塩化カリウム含有飲食品の製造方法によれば、塩化カリウムの苦味、エグ味が抑制された、嗜好性の高い塩化カリウム含有飲食品を製造することができる。
上記本発明の第9及び第10の塩化カリウム含有飲食品の製造方法によれば、塩化カリウム含有飲食品の旨味や風味を損なうことなく、塩化カリウムの好ましくない呈味をより効果的に改善できる。
上記本発明の第11及び第12の塩化カリウム含有飲食品の製造方法によれば、所定の塩化ナトリウム濃度及び塩化カリウム濃度に調整した仕込液を用いて醤油を醸造し、あるいは醸造する際に、所定量の塩基性アミノ酸を添加することにより、塩化カリウムの好ましくない呈味を改善することができ、通常の醤油と比較しても何ら遜色のない塩味、旨味、風味を有する醤油加工品を製造することができる。
上記本発明の第13及び第14の塩化カリウム含有飲食品の製造方法によれば、醤油本来の旨味や風味を損なうことなく、塩化カリウムの好ましくない呈味をより効率よく改善できる。
上記本発明の第15の塩化カリウム含有飲食品の製造方法によれば、GABAの塩味増強効果により、より美味しい醤油加工品を得ることができ、更に、血圧降下作用等のGABAの有する生理活性効果も期待できる。
上記本発明の第16の塩化カリウム含有飲食品の製造方法によれば、ナトリウム塩の含量を脱塩調整した醤油に所定量のカリウム塩を添加することにより、充分な塩味を付与することができる。そして、グルタミン酸量、及びアルギニン、ヒスチジン、リジン等の塩基性アミノ酸量を所定の範囲に調整することにより、カリウム塩の好ましくない呈味を改善しつつ、脱塩処理によって失われた醤油本来の旨味や風味を付与することができる。
上記本発明の第17の塩化カリウム含有飲食品の製造方法によれば、GABAの味質改善効果による風味低下を防ぎ、かつGABAの塩味増強効果により、より美味しい醤油加工品を得ることができる。更に、血圧降下作用等のGABAの有する生理活性効果も期待できる。
上記本発明の第18〜22の塩化カリウム含有飲食品によれば、塩化カリウムの苦味、エグ味が抑制された嗜好性の高い、塩化カリウム含有飲食品とすることができる。
本発明の塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤は、塩化カリウムに起因する苦味、エグ味等の好ましくない呈味を、飲食品の味に悪影響を与えることなく効果的に改善することができるので、通常の飲食品と比較しても何ら遜色のない塩味を有して、かつ塩化カリウムの苦味、エグ味が抑制された、嗜好性の高い塩化カリウム含有減塩飲食品を提供することができる。
本発明の塩化カリウム含有飲食品の製造方法は、塩化カリウム含有飲食品に、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを有効成分とする呈味改善剤を添加することを特徴とする。
ここで、本発明において、「塩化カリウム含有飲食品」とは、塩化カリウムを含有する飲食品であれば特に限定はなく、食塩の一部を塩化カリウムに代替した減塩飲食品等が挙げられ、塩化カリウム/塩化ナトリウムの質量比が5/95〜80/20である飲食品が好ましく、目的とする飲食品に含まれる食塩の5〜80質量%を塩化カリウムに代替した飲食品がより好ましく、飲食品に含まれる食塩の40〜60質量%を塩化カリウムに代替した飲食品が特に好ましい。
なお、塩化カリウムとしては、食品に許容されるものであれば特に限定されず、例えば、高純度に精製されたものでもよく、また、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等の他のミネラルを含んだ粗製製品でもよい。
塩化カリウム含有飲食品の具体例としては、例えば、日本農林(JAS)規格における薄口醤油、濃口醤油、たまり醤油、再仕込み醤油、白醤油等の通常の醤油の他、これらの醤油にみりん、味噌、その他調味料、酸味料、甘味料、香料、出汁、エキス類等を添加した醤油加工品等の液体調味料、味噌、塩、風味調味料等の調味料類、及びこれらの調味料を使用した、1);麻婆豆腐のもと、青椒肉絲のもと、干焼蝦仁のもと、カニ玉のもと、カレールウ、シチュールウ等の半調理食品、2);スナック菓子、ポテトチップ、米菓等の菓子類、3);炊き込みご飯のもと、おにぎり用・ちらし寿司用等の混ぜごはんのもと、焼おにぎり等の米飯食品、4);カレー、シチュー、スープ、パスタソース、からあげ、春巻き、肉団子、ギョーザ、しゅうまい、牛井の具、親子井の具、中華井の具、魚・肉・野菜等の煮物、佃煮等の調理食品、5);焼肉のたれ、なべつゆ、おでんつゆ、うどん・そば・そうめん等の麹つゆ、魚・肉・野菜等の煮物のたれ、ドレッシング、ポン酢、納豆のたれ、水練り製品のたれ等の調味料、6);塩ラーメン、味噌ラーメン、醤油ラーメン、ソース焼きそば、塩焼きそば、春雨、ビーフン、パスタ、あんかけ麺、うどん、そば、そうめんや、これらの即席めん等の麺類、7);漬物、福神漬、ふりかけ、水産珍味、缶詰・ハム・ソーセージ等の水産・畜肉加工品等の一般加工食品が挙げられる。
次に、本発明の塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤について説明する。
本発明の塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤とは、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを有効成分とするものである。
本発明において、塩基性アミノ酸とは、塩基性の側鎖を有し、塩を形成していない状態で水溶液のpHが塩基性を示すものを指し、ヒスチジン、アルギニン、リジン及びその塩酸塩、酢酸塩、乳酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等が好ましく例示できる。これらは、単独又は2種類以上を併用して用いることができ、2種以上を組み合わせることがより好ましい。
また、塩基性ペプチドとは、2〜5個のアミノ酸が直鎖状に結合したペプチドであって、少なくとも末端に塩基性アミノ酸を有し、塩を形成していない状態で水溶液のpHが塩基性を示すものを指し、アンセリン、カルノシン、バレニン及びその塩酸塩、酢酸塩、乳酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等が好ましく例示できる。これらは、単独又は2種類以上を併用して用いることができ、2種以上を組み合わせることがより好ましい。
上記塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドは、目的とする飲食品の種類に応じて適宜組み合わせて使用し、例えば、ヒスチジンとアルギニンとリジンとの組み合わせや、ヒスチジンとイミダゾールジペプチド(アンセリン、カルノシン、バレニン)との組み合わせ等が挙げられる。
塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチド源としては、一般的な加工食品において用いられる上記塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを含有するエキス類を利用することができ、魚介エキス、酵母エキス、HVP及びHAPが好ましい。
魚介エキスとしては、カツオ、カツオ節、マグロ、マグロ節、サバ、サバ節、イワシ、煮干、サケ等から得られる魚類エキス、ホタテ、カキ、シジミ、ハマグリ等から得られる貝類エキス、エビ、カニ等から得られる甲殻類エキス、その他、クジラ、イルカ、オットセイ等から得られるエキス類が挙げられ、特にカツオ、マグロから得られる魚類エキス類は、ヒスチジンに加えてアンセリンも多く含むことから好ましい。
また、酵母エキスとしては、ビール酵母エキス、パン酵母エキス、トルラ酵母エキス、その他酵母エキスが挙げられる。
また、HVPとしては、大豆、小麦、大麦、とうもろこし等の植物性タンパクを加水分解して得たものを用いることができる。
また、HAPとしては、畜肉、魚肉、ゼラチン等の動物性タンパクを加水分解して得たものを用いることができる。
そして、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドの含有量は、0.05〜99質量%であることが好ましい。
また、本発明においては、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドとして、上記魚介エキス、酵母エキス、HVP又はHAPを、分離精製して得られる、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを2〜99質量%含有する素材を用いることもできる。
上記エキス類の分離精製方法としては、公知の方法を利用すればよく、電気透析、限外ろ過膜、逆浸透膜、UF膜、RO膜、イオン交換樹脂、活性炭等を用いた方法が知られており、例えば、特開2003−92996号公報に示される方法が採用できる。この中でも、塩基性画分をより特異的に回収することができる点で、イオン交換樹脂を用いた方法が好ましい。
本発明の塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤は、更にグルタミン酸を0.05〜99質量%含有することが好ましく、0.1〜50質量%含有することがより好ましい。上記所定量のグルタミン酸を含有させることにより、塩化カリウムやアミノ酸等のエグ味や苦味を効果的に改善することができ、より旨味や風味に優れた塩化カリウム含有飲食品を得ることができる。
グルタミン酸源としては、精製されたグルタミン酸及びグルタミン酸塩を用いることができ、グルタミン酸だけでなく上記塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを含有する魚介エキス、酵母エキス、HVP、HAP、又はそれらをUF膜やRO膜、イオン交換樹脂、活性炭等用いて分離精製したものが好ましい。
また、本発明の塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤は、更にγ−アミノ酪酸(GABA)を0.1〜50質量%含有することが好ましく、味質改善効果、塩味増強効果及び血圧降下作用の点から、GABAを0.5〜25質量%含有することがより好ましい。
GABAは動植物等に広く存在している非タンパク質構成アミノ酸であり、生体内ではグルタミン酸の脱炭酸によって生成され、中枢神経系において抑制性伝達物質として重要な役割を果たしているほか、血圧降下作用等の生理機能を有することが知られている。また、調味機能としては、塩味増強効果(特開2004−275097号参照)、味質改善効果(特開2004−275098号参照)等が知られている。しかしながら、GABAを塩化カリウム含有飲食品に添加した場合、GABAの味質改善効果によってアミノ酸の味が改質されて、むしろ風味が低下する傾向があるが、上記含有量であれば、風味を低下させることなく、GABAの塩味増強効果によって、より効果的に塩味を増強することができる。また、GABAの有する血圧降下作用等の生理活性効果と減塩効果との相乗効果が期待できる。
GABAは、例えば、商品名「ファーマギャバ」(株式会社ファーマフーズ製)、商品名「米胚芽GABA」(たいまつ食品株式会社製)の市販のものを用いることができる。
本発明の塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤は、その他、アラニン、グリシン、グルタミン酸ソーダ等のアミノ酸や、キノコ抽出物、ミネラル、有機酸等を併用してもよい。
そして、塩化カリウム含有飲食品に対する、上記呈味改善剤の添加量は、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドの種類や、その組み合わせ、また、目的とする飲食品の種類に応じて適宜決定することができ、塩化カリウム100質量部に対して、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドが0.2〜200質量部となるように、呈味改善剤を添加することが好ましく、1〜100質量部となるように添加することがより好ましい。
上記呈味改善剤の添加量が、塩化カリウム100質量部に対して、0.2質量部未満であると、塩化カリウムに起因する苦味、エグ味等の好ましくない呈味をほとんど改善できず、100質量部を超えると、呈味改善剤の風味が強くなり、得られる飲食品の風味を損なってしまう。
また、例えば、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドの組み合わせが、ヒスチジン、アルギニン及びリジンの場合、塩化カリウム含有飲食品に、ヒスチジン0.2〜2質量%、アルギニン0.5〜5質量%、リジン1.0〜10質量%を含有できるように、上記呈味改善剤を添加することが好ましい。また、ヒスチジンとイミダゾールジペプチド(アンセリン、カルノシン、バレニン)を組み合わせて用いる場合は、塩化カリウムに対して、ヒスチジン0.2〜60質量%、イミダゾールジペプチド0.15〜40質量%を含有できるよう呈味改善剤を添加することが好ましい。
次に、本発明の塩化カリウム含有飲食品の製造方法の実施形態として、塩化カリウム含有飲食品が、濃口醤油からなる醤油加工品である場合を例に挙げて説明する。なお、薄口醤油、たまり醤油、再仕込み醤油、白醤油等の場合も、基本的に各醤油における通常の製造方法に準じて行うことができる。
原料の前処理、製麹は常法にしたがって行うことができる。すなわち、大豆は予め適度の水分を加えて蒸煮し、小麦等の麦類(以下、小麦等という)は焙煎した後、粉砕する。前処理の終わった大豆と小麦等を混合し、種麹を植え付けて麹を作る。
常法にしたがって、麹に仕込液を加えて諸味を作り、発酵熟成を行う。この態様においては、仕込液の塩化ナトリウム濃度を20質量%以下、塩化カリウム濃度を2〜18質量%となるように調製し、より低ナトリウムの醤油加工品とするために、塩化ナトリウム濃度を8〜16質量%、塩化カリウム濃度を6〜14質量%となるように調製することが好ましい。塩化カリウムの添加量が少な過ぎると、発酵熟成中に腐敗しやすくなり、また、充分な塩味を付与することができない。一方、多過ぎると塩化カリウムの好ましくない呈味が強くなりすぎる。また、ここでpH調整、アルコール添加、塩化カリウム以外の代用塩の添加等、公知の腐敗防止方法を併用してもよい。
諸味の発酵熟成が終わったら、諸味を圧搾して生醤油を回収する。この態様においては、得られた生醤油に、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを0.01〜1.0質量%、好ましくは0.01〜0.4質量%含有するように上記呈味改善剤を添加し、常法にしたがって火入れしてもよく、常法にしたがって火入れした後に上記呈味改善剤を添加してもよい。
また、この態様においては、上記の発酵熟成前に、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを0.015〜2.0質量%、好ましくは0.015〜0.6質量%含有するように上記呈味改善剤を添加してから発酵熟成してもよい。
上記所定量の塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを添加することにより、塩化カリウムの好ましくない呈味を改善することができ、通常の醤油と比較しても何ら遜色のない塩味、旨味、風味を有する醤油加工品を製造することができる。
上記塩基性アミノ酸の添加量としては、ヒスチジン0.002〜0.3質量%、アルギニン0.004〜0.7質量%、リジン0.006〜1.0質量%であることが好ましく、ヒスチジン0.002〜0.1質量%、アルギニン0.004〜0.2質量%、リジン0.006〜0.3質量%であることがより好ましい。上記所定量のヒスチジン、アルギニン、リジンを添加することにより、塩化カリウムの好ましくない呈味をより効果的に改善することができる。
また、更に、グルタミン酸を0.06質量%以上添加することが好ましく0.06〜2.5質量%添加することがより好ましく、0.06〜1.0質量%添加することがより更に好ましい。上記所定量のグルタミン酸を添加することにより、塩化カリウムやアミノ酸等のエグ味や苦味を効果的に改善することができ、より旨味や風味に優れた醤油加工品を得ることができる。
また、この態様においては、更にGABAを50ppm以上添加することが好ましく、味質改善効果、塩味増強効果及び血圧降下作用の点から、GABAを500〜2,000ppm添加することがより好ましい。
更にまた、上記の成分以外に、通常の醤油、みりん、味噌、その他調味料、酸味料、香料、出汁、エキス類、ニガリや岩塩等の天然塩、発酵食品等を適宜添加することができる。
上記のようにして得られた醤油加工品は、塩化ナトリウム濃度が9質量%以下であることが好ましく、塩化ナトリウム濃度が9質量%以下、全窒素濃度が1.9質量%以下であることがより好ましく、塩化ナトリウム濃度が7.5〜9質量%、全窒素濃度が1.1〜1.9質量%であることが更により好ましい。また、上記のようにして得られた醤油加工品は、塩化ナトリウム濃度が9質量%以下、塩化カリウム濃度が7質量%以上、全窒素濃度が1.9質量%以上であることがより好ましく、塩化ナトリウム濃度が7.5〜9質量%、塩化カリウム濃度が7〜10質量%、全窒素濃度が1.9〜3.0質量%であることが更により好ましい。この態様においては、醤油加工品の塩化ナトリウム濃度が上記範囲内になるように仕込んでもよく、また醸造後に、通常の醤油、減塩・低塩醤油、水、アルコール、塩化ナトリウム、塩化カリウム、アミノ酸等を添加して調整してもよい。塩化ナトリウム濃度が上記範囲であれば、日本農林(JAS)規格における減塩醤油と同等の減塩効果を得ることができる。
また、本発明の塩化カリウム含有飲食品の製造方法の別の実施形態として、塩化カリウム含有飲食品が、ナトリウム塩の含量を脱塩調整した醤油からなる醤油加工品である場合を例に挙げて説明する。
ここで、ナトリウム塩の含量を脱塩調整した醤油とは、通常の醤油を常法にしたがって電気透析や膜処理装置を用いて脱塩した後、必要に応じて、濃縮、及び通常の醤油を添加して、ナトリウム塩の濃度を所定値に調整した減塩醤油もしくは低塩醤油をいい、好ましくはナトリウム換算で食塩量が3〜15%(w/w)、より好ましくはナトリウム換算で食塩量が6〜12%(w/w)、最も好ましくは8〜9%(w/w)である醤油をいう。
この態様の醤油加工品の製造方法は、上記ナトリウム塩の含量を脱塩調整した醤油に、所定量のカリウム塩を添加するとともに、上記呈味改善剤を添加することで、グルタミン酸量及び塩基性アミノ酸量をそれぞれ所定の割合に調整するものである。
ここで、「通常の醤油」とは、日本農林(JAS)規格における薄口醤油、濃口醤油、たまり醤油、再仕込み醤油、白醤油を意味し、「減塩醤油」とは、ナトリウム換算で食塩量が9%(w/w)未満の醤油を意味し、「低塩醤油」とは、ナトリウム換算で食塩量が9〜14.5%(w/w)の醤油をいう。
上記カリウム塩としては、食品添加物として使用可能なものであればよく、好ましくは塩化カリウムが用いられる。また、その添加量は、前記脱塩調整により減量されたナトリウム塩量の9%(w/w)以上であり、好ましくは前記脱塩調整により減量されたナトリウム塩量の50〜200%(w/w)であり、より好ましくは前記脱塩調整により減量されたナトリウム塩量の100〜160%(w/w)である。カリウム塩の添加量が少な過ぎると充分な塩味を付与することができず、多過ぎるとカリウム塩の好ましくない呈味が強くなりすぎる。なお、脱塩調整により取り除かれたナトリウム塩量は、原子吸光光度法により測定することができる。
グルタミン酸の含量は、例えば、アミノ酸自動分析装置等の方法により測定することができ、この態様においては、グルタミン酸の含量が前記脱塩調整前の含量以上、すなわち、前記脱塩調整後の醤油におけるグルタミン酸量が、通常の醤油におけるグルタミン酸の含量以上となるように調整する。
具体的には、この態様においては、グルタミン酸の含量が500〜5,000mg/100gとなるように調整することが好ましく、味のバランスの点から、800〜3,000mg/100gとなるように調整することがより好ましく、900〜1,400mg/100gとなるように調整することが特に好ましい。脱塩調整後の醤油におけるグルタミン酸量が少な過ぎると、カリウムやアミノ酸等のエグ味、苦味が表面化し、多過ぎると醤油本来の風味をそこなうため好ましくない。
リジン、アルギニン及びヒスチジン等の各塩基性アミノ酸の含量は、例えば、アミノ酸自動分析装置等の方法により測定することができる。
この態様においては、脱塩調整後の醤油におけるアルギニンの含量が前記脱塩調整前の−20〜+200mg/100g、ヒスチジンの含量が前記脱塩調整前の−10〜+100mg/100g、リジンの含量が前記脱塩調整前の−30〜+300mg/100gとなるように調整し、好ましくは、アルギニンの含量が前記脱塩調整前の−10〜+100mg/100g、ヒスチジンの含量が前記脱塩調整前の−5〜+50mg/100g、リジンの含量がそれぞれ前記脱塩調整前の−15〜+150mg/100gとなるように調整する。具体的には、脱塩調整後の醤油におけるアルギニン、リジン量が各5〜1,000mg/100g、ヒスチジン量が5〜500mg/100gとなるように調整することが好ましく、アルギニン、リジン量が各10〜800mg/100g、ヒスチジン量が10〜400mg/100gとなるように調整することがより好ましく、アルギニン、リジン量が各50〜600mg/100g、ヒスチジン量が20〜300mg/100gとなるように調整することが特に好ましい。脱塩調整後の醤油における上記各塩基性アミノ酸の含量が上記範囲外であるとカリウムのエグ味、苦味が表面化し、多過ぎると塩基性アミノ酸の苦味が表面化するため好ましくない。
さらに、上記醤油加工品にγ−アミノ酪酸(GABA)を添加することができる。この態様においては、GABAが50ppm以上となるように調整することが好ましく、味質改善効果、塩味増強効果、及び血圧降下作用の点から、500〜2,000ppmとなるように調整することがより好ましい。
また、上記の成分以外に、通常の醤油、みりん、味噌、その他調味料、酸味料、香料、出汁、エキス類、ニガリや岩塩等の天然塩、発酵食品等を適宜添加することができる。
上記のようにして得られた醤油加工品は、ナトリウム換算で食塩量が3〜15%(w/w)、塩化カリウム量が13%(w/w)以下、グルタミン酸量が500〜5,000mg/100g、アルギニン、リジン量が各5〜1,000mg/100g、ヒスチジン量が5〜500mg/100gであることが好ましい。より好ましくは、ナトリウム換算で食塩量が6〜12%(w/w)、塩化カリウム量が4〜10%(w/w)、グルタミン酸量が800〜3,000mg/100g、アルギニン、リジン量が各10〜800mg/100g、ヒスチジン量が10〜400mg/100gであり、特に好ましくは、ナトリウム換算で食塩量が8〜9%(w/w)、塩化カリウム量が6〜8%(w/w)、グルタミン酸量が900〜1,400mg/100g、アルギニン、リジン量が各50〜600mg/100g、ヒスチジン量が20〜300mg/100gである。
(試験例1)
食塩0.5質量%、塩化カリウム0.5質量%を溶解した水溶液に、表1に示す配合量で、アミノ酸又はペプチドを添加溶解して得られた水溶液について、10名のパネラーによりそれぞれ官能評価を行い、苦味・エグ味の有無、及び異味の有無について評価した。アミノ酸及びペプチドの添加量は、それぞれ単独で溶解した場合の閾値で設定した。
苦味・エグ味について、全くなし(3点)、僅かにあり(2点)、あるが改善はされている(1点)、変化なし(0点)、やや悪化している(−1点)、悪化している(−2点)、著しく悪化している(−3点)として、10人のパネラーの平均点で、◎≧1点>○≧1.5点>△>0点≧×で表した。また、異味について、全くなし(3点)、僅かにあり(2点)、あり(1点)、著しくあり(0点)として、平均点を◎=3点>○≧2.5点>△>2点≧×で表した。そして、総合評価として、苦味・エグ味の評価と異味の評価の平均点を合計して、◎≧4点>○≧3点>△>2点≧×で表した。ただし、苦味・エグ味が×のものは総合評価も×とした。結果をまとめて表1に記す。
Figure 2006114918
表1の結果より、塩化カリウムを含有する水溶液に、塩基性アミノ酸であるアルギニン、ヒスチジン、ヒスチジン塩酸塩、リジン塩酸塩、及び、塩基性ペプチドであるアンセリンを添加することで、塩基性アミノ酸や塩基性ペプチドの異味を感じさせること無く、塩化カリウムの苦味・エグ味を抑制することできた。特にアルギニン、ヒスチジン塩酸塩、アンセリンが優れていた。
一方、グルタミン酸ソーダ、グルタミン、アラニン及びグリシンであっても多少の塩化カリウムの苦味・エグ味を抑制する効果はあったが、いずれも塩基性アミノ酸や塩基性ペプチド自身由来の異味が強く感じられ、新たな異味が生じた。
(試験例2)
表2に示す配合で原料を混合して塩味調味料を製造した。なお、フィッシュペプチドはカツオエキスを原料として、弱酸性イオン交換樹脂(ダイヤイオンWK‐40:三菱化学製)に吸着した塩基性アミノ酸を塩酸溶出した後、中和して粉末化したものを用いた。(食塩80%、塩基性アミノ酸/塩基性ペプチドとしてアンセリン4%及びヒスチジン6%、その他10%を含有)
Figure 2006114918
例1、2の塩味調味料は、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを含有しない例3と比較して、塩化カリウムの苦味が十分に抑制されており、また、塩味は塩化ナトリウムと比較しても遜色なく、塩味調味料として非常に優れていた。
(試験例3)
表3に示す配合で醤油加工品を製造した。低塩醤油は市販の濃口醤油を電気透析に供して塩分3.0%まで脱塩したものを用いた。また、塩化カリウムは粗精製品(塩化カリウム72%、塩化ナトリウム20%、カルシウム塩・マグネシウム塩・その他:8%)を用いた。
Figure 2006114918
例4,5の醤油加工品は、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを含有しない例6の醤油加工品と比較して、塩化カリウムの苦味が十分に抑制されており、また、醤油としての味も通常の濃口醤油と比較して遜色のない風味を有していた。
(試験例4)
国産丸大豆使用醤油(塩分14.7%(w/w))を電気透析装置にて脱塩処理を行った後、濃縮を行い、塩分7.1%(w/w)に調整した。さらに脱塩前の濃口醤油をブレンドして食塩濃度が9.0%(w/w)に調整された減塩醤油を調製した。
食塩濃度は原子吸光光度計によりナトリウム濃度を測定し、これを食塩濃度に換算して求めた。
上記醤油及び減塩醤油のアミノ酸パターンについて、アミノ酸分析装置(商品名「L−8500A」、株式会社日立製作所)により調べた。その結果を表4に示す。
Figure 2006114918

表4から、通常の醤油と減塩醤油のアミノ酸パターンを比較すると、電気透析による脱塩調整を行うことにより、酸性及び塩基性アミノ酸の損失割合が大きいことが分かる。
この減塩醤油に、塩化カリウム、アルギニン、ヒスチジン、リジン、グルタミン酸及びGABAを、表5〜8に示す値に添加、調整して官能評価を行った。
官能評価は、各塩化カリウム添加条件毎に分けて行い、総合評価を順位法にて評価した(表5〜7)。GABAの添加効果は表8に示すサンプルにて行った。
Figure 2006114918
Figure 2006114918
Figure 2006114918
Figure 2006114918
表5〜7から、0.5、2、及び8%(w/w)の各塩化カリウム添加条件において、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン等の各アミノ酸含量を本願で規定する範囲内に調整することにより、良好な評価が得られることが分かる。また、表8から、グルタミン酸量が増加することでGABAの添加による風味の低下を伴うことなく、GABAの塩味増強効果により、より効果的に塩味を増強できることが確認された。
(試験例5)
国産丸大豆使用醤油(塩分14.7%(w/w)、原料1)を電気透析装置にて脱塩処理を行った後、濃縮を行い、塩分7.1%(w/w)の減塩醤油を得た。この減塩醤油をベースに、表9に示す配合でブレンドを行い、醤油加工品(配合1)を得た。
そして、原料1の醤油、配合1の醤油加工品について、そのアミノ酸パターンをアミノ酸分析装置(商品名「L−8500A」、株式会社日立製作所)により調べた。また、食塩濃度及び塩化カリウム濃度を原子吸光光度計を用いて分析した。その結果を表9に示す。
Figure 2006114918
上記の方法で得られた醤油加工品を官能評価したところ、原料の醤油と比較して遜色のない風味を有していた。
(試験例6)
国産大豆使用醤油(塩分14.2%(w/w)、原料2)を電気透析装置にて脱塩処理を行った後、濃縮を行い、塩分7.6%(w/w)の減塩醤油を得た。この減塩醤油をベースに、表10に示す配合でブレンドを行い、醤油加工品(配合2)を得た。
そして、原料2の醤油、配合2の醤油加工品について、そのアミノ酸パターンをアミノ酸分析装置(商品名「L−8500A」、株式会社日立製作所)により調べた。また、食塩濃度及び塩化カリウム濃度を原子吸光光度計を用いて分析した。その結果を表10に示す。
Figure 2006114918
上記の方法で得られた醤油加工品を官能評価したところ、原料の醤油と比較して遜色のない風味を有していた。
(試験例7)
塩化ナトリウム濃度20質量%、塩化カリウム濃度2質量%の仕込液を用いて常法にしたがって醸造・火入れを行い醤油を製造した。本製造工程において、醸造中の腐敗や発酵不良等の問題は無かった。得られた醤油に、表11に示す割合で塩基性アミノ酸(アルギニン、ヒスチジン、リジン)を添加した。各サンプルについて、14名のパネラーにより官能評価を行った。官能評価は、旨味、風味、苦味、塩味について行い、総合評価を順位法にて評価した。その結果を表11に併せて示す。
Figure 2006114918
表11から、本願で規定する範囲内で塩基性アミノ酸を添加した例42〜44のサンプルは、例41、45のサンプルに比べて評価が高いことが分かる。
具体的には、例43では塩化カリウム、塩基性アミノ酸のいずれの苦味も感じることなく、醤油の風味として申し分なく、最も高い評価となった。また、例42では塩化カリウムの苦味をわずかに感じ、例44では塩基性アミノ酸の苦味をわずかに感じるものの、いずれも醤油の風味上の問題は無かった。
一方、塩基性アミノ酸を添加しなかった例41は塩化カリウムの苦味が強く、また、例45では塩基性アミノ酸の添加量が多すぎるために塩基性アミノ酸の苦味が強く感じられ、醤油の風味、旨味を著しく損っていた。
(試験例8)
塩化ナトリウム濃度12質量%、塩化カリウム濃度10質量%の仕込液を用いて常法にしたがって醸造・火入れを行い醤油を製造した。本製造工程において、醸造中の腐敗や発酵不良等の問題は無かった。得られた醤油に、表12に示す割合で塩基性アミノ酸(アルギニン、ヒスチジン、リジン)を添加した。各サンプルについて、14名のパネラーにより官能評価を行った。官能評価は、旨味、風味、苦味、塩味について行い、総合評価を順位法にて評価した。その結果を表12に併せて示す。
Figure 2006114918
表12から、本願で規定する範囲内で塩基性アミノ酸を添加した例47〜49のサンプルは、例46、50のサンプルに比べて評価が高いことが分かる。
具体的には、例48では塩化カリウム、塩基性アミノ酸のいずれの苦味も感じることなく、醤油の風味として申し分なく、最も高い評価となった。また、例47では塩化カリウムの苦味をわずかに感じ、例49では塩基性アミノ酸の苦味をわずかに感じるものの、いずれも醤油の風味としては問題は無かった。
一方、塩基性アミノ酸を添加しなかった例46は塩化カリウムの苦味が強く、また、例50では塩基性アミノ酸の添加量が多すぎるために塩基性アミノ酸の苦味が強く感じられ、醤油の風味、旨味を著しく損っていた。
(試験例9)
塩化ナトリウム濃度4質量%、塩化カリウム濃度18質量%の仕込液を用いて常法にしたがって醸造・火入れを行い醤油を製造した。本製造工程において、醸造中の腐敗や発酵不良等の問題は無かった。得られた醤油に、表13に示す割合で塩基性アミノ酸(アルギニン、ヒスチジン、リジン)を添加した。各サンプルについて、14名のパネラーにより官能評価を行った。官能評価は、旨味、風味、苦味、塩味について行い、総合評価を順位法にて評価した。その結果を表13に併せて示す。
Figure 2006114918
表13から、本願で規定する範囲内で塩基性アミノ酸を添加した例52〜54のサンプルは、例51、55のサンプルに比べて評価が高いことが分かる。
具体的には、例53では塩化カリウム、塩基性アミノ酸のいずれの苦味も感じることなく、醤油の風味として申し分なく、最も高い評価となった。例52では塩化カリウムの苦味をわずかに感じ、例54では塩基性アミノ酸の苦味をわずかに感じるものの、いずれも醤油の風味としては問題は無かった。
一方、塩基性アミノ酸を添加しなかった例51は塩化カリウムの苦味が強く、また、例55では塩基性アミノ酸の添加量が多すぎるために塩基性アミノ酸の苦味が強く感じられ、醤油の風味、旨味を著しく損っていた。
(試験例10)
塩化ナトリウム濃度20質量%、塩化カリウム濃度2質量%の仕込液に、表14に示す割合で塩基性アミノ酸(アルギニン、ヒスチジン、リジン)を添加した後、常法にしたがって醸造・火入れを行い醤油を製造した。本製造工程において、醸造中の腐敗や発酵不良等の問題は無かった。各サンプルについて、14名のパネラーにより官能評価を行った。官能評価は、旨味、風味、苦味、塩味について行い、総合評価を順位法にて評価した。その結果を表14に併せて示す。
Figure 2006114918
表14から、本願で規定する範囲内で塩基性アミノ酸を添加した例57〜59のサンプルは、例56、60のサンプルに比べて評価が高いことが分かる。
具体的には、例58では塩化カリウム、塩基性アミノ酸のいずれの苦味も感じることなく、醤油の風味として申し分なく、最も高い評価となった。例57では塩化カリウムの苦味をわずかに感じ、例59では塩基性アミノ酸の苦味をわずかに感じるものの、いずれも醤油の風味としては問題は無かった。
一方、塩基性アミノ酸を添加しなかった例56は塩化カリウムの苦味が強く、また、例60では塩基性アミノ酸の添加量が多すぎるために塩基性アミノ酸の苦味が強く感じられ、醤油の風味、旨味を著しく損っていた。
(試験例11)
塩化ナトリウム濃度12質量%、塩化カリウム濃度10質量%の仕込液に、表15に示す割合で塩基性アミノ酸(アルギニン、ヒスチジン、リジン)を添加した後、常法にしたがって醸造・火入れを行い醤油を製造した。本製造工程において、醸造中の腐敗や発酵不良等の問題は無かった。各サンプルについて、14名のパネラーにより官能評価を行った。官能評価は、旨味、風味、苦味、塩味について行い、総合評価を順位法にて評価した。その結果を表15に併せて示す。
Figure 2006114918
表15から、本願で規定する範囲内で塩基性アミノ酸を添加した例62〜64のサンプルは、例61、65のサンプルに比べて評価が高いことが分かる。
具体的には、例63では塩化カリウム、塩基性アミノ酸のいずれの苦味も感じることなく、醤油の風味として申し分なく、最も高い評価となった。例62では塩化カリウムの苦味をわずかに感じ、例64では塩基性アミノ酸の苦味をわずかに感じるものの、いずれも醤油の風味としては問題は無かった。
一方、塩基性アミノ酸を添加しなかった例61は塩化カリウムの苦味が強く、また、例65では塩基性アミノ酸の添加量が多すぎるために塩基性アミノ酸の苦味が強く感じられ、醤油の風味、旨味を著しく損っていた。
(試験例12)
塩化ナトリウム濃度4質量%、塩化カリウム濃度18質量%の仕込液に表16に示す割合で塩基性アミノ酸(アルギニン、ヒスチジン、リジン)を添加した後、常法にしたがって醸造・火入れを行い醤油を製造した。本製造工程において、醸造中の腐敗や発酵不良等の問題は無かった。各サンプルについて、14名のパネラーにより官能評価を行った。官能評価は、旨味、風味、苦味、塩味について行い、総合評価を順位法にて評価した。その結果を表16に併せて示す。
Figure 2006114918
表16から、本願で規定する範囲内で塩基性アミノ酸を添加した例67〜69のサンプルは、例66、70のサンプルに比べて評価が高いことが分かる。
具体的には、例68では塩化カリウム、塩基性アミノ酸のいずれの苦味も感じることなく、醤油の風味として申し分なく、最も高い評価となった。例67では塩化カリウムの苦味をわずかに感じ、例69では塩基性アミノ酸の苦味をわずかに感じるものの、いずれも醤油の風味としては問題は無かった。
一方、塩基性アミノ酸を添加しなかった例66は塩化カリウムの苦味が強く、また、例70では塩基性アミノ酸の添加量が多すぎるために塩基性アミノ酸の苦味が強く感じられ、醤油の風味、旨味を著しく損っていた。
(試験例13)
塩化ナトリウム濃度12質量%、塩化カリウム濃度10質量%の仕込液を用いて常法にしたがって醸造・火入れを行い醤油を製造した。本製造工程において、醸造中の腐敗や発酵不良等の問題は無かった。得られた醤油に、表17に示す割合で塩基性アミノ酸(アルギニン、ヒスチジン、リジン)、グルタミン酸及びGABAを添加した。各サンプルについて、14名のパネラーにより官能評価を行った。官能評価は、旨味、風味、苦味、塩味について行い、総合評価を順位法にて評価した。その結果を表17に併せて示す。
Figure 2006114918
表17から、グルタミン酸及び/又はGABAを添加した例71〜73は、グルタミン酸及びGABAを添加していない例48と比較して評価が高いことが分かる。
具体的には、GABAのみを添加した例71では塩味が強く感じられ、醤油の風味として向上したが、旨味がわずかに低下しており、グルタミン酸のみ添加した例72では醤油の旨味がより向上した。そして、グルタミン酸とGABAを共に添加した例73では醤油の旨味、塩味がより強くなり、風味、旨味がより向上していた。
(試験例14)
塩化ナトリウム濃度12質量%、塩化カリウム濃度10質量%の仕込液を用いて常法にしたがって醸造・火入れを行い醤油を製造した。本製造工程において、醸造中の腐敗や発酵不良等の問題は無かった。得られた醤油に水を添加して塩化ナトリウム濃度を9%に調整した後、アルギニン0.02質量%、ヒスチジン0.01質量%、リジン0.015質量%をそれぞれ添加して醤油加工品を得た。この醤油加工品の塩化ナトリウム濃度、塩化カリウム濃度、全窒素量を測定したところ、それぞれ7.9%、6.7%、1.5%であった。なお、塩化ナトリウム濃度、塩化カリウム濃度については原子吸光光度法、全窒素量についてはセミミクロケルダール法よって分析を行った。この醤油加工品は通常の醤油と遜色ない美味しいものであった。
(試験例15)
塩化ナトリウム濃度12質量%、塩化カリウム濃度10質量%の仕込液を用いて常法にしたがって醸造・火入れを行い醤油を製造した。本製造工程において、醸造中の腐敗や発酵不良等の問題は無かった。得られた醤油に水、塩化カリウムを10質量%含む水溶液、及びアルギニン、ヒスチジン、リジン、グルタミン酸等を含む調味液(アミノ酸液)を添加して、塩化ナトリウム濃度を9%、塩基性アミノ酸の添加量として、アルギニン0.02質量%、ヒスチジン0.01質量%、リジン0.015質量%に調整して醤油加工品を得た。この醤油加工品の塩化ナトリウム濃度、塩化カリウム濃度、全窒素量を測定したところ、それぞれ8.9%、8.0%、2.0%であった。なお、塩化ナトリウム濃度、塩化カリウム濃度については原子吸光光度法、全窒素量についてはセミミクロケルダール法よって分析を行った。この醤油加工品は通常の醤油と遜色ない美味しいものであった。
本発明によれば、低ナトリウムとしても、通常の飲食品と比較しても何ら遜色のない塩味、旨味、風味を有した塩化カリウム含有飲食品とすることができ、高血圧の改善等のために食塩の摂取量を制限されている人だけでなく、健常者に対しても、高血圧の予防等を目的として好適に利用できる。

Claims (22)

  1. 塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを有効成分とする塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤。
  2. 前記塩基性アミノ酸として、ヒスチジン、アルギニン及びリジンから選ばれた1種以上を含有する請求項1に記載の塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤。
  3. 前記塩基性ペプチドとして、アンセリン、カルノシン及びバレニンから選ばれた1種以上を含有する請求項1又は2に記載の塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤。
  4. 前記塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを0.05〜99質量%含有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤。
  5. 魚介エキス、酵母エキス、HVP、HAP、又はそれらから分離精製して得られたものであって、前記塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを2〜99質量%含有する素材を主成分とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤。
  6. 更に、グルタミン酸を0.1〜50質量%含有する請求項1〜5のいずれか一つに記載の塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤。
  7. 更に、γ−アミノ酪酸を0.1〜50質量%含有する請求項1〜6のいずれか一つに記載の塩化カリウム含有飲食品の呈味改善剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の呈味改善剤を添加することを特徴とする塩化カリウム含有飲食品の製造方法。
  9. 塩化カリウム100質量部に対して、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドが0.2〜200質量部となるように、前記呈味改善剤を添加する請求項8記載の塩化カリウム含有飲食品の製造方法。
  10. 塩化カリウム/塩化ナトリウムの質量比が5/95〜80/20である飲食品に、前記呈味改善剤を添加する請求項8又は9記載の塩化カリウム含有飲食品の製造方法。
  11. 前記塩化カリウム含有飲食品が醤油加工品であって、醸造工程において、仕込液の塩化ナトリウム濃度を20質量%以下、塩化カリウム濃度を2〜18質量%となるように調製し、この仕込液を発酵熟成して醤油を製造し、前記呈味改善剤を添加して、前記塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを0.01〜1.0質量%添加する請求項8〜10のいずれか一つに記載の塩化カリウム含有飲食品の製造方法。
  12. 前記塩化カリウム含有飲食品が醤油加工品であって、醸造工程において、仕込液の塩化ナトリウム濃度を20質量%以下、塩化カリウム濃度を2〜18質量%となるように調製し、前記呈味改善剤を添加して、前記塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを0.01〜1.0質量%添加した後、発酵熟成して醤油を製造する請求項8〜10のいずれか一つに記載の塩化カリウム含有飲食品の製造方法。
  13. 塩基性アミノ酸の添加量が、ヒスチジン0.002〜0.3質量%、アルギニン0.004〜0.7質量%、リジン0.006〜1.0質量%である請求項11又は12記載の塩化カリウム含有飲食品の製造方法。
  14. 更に、グルタミン酸を0.06質量%以上添加する請求項11〜13のいずれか一つに記載の塩化カリウム含有飲食品の製造方法。
  15. 更に、γ−アミノ酪酸を50ppm以上添加する請求項11〜14のいずれか一つに記載の塩化カリウム含有飲食品の製造方法。
  16. 前記塩化カリウム含有飲食品が醤油加工品であって、ナトリウム塩の含量を脱塩調整した醤油に、i)ナトリウム塩の減量分の9%(w/w)以上のカリウム塩を添加し、ii)グルタミン酸の含量が前記脱塩調整前の含量以上となるように調整し、iii)アルギニンの含量が前記脱塩調整前の−20〜+200mg/100g、ヒスチジンの含量が前記脱塩調整前の−10〜+100mg/100g、リジンの含量が前記脱塩調整前の−30〜+300mg/100gとなるように調整する請求項8〜10のいずれか一つに記載の塩化カリウム含有飲食品の製造方法。
  17. 更に、γ−アミノ酪酸が50ppm以上、かつグルタミン酸量が800mg/100g以上となるように調整する請求項16記載の塩化カリウム含有飲食品の製造方法。
  18. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の呈味改善剤を含有することを特徴とする塩化カリウム含有飲食品。
  19. 塩化カリウム100質量部に対して、塩基性アミノ酸及び塩基性ペプチドが0.2〜100質量部となるように、前記呈味改善剤を含有する請求項18記載の塩化カリウム含有飲食品。
  20. 塩化カリウム/塩化ナトリウムの質量比が5/95〜80/20である請求項18又は19記載の塩化カリウム含有飲食品。
  21. 請求項11〜15のいずれか一つに記載の製造方法によって得られた醤油加工品からなり、塩化ナトリウム濃度が9質量%以下である請求項18〜20のいずれか一つに記載の塩化カリウム含有飲食品。
  22. 請求項16又は17に記載の製造方法によって得られた醤油加工品からなり、ナトリウム換算で食塩量が3〜15%(w/w)、塩化カリウム量が13%(w/w)以下、グルタミン酸量が500〜5,000mg/100g、アルギニン、リジン量が各5〜1,000mg/100g、ヒスチジン量が5〜500mg/100gである請求項18〜20のいずれか一つに記載の塩化カリウム含有飲食品。
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