JPWO2005114278A1 - 屈折率分布型光学部材、屈折率分布型光学部材の製造方法、光モジュール、および光モジュールの製造方法 - Google Patents

屈折率分布型光学部材、屈折率分布型光学部材の製造方法、光モジュール、および光モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

簡単なプロセスで100℃以上の耐熱性を有する屈折率分布型光学部材を提供すると共に、光通信や光ネットワークに使用される光モジュールで、光ファイバー径レベルの小型の光モジュールを作製できる屈折率分布型光学部材の製造方法を提供する。 断面の実質上中心で屈折率の極大部分を有しその極大部分からの距離にしたがって屈折率が低下する屈折率分布を有するコア部102と、コア部102の周囲の少なくとも一部に接している、屈折率が実質上一様なクラッド部103とを備えた屈折率分布型光学部材105を、シート状のポリシラン101に、コア部102の屈折率の極大部分からの距離にしたがって濃度が増加するシロキサン構造の濃度分布を形成させることにより作製する。

Description

本発明は、光通信あるいは光ネットワークに適用される、屈折率分布型光学部材および屈折率分布型光学部材の製造方法に関する。より特定的には、コア内のシロキサン構造の濃度を中心からの距離にしたがって中心対称に増加させることで屈折率分布を制御することのできるポリシラン製光学部材に関するものである。
マルチモード光導波路は、コア内で中心対称に低下する屈折率分布を有することによってモード分散を低減することができる。屈折率分布の物理的構成は、下記の従来例のように材料と作製プロセスに依存する。
従来の屈折率分布型光導波路は、光学媒体に対して所定のマスクを設けて、そのマスクの開口部を通して拡散源を光学媒体中に拡散して光導波路の屈折率に分布をつけていた(例えば、特開昭57−198410号(第2頁、第3図)参照;以下、文献1と呼ぶ)。
また、光重合により屈折率が小さくなるモノマーを含む光学媒体に対して、所定の透過率のマスクを設けて光を照射し、光導波路の屈折率に分布をつけるものもある(例えば、特開昭60−64310号(第2〜3頁、第1図)参照;以下、文献2と呼ぶ)。
また、文献2と同様の光重合反応を利用する方法で、異なる2方向から紫外線を照射して、同心円状の屈折率分布を有する導波路型レンズを作製するものもある(例えば、特開昭60−175010号(第7図)参照;以下、文献3と呼ぶ)。
また、文献2と同様の光重合反応を利用する方法で、照射光量を変化させることで屈折率分布型導波路を作製するものもある(例えば、特開平1−134310号(第1図)参照;以下、文献4と呼ぶ)。
また、有機カルボン酸の金属塩を含む光学樹脂に対して所定の開口部を有するマスクを設けて、エタノールやアセトンなどの溶媒に浸漬処理して有機カルボン酸を外部に拡散させることにより光導波路の屈折率に分布をつけるものもある(例えば、特開昭60−188906号(第3〜5頁、第2〜4図)参照;以下、文献5と呼ぶ)。
一方、光通信や光ネットワークに使用される光モジュールを安価に量産する技術として表面実装が挙げられる。
これは、あらかじめ光モジュールに必要な半導体レーザーやレンズの外形を高精度に作製し、V溝などが形成されたシリコン基板上にサブミクロン精度で配置したり、光学部品に位置決め用のアライメントマークを高精度に配置して、そのアライメントマークをCCDカメラ等で取り込み、画像処理技術を応用して配置するパッシブアライメントを行う技術である。パッシブアライメントの場合には、光ファイバーに入力する光量をモニターすることなく各光学部品を配置するため、これらの光学部品の加工精度や配置精度が最終的に光ファイバーに入力される光量に影響を及ぼす。そのため、各光学部品を精密に加工し、高精度にアライメントする必要がある。
また、プラスチックファイバーなどのマルチモード光ファイバー(以下、MMFと略す)の場合、その大口径コアに見合った受光面積を有するフォトダイオードが無いし、全モードを制御した低損失で小型のカプラーなどの周辺部品も無い。一方、シングルモード光ファイバー(以下、SMFと略す)は、モード制御が容易で、コア径も小さいことから小型で安価な周辺部品が入手できる。
ところで、従来の光モジュールには、グレーティングカプラーと導波路型レンズを有する薄膜型導波路を使用して、グレーティングカプラーによって薄膜型導波路に入力された光を導波路型レンズを介して外部の光学部品に結合させるものがある(例えば、特開昭62−280827号(第1図)参照;以下、文献6と呼ぶ)。
また、Si基板上に並列形成されたV溝群と、V溝群で位置決めされた光ファイバー群と、同ピッチで配列された光源群と、V溝群で位置決めされたフレネルレンズ群で構成されたものもある(例えば、特開2004−109498号(第1図)参照;以下、文献7と呼ぶ)。
また、屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)を使用して、光モジュールのアセンブリに高精度な光軸調整を不要にしたものもある(例えば、特開平11−271575号参照;以下、文献8と呼ぶ)。
図29は、文献8に示されている、従来の光モジュール610の側面図を示している。
光モジュール610は、基板611上にスペーサ612を介して配置された上下分割可能な石英ブロック613に挟まれ保持される光導波路としての光ファイバー614と、基板611上に設けられたホルダー615に固定されると共に電気信号が入力する端子616aを備えるレーザーダイオード616と、石英ブロック613とレーザーダイオード616との間に配置され光ファイバー614に接続されるGRINレンズ617とから構成されている。
外部から電気信号がレーザーダイオードの端子616aに入力すると、この電気信号の状態変化、例えば、信号のON/OFFに応じてレーザーダイオード616が発光/消光する。このレーザーダイオード616が出射する光信号は、GRINレンズ617により集束されて光ファイバー614に導かれ、最終的に光モジュール610の外部に出力される。
しかしながら、文献1の従来の方法では、光学媒体にマスクの開口部から拡散材料を注入する必要があるので、拡散材料の補給や、拡散材料による汚損などによりプロセスが複雑になるという第1の課題を有していた。
また、文献5の従来の方法は、有機カルボン酸の金属塩を含む光学樹脂をエタノールやアセトンなどの溶媒に浸漬処理するなどのウェット処理が必要なので、この場合にも、プロセスが複雑になるという第1の課題を有していた。
また、文献2〜4の従来の方法は、光学媒体中のモノマーを光により重合して屈折率を変化させるので、光量を調節するマスク設置と光照射の簡単なプロセスで屈折率分布型導波路を作製できるが、光重合反応によりできた材料は、PMMAなどのアクリル樹脂を使用するため、耐熱温度は80℃以下であり、100℃以上の耐熱性がないという第2の課題を有していた。したがって、屋内環境などでは問題ないが、100℃以上の耐熱性が要求されるような屋外使用や自動車などには使用できなかった。
また、文献6の従来の方法では、薄膜型導波路に結合するためにグレーティングカプラーが必要なので複雑なプロセスが必要で高価であり、低コストで実現できないという第3の課題を有していた。
また、文献7の従来の方法でも、使用している光ファイバー径レベルのフレネルレンズが高価であるため、低コストで実現できないという第3の課題を有していた。
また、文献8の従来の方法では、バルク型GRINレンズ(口径1mm以上)を使用しているので、低コストではあるが、光モジュールの小型化ができないという第4の課題を有していた。
なお、本明細書において、光ファイバー径レベルとは、光ファイバーの直径の10倍程度以下の大きさを言うものとする。
また、文献2〜4に示す従来のいずれの方法も、小型の導波路型屈折率分布レンズを作製することは可能であるが、導波路型屈折率分布レンズを作製する工程と、その作製した導波路型屈折率分布レンズを用いて光モジュールを作製する工程とが別工程となる、という第5の課題を有している。作製する導波路型屈折率分布レンズは非常に小さいため、製造費用に占めるその樹脂材料費は非常に小さく、製造工程で要する費用がコストに影響するため、このように、導波路型屈折率分布レンズを作製する工程と光モジュールを作製する工程とが別工程であると、光モジュールの作製費用が高コストになってしまう。
図28は、文献3に記載の、従来の光導波路の作製装置511の構成図である。
高分子フィルム513の表面(上面)にはマスク514が設置されている。このマスク514には、紫外線515を透過する2つの変化部514cが、所定の間隔を存して並列に形成されている。変化部514cは紫外線515の透過率が横方向に変化する分布を有しており、紫外線515の透過率が両側端でゼロ、中央で最も大きくなるように構成されている。そして、マスク514の上方には、一対のミラー516と、中央にプリズム517が設けられている。
光源より平行な紫外線515が照射され、その紫外線515は、プリズム517によって左右に分割され、一対のミラー516のそれぞれで反射され、2方向からマスク514に照射されるようになっている。その紫外線515は、マスク514の変化部514cのみ透過してフィルム513内に進行し、かつ両変化部514cを透過した紫外線515がフィルム513中で交差して円形の露光部を作製するようになっている。この露光部が、光導波路512となる。
このようにして、フィルム513に紫外線を照射してフィルム513内のモノマーを重合させ、屈折率分布を形成させることにより、光導波路512を作製する。
そして、光モジュールを完成させるためには、この光導波路512を用いて、さらに光モジュールを作製するという別工程を行う必要があるため高コストとなってしまう。
本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法は、シート状ポリシランを用い、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部を形成させることで、簡易なプロセスで屈折率分布型光学部材を作製することを第1の目的としている。
また、本発明の屈折率分布型光学部材は、シート状ポリシランを用い、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部が形成させることで、100℃以上の耐熱性を持たせることを第2の目的としている。
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、
断面の実質上中心で屈折率の極大部分を有し、前記極大部分からの距離にしたがって屈折率が増加しない屈折率分布を有するコア部と、
前記コア部の周囲の少なくとも一部に接している、屈折率が実質上一様なクラッド部とを備えた屈折率分布型光学部材であって、
ポリシランを主成分とするシート状の屈折率分布型光学部材である。
また、第2の本発明は、
前記コア部は、前記屈折率の極大部分からの距離にしたがって、濃度が減少しないシロキサン構造の濃度分布を有している、第1の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第3の本発明は、
前記コア部の前記シロキサン構造の濃度分布は、前記屈折率の極大部分からの距離にしたがって中心対称に実質上放物線に沿って増加する分布である、第2の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第4の本発明は、
前記コア部の前記シロキサン構造の濃度分布は、光の伝搬方向に沿って変化する分布である、第2の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第5の本発明は、
光の伝搬方向に沿って変化する前記シロキサン構造の濃度分布の変化は、周期的である、第4の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第6の本発明は、
前記光の伝搬方向に沿って変化する前記シロキサン構造の濃度分布は、前記シート状のポリシランの膜厚方向および幅方向の両方向に変化して分布する部分と、前記膜厚方向にのみ変化して分布する部分との組合せである、第4の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第7の本発明は、
前記コア部内の光軸は、実質上直線であり、
前記コア部の長さは、前記光軸上の所望の位置に焦点を有するように調整されている、第1の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第8の本発明は、
前記コア部は、複数設けられている、第1の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第9の本発明は、
前記複数のコア部の少なくとも一対が、一部において光学的に結合している、第8の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第10の本発明は、
前記複数のそれぞれのコア部内の光軸は、実質上直線であり、
前記複数のコア部は、互いに交差せずに並列して配置されている、第8の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第11の本発明は、
前記複数のそれぞれのコア部内の光軸は、実質上直線であり、
前記複数のコア部は、隣同士がそれらの端部で一部交差してジグザグ状に配置されている、第8の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第12の本発明は、
前記シート状のポリシランの上下2面の少なくとも1面に、少なくとも紫外線に対して透明な基板を備えた、第1の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第13の本発明は、
前記コア部は、前記屈折率の極大部分からの距離にしたがって、同心楕円形状に実質上放物線に沿って減少する屈折率分布を有する、第1の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第14の本発明は、
前記コア部は、前記屈折率の極大部分からの距離にしたがって、同心円形状または同心楕円形状に実質上放物線に沿って減少する屈折率分布を有しており、入力側および出力側の少なくとも一方の端部領域の断面が、前記端部に向かって面積が小さくなる形状をしている、第1の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第15の本発明は、
前記コア部の前記端部は、曲面形状である、第14の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第16の本発明は、
ポリシランを主成分とするシート状の基材を用いた屈折率分布型光学部材の製造方法であって、
前記シート状の基材上の所望の前記屈折率分布型光学部材の形成位置において、前記シート状の基材の上面および下面から、それぞれマスク板を介して同時に紫外線を照射する紫外線照射ステップと、
前記シート状の基材に酸素を供給しながら加熱する加熱ステップとを備えた、屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第17の本発明は、
前記紫外線照射ステップで紫外線を照射し、前記加熱ステップで酸素を供給しながら加熱することにより、前記シート状の基材のポリシラン構造が、酸化反応により、ポリシラン構造よりも屈折率の小さいシロキサン構造に変化する、第16の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第18の本発明は、
前記マスク板は、作製する前記屈折率分布型光学部材のコア部の中心線に平行な線上に紫外線透過率が極小となる部分が分布しており、前記極小となる部分からの、前記平行な線の垂直な面方向への距離にしたがって紫外線透過率が低下しない紫外線透過率分布を有している、第16の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第19の本発明は、
前記マスク板の前記紫外線透過率は、前記平行な線から垂直な面方向に離れるにしたがって実質上放物線に沿って増加する、第18の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第20の本発明は、
前記紫外線透過率分布は、前記平行な線から垂直な面方向に離れるにしたがって紫外線透過率が増加する部分は、前記平行な線から所定の距離までであり、前記所定の距離が、前記光の伝搬方向に沿って短くなっていく分布である、第19の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第21の本発明は、
前記2枚のマスク板は、いずれも、紫外線透過率の極小部分である直線状部分を、互いに交差しない配置で複数有しており、
それぞれの前記直線状部分から垂直な面方向に離れるにしたがって紫外線透過率が増加する部分は、前記直線状部分から所定の距離までである、第18の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第22の本発明は、
前記2枚のマスク板は、いずれも、紫外線透過率の極小部分である直線状部分を、隣同士がそれらの端部で一部交差してジグザグ状に配置される位置に、複数有しており、
それぞれの前記直線状部分から垂直な面方向に離れるにしたがって紫外線透過率が増加する部分は、前記直線状部分から所定の距離までである、第18の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第23の本発明は、
前記シート状の基材の上面および下面に設けた前記マスク板は、互いに等しい紫外線透過率分布を有している、第16の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第24の本発明は、
前記シート状の基材の上面に設けた前記マスク板の紫外線透過率分布と、前記シート状の基材の下面に設けた前記マスク板の紫外線透過率分布は、作製する前記屈折率分布型光学部材の光の伝搬方向に沿って、互いに負の相関がある、第16の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第25の本発明は、
前記マスク板の紫外線透過率分布は、作製する前記屈折率分布型光学部材の光の伝搬方向に沿って変化する部分を少なくとも有する分布である、第16の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第26の本発明は、
前記紫外線透過率分布は、前記光の伝搬方向に沿って周期的に変化する分布である、第25の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第27の本発明は、
前記紫外線透過率分布は、前記光の伝搬方向に沿って紫外線透過率が変化する部分と、前記光の伝搬方向に沿って紫外線透過率が一様な部分との組合せである、第25の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第28の本発明は、
前記シート状の基材の上下2面の少なくとも1面に、少なくとも紫外線に透明な基板を備えた、第16の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
以上に記載の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法は、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用い、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部を形成させることで、簡易なプロセスで屈折率分布型光学部材を作製できる、という効果を発揮する。この効果は、上述した第1の課題に対応したものである。
また、本発明の屈折率分布型光学部材は、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用い、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部が形成させることで、100℃以上の耐熱性を持たせることができる、という効果を発揮する。この効果は、上述した第2の課題に対応したものである。
また、第29の本発明は、
第7の本発明の屈折率分布型光学部材と、
前記屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部から光を入射させるように配置された発光部と、
前記コア部のもう一方の端部から出射する光を受光させるように配置された受光部とを備えた光モジュールである。
また、第30の本発明は、
前記コア部は、前記屈折率分布型光学部材に、互いに交差せずに並列して複数配置されており、
前記複数のコア部のそれぞれの一方の端部には、複数の前記発光部がそれぞれ配置されており、
前記複数のコア部のそれぞれのもう一方の端部には、複数の前記受光部がそれぞれ配置されている、第29の本発明の光モジュールである。
また、第31の本発明は、
第7の本発明の屈折率分布型光学部材と、
特定の波長の光のみを通過させ前記特定の波長以外の光を反射する、前記特定の波長がそれぞれ異なる波長である複数の光学フィルターとを備え、
前記屈折率分布型光学部材のコア部は、隣同士がそれらの端部で一部交差してジグザグ状に複数配置されており、
前記複数の光学フィルターのそれぞれは、前記隣同士のコア部の交差部分に配置されており、
前記複数のコア部のうちの一番端のコア部の一方の入口から多重波長の光が入射される、光モジュールである。
また、第32の本発明は、
2つの、第7の本発明の屈折率分布型光学部材と、
一方の前記屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部から光を入射させるように配置された発光部と、
もう一方の前記屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部から出射する光を受光させるように配置された受光部と、
前記一方の屈折率分布型光学部材のコア部のもう一方の端部、および前記もう一方の屈折率分布型光学部材のコア部のもう一方の端部の間に配置された光学部品とを備えた、光モジュールである。
また、第33の本発明は、
前記光学部品は、アイソレーター、偏向子、波長板、光学フィルター、フォトニック結晶のうちのいずれか、または、これらの組み合わせであり、前記2つの屈折率分布型光学部材の光軸を横断するように配置されている、第32の本発明の光モジュールである。
また、第34の本発明は、
前記2つの屈折率分布型光学部材のコア部は、いずれも、互いに交差せずに並列して複数配置されており、
前記発光部および前記受光部は、いずれも複数あり、
前記一方の屈折率分布型光学部材の複数のコア部のそれぞれの一方の端部には、前記複数の発光部がそれぞれ配置されており、
前記もう一方の屈折率分布型光学部材の複数のコア部のそれぞれの一方の端部には、前記複数の受光部がそれぞれ配置されている、第32の本発明の光モジュールである。
また、第35の本発明は、
前記一方の屈折率分布型光学部材のコア部は、1つであり、
前記もう一方の屈折率分布型光学部材のコア部は、複数あり、
前記光学部品は、光分岐デバイスであり、
前記一方の屈折率分布型光学部材の前記コア部の一方の端部から入射された光は、前記光分岐デバイスで分岐されて、前記もう一方の屈折率分布型光学部材の前記複数のコア部の、それぞれの一方の端部から出射される、第32の本発明の光モジュールである。
また、第36の本発明は、
前記一方の屈折率分布型光学部材のコア部は、複数あり、
前記もう一方の屈折率分布型光学部材のコア部は、1つであり、
前記光学部品は、光結合デバイスであり、
前記一方の屈折率分布型光学部材の前記複数のコア部の、それぞれの一方の端部から入射された光は、前記光結合デバイスで結合されて、前記もう一方の屈折率分布型光学部材の前記コア部の一方の端部から出射される、第32の本発明の光モジュールである。
また、第37の本発明は、
さらに、前記一方の屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部に配置された別の受光部を備え、
前記光学部品は、特定の波長の光のみを通過させ前記特定の波長以外の光を反射する光学フィルターであり、
前記受光部は、前記一方の屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部から入射した前記発光部からの光が、前記光学フィルターを通過して前記もう一方の屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部から出射される位置に配置されており、
前記別の受光部は、前記一方の屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部から入射した前記光が、前記光学フィルターで反射して前記一方の屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部から出射される位置に配置されている、第32の本発明の光モジュールである。
また、第38の本発明は、
前記屈折率分布型光学部材は、コア部が前記発光部および/または前記受光部と軸ズレ状態になるように配置され、前記発光部および/または前記受光部の前記屈折率分布型光学部材のコア部への入出力端部に対する光の入出力方向を傾斜させている、第29または32の本発明の光モジュールである。
また、第39の本発明は、
前記屈折率分布型光学部材、前記発光部、前記受光部のうちの少なくとも1つは、表面実装の位置決め用に形成された溝によって位置決めされている、第29または32の本発明の光モジュールである。
また、第40の本発明は、
第13の本発明の屈折率分布型光学部材と、
前記屈折率分布型光学部材のコア部の入力側端部に楕円形状ビームを入射する入力部と、
前記コア部の出力側端部から出射される出力ビームを受光する受光部とを備え、
前記コア部の前記屈折率分布の楕円形状の長軸および短軸の方向が、それぞれ、前記入力部から入射される前記楕円形状ビームの短軸および長軸の方向と一致する、光モジュールである。
以上に記載の、本発明の光モジュールは、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用いて、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部を形成させるという簡易なプロセスで作製した本発明の屈折率分布型光学部材を利用した低コストの光モジュールとすることができる、という効果を発揮する。この効果は、上述した第3の課題に対応したものである。
以上に記載の、本発明の光モジュールは、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用いて、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部を形成させるというプロセスで作製した小型の本発明の屈折率分布型光学部材を利用した小型の光モジュールとすることができる、という効果を発揮する。この効果は、上述した第4の課題に対応したものである。
また、第41の本発明は、
発光部を有する第1光学部品および受光部を有する第2光学部品を、前記発光部と前記受光部が対向するように、所定の間隔をおいて基板上に配置する配置工程と、
少なくとも、前記発光部および前記受光部を埋設するように、前記発光部と前記受光部との間に、ポリシランをシート状に充填もしくは塗布する塗布工程と、
前記ポリシランを硬化させるとともに、前記発光部から出射された光が前記受光部に入射されるように、前記ポリシラン内に屈折率分布を形成させるポリシラン硬化工程とを備えた、光モジュールの製造方法である。
また、第42の本発明は、
前記ポリシラン硬化工程では、紫外線を照射することにより、前記ポリシランを硬化させるとともに、前記発光部から前記受光部への光路の光軸上で最大であり、前記光軸から垂直方向に離れるにしたがって減少する屈折率分布を形成させる、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第43の本発明は、
前記発光部は、光源または光ファイバーの一端であり、
前記受光部は、受光素子または光ファイバーの一端である、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第44の本発明は、
前記配置工程は、
前記発光部から前記受光部への光路の光軸が、前記発光部および/または前記受光部と軸ズレ状態になるように、前記発光部および前記受光部を配置する、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第45の本発明は、
前記基板は、表面実装の位置決め用の溝を有しており、
前記配置工程は、
前記第1光学部品および前記第2光学部品の少なくとも一方を、前記位置決め用の溝によって位置決めさせて配置する、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第46の本発明は、
前記配置工程は、
光ファイバーを前記基板上に固定した後、切断された後の2つの端面の間隔が前記所定の間隔となるように、前記光ファイバーを前記基板上で切断し、前記2つの端面のうちの一方の端面を前記発光部とし、もう一方の端面を前記受光部とする、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第47の本発明は、
少なくとも、前記ポリシランの前記屈折率分布を形成させる部分に対応する前記基板の部分は、紫外線に対して透明であり、
前記ポリシラン硬化工程では、2枚のマスク板を、前記シート状のポリシランが充填もしくは塗布された前記基板の両面側に配置した後、前記2枚のマスク板の外側から均一な紫外線を照射し、
前記2枚のマスク板は、いずれも、前記ポリシランに形成させる屈折率の大きい部分に対応する部分の紫外線透過率が小さくなり、前記ポリシランに形成させる屈折率の小さい部分に対応する部分の紫外線透過率が大きくなるような紫外線透過率分布を有する、第42の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第48の本発明は、
前記2枚のマスク板の紫外線透過率分布は、いずれも、前記発光部と前記受光部を直線で結ぶ光軸に対向する直線状部分で最小であり、前記直線状部分から垂直方向に離れるにしたがって増加する分布をしており、
前記ポリシラン硬化工程により、前記光軸上で屈折率が最大となり、前記光軸から垂直方向に離れるにしたがって屈折率が低下する屈折率分布を有するGRINレンズが、前記発光部と前記受光部の間に形成される、第47の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第49の本発明は、
前記受光部は、複数設けられており、
前記2枚のマスク板は、それぞれ、
前記発光部に接続される第1のGRINレンズを形成する屈折率分布を、前記ポリシラン中に形成させるのに対応した第1の紫外線透過率パターンと、
前記受光部のそれぞれに接続される複数の第2のGRINレンズで構成される第2のGRINレンズアレーを形成する屈折率分布を、前記ポリシラン中に形成させるのに対応した第2の紫外線透過率パターンと、
前記第1のGRINレンズから出射される光を分岐して前記第2のGRINレンズの前記各受光部に入射させる分岐路を形成する屈折率分布を、前記ポリシラン中に形成させるのに対応した、前記第1の紫外線透過率パターンおよび前記第2の紫外線透過率パターンに接続される第3の紫外線透過率パターンとを有する、第47の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第50の本発明は、
前記発光部は、複数設けられており、
前記2枚のマスク板は、それぞれ、
前記発光部のそれぞれに接続される複数の第1のGRINレンズで構成される第1のGRINレンズアレーを形成する屈折率分布を、前記ポリシラン中に形成させるのに対応した第1の紫外線透過率パターンと、
前記受光部に接続される第2のGRINレンズを形成する屈折率分布を、前記ポリシラン中に形成させるのに対応した第2の紫外線透過率パターンと、
前記第1のGRINレンズアレーの前記各発光部から出射される光を結合して前記第2のGRINレンズに入射させる結合路を形成する屈折率分布を、前記ポリシラン中に形成させるのに対応した、前記第1の紫外線透過率パターンおよび前記第2の紫外線透過率パターンに接続される第3の紫外線透過率パターンとを有する、第47の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第51の本発明は、
さらに、前記発光部から前記受光部への光路を切断するように、前記シート状のポリシランを2つに切断する切断工程と、
前記2つに切断されたシート状のポリシランの間に、第3光学部品を配置する第3光学部品取付工程とを備えた、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第52の本発明は、
前記発光部および受光部は、それぞれ複数設けられており、
前記ポリシラン硬化工程では、それぞれの前記発光部に対応するそれぞれの前記受光部へのそれぞれの光路毎に、その光軸上で屈折率が最大となり、前記光軸から垂直方向に離れるにしたがって屈折率が低下する屈折率分布を形成させる、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第53の本発明は、
さらに、前記発光部から前記受光部への全ての光路を切断するように、前記シート状のポリシランを2つに切断する切断工程と、
前記2つに切断されたシート状のポリシランの間に、第3光学部品を配置する第3光学部品取付工程とを備えた、第52の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第54の本発明は、
前記第3光学部品は、アイソレーター、偏向子、波長板、フィルターのうちのいずれかである、第51または第53の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第55の本発明は、
発光部を有する第1光学部品と、
前記発光部と所定の間隔をおいて隔てられた受光部を有する第2光学部品と、
少なくとも、前記発光部および前記受光部が埋設されており、前記発光部と前記受光部との間に、前記発光部から出射された光を前記受光部に入射させる屈折率分布を有する、シート状の硬化されたポリシランとを備えた、光モジュールである。
また、第56の本発明は、
前記ポリシランには、光量に分布を有する紫外線を照射することにより、前記発光部から前記受光部への光路の光軸上で屈折率が最大となり、前記光軸から垂直方向に離れるにしたがって屈折率が低下する屈折率分布が形成されており、その屈折率分布によって、前記ポリシラン内にGRINレンズが形成されており、
前記GRINレンズ部分のシロキサン構造の濃度分布は、前記光軸上で最小であり、前記光軸から垂直方向に離れるにしたがって実質上放物線に沿って増加する、第55の本発明の光モジュールである。
また、第57の本発明は、
前記発光部は、光源または光ファイバーの一端であり、
前記受光部は、受光素子または光ファイバーの一端である、第55の本発明の光モジュールである。
また、第58の本発明は、
前記発光部から前記受光部への光路の光軸が、前記発光部および/または前記受光部と軸ズレ状態になるように、前記発光部および前記受光部が配置されている、第55の本発明の光モジュールである。
また、第59の本発明は、
前記第1光学部品、前記第2光学部品、および前記ポリシランは、表面実装の位置決め用の溝を有する基板上に配置されており、
前記第1光学部品および前記第2光学部品の少なくとも一方は、前記位置決め用の溝によって位置決めされて配置されている、第55の本発明の光モジュールである。
また、第60の本発明は、
前記受光部は、複数あり、
前記ポリシランには、その内部の屈折率分布により、
前記発光部に接続される第1のGRINレンズと、
前記受光部のそれぞれに接続される複数の第2のGRINレンズと、
前記第1のGRINレンズから出射される光を分岐して前記複数の第2のGRINレンズに入射させる分岐路とが形成されている、第55の本発明の光モジュールである。
また、第61の本発明は、
前記発光部は、複数あり、
前記ポリシランには、その内部の屈折率分布により、
前記発光部のそれぞれに接続される複数の第1のGRINレンズと、
前記受光部に接続される第2のGRINレンズと、
前記複数の第1のGRINレンズから出射される光を結合して前記第2のGRINレンズに入射させる結合路とが形成されている、第55の本発明の光モジュールである。
また、第62の本発明は、
さらに、前記光路を横断するように前記ポリシランの間に配置されている第3光学部品を備えた、第55の本発明の光モジュールである。
また、第63の本発明は、
前記発光部および受光部は、それぞれ複数あり、
前記ポリシランには、その内部の屈折率分布により、それぞれの前記発光部とそれらに対応するそれぞれの前記受光部とのそれぞれの間にGRINレンズが形成されている、第55の本発明の光モジュールである。
また、第64の本発明は、
さらに、前記発光部から前記受光部への全ての光路を横断するように配置されている第3光学部品を備えた、第63の本発明の光モジュールである。
また、第65の本発明は、
前記第3光学部品は、アイソレーター、偏向子、波長板、フィルターのうちのいずれかである、第62または第64の本発明の光モジュールである。
以上に記載の本発明の光モジュールおよび光モジュールの製造方法は、導波路型屈折率分布レンズを作製すると同時に光学部品の固定ができる、という効果を発揮する。この効果は、上述した第5の課題に対応したものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1(a)に、本発明の実施の形態1の屈折率分布型光導波路(GI型光導波路)105の構成概要図を示す。図1(b)、(c)は、それぞれ、GI型光導波路105の酸素濃度分布および屈折率分布を示している。また、図1(d)は、図1(a)のGI型光導波路105のA−A´断面図を示している。なお、GI型光導波路105が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
本実施の形態1では、図1(a)に示すように、シート状ポリシラン101の面内の屈折率分布(以下GIと呼ぶ)を有するGI型コア102と、GI型コア102以外のクラッド103と、シート状ポリシラン101を支持し、紫外線に対して透明な、例えばガラス基板104とで構成されている。
GI型コア102は、図1(b)に示すように、断面の中心線上で極小部分を有し、その極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する酸素濃度分布を有している。一方、クラッド103は、ほぼ酸素濃度が一定である。
次に、本実施の形態1のGI型光導波路の製造方法、およびその原理について図2および図3を使用して説明する。
図2(a)は、ポリシラン系樹脂の、酸化による内部構造の変化を示している。また、図2(b)は、酸化により、シート状ポリシランに形成される屈折率分布を説明する図である。
硬化前のシート状ポリシラン108は、UV(紫外線)露光や熱処理によって起こる硬化時の酸化反応により、高屈折率のポリシラン構造106が低屈折率のシロキサン構造107に変化する。したがって、図2(b)に示すように、透明基板109上に塗布した硬化前のシート状ポリシラン108の上からUV照射110すると、UV照射110している上側から空気中の酸素と反応して酸化が起こりシロキサン構造107が生成されていくので、UV光源から離れるにしたがってシロキサン構造107を構成する酸素の濃度が減少する。
このように、UV照射110の仕方と、シート状ポリシラン108への酸素の供給の仕方によって、ポリシラン構造106部分と酸化により発生するシロキサン構造107部分を分布させられるので、自由に屈折率分布を形成させることができる。ただし、シート状ポリシラン108の膜厚が小さい場合は雰囲気中の酸素と反応することができるが、シート状ポリシラン108の膜厚が大きい場合やシート状ポリシラン108が基板などで直接空気に触れない場合には、雰囲気の酸素が及ばない内部には屈折率分布を形成させることができない。このような場合は、予め硬化前のシート状ポリシラン108内部に、酸素や酸化物あるいは過酸化物を拡散させておくことで、雰囲気の酸素が及ばない内部にまで屈折率分布を形成させることができる。
また、図2(b)において上下の両面から、つまり透明基板109の下側からもUV照射を行う場合、シート状ポリシラン108の基板側と空気側では酸素供給量(シロキサン構造107が生成される前の酸素濃度)が異なるので、照射するUV照射量が上下等量の場合は酸素供給量の多い空気側の屈折率低下が大きくなり、最大屈折率位置が基板側に移動してしまう。この場合、基板側から照射するUV照射量を空気側よりも多くして非対称にすることで、空気側の酸化反応が抑制されるので膜厚中心対称の屈折率分布を形成させることができる。
例えば、GI型スラブ導波路のように、膜厚方向に中心で極大を有し、中心からの距離にしたがって屈折率が中心対称にほぼ放物線に沿って低下する屈折率分布を形成させる場合は、硬化前のシート状ポリシラン108の上下両面から同強度のUV照射をすればよい。
ただし、UV露光で硬化させる場合に基板側から露光する場合は、透明基板109の材料として、UVに対して透明な材料、例えば、石英やほう珪酸ガラスなどのガラスや、UVを透過する樹脂や、LiNbOやLiTaOなどの結晶性基板を使用する。
なお、シート状ポリシラン108の膜厚が大きい場合や、透明基板109により酸素供給量が上下で非対称になる場合は、予めシート状ポリシラン108に酸素や酸化物あるいは過酸化物を付加しておいたり、UV照射量を上下非対称にすれば膜厚方向の屈折率分布を調整することができる。
このように、ポリシランは、酸化反応によりポリシラン構造106が相対的に低屈折率のシロキサン構造107に変化するので、ポリシラン内部での屈折率分布は、シロキサン構造107を構成する酸素の濃度と負の相関を有する。したがって、図1(a)のGI型光導波路105のGI型コア102は、図1(b)に示す酸素濃度分布を有しているので、GI型コア102内の屈折率分布は、図1(c)に示すように、GI型コア102の断面の中心線上で極大部分を有し、その極大部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って低下する分布となる。したがって、図1(a)のA−A´断面におけるGI型コア102の屈折率分布は、図1(d)のように円形状の分布となる。なお、図1(d)のGI型コア102部分の濃淡は、濃い方が屈折率が高く、薄い方が屈折率が低いことを示している。
ポリシラン内部での屈折率分布は酸素濃度と負の相関を有するので、GI型コア102の酸素濃度分布は、その断面の中心線上で極小部分を有し、その極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する分布となる。ポリシラン内部の酸素濃度の分布は、シロキサン構造の濃度の分布に依存するので、GI型コア102内のシロキサン構造の濃度の分布を、断面の中心線上で極小部分を有し、その極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する分布とすることにより、図1(c)に示すような屈折率分布を形成させることができる。
このようにして、ポリシラン内の酸素濃度分布を制御すること、すなわちポリシラン内のシロキサン構造の濃度分布を制御することで、GI型光導波路105を作製することができる。
なお、本実施の形態1のGI型光導波路105では、図1(d)のように、GI型コア102が、その周囲の上部および下部を除く部分でクラッド103に接している構成としたが、GI型コア102の周囲の全体がクラッド103に接している構成であってもよい。
次に、図1(c)に示すように膜厚方向と幅方向の2次元的に屈折率が分布する図1(a)のポリシラン製GI型光導波路105の製造方法について説明する。
図3は、GI型光導波路105の製造工程を示す図であり、図3(a)は準備工程、図3(b)はUV照射工程、図3(c)は完成したGI型光導波路を示している。
まず、図3(a)に示すように、透明基板114の上にシート状のポリシラン(硬化前)101を塗布する。そして、シート状ポリシラン(硬化前)101を塗布した透明基板114の上の面にUV透過率分布上マスク112を、下の面にUV透過率分布下マスク113をそれぞれ配置する。なお、透明基板114には、少なくとも紫外線に対して透明な基板、つまり少なくとも紫外線領域の波長を透過する基板を使用する。なお、ポリシラン(硬化前)101が、本発明の、ポリシランを主成分とするシート状の基材の一例にあたる。
図3(a)のUV透過率分布上マスク112の上に示すグラフは、図3(a)に示すUV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113の位置に対応する部分の、幅方向(図3の左右方向)のUV(紫外線)透過率分布を示している。このように、UV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113は、いずれも、所望の長さのGI型光導波路105のGI型コア102の中心線に平行な線上に極小部分を有し、その平行線の垂直方向における前記極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加するUV(紫外線)透過率分布を有している。なお、図3(a)、(b)に示すUV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113のUV透過率分布を示す濃淡は、濃い方が透過率が低く(紫外線を通し難い)、薄い方が透過率が高い(紫外線をよく通す)ことを示している。
次に、図3(b)に示すように、酸素を供給しながら、加熱し、上記の各透過率分布を有するUV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113を介して、シート状ポリシラン(硬化前)101の上下2方向から、同量のUV(紫外線)照射115を均一に行う。
このようにUV照射115を行うことにより、膜厚方向には膜厚の中心対称な、幅方向にはマスクの透過率分布と負の相関のある幅中心対称な、すなわち、膜厚と幅の中心で極大を有し、それらの中心からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線にしたがって低下
する屈折率分布を有する光導波路を作製することができる。図3(c)に示すように、ポリシラン(硬化後)116が、このような屈折率分布を有する光導波路となる。
なお、図3(a)〜(c)のポリシラン(硬化前)101およびポリシラン(硬化後)116の屈折率分布を示す濃淡は、濃い方が屈折率が高く、薄い方が屈折率が低いことを示しており、図3(a)〜(c)に示すように、UV照射115にしたがって屈折率の分布状態が変化する。
この屈折率分布が中心対称分布であれば、近似的に放物線状に沿った分布となる。ただし、幅方向のクラッド103部分に対応するUV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113の透過率は一定であるので、厳密にはクラッド103部分の膜厚方向には中心対称の屈折率分布が存在する。しかし、クラッド103部分はGI型コア102部分よりもUV照射115量が多く、シロキサン構造107の割合が大きいので、GI型コア102部分の屈折率分布に比較するとクラッド103部分の屈折率分布は無視することができる。
また、図3(c)の下に示すグラフは、図3(c)に示すポリシラン(硬化後)116の位置に対応する、幅方向のシロキサン構造107を構成するO(酸素)の濃度分布および屈折率分布を示している。このように、シロキサン構造107を構成する酸素の濃度分布は、屈折率分布とは逆に、幅方向の中心で極小を有し、その中心からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線にしたがって増加する分布となる。
また、図3(a)〜(c)の右に示すグラフは、各工程における、各図に示すポリシラン(硬化前)101およびポリシラン(硬化後)116の位置に対応する膜厚方向の、屈折率分布およびシロキサン構造107を構成する酸素の濃度分布を示している。このように、UV照射115にしたがって、膜厚方向の屈折率分布および酸素濃度分布が変化する。
なお、シート状ポリシラン(硬化前)101の膜厚が大きい場合や、透明基板114により酸素供給量が上下で非対称になる場合は、上述したGI型スラブ導波路の場合と同様に、予めシート状ポリシラン(硬化前)101に酸素や酸化物あるいは過酸化物を付加しておいたり、UV照射115量を上下非対称にすれば膜厚方向の屈折率分布を調整することができる。
また、一般に、光導波路は保持用基板に取り付ける必要があるが、本実施の形態1で作製した光導波路は、透明基板114の部分をそのまま保持用基板として使用できる。したがって、別途保持用基板を準備する必要がなく、保持用基板に取り付ける工程が不要となる、という効果も得られる。
図4(a)〜(d)は、本実施の形態1の屈折率分布型光導波路の製造方法で使用される、紫外線量を制御する透過率分布を有する光導波路用マスクの概要図を示している。これらの光導波路用マスクの膜厚方向の屈折率分布は、いずれも一定である。
図4(a)は、上記で説明した図3のUV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113を示している。
図4(a)に示すようなGI型直線導波路以外に、透過率が極小となる中心線が曲線を画いたり、複数本存在するマスクを使用することにより、さまざまなパターンのGI型光導波路を作製することができる。例えば、図4(b)のマスクを使用することによりGI型S字導波路が作製でき、図4(c)のマスクを使用することによりGI型Y分岐を作製でき、図4(d)のマスクを使用することによりGI型方向性結合器を作製することもできる。
なお、図4(a)〜(c)の各マスクを使用して作製される、GI型直線導波路、GI型S字導波路、GI型Y分岐は、いずれも、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。また、図4(d)のマスクで作製されるGI型方向性結合器が、本発明の、コア部の少なくとも一対が一部において光学的に結合している屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
なお、各図面の光導波路の屈折率分布を示す濃淡は、濃い方が屈折率が高く、薄い方が屈折率が低いことを示すが、マスクの紫外線透過率分布を示す濃淡は、濃い方が透過率が低く(紫外線を通し難い)、薄い方が透過率が高い(紫外線をよく通す)ことを示す。
なお、本発明で、ポリシランを主成分とするとは、生産用の材料か結果物かに関わらず、ポリシランを主成分としていさえすれば、他の成分が含まれていてもよいことを意味している。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2のGI型光導波路は、実施の形態1のシート状ポリシランを使用したプロセスにより、伝搬方向に沿って紫外線透過率分布が変化するマスクを使用して作製できるGI型光導波路である。なお、本実施の形態2のGI型光導波路が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
図5(a)および図5(b)は、入力端と出力端でモードフィールド径の異なるGI型ビーム変換器を作製する際に用いる上下のマスクの概要図を示し、図5(c)は作製されるGI型ビーム変換器の概要図を、図5(d)は、そのB−B´断面図をそれぞれ示している。
図3の実施の形態1と同様のシート状ポリシランを使用したプロセスにおいて、UV透過率分布上マスク112として上マスク120を使用し、UV透過率分布下マスク113として下マスク121を使用して紫外線照射を行う。このように、伝搬方向に変化するコア径に対応して紫外線透過率分布の変化率を変化させた上マスク120および下マスク121を使用すれば、光の伝搬方向に沿って変化する屈折率分布がGI型コア122に形成され、図5(c)に示すような入力端と出力端でモードフィールド径の異なるGI型ビーム変換器を作製することができる。GI型コア122の酸素濃度分布およびシロキサン構造の濃度分布は、屈折率分布に相反する分布なので、これらの分布も光の伝搬方向に沿って変化する分布となる。
図6(a)および図6(b)は、コアがシート状ポリシランの膜厚方向に変化するGI型3次元光導波路を作製する際に用いる上下のマスクの概要図を示し、図6(c)は作製されるGI型3次元光導波路の概要図を、図6(d)は、そのC−C´断面図をそれぞれ示している。
図3の実施の形態1と同様のシート状ポリシランを使用したプロセスにおいて、UV透過率分布上マスク112として上マスク130を使用し、UV透過率分布下マスク113として下マスク131を使用して紫外線照射を行う。このように、上下で伝搬方向に沿って紫外線透過率分布形状は同じであるが、絶対値が逆相関(左から右へ上マスクは透過率が上昇し、下マスクは透過率が低下する)の紫外線透過率分布を有する上マスク130および下マスク131を使用すれば、図6(c)に示すような左から右へGI型コア122がシート状ポリシランの膜厚方向に変化するGI型3次元光導波路を作製することができる。
図7(a)は、屈折率分布の絶対値が周囲的に変化するGI型導波路グレーティングを作製する際に用いる上下のマスクの概要図を示し、図7(b)は作製されるGI型導波路グレーティングの概要図を、図7(c)は、そのD−D´断面図を、図7(d)は、そのE−E´断面図をそれぞれ示している。
図3の実施の形態1と同様のシート状ポリシランを使用したプロセスにおいて、UV透過率分布上マスク112として上マスク140を使用し、UV透過率分布下マスク113として下マスク141を使用して紫外線照射を行う。上マスク140と下マスク141は、図7(a)に示すように、同じ紫外線透過率分布を有している。
このように、伝搬方向に沿って周期的に紫外線透過率分布の絶対値が変化する上マスク140および下マスク141を使用すれば、図7(b)に示すような屈折率分布の絶対値が周囲的に変化するGI型屈折率部分145を有するGI型導波路グレーティングを作製することができる。屈折率分布が伝搬方向に沿って周期的に変化するので、図7(c)および図7(d)のように、位置によってその断面の屈折率分布が異なる。
GI型コア142の酸素濃度分布およびシロキサン構造の濃度分布は、屈折率分布に相反する分布なので、これらの分布も光の伝搬方向に沿って周期的に変化する分布となる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3のGI型MMIカプラーは、実施の形態1のシート状ポリシランを使用したプロセスにより、GI型スラブ部分とGI型入出力導波路部分が複合したマスクを使用して作製できる、入出力導波路付GI型MMIカプラーである。
図8(b)は、2次元屈折率分布を有する入出力GI型導波路と膜厚方向の1次元屈折率分布を有する側壁を露出したGI型スラブを複合化したGI型MMIカプラーの概要図を示し、図8(a)は、そのマスクの概要図を示している。図8(c)は、図8(b)に示すGI型MMIカプラーのF−F´断面図を示している。
なお、図8(b)に示すGI形MMIカプラーが、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
本実施の形態3のGI型MMIカプラーは、図8(b)に示すように、光の伝搬方向に沿ってコア断面の中心線上で酸素濃度の極小部分を有し、その酸素濃度の極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する酸素濃度分布(屈折率は、コア断面の中心線上で極大部分を有し、その極大部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って低下する屈折率分布)を有するGI型入力導波路150と、GI型入力導波路150と同様の屈折率分布を有する2個のGI型出力導波路151と、GI型入力導波路150とGI型出力導波路151を入力端と出力端のそれぞれに具備する膜厚方向において中心で酸素濃度の極小部分を有し、その酸素濃度の極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する酸素濃度分布(屈折率は、中心で極大部分を有し、その極大部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って低下する屈折率分布)を有するGI型スラブ155で構成されたGI型マルチモード干渉(MMI)カプラーである。なお、ここでいう酸素濃度とは、実施の形態1の説明と同様にシロキサン構造107を構成する酸素の濃度のことをいう。
ただし、GI型スラブ155は、幅方向の露出端面156は空気に露出され、GI型入力導波路150からの入射光によって幅方向に励振されたマルチモードの伝搬方向の干渉によって出力端上の2個のGI型出力導波路151との接続位置で光の強度が極大になるように幅と長さが最適化されている。
このようなGI型MMIカプラーは、実施の形態1に示したGI型光導波路と、GI型スラブとの組合せである。したがって、実施の形態1と同様のGI型直(曲)線入出力導波路用マスク(図4(a)、(b))部分157、158と、GI型スラブマスク部分159(GI型入力導波路マスク部分157およびGI型出力導波路マスク部分158の、極小透過率に等しい一定透過率のマスク)とを組み合わせた図8(a)に示す複合マスク160を使用すれば、透明基板154上に塗布したシート状ポリシランへの上下からの一度の紫外線照射で複合GI型導波路デバイスが作製できる。
ポリシランを使用して作製された本実施の形態3のGI型MMIカプラーのシロキサン構造の濃度分布は、屈折率分布に相反する分布なので、GI型入力導波路150部分およびGI型出力導波路151部分では膜圧方向および幅方向に変化する分布となり、GI型スラブ155部分では膜圧方向にのみ変化する分布となる。
図9(b)は、2次元屈折率分布を有する入出力GI型導波路と膜厚方向の1次元屈折率分布を有する側壁が露出しないGI型スラブで構成された本実施の形態3の他のGI型MMIカプラーの概要図を示し、図9(a)は、そのマスクの概要図を示している。図9(c)は、図9(b)に示すGI型MMIカプラーのG−G´断面図を示している。なお、図8と同じ構成部分には、同じ符号を用いている。
なお、図9(b)に示すGI形MMIカプラーが、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
図9に示すような、GI型スラブ161の幅方向の境界がポリシランのクラッド153と接する構造の場合の複合マスク165のGI型スラブマスク部分162は、スラブのコア用の、GI型入力導波路マスク部分157およびGI型出力導波路マスク部分158の極小透過率に等しい一定透過率のコア用部分163と、スラブのクラッド用の、GI型入力導波路マスク部分157およびGI型出力導波路マスク部分158の極小透過率に等しい一定透過率のクラッド用部分164で構成される。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4のGI型アレー導波路グレーティング(AWG)は、実施の形態1のシート状ポリシランを使用したプロセスにより作製した、2次元屈折率分布を有する入出力GI型導波路およびアレー導波路と膜厚方向の1次元屈折率分布を有するGI型スラブを複合化したGI型AWGである。
図10(b)は、本実施の形態4のGI型AWGの概要図を示し、図10(a)は、このGI型AWGを作製するために使用するマスクの概要図を示している。なお、本実施の形態4のGI型AWGが、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
本実施の形態4のGI型AWGは、図10(b)に示すように、光の伝搬方向に沿ってコア断面の中心線上で酸素濃度の極小部分を有し、その酸素濃度の極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する酸素濃度分布(屈折率は、コア断面の中心線上で極大部分を有し、その極大部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って低下する屈折率分布)を有する少なくともひとつのGI型入力導波路で構成されるGI型入力導波路群170と、それらのGI型入力導波路と同様の屈折率分布を有する少なくともひとつのGI型出力導波路で構成されるGI型出力導波路群171と、それらのGI型入力導波路と同様の屈折率分布を有するGI型アレー導波路172と、GI型入力導波路群170とGI型アレー導波路172を入力端と出力端のそれぞれに具備する膜厚方向において中心で酸素濃度の極小部分を有し、その酸素濃度の極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する酸素濃度分布(屈折率は、中心で極大部分を有し、その極大部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って低下する屈折率分布)を有するGI型入力スラブ173と、GI型アレー導波路172とGI型出力導波路群171を入力端と出力端のそれぞれに具備する膜厚方向において中心で酸素濃度の極小部分を有し、その酸素濃度の極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する酸素濃度分布(屈折率は、中心で極大部分を有し、その極大部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って低下する屈折率分布)を有するGI型出力スラブ174で構成されたGI型アレー導波路グレーティング(AWG)である。なお、ここでいう酸素濃度とは、実施の形態1の説明と同様にシロキサン構造107を構成する酸素の濃度のことをいう。
ただし、GI型入力スラブ173とGI型出力スラブ174は、光が均質に拡散できるように、GI型入力導波路群170あるいはGI型出力導波路群171からGI型アレー導波路172方向へ向かって幅方向に広がった構造をしており、GI型入力導波路群170からの波長多重入射光(λ、…、λ)175は、GI型入力スラブ173で幅方向に広がった波長多重光がGI型アレー導波路172を通過する過程においてGI型アレー導波路172の内側のGI型導波路と外側のGI型導波路間で光路差が生じ、GI型出力スラブ174において集光される時に、GI型出力スラブ174の出力端に接続されたGI型出力導波路群171の各GI型出力導波路位置に各波長が分離して集光され、その分離した各波長が個別に各GI型出力導波路によって出射光176として出力される。
このようなGI型AWGは、実施の形態3のGI型MMIカプラーと同様に、実施の形態1に示したGI型光導波路と、GI型スラブとの組合せである。したがって、実施の形態1と同様のGI型直(曲)線導波路用マスク部分177、178、179(図4(a)、(b))と、GI型入出力スラブ部分用マスク180、181(GI型入力導波路群マスク部分177およびGI型出力導波路群マスク部分178の極小透過率に等しい一定透過率のマスク)とを組み合わせた図10(a)に示すGI型AWG用複合マスクを使用すれば、シート状ポリシランへの上下からの一度の紫外線照射で複合GI型導波路デバイスが作製できる。
このように、各種光導波路用マスクを組み合わせることで、複雑なデバイス構造も一度の紫外線照射によるポリシランの酸化反応で作製することができる。
(実施の形態5)
図11に、本発明の実施の形態5の、光源と光ファイバーを結合する光モジュールの概要構成図を示す。
本実施の形態5の光モジュールは、図11に示すように、表面実装用のシリコン基板201と、光源202と信号処理部203で構成され、シリコン基板201上に配置された電気回路部204と、シリコン基板201に予め設けられたV溝205で位置決めされた光ファイバー206と、光源202と光ファイバー206の光路上に設けられ、光源202と光ファイバー206とを所望光学特性(ロス、ビーム形状など)で結合する導波路型屈折率分布レンズ207(以下、WG−GRINレンズと略す)で構成されている。
WG−GRINレンズ207は、実施の形態1で説明した図1(a)のGI型光導波路105と同じ構成である。つまり、WG−GRINレンズ207は、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
なお、光源202が、本発明の発光部の一例にあたり、WG−GRINレンズ207に結合する光ファイバー206が、本発明の受光部の一例にあたる。また、V溝205が、本発明の、表面実装の位置決め用に形成された溝の一例にあたる。
図11で、光ファイバー206と光源202の間の光路上に設けられるWG−GRINレンズ207は、図1(a)のGI型光導波路105に示すように、シート形状であり、紫外線に対して透明な透明基板211の上に形成されている。図11の構成図では、図1(a)で示す構成のGI型光導波路105を裏返した向きで、WG−GRINレンズ207を配置している。
なお、ここで使用されるWG−GRINレンズ207のGI型コア208の屈折率分布は、光源202の出射ビーム状態と光ファイバー206へ入射させる所望のビーム状態の関係から設計されるものであり、光軸に対して必ずしも中心対称でなくても良い。例えば、光軸に対して等方的コアを有する一般的な光ファイバーの場合、光源からのビーム形状が光軸に対して同心円状であれば、WG−GRINレンズ207のGI型コア208の屈折率分布も同心円状の場合に最適結合ができる。
また、GRINレンズの入出力特性は(数1)で決まるので、入射ビーム状態(r、θ)と出射ビーム状態(r、θ)が決まれば、WG−GRINレンズの形状(a、L)および屈折率分布(n、g)を設計できる。
なお、光ファイバー206が、図11に示すコア径が10μm以下のSMFの場合には、WG−GRINレンズ207は、入出力とも集光光学系が結合には最適なので、図1(a)に示すレンズ長Lはほぼ0.5n(n:整数)ピッチで設計される。光ファイバー206のコア径が50μm以上のMMFの場合には、入力側は集光系で出力側は集光系あるいはコリメート系が結合には最適なので、レンズ長Lは0.25n〜0.5n(n:整数)ピッチで設計される。
したがって、WG−GRINレンズ207のGI型コア208内の光軸は直線であり、GI型コア208の両端面が結合する光学部品に密着する場合は、GI型コア208の長さは、(数1)で決まる光学特性にしたがってその両端面で結像するように調整される。
なお、WG−GRINレンズ207と結合する光学部品間に空気などの間隙が存在する場合は、その間隙の空気部分を含めて最適結合する必要があるので、その空気部分での回折を考慮したWG−GRINレンズの設計が必要である。つまり、その間隙の空気部分を含めて光軸上の所望の位置に像が結像されるような屈折率分布および長さになるように設計する。
図12は、本発明の実施の形態5の、受光部と光ファイバーを結合する構成の光モジュールの概要構成図を示している。
この構成の光モジュールは、表面実装用のシリコン基板281と、受光部213と信号処理部283で構成され、シリコン基板281上に配置された電気回路部284と、シリコン基板281に予め設けられたV溝285で位置決めされた大コア径光ファイバー212と、受光部213と大コア径光ファイバー212の光路上に設けられ、受光部213と大コア径光ファイバー212とを所望光学特性(ロス、ビーム形状など)で結合するWG−GRINレンズ286で構成されている。WG−GRINレンズ286は、実施の形態1で説明した図1(a)のGI型光導波路105と同じ構成である。つまり、WG−GRINレンズ286は、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
なお、図12の構成においては、WG−GRINレンズ286に結合する大コア径光ファイバー212が、本発明の発光部の一例にあたる。
図12で、大コア径光ファイバー212と受光部213の間の光路上に設けられるWG−GRINレンズ286は、図1(a)のGI型光導波路105に示すように、シート形状であり、紫外線に対して透明な透明基板282の上に形成されている。図12の構成図では、図1(a)で示す構成のGI型光導波路105を裏返した向きで、WG−GRINレンズ286を配置している。
大コア径光ファイバー212は、例えば、コア径が100μm以上のプラスチックファイバーである。図12に示すように、電気回路部284が受光回路の場合、大コア径光ファイバー212のコア径に対して受光素子は受光面積が小さいので、大コア径光ファイバー212からの入射ビームが受光素子に集光するようにWG−GRINレンズ286を設計する。
本実施の形態5のWG−GRINレンズ207やWG−GRINレンズ286は、図3の実施の形態1と同様のシート状ポリシランを使用したプロセスで作製することができる。
図3の工程で作製した透明基板114付WG−GRINレンズを使用して光モジュールをアセンブリする場合、図11に示すように、WG−GRINレンズ207のシート状ポリシラン側をシリコン基板201側にして光ファイバー206と光源202の間の光軸上に配置すれば、光ファイバー206と光源202の光結合ができる。同様に、図12に示すように、WG−GRINレンズ286のシート状ポリシラン側をシリコン基板281側にして大コア径光ファイバー212と受光部213の受光素子との間の光軸上に配置すれば、大コア径光ファイバー212と受光素子の光結合ができる。
図3に示す工程で作製した本実施の形態5のWG−GRINレンズの膜厚(コア径)は、光ファイバー径程度の大きさしかないので、従来の1mm以上の口径で長さ数mmのGRINレンズを使用するよりもはるかに小型化できる。
なお、図11や図12の光モジュールの構成において、光結合が可能であれば透明基板をシリコン基板側に配置しても何ら問題は無い。また、本実施の形態5のWG−GRINレンズの光軸合わせは、従来のようにマーキング合わせや、シリコン基板上の溝(図示せず)に配置するパッシブアライメントで行う。
また、WG−GRINレンズと光ファイバーの光軸を一致させて配置させた場合には、反射戻り光が光源の特性劣化を引き起こす場合がある。
この反射戻り光は、全ての境界面で発生する。例えば、図11に示す光モジュールの場合には、光源202から順に、(1)空気とWG−GRINレンズ207との界面、(2)WG−GRINレンズ207と空気との界面、(3)空気と光ファイバー206との界面、(4)図示しない光ファイバー206とそれに接続される部分との界面、などで発生する。
図13を用いて、WG−GRINレンズ207の端面を通過する上記の(3)および(4)の反射戻り光について説明する。
図13は、図11に示す光ファイバー206とWG−GRINレンズ207の接続部分の構成図を示している。図13(a)は、光ファイバー206とWG−GRINレンズ207の光軸を一致するように配置させた場合の構成図を、図13(b)は、光ファイバー206とWG−GRINレンズ207の光軸をずらして配置させた場合の構成図を、それぞれ示している。
図13(a)のように、光軸を一致させて配置させた場合には、光ファイバー206からの戻り光が、光ファイバー206とWG−GRINレンズ207の端面で反射されずに透過し、その透過した戻り光が光源202に入射されてしまい、光源202の出力が低下してしまう。
図13(b)は、光ファイバー206とWG−GRINレンズ207を、これらの光軸の角度がαずれるように配置している。このように配置することにより、光ファイバー206からの光はWG−GRINレンズ207の端面で全反射される。したがって、光ファイバー206からの戻り光はWG−GRINレンズ207の端面で反射され光源202に入射しないようにでき、光源202の出力低下を抑制できる。
一般的には、戻り光により光源の特性劣化を引き起こす場合にアイソレーターを使用し、戻り光が透過して光源に入射しないようにするが、この場合、アイソレーターを使用するためにコストアップとなってしまう。
図13(b)に示すように、本実施の形態5のWG−GRINレンズ207を軸ズレ状態で配置させることにより、アイソレーター等を使用せずに光源への戻り光の入射を防止でき、光源の特性劣化を引き起こさない。
また、本実施の形態5のWG−GRINレンズ207の端面を傾斜させ、光軸に対して、光源202と光ファイバー206の入出力端面に対する入出力方向を傾斜させるようにすることにより、WG−GRINレンズ207の端面から光源202への反射光である上記の(1)や(2)の場合の反射戻り光を防止することができる。
このように、シート状ポリシランの紫外線硬化時に起こる酸化反応を利用して安価に作製可能で、その口径が光ファイバー径レベルの大きさである本実施の形態5のWG−GRINレンズ(導波路型屈折率分布レンズ)を使用すると、光モジュールの小型化を安価に実現できる。
なお、本実施の形態5のWG−GRINレンズのGI型コアは、光源202と光ファイバー206の光路の光軸上で最大となり、その光軸上の最大点からの距離に従ってほぼ放物線状に低下する、図1(c)に示すような屈折率分布を有することとしたが、屈折率分布は、必ずしも光軸上の最大点から離れるにしたがって低下する分布でなくてもよく、光軸上の最大点から離れるにしたがって増加しない分布であればよい。例えば、光軸を含む円柱状の範囲に同一の屈折率を有し、その円柱状の部分から離れるに従って屈折率が低下するような屈折率分布であってもよい。
(実施の形態6)
図14に、本発明の実施の形態6の光モジュールの構成概要図を示す。
本実施の形態6の光モジュールは、並列に配置された光源アレー220(信号処理部は図示せず)と、光源アレー220に対向し、光源アレー220の各光源と結合させる各光ファイバーが並列に配置された光ファイバーアレー221とを備えている。そして、光源アレー220の各光源とそれらに対応する光ファイバーアレー221の各光ファイバーのそれぞれの光路上に設けられ、各光源と各光ファイバーを所望の光学特性(ロス、ビーム形状など)で結合する、透明基板293上に設けられた導波路型屈折率分布レンズアレー222(以下、WG−GRINレンズアレーと略す)を備えている。
WG−GRINレンズアレー222は、シート形状のポリシラン系樹脂製クラッド295と、各光路の各光軸上で最大となり、その各光軸上の最大点からの距離に従ってほぼ放物線状に低下する屈折率分布を有する、各光路ごとのポリシラン系樹脂製屈折率分布型コア294とを具備している。そして、1つの屈折率分布型コア294と、その屈折率分布型コア294に接する部分のクラッド295とで、1つの導波路型屈折率分布レンズ(WG−GRINレンズ)296を構成している。
なお、WG−GRINレンズアレー222が、本発明の、互いに交差せずに並列に配置されている複数のコア部を備えた屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
なお、各屈折率分布型コア294の屈折率分布は、それらに対応する各光軸に対して必ずしも中心対称でなくても良く、光源の出射ビーム状態とそれに対応する光ファイバーへ入射させる所望のビーム状態の関係から設計される。
本実施の形態6のWG−GRINレンズアレー222の製造方法は、実施の形態1の図3で説明したシート状ポリシランを使用したプロセスを用いて、屈折率分布型コア294作製用のUV透過率分布をマスク上に並列させたマスク(図3のUV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113に相当)を使用し、シート状ポリシラン(硬化前)の上下からそのマスクを通してUV照射すれば、一度にアレー状のWG−GRINレンズアレー222を作製できる。
なお、この場合の隣接する屈折率分布型コア294の間隔の半分の長さが、本発明の、紫外線透過率が離れるにしたがって増加する部分である所定の距離の一例にあたる。
このように、アレー状の光モジュールに対しても、光ファイバー径程度の口径を有するWG−GRINレンズを簡単にアレー状に形成できるので、光モジュールアレーの小型化ができる。
なお、図14では、WG−GRINレンズ296が、光源アレー220および光ファイバーアレー221とそれぞれ離れて配置されているように記載しているが、WG−GRINレンズ296に、光源アレー220および/または光ファイバーアレー221を密接させて配置してもよい。WG−GRINレンズ296を、焦点位置が端面となる長さにすることにより、光源アレー220および光ファイバーアレー221を、WG−GRINレンズ296の端面に密接させて配置させることができる。これらを密接させるように配置すると、機械精度で光軸調整ができるという大きなメリットが得られる。
(実施の形態7)
図15に、本発明の実施の形態7の光モジュールの構成概要図を示す。
本実施の形態7の光モジュールは、特定の波長(λ)を透過させ他の波長(λ、…、λ、λk+1、…、λ)を反射させる第kフィルター(k=1、…、6)223と、ジグザグ導波路型屈折率分布レンズ227とを備えている。なお、ジグザグ導波路型屈折率分布レンズ227が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
ジグザグ導波路型屈折率分布レンズ227は、光ファイバー(図示せず)から入射した波長多重光(λ、…、λ)224が第1フィルター223へ、第kフィルターの反射光(λk+1、…、λ)が第k+1フィルターへ、第6フィルター223の反射光(第7光:λ)が光ファイバー(図示せず)へ、それぞれ最適結合できるように、第kフィルターと第k+1フィルターの間にそれぞれ配置された第k屈折率分布型コア225が、同一シート状クラッド226に形成されている。
図15に示すように、第k屈折率分布型コア225はジグザグ形状をしており、各第kフィルター223は、各反射面の垂線が交差しないように対向しており、光ファイバー(図示せず)から第1フィルター223へ入射した波長多重光224がジグザグ状に順番に第2〜第6フィルター223で反射して、最後の第6フィルター223の反射光(第7光:λ)が光ファイバー(図示せず)に受光されるようになっている。また、第k+1フィルターで反射光(λk+2、…、λ)と分離された透過光(第k光:λk+1)が、それぞれ光ファイバー(図示せず)と最適結合できるようになっている。
なお、第k屈折率分布型コア(k=1、…、7)225が、本発明の、隣同士がそれらの端部で一部交差してジグザグ形状に配置されている複数のコア部の一例にあたる。
本実施の形態7のジグザグ導波路型屈折率分布レンズ227の製造方法は、実施の形態1の図3で説明したシート状ポリシランを使用したプロセスを用いて、第k屈折率分布型コア225作製用のUV透過率分布をマスク上にジグザク状に並べたマスク(図3のUV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113に相当)を使用し、シート状ポリシラン(硬化前)の上下からそのマスクを通してUV照射すれば、一度にアレー状のジグザグ導波路型屈折率分布レンズ227を作製できる。
なお、この場合の隣接する第k屈折率分布型コア225の中央部分までの距離が、本発明の、紫外線透過率が離れるにしたがって増加する部分である所定の距離の一例にあたる。
このように、従来数mm以上の大きさのバルク型GRINレンズを使用したWDMフィルターも、光ファイバー径程度の口径を有するポリシラン製のWG−GRINレンズを使用すれば簡単に所望の配置で複数のレンズが形成できるので、WDMフィルターの小型化ができる。
なお、本実施の形態7では、kの値を1〜7としたが、この値の範囲に限らず、2以上の値であればいくつでもよい。
(実施の形態8)
図16に、本発明の実施の形態8の光モジュールの構成概要図を示す。
本実施の形態8の光モジュールは、並列に配置された入力側光ファイバーアレー228と、入力側光ファイバーアレー228の各光ファイバーに対向して結合させる複数の光ファイバーが並列に配置された出力側光ファイバーアレー229とを備えている。そして、入力側光ファイバーアレー228の各光ファイバーと出力側光ファイバーアレー229の各光ファイバーの間の全ての光路を横切るように配置された光アイソレーター230を備えている。
また、入力側光ファイバーアレー228と出力側光ファイバーアレー229の結合する各光ファイバーが最適結合できるように、入力側光ファイバーアレー228の各光ファイバーと光アイソレーター230間に、透明基板297上に形成された入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231と、出力側光ファイバーアレー229の各光ファイバーと光アイソレーター230間に、透明基板297上に形成された出力側導波路型屈折率分布レンズアレー232とを備えている。
なお、入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー232が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。また、光アイソレーター230が、本発明の光学部品の一例にあたる。
入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231は、WG−GRINレンズの屈折率分布型コア298がシート状クラッド299内に並列して形成されている。同様に、出力側導波路型屈折率分布レンズアレー232も、WG−GRINレンズの屈折率分布型コア298がシート状クラッド299内に並列して形成されている。
そして、入力側光ファイバーアレー228のそれぞれの光ファイバーの端部から出射された光が、それぞれに対応する入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231の屈折率分布型コア298の出射端でコリメートになるように、それらの屈折率分布型コア298の長さおよび屈折率分布が調整されている。また、出力側導波路型屈折率分布レンズアレー232の屈折率分布型コア298の入射端から入射したコリメートの光が、出力側光ファイバーアレー229のそれぞれの光ファイバーの端部で結像されるように、それらの屈折率分布型コア298の長さおよび屈折率分布が調整されている。図3の実施の形態1と同様のシート状ポリシランを使用したプロセスを用いることにより、このように光軸上の所望の位置に焦点を有する屈折率分布型コア298を備えた入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー232を作製することができる。
ただし、全ての光路に対して同一の光アイソレーター230を使用するので、入力側光ファイバーアレー228および出力側光ファイバーアレー229は、入出力方向を揃える必要がある。なお、光アイソレーター230は、入射側から偏光子233、ファラデー素子234、検光子35の順で構成されている。
このように、光ファイバー径レベルの大きさのレンズを使用すると光学系を小さくできるので、1個の光アイソレーターで複数の光伝送を制御することができる。
なお、本実施の形態8の光モジュールは、光アイソレーターの場合だけでなく、透過型の機能素子、例えば、偏向子、波長板、フィルター、フォトニック結晶などにも同様に応用可能である。
なお、図16では、入力側光ファイバーアレー228、光アイソレーター230、入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231、出力側導波路型屈折率分布レンズアレー232、出力側光ファイバーアレー229が、それぞれ離れて配置されているように記載しているが、これらを密接させて配置してもよい。入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー23の長さを調整することにより、これらを密接させて配置した場合でも、入力側光ファイバーアレー228と出力側光ファイバーアレー229とを最適に結合させることができる。この場合、機械精度で光軸調整ができるという大きなメリットが得られる。
(実施の形態9)
図17に、本発明の実施の形態9の光モジュールの構成概要図を示す。
本実施の形態9の光モジュールは、シングルモード用分岐デバイス236と、入力側マルチモード光ファイバー237と、出力側マルチモード光ファイバーアレー238を備えている。そして、入力側マルチモード光ファイバー237とシングルモード用分岐デバイス236を結合する、1個の屈折率分布型コア261とシート状クラッド262を有する入力側導波路型屈折率分布レンズ239を備えている。また、出力側マルチモード光ファイバーアレー238とシングルモード用分岐デバイス236を結合する、2個の屈折率分布型コアとシート状クラッドを有する出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240を備えている。
なお、入力側導波路型屈折率分布レンズ239および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
そして、シングルモード用分岐デバイス236と、入力側導波路型屈折率分布レンズ239と、出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240は、同一の透明基板260上に配置されている。
ただし、光ファイバー径が50μm以上の大きなマルチモード光ファイバー(MMF)と、光ファイバー径が10μm以下のシングルモード用分岐デバイス(SMF用Y分岐)の光学系では、MMFのビーム径をSMFのビーム径に変換するので、入力側導波路型屈折率分布レンズ239および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240は、ほぼ0.25n(整数)ピッチの長さを有している。
図18に、本発明の実施の形態9の他の構成の光モジュールの構成概要図を示す。
図18に示す構成の光モジュールは、図17の光モジュールが光を分岐する構成であるのに対し、光を合成する構成である点が異なる。
図18に示す光モジュールは、シングルモード用結合デバイス263と、出力側マルチモード光ファイバー264と、入力側マルチモード光ファイバーアレー265を備えている。そして、出力側マルチモード光ファイバー264とシングルモード用結合デバイス263を結合する、1個の屈折率分布型コア261とシート状クラッド262を有する出力側導波路型屈折率分布レンズ266を備えている。また、入力側マルチモード光ファイバーアレー265とシングルモード用結合デバイス263を結合する、2個の屈折率分布型コアとシート状クラッドを有する入力側導波路型屈折率分布レンズアレー267を備えている。
なお、出力側導波路型屈折率分布レンズ266および入力側導波路型屈折率分布レンズアレー267が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
そして、シングルモード用結合デバイス263と、出力側導波路型屈折率分布レンズ266と、入力側導波路型屈折率分布レンズアレー267は、同一の透明基板270上に配置されている。
図17および図18のように、光ファイバー径レベルの大きさのレンズを使用すると、MMFからSMFへビーム変換する光学系が小さくできるので、安価かつ高性能で小型なSMF用光デバイス(これらの場合、Y分岐)をMMF用に使用することができ、MMF用光デバイスの高性能化・小型化・低価格化が実現できる。
なお、これらの本実施の形態9の光モジュールは、Y分岐の場合だけでなく、SMF用の導波路型機能素子、例えば、合分岐器、カプラー、フィルター、フォトニック結晶などにも応用できる。
また、本実施の形態9の光モジュールは、MMF光学系をSMF光学系へ変換する場合だけでなく、ビーム径の異なる光学系の変換にも応用できる。例えば、フォトニック結晶の場合、スラブ型で結合できるビーム径がSMFよりも小さいので、SMFの光学系とフォトニック結晶の光学系の変換に応用できる。
例えば、図17に示す本実施の形態9の光モジュールの、入力側導波路型屈折率分布レンズ239および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240は、図3の実施の形態1と同様のシート状ポリシランを使用したプロセスで作製できる。
ここで、入力側導波路型屈折率分布レンズ239用のマスクと出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240用のマスクが一体化されたマスクに、シングルモード用分岐デバイス236のマスク用パターンも描いておく。そして、出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240と入力側導波路型屈折率分布レンズ239とシングルモード用分岐デバイス236の全体に紫外線照射することで、一体化した、出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240と入力側導波路型屈折率分布レンズ239とシングルモード用分岐デバイス236を一度に作製することができる。
なお、この場合、シングルモード用分岐デバイス236には屈折率分布は必要ないので、シングルモード用分岐デバイス236に対応する部分のマスクパターンには紫外線透過率分布を設ける必要がない。
(実施の形態10)
図19に、本発明の実施の形態10の光モジュールの構成概要図を示す。
本実施の形態10の光モジュールは、図1(a)に示すGI型光導波路105と同様の構成のWG−GRINレンズを利用した3波長光合分岐器である。図19に示す入力側導波路型屈折率分布レンズ241および出力側導波路型屈折率分布レンズ242は、図1(a)に示すGI型光導波路105と同様の構成であり、図19は、これらのWG−GRINレンズを上面から見た図である。
なお、入力側導波路型屈折率分布レンズ241および出力側導波路型屈折率分布レンズ242が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
本実施の形態10の光モジュールは、入力側(図19の左側)に並列に配置された、入力多重光(λ、λ、λ)245を入力する第1光ファイバー250と、出力光(λ)247を出力する第3光ファイバー252を備えている。
そして、中心線上で屈折率が最大でその中心線からの距離に従って屈折率が放物線状に低下する屈折率分布を有し、ほぼ0.25n(n:整数)ピッチの長さを有する入力側導波路型屈折率分布レンズ241を備えており、第1光ファイバー250および第3光ファイバー252が、入力側導波路型屈折率分布レンズ241の入力端面に中心線対称に結合している。
そして、入力側導波路型屈折率分布レンズ241の第1光ファイバー250が結合しない側の端面側に、λとλの光を透過し、λの光を反射するフィルター249が配置されている。また、入力側導波路型屈折率分布レンズ241と同じ中心線を有し、その中心線上で屈折率が最大でその中心線からの距離に従って屈折率が放物線状に低下する屈折率分布を有し、ほぼ0.25n(n:整数)ピッチの長さを有する出力側導波路型屈折率分布レンズ242が、フィルター249の透過側に配置されている。
なお、入力側導波路型屈折率分布レンズ241および出力側導波路型屈折率分布レンズ242は、図1(a)に示すGI型光導波路105と同様の構成であり、入力側導波路型屈折率分布レンズ241は、入力側屈折率分布型コア243とクラッド278で形成されている。そして、出力側導波路型屈折率分布レンズ242は、出力側屈折率分布型コア244とクラッド248で形成されている。図19は、これらのGRINレンズを上面から見た構成図であるが、側面から見ると、その膜厚が、入力側屈折率分布型コア243径および出力側屈折率分布型コア244径にほぼ等しい形状をしている。
そして、出力側導波路型屈折率分布レンズ242の出力側端面の、フィルター249の透過(出力)多重光(λ、λ)246が出力される位置に、第2光ファイバー251が配置されている。
ここで、入力側導波路型屈折率分布レンズ241と出力側導波路型屈折率分布レンズ242が同じ光学特性を有するものであれば、第3光ファイバー252と第2光ファイバー251は同一光軸上にある。
なお、入力側屈折率分布型コア243に結合する第1光ファイバー250が、本発明の発光部の一例にあたる。また、出力側屈折率分布型コア244に結合する第2光ファイバー251が、本発明の受光部の一例にあたる。また、入力側屈折率分布型コア243に結合する第3光ファイバー252が、本発明の別の受光部の一例にあたる。
このように構成された本実施の形態10の光モジュールでは、第1光ファイバー250から入力された入力多重光245のうち、λおよびλの波長の光はフィルター249を透過して、出力多重光246として第2光ファイバー251に入射する。一方、λの波長の光は、フィルター249で反射されて、出力光247として第3光ファイバー252に入射する。このようにして、第1光ファイバー250から入射した入力多重光245を制御することができる。
このように、光ファイバー径レベルの大きさの本実施の形態10のレンズを使用すると光学系を小さくできるので、導波路型屈折率分布レンズの中心線からずれた位置に入力した光に対して、1個の光アイソレーターで複数の光伝送を制御することができる。
なお、本実施の形態10の光モジュールは、フィルターの場合だけでなく、反射光と透過光を伴うハーフミラー型分岐などにも同様に応用可能である。
以上に説明したように、本発明の実施の形態5〜10の光モジュールは、シート状ポリシランの紫外線硬化時に起こる酸化反応を利用して安価に作製可能な光ファイバー径レベルの大きさの導波路型屈折率分布レンズ(GRINレンズ)を使用するので、小型化を安価に実現可能である。また、紫外線照射によりシート形状内の任意位置に任意数の導波路型屈折率分布レンズを形成させることも可能なので、アレー状の光モジュールのアセンブリも容易に行うことができる。
(実施の形態11)
図20(a)は、本発明の実施の形態11の光モジュールの構成概要図を示している。図20(b)は、図20(a)に示す光モジュールを構成するGI型導波路楕円レンズ304の、H−H´断面図を示している。
本実施の形態11の光モジュールは、GI型導波路楕円レンズ304と、GI型導波路楕円レンズ304の入力側の壁界面から楕円形ビーム308を出射するレーザー301と、GI型導波路楕円レンズ304とレーザー301を光結合する入力側レンズ302と、GI型導波路楕円レンズ304の出力側に結合する光ファイバー307とで構成されている。
GI型導波路楕円レンズ304は、シート状ポリシラン306で形成されており、そのシート形状の断面の光軸上でシロキサン構造の濃度の極小部分を有し、そのシロキサン構造の濃度の極小部分からの距離にしたがって同心楕円形状にほぼ放物線に沿って増加するシロキサン構造の濃度分布を有するGI型楕円コア303と、GI型楕円コア303の周囲のクラッド305とを有している。実施の形態1において図2を用いて説明したように、シロキサン構造は、ポリシラン構造よりも低い屈折率を有する。
図20(a)、(b)のGI型楕円コア303部分に示す濃淡は、濃い部分が屈折率の大きい部分(つまり、シロキサン構造の濃度の低い部分)を示し、薄い部分が屈折率の小さい部分(つまり、シロキサン構造の濃度の高い部分)を示している。
ここで、レーザー301から出射する楕円形ビーム308は、短軸方向(縦方向)の方が回折効果が大きいのでGI型導波路楕円レンズ304の入射面では楕円ビームの長軸と短軸が逆転して縦方向の方が長軸(ビーム径が大きい)となる。そのために、円形のコアを有する光ファイバー307に効率良くビームを結合できるように、GI型導波路楕円レンズ304の屈折率分布の変化率は、図20(b)に示すように入射面上でのビーム径が大きい方向(縦方向)が大きくなっている。すなわち、GI型導波路楕円レンズ304は、入射面上でのビーム径が大きい方向(縦方向)が短軸となっている。
このように構成することにより、光ファイバー307の円形のコアに、円形ビーム309を結合させることができる。
なお、GI型導波路楕円レンズ304が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。また、GI型導波路楕円レンズ304の入射面が、本発明の入力部の一例にあたり、円形ビーム309が入射される光ファイバー307の端部が、本発明の受光部の一例にあたる。
なお、レーザーは、壁界面からビームを出射するファブリペロレーザーなどでは出射ビームが楕円形となるが、面発光レーザーなどのように出射ビーム形状が同心円状の場合には、GI型コア部の屈折率分布は当然楕円形よりも同心円状の方が望ましい。
(実施の形態12)
図21(a)は、本発明の実施の形態12の光モジュールの構成概要図を示している。図21(b)は、図21(a)の各断面におけるビーム形状を示しており、図21(c)は、図21(a)に示す光モジュールを構成するGI型導波路レンズ312の、J−J´断面図を示している。
本実施の形態12の光モジュールは、GI型導波路レンズ312と、GI型導波路レンズ312に連続する先球GI型レンズ314と、ほぼ円形状のビーム318を出射する光源310と、GI型導波路レンズ312の出力側に配置された円形のコア317を有する光ファイバー316とで構成されている。なお、先球GI型レンズ314の先球部分が、本発明の屈折率分布型光学部材のコア部の曲面形状の端部の一例にあたる。
GI型導波路レンズ312は、シート状ポリシラン315の断面の光軸上でシロキサン構造の濃度の極小部分を有し、そのシロキサン構造の濃度の極小部分からの距離にしたがって同心円状にほぼ放物線に沿って増加するシロキサン構造の濃度分布を有するGI型コア311と、GI型コア311の周囲のクラッド313とを有している。
先球GI型レンズ314は、GI型導波路レンズ312の入力側に縦列して、光軸上にシロキサン構造の濃度の極小部分を有し、そのシロキサン構造の濃度の極小部分からの距離にしたがって同心円状にほぼ放物線に沿って増加するシロキサン構造の濃度分布を持ち、曲面を有する先端に向かって断面積が小さくなるコア部と、コア部の周囲のクラッド部とを有している。
図21(a)、(c)のGI型コア311部分に示す濃淡は、濃い部分が屈折率の大きい部分(つまり、シロキサン構造の濃度の低い部分)を示し、薄い部分が屈折率の小さい部分(つまり、シロキサン構造の濃度の高い部分)を示している。
図21(b)に示すように、光源310から出力されるビームは円形ビーム318なので、GI型導波路レンズ312にも円形状のビームが入射する。そして、GI型導波路レンズ312のGI型コア311の屈折率は、図21(c)に示すように光軸に対して同心円状に分布しているので、光ファイバー316のコア317にも円形ビーム319が入射する。
このように、GI型導波路レンズ312と光源310とを結合する先球GI型レンズ314を、GI型導波路レンズ312の入力側に形成させることで、図20に示す入力側レンズ302のような入力側のレンズが不要となり、部品工数の低減と組立て工数の低減ができる。
また、光源の出力ビーム形状が楕円の形状の場合は、GI型導波路楕円レンズの先端に先球GI型レンズ314を形成させればよい。
図22(a)は、本発明の実施の形態12の、光源の出力ビーム形状が楕円形の場合の光モジュールの構成概要図を示している。図22(b)は、図22(a)の各断面におけるビーム形状を示しており、図22(c)は、図22(a)に示す光モジュールを構成するGI型導波路楕円レンズ320の、K−K´断面図を示している。なお、図21と同じ構成部分については、同じ符号を用いている。
図22に示す本実施の形態12の光モジュールは、GI型導波路楕円レンズ320と、GI型導波路楕円レンズ320に連続する先球GI型レンズ314と、楕円形ビーム323を出射する光源325と、GI型導波路楕円レンズ320の出力側に配置された円形のコア317を有する光ファイバー316とで構成されている。
GI型導波路楕円レンズ320は、シート状ポリシラン315の断面の光軸上でシロキサン構造の濃度の極小部分を有し、そのシロキサン構造の濃度の極小部分からの距離にしたがって同心楕円状にほぼ放物線に沿って増加するシロキサン構造の濃度分布を有するGI型コア321と、GI型コア321の周囲のクラッド322とを有している。
図22(a)、(c)のGI型コア321部分に示す濃淡は、濃い部分が屈折率の大きい部分(つまり、シロキサン構造の濃度の低い部分)を示し、薄い部分が屈折率の小さい部分(つまり、シロキサン構造の濃度の高い部分)を示している。
先球GI型レンズ314は、GI型導波路楕円レンズ320の入力側に縦列して、光軸上にシロキサン構造の濃度の極小部分を有し、そのシロキサン構造の濃度の極小部分からの距離にしたがって同心円状にほぼ放物線に沿って増加するシロキサン構造の濃度分布を持ち、曲面を有する先端に向かって断面積が小さくなるコア部と、コア部の周囲のクラッド部とを有している。
図22(b)に示すように、光源325から出力されるビームは楕円形ビーム323なので、GI型導波路楕円レンズ320の入射面には、楕円形ビーム323の長軸と短軸が逆転して縦方向の方が長軸の楕円形ビームが入射する。そして、GI型導波路楕円レンズ320の屈折率分布の変化率は、図22(c)に示すように入射面上でのビーム径が大きい方向(縦方向)が大きくなっている(短軸となっている)ので、光ファイバー316のコア317には、円形ビーム319が結合する。
なお、先球GI型レンズ314の作製方法として、図3の実施の形態1と同様のシート状ポリシランを使用したプロセスにおいて、先球GI型レンズ314の屈折率分布に対応する紫外線透過率分布を有するマスクを使用して作製してもよいし、また、GI型光導波路の先端を型や機械加工により先球にして作製してもよい。前者の作製方法で作製した先球GI型レンズの屈折率分布は、光軸に対して変化(先端に向かって変化率が大きく)する分布となる。一方、後者の作製方法で作製した先球GI型レンズの屈折率分布は、光軸に対して変化する場合と不変の場合の2通りの分布にできる。なお、後者の作製方法で作製した先球GI型レンズは、クラッド部の無い構成となる。
(実施の形態13)
図23は、本発明の実施の形態13の、光源と光ファイバーを備える光モジュールの作製工程を示す図である。図23(a)〜(c)は、それぞれ、第1工程〜第3工程を示している。図23(d)は、完成した光モジュールの構成を示している。
図23を用いて、実施の形態13の光モジュールの製造方法を説明する。
まず、第1工程で、図23(a)に示すように、透明基板440上に、光軸の合った光源401と光ファイバー402を、所定の間隔Lである間隙403をあけて配置する。透明基板440上には、光ファイバー402の位置決め用のV溝441が形成されており、光ファイバー402は、このV溝441に合わせて配置される。
次に、第2工程で、図23(b)に示すように、間隙403の部分、および光源401と光ファイバー402の各対向面を含む各対向面付近にポリシランを塗布して、透明基板440上にシート状ポリシラン(硬化前)404を形成させる。つまり、ここでは、光源401と光ファイバー402の各対向面の部分が埋設されるように、ポリシランを塗布する。
次に、第3工程で、図23(c)に示すように、シート状ポリシラン(硬化前)404を形成させた透明基板440の、上面側にUV透過率分布上マスク410を、下面側にUV透過率分布下マスク411を、それぞれ配置する。UV透過率分布上マスク410およびUV透過率分布下マスク411は、いずれも紫外線透過率分布を有している。それらの紫外線透過率分布は、いずれも、光源401から光ファイバー402への光軸に対向する直線状の部分で最小であり、その直線状の部分からの距離に従って放物線状に所定の距離まで増加するように分布している。そして、各マスクの、この所定の距離まで紫外線透過率が増加する部分以外の部分は、紫外線透過率が増加する部分の最外部と同じ紫外線透過率が均一に分布している。
そして、図23(c)に示すように、UV透過率分布上マスク410の上側、およびUV透過率分布下マスク411の下側から、照射面に対して均一な光量のUV(紫外線)照射409を行う。UV透過率分布上マスク410およびUV透過率分布下マスク411は、上記のような紫外線透過率分布を有しているので、均一な光量のUV(紫外線)照射409を行うことにより、シート状ポリシラン(硬化前)404の間隙403の部分には、光源401から光ファイバー402への光軸に対して垂直方向に、その光軸上で最小で、光軸からの距離に従って放物線状に増加する量の紫外線が照射されることになる。そして、それ以外のシート状ポリシラン(硬化前)404の部分には、間隙403に照射される紫外線量の最大量と等量の紫外線量が照射されることになる。
シート状ポリシラン(硬化前)404に対して、このような光量に分布を持った紫外線が照射されることになるので、図23(d)に示すように、間隙403部分に、光源401から光ファイバー402への光軸上で最大で、その光軸からの距離に従って放物線状に低下する屈折率分布を有する屈折率分布型コア405と、その周りの一定屈折率を有するクラッド406を具備したポリシラン製シート状の導波路型屈折率分布レンズ407(以下、WG−GRINレンズと略す)が形成される。
屈折率分布型コア405内の酸素濃度分布およびシロキサン構造の濃度分布は、屈折率分布に相反する分布なので、これらの分布は、光源401から光ファイバー402への光軸上で最小で、その光軸からの距離に従って放物線状に大きくなる分布となる。
そして、シート状ポリシラン(硬化前)404の間隙403以外の部分には、クラッド406となった部分と等量の紫外線が照射されるので、光源401と光ファイバー402の各端面近傍のクラッド406と同成分のポリシラン製固定部408が形成される。シート状ポリシラン(硬化前)404は、UV照射409によって硬化されるので、固定部408によって、光源401、WG−GRINレンズ407、光ファイバー402の位置が固定され、実施の形態13の光モジュールが完成する。
なお、光源401が、本発明の第1光学部品の一例にあたり、光ファイバー402が、本発明の第2光学部品の一例にあたる。また、透明基板440が、本発明の基板の一例にあたり、V溝441が、本発明の位置決め用の溝の一例にあたる。また、第1工程、第2工程、第3工程が、それぞれ本発明の、配置工程、塗布工程、ポリシラン硬化工程の一例にあたる。
なお、第2工程で塗布するポリシランの形状は、WG−GRINレンズ407が形成される部分は均一の膜厚が望ましいが、固定部408および間隙403内のWG−GRINレンズ407が形成される部分以外の部分は膜厚が一定である必要は無い。
また、WG−GRINレンズ407を形成させる部分のシート状ポリシラン(硬化前)404に照射する紫外線量は、必ずしも、光源401から光ファイバー402への光軸からの距離に従って増加する必要はなく、光軸からの距離に従って低下しなければ良い。したがって、例えば、光源401から光ファイバー402への光軸近傍で一定量の紫外線を照射し、その紫外線の一定量領域からの距離に従って紫外線照射量を増加させてもよい。
上記の製造方法で作製した実施の形態13の光モジュールは、WG−GRINレンズ407の膜厚(コア径)が光ファイバー径程度しかないので、従来の1mm以上の口径で長さ数mmのGRINレンズを使用するよりもはるかに小型化できる。また、WG−GRINレンズ407の作製と同時に光源401および光ファイバー402の固定もできるので、光モジュールの製造工程も簡単になる。
なお、光源401と光ファイバー402の光軸合せは、従来のようにマーキング合わせや、図23(a)に示したように、シリコン基板上の溝(V溝441など)に配置するパッシブアライメントで行う。
なお、屈折率分布型コア405の屈折率分布は、光源401の出射ビーム状態と光ファイバー402へ入射させる所望のビーム状態の関係から設計されるものであり、光源401から光ファイバー402への光軸に対して必ずしも中心対称でなくても良い。例えば、光軸に対して等方的コアを有する一般的な光ファイバーの場合、光源からのビーム形状が光軸に対して同心円状であれば、WG−GRINレンズ407の屈折率分布型コア405の屈折率分布も同心円状の場合に最適結合ができる。
なお、光ファイバー402が、図23に示すコア径が10μm以下のSMFの場合には、WG−GRINレンズ407は、入出力とも集光光学系が結合には最適なので、レンズ長L(=間隙403)はほぼ0.5n(n:整数)ピッチで設計される。光ファイバー402のコア径が50μm以上のMMFの場合には、入力側は集光系で出力側は集光系あるいはコリメート系が結合には最適なので、レンズ長Lは0.25n〜0.5n(n:整数)ピッチで設計される。
図24は、本発明の実施の形態13の、受光素子と大口径光ファイバーを備える光モジュールの作製工程を示す図である。図24(a)〜(c)は、それぞれ、第1工程〜第3工程を示している。図24(d)は、完成した光モジュールの構成を示している。
図23では、発光部を光源401、受光部を光ファイバー402の端部としたのに対し、図24の光モジュールは、発光部を大口径光ファイバー413の端部、受光部を受光素子412とした点が異なる。図23と同じ名称の部分は同様の機能を有している。また、製造方法については、図23の場合と同様なので、説明を省略する。
なお、図24においては、大口径光ファイバー413が、本発明の第1光学部品の一例にあたり、受光素子12が、本発明の第2光学部品の一例にあたる。
図24に示すように、光モジュールが大口径光ファイバー413と受光素子412の結合の場合、大口径光ファイバー413にはプラスチックファイバーなどコア径が100μm以上のものもあるのに対して受光素子412は受光面積が小さいので、大口径光ファイバー413からの入射ビームが受光素子に集光するように導波路型屈折率分布レンズ(WG−GRINレンズ)451を設計する。
図23に示したWG−GRINレンズ407および図24に示したWG−GRINレンズ451の形成メカニズムは、実施の形態1において図2および図3を使用して説明した形成メカニズムと同様である。
一般的には、戻り光により光源の特性劣化を引き起こす場合にアイソレーターを使用し、戻り光が透過して光源に入射しないようにするが、この場合、アイソレーターを使用するためにコストアップとなってしまう。
実施の形態2で説明した図13(b)のWG−GRINレンズ207と同様に、実施の形態13の光モジュールにおいて、WG−GRINレンズ407を軸ズレ状態となるように構成することにより、アイソレーター等を使用せずに光源への戻り光の入射を防止でき、光源の特性劣化を引き起こさないようにできる。
また、図23に示す実施の形態13の光モジュールにおいて、WG−GRINレンズ407の端面を傾斜させ、光軸に対して、光源401と光ファイバー402の入出力端面に対する入出力方向を傾斜させるようにすることにより、WG−GRINレンズ407の端面から光源401への反射光である、(1)空気とWG−GRINレンズ407との界面や、(2)WG−GRINレンズ407と空気との界面、における反射戻り光を防止することができる。
このように、シート状ポリシランの紫外線硬化時に起こる酸化反応を利用して安価に作製可能で、その口径が光ファイバー径レベルの大きさであるWG−GRINレンズ(導波路型屈折率分布レンズ)を備える実施の形態13の光モジュールでは、WG−GRINレンズとならない部分が光学部品の固定部となるので、光モジュールのアセンブリの簡略化ができる。
なお、シリコン基板上に光ファイバーや光源などの光学部品を表面実装した状態で各光学部品間の間隙にポリシランを塗布して導波路型屈折率分布レンズを形成させる場合は、紫外線に対して透明な材質のシリコン基板を使用するか、または、少なくとも導波路型屈折率分布レンズが形成される部分のみが透明なシリコン基板を使用して、紫外線がシリコン基板の裏側からも照射できるようにするとよい。
(実施の形態14)
図25は、本発明の実施の形態14の、光源アレーと光ファイバーアレーを備える光モジュールの作製工程を示す図である。図25(a)〜(c)は、それぞれ、第1工程〜第3工程を示している。図25(d)は、完成した光モジュールの構成を示している。
図25を用いて、実施の形態14の光モジュールの製造方法を説明する。
まず、第1工程で、図25(a)に示すように、透明基板416上に、並列に配置された光源アレー415と、光源アレー415に対向し、光源アレー415の各光源と結合させる各光ファイバーが並列された光ファイバーアレー414を、所定の間隙453をあけて配置する。
次に、第2工程で、図25(b)に示すように、間隙453の部分、および光源アレー415と光ファイバーアレー414の各対向面を含む各対向面付近にポリシランを塗布して、透明基板416上にシート状ポリシラン(硬化前)454を形成させる。
次に、第3工程で、図25(c)に示すように、シート状ポリシラン(硬化前)454を形成させた透明基板416の、上面側にUV透過率分布上マスク456を、下面側にUV透過率分布下マスク457を、それぞれ配置する。UV透過率分布上マスク456およびUV透過率分布下マスク457は、いずれも紫外線透過率分布を有している。それらの紫外線透過率分布は、いずれも、光源アレー415の各光源に対応する光ファイバーアレー414の各光ファイバーへのそれぞれの光軸に対向する複数の直線状の部分で最小であり、それぞれの直線状の部分からの距離に従って放物線状に所定の距離まで増加するように分布している。そして、各マスクの、間隙453の部分に対向する以外の部分は、紫外線透過率が増加する部分における最大の紫外線透過率と同じ紫外線透過率が均一に分布している。
そして、図25(c)に示すように、UV透過率分布上マスク456の上側、およびUV透過率分布下マスク457の下側から、照射面に対して均一な光量のUV(紫外線)照射455を行う。UV透過率分布上マスク456およびUV透過率分布下マスク457は、上記のような紫外線透過率分布を有しているので、均一な光量のUV(紫外線)照射455を行うことにより、シート状ポリシラン(硬化前)454の間隙453の部分には、光源アレー415の各光源から対応する光ファイバーアレー414の各光ファイバーへのそれぞれの光軸について、それぞれの光軸上で最小で、その光軸からの距離に従って放物線状に増加する量の紫外線が照射されることになる。そして、シート状ポリシラン(硬化前)454の間隙453以外の部分には、間隙453に照射される紫外線量の最大量と等量の紫外線量が照射されることになる。
シート状ポリシラン(硬化前)454に対して、このような光量に分布を持った紫外線が照射されることになるので、図25(d)に示すように、間隙453部分に、光源アレー415の各光源から光ファイバーアレー414の各光ファイバーへのそれぞれの光軸上で最大で、それらの光軸からの距離に従って放物線状に低下する屈折率分布を有する複数の並列した屈折率分布型コア458と、その周りの一定屈折率を有するクラッド459を具備したポリシラン製シート状の導波路型屈折率分布レンズアレー460が形成される。
そして、シート状ポリシラン(硬化前)454の間隙453以外の部分には、クラッド459となった部分と等量の紫外線が照射されるので、光源アレー415の各光源と光ファイバーアレー414の各光ファイバーの各端面近傍のクラッド459と同成分のポリシラン製固定部461が形成される。シート状ポリシラン(硬化前)454は、UV照射455によって硬化されるので、固定部461によって、光源アレー415、導波路型屈折率分布レンズアレー460、光ファイバーアレー414の位置が固定され、実施の形態14の光モジュールが完成する。
なお、光源アレー415が、本発明の、複数の発光部を有する第1光学部品の一例にあたる。また、光ファイバーアレー414が、本発明の、複数の受光部を有する第2光学部品の一例にあたる。また、透明基板416が、本発明の基板の一例にあたる。また、第1工程、第2工程、第3工程が、それぞれ本発明の、配置工程、塗布工程、ポリシラン硬化工程の一例にあたる。
以上に説明したように、実施の形態14の光モジュールの製造方法を用いることにより、複数の光源を有する光源アレーの各光源と、光ファイバーアレーの各光ファイバーを、それぞれ所望の光学特性で結合させる導波路型屈折率分布レンズアレーを備えた光モジュールアレーも容易に作製できる。
(実施の形態15)
図26は、本発明の実施の形態15の、インライン型の光学部品の光モジュールの作製工程を示す図である。図26(a)は第1工程を、図26(b)は第2工程を、図26(c)は第3工程を、図26(d)、(e)は第4工程を、図26(f)、(g)は第5工程を、図26(h)は第6工程を、それぞれ示している。
図26を用いて、実施の形態15の光モジュールの製造方法を説明する。
まず、第1工程で、図26(a)に示すように、透明基板417上に光ファイバー462を配置する。
そして、第2工程で、図26(b)に示すように、光ファイバー462を、切断後の光ファイバー462の2つの切断面の間が、所定の間隔Lである間隙463になるように、第1切断刃418で第1切断部分419を形成させる。
次に、第3工程で、図26(c)に示すように、切断した光ファイバー462の2つの切断対向面を含むように、間隙463の部分に充填ノズル420からポリシランを塗布して、透明基板417上にシート状ポリシラン(硬化前)464を形成させる。
次に、第4工程で、図26(d)に示すように、シート状ポリシラン(硬化前)464を形成させた透明基板417の、上側にUV透過率分布上マスク466を、下側にUV透過率分布下マスク467を配置した後、UV透過率分布上マスク466およびUV透過率分布下マスク467の外側の両面から、光量が均一のUV(紫外線)照射465を行う。
UV透過率分布上マスク466およびUV透過率分布下マスク467は、いずれも紫外線透過率分布を有している。それらの紫外線透過率分布は、いずれも、光ファイバー462の2つの切断面間の光軸に対向する直線状の部分で最小であり、その直線状の部分からの距離に従って放物線状に所定の距離まで増加するように分布している。そして、各マスクの、この所定の距離まで紫外線透過率が増加する部分以外の部分は、紫外線透過率が増加する部分の最外部と同じ紫外線透過率が均一に分布している。
UV透過率分布上マスク466およびUV透過率分布下マスク467は、このような紫外線透過率分布を有しているので、均一な光量のUV(紫外線)照射465を行うことにより、シート状ポリシラン(硬化前)464の間隙463の部分には、光ファイバー462の2つの切断面間の光軸に対して垂直方向に、その光軸上で最小で、光軸からの距離に従って放物線状に増加する量の紫外線が照射されることになる。そして、それ以外のシート状ポリシラン(硬化前)464の部分には、間隙463に照射される紫外線量の最大量と等量の紫外線量が照射されることになる。
シート状ポリシラン(硬化前)464に対して、このような光量に分布を持った紫外線が照射されることになるので、図26(e)に示すように、間隙463部分に、光ファイバー462の2つの切断面間の光軸上で最大で、その光軸からの距離に従って放物線状に低下する屈折率分布を有する屈折率分布型コア468と、その周りの一定屈折率を有するクラッド469を具備したポリシラン製シート状の導波路型屈折率分布レンズ470が形成される。
そして、シート状ポリシラン(硬化前)464の間隙463以外の部分には、クラッド469となった部分と等量の紫外線が照射されるので、クラッド469と同成分のポリシラン製固定部471が形成される。シート状ポリシラン(硬化前)464は、UV照射465によって硬化されるので、固定部471によって、切断された2本の光ファイバーと導波路型屈折率分布レンズ470の位置が固定される。
次に、第5工程で、図26(f)、(g)に示すように、導波路型屈折率分布レンズ470を、切断後の2つの切断面の間隔が、挿入する光アイソレーター423の光路長となるように、第2切断刃421で第2切断部分422を形成させる。
最後に、第6工程で、図26(h)に示すように、第2切断部分422に光アイソレーター423を挿入して、実施の形態15の光モジュールが完成する。
図26(h)に示す完成した本実施の形態15の光モジュールのポリシラン(硬化後)の部分は、一方の光ファイバー462端から出射した光が光アイソレータ423にコリメートとなって入射し、光アイソレータ423から出射するコリメートの光がもう一方の光ファイバー462端に結像されて入射されるような屈折率分布に調整されている。UV透過率分布上マスク466およびUV透過率分布下マスク467の紫外線透過率分布を調整することにより、図26(h)に示す完成した光モジュールのポリシラン(硬化後)の部分をこのような屈折率分布にすることができる。
なお、図26(b)に示す第2工程において、切断された光ファイバー462の対向する2つの光ファイバーの一方が、本発明の第1光学部品の一例にあたり、もう一方の光ファイバーが、本発明の第2光学部品の一例にあたる。また、透明基板417が、本発明の基板の一例にあたる。また、光アイソレーター423が、本発明の第3光学部品の一例にあたる。
また、第1工程および第2工程が、本発明の配置工程の一例にあたる。また、第3工程、第4工程、第5工程、第6工程、が、それぞれ本発明の、塗布工程、ポリシラン硬化工程、切断工程、第3光学部品取付工程の一例にあたる。
このように、実施の形態15の光モジュールの製造方法を用いることにより、インライン型の光学部品の光モジュールに関しても、光ファイバーのコア径程度の口径を有するWG−GRINレンズの作製と光学部品の固定が簡単にできるので、インライン型光モジュールの小型化と組立て工数の簡略化ができる。
なお、実施の形態15の第3光学部品は、光アイソレーターだけでなく、透過型の機能素子、例えば、偏向子、波長板、フィルター、フォトニック結晶などであっても、実施の形態15の製造方法を用いて、同様に光モジュールを作製できる。
また、複数の光ファイバーを並列にアレー状にして、複数の光ファイバーを上述のようにまとめて切断加工すればインライン型光モジュールアレーも容易に作製できる。
(実施の形態16)
図27は、本発明の実施の形態16の、SMF用光デバイスを含む光モジュールの作製工程を示す図である。図27(a)〜(d)は、それぞれ、第1〜第4工程を示している。これらの図は、いずれも上方から見た上面図である。
図27を用いて、実施の形態16の光モジュールの製造方法を説明する。
まず、第1工程で、図27(a)に示すように、透明基板480上に、入力側マルチモードファイバー424と出力側マルチモードファイバーアレー425を、所定の間隙475をあけて配置する。
次に、第2工程で、図27(b)に示すように、入力側マルチモードファイバー424と出力側マルチモードファイバーアレー425の各対向面を含むように、間隙475の部分にポリシランを塗布して、透明基板480上にシート状ポリシラン(硬化前)476を形成させる。
次に、第3工程で、図27(c)に示すように、透明基板480上に形成させたシート状ポリシラン(硬化前)476に紫外線を照射する際に使用する複合マスク板428を2枚準備する。複合マスク板428は、2ヶ所に分かれた導波路型屈折率分布レンズパターン426と、2ヶ所の導波路型屈折率分布レンズパターン426の間に、それらを接続するように配置されたシングルモードファイバー(SMF)用Y分岐パターン427の、紫外線透過率分布パターンを有している。図27(c)に示すSMF用Y分岐パターン427の黒い部分は、紫外線が透過しない部分である。
そして、第4工程で、図27(d)に示すように、図27(b)に示すシート状ポリシラン(硬化前)476を形成させた透明基板480の、上面側および下面側の両側に、図27(c)に示す複合マスク板428をそれぞれ配置し、2枚の複合マスク板428の外側から、均一の光量の紫外線を照射する。
入力側マルチモードファイバー424と出力側マルチモードファイバーアレー425の各MMFの端面に近接したWG−GRINレンズとなるポリシラン部分に対向する部分には、導波路型屈折率分布レンズパターン426を介して紫外線が照射される。したがって、各MMFの光軸に対して垂直方向に、それらの光軸上で最小で、その光軸からの距離に従って低下しない量の紫外線が照射されることになる。そして、それぞれの光軸で最大で、その光軸からの距離に従って放物線状に低下する屈折率分布を有する屈折率分布型コア477と一定屈折率を有するクラッド478とをそれぞれ具備する、ポリシラン製シート状の入力側導波路型屈折率分布レンズ429および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー430が形成される。
また、SMF用Y分岐パターン427を介して紫外線が照射されるシート状ポリシラン(硬化前)476のSMF用Y分岐部分432には、SMF用Y分岐パターン427のSMF用Y分岐の形状に沿った部分に紫外線が透過されないように紫外線が照射されるので、入力側導波路型屈折率分布レンズ429と出力側導波路型屈折率分布レンズアレー430とを結合するSMF用Y分岐コア431と、その周りのクラッド478が形成される。
また、複合マスク板428の、2つの導波路型屈折率分布レンズパターン426の外側の部分は、入力側マルチモードファイバー424と出力側マルチモードファイバーアレー425の端部に対向する部分で、紫外線透過率が大きく、クラッド478となる部分に照射される紫外線量と等量の紫外線量が照射されるので、クラッド478と同成分のポリシラン製固定部479が形成され、入力側マルチモードファイバー424と出力側マルチモードファイバーアレー425が固定される。
ただし、コア径が50μm以上の大きなMMFとコア径が10μm以下のSMF用Y分岐の光学系は、MMFのビーム径をSMFのビーム径に変換するので、入力側導波路型屈折率分布レンズ429および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー430は、いずれも、ほぼ0.25n(整数)ピッチの長さを有する。
このように、光ファイバー径レベルのレンズを使用するとMMFからSMFへビーム変換する光学系が小さくできるので、安価かつ高性能で小型なSMF用光デバイス(この場合、Y分岐)をMMF用に使用することができ、MMF用光デバイスの高性能化・小型化・低価格化が実現できる。また、同一マスクにSMF用Y分岐のパターンと導波路型屈折率分布レンズのパターンを描くことで、一度の紫外線照射で、SMF用Y分岐と導波路型屈折率分布レンズの作製および入出力MMFの固定ができる。
なお、入力側マルチモードファイバー424が、本発明の第1光学部品の一例にあたり、出力側マルチモードファイバーアレー425が、本発明の第2光学部品の一例にあたる。また、透明基板480が、本発明の基板の一例にあたる。また、入力側導波路型屈折率分布レンズ429および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー430が、それぞれ本発明の、第1のGRINレンズおよび第2のGRINレンズアレーの一例にあたる。
また、第1工程、第2工程、第4工程が、それぞれ本発明の、配置工程、塗布工程、ポリシラン硬化工程の一例にあたる。
なお、実施の形態16の光学系は、Y分岐の場合だけでなく、SMF用の導波路型機能素子、例えば、合分岐器、カプラー、フィルター、フォトニック結晶などにも応用できる。
また、実施の形態16の光学系は、MMF光学系をSMF光学系へ変換する場合だけでなく、ビーム径の異なる光学系の変換にも応用できる。例えば、フォトニック結晶の場合、スラブ型で結合できるビーム径がSMFよりも小さいので、SMFの光学系とフォトニック結晶の光学系の変換に応用できる。
また、図27に示した実施の形態16の光モジュールの入出力を逆にした構成、つまり、入力側を発光部を複数有するようなマルチモードファイバーアレーとし、出力側を受光部が1つのマルチモードファイバーにした構成で、SMF用Y分岐部分432の部分を結合路としたような構成の光モジュールでも、実施の形態16の製造方法で作製できる。
以上に説明したことから明らかなように、実施の形態13〜16の発明の光モジュールの製造方法を使用すると、シート状ポリシランの紫外線硬化時に起こる酸化反応を利用して光ファイバーの口径レベルの導波路型屈折率分布レンズを安価に作製することが可能なので、ポリシラン製導波路型屈折率分布レンズで結合する光学部品の端面を含む近傍にもシート状ポリシラン作製用に塗布したポリシランを塗布し、紫外線硬化することでポリシラン製導波路型屈折率分布レンズを作製すると同時に光学部品の固定ができ、光モジュールの小型化と低価格化が同時に実現できる。
また、本発明の光モジュールは、ポリシランは酸化反応を伴うので250℃までの耐熱性があり、従来の光重合材料を用いた光モジュールでは使用できなかった屋外使用や自動車での使用などの100℃以上の耐熱性が要求されるような環境においても使用できる。
本発明にかかる屈折率分布型光学部材、および屈折率分布型光学部材の製造方法は、シート状ポリシランを用い、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることでコア部を形成することで、簡易なプロセスで、100℃以上の耐熱性を有し、低コストで小型化を可能にできるので、光通信あるいは光ネットワークに適用される、屈折率分布型光学部材、光モジュール、および屈折率分布型光学部材の製造方法等に有用である。
本発明の実施の形態1の屈折率分布型光導波路(GI型光導波路)の構成概要図 本発明の実施の形態1のGI型光導波路の酸素濃度分布を示す図 本発明の実施の形態1のGI型光導波路の屈折率分布を示す図 本発明の実施の形態1のGI型光導波路105のA−A´断面図 (a)本発明の実施の形態1における、ポリシラン系樹脂の酸化による内部構造の変化を示す図、(b)本発明の実施の形態1における、酸化によりシート状ポリシランに形成される屈折率分布を説明する図 (a)本発明の実施の形態1の、GI型光導波路の製造方法の準備工程を示す図、(b)本発明の実施の形態1の、GI型光導波路の製造方法のUV照射工程を示す図、(c)本発明の実施の形態1の、GI型光導波路の製造方法の完成したGN型光導波路を示す図 (a)本発明の実施の形態1の、GI型直線導波路を作製するために使用するマスクの概要図、(b)本発明の実施の形態1の、GI型S字導波路を作製するために使用するマスクの概要図、(c)本発明の実施の形態1の、GI型Y分岐を作製するために使用するマスクの概要図、(d)本発明の実施の形態1の、GI型方向性結合器を作製するために使用するマスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型ビーム変換器を作製する際に用いる上マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型ビーム変換器を作製する際に用いる下マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型ビーム変換器の概要図 本発明の実施の形態2のGI型ビーム変換器のB−B´断面図 本発明の実施の形態2のGI型3次元光導波路を作製する際に用いる上マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型3次元光導波路を作製する際に用いる下マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型3次元光導波路の概要図 本発明の実施の形態2のGI型3次元光導波路のC−C´断面図 本発明の実施の形態2のGI型グレーティングフィルターを作製する際に用いる上下マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型グレーティングフィルターの概要図 本発明の実施の形態2のGI型グレーティングフィルターのD−D´断面図 本発明の実施の形態2のGI型グレーティングフィルターのE−E´断面図 (a)本発明の実施の形態3の、側壁を露出したGI型MMIカプラーを作製する際に用いる上下マスクの概要図、(b)本発明の実施の形態3の、側壁を露出したGI型MMIカプラーの概要図、(c)本発明の実施の形態3の、側壁を露出したGI型MMIカプラーのF−F´断面図 (a)本発明の実施の形態3の、側壁を露出しないGI型MMIカプラーを作製する際に用いる上下マスクの概要図、(b)本発明の実施の形態3の、側壁を露出しないGI型MMIカプラーの概要図、(c)本発明の実施の形態3の、側壁を露出しないGI型MMIカプラーのG−G´断面図 (a)本発明の実施の形態4のGI型AWGを作製する際に用いる上下マスクの概要図、(b)本発明の実施の形態4のGI型AWGの概要図 (a)本発明の実施の形態5の、光源と光ファイバーを結合する光モジュールの構成概要図、(b)本発明の実施の形態5の、光モジュールに使用する導波路型屈折率分布レンズ7の構成図、(c)本発明の実施の形態5の、光モジュールに使用する導波路型屈折率分布レンズ7の屈折率分布を示す図 本発明の実施の形態5の、受光部と光ファイバーを結合する光モジュールの構成概要図 (a)本発明の実施の形態5のWG−GRINレンズを光ファイバーの光軸に合わせて配置した構成図、(b)本発明の実施の形態5のWG−GRINレンズを光ファイバーの光軸とずらして配置した構成図 本発明の実施の形態6の、アレー型光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態7の、ジグザグ形状のコアを有する光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態8の、アレー型光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態9の、シングルモード用分岐デバイスを用いた光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態9の、シングルモード用結合デバイスを用いた光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態10の、3波長光合分岐器の構成概要図 (a)本発明の実施の形態11の光モジュールの構成概要図、(b)本発明の実施の形態11の光モジュールを構成するGI型導波路楕円レンズのH−H´断面図 (a)本発明の実施の形態12の光モジュールの構成概要図、(b)本発明の実施の形態12の光モジュールのビーム形状を示す図、(c)本発明の実施の形態12の光モジュールを構成するGI型導波路楕円レンズのJ−J´断面図 (a)本発明の実施の形態12の、光源の出力ビーム形状が楕円の形状の光モジュールの構成概要図、(b)本発明の実施の形態12の、光源の出力ビーム形状が楕円の形状の光モジュールのビーム形状を示す図、(c)本発明の実施の形態12の、光源の出力ビーム形状が楕円の形状の光モジュールを構成するGI型導波路楕円レンズのK−K´断面図 (a)本発明の実施の形態13の、光源と光ファイバーを備える光モジュールの作製工程の第1工程図、(b)本発明の実施の形態13の、光源と光ファイバーを備える光モジュールの作製工程の第2工程図、(c)本発明の実施の形態13の、光源と光ファイバーを備える光モジュールの作製工程の第3工程図、(d)本発明の実施の形態13の、光源と光ファイバーを備える光モジュールの完成図 (a)本発明の実施の形態13の、大口径光ファイバーと受光素子を備える光モジュールの作製工程の第1工程図、(b)本発明の実施の形態13の、大口径光ファイバーと受光素子を備える光モジュールの作製工程の第2工程図、(c)本発明の実施の形態13の、大口径光ファイバーと受光素子を備える光モジュールの作製工程の第3工程図、(d)本発明の実施の形態13の、大口径光ファイバーと受光素子を備える光モジュールの完成図 (a)本発明の実施の形態14の、光源アレーと光ファイバーアレーを備える光モジュールの作製工程の第1工程図、(b)本発明の実施の形態14の、光源アレーと光ファイバーアレーを備える光モジュールの作製工程の第2工程図、(c)本発明の実施の形態14の、光源アレーと光ファイバーアレーを備える光モジュールの作製工程の第3工程図、(d)本発明の実施の形態14の、光源アレーと光ファイバーアレーを備える光モジュールの完成図 (a)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第1工程図 (b)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第2工程図 (c)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第3工程図 (d)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第4工程図 (e)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第4工程図 (f)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第5工程図 (g)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第5工程図 (h)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第6工程図 (a)本発明の実施の形態16の、SMF用光デバイスを含む光モジュールの作製工程の第1工程図 (b)本発明の実施の形態16の、SMF用光デバイスを含む光モジュールの作製工程の第2工程図 (c)本発明の実施の形態16の、SMF用光デバイスを含む光モジュールの作製工程の第3工程図 (d)本発明の実施の形態16の、SMF用光デバイスを含む光モジュールの作製工程の第4工程図 従来の、光導波路の作製装置の構成図 従来の光モジュールの側面図
符号の説明
101 シート状ポリシラン
102 屈折率分布(GI)型コア
103 クラッド
104 ガラス基板
105 GI型光導波路
106 ポリシラン構造
107 シロキサン構造
108 シート状ポリシラン
109 透明基板
110 UV照射
112 紫外線透過率分布上マスク
113 紫外線透過率分布下マスク
114 透明基板
115 UV照射
116 ポリシラン(硬化後)
120 上マスク
121 下マスク
122 屈折率分布(GI)型コア
123 クラッド
124 透明基板
130 上マスク
131 下マスク
132 屈折率分布(GI)型コア
133 クラッド
134 透明基板
140 上マスク
141 下マスク
142 屈折率分布(GI)型コア
143 クラッド
144 透明基板
145 GI型低屈折率部分
146 多重入射光(λ、・・・、λ
147 多重出射光(λ、・・・、λ
148 反射光(λ
149 GI型導波路グレーティング
150 GI型入力導波路
151 GI型出力導波路
152 屈折率分布(GI)型コア
153 クラッド
154 透明基板
155 GI型スラブ
156 露出端面
157 GI型入力導波路マスク部分
158 GI型出力導波路マスク部分
159 GI型スラブマスク部分(端面露出タイプ)
160 複合マスク
161 GI型スラブ
162 GI型スラブマスク部分(端面未露出タイプ)
163 コア用部分
164 クラッド用部分
165 複合マスク
170 GI型入力導波路群
171 GI型出力導波路群
172 GI型アレー導波路
173 GI型入力スラブ
174 GI型出力スラブ
175 多重入射光(λ、…、λ
176 出射光(λ)、…、(λ
177 GI型入力導波路群マスク部分
178 GI型出力導波路群マスク部分
179 GI型アレー導波路マスク部分
180 GI型入力スラブ部分マスク
181 GI型出力スラブ部分マスク
201 シリコン基板
202 光源
203 信号処理部
204 電気回路部
205 V溝
206 光ファイバー
207 導波路型屈折率分布レンズ(WG−GRINレンズ)
208 GI型コア
211 透明基板
212 大コア径光ファイバー
213 受光部
220 光源アレー
221 光ファイバーアレー
222 導波路型屈折率分布レンズアレー(WG−GRINレンズアレー)
223 第kフィルター
224 波長多重光(λ、…、λ
225 第k屈折率分布型コア
226 クラッド
227 ジグザグ導波路型屈折率分布レンズ
228 入力側光ファイバーアレー
229 出力側光ファイバーアレー
230 光アイソレーター
231 入力側導波路型屈折率分布レンズアレー
232 出力側導波路型屈折率分布レンズアレー
233 偏光子
234 ファラデー素子
235 検光子
236 シングルモード用分岐デバイス
237 入力側マルチモード光ファイバー
238 出力側マルチモード光ファイバーアレー
239 入力側導波路型屈折率分布レンズ
240 出力側導波路型屈折率分布レンズアレー
241 入力側導波路型屈折率分布レンズ
242 出力側導波路型屈折率分布レンズ
243 入力側屈折率分布型コア
244 出力側屈折率分布型コア
245 入力多重光(λ、λ、λ
246 出力多重光(λ、λ
247 出力光(λ
248 クラッド
249 フィルター
250 第1光ファイバー
251 第2光ファイバー
252 第3光ファイバー
260 透明基板
261 屈折率分布型コア
262 クラッド
263 シングルモード用結合デバイス
264 出力側マルチモード光ファイバー
265 入力側マルチモード光ファイバーアレー
266 出力側導波路型屈折率分布レンズ
267 入力側導波路型屈折率分布レンズアレー
270 透明基板
278 クラッド
281 シリコン基板
282 透明基板
283 信号処理部
284 電気回路部
285 V溝
286 導波路型屈折率分布レンズ(WG−GRINレンズ)
293 透明基板
294 屈折率分布型コア
295 クラッド
296 導波路型屈折率分布レンズ
297 透明基板
298 屈折率分布型コア
299 クラッド
301 レーザー
302 入力側レンズ
303 GI型楕円コア
304 GI型導波路楕円レンズ
305 クラッド
306 シート状ポリシラン
307 光ファイバー
308 楕円形ビーム
309 円形ビーム
310 光源
311 GI型コア
312 GI型導波路レンズ
313 クラッド
314 先球GI型レンズ
315 シート状ポリシラン
316 光ファイバー
317 コア
318 円形ビーム
319 円形ビーム
320 GI型導波路楕円レンズ
321 GI型コア
322 クラッド
323 楕円形ビーム
325 光源
401 光源
402 光ファイバー
403 間隙
404 シート状ポリシラン(硬化前)
405 屈折率分布型コア
406 クラッド
407 導波路型屈折率分布レンズ(WG−GRINレンズ)
408 固定部
409 UV照射
410 UV透過率分布上マスク
411 UV透過率分布下マスク
412 受光素子
413 大口径光ファイバー
414 光ファイバーアレー
415 光源アレー
416 透明基板
417 透明基板
418 第1切断刃
419 第1切断部分
420 充填ノズル
421 第2切断刃
422 第2切断部分
423 光アイソレーター
424 入力側マルチモードファイバー(MMF)
425 出力側マルチモードファイバー(MMF)アレー
426 導波路型屈折率分布レンズパターン
427 シングモードファイバー(SMF)用Y分岐パターン
428 複合マスク板
429 入力側導波路型屈折率分布レンズ
430 出力側導波路型屈折率分布レンズアレー
431 SMF用Y分岐コア
432 SMF用Y分岐部分
440 透明基板
441 V溝
442 透明基板
443 V溝
444 シート状ポリシラン(硬化前)
445 間隙
446 UV照射
447 UV透過率分布上マスク
448 UN透過率分布下マスク
449 屈折率分布型コア
450 クラッド
451 WG−GRINレンズ
452 固定部
453 間隙
454 シート状ポリシラン(硬化前)
455 UV照射
456 UV透過率分布上マスク
457 UV透過率分布下マスク
458 屈折率分布型コア
459 クラッド
460 導波路型屈折率分布レンズアレー
461 固定部
462 光ファイバー
463 間隙
464 シート状ポリシラン(硬化前)
465 UV照射
466 UV透過率分布上マスク
467 UV透過率分布下マスク
468 屈折率分布型コア
469 クラッド
470 導波路型屈折率分布レンズ
471 固定部
475 間隙
476 シート状ポリシラン(硬化前)
477 屈折率分布型コア
478 クラッド
479 固定部
480 透明基板
本発明は、光通信あるいは光ネットワークに適用される、屈折率分布型光学部材および屈折率分布型光学部材の製造方法に関する。より特定的には、コア内のシロキサン構造の濃度を中心からの距離にしたがって中心対称に増加させることで屈折率分布を制御することのできるポリシラン製光学部材に関するものである。
マルチモード光導波路は、コア内で中心対称に低下する屈折率分布を有することによってモード分散を低減することができる。屈折率分布の物理的構成は、下記の従来例のように材料と作製プロセスに依存する。
従来の屈折率分布型光導波路は、光学媒体に対して所定のマスクを設けて、そのマスクの開口部を通して拡散源を光学媒体中に拡散して光導波路の屈折率に分布をつけていた(例えば、特許文献1参照)。
また、光重合により屈折率が小さくなるモノマーを含む光学媒体に対して、所定の透過率のマスクを設けて光を照射し、光導波路の屈折率に分布をつけるものもある(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献2と同様の光重合反応を利用する方法で、異なる2方向から紫外線を照射して、同心円状の屈折率分布を有する導波路型レンズを作製するものもある(例えば、特許文献3参照)。
また、特許文献2と同様の光重合反応を利用する方法で、照射光量を変化させることで屈折率分布型導波路を作製するものもある(例えば、特許文献4参照)。
また、有機カルボン酸の金属塩を含む光学樹脂に対して所定の開口部を有するマスクを設けて、エタノールやアセトンなどの溶媒に浸漬処理して有機カルボン酸を外部に拡散させることにより光導波路の屈折率に分布をつけるものもある(例えば、特許文献5参照)。
一方、光通信や光ネットワークに使用される光モジュールを安価に量産する技術として表面実装が挙げられる。
これは、あらかじめ光モジュールに必要な半導体レーザーやレンズの外形を高精度に作製し、V溝などが形成されたシリコン基板上にサブミクロン精度で配置したり、光学部品に位置決め用のアライメントマークを高精度に配置して、そのアライメントマークをCCDカメラ等で取り込み、画像処理技術を応用して配置するパッシブアライメントを行う技術である。パッシブアライメントの場合には、光ファイバーに入力する光量をモニターすることなく各光学部品を配置するため、これらの光学部品の加工精度や配置精度が最終的に光ファイバーに入力される光量に影響を及ぼす。そのため、各光学部品を精密に加工し、高精度にアライメントする必要がある。
また、プラスチックファイバーなどのマルチモード光ファイバー(以下、MMFと略す)の場合、その大口径コアに見合った受光面積を有するフォトダイオードが無いし、全モードを制御した低損失で小型のカプラーなどの周辺部品も無い。一方、シングルモード光ファイバー(以下、SMFと略す)は、モード制御が容易で、コア径も小さいことから小型で安価な周辺部品が入手できる。
ところで、従来の光モジュールには、グレーティングカプラーと導波路型レンズを有する薄膜型導波路を使用して、グレーティングカプラーによって薄膜型導波路に入力された光を導波路型レンズを介して外部の光学部品に結合させるものがある(例えば、特許文献6参照)。
また、Si基板上に並列形成されたV溝群と、V溝群で位置決めされた光ファイバー群と、同ピッチで配列された光源群と、V溝群で位置決めされたフレネルレンズ群で構成されたものもある(例えば、特許文献7参照)。
また、屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)を使用して、光モジュールのアセンブリに高精度な光軸調整を不要にしたものもある(例えば、特許文献8参照)。
図29は、特許文献8に示されている、従来の光モジュール610の側面図を示している。
光モジュール610は、基板611上にスペーサ612を介して配置された上下分割可能な石英ブロック613に挟まれ保持される光導波路としての光ファイバー614と、基板611上に設けられたホルダー615に固定されると共に電気信号が入力する端子616aを備えるレーザーダイオード616と、石英ブロック613とレーザーダイオード616との間に配置され光ファイバー614に接続されるGRINレンズ617とから構成されている。
外部から電気信号がレーザーダイオードの端子616aに入力すると、この電気信号の状態変化、例えば、信号のON/OFFに応じてレーザーダイオード616が発光/消光する。このレーザーダイオード616が出射する光信号は、GRINレンズ617により集束されて光ファイバー614に導かれ、最終的に光モジュール610の外部に出力される。
特開昭57−198410号公報(第2頁、第3図) 特開昭60−64310号公報(第2〜3頁、第1図) 特開昭60−175010号公報(第7図) 特開平1−134310号公報(第1図) 特開昭60−188906号公報(第3〜5頁、第2〜4図) 特開昭62−280827号公報(第1図) 特開2004−109498号公報(第1図) 特開平11−271575号公報
しかしながら、特許文献1の従来の方法では、光学媒体にマスクの開口部から拡散材料を注入する必要があるので、拡散材料の補給や、拡散材料による汚損などによりプロセスが複雑になるという第1の課題を有していた。
また、特許文献5の従来の方法は、有機カルボン酸の金属塩を含む光学樹脂をエタノールやアセトンなどの溶媒に浸漬処理するなどのウェット処理が必要なので、この場合にも、プロセスが複雑になるという第1の課題を有していた。
また、特許文献2〜4の従来の方法は、光学媒体中のモノマーを光により重合して屈折率を変化させるので、光量を調節するマスク設置と光照射の簡単なプロセスで屈折率分布型導波路を作製できるが、光重合反応によりできた材料は、PMMAなどのアクリル樹脂を使用するため、耐熱温度は80℃以下であり、100℃以上の耐熱性がないという第2の課題を有していた。したがって、屋内環境などでは問題ないが、100℃以上の耐熱性が要求されるような屋外使用や自動車などには使用できなかった。
また、特許文献6の従来の方法では、薄膜型導波路に結合するためにグレーティングカプラーが必要なので複雑なプロセスが必要で高価であり、低コストで実現できないという第3の課題を有していた。
また、特許文献7の従来の方法でも、使用している光ファイバー径レベルのフレネルレンズが高価であるため、低コストで実現できないという第3の課題を有していた。
また、特許文献8の従来の方法では、バルク型GRINレンズ(口径1mm以上)を使用しているので、低コストではあるが、光モジュールの小型化ができないという第4の課題を有していた。
なお、本明細書において、光ファイバー径レベルとは、光ファイバーの直径の10倍程度以下の大きさを言うものとする。
また、特許文献2〜4に示す従来のいずれの方法も、小型の導波路型屈折率分布レンズを作製することは可能であるが、導波路型屈折率分布レンズを作製する工程と、その作製した導波路型屈折率分布レンズを用いて光モジュールを作製する工程とが別工程となる、という第5の課題を有している。作製する導波路型屈折率分布レンズは非常に小さいため、製造費用に占めるその樹脂材料費は非常に小さく、製造工程で要する費用がコストに影響するため、このように、導波路型屈折率分布レンズを作製する工程と光モジュールを作製する工程とが別工程であると、光モジュールの作製費用が高コストになってしまう。
図28は、特許文献3に記載の、従来の光導波路の作製装置511の構成図である。
高分子フィルム513の表面(上面)にはマスク514が設置されている。このマスク514には、紫外線515を透過する2つの変化部514cが、所定の間隔を存して並列に形成されている。変化部514cは紫外線515の透過率が横方向に変化する分布を有しており、紫外線515の透過率が両側端でゼロ、中央で最も大きくなるように構成されている。そして、マスク514の上方には、一対のミラー516と、中央にプリズム517が設けられている。
光源より平行な紫外線515が照射され、その紫外線515は、プリズム517によって左右に分割され、一対のミラー516のそれぞれで反射され、2方向からマスク514に照射されるようになっている。その紫外線515は、マスク514の変化部514cのみ透過してフィルム513内に進行し、かつ両変化部514cを透過した紫外線515がフィルム513中で交差して円形の露光部を作製するようになっている。この露光部が、光導波路512となる。
このようにして、フィルム513に紫外線を照射してフィルム513内のモノマーを重合させ、屈折率分布を形成させることにより、光導波路512を作製する。
そして、光モジュールを完成させるためには、この光導波路512を用いて、さらに光モジュールを作製するという別工程を行う必要があるため高コストとなってしまう。
本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法は、シート状ポリシランを用い、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部を形成させることで、簡易なプロセスで屈折率分布型光学部材を作製することを第1の目的としている
また、本発明の屈折率分布型光学部材は、シート状ポリシランを用い、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部が形成させることで、100℃以上の耐熱性を持たせることを第2の目的としている。
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、
断面の実質上中心で屈折率の極大部分を有し、前記極大部分からの距離にしたがって屈折率が増加しない屈折率分布を有するコア部と、
前記コア部の周囲の少なくとも一部に接している、屈折率が実質上一様なクラッド部とを備えた屈折率分布型光学部材であって、
ポリシランを主成分とするシート状の屈折率分布型光学部材である。
また、第2の本発明は、
前記コア部は、前記屈折率の極大部分からの距離にしたがって、濃度が減少しないシロキサン構造の濃度分布を有している、第1の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第3の本発明は、
前記コア部の前記シロキサン構造の濃度分布は、前記屈折率の極大部分からの距離にしたがって中心対称に実質上放物線に沿って増加する分布である、第2の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第4の本発明は、
前記コア部の前記シロキサン構造の濃度分布は、光の伝搬方向に沿って変化する分布である、第2の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第5の本発明は、
光の伝搬方向に沿って変化する前記シロキサン構造の濃度分布の変化は、周期的である、第4の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第6の本発明は、
前記光の伝搬方向に沿って変化する前記シロキサン構造の濃度分布は、前記シート状のポリシランの膜厚方向および幅方向の両方向に変化して分布する部分と、前記膜厚方向にのみ変化して分布する部分との組合せである、第4の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第7の本発明は、
前記コア部内の光軸は、実質上直線であり、
前記コア部の長さは、前記光軸上の所望の位置に焦点を有するように調整されている、第1の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第8の本発明は、
前記コア部は、複数設けられている、第1の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第9の本発明は、
前記複数のコア部の少なくとも一対が、一部において光学的に結合している、第8の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第10の本発明は、
前記複数のそれぞれのコア部内の光軸は、実質上直線であり、
前記複数のコア部は、互いに交差せずに並列して配置されている、第8の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第11の本発明は、
前記複数のそれぞれのコア部内の光軸は、実質上直線であり、
前記複数のコア部は、隣同士がそれらの端部で一部交差してジグザグ状に配置されている、第8の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第12の本発明は、
前記シート状のポリシランの上下2面の少なくとも1面に、少なくとも紫外線に対して透明な基板を備えた、第1の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第13の本発明は、
前記コア部は、前記屈折率の極大部分からの距離にしたがって、同心楕円形状に実質上放物線に沿って減少する屈折率分布を有する、第1の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第14の本発明は、
前記コア部は、前記屈折率の極大部分からの距離にしたがって、同心円形状または同心楕円形状に実質上放物線に沿って減少する屈折率分布を有しており、入力側および出力側の少なくとも一方の端部領域の断面が、前記端部に向かって面積が小さくなる形状をしている、第1の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第15の本発明は、
前記コア部の前記端部は、曲面形状である、第14の本発明の屈折率分布型光学部材である。
また、第16の本発明は、
ポリシランを主成分とするシート状の基材を用いた屈折率分布型光学部材の製造方法であって、
前記シート状の基材上の所望の前記屈折率分布型光学部材の形成位置において、前記シート状の基材の上面および下面から、それぞれマスク板を介して同時に紫外線を照射する紫外線照射ステップと、
前記シート状の基材に酸素を供給しながら加熱する加熱ステップとを備えた、屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第17の本発明は、
前記紫外線照射ステップで紫外線を照射し、前記加熱ステップで酸素を供給しながら加熱することにより、前記シート状の基材のポリシラン構造が、酸化反応により、ポリシラン構造よりも屈折率の小さいシロキサン構造に変化する、第16の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第18の本発明は、
前記マスク板は、作製する前記屈折率分布型光学部材のコア部の中心線に平行な線上に紫外線透過率が極小となる部分が分布しており、前記極小となる部分からの、前記平行な線の垂直な面方向への距離にしたがって紫外線透過率が低下しない紫外線透過率分布を有している、第16の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第19の本発明は、
前記マスク板の前記紫外線透過率は、前記平行な線から垂直な面方向に離れるにしたがって実質上放物線に沿って増加する、第18の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第20の本発明は、
前記紫外線透過率分布は、前記平行な線から垂直な面方向に離れるにしたがって紫外線透過率が増加する部分は、前記平行な線から所定の距離までであり、前記所定の距離が、前記光の伝搬方向に沿って短くなっていく分布である、第19の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第21の本発明は、
前記2枚のマスク板は、いずれも、紫外線透過率の極小部分である直線状部分を、互いに交差しない配置で複数有しており、
それぞれの前記直線状部分から垂直な面方向に離れるにしたがって紫外線透過率が増加する部分は、前記直線状部分から所定の距離までである、第18の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第22の本発明は、
前記2枚のマスク板は、いずれも、紫外線透過率の極小部分である直線状部分を、隣同士がそれらの端部で一部交差してジグザグ状に配置される位置に、複数有しており、
それぞれの前記直線状部分から垂直な面方向に離れるにしたがって紫外線透過率が増加する部分は、前記直線状部分から所定の距離までである、第18の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第23の本発明は、
前記シート状の基材の上面および下面に設けた前記マスク板は、互いに等しい紫外線透過率分布を有している、第16の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第24の本発明は、
前記シート状の基材の上面に設けた前記マスク板の紫外線透過率分布と、前記シート状の基材の下面に設けた前記マスク板の紫外線透過率分布は、作製する前記屈折率分布型光学部材の光の伝搬方向に沿って、互いに負の相関がある、第16の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第25の本発明は、
前記マスク板の紫外線透過率分布は、作製する前記屈折率分布型光学部材の光の伝搬方向に沿って変化する部分を少なくとも有する分布である、第16の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第26の本発明は、
前記紫外線透過率分布は、前記光の伝搬方向に沿って周期的に変化する分布である、第25の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第27の本発明は、
前記紫外線透過率分布は、前記光の伝搬方向に沿って紫外線透過率が変化する部分と、前記光の伝搬方向に沿って紫外線透過率が一様な部分との組合せである、第25の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
また、第28の本発明は、
前記シート状の基材の上下2面の少なくとも1面に、少なくとも紫外線に透明な基板を備えた、第16の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法である。
以上に記載の本発明の屈折率分布型光学部材の製造方法は、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用い、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部を形成させることで、簡易なプロセスで屈折率分布型光学部材を作製できる、という効果を発揮する。この効果は、上述した第1の課題に対応したものである。
また、本発明の屈折率分布型光学部材は、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用い、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部が形成させることで、100℃以上の耐熱性を持たせることができる、という効果を発揮する。この効果は、上述した第2の課題に対応したものである。
また、第29の本発明は、
第7の本発明の屈折率分布型光学部材と、
前記屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部から光を入射させるように配置された発光部と、
前記コア部のもう一方の端部から出射する光を受光させるように配置された受光部とを備えた光モジュールである。
また、第30の本発明は、
前記コア部は、前記屈折率分布型光学部材に、互いに交差せずに並列して複数配置されており、
前記複数のコア部のそれぞれの一方の端部には、複数の前記発光部がそれぞれ配置されており、
前記複数のコア部のそれぞれのもう一方の端部には、複数の前記受光部がそれぞれ配置されている、第29の本発明の光モジュールである。
また、第31の本発明は、
第7の本発明の屈折率分布型光学部材と、
特定の波長の光のみを通過させ前記特定の波長以外の光を反射する、前記特定の波長がそれぞれ異なる波長である複数の光学フィルターとを備え、
前記屈折率分布型光学部材のコア部は、隣同士がそれらの端部で一部交差してジグザグ状に複数配置されており、
前記複数の光学フィルターのそれぞれは、前記隣同士のコア部の交差部分に配置されており、
前記複数のコア部のうちの一番端のコア部の一方の入口から多重波長の光が入射される、光モジュールである。
また、第32の本発明は、
2つの、第7の本発明の屈折率分布型光学部材と、
一方の前記屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部から光を入射させるように配置された発光部と、
もう一方の前記屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部から出射する光を受光させるように配置された受光部と、
前記一方の屈折率分布型光学部材のコア部のもう一方の端部、および前記もう一方の屈折率分布型光学部材のコア部のもう一方の端部の間に配置された光学部品とを備えた、光モジュールである。
また、第33の本発明は、
前記光学部品は、アイソレーター、偏向子、波長板、光学フィルター、フォトニック結晶のうちのいずれか、または、これらの組み合わせであり、前記2つの屈折率分布型光学部材の光軸を横断するように配置されている、第32の本発明の光モジュールである。
また、第34の本発明は、
前記2つの屈折率分布型光学部材のコア部は、いずれも、互いに交差せずに並列して複数配置されており、
前記発光部および前記受光部は、いずれも複数あり、
前記一方の屈折率分布型光学部材の複数のコア部のそれぞれの一方の端部には、前記複数の発光部がそれぞれ配置されており、
前記もう一方の屈折率分布型光学部材の複数のコア部のそれぞれの一方の端部には、前記複数の受光部がそれぞれ配置されている、第32の本発明の光モジュールである。
また、第35の本発明は、
前記一方の屈折率分布型光学部材のコア部は、1つであり、
前記もう一方の屈折率分布型光学部材のコア部は、複数あり、
前記光学部品は、光分岐デバイスであり、
前記一方の屈折率分布型光学部材の前記コア部の一方の端部から入射された光は、前記光分岐デバイスで分岐されて、前記もう一方の屈折率分布型光学部材の前記複数のコア部の、それぞれの一方の端部から出射される、第32の本発明の光モジュールである。
また、第36の本発明は、
前記一方の屈折率分布型光学部材のコア部は、複数あり、
前記もう一方の屈折率分布型光学部材のコア部は、1つであり、
前記光学部品は、光結合デバイスであり、
前記一方の屈折率分布型光学部材の前記複数のコア部の、それぞれの一方の端部から入射された光は、前記光結合デバイスで結合されて、前記もう一方の屈折率分布型光学部材の前記コア部の一方の端部から出射される、第32の本発明の光モジュールである。
また、第37の本発明は、
さらに、前記一方の屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部に配置された別の受光部を備え、
前記光学部品は、特定の波長の光のみを通過させ前記特定の波長以外の光を反射する光学フィルターであり、
前記受光部は、前記一方の屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部から入射した前記発光部からの光が、前記光学フィルターを通過して前記もう一方の屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部から出射される位置に配置されており、
前記別の受光部は、前記一方の屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部から入射した前記光が、前記光学フィルターで反射して前記一方の屈折率分布型光学部材のコア部の一方の端部から出射される位置に配置されている、第32の本発明の光モジュールである。
また、第38の本発明は、
前記屈折率分布型光学部材は、コア部が前記発光部および/または前記受光部と軸ズレ状態になるように配置され、前記発光部および/または前記受光部の前記屈折率分布型光学部材のコア部への入出力端部に対する光の入出力方向を傾斜させている、第29または32の本発明の光モジュールである。
また、第39の本発明は、
前記屈折率分布型光学部材、前記発光部、前記受光部のうちの少なくとも1つは、表面実装の位置決め用に形成された溝によって位置決めされている、第29または32の本発明の光モジュールである。
また、第40の本発明は、
第13の本発明の屈折率分布型光学部材と、
前記屈折率分布型光学部材のコア部の入力側端部に楕円形状ビームを入射する入力部と、
前記コア部の出力側端部から出射される出力ビームを受光する受光部とを備え、
前記コア部の前記屈折率分布の楕円形状の長軸および短軸の方向が、それぞれ、前記入力部から入射される前記楕円形状ビームの短軸および長軸の方向と一致する、光モジュールである。
以上に記載の、本発明の光モジュールは、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用いて、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部を形成させるという簡易なプロセスで作製した本発明の屈折率分布型光学部材を利用した低コストの光モジュールとすることができる、という効果を発揮する。この効果は、上述した第3の課題に対応したものである。
以上に記載の、本発明の光モジュールは、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用いて、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部を形成させるというプロセスで作製した小型の本発明の屈折率分布型光学部材を利用した小型の光モジュールとすることができる、という効果を発揮する。この効果は、上述した第4の課題に対応したものである。
また、第41の本発明は、
発光部を有する第1光学部品および受光部を有する第2光学部品を、前記発光部と前記受光部が対向するように、所定の間隔をおいて基板上に配置する配置工程と、
少なくとも、前記発光部および前記受光部を埋設するように、前記発光部と前記受光部との間に、ポリシランをシート状に充填もしくは塗布する塗布工程と、
前記ポリシランを硬化させるとともに、前記発光部から出射された光が前記受光部に入射されるように、前記ポリシラン内に屈折率分布を形成させるポリシラン硬化工程とを備えた、光モジュールの製造方法である。
また、第42の本発明は、
前記ポリシラン硬化工程では、紫外線を照射することにより、前記ポリシランを硬化させるとともに、前記発光部から前記受光部への光路の光軸上で最大であり、前記光軸から垂直方向に離れるにしたがって減少する屈折率分布を形成させる、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第43の本発明は、
前記発光部は、光源または光ファイバーの一端であり、
前記受光部は、受光素子または光ファイバーの一端である、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第44の本発明は、
前記配置工程は、
前記発光部から前記受光部への光路の光軸が、前記発光部および/または前記受光部と軸ズレ状態になるように、前記発光部および前記受光部を配置する、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第45の本発明は、
前記基板は、表面実装の位置決め用の溝を有しており、
前記配置工程は、
前記第1光学部品および前記第2光学部品の少なくとも一方を、前記位置決め用の溝によって位置決めさせて配置する、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第46の本発明は、
前記配置工程は、
光ファイバーを前記基板上に固定した後、切断された後の2つの端面の間隔が前記所定の間隔となるように、前記光ファイバーを前記基板上で切断し、前記2つの端面のうちの一方の端面を前記発光部とし、もう一方の端面を前記受光部とする、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第47の本発明は、
少なくとも、前記ポリシランの前記屈折率分布を形成させる部分に対応する前記基板の部分は、紫外線に対して透明であり、
前記ポリシラン硬化工程では、2枚のマスク板を、前記シート状のポリシランが充填もしくは塗布された前記基板の両面側に配置した後、前記2枚のマスク板の外側から均一な紫外線を照射し、
前記2枚のマスク板は、いずれも、前記ポリシランに形成させる屈折率の大きい部分に対応する部分の紫外線透過率が小さくなり、前記ポリシランに形成させる屈折率の小さい部分に対応する部分の紫外線透過率が大きくなるような紫外線透過率分布を有する、第42の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第48の本発明は、
前記2枚のマスク板の紫外線透過率分布は、いずれも、前記発光部と前記受光部を直線で結ぶ光軸に対向する直線状部分で最小であり、前記直線状部分から垂直方向に離れるにしたがって増加する分布をしており、
前記ポリシラン硬化工程により、前記光軸上で屈折率が最大となり、前記光軸から垂直方向に離れるにしたがって屈折率が低下する屈折率分布を有するGRINレンズが、前記発光部と前記受光部の間に形成される、第47の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第49の本発明は、
前記受光部は、複数設けられており、
前記2枚のマスク板は、それぞれ、
前記発光部に接続される第1のGRINレンズを形成する屈折率分布を、前記ポリシラン中に形成させるのに対応した第1の紫外線透過率パターンと、
前記受光部のそれぞれに接続される複数の第2のGRINレンズで構成される第2のGRINレンズアレーを形成する屈折率分布を、前記ポリシラン中に形成させるのに対応した第2の紫外線透過率パターンと、
前記第1のGRINレンズから出射される光を分岐して前記第2のGRINレンズの前記各受光部に入射させる分岐路を形成する屈折率分布を、前記ポリシラン中に形成させるのに対応した、前記第1の紫外線透過率パターンおよび前記第2の紫外線透過率パターンに接続される第3の紫外線透過率パターンとを有する、第47の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第50の本発明は、
前記発光部は、複数設けられており、
前記2枚のマスク板は、それぞれ、
前記発光部のそれぞれに接続される複数の第1のGRINレンズで構成される第1のGRINレンズアレーを形成する屈折率分布を、前記ポリシラン中に形成させるのに対応した第1の紫外線透過率パターンと、
前記受光部に接続される第2のGRINレンズを形成する屈折率分布を、前記ポリシラン中に形成させるのに対応した第2の紫外線透過率パターンと、
前記第1のGRINレンズアレーの前記各発光部から出射される光を結合して前記第2のGRINレンズに入射させる結合路を形成する屈折率分布を、前記ポリシラン中に形成させるのに対応した、前記第1の紫外線透過率パターンおよび前記第2の紫外線透過率パターンに接続される第3の紫外線透過率パターンとを有する、第47の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第51の本発明は、
さらに、前記発光部から前記受光部への光路を切断するように、前記シート状のポリシランを2つに切断する切断工程と、
前記2つに切断されたシート状のポリシランの間に、第3光学部品を配置する第3光学部品取付工程とを備えた、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第52の本発明は、
前記発光部および受光部は、それぞれ複数設けられており、
前記ポリシラン硬化工程では、それぞれの前記発光部に対応するそれぞれの前記受光部へのそれぞれの光路毎に、その光軸上で屈折率が最大となり、前記光軸から垂直方向に離れるにしたがって屈折率が低下する屈折率分布を形成させる、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第53の本発明は、
さらに、前記発光部から前記受光部への全ての光路を切断するように、前記シート状のポリシランを2つに切断する切断工程と、
前記2つに切断されたシート状のポリシランの間に、第3光学部品を配置する第3光学部品取付工程とを備えた、第52の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第54の本発明は、
前記第3光学部品は、アイソレーター、偏向子、波長板、フィルターのうちのいずれかである、第51または第53の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第55の本発明は、
発光部を有する第1光学部品と、
前記発光部と所定の間隔をおいて隔てられた受光部を有する第2光学部品と、
少なくとも、前記発光部および前記受光部が埋設されており、前記発光部と前記受光部との間に、前記発光部から出射された光を前記受光部に入射させる屈折率分布を有する、シート状の硬化されたポリシランとを備えた、光モジュールである。
また、第56の本発明は、
前記ポリシランには、光量に分布を有する紫外線を照射することにより、前記発光部から前記受光部への光路の光軸上で屈折率が最大となり、前記光軸から垂直方向に離れるにしたがって屈折率が低下する屈折率分布が形成されており、その屈折率分布によって、前記ポリシラン内にGRINレンズが形成されており、
前記GRINレンズ部分のシロキサン構造の濃度分布は、前記光軸上で最小であり、前記光軸から垂直方向に離れるにしたがって実質上放物線に沿って増加する、第55の本発明の光モジュールである。
また、第57の本発明は、
前記発光部は、光源または光ファイバーの一端であり、
前記受光部は、受光素子または光ファイバーの一端である、第55の本発明の光モジュールである。
また、第58の本発明は、
前記発光部から前記受光部への光路の光軸が、前記発光部および/または前記受光部と軸ズレ状態になるように、前記発光部および前記受光部が配置されている、第55の本発明の光モジュールである。
また、第59の本発明は、
前記第1光学部品、前記第2光学部品、および前記ポリシランは、表面実装の位置決め用の溝を有する基板上に配置されており、
前記第1光学部品および前記第2光学部品の少なくとも一方は、前記位置決め用の溝によって位置決めされて配置されている、第55の本発明の光モジュールである。
また、第60の本発明は、
前記受光部は、複数あり、
前記ポリシランには、その内部の屈折率分布により、
前記発光部に接続される第1のGRINレンズと、
前記受光部のそれぞれに接続される複数の第2のGRINレンズと、
前記第1のGRINレンズから出射される光を分岐して前記複数の第2のGRINレンズに入射させる分岐路とが形成されている、第55の本発明の光モジュールである。
また、第61の本発明は、
前記発光部は、複数あり、
前記ポリシランには、その内部の屈折率分布により、
前記発光部のそれぞれに接続される複数の第1のGRINレンズと、
前記受光部に接続される第2のGRINレンズと、
前記複数の第1のGRINレンズから出射される光を結合して前記第2のGRINレンズに入射させる結合路とが形成されている、第55の本発明の光モジュールである。
また、第62の本発明は、
さらに、前記光路を横断するように前記ポリシランの間に配置されている第3光学部品を備えた、第55の本発明の光モジュールである。
また、第63の本発明は、
前記発光部および受光部は、それぞれ複数あり、
前記ポリシランには、その内部の屈折率分布により、それぞれの前記発光部とそれらに対応するそれぞれの前記受光部とのそれぞれの間にGRINレンズが形成されている、第55の本発明の光モジュールである。
また、第64の本発明は、
さらに、前記発光部から前記受光部への全ての光路を横断するように配置されている第3光学部品を備えた、第63の本発明の光モジュールである。
また、第65の本発明は、
前記第3光学部品は、アイソレーター、偏向子、波長板、フィルターのうちのいずれかである、第62または第64の本発明の光モジュールである。
以上に記載の本発明の光モジュールおよび光モジュールの製造方法は、導波路型屈折率分布レンズを作製すると同時に光学部品の固定ができる、という効果を発揮する。この効果は、上述した第5の課題に対応したものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1(a)に、本発明の実施の形態1の屈折率分布型光導波路(GI型光導波路)105の構成概要図を示す。図1(b)、(c)は、それぞれ、GI型光導波路105の酸素濃度分布および屈折率分布を示している。また、図1(d)は、図1(a)のGI型光導波路105のA−A´断面図を示している。なお、GI型光導波路105が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
本実施の形態1では、図1(a)に示すように、シート状ポリシラン101の面内の屈折率分布(以下GIと呼ぶ)を有するGI型コア102と、GI型コア102以外のクラッド103と、シート状ポリシラン101を支持し、紫外線に対して透明な、例えばガラス基板104とで構成されている。
GI型コア102は、図1(b)に示すように、断面の中心線上で極小部分を有し、その極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する酸素濃度分布を有している。一方、クラッド103は、ほぼ酸素濃度が一定である。
次に、本実施の形態1のGI型光導波路の製造方法、およびその原理について図2および図3を使用して説明する。
図2(a)は、ポリシラン系樹脂の、酸化による内部構造の変化を示している。また、図2(b)は、酸化により、シート状ポリシランに形成される屈折率分布を説明する図である。
硬化前のシート状ポリシラン108は、UV(紫外線)露光や熱処理によって起こる硬化時の酸化反応により、高屈折率のポリシラン構造106が低屈折率のシロキサン構造107に変化する。したがって、図2(b)に示すように、透明基板109上に塗布した硬化前のシート状ポリシラン108の上からUV照射110すると、UV照射110している上側から空気中の酸素と反応して酸化が起こりシロキサン構造107が生成されていくので、UV光源から離れるにしたがってシロキサン構造107を構成する酸素の濃度が減少する。
このように、UV照射110の仕方と、シート状ポリシラン108への酸素の供給の仕方によって、ポリシラン構造106部分と酸化により発生するシロキサン構造107部分を分布させられるので、自由に屈折率分布を形成させることができる。ただし、シート状ポリシラン108の膜厚が小さい場合は雰囲気中の酸素と反応することができるが、シート状ポリシラン108の膜厚が大きい場合やシート状ポリシラン108が基板などで直接空気に触れない場合には、雰囲気の酸素が及ばない内部には屈折率分布を形成させることができない。このような場合は、予め硬化前のシート状ポリシラン108内部に、酸素や酸化物あるいは過酸化物を拡散させておくことで、雰囲気の酸素が及ばない内部にまで屈折率分布を形成させることができる。
また、図2(b)において上下の両面から、つまり透明基板109の下側からもUV照射を行う場合、シート状ポリシラン108の基板側と空気側では酸素供給量(シロキサン構造107が生成される前の酸素濃度)が異なるので、照射するUV照射量が上下等量の場合は酸素供給量の多い空気側の屈折率低下が大きくなり、最大屈折率位置が基板側に移動してしまう。この場合、基板側から照射するUV照射量を空気側よりも多くして非対称にすることで、空気側の酸化反応が抑制されるので膜厚中心対称の屈折率分布を形成させることができる。
例えば、GI型スラブ導波路のように、膜厚方向に中心で極大を有し、中心からの距離にしたがって屈折率が中心対称にほぼ放物線に沿って低下する屈折率分布を形成させる場合は、硬化前のシート状ポリシラン108の上下両面から同強度のUV照射をすればよい。
ただし、UV露光で硬化させる場合に基板側から露光する場合は、透明基板109の材料として、UVに対して透明な材料、例えば、石英やほう珪酸ガラスなどのガラスや、UVを透過する樹脂や、LiNbOやLiTaOなどの結晶性基板を使用する。
なお、シート状ポリシラン108の膜厚が大きい場合や、透明基板109により酸素供給量が上下で非対称になる場合は、予めシート状ポリシラン108に酸素や酸化物あるいは過酸化物を付加しておいたり、UV照射量を上下非対称にすれば膜厚方向の屈折率分布を調整することができる。
このように、ポリシランは、酸化反応によりポリシラン構造106が相対的に低屈折率のシロキサン構造107に変化するので、ポリシラン内部での屈折率分布は、シロキサン構造107を構成する酸素の濃度と負の相関を有する。したがって、図1(a)のGI型光導波路105のGI型コア102は、図1(b)に示す酸素濃度分布を有しているので、GI型コア102内の屈折率分布は、図1(c)に示すように、GI型コア102の断面の中心線上で極大部分を有し、その極大部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って低下する分布となる。したがって、図1(a)のA−A´断面におけるGI型コア102の屈折率分布は、図1(d)のように円形状の分布となる。なお、図1(d)のGI型コア102部分の濃淡は、濃い方が屈折率が高く、薄い方が屈折率が低いことを示している。
ポリシラン内部での屈折率分布は酸素濃度と負の相関を有するので、GI型コア102の酸素濃度分布は、その断面の中心線上で極小部分を有し、その極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する分布となる。ポリシラン内部の酸素濃度の分布は、シロキサン構造の濃度の分布に依存するので、GI型コア102内のシロキサン構造の濃度の分布を、断面の中心線上で極小部分を有し、その極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する分布とすることにより、図1(c)に示すような屈折率分布を形成させることができる。
このようにして、ポリシラン内の酸素濃度分布を制御すること、すなわちポリシラン内のシロキサン構造の濃度分布を制御することで、GI型光導波路105を作製することができる。
なお、本実施の形態1のGI型光導波路105では、図1(d)のように、GI型コア102が、その周囲の上部および下部を除く部分でクラッド103に接している構成としたが、GI型コア102の周囲の全体がクラッド103に接している構成であってもよい。
次に、図1(c)に示すように膜厚方向と幅方向の2次元的に屈折率が分布する図1(a)のポリシラン製GI型光導波路105の製造方法について説明する。
図3は、GI型光導波路105の製造工程を示す図であり、図3(a)は準備工程、図3(b)はUV照射工程、図3(c)は完成したGI型光導波路を示している。
まず、図3(a)に示すように、透明基板114の上にシート状のポリシラン(硬化前)101を塗布する。そして、シート状ポリシラン(硬化前)101を塗布した透明基板114の上の面にUV透過率分布上マスク112を、下の面にUV透過率分布下マスク113をそれぞれ配置する。なお、透明基板114には、少なくとも紫外線に対して透明な基板、つまり少なくとも紫外線領域の波長を透過する基板を使用する。なお、ポリシラン(硬化前)101が、本発明の、ポリシランを主成分とするシート状の基材の一例にあたる。
図3(a)のUV透過率分布上マスク112の上に示すグラフは、図3(a)に示すUV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113の位置に対応する部分の、幅方向(図3の左右方向)のUV(紫外線)透過率分布を示している。このように、UV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113は、いずれも、所望の長さのGI型光導波路105のGI型コア102の中心線に平行な線上に極小部分を有し、その平行線の垂直方向における前記極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加するUV(紫外線)透過率分布を有している。なお、図3(a)、(b)に示すUV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113のUV透過率分布を示す濃淡は、濃い方が透過率が低く(紫外線を通し難い)、薄い方が透過率が高い(紫外線をよく通す)ことを示している。
次に、図3(b)に示すように、酸素を供給しながら、加熱し、上記の各透過率分布を有するUV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113を介して、シート状ポリシラン(硬化前)101の上下2方向から、同量のUV(紫外線)照射115を均一に行う。
このようにUV照射115を行うことにより、膜厚方向には膜厚の中心対称な、幅方向にはマスクの透過率分布と負の相関のある幅中心対称な、すなわち、膜厚と幅の中心で極大を有し、それらの中心からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線にしたがって低下
する屈折率分布を有する光導波路を作製することができる。図3(c)に示すように、ポリシラン(硬化後)116が、このような屈折率分布を有する光導波路となる。
なお、図3(a)〜(c)のポリシラン(硬化前)101およびポリシラン(硬化後)116の屈折率分布を示す濃淡は、濃い方が屈折率が高く、薄い方が屈折率が低いことを示しており、図3(a)〜(c)に示すように、UV照射115にしたがって屈折率の分布状態が変化する。
この屈折率分布が中心対称分布であれば、近似的に放物線状に沿った分布となる。ただし、幅方向のクラッド103部分に対応するUV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113の透過率は一定であるので、厳密にはクラッド103部分の膜厚方向には中心対称の屈折率分布が存在する。しかし、クラッド103部分はGI型コア102部分よりもUV照射115量が多く、シロキサン構造107の割合が大きいので、GI型コア102部分の屈折率分布に比較するとクラッド103部分の屈折率分布は無視することができる。
また、図3(c)の下に示すグラフは、図3(c)に示すポリシラン(硬化後)116の位置に対応する、幅方向のシロキサン構造107を構成するO(酸素)の濃度分布および屈折率分布を示している。このように、シロキサン構造107を構成する酸素の濃度分布は、屈折率分布とは逆に、幅方向の中心で極小を有し、その中心からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線にしたがって増加する分布となる。
また、図3(a)〜(c)の右に示すグラフは、各工程における、各図に示すポリシラン(硬化前)101およびポリシラン(硬化後)116の位置に対応する膜厚方向の、屈折率分布およびシロキサン構造107を構成する酸素の濃度分布を示している。このように、UV照射115にしたがって、膜厚方向の屈折率分布および酸素濃度分布が変化する。
なお、シート状ポリシラン(硬化前)101の膜厚が大きい場合や、透明基板114により酸素供給量が上下で非対称になる場合は、上述したGI型スラブ導波路の場合と同様に、予めシート状ポリシラン(硬化前)101に酸素や酸化物あるいは過酸化物を付加しておいたり、UV照射115量を上下非対称にすれば膜厚方向の屈折率分布を調整することができる。
また、一般に、光導波路は保持用基板に取り付ける必要があるが、本実施の形態1で作製した光導波路は、透明基板114の部分をそのまま保持用基板として使用できる。したがって、別途保持用基板を準備する必要がなく、保持用基板に取り付ける工程が不要となる、という効果も得られる。
図4(a)〜(d)は、本実施の形態1の屈折率分布型光導波路の製造方法で使用される、紫外線量を制御する透過率分布を有する光導波路用マスクの概要図を示している。これらの光導波路用マスクの膜厚方向の屈折率分布は、いずれも一定である。
図4(a)は、上記で説明した図3のUV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113を示している。
図4(a)に示すようなGI型直線導波路以外に、透過率が極小となる中心線が曲線を画いたり、複数本存在するマスクを使用することにより、さまざまなパターンのGI型光導波路を作製することができる。例えば、図4(b)のマスクを使用することによりGI型S字導波路が作製でき、図4(c)のマスクを使用することによりGI型Y分岐を作製でき、図4(d)のマスクを使用することによりGI型方向性結合器を作製することもできる。
なお、図4(a)〜(c)の各マスクを使用して作製される、GI型直線導波路、GI型S字導波路、GI型Y分岐は、いずれも、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。また、図4(d)のマスクで作製されるGI型方向性結合器が、本発明の、コア部の少なくとも一対が一部において光学的に結合している屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
なお、各図面の光導波路の屈折率分布を示す濃淡は、濃い方が屈折率が高く、薄い方が屈折率が低いことを示すが、マスクの紫外線透過率分布を示す濃淡は、濃い方が透過率が低く(紫外線を通し難い)、薄い方が透過率が高い(紫外線をよく通す)ことを示す。
なお、本発明で、ポリシランを主成分とするとは、生産用の材料か結果物かに関わらず、ポリシランを主成分としていさえすれば、他の成分が含まれていてもよいことを意味している。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2のGI型光導波路は、実施の形態1のシート状ポリシランを使用したプロセスにより、伝搬方向に沿って紫外線透過率分布が変化するマスクを使用して作製できるGI型光導波路である。なお、本実施の形態2のGI型光導波路が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
図5(a)および図5(b)は、入力端と出力端でモードフィールド径の異なるGI型ビーム変換器を作製する際に用いる上下のマスクの概要図を示し、図5(c)は作製されるGI型ビーム変換器の概要図を、図5(d)は、そのB−B´断面図をそれぞれ示している。
図3の実施の形態1と同様のシート状ポリシランを使用したプロセスにおいて、UV透過率分布上マスク112として上マスク120を使用し、UV透過率分布下マスク113として下マスク121を使用して紫外線照射を行う。このように、伝搬方向に変化するコア径に対応して紫外線透過率分布の変化率を変化させた上マスク120および下マスク121を使用すれば、光の伝搬方向に沿って変化する屈折率分布がGI型コア122に形成され、図5(c)に示すような入力端と出力端でモードフィールド径の異なるGI型ビーム変換器を作製することができる。GI型コア122の酸素濃度分布およびシロキサン構造の濃度分布は、屈折率分布に相反する分布なので、これらの分布も光の伝搬方向に沿って変化する分布となる。
図6(a)および図6(b)は、コアがシート状ポリシランの膜厚方向に変化するGI型3次元光導波路を作製する際に用いる上下のマスクの概要図を示し、図6(c)は作製されるGI型3次元光導波路の概要図を、図6(d)は、そのC−C´断面図をそれぞれ示している。
図3の実施の形態1と同様のシート状ポリシランを使用したプロセスにおいて、UV透過率分布上マスク112として上マスク130を使用し、UV透過率分布下マスク113として下マスク131を使用して紫外線照射を行う。このように、上下で伝搬方向に沿って紫外線透過率分布形状は同じであるが、絶対値が逆相関(左から右へ上マスクは透過率が上昇し、下マスクは透過率が低下する)の紫外線透過率分布を有する上マスク130および下マスク131を使用すれば、図6(c)に示すような左から右へGI型コア122がシート状ポリシランの膜厚方向に変化するGI型3次元光導波路を作製することができる。
図7(a)は、屈折率分布の絶対値が周囲的に変化するGI型導波路グレーティングを作製する際に用いる上下のマスクの概要図を示し、図7(b)は作製されるGI型導波路グレーティングの概要図を、図7(c)は、そのD−D´断面図を、図7(d)は、そのE−E´断面図をそれぞれ示している。
図3の実施の形態1と同様のシート状ポリシランを使用したプロセスにおいて、UV透過率分布上マスク112として上マスク140を使用し、UV透過率分布下マスク113として下マスク141を使用して紫外線照射を行う。上マスク140と下マスク141は、図7(a)に示すように、同じ紫外線透過率分布を有している。
このように、伝搬方向に沿って周期的に紫外線透過率分布の絶対値が変化する上マスク140および下マスク141を使用すれば、図7(b)に示すような屈折率分布の絶対値が周囲的に変化するGI型屈折率部分145を有するGI型導波路グレーティングを作製することができる。屈折率分布が伝搬方向に沿って周期的に変化するので、図7(c)および図7(d)のように、位置によってその断面の屈折率分布が異なる。
GI型コア142の酸素濃度分布およびシロキサン構造の濃度分布は、屈折率分布に相反する分布なので、これらの分布も光の伝搬方向に沿って周期的に変化する分布となる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3のGI型MMIカプラーは、実施の形態1のシート状ポリシランを使用したプロセスにより、GI型スラブ部分とGI型入出力導波路部分が複合したマスクを使用して作製できる、入出力導波路付GI型MMIカプラーである。
図8(b)は、2次元屈折率分布を有する入出力GI型導波路と膜厚方向の1次元屈折率分布を有する側壁を露出したGI型スラブを複合化したGI型MMIカプラーの概要図を示し、図8(a)は、そのマスクの概要図を示している。図8(c)は、図8(b)に示すGI型MMIカプラーのF−F´断面図を示している。
なお、図8(b)に示すGI形MMIカプラーが、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
本実施の形態3のGI型MMIカプラーは、図8(b)に示すように、光の伝搬方向に沿ってコア断面の中心線上で酸素濃度の極小部分を有し、その酸素濃度の極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する酸素濃度分布(屈折率は、コア断面の中心線上で極大部分を有し、その極大部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って低下する屈折率分布)を有するGI型入力導波路150と、GI型入力導波路150と同様の屈折率分布を有する2個のGI型出力導波路151と、GI型入力導波路150とGI型出力導波路151を入力端と出力端のそれぞれに具備する膜厚方向において中心で酸素濃度の極小部分を有し、その酸素濃度の極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する酸素濃度分布(屈折率は、中心で極大部分を有し、その極大部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って低下する屈折率分布)を有するGI型スラブ155で構成されたGI型マルチモード干渉(MMI)カプラーである。なお、ここでいう酸素濃度とは、実施の形態1の説明と同様にシロキサン構造107を構成する酸素の濃度のことをいう。
ただし、GI型スラブ155は、幅方向の露出端面156は空気に露出され、GI型入力導波路150からの入射光によって幅方向に励振されたマルチモードの伝搬方向の干渉によって出力端上の2個のGI型出力導波路151との接続位置で光の強度が極大になるように幅と長さが最適化されている。
このようなGI型MMIカプラーは、実施の形態1に示したGI型光導波路と、GI型スラブとの組合せである。したがって、実施の形態1と同様のGI型直(曲)線入出力導波路用マスク(図4(a)、(b))部分157、158と、GI型スラブマスク部分159(GI型入力導波路マスク部分157およびGI型出力導波路マスク部分158の、極小透過率に等しい一定透過率のマスク)とを組み合わせた図8(a)に示す複合マスク160を使用すれば、透明基板154上に塗布したシート状ポリシランへの上下からの一度の紫外線照射で複合GI型導波路デバイスが作製できる。
ポリシランを使用して作製された本実施の形態3のGI型MMIカプラーのシロキサン構造の濃度分布は、屈折率分布に相反する分布なので、GI型入力導波路150部分およびGI型出力導波路151部分では膜圧方向および幅方向に変化する分布となり、GI型スラブ155部分では膜圧方向にのみ変化する分布となる。
図9(b)は、2次元屈折率分布を有する入出力GI型導波路と膜厚方向の1次元屈折率分布を有する側壁が露出しないGI型スラブで構成された本実施の形態3の他のGI型MMIカプラーの概要図を示し、図9(a)は、そのマスクの概要図を示している。図9(c)は、図9(b)に示すGI型MMIカプラーのG−G´断面図を示している。なお、図8と同じ構成部分には、同じ符号を用いている。
なお、図9(b)に示すGI形MMIカプラーが、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
図9に示すような、GI型スラブ161の幅方向の境界がポリシランのクラッド153と接する構造の場合の複合マスク165のGI型スラブマスク部分162は、スラブのコア用の、GI型入力導波路マスク部分157およびGI型出力導波路マスク部分158の極小透過率に等しい一定透過率のコア用部分163と、スラブのクラッド用の、GI型入力導波路マスク部分157およびGI型出力導波路マスク部分158の極小透過率に等しい一定透過率のクラッド用部分164で構成される。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4のGI型アレー導波路グレーティング(AWG)は、実施の形態1のシート状ポリシランを使用したプロセスにより作製した、2次元屈折率分布を有する入出力GI型導波路およびアレー導波路と膜厚方向の1次元屈折率分布を有するGI型スラブを複合化したGI型AWGである。
図10(b)は、本実施の形態4のGI型AWGの概要図を示し、図10(a)は、このGI型AWGを作製するために使用するマスクの概要図を示している。なお、本実施の形態4のGI型AWGが、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
本実施の形態4のGI型AWGは、図10(b)に示すように、光の伝搬方向に沿ってコア断面の中心線上で酸素濃度の極小部分を有し、その酸素濃度の極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する酸素濃度分布(屈折率は、コア断面の中心線上で極大部分を有し、その極大部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って低下する屈折率分布)を有する少なくともひとつのGI型入力導波路で構成されるGI型入力導波路群170と、それらのGI型入力導波路と同様の屈折率分布を有する少なくともひとつのGI型出力導波路で構成されるGI型出力導波路群171と、それらのGI型入力導波路と同様の屈折率分布を有するGI型アレー導波路172と、GI型入力導波路群170とGI型アレー導波路172を入力端と出力端のそれぞれに具備する膜厚方向において中心で酸素濃度の極小部分を有し、その酸素濃度の極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する酸素濃度分布(屈折率は、中心で極大部分を有し、その極大部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って低下する屈折率分布)を有するGI型入力スラブ173と、GI型アレー導波路172とGI型出力導波路群171を入力端と出力端のそれぞれに具備する膜厚方向において中心で酸素濃度の極小部分を有し、その酸素濃度の極小部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って増加する酸素濃度分布(屈折率は、中心で極大部分を有し、その極大部分からの距離にしたがって中心対称にほぼ放物線に沿って低下する屈折率分布)を有するGI型出力スラブ174で構成されたGI型アレー導波路グレーティング(AWG)である。なお、ここでいう酸素濃度とは、実施の形態1の説明と同様にシロキサン構造107を構成する酸素の濃度のことをいう。
ただし、GI型入力スラブ173とGI型出力スラブ174は、光が均質に拡散できるように、GI型入力導波路群170あるいはGI型出力導波路群171からGI型アレー導波路172方向へ向かって幅方向に広がった構造をしており、GI型入力導波路群170からの波長多重入射光(λ、・・・、λ)175は、GI型入力スラブ173で幅方向に広がった波長多重光がGI型アレー導波路172を通過する過程においてGI型アレー導波路172の内側のGI型導波路と外側のGI型導波路間で光路差が生じ、GI型出力スラブ174において集光される時に、GI型出力スラブ174の出力端に接続されたGI型出力導波路群171の各GI型出力導波路位置に各波長が分離して集光され、その分離した各波長が個別に各GI型出力導波路によって出射光176として出力される。
このようなGI型AWGは、実施の形態3のGI型MMIカプラーと同様に、実施の形態1に示したGI型光導波路と、GI型スラブとの組合せである。したがって、実施の形態1と同様のGI型直(曲)線導波路用マスク部分177、178、179(図4(a)、(b))と、GI型入出力スラブ部分用マスク180、181(GI型入力導波路群マスク部分177およびGI型出力導波路群マスク部分178の極小透過率に等しい一定透過率のマスク)とを組み合わせた図10(a)に示すGI型AWG用複合マスクを使用すれば、シート状ポリシランへの上下からの一度の紫外線照射で複合GI型導波路デバイスが作製できる。
このように、各種光導波路用マスクを組み合わせることで、複雑なデバイス構造も一度の紫外線照射によるポリシランの酸化反応で作製することができる。
(実施の形態5)
図11に、本発明の実施の形態5の、光源と光ファイバーを結合する光モジュールの概要構成図を示す。
本実施の形態5の光モジュールは、図11に示すように、表面実装用のシリコン基板201と、光源202と信号処理部203で構成され、シリコン基板201上に配置された電気回路部204と、シリコン基板201に予め設けられたV溝205で位置決めされた光ファイバー206と、光源202と光ファイバー206の光路上に設けられ、光源202と光ファイバー206とを所望光学特性(ロス、ビーム形状など)で結合する導波路型屈折率分布レンズ207(以下、WG−GRINレンズと略す)で構成されている。
WG−GRINレンズ207は、実施の形態1で説明した図1(a)のGI型光導波路105と同じ構成である。つまり、WG−GRINレンズ207は、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
なお、光源202が、本発明の発光部の一例にあたり、WG−GRINレンズ207に結合する光ファイバー206が、本発明の受光部の一例にあたる。また、V溝205が、本発明の、表面実装の位置決め用に形成された溝の一例にあたる。
図11で、光ファイバー206と光源202の間の光路上に設けられるWG−GRINレンズ207は、図1(a)のGI型光導波路105に示すように、シート形状であり、紫外線に対して透明な透明基板211の上に形成されている。図11の構成図では、図1(a)で示す構成のGI型光導波路105を裏返した向きで、WG−GRINレンズ207を配置している。
なお、ここで使用されるWG−GRINレンズ207のGI型コア208の屈折率分布は、光源202の出射ビーム状態と光ファイバー206へ入射させる所望のビーム状態の関係から設計されるものであり、光軸に対して必ずしも中心対称でなくても良い。例えば、光軸に対して等方的コアを有する一般的な光ファイバーの場合、光源からのビーム形状が光軸に対して同心円状であれば、WG−GRINレンズ207のGI型コア208の屈折率分布も同心円状の場合に最適結合ができる。
また、GRINレンズの入出力特性は(数1)で決まるので、入射ビーム状態(r、θ)と出射ビーム状態(r、θ)が決まれば、WG−GRINレンズの形状(a、L)および屈折率分布(n、g)を設計できる。
なお、光ファイバー206が、図11に示すコア径が10μm以下のSMFの場合には、WG−GRINレンズ207は、入出力とも集光光学系が結合には最適なので、図1(a)に示すレンズ長Lはほぼ0.5n(n:整数)ピッチで設計される。光ファイバー206のコア径が50μm以上のMMFの場合には、入力側は集光系で出力側は集光系あるいはコリメート系が結合には最適なので、レンズ長Lは0.25n〜0.5n(n:整数)ピッチで設計される。
したがって、WG−GRINレンズ207のGI型コア208内の光軸は直線であり、GI型コア208の両端面が結合する光学部品に密着する場合は、GI型コア208の長さは、(数1)で決まる光学特性にしたがってその両端面で結像するように調整される。
なお、WG−GRINレンズ207と結合する光学部品間に空気などの間隙が存在する場合は、その間隙の空気部分を含めて最適結合する必要があるので、その空気部分での回折を考慮したWG−GRINレンズの設計が必要である。つまり、その間隙の空気部分を含めて光軸上の所望の位置に像が結像されるような屈折率分布および長さになるように設計する。
図12は、本発明の実施の形態5の、受光部と光ファイバーを結合する構成の光モジュールの概要構成図を示している。
この構成の光モジュールは、表面実装用のシリコン基板281と、受光部213と信号処理部283で構成され、シリコン基板281上に配置された電気回路部284と、シリコン基板281に予め設けられたV溝285で位置決めされた大コア径光ファイバー212と、受光部213と大コア径光ファイバー212の光路上に設けられ、受光部213と大コア径光ファイバー212とを所望光学特性(ロス、ビーム形状など)で結合するWG−GRINレンズ286で構成されている。WG−GRINレンズ286は、実施の形態1で説明した図1(a)のGI型光導波路105と同じ構成である。つまり、WG−GRINレンズ286は、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
なお、図12の構成においては、WG−GRINレンズ286に結合する大コア径光ファイバー212が、本発明の発光部の一例にあたる。
図12で、大コア径光ファイバー212と受光部213の間の光路上に設けられるWG−GRINレンズ286は、図1(a)のGI型光導波路105に示すように、シート形状であり、紫外線に対して透明な透明基板282の上に形成されている。図12の構成図では、図1(a)で示す構成のGI型光導波路105を裏返した向きで、WG−GRINレンズ286を配置している。
大コア径光ファイバー212は、例えば、コア径が100μm以上のプラスチックファイバーである。図12に示すように、電気回路部284が受光回路の場合、大コア径光ファイバー212のコア径に対して受光素子は受光面積が小さいので、大コア径光ファイバー212からの入射ビームが受光素子に集光するようにWG−GRINレンズ286を設計する。
本実施の形態5のWG−GRINレンズ207やWG−GRINレンズ286は、図3の実施の形態1と同様のシート状ポリシランを使用したプロセスで作製することができる。
図3の工程で作製した透明基板114付WG−GRINレンズを使用して光モジュールをアセンブリする場合、図11に示すように、WG−GRINレンズ207のシート状ポリシラン側をシリコン基板201側にして光ファイバー206と光源202の間の光軸上に配置すれば、光ファイバー206と光源202の光結合ができる。同様に、図12に示すように、WG−GRINレンズ286のシート状ポリシラン側をシリコン基板281側にして大コア径光ファイバー212と受光部213の受光素子との間の光軸上に配置すれば、大コア径光ファイバー212と受光素子の光結合ができる。
図3に示す工程で作製した本実施の形態5のWG−GRINレンズの膜厚(コア径)は、光ファイバー径程度の大きさしかないので、従来の1mm以上の口径で長さ数mmのGRINレンズを使用するよりもはるかに小型化できる。
なお、図11や図12の光モジュールの構成において、光結合が可能であれば透明基板をシリコン基板側に配置しても何ら問題は無い。また、本実施の形態5のWG−GRINレンズの光軸合わせは、従来のようにマーキング合わせや、シリコン基板上の溝(図示せず)に配置するパッシブアライメントで行う。
また、WG−GRINレンズと光ファイバーの光軸を一致させて配置させた場合には、反射戻り光が光源の特性劣化を引き起こす場合がある。
この反射戻り光は、全ての境界面で発生する。例えば、図11に示す光モジュールの場合には、光源202から順に、(1)空気とWG−GRINレンズ207との界面、(2)WG−GRINレンズ207と空気との界面、(3)空気と光ファイバー206との界面、(4)図示しない光ファイバー206とそれに接続される部分との界面、などで発生する。
図13を用いて、WG−GRINレンズ207の端面を通過する上記の(3)および(4)の反射戻り光について説明する。
図13は、図11に示す光ファイバー206とWG−GRINレンズ207の接続部分の構成図を示している。図13(a)は、光ファイバー206とWG−GRINレンズ207の光軸を一致するように配置させた場合の構成図を、図13(b)は、光ファイバー206とWG−GRINレンズ207の光軸をずらして配置させた場合の構成図を、それぞれ示している。
図13(a)のように、光軸を一致させて配置させた場合には、光ファイバー206からの戻り光が、光ファイバー206とWG−GRINレンズ207の端面で反射されずに透過し、その透過した戻り光が光源202に入射されてしまい、光源202の出力が低下してしまう。
図13(b)は、光ファイバー206とWG−GRINレンズ207を、これらの光軸の角度がαずれるように配置している。このように配置することにより、光ファイバー206からの光はWG−GRINレンズ207の端面で全反射される。したがって、光ファイバー206からの戻り光はWG−GRINレンズ207の端面で反射され光源202に入射しないようにでき、光源202の出力低下を抑制できる。
一般的には、戻り光により光源の特性劣化を引き起こす場合にアイソレーターを使用し、戻り光が透過して光源に入射しないようにするが、この場合、アイソレーターを使用するためにコストアップとなってしまう。
図13(b)に示すように、本実施の形態5のWG−GRINレンズ207を軸ズレ状態で配置させることにより、アイソレーター等を使用せずに光源への戻り光の入射を防止でき、光源の特性劣化を引き起こさない。
また、本実施の形態5のWG−GRINレンズ207の端面を傾斜させ、光軸に対して、光源202と光ファイバー206の入出力端面に対する入出力方向を傾斜させるようにすることにより、WG−GRINレンズ207の端面から光源202への反射光である上記の(1)や(2)の場合の反射戻り光を防止することができる。
このように、シート状ポリシランの紫外線硬化時に起こる酸化反応を利用して安価に作製可能で、その口径が光ファイバー径レベルの大きさである本実施の形態5のWG−GRINレンズ(導波路型屈折率分布レンズ)を使用すると、光モジュールの小型化を安価に実現できる。
なお、本実施の形態5のWG−GRINレンズのGI型コアは、光源202と光ファイバー206の光路の光軸上で最大となり、その光軸上の最大点からの距離に従ってほぼ放物線状に低下する、図1(c)に示すような屈折率分布を有することとしたが、屈折率分布は、必ずしも光軸上の最大点から離れるにしたがって低下する分布でなくてもよく、光軸上の最大点から離れるにしたがって増加しない分布であればよい。例えば、光軸を含む円柱状の範囲に同一の屈折率を有し、その円柱状の部分から離れるに従って屈折率が低下するような屈折率分布であってもよい。
(実施の形態6)
図14に、本発明の実施の形態6の光モジュールの構成概要図を示す。
本実施の形態6の光モジュールは、並列に配置された光源アレー220(信号処理部は図示せず)と、光源アレー220に対向し、光源アレー220の各光源と結合させる各光ファイバーが並列に配置された光ファイバーアレー221とを備えている。そして、光源アレー220の各光源とそれらに対応する光ファイバーアレー221の各光ファイバーのそれぞれの光路上に設けられ、各光源と各光ファイバーを所望の光学特性(ロス、ビーム形状など)で結合する、透明基板293上に設けられた導波路型屈折率分布レンズアレー222(以下、WG−GRINレンズアレーと略す)を備えている。
WG−GRINレンズアレー222は、シート形状のポリシラン系樹脂製クラッド295と、各光路の各光軸上で最大となり、その各光軸上の最大点からの距離に従ってほぼ放物線状に低下する屈折率分布を有する、各光路ごとのポリシラン系樹脂製屈折率分布型コア294とを具備している。そして、1つの屈折率分布型コア294と、その屈折率分布型コア294に接する部分のクラッド295とで、1つの導波路型屈折率分布レンズ(WG−GRINレンズ)296を構成している。
なお、WG−GRINレンズアレー222が、本発明の、互いに交差せずに並列に配置されている複数のコア部を備えた屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
なお、各屈折率分布型コア294の屈折率分布は、それらに対応する各光軸に対して必ずしも中心対称でなくても良く、光源の出射ビーム状態とそれに対応する光ファイバーへ入射させる所望のビーム状態の関係から設計される。
本実施の形態6のWG−GRINレンズアレー222の製造方法は、実施の形態1の図3で説明したシート状ポリシランを使用したプロセスを用いて、屈折率分布型コア294作製用のUV透過率分布をマスク上に並列させたマスク(図3のUV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113に相当)を使用し、シート状ポリシラン(硬化前)の上下からそのマスクを通してUV照射すれば、一度にアレー状のWG−GRINレンズアレー222を作製できる。
なお、この場合の隣接する屈折率分布型コア294の間隔の半分の長さが、本発明の、紫外線透過率が離れるにしたがって増加する部分である所定の距離の一例にあたる。
このように、アレー状の光モジュールに対しても、光ファイバー径程度の口径を有するWG−GRINレンズを簡単にアレー状に形成できるので、光モジュールアレーの小型化ができる。
なお、図14では、WG−GRINレンズ296が、光源アレー220および光ファイバーアレー221とそれぞれ離れて配置されているように記載しているが、WG−GRINレンズ296に、光源アレー220および/または光ファイバーアレー221を密接させて配置してもよい。WG−GRINレンズ296を、焦点位置が端面となる長さにすることにより、光源アレー220および光ファイバーアレー221を、WG−GRINレンズ296の端面に密接させて配置させることができる。これらを密接させるように配置すると、機械精度で光軸調整ができるという大きなメリットが得られる。
(実施の形態7)
図15に、本発明の実施の形態7の光モジュールの構成概要図を示す。
本実施の形態7の光モジュールは、特定の波長(λ)を透過させ他の波長(λ、…、λ、λk+1、…、λ)を反射させる第kフィルター(k=1、…、6)223と、ジグザグ導波路型屈折率分布レンズ227とを備えている。なお、ジグザグ導波路型屈折率分布レンズ227が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
ジグザグ導波路型屈折率分布レンズ227は、光ファイバー(図示せず)から入射した波長多重光(λ、…、λ)224が第1フィルター223へ、第kフィルターの反射光(λk+1、…、λ)が第k+1フィルターへ、第6フィルター223の反射光(第7光:λ)が光ファイバー(図示せず)へ、それぞれ最適結合できるように、第kフィルターと第k+1フィルターの間にそれぞれ配置された第k屈折率分布型コア225が、同一シート状クラッド226に形成されている。
図15に示すように、第k屈折率分布型コア225はジグザグ形状をしており、各第kフィルター223は、各反射面の垂線が交差しないように対向しており、光ファイバー(図示せず)から第1フィルター223へ入射した波長多重光224がジグザグ状に順番に第2〜第6フィルター223で反射して、最後の第6フィルター223の反射光(第7光:λ)が光ファイバー(図示せず)に受光されるようになっている。また、第k+1フィルターで反射光(λk+2、…、λ)と分離された透過光(第k光:λk+1)が、それぞれ光ファイバー(図示せず)と最適結合できるようになっている。
なお、第k屈折率分布型コア(k=1、…、7)225が、本発明の、隣同士がそれらの端部で一部交差してジグザグ形状に配置されている複数のコア部の一例にあたる。
本実施の形態7のジグザグ導波路型屈折率分布レンズ227の製造方法は、実施の形態1の図3で説明したシート状ポリシランを使用したプロセスを用いて、第k屈折率分布型コア225作製用のUV透過率分布をマスク上にジグザク状に並べたマスク(図3のUV透過率分布上マスク112およびUV透過率分布下マスク113に相当)を使用し、シート状ポリシラン(硬化前)の上下からそのマスクを通してUV照射すれば、一度にアレー状のジグザグ導波路型屈折率分布レンズ227を作製できる。
なお、この場合の隣接する第k屈折率分布型コア225の中央部分までの距離が、本発明の、紫外線透過率が離れるにしたがって増加する部分である所定の距離の一例にあたる。
このように、従来数mm以上の大きさのバルク型GRINレンズを使用したWDMフィルターも、光ファイバー径程度の口径を有するポリシラン製のWG−GRINレンズを使用すれば簡単に所望の配置で複数のレンズが形成できるので、WDMフィルターの小型化ができる。
なお、本実施の形態7では、kの値を1〜7としたが、この値の範囲に限らず、2以上の値であればいくつでもよい。
(実施の形態8)
図16に、本発明の実施の形態8の光モジュールの構成概要図を示す。
本実施の形態8の光モジュールは、並列に配置された入力側光ファイバーアレー228と、入力側光ファイバーアレー228の各光ファイバーに対向して結合させる複数の光ファイバーが並列に配置された出力側光ファイバーアレー229とを備えている。そして、入力側光ファイバーアレー228の各光ファイバーと出力側光ファイバーアレー229の各光ファイバーの間の全ての光路を横切るように配置された光アイソレーター230を備えている。
また、入力側光ファイバーアレー228と出力側光ファイバーアレー229の結合する各光ファイバーが最適結合できるように、入力側光ファイバーアレー228の各光ファイバーと光アイソレーター230間に、透明基板297上に形成された入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231と、出力側光ファイバーアレー229の各光ファイバーと光アイソレーター230間に、透明基板297上に形成された出力側導波路型屈折率分布レンズアレー232とを備えている。
なお、入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー232が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。また、光アイソレーター230が、本発明の光学部品の一例にあたる。
入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231は、WG−GRINレンズの屈折率分布型コア298がシート状クラッド299内に並列して形成されている。同様に、出力側導波路型屈折率分布レンズアレー232も、WG−GRINレンズの屈折率分布型コア298がシート状クラッド299内に並列して形成されている。
そして、入力側光ファイバーアレー228のそれぞれの光ファイバーの端部から出射された光が、それぞれに対応する入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231の屈折率分布型コア298の出射端でコリメートになるように、それらの屈折率分布型コア298の長さおよび屈折率分布が調整されている。また、出力側導波路型屈折率分布レンズアレー232の屈折率分布型コア298の入射端から入射したコリメートの光が、出力側光ファイバーアレー229のそれぞれの光ファイバーの端部で結像されるように、それらの屈折率分布型コア298の長さおよび屈折率分布が調整されている。図3の実施の形態1と同様のシート状ポリシランを使用したプロセスを用いることにより、このように光軸上の所望の位置に焦点を有する屈折率分布型コア298を備えた入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー232を作製することができる。
ただし、全ての光路に対して同一の光アイソレーター230を使用するので、入力側光ファイバーアレー228および出力側光ファイバーアレー229は、入出力方向を揃える必要がある。なお、光アイソレーター230は、入射側から偏光子233、ファラデー素子234、検光子35の順で構成されている。
このように、光ファイバー径レベルの大きさのレンズを使用すると光学系を小さくできるので、1個の光アイソレーターで複数の光伝送を制御することができる。
なお、本実施の形態8の光モジュールは、光アイソレーターの場合だけでなく、透過型の機能素子、例えば、偏向子、波長板、フィルター、フォトニック結晶などにも同様に応用可能である。
なお、図16では、入力側光ファイバーアレー228、光アイソレーター230、入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231、出力側導波路型屈折率分布レンズアレー232、出力側光ファイバーアレー229が、それぞれ離れて配置されているように記載しているが、これらを密接させて配置してもよい。入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー23の長さを調整することにより、これらを密接させて配置した場合でも、入力側光ファイバーアレー228と出力側光ファイバーアレー229とを最適に結合させることができる。この場合、機械精度で光軸調整ができるという大きなメリットが得られる。
(実施の形態9)
図17に、本発明の実施の形態9の光モジュールの構成概要図を示す。
本実施の形態9の光モジュールは、シングルモード用分岐デバイス236と、入力側マルチモード光ファイバー237と、出力側マルチモード光ファイバーアレー238を備えている。そして、入力側マルチモード光ファイバー237とシングルモード用分岐デバイス236を結合する、1個の屈折率分布型コア261とシート状クラッド262を有する入力側導波路型屈折率分布レンズ239を備えている。また、出力側マルチモード光ファイバーアレー238とシングルモード用分岐デバイス236を結合する、2個の屈折率分布型コアとシート状クラッドを有する出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240を備えている。
なお、入力側導波路型屈折率分布レンズ239および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
そして、シングルモード用分岐デバイス236と、入力側導波路型屈折率分布レンズ239と、出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240は、同一の透明基板260上に配置されている。
ただし、光ファイバー径が50μm以上の大きなマルチモード光ファイバー(MMF)と、光ファイバー径が10μm以下のシングルモード用分岐デバイス(SMF用Y分岐)の光学系では、MMFのビーム径をSMFのビーム径に変換するので、入力側導波路型屈折率分布レンズ239および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240は、ほぼ0.25n(整数)ピッチの長さを有している。
図18に、本発明の実施の形態9の他の構成の光モジュールの構成概要図を示す。
図18に示す構成の光モジュールは、図17の光モジュールが光を分岐する構成であるのに対し、光を合成する構成である点が異なる。
図18に示す光モジュールは、シングルモード用結合デバイス263と、出力側マルチモード光ファイバー264と、入力側マルチモード光ファイバーアレー265を備えている。そして、出力側マルチモード光ファイバー264とシングルモード用結合デバイス263を結合する、1個の屈折率分布型コア261とシート状クラッド262を有する出力側導波路型屈折率分布レンズ266を備えている。また、入力側マルチモード光ファイバーアレー265とシングルモード用結合デバイス263を結合する、2個の屈折率分布型コアとシート状クラッドを有する入力側導波路型屈折率分布レンズアレー267を備えている。
なお、出力側導波路型屈折率分布レンズ266および入力側導波路型屈折率分布レンズアレー267が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
そして、シングルモード用結合デバイス263と、出力側導波路型屈折率分布レンズ266と、入力側導波路型屈折率分布レンズアレー267は、同一の透明基板270上に配置されている。
図17および図18のように、光ファイバー径レベルの大きさのレンズを使用すると、MMFからSMFへビーム変換する光学系が小さくできるので、安価かつ高性能で小型なSMF用光デバイス(これらの場合、Y分岐)をMMF用に使用することができ、MMF用光デバイスの高性能化・小型化・低価格化が実現できる。
なお、これらの本実施の形態9の光モジュールは、Y分岐の場合だけでなく、SMF用の導波路型機能素子、例えば、合分岐器、カプラー、フィルター、フォトニック結晶などにも応用できる。
また、本実施の形態9の光モジュールは、MMF光学系をSMF光学系へ変換する場合だけでなく、ビーム径の異なる光学系の変換にも応用できる。例えば、フォトニック結晶の場合、スラブ型で結合できるビーム径がSMFよりも小さいので、SMFの光学系とフォトニック結晶の光学系の変換に応用できる。
例えば、図17に示す本実施の形態9の光モジュールの、入力側導波路型屈折率分布レンズ239および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240は、図3の実施の形態1と同様のシート状ポリシランを使用したプロセスで作製できる。
ここで、入力側導波路型屈折率分布レンズ239用のマスクと出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240用のマスクが一体化されたマスクに、シングルモード用分岐デバイス236のマスク用パターンも描いておく。そして、出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240と入力側導波路型屈折率分布レンズ239とシングルモード用分岐デバイス236の全体に紫外線照射することで、一体化した、出力側導波路型屈折率分布レンズアレー240と入力側導波路型屈折率分布レンズ239とシングルモード用分岐デバイス236を一度に作製することができる。
なお、この場合、シングルモード用分岐デバイス236には屈折率分布は必要ないので、シングルモード用分岐デバイス236に対応する部分のマスクパターンには紫外線透過率分布を設ける必要がない。
(実施の形態10)
図19に、本発明の実施の形態10の光モジュールの構成概要図を示す。
本実施の形態10の光モジュールは、図1(a)に示すGI型光導波路105と同様の構成のWG−GRINレンズを利用した3波長光合分岐器である。図19に示す入力側導波路型屈折率分布レンズ241および出力側導波路型屈折率分布レンズ242は、図1(a)に示すGI型光導波路105と同様の構成であり、図19は、これらのWG−GRINレンズを上面から見た図である。
なお、入力側導波路型屈折率分布レンズ241および出力側導波路型屈折率分布レンズ242が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
本実施の形態10の光モジュールは、入力側(図19の左側)に並列に配置された、入力多重光(λ、λ、λ)245を入力する第1光ファイバー250と、出力光(λ)247を出力する第3光ファイバー252を備えている。
そして、中心線上で屈折率が最大でその中心線からの距離に従って屈折率が放物線状に低下する屈折率分布を有し、ほぼ0.25n(n:整数)ピッチの長さを有する入力側導波路型屈折率分布レンズ241を備えており、第1光ファイバー250および第3光ファイバー252が、入力側導波路型屈折率分布レンズ241の入力端面に中心線対称に結合している。
そして、入力側導波路型屈折率分布レンズ241の第1光ファイバー250が結合しない側の端面側に、λとλの光を透過し、λの光を反射するフィルター249が配置されている。また、入力側導波路型屈折率分布レンズ241と同じ中心線を有し、その中心線上で屈折率が最大でその中心線からの距離に従って屈折率が放物線状に低下する屈折率分布を有し、ほぼ0.25n(n:整数)ピッチの長さを有する出力側導波路型屈折率分布レンズ242が、フィルター249の透過側に配置されている。
なお、入力側導波路型屈折率分布レンズ241および出力側導波路型屈折率分布レンズ242は、図1(a)に示すGI型光導波路105と同様の構成であり、入力側導波路型屈折率分布レンズ241は、入力側屈折率分布型コア243とクラッド278で形成されている。そして、出力側導波路型屈折率分布レンズ242は、出力側屈折率分布型コア244とクラッド248で形成されている。図19は、これらのGRINレンズを上面から見た構成図であるが、側面から見ると、その膜厚が、入力側屈折率分布型コア243径および出力側屈折率分布型コア244径にほぼ等しい形状をしている。
そして、出力側導波路型屈折率分布レンズ242の出力側端面の、フィルター249の透過(出力)多重光(λ、λ)246が出力される位置に、第2光ファイバー251が配置されている。
ここで、入力側導波路型屈折率分布レンズ241と出力側導波路型屈折率分布レンズ242が同じ光学特性を有するものであれば、第3光ファイバー252と第2光ファイバー251は同一光軸上にある。
なお、入力側屈折率分布型コア243に結合する第1光ファイバー250が、本発明の発光部の一例にあたる。また、出力側屈折率分布型コア244に結合する第2光ファイバー251が、本発明の受光部の一例にあたる。また、入力側屈折率分布型コア243に結合する第3光ファイバー252が、本発明の別の受光部の一例にあたる。
このように構成された本実施の形態10の光モジュールでは、第1光ファイバー250から入力された入力多重光245のうち、λおよびλの波長の光はフィルター249を透過して、出力多重光246として第2光ファイバー251に入射する。一方、λの波長の光は、フィルター249で反射されて、出力光247として第3光ファイバー252に入射する。このようにして、第1光ファイバー250から入射した入力多重光245を制御することができる。
このように、光ファイバー径レベルの大きさの本実施の形態10のレンズを使用すると光学系を小さくできるので、導波路型屈折率分布レンズの中心線からずれた位置に入力した光に対して、1個の光アイソレーターで複数の光伝送を制御することができる。
なお、本実施の形態10の光モジュールは、フィルターの場合だけでなく、反射光と透過光を伴うハーフミラー型分岐などにも同様に応用可能である。
以上に説明したように、本発明の実施の形態5〜10の光モジュールは、シート状ポリシランの紫外線硬化時に起こる酸化反応を利用して安価に作製可能な光ファイバー径レベルの大きさの導波路型屈折率分布レンズ(GRINレンズ)を使用するので、小型化を安価に実現可能である。また、紫外線照射によりシート形状内の任意位置に任意数の導波路型屈折率分布レンズを形成させることも可能なので、アレー状の光モジュールのアセンブリも容易に行うことができる。
(実施の形態11)
図20(a)は、本発明の実施の形態11の光モジュールの構成概要図を示している。図20(b)は、図20(a)に示す光モジュールを構成するGI型導波路楕円レンズ304の、H−H´断面図を示している。
本実施の形態11の光モジュールは、GI型導波路楕円レンズ304と、GI型導波路楕円レンズ304の入力側の壁界面から楕円形ビーム308を出射するレーザー301と、GI型導波路楕円レンズ304とレーザー301を光結合する入力側レンズ302と、GI型導波路楕円レンズ304の出力側に結合する光ファイバー307とで構成されている。
GI型導波路楕円レンズ304は、シート状ポリシラン306で形成されており、そのシート形状の断面の光軸上でシロキサン構造の濃度の極小部分を有し、そのシロキサン構造の濃度の極小部分からの距離にしたがって同心楕円形状にほぼ放物線に沿って増加するシロキサン構造の濃度分布を有するGI型楕円コア303と、GI型楕円コア303の周囲のクラッド305とを有している。実施の形態1において図2を用いて説明したように、シロキサン構造は、ポリシラン構造よりも低い屈折率を有する。
図20(a)、(b)のGI型楕円コア303部分に示す濃淡は、濃い部分が屈折率の大きい部分(つまり、シロキサン構造の濃度の低い部分)を示し、薄い部分が屈折率の小さい部分(つまり、シロキサン構造の濃度の高い部分)を示している。
ここで、レーザー301から出射する楕円形ビーム308は、短軸方向(縦方向)の方が回折効果が大きいのでGI型導波路楕円レンズ304の入射面では楕円ビームの長軸と短軸が逆転して縦方向の方が長軸(ビーム径が大きい)となる。そのために、円形のコアを有する光ファイバー307に効率良くビームを結合できるように、GI型導波路楕円レンズ304の屈折率分布の変化率は、図20(b)に示すように入射面上でのビーム径が大きい方向(縦方向)が大きくなっている。すなわち、GI型導波路楕円レンズ304は、入射面上でのビーム径が大きい方向(縦方向)が短軸となっている。
このように構成することにより、光ファイバー307の円形のコアに、円形ビーム309を結合させることができる。
なお、GI型導波路楕円レンズ304が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。また、GI型導波路楕円レンズ304の入射面が、本発明の入力部の一例にあたり、円形ビーム309が入射される光ファイバー307の端部が、本発明の受光部の一例にあたる。
なお、レーザーは、壁界面からビームを出射するファブリペロレーザーなどでは出射ビームが楕円形となるが、面発光レーザーなどのように出射ビーム形状が同心円状の場合には、GI型コア部の屈折率分布は当然楕円形よりも同心円状の方が望ましい。
(実施の形態12)
図21(a)は、本発明の実施の形態12の光モジュールの構成概要図を示している。図21(b)は、図21(a)の各断面におけるビーム形状を示しており、図21(c)は、図21(a)に示す光モジュールを構成するGI型導波路レンズ312の、J−J´断面図を示している。
本実施の形態12の光モジュールは、GI型導波路レンズ312と、GI型導波路レンズ312に連続する先球GI型レンズ314と、ほぼ円形状のビーム318を出射する光源310と、GI型導波路レンズ312の出力側に配置された円形のコア317を有する光ファイバー316とで構成されている。なお、先球GI型レンズ314の先球部分が、本発明の屈折率分布型光学部材のコア部の曲面形状の端部の一例にあたる。
GI型導波路レンズ312は、シート状ポリシラン315の断面の光軸上でシロキサン構造の濃度の極小部分を有し、そのシロキサン構造の濃度の極小部分からの距離にしたがって同心円状にほぼ放物線に沿って増加するシロキサン構造の濃度分布を有するGI型コア311と、GI型コア311の周囲のクラッド313とを有している。
先球GI型レンズ314は、GI型導波路レンズ312の入力側に縦列して、光軸上にシロキサン構造の濃度の極小部分を有し、そのシロキサン構造の濃度の極小部分からの距離にしたがって同心円状にほぼ放物線に沿って増加するシロキサン構造の濃度分布を持ち、曲面を有する先端に向かって断面積が小さくなるコア部と、コア部の周囲のクラッド部とを有している。
図21(a)、(c)のGI型コア311部分に示す濃淡は、濃い部分が屈折率の大きい部分(つまり、シロキサン構造の濃度の低い部分)を示し、薄い部分が屈折率の小さい部分(つまり、シロキサン構造の濃度の高い部分)を示している。
図21(b)に示すように、光源310から出力されるビームは円形ビーム318なので、GI型導波路レンズ312にも円形状のビームが入射する。そして、GI型導波路レンズ312のGI型コア311の屈折率は、図21(c)に示すように光軸に対して同心円状に分布しているので、光ファイバー316のコア317にも円形ビーム319が入射する。
このように、GI型導波路レンズ312と光源310とを結合する先球GI型レンズ314を、GI型導波路レンズ312の入力側に形成させることで、図20に示す入力側レンズ302のような入力側のレンズが不要となり、部品工数の低減と組立て工数の低減ができる。
また、光源の出力ビーム形状が楕円の形状の場合は、GI型導波路楕円レンズの先端に先球GI型レンズ314を形成させればよい。
図22(a)は、本発明の実施の形態12の、光源の出力ビーム形状が楕円形の場合の光モジュールの構成概要図を示している。図22(b)は、図22(a)の各断面におけるビーム形状を示しており、図22(c)は、図22(a)に示す光モジュールを構成するGI型導波路楕円レンズ320の、K−K´断面図を示している。なお、図21と同じ構成部分については、同じ符号を用いている。
図22に示す本実施の形態12の光モジュールは、GI型導波路楕円レンズ320と、GI型導波路楕円レンズ320に連続する先球GI型レンズ314と、楕円形ビーム323を出射する光源325と、GI型導波路楕円レンズ320の出力側に配置された円形のコア317を有する光ファイバー316とで構成されている。
GI型導波路楕円レンズ320は、シート状ポリシラン315の断面の光軸上でシロキサン構造の濃度の極小部分を有し、そのシロキサン構造の濃度の極小部分からの距離にしたがって同心楕円状にほぼ放物線に沿って増加するシロキサン構造の濃度分布を有するGI型コア321と、GI型コア321の周囲のクラッド322とを有している。
図22(a)、(c)のGI型コア321部分に示す濃淡は、濃い部分が屈折率の大きい部分(つまり、シロキサン構造の濃度の低い部分)を示し、薄い部分が屈折率の小さい部分(つまり、シロキサン構造の濃度の高い部分)を示している。
先球GI型レンズ314は、GI型導波路楕円レンズ320の入力側に縦列して、光軸上にシロキサン構造の濃度の極小部分を有し、そのシロキサン構造の濃度の極小部分からの距離にしたがって同心円状にほぼ放物線に沿って増加するシロキサン構造の濃度分布を持ち、曲面を有する先端に向かって断面積が小さくなるコア部と、コア部の周囲のクラッド部とを有している。
図22(b)に示すように、光源325から出力されるビームは楕円形ビーム323なので、GI型導波路楕円レンズ320の入射面には、楕円形ビーム323の長軸と短軸が逆転して縦方向の方が長軸の楕円形ビームが入射する。そして、GI型導波路楕円レンズ320の屈折率分布の変化率は、図22(c)に示すように入射面上でのビーム径が大きい方向(縦方向)が大きくなっている(短軸となっている)ので、光ファイバー316のコア317には、円形ビーム319が結合する。
なお、先球GI型レンズ314の作製方法として、図3の実施の形態1と同様のシート状ポリシランを使用したプロセスにおいて、先球GI型レンズ314の屈折率分布に対応する紫外線透過率分布を有するマスクを使用して作製してもよいし、また、GI型光導波路の先端を型や機械加工により先球にして作製してもよい。前者の作製方法で作製した先球GI型レンズの屈折率分布は、光軸に対して変化(先端に向かって変化率が大きく)する分布となる。一方、後者の作製方法で作製した先球GI型レンズの屈折率分布は、光軸に対して変化する場合と不変の場合の2通りの分布にできる。なお、後者の作製方法で作製した先球GI型レンズは、クラッド部の無い構成となる。
(実施の形態13)
図23は、本発明の実施の形態13の、光源と光ファイバーを備える光モジュールの作製工程を示す図である。図23(a)〜(c)は、それぞれ、第1工程〜第3工程を示している。図23(d)は、完成した光モジュールの構成を示している。
図23を用いて、実施の形態13の光モジュールの製造方法を説明する。
まず、第1工程で、図23(a)に示すように、透明基板440上に、光軸の合った光源401と光ファイバー402を、所定の間隔Lである間隙403をあけて配置する。透明基板440上には、光ファイバー402の位置決め用のV溝441が形成されており、光ファイバー402は、このV溝441に合わせて配置される。
次に、第2工程で、図23(b)に示すように、間隙403の部分、および光源401と光ファイバー402の各対向面を含む各対向面付近にポリシランを塗布して、透明基板440上にシート状ポリシラン(硬化前)404を形成させる。つまり、ここでは、光源401と光ファイバー402の各対向面の部分が埋設されるように、ポリシランを塗布する。
次に、第3工程で、図23(c)に示すように、シート状ポリシラン(硬化前)404を形成させた透明基板440の、上面側にUV透過率分布上マスク410を、下面側にUV透過率分布下マスク411を、それぞれ配置する。UV透過率分布上マスク410およびUV透過率分布下マスク411は、いずれも紫外線透過率分布を有している。それらの紫外線透過率分布は、いずれも、光源401から光ファイバー402への光軸に対向する直線状の部分で最小であり、その直線状の部分からの距離に従って放物線状に所定の距離まで増加するように分布している。そして、各マスクの、この所定の距離まで紫外線透過率が増加する部分以外の部分は、紫外線透過率が増加する部分の最外部と同じ紫外線透過率が均一に分布している。
そして、図23(c)に示すように、UV透過率分布上マスク410の上側、およびUV透過率分布下マスク411の下側から、照射面に対して均一な光量のUV(紫外線)照射409を行う。UV透過率分布上マスク410およびUV透過率分布下マスク411は、上記のような紫外線透過率分布を有しているので、均一な光量のUV(紫外線)照射409を行うことにより、シート状ポリシラン(硬化前)404の間隙403の部分には、光源401から光ファイバー402への光軸に対して垂直方向に、その光軸上で最小で、光軸からの距離に従って放物線状に増加する量の紫外線が照射されることになる。そして、それ以外のシート状ポリシラン(硬化前)404の部分には、間隙403に照射される紫外線量の最大量と等量の紫外線量が照射されることになる。
シート状ポリシラン(硬化前)404に対して、このような光量に分布を持った紫外線が照射されることになるので、図23(d)に示すように、間隙403部分に、光源401から光ファイバー402への光軸上で最大で、その光軸からの距離に従って放物線状に低下する屈折率分布を有する屈折率分布型コア405と、その周りの一定屈折率を有するクラッド406を具備したポリシラン製シート状の導波路型屈折率分布レンズ407(以下、WG−GRINレンズと略す)が形成される。
屈折率分布型コア405内の酸素濃度分布およびシロキサン構造の濃度分布は、屈折率分布に相反する分布なので、これらの分布は、光源401から光ファイバー402への光軸上で最小で、その光軸からの距離に従って放物線状に大きくなる分布となる。
そして、シート状ポリシラン(硬化前)404の間隙403以外の部分には、クラッド406となった部分と等量の紫外線が照射されるので、光源401と光ファイバー402の各端面近傍のクラッド406と同成分のポリシラン製固定部408が形成される。シート状ポリシラン(硬化前)404は、UV照射409によって硬化されるので、固定部408によって、光源401、WG−GRINレンズ407、光ファイバー402の位置が固定され、実施の形態13の光モジュールが完成する。
なお、光源401が、本発明の第1光学部品の一例にあたり、光ファイバー402が、本発明の第2光学部品の一例にあたる。また、透明基板440が、本発明の基板の一例にあたり、V溝441が、本発明の位置決め用の溝の一例にあたる。また、第1工程、第2工程、第3工程が、それぞれ本発明の、配置工程、塗布工程、ポリシラン硬化工程の一例にあたる。
なお、第2工程で塗布するポリシランの形状は、WG−GRINレンズ407が形成される部分は均一の膜厚が望ましいが、固定部408および間隙403内のWG−GRINレンズ407が形成される部分以外の部分は膜厚が一定である必要は無い。
また、WG−GRINレンズ407を形成させる部分のシート状ポリシラン(硬化前)404に照射する紫外線量は、必ずしも、光源401から光ファイバー402への光軸からの距離に従って増加する必要はなく、光軸からの距離に従って低下しなければ良い。したがって、例えば、光源401から光ファイバー402への光軸近傍で一定量の紫外線を照射し、その紫外線の一定量領域からの距離に従って紫外線照射量を増加させてもよい。
上記の製造方法で作製した実施の形態13の光モジュールは、WG−GRINレンズ407の膜厚(コア径)が光ファイバー径程度しかないので、従来の1mm以上の口径で長さ数mmのGRINレンズを使用するよりもはるかに小型化できる。また、WG−GRINレンズ407の作製と同時に光源401および光ファイバー402の固定もできるので、光モジュールの製造工程も簡単になる。
なお、光源401と光ファイバー402の光軸合せは、従来のようにマーキング合わせや、図23(a)に示したように、シリコン基板上の溝(V溝441など)に配置するパッシブアライメントで行う。
なお、屈折率分布型コア405の屈折率分布は、光源401の出射ビーム状態と光ファイバー402へ入射させる所望のビーム状態の関係から設計されるものであり、光源401から光ファイバー402への光軸に対して必ずしも中心対称でなくても良い。例えば、光軸に対して等方的コアを有する一般的な光ファイバーの場合、光源からのビーム形状が光軸に対して同心円状であれば、WG−GRINレンズ407の屈折率分布型コア405の屈折率分布も同心円状の場合に最適結合ができる。
なお、光ファイバー402が、図23に示すコア径が10μm以下のSMFの場合には、WG−GRINレンズ407は、入出力とも集光光学系が結合には最適なので、レンズ長L(=間隙403)はほぼ0.5n(n:整数)ピッチで設計される。光ファイバー402のコア径が50μm以上のMMFの場合には、入力側は集光系で出力側は集光系あるいはコリメート系が結合には最適なので、レンズ長Lは0.25n〜0.5n(n:整数)ピッチで設計される。
図24は、本発明の実施の形態13の、受光素子と大口径光ファイバーを備える光モジュールの作製工程を示す図である。図24(a)〜(c)は、それぞれ、第1工程〜第3工程を示している。図24(d)は、完成した光モジュールの構成を示している。
図23では、発光部を光源401、受光部を光ファイバー402の端部としたのに対し、図24の光モジュールは、発光部を大口径光ファイバー413の端部、受光部を受光素子412とした点が異なる。図23と同じ名称の部分は同様の機能を有している。また、製造方法については、図23の場合と同様なので、説明を省略する。
なお、図24においては、大口径光ファイバー413が、本発明の第1光学部品の一例にあたり、受光素子12が、本発明の第2光学部品の一例にあたる。
図24に示すように、光モジュールが大口径光ファイバー413と受光素子412の結合の場合、大口径光ファイバー413にはプラスチックファイバーなどコア径が100μm以上のものもあるのに対して受光素子412は受光面積が小さいので、大口径光ファイバー413からの入射ビームが受光素子に集光するように導波路型屈折率分布レンズ(WG−GRINレンズ)451を設計する。
図23に示したWG−GRINレンズ407および図24に示したWG−GRINレンズ451の形成メカニズムは、実施の形態1において図2および図3を使用して説明した形成メカニズムと同様である。
一般的には、戻り光により光源の特性劣化を引き起こす場合にアイソレーターを使用し、戻り光が透過して光源に入射しないようにするが、この場合、アイソレーターを使用するためにコストアップとなってしまう。
実施の形態2で説明した図13(b)のWG−GRINレンズ207と同様に、実施の形態13の光モジュールにおいて、WG−GRINレンズ407を軸ズレ状態となるように構成することにより、アイソレーター等を使用せずに光源への戻り光の入射を防止でき、光源の特性劣化を引き起こさないようにできる。
また、図23に示す実施の形態13の光モジュールにおいて、WG−GRINレンズ407の端面を傾斜させ、光軸に対して、光源401と光ファイバー402の入出力端面に対する入出力方向を傾斜させるようにすることにより、WG−GRINレンズ407の端面から光源401への反射光である、(1)空気とWG−GRINレンズ407との界面や、(2)WG−GRINレンズ407と空気との界面、における反射戻り光を防止することができる。
このように、シート状ポリシランの紫外線硬化時に起こる酸化反応を利用して安価に作製可能で、その口径が光ファイバー径レベルの大きさであるWG−GRINレンズ(導波路型屈折率分布レンズ)を備える実施の形態13の光モジュールでは、WG−GRINレンズとならない部分が光学部品の固定部となるので、光モジュールのアセンブリの簡略化ができる。
なお、シリコン基板上に光ファイバーや光源などの光学部品を表面実装した状態で各光学部品間の間隙にポリシランを塗布して導波路型屈折率分布レンズを形成させる場合は、紫外線に対して透明な材質のシリコン基板を使用するか、または、少なくとも導波路型屈折率分布レンズが形成される部分のみが透明なシリコン基板を使用して、紫外線がシリコン基板の裏側からも照射できるようにするとよい。
(実施の形態14)
図25は、本発明の実施の形態14の、光源アレーと光ファイバーアレーを備える光モジュールの作製工程を示す図である。図25(a)〜(c)は、それぞれ、第1工程〜第3工程を示している。図25(d)は、完成した光モジュールの構成を示している。
図25を用いて、実施の形態14の光モジュールの製造方法を説明する。
まず、第1工程で、図25(a)に示すように、透明基板416上に、並列に配置された光源アレー415と、光源アレー415に対向し、光源アレー415の各光源と結合させる各光ファイバーが並列された光ファイバーアレー414を、所定の間隙453をあけて配置する。
次に、第2工程で、図25(b)に示すように、間隙453の部分、および光源アレー415と光ファイバーアレー414の各対向面を含む各対向面付近にポリシランを塗布して、透明基板416上にシート状ポリシラン(硬化前)454を形成させる。
次に、第3工程で、図25(c)に示すように、シート状ポリシラン(硬化前)454を形成させた透明基板416の、上面側にUV透過率分布上マスク456を、下面側にUV透過率分布下マスク457を、それぞれ配置する。UV透過率分布上マスク456およびUV透過率分布下マスク457は、いずれも紫外線透過率分布を有している。それらの紫外線透過率分布は、いずれも、光源アレー415の各光源に対応する光ファイバーアレー414の各光ファイバーへのそれぞれの光軸に対向する複数の直線状の部分で最小であり、それぞれの直線状の部分からの距離に従って放物線状に所定の距離まで増加するように分布している。そして、各マスクの、間隙453の部分に対向する以外の部分は、紫外線透過率が増加する部分における最大の紫外線透過率と同じ紫外線透過率が均一に分布している。
そして、図25(c)に示すように、UV透過率分布上マスク456の上側、およびUV透過率分布下マスク457の下側から、照射面に対して均一な光量のUV(紫外線)照射455を行う。UV透過率分布上マスク456およびUV透過率分布下マスク457は、上記のような紫外線透過率分布を有しているので、均一な光量のUV(紫外線)照射455を行うことにより、シート状ポリシラン(硬化前)454の間隙453の部分には、光源アレー415の各光源から対応する光ファイバーアレー414の各光ファイバーへのそれぞれの光軸について、それぞれの光軸上で最小で、その光軸からの距離に従って放物線状に増加する量の紫外線が照射されることになる。そして、シート状ポリシラン(硬化前)454の間隙453以外の部分には、間隙453に照射される紫外線量の最大量と等量の紫外線量が照射されることになる。
シート状ポリシラン(硬化前)454に対して、このような光量に分布を持った紫外線が照射されることになるので、図25(d)に示すように、間隙453部分に、光源アレー415の各光源から光ファイバーアレー414の各光ファイバーへのそれぞれの光軸上で最大で、それらの光軸からの距離に従って放物線状に低下する屈折率分布を有する複数の並列した屈折率分布型コア458と、その周りの一定屈折率を有するクラッド459を具備したポリシラン製シート状の導波路型屈折率分布レンズアレー460が形成される。
そして、シート状ポリシラン(硬化前)454の間隙453以外の部分には、クラッド459となった部分と等量の紫外線が照射されるので、光源アレー415の各光源と光ファイバーアレー414の各光ファイバーの各端面近傍のクラッド459と同成分のポリシラン製固定部461が形成される。シート状ポリシラン(硬化前)454は、UV照射455によって硬化されるので、固定部461によって、光源アレー415、導波路型屈折率分布レンズアレー460、光ファイバーアレー414の位置が固定され、実施の形態14の光モジュールが完成する。
なお、光源アレー415が、本発明の、複数の発光部を有する第1光学部品の一例にあたる。また、光ファイバーアレー414が、本発明の、複数の受光部を有する第2光学部品の一例にあたる。また、透明基板416が、本発明の基板の一例にあたる。また、第1工程、第2工程、第3工程が、それぞれ本発明の、配置工程、塗布工程、ポリシラン硬化工程の一例にあたる。
以上に説明したように、実施の形態14の光モジュールの製造方法を用いることにより、複数の光源を有する光源アレーの各光源と、光ファイバーアレーの各光ファイバーを、それぞれ所望の光学特性で結合させる導波路型屈折率分布レンズアレーを備えた光モジュールアレーも容易に作製できる。
(実施の形態15)
図26は、本発明の実施の形態15の、インライン型の光学部品の光モジュールの作製工程を示す図である。図26(a)は第1工程を、図26(b)は第2工程を、図26(c)は第3工程を、図26(d)、(e)は第4工程を、図26(f)、(g)は第5工程を、図26(h)は第6工程を、それぞれ示している。
図26を用いて、実施の形態15の光モジュールの製造方法を説明する。
まず、第1工程で、図26(a)に示すように、透明基板417上に光ファイバー462を配置する。
そして、第2工程で、図26(b)に示すように、光ファイバー462を、切断後の光ファイバー462の2つの切断面の間が、所定の間隔Lである間隙463になるように、第1切断刃418で第1切断部分419を形成させる。
次に、第3工程で、図26(c)に示すように、切断した光ファイバー462の2つの切断対向面を含むように、間隙463の部分に充填ノズル420からポリシランを塗布して、透明基板417上にシート状ポリシラン(硬化前)464を形成させる。
次に、第4工程で、図26(d)に示すように、シート状ポリシラン(硬化前)464を形成させた透明基板417の、上側にUV透過率分布上マスク466を、下側にUV透過率分布下マスク467を配置した後、UV透過率分布上マスク466およびUV透過率分布下マスク467の外側の両面から、光量が均一のUV(紫外線)照射465を行う。
UV透過率分布上マスク466およびUV透過率分布下マスク467は、いずれも紫外線透過率分布を有している。それらの紫外線透過率分布は、いずれも、光ファイバー462の2つの切断面間の光軸に対向する直線状の部分で最小であり、その直線状の部分からの距離に従って放物線状に所定の距離まで増加するように分布している。そして、各マスクの、この所定の距離まで紫外線透過率が増加する部分以外の部分は、紫外線透過率が増加する部分の最外部と同じ紫外線透過率が均一に分布している。
UV透過率分布上マスク466およびUV透過率分布下マスク467は、このような紫外線透過率分布を有しているので、均一な光量のUV(紫外線)照射465を行うことにより、シート状ポリシラン(硬化前)464の間隙463の部分には、光ファイバー462の2つの切断面間の光軸に対して垂直方向に、その光軸上で最小で、光軸からの距離に従って放物線状に増加する量の紫外線が照射されることになる。そして、それ以外のシート状ポリシラン(硬化前)464の部分には、間隙463に照射される紫外線量の最大量と等量の紫外線量が照射されることになる。
シート状ポリシラン(硬化前)464に対して、このような光量に分布を持った紫外線が照射されることになるので、図26(e)に示すように、間隙463部分に、光ファイバー462の2つの切断面間の光軸上で最大で、その光軸からの距離に従って放物線状に低下する屈折率分布を有する屈折率分布型コア468と、その周りの一定屈折率を有するクラッド469を具備したポリシラン製シート状の導波路型屈折率分布レンズ470が形成される。
そして、シート状ポリシラン(硬化前)464の間隙463以外の部分には、クラッド469となった部分と等量の紫外線が照射されるので、クラッド469と同成分のポリシラン製固定部471が形成される。シート状ポリシラン(硬化前)464は、UV照射465によって硬化されるので、固定部471によって、切断された2本の光ファイバーと導波路型屈折率分布レンズ470の位置が固定される。
次に、第5工程で、図26(f)、(g)に示すように、導波路型屈折率分布レンズ470を、切断後の2つの切断面の間隔が、挿入する光アイソレーター423の光路長となるように、第2切断刃421で第2切断部分422を形成させる。
最後に、第6工程で、図26(h)に示すように、第2切断部分422に光アイソレーター423を挿入して、実施の形態15の光モジュールが完成する。
図26(h)に示す完成した本実施の形態15の光モジュールのポリシラン(硬化後)の部分は、一方の光ファイバー462端から出射した光が光アイソレータ423にコリメートとなって入射し、光アイソレータ423から出射するコリメートの光がもう一方の光ファイバー462端に結像されて入射されるような屈折率分布に調整されている。UV透過率分布上マスク466およびUV透過率分布下マスク467の紫外線透過率分布を調整することにより、図26(h)に示す完成した光モジュールのポリシラン(硬化後)の部分をこのような屈折率分布にすることができる。
なお、図26(b)に示す第2工程において、切断された光ファイバー462の対向する2つの光ファイバーの一方が、本発明の第1光学部品の一例にあたり、もう一方の光ファイバーが、本発明の第2光学部品の一例にあたる。また、透明基板417が、本発明の基板の一例にあたる。また、光アイソレーター423が、本発明の第3光学部品の一例にあたる。
また、第1工程および第2工程が、本発明の配置工程の一例にあたる。また、第3工程、第4工程、第5工程、第6工程、が、それぞれ本発明の、塗布工程、ポリシラン硬化工程、切断工程、第3光学部品取付工程の一例にあたる。
このように、実施の形態15の光モジュールの製造方法を用いることにより、インライン型の光学部品の光モジュールに関しても、光ファイバーのコア径程度の口径を有するWG−GRINレンズの作製と光学部品の固定が簡単にできるので、インライン型光モジュールの小型化と組立て工数の簡略化ができる。
なお、実施の形態15の第3光学部品は、光アイソレーターだけでなく、透過型の機能素子、例えば、偏向子、波長板、フィルター、フォトニック結晶などであっても、実施の形態15の製造方法を用いて、同様に光モジュールを作製できる。
また、複数の光ファイバーを並列にアレー状にして、複数の光ファイバーを上述のようにまとめて切断加工すればインライン型光モジュールアレーも容易に作製できる。
(実施の形態16)
図27は、本発明の実施の形態16の、SMF用光デバイスを含む光モジュールの作製工程を示す図である。図27(a)〜(d)は、それぞれ、第1〜第4工程を示している。これらの図は、いずれも上方から見た上面図である。
図27を用いて、実施の形態16の光モジュールの製造方法を説明する。
まず、第1工程で、図27(a)に示すように、透明基板480上に、入力側マルチモードファイバー424と出力側マルチモードファイバーアレー425を、所定の間隙475をあけて配置する。
次に、第2工程で、図27(b)に示すように、入力側マルチモードファイバー424と出力側マルチモードファイバーアレー425の各対向面を含むように、間隙475の部分にポリシランを塗布して、透明基板480上にシート状ポリシラン(硬化前)476を形成させる。
次に、第3工程で、図27(c)に示すように、透明基板480上に形成させたシート状ポリシラン(硬化前)476に紫外線を照射する際に使用する複合マスク板428を2枚準備する。複合マスク板428は、2ヶ所に分かれた導波路型屈折率分布レンズパターン426と、2ヶ所の導波路型屈折率分布レンズパターン426の間に、それらを接続するように配置されたシングルモードファイバー(SMF)用Y分岐パターン427の、紫外線透過率分布パターンを有している。図27(c)に示すSMF用Y分岐パターン427の黒い部分は、紫外線が透過しない部分である。
そして、第4工程で、図27(d)に示すように、図27(b)に示すシート状ポリシラン(硬化前)476を形成させた透明基板480の、上面側および下面側の両側に、図27(c)に示す複合マスク板428をそれぞれ配置し、2枚の複合マスク板428の外側から、均一の光量の紫外線を照射する。
入力側マルチモードファイバー424と出力側マルチモードファイバーアレー425の各MMFの端面に近接したWG−GRINレンズとなるポリシラン部分に対向する部分には、導波路型屈折率分布レンズパターン426を介して紫外線が照射される。したがって、各MMFの光軸に対して垂直方向に、それらの光軸上で最小で、その光軸からの距離に従って低下しない量の紫外線が照射されることになる。そして、それぞれの光軸で最大で、その光軸からの距離に従って放物線状に低下する屈折率分布を有する屈折率分布型コア477と一定屈折率を有するクラッド478とをそれぞれ具備する、ポリシラン製シート状の入力側導波路型屈折率分布レンズ429および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー430が形成される。
また、SMF用Y分岐パターン427を介して紫外線が照射されるシート状ポリシラン(硬化前)476のSMF用Y分岐部分432には、SMF用Y分岐パターン427のSMF用Y分岐の形状に沿った部分に紫外線が透過されないように紫外線が照射されるので、入力側導波路型屈折率分布レンズ429と出力側導波路型屈折率分布レンズアレー430とを結合するSMF用Y分岐コア431と、その周りのクラッド478が形成される。
また、複合マスク板428の、2つの導波路型屈折率分布レンズパターン426の外側の部分は、入力側マルチモードファイバー424と出力側マルチモードファイバーアレー425の端部に対向する部分で、紫外線透過率が大きく、クラッド478となる部分に照射される紫外線量と等量の紫外線量が照射されるので、クラッド478と同成分のポリシラン製固定部479が形成され、入力側マルチモードファイバー424と出力側マルチモードファイバーアレー425が固定される。
ただし、コア径が50μm以上の大きなMMFとコア径が10μm以下のSMF用Y分岐の光学系は、MMFのビーム径をSMFのビーム径に変換するので、入力側導波路型屈折率分布レンズ429および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー430は、いずれも、ほぼ0.25n(整数)ピッチの長さを有する。
このように、光ファイバー径レベルのレンズを使用するとMMFからSMFへビーム変換する光学系が小さくできるので、安価かつ高性能で小型なSMF用光デバイス(この場合、Y分岐)をMMF用に使用することができ、MMF用光デバイスの高性能化・小型化・低価格化が実現できる。また、同一マスクにSMF用Y分岐のパターンと導波路型屈折率分布レンズのパターンを描くことで、一度の紫外線照射で、SMF用Y分岐と導波路型屈折率分布レンズの作製および入出力MMFの固定ができる。
なお、入力側マルチモードファイバー424が、本発明の第1光学部品の一例にあたり、出力側マルチモードファイバーアレー425が、本発明の第2光学部品の一例にあたる。また、透明基板480が、本発明の基板の一例にあたる。また、入力側導波路型屈折率分布レンズ429および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー430が、それぞれ本発明の、第1のGRINレンズおよび第2のGRINレンズアレーの一例にあたる。
また、第1工程、第2工程、第4工程が、それぞれ本発明の、配置工程、塗布工程、ポリシラン硬化工程の一例にあたる。
なお、実施の形態16の光学系は、Y分岐の場合だけでなく、SMF用の導波路型機能素子、例えば、合分岐器、カプラー、フィルター、フォトニック結晶などにも応用できる。
また、実施の形態16の光学系は、MMF光学系をSMF光学系へ変換する場合だけでなく、ビーム径の異なる光学系の変換にも応用できる。例えば、フォトニック結晶の場合、スラブ型で結合できるビーム径がSMFよりも小さいので、SMFの光学系とフォトニック結晶の光学系の変換に応用できる。
また、図27に示した実施の形態16の光モジュールの入出力を逆にした構成、つまり、入力側を発光部を複数有するようなマルチモードファイバーアレーとし、出力側を受光部が1つのマルチモードファイバーにした構成で、SMF用Y分岐部分432の部分を結合路としたような構成の光モジュールでも、実施の形態16の製造方法で作製できる。
以上に説明したことから明らかなように、実施の形態13〜16の発明の光モジュールの製造方法を使用すると、シート状ポリシランの紫外線硬化時に起こる酸化反応を利用して光ファイバーの口径レベルの導波路型屈折率分布レンズを安価に作製することが可能なので、ポリシラン製導波路型屈折率分布レンズで結合する光学部品の端面を含む近傍にもシート状ポリシラン作製用に塗布したポリシランを塗布し、紫外線硬化することでポリシラン製導波路型屈折率分布レンズを作製すると同時に光学部品の固定ができ、光モジュールの小型化と低価格化が同時に実現できる。
また、本発明の光モジュールは、ポリシランは酸化反応を伴うので250℃までの耐熱性があり、従来の光重合材料を用いた光モジュールでは使用できなかった屋外使用や自動車での使用などの100℃以上の耐熱性が要求されるような環境においても使用できる。
本発明にかかる屈折率分布型光学部材、および屈折率分布型光学部材の製造方法は、シート状ポリシランを用い、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることでコア部を形成することで、簡易なプロセスで、100℃以上の耐熱性を有し、低コストで小型化を可能にできるので、光通信あるいは光ネットワークに適用される、屈折率分布型光学部材、光モジュール、および屈折率分布型光学部材の製造方法等に有用である。
本発明の実施の形態1の屈折率分布型光導波路(GI型光導波路)の構成概要図 本発明の実施の形態1のGI型光導波路の酸素濃度分布を示す図 本発明の実施の形態1のGI型光導波路の屈折率分布を示す図 本発明の実施の形態1のGI型光導波路105のA−A´断面図 (a)本発明の実施の形態1における、ポリシラン系樹脂の酸化による内部構造の変化を示す図、(b)本発明の実施の形態1における、酸化によりシート状ポリシランに形成される屈折率分布を説明する図 (a)本発明の実施の形態1の、GI型光導波路の製造方法の準備工程を示す図、(b)本発明の実施の形態1の、GI型光導波路の製造方法のUV照射工程を示す図、(c)本発明の実施の形態1の、GI型光導波路の製造方法の完成したGN型光導波路を示す図 (a)本発明の実施の形態1の、GI型直線導波路を作製するために使用するマスクの概要図、(b)本発明の実施の形態1の、GI型S字導波路を作製するために使用するマスクの概要図、(c)本発明の実施の形態1の、GI型Y分岐を作製するために使用するマスクの概要図、(d)本発明の実施の形態1の、GI型方向性結合器を作製するために使用するマスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型ビーム変換器を作製する際に用いる上マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型ビーム変換器を作製する際に用いる下マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型ビーム変換器の概要図 本発明の実施の形態2のGI型ビーム変換器のB−B´断面図 本発明の実施の形態2のGI型3次元光導波路を作製する際に用いる上マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型3次元光導波路を作製する際に用いる下マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型3次元光導波路の概要図 本発明の実施の形態2のGI型3次元光導波路のC−C´断面図 本発明の実施の形態2のGI型グレーティングフィルターを作製する際に用いる上下マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型グレーティングフィルターの概要図 本発明の実施の形態2のGI型グレーティングフィルターのD−D´断面図 本発明の実施の形態2のGI型グレーティングフィルターのE−E´断面図 (a)本発明の実施の形態3の、側壁を露出したGI型MMIカプラーを作製する際に用いる上下マスクの概要図、(b)本発明の実施の形態3の、側壁を露出したGI型MMIカプラーの概要図、(c)本発明の実施の形態3の、側壁を露出したGI型MMIカプラーのF−F´断面図 (a)本発明の実施の形態3の、側壁を露出しないGI型MMIカプラーを作製する際に用いる上下マスクの概要図、(b)本発明の実施の形態3の、側壁を露出しないGI型MMIカプラーの概要図、(c)本発明の実施の形態3の、側壁を露出しないGI型MMIカプラーのG−G´断面図 (a)本発明の実施の形態4のGI型AWGを作製する際に用いる上下マスクの概要図、(b)本発明の実施の形態4のGI型AWGの概要図 (a)本発明の実施の形態5の、光源と光ファイバーを結合する光モジュールの構成概要図、(b)本発明の実施の形態5の、光モジュールに使用する導波路型屈折率分布レンズ7の構成図、(c)本発明の実施の形態5の、光モジュールに使用する導波路型屈折率分布レンズ7の屈折率分布を示す図 本発明の実施の形態5の、受光部と光ファイバーを結合する光モジュールの構成概要図 (a)本発明の実施の形態5のWG−GRINレンズを光ファイバーの光軸に合わせて配置した構成図、(b)本発明の実施の形態5のWG−GRINレンズを光ファイバーの光軸とずらして配置した構成図 本発明の実施の形態6の、アレー型光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態7の、ジグザグ形状のコアを有する光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態8の、アレー型光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態9の、シングルモード用分岐デバイスを用いた光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態9の、シングルモード用結合デバイスを用いた光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態10の、3波長光合分岐器の構成概要図 (a)本発明の実施の形態11の光モジュールの構成概要図、(b)本発明の実施の形態11の光モジュールを構成するGI型導波路楕円レンズのH−H´断面図 (a)本発明の実施の形態12の光モジュールの構成概要図、(b)本発明の実施の形態12の光モジュールのビーム形状を示す図、(c)本発明の実施の形態12の光モジュールを構成するGI型導波路楕円レンズのJ−J´断面図 (a)本発明の実施の形態12の、光源の出力ビーム形状が楕円の形状の光モジュールの構成概要図、(b)本発明の実施の形態12の、光源の出力ビーム形状が楕円の形状の光モジュールのビーム形状を示す図、(c)本発明の実施の形態12の、光源の出力ビーム形状が楕円の形状の光モジュールを構成するGI型導波路楕円レンズのK−K´断面図 (a)本発明の実施の形態13の、光源と光ファイバーを備える光モジュールの作製工程の第1工程図、(b)本発明の実施の形態13の、光源と光ファイバーを備える光モジュールの作製工程の第2工程図、(c)本発明の実施の形態13の、光源と光ファイバーを備える光モジュールの作製工程の第3工程図、(d)本発明の実施の形態13の、光源と光ファイバーを備える光モジュールの完成図 (a)本発明の実施の形態13の、大口径光ファイバーと受光素子を備える光モジュールの作製工程の第1工程図、(b)本発明の実施の形態13の、大口径光ファイバーと受光素子を備える光モジュールの作製工程の第2工程図、(c)本発明の実施の形態13の、大口径光ファイバーと受光素子を備える光モジュールの作製工程の第3工程図、(d)本発明の実施の形態13の、大口径光ファイバーと受光素子を備える光モジュールの完成図 (a)本発明の実施の形態14の、光源アレーと光ファイバーアレーを備える光モジュールの作製工程の第1工程図、(b)本発明の実施の形態14の、光源アレーと光ファイバーアレーを備える光モジュールの作製工程の第2工程図、(c)本発明の実施の形態14の、光源アレーと光ファイバーアレーを備える光モジュールの作製工程の第3工程図、(d)本発明の実施の形態14の、光源アレーと光ファイバーアレーを備える光モジュールの完成図 (a)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第1工程図 (b)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第2工程図 (c)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第3工程図 (d)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第4工程図 (e)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第4工程図 (f)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第5工程図 (g)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第5工程図 (h)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第6工程図 (a)本発明の実施の形態16の、SMF用光デバイスを含む光モジュールの作製工程の第1工程図 (b)本発明の実施の形態16の、SMF用光デバイスを含む光モジュールの作製工程の第2工程図 (c)本発明の実施の形態16の、SMF用光デバイスを含む光モジュールの作製工程の第3工程図 (d)本発明の実施の形態16の、SMF用光デバイスを含む光モジュールの作製工程の第4工程図 従来の、光導波路の作製装置の構成図 従来の光モジュールの側面図
符号の説明
101 シート状ポリシラン
102 屈折率分布(GI)型コア
103 クラッド
104 ガラス基板
105 GI型光導波路
106 ポリシラン構造
107 シロキサン構造
108 シート状ポリシラン
109 透明基板
110 UV照射
112 紫外線透過率分布上マスク
113 紫外線透過率分布下マスク
114 透明基板
115 UV照射
116 ポリシラン(硬化後)
120 上マスク
121 下マスク
122 屈折率分布(GI)型コア
123 クラッド
124 透明基板
130 上マスク
131 下マスク
132 屈折率分布(GI)型コア
133 クラッド
134 透明基板
140 上マスク
141 下マスク
142 屈折率分布(GI)型コア
143 クラッド
144 透明基板
145 GI型低屈折率部分
146 多重入射光(λ、・・・、λ
147 多重出射光(λ、・・・、λ
148 反射光(λ
149 GI型導波路グレーティング
150 GI型入力導波路
151 GI型出力導波路
152 屈折率分布(GI)型コア
153 クラッド
154 透明基板
155 GI型スラブ
156 露出端面
157 GI型入力導波路マスク部分
158 GI型出力導波路マスク部分
159 GI型スラブマスク部分(端面露出タイプ)
160 複合マスク
161 GI型スラブ
162 GI型スラブマスク部分(端面未露出タイプ)
163 コア用部分
164 クラッド用部分
165 複合マスク
170 GI型入力導波路群
171 GI型出力導波路群
172 GI型アレー導波路
173 GI型入力スラブ
174 GI型出力スラブ
175 多重入射光(λ、…、λ
176 出射光(λ)、…、(λ
177 GI型入力導波路群マスク部分
178 GI型出力導波路群マスク部分
179 GI型アレー導波路マスク部分
180 GI型入力スラブ部分マスク
181 GI型出力スラブ部分マスク
201 シリコン基板
202 光源
203 信号処理部
204 電気回路部
205 V溝
206 光ファイバー
207 導波路型屈折率分布レンズ(WG−GRINレンズ)
208 GI型コア
211 透明基板
212 大コア径光ファイバー
213 受光部
220 光源アレー
221 光ファイバーアレー
222 導波路型屈折率分布レンズアレー(WG−GRINレンズアレー)
223 第kフィルター
224 波長多重光(λ、…、λ
225 第k屈折率分布型コア
226 クラッド
227 ジグザグ導波路型屈折率分布レンズ
228 入力側光ファイバーアレー
229 出力側光ファイバーアレー
230 光アイソレーター
231 入力側導波路型屈折率分布レンズアレー
232 出力側導波路型屈折率分布レンズアレー
233 偏光子
234 ファラデー素子
235 検光子
236 シングルモード用分岐デバイス
237 入力側マルチモード光ファイバー
238 出力側マルチモード光ファイバーアレー
239 入力側導波路型屈折率分布レンズ
240 出力側導波路型屈折率分布レンズアレー
241 入力側導波路型屈折率分布レンズ
242 出力側導波路型屈折率分布レンズ
243 入力側屈折率分布型コア
244 出力側屈折率分布型コア
245 入力多重光(λ、λ、λ
246 出力多重光(λ、λ
247 出力光(λ
248 クラッド
249 フィルター
250 第1光ファイバー
251 第2光ファイバー
252 第3光ファイバー
260 透明基板
261 屈折率分布型コア
262 クラッド
263 シングルモード用結合デバイス
264 出力側マルチモード光ファイバー
265 入力側マルチモード光ファイバーアレー
266 出力側導波路型屈折率分布レンズ
267 入力側導波路型屈折率分布レンズアレー
270 透明基板
278 クラッド
281 シリコン基板
282 透明基板
283 信号処理部
284 電気回路部
285 V溝
286 導波路型屈折率分布レンズ(WG−GRINレンズ)
293 透明基板
294 屈折率分布型コア
295 クラッド
296 導波路型屈折率分布レンズ
297 透明基板
298 屈折率分布型コア
299 クラッド
301 レーザー
302 入力側レンズ
303 GI型楕円コア
304 GI型導波路楕円レンズ
305 クラッド
306 シート状ポリシラン
307 光ファイバー
308 楕円形ビーム
309 円形ビーム
310 光源
311 GI型コア
312 GI型導波路レンズ
313 クラッド
314 先球GI型レンズ
315 シート状ポリシラン
316 光ファイバー
317 コア
318 円形ビーム
319 円形ビーム
320 GI型導波路楕円レンズ
321 GI型コア
322 クラッド
323 楕円形ビーム
325 光源
401 光源
402 光ファイバー
403 間隙
404 シート状ポリシラン(硬化前)
405 屈折率分布型コア
406 クラッド
407 導波路型屈折率分布レンズ(WG−GRINレンズ)
408 固定部
409 UV照射
410 UV透過率分布上マスク
411 UV透過率分布下マスク
412 受光素子
413 大口径光ファイバー
414 光ファイバーアレー
415 光源アレー
416 透明基板
417 透明基板
418 第1切断刃
419 第1切断部分
420 充填ノズル
421 第2切断刃
422 第2切断部分
423 光アイソレーター
424 入力側マルチモードファイバー(MMF)
425 出力側マルチモードファイバー(MMF)アレー
426 導波路型屈折率分布レンズパターン
427 シングモードファイバー(SMF)用Y分岐パターン
428 複合マスク板
429 入力側導波路型屈折率分布レンズ
430 出力側導波路型屈折率分布レンズアレー
431 SMF用Y分岐コア
432 SMF用Y分岐部分
440 透明基板
441 V溝
442 透明基板
443 V溝
444 シート状ポリシラン(硬化前)
445 間隙
446 UV照射
447 UV透過率分布上マスク
448 UN透過率分布下マスク
449 屈折率分布型コア
450 クラッド
451 WG−GRINレンズ
452 固定部
453 間隙
454 シート状ポリシラン(硬化前)
455 UV照射
456 UV透過率分布上マスク
457 UV透過率分布下マスク
458 屈折率分布型コア
459 クラッド
460 導波路型屈折率分布レンズアレー
461 固定部
462 光ファイバー
463 間隙
464 シート状ポリシラン(硬化前)
465 UV照射
466 UV透過率分布上マスク
467 UV透過率分布下マスク
468 屈折率分布型コア
469 クラッド
470 導波路型屈折率分布レンズ
471 固定部
475 間隙
476 シート状ポリシラン(硬化前)
477 屈折率分布型コア
478 クラッド
479 固定部
480 透明基板
本発明は、光通信あるいは光ネットワークに適用される、屈折率分布型光学部材および屈折率分布型光学部材の製造方法に関する。より特定的には、コア内のシロキサン構造の濃度を中心からの距離にしたがって中心対称に増加させることで屈折率分布を制御することのできるポリシラン製光学部材に関するものである。
また、本発明の屈折率分布型光学部材は、シート状ポリシランを用い、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部が形成させることで、100℃以上の耐熱性を持たせることを第2の目的としている。
また、本発明は、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用いて、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部を形成させるという簡易なプロセスで作製した本発明の屈折率分布型光学部材を利用した低コストの光モジュールを提供することを第3の目的としている。
また、本発明は、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用いて、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部を形成させるというプロセスで作製した小型の本発明の屈折率分布型光学部材を利用した小型の光モジュールを提供することを第4の目的としている。
また、本発明の光モジュールおよび光モジュールの製造方法は、導波路型屈折率分布レンズを作製すると同時に光学部品の固定ができることを第5の目的としている。
また、第38の本発明は、
前記屈折率分布型光学部材は、コア部が前記発光部および前記受光部の少なくとも一方と軸ズレ状態になるように配置され、前記発光部および前記受光部の少なくとも一方の、前記屈折率分布型光学部材のコア部への入出力端部に対する光の入出力方向を傾斜させている、第29または32の本発明の光モジュールである。
また、第44の本発明は、
前記配置工程は、
前記発光部から前記受光部への光路の光軸が、前記発光部および前記受光部の少なくとも一方と軸ズレ状態になるように、前記発光部および前記受光部を配置する、第41の本発明の光モジュールの製造方法である。
また、第58の本発明は、
前記発光部から前記受光部への光路の光軸が、前記発光部および前記受光部の少なくとも一方と軸ズレ状態になるように、前記発光部および前記受光部が配置されている、第55の本発明の光モジュールである。
本発明により、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用い、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部を形成させることで、簡易なプロセスで屈折率分布型光学部材を作製できる、屈折率分布型光学部材の製造方法を提供できる。
また、本発明により、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用い、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部が形成させることで、100℃以上の耐熱性を持たせることができる、屈折率分布型光学部材を提供できる。
また、本発明により、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用いて、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部を形成させるという簡易なプロセスで作製した本発明の屈折率分布型光学部材を利用した低コストの光モジュールを提供できる。
また、本発明により、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用いて、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部を形成させるというプロセスで作製した小型の本発明の屈折率分布型光学部材を利用した小型の光モジュールを提供できる。
また、本発明により、導波路型屈折率分布レンズを作製すると同時に光学部品の固定ができる、光モジュールおよび光モジュールの製造方法を提供できる。
図7(a)は、屈折率分布の絶対値が周期的に変化するGI型導波路グレーティングを作製する際に用いる上下のマスクの概要図を示し、図7(b)は作製されるGI型導波路グレーティングの概要図を、図7(c)は、そのD−D´断面図を、図7(d)は、そのE−E´断面図をそれぞれ示している。
このように、伝搬方向に沿って周期的に紫外線透過率分布の絶対値が変化する上マスク140および下マスク141を使用すれば、図7(b)に示すような屈折率分布の絶対値が周期的に変化するGI型屈折率部分145を有するGI型導波路グレーティングを作製することができる。屈折率分布が伝搬方向に沿って周期的に変化するので、図7(c)および図7(d)のように、位置によってその断面の屈折率分布が異なる。
なお、図14では、WG−GRINレンズ296が、光源アレー220および光ファイバーアレー221とそれぞれ離れて配置されているように記載しているが、WG−GRINレンズ296に、光源アレー220および光ファイバーアレー221のいずれかを、またはそれらの両方を密接させて配置してもよい。WG−GRINレンズ296を、焦点位置が端面となる長さにすることにより、光源アレー220および光ファイバーアレー221を、WG−GRINレンズ296の端面に密接させて配置させることができる。これらを密接させるように配置すると、機械精度で光軸調整ができるという大きなメリットが得られる。
本実施の形態7の光モジュールは、特定の波長(λ)を透過させ他の波長(λ、…、λ k-1 、λk+1、…、λ)を反射させる第kフィルター(k=1、…、6)223と、ジグザグ導波路型屈折率分布レンズ227とを備えている。なお、ジグザグ導波路型屈折率分布レンズ227が、本発明の屈折率分布型光学部材の一例にあたる。
なお、図16では、入力側光ファイバーアレー228、光アイソレーター230、入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231、出力側導波路型屈折率分布レンズアレー232、出力側光ファイバーアレー229が、それぞれ離れて配置されているように記載しているが、これらを密接させて配置してもよい。入力側導波路型屈折率分布レンズアレー231および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー232の長さを調整することにより、これらを密接させて配置した場合でも、入力側光ファイバーアレー228と出力側光ファイバーアレー229とを最適に結合させることができる。この場合、機械精度で光軸調整ができるという大きなメリットが得られる。
ただし、コア径が50μm以上の大きなMMFとコア径が10μm以下のSMF用Y分岐の光学系は、MMFのビーム径をSMFのビーム径に変換するので、入力側導波路型屈折率分布レンズ429および出力側導波路型屈折率分布レンズアレー430は、いずれも、ほぼ0.25n(n:整数)ピッチの長さを有する。
本発明にかかる屈折率分布型光学部材、および屈折率分布型光学部材の製造方法は、シート状ポリシランを用い、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることでコア部を形成することで、簡易なプロセスで、100℃以上の耐熱性を有し、低コストで小型化を可能にできるので、光通信あるいは光ネットワークに適用される、屈折率分布型光学部材、光モジュール、および屈折率分布型光学部材の製造方法等に有用である。
また本発明は、ポリシランを主成分とするシート状の基材を用いて、紫外線照射と加熱によって起こる酸化反応により屈折率を変化させることによりコア部を形成させることで、簡易なプロセスで、小型の屈折率分布型光学部材を作製でき、その屈折率分布型光学部材を利用して低コストで小型の光モジュールとすることができるので、光通信あるいは光ネットワークに適用される、屈折率分布型光学部材、光モジュール、および屈折率分布型光学部材の製造方法等に有用である。
また、本発明にかかる光モジュールおよび光モジュールの製造方法は、導波路型屈折率分布レンズを作製すると同時に光学部品の固定ができるので、光通信あるいは光ネットワークに適用される、屈折率分布型光学部材、光モジュール、および屈折率分布型光学部材の製造方法等に有用である。
本発明の実施の形態1の屈折率分布型光導波路(GI型光導波路)の構成概要図 本発明の実施の形態1のGI型光導波路の酸素濃度分布を示す図 本発明の実施の形態1のGI型光導波路の屈折率分布を示す図 本発明の実施の形態1のGI型光導波路105のA−A´断面図 (a)本発明の実施の形態1における、ポリシラン系樹脂の酸化による内部構造の変化を示す図、(b)本発明の実施の形態1における、酸化によりシート状ポリシランに形成される屈折率分布を説明する図 (a)本発明の実施の形態1の、GI型光導波路の製造方法の準備工程を示す図、(b)本発明の実施の形態1の、GI型光導波路の製造方法のUV照射工程を示す図、(c)本発明の実施の形態1の、GI型光導波路の製造方法により完成したGI型光導波路を示す図 (a)本発明の実施の形態1の、GI型直線導波路を作製するために使用するマスクの概要図、(b)本発明の実施の形態1の、GI型S字導波路を作製するために使用するマスクの概要図、(c)本発明の実施の形態1の、GI型Y分岐を作製するために使用するマスクの概要図、(d)本発明の実施の形態1の、GI型方向性結合器を作製するために使用するマスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型ビーム変換器を作製する際に用いる上マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型ビーム変換器を作製する際に用いる下マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型ビーム変換器の概要図 本発明の実施の形態2のGI型ビーム変換器のB−B´断面図 本発明の実施の形態2のGI型3次元光導波路を作製する際に用いる上マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型3次元光導波路を作製する際に用いる下マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型3次元光導波路の概要図 本発明の実施の形態2のGI型3次元光導波路のC−C´断面図 本発明の実施の形態2のGI型グレーティングフィルターを作製する際に用いる上下マスクの概要図 本発明の実施の形態2のGI型グレーティングフィルターの概要図 本発明の実施の形態2のGI型グレーティングフィルターのD−D´断面図 本発明の実施の形態2のGI型グレーティングフィルターのE−E´断面図 (a)本発明の実施の形態3の、側壁を露出したGI型MMIカプラーを作製する際に用いる上下マスクの概要図、(b)本発明の実施の形態3の、側壁を露出したGI型MMIカプラーの概要図、(c)本発明の実施の形態3の、側壁を露出したGI型MMIカプラーのF−F´断面図 (a)本発明の実施の形態3の、側壁を露出しないGI型MMIカプラーを作製する際に用いる上下マスクの概要図、(b)本発明の実施の形態3の、側壁を露出しないGI型MMIカプラーの概要図、(c)本発明の実施の形態3の、側壁を露出しないGI型MMIカプラーのG−G´断面図 (a)本発明の実施の形態4のGI型AWGを作製する際に用いる上下マスクの概要図、(b)本発明の実施の形態4のGI型AWGの概要図 本発明の実施の形態5の、光源と光ファイバーを結合する光モジュールの 構成概要図 本発明の実施の形態5の、受光部と光ファイバーを結合する光モジュールの構成概要図 (a)本発明の実施の形態5のWG−GRINレンズを光ファイバーの光軸に合わせて配置した構成図、(b)本発明の実施の形態5のWG−GRINレンズを光ファイバーの光軸とずらして配置した構成図 本発明の実施の形態6の、アレー型光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態7の、ジグザグ形状のコアを有する光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態8の、アレー型光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態9の、シングルモード用分岐デバイスを用いた光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態9の、シングルモード用結合デバイスを用いた光モジュールの構成概要図 本発明の実施の形態10の、3波長光合分岐器の構成概要図 (a)本発明の実施の形態11の光モジュールの構成概要図、(b)本発明の実施の形態11の光モジュールを構成するGI型導波路楕円レンズのH−H´断面図 (a)本発明の実施の形態12の光モジュールの構成概要図、(b)本発明の実施の形態12の光モジュールのビーム形状を示す図、(c)本発明の実施の形態12の光モジュールを構成するGI型導波路楕円レンズのJ−J´断面図 (a)本発明の実施の形態12の、光源の出力ビーム形状が楕円の形状の光モジュールの構成概要図、(b)本発明の実施の形態12の、光源の出力ビーム形状が楕円の形状の光モジュールのビーム形状を示す図、(c)本発明の実施の形態12の、光源の出力ビーム形状が楕円の形状の光モジュールを構成するGI型導波路楕円レンズのK−K´断面図 (a)本発明の実施の形態13の、光源と光ファイバーを備える光モジュールの作製工程の第1工程図、(b)本発明の実施の形態13の、光源と光ファイバーを備える光モジュールの作製工程の第2工程図、(c)本発明の実施の形態13の、光源と光ファイバーを備える光モジュールの作製工程の第3工程図、(d)本発明の実施の形態13の、光源と光ファイバーを備える光モジュールの完成図 (a)本発明の実施の形態13の、大口径光ファイバーと受光素子を備える光モジュールの作製工程の第1工程図、(b)本発明の実施の形態13の、大口径光ファイバーと受光素子を備える光モジュールの作製工程の第2工程図、(c)本発明の実施の形態13の、大口径光ファイバーと受光素子を備える光モジュールの作製工程の第3工程図、(d)本発明の実施の形態13の、大口径光ファイバーと受光素子を備える光モジュールの完成図 (a)本発明の実施の形態14の、光源アレーと光ファイバーアレーを備える光モジュールの作製工程の第1工程図、(b)本発明の実施の形態14の、光源アレーと光ファイバーアレーを備える光モジュールの作製工程の第2工程図、(c)本発明の実施の形態14の、光源アレーと光ファイバーアレーを備える光モジュールの作製工程の第3工程図、(d)本発明の実施の形態14の、光源アレーと光ファイバーアレーを備える光モジュールの完成図 (a)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第1工程図 (b)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第2工程図 (c)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第3工程図 (d)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第4工程図 (e)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第4工程図 (f)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第5工程図 (g)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第5工程図 (h)本発明の実施の形態15の、インライン型光アイソレーターモジュールの作製工程の第6工程図 (a)本発明の実施の形態16の、SMF用光デバイスを含む光モジュールの作製工程の第1工程図 (b)本発明の実施の形態16の、SMF用光デバイスを含む光モジュールの作製工程の第2工程図 (c)本発明の実施の形態16の、SMF用光デバイスを含む光モジュールの作製工程の第3工程図 (d)本発明の実施の形態16の、SMF用光デバイスを含む光モジュールの作製工程の第4工程図 従来の、光導波路の作製装置の構成図 従来の光モジュールの側面図

Claims (28)

  1. 断面の実質上中心で屈折率の極大部分を有し、前記極大部分からの距離にしたがって屈折率が増加しない屈折率分布を有するコア部と、
    前記コア部の周囲の少なくとも一部に接している、屈折率が実質上一様なクラッド部とを備えた屈折率分布型光学部材であって、
    ポリシランを主成分とするシート状の屈折率分布型光学部材。
  2. 前記コア部は、前記屈折率の極大部分からの距離にしたがって、濃度が減少しないシロキサン構造の濃度分布を有している、請求項1に記載の屈折率分布型光学部材。
  3. 前記コア部の前記シロキサン構造の濃度分布は、前記屈折率の極大部分からの距離にしたがって中心対称に実質上放物線に沿って増加する分布である、請求項2に記載の屈折率分布型光学部材。
  4. 前記コア部の前記シロキサン構造の濃度分布は、光の伝搬方向に沿って変化する分布である、請求項2に記載の屈折率分布型光学部材。
  5. 光の伝搬方向に沿って変化する前記シロキサン構造の濃度分布の変化は、周期的である、請求項4に記載の屈折率分布型光学部材。
  6. 前記光の伝搬方向に沿って変化する前記シロキサン構造の濃度分布は、前記シート状のポリシランの膜厚方向および幅方向の両方向に変化して分布する部分と、前記膜厚方向にのみ変化して分布する部分との組合せである、請求項4に記載の屈折率分布型光学部材。
  7. 前記コア部内の光軸は、実質上直線であり、
    前記コア部の長さは、前記光軸上の所望の位置に焦点を有するように調整されている、請求項1に記載の屈折率分布型光学部材。
  8. 前記コア部は、複数設けられている、請求項1に記載の屈折率分布型光学部材。
  9. 前記複数のコア部の少なくとも一対が、一部において光学的に結合している、請求項8に記載の屈折率分布型光学部材。
  10. 前記複数のそれぞれのコア部内の光軸は、実質上直線であり、
    前記複数のコア部は、互いに交差せずに並列して配置されている、請求項8に記載の屈折率分布型光学部材。
  11. 前記複数のそれぞれのコア部内の光軸は、実質上直線であり、
    前記複数のコア部は、隣同士がそれらの端部で一部交差してジグザグ状に配置されている、請求項8に記載の屈折率分布型光学部材。
  12. 前記シート状のポリシランの上下2面の少なくとも1面に、少なくとも紫外線に対して透明な基板を備えた、請求項1に記載の屈折率分布型光学部材。
  13. 前記コア部は、前記屈折率の極大部分からの距離にしたがって、同心楕円形状に実質上放物線に沿って減少する屈折率分布を有する、請求項1に記載の屈折率分布型光学部材。
  14. 前記コア部は、前記屈折率の極大部分からの距離にしたがって、同心円形状または同心楕円形状に実質上放物線に沿って減少する屈折率分布を有しており、入力側および出力側の少なくとも一方の端部領域の断面が、前記端部に向かって面積が小さくなる形状をしている、請求項1に記載の屈折率分布型光学部材。
  15. 前記コア部の前記端部は、曲面形状である、請求項14に記載の屈折率分布型光学部材。
  16. ポリシランを主成分とするシート状の基材を用いた屈折率分布型光学部材の製造方法であって、
    前記シート状の基材上の所望の前記屈折率分布型光学部材の形成位置において、前記シート状の基材の上面および下面から、それぞれマスク板を介して同時に紫外線を照射する紫外線照射ステップと、
    前記シート状の基材に酸素を供給しながら加熱する加熱ステップとを備えた、屈折率分布型光学部材の製造方法。
  17. 前記紫外線照射ステップで紫外線を照射し、前記加熱ステップで酸素を供給しながら加熱することにより、前記シート状の基材のポリシラン構造が、酸化反応により、ポリシラン構造よりも屈折率の小さいシロキサン構造に変化する、請求項16に記載の屈折率分布型光学部材の製造方法。
  18. 前記マスク板は、作製する前記屈折率分布型光学部材のコア部の中心線に平行な線上に紫外線透過率が極小となる部分が分布しており、前記極小となる部分からの、前記平行な線の垂直な面方向への距離にしたがって紫外線透過率が低下しない紫外線透過率分布を有している、請求項16に記載の屈折率分布型光学部材の製造方法。
  19. 前記マスク板の前記紫外線透過率は、前記平行な線から垂直な面方向に離れるにしたがって実質上放物線に沿って増加する、請求項18に記載の屈折率分布型光学部材の製造方法。
  20. 前記紫外線透過率分布は、前記平行な線から垂直な面方向に離れるにしたがって紫外線透過率が増加する部分は、前記平行な線から所定の距離までであり、前記所定の距離が、前記光の伝搬方向に沿って短くなっていく分布である、請求項19に記載の屈折率分布型光学部材の製造方法。
  21. 前記2枚のマスク板は、いずれも、紫外線透過率の極小部分である直線状部分を、互いに交差しない配置で複数有しており、
    それぞれの前記直線状部分から垂直な面方向に離れるにしたがって紫外線透過率が増加する部分は、前記直線状部分から所定の距離までである、請求項18に記載の屈折率分布型光学部材の製造方法。
  22. 前記2枚のマスク板は、いずれも、紫外線透過率の極小部分である直線状部分を、隣同士がそれらの端部で一部交差してジグザグ状に配置される位置に、複数有しており、
    それぞれの前記直線状部分から垂直な面方向に離れるにしたがって紫外線透過率が増加する部分は、前記直線状部分から所定の距離までである、請求項18に記載の屈折率分布型光学部材の製造方法。
  23. 前記シート状の基材の上面および下面に設けた前記マスク板は、互いに等しい紫外線透過率分布を有している、請求項16に記載の屈折率分布型光学部材の製造方法。
  24. 前記シート状の基材の上面に設けた前記マスク板の紫外線透過率分布と、前記シート状の基材の下面に設けた前記マスク板の紫外線透過率分布は、作製する前記屈折率分布型光学部材の光の伝搬方向に沿って、互いに負の相関がある、請求項16に記載の屈折率分布型光学部材の作製方法。
  25. 前記マスク板の紫外線透過率分布は、作製する前記屈折率分布型光学部材の光の伝搬方向に沿って変化する部分を少なくとも有する分布である、請求項16に記載の屈折率分布型光学部材の製造方法。
  26. 前記紫外線透過率分布は、前記光の伝搬方向に沿って周期的に変化する分布である、請求項25に記載の屈折率分布型光学部材の製造方法。
  27. 前記紫外線透過率分布は、前記光の伝搬方向に沿って紫外線透過率が変化する部分と、前記光の伝搬方向に沿って紫外線透過率が一様な部分との組合せである、請求項25に記載の屈折率分布型光学部材の製造方法。
  28. 前記シート状の基材の上下2面の少なくとも1面に、少なくとも紫外線に透明な基板を備えた、請求項16に記載の屈折率分布型光学部材の製造方法。
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