JP2000159547A - 低反射熱線遮蔽ガラス - Google Patents

低反射熱線遮蔽ガラス

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JP2000159547A
JP2000159547A JP10330290A JP33029098A JP2000159547A JP 2000159547 A JP2000159547 A JP 2000159547A JP 10330290 A JP10330290 A JP 10330290A JP 33029098 A JP33029098 A JP 33029098A JP 2000159547 A JP2000159547 A JP 2000159547A
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glass
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low
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Toyo Otsuki
東洋 大槻
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可視光線透過率を約70%以上の高い値に保持
しつつ、ガラス面の可視光線反射率を低減させること。 【解決手段】ガラス基板上に、酸化亜鉛膜及び銀膜を積
層してなる積層体において、該酸化亜鉛膜は、バンドギ
ャップエネルギーが3.5eVより大きい透明酸化物を1
〜10重量%含むように、金属亜鉛に該透明酸化物とな
る金属が添加されたターゲットを用いて、反応スパッタ
リング法により成膜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅やオフィス等
の建築用はもちろん車両用等の窓ガラス、さらには船舶
用や航空機用の窓ガラス等各種の窓ガラスとして有用な
低反射熱線遮蔽ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、例えばオフィスや住宅等におい
て、断熱性、保温性、遮熱等に優れた熱線遮蔽ガラスが
寒冷地を中心に用いられている。この寒冷地の住宅等の
窓ガラスに用いられている熱線遮蔽ガラスは、高い可視
光透過率を有するとともに、日射エネルギーの内でも温
熱効果の高い波長1μm程度までの赤外線は透過する
が、室内の暖房機器から放射される波長2〜4μmの赤
外線から、室温程度の物体から放射される10〜20μ
m程度の長い波長の赤外線に対しては反射率が高い特性
を有する。そのために、このガラスを用いると、外部か
らの日射エネルギーは室内に取り入れつつ、室内から室
外に放射される熱線を遮蔽することができるので、室内
環境が快適になり、暖房負荷も軽減されるという利点を
有する。また、寒冷地と同様に最近、温暖地の夏季冷房
負荷を軽減するための熱線遮蔽ガラスも用いられつつあ
る。
【0003】これらの熱線遮蔽ガラスは、一般に銀膜を
挟む形で透明誘電体膜をガラス基板に積層したものが主
に用いられているが、該透明誘電体膜としては、銀膜と
の密着力が高く、また酸素との高い結合力によって膜内
の酸素のポテンシャルが低いため、銀膜内に酸素が拡散
しにくく、低い放射率が達成しやすい特性を有する酸化
亜鉛膜が多く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
前記酸化亜鉛膜として純粋な酸化亜鉛からなる膜を単独
で用いたものは、可視光線の透過率は高いものの、特に
可視光線のガラス面側可視光線の反射率が高く、ギラギ
ラ感が強く、外観上落ち着いた感じがなく、好ましいも
のではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のこれら
の問題点に鑑みてなしたものであり、酸化亜鉛膜及び銀
膜を積層してなる積層体において、該酸化亜鉛膜として
バンドギャップエネルギー(Eg)が3.5eVより大きい
透明酸化物を1〜10重量%含む酸化亜鉛膜とすること
により、可視光線の透過率を高い値に保持しつつ、可視
光の反射率(ガラス面)を低減させ、ギラギラ感の少な
い、非常に落ち着きのあるバランスのとれた快適な居住
性と省エネルギーに寄与する低反射熱線遮蔽ガラスが得
られることを見い出した。また、該ガラスのガラス面及
び膜面の反射をシルバーないしは淡い紫色がかったブル
ー色にし、透過色調を淡いイエロー色にすることで、透
明感と同時に優れた意匠性をも付与するものである。
【0006】すなわち、本発明は、ガラス基板上に、酸
化亜鉛膜及び銀膜を積層してなる積層体において、該酸
化亜鉛膜はバンドギャップエネルギー(Eg)が3.5eV
より大きい透明酸化物を1〜10重量%含むように、金
属亜鉛に該透明酸化物となる金属を添加した合金ターゲ
ットを用いて、反応スパッタリング法により成膜された
被膜であることを特徴とする低反射熱線遮蔽ガラスに関
する。
【0007】また、本発明は、バンドギャップエネルギ
ーが3.5eV以上の透明酸化物は、Al23、SiO2
MgO、CaO、SrO、BaO、Ga23、In23、Sn
2、TiO2のうちの少なくとも1種類であることを特
徴とする低反射熱線遮蔽ガラスに関する。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の態様につい
て説明するが、これらに限定するものではない。
【0009】本発明で用いられる酸化亜鉛膜は、銀膜と
の密着力が高く、また酸素との高い結合力によって膜内
の酸素のポテンシャルが低いため、銀膜内に酸素が拡散
しにくく、低い放射率が達成しやすい特性を有する誘電
体膜である。本発明は、酸化亜鉛膜にバンドギャップエ
ネルギーが3.5eV以上の透明酸化物を添加するする
ものであり(以下、添加型酸化亜鉛膜と略す)、これは
通常金属亜鉛に該透明酸化物となる金属が添加されたタ
ーゲットを用いて、反応スパッタリング法により成膜し
被膜を形成するものであり、これら透明酸化物が酸化亜
鉛中に添加されていることにより、純粋な酸化亜鉛膜を
用いる場合に比較して、特にガラス面の反射率が低くな
る傾向を示す。この理由は明白ではないが、次のように
考えられる。すなわち、金属亜鉛にバンドギャップエネ
ルギーが3.5eV以上の透明酸化物となる金属が添加
されたターゲットを用いて、反応スパッタリング法によ
り成膜し被膜を形成した酸化亜鉛は、Al、Ga等の元
素よりなる酸化物を添加した場合にはドーパント効果に
よりキャリア密度の増加が生じて、紫外域では、Bur
stein−Moss(BM)効果により光学的バンド
ギャップが拡がり、吸収端波長が短波長側にずれる。こ
の時のバンドギャップ増加量は、次式で示される。 △EgBM=Eg0−Eg0=(h/2mVC)(3π2e2/3 ここで、△EgBM:BM効果による光学的バンドギャッ
プの増加量 Eg0 :光学的バンドギャップ Eg0 :縮退していない場合のバンドギャップ h :プランク定数 mVC:電子の有効質量 ne :キャリア密度 上式より、△EgBM∝ne 2/3の関係にあり、光学的バン
ドギャップEg0はキャリア密度neの2/3乗に比例して
増加し、吸収端波長は短波長側にずれる。
【0010】例えば、Alを酸化亜鉛に添加した添加型
酸化亜鉛膜の場合、透明基材/添加型酸化亜鉛膜/銀膜
/添加型酸化亜鉛膜からなる熱線遮蔽膜を試作して光学
特性を測定したところ、同等の反射色調を有する膜構成
では、純粋な酸化亜鉛膜を用いた場合に比べて添加型酸
化亜鉛膜を用いた場合には、可視域のガラス面反射率が
3%以上低くなり、Al添加の導電性酸化亜鉛膜を用い
ることにより、可視光低反射の熱線遮蔽ガラスが得られ
た。これは、キャリア密度の増加に伴い吸収端波長が短
波長側にずれるために、380nm付近の可視光透過率
が増すためであると考えられる。また一方、前記のキャ
リア密度の増加に寄与する元素からなるAl23、Ga2
3以外の、酸化亜鉛(Eg=3.3eV)よりもバンド
ギャップエネルギーの大きい透明酸化物であるSiO2
MgO、CaO、SrO、BaO、In23、SnO2、TiO
2などを、これら透明酸化物となる金属が添加された金
属亜鉛ターゲットを用いて、反応スパッタリング法によ
り成膜し被膜を形成された酸化亜鉛の場合には、導電性
が無くても添加量の増加にともなって吸収端波長が短波
長側に移動し、これらの透明酸化物を用いることでも無
添加の酸化亜鉛膜を用いた場合よりもガラス面反射の低
い、低反射熱線遮蔽ガラスが得られる。
【0011】以上のように、酸化亜鉛に添加される前記
バンドギャップエネルギーが3.5eV以上の透明酸化
物としては、Al23、SiO2、MgO、CaO、SrO、
BaO、Ga23、In23、SnO2、TiO2のうちの少
なくとも1種類を用いることが出来る。これら透明酸化
物の添加量は1〜10重量%が適当であり、1重量%よ
りも添加量が少ない場合には、反射率低減効果が少な
く、また、10重量%以上添加すると、ガラス面、およ
び膜面反射の刺激純度が高くなり、外観が悪化する。
【0012】銀層は、熱線を遮蔽する作用を有する層で
あり、その膜厚は、放射率と可視光線透過率及び反射色
調に影響し、放射率が約0.1程度以下の低放射ガラス
においては少なくとも9nmが必要である。又高い可視
光線透過率、とりわけ70%以上を確保し、且つ赤い反
射光を避けるためには20nm以下とすることが好まし
い。なお、銀層は銀を主成分とし、銀に金、銅、白金、
イリジウム等の通常被膜の成分として公知の元素を含ん
でいても構わない。。
【0013】添加型酸化亜鉛膜は、酸素との高い結合力
によって膜内の酸素のポテンシャルが低いために、銀層
内に酸素が拡散しにくく、低い放射率が達成しやすい。
さらに、緻密で大気中の腐食性ガスの拡散を防ぐ効果が
あり、また太陽光線に含まれる紫外線を吸収する働きが
あるが、化学的耐久性が低いので、特に外部にさらされ
る一番外層には、酸化亜鉛膜の上に非晶質酸化物である
酸化錫及び/または酸化チタンを設けることが好まし
く、その場合の酸化錫膜の膜厚は1nm以上が好まし
い。銀膜の下層には、基板側から銀層への酸素や水分の
拡散を防ぐために、添加型酸化亜鉛膜を設けることが好
ましく、該添加型酸化亜鉛膜の厚みは少なくとも3nm
は必要である。なお、添加型酸化亜鉛膜には、銀膜内に
酸素が拡散しにくくするような被膜の成分として公知の
元素が含まれても良い。
【0014】また、銀膜に接触する酸化物膜中の酸素の
化学ポテンシャルはできる限り低く保つことが肝要で、
銀膜に接触して設けられる添加型酸化亜鉛膜を成膜する
時の雰囲気は、酸素と共にできるだけ多くのアルゴンを
添加するのが望ましい。望ましいアルゴンの添加率は設
備によって異なるが、概ね10〜30%である。この値
は酸素雰囲気から徐々にアルゴンを添加していき、ター
ゲットに掛かる電圧が急に上がるか、電流が急に下がる
現象を観測し、そこからアルゴンを若干減らすことで決
められる。
【0015】銀膜の直上部には保護金属膜を設けること
が好ましい。銀膜と酸化物膜の両方に高い密着性をもつ
亜鉛、亜鉛/アルミニュウム合金、ニクロム、またはチ
タンよりなる金属膜が望ましい。なお、ここでいう保護
金属膜とは、銀膜の直上に保護金属膜を成膜した直後は
全厚が金属膜であるが、次いで該金属膜の上層に酸化物
膜を成膜する時、酸化性雰囲気(例えば酸素80%、ア
ルゴン20%)で成膜するため、該金属膜の上層部の一
部が酸化物に変換されるが、この上層部が酸化された酸
化物膜と残った金属膜を含めて保護金属膜と呼ぶ。該保
護金属膜の作用は、酸化物膜を成膜する際に、その酸化
性雰囲気の影響が下部の銀膜に及ばないように該保護金
属膜を介在させて銀膜が酸化されるのを保護するための
ものである。亜鉛、亜鉛/アルミニュウム合金、ニクロ
ム、またはチタンよりなる金属は、酸素との結合力が高
く、銀膜中に進入しようとする酸素その他の腐食性イオ
ンを最も効果的にトラップする機能を有し、また仮に該
有害イオンを含む水分が侵入したときは、銀のマイグレ
ーションを抑制し、斑点状欠陥の発生を抑制するので特
に好ましい。保護金属膜の厚みは厚いほど強い効果が長
続きすることは当然であるが、厚すぎると可視光線透過
率を下げてしまう。しかし次に酸化物膜を成膜する際、
該保護金属膜の一部は酸化されるので、その酸化前の最
初の金属膜の厚みは5nm以下であれば高い透過率が得
られる。
【0016】添加型酸化亜鉛膜と銀膜とは、交互に積層
することが好ましく、銀膜は1層或いは2層以上の多層
に設けることは、用途により適宜選択出来る。また、銀
膜と添加型亜鉛膜の間に他の酸化物を介在させることも
できる。
【0017】本発明の低反射熱線反射ガラスは、その透
過主波長は、565nm〜575nmの範囲の場合には
イエロー色となり、565nm以下の場合にはグリーン
がかったイエロー色となり、575nm以上では赤味が
かったイエロー色となる。また、ガラス面と膜面の反射
主波長は、470nmから485nmの範囲の場合には
ブルー色ないしは紫色となり、470nm以下の場合に
赤味がかった紫色となり、485nm以上であるとグリ
ーンがかったブルー色となり、適宜用途に応じて選択出
来るが、何れもそれぞれ刺激性のないニュ−トラルな落
ち着いた色調を呈す。
【0018】ガラス基板としては、自動車用ならびに建
築用ガラス等に通常用いられている普通板ガラス、所謂
フロート板ガラスなどであり、クリアをはじめグリ−
ン、ブロンズ等各種着色ガラスや各種機能性ガラス、強
化ガラスやそれに類するガラス、合せガラスのほか複層
ガラス等、さらに平板あるいは曲げ板等各種板ガラス製
品として使用できることは言うまでもない。また、ガラ
スは透明プラスチック板等との積層体であってもよい。
なお、ガラスの組成は、ソーダ石灰ガラス、アルミノシ
リケートガラス等であるが、これらに限定されないこと
は、言うまでもない。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0020】実施例1 下記の手順により、本発明の低反射熱線遮蔽ガラスを製
造した。 洗浄した厚さ3mmのフロートガラス板を反応スパッ
タ装置内に入れて真空度が2〜4×10-4Paに達する
まで排気した。 装置内に酸素ガスを流して真空度を2〜3×10-1
aにした後、4重量%のAlを含有したZnターゲット
に600WのDC電力を印加して放電させ、ガラス板を
190mm/minの速度で搬送してZnターゲット上方の
プラズマ中を2回通過させ、膜厚25nmの下部保護酸
化物膜である添加型ZnO膜(6重量%のAl23
有)を形成した。 同様の真空度および雰囲気中で、Tiターゲットに2
KWの電力を印加して放電させ、ガラス板を140mm/
minの速度で搬送して、Tiターゲット上方を1回通過
させ、前記下部添加型ZnO膜上に膜厚10nmの下部
TiOを形成した後、電力と酸素ガスの供給を停止し
た。 アルゴンガスを流して装置内の真空度が2〜3×10
-1Paになった時点で、今度はAgターゲットに145
Wの電力を印加して放電させ、ガラス板を255mm/mi
nの速度で搬送して、Agターゲット上方を1回通過さ
せ、前記下部TiO膜上に膜厚18.5nmのAg膜を
形成した。形成後、電力供給を停止した。 同様の真空度および雰囲気中で、Tiターゲットに4
77Wの電力を印加して放電させ、ガラス板を850mm
/minの速度で搬送して、Tiターゲット上方を1回通
過させ、Ag膜の上に膜厚3nmの保護金属膜であるT
i膜を形成した後、電力とアルゴンガスの供給を停止し
た。 酸素ガスを流し装置内の圧力が2〜3×10-1Paに
なった時点で、再度Tiターゲットに2kWのDC電力
を印加して放電させ、ガラス板を110mm/minの速度
で2回搬送して、前記保護金属膜であるTi膜上に膜厚
25nmの上部酸化チタン膜であるTiO膜を形成し
た。なお、上部酸化チタン膜を形成する際に、保護金属
膜であるTiの上層部の少なくとも一部はTiの酸化物
であるTiOXに酸化されている。 同様の真空度および雰囲気中で、再び上記で用いた
Znターゲット(4重量%のAl含有)に600Wの電
力を印加させ、ガラス板を135mm/minの速度で搬送
して、Znターゲット上方を1回搬送して、上部酸化チ
タン膜上に膜厚15nmの上部保護酸化物膜である添加
型ZnO膜(6重量%のAl23含有)を形成した。
【0021】このようにして得られたガラス板は、表1
の実施例1に示したように、可視光透過率が71.3
%、日射透過率が46.6%で、優れた日射熱軽減効果
を示すものであった。また、ガラス面の可視光反射率は
18.0%と低く、ギラギラ感の少ない、落ち着いた外
観を示すとともに、反射色調はニュートラルであり、高
い透明感を有していた。さらに、表面抵抗値は熱線遮蔽
ガラスの性能を示す放射率と比例関係にあり、値が小さ
いほど優れた断熱性能を持つことを意味するが、このガ
ラス板の表面抵抗値は3.5Ω/□で、高い断熱性能を
有するものであった。
【0022】さらに、得られたガラス板のガラス面と膜
面の反射色調はニュートラルであり、高い透明感を有す
ると同時に優れた意匠性も有している。なお、得られた
熱線遮蔽ガラスの光学特性は、分光光度計(日立製作所
製U4000型自記分光光度計)によって測定した。ま
た、表面抵抗は、四端針抵抗率測定装置(NAPSON
製RT−8S型)により測定した。さらに、表1におけ
る各膜組成での( )内の数字は各成分の膜厚(単位:
nm)を示し、保護金属膜については、酸化物に変換さ
れた膜と残った金属膜とを合わせた合計の膜厚を( )
内に示した。
【0023】実施例2 2重量%のAlを含有したZnターゲットを用い、実施
例1と同様な方法で添加型ZnO(3重量%のAl
23)を含む、表1に示す膜構成の多層膜を作製した。
【0024】以上の実施例2は、可視光線透過率70%
以上と高く、且つ日射透過率が43.9%と低く、高い
日射熱軽減性能を有し、またガラス面の可視光反射率は
18.1%と低く、ギラギラ感の少ない、落ち着いた外
観を示すとともに、反射色調は 淡い紫色ががったブル
ー色、透過色調は淡いイエローであり、高い透明感を有
すると同時に優れた意匠性も有している。
【0025】比較例1 実施例1と比較し、第1層及び第6層に用いたZnター
ゲットはAlを含有しないZnターゲットを用い、表1
に示すような膜構成になるように成膜した。
【0026】結果、表1に示す通り、可視光線のガラス
面反射の主波長が同じ(480nm)である実施例1に
比較して、可視光透過率は約2.4%低く、ガラス面の
可視光反射率は3.4%高く、また膜面の可視光反射率
も3.0高く、ギラギラ感が強く、好ましいものではな
かった。
【0027】比較例2 酸化亜鉛膜(金属無添加)、酸化チタン膜、Ag膜およ
び保護金属膜のそれぞれは、実施例2と同様な方法で表
1に示す膜厚に成膜した。
【0028】結果、表1に示す通り、可視光線のガラス
面反射の主波長が同じ(約477nm)である実施例2
に比較して、可視光透過率は殆ど同等であるにも係わら
ず、ガラス面の可視光反射率は4.4%高く、膜面の可
視光反射率は6.3%高く、比較例1と同様にギラギラ
感が強く、好ましいものではなかった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明は、酸化亜鉛膜及び銀膜を積層し
てなる積層体において、該酸化亜鉛膜としてバンドギャ
ップエネルギー(Eg)が3.5eVより大きい透明酸化物
を1〜10重量%含む酸化亜鉛膜とすることにより、可
視光線の透過率を約70%以上の高い値に保持しつつ、
可視光の反射率(ガラス面)を低減させ、ギラギラ感の
少ない、非常にバランスのとれた快適な居住性と省エネ
ルギーに寄与する低反射熱線遮蔽ガラスが得られ、ま
た、該ガラスのガラス面及び膜面の反射をシルバーない
しは淡い紫色がかったブルー色にし、透過色調を淡いイ
エロー色にすることで、透明感と同時に優れた意匠性を
も兼備した優れた低反射熱線遮蔽ガラスである。
フロントページの続き Fターム(参考) 2E039 AB00 AB07 4F100 AA17B AA18B AA19B AA20B AA21B AA25B AA28B AB24C AG00A BA03 BA05 BA07 BA10A BA10C EH66B GB07 GB32 HB00 JD10 JG10B JL10 JN01B JN06 YY00B 4G059 AA01 AC04 AC06 AC20 EA01 EA02 EA03 EA04 EA05 EB04 GA01 GA04 GA14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板上に、酸化亜鉛膜及び銀膜を積
    層してなる積層体において、該酸化亜鉛膜は、バンドギ
    ャップエネルギー(Eg)が3.5eVより大きい透明酸化
    物を1〜10重量%含むように、金属亜鉛に該透明酸化
    物となる金属が添加されたターゲットを用いて、反応ス
    パッタリング法により成膜された被膜であることを特徴
    とする低反射熱線遮蔽ガラス。
  2. 【請求項2】バンドギャップエネルギーが3.5eV以
    上の透明酸化物は、Al23、SiO2、MgO、CaO、
    SrO、BaO、Ga23、In23、SnO2、TiO2のう
    ちの少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1
    記載の低反射熱線遮蔽ガラス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009539745A (ja) * 2006-06-05 2009-11-19 ピルキングトン・グループ・リミテッド 酸化亜鉛コーティングを有するガラス物品及びその製造方法
JP2011009293A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Alps Electric Co Ltd ワイドギャップ酸化物半導体及びそれを用いた紫外線センサ
JP4837654B2 (ja) * 2005-02-17 2011-12-14 旭硝子株式会社 導電性積層体、プラズマディスプレイ用電磁波遮蔽フィルムおよびプラズマディスプレイ用保護板

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