JP7051514B2 - 塩味増強剤 - Google Patents
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Description
本実施形態の塩味増強剤は、アルギニン、リジン塩酸塩、塩化カリウム、およびプロリンを含有している。この塩味増強剤は、塩化ナトリウムを含む食品(特に、飲食物)に添加して使用することで塩味を増強させることができ、塩化ナトリウムの使用量を低減することができる。
本発明はアルギニンを含有する。アルギニンは塩味増強効果を示す主たる成分であり、本発明において必須成分である。なお、本発明におけるアルギニンには、アルギニン塩を含む。
本発明はリジン塩酸塩を含有する。アルギニンとリジン塩酸塩を併用することで、アルギニンの一部がアルギニン塩酸塩となり、アルギニンに由来する異味を抑制することができる。
本発明は塩化カリウムを含有する。塩化ナトリウムの一部を塩化カリウムに代替することで、塩味を維持しつつ、塩化ナトリウム使用量を抑制することができる。ただし、塩化カリウムには独特のエグ味があり、アルギニンおよびリジン塩酸塩と併用するとそのエグ味が強まってしまう。したがって、塩化カリウム使用量を抑制するとともに、後述するプロリンを併用する必要がある。
本発明はプロリンを含有する。従来から、プロリンには塩化カリウムのエグ味を抑制する機能が知られていたが、従来はプロリンの濃度が高く、プロリン由来の甘味等も強くなってしまうという課題があった。ところが、本発明では、アルギニンやリジン塩酸塩によって強調された塩化カリウムのエグ味を、プロリンによってマスキングすることを目的としている。換言すると、塩化カリウムのエグ味がアルギニンやリジン塩酸塩によって強調されないようにすれば良い。したがって、従来の方法と比較すると、プロリン含有量は低濃度で十分である。
本発明においては、更に、酸性物質を含むことが好ましい。本発明でいう「酸性物質」とは、水溶液にした際に酸性を示す物質を指し、具体的には、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、リン酸及びこれらの金属塩並びに酸性アミノ酸、アスコルビン酸、グルコン酸の群から選ばれる少なくともいずれか1つであることが好ましい。
先ずは、プロリンを添加しない場合の塩味と異味の変化を評価した。具体的には、プロリン(Pro)を添加せずに、塩化ナトリウム(NaCl)および塩化カリウム(KCl)の濃度を固定し、アルギニン(Arg)、リジン塩酸塩(Lys・HCl)の濃度を変更した試料1-1~1-4について以下の通り官能評価を行った。結果は表1の通りである。
予め0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1.0重量%NaCl溶液を用意して下記の通り塩味スコアを設定した。パネラーは前記NaCl溶液を基準に、試料ごとにスコアを付けた。評価に迷った場合には中間スコアを付けた(例えば、「0.6重量%(1点)なのか、0.7重量%(2点)なのか」で判断に迷った場合には1.5点とした)。評価に際しては、試料の内容を明かさず、且つ順不同で実施した。
1点:0.6重量%NaClと同程度の塩味
2点:0.7重量%NaClと同程度の塩味
3点:0.8重量%NaClと同程度の塩味
4点:0.9重量%NaClと同程度の塩味
5点:1.0重量%NaClと同程度の塩味
下記の通り異味スコアを設定した。塩味スコアと同様に評価に迷った場合には中間スコアを付けた。
1点:異味を感じない
2点:わずかに異味を感じる
3点:異味を感じる(食塩水として許容のレベル)
4点:強い異味を感じる(喫食に堪えない)
表1中の試料1-3を元にプロリンを添加し、且つ濃度を変更した際の異味の抑制効果を以下の通り評価した。評価結果は表2の通りである。
試料1-3を標準試料として、以下の基準で異味抑制スコアを設定した。
-1点:比較例1-3よりも強い異味
0点:比較例1-3と同程度の異味
1点:比較例1-3よりも弱い異味
2点:比較例1-3よりも明らかに弱い異味
次いで、プロリン濃度を試験2において異味のマスキング効果が最も高かった0.10%に固定し、塩化カリウムの濃度を変更した場合の塩味及び異味を評価した。評価基準は試験1と同様である。また、評価結果は表3の通りである。
続いて、塩化カリウム濃度を0.20%、プロリン濃度を0.10%に固定し、アルギニン及びリジン塩酸塩の濃度を変更した場合の塩味及び異味を評価した。評価基準は試験1と同様である。また、評価結果は表4の通りである。
最後にアルギニンとリジン塩酸塩の量比の最適値を見出すために、アルギニンの濃度を0.15%に固定し、リジン塩酸塩の濃度のみを変更した場合の塩味及び異味を評価した。評価基準は試験1と同様である。また、評価結果は表5の通りである。
試験1(表1)より、アルギニン及びリジン塩酸塩の濃度を高めると塩味スコアの上昇と共に、異味スコアも上昇し、喫食に向かなくなる。一方、試験2(表2)より、プロリンを添加することで異味が抑制されることが確認された。ただし、プロリン濃度が高すぎると異味抑制効果が弱まる傾向があるため、プロリンの最終添加濃度は0.10重量%程度が好適である。
Claims (5)
- アルギニン、リジン塩酸塩、塩化カリウム、およびプロリンを含む塩味増強剤であって、
喫食時の食品への各成分の最終添加濃度が、
アルギニンが0.05~0.30重量%、リジン塩酸塩が0.05~0.45重量%、塩化カリウムが0.10~0.30重量%、プロリンが0.04~0.12重量%である、塩味増強剤。 - 食品中の塩化ナトリウム100重量部に対し、アルギニンが10~50重量部となるように用いられることを特徴とする請求項1記載の塩味増強剤。
- 塩味増強剤中のアルギニンを100重量部とした場合に、リジン塩酸塩を50~150重量部含むことを特徴とする請求項1又は2記載の塩味増強剤。
- 食品中の塩化ナトリウム100重量部に対して、塩化カリウムが10~100重量部となるように用いられることを特徴とする請求項1~3いずれか記載の塩味増強剤。
- 塩味増強剤中の塩化カリウムを100重量部とした場合に、プロリンを5~75重量部含むことを特徴とする請求項1~4いずれか記載の塩味増強剤。
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