JP4974342B2 - 水性ポリイソシアネート組成物及びそれを含む水性塗料組成物 - Google Patents

水性ポリイソシアネート組成物及びそれを含む水性塗料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、水性ポリイソシアネート組成物、及びこれを硬化剤とした水性塗料組成物に関する。
ポリイソシアネートを硬化剤とする2液ウレタン系塗料組成物はその塗膜の耐薬品性、かとう性などが優れている。特に、脂肪族、脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネートを使用した場合、更に耐候性に優れるため、その使用は常温硬化性、熱硬化性のそれぞれの形態で、自動車、建築、家電等の塗料として広く用いられている。
一方、近年、地球環境、安全、衛生などの観点から水性塗料が注目されている。建築外装から産業製品、例えば食缶用、コイルコーティング用等の工業塗料に使用されるようになってきた。ポリイソシアネートを硬化剤とした提案に特許文献1、2が挙げられる。しかしながら、特許許文献1、2に例示されているポリイソシアネートには、分散性と架橋性のバランスがとれない場合があった。また、特許文献3、4には原料イソシアネートとして、イソシアネート基平均数が高いポリイソシアネートを利用しているが、この場合には、硬化性は良好であるが、水分散性を持たせた場合、塗膜硬度が低下する場合があった。そのため、水分散性に優れ、かつ高い架橋性、高い塗膜硬度を発現する水性ポリイソシアネートが切望されていた。
特公平8−32851号公報 特開平5−222150号公報 特開平10−060073号公報 特開平11−100426号公報
本発明は、水分散性に優れ、かつ高い架橋性、高い塗膜硬度を発現する水性ポリイソシアネート組成物、及びこれを硬化剤とした水性塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、驚くべきことに、水性2液ウレタン用硬化剤のポリイソシアネートとして特定のイソシアネート基平均数を保持した特定粘度を有するポリイソシアネートを使用することにより、これを含む水性塗料組成物は水分散性に優れ、かつ高い架橋性、高い塗膜硬度を発現するという知見に基づき本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は以下に記載する通りの水性ポリイソシアネート組成物及びこれを含む水性塗料組成物である。
(1)ポリイソシアネートが下記構造式(1)で示されるものであり、下記1)〜4)の条件を全て満たすことを特徴とする、水に溶解または分散しうる水性ポリイソシアネート組成物。
(A)−R−(NCO) ・・・・・ (1)
A:親水基
m:親水基数
n:イソシアネート基数
R:脂肪族ジイソシアネート及び/または脂環族ジイソシネートの少なくとも1種以上から誘導されるポリイソシアネートのイソシアネート基を除く残基
条件:
1)イソシアネー基数の平均数(nM)が2.3〜3.2であり、イソシアネート基数nの平均数(nM)と親水基数mの平均数(mM)とが次の関係を有する。
M/(mM+nM)=0.02〜0.40
2)Rを構成するイソシアヌレート3量体及びウレトジオン2量体が次のa)、b)を満たす
a)イソシアヌレート3量体濃度:60質量%〜95質量%
b)ウレトジオン2量体濃度;2〜25質量%
3)イソシアネート基濃度が10〜24質量%である。
4)25℃における粘度が200〜1000mPa・s
(2)イソシアネート基平均数nが2.4〜3.0であることを特徴とする上記(1)記載の水性ポリイソシアネート組成物。
(3)25℃における粘度が500〜800mPa・sであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の水性ポリイソシアネート組成物。
(4)脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートモノマーがヘキサメチレンジイソシアネートである上記(1)〜(3)に記載の水性ポリイソシアネート組成物。
(5)(A)−R−(NCO)におけるRがモノアルコールから誘導されるアロファネート基/イソシアヌレート基の官能基数比率;1〜20%であることを特徴とする上記(1)〜(4)に記載の水性ポリイソシアネート組成物。
(6)上記(1)〜(5)に記載の水性ポリイソシアネート組成物とポリオールとを含む水性塗料組成物。
本発明の水性ポリイソシアネート組成物は水分散性に優れ、かつ高い架橋性、高い塗膜硬度を発現する塗料組成物を提供できる。
以下に、本発明について詳しく説明する。
本発明の水性ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基平均数nは2.3〜3.2であり、好ましくは2.4〜3.0、より好ましくは2.5〜2.8である。前記値が2.3未満の場合は、これを用いて得られる水性ポリイソシアネート組成物の硬化性が低下する場合があり、3.2を超えると、水への分散性が低下する場合がある。
イソシソシアネート基平均数は以下の式(1)により求められる。
Figure 0004974342
本発明の水性ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基濃度は、10〜24質量%であり、好ましくは12〜22質量%、より好ましくは14〜20質量%である。10質量%未満の場合、形成された塗膜中のウレタン結合濃度が低下しやすく、かとう性が低下する場合があり、24質量%を超える場合、水分散性が低下する場合がある。
本発明の水性ポリイソシアネート組成物の25℃における粘度は200〜1000mPa・sであり、好ましくは400〜900mPa・s、より好ましくは500〜800mPa・sである。200mPa・s未満の場合、架橋性が低下する場合があり、1000mPa・sを超える場合は水分散性、塗膜硬度のバランスがとれない場合がある。
本発明の水性ポリイソシアネート組成物の数平均分子量は400〜1000であり、好ましくは500〜900、より好ましくは500〜800である。400未満ではイソシアネート基平均数が低下しやすく、1000を超えると水分散性、塗膜硬度のバランスがとれない場合がある。
本発明の水性ポリイソシアネート組成物に用いる脂肪族ジイソシアネートモノマーとしては、炭素数4から30のものが好ましく、例えば、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIと言う)2,2,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどがあり、なかでも、工業的入手のしやすさからHDIが好ましい。
本発明の水性ポリイソシアネート組成物に用いる脂環族ジイソシアネートモノマーとしては炭素数8から30のものが好ましく、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIと言う)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどがある。なかでも、耐候性、工業的入手の容易さからIPDIが好ましい。
本発明の水性ポリイソシアネート組成物のRにおける構成成分の1つである、イソシアヌレート3量体とは、ジイソシアネートモノマー3分子からなる、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネートであり、次式で示される。
Figure 0004974342
本発明の水性ポリイソシアネート組成物はポリイソシアネートに親水基を導入することによって得ることができるが、以下では、親水基を導入する前のポリイソシアネートを「前駆体ポリイソシアネート」という。
前駆体ポリイソシアネート組成物中のイソシアヌレート3量体濃度は60〜95質量%である。60質量%未満であると前駆体ポリイソシアネート組成物の粘度が増加し、95質量%を超えると収率が低下する。ジイソシアネートモノマーからイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを誘導する場合は通常、イソシアヌレート化触媒を用いて行う。具体的なイソシアヌレート化触媒としては、例えば一般に塩基性を有するものが好ましく、1)例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや例えば酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩、2)例えばトリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや例えば酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩、3)酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の例えば錫、亜鉛、鉛、ナトリウム、カリウムなどの金属塩、4)例えばナトリウム、カリウム等の金属アルコラート、5)例えばヘキサメチルジシラザン等のアミノシリル基含有化合物、6)マンニッヒ塩基類、7)第3級アミン類とエポキシ化合物との併用等がある。これらの触媒を使用して、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを得ることができる。
得られるイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートは3量体以外に、5量体、7量体などを含む。前駆体ポリイソシアネート組成物のイソシアヌレート3量体濃度範囲を得るためには、イソシアヌレート化反応の転化率(イソシアヌレート化反応で生成したポリイソシアネートの仕込み液に対する質量割合)が20%以下、好ましくは15%以下である。20%を超えると、本発明の構成要件である、イソシアヌレート3量体濃度の達成が困難となる場合があり、水性ポリイソシアネート組成物の低粘度化と架橋性を両立できない場合がある。
本発明の水性ポリイソシアネート組成物のRにはモノアルコールから誘導されるアロファネート基が存在することが好ましい。アロファネート基とはモノアルコールの水酸基とイソシアネート基から形成され、次式で示される。
Figure 0004974342
アロファネート基/イソシアヌレート基の官能基数比率は1〜20%であり、好ましくは、2〜15%、更に好ましくは2〜10%である。1%未満では、得られるポリイソシアネートの粘度が増加する場合があり、20%を超えると架橋性が低下する場合がある。
本発明に用いることにできるモノアルコールとは、炭素、水素及び酸素のみで形成されるモノアルコールが好ましく。更に好ましくは分子量500以下である。その具体的な化合物は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノールなどの異性体を含む化合物であり、2種以上を併用しても良い。
モノアルコールの使用量はポリイソシアネートのイソシアネート基とモノアルコールの水酸基の当量比で1000/1〜10/1、好ましくは1000/1〜100/1である。10/1を下回ると、モノアルコール2分子とジイソシアネートモノマー1分子からなる化合物が生成する場合があり、架橋性が低下するため好ましくない。アロファネート基を生成するためには、通常、アロファネート化触媒を用いる。この具体的な化合物としては、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、ジルコニウム、ジルコニルなどのアルキルカルボン酸塩である、2−エチルヘキサン酸錫、ジブチル錫ジラウレートなどの有機錫化合物、2−エチルヘキサン酸鉛などの有機鉛化合物、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの有機亜鉛化合物、2−エチルヘキサン酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム、2−エチルヘキサン酸ジルコニルなどがあり、2種以上を併用することができる。
また、前記のイソシアヌレート化触媒もアロファネート化触媒となり得る。前記のイソシアヌレート化触媒を用いて、アロファネート化反応を行う場合、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートも生成する。
本発明の水性ポリイソシアネート組成物のRにおける構成成分の1つである、ウレトジオン2量体とは、ジイソシアネートモノマー2分子からなる、ウレトジオン基を有する化合物であり、次式で示される。
Figure 0004974342
前駆体ポリイソシアネート組成物中のウレトジオン2量体濃度は2〜25質量%である。2質量%未満であると、水性ポリイソシアネート組成物の粘度が増加し、25質量%を超えると架橋性が低下する場合がある。
ウレトジオン2量体はウレトジオン化触媒を用いて得ることができる。この具体的な化合物の例としては、第3ホスフィンである、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン、トリス−(ジメチルアミノ)−ホスフィンなどのトリス(ジアルキルアミノ)ホスフィン、シクロヘキシル−ジ−n−ヘキシルホスフィンなどのシクロアルキルホスフィンなどがある。これらの化合物はアロファネート化触媒にもなり得る。また、これらの化合物の多くは、同時にイソシアヌレート化反応も促進し、ウレトジオン基含有ポリイソシアネートに加えてイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを生成する。
また、前記のような触媒を用いることなく、加熱で得ることもできる。加熱により得ることのできるウレトジオン基含有ポリイソシアネートの収率は低く、ウレトジオン基含有ポリイソシアネートのみを得るための手段としては効率的ではなかった。
しかし、驚くべきことに触媒を使用せず、加熱のみにより得られるウレトジオン基含有ポリイソシアネートの貯蔵時に遊離するジイソシアネートモノマー量が格段に低いことが判明した。ウレトジオン基は加熱により分解しやすく、そのためウレトジオン基含有ポリイソシアネート貯蔵時にジイソシアネートモノマーが遊離すると考えられていた。本発明の構成成分の1つであるウレトジオン基含有ポリイソシアネートは加熱で製造することが好ましい。
驚くべきことに、本発明における水性ポリイソシアネート組成物は、上記に組成比で示されるイソシアヌレート基、アロファネート基、ウレトジオン2量体を構成成分として有するポリイソシアネート組成物を前駆体とし、親水基を導入することで、水分散性良好で、かつこれを硬化剤として得られる塗膜は高い架橋性を有するとともに、塗膜硬度も高いことがわかった。
その中で上記組成比のアロファネート基は、親水化に寄与するとともに、低粘度化に貢献し、上記組成比のウレトジオン2量体は、少量の存在で、低粘度化となるため、本発明の水性ポリイソシアネート組成物が低粘度かつ高い架橋性を発現することに貢献している。
前駆体ポリイソシアネート組成物はビウレット型ポリイソシアネートを含まない。ビウレット型ポリイソシアネートの存在はポリイソシアネート組成物貯蔵後のジイソシアネートモノマーの増加をもたらし、好ましくない。好ましくは、0.5質量%以下である。
前述した、イソシアヌレート化反応、アロファネート化反応、ウレトジオン化反応はそれぞれを逐次行うこともできるし、並行して行うこともできる。好ましくは、イソシアヌレート化反応とアロファネート化反応を先行し、その後、ウレトジオン化反応を行うことが好ましく、イソシアヌレート化反応とアロファネート化反応は共通した触媒を用い、ウレトジオン化反応を熱により行うことが製造工程を簡略でき好ましい。
これらの反応が終了した後、未反応ジイソシアネートモノマーを薄膜蒸発缶、抽出などで除去する。
前駆体ポリイソシアネート組成物中のジイソシアネートモノマー濃度は1質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以下である。1質量%を超えると、架橋性が低下し、好ましくない。
本発明に用いる水性ポリイソシアネート組成物は、親水基を分子内に有し、分子量分布を有する。
本発明の水性ポリイソシアネート組成物の親水基は特に制限されることはなく、アニオン性基、及び、ノニオン性基が挙げられる。アニオン性基には、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基などがある。ノニオン性基には、例えば、ポリエチレングリコール型、多価アルコール型などがある。親水基としては、ノニオン性基またはカルボン酸基、スルホン酸基が好ましい。
以下、親水基導入方法について説明する。
上記に例示した親水基をポリイソシアネートに導入するためには親水基及び活性水素基をともに有する化合物(以下、親水基導入化合物という)を用いる。活性水素基とは、イソシアネート基と反応する官能基であり、例えば、水酸基、メルカプト基、カルボン酸基などがある。アニオン性基と活性水素基をともに有する化合物としては、水酸基とカルボン酸基をともに有する、オキシ酸があり、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、オキシ酪酸、オキシ吉草酸、ヒドロキシピバリン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、カルボン酸基を有するポリカプロラクトンなどが挙げられる。
水酸基とスルホン酸基をともに有する化合物としては、例えばイセチオン酸などがある。活性水素基としメルカプト基とカルボン酸基をともに有する化合物としては、メルカプトカルボン酸であるメルカプト酢酸などがある。ノニオン性基と活性水素基をともに有する化合物としては、ポリエチレンオキサイドがある。ポリエチレンオキサイドは、例えばメタノール、エタノール、ブタノール等のモノアルコールにエチレンオキサイドを付加して得られ、プロピレンオキサイドを含んでも良い。
ポリエチレンオキサイド、ポリピレンオキサイド等の数平均分子量の好ましい範囲は、200〜1000であり、より好ましくは、300〜800であり、その中でも400〜600が最も好ましい。
活性水素基としては水酸基が好ましい。
親水基がアニオン性の場合、アニオン性基を、有機アミン、無機塩基で中和することが好ましい。この中和は水性ポリイソシアネート組成物に水分散性、水溶性を付与する。
上記の具体的な有機アミン化合物の例としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、エチレンジアミンなどの炭素数1から20の直鎖状、分岐状の1,2または3級アミン、モルホリン、N−アルキルモルホリン、ピリジンなどの環状アミン、モノイソプロパノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルイソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの水酸基を分子内に有する水酸基含有アミンなどを挙げることができる。無機塩基としては、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが挙げられる。
これらの有機アミン化合物、無機塩基はカルボキシル基に対して0.5〜1.5当量の範囲で用いられる。 0.5未満の場合は、水性ポリイソシアネート組成物の水分散性、水溶性が低下する場合があり、1.5を超える場合は、水性ポリイソシアネート溶液のpHが高くなり、これを用いた塗料の安定性が低下する場合がある。
また、水性ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基平均数nと親水基平均数mとの合計数に対する親水基平均数mの比率m/(m+n)の値は、0.02〜0.40であり、好ましくは0.02〜0.30であり、より好ましくは0.04〜0.20、最も好ましくは0.05〜0.10である。0.02未満の場合、水分散性が不足する場合があり、0.40を超える場合、架橋性が低下する場合がある。
上記記載の前駆体ポリイソシアネートと親水基導入化合物との付加反応は、一般に−20〜150℃ で行うことが出来るが、好ましくは30〜100℃である。150℃を超える温度では副反応を起こす可能性があり、−20℃未満になると反応速度が小さくなり不利である。
また、この反応には、錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩、及び、3級アミン系化合物、ナトリウムなどのアルカリ金属のアルコラート等を触媒として用いてもよい。
更に水分散性の向上などの目的に応じて、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性界面活性剤を添加することができる。具体的な前記界面活性剤としては、例えばポリエチレングリコール、多価アルコール脂肪酸エステル等のノニオン系、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン系、アルキルアミン塩、アルキルベタイン等のカチオン系、カルボン酸アミン塩、スルホン酸アミン塩、硫酸エステル塩等の界面活性剤がある。
前駆体であるポリイソシアネート組成物の製造前、製造中、製造後のいずれの段階においても上記に例示した親水基導入化合物を付加することにより、本発明の水性ポリイソシアネート組成物が得られるが、前駆体ポリイソシアネート組成物の製造後に親水基導入化合物を付加させることが好ましい。
得られた水性ポリイソシアネート組成物に親水基が付加されていないポリイソシアネートを混合することもできる。
驚くべきことに、上記に示した特定構成成分を有する前駆体ポリイソシアネート組成物を用いた場合、導入する親水基の割合が少なくても水分散が良好であり、かつ高い架橋性、高い塗膜硬度を発現した。
本発明の水性ポリイソシアネート組成物は、溶剤を含有することができる。
上記の具体的な有機溶剤の例としては、例えば、1−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、ペンタン、iso−ペンタン、ヘキサン、iso−ヘキサン、シクロヘキサン、ソルベントナフサ、ミネラルスピリットなどを挙げることができ、2種以上を併用できる。有機溶剤としては、水への溶解度が5質量%以上のものが好ましい。水への溶解度が5質量%未満の有機溶剤を用いると、水性ポリイソシアネート組成物の水分散性が低下する場合がある。また、沸点が100℃以上のものが好ましく、沸点が100℃未満の有機溶剤を用いると、塗膜形成時に有機溶剤の揮発が速くなり、塗膜表面外観に影響を及ぼす場合がある。溶剤の使用量は、水性ポリイソシアネート組成物の0〜20質量%である。20質量%を超えると、塗料として使用する場合に、揮発する溶剤が多くなり、環境上好ましくない。
本発明の水性ポリイソシアネート組成物は、ポリオールとともに本発明の水性塗料組成物の主成分を構成する。水性ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基はこのポリオールの水酸基と反応して、架橋塗膜を形成することができる。
本発明の水性塗料組成物に使用するポリオールとしては、通常、水性塗料用に用いるものであれば特に制限なく使用可能である。具体例としては、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、エポキシポリオール、フッ素ポリオールなどがある。
アクリルポリオールとしては、例えば、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル等の活性水素を持つアクリル酸エステル等、またはグリセリンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸モノエステル、トリメチロールプロパンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸モノエステル等の群から選ばれた単独または混合物とメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の活性水素を持つメタクリル酸エステル等の群から選ばれた単独または混合物とを必須成分とし、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル等、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル等、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド、及びメタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するビニルモノマー等のその他の重合性モノマーの群から選ばれた単独または混合物の存在下、あるいは非存在下において重合させて得られるアクリルポリオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独または混合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの群から選ばれた多価アルコールの単独または混合物との縮合反応によって得られるポリエステルポリオール及び例えばε−カプロラクトンを多価アルコールに開環重合して得られるようなポリカプロラクトン類等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール類としては、多価ヒドロキシ化合物の単独または混合物に、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなどの水酸化物、アルコラート、アルキルアミンなどの強塩基性触媒を使用して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独または混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類、更にエチレンジアミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類及び、これらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類等が含まれる。
前記多価ヒドロキシ化合物としては
(1)例えばジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなど
(2)例えばエリトリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等糖アルコール系化合物
(3)例えばアラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類、
(4)例えばトレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース
、ラクトース、メリビオースなどの二糖類、
(5)例えばラフィノース、ゲンチアノース、メレチトースなどの三糖類
(6)たとえはスタキオースなどの四糖類
などがある。
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレンなどが挙げられる。
エポキシポリオールとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂をアミン変性、または、アミノアルコール変性したものが挙げられる。
フッ素ポリオールとしては、フッ素化エチレンと共重合可能なモノマーからなる樹脂が挙げられる。
好ましいポリオールはアクリルポリオール、ポリエステルポリオールである。
前記のポリオールは水に乳化、分散あるいは溶解することが必須となる。そのために、ポリオールに含まれるカルボキシル基、スルホン基などを中和する事ができる。
カルボキシル基、スルホン基などを中和するための化合物としては、有機アミン、無機塩基が挙げられる。有機アミンとしては、例えば、水溶性アミノ化合物である例えばモノエタノールアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリンなどから選択される1種以上を用いることができる。無機塩基としては、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムを用いることができる。好ましくは、第3級アミンであるトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミンなどが好ましい。
前記ポリオールの樹脂分当たりの水酸基価は20〜300mgKOH/gが好ましく、酸価は20〜100mgKOH/gが好ましい。
ポリオールの水酸基価が20mgKOH/g未満の場合、イソシアネート基との反応による架橋性が劣る場合があり、水酸基価が300mgKOH/gを超えると、逆に架橋密度が増大し、塗膜の伸び等の物性が低下する場合がある。また、酸価が20mgKOH/g未満の場合、水分散性が低下する場合があり、100mgKOH/gを超える場合、得られた塗膜の耐水性等の物性が低下する場合がある。
本発明の水性ポリイソシアネート組成物と上記ポリオールの配合比率は、水性ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基とポリオールの水酸基の当量比が0.3〜1.5の範囲で、必要に応じて選択される。
必要に応じて、本発明の水性塗料組成物にウレタンディスパージョンなどの樹脂を併用することができる。
本発明は硬化促進剤として酸性化合物、塩基性化合物を含む事ができる。
前記酸性化合物の具体例としては、例えば、酢酸、コハク酸等のカルボン酸類、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸類、ジオクチルホスフェート等の酸性リン酸エステルが挙げられる。
これらの酸性化合物はアミン化合物と反応させ、貯蔵安定性を向上させることができる。そのアミン化合物としては、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどがある。
塩基性化合物の具体例としては、例えばトリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロオクタンなどのアミン化合物、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸亜鉛金属カルボン酸塩などがある。
硬化促進剤の添加量は配合される塗料樹脂分に対して、0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
また、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、例えば、アルミ等の金属粉顔料、酸化チタン、カーボンブラックなどの無機顔料、レオロジーコントロール剤、レベリング剤、溶剤等を添加してもよい。
通常は、水性ポリイソシアネート組成物、ポリオール、添加剤等を混合し、水を主成分とする媒体を添加し、塗装方法に応じた塗料粘度に調整することにより水性塗料組成物となる。
このように調製した水性塗料組成物の被塗装材質としては、金属、プラスチック、無機等が挙げられる。
また、用途としては、上中塗り、下塗り用として、建築外装塗料、バンパー等のプラスチック部品用塗料、自動車補修用塗料、プレコートメタル等の有機被覆用塗料等として有用である。
塗装方法としては、ベル塗装、スプレー塗装、ロール塗装、シャワー塗装、浸漬塗装等が挙げられる。
本発明の水性ポリイソシアネート組成物は塗料以外にインキ、接着剤、繊維・フィルム・セラミック等の無機材料・紙・木材・樹脂等の改質剤または表面処理剤としても有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
まず、測定方法について述べる。
(数平均分子量の測定)
数平均分子量は下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCという)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量である。
装置:東ソー(株)HLC−8120GPC
カラム:東ソー(株)TSKgel superH1000×1本
TSKgel superH2000×1本
TSKgel superH3000×1本
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
(未反応ジイソシアネートモノマー濃度)
前記GPC測定で得られる未反応ジイソシアネートモノマー相当の分子量(例えばHDIであれば168)のピーク面積%をその質量濃度として表した。
(イソシアヌレート3量体濃度の測定)
前記GPC測定で得られるジイソシアネートモノマーの3倍の分子量に相当するピーク面積%をイソシアヌレート3量体濃度として示した。
(モノアルコール由来のアロファネート基/イソシアヌレート基数比率)
日本電子社製JNM-LA400を用いた、プロトン核磁気共鳴スペクトルの測定から、アロファネート基とイソシアヌレート基の数比率を求めた。
(ウレトジオン2量体濃度の測定)
前記GPC測定で得られるジイソシアネートの2倍の分子量に相当するピーク面積%をウレトジオン2量体濃度として示した。
(イソシアヌレート化反応転化率の測定)
反応液屈折率の測定により求めた。
(粘度の測定)
E型粘度計(東機産業株式会社製RE−80R)を用いて、25℃で測定した。
(水性ポリイソシアネート組成物の水分散性)
水性ポリイソシアネート組成物と純水を質量比2:10で混合し、その後の溶液状態を肉眼で観察した。混合液が均一で沈降物のない状態を〇とし、沈降物がある場合を×とした。結果を表2に示した。
(ゲル分率)
硬化塗膜を、アセトン中に20℃、24時間浸漬後、未溶解部質量の浸漬前質量に対する割合を計算し、60質量%未満の場合を×、60質量%以上の場合を〇で表した。結果を表3に示した。
(塗膜硬度)
ケーニッヒ硬度計(BYK Garder社のPendulum hardness tester(商品名))を用いて、測定温度20℃、塗膜膜厚40μmで測定した。塗膜硬度が10以上を〇、10未満を×とした。結果を表3に示した。
<製造例1> (前駆体ポリイソシアネート組成物の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 600部、イソブタノール0.6部を仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2Hr保持した。その後、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、イソシアヌレート化反応を行い、転化率が13%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液を更に160℃、1Hr保持した。この加熱によりウレトジオン基含有ポリイソシアネートが生成した。反応液を冷却後、ろ過後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。得られた前駆体ポリイソシアネート組成物の特性を表1に示す。
<製造例2> (前駆体ポリイソシアネート組成物の製造)
イソシアヌレート化反応の転化率を17%とした以外は製造例1と同様に行った。得られた前駆体ポリイソシアネート組成物の物性を表1に示す。
<比較製造例1> (前駆体ポリイソシアネート組成物の製造)
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 600部を仕込み、60℃、2Hr保持した。その後、イソシアヌレート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、イソシアヌレート化反応を行い、4時間後、転化率が40%になった時点で、リン酸を添加して反応を停止した。
その後、反応液を濾過した後、未反応のHDIモノマーを薄膜蒸留装置により除去した。
得られた前駆体ポリイソシアネート組成物の物性を表1に示す。
[実施例1] (水性ポリイソシアネート組成物の製造)
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、製造例1で得られた前駆体ポリイソシアネート組成物を100部、分子量550のメトキシポリエチレングリコール(日本油脂の商品名「ユニオックスM550」)30部(前駆体ポリイソシアネート組成物の全イソシアネート基の10%と反応する)を仕込み、80℃で6時間保持した。得られた水性ポリイソシアネート組成物の物性及び水分散性評価結果を表2に示す。
[実施例2〜4] (水性ポリイソシアネート組成物の製造)
表2に示す以外は実施例1と同様に行った。得られた水性ポリイソシアネート組成物の物性を表2に示す。
[比較例1〜3] (水性ポリイソシアネート組成物の製造)
比較製造例1で得られた前駆体ポリイソシアネート組成物を用い、表2に示したこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
[実施例5〜8] (水性塗料組成物の調整)
ジメチルエタノールアミンによりカルボン酸/アミンのモル比1.0で中和された水分散性アクリルポリオール(アクゾノーベル社の商品名「SETALUX6512」、樹脂分濃度42質量%、水酸基価69mgKOH/樹脂g、酸価16mgKOH/樹脂g)と実施例1〜5で得られた水性ポリイソシアネート組成物を用いて、イソシアネート基/水酸基の当量比1.0で混合した。更に水を添加し塗料粘度が、フォードカップNo.4で30秒になるように調整した。この塗料をアプリケーター塗装し、80℃、60分で硬化させた。塗膜評価結果を表3に示す。
[比較例4〜5] (水性塗料組成物の調整)
比較例1、2で得られた水性ポリイソシアネート組成物を用いた以外は、実施例5と同様に行った。結果を表3に示す。
Figure 0004974342
Figure 0004974342
Figure 0004974342
本発明の水性ポリイソシアネート組成物は、水分散性に優れ、かつ高い架橋性、高い塗膜硬度を発現するので水性塗料組成物の硬化剤として好適である他、インキ、接着剤、繊維・フィルム・セラミック等の無機材料・紙・木材・樹脂等の改質剤または表面処理剤としても有用である。

Claims (6)

  1. ポリイソシアネートが下記構造式(1)で示されるものであり、下記1)〜4)の条件を全て満たすことを特徴とする、水に溶解または分散しうる水性ポリイソシアネート組成物。
    (A)−R−(NCO) ・・・・・ (1)
    A:親水基
    m:親水基数
    n:イソシアネート基数
    R:脂肪族ジイソシアネート及び/または脂環族ジイソシネートの少なくとも1種以上から誘導されるポリイソシアネートのイソシアネート基を除く残基
    条件:
    1)イソシアネー基数の平均数(nM)が2.3〜3.2であり、イソシアネート基数nの平均数(nM)と親水基数mの平均数(mM)とが次の関係を有する。
    M/(mM+nM)=0.02〜0.40
    2)Rを構成するイソシアヌレート3量体及びウレトジオン2量体が次のa)、b)を満たす
    a)イソシアヌレート3量体濃度:60質量%〜95質量%
    b)ウレトジオン2量体濃度;2〜25質量%
    3)イソシアネート基濃度が10〜24質量%である。
    4)25℃における粘度が200〜1000mPa・s
  2. イソシアネート基平均数nが2.4〜3.0であることを特徴とする請求項1記載の水性ポリイソシアネート組成物。
  3. 25℃における粘度が500〜800mPa・sであることを特徴とする請求項1または2に記載の水性ポリイソシアネート組成物。
  4. 脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートモノマーがヘキサメチレンジイソシアネートである請求項1〜3のいずれかに記載の水性ポリイソシアネート組成物。
  5. (A)−R−(NCO)におけるRがモノアルコールから誘導されるアロファネート基/イソシアヌレート基の官能基数比率;1〜20%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水性ポリイソシアネート組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の水性ポリイソシアネート組成物とポリオールとを含む水性塗料組成物。
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