JP2016102196A - ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物、水系コーティング組成物、及びコーティング基材 - Google Patents

ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物、水系コーティング組成物、及びコーティング基材 Download PDF

Info

Publication number
JP2016102196A
JP2016102196A JP2015167001A JP2015167001A JP2016102196A JP 2016102196 A JP2016102196 A JP 2016102196A JP 2015167001 A JP2015167001 A JP 2015167001A JP 2015167001 A JP2015167001 A JP 2015167001A JP 2016102196 A JP2016102196 A JP 2016102196A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyisocyanate
composition
mass
less
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015167001A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6600508B2 (ja
Inventor
和子 中島
Kazuko Nakajima
和子 中島
渡邊 慎一郎
Shinichiro Watanabe
慎一郎 渡邊
理計 山内
Michikazu Yamauchi
理計 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Publication of JP2016102196A publication Critical patent/JP2016102196A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6600508B2 publication Critical patent/JP6600508B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】良好な水分散性及び水分散安定性と、良好な塗膜架橋性とを示すポリイソシアネート組成物を提供する。【解決手段】ポリイソシアネートと、特定の構造を有するポリアルキレングリコールアルキルエーテルとから得られる変性ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物であり、当該ポリイソシアネート組成物100質量%に対して、当該ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する部分は、1.0質量%以上13質量%未満であり、平均イソシアネート官能基数が、2.3以上3.3以下であり、23℃における粘度が、330mPa・s以上1000mPa・s以下である、ポリイソシアネート組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物、水系コーティング組成物、及びコーティング基材に関する。
近年、環境保護の観点から、溶剤系塗料として利用されている常温架橋型の二液ウレタンコーティング組成物は水系化が望まれている。しかし、二液ウレタンコーティング組成物において、硬化剤として用いられるポリイソシアネートは、水に分散しにくく、水と反応しやすく、その反応により二酸化炭素を発生する。そのため、乳化性を有し、水分散状態でもイソシアネート基と水との反応が抑えられるポリイソシアネートの開発が進められている。
例えば、特許文献1では、ポリイソシアネート化合物とエチレンオキシド単位を含むポリエーテルとを含む、水に分散可能なポリイソシアネート混合物が開示されている。また、特許文献2では、イソシアヌレート基とウレトジオン基を含む低粘度の、水に溶解又は分散しうる水性ポリイソシアネート組成物が開示されている。さらに、特許文献3では、脂肪族又は脂環式ジイソシアネートとモノアルコールから得られるイソシアネートプレポリマーと、ノニオン性の親水成分を反応させてなる、高い乳化性を有するポリイソシアネート組成物が開示されている。加えて、特許文献4では、脂肪族又は脂環式ジイソシアネートから得られるプレポリマーと、平均で3.0から4.9のエチレンオキサイド繰り返し単位からなるノニオン性親水成分を反応させて得られる、水に容易に分散可能なポリイソシアネート組成物が開示されている。
特開平05−222150号公報 特開2007−332193号公報 特開2000−178335号公報 特開2000−248044号公報
しかしながら、特許文献1から4に記載のポリイソシアネート組成物でも、水分散性と、塗膜架橋性の双方とを満たすには不十分であった。
そこで、本発明は、少なくとも良好な水分散性及び水分散安定性と良好な塗膜架橋性とを示すポリイソシアネート組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリイソシアネートと特定範囲量の特定構造のポリアルキレングリコールアルキルエーテルとの反応により得られる変性ポリイソシアネートを含み、特定範囲のイソシアネート平均官能基数であり、特定範囲の粘度である、ポリイソシアネート組成物が、良好な水分散性及び水分散安定性、並びに塗膜架橋性とを示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の通りである。
[1]ポリイソシアネートと、下記一般式(1)で表されるポリアルキレングリコールアルキルエーテルとから得られる変性ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物であり、
前記ポリイソシアネート組成物100質量%に対して、前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する部分は、1.0質量%以上13質量%未満であり、
平均イソシアネート官能基数が、2.3以上3.3以下であり、
23℃における粘度が、330mPa・s以上1000mPa・s以下である、ポリイソシアネート組成物。
Figure 2016102196
(式(1)中、R1は炭素原子数1から4のアルキレン基であり、R2は炭素数1から4のアルキル基である。nの平均数は5.0以上20以下である。)
[2]一般式(1)中、前記R1はエチレン基であり、前記nの平均数は5.0以上11以下である、[1]に記載のポリイソシアネート組成物。
[3]前記平均イソシアネート官能基数は、2.5以上3.2以下である、[1]又は[2]に記載のポリイソシアネート組成物。
[4]ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでの示差屈折率計検出によって求められる、前記ポリイソシアネート及び前記変性ポリイソシアネートの全ピーク面積に対する、ジイソシアネート三量体の面積割合が、全面積100%に対して、45%以上65%以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
[5]ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでの示差屈折率計検出によって求められる、前記ポリイソシアネート及び前記変性ポリイソシアネートの全ピーク面積に対する、ジイソシアネート三量体の面積割合が、全面積100%に対して、47%以上60%以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物を含む、コーティング組成物。
[7][6]に記載のコーティング組成物と水とを含む、水系コーティング組成物。
[8][6]に記載のコーティング組成物又は[7]に記載の水系コーティング組成物によってコーティングされたコーティング基材。
本発明のポリイソシアネート組成物によれば、優れた水分散性及び水分散安定性と、優れた塗膜架橋性とを得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の本実施形態に限定するものではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
[ポリイソシアネート組成物]
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネートと下記一般式(1)で表されるポリアルキレングリコールアルキルエーテルとから得られる変性ポリイソシアネートを含む。また、本実施形態のポリイソシアネート組成物は、該ポリイソシアネート組成物100質量%に対して、下記一般式(1)で表されるポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する部分は、1.0質量%以上13質量%未満であり、平均イソシアネート官能基数が、2.3以上3.3以下であり、23℃における粘度が、330mPa・s以上1000mPa・s以下である。
Figure 2016102196
(式(1)中、R1は炭素原子数1から4のアルキレン基であり、R2は炭素数1から4のアルキル基である。nの平均数は5.0以上20以下である。)
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルと反応していない上記ポリイソシアネート(以下、「未反応ポリイソシアネート」とも示す。)を含んでもよい。また、後述する本実施形態のポリイソシアネート組成物の各種物性又は特性は、特に言及のない限り、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルとから得られる変性ポリイソシアネート(以下、単に「変性ポリイソシアネート」とも示す。)と、未反応ポリイソシアネートとを含んだ状態をも示す特性である。
また、本実施形態のポリイソシアネート組成物において、未反応ポリイソシアネートと変性ポリイソシアネートとの割合は、具体的には、液体クロマトグラフィーにより測定して求めることができる。
<ポリイソシアネート>
本実施形態に用いるポリイソシアネートとして、具体的には、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネート化合物、これらジイソシアネート化合物から誘導されるポリイソシアネート化合物等が挙げられる。本実施形態に用いるポリイソシアネートは、工業的に入手しやすい観点で、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一種のジイソシアネート化合物であることが好ましい。
脂肪族ジイソシアネートとして、具体的には、1,4−ジイソシアナトブタン、1,5−ジイソシアナトペンタン、エチル(2,6−ジイソシアナト)ヘキサノエート、1,6−ジイソシアナトヘキサン(以下、「HDI」とも記す。)、1,9−ジイソシアナトノナン、1,12−ジイソシアナトドデカン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチル−1、6−ジイソシアナトヘキサン等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとして、具体的には、1,3−又は1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(以下、「水添XDI」とも記す。)、1,3−又は1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、3,5,5−トリメチル1−イソシアナト−3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(以下、「IPDI」とも記す。)、4−4’−ジイソシアナト−ジシクロヘキシルメタン(以下、「水添MDI」とも記す。)、2,5−又は2,6−ジイソシアナトメチルノルボルナン等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとして、具体的には、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
これらの中でも、HDI、IPDI、水添XDI、水添MDIが、黄変しにくい傾向にあるためより好ましい。
上記のジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネート化合物として、具体的には、2つのイソシアネート基を環化二量化して得られるウレトジオン構造を有するポリイソシアネート化合物、3つのイソシアネート基を環化三量化して得られるイソシアヌレート構造、イミノオキサジアジンジオン構造を有するポリイソシアネート化合物、3つのイソシアネート基と1つの水分子とを反応させて得られるビウレット構造を有するポリイソシアネート化合物、2つのイソシアネート基と1分子の二酸化炭素とを反応させて得られるオキサダイアジントリオン構造を有するポリイソシアネート化合物、1つのイソシアネート基と1つの水酸基を反応させて得られるウレタン基を複数有するポリイソシアネート化合物、2つのイソシアネート基と1つの水酸基を反応させて得られるアロファネート構造を有するポリイソシアネート化合物、1つのイソシアネート基と1つのカルボキシル基を反応させて得られるアシル尿素基を有するポリイソシアネート化合物、1つのイソシアネート基と1つの1級又は2級アミンを反応させて得られる尿素構造を有するポリイソシアネート化合物等が挙げられる。また、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナートメチルオクタン、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナト−ヘキサノエート等の脂肪族トリイソシアネート等も挙げられる。
また、これらのポリイソシアネートは、水酸基を有するスルホン酸アミン塩、水酸基及びノニオン性親水基を有するビニル重合体等によって変性されていてもよい。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
<ポリアルキレングリコールアルキルエーテル>
本実施形態に用いるポリアルキレングリコールアルキルエーテルは、下記式(1)で表される構造を有する。
Figure 2016102196
(式(1)中、R1は炭素原子数1から4のアルキレン基であり、R2は炭素数1から4のアルキル基である。nの平均数は5.0以上20以下である。)
上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルとして、具体的には、親水性付与の観点から、R1は炭素原子数1から4のアルキレン基である。より親水性が付与できる観点から、炭素原子数2のエチレンであることが好ましい。また、親水性付与の観点から、R2は炭素原子数1から4のアルキル基である。より親水性が付与できる観点から、炭素原子数1のメチルであることが好ましい。さらに、水分散性の観点から、nは5.0以上20以下である。水分散性と主剤への分散性の観点から、nは5.0以上11以下であることが好ましい。
具体的な化合物としては、ポリエチレングリコール(モノ)メチルエーテル、ポリ(エチレン、プロピレン)グリコール(モノ)メチルエーテル、ポリエチレングリコール(モノ)エチルエーテル等が挙げられる。親水性付与の観点から、ポリエチレングリコール(モノ)メチルエーテルであることが好ましい。
上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルの水酸基の数は、ポリイソシアネート組成物の粘度を低くする観点から、好ましくは1つである。
上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルは、その中にアルキレンオキサイド繰り返し単位−(R1O)n−を含む。上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルのアルキレンオキサイド繰り返し単位の平均数、すなわちnの平均数は、水分散性と主剤への分散性及び塗膜外観の観点から、好ましくは5.0以上20以下、より好ましくは5.0以上11以下、さらに好ましくは5.0以上10以下である。nの平均数が5.0以上であると、乳化力が増すため分散性が向上する傾向にあり、20以下であると、粘度上昇を防ぐため、容易に分散することができる傾向にある。上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルは、nの平均数が異なるものを1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。原料のポリアルキレングリコールアルキルエーテルのnの平均数は、後述する実施例に記載の方法により測定する。
ポリイソシアネート組成物中のポリアルキレングリコールアルキルエーテルにおいても、その中にアルキレンオキサイド繰り返し単位−(R1O)n−を含む。上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルのアルキレンオキサイド繰り返し単位の平均数、すなわちnの平均数は、水分散性と主剤への分散性及び塗膜外観の観点から、5.0以上20以下、好ましくは5.0以上11以下、より好ましくは5.0以上10以下である。nの平均数が5.0以上であると、乳化力が増すため分散性が向上する傾向にあり、20以下であると、粘度上昇を防ぐため、容易に分散することができる傾向にある。ポリイソシアネート組成物中のポリアルキレングリコールアルキルエーテルのnの平均数は、後述する実施例に記載の方法により測定する。
ポリイソシアネート組成物中のポリアルキレングリコールアルキルエーテルにおいて、一般式(1)中、R1はエチレン基であり、nの平均数は5.0以上11以下であることが、より優れた水分散性を得る観点から好ましい。
ポリイソシアネート組成物中において、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルが変性された割合(以下、「変性率」とも示す。)は、原料のポリイソイソシアネートのイソシアネート基100当量に対して、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルが変性された割合である。変性率は、0.5%以上15%以下であることが好ましく、1.0%以上10%以下であることがより好ましく、2.0%以上10%以下であることがさらに好ましい。変性率が0.5%以上であることで、界面張力が下がることに起因して、より良好な水分散性を示す傾向があり、変性率が15%以下であることで、架橋に使用されるイソシアネート基が多くなることに起因して、架橋性がより良好となる傾向にある。
変性率を上記範囲に制御する方法としては、以下のものに限定されないが、例えば、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルとポリイソシアネートとの配合比を調整する方法が挙げられる。また、変性率は、実施例中に記載する方法により測定する。
ポリイソシアネート組成物100質量%に対して、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する部分の含有率は、水分散性とイソシアネート基の保持率と塗膜物性との観点から、1.0質量%以上13質量%未満であり、好ましくは2.0質量%以上12質量%以下である。上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する部分が1.0質量%以上であることで、界面張力を下がるため、分散性が向上し、13質量%未満であることで、水とイソシアネート基との接触が少なくなるため、イソシアネート基の保持率が高く、塗膜物性(硬度、耐溶剤性、耐水性)が向上する。上記含有率は、後述する実施例に記載の方法により測定する。
ポリイソシアネートと上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルとを反応させる方法として、具体的には、ポリイソシアネートが有する末端イソシアネート基と、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルが有する水酸基とを反応させる方法等が挙げられる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物の23℃における粘度は、水分散安定性と主剤への分散性(塗膜外観)との観点から、330mPa・s以上1000mPa・s以下であり、350mPa・s以上950mPa・s以下であることが好ましく、350mPa・s900mPa・s以下であることがより好ましい。23℃における粘度が330mPa・s以上であることで、チキソ性が良好となるため、塗膜外観が良好となり、1000mPa・s以下であることで、水分散時に粒子が微粒子化しやすいため、分散安定性が良好となる。
23℃における粘度を上記範囲に制御する方法として、具体的には、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルとポリイソシアネートとの配合比を調整する方法、粘度が適当な範囲にあるポリイソシアネートを原料として変性させる方法、原料のポリイソシアネートを製造する際に転化率を調整する方法等が挙げられる。また、23℃における粘度は、実施例中に記載する方法により測定する。
本実施形態のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基含有率は、不揮発分が実質的に100質量%である状態で、塗膜物性の観点から、16質量%以上24質量%以下であることが好ましく、16.5質量%以上23質量%以下であることがより好ましく、17質量%以上23質量%以下がさらに好ましい。イソシアネート基含有率が16質量%以上24質量%以下であることで、架橋に使用されるイソシアネート基が多くなり、ポリイソシアネート分子の硬化中における分子の動きやすさが良好となるため、乾燥性が良好となる傾向にある。
イソシアネート基含有率を上記範囲に制御する方法として、具体的には、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルとポリイソシアネートとの配合比を調整する方法等が挙げられる。また、イソシアネート基含有率は、実施例中に記載する方法により測定する。
本実施形態のポリイソシアネート組成物中の変性ポリイソシアネートと未反応ポリイソシアネートとを含むポリイソシアネートの数平均分子量は、水分散安定性と主剤への分散性との観点から、450以上700以下であることが好ましく、500以上700以下であることがより好ましく、500以上650以下であることがさらに好ましい。ポリイソシアネートの数平均分子量が450以上700以下であることで、架橋に使用される三量体成分が多くなり、ポリイソシアネート分子の硬化中における分子の動きやすさが良好となるため、乾燥性が良好となる傾向にある。
数平均分子量を上記範囲に制御する方法として、具体的には、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルとポリイソシアネートとの配合比を調整する方法等が挙げられる。また、ポリイソシアネートの数平均分子量は、実施例中に記載する方法により測定する。
本実施形態のポリイソシアネート組成物中の変性ポリイソシアネートと未反応ポリイソシアネートとを含むポリイソシアネートの、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでの示差屈折率計検出によって求められる、未反応ポリイソシアネート中のジイソシアネート三量体の面積割合(面積百分率)は、水分散安定性と塗膜物性との観点から、45%以上65%以下であることが好ましく、47%以上60%以下であることがより好ましく、50%以上60%以下であることがさらに好ましい。面積割合が45%以上であることで、化学的安定性の高い成分が多くなるので、塗膜の強度が強くなる傾向にある。面積割合が65%以下であることで、ミセル化されて安定に存在する成分が多いため、水分散安定性が良好となる傾向にある。
未反応ポリイソシアネート中のジイソシアネート三量体の面積割合を上記範囲に制御する方法として、具体的には、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルとポリイソシアネートとの配合比を調整する方法、ジイソシアネート三量体の含有量が適当な範囲にあるポリイソシアネートを原料として変性させる方法、原料のポリイソシアネートを製造する際に転化率を調整する方法等が挙げられる。また、ジイソシアネート三量体の面積割合は、実施例に記載する方法により測定する。
本実施形態の変性ポリイソシアネートと未反応ポリイソシアネートとを含むポリイソシアネート組成物のイソシアネート官能基の平均数(以下、「平均イソシアネート官能基数」とも示す。)は、塗膜物性の観点から、2.3以上3.3以下であり、2.5以上3.2以下であることが好ましく、2.6以上3.1以下であることがより好ましい。平均イソシアネート官能基数が2.3以上3.3以下であることで、塗膜の架橋効率が向上し、ポリイソシアネート分子の硬化中における分子の動きやすさが良好となるため、乾燥性が良好となる。
平均イソシアネート官能基数を上記範囲に制御する方法として、具体的には、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルとポリイソシアネートとの配合比を調整する方法等が挙げられる。また、平均イソシアネート官能基数は、実施例中に記載する方法により測定する。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、上述した変性ポリイソシアネート及び未反応ポリイソシアネート以外に他の成分を含んでいてもよい。他の成分として、具体的には、溶剤、酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤、界面活性剤等が挙げられる。
溶剤の含有量は、ポリイソシアネート組成物100質量%に対して、0.0質量%以上90質量%以下であることが好ましく、0.0質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、0.0質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。また、酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤、界面活性剤は、ポリイソシアネート組成物100質量%に対して、0.0質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.0質量%以上5.0質量%以下であることがより好ましく、0.0質量%以上2.0質量%以下であることがさらに好ましい。
[ポリイソシアネート組成物の製造方法]
本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法は、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルと、ポリイソシアネートとを混合反応させる工程(反応工程)を含むことが好ましい。
反応工程において、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルと、ポリイソシアネートとの混合比率は、水分散性とイソシアネート基の保持率と塗膜物性との観点から、ポリイソシアネート組成物100質量%に対して、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルが、1.0質量%以上13質量%未満となるように反応されていることが好ましく、2.0質量%以上12質量%以下となるように反応されていることがより好ましい。
反応工程において、反応温度や反応時間は、反応の進行に応じて適宜決められるが、反応温度は0.0℃以上150℃以下であることが好ましく、反応時間は0.5時間以上48時間以下であることが好ましい。
また、反応工程において、場合により公知の触媒を使用してもよい。触媒として、具体的には、オクタン酸スズ、2−エチル−1−ヘキサン酸スズ、エチルカプロン酸スズ、ラウリン酸スズ、パルミチン酸スズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジマレート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート等の有機スズ化合物;塩化亜鉛、オクタン酸亜鉛、2−エチル−1−ヘキサン酸亜鉛、2−エチルカプロン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、アセチルアセトン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物;有機チタン化合物;有機ジルコニウム化合物;トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン等の三級アミン類;トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等のジアミン類が挙げられる。これらは単独又は混合して使用してもよい。
本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法において、溶剤を使用してもよいし、使用しなくてもよい。本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法に用いられる溶剤は、親水性溶剤でも疎水性溶剤でもよい。
疎水性溶剤として、具体的には、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、LAWS(Low Aromatic White Spirit)、HAWS(High Aromatic White Spirit)、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。
親水性溶剤として、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテルアルコール類のエステル類等が挙げられる。これらは単独又は混合して使用することができる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法において、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルと、ポリイソシアネートとに加えて、酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤、及び界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに添加してもよい。
[コーティング組成物]
本実施形態のコーティング組成物は、上述のポリイソシアネート組成物を含むものであれば特に限定されず、有機溶剤系のコーティング組成物としても、水を主とする媒体中に塗膜形成成分である樹脂類が溶解又は分散している水系コーティング組成物としてしてもよく、水系コーティング組成物とすることが、有機溶剤の使用量低減の観点から好ましい。具体的には、建築用塗料、自動車用塗料、自動車補修用塗料、プラスチック用塗料、粘着剤、接着剤、建材、家庭用水系塗料、その他コーティング剤、シーリング剤、インキ、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック原料、繊維処理剤等に使用することができる。
水系コーティング組成物における主剤の樹脂類として、具体的には、アクリル樹脂類、ポリエステル樹脂類、ポリエーテル樹脂類、エポキシ樹脂類、フッ素樹脂類、ポリウレタン樹脂類、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、ポリブタジエン共重合体、スチレンブタジエン共重合体等が挙げられる。
アクリル樹脂類として、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の活性水素を持つ(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド類;メタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル、p−スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸等のその他の重合性モノマー類等から選ばれた単独又は混合物を重合させて得られるアクリル樹脂類等が挙げられる。その重合方法としては、乳化重合が一般的であるが、懸濁重合、分散重合、溶液重合でも製造できる。乳化重合では段階的に重合することもできる。
ポリエステル樹脂類として、具体的には、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のカルボン酸の群から選ばれた単独又は混合物と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、2−エチル−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等のジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類;ジグリセリン、ジメチロールプロパン、ペンタエリトリトール等のテトラオール類等の群から選ばれた多価アルコールの単独又は混合物と、の縮合反応によって得られるポリエステル樹脂類等、及び低分子量ポリオールの水酸基にε−カプロラクトンを開環重合して得られるようなポリカプロラクトン類等が挙げられる。
ポリエーテル樹脂類として、具体的には、多価ヒドロキシ化合物の単独又は混合物に、リチウム、ナトリウム、カリウム等の水酸化物;アルコラート、アルキルアミン等の強塩基性触媒等を使用して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの単独又は混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類;エチレンジアミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類;テトラヒドロフラン等の環状エーテル類の開環重合によって得られるポリエーテルポリオール類;これらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類等が挙げられる。
これらの樹脂類の中では、アクリル樹脂類、ポリエステル樹脂類が好ましい。また、必要に応じて、メラミン系硬化剤、ウレタンディスパージョン、ウレタンアクリルエマルジョン等の樹脂を併用することができる。
これらの樹脂類は、水に乳化、分散又は溶解することが好ましい。そのために、樹脂類に含まれるカルボキシル基、スルホン基等を中和することができる。
カルボキシル基、スルホン基等を中和するための中和剤として、具体的には、アンモニア、水溶性アミノ化合物であるモノエタノールアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン等から選択される1種以上を用いることができる。中和剤としては、第三級アミンであるトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミンが好ましい。
さらに、一般的に塗料に加えられる無機顔料、有機顔料、体質顔料、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機リン酸塩、有機亜リン酸塩、増粘剤、レベリング剤、チキソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、静電防止剤又は帯電調整剤、沈降防止剤等を組み合わせてもよい。塗料への分散性を良くするために、さらに界面活性剤を添加してもよいし、塗料の保存安定性を良くするために、さらに酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤を添加してもよい。
[コーティング基材]
本実施形態コーティング基材は、上述のコーティング組成物によってコーティングされたコーティング基材である。
本実施形態のコーティング基材は、所望の基材として具体的には、金属、木材、ガラス、石、セラミック材料、コンクリート、硬質及び可撓性プラスチック、繊維製品、皮革製品、紙等が挙げられる。場合により、コーティング前に通常のプライマーを備えてもよい。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。実施例及び比較例における、ポリイソシアネート組成物の物性は、以下のとおり測定した。
(物性1)23℃における粘度
粘度は、E型粘度計(トキメック社製)を用いて23℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下のとおりとした。
100rpm (112mPa・s未満の場合)
50rpm (112mPa・s以上280mPa・s未満の場合)
20rpm (280mPa・s以上560mPa・s未満の場合)
10rpm (560mPa・s以上1120mPa・s未満の場合)
5rpm (1120mPa・s以上2240mPa・s未満の場合)
なお、後述する各実施例及び各比較例で製造したポリイソシアネート組成物の不揮発分を後述の方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものを粘度の測定に供した。
(物性2)イソシアネート基含有率
イソシアネート基含有率の測定は、JIS K7301−1995(熱硬化性ウレタンエラストマー用トリレンジイソシアネート型プレポリマー試験方法)に記載の方法に従って実施した。以下に、より具体的なイソシアネート基含有率の測定方法を示す。
(1)試料1gを200mL三角フラスコに採取し、該フラスコにトルエン20mLを添加し、試料を溶解させた。
(2)その後、前記フラスコに2.0Nのジ−n−ブチルアミン・トルエン溶液20mLを添加し、15分間静置した。
(3)前記フラスコに2−プロパノール70mLを添加し、溶解させて溶液を得た。
(4)上記(3)で得られた溶液について、1mol/L塩酸を用いて滴定を行い、試料滴定量を求めた。
(5)試料を添加しない場合にも、上記(1)〜(3)と同様の方法で測定を実施し、ブランク滴定量を求めた。
上記で求めた試料滴定量及びブランク滴定量から、イソシアネート基含有率を以下の計算方法により算出した。
イソシアネート基含有率(質量%)=(ブランク滴定量−試料滴定量)×42/[試料質量(g)×1,000]×100%。
(物性3)ポリイソシアネートの数平均分子量
ポリイソシアネート組成物中の変性ポリイソシアネートと未反応ポリイソシアネートとを含むポリイソシアネートの数平均分子量は、以下の装置及び条件を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によりポリスチレン基準の数平均分子量を測定した。
装置:東ソー(株)製 HLC−8120GPC(商品名)、
カラム:東ソー(株)製 TSKgelSuperH1000(商品名)×1本、TSKgelSuperH2000(商品名)×1本、TSKgelSuperH3000(商品名)×1本、
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
(物性4)変性ポリイソシアネート及び未反応ポリイソシアネート中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合
物性3のGPC測定で検出された変性ポリイソシアネート及び未反応ポリイソシアネートを含むポリイソシアネートの全ピーク面積に対する、ジイソシアネートモノマーの三倍の分子量に相当するピークを中心とした一山の面積の割合を、変性ポリイソシアネート及び未反応ポリイソシアネート中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合とした。
(物性5)平均イソシアネート官能基数
平均官能基数は、ポリイソシアネート1分子が統計的に有するイソシアネート官能基の数であり、物性3で測定したポリイソシアネートの数平均分子量と物性2で測定したイソシアネート基含有率とから以下のとおり算出した。
平均官能基数=ポリイソシアネートの数平均分子量×イソシアネート基含有率(質量%)/42
(物性6)不揮発分
溶剤希釈をした場合には、アルミニウム製カップの質量を精秤し、試料約1gを入れて、加熱乾燥前のカップの質量を精秤した。上記試料を入れたカップを105℃の乾燥機中で3時間加熱した。上記加熱後のカップを室温まで冷却した後、再度カップの質量を精秤した。試料中の乾燥残分の質量%を不揮発分とした。不揮発分の計算方法は以下のとおりである。なお、溶剤希釈なしの場合には、不揮発分は100%として扱った。
不揮発分(質量%)=(加熱乾燥後のカップ質量−アルミニウム製カップ質量)/(加熱乾燥前のカップ質量−アルミニウム製カップ質量)×100%。
(物性7)イソシアヌレート化反応転化率
反応液屈折率の測定により求めた。
(物性8)ポリイソシアネート組成物中のポリアルキレングリコールアルキルエーテルのnの平均数
ポリイソシアネート組成物を試料として、nの平均数は、下記の装置及び条件を用いてプロトン核磁気共鳴(NMR)により求めた。ここでは、アルキレン基に対応する相対強度の積分値とアルキル基に対応する相対強度の積分値とを対応させることにより、ポリイソシアネート組成物中のポリアルキレングリコールアルキルエーテルにおける、アルキレンオキサイド繰り返し単位−(R1O)n−のnの平均数を求めた。
NMR装置:Bruker Biospin Avance600(商品名)
観測核:1H
周波数:600MHz
溶媒:CDCl3
積算回数:256回
(物性9)原料ポリアルキレングリコールアルキルエーテルのnの平均数
原料のポリアルキレングリコールアルキルエーテルを試料として、アルキレンオキサイド繰り返し単位−(R1O)n−のnの平均数は、原料のポリアルキレングリコールアルキルエーテルを試料の水酸基価から求めた。具体的には下記の通りに求めた。
水酸基価の測定は、JIS K 0070−1992(化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法)及び、JIS K 1557−1(プラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法−第1部:水酸基価の求め方)に記載の方法に従って実施した。
上記で測定した水酸基価から、下記式を用いてポリアルキレングリコールアルキルエーテルの分子量を求めた。その分子量を用いてnの平均数を以下の計算方法により算出した。
ポリアルキレングリコールアルキルエーテルの分子量=56.1×1000/[水酸基価(mgKOH/g)]
次に、上記で算出したポリアルキレングリコールアルキルエーテルの分子量から、nの平均数を下記式から算出して求めた。
nの平均数=(ポリアルキレングリコールアルキルエーテルの分子量−アルキル基の分子量−水酸基の分子量)/(アルキレンオキサイドの分子量)
例えば、使用したポリアルキレングリコールアルキルエーテルがポリエチレングリコール(モノ)メチルエーテルだった場合、nの平均数は以下のように求めた。
nの平均数=(ポリエチレングリコール(モノ)メチルエーテルの分子量−メチル基の分子量(15)−水酸基の分子量(17))/(エチレンオキサイドの分子量(44))
(物性10)ポリアルキレングリコールアルキルエーテルが変性された割合(変性率)
ポリイソシアネート組成物を試料として、変性率は、原料のポリイソイソシアネートのイソシアネート基100当量に対して、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルが変性された割合であり、液体クロマトグラフィー(LC)の測定波長220nmにおける、未変性イソシアヌレート3量体、1変性イソシアヌレート3量体、2変性イソシアヌレート3量体、及び3変性イソシアヌレート3量体のピーク面積比から求めた。用いた装置及び条件は以下のとおりである。
LC装置:Waters社製、UPLC(商品名)、
カラム:Waters社製、ACQUITY UPLC HSS T3 1.8μm C18 内径2.1mm×長さ50mm
流速:0.3mL/min
移動相:A=10mM酢酸アンモニウム水溶液、B=アセトニトリル
グラジェント条件:初期の移動相組成はA/B=98/2で、試料注入後Bの比率を直線的に上昇させ、10分後にA/B=0/100とした。
検出方法:フォトダイオードアレイ検出器、測定波長は220nm
(物性11)ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する部分の含有率
ポリイソシアネート組成物を試料として、ポリイソシアネート組成物中の、変性ポリイソシアネートのポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する部分の含有率は、(物性2)で測定したイソシアネート基含有率と、(物性8)で求めたポリアルキレングリコールアルキルエーテルのnの平均数とから算出されるポリアルキレングリコールアルキルエーテルの分子量と、(物性10)で求めた変性率とから以下のとおり算出した。
含有率(%)=イソシアネート基含有率(質量%)/100%/42/(100−変性率(%))×変性率(%)×ポリアルキレングリコールアルキルエーテルの分子量×100%
例えば、使用したポリアルキレングリコールアルキルエーテルがポリエチレングリコール(モノ)メチルエーテルだった場合、以下のように求めた。
ポリエチレングリコール(モノ)メチルエーテルの分子量=メチル基の分子量(15)+水酸基の分子量(17)+(エチレンオキサイドの分子量(44)×nの平均数)
[製造例1(ポリイソシアネートの製造)]
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 600部、イソブタノール0.6部を仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃で、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、イソシアヌレート化反応を行い、転化率が13%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。その後、反応液を更に160℃、1時間で保持した。この加熱により、ウレトジオン基を含有するポリイソシアネートが生成した。反応液を冷却、ろ過後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ウレトジオン基を含有するポリイソシアネート組成物(1)を得た。
[製造例2(ポリイソシアネートの製造)]
イソシアヌレート化反応の転化率を13%から17%とした以外は製造例1と同様に行い、ポリイソシアネート組成物(2)を得た。
[製造例3(ポリイソシアネートの製造)]
イソブタノール0.6部に加えて2エチルヘキサノールを更に2.0部加え、イソシアヌレート化反応の転化率を13%から12%とした以外は製造例1と同様に行い、ポリイソシアネート組成物(3)を得た。
[製造例4(ポリイソシアネートの製造)]
イソブタノール0.6部から2エチルヘキサノール3.0部、イソシアヌレート化反応の転化率を13%から21%、反応液の加熱を160℃、1時間から160℃、30分間とした以外は製造例1と同様に行い、ポリイソシアネート組成物(4)を得た。
[製造例5(ポリイソシアネートの製造)]
イソブタノール0.6部から2エチルヘキサノール18.0部、イソシアヌレート化反応の転化率を13%から28%、反応液の加熱を160℃、1時間から90℃、1時間とした以外は製造例1と同様に行い、ポリイソシアネート組成物(5)を得た。
[製造例6(ポリイソシアネートの製造)]
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラス
コ内を窒素雰囲気にし、HDI 1000部、1,3−ブタンジオール10部、トリ−n−ブチルホスフィン3部を仕込み、撹拌下反応器内温度を60℃に加熱し、4時間反応させた。その後、p-トルエンスルホン酸メチルエステルを添加し80℃で1時間加熱することにより、反応を停止した。その後、反応液を更に160℃、1時間で保持した。反応液を冷却、ろ過後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ウレトジオン基を多く含有するポリイソシアネート組成物(6)を得た。
[製造例7(ポリイソシアネートの製造)]
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラス
コ内を窒素雰囲気にし、HDI 600部、1,3−ブタンジオール1.0部、イソシアヌレート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを仕込み、撹拌下反応器内温度を70℃に加熱し、3時間反応させた。その後、p-トルエンスルホン酸メチルエステルを添加し反応を停止した。その後、反応液を更に100℃、1時間で保持した。反応液を冷却後、ろ過後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネート組成物(7)を得た。
[製造例8(ポリイソシアネートの製造)]
HDI系ポリイソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「デュラネートTKA」)100質量部に、1,3−ブタンジオールを0.93質量部添加し、窒素下、80℃で2時間攪拌して反応を行い、ポリイソシアネート組成物(8)を得た。
[製造例9(ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの製造)]
1000mlオートクレーブの反応器内を窒素置換した後、メタノール128g(4.0mol)及び水酸化カリウム0.56g(9.8mmol)を仕込んだ。110℃に昇温した後、この温度を保ちながらエチレンオキサイド1320g(30.0mol)を加圧下で2.5時間かけて反応させ、さらに1時間熟成を行った。得られた反応混合物に、85質量%のリン酸1.16g(10.0mmol)を加え中和し、析出したリン酸のカリウム塩を濾過で除き、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:7.0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(1)を得た。
[製造例10(ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの製造)]
エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:4.2のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG」)85質量部に、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数が9.4のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG−130」)を15質量部添加し、室温で30分間、混合撹拌し、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:5.0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(2)を得た。
[実施例1]
製造例1で得られたポリイソシアネート組成物(1)97質量部に、数平均分子量550のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂株式会社製、商品名「ユニオックスM−550(エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:11.8)」)3質量部を添加し、窒素下、100℃で4時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:22.7質量%、粘度:450mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:550、平均官能基数:2.97、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は61.3であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は11.9であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は1.0%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は3.0%と算出された。
[実施例2]
製造例2で得られたポリイソシアネート組成物(2)94質量部に、数平均分子量400のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂株式会社製、商品名「ユニオックスM−400(エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:8.4)」)6質量部を添加し、窒素下、100℃で4時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:21.2質量%、粘度:630mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:600、平均官能基数:3.01、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は53.9であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は8.3であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は3.0%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は6.2%と算出された。
[実施例3]
製造例2で得られたポリイソシアネート組成物(2)90質量部に、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:9.4のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG−130」)10質量部を添加し、窒素下、90℃で6時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:19.9質量%、粘度:670mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:620、平均官能基数:2.96、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は47.0であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は9.4であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は4.5%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は9.9%と算出された。
[実施例4]
製造例3で得られたポリイソシアネート組成物(3)95質量部に、製造例9で得られたエチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:7.0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル5質量部を添加し、窒素下、90℃で6時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:21.3質量%、粘度:350mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:560、平均官能基数:2.82、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は59.9であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は7.2であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は2.8%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は5.0%と算出された。
[実施例5]
製造例3で得られたポリイソシアネート組成物(3)90質量部に、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:4.2のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG」)10質量部を添加し、窒素下、80℃で6時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:18.9質量%、粘度:360mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:590、平均官能基数:2.63、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は51.4であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は4.1であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は9.4%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は9.9%と算出された。
[実施例6]
製造例4で得られたポリイソシアネート組成物(4)96質量部に、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:15.0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG−081」)4質量部を添加し、窒素下、110℃で4時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:21.8質量%、粘度:900mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:570、平均官能基数:2.97、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は65.2であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は15.0であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は1.2%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は4.3%と算出された。
[実施例7]
製造例4で得られたポリイソシアネート組成物(4)95質量部に、製造例10で得られたエチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:5.0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル5質量部を添加し、窒素下、110℃で4時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:21.0質量%、粘度:850mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:580、平均官能基数:2.89、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は62.0であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は5.1であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は3.7%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は4.9%と算出された。
[実施例8]
製造例5で得られたポリイソシアネート組成物(5)98質量部に、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:9.4のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG−130」)2質量部を添加し、窒素下、110℃で3時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:20.2質量%、粘度:510mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:570、平均官能基数:2.74、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は67.0であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は9.4であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は1.0%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は2.1%と算出された。
[実施例9]
製造例5で得られたポリイソシアネート組成物(5)88質量部に、製造例10で得られたエチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:5.0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル12質量部を添加し、窒素下、110℃で4時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:16.3質量%、粘度:630mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:640、平均官能基数:2.47、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は52.0であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は5.1であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は11.0%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は12.3%と算出された。
[実施例10]
製造例5で得られたポリイソシアネート組成物(5)90質量部に、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:4.2のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG」)10質量部を添加し、窒素下、110℃で4時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:16.8質量%、粘度:650mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:620、平均官能基数:2.48、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は53.0であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は4.1であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は10.5%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は10.0%と算出された。
[比較例1]
製造例1で得られたポリイソシアネート組成物(1)100質量部に、平均分子量550のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂株式会社製、商品名「ユニオックスM−550(エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:11.8)」)15.4質量部を添加し、窒素下、80℃で6時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:19.1質量%、粘度:470mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:600、平均官能基数:2.73、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は48.4であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は11.9であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は5.0%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は13.3%と算出された。
[比較例2]
製造例2で得られたポリイソシアネート組成物(2)100質量部に、平均分子量550のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂株式会社製、商品名「ユニオックスM−550(エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:11.8)」)15.2質量部を添加し、窒素下、80℃で6時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:18.6質量%、粘度:690mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:640、平均官能基数:2.83、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は45.6であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は11.9であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は5.1%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は13.2%と算出された。
[比較例3]
製造例4で得られたポリイソシアネート組成物(4)100質量部に、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:4.2のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG」)20質量部を添加し、窒素下、90℃で8時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:16.0質量%、粘度:1100mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:680、平均官能基数:2.49、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は43.3であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は4.1であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は17.0%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は16.6%と算出された。
[比較例4]
製造例5で得られたポリイソシアネート組成物(5)100質量部に、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:9.4のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG−130」)20質量部を添加し、窒素下、90℃で8時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:15.5質量%、粘度:740mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:680、平均官能基数:2.52、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は45.0であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は9.4であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は9.2%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は16.7%と算出された。
[比較例5]
製造例6で得られたポリイソシアネート組成物(6)100質量部に、製造例9で得られたエチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:7.0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル9.5質量部を添加し、窒素下、100℃で2.5時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:18.9質量%、粘度:320mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:510、平均官能基数:2.27、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は15.8であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は7.2であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は5.3%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は8.8%と算出された。
[比較例6]
製造例7で得られたポリイソシアネート組成物(7)100質量部に、製造例9で得られたエチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:7.0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル5.6質量部を添加し、窒素下、100℃で2時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:20.7質量%、粘度:1100mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:650、平均官能基数:3.20、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は62.6であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は7.2であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は3.0%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は5.3%と算出された。
[比較例7]
製造例1で得られたポリイソシアネート組成物(1)99.5質量部に、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:9.4のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG−130」)0.5質量部を添加し、窒素下、100℃で4時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:23.4質量%、粘度:410mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:530、平均官能基数:2.99、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は64.3であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は9.4であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は0.2%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は0.5%と算出された。
[比較例8]
製造例8で得られたポリイソシアネート組成物(8)90質量部に、エチレンオキサイド繰り返し単位の平均数:9.4のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG−130」)10質量部を添加し、窒素下、120℃で3時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。
得られた組成物は、不揮発分:100%、イソシアネート基含有率:17.6質量%、粘度:6000mPa・sであり、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:800、平均官能基数:3.40、得られた組成物中の未反応ジイソシアネート三量体の面積割合は30.2であった。
NMRから検出されたエチレンオキサイド繰返単位の平均数は9.4であり、得られた組成物中のポリエチレングリコールモノメチルエーテルの変性率は5.0%であった。よって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの含有率は9.8%と算出された。
実施例1から10、及び比較例1から8で得られた変性ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物の評価は、以下のとおり行った。評価結果を表1に示す。
(評価1)水分散性
(1)100mLフラスコと、吉野紙との質量を測定した。
(2)変性ポリイソシアネートを含む組成物を、固形分換算で16gとなるように100mLフラスコに採取し、脱イオン水24gを添加した。
(3)プロペラ羽を使用し、200rpmで3分間、100mLフラスコ内の溶液を撹拌した後、(1)で秤量した吉野紙で濾過した。
(4)吉野紙に残った濾過残渣と、100mLフラスコに残った残渣とを合わせて105℃の乾燥機中で1時間加熱し、質量(g)を求めた。
(5)以下の計算方法で、変性ポリイソシアネートを含む組成物が水へ分散した割合を求めた。
水へ分散した割合(質量%)=100%−((4)で求めた残渣を含む100mLフラスコと吉野紙との合計質量(g)−(1)で測定した100mLフラスコと吉野紙との合計質量(g))/((2)で採取した変性ポリイソシアネートを含む組成物の質量(g)×不揮発分(質量%))×100%
判定方法は以下のとおりとした。
○:80質量%以上
×:80質量%未満
(評価2)水分散安定性
200mLフラスコに、変性ポリイソシアネートを含む組成物0.1gと、脱イオン水100gを量り取り、プロペラ羽を使用し、600rpmで5分間、200mLフラスコ内の溶液を撹拌し、水分散液を得た。その後、50mLのガラス瓶に移し替え、分散状態を肉眼で観察した。
判定方法は以下のとおりとした。
○:2時間経過後も変化が見られなかった。
○△:2時間経過後にわずかに沈殿又は分離が見られた。
△:1時間経過後にわずかに沈殿又は分離が見られた。
×:1時間以内に沈殿又は分離が見られた。
(評価3)イソシアネート基の保持性
100mLフラスコに、変性ポリイソシアネートを含む組成物15gと、脱イオン水45gを量り取り、プロペラ羽を使用し、600rpmで10分間、100mLフラスコ内の溶液を撹拌し、水分散液を得た。この水分散液におけるイソシアネート基の保持率を、以下のように評価した。
イソシアネート基の濃度変化は、日本分光株式会社製FT/IR−4200typeA(商品名)を用いた赤外吸収スペクトル測定(検出器:TGS、積算回数:16回、分解:4cm-1)において、イソシアヌレートの吸収ピーク(波数1686cm-1付近)に対するイソシアネートの吸収ピーク(波数2271cm-1付近)の強度比から算出した。
水分散液作製直後を0時間とし、そのときのイソシアネートの吸収ピーク強度/イソシアヌレートの吸収ピーク強度=X0とし、n時間後のピーク強度比=Xnを求め、イソシアネート基の保持率=Xn/X0を算出し、6時間後の保持率を評価した。判定方法は以下の通りとした。
○:80%以上
×:80%未満
Figure 2016102196
[製造例11(アクリル系ポリオール水分散体の製造)]
反応器として、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口のセパラブルフラスコを用いた。該反応器内を窒素雰囲気にし、エチレングリコールモノブチルエーテル300質量部を仕込み、攪拌下、反応器内温度を80℃に保持した。該反応器に、モノマーとしてメタクリル酸メチル146.3質量部、スチレン105質量部、アクリル酸−n−ブチル257.6質量部、メタクリル酸14質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル177.1質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.7質量部、及び連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン0.3質量部を均一に混合した混合物を4.5時間かけて一定速度で連続的に加えた。その後、反応器内温度を80℃のまま2時間保持した。その後、反応器内の混合物を冷却し、アンモニア25質量%水溶液を11.6質量部加えて15分間撹拌した。さらに、反応器内の混合物を、攪拌下、イオン交換水を1300質量部加えて水分散体を得た。得られた水分散体を、ロータリーエバポレーターを用いて固形分が約45質量%になるまで濃縮した。その後、得られた濃縮物を、アンモニア25質量%水溶液でpH8.0に調整し、アクリル系ポリオールの水分散体を得た。得られたアクリル系ポリオールの水分散体は、水分散体中の粒子の平均粒子径が90nmであり、ポリオール樹脂分のヒドロキシル基濃度が仕込み原材料からの計算値で3.3質量%であり、ポリオール樹脂分の数平均分子量が9600であった。
[実施例11から20、比較例9から16]
実施例1から10、及び比較例1から8で得られた変性ポリイソシアネートを含む組成物を用いて、下記のようにコーティング組成物を作製した。
[コーティング組成物の作製]
製造例11で作製したポリオール水分散体40g容器に計り取り、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4g、変性ポリイソシアネートを含む組成物中のイソシアネート基とポリオール水分散体中のヒドロキシル基とのモル比が、NCO/OH=1.25になるように、変性ポリイソシアネートを含む組成物を加えて混合物を得た。更に上記混合物に、コーティング組成物の固形分が45質量%となるように脱イオン水を加え、ディスパー羽を使用し、1000rpmで5分間撹拌し、コーティング組成物を作製した。作製したコーティング組成物を用いて、以下の塗膜評価を行った。評価結果を表2に示す。
(評価4)塗膜の外観
上記のコーティング組成物を用いて、ガラス板上に、厚さ40μmの塗膜を塗装し、60℃で30分間焼成した。得られた塗膜を目視で評価した。判定方法は以下のとおりとした。
○:透明、異物なし
△:やや白濁、やや異物あり、平滑性やや低い
×:白濁、異物多数あり、平滑性低い
(評価5)塗膜の架橋性
上記のコーティング組成物を用いて、PP板上に、厚さ40μmの塗膜を塗装し、60℃で30分間焼成した。23℃/50%RHの雰囲気下で冷却し、翌日、得られた塗膜をアセトンに23℃で24時間浸漬させた後に取り出し、塗膜を乾燥させた。塗膜の架橋性を以下の計算方法により算出した。
塗膜の架橋性(%)=(溶解せずに残った塗膜の質量)/(アセトン浸漬前の塗膜の質量)×100%
判定方法は以下のとおりとした。
○:92%以上
△:90%以上、92%未満
×:90%未満
(評価6)塗膜の硬度
上記のコーティング組成物を用いて、ガラス板上に、厚さ40μmの塗膜を塗装し、60℃で30分間焼成した。23℃/50%RHの雰囲気下で冷却し、翌日、得られた塗膜をケーニッヒ硬度計(BYK Garder社製、商品名「Pendulum hardness tester」) を用いて測定した。判定方法は以下のとおりとした。
○:40以上
×:40未満
(評価7)塗膜の耐溶剤性
上記のコーティング組成物を用いて、ガラス板上に、厚さ40μmの塗膜を塗装し、60℃で30分間焼成した後、23℃/50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させた。得られた塗膜上にキシレンを1g含ませた直径10mmのコットンボールを10分間置き、表面に残ったキシレンを除いた後の塗膜の様子を観察した。判定方法は以下のとおりとした。
○:透明、凹みなし
△:やや白濁、又はやや凹みあり
×:白濁、又は凹みあり
(評価8)塗膜の耐水性
上記のコーティング組成物を用いて、アルミ板上に、厚さ40μmの塗膜を塗装し、60℃で30分間焼成した後、23℃/50%RHの雰囲気下で冷却し、翌日、得られた塗膜上に直径20mmのシリコン製Oリングを載せ、その中に水を0.5g注ぎ入れた。23℃で24時間置き、表面に残った水を除いた後の塗膜の様子を観察した。判定方法は以下のとおりとした。
○:変化なし
×:ブリスター発生、白濁、又は塗膜溶解
Figure 2016102196
[製造例12(コーティング主剤の作製)]
水系アクリルポリオール(Allnex社製、商品名「MacrynalVSM2521w/42WA」)92質量部に、消泡剤(BYK社製、商品名「BYK028」)0.5質量部、増粘剤(DowChemical社製、商品名「SCT275」)0.5質量部、増粘剤(DowChemical社製、商品名「RM5000」)0.5質量部、脱イオン水7質量部を撹拌及び混合し、コーティング主剤(1)を得た。
[実施例21から30、比較例17から24]
実施例1から10、及び比較例1から8で得られた変性ポリイソシアネートを含む組成物を用いて、表3の対応に従い、下記のようにコーティング組成物を作製した。
[コーティング組成物の作製]
製造例12で作製したコーティング主剤(1)40gを容器に計り取り、各変性ポリイソシアネートを含む組成物中のイソシアネート基とポリオール水分散体中のヒドロキシル基とのモル比が、NCO/OH=1.3になるように、変性ポリイソシアネートを含む組成物を加えて混合物を得た。得られた混合物に、コーティング組成物の固形分が45質量%となるように脱イオン水を加え、ディスパー羽を使用し、600rpmで5分間撹拌し、コーティング組成物を作製した。作製したコーティング組成物を用いて、以下の塗膜評価を行った。評価結果を表3に示す。
(評価9)塗膜の乾燥性
上記のコーティング組成物を用いて、ガラス板上に、厚さ40μmの塗膜を塗装し、23℃/50%RHの雰囲気下で乾燥し、3時間後、得られた塗膜上に直径2.5cm、高さ2.0cmの円柱型のコットンを置き、その上に100gの分銅を60秒間置いた。その後、分銅とコットンを取り除き、塗膜上に残ったコットン跡を観察した。
判定方法は以下のとおりとした。
○:コットン跡わずかにあり、もしくはなし
△:コットン跡ややあり
×:コットン跡多くあり
(評価10)塗膜の鉛筆硬度
上記のコーティング組成物を用いて、ガラス板上に、厚さ40μmの塗膜を塗装し、23℃/50%RHの雰囲気下で乾燥し、翌日、得られた塗膜をJIS K 5600−5−4引っかき硬度(鉛筆法)に基づき、試験を実施した。
判定方法は以下のとおりとした。
○:F以上
×:F未満
Figure 2016102196
[製造例13(コーティング主剤の作製)]
水系アクリルポリオール(Allnex社製、商品名「MacrynalVSM6299w/42WA」)92質量部に、消泡剤(BYK社製、商品名「BYK028」)0.5質量部、増粘剤(DowChemical社製、商品名「SCT275」)0.5質量部、増粘剤(DowChemical社製、商品名「RM5000」)0.5質量部、脱イオン水7質量部を撹拌及び混合し、コーティング主剤(2)を得た。
[実施例31から40、比較例25から32]
実施例1から10、及び比較例1から8で得られた変性ポリイソシアネートを含む組成物を用いて、表4の対応に従い、下記のようにコーティング組成物を作製した。
[コーティング組成物の作製]
製造例13で作製したコーティング主剤(2)40gを容器に計り取り、各変性ポリイソシアネートを含む組成物中のイソシアネート基とポリオール水分散体中のヒドロキシル基とのモル比が、NCO/OH=1.3になるように、変性ポリイソシアネートを含む組成物を加えて混合物を得た。得られた混合物に、コーティング組成物の固形分が45質量%となるように脱イオン水を加え、ディスパー羽を使用し、600rpmで5分間撹拌し、コーティング組成物を作製した。作製したコーティング組成物を用いて、以下の塗膜評価を行った。評価結果を表4に示す。
(評価11)塗膜の乾燥性
上記のコーティング組成物を用いて、ガラス板上に、厚さ40μmの塗膜を塗装し、23℃/50%RHの雰囲気下で乾燥し、4時間後、得られた塗膜上に直径2.5cm、高さ2.0cmの円柱型のコットンを置き、その上に100gの分銅を60秒間置いた。その後、分銅とコットンを取り除き、塗膜上に残ったコットン跡を観察した。
判定方法は以下のとおりとした。
○:コットン跡わずかにあり、もしくはなし
△:コットン跡ややあり
×:コットン跡多くあり
(評価12)塗膜の鉛筆硬度
上記のコーティング組成物を用いて、ガラス板上に、厚さ40μmの塗膜を塗装し、23℃/50%RHの雰囲気下で乾燥し、翌日、得られた塗膜をJIS K 5600−5−4引っかき硬度(鉛筆法)に基づき、試験を実施した。
判定方法は以下のとおりとした。
○:F以上
×:F未満
Figure 2016102196
本出願は、2014年11月14日に日本国特許庁へ出願された日本特許出願(特願2014−231676号)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (8)

  1. ポリイソシアネートと、下記一般式(1)で表されるポリアルキレングリコールアルキルエーテルとから得られる変性ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物であり、
    前記ポリイソシアネート組成物100質量%に対して、前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルに由来する部分は、1.0質量%以上13質量%未満であり、
    平均イソシアネート官能基数が、2.3以上3.3以下であり、
    23℃における粘度が、330mPa・s以上1000mPa・s以下である、ポリイソシアネート組成物。
    Figure 2016102196
    (式(1)中、R1は炭素原子数1から4のアルキレン基であり、R2は炭素数1から4のアルキル基である。nの平均数は5.0以上20以下である。)
  2. 一般式(1)中、前記R1はエチレン基であり、前記nの平均数は5.0以上11以下である、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  3. 前記平均イソシアネート官能基数は、2.5以上3.2以下である、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
  4. ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでの示差屈折率計検出によって求められる、前記ポリイソシアネート及び前記変性ポリイソシアネートの全ピーク面積に対する、ジイソシアネート三量体の面積割合が、全面積100%に対して、45%以上65%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
  5. ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでの示差屈折率計検出によって求められる、前記ポリイソシアネート及び前記変性ポリイソシアネートの全ピーク面積に対する、ジイソシアネート三量体の面積割合が、全面積100%に対して、47%以上60%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物を含む、コーティング組成物。
  7. 請求項6に記載のコーティング組成物と水とを含む、水系コーティング組成物。
  8. 請求項6に記載のコーティング組成物又は請求項7に記載の水系コーティング組成物によってコーティングされたコーティング基材。
JP2015167001A 2014-11-14 2015-08-26 ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物、水系コーティング組成物、及びコーティング基材 Active JP6600508B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014231676 2014-11-14
JP2014231676 2014-11-14

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016102196A true JP2016102196A (ja) 2016-06-02
JP6600508B2 JP6600508B2 (ja) 2019-10-30

Family

ID=56088476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015167001A Active JP6600508B2 (ja) 2014-11-14 2015-08-26 ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物、水系コーティング組成物、及びコーティング基材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6600508B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018056408A1 (ja) * 2016-09-23 2018-03-29 旭化成株式会社 ポリイソシアネート組成物、ブロックポリイソシアネート組成物、コーティング組成物、水性コーティング組成物、及びコーティング基材
JP2019031667A (ja) * 2017-08-08 2019-02-28 旭化成株式会社 親水性ポリイソシアネート組成物、硬化剤組成物及び水系コーティング組成物
JP2019035076A (ja) * 2017-08-18 2019-03-07 旭化成株式会社 親水性ポリイソシアネート組成物、硬化剤組成物及び水系コーティング組成物
JP2020128503A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 旭化成株式会社 水系2成分型硬化樹脂組成物及び物品のコーティング方法
JP2021105113A (ja) * 2019-12-26 2021-07-26 旭化成株式会社 ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物及びコーティング基材

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05222150A (ja) * 1991-11-07 1993-08-31 Bayer Ag 水に分散可能なポリイソシアネート混合物、それの製造方法およびそれを二成分系水性塗料において使用する方法
JP2003505545A (ja) * 1999-07-16 2003-02-12 バイエル アクチェンゲゼルシャフト 水性2成分ポリウレタン・ラッカー・エマルション製造用の調整可能なジェット分散機
JP2004010777A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Mitsui Takeda Chemicals Inc 水性塗工剤用ポリイソシアネート及びそれを用いた多孔質基材の下地処理方法
JP2007332193A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Asahi Kasei Chemicals Corp 水性ポリイソシアネート組成物及びそれを含む水性塗料組成物
JP2013245341A (ja) * 2012-05-29 2013-12-09 Asahi Kasei Chemicals Corp 水系2成分型硬化樹脂用硬化剤、その組成物及びその使用方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05222150A (ja) * 1991-11-07 1993-08-31 Bayer Ag 水に分散可能なポリイソシアネート混合物、それの製造方法およびそれを二成分系水性塗料において使用する方法
JP2003505545A (ja) * 1999-07-16 2003-02-12 バイエル アクチェンゲゼルシャフト 水性2成分ポリウレタン・ラッカー・エマルション製造用の調整可能なジェット分散機
JP2004010777A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Mitsui Takeda Chemicals Inc 水性塗工剤用ポリイソシアネート及びそれを用いた多孔質基材の下地処理方法
JP2007332193A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Asahi Kasei Chemicals Corp 水性ポリイソシアネート組成物及びそれを含む水性塗料組成物
JP2013245341A (ja) * 2012-05-29 2013-12-09 Asahi Kasei Chemicals Corp 水系2成分型硬化樹脂用硬化剤、その組成物及びその使用方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018056408A1 (ja) * 2016-09-23 2018-03-29 旭化成株式会社 ポリイソシアネート組成物、ブロックポリイソシアネート組成物、コーティング組成物、水性コーティング組成物、及びコーティング基材
JP2019031667A (ja) * 2017-08-08 2019-02-28 旭化成株式会社 親水性ポリイソシアネート組成物、硬化剤組成物及び水系コーティング組成物
JP7262942B2 (ja) 2017-08-08 2023-04-24 旭化成株式会社 親水性ポリイソシアネート組成物、硬化剤組成物及び水系コーティング組成物
JP2019035076A (ja) * 2017-08-18 2019-03-07 旭化成株式会社 親水性ポリイソシアネート組成物、硬化剤組成物及び水系コーティング組成物
JP7110029B2 (ja) 2017-08-18 2022-08-01 旭化成株式会社 親水性ポリイソシアネート組成物、硬化剤組成物及び水系コーティング組成物
JP2020128503A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 旭化成株式会社 水系2成分型硬化樹脂組成物及び物品のコーティング方法
JP2021105113A (ja) * 2019-12-26 2021-07-26 旭化成株式会社 ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物及びコーティング基材
JP7377706B2 (ja) 2019-12-26 2023-11-10 旭化成株式会社 ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物及びコーティング基材

Also Published As

Publication number Publication date
JP6600508B2 (ja) 2019-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6568996B2 (ja) ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物、水系コーティング組成物、及びコーティング基材
JP6360377B2 (ja) ポリイソシアネート組成物
JP6294136B2 (ja) ポリイソシアネート組成物
JP6600508B2 (ja) ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物、水系コーティング組成物、及びコーティング基材
JP6626985B2 (ja) イソシアネート組成物、イソシアネート組成物の水分散体、およびその製造方法、塗料組成物、並びに塗膜
JP6165419B2 (ja) 水系2成分型コーティング組成物、インキ組成物、及び接着剤組成物、並びにその使用方法
JP6934704B2 (ja) ポリイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗装体の製造方法
EP4122966B1 (en) Polyisocyanate composition, blocked polyisocyanate composition, hydrophilic polyisocyanate composition, coating material composition, and coating film
JP7262942B2 (ja) 親水性ポリイソシアネート組成物、硬化剤組成物及び水系コーティング組成物
JP6538363B2 (ja) 硬化剤組成物、コーティング組成物、水系コーティング組成物、及びコーティング基材
JP6411552B2 (ja) ポリイソシアネート組成物及びその製造方法、コーティング組成物、水系コーティング組成物、並びにコーティング基材
JP2019119847A (ja) ポリイソシアネート組成物、水系コーティング組成物及びコーティング基材
WO2019188781A1 (ja) ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物及びコーティング基材
JP7249793B2 (ja) ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物及びコーティング基材
JP6765257B2 (ja) ポリイソシアネート組成物、水性塗料組成物、硬化塗膜及び塗装物
JP2022172210A (ja) ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物及びコーティング基材
JP7092613B2 (ja) 親水性ポリイソシアネート組成物、硬化剤組成物及び水系コーティング組成物
JP7236531B2 (ja) ブロックイソシアネート、複層膜の製造方法、および、複層膜
JP7411363B2 (ja) 塗膜及びコーティング基材
JP2007023209A (ja) 水性ブロックポリイソシアネート組成物及びこれを含む水性塗料組成物
JP2007224241A (ja) 水性ポリイソシアネート組成物及びそれを含む水性塗料組成物
JP7267677B2 (ja) 硬化剤組成物及び水系コーティング組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160401

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160523

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190509

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191007

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6600508

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150