JP5605936B2 - ゲル状イオン導電体及びその用途 - Google Patents
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Description
(但し、mは、3又は4を含み、3,4,5,6から選択される1種若しくは2種以上の整数を表す。)
すなわち、当該技術分野において、液漏れの可能性が低く溶媒の蒸気圧も低く抑えられ、さらには高いイオン導電度を有する、二次電池用のゲル状イオン導電体が、強く求められていた。
すなわち、本発明は、下記の[1]〜[4]に関するものである。
[1] ポリカーボネートジオール(a1)、及びポリイソシアネート(a2)を用いて得られるポリウレタン(A)、炭酸エステル溶剤(B)、及びリチウム塩(C)を含んでなるゲル状イオン導電体であって、該ポリカーボネートジオール(a1)は、下記式(1)で表される構造の繰り返し単位(i)と末端ヒドロキシル基(ii)とを有し、該繰り返し単位(i)の10〜100モル%が下記式(2)で表される構造を有することを特徴とする上記ゲル状イオン導電体。
(但し、式中のR1は、炭素数2〜12の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素基を表す。)
(但し、式中のR2は、炭素数が3〜4の二価の脂肪族炭化水素基を表す。また、R3は、H又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R4は炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
[2] 前記式(2)で表される繰り返し単位の少なくとも一部が、下記式(3)で表される繰り返し単位であることを特徴とする[1]に記載のゲル状イオン導電体。
[3] 前記ポリイソシアネート(a2)の少なくとも一部が、イソシアヌレート変性ポリイソシアネートであることを特徴とする[1]又は[2]に記載のゲル状イオン導電体。
[4] [1]〜[3]のいずれか1項に記載のゲル状イオン導電体を用いるリチウムイオン電池。
(A)ポリウレタン
本発明のゲル状イオン導電体を構成するポリウレタン(A)は、ポリカーボネートジオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とから得られる。ポリウレタン(A)の合成にあたっては、ポリカーボネートジオール(a1)、及びポリイソシアネート(a2)のみを出発原料として用いてもよいし、さらにポリカーボネートジオール(a1)、及びポリイソシアネート(a2)以外の成分を用いてもよい。
(a1)ポリカーボネートジオール
本発明で用いるポリウレタン(A)の原料として用いられるポリカーボネートジオール(a1)は、下記式(1)で表される構造を有する繰り返し単位(i)と、末端ヒドロキシル基(ii)とを有する。
(但し、式中のR1は、炭素数2〜12の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素基を表す。)
さらに上記ポリカーボネートジオール(a1)においては、上記式(1)で表される構造を有する繰り返し単位(i)のうち10〜100モル%が、下記式(2)で表される構造を有する繰り返し単位(i’)で占められる。
(但し、式中のR2は、炭素数が3〜4の二価の脂肪族炭化水素基を表す。また、R3は、H又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R4は炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
上述の式(2)で表される構造を有する特定の繰り返し単位(i’)は、以下に述べる特定のジオール(α’)を重合成分として用いることにより、ポリカーボネートジオール(a1)中に導入することができる。すなわち、本発明のポリカーボネートジオール(a1)は、主鎖の炭素数が3〜4であり、1〜2個の特定の(炭素数1〜5のアルキル基である)側鎖を有するジオール(以下、ジオール(α’)という。)を原料に用いて製造することができる。
ジオール(α’)としては、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ペンチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,4−ブタンジオール、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジオール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、2−メチル−1.4−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどを挙げることができるが、これらには限定されない。これらは、1種又は2種以上を選択して用いることができる。炭酸カーボネート溶剤との親和性を向上させるには、ポリカーボネートジオール(a1)におけるカーボネート結合の密度を上げることが重要である。よって、ジオール(α’)における主鎖の炭素数が少ない方が好ましく、この観点からは主鎖の炭素数が3の場合が最も好ましい。一方、ジオール(α’)を用いることで、側鎖によりポリカーボネートジオール(a1)分子間の相互作用が弱められ、溶媒による膨潤が高くなる。側鎖の効果は、その長さ、数、位置により影響される。一般に、側鎖が長くなった場合は、ゲル状イオン導電体の強度が低下する、ポリカーボネートジオール(a1)の重合が難しくなるなどの問題は発生する場合がある。よって、側鎖の炭素数は4以下が好ましい。2−メチル−1,3−プロパンジオールを用いた場合、溶媒との親和性とイオン導電度が高く、強度も強いゲル状イオン導電体を得ることができる。この場合、2−メチル−1,3−プロパンジオールが使用するジオール(α’)の一部であってもよいし、全部を占めていてもよい。
本発明のポリカーボネートジオール(a1)は、上記式(1)で表される構造の繰り返し単位(i)を有する。この繰り返し単位(i)は、以下に述べる特定のジオール(α)を重合成分として用いることにより、ポリカーボネートジオール(a1)中に導入することができる。すなわち、本発明のポリカーボネートジオール(a1)は、炭素数2〜12の2価の脂肪族又は脂環族炭化水素基を有するジオール(以降、ジオール(α)という。)を原料に用いて製造することができる。ジオール(α)としては、上述のジオール(α’)に加えて、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ナノジオール、1,10−ドデカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオールなど側鎖を持たない脂肪族ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、などの側鎖を持ったジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの環状ジオールを挙げることができるがこれらには限定されない。これらから、1種類又は2種類以上のジオールを原料として用いてもよい。
さらに、本発明のポリカーボネートジオール(a1)の性能を極端に損なわない範囲で、それ以外のモノマーをポリカーボネートジオール(a1)の製造のための重合成分として用いることができる。それ以外のモノマーとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパンなどの炭素数が12を超える2価の脂肪族又は脂環族炭化水素基を有するジオールを用いてもよい。また、1分子に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどを用いることもできる。この場合、製造されたポリカーボネートジオール(a1)はトリオール等に由来の構造を一部有するため、正確には「ポリカーボネートポリオール」ではあるが、このような場合でも本明細書においては便宜上、「ポリカーボネートジオール」と称することにする。この1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物を余り多く用いると、ポリカーボネートの製造のための重合反応中に架橋してゲル化する場合がある。したがって1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物は、使用する場合であっても、原料とするジオールの合計量に対し、0.1〜5重量%にするのが好ましい。より好ましくは、0.1〜2重量%である。
(但し、式中のR1は、炭素数2〜12の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素基を表す。)
(但し、式中のR2は、炭素数が3〜4の二価の脂肪族炭化水素基を表す。また、R3は、H又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R4は炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
本発明のポリカーボネートジオール(a1)の平均分子量は好ましくは500〜5000、より好ましくは800〜3000である。
本発明を構成するポリウレタン(A)の原料として用いられるポリイソシアネート(a2)としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、及びその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、粗製TDI、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、粗製MDI等の公知の芳香族ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート(XDI)、フェニレンジイソシアネート等の公知の芳香脂環族ジイソシアネート;4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート(水添MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート(水添XDI)等の公知の脂肪族ジイソシアネート、及びこれらのイソシアネート類のイソシアヌレート化変性品、カルボジイミド化変性品、ビウレット化変性品等を挙げることができるが、これらには限定されない。これらは、1種又は2種以上を選択して用いることができる。
本発明のポリウレタン(A)の製造においては、触媒を用いてもよい。触媒としては、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジラウリル酸ジオクチルスズ、オクチル酸スズ、ナフテン酸鉛などの金属酸化物、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセンなどのアミン系触媒が挙げられるが、これらには限定されない。
本発明において用いられる、炭酸エステル溶剤(B)としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチレンカーボネート、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−オキサン−2−オンなどを挙げることができるが、これらには限定されない。これらから、1種又は2種以上を選択して用いることができる。炭酸エステル溶剤(B)の量は、ポリウレタン(A)と炭酸エステル溶剤(B)との総重量に対し5〜98重量%であることが好ましい。5重量%以上であれば、イオン伝導性が十分なので、充電容量が向上する傾向にあり、98重量%以下であれば、ゲル状イオン導電体の機械的強度の低下を防止できる。さらに、10〜95重量%であるとより好ましく、50〜95重量%である場合、高いイオン導電性とゲル状電解質の機械的強度が得られるので、最も好ましい。炭酸エステル溶剤(B)には、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチルなどを添加しても構わない。
本発明において用いられる、リチウム塩(C)としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)3C、LiBPH4、LiBr、LiCl、LiI、LiSCN、CH3COOLi、CF3COOLiなどを挙げることができるが、これらには限定されない。これらから、1種又は2種以上を選択して用いることができる。本発明におけるリチウム塩(C)の使用量は、炭酸エステル溶剤中(B)のリチウム塩(C)の濃度として規定することができる。この濃度は、ポリウレタンの構造、炭酸エステル溶剤の種類などによって異なるが、一般的には、0.2〜2モル/Lの範囲であり、好ましくは0.5〜1.5モル/Lの範囲である。
本発明のゲル状イオン導電体は、上述のポリウレタン(A)、炭酸エステル溶剤(B)、及びリチウム塩(C)を含んでなる。すなわち本発明のゲル状イオン導電体は、ポリウレタン(A)、炭酸エステル溶剤(B)、及びリチウム塩(C)のみからなっていてもよいし、それ以外の成分を含んでいてもよい。
以下の実施例/比較例において使用するポリカーボネートジオール(a1)の特性を以下の方法により評価した。
100mlのナスフラスコに、ポリカーボネートジオール(a1)のサンプルを1g測り取り、エタノール30g、水酸化カリウム4gを入れて、100℃のオイルバスで1時間加熱した。室温まで冷却後、指示薬にフェノールフタレインを1〜2滴添加し、塩酸で中和した。冷蔵庫で3時間冷却後、沈殿した塩を濾過で除去し、GC(ガスクロマトグラフィー)分析した。ジオール(α’)割合は下記式(I)により計算した。なお、GC分析は、カラムとしてDB−WAX(米国J&W社製)30m、膜厚0.25μmを付けたガスクロマトグラフィーGC14B(島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内標として用い、検出器に水素炎イオン化検出器(FID)を用いて行った。カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温した。
ジオール(α’)割合(モル%)=A÷B×100 (I)
A:GC分析で得られたジオール(α’)のモル数の総和
B:GC分析で得られた原料として用いたジオール(α)のモル数の総和
無水酢酸とピリジンを用い、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定する「中和滴定法(JIS K 0070−1992)」によって水酸基価を決定し、下記式(II)を用いて計算した。
数平均分子量=2/(OH価×10−3/56.1) (II)
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置、温度計を備えた2Lのガラス製フラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール355g(3.9モル)、1,4−ブタンジオール300g(3.3モル)、及びエチレンカーボネート650g(7.4モル)を仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒としてチタンテトライソプロポキシドを0.25g投入した。165℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温135℃、真空度1.0〜1.5kPaで、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら24hr反応させた。その後、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温を140〜150℃とし、真空度を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残ったジオール、及びエチレンカーボネートを除去した。その後、オイルバスの設定を175℃に上げ、フラスコの内温150〜155℃で、生成するジオールを除去しながら、さらに6hr反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析したところ、数平均分子量は915であり、ジオール(α’)割合は52モル%であった。該ポリカーボネートジオール(a1)をPC−1と称する。
合成例1で用いた装置を用いた。2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを170g(1.1mol)、1,6−ヘキサンジオールを750g(6.4mol)、及びエチレンカーボネート650g(7.4モル)を仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒としてチタンテトライソプロポキシドを0.25g投入した。165℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温135℃、真空度1.0〜1.5kPaで、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら24hr反応させた。その後、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温を140〜150℃とし、真空度を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残ったジオール、及びエチレンカーボネートを除去した。その後、オイルバスの設定を175℃に上げ、フラスコの内温150〜155℃で、生成するジオールを除去しながら、さらに8hr反応させた。得られたポリカーボネートジオール(a1)を分析したところ、数平均分子量は1230であり、ジオール(α’)割合は12モル%あった。該ポリカーボネートジオール(a1)をPC−2と称する。
合成例1で用いた原料に代えて、1,6−ヘキサンジオールを870g(6.4mol)、及びエチレンカーボネート650g(7.4モル)を用いた以外、合成例1と同じ条件で反応を起こった。得られたポリカーボネートジオールを分析したところ、数平均分子量は980であり、ジオール(α’)割合は0モル%あった。該ポリカーボネートジオールをPC−3と称する。
[ポリカーボネートジオールの合成例4]
合成例1で用いた原料に代えて、1,4−ブタンジオールを440g(3.7mol)、1,6−ヘキサンジオールを440g(3.7mol)、及びエチレンカーボネート655g(7.4モル)を用いた以外、合成例1と同じ条件で反応を起こった。得られたポリカーボネートジオールを分析したところ、数平均分子量は1003であり、ジオール(α’)割合は0モル%あった。該ポリカーボネートジオールをPC−4と称する。
1,3−ジオキソラン−2−オンとジメチルカーボネートの混合溶媒(体積比で1:2)にLiPF6を溶解して、LiPF6の1モル/L溶液を得た。電気伝導度測定端K−132(京都電子製)を挿入した100mlのガラス容器に、上記のLiPF6溶液を44.9g、ポリカーボネートジオール(a1)としてPC−1を8.9g、ポリイソシアネートとしてデュラネート(登録商標)TPA−100(NCO濃度23.1%、旭化成ケミカルズ株式会社製)を3.6g、ウレタン反応触媒としてジラウリル酸ジブチルスズを0.03g仕込み、ガラス容器を80℃のオイルバスに浸漬し、2時間反応させた。反応終了後、電気伝導度測定端を電気伝導度計CM−1K(東亜ディーケーケー製)に接続し、電気伝導度を測定したところ、1.68×103μS/cm(27℃、1kHz)であった。目視で確認したところ、液漏れも見られなかった。
実施例1に示すLiPF6溶液を47.7g、ポリカーボネートジオール(a1)としてPC−2を10.2g、デュラネート(登録商標)TPA−100(NCO濃度23.1%、旭化成ケミカルズ株式会社製)を3.1g、ジラウリル酸ジブチルスズを0.03g仕込み、実施例1に示す方法でゲルを作製して評価した。電気伝導度を測定したところ、1.36×103μS/cm(27℃、1kHz)であった。目視で確認したところ、液漏れも見られなかった
実施例1に示すLiPF6溶液を45.5g、ポリカーボネートジオールとしてPC−3を9.2g、デュラネート(登録商標)TPA−100(NCO濃度23.1%、旭化成ケミカルズ株式会社製)を3.5g、ジラウリル酸ジブチルスズを0.03g仕込み、実施例1に示す方法でゲルを作製して評価した。電気伝導度を測定したところ、9.8×102μS/cm(27℃、1kHz)であった。目視で確認したところ、ゲル上に僅かな液漏れが見られた。
[比較例2]
実施例1に示すLiPF6溶液を47.7g、ポリカーボネートジオールとしてPC−4を9.7g、デュラネート(登録商標)TPA−100(NCO濃度23.1%、旭化成ケミカルズ株式会社製)を3.6g、ジラウリル酸ジブチルスズを0.03g仕込み、実施例1に示す方法でゲルを作製して評価した。電気伝導度を測定したところ、1.19×103μS/cm(27℃、1kHz)であった。目視で確認したところ、液漏れは見られなかった。
Claims (4)
- ポリカーボネートジオール(a1)、及びポリイソシアネート(a2)を用いて得られるポリウレタン(A)、炭酸エステル溶剤(B)、及びリチウム塩(C)を含んでなるゲル状イオン導電体であって、該ポリカーボネートジオール(a1)は、下記式(1)で表される構造の繰り返し単位(i)と末端ヒドロキシル基(ii)とを有し、該繰り返し単位(i)の10〜100モル%が下記式(2)で表される構造を有し、
該炭酸エステル溶剤(B)は、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチレンカーボネート、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、及び1,3−オキサン−2−オンから選ばれる1種又は2種以上であり、
該炭酸エステル溶剤(B)の量は、該ポリウレタン(A)と該炭酸エステル溶剤(B)との総重量に対し5〜98重量%であり、
該炭酸エステル溶剤(B)中の該リチウム塩(C)の濃度は、0.2〜2モル/Lであることを特徴とする上記ゲル状イオン導電体。
(但し、式中のR1は、炭素数2〜12の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素基を表す。)
(但し、式中のR2は、炭素数が3〜4の二価の脂肪族炭化水素基を表す。また、R3は、H又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R4は炭素数1〜5のアルキル基を表す。) - 前記ポリイソシアネート(a2)の少なくとも一部が、イソシアヌレート変性ポリイソシアネートであることを特徴とする請求項1または2に記載のゲル状イオン導電体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲル状イオン導電体を用いるリチウムイオン電池。
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