JP2014034697A - 銅微粒子の製造方法、導電性ペーストおよび導電性ペーストの製造方法 - Google Patents

銅微粒子の製造方法、導電性ペーストおよび導電性ペーストの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原料の粒子径に関係なく平均粒子径1μm以下の銅微粒子を安定的に製造できる銅微粒子の製造方法、上記方法により得られた銅微粒子を使用した導電性ペーストおよび導電性ペーストの製造方法を提供する。
【解決手段】水、親水性溶媒またはこれらの混合溶媒からなる溶媒中において、一価の銅化合物を含む銅源と酸とを反応させる工程を有し、前記反応させる工程が、前記酸に前記一価の銅化合物を溶解させる工程と、前記酸に溶解した前記一価の銅化合物が反応することによって、銅微粒子を析出する工程と、を含み、前記銅微粒子を析出する工程において、前記溶媒中にはハロゲンイオンおよび水溶性高分子を存在させている。
【選択図】図1

Description

本発明は、銅微粒子の製造方法、導電性ペーストおよび導電性ペーストの製造方法に関するものである。
従来、ペースト・インクとしては、銀、銅などの金属粒子を使用したものが販売されている。例えば、ペースト・インクの1種である銀粒子を含む銀インクは、太陽電池等の回路、電極に用いられている。
また、ペースト・インクに用いられる金属粒子としてサブミクロンを下回る平均粒子径を有する金属粒子は、ナノサイズ効果により融点降下が起こるという利点がある。この利点を活用して、銀インクでは常温焼成を可能とするインクが販売されている。
しかしながら、銀インクは、銀粒子の価格が高く、付加価値の高い太陽電池などの一部の製品にしか普及していない。また、普及した分野についても、価格競争の観点において、さらに安価な導電材料が求められている。
そこで、安価であり、かつ常温焼成を可能とする金属粒子として、銅微粒子が注目されている。銅微粒子は、金属価格にして銀の100分の1程度であり、銀と比べてエレクトロマイグレーションを起こしにくい。しかしながら、銅微粒子は、酸化されやすいという問題点も併せ持っている。このため、窒素雰囲気下などの非酸化性雰囲気において銅微粒子を焼成することが検討されている。
近年、銅微粒子の低温焼成についても、例えば、非酸化性雰囲気下180℃の低温焼成において、めっき並みの配線抵抗を実現した銅ペーストとその化学反応を利用した焼成法等が提案されている。
なお、焼成に用いる銅微粒子の製造方法としては、例えば、不均化反応法がある。不均化反応法による銅微粒子の製造方法は、安価であり、最低限一価の銅源と酸さえあれば反応でき、かつガスの発生もないため、最も一般的な方法として知られている。
銅微粒子を製造する際に用いる不均化反応法として汎用的な方法としては、一価の銅源である亜酸化銅に硫酸を加えて式(1)の反応により銅微粒子を製造する方法が挙げられる。しかしながら、式(1)の反応を用いて銅微粒子を製造する場合、原料である銅化合物と酸とを短時間で混合しない限り、粒成長が起こってしまう。このため、粒子径の大きい銅微粒子や、粒径分布が広い不均一な銅粒子が得られるという問題点があった。
(式1)
CuO+HSO→Cu+CuSO+HO (1)
上記問題点を解決する方法としては、例えば、特許文献1や2に記載の方法が提案されている。
特許文献1には、不均化反応において、ゼラチンなどの添加剤を、水を主成分とする水性媒体中で使用して銅粒子を得る方法が記載されている。なお、この方法では、平均粒径が0.5〜3.0μmの銅微粒子が得られることが開示されている。
特許文献2には、亜酸化銅を出発原料とし、硫酸とヒドロキシカルボン酸の混酸により不均化反応を起こす方法が記載されている。なお、この方法では、特殊な装置を使用せず、反応温度も常温で、10〜50nmの銅微粒子が得られることが開示されている。
特開2010−222706号公報 特許4687599号
しかしながら、特許文献1や2に記載の方法を用いた場合、以下に説明する課題を有していることを本発明者らは知見した。
具体的には、特許文献1に記載の方法を用いた場合、得られる銅粒子のほとんどが、平均粒径が1μm以上となることが分かった。また、特許文献1に記載の方法では、反応開始温度を10℃以下にしなければならないため、銅微粒子の製造にかかる労力とコストが増大してしまう。
次に、特許文献2に記載の方法を用いた場合、10〜50nmの銅微粒子を得るためには、原料として用いる亜酸化銅を、事前に、遊星ボールミルによりサブミクロン以下にする必要があることが分かった。このため、特許文献2に記載の方法による銅微粒子の製造は、生産性に乏しく、かつ銅微粒子の製造にかかるコストが増大してしまう。さらに、特許文献2に記載の方法では、反応溶液中の銅の濃度を数重量%以下にしない限り、得られた銅粒子の凝集が生じ、粒子径が大きくなってしまっていた。
また、特許文献2に記載の方法では、得られる銅微粒子の粒子径を制御するため、亜酸化銅と混合酸の混合時間を5分未満としている。しかしながら、この方法を用いた場合、得られる銅微粒子の粒径分布が広くなってしまうということを本発明者らは、知見した。
このように、従来の銅微粒子の製造方法によれば、安全性や効率に優れ、焼結活性の高い金属微粒子が得られるものの、サブミクロンメーター以下の銅微粒子を安価に大量合成することは困難であることを、本発明者らは見いだした。そこで、安価に、粒子径がサブミクロン以下であり、かつ低温焼成が可能な銅微粒子を工業的に大量生産できる方法が求められている。
本発明は、以上のような事情を鑑みて、原料の粒子径に関係なく平均粒子径1μm以下の銅微粒子を安定的に製造できる銅微粒子の製造方法、上記方法により得られた銅微粒子を使用した導電性ペーストおよび導電性ペーストの製造方法を提供するものである。
本発明者らは、不均化反応法であり、原料の粒子径に関係なく平均粒子径1μm以下の銅微粒子を安定的に製造することについて鋭意研究を重ねた。その結果、ハロゲンイオンまたは水溶性物質を、反応溶液に含ませることによって、原料の粒子径に関係なく平均粒子径1μm以下の銅微粒子が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、水、親水性溶媒またはこれらの混合溶媒からなる溶媒中において、一価の銅化合物を含む銅源と酸とを反応させる工程を有し、
前記反応させる工程が、前記酸に前記一価の銅化合物を溶解させる工程と、
前記酸に溶解した前記一価の銅化合物が反応することによって、銅微粒子を析出する工程と、
を含み、
前記銅微粒子を析出する工程において、前記溶媒中にはハロゲンイオンおよび水溶性高分子を存在させていることを特徴とする銅微粒子の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、上記銅微粒子の製造方法により得られた銅微粒子を用いて作製する導電性ペーストが提供される。
さらに、本発明によれば、上記銅微粒子の製造方法により得られた銅微粒子を得る工程と、
前記銅微粒子を用いて導電性ペーストを得る工程と、
を有する導電性ペーストの製造方法が提供される。
本発明によれば、原料の粒子径に関係なく平均粒子径1μm以下の銅微粒子を安定的に製造できる銅微粒子の製造方法、上記方法により得られた銅微粒子を使用した導電性ペーストおよび導電性ペーストの製造方法を提供することができる。
実施例1で得られた銅微粒子のSEM写真である。 実施例2で得られた銅微粒子のSEM写真である。 比較例1で得られた銅微粒子のSEM写真である。 比較例2で得られた銅微粒子のSEM写真である。 実施例8で得られた銅微粒子のSEM写真である。 実施例10で得られた銅微粒子のSEM写真である。
<銅微粒子の製造方法>
本実施形態に係る銅微粒子の製造方法は、式(1)の不均化反応法を用いるものである。
(式2)
CuO+HSO→Cu+CuSO+HO (1)
本実施形態に係る銅微粒子の製造方法は、水、親水性溶媒またはこれらの混合溶媒からなる溶媒中において、一価の銅化合物を含む銅源と酸とを反応させている。なお、本実施形態に係る溶媒中には、ハロゲンイオンおよび水溶性高分子が含まれている。こうすることで、原料である一価の銅化合物を含む銅源の粒子径に関係なく平均粒子径1μm以下の銅微粒子を安定的に製造することができる。
なお、以下の説明において、「平均粒子径」という記載は、定方向接続径の測定によって求めた粒径分布における積算値50%の粒子径を意味する。また、「粒径分布」という記載は、SEM像から無作為に約300個の粒子に対して、粒子径を測定し求めた値を意味する。
以下に、本実施形態に係る銅微粒子の製造方法について詳説する。
本実施形態に係る銅微粒子の製造方法によれば、まず、水、親水性溶媒またはこれらの混合溶媒からなる溶媒中(以下、「反応溶液」とも云う。)において、銅源に含まれる一価の銅化合物が酸に溶解する。なお、この銅化合物は、溶解したことにより、一価の銅イオンとして反応溶液中に含まれる。次に、一価の銅イオンが、不均化反応により零価の銅と二価の銅となり、このうち零価の銅は反応溶液中に析出する。こうすることにより、本実施形態に係る銅微粒子が得られる。
また、本実施形態に係る銅微粒子の製造方法では、銅微粒子を析出させる際、反応溶液中にハロゲンイオンおよび水溶性高分子を存在させている。これらハロゲンイオンおよび水溶性高分子は、析出した銅微粒子の凝集、および銅微粒子の粒子径成長を抑制するために反応溶液中に含まれている。こうすることで、原料となる銅源の粒子径に関係なく平均粒子径1μm以下の銅微粒子を安定的に製造することができる。なお、反応溶液中にハロゲンイオンおよび水溶性高分子を含ませることにより銅微粒子の凝集、および銅微粒子の粒子径成長を抑制できる理由は必ずしも明らかではないが、一価の銅化合物と酸とが反応して得られた銅微粒子の表面に、水溶性物質やハロゲンイオンが吸着することにより、当該銅微粒子表面をコーティングした状態となるものと考えられる。このため、銅微粒子同士の凝集は抑制されると考えられる。これにより、本実施形態に係る銅微粒子の製造方法によれば、反応時間が長時間となった場合においても、反応溶液中に原料である銅源が高濃度で含まれている場合においても、均一かつサブミクロンサイズ(平均粒子径1μm以下)の銅微粒子を安定的に合成することができる。
また、本実施形態に係る銅微粒子の製造方法によれば、反応開始温度を制御することなく、常時、大気雰囲気下、反応を進行させることができる。こうすることによって、銅微粒子を合成する際にかかるコストを削減することができる。
次に、一価の銅化合物を含む銅源と酸とを含む反応溶液の調製方法について説明する。
まず、一価の銅化合物を含む銅源を水、親水性溶媒またはこれらの混合溶媒からなる溶媒に分散し、銅分散液を調製する。この銅分散液と酸とを混合することによって、本実施形態に係る反応溶液を得ることができる。
なお、銅分散液と酸との混合方法は、銅分散液に酸を直接滴下して混合する方法であっても、酸に銅分散液を直接滴下して混合する方法であっても、銅分散液を、酸に対して霧状に噴射する方法であっても、酸を、銅分散液に対して霧状に噴射する方法であっても、銅分散液と酸の両方を、霧状にして噴射混合する方法であってもよく、銅分散液を酸に対して霧状に噴射して混合する方法を用いることが好ましい。こうすることによって、反応溶液中における一価の銅化合物と酸の濃度分布を、直接滴下して混合する場合と比較して短時間で均一にすることができる。このため、一価の銅化合物と酸との反応により得られる銅微粒子の濃度が、反応溶液中において局所的に高濃度となることを防ぐことができる。すなわち、酸と銅分散液のうち一方を他方に対して霧状に噴射して混合させることにより、反応溶液中において局所的に高濃度の箇所が発生することを抑制できる。このため、銅微粒子同士の凝集が生じにくい環境を形成することができる。こうすることによって、得られる銅微粒子の平均粒子径をより一層高度に制御することができる。
本実施形態における一価の銅化合物としては、例えば、亜酸化銅、塩化銅(I)等の一価の銅の化合物が挙げられる。なお、毒性の低さ、取り扱い易さ、さらには酸への溶解性が良好であるとの観点から、一価の銅化合物としては亜酸化銅を用いることが好ましい。こうすることによって、安全に、かつ簡便な方法で平均粒子径1μm以下の銅微粒子を得ることができる。
また、製造原料として用いる一価の銅化合物の粒子径としては、好ましくは1nm以上100μm以下であり、さらに好ましくは1nm以上10μm以下である。こうすることによって、得られる銅微粒子の平均粒子径をより一層高度に制御することができる。
本実施形態におけるハロゲンイオンとしては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなどのハロゲンがイオン化したものであればよく、銅微粒子の表面に対する特異吸着能の高い塩素イオンを用いることが好ましい。なお、これらハロゲンイオンを反応溶液中に供給するハロゲンイオン源としては、反応溶液中で溶解し、イオンの形で溶液中に分散するものであればよく、塩化ナトリウムを用いることが好ましい。こうすることによって、平均粒子径1μm以下の銅微粒子をより一層安定的に製造することができる。
なお、ハロゲンイオンを反応溶液中に供給するハロゲンイオン源としては、本実施形態に係る銅源中に含まれているハロゲンイオンを用いることが最も好ましい。こうすることによって、得られた銅微粒子表面を水溶性物質およびハロゲンイオンがコーティングし、銅微粒子同士の凝集、および銅微粒子の粒子径成長を抑制することができ、平均粒子径1μm以下の銅微粒子を製造することができる。
本実施形態における親水性溶媒としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルカンジオールやグリセリンなどの多価アルコール類、糖アルコール類、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン類等が挙げられる。本実施形態における親水性溶媒としては、これらの中から一種類以上を組み合わせて使用する。また、親水性溶媒としては、好ましくはアルコール類であり、さらには低分子量であり水との親和性があることで水溶性物質との相性も良いメタノールやエタノールなどの低級アルコール類を用いることが好ましい。
本実施形態における酸としては、例えば、硫酸、クエン酸、酢酸、リン酸等が挙げられ、硫酸を用いることが好ましい。さらに、これらの酸は、1種類単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。こうすることによって、平均粒子径1μm以下の銅微粒子を製造することできる。なお、酸として硫酸を用いることが好ましい理由としては、反応速度が速いため、一価の銅化合物と酸を混合したと同時に銅微粒子が合成されるため、短時間での銅微粒子の製造に最適であるということが挙げられる。
本実施形態における水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース類、デキストリン、デンプン、アルギン酸、キトサンなどの多糖類、アラビアゴムなどの各種天然ゴム、アルブミン、グロブリン、プロラミンなどの単純タンパク質の他、ゼラチン、アルブモース、ペプトン、核タンパク質、糖タンパク質などの各種タンパク質、またはこれらの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアミン、ポリビニルピロリドンなどのビニル系合成高分子とその誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルとその誘導体などが挙げられる。なお、本実施形態に係る水溶性高分子は、天然高分子及びその誘導体、合成高分子及びその誘導体から成る群より選択される1種または2種以上の成分を組み合わせて用いることが好ましい。
本実施形態における天然高分子とその誘導体としては、アルギン酸とその誘導体、でんぷんとその誘導体、キトサンとその誘導体の中から一種類以上を組み合わせて用いることが好ましい。
また、本実施形態における合成高分子とその誘導体としては、例えば、ポリエチレングリコールとその誘導体、ポリビニルアルコールとその誘導体、ポリビニルピロリドンとその誘導体の中から一種類以上を組み合わせて使用することが好ましい。
このように、天然高分子とその誘導体、あるいは合成高分子とその誘導体を選択して用いることによって、平均粒子径1μm以下の銅微粒子をより一層安定的に製造することができる。
次に、本実施形態に係る銅微粒子の製造方法に係る各操作手順について詳説する。なお、本実施形態に係る水溶性高分子およびハロゲンイオンは、銅分散液と酸のいずれか一方に含まれていればよく、両方に含まれていてもよい。以下、本発明の実施形態について、水溶性高分子およびハロゲンイオンを、銅分散液に対して添加する銅微粒子の製造方法を例に挙げて説明する。
まず、本実施液体に係る銅微粒子の製造方法によれば、水、親水性溶媒またはこれらの混合溶媒からなる溶媒に、一価の銅化合物を含む銅源、水溶性高分子およびハロゲンイオンを分散する。溶媒に対して銅源、水溶性高分子およびハロゲンイオンを添加する順番は、特に限定されないが、水溶性物質およびハロゲンイオンを添加した後、銅源を添加することが好ましい。こうすることによって、溶媒に対して、銅源、水溶性物質およびハロゲンイオンを短時間で均一に分散させることができるため、生成した銅微粒子同士の凝集を高度に抑制することができる。
また、本実施形態に係る銅微粒子の製造方法において反応溶液は、いかなる混合状態においても常に撹拌し続ける必要がある。撹拌方法は、特に限定されるものではないが、マグネチックスターラー等の撹拌手段を用いる方法や、手動で撹拌する方法等の汎用的な撹拌方法であればいかなる方法を用いてもよい。次に、反応溶液の撹拌速度は、特に限定されるものではないが、高速であるほど好ましい。こうすることによって、平均粒子径から大きく外れた粒子径をもつ銅微粒子の生成が少なくなり、均一な粒子径を有した銅微粒子を安定的に得ることができる。ただし、反応溶液中における一価の銅化合物を含む銅源の濃度が高くなるほど、反応溶液の粘度が増加するため、撹拌速度を高度に制御する必要がある。
なお、反応溶液中における一価の銅化合物を含む銅源の濃度は、好ましくは0.001g/L以上600g/L以下であり、さらに好ましくは0.001g/L以上250g/L以下である。こうすることによって、一価の銅化合物を反応溶液中に分散しやすくなるため、平均粒子径1μm以下の銅微粒子を安定的に製造することができる。なお、一価の銅化合物が亜酸化銅である場合、亜酸化銅濃度を30wt%程度にすると、水溶性物質の種類によってスラリーの一部が反応溶液の底に沈んでしまうため、撹拌出来なくなる。
次に、反応溶液中の水溶性高分子の濃度は、好ましくは0.01g/L以上であり、更に好ましくは0.1g/L以上である。同様に、反応溶液中のハロゲンイオン濃度は、好ましくは2mg/L以上であり、さらに好ましくは20mg/L以上である。こうすることによって、反応溶液に含まれる銅源の量に比べて、水溶性物質およびハロゲンイオンの量が、過剰に存在する状態を維持することができる。このため、上記で述べたように、得られた銅微粒子表面をハロゲンイオンおよび水溶性物質がコーティングし、銅微粒子同士の凝集、および銅微粒子の粒子径成長を抑制することができるものと考えられる。すなわち、平均粒子径1μm以下の銅微粒子を安定的に製造することができる。
また、本実施形態に係る製造方法により得られた銅微粒子の平均粒子径は、1μm以下である。ただし、反応溶液の撹拌速度、製造原料として用いる一価の銅化合物を含む銅源中に含まれるハロゲンイオン量、および銅分散液と酸を混合する方法等の種々の反応条件を適切に選択することによって、1μmよりもさらに小さい平均粒子径を有する銅微粒子を得ることができる。
具体的には、例えば、以下に挙げる方法を選択することにより、平均粒子径が1μm未満の銅微粒子が得られるよう制御することができる。銅分散液と酸を混合する際、片方を他方に添加し始めてから、添加し終えるまでにかかる時間は、好ましくは3秒以上であり、さらに好ましくは30秒以上である。こうすることによって、平均粒子径が0.8μm以下の銅微粒子を選択的に製造することができる。ただし、銅分散液と酸を混合する際、片方を他方に添加し始めから、添加し終えるまでにかかる時間を2秒以下とした場合、得られる銅微粒子の粒径分布が広がってしまい、平均粒子径の3倍以上の粒子径の粗大な銅粒子が製造される可能性がある。
次に、銅分散液と酸を混合する際、スプレーガンを用いて霧状に噴射して混合することによって、平均粒子径が100nm以下の銅微粒子を選択的に製造することができる。これに加えて、一価の銅化合物を含む銅源中にハロゲンイオンが含まれている製造原料を用いた場合には、平均粒子径が50nm以下の銅微粒子を選択的に製造することができる。
なお、本実施形態に係る銅微粒子の製造方法によれば、製造原料である銅源中に含まれる一価の銅化合物として平均粒子径が10μm以下のものを用いた場合、原料の粒径と、生成物である銅微粒子の粒径との間に相関はなくなる。この場合、生成物である銅微粒子の粒径は、ハロゲンイオンの添加方法、ハロゲンイオンの形態、および水溶性物質の種類に応じて得られる銅微粒子の平均粒子径を制御することができる。すなわち、製造原料として比較的粗大な粒子を含むものを用いた場合においても、水溶性物質およびハロゲンイオンを適切に選択することで、均一な粒子径を有する銅微粒子を製造することができる。このため、製造原料は、ボールミルやビーズミルなどで粉砕して使用してもよいが、その工程を省くことにより銅微粒子の製造にかかるコストを削減することが可能である。すなわち、原料粒子の粒子径を制御することなく平均粒子径が1μm以下の銅微粒子を安定的に製造することができる。
また、本実施形態の銅微粒子の製造方法によれば、得られた銅微粒子の酸化を防止する手法として、ヒドロキシカルボン酸を添加することが好ましい。こうすることによって、得られた銅微粒子の品質を保つことができる。具体的には、銅分散液と酸を混合する前に、溶媒あるいは酸に対してヒドロキシカルボン酸を添加するか、得られた銅微粒子を、ヒドロキシカルボン酸の水溶液に浸漬させることにより、得られた銅微粒子の酸化を防止することができる。
なお、本実施形態におけるヒドロキシカルボン酸としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、テトラカルボン酸などが挙げられる。また、これら中でも酒石酸を用いることが好ましい。こうすることにより、銅微粒子の酸化を効率的に防止することができる。
<導電性ペーストおよびその製造方法>
本実施形態に係る導電性ペーストは、平均粒子径1μm以下の銅微粒子を用いて製造することにより得られる。
具体的には、平均粒子径1μm以下の銅微粒子を溶剤として水もしくは有機溶剤を加えて混練することによって、銅ペーストとすることができる。このように、平均粒子径が1μm以下の銅微粒子を用いて銅ペーストを製造することによって、ナノサイズ効果による融点降下を活用し、低温焼成が可能なペースト・インクを製造することができる。
本実施形態における有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ターピネオール、トリエタノール、アミンを用いることが好ましい。これら有機溶剤の中でも、アミンは、還元能を持っているため、焼成時にペースト表面を局所的に還元性雰囲気にする効果があるため、特に好ましい。
また、溶媒として水を使用した場合、人体に有害性を持つ有機溶媒の使用量を減らすことができるため、銅ペーストとしての利用価値を高めることができる。なお、有機溶剤の添加量は、特に限定されるものではないが、スクリーン印刷やインクジェット印刷などの導電膜形成方法に適した粘度となるように、銅微粒子の粒度を考慮して添加量を調整すればよい。
さらに、本実施形態における導電性ペーストを製造する場合、粘度を調整するために樹脂成分を添加してもよい。樹脂成分としては、例えば、エチルセルロースに代表されるセルロース系樹脂などが挙げられ、ターピネオールなどの有機溶剤に溶解した有機ビヒクルとして添加される。樹脂成分の添加量は、焼結性を阻害しない程度に抑える必要がある。このため、樹脂成分の添加量は、好ましくは導電性ペースト全体の5重量%以下であり、さらに好ましくは2重量%である。
各実施例及び各比較例で用いた原料成分を下記に示した。
(一価の銅化合物を含む銅源)
銅源1:亜酸化銅粉(関東化学株式会社製、酸化銅(I),3N、平均粒子径1μm)
銅源2:亜酸化銅粉(亜酸化銅粉(古河ケミカルズ(株)製、亜酸化銅、平均粒子径3μm)
(酸)
酸:濃硫酸(関東化学株式会社製、硫酸特級、濃度96%)
(ハロゲンイオン)
ハロゲンイオン1:塩化ナトリウム(和光純薬工業(株)製、試薬特級)
ハロゲンイオン2:ヨウ化カリウム(和光純薬工業(株)製、和光特級)
(水溶性物質)
水溶性物質1:ポリビニルピロリドンK25(和光純薬工業(株)製、和光特級)
水溶性物質2:ポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、試薬特級)
水溶性物質3:ポリエチレングリコール6000(Serva Electrophoresis GmbH社製)
水溶性物質4:アルギン酸プロピレングリコール(和光純薬工業(株)製、化学用)
(その他の原料成分)
溶媒:純水もしくはエタノール(大伸化学株式会社製ネオエタノールP−7)
ヒドロキシカルボン酸:L−酒石酸(和光純薬工業(株)製、試薬)
なお、銅源1および2に対して、不純物として含まれているハロゲン元素である塩素量について化学分析を行った。その結果、銅源1の亜酸化銅粉には、10重量ppm未満の塩素が、銅源2の亜酸化銅粉には、200重量ppm未満の塩素が、含まれていることを確認した。
<銅微粒子の製造>
(実施例1)
まず、200mlビーカーに純水60.0gを入れ、マグネチックスターラーで攪拌を開始した。この純水に対し、ハロゲンイオン1を0.05g(0.85mmol)、水溶性物質1を2.0gおよび銅源1を10.0g加え、攪拌することにより亜酸化銅粉スラリーを得た。
また、100mlビーカーに純水20.0gを入れ、濃硫酸25.0gを添加することにより希硫酸を調整した。
次に、室温(加熱又は冷却なし)において、撹拌しつづけている亜酸化銅粉スラリーに対し、希硫酸を30秒かけて混合した。なお、希硫酸の添加方法は、ビーカーから直接滴下して混合する方法を用いた。亜酸化銅粉スラリーに希硫酸を混合した後、1時間撹拌を続けることにより銅微粒子を析出させた。なお、この際の反応溶液中の塩化物イオン濃度は8.1mmol/lとなる。
(実施例2)
銅源1を、30.0g用いた点以外は、実施例1と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。
(実施例3)
水溶性物質1ではなく、水溶性物質2を用いた点以外は、実施例1と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。
(実施例4)
水溶性物質1ではなく、水溶性物質3を用いた点以外は、実施例1と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。
(実施例5)
ハロゲンイオン1ではなく、ハロゲンイオン2を0.14g(0.85mmol)用いた点以外は、実施例1と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。なお、この際の反応溶液中のヨウ化物イオン濃度は8.1mmol/lとなる。
(実施例6)
銅源1ではなく、銅源2を用いた点、およびハロゲンイオン1を添加しなかった点以外は、実施例1と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。なお、銅源2は銅源1より多く塩素を含有しているため、10.0gの銅源2を用いた場合、反応溶液中の塩化物イオン濃度は0.81mmol/lとなる。
(実施例7)
銅源2を30.0g用いた点以外は、実施例6と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。
(実施例8)
水溶性物質1ではなく、水溶性物質4を0.3g用いた点以外は、実施例1と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。
(実施例9)
酸と亜酸化銅の混合方法として、亜酸化銅スラリーに対してビーカーから直接添加するのではなく、マグネチックスターラーで撹拌している亜酸化銅スラリーを10ml/分ずつスプレーガンを用い、攪拌中の希硫酸に対して亜酸化銅スラリーを霧状に噴射して混合した事以外は、実施例1と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。
(実施例10)
銅源1ではなく、銅源2を用いた点、およびハロゲンイオン1を添加しなかった点以外は、実施例9と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。なお、銅源2は銅源1より多く塩素を含有しているため、10.0gの銅源2を用いた場合、反応溶液中の塩化物イオン濃度は0.81mmol/lとなる。
(実施例11)
亜酸化銅スラリーに、ヒドロキシカルボン酸を7.5gさらに添加した点以外は、実施例1と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。
(比較例1)
ハロゲンイオン1を添加しなかった点以外は、実施例1と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。
(比較例2)
水溶性物質1およびハロゲンイオン1を添加しなかった点以外は、実施例1と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。
(実施例12)
溶媒として、純水ではなくエタノール57gを用いた点、水溶性物質1ではなく水溶性物質3を用いた点、およびハロゲンイオン1を3.0gの純水に溶かしてから添加した点以外は、実施例1と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。
(比較例3)
ハロゲンイオン1を添加しなかった点以外は、実施例12と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。
(比較例4)
ハロゲンイオン1および水溶性物質3を添加しなかった点以外は、実施例9と同様の方法を用いて銅微粒子を析出させた。
析出した銅微粒子について、下記に示す測定及び評価を行った。
析出した銅微粒子を遠心分離によって回収し、X線回折法((株)リガク製、RINT-2000)により、得られた銅微粒子が銅単相であるかどうかを確認した。また、銅微粒子の結晶子径は、X線回折パターンからシェラーの式により算出した。
遠心分離により回収した銅微粒子を、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、FE−SEM S−4700、以下、SEMと云う。)を用いて観察し、銅微粒子の平均粒子径を測定した(例えば、図1−6)。なお、銅微粒子の粒子径は、SEM観察(平均粒子径が100nm以下の場合は撮影倍率5万倍、100〜700nmの場合は撮影倍率2万5千倍、700nm以上の場合は撮影倍率5千倍)において、約300個の粒子を無作為に選択して測定した。
大気中における銅微粒子の酸化の進行度合いは、X線回折パターンより銅と亜酸化銅の割合を示す指標として、主ピークである銅の(111)反射強度(2θ=43.3°)を100とした時の亜酸化銅の(111)反射(2θ=36.5°)の相対強度を用いて調べた。
実施例1−12および比較例1−4の方法で得られた銅微粒子は、いずれも銅単相であった。
以下の表1に、溶媒として純水を用いている実施例1−11および比較例1−2の方法で得られた銅微粒子の平均粒子径および結晶子径に関する評価結果を示す。
本発明に係る製造方法により得られた銅微粒子は、いずれも原料粒子の粒子径に関係なく平均粒子径1μm以下である銅微粒子を製造できた。また、混合方法としてスプレーガンを用いて霧状に噴射して混合する方法を用いることによって、直接滴下して混合する方法を用いて混合して得られた銅微粒子の約1/3程度の平均粒子径を有する銅微粒子を得ることができた。
以下の表2に、ヒドロキシカルボン酸の添加による酸化防止効果について、実施例1および11の銅微粒子が得られた後からの経過日数に伴う銅純度の測定結果を示す。
以下の表3に、溶媒としてエタノールを用いている実施例12および比較例3−4の方法で得られた銅微粒子の平均粒子径および結晶子径に関する評価結果を示す。
表3に示すように、本実施形態に係る製造方法によれば、溶媒として純水を用いなかったとしても、原料となる銅源の粒子径に関係なく平均粒子径1μm以下の銅微粒子を安定的に製造できた。
<導電性ペースト>
(実施例13)
実施例6の方法により得られた銅微粒子をイオン交換水中に再分散させた後、遠心分離を行うことで、銅微粒子を回収した。次に、回収した銅微粒子の洗浄を行った。洗浄後、銅微粒子を秤量し、銅濃度が85重量%になるように、ポリエチレングリコール5重量%及びイオン交換水10重量%を添加し、乳鉢を用いて混錬することにより導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストを、スクリーン印刷機を用いて基板上に塗布した。その後、窒素雰囲気中において250℃で1時間の熱処理を行うことで、抵抗率が8×10−6Ω・cmである導電膜を形成した。なお、抵抗値は日置電機株式会社製のミリオームハイテスター3540により、四探針法により測定を行った。
(実施例14)
実施例6ではなく実施例8の方法により得られた銅微粒子を用いた点、ポリエチレングリコール5重量%及びイオン交換水10重量%ではなくトリエタノールアミン15重量%を用いて混練した点以外は、実施例12と同様の方法を用いて導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストを、スクリーン印刷機を用いて基板上に塗布した。その後、窒素雰囲気中において250℃で1時間の熱処理を行うことによって、抵抗率が4×10−6Ω・cmである導電膜を形成した。また、同様に150℃で1時間の熱処理を行うことにより、抵抗率が2×10−5Ω・cmである導電膜を形成することができた。

Claims (18)

  1. 水、親水性溶媒またはこれらの混合溶媒からなる溶媒中において、一価の銅化合物を含む銅源と酸とを反応させる工程を有し、
    前記反応させる工程が、前記酸に前記一価の銅化合物を溶解させる工程と、
    前記酸に溶解した前記一価の銅化合物が反応することによって、銅微粒子を析出する工程と、
    を含み、
    前記銅微粒子を析出する工程において、前記溶媒中にはハロゲンイオンおよび水溶性高分子を存在させていることを特徴とする銅微粒子の製造方法。
  2. 前記銅微粒子を析出する工程において、前記酸に溶解した前記一価の銅化合物は、不均化反応により還元されることを特徴とする請求項1に記載の銅微粒子の製造方法。
  3. 前記一価の銅化合物を含む銅源が、亜酸化銅を含む材料からなる請求項1または2に記載の銅微粒子の製造方法。
  4. 前記亜酸化銅を含む材料がハロゲンイオンを含んでいることを特徴とする請求項3に記載の銅微粒子の製造方法。
  5. 前記ハロゲンイオンが、塩素イオンである請求項1乃至4のいずれか一項に記載の銅微粒子の製造方法
  6. 前記親水性溶媒が、低級アルコール類である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の銅微粒子の製造方法。
  7. 前記酸が、硫酸である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の銅微粒子の製造方法。
  8. 前記水溶性高分子が、天然高分子及びその誘導体、合成高分子及びその誘導体から成る群より選択される1種または2種以上の成分を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の銅微粒子の製造方法。
  9. 前記天然高分子とその誘導体が、アルギン酸とその誘導体、でんぷんとその誘導体、キトサンとその誘導体からなる群より選択される1種または2種以上の成分の組み合わせである請求項8に記載の銅微粒子の製造方法。
  10. 前記合成高分子とその誘導体が、ポリエチレングリコールとその誘導体、ポリビニルアルコールとその誘導体、ポリビニルピロリドンとその誘導体からなる群より選択される1種または2種以上の成分の組み合わせである請求項8に記載の銅微粒子の製造方法。
  11. 前記溶解させる工程が、前記溶媒に前記銅源を分散させて得られる銅分散液と、前記酸とを混合する工程をさらに含んでおり、
    前記混合する工程において、前記銅分散液と、前記酸のうち一方を、他方に霧状に噴射して混合することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の銅微粒子の製造方法。
  12. 前記混合する工程の前に、前記銅分散液と前記酸のうちいずれか一方に、ヒドロキシカルボン酸を添加する請求項1乃至11のいずれか一項に記載の銅微粒子の製造方法。
  13. 前記反応させる工程により銅微粒子を得た後、前記銅微粒子をヒドロキシカルボン酸の水溶液に浸漬する工程をさらに含む請求項1乃至11のいずれか一項に記載の銅微粒子の製造方法。
  14. 平均粒子径が1μm以下の銅微粒子が得られる請求項1に記載の銅微粒子の製造方法。
  15. 請求項1乃至14のいずれか一項に記載の銅微粒子の製造方法により得られた銅微粒子を用いて作製する導電性ペースト。
  16. 請求項1乃至14のいずれか一項に記載の銅微粒子の製造方法により得られた銅微粒子を得る工程と、
    前記銅微粒子を用いて導電性ペーストを得る工程と、
    を有する導電性ペーストの製造方法。
  17. 前記導電性ペーストを得る工程は、ペースト化溶媒を添加する工程を含んでおり、
    前記ペースト化溶媒としてアミンを使用することを特徴とする請求項16記載の導電性ペーストの製造方法。
  18. 前記導電性ペーストを得る工程は、ペースト化溶媒を添加する工程を含んでおり、
    前記ペースト化溶媒として水を使用することを特徴とする請求項16記載の導電性ペーストの製造方法。
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