JP2020128503A - 水系2成分型硬化樹脂組成物及び物品のコーティング方法 - Google Patents

水系2成分型硬化樹脂組成物及び物品のコーティング方法 Download PDF

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隼也 辻田
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理計 山内
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Yoko Tanaka
陽子 田中
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Abstract

【課題】水系主剤との手動撹拌による混合においても硬化剤が容易に分散し、塗膜としたときの光沢、外観及び耐水性に優れる水系2成分型硬化樹脂組成物を提供する。【解決手段】水系2成分型硬化樹脂組成物は、水に分散又は乳化されたポリオールと、脂肪族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含む硬化剤と、を含む水系2成分型硬化樹脂組成物であって、イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、イソシアネート基の3量化反応による6員環構造の含有量が50モル%以上80モル%以下であり、ウレトジオン構造及びアロファネート構造の合計含有量が20モル%以上50モル%以下であり、前記硬化剤の25℃における粘度が380mPa・s以上800mPa・s以下であり、前記硬化剤は、前記ポリイソシアネートの少なくとも一部とポリアルキレングリコールアルキルエーテルとから得られる変性ポリイソシアネートを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、水系2成分型硬化樹脂組成物及び物品のコーティング方法に関する。
近年、地球環境保護や労働安全衛生等の観点から、有機溶剤の使用量を低減させるため、水系コーティング剤の開発が活発に行われている。水酸基を含有する主剤(いわゆる、ポリオール)と、硬化剤としてのポリイソシアネートと、からなる2成分型硬化樹脂組成物は、常温でも硬化が可能であり、かつ優れた機械的性能や耐薬品性、耐久性等の性能を発現することから、各種の塗料や粘接着剤等の用途において幅広く使用されている。このようなポリイソシアネートを硬化剤として用いる2成分型硬化樹脂組成物については、現状は溶剤系の製品が主流であり、水系の製品は、一部の地域や用途を除き、未だ大きく広がってはいない。その理由としては、ポリイソシアネートを硬化剤として用いる2成分型硬化樹脂組成物の場合、水系の硬化樹脂組成物は溶剤系のものと比較して、一般的に外観、耐水性、耐候性等の性能が劣ること、イソシアネート基と水系主剤中の水との反応が生じるため可使時間が短いこと、イソシアネート基が水と反応すると炭酸ガスが発生するため、気泡やピンホールが生じて硬化樹脂の品質を低下させる場合があること、乾燥性が劣ること等が挙げられる。
水系2成分型硬化樹脂組成物の硬化剤としては、例えば、特許文献1には、親水性成分を含まず、特定の構造と粘度を有する硬化剤が開示されており、当該硬化剤と、水酸基を含有する水系主剤とを手動撹拌により混合した後に、物品にコーティングする方法が記載されている。
特許第6165419号公報
しかしながら、特許文献1等に記載の従来技術では、親水性成分を含んでいないため、手動撹拌による混合だけでは水系ポリオールへの分散が十分ではなく、形成する塗膜の外観や光沢度が十分ではない場合がある。また撹拌に必要な時間が長く、労力や作業性を改善する余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、水系主剤との手動撹拌による混合においても硬化剤が容易に分散し、塗膜としたときの光沢、外観及び耐水性に優れる水系2成分型硬化樹脂組成物を提供する。前記水系2成分型硬化樹脂組成物を用いる物品のコーティング方法を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係る水系2成分型硬化樹脂組成物は、水に分散又は乳化されたポリオールと、脂肪族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含む硬化剤と、を含む水系2成分型硬化樹脂組成物であって、イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、イソシアネート基の3量化反応による6員環構造の含有量が50モル%以上80モル%以下であり、ウレトジオン構造及びアロファネート構造の合計含有量が20モル%以上50モル%以下であり、前記硬化剤の25℃における粘度が380mPa・s以上800mPa・s以下であり、前記硬化剤は、前記ポリイソシアネートの少なくとも一部とポリアルキレングリコールアルキルエーテルとから得られる変性ポリイソシアネートを含む。
前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルが下記式(1−1)で表されるポリエチレングリコールモノメチルエーテルを含み、前記硬化剤の総質量に対する、前記変性ポリイソシアネートにおける前記式(1−1)で表されるポリエチレングリコールモノメチルエーテルに由来する構造単位の含有量は、4.0質量%以上17.0質量%以下であってもよい。
Figure 2020128503
(式(1−1)中、nの平均数は5.0以上20.0以下である。)
前記6員環構造がイソシアヌレート環構造であってもよい。
イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、前記ウレトジオン構造の含有量が15モル%以上30モル%以下であってもよい。
イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、前記アロファネート構造の含有量が3モル%以上20モル%以下であってもよい。
本発明の第2態様に係る物品のコーティング方法は、水に分散又は乳化されたポリオールと、脂肪族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含む硬化剤と、を撹拌により混合した後、得られた2成分型硬化樹脂組成物を物品にコーティングする、物品のコーティング方法であって、イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、イソシアネート基の3量化反応による6員環構造の含有量が50モル%以上80モル%以下であり、ウレトジオン構造及びアロファネート構造の合計含有量が20モル%以上50モル%以下であり、前記硬化剤の25℃における粘度が380mPa・s以上800mPa・s以下であり、前記硬化剤は、前記ポリイソシアネートの少なくとも一部とポリアルキレングリコールアルキルエーテルとから得られる変性ポリイソシアネートを含む、コーティング方法である。
上記態様の水系2成分型硬化樹脂組成物によれば、水系主剤との手動撹拌による混合においても硬化剤が容易に分散し、塗膜としたときの光沢、外観及び耐水性に優れる水系2成分型硬化樹脂組成物を提供することができる。上記態様の物品のコーティング方法によれば、手動撹拌による混合においても水系主剤に硬化剤が容易に分散し、光沢、外観及び耐水性に優れる塗膜が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
≪水系2成分型硬化樹脂組成物≫
本実施形態の水系2成分型硬化樹脂組成物は、水に分散又は乳化されたポリオールと、硬化剤とを含む。
<硬化剤>
硬化剤は、脂肪族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含み、イソシアネート基に由来する構造として、イソシアネート基の3量化反応による6員環構造と、アロファネート構造及びウレトジオン構造のうち少なくともいずれか1種の構造と、を有する。
硬化剤として具体的には、例えば、(a)1分子中にイソシアネート基の3量化反応による6員環構造と、アロファネート構造及びウレトジオン構造のうち少なくともいずれか1種の構造と、を有するポリイソシアネート;(b)1分子中にイソシアネート基の3量化反応による6員環構造を有するポリイソシアネートと、1分子中にアロファネート構造及びウレトジオン構造のうち少なくともいずれか1種の構造を有するポリイソシアネートと、の混合物;前記(a)のポリイソシアネートと、前記(b)の混合物と、の混合物等が挙げられる。
ポリイソシアネートの製造に用いられる脂肪族ジイソシアネートとしては、構造中にベンゼン環を含まないものであり、炭素数4以上30以下のものが好ましく、例えば、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と略記する場合がある)等が挙げられる。中でも、脂肪族ジイソシアネートとしては、耐熱性の点から、HDIが好ましい。
[イソシアネート基由来の構造]
硬化剤は、未反応の脂肪族ジイソシアネート(以下、「未反応モノマー」と称する場合がある)を除いた状態で、イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、6員環構造の含有量が50モル%以上80モル以下であり、ウレトジオン構造及びアロファネート構造の合計含有量が20モル%以上50モル%以下である。
硬化剤中のイソシアネート基由来の各構造の含有量は、13C−NMR測定により求めることができる。具体的には、Bruker社製BiospinAvance600(商品名)を用いた13C−NMRの測定(測定溶媒:クロロホルム−d、試料濃度:60質量/容量%、観測周波数:150MHz、積算回数:10000回)において、脂肪族ジイソシアネートがHDIである場合、イソシアヌレート環構造は148.6ppm付近に6員環内のカルボニル基の炭素原子のシグナルが、イミノオキサジアジンジオン環構造は135.5ppm付近に6員環内のイミノ基の炭素原子のシグナルが、アロファネート構造は154.0ppm付近にアロファネート構造由来のカルボニル基の炭素原子のシグナルが、ウレトジオン構造は157.3ppm付近に4員環内のカルボニル基の炭素原子のシグナルが認められる。イソシアヌレート環構造については、構造中に同じ炭素原子が三個あるため積分値の1/3の値が、イミノオキサジアジンジオン環構造については積分値そのものの値が、アロファネート構造については積分値そのものの値が、ウレトジオン構造については構造中に同じ炭素原子が二個あるため積分値の1/2の値が、それぞれの構造のモル%に相当する。
イソシアネート基に由来する構造は、上記のイソシアヌレート環構造、イミノオキサジアジンジオン環構造、ウレトジオン構造、アロファネート構造に加えて、例えばウレア構造、ビウレット構造、ウレタン構造等が挙げられる。なお、ウレア構造、ビウレット構造、ウレタン構造等、その他の構造に由来するシグナルに対しては、構造中のカルボニル基の炭素原子のシグナルの積分値をカルボニル基の数(ウレア構造及びウレタン構造は1、ビウレット構造は2)で除した値を用いて計算する。
各構造のモル%(以下、「含有量」と称する場合がある)は、(未反応モノマーを除去した状態の)硬化剤中のイソシアネート基に由来する構造の合計量を100モル%として算出される値である。
(6員環構造)
硬化剤は、耐水性や耐候性の点から、イソシアネート基の3量化反応による6員環構造を有するポリイソシアネートを含む。6員環構造としては、イソシヌレート環構造、イミノオキサジアジンジオン環構造が挙げられるが、水系2成分型硬化樹脂組成物から得られる塗膜の耐水性や耐候性の点から、イソシアヌレート環構造であることが好ましい。
イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、6員環構造の含有量は50モル%以上80モル以下であり、55モル%以上75モル%以下が好ましく、60モル%以上75モル%以下がより好ましい。6員環構造の含有量が上記下限値以上であることにより、得られる塗膜の耐水性がより優れ、一方、上記上限値以下であることにより、手動撹拌による混合性により優れる傾向がある。
(ウレトジオン構造及びアロファネート構造)
硬化剤は、アロファネート構造及びウレトジオン構造のうち少なくともいずれか1種の構造を有するポリイソシアネートを含む。アロファネート構造は、一般にイソシアネート基2分子とアルコールの水酸基1分子との反応により形成される構造である。ウレトジオン構造は、一般にイソシアネート基の2量化反応により形成される構造である。
イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、ウレトジオン構造及びアロファネート構造の合計含有量は、20モル%以上50モル%以下であり、25モル%以上45モル%以下が好ましく、25モル%以上40モル%以下がより好ましい。ウレトジオン構造及びアロファネート構造の合計含有量が上記下限値以上であることにより、手動撹拌で混合した場合でも水系2成分型硬化樹脂組成物の外観がより優れ、一方、上記上限値以下であることにより、得られる塗膜の耐水性や耐候性がより良好になる傾向がある。
イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、ウレトジオン構造の含有量は、特に限定されないが、5モル%以上45モル%以下が好ましく、15モル%以上30モル%以下がより好ましい。ウレトジオン構造の含有量が上記範囲内であることにより、得られた塗膜の外観、耐水性及び耐候性がより良好になる傾向が見られる。
イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、アロファネート構造の含有量は、特に限定されないが、3モル%以上20モル%以下が好ましい。アロファネート構造の含有量が上記範囲内であることにより、得られた塗膜の外観、耐水性及び耐候性がより良好になる傾向が見られる。
(その他の構造)
硬化剤中のポリイソシアネートは、上記6員環構造、上記ウレトジオン構造及び上記アロファネート構造に加えて、ウレア構造、ビウレット構造、ウレタン構造等を有することができる。
[変性ポリイソシアネート]
硬化剤は、ポリイソシアネートの少なくとも一部と、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルとの反応により得られる変性ポリイソシアネートを含む。すなわち、硬化剤は、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する構造単位を有さない未変性のポリイソシアネートと、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する構造単位を有する変性ポリイソシアネートと、を含む。
変性ポリイソシアネートは、ポリイソシアネートの少なくとも一部に、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する構造単位(ポリアルキレンオキシド)が導入されている。
(ポリアルキレングリコールアルキルエーテル)
ポリアルキレングリコールアルキルエーテルとしては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」と称する場合がある)等が挙げられる。
Figure 2020128503
前記一般式(1)中、R11はアルキレン基であり、R12はアルキル基である。
また、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルは、単一成分ではなく、アルキレンオキシドの重合度を示すn11(以下、「重合度n11」又は単に「n11」と称する場合がある)の数が異なる物質の集合体である。そのため、一般式(1)中、アルキレンオキシドの重合度n11はその平均数(平均値)で示される。
・R11
一般式(1)中、R11は、親水性付与の観点から、炭素数1以上4以下のアルキレン基が好ましく、より親水性を付与できる観点から、炭素数2のアルキレン基、すなわち、エチレン基がより好ましい。
・R12
一般式(1)中、R12は、親水性付与の観点から、炭素数1以上4以下のアルキル基が好ましく、より親水性を付与できる観点から、炭素数1のアルキル基、すなわち、メチル基がより好ましい。
・n11
硬化剤を水系主剤に配合する際、主剤と混ぜたときの増粘が問題となる場合が多い。増粘が多い場合は、硬化剤が主剤へ均一に分散することができず、塗膜物性の低下につながる傾向にある。そのため、n11は水分散性と主剤への分散性の観点から、5.0以上20.0以下が好ましく、5.5以上16.0以下がより好ましく、6.0以上12.0以下がさらに好ましい。
n11が上記下限値以上であることで、乳化力が増すため、硬化剤の分散性がより向上する傾向にあり、一方、上記上限値以下であることで、粘度上昇を防ぐため、硬化剤をより容易に分散することができる傾向にある。
化合物(1)は、1種単独で用いてもよく、n11の平均数が異なるものを2種以上組み合わせて用いてもよい。
化合物(1)のn11の平均数は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
好ましい化合物(1)としては、以下のものに限定されないが、例えば、ポリエチレングリコール(モノ)メチルエーテル、ポリ(エチレン、プロピレン)グリコール(モノ)メチルエーテル、ポリエチレングリコール(モノ)エチルエーテル等が挙げられる。中でも、化合物(1)としては、下記式(1−1)で表されるポリエチレングリコール(モノ)メチルエーテルが好ましい。
Figure 2020128503
(式(1−1)中、nの平均数は5.0以上20.0以下である。)
ポリアルキレングリコールアルキルエーテルが有する水酸基の数は、ポリイソシアネート組成物の粘度を低くする観点から、1つであることが好ましい。
硬化剤の総質量に対する、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する構造単位の含有量は、4.0質量%以上17.0質量%以下が好ましく、5.0質量%以上17.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以上16.0質量%以下がさらに好ましく、5.0質量%以上15.0質量%以下が特に好ましい。ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する構造単位の含有量が上記範囲内であることで、架橋に使用されるイソシアネート基がより多くなり、硬化剤と主剤との混合安定性、並びに、塗膜物性(光沢、外観及び耐水性)がより良好となる傾向にある。
ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する構造単位の含有量を上記範囲内に制御する方法としては、以下のものに限定されないが、例えば、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルとポリイソシアネートとの配合比を調整する方法等が挙げられる。また、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する構造単位の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
[硬化剤の物性]
(粘度)
硬化剤の25℃における粘度は、380mPa・s以上800mPa・s以下であり、390mPa・s以上750mPa・s以下が好ましく、400mPa・s以上700mPa・s以下がより好ましい。粘度が上記下限値以上であることにより、得られる塗膜の耐水性及び耐候性がより良好なる傾向があり、一方、上記上限値以下であることにより、手動撹拌による混合分散性により優れ、塗膜としたときの外観により優れる傾向がある。
ここで、粘度は溶剤や未反応モノマー不存在下で測定した値であり、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
(イソシアネート基含有率)
(未反応モノマーを除去した状態での)硬化剤のイソシアネート基含有率は、特に限定されないが、18質量%以上24質量%以下が好ましい。イソシアネート基含有率が上記下限値以上であることにより、手動撹拌による混合性により優れる傾向があり、一方、上記上限値以下であることにより、得られる塗膜の耐水性及び耐候性がより良好になる傾向がある。
硬化剤のイソシアネート基含有率は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
(イソシアネート基の平均官能基数)
(未反応モノマーを除去した状態での)硬化剤のイソシアネート基の平均官能基数は、1.8以上4.0以下が好ましく、2.3以上3.6以下がより好ましく、2.5以上3.4以下がさらに好ましい。イソシアネート基の平均官能基数が上記下限値以上であることにより、架橋に使用されるイソシアネート基がより多くなり、得られる塗膜の架橋性がより良好になる傾向があり、一方、上記上限値以下であることにより、水とイソシアネート基との接触がより少なくなるため、イソシアネート基の保持率がより高くなる傾向がある。
イソシアネート基の平均官能基数を上記範囲に制御する方法として、以下のものに限定されないが、例えば、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルとポリイソシアネートとの配合比を調整する方法等が挙げられる。また、イソシアネート基の平均官能基数は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
[硬化剤の製造方法]
硬化剤の製造方法としては、特に限定されないが、例えば以下の方法によって製造できる。
硬化剤中の6員環構造、アロファネート構造及びウレトジオン構造の含有量は、例えば、特許第3995300号公報(参考資料1)、国際公開第2007/046470号(参考文献2)に記載の方法に基づいて調節することができ、具体的な製造方法を以下に例示する。
硬化剤の製造方法としては、特に限定されず、例えば、イソシアヌレート化反応、アロファネート化反応、及びウレトジオン化反応を、過剰の脂肪族ジイソシアネート(例えば、HDI等)モノマーの存在下で行い、反応終了後に未反応のジイソシアネートモノマーを除去する方法や、2種以上のポリイソシアネートを別々に製造した後、混合する方法等が挙げられる。
(6員環構造の合成方法)
ジイソシアネートモノマーからイソシアヌレート環構造等の6員環構造含有ポリイソシアネートを誘導するための触媒としては、一般的に使用されるイソシアヌレート化触媒が挙げられる。イソシアヌレート化触媒は、特に限定されないが、一般に、塩基性を有するものが好ましく、例えば、以下に示すもの等が挙げられる。
(1)テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、及び、前記テトラアルキルアンモニウムの酢酸塩、プロピオン酸塩、オクチル酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩。
(2)ベンジルトリメチルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム等のアリールトリアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、及び、前記アリールトリアルキルアンモニウムの酢酸塩、プロピオン酸塩、オクチル酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩。
(3)トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、及び、前記ヒドロキシアルキルアンモニウムの酢酸塩、プロピオン酸塩、オクチル酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩。
(4)酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、オクチル酸、カプリン酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛等の金属塩。
(5)ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート。
(6)ヘキサメチレンジシラザン等のアミノシリル基含有化合物。
(7)マンニッヒ塩基類。
(8)第3級アミン類とエポキシ化合物との混合物。
(9)トリブチルホスフィン等の燐系化合物。
中でも、イソシアヌレート化触媒としては、4級アンモニウムの有機弱酸塩が好ましく、テトラアルキルアンモニウムの有機弱酸塩がより好ましい。また、アミノシリル基含有化合物は結果的にビウレット構造を有するポリイソシアネートの生成、ウレタン構造を有するモノイソシアネートの生成をしやすいため、アミノシリル基含有化合物以外の触媒が好ましい。なお、イソシアヌレート化反応においては、一定量のイミノオキサジアジンジオン環構造も生成することがある。
これらの触媒の配合量は、特に限定されないが、仕込んだジイソシアネートモノマーの質量に対して、10ppm以上1000ppm以下が好ましい。配合量の上限値としては、500ppmがより好ましく、100ppmがさらに好ましい。
イソシアヌレート化反応温度は、特に限定されないが、50℃以上120℃以下が好ましく、60℃以上90℃以下がより好ましい。反応温度が上記下限値以上であることにより、反応性がより良好になり、一方、上記上限値以下であることにより、着色の発生をより効果的に抑制することができる。
イソシアヌレート化反応は、転化率(仕込んだジイソシアネートモノマーに対する、イソシアヌレート化反応で生成したポリイソシアネートの質量の割合)が所望の値に達した後、例えばリン酸、酸性リン酸エステル等の酸性化合物の添加により停止する。なお、硬化剤を得るためには、反応の進行を初期で停止することが好ましい。しかしながら、イソシアネート基の環状3量化は、初期の反応速度が非常に速いため、反応の進行を初期で停止することには困難が伴い、反応条件、特に触媒の添加量及び添加方法は慎重に選択することが好ましい。例えば、触媒の一定時間毎の分割添加方法等が好適なものとして推奨される。
6員環構造(例えば、イソシアヌレート環構造等)の含有量が上記範囲内である硬化剤を得る観点から、イソシアヌレート化反応の転化率は、30%以下が好ましく、25%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。
(アロファネート構造の合成方法)
硬化剤において、アロファネート構造は、例えば、イソシアネート基とアルコールの水酸基との反応により得られる。前記アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、3,3,5−トリメチル−1−ヘキサノール、トリデカノール、ペンタデカノール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、トリメチルシクロヘキサノール等が挙げられる。中でも、アルコールとしては、得られる硬化剤の粘度がより低くなることから、1−プロパノール、イソブタノール、1−ブタノール、イソアミルアルコール、ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール又は3,3,5−トリメチル−1−ヘキサノールが好ましい。
前記アルコールの添加量は、アルコールの水酸基に対するジイソシアネートモノマーのイソシアネート基のモル比(NCO/OH)で、10/1以上1000/1以下が好ましく、100/1以上1000/1以下がより好ましい。NCO/OHが上記下限値以上であることにより、ポリイソシアネートの一分子が有するイソシアネート基数の平均値、いわゆるイソシアネート基の平均官能基数をより大きな値にすることができる。
アロファネート構造を生成するためには、通常、アロファネート化触媒を用いる。アロファネート化触媒としては、例えば、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、ジルコニウム、ジルコニル等の金属のアルキルカルボン酸塩、すなわち、有機錫化合物、有機鉛化合物、有機亜鉛化合物、有機ビスマス化合物、有機ジルコニウム化合物、有機ジルコニル化合物等が挙げられる。有機錫化合物としては、例えば、2−エチルヘキサン酸錫、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。有機鉛化合物としては例えば、2−エチルヘキサン酸鉛等が挙げられる。有機亜鉛化合物としては、例えば、2−エチルヘキサン酸亜鉛等が挙げられる。有機ビスマス化合物としては、例えば、2−エチルヘキサン酸ビスマス等が挙げられる。有機ジルコニウム化合物としては、例えば、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム等が挙げられる。有機ジルコニル化合物としては、例えば、2−エチルヘキサン酸ジルコニル等が挙げられる。これらアロファネート化触媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記イソシアヌレート化触媒もアロファネート化触媒となり得る。上記イソシアヌレート化触媒を用いて、アロファネート化反応を行う場合、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートも当然のことながら生成する。中でも、生産の経済性の観点から、アロファネート化触媒として、上記イソシアヌレート化触媒を用い、アロファネート化反応及びイソシアヌレート化反応を並行して行うことが好ましい。
(ウレトジオン構造の合成方法)
ウレトジオン構造は、例えば、ウレトジオン化触媒を用いて形成することができる。ウレトジオン化触媒としては、例えば、トリアルキルホスフィン、トリス(ジアルキルアミノ)ホスフィン、シクロアルキルホスフィン等の第3ホスフィンが挙げられる。トリアルキルホスフィンとしては、例えば、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン等が挙げられる。トリス(ジアルキルアミノ)ホスフィンとしては、例えば、トリス−(ジメチルアミノ)ホスフィン等が挙げられる。シクロアルキルホスフィンとしては、例えば、シクロヘキシル−ジ−n−ヘキシルホスフィン等が挙げられる。これらのウレトジオン化触媒の多くは、同時にイソシアヌレート化反応も促進し、ウレトジオン構造含有ポリイソシアネートに加えて、イソシアヌレート環構造含有ポリイソシアネートを生成する。
所望の転化率となった時点で、リン酸、パラトルエンスルホン酸メチル等のウレトジオン化反応触媒の失活剤を添加して、ウレトジオン化反応を停止することが好ましい。
また、上記のウレトジオン化触媒を用いることなく、ジイソシアネートのモノマーを加熱することでウレトジオン構造を得ることもできる。ウレトジオン構造を形成する加熱温度は、120℃以上が好ましく、130℃以上170℃以下がより好ましく、140℃以上160℃以下がさらに好ましい。加熱時間は、0.5時間以上4時間以下が好ましく、1時間以上3時間以下がより好ましく、1時間以上2時間以下がさらに好ましい。
製造工程を簡略化できることから、硬化剤を得るために、ウレトジオン化反応触媒を使用せず、上記イソシアヌレート化反応及び上記アロファネート化反応に続き、加熱のみによるウレトジオン化反応を進め、反応の終了後に未反応ジイソシアネートモノマーを除去する方法は好適である。なお、驚くべきことに、この方法により得られた硬化剤を長期間貯蔵した際、ジイソシアネートモノマー濃度の増加が抑制される傾向にある。
反応終了後における反応液からの未反応ジイソシアネートモノマーの除去は、薄膜蒸留や抽出等の処理により行うことができ、これら処理後に、硬化剤を得ることができる。
<主剤>
本実施形態の水系2成分型硬化樹脂組成物に含まれる主剤としては、特に限定されず、水を主成分とし、場合によっては少量の有機溶剤を含有する媒体中に、分散又は乳化された樹脂が挙げられる。樹脂の組成、ガラス転移温度、粒子径、分子量及び水酸基含有量等の設計は、水系2成分型硬化樹脂組成物の用途や目的によって様々であり、数多くの製品が市販されている。樹脂の組成には、ポリオールが含まれる。ポリオールとしては、例えば、アクリル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリウレタン系ポリオール等を用いることができる。場合によってはそれらが複合したものも用いることができる。
ポリオールのガラス転移温度は、水系2成分型硬化樹脂組成物の用途や目的によって様々であり、限定されないが、一般に、粘着剤や弾性塗料等の柔軟性が必要な用途では低い値に、硬質塗料等の硬さが必要な用途では高い値に設定されるが、通常は−50℃以上80℃以下程度である。
ポリオールの粒子径は、分散安定性や粘度及び水系2成分型硬化樹脂組成物の各種性能の観点から、通常は平均粒子径として、約50nm以上400nm以下に設定されるが、本実施形態の水系2成分型硬化樹脂組成物において、手動撹拌による硬化剤と主剤との混合性の観点から、200nm以下が好ましい。
ポリオールの水酸基含有量は、用途や目的から適宜設定されるものであるが、樹脂分中の水酸基の質量%として、通常は0.5質量%以上5質量%以下程度である。
[アクリル系ポリオール]
アクリル系ポリオールは、水酸基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物を共重合させることにより得られる。重合は一般的な溶液重合或いは乳化重合によって行われ、分子量の調節にはメルカプタン類等の連鎖移動剤が用いられる。乳化重合による場合は水に乳化した樹脂が直接得られるが、溶液重合による場合は、重合の後で行われる水分散化に必要な量のカルボキシル基含有モノマーを共重合させることが必要である。重合終了後にそのカルボキシル基をアンモニアやアミン等の塩基性化合物で中和し、水を加えることによってポリオールの水分散体を得ることができる。重合や水分散化に際して有機溶剤を用いる場合、水分散した後に蒸留により溶液重合時に用いた有機溶剤を除去することが好ましい。
水酸基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体としては、例えば、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル等が挙げられる。中でも、水酸基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体としては、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル又はメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルが好ましい。
上記水酸基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体としては、以下のものが挙げられる。
1)アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステル;
2)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル;
3)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;
4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド;
5)メタクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有単量体;
6)スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル等のビニル系単量体;
7)ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基含有単量体。
市販されている水性アクリル系ポリオールとしては、例えば、Setaqua6510、Setaqua6515、Setaqua6520、Macrynal VSM2521w、Macrynal VSM6299w、Macrynal SM6810、Macrynal SM6825、Macrynal SM6826w(Allnex社製)、Neocryl XK−110、Neocryl XK−102、Neocryl XK−555(DSM社製)等が挙げられる。
[ポリエステル系ポリオール]
ポリエステル系ポリオールは、例えば、二塩基酸の単独又は混合物、及び必要に応じてスルホン酸塩含有のポリカルボン酸と、多価アルコールの単独又は混合物との縮合反応や、例えば、多価アルコールを用いたε−カプロラクトンの開環重合により得られる。
前記二塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸が挙げられる。前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等が挙げられる。
ポリエステル系ポリオールの分子量の調節は重合度の調節により行われる。重合終了後にポリオール中のカルボキシル基をアンモニアやアミン等の塩基性化合物で中和する等し、水を加えることによってポリオールの水分散体を得ることができる。重合や水分散化に際して有機溶剤を用いる場合、水分散した後に蒸留により有機溶剤を除去することが好ましい。
[ポリウレタン系ポリオール]
ポリウレタン系ポリオールは、一般に、ポリウレタンディスパージョンと言われるものが用いられ、例えば、ジイソシアネート化合物とポリエステルジオールやポリカーボネートジオール等との反応によるプレポリマー化反応を、ジメチロールプロピオン酸等のカルボキシル基含有ジオールの必要量の存在下で行い、カルボキシル基を三級アミン等で中和した後、水を加えることにより水分散化させ、その後速やかにジアミン化合物等を加えて鎖伸長を行うことにより得ることができる。前記ジイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、HDI、メチレンジフェニルジイソシアネート、水添メチレンジフェニルジイソシアネート等が挙げられる。前記ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
ポリウレタン系ポリオールの分子量の調節はプレポリマー化反応時のイソシアネート基と水酸基の比率や鎖伸長の条件によって行われる。プレポリマー化反応に際して有機溶剤を用いる場合、鎖伸長した後に蒸留により有機溶剤を除去することが好ましい。なお、ポリウレタンディスパージョンは、それ自体が強靭な樹脂であるため、本実施形態の水系2成分型硬化樹脂組成物に含まれる主剤としては、所定量の水酸基を導入させたものに加え、水酸基を有しないか、有する場合でも水酸基含有量が小さなものも用いることができる。
<その他添加剤>
本実施形態の水系2成分型硬化樹脂組成物は、上記ポリオールと、上記硬化剤に加えて、必要に応じて、例えば、硬化促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、その他レオロジーコントロール剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤等の各種添加剤を配合することが可能である。
硬化促進剤としては、例えば、金属のカルボン酸塩等の有機金属化合物が挙げられる。金属としては、例えば、錫、亜鉛、鉛等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン等が挙げられる。
顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、インジゴ、キナクリドン、パールマイカ、アルミペースト等が挙げられる。
<水系2成分型硬化樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の水系2成分型硬化樹脂組成物の製造に際しては、硬化剤中のイソシアネート基の水との反応を考慮し、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)はイソシアネート基過剰の条件で行うことが好ましく、通常、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)は1.1倍以上1.5倍以下に設定される。また、手動撹拌による水系主剤との混合性を改良する効果があることから、硬化剤を、イソシアネート基との反応性を有さない有機溶剤で予め希釈することが好ましい。希釈に用いることができる有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。これら有機溶剤は、1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。中でも、有機溶剤としては、手動撹拌により得られる水系2成分型硬化樹脂組成物の外観を改良する効果が高く、また水系2成分型硬化樹脂組成物の乾燥性も優れることから、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル又はジプロピレングリコールジメチルエーテルが好ましい。ただし、地球環境保護や労働安全衛生等の観点から、これら有機溶剤の使用量は可能な限り少なくすることが望ましく、希釈に用いる有機溶剤の配合量は、有機溶剤と硬化剤との合計量に対して、50質量%以下であることが好ましい。
水系2成分型硬化樹脂組成物の製造は手動撹拌により行うことができるが、混合時間の短縮や硬化剤を希釈する有機溶剤量を減らすことができることから、作業現場にて撹拌機を使用することも可能である。混合に要する時間は、混合方法にもよるが、通常1分以上10分以下程度である。
<使用用途>
本実施形態の水系2成分型硬化樹脂組成物は、自動車、バス、鉄道車両、建築機械、農業機械、建築物の床、壁及び屋根、金属製品、モルタルやコンクリート製品、木工製品、プラスチック製品、ケイ酸カルシウム板や石膏ボード等の窯業系建材等に用いられる、水系2成分型コーティング剤組成物、水系2成分型インキ組成物又は水系2成分型粘接着組成物として好適である。中でも、本実施形態の水系2成分型硬化樹脂組成物は、水系2成分型コーティング剤組成物として用いられることが好ましい。水系2成分型コーティング剤組成物は、例えば、スプレー塗装、ローラー塗装、カーテンフロー塗装、エアーナイフ塗装、グラビア塗装、ハケ塗り等の一般的な方法を用いて塗装することができる。水系2成分型コーティング剤組成物の分野では、主剤として、アクリル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール又はポリウレタン系ポリオールを用いることが好ましく、水系2成分型粘接着剤組成物の分野では、主剤として、アクリル系ポリオール又はポリウレタン系ポリオールを用いることが好ましい。
なお、本実施形態の水系2成分型硬化樹脂組成物は、比較的長い可使時間を有しているが、製造後は、雰囲気温度によっても異なるが、1時間以上3時間以下程度の間に使用することが好ましい。また、本実施形態の水系2成分型硬化樹脂組成物からなる塗膜の乾燥は自然乾燥により行ってもよく、温風や赤外線等による加熱乾燥により行ってもよい。
<物品のコーティング方法>
本実施形態の物品のコーティング方法は、上記水に分散又は乳化されたポリオールを主成分とする主剤と、上記硬化剤とを、撹拌により混合した後、得られた水系2成分型硬化樹脂組成物を物品にコーティングする方法である。
撹拌方法としては、作業現場にて撹拌機を用いた電動撹拌を適用できるが、手動撹拌であってもよい。上記水系2成分型硬化樹脂組成物は、硬化剤が水系主剤に分散しやすいため、手動撹拌であっても、主剤混合安定性に優れる水系2成分型硬化樹脂組成物が得られる。
コーティング方法としては、例えば、スプレー塗装、ローラー塗装、カーテンフロー塗装、エアーナイフ塗装、グラビア塗装、ハケ塗り等の一般的な方法が挙げられる。
物品としては、特別な限定はなく、例えば、金属(鋼板、表面処理鋼板等)、プラスチック、木材、フィルム、無機材料等の素材を成形してなる成形品等が挙げられる。また、これら成形品の形状は特に限定されず、例えば、フィルム、シート、ボード等の厚みが小さいものであってもよく、円柱、立体構造物等の厚みの大きいものであってもよい。また、チューブ等の中空のものであってもよい。
水系2成分型硬化樹脂組成物を物品にコーティングすることで、当該物品上に形成された塗膜は、形成後、徐々に硬化が進む。そのため、塗膜の乾燥は自然乾燥により行ってもよく、温風や赤外線等による加熱乾燥により行ってもよい。
以下、本発明を実施例と比較例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例中の「部」は断りのない限り、「質量部」を意味する。
まず、実施例及び比較例で得られた硬化剤及び水系2成分型硬化樹脂組成物について行った物性の測定方法及び試料の評価方法について下記に示す。
<測定方法>
[物性1]硬化剤の粘度
粘度計(東機産業株式会社製RE−85R(商品名))を用いて、25℃、粘度が約500mPa・s未満のものは回転数20rpmで、粘度が約500mPa・s以上のものは回転数10rpmで測定した。
[物性2]硬化剤の構造
Bruker社製Biospin Avance600(商品名)を用いた13C−NMRの測定(測定溶媒:クロロホルム−d、試料濃度:60質量/容量%、観測周波数:150MHz、積算回数:10000回)において、イソシアヌレート環構造(148.6ppm付近)、イミノオキサジアジンジオン環構造(135.5ppm付近)、アロファネート構造(154.0ppm付近)、ウレトジオン構造(157.3ppm付近)、及びその他の構造に由来するピークの積分値を算出し、各構造の含有量を計算した。
[物性3]イソシアヌレート化反応転化率
予め反応液の転化率と屈折率の関係を求めておき、反応液の屈折率の測定により行った。なお、屈折率は、京都電子工業株式会社製RefractometerRA−620(商品名)により測定した。
[物性4]イソシアネート基含有率(NCO%)
硬化剤を試料として、イソシアネート基含有率の測定は、JIS K7301−1995(熱硬化性ウレタンエラストマー用トリレンジイソシアネート型プレポリマー試験方法)に記載の方法に従って実施した。以下に、より具体的なイソシアネート基含有率の測定方法を示す。
(1)試料1gを200mL三角フラスコに採取し、該フラスコにトルエン20mLを添加し、試料を溶解させた。
(2)その後、上記フラスコに2.0Nのジ−n−ブチルアミン・トルエン溶液20mLを添加し、15分間静置した。
(3)上記フラスコに2−プロパノール70mLを添加し、溶解させて溶液を得た。
(4)上記(3)で得られた溶液について、1mol/L塩酸を用いて滴定を行い、試料滴定量(V1mL)を求めた。
(5)試料を添加しない場合にも、上記(1)〜(3)と同様の方法で測定を実施し、ブランク滴定量(V0mL)を求めた。
試料質量(1g)、並びに、上記で求めた試料滴定量(V1mL)及びブランク滴定量(V0mL)から、イソシアネート基含有率(NCO%)を以下の計算方法により算出した。
NCO%(質量%)
={(V0−V1)×42/(1×1,000)}×100
[物性5]硬化剤の数平均分子量(Mn)
硬化剤を試料として、硬化剤中の変性ポリイソシアネートと未変性ポリイソシアネートとを含むポリイソシアネートの数平均分子量は、以下の装置及び測定条件を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によりポリスチレン基準の数平均分子量(Mn)を測定した。
(装置及び測定条件)
装置:東ソー(株)製、HLC−8120GPC(商品名)
カラム:東ソー(株)製、TSKgelSuperH1000(商品名)×1本、TSKgelSuperH2000(商品名)×1本、TSKgelSuperH3000(商品名)×1本
キャリアー:テトラヒドロフラン
検出方法:示差屈折計
[物性6]イソシアネート基の平均官能基数
硬化剤を試料として、イソシアネート基の平均官能基数は、ポリイソシアネート1分子が統計的に有するイソシアネート官能基の数であり、上記「物性5」で測定した硬化剤の数平均分子量と、上記「物性4」で測定したイソシアネート基含有率とから以下のとおり算出した。
平均官能基数 = Mn×NCO%/100/42
[物性7]ポリアルキレングリコールアルキルエーテルのn11の平均数
原料のポリアルキレングリコールアルキルエーテルを試料として、n11の平均数は、下記の水酸基価から算出した。
水酸基価の測定は、JIS K 0070−1992(化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法)、及び、JIS K 1557−1(プラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法−第1部:水酸基価の求め方)に記載の方法に従って実施した。
上記で求めた水酸基価から、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルの分子量を求めた。
ポリアルキレングリコールアルキルエーテルの分子量
=56.1×1000/[水酸基価(mgKOH/g)]
上記で求めたポリアルキレングリコールアルキルエーテルの分子量から、n11の平均数を以下の計算方法により算出した。
n11の平均数
=(ポリアルキレングリコールアルキルエーテルの分子量−アルキル基の分子量−水酸基の分子量)/(アルキレンオキサイドの分子量)
例えば、使用したポリアルキレングリコールアルキルエーテルがポリエチレングリコール(モノ)メチルエーテルだった場合、ポリエチレングリコール(モノ)メチルエーテルのn11の平均数は、以下のように求められる。
nの平均数
=(ポリエチレングリコール(モノ)メチルエーテルの分子量−メチル基の分子量(15)−水酸基の分子量(17))/(エチレンオキサイドの分子量(44))
[物性8]ポリアルキレングリコールアルキルエーテルが変性された割合(変性率)
硬化剤を試料として、変性率は、原料のポリイソシアネートのイソシアネート基100当量に対して、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルが変性された割合であり、液体クロマトグラフィー(LC)の220nmにおける、未変性イソシアヌレート3量体、1変性イソシアヌレート3量体、2変性イソシアヌレート3量体、及び3変性イソシアヌレート3量体のピーク面積比から求めた。用いた装置及び測定条件は以下のとおりである。
(装置及び測定条件)
LC装置:Waters社製、UPLC(商品名)
カラム:Waters社製、ACQUITY UPLC HSS T3 1.8μm C18、内径2.1mm×長さ50mm
流速:0.3mL/min
移動相:A=10mM 酢酸アンモニウム水溶液、B=アセトニトリル
グラジェント条件:初期の移動相組成はA/B=98/2で、試料注入後Bの比率を直線的に上昇させ、10分後にA/B=0/100とした。
検出方法:フォトダイオードアレイ検出器、測定波長は220nm
[物性9]ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する構造単位の含有量
硬化剤を試料として、硬化剤中の、変性ポリイソシアネートのポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する構造単位の含有量は、上記「物性4」で測定したイソシアネート基含有率と、上記「物性7」で求めたポリアルキレングリコールアルキルエーテルのnの平均数から算出されるポリアルキレングリコールアルキルエーテルの分子量と、上記「物性8」で求めた変性率と、から以下のとおり算出した。
ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する構造単位の含有量(質量%)
=NCO%/100/42/(100−変性率)×変性率×ポリアルキレングリコールアルキルエーテルの分子量×100
例えば、使用したポリアルキレングリコールアルキルエーテルがポリエチレングリコール(モノ)メチルエーテルだった場合、ポリエチレングリコール(モノ)メチルエーテルの分子量は、以下のように求められる。
ポリエチレングリコール(モノ)メチルエーテルの分子量
=メチル基の分子量(15)+水酸基の分子量(17)+(エチレンオキサイドの分子量(44)×nの平均数)
<評価方法>
[評価1]主剤混合安定性
実施例及び比較例で得られた水系2成分型硬化樹脂組成物を乾燥膜厚が約40μmになるようにガラス板にバーコーターを用いて塗装し、23℃/50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させて、塗膜を得た。剥離した塗膜のうち、5cm×5cmの塗膜表面に存在する凝集物を確認し、以下に示す評価基準に従い、主剤混合安定性を評価した。
(評価基準)
〇:凝集物が1個以下
△:凝集物が2個以上5個以下
×:凝集物が6個以上
[評価2]塗膜の光沢
アルミニウム板上に予め市販の溶剤系2液アクリルウレタン白エナメル塗料をスプレー塗装してセッティングした後、80℃2時間乾燥し、室温で2週間以上養生させ、60度光沢値が10%以下になるまで表面を#1000のサンドペーパーで研磨したものを基材として準備した。その基材上に、実施例及び比較例で得られた水系2成分型硬化樹脂組成物を乾燥膜厚が約40μmになるようにバーコーターを用いて塗装し、23℃/50%RHの雰囲気下で1日間乾燥させた。その後、光沢計(スガ試験機株式会社製デジタル変角光沢計UDV−6P(商品名))を用いて、JIS Z8741の条件で20度光沢値を測定した。以下に示す評価基準に従い、塗膜の光沢を評価した。
(評価基準)
〇:20度光沢値が80%以上
△:20度光沢値が75%以上80%未満
×:20度光沢値が75%未満
[評価3]塗膜の目視外観
評価2と同様の方法を用いて得られた塗膜の外観を目視で評価した。以下に示す評価基準に従い、塗膜の外観を評価した。
(評価基準)
0:膜の曇りがなく、蛍光灯の光にぶれがない
1:膜の曇りはないが、蛍光灯の光がわずかにぶれる
2:膜に曇りがあり、蛍光灯の光が少しぶれる
3:膜に曇りがあり、蛍光灯の光がぶれる
4:膜に曇りがあり、蛍光灯の光が全体にぼやけている
5:膜に曇りがあり、蛍光灯の光を認識することができない
[評価4]塗膜の耐水性
実施例及び比較例で得られた水系2成分型硬化樹脂組成物を乾燥膜厚が約40μmになるようにポリプロピレン板上にバーコーターを用いて塗装し、23℃/50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させて、塗膜を得た。剥離した塗膜を約4cm×4cmに切断して質量を精秤した。次いで、塗膜を40℃の水中に24時間浸漬させた後に水中から取り出した。次いで、表面に付着している水分を拭き取った後、速やかに質量を精秤し、その質量増加率を測定した。以下に示す評価基準に従い、塗膜の耐水性を評価した。
(評価基準)
〇:質量増加率が2%未満
△:質量増加率が2%以上5%未満
×:質量増加率が5%以上
<硬化剤の製造>
[製造例1]
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:600質量部、及び、イソブタノール:2.5質量部を仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒トリメチル−2−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液:0.5質量部を加え、イソシアヌレート化反応を行い、転化率が18%になった時点でリン酸85%水溶液:0.06質量部を添加し反応を停止した。その後、反応液を更に160℃、1時間保持した。反応液を室温まで冷却し、ろ過後、薄膜蒸留装置を用いて未反応のHDIを除去した。得られた硬化剤は、イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、6員環構造の含有量が62.9モル%(イソシアヌレート環構造の含有量:62.8%、イミノオキサジアジンジオン環構造の含有量:0.1%)、ウレトジオン構造の含有量が23.0モル%、アロファネート構造の含有量が13.9モル%、その他の構造の含有量が0.1モル%であり、イソシアネート基含有率が23.1質量%、粘度が310mPa・sであった。
[製造例2]
イソブタノールの添加量を0.7質量部、転化率を20%とした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、硬化剤を製造した。得られた硬化剤は、イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、6員環構造の含有量が73.6モル%(イソシアヌレート環構造の含有量:73.4%、イミノオキサジアジンジオン環構造の含有量:0.2%)、ウレトジオン構造の含有量が22.1モル%、アロファネート構造の含有量が4.1モル%、その他の構造の含有量が0.3モル%であり、イソシアネート基含有率が23.2質量%、粘度が470mPa・sであった。
[製造例3]
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:600質量部を仕込み、撹拌下、反応器内温度を60℃に保持した。そこに、イソシアヌレート化触媒であるトリメチル−2−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドをイソブタノールで2.5質量%に希釈した溶液:1.0質量部を添加し、アロファネート化反応及びイソシアヌレート化反応を行い、転化率が25%になった時点でリン酸85%水溶液:0.06質量部を添加し反応を停止した。その後、反応液を更に100℃、1時間保持した。反応液を室温まで冷却し、ろ過後、薄膜蒸留装置を用いて未反応のHDIを除去した。得られた硬化剤は、イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、6員環構造の含有量が97.5モル%(イソシアヌレート環構造の含有量:97.5%、イミノオキサジアジンジオン環構造の含有量:0%)、ウレトジオン構造の含有量が0.3モル%、アロファネート構造の含有量が2.2モル%、その他の構造の含有量が0モル%であり、イソシアネート基含有率が23.1質量%、粘度が1350mPa・sであった。
[製造例4]
製造例2で製造した硬化剤:82.5質量部にエチレンオキサイド繰り返し単位の平均数9のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG−130」):17.5質量部を添加し、窒素下、100℃で4時間撹拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む硬化剤を得た。得られた硬化剤は、イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、6員環構造の含有量が78.6モル%(イソシアヌレート環構造の含有量:73.4%、イミノオキサジアジンジオン環構造の含有量:0.2%)、ウレトジオン構造の含有量が22.1モル%、アロファネート構造の含有量が4.1モル%、その他の構造の含有量が0.3モル%であり、イソシアネート基含有率が17.3質量%、粘度が590mPa・s、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルに由来する構造単位の含有量が17.5質量%であった。
[製造例5]
製造例2で製造した硬化剤:94質量部にエチレンオキサイド繰り返し単位の平均数9のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG−130」):6質量部を添加し、窒素下、100℃で4時間撹拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む硬化剤を得た。得られた硬化剤は、イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、6員環構造の含有量が73.6モル%(イソシアヌレート環構造の含有量:73.4%、イミノオキサジアジンジオン環構造の含有量:0.2%)、ウレトジオン構造の含有量が22.1モル%、アロファネート構造の含有量が4.1モル%、その他の構造の含有量が0.3モル%であり、イソシアネート基含有率が21.2質量%、粘度が510mPa・s、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルに由来する構造単位の含有量が6.0質量%であった。
<水系2成分型硬化樹脂組成物の製造>
[実施例1]
(1)硬化剤P−1aの製造
製造例1で得られた硬化剤:66質量部、及び、製造例4で得られた硬化剤:34質量部をスリーワンモーター1000回転で5分間撹拌し、硬化剤P−1aを得た。
(2)水系2成分型硬化樹脂組成物C−1aの製造
水性アクリルポリールSetaqua6515(水酸基含有量:3.3%、不揮発分:45%):62.2gを容器に計り取り、撹拌しながらレベリング剤BYK−348(BYK社製):0.11g、Tego Wet 270(Evonic Tego Chemie社製):0.11g、紫外線吸収剤Tinuvin 1130(BASF社製):0.67g、光安定剤Tinuvin 292(BASF社製):0.31g、及び、水:4.5g添加し、スリーワンモーター1000回転で5分間撹拌した。これに、硬化剤P−1a:64質量部を、希釈溶剤としてブチルグリコールアセテート:36質量部で予め混合したもの(以下、「硬化剤溶液1a」と称する場合がある)を、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が1.25になるように加え(硬化剤溶液1a:21.3g)、水:10.8gを添加後、薬さじで3分間手動撹拌することにより、水系2成分型硬化樹脂組成物C−1aを得た。
[実施例2]
(1)硬化剤P−2aの製造
製造例5で得られた硬化剤を硬化剤P−2aとして使用した。
(2)水系2成分型硬化樹脂組成物C−2aの製造
硬化剤P−2a:64質量部を、希釈溶剤としてブチルグリコールアセテート:36質量部で予め混合したものを用いた以外は、実施例1の(2)と同様の方法を用いて、水系2成分型硬化樹脂組成物C−2aを製造した。
[実施例3]
(1)硬化剤P−3aの製造
製造例3で得られた硬化剤:21質量部、及び、製造例4で得られた硬化剤:79質量部をスリーワンモーター1000回転で5分間撹拌し、硬化剤P−3aを得た。
(2)水系2成分型硬化樹脂組成物C−3aの製造
水性アクリルポリールSetaqua6515(水酸基含有量:3.3%、不揮発分:45%):59.5gを容器に計り取り、撹拌しながらレベリング剤BYK−348(BYK社製):0.11g、Tego Wet 270(Evonic Tego Chemie社製):0.11g、紫外線吸収剤Tinuvin 1130(BASF社製):0.64g、光安定剤Tinuvin 292(BASF社製):0.30g、及び、水:4.3gを添加し、スリーワンモーター1000回転で5分間撹拌した。これに、硬化剤P−3a:64質量部を、希釈溶剤としてブチルグリコールアセテート36質量部で予め混合したもの(以下、「硬化剤溶液3a」と称する場合がある)を、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が1.25になるように加え(硬化剤溶液3a:23.3g)、水:11.8gを添加後、薬さじで3分間手動撹拌することにより、水系2成分型硬化樹脂組成物C−3aを得た。
[比較例1]
(1)硬化剤P−1bの製造
製造例1で得られた硬化剤:83質量部、及び、製造例4で得られた硬化剤:66質量部をスリーワンモーター1000回転で5分間撹拌し、硬化剤P−1bを得た。
(2)水系2成分型硬化樹脂組成物C−1bの製造
水性アクリルポリールSetaqua6515(水酸基含有量:3.3%、不揮発分:45%):63.1gを容器に計り取り、撹拌しながらレベリング剤BYK−348(BYK社製):0.11g、Tego Wet 270(Evonic Tego Chemie社製):0.11g、紫外線吸収剤Tinuvin 1130(BASF社製):0.68g、光安定剤Tinuvin 292(BASF社製):0.31g、及び、水:4.6gを添加し、スリーワンモーター1000回転で5分間撹拌した。これに、硬化剤P−1bの64質量部を、希釈溶剤としてブチルグリコールアセテート36質量部で予め混合したもの(以下、「硬化剤溶液1b」と称する場合がある)を、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が1.25になるように加え(硬化剤溶液1b:20.6g)、水:10.5gを添加後、薬さじで3分間手動撹拌することにより、水系2成分型硬化樹脂組成物C−1bを得た。
[比較例2]
(1)硬化剤P−2bの製造
製造例3で得られた硬化剤:46質量部、及び、製造例4で得られた硬化剤:89質量部をスリーワンモーター1000回転で5分間撹拌し、硬化剤P−2bを得た。
(2)水系2成分型硬化樹脂組成物C−2bの製造
水性アクリルポリールSetaqua6515(水酸基含有量:3.3%、不揮発分:45%)60.3gを容器に計り取り、撹拌しながらレベリング剤BYK−348(BYK社製):0.11g、Tego Wet 270(Evonic Tego Chemie社製):0.11g、紫外線吸収剤Tinuvin 1130(BASF社製):0.65g、光安定剤Tinuvin 292(BASF社製):0.30g、及び、水:4.4gを添加し、スリーワンモーター1000回転で5分間撹拌した。これに、硬化剤P−2b:64質量部を、希釈溶剤としてブチルグリコールアセテート36質量部で予め混合したもの(以下、「硬化剤溶液2b」と称する場合がある)を、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が1.25になるように加え(硬化剤溶液2b:22.7g)、水:11.5gを添加後、薬さじで3分間手動撹拌することにより、水系2成分型硬化樹脂組成物C−2bを得た。
[比較例3]
(1)硬化剤P−3bの製造
製造例1で得られた硬化剤を硬化剤P−3bとして使用した。
(2)水系2成分型硬化樹脂組成物C−3bの製造
水性アクリルポリールSetaqua6515(水酸基含有量:3.3%、不揮発分:45%):63.9gを容器に計り取り、撹拌しながらレベリング剤BYK−348(BYK社製):0.11g、Tego Wet 270(Evonic Tego Chemie社製):0.11g、紫外線吸収剤Tinuvin 1130(BASF社製):0.69g、光安定剤Tinuvin 292(BASF社製):0.32g、及び、水:4.6gを添加し、スリーワンモーター1000回転で5分間撹拌した。これに、硬化剤P−3b:64質量部を、希釈溶剤としてブチルグリコールアセテート36質量部で予め混合したもの(以下、「硬化剤溶液3b」と称する場合がある)を、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が1.25になるように加え(硬化剤溶液3b:20.2g)、水:10.2gを添加後、薬さじで3分間手動撹拌することにより、水系2成分型硬化樹脂組成物C−3bを得た。
実施例及び比較例で得られた硬化剤及び水系2成分型硬化樹脂組成物について、上記記載の方法を用いて物性を測定し、各種評価を行った。結果を以下の表1に示す。
Figure 2020128503
水系2成分型硬化樹脂組成物C−1a〜C−3a(実施例1〜3)では、主剤混合安定性に優れ、得られた塗膜の光沢、外観及び耐水性が良好であった。
また、水系2成分型硬化樹脂組成物C−1a〜C−3a(実施例1〜3)において、6員環構造の含有率が低下し、アロファネート構造の増加に伴い、塗膜の光沢、外観及び耐水性がより良好になる傾向が見られた。
一方、粘度が380mPa・s未満又は800mPa・s超である硬化剤P−1b〜P−3bを用いた水系2成分型硬化樹脂組成物C−1b〜C−3b(比較例1〜3)では、主剤混合安定性に劣り、得られた塗膜の光沢、外観及び耐水性の全てが良好なものはなかった。
本実施形態の水系2成分型硬化樹脂組成物は、自動車、バス、鉄道車両、建築機械、農業機械、建築物の床、壁及び屋根、金属製品、モルタルやコンクリート製品、木工製品、プラスチック製品、ケイ酸カルシウム板や石膏ボード等の窯業系建材等に用いられる、コーティング剤、インキ、粘接着剤として好適に用いられる。

Claims (6)

  1. 水に分散又は乳化されたポリオールと、
    脂肪族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含む硬化剤と、を含む水系2成分型硬化樹脂組成物であって、
    イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、イソシアネート基の3量化反応による6員環構造の含有量が50モル%以上80モル%以下であり、ウレトジオン構造及びアロファネート構造の合計含有量が20モル%以上50モル%以下であり、
    前記硬化剤の25℃における粘度が380mPa・s以上800mPa・s以下であり、
    前記硬化剤は、前記ポリイソシアネートの少なくとも一部とポリアルキレングリコールアルキルエーテルとから得られる変性ポリイソシアネートを含む、水系2成分型硬化樹脂組成物。
  2. 前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルが下記式(1−1)で表されるポリエチレングリコールモノメチルエーテルを含み、
    前記硬化剤の総質量に対する、前記変性ポリイソシアネートにおける前記式(1−1)で表されるポリエチレングリコールモノメチルエーテルに由来する構造単位の含有量は、4.0質量%以上17.0質量%以下である、請求項1に記載の水系2成分型硬化樹脂組成物。
    Figure 2020128503
    (式(1−1)中、nの平均数は5.0以上20.0以下である。)
  3. 前記6員環構造がイソシアヌレート環構造である、請求項1又は2に記載の水系2成分型硬化樹脂組成物。
  4. イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、前記ウレトジオン構造の含有量が15モル%以上30モル%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水系2成分型硬化樹脂組成物。
  5. イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、前記アロファネート構造の含有量が3モル%以上20モル%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水系2成分型硬化樹脂組成物。
  6. 水に分散又は乳化されたポリオールと、脂肪族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含む硬化剤と、を撹拌により混合した後、得られた2成分型硬化樹脂組成物を物品にコーティングする、物品のコーティング方法であって、
    イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、イソシアネート基の3量化反応による6員環構造の含有量が50モル%以上80モル%以下であり、ウレトジオン構造及びアロファネート構造の合計含有量が20モル%以上50モル%以下であり、
    前記硬化剤の25℃における粘度が380mPa・s以上800mPa・s以下であり、
    前記硬化剤は、前記ポリイソシアネートの少なくとも一部とポリアルキレングリコールアルキルエーテルとから得られる変性ポリイソシアネートを含む、コーティング方法。
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