JPWO2006088108A1 - 導電性積層体、プラズマディスプレイ用電磁波遮蔽フィルムおよびプラズマディスプレイ用保護板 - Google Patents
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Abstract
Description
たとえば、特許文献2には、導電膜として、酸化物層と金属層とが交互に積層された積層体を有するプラズマディスプレイ用保護板が開示されている。
金属層は、純銀、または、金およびビスマスから選ばれる1種以上を含有する銀合金からなる層であることが好ましい。
本発明のプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽フィルムは、本発明の導電性積層体からなることを特徴とする。
本発明のプラズマディスプレイ用保護板は、支持基体と、該支持基体上に設けられた本発明のプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽フィルムと、該プラズマディスプレイ用電磁波遮蔽フィルムの導電膜に電気的に接している電極とを有することを特徴とする。
本発明のプラズマディスプレイ用保護板は、導電性メッシュフィルムをさらに有していてもよい。
本発明のプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽フィルムは、導電性(電磁波遮蔽性)および可視光透過性に優れている。
本発明のプラズマディスプレイ用保護板は、電磁波遮蔽性に優れ、透過・反射バンドが広く、可視光透過率が高く、近赤外線遮蔽性に優れている。
2 保護板(プラズマディスプレイ用保護板)
3 保護板(プラズマディスプレイ用保護板)
10 導電性積層体
11 基体
12 導電膜
12a 第1の酸化物層
12b 金属層
12c 第2の酸化物層
13 保護膜
20 支持基体
30 着色セラミックス層
40 飛散防止フィルム
50 電極
60 保護フィルム
70 粘着剤層
80 導電性メッシュフィルム
90 導電体
図1は、本発明の導電性積層体の一例を示す概略断面図である。導電性積層体10は、基体11と、該基体11上に設けられた導電膜12と、該導電膜12上に設けられた保護膜13とを有して概略構成される。
基体11としては、透明基体が好ましい。本発明における「透明」とは、可視光領域の波長の光を透過することを意味する。
透明基体の材質としては、ガラス(風冷強化ガラス、化学強化ガラス等の強化ガラスを含む。);ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のプラスチック等が挙げられる。
本発明における導電膜は、基体側から順に、第1の酸化物層、金属層、および第2の酸化物層を積層した3層構造、または、該3層構造が繰り返された3×n層構造(nは2以上の整数である。)の多層膜である。
導電膜は、3×n層構造(nは2以上の整数である。)であることが好ましい。また、nは、2〜8が好ましく、2〜6がより好ましい。nを2以上とすることにより、得られる保護板の透過・反射バンドが充分に広くなり、また、抵抗値が充分に低くなり、導電性が向上する。nを8以下とすることにより、導電性積層体の内部応力増加を充分に抑制できる。導電膜の抵抗値は、電磁波遮蔽性を充分に確保するため、0.4〜3.5Ω/□が好ましく、0.4〜2.5Ω/□がより好ましく、0.4〜1.5Ω/□が特に好ましい。導電膜12の抵抗値を充分に低くするために、導電膜12の比抵抗は、4.5μΩcm以下が好ましい。
第1の酸化物層12aにおいて、亜鉛(Zn)と、チタン(Ti)またはニオブ(Nb)とは、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)または酸化ニオブ(Nb2O5)として、またはこれらの複合酸化物が混合した形として存在すると考えられる。
検量線の作成:表面の一部に粘着テープが貼り付けられた基体表面に、任意の時間でスパッタリングし成膜を行う。成膜後、前記粘着テープを基体からはがす。前記成膜された基体表面において、粘着テープをはがした成膜されていない部分と、成膜された部分との高さの差を触針式表面粗さ測定器により測定する。前記高さの差が当該スパッタリング時間における膜厚である。次に、成膜時のスパッタリングの時間を変えた以外は前記と同様にして、膜厚を測定する。必要に応じて同様の測定を3回以上繰り返す。以上の測定により得られた値から、スパッタリング時間と膜厚との検量線を作成する。
金属層12bは、銀の拡散を抑制し、結果として耐湿性を高くできる観点からは、金およびビスマスから選ばれる1種以上を含有する銀合金からなる層が好ましい。金およびビスマスの合計は、比抵抗を4.5μΩcm以下にするために、金属層12b(100質量%)中、0.2〜1.5質量%が好ましい。
酸化物換算とは、それぞれの金属を単独の酸化物として換算して得られる含有量の値である。第2の酸化物層中のその他の成分についても同様に、その他の成分の物質単独の酸化物として換算し、得られた値をその他の成分の含有量とする。
AZO層におけるアルミニウムは、アルミニウムと亜鉛との合計(100原子%)中の、1〜10原子%が好ましく、2〜7原子%がより好ましい。これにより、可視光透過性に優れた膜が得られる。
AZO層において、亜鉛およびアルミニウムは、酸化物の状態で含まれる。前記酸化物は、酸化亜鉛および酸化アルミニウムとして、さらにこれらの複合酸化物が混合した形で存在すると考えられる。前記酸化亜鉛、前記酸化アルミニウムおよび前記複合酸化物は、任意の割合で第2の酸化物層中に含まれる。
GZO層において、亜鉛およびガリウムは、酸化物の状態で含まれる。前記酸化物は、酸化亜鉛および酸化ガリウムとして、さらにこれらの複合酸化物が混合した形で存在すると考えられる。前記酸化亜鉛、前記酸化ガリウムおよび前記複合酸化物は、任意の割合で第2の酸化物層中に含まれる。
ITO層におけるスズは、スズとインジウムとの合計(100原子%)中の、1〜50原子%が好ましく、5〜40原子%がより好ましい。これにより、耐食性、導電性に優れた膜が得られる。
ITO層において、インジウムおよびスズは、酸化物の状態で含まれる。前記酸化物は、酸化インジウムおよび酸化スズとして、さらにこれらの複合酸化物が混合した形で存在すると考えられる。前記酸化インジウム、前記酸化スズおよび前記複合酸化物は、任意の割合で第2の酸化物層中に含まれる。
ICO層において、インジウムおよびセリウムは、酸化物の状態で含まれる。前記酸化物は、酸化インジウムおよび酸化セリウムとして、さらにこれらの複合酸化物が混合した形で存在すると考えられる。前記酸化インジウム、前記酸化セリウムおよび前記複合酸化物は、任意の割合で第2の酸化物層中に含まれる。
SnO2層は、コスト的に安く、光学特性に優れた膜が得られる。
第2の酸化物層において、酸化物換算した場合、ZnOとAl2O3との合計、ZnOとGa2O3との合計、In2O3とSnO2との合計、In2O3とCeO2との合計、またはSnO2の含有量は、第2の酸化物層全質量に対して、95質量%以上が好ましく、99質量%以上がより好ましい。
第1の酸化物層12aと、これに隣接する第2の酸化物層12cとの膜厚比(第1の酸化物層12a:第2の酸化物層12c)は、5:5〜9:1が好ましい。
(i)酸素ガスを混合したアルゴンガスを導入しながら、TZOまたはNZOからなるターゲットを用いてスパッタリングを行い、基体11表面に第1の酸化物層12aを形成する。
(ii)アルゴンガスを導入しながら、銀ターゲットまたは銀合金のターゲットを用いてスパッタリングを行い、第1の酸化物層12a表面に金属層12bを形成する。
(iii)酸素ガスを混合したアルゴンガスを導入しながら、AZO、GZO、ITO、ICOおよびSnO2からなる群から選ばれる1種からなるターゲットを用いてスパッタリングを行い、金属層12b表面に第2の酸化物層12cを形成する。
(i)〜(iii)の操作により、3層構造の導電膜12を形成する。または、(i)〜(iii)の操作を繰り返し、3×n層構造の導電膜12を形成する。
保護膜13は、導電膜12を水分から保護し、導電性積層体10上に任意の樹脂フィルム(防湿フィルム、飛散防止フィルム、反射防止フィルム、近赤外線遮蔽用等の保護フィルム、近赤外線吸収フィルム等の機能性フィルム等)を接着する際の接着剤(特にアルカリ性の接着剤)から第2の酸化物層12cを保護する層である。なお、保護膜13は、本発明において任意の構成要素であり、省略されていても構わない。
保護膜13の膜厚は、2〜30nmが好ましく、3〜20nmがより好ましい。
本発明の導電性積層体は、導電性(電磁波遮蔽性)、可視光透過性および近赤外線遮蔽性に優れ、しかもガラス等の支持基体に積層した場合、透過・反射バンドが広くなることから、プラズマディスプレイ用電磁波遮蔽フィルムとして有用である。
また、本発明の導電性積層体は、液晶表示素子等の透明電極として用いることができる。該透明電極は、表面抵抗が低いため応答性がよく、反射率がガラス並みに抑えられるため視認性がよい。
また、本発明の導電性積層体は、自動車風防ガラスとして用いることができる。該自動車風防ガラスは、導電膜に通電することにより、防曇または融氷の機能を発揮でき、かつ低抵抗であるので通電に要する電圧が低く済み、また、反射率がガラス並みに抑えられるためドライバーの視認性を損なうことがない。
また、本発明の導電性積層体は、赤外線領域での反射率が非常に高いため、建物の窓等に設けられるヒートミラーとして用いることができる。
また、本発明の導電性積層体は、電磁波遮蔽効果が高いため、電気・電子機器から放射される電磁波が室外に漏れることを防止し、かつ電気・電子機器に影響する電磁波が室外から室内へ侵入することを防止する電磁波遮蔽窓ガラスに用いることができる。
以下、本発明の導電性積層体を、プラズマディスプレイ用保護板(以下、保護板と記す。)の電磁波遮蔽フィルムとして用いた例について説明する。
図2に、第1の実施形態の保護板を示す。保護板1は、支持基体20と、支持基体20の周縁部に設けられた着色セラミックス層30と、導電性積層体10の周縁部が着色セラミックス層30と重なるように、支持基体20表面に粘着剤層70を介して貼り合わされた導電性積層体10と、導電性積層体10とは反対側の支持基体20表面に、粘着剤層70を介して貼り合わされた飛散防止フィルム40と、粘着剤層70を介して導電性積層体10表面に貼り合わされた保護フィルム60と、導電性積層体10および保護フィルム60の周縁部に設けられ、導電性積層体10の導電膜12と電気的に接続する電極50とを有するものである。保護板1は、導電性積層体10が支持基体20のPDP側に設けられている例である。
支持基体20の材料としては、上述の基体11の材料と同様の材料が挙げられる。
飛散防止フィルム40には、反射防止機能を持たせてもよい。飛散防止機能と反射防止機能とを兼ね備えたフィルムとしては、旭硝子社製のARCTOP(商品名)が挙げられる。ARCTOPは、自己修復性と飛散防止特性とを有するポリウレタン系軟質樹脂フィルムの片面に、非結晶性の含フッ素重合体からなる低屈折率の反射防止層を形成して反射防止処理を施したものである。また、PET等の高分子からなるフィルム上に、低屈折率の反射防止層を湿式または乾式で形成したフィルム等も挙げられる。
電極50の材質は、抵抗が低い方が電磁波遮蔽性の点では優位となる。電極50は、たとえば、銀とガラスフリットとを含む銀ペースト、Cuとガラスフリットとを含む銅ペーストを塗布、焼成することにより形成される。
図3に、第2の実施形態の保護板を示す。保護板2は、支持基体20と、支持基体20表面に粘着剤層70を介して貼り合わされた導電性積層体10と、導電性積層体10の周縁部に設けられ、導電性積層体10の導電膜12と電気的に接続する電極50と、電極50と重ならないように、導電性積層体10表面に粘着剤層70を介して貼り合わされた飛散防止フィルム40と、導電性積層体10とは反対側の支持基体20表面の周縁部に設けられた着色セラミックス層30とを有するものである。保護板2は、導電性積層体10が支持基体20の観察者側に設けられている例である。
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同じ構成については図2と同じ符号を付して説明を省略する。
図4に、第3の実施形態の保護板を示す。保護板3は、支持基体20と、支持基体20表面に粘着剤層70を介して貼り合わされた導電性積層体10と、導電性積層体10表面に粘着剤層70を介して貼り合わされた飛散防止フィルム40と、導電性積層体10とは反対側の支持基体20表面の周縁部に設けられた着色セラミックス層30と、導電性メッシュフィルム80の周縁部が着色セラミックス層30と重なるように、支持基体20表面に粘着剤層70を介して貼り合わされた導電性メッシュフィルム80と、導電性積層体10の導電膜12と導電性メッシュフィルム80の導電性メッシュ層(図示略)とを電気的に接続するように保護板3の周側部に設けられた導電体90とを有するものである。保護板3は、導電性積層体10が支持基体20の観察者側に設けられ、導電性メッシュフィルム80が支持基体20のPDP側に設けられている例である。
なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と同じ構成については図2と同じ符号を付して説明を省略する。
銅箔は、圧延銅、電界銅のどちらでもよく、適宜必要に応じて公知のものを用いればよい。銅箔は、各種表面処理をされていてもよい。表面処理としては、クロメート処理、粗面化処理、酸洗、ジンク・クロメート処理等が挙げられる。銅箔の厚さは、3〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましく、7〜10μmが特に好ましい。銅箔の厚さを30μm以下とすることにより、エッチング時間を短くすることができ、3μm以上とすることにより、電磁波遮蔽性が高くなる。
導電性メッシュ層の開口部の形状は、正三角形、正四角形、正六角形、円形、長方形、菱形等である。開口部は、形状が揃っていて、かつ面内に並んでいることが好ましい。
開口部のサイズは、1辺または直径が5〜200μmであることが好ましく、10〜150μmであることがより好ましい。開口部の1辺または直径を200μm以下とすることにより、電磁波遮蔽性が向上し、5μm以上とすることにより、PDPの画像への影響が少ない。
開口部以外の金属部の幅は、5〜50μmが好ましい。すなわち、開口部の配列ピッチは、10〜250μmが好ましい。金属部の幅を5μm以上とすることにより、加工が容易となり、50μm以下とすることにより、PDPの画像への影響が少ない。
面抵抗=R×b/a
なお、本発明の保護板は、第1〜3の実施形態に限定されない。たとえば、粘着剤層70を設けずに、熱による貼り合わせを行ってもよい。
また、本発明の保護板には、必要に応じて、反射防止フィルムまたは低屈折率薄膜である反射防止層を設けてもよい。ここで、低屈折率とは、屈折率が1.1〜1.6であり、1.2〜1.5であることがより好ましく、1.3〜1.48であることがさらに好ましい。
反射防止フィルムとしては、公知のものを用いることができ、反射防止性の点から、フッ素樹脂系フィルムが特に好ましい。
反射防止層は、保護板の反射率が低くなり、好ましい反射色が得られることから、可視光領域において反射率が最低となる波長が500〜600nmであるものが好ましく、530〜590nmであるものが特に好ましい。
また、上記した保護板1〜3にあっては、透過・反射バンドが広く、しかも導電性、可視光透過性および近赤外線遮蔽性に優れた導電性積層体10を用いているため、電磁波遮蔽性に優れ、透過・反射バンドが広く、可視光透過率が高く、近赤外線遮蔽性に優れる。
図1に示す導電性積層体10を以下のように作製した。
まず、イオンビームによる乾式洗浄によって、基体11である厚さ100μmのPETフィルム表面の洗浄を行った。イオンビームによる乾式洗浄は、アルゴンガスに約30%の酸素を混合して、100Wの電力を投入し、イオンビームソースによりイオン化されたアルゴンイオンおよび酸素イオンを基体11表面に照射して行った。
電力密度を0.54w/cm2に変更した以外は、上記(ii)と同様にして、第1の酸化物層12a(2)表面に厚さ14nmの金属層12b(2)を形成した。
上記(iii)と同様にして、金属層12b(2)表面に厚さ35nmの第2の酸化物層12c(2)を形成した。
電力密度を0.54w/cm2に変更した以外は、上記(ii)と同様にして、第1の酸化物層12a(3)表面に厚さ14nmの金属層12b(3)を形成した。
上記(iii)と同様にして、金属層12b(3)表面に厚さ35nmの第2の酸化物層12c(3)を形成した。
上記(ii)と同様にして、第1の酸化物層12a(4)表面に厚さ10nmの金属層12b(4)を形成した。
上記(iii)と同様にして、金属層12b(4)表面に厚さ30nmの第2の酸化物層12c(4)を形成した。
このようにして、図1に示すような、第1の酸化物層12aが4層、金属層12bが4層、第2の酸化物層12cが4層の導電性積層体10を得た。さらに、導電性積層体10の基体11側表面に、粘着剤層70(アクリル系粘着剤、厚さ25μm)を設けた。
支持基体20であるガラス板を所定の大きさに切断、面取りし、洗浄した後、着色セラミックス層用のインクをガラス板周辺にスクリーン印刷し、充分に乾燥して着色セラミックス層30を形成した。ついで、着色セラミックス層30が形成された支持基体20を、660℃まで加熱し、その後風冷してガラス強化処理を施した。
そして、電極形成部に、銀ペースト(太陽インキ製造社製、商品名:AF4810)を、ナイロンメッシュ#180、乳剤厚さ20μmにてスクリーン印刷し、熱風循環炉で85℃、35分間乾燥させて電極50を形成した。
また、Nagy社製、渦電流型抵抗測定器SRM12により測定したシート抵抗(表面抵抗)は0.99Ω/□であった。
まず、実施例1と同様にして乾式洗浄された基体を用意した。
(i)3体積%の酸素ガスを混合したアルゴンガスを導入しながら、AZOターゲット[Al2O3を5質量%ドープしたZnOターゲット]を用い、圧力0.35Pa、周波数100kHz、電力密度5.7w/cm2 、反転パルス幅1μ秒の条件でパルススパッタリングを行い、基体表面に厚さ40nmの酸化物層(1)を形成した。アルバックファイ社製、ESCA5500で測定したところ、酸化物層(1)において、亜鉛とアルミニウムとの合計(100原子%)中、亜鉛量は95.3原子%、アルミニウム量は4.7原子%であった。
電力密度を0.9w/cm2に変更した以外は、上記(ii)と同様にして、酸化物層(2)表面に厚さ16nmの金属層(2)を形成した。
電力密度を1w/cm2に変更した以外は、上記(ii)と同様にして、酸化物層(3)表面に厚さ16nmの金属層(3)を形成した。
電力密度を1w/cm2に変更した以外は、上記(ii)と同様にして、酸化物層(4)表面に厚さ13nmの金属層(4)を形成した。
このようにして、基体上に、AZOからなる酸化物層と、金−銀合金からなる金属層とが交互に積層された、酸化物層が5層、金属層が4層の導電性積層体を得た。さらに、導電性積層体には、透明粘着加工を施した。
比較例1の保護板について、図2における観察者側から東京電色社製、カラーアナライザーTC1800により測定したところ、視感透過率(JIS Z 8701において規定されている刺激値Y)は61.8%であり、視感反射率は4.22%であった。また、波長850nmでの透過率は0.3%であった。反射スペクトルを図5に、透過スペクトルを図6に示す。
また、Nagy社製、渦電流型抵抗測定器SRM12により測定したシート抵抗(表面抵抗)は0.98Ω/□であった。
これに対し、酸化物層がAZOを含有し、金属層の数が4層の比較例1の保護板は、透過・反射バンドが狭かった。
なお、2005年2月17日に出願された日本特許出願2005−040384号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (10)
- 基体と、該基体側から順に、第1の酸化物層、金属層、および第2の酸化物層を積層した3層構造、または、該3層構造が繰り返された、3×n層構造(nは2以上の整数である。)の導電膜とを有し、
前記第1の酸化物層が、酸化物換算で、ZnOと、TiO2またはNb2O5とを第1の酸化物層全質量に対して合計で90質量%以上含有する層であり、
前記金属層が、銀を含有する層であり、
前記第2の酸化物層が、酸化物換算で、(ZnOとAl2O3とを第2の酸化物層全質量に対して合計で90質量%以上含有する層)、(ZnOとGa2O3とを第2の酸化物層全質量に対して合計で90質量%以上含有する層)、(In2O3とSnO2とを第2の酸化物層全質量に対して合計で90質量%以上含有する層)、(In2O3とCeO2とを第2の酸化物層全質量に対して合計で90質量%以上含有する層)、および(SnO2を第2の酸化物層全質量に対して90質量%以上含有する層)からなる群から選ばれる1種である、導電性積層体。 - 前記導電膜が、3×n層構造(nは2〜8の整数である。)からなる、請求項1に記載の導電性積層体。
- 前記金属層が、純銀、または、金およびビスマスから選ばれる1種以上を含有する銀合金からなる層である、請求項1または2に記載の導電性積層体。
- 前記金属層が、金およびビスマスから選ばれる1種以上の金属が金属層中に0.2〜1.5質量%含有された銀合金からなる層である、請求項3に記載の導電性積層体。
- 第2の酸化物層が、酸化物換算で、ZnOとAl2O3とを第2の酸化物層全質量に対して合計で90質量%以上含有する層であり、かつ、アルミニウムと亜鉛との合計中のアルミニウムが1〜10原子%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性積層体。
- 前記導電膜の表面上にさらに保護膜を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性積層体。
- 前記保護膜が、In2O3とSnO2とを保護膜全質量に対して合計で90質量%以上含有する層である請求項6に記載の導電性積層体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の導電性積層体からなる、プラズマディスプレイ用電磁波遮蔽フィルム。
- 支持基体と、該支持基体上に設けられた請求項8に記載のプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽フィルムと、
該プラズマディスプレイ用電磁波遮蔽フィルムの導電膜に電気的に接している電極とを有する、プラズマディスプレイ用保護板。 - 導電性メッシュフィルムをさらに有する、請求項9に記載のプラズマディスプレイ用保護板。
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