JP2011252224A - 銅微粉末とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】不均化反応によって製造される銅微粉末について、粒径が均一な銅微粉末を高収率で得ることができる製造方法と、その銅微粉末を提供する。
【課題の解決手段】亜酸化銅を酸に溶解して金属銅を生成させる不均化反応による銅微粉末の製造において、液のpH値を常に2.0〜2.5の範囲に維持しながら反応させることを特徴とする銅微粉末の製造方法であり、好ましくは、亜酸化銅を硫酸に溶解する不均化反応によって生成した銅微粉末を回収した後、反応液に残存する硫酸銅をヒドラジンによって還元して銅微粉末を析出させ回収することによって銅微粉末の回収率を高める銅微粉末の製造方法。
【選択図】図5
【課題の解決手段】亜酸化銅を酸に溶解して金属銅を生成させる不均化反応による銅微粉末の製造において、液のpH値を常に2.0〜2.5の範囲に維持しながら反応させることを特徴とする銅微粉末の製造方法であり、好ましくは、亜酸化銅を硫酸に溶解する不均化反応によって生成した銅微粉末を回収した後、反応液に残存する硫酸銅をヒドラジンによって還元して銅微粉末を析出させ回収することによって銅微粉末の回収率を高める銅微粉末の製造方法。
【選択図】図5
Description
本発明は、不均化反応によって製造される銅微粉末について、粒径が均一な銅微粉末とその製造方法に関する。
銅粉末の製造方法として、一価の銅化合物を酸に溶解して金属銅と二価銅化合物に分解する不均化反応を利用する方法が知られている。一価の銅化合物として亜酸化銅を用い、亜酸化銅の水懸濁液に硫酸を加えて溶解させる不均化反応では、次式に示すように硫酸銅水溶液が生成し、金属銅粉末が析出する。
Cu2O+H2SO4 → Cu + CuSO4 + H2O
Cu2O+H2SO4 → Cu + CuSO4 + H2O
この方法は水溶液系であり、安価な硫酸や酸化物原料を用いることができ、副生物は水であり、ガスの発生もなく、常温で反応するので実施しやすい利点を有している。
一方、不均化反応を利用した従来の製造方法では、得られる金属銅微粉末の粒子径が比較的大きいため、粒径の微細な金属銅を製造する改良法が提案されている。例えば、特開2005−256012号公報(特許文献1)には、亜酸化銅の懸濁液にアラビアゴムなどの天然樹脂や多糖類を添加して不均化反応を行わせることによってサブミクロンオーダの金属銅微粉末を製造する方法が開示されている。また、特開2008−31491号公報(特許文献2)には、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸と硫酸の混合酸を用いて亜酸化銅を溶解することによって平均粒径がナノメートルオーダの金属銅微粉末を製造する方法が開示されている。
不均化反応を利用した銅微粉末の製造方法において、従来の上記製造方法は何れも製造される銅微粉末の粒径分布が広く、目的とする粒径範囲において粒径の均一な銅微粉末の収率が低いと云う問題がある。具体的には、不均化反応を利用した製造方法の収率は最大50%であり、原料の銅分の多くても半分しか回収されない。さらに、従来の製造方法では、不均化反応後の残液処理について全く考慮されていない。
本発明は従来の製造方法における上記問題を解決したものであり、不均化反応によって製造される銅微粉末について、粒径が均一な銅微粉末を高収率で得ることができる製造方法と、その銅微粉末を提供する。
本発明は、以下の構成からなる銅微粉末とその製造方法に関する。
〔1〕亜酸化銅(Cu2O)を酸に溶解して金属銅を生成させる不均化反応による銅微粉末の製造において、液のpH値を常に2.0〜2.5の範囲に維持しながら反応させることを特徴とする銅微粉末の製造方法。
〔2〕亜酸化銅(Cu2O)を硫酸に溶解する不均化反応によって生成した銅微粉末を回収した後、反応液に残存する硫酸銅(CuSO4)をヒドラジンによって還元して銅微粉末を析出させ回収することによって銅微粉末の回収率を高める上記[1]に記載する銅微粉末の製造方法。
〔3〕上記[1]の方法によって製造された銅微粉末であり、粒度分布の広がり程度を表すS値(次式[1])が0.7以下であることを特徴とする銅微粉末。
S値= (D80−D20)/D50 … [1]
(D20,D50,D80は各々粒度分布における累積粒度曲線上で累積20%、50%、80%に対応する粒径の値)
〔1〕亜酸化銅(Cu2O)を酸に溶解して金属銅を生成させる不均化反応による銅微粉末の製造において、液のpH値を常に2.0〜2.5の範囲に維持しながら反応させることを特徴とする銅微粉末の製造方法。
〔2〕亜酸化銅(Cu2O)を硫酸に溶解する不均化反応によって生成した銅微粉末を回収した後、反応液に残存する硫酸銅(CuSO4)をヒドラジンによって還元して銅微粉末を析出させ回収することによって銅微粉末の回収率を高める上記[1]に記載する銅微粉末の製造方法。
〔3〕上記[1]の方法によって製造された銅微粉末であり、粒度分布の広がり程度を表すS値(次式[1])が0.7以下であることを特徴とする銅微粉末。
S値= (D80−D20)/D50 … [1]
(D20,D50,D80は各々粒度分布における累積粒度曲線上で累積20%、50%、80%に対応する粒径の値)
本発明の製造方法は、亜酸化銅を酸に溶解して銅微粉末を析出させる不均化反応において、液のpH値を常に2.0〜2.5の狭い範囲に維持しながら反応させるので、亜酸化銅の安定域の低pH側近傍で不均化反応が進行し、反応が穏やかに進み、析出粒子の急激な粒子成長が起こらないので、粒径が均一な銅微粉末を高収率で得ることができる。
本発明の製造方法は、好ましくは、不均化反応によって生成した硫酸銅を還元して金属銅微粉末を析出させ、これを回収することによって、銅微粉末の回収率を90%以上に高めることができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
本発明の製造方法は、亜酸化銅(Cu2O)を酸に溶解して金属銅を生成させる不均化反応による銅微粉末の製造において、液のpH値を常に2.0〜2.5の範囲に維持しながら反応させることを特徴とする銅微粉末の製造方法である。
本発明の製造方法は、亜酸化銅(Cu2O)を酸に溶解して金属銅を生成させる不均化反応による銅微粉末の製造において、液のpH値を常に2.0〜2.5の範囲に維持しながら反応させることを特徴とする銅微粉末の製造方法である。
〔不均化反応工程〕
亜酸化銅粉末を水に懸濁させた懸濁液などに酸を添加して金属銅微粉末を析出させる。添加する酸は一般には硫酸が用いられるが、硝酸、酢酸、燐酸なども用いることができる。亜酸化銅粉末は酸によって溶解されるので粒径は制限されない。硫酸を用いて亜酸化銅を溶解する不均化反応では次式に示すように硫酸銅水溶液が生成し、金属銅粉末が析出する。
Cu2O+H2SO4 → Cu + CuSO4 + H2O
亜酸化銅粉末を水に懸濁させた懸濁液などに酸を添加して金属銅微粉末を析出させる。添加する酸は一般には硫酸が用いられるが、硝酸、酢酸、燐酸なども用いることができる。亜酸化銅粉末は酸によって溶解されるので粒径は制限されない。硫酸を用いて亜酸化銅を溶解する不均化反応では次式に示すように硫酸銅水溶液が生成し、金属銅粉末が析出する。
Cu2O+H2SO4 → Cu + CuSO4 + H2O
本発明の製造方法は、不均化反応液のpH値を常に2.0〜2.5の範囲に維持しながら反応させる。図5(電位−pH図)に示すように、溶液中の亜酸化銅(Cu2O)は溶液のpHが約2.5より高い領域に安定域が存在し、一方、pH2.5以下の領域で不均化反応が起こり、金属銅と2価銅イオンに分解する。図5によれば、一般に、pH2.5以下の範囲において低pH領域ほど不均化反応が早く進み、pHが2.5に近いほど反応が遅くなると考えられる。
従って、低pH領域で不均化反応を行わせると、反応速度が大きいので粒子の核生成と粒成長の競合が起こり、この結果、粒径があまり揃わない粒子群ができる。一方、pH2.5に近い範囲は反応速度が遅く、反応が緩やかに進行するので、粒子の核生成と粒成長とがバランスよく進行し、粒径の揃った粒子群ができる。このように、不均化反応の駆動力の強さはpH2.5を基準にして低pH側ほど大きく、これが大き過ぎると反応が早過ぎて粒径の揃った銅粉を得るのが難しい。
従って、例えば、特許文献1(特開2005−256012号公報)では反応を迅速に進行させるために液pHを2.5以下であって望ましくは1.0付近に維持することを推奨しているが、このようなpH域では粒径の揃った銅微粉末を得ることができない。
一方、本発明の製造方法は、不均化反応液のpHを常に2.0〜2.5の狭い範囲に維持しながら反応させることによって、粒子の核生成と粒成長とをバランスよく進行させて粒径の揃った銅微粒子を製造する。反応液のpHを上記範囲に維持して反応させるには、pH計で反応液のpHを監視しながら硫酸などの添加量を調整することが望ましい。なお、ゼラチン等の保護剤を添加すると良い。
本発明の製造方法によれば、不均化反応液のpHを常に2.0〜2.5の狭い範囲に維持しながら反応させることによって、実施例1〜3に示すように、粒度分布の広がり程度を表すS値(次式[1])が0.7以下の銅微粉末を得ることができる。
S値= (D80−D20)/D50 … [1]
(D20,D50,D80は各々粒度分布における累積粒度曲線上で累積20%、50%、80%に対応する粒径の値)
S値= (D80−D20)/D50 … [1]
(D20,D50,D80は各々粒度分布における累積粒度曲線上で累積20%、50%、80%に対応する粒径の値)
S値は式[1]によって定義されるように、その値が小さいほど分布が狭く、粒径が均一であることを表している。本発明の実施例1〜3に示す銅微粉末は、平均粒径0.51μm〜0.53μmの範囲でS値0.59〜0.64であり、粒径の分布が狭く、高い均一性を有する。
一方、特許文献1の方法と同様に反応溶液のpHを1.0以下(pH0.5〜1.0)の範囲にして不均化反応させた比較例1の銅微粉末は、平均粒径0.87μm、S値0.94であり、本発明の銅微粉末よりも粒度分布の広がりが大きく、従って均一性が低い。
〔不均化反応後液の還元処理〕
亜酸化銅の不均化反応によって金属銅の微粉末が析出すると共に硫酸銅(CuSO4)が生成する。従って、銅微粉末を固液分離して回収した後の反応液にはこの硫酸銅が溶存しているので、反応後液にヒドラジン等の還元剤を加えて硫酸銅を還元し、金属銅を析出させて回収する。
亜酸化銅の不均化反応によって金属銅の微粉末が析出すると共に硫酸銅(CuSO4)が生成する。従って、銅微粉末を固液分離して回収した後の反応液にはこの硫酸銅が溶存しているので、反応後液にヒドラジン等の還元剤を加えて硫酸銅を還元し、金属銅を析出させて回収する。
亜酸化銅の不均化反応によって得られる銅微粉末の収率は最大でも50%であるが、さらに反応後液の還元処理によって銅微粉末を回収することによって、銅微粉末の収率を90%以上に高めることができる。
具体的には、例えば、不均化反応によって析出した金属銅微粉末を固液分離して回収しに、この反応後液にゼラチンを添加して昇温し、ヒドラジンを加えて反応させると、液中に溶存してる硫酸銅が還元されて金属銅微粉末が析出する。これを固液分離して回収する。
〔実施例1〕
亜酸化銅50gを純水600mLに懸濁させ、室温で25%硫酸を添加しつつ不均化反応を行わせた。亜酸化銅懸濁液には予めゼラチンを0.8g添加した。25%硫酸の添加はpH計でpHを監視しながらpH値が2.3〜2.5の範囲を維持するように行い、94分で所定量125mLを添加し終わった。添加終了後も30分間攪拌を続けた。その後、孔径0.1μmのメンブレンフィルターでろ過・洗浄を行い、これを乾燥して21.3gの銅微粉末を回収した。得られた銅微粉末の粒度分布を図1に示す。この銅微粉末の平均粒径は0.51μmであり、粒度分布の広がり程度を示すS値は0.62であった。
亜酸化銅50gを純水600mLに懸濁させ、室温で25%硫酸を添加しつつ不均化反応を行わせた。亜酸化銅懸濁液には予めゼラチンを0.8g添加した。25%硫酸の添加はpH計でpHを監視しながらpH値が2.3〜2.5の範囲を維持するように行い、94分で所定量125mLを添加し終わった。添加終了後も30分間攪拌を続けた。その後、孔径0.1μmのメンブレンフィルターでろ過・洗浄を行い、これを乾燥して21.3gの銅微粉末を回収した。得られた銅微粉末の粒度分布を図1に示す。この銅微粉末の平均粒径は0.51μmであり、粒度分布の広がり程度を示すS値は0.62であった。
〔実施例2〕
亜酸化銅50gを純水600mLに懸濁させ、室温で25%硫酸を添加しつつ不均化反応を行わせた。亜酸化銅懸濁液には予め添加剤として0.8gのポリビニルピロリドンを添加した。25%硫酸の添加はpH計でpHを監視しながらpH値が2.3〜2.5の範囲を維持するように行い、90分で所定量125mLの添加を終了した。添加終了後、30分間攪拌を継続した。その後、孔径0.1μmのメンブレンフィルターでろ過・洗浄を行い、これを乾燥して21.5gの銅微粉末を回収した。得られた銅微粉末の粒度分布を図2に示す。この銅微粉末の平均粒径は0.52μmであり、粒度分布の広がり程度を示すS値は0.59であった。
亜酸化銅50gを純水600mLに懸濁させ、室温で25%硫酸を添加しつつ不均化反応を行わせた。亜酸化銅懸濁液には予め添加剤として0.8gのポリビニルピロリドンを添加した。25%硫酸の添加はpH計でpHを監視しながらpH値が2.3〜2.5の範囲を維持するように行い、90分で所定量125mLの添加を終了した。添加終了後、30分間攪拌を継続した。その後、孔径0.1μmのメンブレンフィルターでろ過・洗浄を行い、これを乾燥して21.5gの銅微粉末を回収した。得られた銅微粉末の粒度分布を図2に示す。この銅微粉末の平均粒径は0.52μmであり、粒度分布の広がり程度を示すS値は0.59であった。
〔実施例3〕
亜酸化銅50gを純水600mLに懸濁させ、室温で25%硫酸を添加しつつ不均化反応を行わせた。亜酸化銅懸濁液には予めゼラチンを0.8g添加した。25%硫酸の添加はpH計でpHを監視しながらpH値が2.0〜2.3の範囲を維持するように行い、95分で所定量125mLを添加し終わった。添加終了後も30分間攪拌を続けた。その後、孔径0.1μmのメンブレンフィルターでろ過・洗浄を行い、これを乾燥して21.5gの銅微粉末を回収した。得られた銅微粉末の粒度分布を図3に示す。この銅微粉末の平均粒径は0.53μmであり、粒度分布の広がり程度を示すS値は0.64であった。
亜酸化銅50gを純水600mLに懸濁させ、室温で25%硫酸を添加しつつ不均化反応を行わせた。亜酸化銅懸濁液には予めゼラチンを0.8g添加した。25%硫酸の添加はpH計でpHを監視しながらpH値が2.0〜2.3の範囲を維持するように行い、95分で所定量125mLを添加し終わった。添加終了後も30分間攪拌を続けた。その後、孔径0.1μmのメンブレンフィルターでろ過・洗浄を行い、これを乾燥して21.5gの銅微粉末を回収した。得られた銅微粉末の粒度分布を図3に示す。この銅微粉末の平均粒径は0.53μmであり、粒度分布の広がり程度を示すS値は0.64であった。
〔実施例4〕
亜酸化銅50gを純水600mLに懸濁させ、室温で25%硫酸を添加しつつ不均化反応を行わせた。実施例1と同様の条件で反応させ、同様の操作を行って21.5gの銅微粉末を回収した。この時の濾液(硫酸銅水溶液)は700mLであり、この液に改めてゼラチンを0.8g添加してこれを60℃に昇温した。この液を攪拌しながらヒドラジン水和物を80g加えて60分間反応させた。その後、室温まで冷却して孔径0.1μmのメンブレンフィルターでろ過・洗浄した後に乾燥して19.8gの銅微粉末を得た。この濾液から回収された銅微粉末も含めた銅微粉末全量の回収率は93.9%であった。
亜酸化銅50gを純水600mLに懸濁させ、室温で25%硫酸を添加しつつ不均化反応を行わせた。実施例1と同様の条件で反応させ、同様の操作を行って21.5gの銅微粉末を回収した。この時の濾液(硫酸銅水溶液)は700mLであり、この液に改めてゼラチンを0.8g添加してこれを60℃に昇温した。この液を攪拌しながらヒドラジン水和物を80g加えて60分間反応させた。その後、室温まで冷却して孔径0.1μmのメンブレンフィルターでろ過・洗浄した後に乾燥して19.8gの銅微粉末を得た。この濾液から回収された銅微粉末も含めた銅微粉末全量の回収率は93.9%であった。
〔比較例1〕
亜酸化銅50gを純水600mLに懸濁させ、これにゼラチンを0.8g添加した懸濁液に25%硫酸を添加して不均化反応を行わせた。硫酸の添加量は125mL(実施例1と同量)とし、pH値が0.5〜1.0の範囲になるようにチューブポンプを用いて添加した。50分で全量の添加を終了した後、更に30分間攪拌を続けた。その後、孔径0.1μmのメンブレンフィルターでろ過・洗浄を行い、これを乾燥して21.4gの銅微粉末を回収した。得られた銅微粉末の粒度分布を図4に示す。この銅微粉末の平均粒径は0.87μmであり、粒度分布の広がり程度を示すS値は0.94であった。
亜酸化銅50gを純水600mLに懸濁させ、これにゼラチンを0.8g添加した懸濁液に25%硫酸を添加して不均化反応を行わせた。硫酸の添加量は125mL(実施例1と同量)とし、pH値が0.5〜1.0の範囲になるようにチューブポンプを用いて添加した。50分で全量の添加を終了した後、更に30分間攪拌を続けた。その後、孔径0.1μmのメンブレンフィルターでろ過・洗浄を行い、これを乾燥して21.4gの銅微粉末を回収した。得られた銅微粉末の粒度分布を図4に示す。この銅微粉末の平均粒径は0.87μmであり、粒度分布の広がり程度を示すS値は0.94であった。
Claims (3)
- 亜酸化銅(Cu2O)を酸に溶解して金属銅を生成させる不均化反応による銅微粉末の製造において、液のpH値を常に2.0〜2.5の範囲に維持しながら反応させることを特徴とする銅微粉末の製造方法。
- 亜酸化銅(Cu2O)を硫酸に溶解する不均化反応によって生成した銅微粉末を回収した後、反応液に残存する硫酸銅(CuSO4)をヒドラジンによって還元して銅微粉末を析出させ回収することによって銅微粉末の回収率を高める請求項1に記載する銅微粉末の製造方法。
- 請求項1の方法によって製造された銅微粉末であり、粒度分布の広がり程度を表すS値(次式[1])が0.7以下であることを特徴とする銅微粉末。
S値= (D80−D20)/D50 … [1]
(D20,D50,D80は各々粒度分布における累積粒度曲線上で累積20%、50%、80%に対応する粒径の値)
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