JP2014132842A - 低塩醤油様液体調味料 - Google Patents

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Takashi Sakauchi
敬 坂内
Katsunori Tsuchiya
勝規 土屋
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Abstract

【課題】低塩でありながら、十分な塩味と醤油らしさが感じられ、かつ異味が十分に抑制されて嗜好性が向上した、醤油様液体調味料を提供すること。
【解決手段】食塩濃度 0.5〜12%(w/v)、アンモニウムイオン 0.7〜1.7%(w/v)の低塩醤油様液体調味料に対し、みりん 3.0〜10.0%(v/v)および/または清酒 1.0〜10.0%(v/v)および/またはブドウ糖果糖液糖 1.0〜10.0%(v/v)を添加することにより、低塩でありながら、十分な塩味と醤油らしさが感じられ、かつ異味が十分に抑制されて嗜好性が向上した醤油様液体調味料を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、低塩でありながら、十分な塩味と醤油らしさが感じられ、かつ異味が十分に抑制されることで、嗜好性が顕著に向上した低塩化した醤油様調味料に関する。
食塩(塩化ナトリウム)の主要構成成分であるナトリウムの過剰摂取が、高血圧をはじめとする生活習慣病の危険因子となると言われており、近年、食塩の摂取量を減らして生活習慣病を予防したいという消費者の要望が増加している。これに伴い、塩化ナトリウム含量を減じた様々な低塩飲食品が開発され、市販されている。しかし、塩化ナトリウム添加量を減じただけでは、味が物足りなくなり、味のバランスも崩れて、満足度が低下するという問題点がある。
このような問題を解決するために、塩味代替物質(それ自身が塩味を呈する物質)と塩味増強物質(それ自身は塩味を呈しないが、食塩の塩味を強調する効果を有する物質)を使用するという方法が試みられている。
塩味代替物質としては、塩化カリウムや塩化アンモニウム等(例えば、特許文献1参照)が知られている。これらの塩味代替物質は塩味のほかに、苦味と特有の不快な呈味(以下、異味という)を有するといったような欠点があるため、塩味以外の異味を抑制する技術を併用することが重要となる。塩化カリウムの異味を抑制する技術として、例えば旨味物質(例えば、特許文献2参照)、ポリ−γ−グルタミン酸(例えば、特許文献3参照)、酸性アミノ酸(例えば、特許文献4参照)、有機酸(例えば、特許文献5参照)、グルコン酸塩と乳酸ミネラル(例えば、特許文献6参照)、アミノカルボニル反応物(例えば特許文献7参照)を添加する方法等が提案されている。しかし、塩化カリウムは塩化ナトリウムに比べて塩味強度が弱いため、塩化ナトリウムと同等の塩味を再現する程度まで塩化カリウムと異味抑制剤を添加すると、味質が変わってしまう問題がある。一方で、塩化アンモニウムは塩化カリウムよりも塩味が強い点が優れているが、塩化カリウムの呈味とは異質で複雑な異味がある。
塩味増強物質としては、アルギニン等の塩基性アミノ酸(例えば、特許文献8参照)、蛋白質・核酸の加水分解物(例えば、特許文献9,10参照)、ペプチド(例えば、特許文献11参照)、カプサイシン(例えば、特許文献12参照)、ソルビトールやトレハロース等の甘味料(例えば、特許文献13,14参照)が知られている。しかしながら塩味増強物質を単独で使用する場合は、十分な塩味増強効果が得られにくい。そこで、塩味代替物質との併用も試みられているが、上述のとおり塩味代替物質の異味抑制剤も使用する必要があり、味の調和がとりにくく、食品によっては効果が十分ではないという問題があった。
一般的な苦味、渋味、エグ味をマスクする方法としては、ステビア抽出物やアスパルテーム等の甘味料を用いる方法が知られている(例えば、特許文献15〜17参照)。このように、甘味料は甘味の付与だけでなく、苦味、渋味、エグ味のマスキング剤として使用されるものの、添加する食品により、甘味料の持つ味質と使用する食品素材の味質の相性から適・不適があることが一般的に知られている。例えば、アスパルテームは甘味強度が砂糖の200倍と、甘味料の中でも高い甘味強度であるものの、後味に甘味が残りやすい特徴を持つ。それゆえ使用用途としては、甘味による違和感を生じない形に限定される。
これまでに塩味代替物質であるアンモニウムイオンの異味抑制効果について、醤油様調味料を用いて検討された報告例(例えば、特許文献18参照)等があるが、マスキング素材そのものの風味が強いため、素材の風味との相性が合わないことがあった。
このように、低塩醤油様調味料において、塩味を増強しながら異味抑制と醤油らしい味わいの両立を達成し、嗜好性を向上させる報告例はなかった。
特開2006−141223号公報 特開平11−187841号公報 特開2009−136266号公報 特開2006−149205号公報 特開2006−141223号公報 特開2008−289426号公報 国際公開第10/107019号 特開2002−345430号公報 国際公開第01/039613号 特開2009−148216号公報 特表2009−512425号公報 特開2001−245627号公報 特開2008−99624号公報 特開平10−66540号公報 特開昭50−36669号公報 特開2003−231647号公報 特開2009−118743号公報 特開2011−115142号公報
栃倉辰六郎 編著,「増補 醤油の科学と技術」,財団法人 日本醸造協会,1994年,p.406, 440
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、低塩でありながら、十分な塩味と醤油らしさが感じられ、かつ異味が十分に抑制されることで、嗜好性が顕著に向上した、低塩醤油様液体調味料を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、アンモニウムイオンを含有する低塩醤油様液体調味料に対し、酒類または糖類を特定量含有させることにより、十分な塩味でありながら、アンモニウムイオンの異味を効果的に抑制し、かつ醤油らしい味わいを両立することで、嗜好性が顕著に向上した低塩醤油様液体調味料を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
1)次の成分(A)〜(C):
(A)食塩濃度 0.5〜12%(w/v)
(B)アンモニウムイオン 0.7〜1.7%(w/v)
(C)みりん 3.0〜10.0%(v/v),清酒 1.0〜10.0%(v/v),ブドウ糖果糖液糖 1.0〜10.0%(v/v)から選択される1種又は2種以上の物質
を含有する低塩醤油様液体調味料、
を提供するものである。
本発明によれば、低塩でありながら、十分な塩味と醤油らしさが感じられ、かつ異味が十分に抑制されることで味のバランスもとれた、低塩化した醤油様液体調味料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる醤油様液体調味料について説明する。醤油様液体調味料とは、高タンパク質含有原料を加水分解し、液体部分を採取して調味を目的として使用されるものである。例えば、大豆や小麦などの植物性原料を加熱処理し、これに麹菌を繁殖させた後、食塩水中にて発酵、熟成させた醸造醤油、植物性原料を酸や酵素で分解して造られる化学醤油やHydrolyzed Vegetable Protein(HVP)、魚介類を発酵させた魚醤、蓄肉類を発酵させた肉醤、魚介類や蓄肉類を酵素や酸で分解させたHydrolyzed Animal Protein(HAP)等が挙げられる。これらの中でも、醸造醤油が好ましく、例えば醤油品質表示基準(農水省告示第1665号、改正告示第1704号)に記載される醤油が特に好ましい。醸造醤油には、原料の大豆と小麦との比率、原料処理の方法、塩分濃度等の製法の違いによって種々のものがあり、例えば、こいくち、うすくち、たまり、しろ、さいしこみ等が挙げられる。本実施形態においては、醤油様液体調味料は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の低塩化した醤油様液体調味料としては、例えば上述の醤油様液体調味料を脱塩、希釈したもの、もしくはあらかじめ低塩条件下で発酵、熟成、分解して調製したものが挙げられる。低塩化の方法については特に限定されないが、例えば非特許文献1に記載されている電気透析法や選択透析膜法、濃厚仕込法、低食塩水仕込法等で調製されたものが挙げられ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。所望の食塩濃度に調整するために、低塩化した醤油様液体調味料に適宜、食塩を添加することができる。本発明の醤油様液体調味料は、塩化アンモニウム以外の既知の塩味代替物質(例えば、塩化カリウム等)や塩味増強物質(例えば、アルギニン等)を含有してもよい。また、醤油様液体調味料をベースにした液体調味料であってもよく、例えばドレッシング、めんつゆ・なべつゆ・だしつゆ等のつゆ類、焼き肉・焼き鳥・納豆等用のたれ類等が挙げられる。
本発明の食塩濃度は、通常の醤油様調味料より低塩化された、0.5〜12.0%(w/v)である。食塩濃度の定量方法は特に限定されないが、例えば原子吸光分析法、モール法等が挙げられる。
本発明のアンモニウムイオン濃度は、塩味付与効果があり、かつ異味が強すぎない濃度範囲である。本発明の条件においては、0.7%(w/v)未満では塩味向上が感じられるものの、異味が微弱であるため、人によっては異味を感じられず、マスキングする素材を添加する必要がない。また、1.7%(w/v)より高濃度では、塩味の向上は大きいものの異味がマスキングしきれない。よって、本発明のアンモニウムイオン濃度については、0.7〜1.7%(w/v)である。
アンモニウムイオンの増加は、各種アンモニウム塩の添加による方法や醸造法の改良等(例えば、グルタミンの分解による生成や微生物による発酵生産等)を単独で又は2種以上を組み合わせて実現することができる。アンモニウム塩を醤油様液体調味料に添加する場合は、如何なる製造工程で行われてもよいし、完成品に添加されてもよい。添加される各種アンモニウム塩としては、食品として用いることができるものであれば特に限定されないが、例えば、塩化アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、酢酸アンモニウム等の有機酸アンモニウム塩等が用いられ、これらを単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができる。特に塩化アンモニウムとリン酸二水素アンモニウムがより食塩に近い塩味を呈するため、好ましく用いられる。
アンモニウムイオン濃度の定量方法は特に限定されないが、例えば高速液体クロマトグラフィーで分離し、ニンヒドリン法で検出する方法等が挙げられる。
本発明においては、酒類または糖類を添加することにより、アンモニウムイオン由来の異味をマスキングし、さらに醤油らしさも改善することができる。
本発明で添加する酒類としては、清酒やみりんが挙げられる。醤油はつけ・かけ・煮炊きへの使用用途が最も一般的であり、酒類を使用する条件として、つけ・かけのような醤油を直接口にする際にも違和感のない風味であることが要求される。蒸留酒は香りが強いため、醸造酒と比べ違和感を感じやすく、また、醸造酒の中でもビールやワインは、醤油を最も良く使用する和食において、苦味や果実味により違和感を感じやすい。一方、清酒やみりんは、前記のような違和感がなく、かつ、醤油を使用する料理の食経験が特に豊富であるため好ましい。
なお、清酒・みりん共に、醤油の保存性および香気を調整する目的としては使用される(非特許文献1参照)ものの、苦味やエグ味のマスキング用途として使用された例は、これまで報告されていない。
本発明で添加する酒類の濃度は、みりんについては、3.0〜10.0%(v/v)が好ましく、4.0〜8.0%(v/v)がより好ましい。また、清酒については、1.0〜10.0%(v/v)が好ましく、2.0〜7.0%(v/v)が好ましい。本発明の濃度未満の添加量では、素材を添加する前と比べても異味が十分にマスキングされず、嗜好性が低いままである。本発明の濃度より高濃度の添加量では、異味は十分マスキングされているものの、添加前の醤油と比べると酒類の風味または味わいが目立ち、醤油らしさが損なわれた。なお、本発明の濃度の中でも特定の濃度間では、異味の改善および醤油らしさの維持だけでなく、味のバランスが改善されることで、嗜好性がより高まった。
本発明で添加する糖類としては、ブドウ糖果糖液糖が挙げられる。糖類は甘味料の一種であるため、一般的にマスキング能を有しているが、醤油らしさを改善するという報告はいままでされていない。ブドウ糖果糖液糖は、アンモニウムイオンを含む低塩醤油様液体調味料に添加した際に、他の糖類とは異なり、塩味を維持しながらも、アンモニウムイオンによる異味を十分に抑制し、かつ醤油らしさも十分感じられる味わいを与えることができる。
本発明で添加するブドウ糖果糖液糖の濃度は、1.0〜10.0%(v/v)が好ましく、2.0〜7.0%(v/v)がより好ましい。本発明の濃度未満の添加量では、素材を添加する前と比べても異味が十分にマスキングされず、嗜好性が低いままとなった。本発明の濃度より高濃度の添加量では、異味は十分マスキングされているものの、添加前の醤油と比べると甘味が目立ち、醤油らしさが損なわれた。なお、本発明の濃度の中でも特定の濃度間では、異味の改善および醤油らしさの維持だけでなく、味のバランスが改善されることで、嗜好性がより高まった。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、それらの例により何ら限定されるものではない。
<本発明の液体調味料調整>
食塩濃度5%減塩しょうゆ(キッコーマン食品社製)をベースとし、これに添加素材を所定量加え、アンモニウムイオン濃度・食塩濃度が所定量となるよう、塩化アンモニウム(内藤商店社製)および塩化ナトリウム(和光純薬社製)を添加した。素材添加醤油の対照品として、素材添加量と同量の水を食塩濃度5%減塩しょうゆに添加し、食塩濃度およびアンモニウムイオン濃度を揃えた品を調整した(以後これを「対照品」とする)。なお、固体の素材を添加する際は、同時に比較を行う液体素材の添加量と同量の水を醤油に添加した。
<糖類のスクリーニング>
醤油に対し、ブドウ糖(グルファイナル、サンエイ糖化社製)、グラニュー糖(MG グラニュー糖、大日本明治製糖社製)、三温糖(スプーン印 三温糖、新三井製糖社製)、甘草(甘草抽出末、常盤植物化学研究所社製)、ブドウ糖果糖液糖(NF42、昭和産業社製)を3.0、6.0%(果糖ブドウ糖液糖のみv/v、他はw/v)添加し(ただし甘草は甘味が強いため、0.01、0.02%(w/v)にて評価)、添加後の液がアンモニウムイオン濃度1.3%、食塩濃度5.0%(w/v)となるよう調整した(試験品A〜E)。試験品A〜Eそれぞれについて、一対比較法で対照品と異味のマスキングについて比較した。評価は、「a)評価基準」を元に、訓練された醤油評価パネルである担当者2名により行った。

a)評価基準
3:対照品と比べ大きく改善されている
2:対照品と比べ改善されている
1:対照品と比べ少し改善されているものの十分ではない
0:対照品と同等である
−1:対照品と比べ少し悪化している
Figure 2014132842
糖の種類により効果の差は生じたものの、いずれも異味の改善が認められた。グラニュー糖ついてはマスキング効果と同時に少し新たな苦みが生じた。その他は異味に対して十分なマスキング効果を発揮した。
マスキングについては効果を発揮したものの、甘味料は甘味の質によって対象となる醤油との相性は異なるため、醤油らしい味わいが保持されるとは限らない。そこで、試験品A〜Eについて醤油らしさに対する効果の確認を行った。醤油らしさは、下記「b)評価基準」にて評価を行った。

b)評価基準
1:対照品と比べ向上している
0:対照品と同等である
−1:対照品と比べ少し悪化している
−2:対照品と比べ悪化している
−3:対照品と比べ大きく悪化している
Figure 2014132842
多くの糖類を添加した醤油で、添加濃度の増加に比例し、甘味の質により醤油らしい味わいのバランスが崩れやすくなることが判明した。その中で、ブドウ糖果糖液糖は甘味が他サンプルに比べ穏やかであること、甘味の質が醤油に合うことから、醤油らしい味わいを損ねないことが確認された。よって、ブドウ糖果糖液糖について異味改善および醤油らしさの維持への効果を詳細に確認することとした。
<添加効果の検討>
醤油に対し、みりん(マンジョウ本みりん、キッコーマン食品社製)・清酒(料理用清酒北斎、キッコーマン食品社製)・ブドウ糖果糖液糖(NF42、昭和産業社製)を0.05、0.3、0.5、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、10.0、11.0、14.0、16.0%(v/v)添加した。酒類・糖類を添加した各液の希釈度が20.0%となるよう蒸留水で補正し、醤油原液の濃度を一定に揃えた。これらの液がアンモニウムイオン濃度0.7、1.3、1.7、2.0%(w/v)、食塩濃度5.0、12.0%(w/v)となるよう、塩化アンモニウムおよび塩化ナトリウムを添加した。それぞれについて、一対比較法で対照品と醤油らしさ・異味を下記基準「c)スコア基準」を用いて、訓練された醤油評価パネルである担当者2名により評価した。

c)スコア基準
5:醤油らしさが維持され、かつ異味が非常に大きく改善されて、
味のバランスが非常に良い
4:醤油らしさが維持され、かつ異味が大きく改善されて、味のバランス
も良い
3:醤油らしさが維持され、かつ異味が十分改善されている
2:醤油らしさが少し損なわれている、または異味の改善がやや認められる
ものの不十分である
1:醤油らしさが損なわれている、または異味の改善がわずかに認められる
ものの不十分である
0:醤油らしさが大きく損なわれている、または異味の改善が見られない
−1:醤油らしさが非常に大きく損なわれている、または異味が悪化

スコアが3以上で対照品から十分改善したとみなし、4または5である場合は味のバランスについても改善が認められ、より好ましい品質であると判断した。
<みりんを添加した際の効果>
みりん、アンモニウムイオン、食塩濃度の各組み合わせ結果を検討した結果として、食塩濃度5.0%(w/v)の試験区については表3、食塩濃度12.0%(w/v)の試験区については表4が得られた。
Figure 2014132842
Figure 2014132842
アンモニウムイオン濃度0.7〜1.7%(w/v)および各食塩濃度の条件において、みりん3.0〜10.0%(v/v)で十分呈味が改善した。特にみりん4.0〜8.0%(v/v)の濃度では味のバランスも向上し、特に好ましい品質であった。みりん3.0%(v/v)未満の添加量では異味が十分にマスキングされず、10.0%(v/v)より高濃度では甘味が強くなることで醤油らしさが損なわれた。ただし、アンモニウムイオン濃度が2.0%(w/v)の試験区では、みりんの添加量に関係なく異味は十分低減されなかった。また、塩味は対照品と比較しても変化が認められなかった。
<清酒を添加した際の効果>
清酒、アンモニウムイオン、食塩濃度の各組み合わせ結果を検討した結果として、食塩濃度5.0%(w/v)の試験区については表5、食塩濃度12.0%(w/v)の試験区については表6が得られた。
Figure 2014132842
Figure 2014132842
アンモニウムイオン濃度0.7〜1.7%(w/v)および各食塩濃度の条件において、清酒1.0〜10.0%(v/v)で十分呈味が改善した。特に清酒2.0〜7.0%(w/v)の濃度では味のバランスも向上し、より好ましい品質であった。清酒1.0%(v/v)未満の添加量では異味が十分にマスキングされず、10.0%(v/v)より高濃度では清酒の風味が強くなることで醤油らしさが損なわれた。ただし、アンモニウムイオン濃度が2.0%(w/v)の試験区では、清酒の添加量に関係なく異味は十分低減されなかった。また、塩味は対照品と変化が認められなかった。
<ブドウ糖果糖液糖を添加した際の効果>
ブドウ糖果糖液糖、アンモニウムイオン、食塩濃度の各組み合わせ結果を検討した結果として、食塩濃度5.0%(w/v)の試験区については表7、食塩濃度12.0%(w/v)の試験区については表8が得られた。
Figure 2014132842
Figure 2014132842
ブドウ糖果糖液糖1.0〜10.0%(v/v)間において、アンモニウムイオン濃度0.7〜1.7%(v/v)およびいずれの食塩濃度でも十分呈味が改善した。特にブドウ糖果糖液糖2.0〜7.0%(v/v)の濃度では味のバランスも向上し、より好ましい品質であった。ブドウ糖果糖液糖1.0%(v/v)未満では異味が十分にマスキングされず、10.0%(v/v)より高濃度では甘味が強くなることで醤油らしさが損なわれた。ただし、アンモニウムイオン濃度が2.0%(w/v)の試験区では、ブドウ糖果糖液糖の添加量に関係なく異味は十分低減されなかった。また、塩味は対照品と変化が認められなかった。
これらの結果より、食塩濃度 0.5〜12.0%(w/v)、アンモニウムイオン 0.7〜1.7%(w/v)の低塩醤油様液体調味料に対し、みりん 3.0〜10.0%(v/v)または 清酒 1.0〜10.0%(v/v)またはブドウ糖果糖液糖 1.0〜10.0%(v/v)を添加することで、十分な塩味が感じられ、かつアンモニウムイオン特有の異味が改善し、醤油らしさが保持され、嗜好性が向上した低塩醤油様液体調味料を得られることが判明した。また塩分濃度によらず効果はほぼ同等であった。
<素材を組み合わせて添加した際の効果>
みりん、清酒、ブドウ糖果糖液糖を組み合わせた際の効果を確認した。素材の添加方法は実施例2と同様の方法とした。食塩濃度は5.0%(w/v)、アンモニウムイオン濃度は1.3%(w/v)に調製した。評価基準についても、実施例2と同様に「c)スコア基準」を用いて、訓練された醤油評価パネルである担当者2名により評価した。確認した素材の組み合わせは下記表9の通りである。
Figure 2014132842
いずれもアンモニウムイオン特有の異味が改善し、醤油らしさが保持されるだけでなく、各素材が組み合わさることで風味の複雑さが向上した。それにより、味のバランスの向上が感じられ、非常に好ましい品質であった。ここから、みりん、清酒、ブドウ糖果糖液糖を組み合わせて使用した際にも、同様に効果が認められることを確認した。
素材を添加した醤油の効果を考慮に入れ、つけ・かけに用いた場合においても検討を行った。
かまぼこ(夕月食品社製)を厚さ0.5cmの半楕円形に切り、断面を更に2等分した。これを各素材6.0%(v/v)、アンモニウムイオン濃度1.3%(w/v)、食塩濃度5.0%(w/v)となるよう調整した醤油、対照品 5mlにそれぞれまんべんなく付け、食した。評価は、一対比較法を用いて、先述した「c)スコア基準」に従い、訓練された醤油評価パネルである担当者2名により評価を行った。
Figure 2014132842
その結果、みりん・清酒・ブドウ糖果糖液糖を加えたサンプルは、塩味が維持されながらも、異味が感じられず、バランス良い醤油らしい味わいを持つと感じられ、いずれもスコア5と評価された。したがって、つけ・かけに供した場合においても本発明の効果を確認することができた。
つけ・かけ同様に、調理品に用いた場合においても検討を行った。
乾燥ひじき(芽ひじき、くらこん社製)20gを20gの水で戻した後、短冊切りにしたニンジン50gと一緒に、サラダ油(キャノーラ油、日清オイリオグループ社製)5mlを馴染ませた熱した鍋に入れ、1分間炒めた。その後、鍋にかつおだし汁(かつお削りぶし(薄削り)、はごろもフーズ社製を熱湯に対し2.0%(w/v)使用)100ml、みりん(マンジョウ本みりん、キッコーマン食品社製)11ml、各添加素材6.0%(v/v)、アンモニウムイオン濃度1.3%(w/v)、食塩濃度5.0%(w/v)となるよう調整した醤油をそれぞれ16ml加え、7分煮込んだ。完成した品の粗熱を取り評価に供した。
評価は一対比較法を用いて、先述した「c)スコア基準」に従い、訓練された醤油評価パネルである担当者2名により評価を行った。
Figure 2014132842
その結果、いずれの素材を添加した場合においても、塩味は維持されながらも、異味が感じられず、バランス良い醤油らしさを持つと感じられると評価された。したがって、調理品に供した場合においても本発明の効果を確認することができた。
Figure 2014132842
Figure 2014132842
Figure 2014132842
Figure 2014132842
Figure 2014132842

Claims (1)

  1. 次の成分(A)〜(C):
    (A)食塩濃度 0.5〜12%(w/v)
    (B)アンモニウムイオン 0.7〜1.7%(w/v)
    (C)みりん 3.0〜10.0%(v/v),清酒 1.0〜10.0%(v/v),ブドウ糖果糖液糖 1.0〜10.0%(v/v)から選択される1種又は2種以上の物質
    を含有する低塩醤油様液体調味料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017143767A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 キッコーマン株式会社 食塩含有飲食品用醤油様調味液
JP7113567B1 (ja) * 2022-01-24 2022-08-05 量子 前田 減塩合わせ調味料の製造方法、これに用いられるチャート及び調理方法

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