JP6715588B2 - 金属複合粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属複合粉末およびその製造方法に関し、特に、導電性ペーストなどに使用する金属複合粉末およびその製造方法に関する。
従来、印刷法などにより電子部品の電極や配線を形成するために、銀粉や銅粉などの導電性の金属粉末に溶剤、樹脂、分散剤などを配合して作製した導電ペーストが使用されている。
しかし、銀粉は、体積抵抗率が極めて小さく、良好な導電性物質であるが、貴金属の粉末であるため、コストが高くなる。一方、銅粉は、体積抵抗率が低く、良好な導電性物質であるが、酸化され易いため、銀粉に比べて保存安定性(信頼性)に劣っている。
これらの問題を解消するために、導電ペーストに使用する金属粉末として、銅粉の表面を銀で被覆した銀被覆銅粉が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特開2010−174311号公報(段落番号0003) 特開2010−077495号公報(段落番号0006)
しかし、特許文献1〜2の銀被覆銅粉では、銅粉の表面に銀で被覆されていない部分が存在すると、その部分から酸化が進行してしまうため、保存安定性(信頼性)が不十分になる。特に、結晶粒界では酸素が拡散し易いので、酸素が銅の結晶粒界に沿って拡散(粒界拡散)することによって、銅の結晶粒界から酸化が進行する。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、銅と銀からなる金属複合粉末において、表面および銅の結晶粒界から酸化が進行するのを防止して、保存安定性(信頼性)を向上させることができる、金属複合粉末およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、銅粉の表面が銀で被覆された銀被覆銅粉を熱プラズマ尾炎部に噴霧して、銅粉の表面の銀を銅粉の内部の銅の結晶粒界に拡散させた後、表面を銀で被覆することにより、表面および銅の結晶粒界から酸化が進行するのを防止して、保存安定性(信頼性)を向上させることができる、金属複合粉末を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による金属複合粉末の製造方法は、銅粉の表面が銀で被覆された銀被覆銅粉を熱プラズマ尾炎部に噴霧して、銅粉の表面の銀を銅粉の内部の銅の結晶粒界に拡散させた後、表面を銀で被覆することを特徴とする。この金属複合粉末の製造方法において、熱プラズマ尾炎部の温度が2000〜5000Kであるのが好ましい。また、銅粉をアトマイズ法により製造するのが好ましく、銅粉の平均粒径が0.1〜100μmであるのが好ましい。また、銀被覆銅粉に対する銀の含有量が5質量%以上であるのが好ましい。
また、本発明による金属複合粉末は、銅粉の内部の銅の結晶粒界に銀が拡散しているとともに、表面が銀で被覆されていることを特徴とする。この金属複合粉末において、銅粉の平均粒径が0.1〜100μmであるのが好ましく、金属複合粉末に対する銀の含有量が5質量%以上であるのが好ましい。また、金属複合粉末の断面における銀が占める面積の割合が3〜20%であるのが好ましい。
なお、本明細書中において、「平均粒径」とは、レーザー回折式粒度分布装置により測定した累積50%粒子径(D50径)をいう。
本発明によれば、銅と銀からなる金属複合粉末において、表面および銅の結晶粒界から酸化が進行するのを防止して、保存安定性(信頼性)を向上させることができる、金属複合粉末およびその製造方法を提供することができる。
比較例1で得られた銀被覆銅粉の断面を電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した反射電子組成(COMPO)像である。 比較例2で得られた金属複合粉末の断面をFE−SEMで観察したCOMPO像である。 比較例2で得られた金属複合粉末の断面をエネルギー分散型X線分析装置(EDS)およびオージェ電子分光分析装置(FE−AES)で観察したマッピング像である。 比較例3で得られた金属複合粉末の断面をFE−SEMで観察したCOMPO像である。 実施例1で得られた金属複合粉末の断面をFE−SEMで観察したCOMPO像である。 実施例1で得られた金属複合粉末の断面をFE−AESで観察した銀マッピング像である。 実施例1で得られた金属複合粉末の断面をFE−AESで観察した銅マッピング像である。 実施例2で得られた金属複合粉末の断面をFE−SEMで観察したCOMPO像である。 実施例2で得られた金属複合粉末の断面をFE−AESで観察した銀マッピング像である。 実施例2で得られた金属複合粉末の断面をFE−AESで観察した銅マッピング像である。 比較例1で得られた銀被覆銅粉のTG−DTA測定結果を示す図である。 比較例2で得られた金属複合粉末のTG−DTA測定結果を示す図である。 比較例3で得られた金属複合粉末のTG−DTA測定結果を示す図である。 実施例1で得られた金属複合粉末のTG−DTA測定結果を示す図である。 実施例2で得られた金属複合粉末のTG−DTA測定結果を示す図である。 比較例4で得られた銀被覆銅粉のTG−DTA測定結果を示す図である。
本発明による金属複合粉末の製造方法の実施の形態では、銅粉の表面が銀で被覆された銀被覆銅粉を熱プラズマ尾炎部に噴霧して、銅粉の表面の銀を銅粉の内部の銅の結晶粒界に拡散させた後、表面を銀で被覆する。
原料として使用する銅粉は、湿式還元法、電解法、気相法などにより製造してもよいが、銅を溶解温度以上で溶解し、タンディッシュ下部から落下させながら高圧ガスまたは高圧水を衝突させて急冷凝固させることにより微粉末とする、(ガスアトマイズ法、水アトマイズ法などの)所謂アトマイズ法により製造するのが好ましい。特に、高圧水を吹き付ける、所謂水アトマイズ法により製造すると、粒子径が小さい銅粉を得ることができるので、銅粉を導電ペーストに使用した際に粒子間の接触点の増加による導電性の向上を図ることができる。
銅粉の平均粒径は、0.1〜100μmであるのが好ましく、0.5〜20μmであるのがさらに好ましく、1〜10μmであるのが最も好ましい。平均粒径が0.1μm未満では、銀被覆銅粉の導電性に悪影響を及ぼすので好ましくない。一方、100μmを超えると、微細な配線の形成が困難になるので好ましくない。
銅粉を銀で被覆する方法として、銅と銀の置換反応を利用した還元法や、還元剤を用いる置換法により、銅粉の表面に銀を析出させる方法を使用することができ、例えば、溶媒中に銅粉と銀を含む溶液を攪拌しながら銅粉の表面に銀を析出させる方法や、溶媒中に銅粉および有機物を含む溶液と溶媒中に銀および有機物を含む溶液とを混合して攪拌しながら銅粉の表面に銀を析出させる方法などを使用することができる。
この溶媒としては、水、有機溶媒またはこれらを混合した溶媒を使用することができる。水と有機溶媒を混合した溶媒を使用する場合には、室温(20〜30℃)において液体になる有機溶媒を使用する必要があるが、水と有機溶媒の混合比率は、使用する有機溶媒により適宜調整することができる。また、溶媒として使用する水は、不純物が混入するおそれがなければ、蒸留水、イオン交換水、工業用水などを使用することができる。
銀の原料として、銀イオンを溶液中に存在させる必要があるため、水や多くの有機溶媒に対して高い溶解度を有する硝酸銀を使用するのが好ましい。また、銅粉を銀で被覆する反応(銀被覆反応)をできるだけ均一に行うために、固体の硝酸銀ではなく、硝酸銀を溶媒(水、有機溶媒またはこれらを混合した溶媒)に溶解した硝酸銀溶液を使用するのが好ましい。なお、使用する硝酸銀溶液の量、硝酸銀溶液中の硝酸銀の濃度および有機溶媒の量は、目的とする銀含有層の量に応じて決定することができる。
銀をより均一に形成するために、溶液中にキレート化剤を添加してもよい。キレート化剤としては、銀イオンと金属銅との置換反応により副生成する銅イオンなどが再析出しないように、銅イオンなどに対して錯安定度定数が高いキレート化剤を使用するのが好ましい。特に、銀被覆銅粉のコアとなる銅粉は主構成要素として銅を含んでいるので、銅との錯安定度定数に留意してキレート化剤を選択するのが好ましい。具体的には、キレート化剤として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、イミノジ酢酸、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミンおよびこれらの塩からなる群から選ばれたキレート化剤を使用することができる。
銀被覆反応を安定かつ安全に行うために、溶液中にpH緩衝剤を添加してもよい。このpH緩衝剤として、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アンモニア水、炭酸水素ナトリウムなどを使用することができる。
銀被覆反応の際には、銀塩を添加する前に溶液中に銅粉を入れて攪拌し、銅粉が溶液中に十分に分散している状態で、銀塩を含む溶液を添加するのが好ましい。この銀被覆反応の際の反応温度は、反応液が凝固または蒸発する温度でなければよいが、好ましくは10〜40℃、さらに好ましくは15〜35℃の範囲で設定する。また、反応時間は、銀の被覆量や反応温度によって異なるが、1分〜5時間の範囲で設定することができる。
銀被覆銅粉に対する銀の含有量(被覆量)は、5質量%以上であるのが好ましく、7〜50質量%であるのがさらに好ましく、8〜40質量%であるのがさらに好ましく、9〜20質量%であるのが最も好ましい。銀の含有量が5質量%未満では、銀被覆銅粉の導電性に悪影響を及ぼすので好ましくない。一方、50質量%を超えると、銀の使用量の増加によってコストが高くなるので好ましくない。
このようにして得られた銀被覆銅粉を熱プラズマ尾炎部に噴霧することにより、銀被覆銅粉を熱処理して、銅粉の表面の銀を銅粉の内部の銅の結晶粒界に拡散させる。プラズマ炎はクリーンなガスを使用しているので、熱プラズマ尾炎部に噴霧される銀被覆銅粉に不純物が付着するおそれがない。また、熱プラズマ尾炎部によって銀被覆銅粉に熱を与える時間は短時間であり、銀被覆銅粉の凝集を抑えることができる。
原料をプラズマ炎中に直接投入して超微粒子(ナノ粒子)を作製する一般的な熱プラズマの利用法では、プラズマ炎の1万℃以上の高温領域において原料を瞬時に数千℃まで加熱して原子やラジカルに分解し、その下流の低温領域で均一核生成が起こる1,000℃程度まで急冷することによって超微粒子を合成している。しかし、本実施の形態の金属複合粉末の製造方法では、2000〜5000Kのプラズマ尾炎部に銀被覆銅粉を投入しているので、銅より融点が低い銀が溶融して拡散し、銀被覆銅粉を非常に短い時間でプラズマ尾炎部を通過させることにより、銀被覆銅粉のコアである銅粉の形状をある程度維持しながら、銅粉の表面の銀を銅粉の内部の銅の結晶粒界に拡散させることができる。なお、銅粉の表面の銀を、銅粉の表面から銅粉の粒径の1/3以上内側の領域まで銅の結晶粒界に拡散させるのが好ましく、銅粉の内部全体にわたって銅の結晶粒界に拡散させるのがさらに好ましい。
銀被覆銅粉の熱プラズマ尾炎部への噴霧は、熱プラズマ装置によって行うことができる。熱プラズマ装置によって、2000〜5000Kのプラズマ尾炎部に銀被覆銅粉を投入するためには、プラズマ装置の出力を2〜10kWにするのが好ましく、4〜8kWにするのがさらに好ましく、5〜7kWにするのが最も好ましい。また、プラズマ用アルゴンガスの流量を5〜40L/分にするのが好ましく、15〜25L/分にするのがさらに好ましい。また、銀被覆銅粉供給用キャリア窒素ガスの流量を0〜3L/分にするのが好ましく、0〜0.5L/分にするのがさらに好ましい。また、装置内の圧力を0〜100kPaにするのが好ましく、50〜100kPaにするのがさらに好ましい。さらに、銀被覆銅粉の供給量を0.1〜400g/分にするのが好ましく、100〜400g/分にするのがさらに好ましい。
このようにして銅粉の表面の銀を銅粉の内部の銅の結晶粒界に拡散させた後、(得られた金属複合粉末の)表面(少なくとも露出した銅粉の表面)を銀で被覆する。この銀で被覆する方法として、上述したような銅粉の表面を銀で被覆する方法と同じ方法を使用することができる。
上記の実施の形態の金属複合粉末の製造方法によって、銅粉の内部の銅の結晶粒界に銀が拡散した金属複合粉末を製造することができる。また、金属複合粉末に対する銀の含有量を5質量%以上(好ましくは7〜50質量%、さらに好ましくは8〜40質量%、最も好ましくは9〜20質量%)にすることができ、金属複合粉末の断面における銀が占める面積の割合を3〜20%(好ましくは8〜20%)にすることができる。
結晶粒界では、結晶配列が乱れており、酸素が拡散し易いので、酸素が銅の結晶粒界に沿って拡散(粒界拡散)することによって、銅の結晶粒界から酸化するが、本発明による金属複合粉末では、銅粉の内部の銅の結晶粒界まで銀を拡散させて、銅粉の内部まで銅の結晶粒界に銀を充填させた後に、表面を銀で被覆することによって、表面および銅の結晶粒界から酸化するのを抑制することができ、耐酸化性の高い金属複合粉末にすることができる。
なお、上記の実施の形態の金属複合粉末の製造方法によって製造した金属複合粉末(表面が銀で被覆された金属複合粉末)をシアン銀カリウム溶液などの銀担持液に添加して、金属複合粉末の表面に銀を担持させてもよい。このように金属複合粉末の表面に銀を担持させれば、金属複合粉末(表面が銀で被覆された金属複合粉末)の表面に銅粉が露出する部分があっても、(銀で被覆されていない)銅粉の露出部分を銀で被覆し、さらに耐酸化性の高い金属複合粉末にすることができる。
以下、本発明による金属複合粉末およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[比較例1]
まず、アトマイズ法により製造された市販の銅粉(日本アトマイズ加工株式会社製の純度99.9質量%、平均粒径5μmの球状のアトマイズ銅粉)を用意した。
また、炭酸アンモニウム2.6kgを純水450kgに溶解した溶液(溶液1)と、EDTA−4Na(43%)319kgと炭酸アンモニウム76kgを純水284kgに溶解した溶液に、銀16.904kgを含む硝酸銀水溶液92kgを加えて得られた溶液(溶液2)を用意した。
次に、窒素雰囲気下において、上記の銅粉100kgを溶液1に加えて、攪拌しながら35℃まで昇温させた。この銅粉が分散した溶液に溶液2を加えて30分間攪拌した。
その後、ろ過して得られた固形分をろ液が透明になるまでイオン交換水で洗浄し、70℃で真空乾燥して、銀で被覆された銅粉(銀被覆銅粉)を得た。
このようにして得られた銀被覆銅粉の断面をクロスセッションポリッシャ(CP)加工により作製した後、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)によって観察した。この観察による銀被覆銅粉の断面の反射電子組成(COMPO)像を図1に示す。このCOMPO像において、原子量が大きいほど輝度が明るくなるので、銅と比べて銀の方が明るく見えるため、輝度の比較的明るい部分が銀で、暗い部分が銅であり、この像から、本比較例で得られた銀被覆銅粉は、銅粉が銀で被覆されていることがわかる。なお、銀被覆銅粉のコアである銅粉の内部に観察される黒い線は、銅の結晶粒界である。
また、得られた銀被覆銅粉から分取した銀被覆銅粉40mgを、示差熱・熱重量同時測定装置(TG−DTA装置)(株式会社リガク製のThermo Plus EVO2 TG−8120)により、流量200mL/分で空気を流しながら室温(25℃)から昇温速度10℃/分で400℃まで昇温させてTG−DTA測定を行った。その測定結果を図11に示す。この測定で得られた200℃、250℃、300℃、350℃および400℃における重量の各々と加熱前の銀被覆銅粉の重量の差(加熱により増加した重量)の加熱前の銀被覆銅粉の重量に対する重量増加率(%)から、加熱により増加した重量はすべて銀被覆銅粉の酸化により増加した重量であるとみなして、銀被覆銅粉の空気中における(酸化に対する)高温安定性を評価することにより、銀被覆銅粉の保存安定性(信頼性)を評価した。その結果、200℃、250℃、300℃、350℃および400℃における重量増加率は、それぞれ0.16%、0.46%、1.27%、3.80%、6.54%であった。また、この銀被覆銅粉のTG−DTA測定では、(酸化による増量を伴った)発熱ピークが見られた。
また、図1に示す銀被覆銅粉の断面のCOMPO像と、粒子解析ソフトウエア(株式会社システムインフロンティア製のRegion Adviser)を使用して、本比較例の銀被覆銅粉の断面の画像解析を行った。この画像解析では、COMPO像を平滑化処理した後、自動コントラスト・輝度(ブライトネス)調整部(ACB)において、コントラストを100とし、ブライトネスを60〜100の間で調整し、領域分割によりヒストグラム方式で2値化処理(画像上の輝度値のヒストグラムを構築し、ヒストグラムの傾向に基づいて2値化する処理)を行った。その結果、銀被覆銅粉の全断面積に対する銀の割合(断面銀量)は3.85%であり、銀の含有量(11.06%)より少なかった。なお、本比較例の銀被覆銅粉中の銀の含有量は、比重1.38の硝酸水溶液を体積比1:1になるように純水で薄めた硝酸水溶液40mLに銀被覆銅粉5.0gを添加し、ヒーターで煮沸して銀被覆銅粉を完全に溶解した後、この水溶液に、比重1.18の塩酸水溶液を体積比1:1になるように純水で薄めた塩酸水溶液を少量ずつ添加して塩化銀を析出させ、塩化銀の沈殿が生じなくなるまで塩酸水溶液を添加し、得られた塩化銀の重量から銀の含有量を計算することによって求めた。
[比較例2]
比較例1で得られた銀被覆銅粉を熱プラズマ装置(日本電子株式会社製のナノ粒子合成実験装置)のプラズマ尾炎部に噴霧して熱処理することより、金属複合粉末を得た。このプラズマ尾炎部は紫色であり、その温度は3000〜5000Kであると判断することができる。なお、この工程では、熱プラズマ装置の出力を6kW、プラズマ用アルゴンガスの流量を20L/分、銀被覆銅粉供給用キャリア窒素ガスの流量を2L/分、装置内の圧力を50kPa、銀被覆銅粉供給量を2.5g/分とした。
このようにして得られた金属複合粉末の断面をCP加工により作製した後、FE−SEMによって観察した。この観察による金属複合粉末の断面のCOMPO像を図2に示す。このCOMPO像から、本比較例で得られた金属複合粉末では、銅粉の表面が銀で被覆されていないが、銅の結晶粒界に銀が拡散されていることがわかる。
また、本比較例で得られた金属複合粉末の断面をエネルギー分散型X線分析装置(EDS)およびオージェ電子分光分析装置(FE−AES)によって観察した。この観察による金属複合粉末の断面のマッピング像を図3に示す。このマッピング像からも、銅の結晶粒界に銀が拡散されていることがわかる。
また、得られた金属複合粉末について、比較例1と同様の方法によりTG−DTA測定を行った。その測定結果を図12に示す。この測定で得られた200℃、250℃、300℃、350℃および400℃における重量の各々と加熱前の金属複合粉末の重量の差(加熱により増加した重量)の加熱前の金属複合粉末の重量に対する重量増加率(%)から、加熱により増加した重量はすべて金属複合粉末の酸化により増加した重量であるとみなして、金属複合粉末の空気中における(酸化に対する)高温安定性を評価することにより、金属複合粉末の保存安定性(信頼性)を評価した。その結果、200℃、250℃、300℃、350℃および400℃における重量増加率は、それぞれ0.42%、0.73%、1.38%、2.44%、3.99%であった。これらの結果から、本比較例で得られた金属複合粉末では、比較例1で得られた銀被覆銅粉と比べて、高温における重量増加率が小さくなっており、空気中における(酸化に対する)高温安定性が向上し、保存安定性(信頼性)が向上しているのがわかる。なお、この金属複合粉末のTG−DTA測定では、(酸化による増量を伴った)発熱ピークが見られなかった。
また、図2に示す金属複合粉末の断面のCOMPO像と、粒子解析ソフトウエア(株式会社システムインフロンティア製のRegion Adviser)を使用して、本比較例の金属複合粉末の断面の画像解析を行った。その結果、金属複合粉末の全断面積に対する銀の割合(断面銀量)は12.00%であり、銀の含有量(10.92%)より多かった。なお、本比較例の金属複合粉末中の銀の含有量は、比重1.38の硝酸水溶液を体積比1:1になるように純水で薄めた硝酸水溶液5mLに金属複合粉末0.5gを添加し、ヒーターで煮沸して金属複合粉末を完全に溶解した後、ろ過して得られたろ液に純水を加えて定容化し、ICP(サーモサイエンティフック(Thermo Scientific)社製のiCAP6300)による定量分析によって求めた。
[比較例3]
熱プラズマ装置の出力を2kWとした(この場合のプラズマ尾炎部は緑色であり、その温度は6kの場合の3000〜5000Kより低い温度(2000〜4000K)であると判断することができる)以外は、比較例2と同様の方法により得られた金属複合粉末の断面をCP加工により作製した後、FE−SEMによって観察した。この観察による金属複合粉末の断面のCOMPO像を図4に示す。このCOMPO像から、本比較例で得られた金属複合粉末では、銅粉の内部の銅の結晶粒界の一部に銀が拡散されていることがわかる。
また、得られた金属複合粉末について、比較例1と同様の方法によりTG−DTA測定を行った。その測定結果を図13に示す。この測定で得られた200℃、250℃、300℃、350℃および400℃における重量の各々と加熱前の金属複合粉末の重量の差(加熱により増加した重量)の加熱前の金属複合粉末の重量に対する重量増加率(%)から、加熱により増加した重量はすべて金属複合粉末の酸化により増加した重量であるとみなして、金属複合粉末の空気中における(酸化に対する)高温安定性を評価することにより、金属複合粉末の保存安定性(信頼性)を評価した。その結果、200℃、250℃、300℃、350℃および400℃における重量増加率は、それぞれ0.19%、0.42%、1.24%、3.86%、6.52%であった。これらの結果から、本比較例で得られた金属複合粉末では、比較例1で得られた銀被覆銅粉と比べて、保存安定性(信頼性)にそれ程変化がないのがわかる。なお、この銀被覆銅粉のTG−DTA測定では、(酸化による増量を伴った)発熱ピークが見られた。
また、図4に示す金属複合粉末の断面のCOMPO像と、粒子解析ソフトウエア(株式会社システムインフロンティア製のRegion Adviser)を使用して、本比較例の金属複合粉末の断面の画像解析を行った。その結果、金属複合粉末の全断面積に対する銀の割合(断面銀量)は11.56%であり、(比較例2と同様の方法により求めた)銀の含有量(10.90%)より多かった。
[実施例1]
EDTA−4Na(43%)21.00gと炭酸アンモニウム5.00gを純水32.40gに溶解した溶液(溶液1)と、EDTA−4Na(43%)21.00gと炭酸アンモニウム5.00gを純水32.40gに溶解した溶液に、銀1.11gを含む硝酸銀水溶液3.45gを加えて得られた溶液(溶液2)を用意した。
次に、窒素雰囲気下において、比較例2で得られた金属複合粉末10.00gを溶液1に加えて、攪拌しながら35℃まで昇温させた。この銅粉が分散した溶液に溶液2を加えて30分間攪拌した。
その後、ろ過して得られた固形分をろ液が透明になるまでイオン交換水で洗浄し、70℃で真空乾燥して、銀で被覆された金属複合粉末を得た。
このようにして得られた金属複合粉末の断面をCP加工により作製した後、FE−SEMによって観察した。この観察による金属複合粉末の断面のCOMPO像を図5に示す。このCOMPO像から、本実施例で得られた金属複合粉末では、銅粉の表面が銀で被覆されているともに、銅粉の内部の銅の結晶粒界に銀が拡散されていることがわかる。
また、本実施例で得られた金属複合粉末の断面をEDSおよびFE−AESによって観察した。この観察による金属複合粉末の断面の銀マッピング像を図6に示し、銅マッピング像を図7に示す。このマッピング像からも、銅粉の表面が銀で被覆されているとともに、銅粉の内部の銅の結晶粒界に銀が拡散されていることがわかる。
また、得られた金属複合粉末について、比較例1と同様の方法によりTG−DTA測定を行った。その測定結果を図14に示す。この測定で得られた200℃、250℃、300℃、350℃および400℃における重量の各々と加熱前の金属複合粉末の重量の差(加熱により増加した重量)の加熱前の金属複合粉末の重量に対する重量増加率(%)から、加熱により増加した重量はすべて金属複合粉末の酸化により増加した重量であるとみなして、金属複合粉末の空気中における(酸化に対する)高温安定性を評価することにより、金属複合粉末の保存安定性(信頼性)を評価した。その結果、200℃、250℃、300℃、350℃および400℃における重量増加率は、それぞれ0.15%、0.43%、0.85%、1.78%、3.51%であった。これらの結果から、本実施例で得られた金属複合粉末では、比較例1で得られた銀被覆銅粉や比較例2および3で得られた金属複合粉末と比べて、重量増加率が小さくなっており、空気中における(酸化に対する)高温安定性が向上し、保存安定性(信頼性)が向上しているのがわかる。なお、この金属複合粉末のTG−DTA測定では、(酸化による増量を伴った)発熱ピークが見られなかった。
また、図5に示す金属複合粉末の断面のCOMPO像と、粒子解析ソフトウエア(株式会社システムインフロンティア製のRegion Adviser)を使用して、本実施例の金属複合粉末の断面の画像解析を行った。その結果、金属複合粉末の全断面積に対する銀の割合(断面銀量)は15.05%であり、(比較例2と同様の方法により求めた)銀の含有量(22.72%)より少なかった。
[実施例2]
比較例2で得られた金属複合粉末に代えて、比較例3で得られた金属複合粉末を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀で被覆された金属複合粉末を得た。
このようにして得られた金属複合粉末の断面をCP加工により作製した後、FE−SEMによって観察した。この観察による金属複合粉末の断面のCOMPO像を図8に示す。このCOMPO像から、本実施例で得られた金属複合粉末では、銅粉の表面が銀で被覆されているともに、銅粉の内部の銅の結晶粒界の一部に銀が拡散されていることがわかる。
また、本実施例で得られた金属複合粉末の断面をEDSおよびFE−AESによって観察した。この観察による金属複合粉末の断面の銀マッピング像を図9に示し、銅マッピング像を図10に示す。これらのマッピング像からも、銅粉の表面が銀で被覆されているとともに、銅粉の内部の銅の結晶粒界の一部に銀が拡散されていることがわかる。
また、得られた金属複合粉末について、比較例1と同様の方法によりTG−DTA測定を行った。その測定結果を図15に示す。この測定で得られた200℃、250℃、300℃、350℃および400℃における重量の各々と加熱前の金属複合粉末の重量の差(加熱により増加した重量)の加熱前の金属複合粉末の重量に対する重量増加率(%)から、加熱により増加した重量はすべて金属複合粉末の酸化により増加した重量であるとみなして、金属複合粉末の空気中における(酸化に対する)高温安定性を評価することにより、金属複合粉末の保存安定性(信頼性)を評価した。その結果、200℃、250℃、300℃、350℃および400℃における重量増加率は、それぞれ0.07%、0.32%、1.09%、3.12%、5.53%であった。これらの結果から、本実施例で得られた金属複合粉末では、比較例1で得られた銀被覆銅粉や比較例3で得られた金属複合粉末と比べて、重量増加率が小さくなっており、空気中における(酸化に対する)高温安定性が向上し、保存安定性(信頼性)が向上しているのがわかる。なお、この銀被覆銅粉のTG−DTA測定では、(酸化による増量を伴った)発熱ピークが見られた。
また、図8に示す金属複合粉末の断面のCOMPO像と、粒子解析ソフトウエア(株式会社システムインフロンティア製のRegion Adviser)を使用して、本比較例の金属複合粉末の断面の画像解析を行った。その結果、金属複合粉末の全断面積に対する銀の割合(断面銀量)は12.05%であり、(比較例2と同様の方法により求めた)銀の含有量(19.84%)より少なかった。
[比較例4]
EDTA−4Na(43%)112.61gと炭酸アンモニウム9.10gを純水1440.89gに溶解した溶液(溶液1)と、EDTA−4Na(43%)1551.67gと炭酸アンモニウム185.29gを純水407.95gに溶解した溶液に、銀82.1gを含む硝酸銀水溶液255.68gを加えて得られた溶液(溶液2)を用意した。
次に、窒素雰囲気下において、比較例1と同様の銅粉350gを溶液1に加えて、攪拌しながら35℃まで昇温させた。この銅粉が分散した溶液に溶液2を加えて30分間攪拌した。
その後、ろ過して得られた固形分をろ液が透明になるまでイオン交換水で洗浄し、70℃で真空乾燥して、銀で被覆された銅粉(銀被覆銅粉)を得た。
このようにして得られた銀被覆銅粉について、比較例1と同様の方法により、FE−SEMによって観察して得られたCOMPO像から、本比較例で得られた銀被覆銅粉は、銅粉が銀で被覆されていることがわかった。
また、得られた銀被覆銅粉について、比較例1と同様の方法によりTG−DTA測定を行った。その測定結果を図16に示す。この測定で得られた200℃、250℃、300℃、350℃および400℃における重量の各々と加熱前の銀被覆銅粉の重量の差(加熱により増加した重量)の加熱前の銀被覆銅粉の重量に対する重量増加率(%)から、加熱により増加した重量はすべて銀被覆銅粉の酸化により増加した重量であるとみなして、銀被覆銅粉の空気中における(酸化に対する)高温安定性を評価することにより、銀被覆銅粉の保存安定性(信頼性)を評価した。その結果、200℃、250℃、300℃、350℃および400℃における重量増加率は、それぞれ0.08%、0.45%、1.17%、3.34%、5.81%であった。これらの結果から、本比較例で得られた銀被覆銅粉では、実施例1および2で得られた金属複合粉末と比べて、高温における重量増加率が大きくなっており、空気中における(酸化に対する)高温安定性が劣っており、保存安定性(信頼性)が劣っているのがわかる。
また、実施例1と同様の方法により、本比較例の銀被覆銅粉の断面の画像解析を行った。その結果、銀被覆銅粉の全断面積に対する銀の割合(断面銀量)は7.73%であり(比較例2と同様の方法により求めた)銀の含有量(20.02%)より少なかった。

Claims (4)

  1. 銅粉の表面が銀で被覆された銀被覆銅粉を、アルゴンガスを用いたプラズマ炎の温度2000〜5000Kの熱プラズマ尾炎部に噴霧して、銅粉の表面の銀を銅粉の内部の銅の結晶粒界に拡散させた後、表面を銀で被覆することを特徴とする、金属複合粉末の製造方法。
  2. 前記銅粉をアトマイズ法により製造することを特徴とする、請求項に記載の金属複合粉末の製造方法。
  3. 前記銅粉の平均粒径が0.1〜100μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属複合粉末の製造方法。
  4. 前記銀被覆銅粉に対する銀の含有量が5質量%以上であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の金属複合粉末の製造方法。
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