JP6716262B2 - ポリカーボネートジオール - Google Patents
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Description
下記式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とからなるポリカーボネートジオールであって、式(A)で表される繰り返し単位の5〜100モル%は下記式(B)で表される繰り返し単位であり、1級末端OH比率が95〜99.8%であるポリカーボネートジオール。
前記式(A)で表される繰り返し単位の90〜100モル%が、前記式(B)及び/又は下記式(C)で表される繰り返し単位であり、式(A)で表される繰り返し単位の5〜90モル%が、式(C)で表される繰り返し単位である[1]に記載のポリカーボネートジオール。
[3]
1級末端OH比率と2級末端OH比率との和が、98.5%〜100%である[1]又は[2]に記載のポリカーボネートジオール。
[1]〜[3]のいずれかに記載のポリカーボネートジオールとポリイソシアネートとから得られる熱可塑性ポリウレタン。
[1]〜[3]のいずれかに記載のポリカーボネートジオールとポリイソシアネートとを含むコーティング組成物。
本実施形態のポリカーボネートジオールは、下記式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とからなるポリカーボネートジオールであって、式(A)で表される繰り返し単位の5〜100モル%は下記式(B)で表される繰り返し単位であり、1級末端OH比率が95〜99.8%である。
A:ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和
B:ジオールのピーク面積の総和
1級末端OH比率は、ポリカーボネートジオールの全末端基に占める1級OH基の比率である。即ち、上記に示すように、ポリカーボネートジオールを0.4kPa以下の圧力下、160℃〜200℃の温度に加熱すると、ポリカーボネートジオールの末端部分がアルコール類として外れて蒸発し、留分として得られる。(下記式(a)を参照)。
この留分中の全アルコール類における両末端が1級OH基であるジオールの比率が、1級末端OH比率である。
式(C)で表される繰り返し単位を含む場合、式(A)で表される繰り返し単位における式(C)で表される繰り返し単位の量(以降、繰り返し単位Cに割合とも略す。)は、5〜90モル%であることが好ましい。繰り返し単位Cの割合が5〜70モル%であれば、塗料の組成に依らず、高い耐汗性と耐摩耗性が得られるのでより好ましく、5〜55モル%であればさらに好ましい。
A:ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和
C:少なくとも1つの2級水酸基を持つジオールのピーク面積の総和
ポリマー末端が2級の水酸基である場合、少なくとも片方の水酸基が2級であるジオールがポリマー末端より外れる。(下記式(b)参照)。
この留分中の全アルコール類における少なくとの1つのヒドロキシル基が2級であるジオールの比率が、2級末端OH比率である。
<用途>
本実施形態のポリカーボネートジオールは、塗料や接着剤の構成材料として、またポリウレタンや熱可塑性エラストマーの原料として、さらにはポリエステルやポリイミドの改質剤などの用途に用いることができる。特に、本実施形態のポリカーボネートジオールは、塗料の構成成分として用いる場合、耐摩耗性と耐汗性とに優れた透明な塗料が得られる。
本実施形態の熱可塑性ポリウレタンは、上述のポリカーボネートジオールとポリイソシアネートとを用いて得ることができる。
本実施形態のコーティング組成物は、上述のポリカーボネートジオールとポリイソシアネートとを含む。当該ポリイソシアネートは、有機ポリイソシアネートであることが好ましい。
1.ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率の決定
ポリカーボネートジオールにおける1級末端OH比率を以下のとおり決定した。まず、70g〜100gのポリカーボネートジオールを300mlのナスフラスコに測り取った。留分回収用のトラップ球を接続したロータリーエバポレーターを用いて、前記ナスフラスコ中のポリカーボネートジオールを、0.4kPa以下の圧力下、約180℃の加熱浴で加熱し、攪拌して、トラップ球に該ポリカーボネートジオールの約1〜2重量%に相当する留分、即ち約1g(0.7〜2g)の初期留分を得た。得られた留分を約100g(95〜105g)のエタノールに溶解させ溶液として回収した。回収した溶液をガスクロマトグラフィー分析(以下「GC分析」とも称す。)して、得られたクロマトグラフのピーク面積の値をから、下記式(1)によりポリカーボネートジオールにおける末端OH比率を計算した。なお、GC分析は、カラムとしてDB−WAX(米国J&W社製)30m、膜厚0.25μmを付けたガスクロマトグラフィー6890(米国ヒューレット・パッカード製)を用い、検出器に水素炎イオン化検出器(FID)を用いて行った。カラムの昇温プロファイルは、60℃から10℃/minで250℃まで昇温した後、その温度で15分間保持するプロファイルとした。GC分析における各ピークの同定は、下記GC−MS装置を用いて行った。GC装置は、カラムとしてDB−WAX(米国J&W社製)を付けた6890(米国ヒューレット・パッカード製)を用いた。GC装置において、初期温度40℃から昇温速度10℃/minで220℃まで昇温した。MS装置は、Auto−massSUN(日本JEOL製)を用いた。MS装置において、イオン化電圧70eV、スキャン範囲m/z=10〜500、フォトマルゲイン450Vで測定を行った。
A:ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和
B:両末端が1級OH基であるジオールのピーク面積の総和
2.ポリカーボネートジオールの2級末端OH比率の決定
1級末端OH比率と同じ方法でGC分析を行い、得られるクロマトグラフのピーク面積の値から、下記式(2)により計算した。
A:ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和
C:少なくとも1つの2級水酸基を持つジオールのピーク面積の総和
3.ポリカーボネートジオールの組成の決定
ポリカーボネートジオールの組成を以下のとおり決定した。まず、100mlのナスフラスコに、サンプルを1g測り取り、エタノール30g、水酸化カリウム4gを入れて、混合物を得た。得られた混合物を100℃のオイルバスで1時間加熱した。前記混合物を室温まで冷却後、指示薬としてフェノールフタレインを前記混合物に1〜2滴添加し、塩酸で中和した。その後、前記混合物を冷蔵庫で3時間冷却し、沈殿した塩を濾過で除去した後、濾液をガスクロマトグラフィー(GC)分析した。なお、GC分析は、カラムとしてDB−WAX(米国J&W社製)30m、膜厚0.25μmを付けたガスクロマトグラフィーGC14B(島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内部標準として用い、検出器に水素炎イオン化検出器(FID)を用いて行った。カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温するプロファイルとした。GC分析により得られたジオールの面積値を元に、ポリカーボネートジオールの組成を決定した。
繰り返し単位Cの割合(モル%)=E÷F×100 (4)
D:GC分析で得られた2−メチル−1,3−ジオールのモル数
E:GC分析で得られた下記式(D)で表されるジオールのモル数
F:GC分析で得られたジオールを含むアルコールのモル数の総和
4.ポリカーボネートジオールの数平均分子量の決定
ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、無水酢酸とピリジンとを用い、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定する「中和滴定法(JIS K0070−1992)」によって水酸基価(OH価)を決定し、下記式(5)を用いて計算した。
5.塗膜の評価
(1)耐汗性
ポリカーボネートジオールを用いて得られた塗膜に、0.1gのオレイン酸を付着させ、20℃で4時間放置し、試験体の外観を目視で評価した。JISK5600−8−1に準じて欠陥の程度及び量を等級0〜5で表し、耐汗性とした。
(2)耐磨耗性
JIS K5600−5−8の方法に準じ、テーバー型磨耗試験機を用い測定した。磨耗試験前の重量と磨耗試験(500回転)後の塗膜板の重量変化を測定し表記した。
(3)透明性
ポリカーボネートジオールから得られた塗膜を、90℃の蒸留水に1週間浸漬した。その後、塗膜から水分を拭き取り、23℃、50%RHの恒温室で塗膜を3日間養生した。JIS K 7105の方法に準じて、浸漬前後の塗膜の全光線透過率を求め、下記式(6)から塗膜の透明性を求めた。
透明性(%)=(浸漬後の塗膜の全光線透過率)÷浸漬前の塗膜の全光線透過率×100
(6)
6.熱可塑性ポリウレタンの分子量と物性評価
(1)数平均分子量と重量平均分子量、
標準ポリスチレンについて得た較正曲線を用いてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により行なった。
(2)耐油性
厚さ0.07〜0.10mmのポリウレタンフィルムを形成し、該フィルムを45℃のオレイン酸(試薬1級)に1週間浸漬し、膨潤度を測定して、耐油性の指標とした。膨潤率は、下記式(7)により計算した。
(3)フィルムの平滑性
ポリカーボネートジオールを用いて得られたポリウレタンフィルムについて、レーザー顕微鏡(オリンパス製、OLS4100)を用いて表面の凸凹の振幅(μm)を求めた。
7.原料ジオールの純度分析
ジオール原料として用いた2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール及び1,6−ヘキサンジオールをガスクロマトグラフィーで分析した。条件は、カラムとしてDB−WAX(J&W製)をつけたガスクロマトグラフィーGC−14B(島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内標として、検出器をFIDとして行った。なお、カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温した。
〔参考例1〕
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコにジメチルカーボネートを730g(8.1mol)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを400g(4.4mol)、1,4−ブタンジオールを390g(4.3mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.11gを加え、常圧で撹拌し、90〜160℃まで温度を上げながら、生成するメタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去して20時間反応を行った。その後、17kPaまで減圧し、メタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら、160℃でさらに12時間反応した。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。
〔実施例2〕
参考例1に示す装置を用いて重合を行った。エチレンカーボネートを750g(8.5mol)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを380g(4.2mol)、1,4−ブタンジオールを390g(4.3mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.11gを加え、常圧で攪拌・加熱した。反応温度を160℃まで徐々に上げ、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートとの混合物を留去しながら20時間反応を行った。その後、15kPaまで減圧し、ジオールとエチレンカーボネートとを留去しながら、160℃でさらに12時間反応した。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。また、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの量は、1.2重量%であった。
〔参考例3〕
参考例1に示す装置を用いて重合を行った。ジメチルカーボネートを820g(9.1mol)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを540g(6.0mol)、1,4−ブタンジオールを290g(3.2mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.12gを加え、常圧で撹拌し、90〜190℃まで温度を上げながら、生成するメタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去して15時間反応を行った。その後、17kPaまで減圧し、メタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら、190℃でさらに10時間反応した。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。
〔参考例4〕
ジメチルカーボネートの量を850g(9.4mol)とした以外は、参考例3に示す方法で重合を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。
〔参考例5〕
参考例1に示す装置を用いて重合を行った。ジエチルカーボネートを920g(7.8mol)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを330g(3.6mol)、1,4−ブタンジオールを400g(4.4mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.12gを加え、常圧で撹拌し、90〜160℃まで温度を上げながら、生成するエタノールとジエチルカーボネートとの混合物を留去して20時間反応を行った。その後、17kPaまで減圧し、エタノールとジエチルカーボネートとの混合物を留去しながら、160℃でさらに12時間反応した。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。
〔参考例6〕
参考例1に示す装置を用いて重合を行った。ジエチルカーボネートを880g(7.5mol)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを700g(7.8mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.12gを加え、常圧で撹拌し、90〜160℃まで温度を上げながら、生成するエタノールとジエチルカーボネートとの混合物を留去して20時間反応を行った。その後、17kPaまで減圧し、エタノールとジエチルカーボネートとの混合物を留去しながら、160℃でさらに12時間反応した。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。
〔参考例7〕
エチレンカーボネートの量を680g(7.7mol)、2−メチル−1,3−プロパンジオールの量を200g(2.2mol)、1,4−ブタンジオールの量を500g(5.6mol)、チタンテトラブトキシドの量を0.10gとした以外は、実施例2の方法で重合を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。
〔参考例8〕
エチレンカーボネートの量を760g(8.6mol)、2−メチル−1,3−プロパンジオールの量を300g(3.3mol)、1,4−ブタンジオールの量を480g(5.3mol)、チタンテトラブトキシドの量を0.12gとした以外は、実施例2の方法で重合を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。
〔参考例9〕
参考例1に示す装置を用いて重合を行った。ジメチルカーボネートを720g(8.0mol)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを400g(4.4mol)、1,5−ペンタンジオールを430g(4.1mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.12gを加え、常圧で撹拌し、90〜160℃まで温度を上げながら、生成するメタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去して20時間反応を行った。その後、17kPaまで減圧し、メタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら、160℃でさらに12時間反応した。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。
〔参考例10〕
1,5−ペンタンジオール430g(4.1mol)を1,6−ヘキサンジオール480g(4.1mol)とした以外は、参考例9に示す方法で重合を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。得られたポリカーボネートジオールを透明のサンプル瓶に入れ、室温20℃で、瓶を傾けたところ、5秒後に液面が移動し始め、流動性が確認できた。
〔参考例11〕
1,5−ペンタンジオール430g(4.1mol)を3−メチル−1,5−ペンタンジオール480g(4.1mol)とした以外は、参考例9に示す方法で重合を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。
〔参考例12〕
1,5−ペンタンジオール430g(4.1mol)を1,4−シクロヘキサンジメタノール500g(3.4mol)とし、ジメチルカーボネートの量を670g(7.4mol)とした以外は、参考例9に示す方法で重合を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。得られたポリカーボネートジオールを透明のサンプル瓶に入れ、室温20℃で、瓶を傾けて流動性を確認したが、15秒後も液面は殆ど移動せず、流動性は確認できなかった。
〔比較例1〕
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコを用い、2−メチル−1,3−プロパンジオールを精製した。純度は99.8重量%であり、2−メチル−1,3−ペンタンジオールが0.1重量%であり、0.1重量%は複数の不明ピークであった。精製した2−メチル−1,3−プロパンジオールを用いた以外は、実施例2の方法で重合を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。
〔比較例2〕
参考例1に示す装置を用いて重合を行った。ジメチルカーボネートを850g(9.4mol)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを540g(6.0mol)、1,4−ブタンジオールを290g(3.2mol)、1,4−シクロヘキサンジオールを5g(0.04mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.12gを加え、常圧で撹拌し、90〜190℃まで温度を上げながら、生成するメタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去して15時間反応を行った。その後、17kPaまで減圧し、メタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら、200℃でさらに8時間反応した。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。
〔比較例3〕
エチレンカーボネートを800g(9.1mol)、2−メチル−1,3−プロパンジオールを40g(0.4mol)、1,4−ブタンジオールを780g(8.7mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.12gを加え、実施例2に示す方法で重合を行った。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1にまとめる。
ポリカーボネートジオールPC−1を40g、レベリング剤としてBYK−331(BYKケミカル製)を0.75g、顔料としてCR−50(石原産業製、平均粒径0.25μm)を5g、シンナー(キシレン/酢酸ブチル=70/30(重量比))に2重量%となるように溶解したジブチルスズジラウレート溶液を1.25g、並びにシンナーを40g混ぜて撹拌し、塗料主剤を得た。得られた塗料主剤に、硬化剤として有機ポリイソシアネート(デュラネートTPA−100、旭化成ケミカルズ製、イソシアネート(NCO)含量:23.1%)を7.5g加えて、塗布液を調製した。該塗布液を、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂板上に塗布し、室温で2時間シンナーを飛ばした後、80℃で2時間加熱硬化させて塗膜を得た。塗膜を評価し、その結果を表2に示した。
[応用例2並びに参考応用例3〜11]
ポリカーボネートジオールとして、PC−2〜11を用いた以外は、参考応用例1と同様にして塗布液を調製した。該塗布液を用いた以外は、参考応用例1と同様にして塗膜を得た。塗膜を評価し、その結果を表2に示した。
[比較応用例1〜3]
ポリカーボネートジオールとして、PC−21〜23を用いた以外は、参考応用例1と同様にして塗布液を調製した。該塗布液を用いた以外は、参考応用例1と同様にして塗膜を得た。塗膜を評価し、その結果を表2に示した。
ポリカーボネートジオール(PC−1)を200g、ヘキサメチレンジイソシアネート64.2gを攪拌装置、温度計、冷却管の付いた反応器に仕込み、100℃で4時間反応させて末端NCOのプレポリマーを得た。該プレポリマーに鎖延長剤として1,4−ブタンジオール27.0g、触媒としてジブチルスズジラウリレート0.01gを加えてニーダー内蔵のラボ用万能押出機(日本国(株)笠松化工研究所製のLABO用万能押出機KR−35型)を用い140℃で60分反応を行った後、押出し機にてペレットとした。得られた熱可塑性ポリウレタンのGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び物性の評価結果を表3に示した。
[応用例13並びに参考応用例14〜22]
ポリカーボネートジオールとして、PC−2〜11を用いた以外は、参考応用例12に示す方法で熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンのGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び物性の評価結果を表3に示した。
[比較応用例4〜6]
ポリカーボネートジオールとして、PC−21〜23を用いた以外は、参考応用例12に示す方法で熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンについて、GPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び物性の評価結果を表3に示した。
Claims (4)
- 下記式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを含むポリカーボネートジオールであって、式(A)で表される繰り返し単位の90〜100モル%が、下記式(B)及び/又は下記式(C)で表される繰り返し単位であり、式(A)で表される繰り返し単位の45〜80モル%は式(B)で表される繰り返し単位であり、下記式(1)で算出される1級末端OH比率が99.0〜99.8%であり、下記式(1)で算出される1級末端OH比率と下記式(2)で算出される2級末端OH比率との和が、99.5%〜100%であるポリカーボネートジオール。
(末端OH比率の算出方法;
ポリカーボネートジオールを0.4kPa以下の圧力下、160℃〜200℃の温度に加熱して、得られる初期留分をガスクロマトグラフィー分析して、得られるクロマトグラフのピーク面積の値から、下記式(1)及び(2)により末端OH比率を算出する。
1級末端OH比率(%)=B÷A×100 (1)
2級末端OH比率(%)=C÷A×100 (2)
A:ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和
B:両末端が1級水酸基であるジオールのピーク面積の総和
C:少なくとも1つの2級水酸基を持つジオールのピーク面積の総和 - 前記式(A)で表される繰り返し単位の90〜100モル%が、前記式(B)及び/又は下記式(C)で表される繰り返し単位であり、式(A)で表される繰り返し単位の5〜55モル%が、式(C)で表される繰り返し単位である請求項1に記載のポリカーボネートジオール。
- 請求項1又は2に記載のポリカーボネートジオールとポリイソシアネートとから得られる熱可塑性ポリウレタン。
- 請求項1又は2に記載のポリカーボネートジオールとポリイソシアネートとを含むコーティング組成物。
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