JP3073544B2 - 塩化カリウムの脱苦味方法 - Google Patents

塩化カリウムの脱苦味方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は食品に係わるものであ
って、工業的に有利な塩化カリウムの脱苦味方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年ナトリウムの過剰摂取が本態性高血
圧症を発生させたり、胃癌発生のプロモーターとなるこ
とが知られるようになり、一般消費者が食塩の過剰摂取
を避けるようになった。そこで、食塩にかわる塩味成分
としてカリウムイオン、特に塩化カリウムを主体とした
食塩代替物やそれを用いた食品が多くみられるようにな
っている。塩化カリウムを用いればナトリウムイオンの
摂取が抑えられる食品を提供することができるが、しか
しいずれも塩化カリウムに起因する苦味が強く、食品の
味は著しく劣るものとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、ナトリウム
イオンの摂取が抑えられ、しかも食品の味を変えないよ
うに塩化カリウムの苦味を除去する方法が強く望まれて
いる。この発明はこの要望に応えるものであって以下に
その詳細を説明する。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は塩化カリウム
にカラギナンを併用使用することによる塩化カリウムの
脱苦味とこれに有機酸のカルシウム塩及び/または有機
酸のマグネシウム塩を併用使用することによりさらに塩
化カリウムの脱苦味を行う方法である。カラギナンには
カッパー型、アイオータ型、ラムダ型の3種のものがあ
り、この発明にはいずれの型のカラギナンも採用するこ
とができる。
【0005】次にこの発明に用いる有機酸のカルシウム
塩及びマグネシウム塩は、その有機酸部分がカルボキシ
ル基を持った有機化合物であり、一般に果物や野菜に含
まれる酸味を呈する物質や蛋白質を酸又はアルカリで長
時間煮沸したり蛋白分解酵素を使用させたときに得られ
るアミノ酸類で構成される。例えばクエン酸、酒石酸、
リンゴ酸、フマール酸、アジピン酸、酢酸、コハク酸、
乳酸、L−アスコルビン酸、グルコン酸、アスパラギン
酸、グルタミン酸、パントテン酸、シスチン、フェニル
アラニン、スレオニン、グリシン、アラニンその他があ
げられる。
【0006】有機酸のカルシウム塩及びマグネシウム塩
は前記の有機酸を原料としてこれにカルシウム塩又はマ
グネシウム塩としたものである。カラギナンは塩化カリ
ウムに対して0.01%(重量、以下同じ)から50%
の使用でよく、好ましくは0.03〜10%の範囲であ
る。使用量が0.01%未満の場合は、塩化カリウムの
脱苦味効果はほとんどない。また使用量が50%を越え
る場合はカラギナンに起因する異味が感じられるように
なり、食品へ使用したときも、食品の味を劣化させるよ
うになる。
【0007】有機酸のカルシウム塩及びマグネシウム塩
の併用使用はカラギナンによる塩化カリウムの脱苦味効
果をさらに増強させる。使用量は塩化カリウムに対して
0.1%〜50%の併用でよく、好ましくは0.6%〜
10%の範囲である。使用量が0.1%未満の場合は併
用使用による塩化カリウムの脱苦味効果の増強効果がほ
とんどない。50%を越える場合は有機酸のカルシウム
塩及びマグネシウム塩に起因する異味が感じられるよう
になり、食品へ使用したときも、食品の味を劣化させる
ようになる。
【0008】本発明による塩化カリウムの脱苦味方法は
塩化カリウムにカラギナン単独あるいはこれに有機酸の
カルシウム塩及び/又はマグネシウム塩の1種以上を併
用使用することにある。その使用態様は特に限定するも
のではなく、例えば両者を水溶液の状態で用いてもよい
しペースト状態、粉末状態で用いてもよい。また塩化カ
リウムに塩化ナトリウムを混合したものであってもよ
い。上記のように塩化カリウムにカラギナンを併用使用
すると脱苦味され、有機酸のカルシウム塩及び/又はマ
グネシウム塩をこれに併用使用すると塩化カリウムはさ
らに脱苦味される。ここに、この発明の目的は達しおえ
る。以下に実施例をもって詳しく説明する。
【0009】
【実施例】実施例1 塩化カリウム0.5%、ラムダカラギナン0.025%
の水溶液とこれに各種有機酸のカルシウム塩又はマグネ
シウム塩を0.005%添加した試料溶液を調整し(表
1)、0から0.5%(0.05%間隔)の塩化カリウ
ム水溶液をコントロールとして試料溶液の苦味が塩化カ
リウムのどの濃度の水溶液に相当するかをパネラー10
名による官能検査により求め、その平均値をその試料溶
液の苦味に相当する塩化カリウム溶液の濃度とした。そ
して次式により苦味の低下率を求めた。
【0010】 苦味の低下率(%)= 100−(試料の苦味に相当する塩化カリウム濃度(%)/0.5)×100
【0011】
【表1】 結果は表1に示すとうりで、塩化カリウムにラムダカラ
ギナンを併用使用することにより塩化カリウムの脱苦味
効果があり、これに有機酸のカルシウム塩及びマグネシ
ウム塩を併用使用したものがさらに脱苦味効果の増強さ
れることが明らかであった。
【0012】実施例2 試料の調整 1.塩化ナトリウム50部(重量、以下同じ)、塩化カ
リウム50部とからなる組成物100部に、アイオータ
カラギナン5部を粉体混合し、この混合物の1.05%
の水溶液(これを試料Aとする)。 2.塩化ナトリウム50部、塩化カリウム50部、アイ
オータカラギナン5部と乳酸カルシウム2部、グルコン
酸カルシウム2部、リンゴ酸カルシウム1部とを粉体混
合し、この混合物の1.1%の水溶液(これを試料Bと
する)。 3.塩化ナトリウム50部、塩化カリウム50部を粉体
混合し、この混合物の1%の水溶液(これを試料Cとす
る)。以上3つの試料を調整した。
【0013】試料A、B、Cについてパネラー10名に
よる官能検査を行い、次の6段階で塩化カリウムの苦味
度合いを評価した。 5…苦味非常に強い 4…苦味強い 3…苦味
やや強い 2…苦味わずか 1…苦味ごくわずか 0…苦味
ほとんどなし 評価結果より、評価値ごとのパネラーの人数を表にする
と表2の通りとなり、アイオータカラギナンを併用した
ものが塩化カリウムの脱苦味に効果があることが明らか
で、さらに、有機酸のカルシウム塩及び有機酸のマグネ
シウム塩を併用使用したものがさらに塩化カリウムの脱
苦味に効果があることが明らかであった。
【0014】
【表2】
【0015】実施例3 試料の調整 1.塩化カリウム98部とラムダカラギナン2部とを粉
体混合し、この混合物の1%水溶液(これを試料Dとす
る)。 2.塩化カリウム98部とラムダカラギナン2部,クエ
ン酸カルシウム2部、グルコン酸カルシウム1部、乳酸
マグネシウム1部、グルタミン酸マグネシウム1部とを
粉体混合し、この混合物の1.05%水溶液(これを試
料Eとする)。 3.塩化カリウムの0.98%水溶液(これを試料Fと
する)。
【0016】試料D、E、Fを実施例2と同様にパネラ
ー10名により官能検査した結果を評価表(表3)で示
す。結果は表3に示す通りで、塩化カリウムにラムダカ
ラギナンを併用使用したものが、塩化カリウムの脱苦味
効果があることが明らかで、これに有機酸のカルシウム
塩及び有機酸のマグネシウム塩を併用使用したものがさ
らに塩化カリウムの脱苦味に効果があることが明らかで
あった。
【0017】
【表3】
【0018】実施例4 試料の調整 1.塩化ナトリウム0.6%、塩化カリウム0.4%併
用使用して常法により調製したチキンスープ(これを試
料Gとする)。 2.試料Gにカッパーカラギナン0.00012%併用
し、調製したチキンスープ(これを試料Hとする)。 3.試料Hに乳酸カルシウム0.001%、リンゴ酸マ
グネシウム0.001%、酒石酸カルシウム0.000
4%を併用し調製したチキンスープ(これを試料Iとす
る)。試料G、H、Iを実施例2と同様にパネラー10
名により官能検査した結果を評価表(表4)で示す。
【0019】
【表4】 表4からカッパーカラギナンを併用使用した試料Hのチ
キンスープが塩化カリウムの脱苦味に効果があり、さら
に有機酸のカルシウム塩及び有機酸のマグネシウム塩を
併用使用した試料Iがより塩化カリウムの脱苦味に効果
があった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化カリウムにカラギナンを併用使用す
    ることを特徴とする塩化カリウムの脱苦味方法。
  2. 【請求項2】 塩化カリウムにカラギナンを併用したも
    のに有機酸のカルシウム塩及び/または有機酸のマグネ
    シウム塩を併用使用することを特徴とする塩化カリウム
    の脱苦味方法。
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