JP7183054B2 - 塗料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、塗料組成物に関する。
ポリカーボネートジオールは、耐加水分解性、耐光性、耐酸化劣化性及び耐熱性などに優れた素材として知られており、塗料やコーティング組成物の成分として用いられている。
例えば、高硬度で耐擦性に優れると共に、親水性に優れ、塗料、コーティング剤、合成・人工皮革、高機能エラストマー用途等に有用なポリカーボネート系ポリウレタンを与える新規ポリカーボネートジオールと、このポリカーボネートジオールを原料とするポリウレタンとが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、塗膜の傷に対する自己修復性と耐久性とを両立するとともに、外装塗膜として必要不可欠な耐水性、耐汚染性及び耐候性などの諸特性に優れる、アクリル樹脂と、脂肪族有機ジイソシアネートとポリカーボネートジオールとの反応により得られたアロファネート基含有ポリイソシアネートと、添加剤とを組み合わせることによって自己修復型形成性コーティング組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、耐擦り傷性トップコート材料として用いることが出来る、脂肪族オリゴカーボネートポリオール、ヒドロキシ官能ポリアクリレートポリオール、及びOH反応性(ポリ)イソシアネート架橋剤を含有する塗料組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2012-72350号公報 特開2012-107101号公報 特開2007-16231号公報
しかしながら、特許文献1~3に記載されている技術では、高い傷回復性と耐汚染性とを共に有する塗膜を得ることができない。
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、高い傷回復性と耐汚染性とを併せ持つ塗膜を得ることが出来る塗料組成物を提供することである。
すなわち、本発明の構成は以下のとおりである。
[1]
下記成分α、下記成分β及び下記成分γを含む塗料組成物;
成分α:下記式(A)及び(B)で表される繰り返し単位と末端水酸基とを含むポリカーボネートジオールであって、式(A)及び(B)で表される繰り返し単位のモル比(式(A)で表される繰り返し単位/式(B)で表される繰り返し単位)が1/99~100/0であり、平均炭素数が3.0~4.0であるポリカーボネートジオール、
Figure 0007183054000001
Figure 0007183054000002
(式(B)中、Rは、2-メチル-1,3-プロパンジオールに由来するアルキレン基を除く、炭素数4~15の二価の脂肪族炭化水素を表す。)
成分β;成分α以外のポリオール、
成分γ;有機ポリイソシアネート。
[2]
上記式(B)で表される繰り返し単位が、下記式(C)で表される繰り返し単位である、[1]に記載の塗料組成物。
Figure 0007183054000003
(式(C)中、nは、4~12の整数を表す。)
[3]
上記成分α及び成分βの合計質量に対して、成分βを50質量%以上95質量%以下含有する、[1]又は[2]に記載の塗料組成物。
本発明の塗料組成物は、高い傷回復性と耐汚染性とを併せ持つ塗膜を得ることが出来る。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は本発明の例示であり、本発明は以下の内容に限定されない。そして、本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
<塗料組成物>
本実施形態の塗料組成物は、下記成分α、下記成分β及び下記成分γを含む。
成分αは、特定のポリカーボネートジオールである。
成分βは、成分α以外のポリオール(以下、「その他のポリオール成分」と称する場合がある)である。
成分γは、有機ポリイソシアネートである。
本実施形態の塗料組成物は、下記に示す構成の成分α、成分β及び成分γを含むことにより、高い傷回復性と耐汚染性とに優れた塗膜を形成することができる。これら各成分について、以下に詳細を説明する。
<成分α:ポリカーボネートジオール>
本実施形態の塗料組成物に含まれるポリカーボネートジオール(成分α)は、下記式(A)及び(B)で表される繰り返し単位と末端水酸基とを含むポリカーボネートジオールを含む。
Figure 0007183054000004
Figure 0007183054000005
(式(B)中、Rは、2-メチル-1,3-プロパンジオールに由来するアルキレン基を除く、炭素数4~12の二価の脂肪族炭化水素を表す。)
本実施形態に用いるポリカーボネートジオール(成分α)は、上記式(A)及び(B)で表される繰り返し単位と末端水酸基とを含むポリカーボネートジオールを50~100質量%含むことが好ましい。上記ポリカーボネートジオールの含有量が50質量%以上であれば、耐汚染性に優れる塗膜を得ることが出来る。上記ポリカーボネートジオールの含有量が70~100質量%の場合、塗膜の耐汚染性が高くなるので好ましく、90~100質量%の場合はさらに好ましい。
本実施形態に用いるポリカーボネートジオールは、上記式(A)で表される繰り返し単位を有する。この繰り返し単位は、カーボネート結合間の炭素数が3と少なく、さらに、メチレン基の側鎖を有する構造のため、本実施形態の塗料組成物は、この繰り返し単位を含むポリカーボネートジオールを用いることにより、耐汚染性と傷回復性とを有する塗膜を得ることが出来る。
さらに、本実施形態に用いるポリカーボネートジオールは、上記式(B)で示す繰り返し単位を有することが出来る。上記式(A)及び(B)で表される繰り返し単位のモル比(以降、「繰り返し単位比」と称する場合がある。)は、式(A)で表される繰り返し単位/式(B)で表される繰り返し単位で、1/99~100/0である。本実施形態の塗料組成物は、繰り返し単位比がこの範囲にあれば、耐汚染性と傷回復性とを有する塗膜を得ることが出来る。繰り返し単位比が、20/80~100/0である場合、得られる塗膜の耐汚染性が向上し好ましい。30/70~100/0である場合、さらに好ましい。
上記式(B)で表される繰り返し単位が、下記式(C)で表される繰り返し単位である場合、傷回復性と耐汚染性とを併せ持つ塗膜を得ることが出来るので好ましい。下記式(C)に置いて、nの値が4~6の場合、さらに好ましい。
Figure 0007183054000006
(式(C)中、nは、4~12の整数を表す。)
本実施形態に用いるポリカーボネートジオールにおいて、繰り返し単位の平均炭素数が3.0以上4.0以下である。平均炭素数が3.0以上であれば、傷回復性を有する塗膜が得られ、4.0以下であれば、耐汚染性を有する塗膜が得られる。平均炭素数が3.2以上3.8以下の場合、同じ理由でさらに好ましい。当該平均炭素数を前記範囲内に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、原料ジオールの組み合わせとその割合で制御する方法が挙げられる。具体的には、例えば、2-メチルー1,3-プロパンジオール(式(A)で表される繰り返し単位)を必須の原料ジオールとして、式(B)で表される繰り返し単位となる原料ジオールを選択し、その仕込み比から、得られるポリカーボネートジオールの平均炭素数を制御する方法が挙げられる。
なお、本実施形態における平均炭素数は後述の実施例に示す方法で求める。
本実施形態に用いるポリカーボネートジオールについては、より良好な取扱い性を確保する観点から、製造された状態あるいは周囲条件の雰囲気下で放置された後に、常温で液状であることが好ましい。本実施形態における「液状」とは、透明でかつ流動性を有する状態を意味する。つまり、80℃に加熱し、次いで透明容器に入れて当該容器の前方から観察した際に、後方の景色を視認できる状態であり、かつ当該透明容器を傾けた際に、僅かであっても流動性を示す状態を意味する。また、本実施形態における「常温で液状」とは、例えば15℃以上30℃以下の温度範囲のいずれかの温度において液状であることを意味する。本実施形態に用いるポリカーボネートジオールは、10℃以上で液状であることが好ましく、さらには5℃以上で液状であることが好ましい。
本実施形態に用いるポリカーボネートジオールの数平均分子量は、300以上3000以下であることが好ましい。上記数平均分子量が300以上であれば、得られる塗膜の傷回復性がより良好なものとなる傾向にある。また、上記数平均分子量が3000以下であれば、塗料固形分濃度などの制限が緩和される傾向にある。同様の観点から、上記数平均分子量は、450以上2000以下であることが好ましく、700以上1500以下が最も好ましい。
本実施形態で用いるポリカーボネートジオールの製造方法は、特に限定されない。例えば、Schnell著、ポリマー・レビューズ第9巻、p9~20(1994年)に記載される種々の方法で製造することができる。
本実施形態に用いるポリカーボネートジオールは、2-メチル-1,3-プロパンジオールをジオール原料として用いることができる。上記のジオールに加え、1,4-ブタンジオールと1,5-ペンタンジオールと1,6-ヘキサンジオール1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-ドデカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオールなどの側鎖を持たないジオール、2-メチル-1、8-オクタンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチルー1、5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチルー1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチルー1,3-プロパンジオールなどの側鎖を持ったジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパンなどの環状ジオールから、1種類又は2種類以上のジオールを原料として用いてもよい。それらのジオールの量は、本願の平均炭素数を満たす範囲で限定されるものではない。
さらに、本実施形態に用いるポリカーボネートジオールの性能を損なわない範囲で、1分子に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどを用いることもできる。この1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物をあまり多く用いると、ポリカーボネートの重合反応中の架橋によるゲル化を効果的に防止する観点から、上記1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物の使用量を調整することが好ましい。すなわち、1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物を用いる場合であっても、当該化合物は、用いる1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールの合計モル数に対し、0.1モル%以上5モル%以下にするのが好ましい。同様の観点から、この割合は0.1モル%以上1モル%以下であることがより好ましい。
本実施形態に用いるポリカーボネートジオールの原料となるカーボネートとしては、特に限定されないが、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、1,2-プロピレンカーボネート、1,2-ブチレンカーボネート、1,3-ブチレンカーボネート、1,2-ペンチレンカーボネートなどのアルキレンカーボネートなどが挙げられる。これらの内から1種又は2種以上のカーボネートを原料として用いることができる。入手のしやすさや重合反応の条件設定のしやすさの観点より、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネートを用いることが好ましい。
本実施形態に用いるポリカーボネートジオールの製造に際しては、触媒を添加してもよいし、添加しなくてもよい。触媒を添加する場合は、通常のエステル交換反応触媒から自由に選択することができる。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、イットリビウムなどの金属、塩、アルコキシド、有機化合物が用いられる。特に好ましいのは、チタン、スズ、鉛、マグネシウム、イットリビウムの化合物である。また、触媒の使用量は、通常、得られるポリカーボネートジオール質量に対して0.00001質量%以上0.1質量%以下とすることができる。
本実施形態に用いるポリカーボネートジオールの製造方法に際しては、2段階に分けて行うことができる。例えば、ジオールとカーボネートとをモル比(ジオール:カーボネート)で20:1~1:10の割合で混和し、常圧又は減圧下、100℃以上300℃以下で1段目の反応を行う。カーボネートとしてジメチルカーボネートを用いる場合、生成するメタノールをジメチルカーボネートとの混合物として除去して低分子量コポリカーボネートジオールを得ることができる。カーボネートとしてジエチルカーボネートを用いる場合、生成するエタノールをジエチルカーボネートとの混合物として除去して低分子量コポリカーボネートジオールを得ることができる。また、カーボネートとしてエチレンカーボネートを用いる場合、生成するエチレングリコールをエチレンカーボネートとの混合物として除去して低分子量コポリカーボネートジオールを得ることができる。次いで、2段目の反応は、減圧下、160℃以上250℃以下で加熱して、未反応のジオールとカーボネートを除去するとともに、低分子量コポリカーボネートジオールを縮合させて、所定の分子量のコポリカーボネートジオールを得ることができる。
<成分β:成分α以外のポリオール成分>
本実施形態の塗料組成物は、主剤であるポリオールとして、上記ポリカーボネートジオール(成分α)に加えて、更に、その他のポリオール成分(成分β)を含有する。
本実施形態の塗料組成物は、前記成分α及び前記成分βの合計質量に対して、成分βを1質量%以上97質量%以下含有することが好ましく、30質量%以上95質量%以下含有することがより好ましい。前記成分α及び前記成分βの合計質量に対して、成分βの含有量が、30質量%以上であれば、塗膜の耐汚染性が得られ、95質量%以下であれば、塗膜の傷回復性が得られる。さらに、前記成分α及び前記成分βの合計質量に対して、成分βを、50質量%以上95質量%以下含有することで、高い耐汚染性と傷回復性とを併せ持つ塗膜が得られるのでさらに好ましく、55質量%以上90質量%以下含有することが特に好ましい。
なお、ここで言う成分α及び成分βの質量はポリオールとしての質量であり、例えば溶剤の溶解したポリオールを用いる場合は、その固形分の質量に相当する。
その他のポリオール成分(成分β)としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール等が挙げられ、これらに限定されない。
[ポリエステルポリオール]
ポリエステルポリオールは、特に限定されないが、例えば、二塩基酸の単独又は2種類以上の混合物と、多価アルコールの単独又は2種類以上の混合物とを、縮合反応させることによって得ることができる。
前記二塩基酸としては、特に限定されないが、例えば、コハク酸、アジピン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等のカルボン酸等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチルペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、2-メチロールプロパンジオール、エトキシ化トリメチロールプロパン等が挙げられる。
ポリエステルポリオールの具体的な製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上記の成分を混合し、約160~220℃で加熱することによって、縮合反応を行うことができる。
または、特に限定されないが、例えば、ε-カプロラクトン等のラクトン類を、多価アルコールを用いて開環重合して得られるようなポリカプロラクトン類等もポリエステルポリオールとして用いることができる。
上述の製造方法で得られたポリエステルポリオールは、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及びこれらから得られる化合物等を用いて変性させることができる。中でも、得られる塗膜の耐候性及び耐黄変性等の観点から、ポリエステルポリオールは、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及びこれらから得られる化合物を用いて変性させることが好ましい。
本実施形態の塗料組成物が水分量の多い溶剤を含む場合には、ポリエステルポリオール中の二塩基酸等に由来する一部のカルボン酸を残存させておき、アミン、アンモニア等の塩基で中和することで、ポリエステルポリオールを水溶性又は水分散性の樹脂とすることができる。
[ポリエーテルポリオール]
ポリエーテルポリオールは、特に限定されないが、例えば、以下の(1)~(3)のいずれかの方法等を用いて得ることができる。
(1)触媒を使用して、アルキレンオキシドの単独又は混合物を、多価ヒドロキシ化合物の単独又は混合物に、ランダム又はブロック付加して、ポリエーテルポリオール類を得る方法。
前記触媒としては、特に限定されないが、例えば、水酸化物(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、強塩基性触媒(アルコラート、アルキルアミン等)、複合金属シアン化合物錯体(金属ポルフィリン、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛錯体等)等が挙げられる。
前記アルキレンオキシドとしては、特に限定されないが、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。
(2)ポリアミン化合物にアルキレンオキシドを反応させて、ポリエーテルポリオール類を得る方法。
前記ポリアミン化合物としては、特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン類等が挙げられる。
前記アルキレンオキシドとしては、特に限定されないが、(1)で例示されたものと同様のものが挙げられる。
(3)(1)又は(2)で得られたポリエーテルポリオール類を媒体としてアクリルアミド等を重合して、いわゆるポリマーポリオール類を得る方法。
前記多価ヒドロキシ化合物としては、特に限定されないが、例えば、以下の(i)~(vi)に示すものが挙げられる。
(i)ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等。
(ii)エリトリトール、D-トレイトール、L-アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等の糖アルコール系化合物。
(iii)アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類。
(iv)トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース等の二糖類。
(v)ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトース等の三糖類。
(vi)スタキオース等の四糖類。
[アクリルポリオール]
アクリルポリオールは、特に限定されないが、例えば、一分子中に1個以上の活性水素を有する重合性モノマーのみを重合させる、又は、一分子中に1個以上の活性水素を有する重合性モノマーと、必要に応じて、当該重合性モノマーと共重合可能な他のモノマーとを、共重合させることによって得ることができる。
前記一分子中に1個以上の活性水素を有する重合性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、以下の(i)~(vi)に示すものが挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(i)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-2-ヒドロキシブチル等の活性水素を有するアクリル酸エステル類。
(ii)メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-2-ヒドロキシブチル、メタクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-4-ヒドロキシブチル等の活性水素を有するメタクリル酸エステル類。
(iii)グリセリンやトリメチロールプロパン等のトリオールの(メタ)アクリル酸モノエステル等の多価活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類。
(iv)ポリエーテルポリオール類(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等)と上記の活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類とのモノエーテル。
(v)グリシジル(メタ)アクリレートと一塩基酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、p-tert-ブチル安息香酸等)との付加物。
(vi)上記の活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類の活性水素にラクトン類(例えば、ε-カプロラクトン、γ-バレロラクトン等)を開環反応させることにより得られる付加物。
前記重合性モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、以下の(i)~(iv)に示すものが挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(i)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸-n-ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸-n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸-n-ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸エステル類。
(ii)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類、アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド類。
(iii)ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するビニルモノマー類。
(iv)スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリルニトリル、フマル酸ジブチル等のその他の重合性モノマー。
アクリルポリオールの具体的な製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上記のモノマーを、公知の過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合し、必要に応じて有機溶剤等で希釈することによって、アクリルポリオールを得ることができる。
本実施形態の塗料組成物が水分量の多い溶剤を含む場合には、上記のモノマーを溶液重合し、水層に転換する方法や乳化重合などの公知の方法で製造することができる。その場合、アクリル酸、メタアクリル酸等のカルボン酸含有モノマーやスルホン酸含有モノマー等の酸性部分を、アミンやアンモニアで中和することによって、アクリルポリオールに水溶性又は水分散性を付与することができる。
[ポリオレフィンポリオール]
ポリオレフィンポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水酸基を2個以上有する水素添加ポリブタジエン、水酸基を2個以上有するポリイソプレン、水酸基を2個以上有する水素添加ポリイソプレン等が挙げられる。
また、ポリオレフィンポリオールの統計的1分子が持つ水酸基数(以下、「水酸基平均数」と称する場合がある)は、2以上であることが好ましい。
[フッ素ポリオール]
本明細書において、「フッ素ポリオール」とは、分子内にフッ素を含むポリオールを意味する。フッ素ポリオールとして具体的には、特に限定されないが、例えば、特開昭57-34107号公報(参考文献1)、特開昭61-275311号公報(参考文献2)等で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体等が挙げられる。
その他のポリオール成分(成分β)としては、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオールであれば、耐汚染性を有する塗膜が得られるので好ましく、アクリルポリオールであればさらに好ましい。
<成分γ:有機ポリイソシアネート>
本実施形態の塗料組成物に含まれる有機ポリイソシアネートは、塗料組成物の硬化剤として働くものであれば特に制限されず、末端にイソシアネート基を2個以上有するものを用いる。
このような有機ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、鎖状脂肪族ジイソシアネート、環状脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、及び、3個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、並びに、これらのイソシアネート化合物のイソシアヌレート化変性品、及び、ビウレット化変性品等が挙げられる。
鎖状脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
環状脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート及びナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
3個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、トリフェニルメタン-4,4’-4’’-トリイソシアネート、1,3,5-トリイソシアナトベンゼン、2,4,6-トリイソシアナトトルエン及び4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’-テトライソシアネート等が挙げられる。
有機ポリイソシアネートは市販のものを用いてもよく、公知の方法を用いて合成してもよい。
有機ポリイソシアネートの市販品としては、特に限定されないが、例えば、24A-100、22A-75P、TPA-100、TKA-100、P301-75E、D101、D201、21S-75E、MFA-75B、MHG-80B、TUL-100、TLA-100、TSA-100、TSS-100、TSE-100、E402-80B、E405-80B、AE700-100、A201H、17B-60P、TPA-B80E、MF-B60B、MF-K60B、SBB-70P、SBN-70D、E402-B80B、WB40-100、WT30-100、WT31-100、WB40-80D、WT20-100、WL70-100、WE50-100、WM44-L70G等の旭化成株式会社製の「デュラネート(商品名)」シリーズ等が挙げられる。
本実施形態の塗料組成物において、有機ポリイソシアネート(成分γ)の含有量は、主剤であるポリオールの水酸基のモル量に応じて、適宜に調整すればよい。具体的には、ポリオールの水酸基に対する、有機ポリイソシアネート(成分γ)のイソシアネート基のモル比(NCO/OH)は、例えば0.2以上5.0以下とすることができ、例えば0.4以上3.0以下とすることができ、例えば0.5以上2.0以下とすることができる。NCO/OHが上記下限値以上であると、より強靱な塗膜が得られる傾向にある。一方、NCO/OHが上記上限値以下であると、塗膜の平滑性がより向上する傾向にある。
<有機溶剤>
本実施形態の塗料組成物に、有機溶剤を使用することが出来る。有機溶剤は、塗料組成物の溶剤として働くものであればよい。
有機溶剤として具体的には、特に限定されないが、例えば、アミド系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、炭酸エステル溶媒、芳香族炭化水素系溶剤等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等が挙げられる。
スルホキシド系溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、特に限定されないが、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコール1-モノメチルエーテル2-アセタート等が挙げられる。
炭酸エステル溶媒としては、特に限定されないが、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
これらの有機溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上の混合溶媒として用いてもよい。
中でも、本実施形態の塗料組成物に含まれる有機溶剤としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコール1-モノメチルエーテル2-アセタート、トルエン、及び、キシレンからなる群より選択される1種以上が好ましい。
本実施形態の塗料組成物中の有機溶剤の含有量は、塗料組成物の総質量に対して、例えば10質量%以上90質量%以下とすることができ、例えば15質量%以上70質量%以下とすることができ、例えば20質量%以上50質量%以下とすることができる。
<その他添加剤>
本実施形態の塗料組成物は、上記成分α、上記成分β、及び、上記成分γに加えて、各種用途に応じて硬化促進剤(触媒)、充填剤、難燃剤、染料、有機又は無機顔料、離型剤、流動性調整剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、消泡剤、レベリング剤、着色剤等のその他添加剤を含有してもよい。
硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、モノアミン、ジアミン、その他トリアミン、環状アミン、アルコールアミン、エーテルアミン、金属触媒等の一般的に用いられるものが挙げられる。
モノアミンとしては、特に限定されないが、例えば、トリエチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
ジアミンとしては、特に限定されないが、例えば、テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
アルコールアミンとしては、特に限定されないが、例えば、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。
金属触媒としては、特に限定されないが、例えば、酢酸カリウム、2-エチルへキサン酸カリウム、酢酸カルシウム、オクチル酸鉛、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫、ビスマスネオデカノエート、ビスマスオキシカーボネート、ビスマス2-エチルヘキサノエート、オクチル酸亜鉛、亜鉛ネオデカノエート、ホスフィン、ホスホリン等が挙げられる。
充填剤、染料、有機又は無機顔料、及び、着色剤としては、特に限定されないが、例えば、織布、ガラス繊維、炭素繊維、ポリアミド繊維、雲母、カオリン、ベントナイト、金属粉、アゾ顔料、カーボンブラック、クレー、シリカ、タルク、石膏、アルミナ白、炭酸バリウム等の一般的に用いられているものが挙げられる。
難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、無機難燃剤、芳香族臭素化合物、リン系難燃剤等が挙げられる。
無機難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛等が挙げられる。
芳香族臭素化合物としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルエタン、4,4-ジブロモビフェニル、エチレンビステトラブロモフタルイミド等が挙げられる。
リン系難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、レゾルシノールビス-ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス-ジキシレニルホスフェート等が挙げられる。
離型剤、流動性調整剤及びレベリング剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン、エアロジル、ワックス、ステアリン酸塩、BYK-331(BYKケミカル社製)のようなポリシロキサン等が用いられる。
可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸エステル類、燐酸エステル類、脂肪酸エステル類、ピロメリット酸エステル、エポキシ系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤、液状ゴム、非芳香族系パラフィンオイル等が挙げられる。
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤及び熱安定剤としては特に限定されないが、例えば、リン化合物、フェノール系誘導体、硫黄を含む化合物、スズ系化合物を用いることができる。これらは単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
リン化合物としては、特に限定されないが、例えば、燐酸及び亜燐酸の脂肪族基及び芳香族基置換芳香族エステル並びに次亜燐酸誘導体等が挙げられる。リン化合物として具体的には、特に限定されないが、例えば、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、ジアルキルビスフェノールAジホスファイト等が挙げられる。
フェノール系誘導体としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードフェノール化合物等が挙げられる。
硫黄を含む化合物としては、特に限定されないが、例えば、チオエーテル系化合物、ジチオ酸塩系化合物、メルカプトベンズイミダゾール系化合物、チオカルバニリド系化合物、チオジプロピオン酸エステル等が挙げられる。
スズ系化合物としては、特に限定されないが、例えば、スズマレート、ジブチルスズモノオキシド等が挙げられる。
消泡剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン油、変性シリコーン油、ノニオン界面活性剤、鉱物油等が挙げられる。
シリコーン油としては、特に限定されないが、例えば、高分子量ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
変性シリコーン油としては、特に限定されないが、例えば、アミノ基導入シリコーン油等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。
中でも、本実施形態の塗料組成物は、その他添加剤(成分δ)として、少なくとも酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤及び熱安定剤を含有することが好ましい。
また、本実施形態の塗料組成物は、溶媒、又は、原料に由来する水分を含んでいてもよい。本実施形態の塗料組成物に含まれる水分の含有量は、10質量%以下であることが好ましい。
<塗料組成物の製造方法>
本実施形態の塗料組成物の製造方法としては、上記成分α、上記成分β及び上記成分γ、並びに、必要に応じて有機溶剤及びその他添加剤を混合する方法であれば特に制限されない。本実施形態の塗料組成物の製造方法としては、具体的には、例えば、撹拌機等を用いて、回転数50rpm以上1000rpm以下で、5分間以上60分間以下撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行う方法等が挙げられる。
<塗装方法>
本実施形態の塗料組成物の塗装方法としては、特に限定されないが、例えば、各々の成分を塗装直前に混合した後、スプレー、ロール、はけ等で基材に塗布する方法が用いられる。予め、硬化剤である成分γ以外を混合しておき、塗布直前に成分γを添加し均一に混合した後、塗布する方法も可能である。
<用途>
本実施形態の塗料組成物は、自動車、バス、鉄道車両、建築機械、農業機械、建築物の床や壁や屋根、金属製品、モルタルやコンクリート製品、木工製品、プラスチック製品、ケイ酸カルシウム板や石膏ボード等の窯業系建材等への塗装といった幅広い分野で好適に利用できる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、これらの実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。本実施例中、特に断りがない限り、「部」及び「%」は質量基準に基づくものである。
後述する実施例及び比較例における物性及び評価は、以下に示す方法により測定及び評価した。
1.ポリカーボネートジオールの組成の決定
後述する各合成例で得られたポリカーボネートジオールを1g測り取り、100mLのナスフラスコに、当該ポリカーボネートジオール1g、エタノール30g及び水酸化カリウム4gを入れて、サンプルを調製した。調製したサンプルを、100℃のオイルバスで1時間加熱した。サンプルを室温まで冷却後、指示薬としてフェノールフタレインを1~2滴添加し、塩酸で中和した。サンプルを冷蔵庫で3時間冷却し、沈殿した塩を濾過で除去した後、ガスクロマトグラフィー(GC)分析した。なお、GC分析は、カラムとしてDB-WAX(米国J&W社製)30m、膜厚0.25μmを付けたガスクロマトグラフィーGC14B(島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内部標準として用い、検出器に水素炎イオン化検出器(FID)を用いて行った。カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温するというプロファイルとした。
GC分析における各ピークの同定は、下記GC-MS装置を用いて行った。GC装置は、カラムとしてDB-WAX(米国J&W社製)を付けた6890(米国ヒューレット・パッカード製)を用いた。GC装置において、初期温度40℃から昇温速度10℃/minで220℃まで昇温した。MS装置は、Auto-massSUN(日本JEOL製)を用いた。MS装置において、イオン化電圧70eV、スキャン範囲m/z=10~500、フォトマルゲイン450Vで測定した。
上記の方法で得られた、2-メチル-1,3-プロパンジオールとそれ以外の炭素数4~15の脂肪族ジオールとのモル比を元に繰り返し単位比を求めた。
2.ポリカーボネートジオールの平均炭素数の決定
ポリカーボネートジオールの組成の決定で得られたジオールの分析値から、下記式(1)を用いてポリカーボネートジオールの平均炭素数を計算した。
Σ(OH基間の炭素数×そのジオールのモル分率) (1)
例えば、組成分析の結果、ジオールとして2-メチル-1,3-プロパンジオール(30mol%)、1,6-ヘキサンジオール(70mol%)が検出された場合、平均炭素数は、3×0.3+6×0.7で5.1となる。
3.ポリカーボネートジオールの分子量の決定
ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、無水酢酸とピリジンを用い、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定する「中和滴定法(JIS K0070-1992)」によって水酸基価を決定し、下記式(2)を用いて計算した。
数平均分子量=2/(OH価×10-3/56.1) (2)
4.ポリカーボネートジオールの性状の確認
80℃に加熱したポリカーボネートジオールを50mLの透明なガラス製サンプル瓶に入れ、次いで室温まで冷却した。冷却後のポリカーボネートジオールの存在状態を目視で観察した。透明でかつ僅かでも流動性がある場合を液状と、流動性が無い場合を固体として表した。流動性は、サンプル瓶を約45°傾け、約1分間ポリカーボネートジオールの界面を観察することで評価し、界面が移動した場合を流動性ありとした。また、透明性は、上記サンプル瓶を前方から観察した際に、当該サンプル瓶を通して後方の景色を視認できるか否かで評価し、サンプルの全ての部分で後方の景色を視認できる状態を透明とした。
5.塗膜の耐擦り傷性の決定
まず、ガラス板(JIS R3202、2mm×100mm×150mm)の両端に再剥離性の紙製粘着テープをスペーサーとして必要枚数貼り付けた。次いで、後述する実施例及び比較例で得られた各塗料組成物を板の上部に滴下し、乾燥膜厚が45~55μmになるように、ガラス棒(直径8mm)を用いて塗工した。次いで、80℃で1時間焼付け乾燥して、さらに、23℃で50%RHの雰囲気下で7日間養生し、塗膜を得た。
塗膜を用いて、RUBBING TESTER(太平理化工業株式会社製)に、真鍮ブラシ(スタンダード型、3行、アズワン製)を設置し、745g加重で20往復させて擦り傷を付けた。受光角60度、入射角60度に設定した変角光沢計(UGV-6P、スガ試験機株式会社製)を用い、擦り傷を付けた直後の光沢(X1)、23℃で50%RHの雰囲気下で1時間静置した後の耐擦り傷性試験で傷のついた部分の光沢(X2)及び1日間静置した後の耐擦り傷性試験で傷のついた部分の光沢(X3)を測定した。
下記式(3)を用いて、各時間の光沢保持率を計算した。
光沢保持率(%)=(Xn/X0)×100 ・・・(3)
X0:耐擦り傷性試験前の同じ箇所の光沢
Xn:耐擦り傷性試験で傷のついた部分の光沢(X1,X2,X3)
次いで、得られた光沢保持率から、以下の評価基準に基づいて、傷回復性を評価した。なお、透明性(室温)の評価で塗膜が形成できていない場合や、ヘーズの値が1.0以上の塗膜は、再現性のある評価が困難であることから評価不可とした。
(評価基準)
◎:光沢保持率が95%以上であるもの
○:光沢保持率が90%以上95%未満であるもの
△:光沢保持率が75%以上90%未満であるもの
×:光沢保持率が75%未満であるもの、又は、評価不可であるもの
6.塗膜の耐汚染性の決定
主剤にマイテックスGII300白を、硬化剤にマイテックGIIハードナーを用い、アルミ板(JIS H4000、2mm×100mm×150mm)に乾燥膜厚20~30μmで白色塗装して白色板を得た。得られた白色板に、後述する実施例及び比較例で得られた各塗料組成物を塗布して塗膜を得た。カラーメーター(スガ試験機株式会社 SM-P45)を用い、塗膜のL*a*b(E0)を測定した。寺西化学工業株式会社製マジックインキ極太の黒(MGD-T1)及び青(MGD-T3)で、塗膜上に線を引いた。10分後に、ポリ洗瓶に入れたアセトン(試薬1級)を掛けてインキを洗い流した。その後、室温で15分間乾燥させ、カラーメーターを用い、塗膜(インキが塗られていた部分)のL*a*b(E)を測定した。下記式(4)を用いて、色差(ΔE)を求めた。
色差(ΔE)=E-E0 ・・・ (4)
次いで、得られた色差から、下記の判定基準で耐汚染性を評価した。
(評価基準)
◎:色差が2%未満であるもの
○:色差が2%以上5%未満であるもの
△:色差が5%以上20%未満であるもの
×:色差が20%以上であるもの、又は、評価不可であるもの
[合成例1]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備える1Lのガラス製フラスコに、エチレンカーボネート380g(4.3mol)、2-メチル-1,3-プロパンジオール210g(2.3mol)及び1,4-ブタンジオール175g(1.9mol)を仕込んだ。さらに、触媒としてチタンテトライソプロポキシド0.30gを加え、常圧で攪拌・加熱した。次いで、反応温度を150℃から180℃へ徐々に上げながら、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートとの混合物を留去しながら15時間反応を進行させた。その後、14kPaまで減圧し、ジオール及びエチレンカーボネートを留去しながら、180℃でさらに3時間反応させてポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC-1と略する。
[合成例2]
合成例1から、さらに180℃で2時間反応させてポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC-2と略する。
[合成例3]
合成例2から、さらに180℃で2時間反応させてポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC-3と略する。
[合成例4]
合成例3から、さらに180℃で4時間反応させてポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC-4と略する。
[合成例5]
合成例1で示す装置を用いて以下の通り反応を行った。エチレンカーボネート350g(3.9mol)、2-メチル-1,3-プロパンジオール30g(0.3mol)及び1,4-ブタンジオール350g(3.9mol)を仕込んだ。さらに、触媒としてチタンテトライソプロポキシド0.30gを加え、常圧で攪拌・加熱した。次いで、反応温度を150℃から180℃へ徐々に上げながら、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートとの混合物を留去しながら18時間反応を進行させた。その後、14kPaまで減圧し、ジオール及びエチレンカーボネートを留去しながら、180℃でさらに10時間反応させてポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC-5と略する。
[合成例6]
エチレンカーボネート380g(4.3mol)、2-メチル-1,3-プロパンジオール120g(1.3mol)及び1,4-ブタンジオール270g(3.0mol)を仕込み、触媒としてチタンテトライソプロポキシド0.31gを加えた以外は、合成例5の装置を用い、合成例5に示す条件で反応を進行させてポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC-6と略する。
[合成例7]
エチレンカーボネート370g(4.2mol)、2-メチル-1,3-プロパンジオール270g(3.0mol)及び1,4-ブタンジオール105g(1.2mol)を仕込み、触媒としてチタンテトライソプロポキシド0.30gを加えた以外は、合成例5の装置を用い、合成例5に示す条件で反応を進行させてポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC-7と略する。
[合成例8]
エチレンカーボネート370g(4.2mol)及び2-メチル-1,3-プロパンジオール380g(4.2mol)を仕込み、触媒としてチタンテトライソプロポキシド0.30gを加えた以外は、合成例5の装置を用い、合成例5に示す条件で反応を進行させてポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC-8と略する。
[合成例9]
エチレンカーボネート340g(3.8mol)、2-メチル-1,3-プロパンジオール300g(3.3mol)及び1,6-ヘキサンジオール60g(0.5mol)を仕込み、触媒としてチタンテトライソプロポキシド0.28gを加えた以外は、合成例5の装置を用い、合成例5に示す条件で反応を進行させてポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC-9と略する。
[合成例10]
エチレンカーボネート350g(4.0mol)、2-メチル-1,3-プロパンジオール260g(2.9mol)及び3-メチル-1,5-ペンタンジオール105g(1.0mol)を仕込み、触媒としてチタンテトライソプロポキシド0.28gを加えた以外は、合成例5の装置を用い、合成例5に示す条件で反応を進行させてポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC-10と略する。
[合成例11]
エチレンカーボネート290g(3.3mol)、2-メチル-1,3-プロパンジオール260g(2.9mol)及び1,9-ノナンジオール70g(0.4mol)を仕込み、触媒としてチタンテトライソプロポキシド0.25gを加えた以外は、合成例5の装置を用い、合成例5に示す条件で反応を進行させてポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC-11と略する。
[合成例12]
エチレンカーボネート350g(3.9mol)、2-メチル-1,3-プロパンジオール230g(2.6mol)及び1,6-ヘキサンジオール170g(1.4mol)を仕込み、触媒としてチタンテトライソプロポキシド0.30gを加えた以外は、合成例5の装置を用い、合成例5に示す条件で反応を進行させてポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC-12と略する。
[合成例13]
エチレンカーボネート370g(4.2mol)、1,4-ブタンジオール350g(3.9mol)及び1,5-ペンタンジオール40g(0.4mol)を仕込み、触媒としてチタンテトライソプロポキシド0.30gを加えた以外は、合成例5の装置を用い、合成例5に示す条件で反応を進行させてポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC-13と略する。
[合成例14]
エチレンカーボネート340g(3.9mol)、1,5-ペンタンジオール200g(1.9mol)及び1,6-ヘキサンジオール235g(2.0mol)を仕込み、触媒としてチタンテトライソプロポキシド0.31gを加えた以外は、合成例5の装置を用い、合成例5に示す条件で反応を進行させてポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC-14と略する。
Figure 0007183054000007
[実施例1]
アクリルポリオール(Allnex製、「Setalux1152」(商品名)、水酸基価138.6mgKOH/g樹脂、固形分61質量%)を用い、「Setalux1152」(商品名)の樹脂成分に対する合成例1で得られたポリカーボネートジオールPC-1の樹脂成分の質量比(成分α/成分βの質量比)が30/70となるように、且つ、NCO/OHのモル比が1.02となるように、主剤としてポリカーボネートジオールPC-1を2.6g及び「Setalux1152」(商品名)を10g、硬化剤として「TPA-100」(商品名)を6.9g、並びに、溶剤として酢酸ブチルを23.5g、それぞれ量り取って混合した。次いで、得られた混合物を、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌を行って塗料組成物-1を得た。得られた塗料組成物-1を用いて、上記の方法に基づき、評価を行った。結果を下記表2に示す。
[実施例2]
主剤としてポリカーボネートジオールPC-2を2.6g及び「Setalux1152」(商品名)を10g、硬化剤として「TPA-100」(商品名)を6.2g、並びに、溶剤として酢酸ブチルを22.3g、それぞれ量り取って混合した。次いで、得られた混合物を、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌を行って塗料組成物-2を得た。得られた塗料組成物-2を用いて、上記の方法に基づき、評価を行った。結果を下記表2に示す。
[実施例3]
主剤としてポリカーボネートジオールPC-3を2.6g及び「Setalux1152」(商品名)を10g、硬化剤として「TPA-100」(商品名)を5.9g、並びに、溶剤として酢酸ブチルを22.0g、それぞれ量り取って混合した。次いで、得られた混合物を、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌を行って塗料組成物-3を得た。得られた塗料組成物-3を用いて、上記の方法に基づき、評価を行った。結果を下記表2に示す。
[実施例4]
主剤としてポリカーボネートジオールPC-3を2.6g及び「Setalux1152」(商品名)を10g、硬化剤として「TPA-100」(商品名)を5.4g、並びに、溶剤として酢酸ブチルを21.2g、それぞれ量り取って混合した。次いで、得られた混合物を、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌を行って塗料組成物-4を得た。得られた塗料組成物-4を用いて、上記の方法に基づき、評価を行った。結果を下記表2に示す。
[実施例5~11]
主剤としてポリカーボネートジオールPC-5~11を用いた以外は実施例4の方法で塗料組成物-5~11を得た。得られた塗料組成物-5~11を用いて、上記の方法に基づき、評価を行った。結果を下記表2に示す。
[比較例1~3]
主剤としてポリカーボネートジオールPC-12~14を用いた以外は実施例4の方法で塗料組成物-12~14を得た。得られた塗料組成物-12~14を用いて、上記の方法に基づき、評価を行った。結果を下記表2に示す。
参考例1
主剤としてポリカーボネートジオールPC-3を10g及び「Setalux1152」(商品名)を10g(成分α/成分βの質量比:62/38)、硬化剤として「TPA-100」(商品名)を8.9g、並びに、溶剤として酢酸ブチルを37.5g、それぞれ量り取って混合した。次いで、得られた混合物を、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌を行って塗料組成物-15を得た。得られた塗料組成物-15を用いて、上記の方法に基づき、評価を行った。結果を下記表2に示す。
[実施例13]
主剤としてポリカーボネートジオールPC-3を5.7g及び「Setalux1152」(商品名)を10g(成分α/成分βの質量比:48/52)、硬化剤として「TPA-100」(商品名)を7.2g、並びに、溶剤として酢酸ブチルを28.5g、それぞれ量り取って混合した。次いで、得られた混合物を、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌を行って塗料組成物-16を得た。得られた塗料組成物-16を用いて、上記の方法に基づき、評価を行った。結果を下記表2に示す。
[実施例14]
主剤としてポリカーボネートジオールPC-3を4.0g及び「Setalux1152」(商品名)を10g(成分α/成分βの質量比:40/60)、硬化剤として「TPA-100」(商品名)を6.5g、並びに、溶剤として酢酸ブチルを25.0g、それぞれ量り取って混合した。次いで、得られた混合物を、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌を行って塗料組成物-17を得た。得られた塗料組成物-17を用いて、上記の方法に基づき、評価を行った。結果を下記表2に示す。
[実施例15]
主剤としてポリカーボネートジオールPC-3を0.8g及び「Setalux1152」(商品名)を10g(成分α/成分βの質量比:12/88)、硬化剤として「TPA-100」(商品名)を5.2g、並びに、溶剤として酢酸ブチルを18.0g、それぞれ量り取って混合した。次いで、得られた混合物を、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌を行って塗料組成物-18を得た。得られた塗料組成物-18を用いて、上記の方法に基づき、評価を行った。結果を下記表2に示す。
参考例2
主剤としてポリカーボネートジオールPC-3を0.2g及び「Setalux1152」(商品名)を10g(成分α/成分βの質量比:3/97)、硬化剤として「TPA-100」(商品名)を5.0g、並びに、溶剤として酢酸ブチルを17.0g、それぞれ量り取って混合した。次いで、得られた混合物を、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌を行って塗料組成物-19を得た。得られた塗料組成物-19を用いて、上記の方法に基づき、評価を行った。結果を下記表2に示す。
Figure 0007183054000008
本実施形態の塗料組成物は、自動車、バス、鉄道車両、建築機械、農業機械、建築物の床、壁及び屋根、金属製品、モルタル及びコンクリート製品、木工製品、プラスチック製品、ケイ酸カルシウム板及び石膏ボード等の窯業系建材等への塗装といった幅広い分野で好適に利用できる

Claims (2)

  1. 下記成分α、下記成分β及び下記成分γを含み、成分α及び成分βの合計質量に対して、成分βを50質量%以上95質量%以下含有する塗料組成物;
    成分α:下記式(A)及び(B)で表される繰り返し単位と末端水酸基価とを含むポリカーボネートジオールであって、式(A)及び(B)で表される繰り返し単位のモル比(式(A)で表される繰り返し単位/式(B)で表される繰り返し単位)が1/99~100/0であり、平均炭素数が3.0~4.0であるポリカーボネートジオール、
    Figure 0007183054000009
    Figure 0007183054000010
    (式(B)中、Rは、2-メチル-1,3-プロパンジオールに由来するアルキレン基を除く、炭素数4~15の二価の脂肪族炭化水素を表す。)
    成分β;アクリルポリオール
    成分γ;有機ポリイソシアネート。
  2. 上記式(B)で表される繰り返し単位が、下記式(C)で表される繰り返し単位である、請求項1に記載の塗料組成物。
    Figure 0007183054000011
    (式(C)中、nは、4~12の整数を表す。)
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