JPWO2006035863A1 - ポリ塩化ビニル系繊維及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

熱による着色の少ないポリ塩化ビニル系繊維を得るために、近年ではハイドロタルサイト系熱安定剤を使用する例が増えている。しかし、着色の少ない糸を得るには前記熱安定剤の添加量を多くする必要があり、この場合、溶融紡糸時のノズル孔周縁部の目脂発生と糸切れ性、溶融紡糸した糸の透明性の低下といった課題があった。本発明は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部、ハイドロタルサイト系熱安定剤0.1〜0.6重量部、β−ジケトン0.1〜0.5重量部、カルシウム金属石鹸と亜鉛石鹸が0.2〜0.5重量部、滑剤0.7〜1.7重量部、可塑剤0.5〜5重量部配合する事により上記課題を解決した。【選択図】 なし

Description

本発明は透明性が良く、目脂や糸切れが少なく紡糸安定性の有るポリ塩化ビニル系繊維、及び溶融紡糸による該繊維の製造法に関するものである。該ポリ塩化ビニル系繊維は、かつら、ヘアピース、ブレード等頭髪装飾用の人工毛髪、或いはドールヘアー等の人工毛髪等として使用可能である。
塩化ビニル系樹脂は、自己消火性、耐薬品性などに優れており、繊維にした場合にも、その優れた性質を持ちうる。従来一般的には頭髪装飾用等の人工毛髪用繊維として、細繊度(断面積が小さく細い繊維)の繊維を工業的に製造するには、塩化ビニル系樹脂に対する溶媒を使用する湿式紡糸法、または乾式紡糸法によって実施されている。しかしながらこれらの方法は、溶媒を使用するが故に脱溶媒工程を必要とし、過大な設備投資が必要でありその設備の維持管理にも多数の人手を必要とするという問題点がある。また溶媒に対する溶解性を向上するべく、アクリロニトリルや酢酸ビニル等のコモノマーを共重合する為、繊維の初期着色性に弱点があり乾燥工程で黄味色の強い繊維になり易いという問題点や、あるいは繊維の軟化温度が下がる為にカール保持性が充分でない等の問題点がある。
一方溶媒を使用しない紡糸方法として溶融紡糸法が知られているが、その際には塩ビ系樹脂の熱分解を防止するための熱安定剤や滑剤の添加が必須となる。熱分解を防止してロングラン性を確保するには溶融紡糸温度を低く設定するのが有利である。又人工毛髪用塩ビ系繊維としてさらさらとした手触り触感を得るためにも、溶融紡糸温度を高くして繊維表面を平滑にする事は好ましくない。しかし溶融紡糸温度を低く設定すると塩ビ系樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、ノズルにかかる圧力が高くなって押出機の設計圧力をオーバーしてしまうという問題が発生しやすい。
それゆえこれらの問題を解決するため、組成物の見掛けの溶融粘度を低下するべくCd−Pb系の熱安定剤や滑剤の使用が従来技術として実施されてきた。しかしながらこれらの配合剤は毒性が高く、製造上だけでなく頭髪装飾用として皮膚に触れる為安全衛生上の問題がある。また該頭髪装飾用品等が廃棄される場合、一般ゴミに混入して環境を汚染するという問題もある。
そこでこれらCd−Pb系熱安定剤を主とした配合系の問題点を解決すべく、錫系熱安定剤やハイドロタルサイト系熱安定剤、あるいはCa―Zn系熱安定剤の単独使用或いは併用への転換が図られている。そして(特許文献1)では塩ビ系樹脂組成物の見掛け溶融粘度を下げ、押出機にかかる圧力を下げるべく可塑剤や分子量の低い塩ビ系樹脂を添加する提案がなされている。
(特許文献2)に記載されているものは塩化ビニル100重量部に対してハイドロタルサイト系熱安定剤0.8〜3重量部、カルシウム石鹸及び亜鉛石鹸0.25〜2重量部、β−ジケトン0.1〜0.4重量部を配合したポリ塩化ビニル系繊維である。また(特許文献3)においては(特許文献2)記載の組成物を、エポキシ化可塑剤0.5〜2重量部添加し、金属石鹸の1部を滑剤0.2〜1重量部に置き換えた配合内容となっている。しかしながら前記文献に記載の塩化ビニル系繊維においては、ハイドロタルサイト系熱安定剤0.8〜3重量部と添加量が多いために紡糸時に目脂発生及び溶融紡糸した糸の透明性を低下させる問題があった。
特開平11−61555号公報 特開2001−98413号公報 特開2001−98414号公報
錫系安定剤は、塩化ビニル系樹脂との相溶性が良いためゲル化を過剰に促進し、塩化ビニル系樹脂組成物の溶融体全体の金属離型性を極端に低下させる。この低下防止には多量の滑剤添加が必要であり、多量の滑剤を添加した塩化ビニル系樹脂組成物を孔径の小さなノズルから溶融紡糸すると、該ノズル孔周縁部に目脂(添加剤成分等の析出物が炭化したもの)が発生し易く、これにより糸切れし易いという新たな課題があった。又錫系熱安定剤は、有機錫化合物であるため各種各様に独特の臭気を有しており、頭髪装飾用製品に繊維を加熱加工する際異臭がすると使用を忌避される場合もあった。
前出の(特許文献2)及び(特許文献3)は、無機化合物のハイドロタルサイト系熱安定剤を使用している。そのため錫系熱安定剤の様な臭気発生の問題は無く、滑剤を多量に添加しての目脂発生等は改良されている。しかしハイドロタルサイト系熱安定剤が0.8〜3重量部と添加量が多いので、溶融紡糸時のノズル孔周縁部の目脂発生と糸切れは満足できるレベルではなかった。また溶融紡糸した糸の透明性を低下させており、鮮明な色調の塩ビ系繊維を得るためには改良が必要であった。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、塩化ビニル系樹脂組成物を溶融紡糸する際の熱安定剤として、ハイドロタルサイトとカルシウム石鹸・亜鉛石鹸を少量使用した場合でも、目脂・糸切れ発生が少なく安定した溶融紡糸で、透明性が良好で鮮明な色調の塩ビ系繊維が得られる事を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、ハイドロタルサイト系熱安定剤0.1〜0.6重量部、β−ジケトン0.1〜0.5重量部、カルシウム石鹸及び亜鉛石鹸0.2〜0.5重量部、滑剤0.7〜1.7重量部、可塑剤0.5〜5重量部を配合した塩化ビニル系樹脂組成物からなる事を特徴とするポリ塩化ビニル系繊維である。
本発明に係るポリ塩化ビニル繊維は、毛髪用繊維として手触り触感が良く、透明性が良好で色調が鮮明な人工毛髪用繊維を、生産面においては目脂・糸切れが少なく安定的な溶融紡糸で得る事が可能である。そのため生産性が高くコストも低減可能である。又該ポリ塩化ビニル系繊維は、ブラシ等人工毛髪用以外の産業資材分野等にも応用可能である。
本発明にかかる塩化ビニル用安定剤ハイドロタルサイト系安定剤は、高温下でも非常に安定した状態を維持しうるが、配合量が多すぎると溶融押出し時に分散不良を起こしスクリーン目詰まりによる糸切れや融着を起こす。(特許文献1)でもハイドロタルサイト自身が凝集物となって糸切れ頻度が多くなるため、ポリ塩化ビニル100重量部に対し0.8〜3重量部使用するのが好ましいとしている。しかし紡糸した繊維の透明性を上げるためにはハイドロタルサイト系安定剤を0.8以下に抑える必要があることが判った。紡糸糸の着色性、糸切れ性及び目脂発生の観点よりハイドロタルサイト系安定剤は0.1〜0.6重量部、とりわけ0.2〜0.5重量部が更に良く溶融紡糸性が安定していることを実験で確認した。
溶融紡糸した糸の初期着色を軽減する方法としてβ−ジケトンを0.1〜0.5重量部、さらに好ましくは0.2〜0.4重量部添加するのが良い。最も好ましくステアリルベンゾイルメタン(SBM)0.2重量部及びジベンゾイルメタン(DBM)が0.2重量部である。金属石鹸としてはカルシウム石鹸及び亜鉛石鹸0.2〜0.5重量部が好ましいが、カルシウム石鹸及び亜鉛石鹸が高級脂肪酸及び/又はその誘導体であり、最も好ましくはカルシウム石鹸0.1重量部と亜鉛石鹸0.2重量部の併用である。滑剤としては0.7〜1.7重量部添加するのが良いが、ポリエチレン系滑剤、高級脂肪酸系滑剤、エステル系滑剤及び高級アルコール系滑剤からなる群より少なくとも1種以上を選択して、さらに好ましくは0.7〜1.3重量部添加するのが良い。可塑剤は0.5〜5重量部添加するが、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤及びエポキシ系可塑剤からなる群より少なくとも1種以上選択し、1.0〜4.0重量部添加するのがさらに好ましく、紡糸時の圧力や樹脂発熱を抑えることが出来る。
該塩化ビニル系樹脂組成物を溶融紡糸するに際し、1ケのノズル孔の断面積が0.5mm2以下のノズル孔から溶融・流出せしめる事ができる。また前記溶融紡糸するに際し、1ケのノズル孔の断面積が0.5mm2以下のノズル孔から溶融・流出せしめ、300デシテックス以下の未延伸糸を製造し、次いでこの未延伸糸に延伸処理、熱処理を施して、100デシテックス以下の繊維とすることもできる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を使用する事により、溶融紡糸する際の樹脂温度を195℃以下という比較的低い温度条件で、ノズル圧力を押出機の設計圧力である500kg/cm2以下とし、1ケのノズル孔の断面積が0.5mm2以下のノズル孔から人毛に極めて類似した手触り触感と、良好な透明性・色調鮮明性を有した塩化ビニル系樹脂繊維を製造する事が可能となる。
以下本発明を詳細に説明する。本発明の(a)成分である(請求項1)の塩化ビニル系樹脂とは、従来公知の塩化ビニルの単独重合物であるホモポリマー樹脂または従来公知の各種コポリマー樹脂からなるものであり、特に限定されるものではない。該コポリマー樹脂としては塩化ビニル酢酸ビニルコポリマー樹脂、塩化ビニルプロピオン酸ビニルコポリマー樹脂など塩化ビニルとビニルエステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニルアクリル酸ブチルコポリマー樹脂、塩化ビニルアクリル酸2エチルヘキシルコポリマー樹脂など塩化ビニルとアクリル酸エステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニルエチレンコポリマー樹脂、塩化ビニルプロピレンコポリマー樹脂など塩化ビニルとオレフィン類とのコポリマー樹脂、塩化ビニルアクリロニトリルコポリマー樹脂などが代表的に例示される。特に好ましくは塩化ビニル単独樹脂、塩化ビニルエチレンコポリマー樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルコポリマー樹脂である。
該コポリマー樹脂において、塩化ビニルと組合されるコモノマーの含有量は特に限定されず、溶融押出し加工性、糸特性などの要求品質に応じて決める事ができる。特にコモノマーの含有量は2〜30%であることが好ましい。
本発明に使用する塩化ビニル系樹脂の粘度平均重合度は、850〜1700である事が好ましい。850未満であると繊維の特性、特にカール保持性などが不十分になりやすく好ましくない。逆に1700を越えると溶融粘度が高くなるためノズル圧力が高くなり、押出量を低く抑える必要が生じて好ましくない。これら溶融押出し加工性と繊維特性とのバランスから、塩化ビニル単独樹脂を使用する場合は粘度平均重合度が850〜1450の範囲が特に好ましく、コポリマーを使用する場合はコモノマーの含有量にも依存するが、おおよそ粘度平均重合度は1000〜1700の範囲が特に好ましい。
また塩化ビニル系樹脂は、乳化重合、塊状重合または懸濁重合などによって製造したものを使用できるが、繊維の初期着色性などを勘案して懸濁重合によって製造したものを使用するのが好ましい。
本発明の(b)成分であるハイドロタルサイト系熱安定剤は一般式(1)
MgxAl2(OH)(2x+4)CO3nH2O] (1)
で示される化学名マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレートを主成分とするアニオン交換性の層状化合物である。HCl捕捉効果で熱安定剤として機能する。(特許文献4)に開示された様にマグネシウムの一部がCaやZnに置き換えたり、各種表面処理剤で処理された物も使用可能である。市場に販売されているハイドロタルサイト系熱安定剤としては、例えば協和化学工業株式会社製のアルカマイザー等がある。ハイドロタルサイト系熱安定剤の添加量は、0.1〜0.6重量部が良い。多過ぎると目脂・糸切れが多くなり、マルチフィラメントのノズル出が不揃いとなる。紡糸された繊維の透明性が低下し色調が不鮮明となる。少な過ぎると熱安定性が不十分となり、紡糸された繊維の初期着色が大きくなり樹脂滞留部があると樹脂焼けし易くなる。したがってさらに好ましい添加量としては0.2〜0.5重量部である。
特公平4−73457号公報 本発明の(c)成分であるβ−ジケトンは金属石鹸特にZn塩に併用すると卓越した初期着色防止作用がある。代表的なものとしてはアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ステアロイルベンゾイルメタン(SBM)、ジベンゾイルメタン(DBM)、アセト酢酸エチル、デヒドロ酢酸がある。添加量は0.1〜0.5重量部が良く、0.5重量部を越えるとやはり目脂・糸切れが増える傾向が有り好ましくなく、0.1重量部未満では初期着色が大きくなり色調不良となる。さらに好ましい添加量は0.2〜0.4重量部であり、最も好ましいのはSBMとDBMの組合せである。
ハイドロタルサイト系熱安定剤は塩化ビニル系樹脂組成物中での分散性が良くはない。そこでカルシウム石鹸を添加して補い、初期着色防止に亜鉛石鹸を併用添加する。
本発明の(d)成分であるカルシウム石鹸及び亜鉛石鹸としては各種のものが使用可能であり、添加量としては0.2〜0.5重量部が良い。0.5重量部を越えると目脂・糸切れが増える傾向が有り紡糸された繊維の透明性も低下するので好ましくない。又0.2重量部未満では熱安定化効果が不足し、初期着色が大きくなり色調不良となる。塩化ビニル系樹脂組成物の均一な溶融状態を得るためにはカルシウム石鹸、亜鉛石鹸としては高級脂肪酸及び/又はその誘導体である事が好ましい。例えばステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、及び/又は12−ヒドロキシステアリン酸の様にそのヒドロキシル(OH)誘導体のカルシウム塩、亜鉛塩もしくは混合物がある。金属石鹸の最適な組合せとしてはカルシウム石鹸及び亜鉛石鹸の組合せである。
本発明の(e)成分である滑剤はプラスチックを成形加工するさいに、加工機の金属面との摩擦を減少して、樹脂間の摩擦を減少させ、流動性や離型性を良くし加工性を改良させる目的で一般的に使用されている剤である。滑剤の種類としては炭化水素系、脂肪酸系、脂肪族アルコール系、脂肪族アマイド系、金属石鹸系、エステル系がある。添加量は0.7〜1.7重量部である。1.7重量部を越えると目脂・糸切れが増える傾向が有り紡糸された繊維の透明性も低下するので好ましくない。0.7重量部未満では摩擦増による樹脂温度上昇・着色が大きく、ノズル圧力も高くなるので好ましくない。特に好ましい滑剤添加量としては0.7〜1.3重量部である。滑剤の種類の中で好ましいのはポリエチレン系滑剤、高級脂肪酸系滑剤、高級アルコール系滑剤及びエステル系滑剤の群から選ばれる少なくとも1種以上である。ポリエチレン系滑剤としては従来公知の物を使用できるが、特に好ましくは平均分子量が1500〜4000程度であり、密度が0.91〜0.97の非酸化タイプまたはわずかに極性を付与したタイプの物が良い。高級脂肪酸系滑剤の具体例としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、カプリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸あるいはこれらの混合物などが例示される。高級アルコール系滑剤の具体例としては例えばステアリルアルコール、パルミチルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコールあるいはこれらの混合物などがある。エステル系滑剤はアルコール、多価アルコールの脂肪酸エステルであり、前記高級脂肪酸とグリセリンやペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとのモノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステルあるいはこれらの混合物、または前記高級アルコールと脂肪酸のエステルである。具体例としてはステアリン酸モノグリセライド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリルステアレート等がある。
本発明の(f)成分である可塑剤とは従来より塩化ビニル樹脂用に用いうる公知の可塑剤を使用する事ができる。例えばフタル酸エステル可塑剤、トリメリット酸エステル可塑剤、ピロメリット酸エステル可塑剤、ポリエステル可塑剤、エポキシ系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル可塑剤、塩素化パラフィン可塑剤、リン酸エステル可塑剤から選択される1種または2種以上の可塑剤が好ましい。該可塑剤の添加量は塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部が好ましい。0.5重量部未満であると組成物の溶融粘度が高く、押出機やノズルにかかる圧力が過剰となる。逆に5重量部を越えると、繊維の熱収縮率が高くなるばかりでなく、溶融紡糸時に可塑剤ミストの発生が著しくなる傾向があり好ましくない。これら溶融紡糸時の挙動、繊維の熱収縮率等の品質とのバランスから、より好ましい可塑剤はイソノニルフタレート、ウンデシルフタレート等のフタル酸系可塑剤、トリオクチルトリメリテート等のトリメリット酸系可塑剤、テトラオクチルピロメリテート等のピロメリット酸系可塑剤、アジピン酸系ポリエステル可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤である。上記可塑剤添加量の範囲内で1.0〜4.0重量部が、押出性を容易にする点と繊維の熱収縮を抑制させる点とを両立させる観点より特に好ましい。
本発明においては他に、溶融紡糸された繊維の透明性等の品質や紡糸安定性を損わない限りで、目的に応じて塩化ビニル系組成物に使用される公知の配合剤、例えば加工助剤、安定化助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填剤、難燃剤、顔料等を使用する事ができる。また場合によっては発泡剤、架橋剤、粘着性付与剤、導電性付与剤、香料等特殊な配合剤を使用する事もできる。
前記加工助剤としては公知のものを使用できる。例えばメチルメタクリレートを主成分とするアクリル系加工助剤やEVAを成分として含むEVA系加工助剤、または熱可塑性ポリエステルを主成分とするポリエステル加工助剤等を使用できる。該加工助剤の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.2〜12重量部程度が好ましい。またこれらの加工助剤は単独でも使用できるし、2種以上を併用しても良い。
本発明に使用する塩化ビニル系樹脂組成物は、従来公知の混合機例えばヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等を使用して混合したパウダーコンパウンド、またこれを溶融混合してなるペレットコンパウンドとして使用する事ができる。該パウダーコンパウンドの製造は、従来公知の通常条件で製造でき、ホットブレンドでもコールドブレンドでも良い。特に好ましくは組成物中の揮発分を減少するために、ブレンド時のカット温度を105〜155℃迄上げてなるホットブレンドを使用するのが良い。
該ペレットコンパウンドは、通常の塩化ビニル系ペレットコンパウンドの製造と同様にして製造できる。例えば単軸押出機、異方向2軸押出機、コニカル2軸押出機、同方向2軸押出機、コニーダー、プラネタリーギア押出機、ロール混練機等の混練機を使用して、ペレットコンパウンドとする事ができる。該ペレットコンパウンドを製造する際の条件は、特に限定されないが樹脂温度を185℃以下になる様に設定する事が特に好ましい。
また該ペレットコンパウンド中に混入し得る掃除用具の金属片等の異物を取り除く為に、目開き200メッシュ以下の細かいステンレス金網等を混練機内に設置したり、コールドカットの際に混入しうる「切り粉」等を除去する手段を採ったり、ホットカットを行う等の方法は自在に可能であるが、特に好ましくは「切り粉」混入の少ないホットカット法を使用するのが好ましい。
本発明において塩化ビニル系樹脂組成物を繊維状の未延伸糸にする際には、従来公知の押出機等を使用できる。例えば単軸押出機、異方向2軸押出機、コニカル2軸押出機等を使用できるが、例えば口径が30〜60mmφ程度の単軸押出機、または口径が35〜50mmφ程度のコニカル押出機を使用するのが好ましい。口径が大き過ぎると押出量が多くなり、ノズル圧力が過大になつたり、未延伸糸の流出速度が早過ぎて巻取りが困難になる傾向があり好ましくない。
本発明において溶融紡糸する際のノズル圧力は、500kg/cm2以下にする事が好ましい。該ノズル圧力が500kg/cm2を越えると、押出機のスラスト部に不具合を発生し易く、またターンヘッドやダイ等の接続部から「樹脂漏れ」を発生し易くなり好ましくない。ノズル圧力を低下するためには樹脂温度を高くする事で可能であるが、溶融紡糸の際の温度条件は樹脂温度を195℃以下で紡糸する事が好ましい。樹脂温度が195℃を越えるような条件で紡糸すると繊維の着色傾向が顕著となり、黄色味の強い繊維となり好ましくない。そのため押出機のシリンダー温度は140〜185℃程度とし、ダイやノズル温度は160〜190℃程度とする事が特に好ましい。
本発明においては従来公知のノズルを用いて溶融紡糸する事が可能であるが、触感などの品質を勘案すれば、1ケのノズル孔の断面積が0.5mm2以下のノズルをダイ先端部に取付けて行うのが好ましい。該断面積が0.5mm2を越えるノズルを使用すると、所望の未延伸糸の繊度を得るために高い温度で充分にコンパウンドを溶融して押出し、高い紡糸ドラフトで引取る必要が出てくる。それでは繊維表面が平滑になり過ぎてプラスチック的な滑り触感になり、人毛様のさらさらした触感が得られず好ましくない。1ケのノズル孔の断面積が0.5mm2以下のノズルを使用し、繊度が300デシテックス以下の未延伸糸を引取るのが好ましい。未延伸糸が300デシテックスを越えると、細繊度の繊維を得る為には延伸処理の際、延伸倍率を大きくする必要がある。そのため繊維表面が平滑になり過ぎてプラスチック的な滑り触感になり、人毛様のさらさらした触感が得られず好ましくない。
前記溶融紡糸で得られた未延伸糸に、公知の方法で延伸処理・熱処理を施して、100デシテックス以下の細繊度の繊維にする事ができる。頭髪装飾用の繊維としては25〜100デシテックスの範囲が特に好ましい。100デシテックスを越えると触感が剛くなり、人毛の様な柔かな触感が得られ難い。また人形用頭髪の繊維としては10〜65デシテックスの範囲が特に好ましい。延伸処理条件としては延伸処理温度70〜150℃の雰囲気下で、延伸倍率は200〜450%程度延伸する事が特に好ましい。延伸処理温度が70℃未満であると、繊維の強度が低くなると共に糸切れを発生し易く、150℃を越えると、繊維の触感がプラスチック的な滑り触感になると共に糸切れもまた発生し易い傾向があり好ましくない。また延伸倍率が200%未満であると繊維の強度発現が不十分となり易く、450%を越えると延伸処理時に糸切れを発生し易く好ましくない。
さらに延伸処理を施した繊維に熱処理を施して、2〜40%の緩和率で繊維を緩和処理する事により、熱収縮率を低下させる事ができる。また繊維表面の凹凸を整えて、人毛に類似したサラサラ触感とする為にも該緩和処理が好ましい。該緩和率の範囲を外れると、人工毛髪用繊維としてあるいはドールヘアー用繊維として、糸強度等の品質が低下する傾向があり好ましくない。該熱処理は延伸処理と連動して実施する事もできるし、切り離して実施する事もできる。熱処理温度条件としては、雰囲気温度が80〜150℃の雰囲気下で実施する事が特に好ましい。また本発明においては従来公知の溶融紡糸に関わる技術、例えば各種ノズル断面形状に関わる技術、加熱筒に関わる技術、延伸処理に関わる技術などは自在に組合せて使用する事が可能である。
以下に実施例を示して、本発明の具体的な実施態様をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
表1の配合例のごとく塩化ビニル樹脂100重量部に対し、ハイドロタルサイト系熱安定剤カルシウム石鹸・亜鉛石鹸、β−ジケトン、滑剤、可塑剤を適宜配合した配合樹脂各々約7kgを20リットルヘンシェルミキサーに投入し、材料の温度が120℃になるまで撹拌混合を行ない、材料の温度が60℃になるまで冷却してパウダー状の塩化ビニル系樹脂コンパウンドを作製した。
Figure 2006035863
表1に示す様に実施例1〜11のハイドロタルサイト(アルカマイザー1)の添加量0.1〜0.6重量部時の各配合例においては、溶融紡糸時の着色の問題もなく、透明性が良くなった為に紡糸糸の光沢を改善した、また、紡糸時のノズル部位での目脂発生も無く安定した紡糸が出来る。また、延伸・熱処理でも糸切れが殆ど無いものが出来た。
実施例に対してハイドロタルサイト(アルカマイザー1)の添加量0.0〜0.7重量部の条件について、表2に示すとおり比較例1〜8として実験を行なった。その結果、比較例1のアルカマイザー1添加量0部の場合は紡糸時の目脂発生があり糸切れが多い結果となった、これは、塩化ビニル樹脂の熱分解によると思われる黒い光沢のある目脂が多量に発生した為と推察出来る。比較例2はβ−ジケトン0部としたため、着色性等に問題が発生し糸切れが増加した。比較例3ではカルシウム石鹸及び亜鉛石鹸が不足しているために糸切れが増加している。比較例4では滑剤添加量減により着色性が悪くなって糸切れが増加している。比較例5ではβ−ジケトン0部により着色性が悪くなった。比較例6ではハイドロタルサイト添加量増により透明性が低下した。比較例7はハイドロタルサイト添加量増により糸切れが増えた。比較例8においては、ハイドロタルサイトをさらに増やした結果、透明性が低下し目脂の発生が増えた。
Figure 2006035863
[樹脂の透明性評価]
表1、2で作製したパウダー状の塩化ビニル系樹脂コンパウンド400gを、185℃×5分で8インチロール練り混練溶融した後、195℃×7分で加熱プレスし、1mm厚みのシートを作製し、日本電色(株)製ヘイズメータNDH2000で曇り度(ヘイズ値)を測定した。
透明性はヘイズ値をもとに
◎:ヘイズ値16以下
○:ヘイズ値16〜17
△:ヘイズ値17以上
[樹脂の着色性評価]
表1、2で作製したパウダー状の塩化ビニル系樹脂コンパウンドを東洋精機製ラボ・プラストミル(ニーダータイプ)を使って ジャケット温度185℃、ロータ回転数50rpm、試料仕込み量65gの条件のもと5分間混練後の試料を取り出して着色性を目視評価した。
◎:全く変色しない。
〇:ごくわずか黄色に変色する
△:淡黄色に変色する
×:黄色に変色する
表1、2で作製したパウダー状の塩化ビニル系樹脂コンパウンドを使い、表3の条件にて溶融紡糸実験を行なった。
Figure 2006035863
溶融紡糸実験は、定常状態になってから、スクリュー回転数と押出量の関係を求め、押出量が7.5kg/hrによる様にスクリュー回転数を決定した。ダイ圧計をアダプター部に設置して測定した。鉛直方向にノズルから溶融・流出したストランドを加熱紡糸筒に導入し、ここで該ストランドを瞬間的に加熱溶解し、ノズル直下約3mの位置に設置した引取機にて、未延伸糸を一定速度で巻き取った。この際、該未延伸糸が約168デシテックス程度になる様に引取速度を調整した。この未延伸糸を製造する段階で、糸切れの発生状況と目脂発生状況を目視観察し、次の様に評価した。続いて、その未延伸糸を110℃の熱風延伸箱を通して、3.8倍延伸した。さらに、110℃に温度調整した箱の中で35%の緩和処理を実施し、単糸繊度72デシテックスのマルチフィラメントを製造した。
[溶融紡糸時の糸切れ発生状況]
○:全く糸切れが発生しない
△:1時間に5回以内発生する
×:1時間に6〜15回発生する
[溶融紡糸時の目脂発生状況]
紡糸開始3時間後のノズル先端に発生した目脂を目視で判定した。
○:全く目脂が発生しない
△:1〜5孔に少し目脂が発生する
×:全孔に渡って目脂が発生する
本発明は透明性が良く、目脂や糸切れが少なく紡糸安定性の有るポリ塩化ビニル系繊維、及び溶融紡糸による該繊維の製造法に関するものである。該ポリ塩化ビニル系繊維は、かつら、ヘアピース、ブレード等頭髪装飾用の人工毛髪、或いはドールヘアー等の人工毛髪等として使用可能である。
塩化ビニル系樹脂は、自己消火性、耐薬品性などに優れており、繊維にした場合にも、その優れた性質を持ちうる。従来一般的には頭髪装飾用等の人工毛髪用繊維として、細繊度(断面積が小さく細い繊維)の繊維を工業的に製造するには、塩化ビニル系樹脂に対する溶媒を使用する湿式紡糸法、または乾式紡糸法によって実施されている。しかしながらこれらの方法は、溶媒を使用するが故に脱溶媒工程を必要とし、過大な設備投資が必要でありその設備の維持管理にも多数の人手を必要とするという問題点がある。また溶媒に対する溶解性を向上するべく、アクリロニトリルや酢酸ビニル等のコモノマーを共重合する為、繊維の初期着色性に弱点があり乾燥工程で黄味色の強い繊維になり易いという問題点や、あるいは繊維の軟化温度が下がる為にカール保持性が充分でない等の問題点がある。
一方溶媒を使用しない紡糸方法として溶融紡糸法が知られているが、その際には塩ビ系樹脂の熱分解を防止するための熱安定剤や滑剤の添加が必須となる。熱分解を防止してロングラン性を確保するには溶融紡糸温度を低く設定するのが有利である。又人工毛髪用塩ビ系繊維としてさらさらとした手触り触感を得るためにも、溶融紡糸温度を高くして繊維表面を平滑にする事は好ましくない。しかし溶融紡糸温度を低く設定すると塩ビ系樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、ノズルにかかる圧力が高くなって押出機の設計圧力をオーバーしてしまうという問題が発生しやすい。
それゆえこれらの問題を解決するため、組成物の見掛けの溶融粘度を低下するべくCd−Pb系の熱安定剤や滑剤の使用が従来技術として実施されてきた。しかしながらこれらの配合剤は毒性が高く、製造上だけでなく頭髪装飾用として皮膚に触れる為安全衛生上の問題がある。また該頭髪装飾用品等が廃棄される場合、一般ゴミに混入して環境を汚染するという問題もある。
そこでこれらCd−Pb系熱安定剤を主とした配合系の問題点を解決すべく、錫系熱安定剤やハイドロタルサイト系熱安定剤、あるいはCa―Zn系熱安定剤の単独使用或いは併用への転換が図られている。そして特許文献1では、塩ビ系樹脂組成物の見掛け溶融粘度を下げ、押出機にかかる圧力を下げるべく可塑剤や分子量の低い塩ビ系樹脂を添加する提案がなされている。
特許文献2に記載されているものは塩化ビニル100重量部に対してハイドロタルサイト系熱安定剤0.8〜3重量部、カルシウム石鹸及び亜鉛石鹸0.25〜2重量部、β−ジケトン0.1〜0.4重量部を配合したポリ塩化ビニル系繊維である。また特許文献3においては、特許文献2に記載の組成物を、エポキシ化可塑剤0.5〜2重量部添加し、金属石鹸の1部を滑剤0.2〜1重量部に置き換えた配合内容となっている。しかしながら前記文献に記載の塩化ビニル系繊維においては、ハイドロタルサイト系熱安定剤0.8〜3重量部と添加量が多いために紡糸時に目脂発生及び溶融紡糸した糸の透明性を低下させる問題があった。
特開平11−61555号公報 特開2001−98413号公報 特開2001−98414号公報
錫系安定剤は、塩化ビニル系樹脂との相溶性が良いためゲル化を過剰に促進し、塩化ビニル系樹脂組成物の溶融体全体の金属離型性を極端に低下させる。この低下防止には多量の滑剤添加が必要であり、多量の滑剤を添加した塩化ビニル系樹脂組成物を孔径の小さなノズルから溶融紡糸すると、該ノズル孔周縁部に目脂(添加剤成分等の析出物が炭化したもの)が発生し易く、これにより糸切れし易いという新たな課題があった。又錫系熱安定剤は、有機錫化合物であるため各種各様に独特の臭気を有しており、頭髪装飾用製品に繊維を加熱加工する際異臭がすると使用を忌避される場合もあった。
前記の特許文献2及び特許文献3は、無機化合物のハイドロタルサイト系熱安定剤を使用している。そのため錫系熱安定剤の様な臭気発生の問題は無く、滑剤を多量に添加しての目脂発生等は改良されている。しかしハイドロタルサイト系熱安定剤が0.8〜3重量部と添加量が多いので、溶融紡糸時のノズル孔周縁部の目脂発生と糸切れは満足できるレベルではなかった。また溶融紡糸した糸の透明性を低下させており、鮮明な色調の塩ビ系繊維を得るためには改良が必要であった。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、塩化ビニル系樹脂組成物を溶融紡糸する際の熱安定剤として、ハイドロタルサイトとカルシウム石鹸・亜鉛石鹸を少量使用した場合でも、目脂・糸切れ発生が少なく安定した溶融紡糸で、透明性が良好で鮮明な色調の塩ビ系繊維が得られる事を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(a)塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、(b)ハイドロタルサイト系熱安定剤0.1〜0.6重量部、(c)β−ジケトン0.1〜0.5重量部、(d)カルシウム石鹸及び亜鉛石鹸0.2〜0.5重量部、(e)滑剤0.7〜1.7重量部、及び(f)可塑剤0.5〜5重量部を配合してなる塩化ビニル系樹脂組成物で形成されたポリ塩化ビニル系繊維である。
また本発明のポリ塩化ビニル系繊維の製造方法は、前記の塩化ビニル系樹脂組成物を溶融紡糸するに際し、1ケのノズル孔の断面積が0.5mm 2 以下のノズル孔から溶融紡糸し、300デシテックス以下の未延伸糸を製造し、次いでこの未延伸糸に延伸処理と、熱処理を施して、100デシテックス以下の繊維とすることを特徴とする
本発明に係るポリ塩化ビニル繊維は、毛髪用繊維として手触り触感が良く、透明性が良好で色調が鮮明な人工毛髪用繊維を、生産面においては目脂・糸切れが少なく安定的な溶融紡糸で得る事が可能である。そのため生産性が高くコストも低減可能である。又該ポリ塩化ビニル系繊維は、ブラシ等の産業資材分野等にも応用可能である。
本発明にかかる塩化ビニル用安定剤ハイドロタルサイト系安定剤は、高温下でも非常に安定した状態を維持しうるが、配合量が多すぎると溶融押出し時に分散不良を起こしスクリーン目詰まりによる糸切れや融着を起こす。特許文献1でもハイドロタルサイト自が凝集物となって糸切れ頻度が多くなるため、ポリ塩化ビニル100重量部に対し0.8〜3重量部使用するのが好ましいとしている。しかし紡糸した繊維の透明性を上げるためにはハイドロタルサイト系安定剤を0.8重量部未満に抑える必要があることが判った。紡糸糸の着色性、糸切れ性及び目脂発生の観点よりハイドロタルサイト系安定剤は0.1〜0.6重量部、とりわけ0.2〜0.5重量部が更に良く溶融紡糸性が安定していることを実験で確認した。
溶融紡糸した糸の初期着色を軽減する方法としてβ−ジケトンを0.1〜0.5重量部、さらに好ましくは0.2〜0.4重量部添加するのが良い。最も好ましくステアリルベンゾイルメタン(SBM)0.2重量部及びジベンゾイルメタン(DBM)が0.2重量部である。金属石鹸としてはカルシウム石鹸及び亜鉛石鹸0.2〜0.5重量部が好ましいが、カルシウム石鹸及び亜鉛石鹸が高級脂肪酸及び/又はその誘導体であり、最も好ましくはカルシウム石鹸0.1重量部と亜鉛石鹸0.2重量部の併用である。滑剤としては0.7〜1.7重量部添加するのが良いが、ポリエチレン系滑剤、高級脂肪酸系滑剤、エステル系滑剤及び高級アルコール系滑剤からなる群より少なくとも1種以上を選択して、さらに好ましくは0.7〜1.3重量部添加するのが良い。可塑剤は0.5〜5重量部添加するが、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤及びエポキシ系可塑剤からなる群より少なくとも1種以上選択し、1.0〜4.0重量部添加するのがさらに好ましく、紡糸時の圧力や樹脂発熱を抑えることが出来る。
該塩化ビニル系樹脂組成物を溶融紡糸するに際し、1ケのノズル孔の断面積が0.5mm2以下のノズル孔から溶融・流出せしめる事ができる。また前記溶融紡糸するに際し、1ケのノズル孔の断面積が0.5mm2以下のノズル孔から溶融・流出せしめ、300デシテックス以下の未延伸糸を製造し、次いでこの未延伸糸に延伸処理、熱処理を施して、100デシテックス以下の繊維とすることもできる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を使用する事により、溶融紡糸する際の樹脂温度を195℃以下という比較的低い温度条件で、ノズル圧力を押出機の設計圧力である500kg/cm2以下とし、1ケのノズル孔の断面積が0.5mm2以下のノズル孔から人毛に極めて類似した手触り触感と、良好な透明性・色調鮮明性を有した塩化ビニル系樹脂繊維を製造する事が可能となる。
以下本発明を詳細に説明する。本発明の(a)成分である塩化ビニル系樹脂とは、従来公知の塩化ビニルの単独重合物であるホモポリマー樹脂、または従来公知の各種コポリマー樹脂からなるものであり、特に限定されるものではない。該コポリマー樹脂としては塩化ビニル酢酸ビニルコポリマー樹脂、塩化ビニルプロピオン酸ビニルコポリマー樹脂など塩化ビニルとビニルエステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニルアクリル酸ブチルコポリマー樹脂、塩化ビニルアクリル酸2エチルヘキシルコポリマー樹脂など塩化ビニルとアクリル酸エステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニルエチレンコポリマー樹脂、塩化ビニルプロピレンコポリマー樹脂など塩化ビニルとオレフィン類とのコポリマー樹脂、塩化ビニルアクリロニトリルコポリマー樹脂などが代表的に例示される。特に好ましくは塩化ビニル単独樹脂、塩化ビニルエチレンコポリマー樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルコポリマー樹脂である。
該コポリマー樹脂において、塩化ビニルと組合されるコモノマーの含有量は特に限定されず、溶融押出し加工性、糸特性などの要求品質に応じて決める事ができる。特にコモノマーの含有量は2〜30重量%であることが好ましい。
本発明に使用する塩化ビニル系樹脂の粘度平均重合度は、850〜1700である事が好ましい。850未満であると繊維の特性、特にカール保持性などが不十分になりやすく好ましくない。逆に1700を越えると溶融粘度が高くなるためノズル圧力が高くなり、押出量を低く抑える必要が生じて好ましくない。これら溶融押出し加工性と繊維特性とのバランスから、塩化ビニル単独樹脂を使用する場合は粘度平均重合度が850〜1450の範囲が特に好ましく、コポリマーを使用する場合はコモノマーの含有量にも依存するが、おおよそ粘度平均重合度は1000〜1700の範囲が特に好ましい。
また塩化ビニル系樹脂は、乳化重合、塊状重合または懸濁重合などによって製造したものを使用できるが、繊維の初期着色性などを勘案して懸濁重合によって製造したものを使用するのが好ましい。
本発明の(b)成分であるハイドロタルサイト系熱安定剤は一般式(1)
MgxAl2(OH)(2x+4)CO3nH2O (1)
で示される化学名マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレートを主成分とするアニオン交換性の層状化合物である。HCl捕捉効果で熱安定剤として機能する。特公平4−73457号公報に開示された様にマグネシウムの一部がCaやZnに置き換えたり、各種表面処理剤で処理された物も使用可能である。市場に販売されているハイドロタルサイト系熱安定剤としては、例えば協和化学工業株式会社製の商品名“アルカマイザー”等がある。ハイドロタルサイト系熱安定剤の添加量は、0.1〜0.6重量部が良い。多過ぎると目脂・糸切れが多くなり、マルチフィラメントのノズル出が不揃いとなる。紡糸された繊維の透明性が低下し色調が不鮮明となる。少な過ぎると熱安定性が不十分となり、紡糸された繊維の初期着色が大きくなり樹脂滞留部があると樹脂焼けし易くなる。したがってさらに好ましい添加量としては0.2〜0.5重量部である。
発明の(c)成分であるβ−ジケトンは金属石鹸、特にZn塩に併用すると卓越した初期着色防止作用がある。代表的なものとしてはアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ステアロイルベンゾイルメタン(SBM)、ジベンゾイルメタン(DBM)、アセト酢酸エチル、デヒドロ酢酸がある。添加量は0.1〜0.5重量部が良く、0.5重量部を越えるとやはり目脂・糸切れが増える傾向が有り好ましくなく、0.1重量部未満では初期着色が大きくなり色調不良となる。さらに好ましい添加量は0.2〜0.4重量部であり、最も好ましいのはSBMとDBMの組合せである。
ハイドロタルサイト系熱安定剤は塩化ビニル系樹脂組成物中での分散性が良くはない。そこでカルシウム石鹸を添加して補い、初期着色防止に亜鉛石鹸を併用添加する。
本発明の(d)成分であるカルシウム石鹸及び亜鉛石鹸としては各種のものが使用可能であり、添加量としては0.2〜0.5重量部が良い。0.5重量部を越えると目脂・糸切れが増える傾向があり、紡糸された繊維の透明性も低下するので好ましくない。又0.2重量部未満では熱安定化効果が不足し、初期着色が大きくなり色調不良となる。塩化ビニル系樹脂組成物の均一な溶融状態を得るためにはカルシウム石鹸、亜鉛石鹸としては高級脂肪酸のカルシウム塩、高級脂肪酸の亜鉛塩及び/又はその誘導体である事が好ましい。例えばステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、及び/又は12−ヒドロキシステアリン酸の様にそのヒドロキシル(OH)誘導体のカルシウム塩、亜鉛塩もしくは混合物がある。金属石鹸の最適な組合せとしてはカルシウム石鹸及び亜鉛石鹸の組合せである。
本発明の(e)成分である滑剤はプラスチックを成形加工するさいに、加工機の金属面との摩擦を減少して、樹脂間の摩擦を減少させ、流動性や離型性を良くし加工性を改良させる目的で一般的に使用されている剤である。滑剤の種類としては炭化水素系、脂肪酸系、脂肪族アルコール系、脂肪族アマイド系、金属石鹸系、エステル系がある。添加量は0.7〜1.7重量部である。1.7重量部を越えると目脂・糸切れが増える傾向が有り紡糸された繊維の透明性も低下するので好ましくない。0.7重量部未満では摩擦増による樹脂温度上昇・着色が大きく、ノズル圧力も高くなるので好ましくない。特に好ましい滑剤添加量としては0.7〜1.3重量部である。滑剤の種類の中で好ましいのはポリエチレン系滑剤、高級脂肪酸系滑剤、高級アルコール系滑剤及びエステル系滑剤の群から選ばれる少なくとも1種以上である。ポリエチレン系滑剤としては従来公知の物を使用できるが、特に好ましくは平均分子量が1500〜4000程度であり、密度が0.91〜0.97の非酸化タイプまたはわずかに極性を付与したタイプの物が良い。高級脂肪酸系滑剤の具体例としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、カプリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸あるいはこれらの混合物などが例示される。高級アルコール系滑剤の具体例としては例えばステアリルアルコール、パルミチルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコールあるいはこれらの混合物などがある。エステル系滑剤はアルコール、多価アルコールの脂肪酸エステルであり、前記高級脂肪酸とグリセリンやペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとのモノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステルあるいはこれらの混合物、または前記高級アルコールと脂肪酸のエステルである。具体例としてはステアリン酸モノグリセライド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリルステアレート等がある。
本発明の(f)成分である可塑剤とは従来より塩化ビニル樹脂用に用いられている公知の可塑剤を使用する事ができる。例えばフタル酸エステル可塑剤、トリメリット酸エステル可塑剤、ピロメリット酸エステル可塑剤、ポリエステル可塑剤、エポキシ系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル可塑剤、塩素化パラフィン可塑剤、リン酸エステル可塑剤から選択される1種または2種以上の可塑剤が好ましい。該可塑剤の添加量は塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部が好ましい。0.5重量部未満であると組成物の溶融粘度が高く、押出機やノズルにかかる圧力が過剰となる。逆に5重量部を越えると、繊維の熱収縮率が高くなるばかりでなく、溶融紡糸時に可塑剤ミストの発生が著しくなる傾向があり好ましくない。これら溶融紡糸時の挙動、繊維の熱収縮率等の品質とのバランスから、より好ましい可塑剤はイソノニルフタレート、ウンデシルフタレート等のフタル酸系可塑剤、トリオクチルトリメリテート等のトリメリット酸系可塑剤、テトラオクチルピロメリテート等のピロメリット酸系可塑剤、アジピン酸系ポリエステル可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤である。上記可塑剤添加量の範囲内で1.0〜4.0重量部が、押出性を容易にする点と繊維の熱収縮を抑制させる点とを両立させる観点より特に好ましい。
本発明においては他に、溶融紡糸された繊維の透明性等の品質や紡糸安定性を損わない限りで、目的に応じて塩化ビニル系組成物に使用される公知の配合剤、例えば加工助剤、安定化助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填剤、難燃剤、顔料等を使用する事ができる。また場合によっては発泡剤、架橋剤、粘着性付与剤、導電性付与剤、香料等特殊な配合剤を使用する事もできる。
前記加工助剤としては公知のものを使用できる。例えばメチルメタクリレートを主成分とするアクリル系加工助剤やEVAを成分として含むEVA系加工助剤、または熱可塑性ポリエステルを主成分とするポリエステル加工助剤等を使用できる。該加工助剤の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.2〜12重量部程度が好ましい。またこれらの加工助剤は単独でも使用できるし、2種以上を併用しても良い。
本発明に使用する塩化ビニル系樹脂組成物は、従来公知の混合機例えばヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等を使用して混合したパウダーコンパウンド、またこれを溶融混合してなるペレットコンパウンドとして使用する事ができる。該パウダーコンパウンドの製造は、従来公知の通常条件で製造でき、ホットブレンドでもコールドブレンドでも良い。特に好ましくは組成物中の揮発分を減少するために、ブレンド時のカット温度を105〜155℃迄上げてなるホットブレンドを使用するのが良い。
該ペレットコンパウンドは、通常の塩化ビニル系ペレットコンパウンドの製造と同様にして製造できる。例えば単軸押出機、異方向2軸押出機、コニカル2軸押出機、同方向2軸押出機、コニーダー、プラネタリーギア押出機、ロール混練機等の混練機を使用して、ペレットコンパウンドとする事ができる。該ペレットコンパウンドを製造する際の条件は、特に限定されないが樹脂温度を185℃以下になる様に設定する事が特に好ましい。
また該ペレットコンパウンド中に混入し得る掃除用具の金属片等の異物を取り除く為に、目開き200メッシュ以下の細かいステンレス金網等を混練機内に設置したり、コールドカットの際に混入しうる「切り粉」等を除去する手段を採ったり、ホットカットを行う等の方法は自在に可能であるが、特に好ましくは「切り粉」混入の少ないホットカット法を使用するのが好ましい。
本発明において塩化ビニル系樹脂組成物を繊維状の未延伸糸にする際には、従来公知の押出機等を使用できる。例えば単軸押出機、異方向2軸押出機、コニカル2軸押出機等を使用できるが、例えば口径が30〜60mmφ程度の単軸押出機、または口径が35〜50mmφ程度のコニカル押出機を使用するのが好ましい。口径が大き過ぎると押出量が多くなり、ノズル圧力が過大になったり、未延伸糸の流出速度が早過ぎて巻取りが困難になる傾向があり好ましくない。
本発明において溶融紡糸する際のノズル圧力は、500kg/cm2以下にする事が好ましい。該ノズル圧力が500kg/cm2を越えると、押出機のスラスト部に不具合を発生し易く、またターンヘッドやダイ等の接続部から「樹脂漏れ」を発生し易くなり好ましくない。ノズル圧力を低下するためには樹脂温度を高くする事で可能であるが、溶融紡糸の際の温度条件は樹脂温度を195℃以下で紡糸する事が好ましい。樹脂温度が195℃を越えるような条件で紡糸すると繊維の着色傾向が顕著となり、黄色味の強い繊維となり好ましくない。そのため押出機のシリンダー温度は140〜185℃程度とし、ダイやノズル温度は160〜190℃程度とする事が特に好ましい。
本発明においては従来公知のノズルを用いて溶融紡糸する事が可能であるが、触感などの品質を勘案すれば、1ケのノズル孔の断面積が0.5mm2以下のノズルをダイ先端部に取付けて行うのが好ましい。該断面積が0.5mm2を越えるノズルを使用すると、所望の未延伸糸の繊度を得るために高い温度で充分にコンパウンドを溶融して押出し、高い紡糸ドラフトで引取る必要が出てくる。それでは繊維表面が平滑になり過ぎてプラスチック的な滑り触感になり、人毛様のさらさらした触感が得られず好ましくない。1ケのノズル孔の断面積が0.5mm2以下のノズルを使用し、繊度が300デシテックス以下の未延伸糸を引取るのが好ましい。未延伸糸が300デシテックスを越えると、細繊度の繊維を得る為には延伸処理の際、延伸倍率を大きくする必要がある。そのため繊維表面が平滑になり過ぎてプラスチック的な滑り触感になり、人毛様のさらさらした触感が得られず好ましくない。
前記溶融紡糸で得られた未延伸糸に、公知の方法で延伸処理・熱処理を施して、100デシテックス以下の細繊度の繊維にする事ができる。頭髪装飾用の繊維としては25〜100デシテックスの範囲が特に好ましい。100デシテックスを越えると触感が剛くなり、人毛の様な柔かな触感が得られ難い。また人形用頭髪の繊維としては10〜65デシテックスの範囲が特に好ましい。延伸処理条件としては延伸処理温度70〜150℃の雰囲気下で、延伸倍率は200〜450%程度延伸する事が特に好ましい。延伸処理温度が70℃未満であると、繊維の強度が低くなると共に糸切れを発生し易く、150℃を越えると、繊維の触感がプラスチック的な滑り触感になると共に糸切れもまた発生し易い傾向があり好ましくない。また延伸倍率が200%未満であると繊維の強度発現が不十分となり易く、450%を越えると延伸処理時に糸切れを発生し易く好ましくない。
さらに延伸処理を施した繊維に熱処理を施して、2〜40%の緩和率で繊維を緩和処理する事により、熱収縮率を低下させる事ができる。また繊維表面の凹凸を整えて、人毛に類似したサラサラ触感とする為にも緩和処理が好ましい。該緩和率の範囲を外れると、人工毛髪用繊維としてあるいはドールヘアー用繊維として、糸強度等の品質が低下する傾向があり好ましくない。該熱処理は延伸処理と連動して実施する事もできるし、切り離して実施する事もできる。熱処理温度条件としては、雰囲気温度が80〜150℃の雰囲気下で実施する事が特に好ましい。また本発明においては、従来公知の溶融紡糸に関わる技術、例えば各種ノズル断面形状に関わる技術、加熱筒に関わる技術、延伸処理に関わる技術などは自在に組合せて使用する事が可能である。
以下に実施例を示して、本発明の具体的な実施態様をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
表1の配合例のごとく塩化ビニル樹脂100重量部に対し、ハイドロタルサイト系熱安定剤カルシウム石鹸・亜鉛石鹸、β−ジケトン、滑剤、可塑剤を適宜配合した配合樹脂各々約7kgを20リットルヘンシェルミキサーに投入し、材料の温度が120℃になるまで撹拌混合を行ない、材料の温度が60℃になるまで冷却してパウダー状の塩化ビニル系樹脂コンパウンドを作製した。
Figure 2006035863
表1に示す様に実施例1〜11のハイドロタルサイト(商品名“アルカマイザー1”)の添加量0.1〜0.6重量部時の各配合例においては、溶融紡糸時の着色の問題もなく、透明性が良くなった為に紡糸糸の光沢を改善した、また、紡糸時のノズル部位での目脂発生も無く安定した紡糸が出来る。また、延伸・熱処理でも糸切れが殆ど無いものが出来た。
実施例に対してハイドロタルサイト(商品名“アルカマイザー1”)の添加量0.0〜0.7重量部の条件について、表2に示すとおり比較例1〜8として実験を行なった。その結果、比較例1の“アルカマイザー1”の添加量0部の場合は紡糸時の目脂発生があり糸切れが多い結果となった、これは、塩化ビニル樹脂の熱分解によると思われる黒い光沢のある目脂が多量に発生した為と推察出来る。比較例2はβ−ジケトン0部としたため、着色性等に問題が発生し糸切れが増加した。比較例3ではカルシウム石鹸及び亜鉛石鹸が不足しているために糸切れが増加している。比較例4では滑剤添加量減により着色性が悪くなって糸切れが増加している。比較例5ではβ−ジケトン0部により着色性が悪くなった。比較例6ではハイドロタルサイト添加量増により透明性が低下した。比較例7はハイドロタルサイト添加量増により糸切れが増えた。比較例8においては、ハイドロタルサイトをさらに増やした結果、透明性が低下し目脂の発生が増えた。
Figure 2006035863
[樹脂の透明性評価]
表1、2で作製したパウダー状の塩化ビニル系樹脂コンパウンド400gを、185℃5分で8インチロール練り混練溶融した後、195℃7分で加熱プレスし、1mm厚みのシートを作製し、日本電色(株)製ヘイズメータNDH2000で曇り度(ヘイズ値)を測定した。
透明性はヘイズ値をもとに
A:ヘイズ値16以下
B:ヘイズ値16を超え、17未満
C:ヘイズ値17以上
とした。
[樹脂の着色性評価]
表1、2で作製したパウダー状の塩化ビニル系樹脂コンパウンドを東洋精機製ラボ・プラストミル(ニーダータイプ)を使って、ジャケット温度185℃、ロータ回転数50rpm、試料仕込み量65gの条件のもと5分間混練後の試料を取り出して着色性を目視評価した。
A:全く変色しない。
B:ごくわずか黄色に変色する
C:淡黄色に変色する
D:黄色に変色する
表1、2で作製したパウダー状の塩化ビニル系樹脂コンパウンドを使い、表3の条件にて溶融紡糸実験を行なった。
Figure 2006035863
溶融紡糸実験は、定常状態になってから、スクリュー回転数と押出量の関係を求め、押出量が7.5kg/hrによる様にスクリュー回転数を決定した。ダイ圧計をアダプター部に設置して測定した。鉛直方向にノズルから溶融・流出したストランドを加熱紡糸筒に導入し、ここで該ストランドを瞬間的に加熱溶解し、ノズル直下約3mの位置に設置した引取機にて、未延伸糸を一定速度で巻き取った。この際、該未延伸糸が約168デシテックス程度になる様に引取速度を調整した。この未延伸糸を製造する段階で、糸切れの発生状況と目脂発生状況を目視観察し、次の様に評価した。続いて、その未延伸糸を110℃の熱風延伸箱を通して、3.8倍延伸した。さらに、110℃に温度調整した箱の中で35%の緩和処理を実施し、単糸繊度68デシテックスのマルチフィラメントを製造した。
[溶融紡糸時の糸切れ発生状況]
A:全く糸切れが発生しない
B:1時間に5回以内発生する
C:1時間に6〜15回発生する
[溶融紡糸時の目脂発生状況]
紡糸開始3時間後のノズル先端に発生した目脂を目視で判定した。
A:全く目脂が発生しない
B:1〜5孔に少し目脂が発生する
C:全孔に渡って目脂が発生する

Claims (7)

  1. (a)塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、(b)ハイドロタルサイト系熱安定剤0.1〜0.6重量部、(c)β−ジケトン0.1〜0.5重量部、(d)カルシウム石鹸及び亜鉛石鹸0.2〜0.5重量部、(e)滑剤0.7〜1.7重量部、(f)可塑剤0.5〜5重量部配合してなる塩化ビニル系樹脂組成物からなることを特徴とするポリ塩化ビニル系繊維。
  2. (c)成分であるβ−ジケトンがステアリルベンゾイルメタン(SBM)、ジベンゾイルメタン(DBM)よりなる請求項1記載のポリ塩化ビニル系繊維。
  3. (d)成分であるカルシウム石鹸及び亜鉛石鹸が高級脂肪酸及び/又はその誘導体である請求項1記載のポリ塩化ビニル系繊維。
  4. (e)成分である滑剤がポリエチレン系滑剤、高級脂肪酸系滑剤、高級アルコール系滑剤及びエステル系滑剤からなる群より選択される請求項1記載のポリ塩化ビニル系繊維。
  5. (f)成分である可塑剤がフタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤及びエポキシ系可塑剤からなる群より選択される請求項1記載のポリ塩化ビニル系繊維。
  6. (b)成分であるハイドロタルサイト系熱安定剤が0.2〜0.5重量部、(e)成分である滑剤が0.7〜1.3重量部、(f)成分である可塑剤が1〜4重量部である請求項1〜5のいずれかに記載のポリ塩化ビニル系繊維。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物を溶融紡糸するに際し、1ケのノズル孔の断面積が0.5mm2以下のノズル孔から溶融・流出せしめ、300デシテックス以下の未延伸糸を製造し、次いでこの未延伸糸に延伸処理、熱処理を施して、100デシテックス以下の繊維とすることを特徴とする塩化ビニル系繊維の製造方法。
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