JPWO2006088152A1 - ポリカーボネートジオール - Google Patents

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Abstract

本発明は、充分な機械的強度を有し、耐油性、耐加水分解性、耐候性などの物性バランスに優れるポリカーボネート系ポリウレタンを製造するための原料化合物として有用かつ、非晶性である新規ポリカーボネートジオールの提供することを課題とする。本発明は、下記式(A)と、下記式(B)の繰り返し単位からなり、両末端基が水酸基であり、下記式(A)と下記式(B)の割合が99:1〜1:99で、数平均分子量が300〜10000であることを特徴とするポリカーボネートジオールに関する。

Description

本発明は、耐油性、柔軟性、耐加水分解性、耐候性などの物性バランスに優れ、かつ結晶化傾向を有しないポリウレタンを提供できる、新規なポリカーボネートジオールに関するものである。
従来、例えば、ポリウレタンや、ウレタン系、エステル系、アミド系などの熱可塑性エラストマーに用いられるソフトセグメントには、ポリマー末端がヒドロキシル基であるポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールが使用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
このうち、アジペートに代表されるポリエステルポリオールは耐加水分解性に劣るため、例えば、これを用いたポリウレタンは比較的短期間に表面に亀裂などを生じたり、表面に黴が生えたりするなど使用上かなり制限を受ける。他方、ポリエーテルポリオールを用いたポリウレタンは、耐加水分解性は良好であるが、耐候性、耐酸化劣化性が悪い欠点を有している。これらの欠点は夫々ポリマー鎖中のエステル基、エーテル基の存在に起因するものである。ポリエステル系やポリアミド系の熱可塑性エラストマーについても、近年、耐熱性、耐候性、耐加水分解性、耐黴性、耐油性などの要求が高度化してきており、ポリウレタンに対する物と同様の問題点を有していた。
これらの問題を解決するため、ポリマー鎖中のカーボネート結合が極めて安定であることより、ポリオール成分としてポリカーボネートポリオール、具体的には、1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネートポリオールが使われた。
しかしながら、1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネートポリオールは、結晶性であるため常温で固体であり、取り扱いが困難であるという問題があった。
また、ポリウレタンのソフトセグメントとして1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネートポリオールを用いた場合、このポリウレタンは、耐加水分解性、耐候性、耐酸化劣化性、耐熱性などについては改善されるものの、柔軟性や低温特性が劣るという欠点を有していた。すなわち、1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネートポリオールを使用したポリウレタンは、結晶化傾向が大きいため、ソフトセグメント成分が結晶硬化を起こし弾性が損なわれやすく、特に低温での弾性回復性が著しく低下するという問題を有していた。また、耐油性に関しても、ポリエーテルポリオールに比べると改善されているが、いまだ不十分であった。
これらの問題を解決するため、種々の方法が提案されている。
例えば、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを用いた脂肪族コポリカーボネートジオールが開示されている(例えば、特許文献3参照)。この方法では、得られるポリカーボネートジオールは、カーボネート結合間に奇数個のメチレン基が存在する部分を持つことになる。これによりポリカーボネートジオール分子の構造規則性が阻害され、結晶性が低下、さらには非晶質となる。しかしながら、この技術を持ってしても、その高い粘度から、使用方法によっては、取り扱い性の観点では、未だ十分とは言えなかった。
さらに、1,6−ヘキサンジオールと1,4−ブタンジオールまたは1,5−ペンタンジオールから得られる共重合ポリカーボネートジオールをソフトセグメントに用いて製造した熱可塑性ポリウレタンが開示されている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。これらの熱可塑性ポリウレタンは、1,6−ヘキサンジオールのみから得られるポリカーボネートジオールをソフトセグメントに用いて製造した熱可塑性ポリウレタンの上記特性に加えて、柔軟性も著しく優れており近年注目されている。しかしながら、本発明者らが検討した結果、上記1,6−ヘキサンジオールと1,4−ブタンジオールまたは1,5−ペンタンジオールから得られる共重合ポリカーボネートジオールをソフトセグメントに用いて製造した熱可塑性ポリウレタンは、耐油性、柔軟性の物性バランスが不充分であり用途が制限されるという問題を有していた。
また、3−メチル−1,5−ペンタンジオールを用いた脂肪族カーボネートジオールが公開されている(例えば、特許文献6参照)。このような側鎖を持った構造を導入することによりポリカーボネートジオール分子の構造規則性を乱し、結晶性を低下させているのである。しかしながら、本発明者らが検討した結果、上記3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られるポリカーボネートジオールをソフトセグメントに用いて製造した熱可塑性ポリウレタンは、柔軟性の向上が見られるものの耐油性が不充分であるという問題を有していた。
上記以外の共重合ポリカーボネートジオールとして、1,6−ヘキサンジオールとトリメチル−1,6−ヘキサンジオールを用いたもの(特許文献7参照)、1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジオールを用いたもの(特許文献8参照)が公開されている。熱可塑性ポリウレタンとしたときに前者では耐油性、柔軟性が未だ十分ではなく、後者では柔軟性が向上するものの耐油性が不足しているという問題を有していた。また、両者ともに原料であるジオールの入手が容易ではないという問題も有していた。
本発明のポリカーボネートジオールでは、不純物として5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンを含むのであるが、この不純物の量が多い場合には熱可塑性ポリウレタンとしたときに、特に耐加水分解性が低下するということが、本発明者らの検討の結果判明した。一方類似の構造を持つポリトリメチレンカーボネートジオールの製造法が公開されている(特許文献9)。この製造例では、不純物として3%以下の1,3−ジオキサン−2−オンが含まれることが開示されているが、この不純物は本発明の不純物とは異なり、量が多い場合でも熱可塑性ポリウレタンとしたときの耐候性、耐加水分解性には影響せず、ポリカーボネートジオールの収率低下という影響を与えるのみであった。
米国特許第4362825号明細書 米国特許第4129715号明細書 特公平5−29648号公報 特開平5−51428号公報 特公平7−684号公報 特公平4−1764号公報 特開平2−49025号広報 特開平5−339816号広報 特開2004−35636号広報
本発明は、耐油性、柔軟性、耐加水分解性、耐候性などの物性バランスに優れるポリカーボネート系ポリウレタンを製造するための原料化合物として有用かつ、非晶性である新規ポリカーボネートジオールの提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記式(A)と、下記式(B)の繰り返し単位からなり、両末端基が水酸基である、下記式(A)と下記式(B)の割合が99:1〜1:99で、数平均分子量が300〜10000のポリカーボネートジオールが、非晶性であり、これをポリウレタンや他の熱可塑性エラストマーに応用した場合、従来のポリカーボネートポリオールを用いたものに比べて耐油性、柔軟性などの物性バランスが著しく優れていることを見いだし、本発明をなすに至った。即ち、本発明は、
1.下記式(A)と、下記式(B)の繰り返し単位からなり、両末端基が水酸基であり、下記式(A)と下記式(B)の割合がモル比率で99:1〜1:99で、数平均分子量が300〜10000のポリカーボネートジオール、
Figure 2006088152
Figure 2006088152
(式中、R1は、2−メチル−1,3−プロパンジオール由来のアルキレン基を除く、炭素数2〜20のアルキレン基を表す)
2.上記式(A)と上記式(B)の繰り返し単位の割合がモル比率で80:20〜20:80であることを特徴とする上記1記載のポリカーボネートジオール、
3.上記式(A)と上記式(B)の繰り返し単位の割合がモル比率で70:30〜30:70であることを特徴とする上記1記載のポリカーボネートジオール、
4.上記式(B)の繰り返し単位が、下記式(C)で表される繰り返し単位である、上記1〜3のいずれかに記載のポリカーボネートジオール、
Figure 2006088152
(式中、mは、2〜10の整数を表す)
5.上記式(B)の繰り返し単位が、下記式(D)、(E)、(F)で表される繰り返し単位の少なくとも1種からなる、上記1〜3のいずれかに記載のポリカーボネートジオール、
Figure 2006088152
Figure 2006088152
Figure 2006088152
6.5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量が0.1〜5重量%である、上記1〜5のいずれかに記載のポリカーボネートジオール、
7.1分子に3以上の水酸基を持つ化合物からなる繰返し単位を含み、該繰返し単位と、上記式(A)、(B)の繰り返し単位の合計との割合がモル比率で0.1:99.9〜5:95%であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載のポリカーボネートジオール、
8.上記1〜7のいずれかに記載のポリカーボネートジオールを原料として得られる熱可塑性ポリウレタン、
9.5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン含有量を5重量%以下にする様に蒸留することを特徴とする上記6記載のポリカーボネートジオールの製造方法、である。
本発明によれば、耐油性、柔軟性、耐加水分解性、耐候性などの物性バランスに優れ、かつ結晶化傾向を有しないポリウレタンを製造できる、非晶性である新規なポリカーボネートジオールを提供することができる。
以下、本発明について詳述する。本発明のポリカーボネートは、下記式(G)と下記式(H)を主成分とし、場合によっては、少量のポリオールを含有するジオールから合成される。
Figure 2006088152
Figure 2006088152
(式中、R1は、2−メチル−1,3−プロパンジオール由来のアルキレン基を除く、炭素数2〜20のアルキレン基を表す)
本発明者らは、検討の結果、上記式(G)で表されるジオール、すなわち2−メチル−1,3−プロパンジオールを用いたときにのみ、上記式(H)で表されるジオール、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどと共重合したときに、ポリカーボネートジオールの構造の規則性を乱す効果が高くなり、従来の1,6−ヘキサンジオールのみを用いたポリカーボネートジオールと比較して、耐油性、柔軟性などの物性が優れ、かつ結晶化傾向を有しないポリウレタンを製造できる、非晶性のポリカーボネートジオールを提供できることを見出したのである。一方、上記式(G)の代わりに、3−メチル−1,5−ペンタンジオールのごとき側鎖を持つジオールを用いた場合には十分な性能を有するポリカーボネートジオールは得られなかった。このような違いの生ずる原因は定かではないが、3−メチル−1,5−ペンタンジオールは主鎖の部分が2−メチル−1,3−プロパンジオールよりも長く、側鎖部分に起因する構造規則性の乱れが主鎖の末端部分にまで波及し難いためと考えられる。
また、上記式(H)で表されるジオールを使用せず、2−メチル−1,3−プロパンジオール単独でポリカーボネートジオールとしたときには、このポリカーボネートジオールを用いて製造したポリウレタンの柔軟性すなわち塗膜状態での伸びが十分でないという驚くべき事実を本発明者らは見出した。一般にポリウレタンの構造中ではポリカーボネートジオールはソフトセグメントとして作用するのであるが、ポリカーボネートジオールが2−メチル−1,3−プロパンジオール単独で構成されているときには、その構造規則性を乱す効果だけでは十分な柔軟性が発現しないのである。一方、ポリカーボネートジオールの構成成分として2−メチル−1,3−プロパンジオールとともに上記式(H)で表されるジオールが少量共重合されているだけで、柔軟性に優れたポリウレタンが得られるのである。
本発明で用いる上記式(H)で表されるジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、2−イソプロピル−1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパンなどを挙げることができる。式(H)で表されるジオールは、1種類のみを用いても2種以上を併用しても良い。工業的な製造に際しては入手し易さの観点から、炭素数2〜10の直鎖アルキレンジオールを用いるのが好ましい。このなかでも、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールを用いると、耐油性、柔軟性、耐加水分解性、耐候性などの物性バランスがより優れたポリウレタンが得られるので特に好ましい。
本発明の新規ポリカーボネートジオールは、上記式(G)と上記式(H)との割合(モル比率)が99:1〜1:99である。好ましくは、80:20〜20:80である。より好ましくは70:30〜30:70である。
また、本発明には、上記式(G)と上記式(H)の他に、1分子に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどを少量用いることにより、多官能化したポリカーボネートポリオールも含まれる。
この1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物を余り多く用いると、ポリカーボネートとするときに架橋してゲル化が起きてしまう。また少な過ぎると、多官能化の効果が十分でない。したがって1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物は、上記式(G)、(H)のジオールの合計モル数に対して、0.1〜5モル%にするのが好ましい。より好ましくは、0.1〜2モル%である。
本発明のポリカーボネートジオールの平均分子量の範囲は、通常数平均分子量にて、300〜10000である。数平均分子量が300未満では得られる熱可塑性ポリウレタンの柔軟性や低温特性が不良となることが多く、10000を超えると得られる熱可塑性ポリウレタンの成型加工性が低下することが多いので好ましくない。好ましくは、数平均分子量にて400〜8000の範囲である。より好ましくは、500〜5000である。
本発明の末端にヒドロキシル基を有するポリカーボネートジオールは、新規な重合体であり、式(G)、(H)で表されるジオールと炭酸エステルとのエステル交換に付することで得ることができる。
本発明で用いる炭酸エステルとしては、アルキレンカーボネート、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネートなどがある。アルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネートなどがある。また、ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネートなどが、ジアリールカーボネートとしては、ジフェニルカーボネートなどがある。そのなかでも、反応性、入手し易さからエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネートを用いるのが好ましい。これらのうち、エチレンカーボネートを用いるのがより好ましい。すなわち、上記式(G)、(H)で表されるジオールとエチレンカーボネートとのエステル交換反応においては実質的に全ての末端基が水酸基であるポリカーボネートを得ることができるという利点がある。
本発明のポリカーボネートジオールを得るための反応には特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。本発明のポリカーボネートジオールの製造法の一例として、上記式(G)、(H)で表されるジオールと炭酸エステルとのエステル交換反応を行いポリカーボネートプレポリマーを得る第一工程、および得られたポリカーボネートプレポリマーを自己縮合させ本発明のポリカーボネートジオールを得る第二工程を含む方法につき説明する。
第一工程においては、上記式(G)、(H)で表されるジオールと炭酸エステルとのエステル交換反応が主反応である。このエステル交換反応に伴い、炭酸エステルから水酸基を含有する化合物が脱離する(以下この化合物を水酸基含有副生物と称する)。エステル交換反応は平衡反応であるため、反応系内に水酸基含有副生物が蓄積すると重合が十分進行しない。このため水酸基含有副生物を反応系外に抜き出しながら重合反応を行うことが好ましい。
より具体的には、第一工程におけるエステル交換反応は、この反応において生じた水酸基含有副生物を含む蒸気を発生させ、この蒸気を凝縮して凝縮液とし、この凝縮液の少なくとも一部を反応系外に抜き出しながら行うことが好ましい。本発明のポリカーボネートジオールの製造は、常圧または減圧のどちらで行っても良いが、前記の水酸基含有副生物を含む蒸気の発生を容易にするため減圧下で行うのが好ましい。この際、水酸基含有副生物をより効率良く除去するため、ヘリウム、アルゴン、窒素、二酸化炭素、低級炭化水素ガスなどの重合反応に悪影響を及ぼさない不活性ガスを導入し、水酸基含有副生物をこれらのガスに同伴させて除去する方法を併用してもよい。
このとき、上記式(G)、(H)で表されるジオールおよび炭酸エステルの留出を抑制し、水酸基含有副生物を効率よく抜き出すためには十分な分離性能を持った精留塔を用いることが好ましい。
さらに、本発明においては、ポリカーボネートプレポリマーの末端に結合した2−メチル−1,3−プロパンジオールの一部が、環状のカーボネートである5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンとして脱離するが、これは本反応の有効成分すなわち原料となるため、第一工程においては留出を抑制することが重要である。
すなわち、精留塔を用いる場合、この精留塔の分離性能は重要であり、理論段数が5段以上、好ましくは7段以上の精留塔が用いられる。また還流比は使用する精留塔の能力により設定し得る値は異なるが、通常3〜15、好ましくは3〜12に設定する。また、炊き上げ量が少ないと水酸基含有副生物を除去する速度が低下し反応時間が長くなる。一方、炊き上げ量が多過ぎると、上記式(G)、(H)で表されるジオールおよび炭酸エステル、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンが留出するため生産性が低下する。したがって、生産性が低下しない範囲で炊き上げ量を多くすることが好ましい。還流比および炊き上げ量を適切に調節することは、短時間で反応を行うことができ、生産性が向上するとともに、反応混合物が熱履歴を受ける時間が短縮され副反応による品質低下が抑制されるので極めて好ましい。
第一工程における反応温度は、通常120℃〜180℃である。好ましくは、130℃〜170℃である。温度が120℃未満では、エステル交換の反応速度が遅く反応時間が長くなるので好ましくない。一方温度が180℃を超えると副反応が無視できなくなり、生産性が下がったり、製品の物性に悪影響を与えたりするので好ましくない。副反応としては例えば次のようなものが挙げられる。ポリカーボネートプレポリマーの末端に結合した2−メチル−1,3−プロパンジオールは、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンとして脱離する。上記式(H)として1,4−ブタンジオールを用いた場合には、ポリカーボネートプレポリマーの末端に結合した1,4−ブタンジオールは、環状エーテル(テトラヒドロフラン)として脱離する。また炭酸エステルとしてエチレンカーボネートを用いた場合には、エチレンカーボネートが熱によってエチレンオキサイドと二酸化炭素に分解する。このエチレンオキサイドがポリカーボネートプレポリマーの末端水酸基に反応すると、エーテル結合を含むポリカーボネートジオールが得られることになり、このようなエーテル結合を多量に含むポリカーボネートジオールを原料として製造した熱可塑性ポリウレタンは耐熱性や耐候性に劣るものとなる。
第一工程で得られるポリカーボネートプレポリマーは、通常重合度が2〜10程度である。この重合度の調節は、反応系からの水酸基含有副生物の除去量の調節によって行う。
通常は、第一工程で得られた反応混合物は精製することなくそのまま第二工程の自己縮合に付される。この反応混合物には多くの場合、未反応の原料が含まれているが、これらは第二工程の開始時および初期において除去される。しかしながら、本発明の場合には反応混合物中に5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンが存在し、この物質の沸点は2−メチル−1,3−プロパンジオールよりも高いため、通常行われる条件では除去が困難になっている。この5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンは第一工程の反応温度を下げて、生成量を減らした場合でも徐々に生成し、反応系内に蓄積する。これはポリカーボネートジオールの末端に結合した2−メチル−1,3−プロパンジオールが反応性に富むために、上記のような環状のカーボネートが生成するからである。例えば、1,3−プロパンジオールを用いた場合には1,3−ジオキサン−2−オンの生成量は本発明の5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンに比べて少なく、1,4−ブタンジオールを用いた場合には環状のカーボネートは不安定であり、副反応としてテトラヒドロフランの生成が優先する。
したがって、第二工程の初期に未反応の原料を除去する際には、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンも同時に除去する必要があるが、前述のように5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンは本反応の有効成分すなわち原料となるため、除去量を適切に制御することが重要である。すなわち5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの除去量が多過ぎると1バッチあたりのポリカーボネートジオールの生産量が減少し生産性が低下する。一方、除去量が少なすぎると、反応混合物中の5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの濃度が高くなり、得られるポリカーボネートジオール中の残存量が増加するため、種々の悪影響を及ぼす。適切な除去量は、原料として使用するジオール中の2−メチル−1,3−プロパンジオールの割合によって異なるが、通常は反応混合物中の濃度が25重量%以下となるような除去量が好ましい。このような濃度であれば第二工程において5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンは消費され、ポリカーボネートジオール中の濃度が十分低くなるため、悪影響を及ぼすことがないのである。濃度が高すぎる場合には第二工程において5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンが消費されるのに時間がかかり過ぎ、多くの場合得られたポリカーボネートジオール中に無視できない量が残存することになる。
第二工程の初期に未反応の原料を除去する方法としては、第一工程と同様に精留塔を用いて減圧下で行うのが好ましい。精留塔を用いる場合、この精留塔の分離性能は重要であり、理論段数が5段以上、好ましくは7段以上の精留塔が用いられる。また還流比は使用する精留塔の能力により設定し得る値は異なるが、通常0.5〜3に設定する。また、炊き上げ量が少ないと5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの除去が十分ではなく、反応混合物中に多量に残存することになる。一方、炊き上げ量が多過ぎると、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの除去量が多くなり過ぎ、ポリカーボネートジオールの生産性が低下する。したがって、生産性が低下しない範囲で5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンを除去できるように還流比および炊き上げ量を適切に調節することは極めて好ましい。
このようにして第二工程の初期に除去した未反応のジオール、炭酸エステルおよび5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンを含む液は原料として使用できるため、リサイクル使用するのが好ましい。
第二工程では、第一工程で得られたポリカーボネートプレポリマーを自己縮合させ本発明のポリカーボネートジオールを得る。この自己縮合反応に伴い、ポリカーボネートプレポリマーの末端から上記式(G)、(H)で表されるジオールが脱離する。この反応は第一工程と同様に平衡反応であるため、反応系内にジオールが蓄積すると重合が十分進行しない。このため第二工程も通常、減圧下でジオールを反応系外に抜き出しながら行う。このジオールを効率良く抜き出すために、第一工程と異なり、精留塔を用いずに蒸気をそのまま反応系外に抜き出すことが好ましい。また薄膜蒸発器を用いることもできる。
第二工程における反応温度は、通常120〜200℃である。好ましくは130℃〜190℃である。温度が120℃未満では、自己縮合の反応速度が遅く反応時間が長くなるので好ましくない。一方温度が200℃を超えるとポリカーボネートプレポリマーの分解が無視できなくなり、生産性が下がるので好ましくない。第二工程では、未反応の炭酸エステルが反応系内にほとんど存在しないので、前述のようなエーテル結合を生ずる副反応はごくわずかしか起こらないので、第一工程よりも反応温度を高くすることが可能である。
本発明では、エステル交換反応の際、反応を速めたい場合に触媒を用いることできる。触媒の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、亜鉛、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウムなどの金属およびその化合物を挙げることができる。金属化合物としては、酸化物、水酸化物、塩、アルコキシド、有機化合物等を挙げることができる。これらの触媒のうち、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタンなどのチタン化合物、ジ−n−ブチルスズジラウレート、ジ−n−ブチルスズオキサイド、ジブチルスズジアセテートなどのスズ化合物、酢酸鉛、ステアリン酸鉛などの鉛化合物を用いるのが好ましい。触媒量が少な過ぎると、触媒添加による効果が得られない。一方、触媒量が多過ぎると、ポリカーボネートジオール中に残存した触媒は熱可塑性エラストマーを合成する際の触媒としても作用する場合が多いため、予期せぬ反応や反応の制御が困難になることにより、熱可塑性エラストマーの物性の低下をもたらす。このような物性低下を避けるためにこれらの触媒は、原料の総仕込み重量に対し1〜10000ppmとなるように用いるのが好ましい。1〜1000ppmとなるように用いるのがより好ましい。
本発明のポリカーボネートジオールは、前述のように5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンを含む。この5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの量が多いと本発明のポリカーボネートジオールに対して、例えば次に挙げるような悪影響を及ぼす。5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンを含有することによりポリカーボネートジオールの粘度が低下し、粘度から重合度を把握することが困難になる。また、熱可塑性ポリウレタンを製造した際に、残存した5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンがポリウレタンの表面に滲出しタックフリー性が低下したりする。
さらに、熱可塑性ポリウレタン中に残存した5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンが水との接触で分解することにより、熱可塑性ポリウレタンの物性低下を引き起こす。すなわちポリウレタンの耐水性や耐候性が低下するのである。この物性低下は、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンが同種の化合物と比較して不安定であることに起因し、本発明に特有の現象である。同じ6員環構造を持つ1,3−ジオキサン−2−オンと比較すると、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの方が不安定で反応性に富むため、ポリカーボネートジオール中の含有率が同じ場合であっても5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンを含むもののみが物性に悪影響を及ぼす場合がある。このような影響を避けるために、ポリカーボネートジオール中の5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量を一定量以下にすることが重要である。
一方、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン含有量の下限としては、少ない方が良いのであるが、少な過ぎると製造に時間がかかり過ぎて現実的な方法ではなくなる。
したがって、ポリカーボネートジオールに対する5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの量は0.1〜5重量%であることが好ましい。さらに好ましくは0.5〜5重量%である。
5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量が上記の範囲内にあるときには、種々の好ましい効果が発現することが本発明者らの検討の結果判明した。例えば熱可塑性ポリウレタンとしたときに、柔軟性が向上する、射出成型時の流動性が良くなり加工性が向上する、シート状に成型したときに表面平滑性や光沢が向上する、低温でも柔軟性が損なわれず低温特性が向上する、といった効果が挙げられる。このような効果が発現する理由の一つとして、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンが可塑剤として作用しているということが考えられる。このような環状のカーボネートが可塑剤として作用する例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが知られているが、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートと比較して高沸点であり、ポリウレタンの成型時に高温にさらされても重量減が少ないという利点を有している。
以上のようにして得られる本発明のポリカーボネートジオールをポリイソシアネートと反応させることにより、熱可塑性ポリウレタンを得ることができる。本発明の熱可塑性ポリウレタンは耐油性、柔軟性、耐加水分解性、耐候性などの物性バランスに優れ、各種成形体の原料として極めて有用な素材である。
本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造に使用されるポリイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、およびその混合物(TDI)、粗製TDI、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、粗製MDI、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、フェニレンジイソシアネート等の公知の芳香族ジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート(水添MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート(水添XDI)等の公知の脂肪族ジイソシアネート、およびこれらのイソシアネート類のイソシアヌレート化変性品、カルボジイミド化変性品、ビウレット化変性品等である。これらのポリイソシアネートは、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても構わない。
また、本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造においては、所望により共重合成分として鎖延長剤を用いることができる。鎖延長剤としてはポリウレタン業界における常用の鎖延長剤、すなわち水、低分子ポリオール、ポリアミン等が使用できる。例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン等の低分子ポリオール、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルジアミン、ジアミノジフェニルメタン等のポリアミンである。これらの鎖延長剤は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても構わない。
本発明の熱可塑性ポリウレタンを製造する方法としては、ポリウレタン業界で公知のウレタン化反応技術が用いられる。例えば、本発明のポリカーボネートジオールとポリイソシアネートを常温から200℃の範囲で反応させることにより、本発明の熱可塑性ポリウレタンが生成する。
また、本発明のポリカーボネートジオールとポリイソシアネート、さらに必要に応じて鎖延長剤を用いて、熱可塑性ポリウレタンを製造する事が出来る。鎖延長剤を用いる場合、まず本発明のポリカーボネートジオールとポリイソシアネートとを、ポリイソシアネートのモル当量が過剰の条件にて、常温から200℃の範囲で反応させることにより、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーを生成させる。このウレタンプレポリマーに鎖延長剤を添加することにより高分子量化し、目的の熱可塑性ポリウレタンを得ることができる。
これらの反応において、三級アミンやスズ、チタンなどの有機金属塩などに代表される公知の重合触媒を用いる事もできる。
また、これらの反応は、溶剤を用いて行っても良い。好ましい溶剤としては、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、エチルセロソルブなどがある。
本発明の熱可塑性ポリウレタンには添加剤として、少なくとも熱安定剤および光安定剤などを用いることが望ましい。熱安定剤としては、燐酸、亜燐酸の脂肪族、芳香族またはアルキル基置換芳香族エステルや次亜燐酸誘導体、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、ジアルキルビスフェノールAジホスファイトなどのリン化合物、フェノール系誘導体特にヒンダードフェノール化合物、チオエーテル系、ジチオ酸塩系、メルカプトベンズイミダゾール系、チオカルバニリド系、チオジプロピオン酸エステルなどのイオウを含む化合物、スズマレート、ジブチルスズモノオキシドなどのスズ系化合物を用いることができる。ヒンダードフェノール化合物としては、Irganox1010(商品名:チバガイギー社製)、Irganox1520(商品名:チバガイギー社製)などが好ましい。二次老化防止剤としての燐系化合物は、PEP−36、PEP−24G、HP−10(いずれも商品名:旭電化(株)製)Irgafos168(商品名:チバガイギー社製)が好ましい。また、硫黄化合物としては、ジラウリルチオプロピオネート(DLTP)、ジステアリルチオプロピオネート(DSTP)などのチオエーテル化合物が好ましい。光安定剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。また、ヒンダードアミン化合物のようなラジカル捕捉型光安定剤も好適に用いられる。
これらの安定剤は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても構わない。これら安定剤の添加量は、熱可塑性ポリウレタン100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部、さらに好ましくは0.2〜2重量部が望ましい。
さらに、本発明の熱可塑性ポリウレタンは、必要に応じて可塑剤を添加しても良い。かかる可塑剤の例としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジイソノニルフタレートなどのフタル酸エステル類、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリメチルヘキシルホスフェート、トリス−クロロエチルホスフェート、トリス−ジクロロプロピルホスフェートなどの燐酸エステル類、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸イソデシルエステル、トリメリット酸エステル類、ジペンタエリスリトールエステル類、ジオクチルアジペート、ジメチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、メチルアセチルリシノケートなどの脂肪酸エステル類、ピロメリット酸オクチルエステルなどのピロメリット酸エステル、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステルなどのエポキシ系可塑剤、アジピン酸エーテルエステル、ポリエーテルなどのポリエーテル系可塑剤、液状NBR、液状アクリルゴム、液状ポリブタジエンなどの液状ゴム、非芳香族系パラフィンオイルなどを挙げることが出来る。
これら可塑剤は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用することが出来る。可塑剤の添加量は、要求される硬度、物性に応じて適宜選択されるが、熱可塑性ポリウレタン100重量部当り0〜50重量部が好ましい。
また、本発明の熱可塑性ポリウレタンに、無機充填剤、滑剤、着色剤、シリコンオイル、発泡剤、難燃剤などを添加しても良い。無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリウム、珪酸(ホワイトカーボン)、酸化チタン、カーボンブラックなどが挙げられる。
本発明のポリカーボネートジオールは、本発明の熱可塑性ポリウレタンの原料として、さらには熱可塑性エラストマー、ウレタン弾性繊維スパンデックス成形体、スパンデックス糸などの原料として、塗料、接着剤などの構成材料として、あるいは、高分子可塑剤として用いることが出来る。また、本発明の熱可塑性ポリウレタンは、ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタンに匹敵するほどの柔軟性を有しており、各種成形体の素材として用いることが出来る。
以下、実施例などを用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の部数は特に断らない限り質量部である。
また、以下の実施例および比較例において、ポリカーボネートジオールおよびポリウレタンフィルムの諸物性は、下記の試験方法に従って試験を実施した。
<試験方法>
1.OH価
無水酢酸12.5gをピリジン50mlでメスアップしアセチル化試薬を調製した。100mlナスフラスコに、サンプルを2.5〜5.0g精秤する。アセチル化試薬5mlとトルエン10mlをホールピペットで添加後、冷却管を取り付けて、100℃で1時間撹拌加熱する。蒸留水2.5mlをホールピペットで添加、さらに10分間加熱撹拌する。2〜3分間冷却後、エタノールを12.5ml添加し、指示薬としてフェノールフタレインを2〜3滴入れた後に、0.5mol/lエタノール性水酸化カリウムで滴定する。アセチル化試薬5ml、トルエン10ml、蒸留水2.5mlを100mlナスフラスコに入れ、10分間加熱撹拌した後、同様に滴定を行う(空試験)。この結果をもとに、下記数式(i)でOH価を計算した。
OH価(mg−KOH/g)={(b−a)×28.05×f}/e (i)
a:サンプルの滴定量(ml)
b:空試験の滴定量(ml)
e:サンプル重量(g)
f:滴定液のファクター
2.分子量
実施例、比較例中のポリマーの末端は、13C−NMR(270MHz)の測定により、実質的に全てがヒドロキシル基であった。さらに、ポリマー中の酸価をKOHによる滴定により測定したが、実施例、比較例のポリマー全てが0.01以下であった。従って、得られたポリマーの数平均分子量は下式(ii)により求められる。
数平均分子量=2/(OH価×10−3/56.11) (ii)
3.共重合組成
本発明のポリカーボネートジオールの共重合組成は、以下のように測定した。
100mlのナスフラスコにサンプルを1g取り、エタノール30g、水酸化カリウム4gを入れて、100℃で1時間反応する。室温まで冷却後、指示薬にフェノールフタレインを2〜3滴添加し、塩酸で中和する。冷蔵庫で1時間冷却後、沈殿した塩を濾過で除去し、ガスクロマトグラフィーにより分析を行った。分析は、カラムとしてDB−WAX(J&W製)をつけたガスクロマトグラフィーGC−14B(島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内標として、検出器をFIDとして行った。なお、カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温した。
4.機械的物性
厚さ0.07〜0.10mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムを10mm×80mmの短冊型に切り取り、23℃、50%RHの恒温室にて1日養生したものを試験体とした。
試験体を23℃、50%RHの恒温室において、テンシロン引張試験器(ORIENTEC製、RTC−1250A)を用いて、チャック間50mm、引張速度100mm/minで100%引っ張り応力(MPa)(塗膜が50mm伸びた時の応力)、塗膜の伸び(%)を測定した。
5.耐油性
厚さ0.07〜0.10mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムを45℃のオレイン酸中に1週間浸漬後の膨潤率を測定し、耐油性の指標とした。膨潤率は、下記式(iii)を用いて求めた。
膨潤率=(試験後の重量−試験前の重量)/試験前の重量×100 (iii)
6.耐加水分解性
厚さ0.07〜0.10mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムを100℃の熱水中に2週間浸漬後、4.に示した方法で機械的物性(塗膜の伸び)を測定した。測定後、この値が前記4.で求められた値に比べ、80%以上である場合を○、60%以上80%未満である場合を△、60%未満である場合を×として、耐加水分解性を評価した。
7.耐候性
厚さ0.07〜0.10mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムをサンシャイン型ウエザオメーター(スガ試験機製、WEL−SUN−DC)中で、1サイクル60分、内12分の降水の繰り返しで所定時間(200時間)経過した後、4.に示した方法で機械的物性(塗膜の伸び)を測定した。測定後、この値が前記4.項で求められた値に比べ、80%以上である場合を○、60%以上80%未満である場合を△、60%未満である場合を×として、耐候性を評価した。
〔実施例1〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール355g、1,4−ブタンジオール305g、エチレンカーボネート650gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は55.8、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=53/47であった。この反応物中の5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量は2.1重量%であった。
〔実施例2〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール350g、1,6−ヘキサンジオール450g、エチレンカーボネート660gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は56.2、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,6−ヘキサンジオール=51/49であった。
〔実施例3〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール420g、1,3−プロパンジオール260g、エチレンカーボネート720gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は55.5、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,3−プロパンジオール=58/42であった。
〔実施例4〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール570g、1,4−ブタンジオール110g、エチレンカーボネート660gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は56.0、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=84/16であった。この反応物中の5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量は2.9重量%であった。
〔実施例5〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール500g、1,4−ブタンジオール150g、エチレンカーボネート655gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は56.1、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=77/23であった。この反応物中の5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量は2.8重量%であった。
〔実施例6〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール173g、1,4−ブタンジオール522g、エチレンカーボネート684gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は56.4、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=25/75であった。この反応物中の5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量は1.2重量%であった。
〔実施例7〕
規則充填物を充填した、充填高さ5m、理論段数10段の蒸留塔、コンデンサー、ポット、還流ポンプからなる蒸留装置、攪拌機を備えた加熱ジャケット付き3mSUS製反応器に、2−メチル−1,3−プロパンジオール941kg、1,4−ブタンジオール403kg、エチレンカーボネート1315kgを仕込み、触媒としてチタンテトラブトキシドを0.13kg添加した。反応器を1kPaまで減圧し窒素を導入して大気圧に戻すという操作を3回繰返し、反応器内部を窒素で置換した。
ジャケットに200〜230℃の熱媒を流すことにより加熱を開始し、塔頂圧力を7〜8kPaに調整し、反応器内温150℃で2時間加熱した。このとき蒸留塔からの抜き出しは行わなかった。
その後、蒸留塔の還流比を9とし、抜き出し量を45〜50kg/時となるように塔頂圧力を7〜1.5kPaに調整し、ジャケットに230〜240℃の熱媒を流すことにより反応器内温150℃で19時間加熱した。
その後、蒸留塔の還流比を1とし、抜き出し量を200〜280kg/時となるように塔頂圧力を1.5〜0.6kPaに調整し、ジャケットに240℃の熱媒を流すことにより反応器内温150〜170℃で2時間30分加熱した。このときの反応混合物中の5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量は17.5重量%であった。
その後、塔頂圧力を0.6〜0.3kPaに調整し、ジャケットに200℃の熱媒を流すことにより反応器内温165〜175℃で、蒸留塔を使用せずに、留出する成分を全量抜き出しながら、3時間20分加熱した。
この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は58.7、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=64/36であった。この反応物中の5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量は2.0重量%であった。
〔実施例8〕
規則充填物を充填した、充填高さ5m、理論段数10段の蒸留塔、コンデンサー、ポット、還流ポンプからなる蒸留装置、攪拌機を備えた加熱ジャケット付き3mSUS製反応器に、2−メチル−1,3−プロパンジオール700kg、1,4−ブタンジオール701kg、エチレンカーボネート1369kgを仕込み、触媒としてチタンテトラブトキシドを0.14kg添加した。反応器を1kPaまで減圧し窒素を導入して大気圧に戻すという操作を3回繰返し、反応器内部を窒素で置換した。
ジャケットに200〜230℃の熱媒を流すことにより加熱を開始し、塔頂圧力を7〜8kPaに調整し、反応器内温150℃で2時間加熱した。このとき蒸留塔からの抜き出しは行わなかった。
その後、蒸留塔の還流比を9とし、抜き出し量を45〜50kg/時となるように塔頂圧力を7〜1.5kPaに調整し、ジャケットに230〜240℃の熱媒を流すことにより反応器内温150℃で19時間加熱した。
その後、蒸留塔の還流比を1とし、抜き出し量を200〜300kg/時となるように塔頂圧力を1.5〜0.6kPaに調整し、ジャケットに240℃の熱媒を流すことにより反応器内温150〜170℃で3時間20分加熱した。このときの反応混合物中の5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量は6.9重量%であった。
その後、塔頂圧力を0.6〜0.3kPaに調整し、ジャケットに200℃の熱媒を流すことにより反応器内温170〜175℃で、蒸留塔を使用せずに、留出する成分を全量抜き出しながら、160分間加熱した。
この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は54.3、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=43/57であった。この反応物中の5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量は1.3重量%であった。
〔実施例9〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール244g、1,4−ブタンジオール416g、エチレンカーボネート650gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は54.0、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=35/65であった。この反応物中の5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量は1.6重量%であった。
〔実施例10〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール442g、1,5−ペンタンジオール263g、エチレンカーボネート655gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は55.2、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,5−ペンタンジオール=64/36であった。
〔実施例11〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール335g、1,5−ペンタンジオール387g、エチレンカーボネート655gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は56.0、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,5−ペンタンジオール=48/52であった。
〔実施例12〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール471g、1,6−ヘキサンジオール291g、エチレンカーボネート660gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は55.1、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,6−ヘキサンジオール=66/34であった。
〔実施例13〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール256g、1,6−ヘキサンジオール572g、エチレンカーボネート660gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は56.8、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,6−ヘキサンジオール=36/64であった。
〔実施例14〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール462g、1,4−ブタンジオール198g、エチレンカーボネート650gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オイルバスの設定を180℃とし、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5〜1.0kPaとして、蒸留塔を用いて還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は63.1、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=68/32であった。この反応物中の5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量は10.5重量%であった。
〔比較例1〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、1,4−ブタンジオール780g、エチレンカーボネート760gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、1,4−ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で白色の固体が得られた。得られた反応物のOH価は56.0であった。
〔比較例2〕
比較例1の1,4−ブタンジオール780gを、1,6−ヘキサンジオール1020gに変更した以外は、比較例1と同様の反応を行った。この反応により、常温で白色の固体が得られた。得られた反応物のOH価は、55.5であった。
〔比較例3〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオール455g、1,6−ヘキサンジオール455g、エチレンカーボネート700gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、3−メチル−1,5−ペンタンジオール455g、1,6−ヘキサンジオールおよびエチレンカーボネートを留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた液体のOH価は56.3、共重合組成は3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=50/50であった。
〔比較例4〕
比較例3の3−メチル−1,5−ペンタンジオール455gを、2−イソプロピル−1,4−ブタンジオール520gに、1,6−ヘキサンジオール455gを、1,4−ブタンジオール265gに変更した以外は、比較例3と同様の反応を行った。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は、55.8、共重合組成は2−イソプロピル−1,4−ブタンジオール/1,4−ブタンジオール=57/43であった。
〔比較例5〕
比較例3の3−メチル−1,5−ペンタンジオール455gを、1,5−ペンタンジオール430gに変更した以外は、比較例3と同様の反応を行った。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は、55.8、共重合組成は1,6−ヘキサンジオール/1,5−ペンタンジオール=52/48であった。
〔比較例6〕
比較例1の1,4−ブタンジオール780gを、2−メチル−1,3−プロパンジオール790gに変更した以外は、比較例1と同様の反応を行った。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は、55.5であった。この反応物中の5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量は3.5重量%であった。
〔比較例7〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、1,3−プロパンジオール380g、1,4−ブタンジオール220g、エチレンカーボネート650gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オイルバスの設定を180℃とし、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5〜1.0kPaとして、蒸留塔を用いて還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、セパラブルフラスコ内に残った、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は61.9、共重合組成は1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=67/33であった。この反応物中の1,3−ジオキサン−2−オンの含有量は10.8重量%であった。
〔比較例8〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、1,3−プロパンジオール562g、エチレンカーボネート650gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オイルバスの設定を180℃とし、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5〜1.0kPaとして、蒸留塔を用いて還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、セパラブルフラスコ内に残った、1,3−プロパンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は61.0であった。この反応物中の1,3−ジオキサン−2−オンの含有量は11.1重量%であった。
実施例1〜14及び比較例1〜8で得られたポリカーボネートジオールの各々を用いて、下記の方法でポリウレタンを作製した。すなわち、ポリカーボネートジオール0.1モル、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート0.2モル、エチレングリコール0.2モル及びジメチルホルムアミド(DMF)を600g加え、80℃にて8時間反応させ、ポリウレタンのDMF溶液を得た。得られたポリウレタンのDMF溶液をガラス板上に流延し、乾燥して乾式フィルムを得た。このフィルムを用いて上記した方法により、物性の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例14においては耐加水分解性、耐候性の評価結果が共に△であったが実用的に許容できるレベルであった。
Figure 2006088152
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2005年2月18日出願の日本特許出願(特願2005−041945)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明のポリカーボネートジオールは耐油性、柔軟性、耐加水分解性、耐候性などの物性バランスに優れるポリカーボネート系ポリウレタンを製造するための原料化合物として有用に利用できる。

Claims (9)

  1. 下記式(A)と、下記式(B)の繰り返し単位からなり、両末端基が水酸基であり、下記式(A)と下記式(B)の割合がモル比率で99:1〜1:99で、数平均分子量が300〜10000のポリカーボネートジオール。
    Figure 2006088152
    Figure 2006088152
    (式中、R1は、2−メチル−1,3−プロパンジオール由来のアルキレン基を除く、炭素数2〜20のアルキレン基を表す)
  2. 上記式(A)と上記式(B)の繰り返し単位の割合がモル比率で80:20〜20:80であることを特徴とする請求項1記載のポリカーボネートジオール。
  3. 上記式(A)と上記式(B)の繰り返し単位の割合がモル比率で70:30〜30:70であることを特徴とする請求項1記載のポリカーボネートジオール。
  4. 上記式(B)の繰り返し単位が、下記式(C)で表される繰り返し単位である、請求項1〜3のいずれか1項記載のポリカーボネートジオール。
    Figure 2006088152
    (式中、mは、2〜10の整数を表す)
  5. 上記式(B)の繰り返し単位が、下記式(D)、(E)、(F)で表される繰り返し単位の少なくとも1種からなる、請求項1〜3のいずれか1項記載のポリカーボネートジオール。
    Figure 2006088152
    Figure 2006088152
    Figure 2006088152
  6. 5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの含有量が0.1〜5重量%である、請求項1〜5のいずれか1項記載のポリカーボネートジオール。
  7. 1分子に3以上の水酸基を持つ化合物からなる繰返し単位を含み、該繰返し単位と、上記式(A)、(B)の繰り返し単位の合計との割合がモル比率で0.1:99.9〜5:95%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のポリカーボネートジオール。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載のポリカーボネートジオールを原料として得られる熱可塑性ポリウレタン。
  9. 5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン含有量を5重量%以下にする様に蒸留することを特徴とする請求項6記載のポリカーボネートジオールの製造方法。
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