JPWO2006011180A1 - 導電性金属ペースト - Google Patents

導電性金属ペースト Download PDF

Info

Publication number
JPWO2006011180A1
JPWO2006011180A1 JP2006526010A JP2006526010A JPWO2006011180A1 JP WO2006011180 A1 JPWO2006011180 A1 JP WO2006011180A1 JP 2006526010 A JP2006526010 A JP 2006526010A JP 2006526010 A JP2006526010 A JP 2006526010A JP WO2006011180 A1 JPWO2006011180 A1 JP WO2006011180A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
fine particles
species
compounds
conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006526010A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4496216B2 (ja
Inventor
上田 雅行
雅行 上田
齊藤 寛
寛 齊藤
一雄 細谷
一雄 細谷
畑 憲明
憲明 畑
松葉 頼重
頼重 松葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Harima Chemical Inc
Original Assignee
Harima Chemical Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Harima Chemical Inc filed Critical Harima Chemical Inc
Publication of JPWO2006011180A1 publication Critical patent/JPWO2006011180A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4496216B2 publication Critical patent/JP4496216B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/20Conductive material dispersed in non-conductive organic material
    • H01B1/22Conductive material dispersed in non-conductive organic material the conductive material comprising metals or alloys
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/16Nitrogen-containing compounds
    • C08K5/17Amines; Quaternary ammonium compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K9/00Use of pretreated ingredients
    • C08K9/04Ingredients treated with organic substances
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S977/00Nanotechnology
    • Y10S977/70Nanostructure
    • Y10S977/773Nanoparticle, i.e. structure having three dimensions of 100 nm or less
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)

Abstract

本発明は、下地基板、例えば、ガラス基板表面に対する密着性に優れ、良好な導電性を有する、金属微粒子の焼結体層の作製に利用可能な、導電性金属ペーストを提供しており、本発明にかかる導電性金属ペーストは、平均粒子径1〜100nmの金属微粒子100質量部当たり、金属微粒子表面の被覆分子層に利用する、該金属微粒子に含まれる金属元素に対して、窒素、酸素、またはイオウ原子の有する孤立電子対による配位的な結合が可能な基を有する化合物1種以上を総和として、10〜60質量部を含有し、250℃以上に加熱すると還元されて、金属原子を析出可能な金属化合物1種以上を、該金属化合物中の金属の総和として、0.3〜7質量部の範囲で、また、該金属化合物を溶解可能なアミン系溶媒を、金属化合物中の金属の総和10質量部当たり、100〜500質量部の比率で配合し、これら成分全体を、前記金属微粒子の分散溶媒用の有機溶剤中に均一に溶解、分散している。

Description

本発明は、導電性金属ペーストに関し、特には、導電性媒体として、金属微粒子を利用し、加熱処理により該金属微粒子相互を焼結して、金属微粒子焼結体型の導電性薄膜の形成に利用でき、また、作製される導電性薄膜と下地基板との間で高い密着性を達成可能な導電性金属ペーストに関する。
従来、金属粉体を導電性媒体として利用する、導電性金属ペーストでは、金属粉体に対して、適量のバインダー樹脂成分を配合し、このバインダー樹脂成分の硬化によって、金属粉体相互の電気的な接触を図るとともに、基板表面への密着がなされていた。一方、金属粉体に代えて、平均粒子径が100nm以下の極めて微細な金属微粒子、所謂、金属ナノ粒子を利用することで、比較的に低い温度で加熱処理を施すと、金属微粒子相互の焼結が可能となる。この金属ナノ粒子に特有の性質を応用して、金属ナノ粒子の焼結体層からなる導電体層の作製を目的とする、導電性金属ペーストが種々開発されている。
近年の電子機器関連分野において、利用される配線基板上の配線パターンの微細化が進んでいる。また、種々の電極パターン部の形成に利用される金属薄膜層に関しても、極薄い膜厚の金属薄膜層の活用が進められている。その際、メッキ法で形成される金属薄膜層に代えて、導電性媒体として金属ナノ粒子を利用する、導電性金属ペーストを用いて形成される、金属ナノ粒子焼結体層の活用が、広範に検討されている。例えば、スクリーン印刷法を利用して、微細配線形成や薄膜形成を達成する際、超ファインなパターン描画、あるいは極薄い膜厚の薄膜塗布層形成に、極めて粒子径の小さな金属微粒子分散液の応用が図られている。現時点において、前記の用途に応用可能な、金および銀の微粒子分散液が既に商品化されている。
基板材料として、珪酸ガラスなどを利用する場合、多くの金属は、平坦なガラス表面に対して、良好な密着特性を示さないので、例えば、メッキ法で形成される金属膜層では、予め、ガラス材料に対して高い密着性を有する金属を薄層被覆し、メッキ下地被膜層として利用する。このメッキ下地被膜層を構成する金属の表面にメッキされる金属元素が析出する結果、メッキ下地被膜層とメッキ法で形成される金属膜層とは、その界面において形成される金属原子間接合を介して、強く密着される。
一方、導電性金属ペーストを用いて形成される、金属ナノ粒子焼結体層は、総体としては、平坦なガラス表面に緻密に被覆形成されるが、微視的には、平坦なガラス表面と個々の金属ナノ粒子とが接触する部位は、僅かな面積となっている。従って、用いている金属ナノ粒子の金属種は、ガラス材料に対して高い密着性を有する金属であっても、金属ナノ粒子焼結体層全体の密着特性は、用途によっては、不十分なものとなる。例えば、基板に用いるガラス材料の熱膨張係数と、形成される金属ナノ粒子焼結体層の実質的な熱膨張係数との間に差違があり、焼結処理における加熱温度を高くすると、その後、室温へと冷却した際、界面には歪み応力が蓄積される。その界面に蓄積される歪み応力は、微視的に見ると、平坦なガラス表面と個々の金属ナノ粒子とが接触する部位に集中する結果、部分的に金属ナノ粒子焼結体層が平坦なガラス表面から剥離する場合がある。
加えて、基板表面に形成された配線パターンは、実装して使用される際、周辺温度の変化を受け、その後も、温度変化に付随する歪み応力が、金属ナノ粒子焼結体層と基板表面との界面に反復的に印加される。作製当初は、部分的に金属ナノ粒子焼結体層が平坦なガラス表面から剥離する状態には至っていなくとも、その後、周辺温度変化のサイクルを重ねると、界面に反復的に歪み応力が印加される結果、部分的に金属ナノ粒子焼結体層が平坦なガラス表面から剥離する状況に達する場合も少なくない。
予め、平坦なガラス表面に、ガラス材料に対して高い密着性を有する金属を均一に薄層被覆し、下地金属被膜層を形成する、前処理を施すと、界面における歪み応力は、下地金属被膜層全体に分散され、また、個々の金属ナノ粒子と下地金属被膜層との間では、良好な密着性を示すので、部分的な金属ナノ粒子焼結体層の剥離現象を回避、抑制することが可能である。さらには、導電性媒体として、金属ナノ粒子を利用する導電性金属ペースト中に、適量のバインダー樹脂成分を配合して、形成された金属ナノ粒子焼結体層の基板表面への接着は、主に、硬化されたバインダー樹脂を介して行う形態とする手法も提案されている(国際公開パンフレット WO 02/035554 A1)。この適量のバインダー樹脂成分を配合し、金属ナノ粒子の焼結と、バインダー樹脂成分の硬化とのタイミングを調和させる手法を利用すると、優れた導電性を示す金属ナノ粒子焼結体層の形成と、配合されているバインダー樹脂を利用した高い密着特性が達成される。
例えば、下地金属被膜層を形成する前処理を利用する手法では、目的とする微細な配線パターンを、例えば、スクリーン印刷法を利用して、金属ナノ粒子を含む導電性金属ペーストにより描画するに先立ち、基板表面全体を覆うように、一様に下地金属被膜層を予め形成する前処理と、金属ナノ粒子焼結体層の形成を終えた後、不用部分の下地金属被膜層をエッチング除去する後処理とを組み合わせて実施する。そのため、全体工程としては、マスク・メッキ法と同様の煩雑さを残している。一方、適量のバインダー樹脂成分を配合し、金属ナノ粒子の焼結と、バインダー樹脂成分の硬化とのタイミングを調和させる手法では、工程上の煩雑さは解消するものの、金属ナノ粒子の焼結と、バインダー樹脂成分の硬化とのタイミングを調和させる上では、導電性金属ペースト自体の組成と、加熱処理の条件(温度、時間)とを適正に組み合わせることが肝要である。特には、焼結処理に利用する温度を高く設定するとともに、金属ナノ粒子の焼結と、バインダー樹脂成分の硬化とのタイミングを調和させることの困難さが増す。
上述する国際公開パンフレット WO 02/035554 A1に開示される導電性金属ペーストのように、導電性媒体として、金属ナノ粒子を利用し、適量のバインダー樹脂成分を配合してなる導電性金属ペーストは、良好な導電特性を有する金属ナノ粒子焼結体層を、基板表面に対して優れた接着特性を有するバインダー樹脂を介して、接着固定する手段である。その際、使用されるバインダー樹脂成分の組成を調節して、該組成に適合する加熱硬化温度を、250℃〜300℃の範囲に選択するとともに、利用する金属ナノ粒子相互の焼結体形成も、同じ温度で十分に進行する形態としている。
利用する金属ナノ粒子の金属種、平均粒子径によっては、金属ナノ粒子相互の焼結体形成が速やかに進行する温度は、300℃を超えることもある。一方、利用するバインダー樹脂成分の種類によっては、300℃を超える加熱処理温度では、必要以上に高い硬化速度となってしまう。あるいは、300℃を超える加熱処理における、熱硬化により得られるバインダー樹脂硬化物は、適正な重合鎖長の範囲を逸脱し、バインダー樹脂として要求される特性を発揮できないこともある。従って、金属ナノ粒子相互の焼結体形成を行う加熱処理温度を、300℃以上に設定する際、この加熱処理温度範囲に適合するバインダー樹脂成分、組成の選択肢は限定され、また、加熱処理温度が高くなるとともに、最適な組成の選択を行うことは益々困難となる。
一方、バインダー樹脂に代えて、ガラス材料と金属間の接合剤として、ガラスフリットを使用することも可能であるが、その場合、500℃を超える温度での加熱処理が必要となる。また、ガラスフリットは、ガラス材料と金属間の接合剤としては優れたものであるが、ガラス材料以外のセラミックス材料に対しては、適合しない場合もある。
すなわち、金属ナノ粒子相互の焼結体形成を行う加熱処理温度を250℃〜600℃の範囲に選択する際、利用する導電性金属ペースト中に、金属ナノ粒子とともに配合しておくことができ、かつ、得られた金属ナノ粒子焼結体層の基板表面に対する密着性を向上させる「手段」として利用可能な、汎用的で簡便な「密着性向上手段」は、従来提案されている各種の手段中に見出せない。
本発明は前記の課題を解決するもので、本発明の目的は、導電性媒体として、金属微粒子を利用し、例えば、250℃〜600℃の範囲に選択される温度における、加熱処理により該金属微粒子相互を焼結して、金属微粒子焼結体型の導電性薄膜の形成に利用でき、また、作製される導電性薄膜と下地基板との間で高い密着性を達成可能な導電性金属ペーストを提供することにある。具体的には、250℃〜600℃の範囲に選択される温度における、加熱処理により該金属微粒子相互を焼結して、金属微粒子焼結体型の導電性薄膜の形成に利用でき、その際、導電性金属ペースト中に、金属ナノ粒子とともに配合しておくことが可能で、得られた金属ナノ粒子焼結体層と基板表面との界面において、両者間の密着性を向上させる機能を発揮する、新規な「密着性向上手段」の提供と、それを利用する導電性金属ペーストを提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく、鋭意研究を進めた。先ず、平坦な基板表面上に形成された金属ナノ粒子焼結体層の密着性は、均一に被覆形成されている金属被膜層の密着性より大幅に劣る原因を検討した。例えば、平坦なガラス基板上に、銀鏡反応等によって、均一な銀被膜層を形成すると、かかる銀被膜層と基板表面との接触面積は広く、また、その界面に歪み応力を加えても、銀自体の延性は優れているため、剥離を生じることはない。一方、平坦なガラス基板上に、作製された銀ナノ粒子焼結体層は、巨視的には、表面を緻密に被覆しているが、微視的にみると、離散的な銀ナノ粒子の底部と基板表面とが接触するのみで、接触面積の総和は僅かなものとなっている。この銀ナノ粒子焼結体層と基板表面との界面に歪み応力を加えると、銀ナノ粒子底部と基板表面との接触部位に歪み応力が集中するため、その接触面積の小さなものから、徐々に剥離が進行する。最終的には、基板表面上に存在する銀ナノ粒子焼結体層の一部領域が、完全に剥離した状態に至ることが判明した。
加えて、焼結体層形成後、大気中に曝されている間に銀ナノ粒子表面の酸化が次第に進行する。その際、銀ナノ粒子底部と基板表面との接触部位においても、当初は、銀ナノ粒子底部の金属銀と基板表面とが接触しているが、次第に、この界面にも、銀ナノ粒子の表面酸化被膜が延伸して、金属銀と基板表面との接触面積は一層減少する。そのため、時間経過とともに、銀ナノ粒子焼結体層の基板表面に対する密着性が低下していく。
一方、平坦なガラス基板上に、予め下地金属被膜層を形成した後、その下地金属表面に銀ナノ粒子焼結体層を形成すると、銀ナノ粒子底部と下地金属表面との接触面積自体は同様に小さいが、金属−金属間の接触は、金属−ガラス間の接触より密着性は高い。加えて、加熱焼結を行う際、銀ナノ粒子底部と下地金属表面との間でも焼結が進行するため、更に密着性が向上していることを見出した。結果的に、平坦なガラス基板表面と、下地金属被膜層を介して、銀ナノ粒子底部が接触している実効的な接触面積は、大幅に増大することになる。
本発明者らは、以上の知見を基に、更に研究を進めた。具体的には、導電性金属ペースト中に金属化合物を配合しておき、加熱焼成を行う際、この金属化合物中に含まれる金属の還元を行い、基板表面に金属原子として、析出することが可能であることを見出した。一方、基板表面に銀ナノ粒子も接触しており、析出する金属原子は、基板表面と銀ナノ粒子との接触部位の周囲に存在する隙間を埋め、引き続き、その周辺の基板表面を覆うように、析出した金属による被膜層が形成される。勿論、銀ナノ粒子表面と析出した金属による被膜層との間で、焼結、合金化も進行する。結果的に、下地金属被膜層を介して、銀ナノ粒子焼結体層を形成する場合と同等の、実効的な接触面積の増大効果が発揮され、銀ナノ粒子焼結体層の基板表面に対する密着性の向上がなされることを見出した。勿論、金属化合物中に含まれる金属の還元を行い、金属原子として析出させる反応は、溶液中で進行する反応であり、温度を高くすると、その反応速度は増し、少なくとも、250℃〜350℃程度の温度でも、十分な反応速度が達成できる。析出した金属原子は、表面での移動拡散速度は大きく、基板表面と銀ナノ粒子との接触部位の周囲に存在する隙間を速やかに埋めることが可能である。この種の還元反応が可能な金属化合物であって、導電性金属ペーストの分散溶媒に利用される有機溶剤中に均一に溶解可能なものとしては、有機物アニオン種ならびに金属のカチオン種を含む、金属化合物、例えば、有機酸由来の有機物アニオン種を含んでなる有機酸の金属塩、または、有機物アニオン種を配位子とする金属の錯化合物が好適に利用できる。また、還元に伴い、有機物アニオン種に由来する有機物が派生するが、250℃〜350℃程度の温度でも、最終的に、これら不要な有機物の蒸散除去を行うことが可能である。
これら一連の知見に加えて、本発明者らは、導電性金属ペースト中に配合されている金属化合物は、添加濃度が低くとも、加熱処理を進めるに従って、有機溶剤が蒸散する際、基板表面の近傍に濃縮され、金属化合物中に含まれる金属の還元が進む結果、基板表面に金属原子として、選択的に析出することも確認して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる導電性金属ペーストは、
基板表面上に、金属微粒子焼結体型の金属薄膜層を形成する用途に利用可能な導電性金属ペーストであって、
該導電性金属ペーストは、分散溶媒中に均一に分散された、微細な平均粒子径の金属微粒子と、金属化合物1種以上ならびに前記金属化合物1種以上を溶解可能なアミン系溶媒とを含んでなり、
前記微細な平均粒子径の金属微粒子は、その平均粒子径が1〜100nmの範囲に選択され、
金属微粒子表面は、かかる金属微粒子に含まれる金属元素と配位的な結合が可能な基として、窒素、酸素、またはイオウ原子を含み、これら原子の有する孤立電子対による配位的な結合が可能な基を有する化合物1種以上により被覆されており、
前記金属化合物1種以上に含まれる金属種は、前記基板表面を構成する材料に対して密着性を示す金属種の群から選択され、
前記金属微粒子100質量部に対して、前記窒素、酸素、またはイオウ原子を含む基を有する化合物一種以上を総和として、5〜60質量部を含有しており、
前記金属微粒子100質量部に対して、前記金属化合物1種以上は、該金属化合物1種以上中に含まれる金属の総和として、0.3〜7質量部の比率で含有されており、
前記金属化合物1種以上を溶解可能な前記アミン系溶媒の配合比率は、前記金属化合物1種以上中に含まれる金属の総和10質量部当たり、前記アミン系溶媒100〜500質量部の範囲に選択され、
前記分散溶媒として、前記窒素、酸素、またはイオウ原子を含む基を有する化合物一種以上を溶解可能であり、同時に、前記金属化合物ならびに前記金属化合物を溶解可能なアミン系溶媒からなる溶液を均一に希釈可能な有機溶剤一種以上を含む
ことを特徴とする導電性金属ペーストである。
その際、前記金属化合物は、有機物アニオン種ならびに該金属のカチオン種を含んでなる金属化合物であることが好ましい。特には、有機物アニオン種ならびに金属のカチオン種を含む、前記金属化合物は、
有機酸由来の有機物アニオン種を含んでなる有機酸の該金属塩、または、有機物アニオン種を配位子とする該金属の錯化合物であることが望ましい。
例えば、前記金属化合物1種以上中に含まれる、金属種として、銅、ビスマスからなる群から選択される金属を選択すると、より好ましい。
一方、前記平均粒子径が1〜100nmの範囲に選択される金属微粒子を構成する金属種は、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、アルミニウムからなる群から選択される金属種、あるいは、それら二種以上の合金であることが好ましい。
また、前記微細な平均粒子径の金属微粒子は、その平均粒子径が5〜20nmの範囲に選択されるとより望ましい。
本発明にかかる導電性金属ペーストにおいて利用される、前記金属化合物1種以上には、250℃〜600℃に範囲に選択される温度に加熱する際、含まれる金属イオン種の還元が生じ、該金属原子を生成可能な金属化合物を選択することが好ましい。
特に、前記基板表面を構成する材料がガラス材料である際、
前記金属化合物1種以上に含まれる金属種として、銅、ビスマスを選択することが一層好ましい。
本発明にかかる導電性金属ペーストは、下記する利点を有している。
本発明にかかる導電性金属ペーストを利用すると、例えば、250℃〜600℃の範囲に選択される加熱処理によって、導電性媒体として含有する、平均粒子径が1〜100nmの範囲に選択される金属微粒子相互の焼結体層が形成され、良導電性の薄膜層として利用できる。また、配合されている金属化合物中に含まれる金属種は、加熱処理に伴って還元を受け、金属原子の析出がなされ、下地基板面と金属微粒子焼結体層との界面に析出した金属原子の集積がなされ、両者間の密着性を向上させる金属被膜層の形成がなされる。従って、本発明にかかる導電性金属ペーストを利用することで、下地基板表面に対して、優れた密着性を示し、また、良好な導電特性を有する金属微粒子焼結体層の作製が可能となる。バインダー樹脂を利用せず、この基板表面に対する優れた密着性を達成でき、また、広範な加熱処理温度において、この密着性向上手段は好適に適用できる。換言するならば、対象とする下地基板の材質に応じて、加熱処理温度を選択することで、種々の材質の下地基板上に、優れた密着性を示し、同時に、良好な導電特性を有する金属微粒子焼結体層の作製が可能となる。加えて、導電性金属ペースト中に、かかる「密着性向上手段」に利用する金属化合物を配合して、焼結体層形成と、「密着性向上手段」となる析出金属被膜層生成とが、同一の加熱処理工程で実施されるため、工程上の煩雑さを回避できる。更には、極めて微細な粒子径の金属微粒子を含む導電性ペーストを印刷塗布する手段を利用するため、微細なパターン形状を有する焼結体型導電体層を、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などを利用して高い再現性と効率で簡便に作製することが可能となる。
以下に、本発明にかかる導電性金属ペーストに関して、より詳しく説明する。
本発明にかかる導電性金属ペーストは、必須成分として、分散溶媒中に均一に分散された、微細な平均粒子径の金属微粒子と、金属化合物1種以上ならびに前記金属化合物1種以上を溶解可能なアミン系溶媒とを含んでなる、ペースト状の分散液の形態とされる。
まず、本発明にかかる導電性ペーストでは、分散溶媒中に、導電性媒体として含有している、平均粒子径を1〜100nmの範囲に選択する金属微粒子を均一な分散状態で保持するため、この金属微粒子表面には、該金属元素と配位的な結合が可能な基として、窒素、酸素、イオウ原子のいずれかを含む基を有する化合物1種以上を被覆させている。この分散性を維持する被覆分子層用の化合物としては、末端にアミノ基(−NH)、ヒドロキシ基(−OH)、スルファニル基(−SH)を、あるいは、分子内にエーテル(−O−)、スルフィド(−S−)を有する有機化合物であり、用いる分散溶媒との親和性にも優れたものを用いることが好ましい。なお、これら分散剤は、金属微粒子表面を被覆する分子層を形成して、分散性を向上させるものの、最終的に、焼成工程において、金属微粒子相互が表面を接触させる際に、その妨げとは成らないことが好ましい。すなわち、例えば、200℃以上に加熱する際、金属微粒子表面から容易に離脱し、最終的には、蒸散・除去可能である沸点範囲のものが好ましい。
利用可能なアミノ基を有する化合物の代表として、アルキルアミンを挙げることができる。なお、かかるアルキルアミンは、金属元素と配位的な結合を形成した状態で、通常の保管環境、具体的には、40℃に達しない範囲では、脱離しないものが好適であり、沸点が60℃以上の範囲、好ましくは100℃以上となるものが好ましい。ただし、低温焼結処理を行う際には、速やかに、金属微粒子表面から離脱することが可能であることが必要であり、少なくとも、沸点が300℃を超えない範囲、通常、250℃以下の範囲となるものが好ましい。例えば、アルキルアミンとして、そのアルキル基は、C4〜C20が用いられ、さらに好ましくはC8〜C18の範囲に選択され、アルキル鎖の末端にアミノ基を有するものが用いられる。例えば、前記C8〜C18の範囲のアルキルアミンは、熱的な安定性もあり、また、その蒸気圧もさほど高くなく、室温等で保管する際、含有率を所望の範囲に維持・制御することが容易であるなど、ハンドリング性の面から好適に用いられる。一般に、かかる配位的な結合を形成する上では、第一級アミン型のものがより高い結合能を示し好ましいが、第二級アミン型、ならびに、第三級アミン型の化合物も利用可能である。また、1,2−ジアミン型、1,3−ジアミン型など、近接する二以上のアミノ基が結合に関与する化合物も利用可能である。また、ポリオキシアルキレンアミンを用いることもできる。その他、末端のアミノ基以外に、親水性の末端基、例えば、水酸基を有するヒドロキシアミン、例えば、エタノールアミンなどを利用することもできる。
また、利用可能なスルファニル基(−SH)を有する化合物の代表として、アルカンチオールを挙げることができる。なお、かかるアルカンチオールも、金属元素と配位的な結合を形成した状態で、通常の保管環境、具体的には、40℃に達しない範囲では、脱離しないものが好適であり、沸点が60℃以上の範囲、好ましくは100℃以上となるものが好ましい。ただし、低温焼結処理を行う際には、速やかに、金属微粒子表面から離脱することが可能であることが必要であり、少なくとも、沸点が300℃を超えない範囲、通常、250℃以下の範囲となるものが好ましい。例えば、アルカンチオールとして、そのアルキル基は、C4〜C20が用いられ、さらに好ましくはC8〜C18の範囲に選択され、アルキル鎖の末端にスルファニル基(−SH)を有するものが用いられる。例えば、前記C8〜C18の範囲のアルカンチオールは、熱的な安定性もあり、また、その蒸気圧もさほど高くなく、室温等で保管する際、含有率を所望の範囲に維持・制御することが容易であるなど、ハンドリング性の面から好適に用いられる。一般に、第一級チオール型のものがより高い結合能を示し好ましいが、第二級チオール型、ならびに、第三級チオール型の化合物も利用可能である。また、1,2−ジチオール型などの、二以上のスルファニル基(−SH)が結合に関与するものも、利用可能である。
また、利用可能なヒドロキシ基を有する化合物の代表として、アルカンジオールを挙げることができる。なお、かかるアルカンジオールも、金属元素と配位的な結合を形成した状態で、通常の保管環境、具体的には、40℃に達しない範囲では、脱離しないものが好適であり、沸点が60℃以上の範囲、通常、100℃以下の範囲となるものが好ましい。ただし、低温焼結処理を行う際には、速やかに、金属微粒子表面から離脱することが可能であることが必要であり、少なくとも、沸点が300℃を超えない範囲、通常、250℃以下の範囲となるものが好ましい。例えば、1,2−ジオール型などの、二以上のヒドロキシ基が結合に関与するものなどが、より好適に利用可能である。
すなわち、本発明の導電性金属ペーストにおいて、含有される金属微粒子は、その表面は、かかる金属微粒子に含まれる金属元素と配位的な結合が可能な基として、窒素、酸素、またはイオウ原子を含み、これら原子の有する孤立電子対による配位的な結合が可能な基を有する化合物1種以上により被覆された状態とするが、例えば、末端アミノ基を1以上有するアミン化合物一種以上により被覆された状態とすることが好ましい。例えば、導電性金属ペーストに調製した際、前記金属微粒子100質量部に対して、前記アミン化合物一種以上を総和として、5〜60質量部を含有している状態とする。好ましくは、前記金属微粒子100質量部に対して、前記アミン化合物一種以上を総和として、7〜40質量部、より好ましくは、10〜30質量部を含有している状態とする。
本発明の導電性金属ペーストに含有される、前記アミン化合物の第一の機能は、金属微粒子の表面に付着層を形成し、室温において、導電性金属ペーストを調製する工程における、金属化合物とそのアミン系溶媒を添加し、攪拌、混合する工程において、金属微粒子がその清廉な表面を直接接触させ、相互に付着して塊を形成することを防止することである。従って、金属微粒子の表面に付着層を形成する限り、特にその種類に限定はないものの、室温において、容易に蒸散することのないものが望ましい。従って、先に述べたように、末端にアミノ基を有するアミン化合物、例えば、アルキルアミンなどを用いることが好ましい。より具体的には、アルキルアミンとして、そのアルキル基は、C4〜C20が用いられ、さらに好ましくはC8〜C18の範囲に選択され、アルキル鎖の末端にアミノ基を有するものが用いられる。例えば、前記C8〜C18の範囲のアルキルアミンは、熱的な安定性もあり、また、その蒸気圧もさほど高くなく、室温等で保管する際、含有率を所望の範囲に維持・制御することが容易であるなど、ハンドリング性の面から好適に用いられる。金属微粒子の表面に付着層を形成するという第一の機能を達成すべく、末端にアミノ基を有するアミン化合物、例えば、アルキルアミンなどの含有量は、金属微粒子の全表面に応じて、また、金属の種類、アミン化合物、例えば、アルキルアミンなどの種類をも考慮して、適宜選択すべきものである。一般に、C8〜C18のアルキルアミンを用い、金属自体の比重が前記銀、金、銅程度であり、金属微粒子の平均粒子径が10nmより極端に小さくない場合では、コロイド状の金属微粒子を含有した分散物中におけるアルキルアミンの使用量は金属の種類や粒子径にもよるが金属微粒子100質量部に対し、アルキルアミンの含有量を5〜60質量部、好ましくは、7〜40質量部、より好ましくは10〜30質量部の範囲に選択することが好ましい。アルキルアミン以外のアミン化合物をも用いる際にも、金属微粒子100質量部に対し、アミン化合物の総含有量を5〜60質量部、好ましくは、7〜40質量部、より好ましくは10〜30質量部の範囲に選択することが好ましい。
なお、金属微粒子を被覆する前記分子層の層厚は、金属微粒子の平均粒子径に依存せず、同程度とする必要がある。従って、金属微粒子の平均粒子径が小さくなると、金属微粒子の単位質量当たり、その金属微粒子の表面積の総和は増加するので、金属微粒子を被覆する前記分子層の形成に用いる、該金属元素と配位的な結合が可能な基として、窒素、酸素、イオウ原子のいずれかを含む基を有する化合物の総和を増加させる。すなわち、使用する金属微粒子の平均粒子径に反比例させて、該金属元素と配位的な結合が可能な基として、窒素、酸素、イオウ原子のいずれかを含む基を有する化合物の総和を増減させることが望ましい。
一方、本発明では、前記金属微粒子の加熱焼成を行う際、同時に、導電性金属ペーストに配合される金属化合物中に含まれる金属種の還元を行い、基板表面に金属原子として析出させている。すなわち、本発明にかかる導電性金属ペースト中に配合される金属化合物には、好ましくは、250℃〜600℃に範囲に選択される温度に加熱する際、該金属化合物中に含まれる金属イオン種の還元が生じ、金属原子を生成可能な金属化合物を選択する。また、この金属化合物は、導電性金属ペースト中において、溶媒中に溶解した形態で、分散している金属微粒子と均一に混和させる。そのため、金属化合物として、例えば、有機物アニオン種ならびに該金属のカチオン種を含んでなる金属化合物を用いることで、有機溶媒中に容易に溶解することが可能となる。特には、有機物アニオン種ならびに金属のカチオン種を含む金属化合物は、有機酸由来の有機物アニオン種を含んでなる有機酸の該金属塩、または、有機物アニオン種を配位子とする該金属の錯化合物の形態であることが好ましい。
その際、有機アニオン種としては、カルボン酸由来のカルボキシラト(−COO)、アセチルアセトン(CHCOCHCOCH)由来の2,4−ペンタンジオナト([CHCOCHCOCH)など、有機酸の金属塩、または、有機物アニオン種を配位子とする金属の錯化合物を形成可能なアニオン種が利用される。酸化数2以上の金属カチオン種と、これらの有機酸の金属塩、金属の有機錯化合物は、有機溶媒中において、通常、イオン解離することなく溶解可能である。すなわち、カルボン酸由来のカルボキシラト(−COO)、アセチルアセトン(CHCOCHCOCH)由来の2,4−ペンタンジオナト([CHCOCHCOCH)は、二座配位の配位子として、中心の金属カチオン種に配位している。その場合、室温近傍では、有機溶媒中において、通常、イオン解離することなく、この二座配位子複数を含む複合体化合物として溶解している。
例えば、酸化数2の金属カチオン種は、多くの場合、6配位を示し、カルボン酸由来のカルボキシラト(−COO)、アセチルアセトン(CHCOCHCOCH)由来の2,4−ペンタンジオナト([CHCOCHCOCH)などの二座配位の配位子が二つ近接し、加えて、金属カチオン種の周囲に残る二つの配位座を、溶媒和可能な有機溶媒分子が占有している。また、酸化数3の金属カチオン種では、前記の二座配位の配位子が三つ、金属カチオン種の周囲に配位する。その状態で、カルボン酸由来のカルボキシラト(−COO)、アセチルアセトン(CHCOCHCOCH)由来の2,4−ペンタンジオナト([CHCOCHCOCH)などの炭化水素鎖部分を利用して、有機溶媒中に溶解可能である。
加熱処理によって、これらの金属化合物中に含まれる金属種に還元を施し、金属原子として、基板表面あるいは金属微粒子の表面に析出させる。この基板表面あるいは金属微粒子の表面に析出した金属原子は、表面上を拡散、移動して、先ず、金属微粒子と基板表面との接触部位の周囲に存在する隙間部分に充填されていく。この隙間部分が析出した金属原子で満たされるとともに、その周辺の基板表面には、析出した金属原子からなる金属被膜層が形成されていく。具体的には、導電性金属ペーストを構成する分散溶媒用の有機溶剤中に、金属化合物は均一に溶解しているが、加熱処理とともに、導電性金属ペーストの塗布膜表面から有機溶剤が徐々に蒸散して、濃縮が進む。その際、濃縮とともに、基板表面の近傍には、金属化合物を含む液相が集積され、最終的には、金属微粒子と基板表面との接触部位の周囲に存在する隙間部分、ならびに、その周辺の基板表面は、析出した金属原子からなる金属薄膜で被覆された状態となる。この金属被膜層は、基板表面と金属微粒子表面の双方を覆う形状となり、この基板表面を覆う金属被膜層を介する接触部分を含めると、金属微粒子と基板表面との接触部位における実効的な接触面積は、予め下地金属被膜層を設けた場合と遜色ないものとなる。
勿論、この金属化合物中に含まれる金属種として、この金属被膜層が接触している、基板表面を構成する材料に対して密着性を示す金属種の群から選択される金属種を採用する。石英ガラス基板表面に対しては、銅、ビスマス(融点:271.44℃)などが好適に利用可能である。また、各種の元素をドープしたガラス材料を用いる基板を利用する際には、ガラス材料中に添加されている金属元素、例えば、15族元素のビスマス、アンチモン(融点:630.7℃)、16族元素のテルル(融点:449.8℃)などの金属種、あるいは、長周期の周期表において、それら金属元素と同じ族に属する金属種も、一般に、密着性を示す金属として利用可能である。加えて、ガラスの主成分である、SiOに対して、そのシリコン元素と同じ14族に属する金属元素、錫(融点:231.97℃)、鉛(融点:327.5℃)なども、一般に、ガラス材料に対して密着性を示す金属として利用可能である。加えて、銀、金、銅のように、延性に優れた金属種も、平坦なガラス表面上に、均一に析出される金属原子で構成される被膜層とする際には、優れた密着性を示す金属として利用可能である。
この金属化合物中に含まれる金属種は、金属カチオン種の形態とし、特には、複数存在する酸化数のうち、複数個の有機物アニオン種との塩、または、複数個の有機物アニオン種を配位子とする錯化合物を形成可能な酸化数を有する、カチオン種が好適に利用される。例えば、銅を利用する際には、二価のカチオン種Cu(II)2+、また、ビスマスを利用する際には、二価のカチオン種Bi(II)2+を好適に利用することができる。
例えば、Cu(II)2+に対して、カルボン酸由来のカルボキシラト(−COO)や2,4−ペンタンジオナト([CHCOCHCOCH)が二つ配位する遷移金属化合物は、加熱処理した際、部分的な還元が生じ、Cu(II)2+ + e→Cu(I) となり、さらに、二つの化合物間で酸化数の不均化を起こし、2Cu(I)→Cu + Cu(II)2+ のように、金属Cu原子が生成される。一方、派生するCu(II)2+ は、系内で部分的に還元を受け、Cu(I) に再変換される。これらの反応が、加熱処理を施す間に、連鎖的に進行し、液相と接している基板表面ならびに金属微粒子表面に金属原子が析出される。一方、液相中では、生成する金属原子同士が凝集して、微細な金属微粒子が新たに生成することは抑制され、配合されている金属化合物は、主に、液相と接している基板表面ならびに金属微粒子表面に金属原子を析出する過程で消費される。
なお、配合される金属化合物中に含まれる金属種と比較して、金属微粒子を構成している金属種が卑であり、金属化合物中に含まれる金属カチオン種が部分的に還元される際に必要とするエネルギーΔEが、金属微粒子を構成している金属種が、1価の金属カチオン種に酸化される際に放出されるエネルギーΔEよりも小さい場合、金属化合物中に含まれる金属カチオン種が部分的に還元される際、金属微粒子を構成している金属種の酸化が引き起こされる。この現象は、本発明にかかる導電性金属ペーストにおいては、回避すべきものであり、一般に、金属微粒子を構成している金属種と比較して、配合される金属化合物中に含まれる金属種が卑となる組み合わせが選択される。
この金属化合物から生成する金属原子(M)は、基板表面、例えば、ガラス基板表面に存在するシラノール構造(Si−OH)部に対して、Si−O−Mの形状で固定化される。更には、例えば、ガラス基板表面において、Si−O−Mの形状で固定化される金属原子を核として、基板表面を被覆する金属被膜層の成長がなされる。従って、この基板表面を被覆する金属被膜層は、基板表面に存在する電気陰性度の高い元素種との接合部を内在しており、優れた密着性を発揮する。加えて、基板表面を被覆する金属被膜層に対して、金属微粒子が接触する部位では、金属微粒子の表面にも部分的に該金属被膜層が形成されており、両者の間では、同種の金属原子間の結合が存在する。この寄与も加わって、基板表面と金属微粒子の間では、該金属被膜層の介在に起因する、高い密着特性が付与される。
さらに、金属微粒子の表面に、極く一部、酸化被膜が残留している場合、上記還元反応に伴い生成する金属原子は、該金属微粒子を構成する金属元素よりも卑であると、この金属微粒子表面の酸化被膜の還元を行う機能も有する。従って、金属微粒子表面は、清浄な金属面が露呈する状態となり、例えば、ガラス基板表面において、Si−O−Mの形状で固定化される金属原子を核として、基板表面を被覆する金属被膜層に対して、良好な金属間接合を形成することが可能となる。なお、上記の貴な金属元素の金属酸化物と、卑な金属原子との間での酸化・還元反応に伴って、卑な金属元素の金属酸化物分子が派生するが、当初の金属化合物中の有機アニオン種に由来する酸化合物と再び反応して、金属化合物へと再変換される。その結果、アミン系溶媒を含む液相中における、金属化合物への還元反応が進行している間は、実質的に金属酸化物の生成は回避される。
以上に示す、液相中において進行する、一連の反応は、利用されている金属化合物は、アミン系溶媒と希釈溶媒用の有機溶剤とを含む、液相中で進行し、また、金属化合物の濃縮が起こる、基板表面と金属微粒子塗布層との界面近傍で進行する。換言すると、目的とする基板表面と金属微粒子塗布層との界面近傍において、本発明にかかる導電性金属ペースト中に添加されている金属化合物を集中的に使用することが可能となる。
一方、本発明にかかる導電性金属ペーストを保存している間に、低温条件でも、配合されている金属化合物に含まれる金属種に対する還元反応が進行すると、生成する金属原子によって、金属微粒子相互が凝集する現象が引き起こされる。本発明では、配合されている金属化合物として、それに含まれる金属種に対する還元反応は、250℃以上の温度では、進行するが、保管温度、具体的には、50℃以下の温度では、進行が皆無であるものを選択している。同時に、金属微粒子自体も、その表面には被覆分子層を保持する形態としている。この二つの手段を利用することで、本発明にかかる導電性金属ペーストでは、含有する金属微粒子相互が凝集した、粒径の大きな凝集粒子の形成を有効に抑制している。結果として、本発明にかかる導電性金属ペーストを利用して作製される、金属微粒子の焼結体層では、部分的に粒径の大きな凝集粒子が混在する形状ではなく、分散されている金属微粒子が緻密に積層された形状として、焼結がなされる。従って、得られる金属微粒子焼結体層の表面は、極めて平坦性に優れたものとなり、同時に、焼結体層の緻密さに伴い、層全体の焼結強度も優れたものとなる。
本発明にかかる導電性金属ペーストに配合される金属化合物は、多くは、液相と接している基板表面ならびに金属微粒子表面に金属原子を析出し、基板表面と金属微粒子の接触部位の周辺にかかる金属被膜層を形成する過程で消費されるが、一部は、金属微粒子相互が接触し、焼結を起こす部位においても、同様に金属被膜の形成を行う。その点をも考慮して、本発明にかかる導電性金属ペーストにおいては、含有されている金属微粒子100質量部に対して、金属化合物1種以上の配合比率を、該金属化合物1種以上中に含まれる金属の総和として、0.3〜7質量部の範囲、好ましくは、0.4〜5質量部の範囲、より好ましくは、0.5〜3質量部の範囲に選択することが望ましい。
加えて、本発明にかかる導電性金属ペースト中、その分散溶媒として利用する有機溶剤に、金属化合物を溶解する際、金属イオン種に対して、有機酸の金属塩、または、有機物アニオン種を配位子とする金属の錯化合物を形成可能なアニオン種が配位し、さらに、残された配位座を、溶媒和可能な有機溶媒分子が占有している形態とすることが好ましい。一般に、分散溶媒として利用する有機溶剤は、金属イオン種に対して、残された配位座を占める、溶媒和可能な有機溶媒分子としての機能に乏しい。そのため、かかる金属化合物に含まれる金属カチオン種に対して、弱く配位して、溶媒和可能な有機溶媒分子として、アミン系溶媒を利用する。このアミン系溶媒は、金属化合物に含まれる金属種が部分的に還元を受け、かかる酸化数の減少した金属カチオン種に対して、さらに溶媒和する有機溶媒分子としての機能をも有する。この観点から、用いる金属化合物1種以上中の金属種の種類に応じて、該金属化合物1種以上を溶解可能なアミン系溶媒を適量添加する。具体的には、金属化合物1種以上に対する前記アミン系溶媒の配合比率を、金属化合物1種以上中に含まれる金属の総和10質量部当たり、アミン系溶媒を100〜500質量部の範囲、好ましくは、150〜480質量部の範囲に選択することが望ましい。
通常、配合される金属化合物を、前記配合比率でアミン系溶媒中に一旦溶解した後、この金属化合物溶液として、本発明にかかる導電性金属ペースト中に、所定の量で混和する。その際、前記金属化合物を溶解可能なアミン系溶媒は、金属化合物に対して、溶媒和した状態として、本発明の導電性金属ペーストに含有される有機溶剤中に、金属化合物とともに、溶解される。従って、用いるアミン系溶媒の量は、該アミン系溶媒中に金属化合物が飽和溶解濃度で溶解するに必要な量よりも、有意に多い量を選択することが必要となる。金属化合物溶液の調製に際して、例えば、金属化合物1種以上中に含まれる金属の総和10質量部当たり、アミン系溶媒を100〜300質量部の範囲に選択することができる。
従って、本発明の導電性金属ペーストで利用されるアミン系溶媒は、利用する金属化合物の溶解性に優れ、また、沸点が少なくとも、150℃以上、300℃以下の範囲であることが好ましい。加えて、該アミン系溶媒は、本発明の導電性金属ペーストで利用される有機溶剤中に、金属化合物を均一に溶解する際、その溶解性を付与する機能を果すものであり、前記有機溶剤との適度な親和性を示すことも必要となる。最終的には、希釈溶媒として機能する有機溶剤中に混和されるため、アミン系溶媒自体の融点は、室温以下である必要はないが、予め、配合される金属化合物を、前記配合比率でアミン系溶媒中に一旦溶解した溶液を調製する上では、融点は、50℃を超えないことが好ましい。これらの要件を満足する、好適なアミン系溶媒として、高沸点のアルキルアミン、ポリアミンなど、例えば、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン(沸点238℃)、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン(沸点159℃)などを例示することができる。
従って、本発明の導電性金属ペーストに含有される有機溶剤は、上記の被覆分子層を有する金属微粒子が均一に分散された分散液に調製する際、その分散溶媒としての機能を有する。また、配合される、金属化合物とそのアミン系溶媒を均一に混和する際、その希釈溶媒としても利用される。従って、この二種の用途に用いられる有機溶剤であれば、一種類の有機溶剤を用いることができ、また、相溶性を有する、二種以上の有機溶剤からなる均一な混合溶剤を用いることもできる。なお、前記の二種の用途に利用できる限り、その種類は限定されるものではないが、金属微粒子の表面に付着層を形成している化合物、例えば、アルキルアミンなどのアミン化合物の溶解性が高すぎ、金属微粒子表面の付着層が消失するような高い極性を有する溶剤ではなく、非極性溶剤あるいは低極性溶剤を選択することが好ましい。
加えて、分散溶媒の有機溶剤は、本発明の導電性金属ペーストを実際に利用する際、加熱処理を行う温度においても、熱分解などを起こすことがない程度には熱的な安定性を有することが好ましい。同時に、還元反応によって、配合されている金属化合物中の金属種から、金属原子を析出させる際、かかる反応を液相で起こすため、反応溶媒としての機能も有する。また、微細なラインを形成する際、その塗布の工程において、導電性金属ペーストを所望の液粘度範囲に維持することが必要であり、そのハンドリング性の面を考慮すると、室温付近では容易に蒸散することのない、比較的に高沸点な非極性溶剤あるいは低極性溶剤、例えば、テルピネオール、ミネラルスピリット、テトラデカン、ドデカンなどが好適に用いられる。
本発明の導電性金属ペーストを利用して、基板表面に金属微粒子焼結体層を形成する際、加熱処理に付随して、金属微粒子の表面に付着層を形成している化合物が離脱し、分散溶媒の有機溶剤の蒸散が進み、金属微粒子相互の低温焼結が進行する。その際、緻密に積層されている金属微粒子間の隙間には、該有機溶剤中に、アミン系溶媒の助けを借りて、溶解されている金属化合物を含む溶液が浸潤した状態となる。具体的には、当初、金属微粒子は有機溶剤中に分散された形態で、基板表面に塗布され、次いで、加熱処理が開始すると、有機溶剤の蒸散、金属微粒子の表面に付着層を形成している化合物の離脱が徐々に進行する。含有されている金属化合物の沸点は、有機溶剤の沸点よりも、遥かに高く、蒸散されず、また、該金属化合物と高い親和性を示すアミン系溶媒も、沸点上昇の同様の機構が作用する結果、その蒸散は抑制される。結果的に、緻密に積層された金属微粒子間の狭い隙間空間には、該金属化合物とアミン系溶媒が濃縮された液相が残留し、金属化合物に対する還元反応は、濃度上昇とともに、その反応速度は加速される。この状態で、基板表面において、金属化合物に対する還元反応で生成する金属原子は、基板表面、例えば、ガラス基板表面上に存在するシラノール構造(Si−OH)部に対して、Si−O−Mの形状で固定化され、この二次元的に配置された金属原子を核として、順次、還元反応で生成する金属原子の析出、定着が進み、極薄い金属被膜層が形成される。一方、基板表面と接している金属微粒子においても、その界面近傍の金属微粒子表面では、還元反応で生成する金属原子の析出が起こり、部分的に金属原子が被膜状に析出した部位が形成される。基板表面と接している金属微粒子の界面近傍は、狭い隙間部が存在しているが、その後、この狭い隙間部を埋め込み、基板表面の金属被膜層と、金属微粒子表面の金属被膜層とを連結する形状となる。これらの界面近傍で進行する反応は、濃縮に伴い、アミン系溶媒を高濃度に含有する液相が保持された状態で進行する。従って、周辺雰囲気中に酸素分子が含まれていても、金属微粒子間の狭い隙間をこの液相が浸潤しているため、酸素分子の影響は排除される。加熱処理が完了する時点では、金属微粒子表面を被覆していた被覆分子化合物は、有機溶剤ならびにアミン系溶媒の両溶媒成分ともに蒸散が完了する。また、金属化合物とは異なり、一般に、金属化合物中の有機アニオン種に由来する有機化合物の沸点は、然程高くないので、同じく、その蒸散は完了している。
なお、本発明にかかる導電性ペーストに含まれる、溶媒成分の蒸散が完了した後、酸素分子を含む雰囲気下で加熱処理を継続すると、金属微粒子焼結体層、ならびに、基板表面に形成されている金属被膜層への酸化が開始するので、加熱処理時間は、不必要に長く設定することは望ましくない。加熱処理は、不活性ガス雰囲気下で実施することも可能であり、その際には、この種の酸化は回避される。一般に、本発明にかかる導電性ペーストを利用して作製される、金属微粒子焼結体層の目標膜厚は、下記するように、1μm〜10μm程度であり、単位面積当たりに塗布される導電性ペースト量は多くはない。その際にも、含有される金属微粒子に対して、上述の配合比率で金属化合物、ならびに、アミン系溶媒を添加することで、基板表面上に形成される金属被膜層は、密着性の向上効果を達成するに十分なものとできる。
一方、本発明にかかる導電性ペーストを利用して作製される、微細な配線パターンは、好ましくは、最小配線幅および配線間スペースが共に5〜200μmの微細なパターンであり、それを構成する緻密な金属微粒子焼結体層の膜厚は、前記最小配線幅に応じて選択される。すなわち、目標とする緻密な金属微粒子焼結体層の平均膜厚は、最小配線幅が5〜50μmの範囲では、その最小配線幅の1/10〜1/2の範囲、また、最小配線幅が50〜200μmの範囲では、その最小配線幅の1/100〜1/20の範囲を目標とする。多くの場合、目標とする緻密な金属微粒子焼結体層の平均膜厚は、1μm〜10μmの範囲に選択される。また、しかも、前記の平均膜厚において、その膜厚の高い制御性、再現性を達成する上では、利用する金属微粒子の平均粒子径は、大きくとも目標平均膜厚の1/5以下、通常、1/10以下、例えば、2〜50nmの範囲に選択する。なお、より緻密な焼結体層を形成する上では、金属微粒子の平均粒子径を、5〜20nmの範囲に選択することがより好ましい。
なお、本発明にかかる導電性ペーストがその作製に利用される、微細な配線パターンにおいて、導電体層に利用される金属微粒子の焼結体において、その全体の導電性(抵抗)を主に支配するものは、金属微粒子間相互の良好な電気的接触を達成させる、各金属微粒子同士が相互に接触する面における抵抗である。一方、個々の金属微粒子自体の導電性は、副次的な要素である。そのため、平均粒子径が100nm以下であり、清浄な金属表面を露呈する金属微粒子において、そのナノサイズ効果により、緻密な融着・焼結を完成させている。すなわち、ナノサイズの微粒子表面においては、金属原子の表面拡散、移動が比較的に低温でも活発に進行する現象を利用して、低温焼結処理を施す間に、金属微粒子同士の表面で緻密な融着・焼結を完成させている。この機構を利用するため、平均粒子径が100nm以下の金属ナノ粒子、例えば、平均粒子径5〜20nmの範囲の金属ナノ粒子とした際、300℃以下の温度においても、効率的に低温焼結処理が進行する限り、利用する金属元素は特に限定されるものではない。
一方、作製される金属微粒子焼結体層を、種々の電子部品を実装する際に利用する、配線基板上の配線層に用いる場合、金属微粒子を構成する金属種自体、優れた導電特性を有する金属元素を選択することが好ましい。場合によっては、単一金属元素からなる金属微粒子に代えて、二種以上の金属種を含む合金材料で構成される金属微粒子の利用も可能である。例えば、金属微粒子を構成する金属種は、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、アルミニウムからなる群から選択される金属種、あるいは、それら二種以上の合金であることが好ましい。特には、金属微粒子を構成する金属種として、延性ならびに導電性に優れる金属種、具体的には、金、銀、銅、白金、パラジウムのいずれかを選択することが好ましい。
一方、利用する該金属微粒子を含有する導電性金属ペーストは、採用する描画手法に応じて、それぞれ適合する液粘度を有するものに、調製することが望ましい。例えば、微細配線パターンの描画にスクリーン印刷法を利用する際には、該金属微粒子を含有する導電性金属ペーストは、その液粘度を、50〜200Pa・s(25℃)の範囲に選択することが望ましい。一方、インクジェット印刷法を利用する際には、液粘度を、5〜30 mPa・s(25℃)の範囲に選択することが望ましい。該金属微粒子を含有する導電性金属ペーストの液粘度は、用いる金属微粒子の平均粒子径、分散濃度、用いている分散溶媒の種類に依存して決まり、前記の三種の因子を適宜選択して、目的とする液粘度に調節することができる。
なお、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法のいずれを利用する場合であっても、描画される微細パターンの最小配線幅が5〜50μmの範囲である場合、描画される分散液塗布層の平均厚さは、最小配線幅の1/5〜1/1の範囲に選択する必要がある。従って、最終的に得られる緻密な金属微粒子焼結体層の平均膜厚は、塗布層中に含有される分散溶媒の蒸散、焼結に伴う凝集・収縮を考慮すると、5〜50μmの範囲に選択された最小配線幅に対して、その1/10〜1/2の範囲に選択することがより合理的である。
例えば、耐熱性に優れるセラミックス材料基板、ガラス基板を用いる際には、焼結処理の温度を250℃〜600℃の範囲に選択した上で、平坦なガラス基板などの表面上に、微細なパターンの緻密な金属微粒子焼結体層からなる金属薄膜を、簡便に、また、高い作業性、再現性で作製することが可能となる。例えば、利用可能な微細なパターンは、配線幅および配線間スペースが共に5〜200μmの微細な配線パターンとなり、その際、形成可能な、緻密な金属微粒子の焼結体層からなる金属パッドの厚さは、1μm〜20μmの範囲、好ましくは、2〜20μmの範囲に選択できる。また、その際、緻密な金属微粒子焼結体層の比抵抗値も、少なくとも、5×10−6Ω・cm以下と、低抵抗の金属薄膜層として利用可能な範囲となる。
以下に、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。これらの実施例は、本発明にかかる最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例により限定を受けるものではない。
(実施例1)
銅(II)のアセチルアセナト錯体:
Figure 2006011180
ビス(2,4−ペンタジオナト)銅(II)を含むアミン溶液を下記の手順で調製する。
ビス(2,4−ペンタジオナト)銅(II)(分子量261.76;東京化成工業)10g、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン(沸点238℃;広栄化学)50g、トルエン(沸点110.6℃)50g、メタノール(沸点64.65℃)を60℃で30分間加熱攪拌して、ビス(2,4−ペンタジオナト)銅(II)を混合溶媒中に溶解する。この溶液中から、トルエン、メタノールを減圧蒸留により留去する。
留去後の溶液は、緑色の溶液となり、その重量は60gであり、ビス(2,4−ペンタジオナト)銅(II)のアミン溶液となっている。なお、該溶液中における、Cuの含有比率は、4.06質量%である。
市販されている銀の超微粒子分散液(商品名:独立分散超微粒子Ag1T:真空冶金製)、具体的には、銀微粒子35質量部、アルキルアミンとして、ドデシルアミン(分子量185.36、沸点248℃)7質量部、有機溶剤として、トルエン(沸点110.6℃)58質量部を含む、平均粒子径5nmの銀微粒子の分散液を利用し、下記の処理を施して、原料銀ナノ粒子分散液を調製する。
1L容のナス型フラスコ中に、前記市販の銀超微粒子分散液Ag1T(Ag35wt%含有)500gを入れ、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン(沸点238℃:広栄化学工業製)を87.5g(対Ag固形分に対して、50質量%)、ジプロピレングルコールを52.5g(対Ag固形分に対して、30質量%)添加、混合し、80℃で1時間加熱攪拌する。攪拌終了後、減圧濃縮により、Ag1T中に含まれるトルエンを脱溶媒する。
脱溶媒後の混合物を2Lのビーカーに移し、極性溶媒メタノール、1,000gを添加して、常温で3分間攪拌後、静置する。前記処理において、銀微粒子は、メタノールを添加、攪拌し、静置する間に、ビーカー底部に沈降する。一方、上澄みには、混合物中に含有される、不要な有機成分が溶解し、茶褐色のメタノール溶液が得られる。この上澄み層を除去した後、再度、沈降物にメタノール、800gを添加、攪拌、静置し、銀微粒子を沈降させた後、上澄みのメタノール層を除去する。同上澄みメタノール層の着色状態を観察しながら、さらに、沈降物にメタノール、500gを添加し、同様の操作を繰り返す。次いで、沈降物にメタノール、300gを添加し、攪拌、静置を行った時点で、上澄みメタノール層を目視した範囲では、着色は見出されなくなることを確認する。この上澄みメタノール層を除去した後、ビーカー底部に沈降した銀微粒子中に残余するメタノール溶液を揮発させ、乾燥を行うと、青色の微粉末が得られる。なお、該乾燥粉末中には、銀微粒子が82質量%、その表面の被覆層として、アミン化合物の総和が18質量%の比率で存在している。
得られる青色の微粉末に、N14(テトラデカン、融点5.86℃、沸点253.57℃、日鉱石油化学製)を102.8g、ヘキサンを300g添加し、80℃で1時間加熱攪拌する。攪拌によって、青色の微粉末状を呈していた銀微粒子は、再分散される。この均一な分散液を、0.2μmメンブランフィルターで濾過した後、得られる濾液中のヘキサンを、減圧濃縮により脱溶剤して、原料銀ナノ粒子分散液に調製する。
前記の処理を施した銀ナノ粒子分散液(銀ナノ粒子含有比率 63質量%)100gに、上記ビス(2,4−ペンタジオナト)銅(II)のアミン溶液15.5gを添加し、攪拌脱泡機で攪拌混合する。得られるペースト状分散液の液粘度は、15mPa・s(20℃)であった。
ガラス基板上に、このペースト状分散液を、インクジェット印刷法を用いて塗布し、5mm×50mm、膜厚15μmの均一な塗布膜とした。その後、350℃の硬化炉に投入し、大気中、60分間加熱保持した。この加熱処理後、ガラス基板表面上、銀白色の鏡面状の表面形状を呈する、銀ナノ粒子の焼結体層が形成されていた。得られた銀ナノ粒子の焼結体層は、平均厚さ1.8μm、前記平均膜厚の矩形導電体膜と仮定して、測定された体積固有抵抗率は、2.1μΩ・cmと見積もられる。なお、銀自体の抵抗率1.59μΩ・cm(20℃)と対比すると、得られた銀ナノ粒子の焼結体層は、良好な導電特性を示していると判断される。
得られた銀ナノ粒子の焼結体層のガラス基板に対する密着性に関して、下記の方法で評価した。ガラス基板表面の銀ナノ粒子焼結体層に対して、その表面から金属ニードルで削除を試みた。銀ナノ粒子焼結体層表面に、金属ニードルで擦った部分に凹凸傷は生じたが、焼結体層自体が、ガラス基板表面から剥離し、基板表面が露呈する部分は見出されない。
(実施例2)
銅(II)のカルボン酸塩:
Figure 2006011180
2−エチルヘキサン酸銅(II)を含むアミン溶液を下記の手順で調製する。
2−エチルヘキサン酸銅(II)(試薬:和光純薬工業、分子量349.69、純度98%)10g、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン(分子量186、沸点231℃;広栄化学)50g、トルエン(沸点110.6℃)50g、メタノール(沸点64.65℃)を60℃で10分間加熱攪拌して、2−エチルヘキサン酸銅(II)を混合溶媒中に溶解する。この溶液中から、トルエン、メタノールを減圧蒸留により留去する。
留去後の溶液は、緑色の溶液となり、その重量は60gであり、2−エチルヘキサン酸銅(II)のアミン溶液となっている。なお、該溶液中における、Cuの含有比率は、4.45質量%である。
市販されている銀の超微粒子分散液(商品名:独立分散超微粒子Ag1T:真空冶金製)、具体的には、銀微粒子35質量部、アルキルアミンとして、ドデシルアミン(分子量185.36、沸点248℃)7質量部、有機溶剤として、トルエン(沸点110.6℃)58質量部を含む、平均粒子径5nmの銀微粒子の分散液を利用し、下記の処理を施して、原料銀ナノ粒子分散液を調製する。
1L容のナス型フラスコ中に、前記市販の銀超微粒子分散液Ag1T(Ag35wt%含有)500gを入れ、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン(沸点238℃:広栄化学工業製)を87.5g(対Ag固形分に対して、50質量%)、ジプロピレングルコールを52.5g(対Ag固形分に対して、30質量%)添加、混合し、80℃で1時間加熱攪拌する。攪拌終了後、減圧濃縮により、Ag1T中に含まれるトルエンを脱溶媒する。
脱溶媒後の混合物を2Lのビーカーに移し、極性溶媒メタノール、1,000gを添加して、常温で3分間攪拌後、静置する。前記処理において、銀微粒子は、メタノールを添加、攪拌し、静置する間に、ビーカー底部に沈降する。一方、上澄みには、混合物中に含有される、不要な有機成分が溶解し、茶褐色のメタノール溶液が得られる。この上澄み層を除去した後、再度、沈降物にメタノール、800gを添加、攪拌、静置し、銀微粒子を沈降させた後、上澄みのメタノール層を除去する。同上澄みメタノール層の着色状態を観察しながら、さらに、沈降物にメタノール、500gを添加し、同様の操作を繰り返す。次いで、沈降物にメタノール、300gを添加し、攪拌、静置を行った時点で、上澄みメタノール層を目視した範囲では、着色は見出されなくなることを確認する。この上澄みメタノール層を除去した後、ビーカー底部に沈降した銀微粒子中に残余するメタノール溶液を揮発させ、乾燥を行うと、青色の微粉末が得られる。なお、該乾燥粉末中には、銀微粒子が82質量%、その表面の被覆層として、アミン化合物の総和が18質量%の比率で存在している。
得られる青色の微粉末に、N14(テトラデカン、融点5.86℃、沸点253.57℃、日鉱石油化学製)を102.8g、ヘキサンを300g添加し、80℃で1時間加熱攪拌する。攪拌によって、青色の微粉末状を呈していた銀微粒子は、再分散される。この均一な分散液を、0.2μmメンブランフィルターで濾過した後、得られる濾液中のヘキサンを、減圧濃縮により脱溶剤して、原料銀ナノ粒子分散液に調製する。
前記の処理を施した銀ナノ粒子分散液(銀ナノ粒子含有比率 63質量%)100gに、上記2−エチルヘキサン酸銅(II)のアミン溶液14.2gを添加し、攪拌脱泡機で攪拌混合する。得られるペースト状分散液の液粘度は、10mPa・s(20℃)であった。
ガラス基板上に、このペースト状分散液を、インクジェット印刷法を用いて塗布し、5mm×50mm、膜厚15μmの均一な塗布膜とした。その後、350℃の硬化炉に投入し、大気中、60分間加熱保持した。この加熱処理後、ガラス基板表面上、銀白色の鏡面状の表面形状を呈する、銀ナノ粒子の焼結体層が形成されていた。得られた銀ナノ粒子の焼結体層は、平均厚さ1.8μm、前記平均膜厚の矩形導電体膜と仮定して、測定された体積固有抵抗率は、2.1μΩ・cmと見積もられる。なお、銀自体の抵抗率1.59μΩ・cm(20℃)と対比すると、得られた銀ナノ粒子の焼結体層は、良好な導電特性を示していると判断される。
得られた銀ナノ粒子の焼結体層のガラス基板に対する密着性に関して、下記の方法で評価した。ガラス基板表面の銀ナノ粒子焼結体層に対して、その表面から金属ニードルで削除を試みた。銀ナノ粒子焼結体層表面に、金属ニードルで擦った部分に凹凸傷は生じたが、焼結体層自体が、ガラス基板表面から剥離し、基板表面が露呈する部分は見出されない。
(実施例3)
ビスマス(II)のカルボン酸塩:
Figure 2006011180
2−エチルヘキサン酸ビスマス(II)を含むアミン溶液を下記の手順で調製する。
2−エチルヘキサン酸ビスマス(II)/2−エチルヘキサン酸溶液(試薬:和光純薬工業、ビスマス含有比率25%)10g、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン(沸点238℃;広栄化学)50g、トルエン(沸点110.6℃)50g、メタノール(沸点64.65℃)を60℃で10分間加熱攪拌して、2−エチルヘキサン酸ビスマス(II)を混合溶媒中に溶解する。この溶液中から、トルエン、メタノールを減圧蒸留により留去する。
留去後の溶液は、黄色の透明な溶液となり、その重量は60gであり、2−エチルヘキサン酸ビスマス(II)のアミン溶液となっている。なお、該溶液中における、Biの含有比率は、4.17質量%である。
市販されている銀の超微粒子分散液(商品名:独立分散超微粒子Ag1T:真空冶金製)、具体的には、銀微粒子35質量部、アルキルアミンとして、ドデシルアミン(分子量185.36、沸点248℃)7質量部、有機溶剤として、トルエン(沸点110.6℃)58質量部を含む、平均粒子径5nmの銀微粒子の分散液を利用し、下記の処理を施して、原料銀ナノ粒子分散液を調製する。
1L容のナス型フラスコ中に、前記市販の銀超微粒子分散液Ag1T(Ag35wt%含有)500gを入れ、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン(沸点238℃:広栄化学工業製)を87.5g(対Ag固形分に対して、50質量%)、ジプロピレングルコールを52.5g(対Ag固形分に対して、30質量%)添加、混合し、80℃で1時間加熱攪拌する。攪拌終了後、減圧濃縮により、Ag1T中に含まれるトルエンを脱溶媒する。
脱溶媒後の混合物を2Lのビーカーに移し、極性溶媒メタノール、1,000gを添加して、常温で3分間攪拌後、静置する。前記処理において、銀微粒子は、メタノールを添加、攪拌し、静置する間に、ビーカー底部に沈降する。一方、上澄みには、混合物中に含有される、不要な有機成分が溶解し、茶褐色のメタノール溶液が得られる。この上澄み層を除去した後、再度、沈降物にメタノール、800gを添加、攪拌、静置し、銀微粒子を沈降させた後、上澄みのメタノール層を除去する。同上澄みメタノール層の着色状態を観察しながら、さらに、沈降物にメタノール、500gを添加し、同様の操作を繰り返す。次いで、沈降物にメタノール、300gを添加し、攪拌、静置を行った時点で、上澄みメタノール層を目視した範囲では、着色は見出されなくなることを確認する。この上澄みメタノール層を除去した後、ビーカー底部に沈降した銀微粒子中に残余するメタノール溶液を揮発させ、乾燥を行うと、青色の微粉末が得られる。なお、該乾燥粉末中には、銀微粒子が82質量%、その表面の被覆層として、アミン化合物の総和が18質量%の比率で存在している。
得られる青色の微粉末に、N14(テトラデカン、融点5.86℃、沸点253.57℃、日鉱石油化学製)を102.8g、ヘキサンを300g添加し、80℃で1時間加熱攪拌する。攪拌によって、青色の微粉末状を呈していた銀微粒子は、再分散される。この均一な分散液を、0.2μmメンブランフィルターで濾過した後、得られる濾液中のヘキサンを、減圧濃縮により脱溶剤して、原料銀ナノ粒子分散液に調製する。
前記の処理を施した銀ナノ粒子分散液(銀ナノ粒子含有比率 63質量%)100gに、上記2−エチルヘキサン酸ビスマス(II)のアミン溶液15.1gを添加し、攪拌脱泡機で攪拌混合する。得られるペースト状分散液の液粘度は、11mPa・s(20℃)であった。
ガラス基板上に、このペースト状分散液を、インクジェット印刷法を用いて塗布し、5mm×50mm、膜厚12μmの均一な塗布膜とした。その後、金属ビスマスの融点271.4℃より高い、350℃の硬化炉に投入し、大気中、60分間加熱保持した。この加熱処理後、ガラス基板表面上、銀白色の鏡面状の表面形状を呈する、銀ナノ粒子の焼結体層が形成されていた。得られた銀ナノ粒子の焼結体層は、平均厚さ1.4μm、前記平均膜厚の矩形導電体膜と仮定して、測定された体積固有抵抗率は、2.6μΩ・cmと見積もられる。なお、銀自体の抵抗率1.59μΩ・cm(20℃)と対比すると、得られた銀ナノ粒子の焼結体層は、良好な導電特性を示していると判断される。
得られた銀ナノ粒子の焼結体層のガラス基板に対する密着性に関して、下記の方法で評価した。ガラス基板表面の銀ナノ粒子焼結体層に対して、その表面から金属ニードルで削除を試みた。銀ナノ粒子焼結体層表面に、金属ニードルで擦った部分に凹凸傷は生じたが、焼結体層自体が、ガラス基板表面から剥離し、基板表面が露呈する部分は見出されない。
(実施例4)
前記実施例3に記載する処理を施した銀ナノ粒子分散液(銀ナノ粒子含有比率 63質量%)と、2−エチルヘキサン酸ビスマス(II)/2−エチルヘキサン酸溶液(試薬:和光純薬工業、ビスマス含有比率25%)とを用いて、下記のペースト状分散液を調製する。前記銀ナノ粒子分散液(銀ナノ粒子含有比率 63質量%)100gに、2−エチルヘキサン酸ビスマス(II)/2−エチルヘキサン酸溶液(ビスマス含有比率25%)2.52gを添加し、攪拌脱泡機で攪拌混合する。得られるペースト状分散液の液粘度は、10mPa・s(20℃)であった。
ガラス基板上に、このペースト状分散液を、インクジェット印刷法を用いて塗布し、5mm×50mm、膜厚12μmの均一な塗布膜とした。その後、金属ビスマスの融点271.4℃より高い、350℃の硬化炉に投入し、大気中、60分間加熱保持した。この加熱処理後、ガラス基板表面上、銀白色の鏡面状の表面形状を呈する、銀ナノ粒子の焼結体層が形成されていた。得られた銀ナノ粒子の焼結体層は、平均厚さ1.4μm、前記平均膜厚の矩形導電体膜と仮定して、測定された体積固有抵抗率は、2.6μΩ・cmと見積もられる。なお、銀自体の抵抗率1.59μΩ・cm(20℃)と対比すると、得られた銀ナノ粒子の焼結体層は、良好な導電特性を示していると判断される。
得られた銀ナノ粒子の焼結体層のガラス基板に対する密着性に関して、下記の方法で評価した。ガラス基板表面の銀ナノ粒子焼結体層に対して、その表面から金属ニードルで削除を試みた。銀ナノ粒子焼結体層表面に、金属ニードルで擦った部分に凹凸傷は生じたが、焼結体層自体が、ガラス基板表面から剥離し、基板表面が露呈する部分は見出されない。
(比較例1)
銀ナノ粒子分散液として、前記実施例3に記載する処理を施した銀ナノ粒子分散液(銀ナノ粒子含有比率 63質量%)を利用する。この銀ナノ粒子分散液(銀ナノ粒子含有比率 63質量%)の液粘度は、9mPa・s(20℃)であった。
金属化合物が添加されていない、このペースト状の銀ナノ粒子分散液を、ガラス基板上にインクジェット印刷法を用いて塗布し、5mm×50mm、膜厚2μmの均一な塗布膜とした。その後、350℃の硬化炉に投入し、大気中、60min加熱保持した。この加熱処理後、ガラス基板表面上、銀白色の鏡面状の表面形状を呈する、銀ナノ粒子の焼結体層が形成されていた。得られた銀ナノ粒子の焼結体層は、平均厚さ1.4μm、前記平均膜厚の矩形導電体膜と仮定して、測定された体積固有抵抗率は、1.9μΩ・cmと見積もられる。なお、銀自体の抵抗率1.59μΩ・cm(20℃)と対比すると、得られた銀ナノ粒子の焼結体層は、良好な導電特性を示していると判断される。
得られた銀ナノ粒子の焼結体層のガラス基板に対する密着性に関して、下記の方法で評価した。ガラス基板表面の銀ナノ粒子焼結体層に対して、その表面から金属ニードルで削除を試みた。銀ナノ粒子焼結体層表面を金属ニードルで擦ると、その部分から、ガラス基板表面の焼結体層が簡単に剥離した結果、基板表面が露呈する部分が見出される。
本発明にかかる導電性ペーストは、印刷法を利用して、下地基板とするガラス基板などの平坦な表面に対して、目的とする微細なパターンに塗布した上で、対象とする下地基板の材質に応じて、加熱処理温度を選択することで、種々の材質の下地基板上に、優れた密着性を示し、同時に、良好な導電特性を有する金属微粒子焼結体層の作製が可能となる。

Claims (8)

  1. 基板表面上に、金属微粒子焼結体型の金属薄膜層を形成する用途に利用可能な導電性金属ペーストであって、
    該導電性金属ペーストは、分散溶媒中に均一に分散された、微細な平均粒子径の金属微粒子と、金属化合物1種以上ならびに前記金属化合物1種以上を溶解可能なアミン系溶媒とを含んでなり、
    前記微細な平均粒子径の金属微粒子は、その平均粒子径が1〜100nmの範囲に選択され、
    金属微粒子表面は、かかる金属微粒子に含まれる金属元素と配位的な結合が可能な基として、窒素、酸素、またはイオウ原子を含み、これら原子の有する孤立電子対による配位的な結合が可能な基を有する化合物1種以上により被覆されており、
    前記金属化合物1種以上に含まれる金属種は、前記基板表面を構成する材料に対して密着性を示す金属種の群から選択され、
    前記金属微粒子100質量部に対して、前記窒素、酸素、またはイオウ原子を含む基を有する化合物一種以上を総和として、10〜60質量部を含有しており、
    前記金属微粒子100質量部に対して、前記金属化合物1種以上は、該金属化合物1種以上中に含まれる金属の総和として、0.3〜7質量部の比率で含有されており、
    前記金属化合物1種以上を溶解可能な前記アミン系溶媒の配合比率は、前記金属化合物1種以上中に含まれる金属の総和10質量部当たり、前記アミン系溶媒100〜500質量部の範囲に選択され、
    前記分散溶媒として、前記窒素、酸素、またはイオウ原子を含む基を有する化合物一種以上を溶解可能であり、同時に、前記金属化合物ならびに前記金属化合物を溶解可能なアミン系溶媒からなる溶液を均一に希釈可能な有機溶剤一種以上を含む
    ことを特徴とする導電性金属ペースト。
  2. 前記金属化合物は、有機物アニオン種ならびに該金属のカチオン種を含んでなる金属化合物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の導電性金属ペースト。
  3. 有機物アニオン種ならびに金属のカチオン種を含む、前記金属化合物は、
    有機酸由来の有機物アニオン種を含んでなる有機酸の該金属塩、または、有機物アニオン種を配位子とする該金属の錯化合物である
    ことを特徴とする請求項2に記載の導電性金属ペースト。
  4. 前記金属化合物1種以上中に含まれる、金属種は、銅、ビスマスからなる群から選択される金属である
    ことを特徴とする請求項1に記載の導電性金属ペースト。
  5. 前記平均粒子径が1〜100nmの範囲に選択される金属微粒子を構成する金属種は、
    金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、アルミニウムからなる群から選択される金属種、あるいは、それら二種以上の合金である
    ことを特徴とする請求項1に記載の導電性金属ペースト。
  6. 前記微細な平均粒子径の金属微粒子は、その平均粒子径が5〜20nmの範囲に選択される
    ことを特徴とする請求項1に記載の導電性金属ペースト。
  7. 前記金属化合物1種以上には、
    250℃〜600℃に範囲に選択される温度に加熱する際、含まれる金属イオン種の還元が生じ、該金属原子を生成可能な金属化合物を選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載の導電性金属ペースト。
  8. 前記基板表面を構成する材料がガラス材料である際、
    前記金属化合物1種以上に含まれる金属種として、銅、ビスマスを選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載の導電性金属ペースト。
JP2006526010A 2004-06-23 2004-06-23 導電性金属ペースト Expired - Fee Related JP4496216B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2004/008806 WO2006011180A1 (ja) 2004-06-23 2004-06-23 導電性金属ペースト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2006011180A1 true JPWO2006011180A1 (ja) 2008-05-01
JP4496216B2 JP4496216B2 (ja) 2010-07-07

Family

ID=35785938

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006526010A Expired - Fee Related JP4496216B2 (ja) 2004-06-23 2004-06-23 導電性金属ペースト

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8021580B2 (ja)
EP (1) EP1780732B1 (ja)
JP (1) JP4496216B2 (ja)
CN (1) CN100587855C (ja)
DE (1) DE602004020396D1 (ja)
WO (1) WO2006011180A1 (ja)

Families Citing this family (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004075211A1 (en) * 2003-02-20 2004-09-02 The Regents Of The University Of California Method of forming conductors at low temperatures using metallic nanocrystals and product
JP5030267B2 (ja) * 2004-04-16 2012-09-19 独立行政法人物質・材料研究機構 金属コロイド顔料、導電ペースト材料または導電性インク材料の製造方法
JP5636188B2 (ja) 2006-07-21 2014-12-03 ヴァルティオン テクニリネン ツッツキムスケスクス 導体および半導体の製造方法
JP2008069374A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Nippon Shokubai Co Ltd 金属ナノ粒子分散体および金属被膜
KR100709724B1 (ko) * 2007-01-30 2007-04-24 (주)이그잭스 도전막 형성을 위한 금속 페이스트
JP5368683B2 (ja) * 2007-07-17 2013-12-18 株式会社日本触媒 金属ナノ粒子分散体および金属被膜
JP4838219B2 (ja) * 2007-10-01 2011-12-14 ハリマ化成株式会社 金属ナノ粒子焼結体の製造方法
SG178931A1 (en) * 2009-09-04 2012-04-27 Basf Se Composition for printing electrodes
JP5468885B2 (ja) * 2009-12-01 2014-04-09 ハリマ化成株式会社 導電性アルミニウムペースト
JP2011252194A (ja) * 2010-06-01 2011-12-15 Murata Mfg Co Ltd 金属粉末とその製造方法および金属粉末を用いた導電性ペーストとそれを用いた積層セラミック電子部品
JP5506042B2 (ja) * 2010-07-27 2014-05-28 ハリマ化成株式会社 導電性銅ペースト
KR101228675B1 (ko) 2010-12-06 2013-01-31 삼성전기주식회사 내부 전극용 도전성 페이스트 및 이를 포함한 적층 세라믹 전자부품
US8643165B2 (en) 2011-02-23 2014-02-04 Texas Instruments Incorporated Semiconductor device having agglomerate terminals
WO2013036519A1 (en) 2011-09-06 2013-03-14 Henkel Corporation Conductive material and process
WO2013036347A1 (en) * 2011-09-06 2013-03-14 Henkel Corporation Di-or poly-functional electron deficient olefins coated metal powders for solder pastes
JP6300731B2 (ja) 2011-12-23 2018-03-28 ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ イリノイ 導電性銀構造を形成するためのインク組成物
JP6037494B2 (ja) * 2012-01-11 2016-12-07 国立大学法人山形大学 銀ナノ粒子の製造方法及び銀ナノ粒子、並びに銀塗料組成物
KR101412812B1 (ko) * 2012-07-18 2014-06-27 삼성전기주식회사 도전성 구리 페이스트 조성물 및 이를 이용한 금속 박막의 형성방법
JP2014034697A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Furukawa Co Ltd 銅微粒子の製造方法、導電性ペーストおよび導電性ペーストの製造方法
JP5960543B2 (ja) * 2012-08-08 2016-08-02 古河機械金属株式会社 銅微粒子の製造方法、および導電性ペーストの製造方法
US9725614B2 (en) 2013-04-19 2017-08-08 Xerox Corporation Conductive ink compositions and methods for preparation of stabilized metal-containing nanoparticles
CN105579533B (zh) 2013-08-16 2020-04-14 汉高知识产权控股有限责任公司 亚微米银颗粒油墨组合物、方法和用途
JP6132716B2 (ja) 2013-09-10 2017-05-24 株式会社東芝 金属粒子ペースト、これを用いた硬化物、および半導体装置
JP5924609B2 (ja) * 2013-12-03 2016-05-25 国立大学法人山形大学 金属薄膜の製造方法及び導電構造の製造方法
CN103745763B (zh) * 2014-01-21 2016-04-27 江苏欧耐尔新型材料有限公司 太阳能电池背面电极浆料及其制备方法
US9982154B2 (en) 2014-04-17 2018-05-29 Electroninks Incorporated Solid ink composition
CN106537516A (zh) * 2014-07-21 2017-03-22 太阳化学公司 含有有机铋化合物的银糊料和其在太阳能电池中的应用
US20180076343A1 (en) * 2015-03-27 2018-03-15 Heraeus Deutschland GmbH & Co. KG Electro-conductive pastes comprising an organic metal oxide
WO2017094166A1 (ja) 2015-12-03 2017-06-08 ハリマ化成株式会社 導電性ペーストの製造方法
US9865527B1 (en) 2016-12-22 2018-01-09 Texas Instruments Incorporated Packaged semiconductor device having nanoparticle adhesion layer patterned into zones of electrical conductance and insulation
US9941194B1 (en) 2017-02-21 2018-04-10 Texas Instruments Incorporated Packaged semiconductor device having patterned conductance dual-material nanoparticle adhesion layer
JP2017162824A (ja) * 2017-04-17 2017-09-14 株式会社東芝 金属粒子ペースト、これを用いた硬化物、および半導体装置
JPWO2019065965A1 (ja) * 2017-09-29 2020-09-10 ハリマ化成株式会社 導電性ペースト
KR102239330B1 (ko) * 2019-06-12 2021-04-12 엘지전자 주식회사 제어된 산화막을 가지는 면상 발열체 및 그 제조방법

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030108664A1 (en) * 2001-10-05 2003-06-12 Kodas Toivo T. Methods and compositions for the formation of recessed electrical features on a substrate

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2561537B2 (ja) * 1989-03-30 1996-12-11 真空冶金株式会社 金属ペースト及びその製造方法
US5882722A (en) * 1995-07-12 1999-03-16 Partnerships Limited, Inc. Electrical conductors formed from mixtures of metal powders and metallo-organic decompositions compounds
US5922403A (en) 1996-03-12 1999-07-13 Tecle; Berhan Method for isolating ultrafine and fine particles
JP3662715B2 (ja) 1997-06-16 2005-06-22 アルプス電気株式会社 導電性材料および導電ペーストと電子機器
JP3666371B2 (ja) * 2000-08-08 2005-06-29 株式会社村田製作所 導電性ペーストおよび積層セラミック電子部品
TW591095B (en) 2000-10-25 2004-06-11 Harima Chemical Inc Electro-conductive metal paste and method for production thereof
US6951666B2 (en) * 2001-10-05 2005-10-04 Cabot Corporation Precursor compositions for the deposition of electrically conductive features
US7553512B2 (en) * 2001-11-02 2009-06-30 Cabot Corporation Method for fabricating an inorganic resistor
JP4066247B2 (ja) 2002-10-07 2008-03-26 日本ペイント株式会社 ニッケルコロイド溶液及びその製造方法
JP4284550B2 (ja) * 2003-09-12 2009-06-24 独立行政法人産業技術総合研究所 微細な液滴の形状で噴射し、積層塗布可能な金属ナノ粒子分散液
JP2005174824A (ja) 2003-12-12 2005-06-30 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 金属ペースト及び該金属ペーストを用いた膜形成方法
KR101145566B1 (ko) * 2005-04-20 2012-05-22 피브로-테크, 인코포레이티드 미립자 구리 분말의 제조 방법

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030108664A1 (en) * 2001-10-05 2003-06-12 Kodas Toivo T. Methods and compositions for the formation of recessed electrical features on a substrate

Also Published As

Publication number Publication date
US8021580B2 (en) 2011-09-20
CN100587855C (zh) 2010-02-03
US20080105853A1 (en) 2008-05-08
EP1780732A1 (en) 2007-05-02
EP1780732A4 (en) 2008-07-30
CN1973341A (zh) 2007-05-30
DE602004020396D1 (de) 2009-05-14
JP4496216B2 (ja) 2010-07-07
EP1780732B1 (en) 2009-04-01
WO2006011180A1 (ja) 2006-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4496216B2 (ja) 導電性金属ペースト
CN107848077B (zh) 含金属微粒的组合物
JP3764349B2 (ja) 金属微粒子分散液を用いたメッキ代替導電性金属皮膜の形成方法
KR100841665B1 (ko) 동 미립자 소결체형의 미세 형상 도전체의 형성 방법, 그방법을 응용한 동미세 배선 및 동박막의 형성 방법
WO2017033911A1 (ja) 低温焼結性に優れる金属ペースト及び該金属ペーストの製造方法
JP6349310B2 (ja) 金属接合用組成物
TWI772522B (zh) 含金屬粒子、連接材料、連接結構體、連接結構體之製造方法、導通檢查用構件及導通檢查裝置
WO2005023702A1 (ja) 金属ナノ粒子及びその製造方法、金属ナノ粒子分散液及びその製造方法、並びに金属細線及び金属膜及びその形成方法
JP2013055193A (ja) 導電性金属膜の形成方法
JP2015082385A (ja) 銀ペースト及びそれを用いた半導体装置、並びに銀ペーストの製造方法
JP5468885B2 (ja) 導電性アルミニウムペースト
JP2012119132A (ja) 導電性金属ペースト
US20110284807A1 (en) Metal fine particle, conductive metal paste and metal film
WO2016067599A1 (ja) 接合用組成物
JP4792203B2 (ja) 導電性ito膜上への金属薄膜層の形成方法、および該方法による導電性ito膜上の金属薄膜層
JP2009267300A (ja) 多層配線基板の製造方法
JP5988762B2 (ja) 金属被膜の形成方法、スルーホール用導電性被膜の形成方法及び電子部品の固定方法
JP5124822B2 (ja) 複合金属粉体およびその分散液の製造法
KR100784762B1 (ko) 도전성 금속 페이스트
JP6669420B2 (ja) 接合用組成物
JP6938125B2 (ja) 接合体およびその製造方法、並びに半導体モジュール
JP5707726B2 (ja) 導電性金属ペースト用金属微粒子および導電性金属ペーストならびに金属膜
JP6603989B2 (ja) 複合粒子及びその製造方法、導電性ペースト、焼結体、並びに半導体装置
WO2019065965A1 (ja) 導電性ペースト
JP4517290B2 (ja) 金属粒子複合構造体とその製造方法およびそれを用いた異方導電膜

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090617

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100301

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100331

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4496216

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees